明 細 書
偏光板保護フィルム及びその製造方法、偏光板、液晶表示装置 技術分野
[0001] 本発明は、セルロースエステルフィルムを用いた偏光板保護フィルム、偏光板及び その製造方法、液晶表示装置に関する。
背景技術
[0002] 近年、ノートパソコンの薄型軽量化、大型画面化、高精細化の開発が進んでいる。
それに伴って、液晶偏光板用の保護フィルムもますます薄膜化、広幅化、高品質ィ匕 の要求が強くなつてきている。偏光板用保護フィルムには、一般的にセルロースエス テルフィルムが広く使用されている。セルロースエステルフィルムは通常卷芯に巻か れてフィルム原反となり、保存、輸送されている。
[0003] これらのセルロースエステルフィルムは、これまで、専ら溶液流延法によって製造さ れてきた。溶液流延法とは、セルロースエステルを溶媒に溶解した溶液を流延してフ イルム形状を得た後、溶媒を蒸発 ·乾燥させてフィルムを得ると ヽつた製膜方法であ る。溶液流延法で製膜したフィルムは平面性が高いため、これを用いてムラのない高 画質な液晶ディスプレイを得ることができる。
[0004] しかし、溶液流延法は多量の有機溶媒を必要とし、環境負荷が大き 、ことも課題と なっていた。セルロースエステルフィルムは、その溶解特性から、環境負荷の大きい ノ、ロゲン系溶媒を用いて製膜されているため、特に溶剤使用量の削減が求められて おり、溶液流延製膜によってセルロースエステルフィルムを増産することは困難となつ てきている。
[0005] また、フィルム内部に残存する溶媒を除去しなければならな 、ため、乾燥ライン、乾 燥エネルギー、及び蒸発した溶媒の回収及び再生装置等、製造ラインへの設備投 資及び製造コストが膨大になっており、これらを削減することも重要な課題となってい る。
[0006] 近年、銀塩写真用ある!/ヽは偏光板保護フィルム用として、セルロースエステルを溶 融製膜する試みが行なわれて 、るが、セルロースエステルは溶融時の粘度が非常に
高い高分子であり、かつ、ガラス転移温度も高いため、セルロースエステルを溶融し てダイス力 押出し、冷却ドラムまたは冷却ベルト上にキャスティングしてもレべリング がし難い、光学特性、機械特性が溶液流延フィルムよりも低いといった課題を有して いることが判明している (例えば、特許文献 1及び特許文献 2参照)。
[0007] 例えば、従来の TACフィルムの代わりに、セルロース誘導体フィルムを延伸すること により位相差を発現させ、これをアルカリけん化処理してポリビニルアルコール系偏 光子をラミネートすることにより位相差フィルムの機能を併せ持つ偏光板保護フィルム が開示されている (例えば、特許文献 3参照。 ) 0し力 ながらこのタイプの偏光板保 護フィルムに、上記溶融製膜されたセルロースエステルフィルムを適用すると、湿度 変動によるリタ一デーシヨン値変動が大きぐコントラストムラの発生等により実用上障 害があることが分力つた。
[0008] 更に、フィルム原反の状態で長期間保存すると、馬の背故障やフィルム原反の卷芯 部分には卷芯転写と呼ばれる故障及び卷始めるときにフィルムにシヮが発生しやす い問題があることが判明した。近年、大型画面化に伴って、フィルム原反の幅は広ぐ 卷長は長くすることが要望されている。そのため、フィルム原反は幅広となり、フィルム 原反荷重は増加する傾向にあり、これらの故障がより発生しやすい状況のため、改良 が望まれている。
特許文献 1:特表平 6 - 501040号公報
特許文献 2:特開 2000— 352620号公報
特許文献 3:特開 2003 - 270442号公報
発明の開示
[0009] 本発明の目的は、湿度変動によるリタ一デーシヨン値変動を抑制して表示品位が 安定したセルロースエステルフィルム、長期間保存しても馬の背故障や凸状故障等 のフィルム原反の変形故障が発生しな 、セルロースエステルフィルムを使用した偏光 板保護フィルム、該偏光板保護フィルムの製造方法、偏光板及び、該偏光板を用い た液晶表示装置を提供す ることにある。
[0010] 上記目的を達成するための、本発明の態様の一つは、フラノース構造もしくはピラノ ース構造を 1個有す化合物 (A)中の、あるいはフラノース構造もしくはビラノース構造
の少なくとも 1種を 2〜 12個結合した化合物(B)中の OH基のすべてもしくは一部を エステルイ匕した糖エステルイ匕合物とセルロースエステル及び下記一般式 (R)または( Ra)で表される化合物とを含有することを特徴とする偏光板保護フィルムにある。
[0011] [化 1] 般式 (R) 般式 (Ra)
[0012] [図 1]本発明に係る偏光板保護フィルムの製造方法を実施する装置の 1つの実施形 態を示す概略フローシートである。
[図 2]図 1の製造装置の要部拡大フローシートである。
[図 3]図 3 (a)は流延ダイの要部の外観図、図 3 (b)は流延ダイの要部の断面図である [図 4]挟圧回転体の第 1実施形態の断面図である。
[図 5]挟圧回転体の第 2実施形態の回転軸に垂直な平面での断面図である。
[図 6]挟圧回転体の第 2実施形態の回転軸を含む平面での断面図である。
[図 7]液晶表示装置の構成図の概略を示す分解斜視図である。
[図 8]偏光板保護フィルム原反の保管の状態を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0013] 本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(1)フラノース構造もしくはビラノース構造を 1個有すィ匕合物 (A)中の、あるいはフラノ ース構造もしくはビラノース構造の少なくとも 1種を 2〜12個結合したィ匕合物 (B)中の OH基のすべてもしくは一部をエステルイ匕した糖エステルイ匕合物とセルロースエステ ル及び下記一般式 (R)または (Ra)で表される化合物とを含有することを特徴とする
偏光板保護フィルム。
[0014] [化 2]
[0015] (式中、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表し、 Rは水素
2 5 6 原子または置換基を表し、 nは 1または 2を表す。 nが 1であるとき、 Rは置換基を表し
1
、 nが 2であるとき、 Rは 2価の連結基を表す。 )
1
[0017] (式中、 nは 2〜4の整数を表す。 mは 1〜3の整数を表す。 R 及び R はおのおの互 la 6a
いに独立して水素原子又は置換基を表す。 R は水素原子又は置換基を表す。なお ta
、R 同士が互いに結合して環を形成しても良い。 R は 2〜4価の連結基を表す。) ta ka
(2)前記一般式 (R)中、 nが 1である場合の R、又は、前記一般式 (Ra)中、 nが 1で ある場合の R
laは、共役系の置換基であることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板 保護フィルム。
(3)前記一般式 (R)で表される化合物が、下記一般式 (R— 1)で表される化合物で あることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の偏光板保護フィルム。
[0018] [化 4]
[0019] (式中、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。 R〜R
2 5 7 11 はおのおの互いに独立して水素原子、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基、炭素原 子数 1ないし 18のアルコキシ基を表す。)
(4)前記一般式 (R-1)中、 R〜R のハメットの σ 値の総和が 0以下であることを特
7 11 Ρ
徴とする前記(1)〜(3)の 、ずれか 1項に記載の偏光板保護フィルム。
(5)前記一般式 (R)で表される化合物が、下記一般式 (R— 2)で表される化合物で あることを特徴とする前記(1)〜 (4)の ヽずれか 1項に記載の偏光板保護フィルム。
[0020] [化 5]
[0021] (式中、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。 )
2 5
(6)前記一般式 (R)中、 Rが水素原子であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいず
5
れか 1項に記載の偏光板保護フィルム。
(7)前記一般式 (Ra)で表される化合物が、下記一般式 (R- 3)で表される化合物で あることを特徴とする前記(1)〜(6)の ヽずれか 1項に記載の偏光板保護フィルム。
[0022] [化 6]
(式中、 R、 R、 R、 R、 Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表
1 2 3 5 6
す。なお、 R
2と R
3は、互いに結合して環を形成しても良い。 Xは 2価の連結基を表す o )
(8)ホスホナイト化合物を含有することを特徴とする前記(1)〜(7)の ヽずれか 1項に 記載の偏光板保護フィルム。
(9)ヒンダードフ ノールイ匕合物を含有することを特徴とする前記(8)に記載の偏光 板保護フィルム。
(10)前記糖エステルイ匕合物を偏光板保護フィルムの質量に対して 1〜35質量%含 むことを特徴とする前記(1)〜(9)の ヽずれか 1項に記載の偏光板保護フィルム。
(11)前記化合物(A)がグルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロー ス、あるいはァラビノースの 、ずれかであることを特徴とする前記( 1)〜( 10)のいず れか 1項に記載の偏光板保護フィルム。
(12)前記化合物(B)がフラノース構造の少なくとも 1種およびビラノース構造の少な くとも 1種を有する化合物であることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれか 1項に 記載の偏光板保護フィルム。
(13)前記化合物(B)がラタトース、スクロース、ニストース、 1F-フラクトシルニストース 、スタキオース、マノレチトーノレ、ラクチトーノレ、ラクチュロース、セロビオース、マノレトー ス、セロトリオース、マノレトトリオース、ラフイノース、ケストース、ゲンチオビオース、ゲン チォトリオース、ゲンチォテトラオース、キシロトリオースあるいはガラクトシルスクロー スの 、ずれかであることを特徴とする前記(1)〜(10)の 、ずれか 1項に記載の偏光 板保護フィルム。
(14)前記化合物(B)がスクロースであることを特徴とする前記(13)に記載の偏光板 保護フィルム。
(15)偏光子の少なくとも一方の面に前記(1)〜(14)のいずれか 1項に記載の偏光 板保護フィルムを設けたことを特徴とする偏光板。
(16)前記(15)に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に用いることを特 徴とする液晶表示装置。
(17)フラノース構造もしくはビラノース構造を 1個有すィ匕合物 (A)中の、あるいはフラ ノース構造もしくはビラノース構造の少なくとも 1種を 2〜12個結合したィ匕合物 (B)中 の OH基のすべてもしくは一部をエステル化した糖エステル化合物とセルロースエス テル及び下記一般式 (R)または (Ra)で表される化合物の混合物を溶融し、該溶融 物を流延ダイ力 フィルム状に押出した後、冷却用支持体上で冷却してフィルムを作 製し、該フィルムを冷却用支持体上から剥離し、該剥離したフィルムを延伸し、該延 伸したフィルムをロール状に巻き取ることを特徴とする偏光板保護フィルムの製造方 法。
[0024] [化 7] 一般式 (R)
[0025] (式中、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表し、 Rは水素
2 5 6 原子または置換基を表し、 nは 1または 2を表す。 nが 1であるとき、 Rは置換基を表し
1
、 nが 2であるとき、 Rは 2価の連結基を表す。 )
1
[0027] (式中、 nは 2〜4の整数を表す。 mは 1〜3の整数を表す。 R 及び R はおのおの互 la 6a
いに独立して水素原子又は置換基を表す。 R は水素原子又は置換基を表す。なお ta
、R 同士が互いに結合して環を形成しても良い。 R は 2〜4価の連結基を表す。) ta ka
(18)前記一般式 (R)中、 nが 1である場合の R、又は、前記一般式 (Ra)中、 nが 1で ある場合の R は、共役系の置換基であることを特徴とする前記(17)に記載の偏光 la
板保護フィルムの製造方法。
(19)前記一般式 (R)で表される化合物が、下記一般式 (R- 1)で表される化合物で あることを特徴とする前記(17)または(18)に記載の偏光板保護フィルムの製造方法
[0028] [化 9]
[0029] (式中、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。 R〜R
2 5 7 11 はおのおの互いに独立して水素原子、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基、炭素原 子数 1ないし 18のアルコキシ基を表す。)
(20)前記一般式 (R-1)中、 R〜R のハメットの σ 値の総和が 0以下であることを特
7 11 Ρ
徴とする前記( 17)〜( 19)項の 、ずれか 1項に記載の偏光板保護フィルムの製造方
法。
(21)前記一般式 (R)で表される化合物が、下記一般式 (R— 2)で表される化合物で あることを特徴とする前記(17)〜(20)のいずれか 1項に記載の偏光板保護フィルム の製造方法。
[化 10]
—般式 (R— 2)
[0031] (式中、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。 )
2 5
(22)前記一般式 (R)中、 Rが水素原子であることを特徴とする前記(17)〜(21)の
5
いずれか 1項に記載の偏光板保護フィルムの製造方法。
(23)前記一般式 (Ra)で表される化合物力 下記一般式 (R— 3)で表される化合物 であることを特徴とする前記(17)〜(22)のいずれか 1項に記載の偏光板保護フィル ムの製造方法。
[0032] [化 11] 一般式 (R— 3)
[0033] (式中、 R、 R、 R、 R、 Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表
1 2 3 5 6
す。なお、 Rと Rは、互いに結合して環を形成しても良い。 Xは 2価の連結基を表す
2 3
o )
(24)前記(17)〜(23)の 、ずれか 1項に記載の偏光板保護フィルムの製造方法に ぉ ヽて、該偏光板保護フィルムがホスホナイト化合物を含有することを特徴とする偏 光板保護フィルムの製造方法。
(25)前記 (24)に記載の偏光板保護フィルムの製造方法において、該偏光板保護 フィルムがヒンダードフエノールイ匕合物を含有することを特徴とする偏光板保護フィル ムの製造方法。
(26)前記(17)〜(25)の 、ずれか 1項に記載の偏光板保護フィルムの製造方法に ぉ ヽて、該偏光板保護フィルムが前記糖エステル化合物を該偏光板保護フィルムの 質量に対して 1〜35質量%含むことを特徴とする偏光板保護フィルムの製造方法。
(27)前記(17)〜(26)の 、ずれか 1項に記載の偏光板保護フィルムの製造方法に おいて、前記化合物(A)がグルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシ ロース、ある 、はァラビノースの 、ずれかであることを特徴とする偏光板保護フィルム の製造方法。
(28)前記(17)〜(26)の 、ずれか 1項に記載の偏光板保護フィルムの製造方法に おいて、前記化合物(B)がフラノース構造の少なくとも 1種およびビラノース構造の少 なくとも 1種を有する化合物であることを特徴とする偏光板保護フィルムの製造方法。
(29)前記(17)〜(26)の 、ずれか 1項に記載の偏光板保護フィルムの製造方法に おいて、前記化合物(B)がラタトース、スクロース、ニストース、 1F-フラクトシル-スト ース、スタキオース、マノレチトーノレ、ラクチトーノレ、ラクチュロース、セロビオース、マノレ トース、セロトリオース、マノレトトリオース、ラフイノース、ケストース、ゲンチオビオース、 ゲンチォトリオース、ゲンチォテトラオース、キシロトリオースあるいはガラクトシルスク ロースのいずれかであることを特徴とする偏光板保護フィルムの製造方法。
(30)前記(29)に記載の偏光板保護フィルムの製造方法において、前記化合物 (B) 力 Sスクロースであることを特徴とする偏光板保護フィルムの製造方法。
本発明により、湿度変動によるリタ一デーシヨン値変動を抑制して表示品位が安定 したセルロースエステルフィルム、長期間保存しても馬の背故障や凸状故障等のフィ ルム原反の変形故障が発生しな 、セルロースエステルフィルムを使用した偏光板保 護フィルム、偏光板及びその製造方法、該偏光板を用いた液晶表示装置を提供する
ことができる。
[0035] 以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明は これらに限定するものではない。尚、本発明にかかる偏光板保護フィルムを単にセル ロースエステルフィルムと 、う場合もある。
[0036] 《一般式 (R)または (Ra)で表される化合物》
本発明は、セルロースエステルフィルムからなる偏光板保護フィルムにおいて、前 記セルロースエステルフィルムが前記一般式 (R)または (Ra)で表される化合物を含 有することが特徴である。
[0037] 一般式 (R)において、 R 〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を
2 5
表し、 Rは水素原子または置換基を表し、 nは 1または 2を表す。 nが 1であるとき、 R
6 1 は置換基を表し、 nが 2であるとき、 Rは 2価の連結基を表す。
1
[0038] R 〜Rで表される置換基は、特に制限はな!/、が、例えば、アルキル基 (例えば、メ
1 6
チル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 t ブチル基、ペンチル基、へキシ ル基、ォクチル基、ドデシル基、トリフルォロメチル基等)、シクロアルキル基 (例えば、 シクロペンチル基、シクロへキシル基等)、ァリール基(例えば、フエ-ル基、ナフチル 基等)、ァシルァミノ基 (例えば、ァセチルァミノ基、ベンゾィルァミノ基等)、アルキル チォ基 (例えば、メチルチオ基、ェチルチオ基等)、ァリールチオ基 (例えば、フエ二 ルチオ基、ナフチルチオ基等)、ァルケ-ル基 (例えば、ビニル基、 2—プロぺニル基 、 3 ブテュル基、 1ーメチルー 3 プロぺ-ル基、 3 ペンテ-ル基、 1ーメチルー 3 ーブテニル基、 4一へキセ -ル基、シクロへキセニル基等)、ハロゲン原子(例えば、 フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基 (例えば、プロパル ギル基等)、複素環基 (例えば、ピリジル基、チアゾリル基、ォキサゾリル基、イミダゾリ ル基等)、アルキルスルホ -ル基(例えば、メチルスルホ -ル基、ェチルスルホ -ル基 等)、ァリールスルホ -ル基(例えば、フエ-ルスルホ-ル基、ナフチルスルホ -ル基 等)、アルキルスルフィエル基(例えば、メチルスルフィエル基等)、ァリールスルフィ- ル基(例えば、フエ-ルスルフィエル基等)、ホスホノ基、ァシル基(例えば、ァセチル 基、ビバロイル基、ベンゾィル基等)、力ルバモイル基 (例えば、ァミノカルボ-ル基、 メチルァミノカルボ-ル基、ジメチルァミノカルボ-ル基、ブチルァミノカルボ-ル基、
シクロへキシルァミノカルボ-ル基、フエ-ルァミノカルボ-ル基、 2—ピリジルァミノ力 ルポ-ル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホ -ル基、メチルアミノスルホ- ル基、ジメチルアミノスルホ -ル基、ブチルアミノスルホ -ル基、へキシルアミノスルホ -ル基、シクロへキシルアミノスルホ -ル基、ォクチルアミノスルホ -ル基、ドデシルァ ミノスルホ-ル基、フエ-ルアミノスルホ -ル基、ナフチルアミノスルホ -ル基、 2—ピリ ジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基 (例えば、メタンスルホンアミド基、ベン ゼンスルホンアミド基等)、シァノ基、アルコキシ基 (例えば、メトキシ基、エトキシ基、 プロポキシ基等)、ァリールォキシ基 (例えば、フエノキシ基、ナフチルォキシ基等)、 複素環ォキシ基、シロキシ基、ァシルォキシ基 (例えば、ァセチルォキシ基、ベンゾィ ルォキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、ァミノカルボニルォキシ基、アミノ基 (例えば、アミノ基、ェチルァミノ基、ジメチルァミノ基、プチルァミノ基、シクロペンチ ルァミノ基、 2—ェチルへキシルァミノ基、ドデシルァミノ基等)、ァ-リノ基 (例えば、フ ェ-ルァミノ基、クロ口フエ-ルァミノ基、トルイジノ基、ァ-シジノ基、ナフチルァミノ基
、 2—ピリジルァミノ基等)、イミド基、ウレイド基 (例えば、メチルウレイド基、ェチルウレ イド基、ペンチルゥレイド基、シクロへキシルウレイド基、ォクチルゥレイド基、ドデシル ウレイド基、フエ-ルゥレイド基、ナフチルウレイド基、 2—ピリジルアミノウレイド基等) 、アルコキシカルボ-ルァミノ基(例えば、メトキシカルボ-ルァミノ基、フエノキシカル ボ-ルァミノ基等)、アルコキシカルボ-ル基(例えば、メトキシカルボ-ル基、ェトキ シカルボ-ル基、フエノキシカルボ-ル等)、ァリールォキシカルボ-ル基(例えば、 フエノキシカルボ-ル基等)、複素環チォ基、チォウレイド基、カルボキシル基、カル ボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。これらの 置換基は同様の置換基によってさらに置換されて 、てもよ 、。
[0039] 前記一般式 (R)にお 、て、 R〜Rは水素原子またはアルキル基が好まし!/、。
2 5
[0040] 前記一般式 (R)にお!/、て、 Rは水素原子または置換基を表し、 Rで表される置換
6 6
基は、 R〜Rが表す置換基と同様な基を挙げることができる。 Rは置換基であって
2 5 5
もよいが、水素原子である事が好ましい。特に、 Rは水素原子が好ましい。
6
[0041] 前記一般式 (R)において、 nは 1または 2の整数を表す力 nが 1であるとき、 Rは置 換基を表し、上記で説明した通りである。 nが 2のとき、 Rは 2価の連結基を表す。
[0042] 尚、 nが 1である場合、 は、共役系の置換基である事が好ましい。共役系の置換 基の例としては、エチレン、アセチレン、ブタジエン、ピリジン、アントラセン、ピレン、フ ラン、ベンゼン環、ナフタレンなどの芳香族炭化水素ゃ複素環などが挙げられる。好 ましくは、ベンゼン環、ナフタレンなどの芳香族炭化水素である。
[0043] R力 ^価の連結基を表すとき、 2価の連結基として例えば、置換基を有してもよい 2 価のアルキレン基、置換基を有してもよい 2価のァリーレン基、酸素原子、窒素原子、 硫黄原子、あるいはこれらの連結基の組み合わせを挙げることができる。
[0044] 前記一般式 (R)において、 nは 1力 子ましく、その時の Rは置換または無置換のフ ェニル基が好ましい。より具体的には、前述の一般式 (R—1)であることが好ましい。 前記一般式 (R—1)において、 R 〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または
2 5
置換基を表す。 R 〜R はおのおの互いに独立して水素原子、炭素原子数 1ないし
7 11
18のアルキル基、炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基を表す。
[0045] 前記一般式 (R— 1)において、 R 〜R のハメットの σ 値の総和が 0以下である事
7 11 Ρ
が好ましい。ここで、本明細書中で用いられる σ ρ値について説明する。ハメット則は ベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために 1935年 L. P. Hammettにより提唱された経験則である力 これは今日広く妥当性 が認められている。ノ、メット則により求められた置換基定数には σ p値と σ m値があり 、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例え . A. Dean編、「 Lange's Handbook of Chemistry」第 12版、 1979年(McGraw—Hill)や「ィ匕学の領域」 増刊、 122号、 96〜103頁、 1979年 (南光堂)に詳しい。なお、本発明において各 置換基をハメットの置換基定数 σ ρ値により限定したり、説明したりするが、これは上 記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味では なぐその値が文献未知であってもノ、メット則に基づいて測定した場合にその範囲内 に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本明細書において、 σ ρ値 はこの意味を表わす。
[0046] 前記一般式 (R— 1)の好まし!/ヽ一例として、前記一般式 (R— 2)の化合物が挙げら れる。前記一般式 (R— 2)において、 R 〜Rはおのおの互いに独立して水素原子ま
2 5
たは置換基を表す。
[0047] 次に本発明の一般式 (Ra)の化合物にっ 、て説明する。
[0048] 前記一般式 (Ra)において、 nは 2〜4の整数を表す。 mは 1〜3の整数を表す。 R la 及び R は各々独立して水素原子又は置換基を表す。 R は水素原子又は置換基を oa ta
表す。なお、 R 同士が互いに結合して環を形成してもよい。 R は 2〜4価の連結基 ta ka を表す。
[0049] R 及び R の具体例については、上述した R及び Rについての説明を適用できる la 6a 1
。尚、 nが 1である場合、 R は、共役系の置換基である事が好ましい。共役系の置換 la
基の例としては、エチレン、アセチレン、ブタジエン、ピリジン、アントラセン、ピレン、フ ラン、ベンゼン環、ナフタレンなどの芳香族炭化水素ゃ複素環などが挙げられる。好 ましくは、ベンゼン環、ナフタレンなどの芳香族炭化水素である。
[0050] 前記一般式 (Ra)の好ま ヽ一例として、前記一般式 (R— 3)の化合物が挙げられ る。前記一般式(R— 3)において、 R , R , R , R , Rはおのおの互いに独立して水
1 2 3 5 6
素原子または置換基を表す。なお、 Rと Rは、互いに結合して環を形成してもよい。
2 3
Xは 2価の連結基を表す。
[0051] 次に、一般式 (R)について別の観点から詳細に説明する。
[0052] 一般式 (R)において、 nは 1または 2を表し; nが 1であるとき、 Rはおのおの未置換
1
の、または炭素原子数 1ないし 4のアルキル基、炭素原子数 1ないし 4のアルコキシ基 、炭素原子数 1ないし 4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、炭 素原子数 1な 、し 4のアルキルアミノ基、フエ-ルァミノ基またはジ (炭素原子数 1な!ヽ し 4のアルキル)ーァミノ基で置換された、ナフチル基、フエナントリル基、アントリル基 、 5, 6, 7, 8—テトラヒドロー 2 ナフチノレ基、 5, 6, 7, 8—テトラヒドロー 1 ナフチノレ 基、チェ-ル基、ベンゾ [b]チェニル基、ナフト [2, 3— b]チェニル基、チアントレ- ル基、ジベンゾフリル基、クロメニル基、キサンテュル基、フエノキサンチュル基、ピロ リル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ビラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、 インドリジ-ル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリ-ル基、キノリ ジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタルアジニル基、ナフチリジ-ル基、キノキサ リニル基、キナゾリニル基、シノリル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、 β カルボ リニル基、フエナンチリジニル基、アタリジニル基、ペリミジニル基、フエナント口リニル
基、フ ナジニル基、イソチアゾリル基、フ ノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザ ニル基、ビフヱ-ル基、テルフエ-ル基、フルォレ -ル基またはフエノキサジ-ル基を 表すか、あるいは Rは下記式(II)で表される基
1
[化 12]
を表し、ならびに; nが 2であるとき、 Rは未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のァ
1
ルキル基もしくはヒドロキシ基により置換されたフエ-レン基、またはナフチレン基を表 すか;または— R — X— R —(基中、 Xは直接結合;酸素原子、硫黄原子もしくは—
12 13
NR を表す。)を表し; R、 R、 R及び Rはおのおの互いに独立して水素原子、塩
31 2 3 4 5
素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 25のアルキル基、炭素原子数 7ないし 9の フエ-ルアルキル基、未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フエ -ル基、未置換のもしくは炭素原子数 1な 、し 4のアルキル 置換炭素原子数 5な ヽ し 8のシクロアルキル基;炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキルチオ基、炭素原子数 1ないし 4のアルキルアミノ基、ジ (炭素原子数 1な いし 4のアルキル)アミノ基、炭素原子数 1ないし 25のアルカノィルォキシ基、炭素原 子数 1な!、し 25のアルカノィルァミノ基、炭素原子数 3な!、し 25のァルケノィルォキシ 基;酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ない
14
し 25のアルカノィルォキシ基;炭素原子数 6ないし 9のシクロアルキルカルボ-ルォキ シ基、ベンゾィルォキシ基または炭素原子数 1な 、し 12のアルキル—置換べンゾィ ルォキシ基を表し (ただし、 Rが水素原子またはメチル基の場合、式 (II)中の、後述
2
する Rまたは Rはヒドロキシ基または炭素原子数 1ないし 25のアルカノィルォキシ基
7 9
を表さない。 );あるいは置換基 R及び Rまたは、 R及び Rまたは R及び Rのおのお
2 3 3 4 4 5 のの対は結合している炭素原子と一緒になつて、ベンゼン環を形成し; Rはさらに一
(CH ) -COR または—(CH ) OH (式中、 pは 0、 1または 2を表し; qは 1、 2、 3、 4
2 p 15 2 q
、 5及び 6を表す。)を表し;あるいは R、 R及び Rが水素原子を表す場合、 Rはさら
3 5 6 4 に下記式(III)
[化 13]
[0056] (式中、 Rは n= lに対して上記で定義されたと同じ意味を表す。)で表される基を表
1
し; Rは水素原子または下記式 (IV)
6
[0057] [化 14]
[0058] (式中、 Rは式 (III)の基でなく n= 1に対して上記で定義された Rと同じ意味を表す。
4 1
)で表される基を表し; R、 R、 R
7 8 9及び R
10はおのおの互いに独立して水素原子、ハロ ゲン原子、ヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 25のアルキル基;酸素原子、硫黄原子 もしくは— N (R )—を炭素鎖の中に含む炭素原子数 2ないし 25のアルキル基;炭素
14
原子数 1ないし 25のアルコキシ基;酸素原子、硫黄原子もしくは— N (R )—を炭素
14 鎖の中に含む炭素原子数 2な 、し 25のアルコキシ基;炭素原子数 1な 、し 25のアル キルチオ基、炭素原子数 3ないし 25のァルケ-ル基、炭素原子数 3ないし 25のアル ケニルォキシ基、炭素原子数 3ないし 25のアルキ-ル基、炭素原子数 3ないし 25の アルキ -ルォキシ基、炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルキル基、炭素原子数 7な
いし 9のフエ-ルアルコキシ基、未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フ -ル基、未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フエノキ シ基;未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換炭素原子数 5ないし 8 のシクロアルキル基;未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換炭素 原子数 5ないし 8のシクロアルコキシ基;炭素原子数 1ないし 4のアルキルアミノ基、ジ (炭素原子数 1な 、し 4アルキル)アミノ基、炭素原子数 1な!、し 25のアルカノィル基; 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし 2
14
5のアルカノィル基;炭素原子数 1な ヽし 25のアルカノィルォキシ基;酸素原子、硫黄 原子もしくは— N (R )—を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし 25のアルカノィル
14
ォキシ基;炭素原子数 1ないし 25のアルカノィルァミノ基、炭素原子数 3ないし 25の アルケノィル基;酸素原子、硫黄原子もしくは—N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素
14
原子数 3な!、し 25のアルケノィル基;炭素原子数 3な!、し 25のアルケノィルォキシ基 ;酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし
14
25のァルケノィルォキシ基;炭素原子数 6ないし 9のシクロアルキルカルボニル基、炭 素原子数 6な!/、し 9のシクロアルキルカルボニルォキシ基、ベンゾィル基または炭素 原子数 1な!、し 12のアルキル置換ベンゾィル基;ベンゾィルォキシ基または炭素原 子数 1ないし 12のアルキル置換ベンゾィルォキシ基;
[0059] [化 15]
R18 R20 n21
一 O— C一 C— R15 または 一 O— C— C— O— R23
H R 2
[0060] を表すか、また、式(II)中、置換基 R及び Rまたは R及び R のおのおのの対は、結
7 8 8 11
合している炭素原子と一緒になつて、ベンゼン環を形成し、 R は水素原子、炭素原
11
子数 1ないし 25のアルキル基、炭素原子数 1ないし 25のアルキルチオ基、炭素原子 数 3ないし 25のァルケ-ル基、炭素原子数 3ないし 25のアルキ-ル基、炭素原子数 7な!、し 9のフエ-ルアルキル基、未置換のもしくは炭素原子数 1な 、し 4のアルキル 置換 フ ニル基、未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル置換 炭素原 子数 5な!、し 8のシクロアルキル基;炭素原子数 1な!、し 4のアルキルアミノ基、ジ (炭
素原子数 1な 、し 4のアルキル)アミノ基、炭素原子数 1な!、し 25のアルカノィル基; 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし 2
14
5のアルカノィル基;炭素原子数 1ないし 25のアルカノィルァミノ基、炭素原子数 3な いし 25のァルケノィル基;酸素原子、硫黄原子もしくは— N (R )—を炭素鎖の中に
14
含む炭素原子数 3な!、し 25のアルケノィル基;炭素原子数 6な!、し 9のシクロアルキ ルカルボニル基、ベンゾィル基または炭素原子数 1な!、し 12のアルキル 置換ベン ゾィル基を表し;ただし、 R、 R、 R、 R または R の少なくとも 1つは水素原子でなく;
7 8 9 10 11
R 及び R はおのおの互いに独立して未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアル
12 13
キル 置換フエ-レン基またはナフチレン基を表し; R は水素原子または炭素原子
14
数 1ないし 8のアルキル基を表し; R はヒドロキシ基、下記基
15
[0061] [化 16]
-0" -J-Mr+ ]
[0062] (基中、 Mは r価の金属カチオンを表し、及び rは 1、 2もしくは 3を表す。 )、炭素原子 数 1ないし 18のアルコキシ基または
[0063] [化 17]
— N
[0064] を表し; R 及び R はおのおの互いに独立して水素原子、 CF、炭素原子数 1ないし
16 17 3
12のアルキル基またはフエ二ル基を表す力、あるいは R 及び R は結合している炭
16 17
素原子と一緒になつて、未置換のもしくは 1な 、し 3個の炭素原子数 1な 、し 4のアル キル基により置換された炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキリデン環を形成し; R 及
18 び R はおのおの互いに独立して、水素原子、炭素原子数 1ないし 4のアルキル基、
19
フエ二ル基を表し; R は水素原子または炭素原子数 1ないし 4のアルキル基を表し;
20
R は水素原子、未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フエニル
基、炭素原子数 1ないし 25のアルキル基;酸素原子、硫黄原子— N (R )—を炭素
14
鎖の中に含む炭素原子数 2な 、し 25のアルキル基;未置換のもしくはフエニル部分 にお 、て 1な!、し 3個の炭素原子数 1な 、し 4のアルキル基で置換された炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルキル基;酸素原子、硫黄原子もしくは— N (R )—を炭素鎖
14
の中に含み、かつ、未置換のもしくはフエ-ル部分において 1ないし 3個の炭素原子 数 1な 、し 4のアルキル基で置換された炭素原子数 7な!、し 25のフエ-ルアルキル基 を表し;あるいは R 及び R は結合している炭素原子と一緒になつて、未置換のもしく
20 21
は 1ないし 3個の炭素原子数 1な o c =いし 4のアルキル基により置換された炭素原子数 5な
2
いし 12のシクロアルキレン環を形成し; R は水素原子または炭素原子数 1ないし 4の
R 22
アルキル基を表し; R は水素原子、炭素原子数 1ないし 25のアルカノィル基、炭素
23
原子数 3ないし 25のァルケノィル基;酸素原子、硫黄原子もしくは— N (R )—を炭
14 素鎖の中に含む炭素原子数 3な!/、し 25のアルカノィル基;ジ (炭素原子数 1な!/、し 6 のアルキル) ホスホネート基により置換された炭素原子数 2ないし 25のアルカノィル 基;炭素原子数 6ないし 9のシクロアルキルカルボニル基、テノィル基、フロイル基、ベ ンゾィル基または炭素原子数 1ないし 12のアルキル置換ベンゾィル基;
[化 18]
0 o
II
1
[0066] (基中、 sは 1または 2を表す。)を表し; R 及び R はおのおの互いに独立して水素原
24 25
子または炭素原子数 1ないし 18のアルキル基を表し; R は水素原子または炭素原
\ \ 26
子数 1な OCMいし 8のアルキル基を表し; R は直接結合、炭素原子数 1ないし 18のアルキ
27
N
レン基;酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 2
14
ないし 18のアルキレン基;炭素原子数 2ないし 18のァルケ-レン基、炭素原子数 2な いし 20のアルキリデン基、炭素原子数 7ないし 20のフエニルアルキリデン基、炭素原 子数 5な!、し 8のシクロアルキレン基、炭素原子数 7な!、し 8のビシクロアルキレン基、 未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フエ-レン基、
[0068] を表し; R はヒドロキシ基、
28
[0070] 、炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基または
[0071] [化 21]
-N 、
[0072] を表し; R は酸素原子、—NH—または
29
[0073] [化 22]
[0074] を表し; R は炭素原子数 1ないし 18のアルキル基またはフエ二ル基を表し; R は水
30 31 素原子または炭素原子数 1ないし 18のアルキル基を表す、で表される化合物に関す
る。
nが 1であるとき、 Rは、おのおの未置換の、または炭素原子数 1ないし 4のアルキ
1
ル基、炭素原子数 1ないし 4のアルコキシ基、炭素原子数 1ないし 4のアルキルチオ 基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、炭素原子数 1ないし 4のアルキルアミノ基ま たはジ (炭素原子数 1ないし 4のアルキル)ーァミノ基で置換された、ナフチル基、フエ ナン卜!;ノレ基、アン卜!;ノレ基、 5, 6, 7, 8—テ卜ラヒドロ一 2 ナフチノレ基、 5, 6, 7, 8— テトラヒドロー 1 ナフチル基、チェ-ル基、ベンゾ [b]チェ-ル基、ナフト [2, 3— b] チェ-ル基、チアントレ-ル基、ジベンゾフリル基、クロメニル基、キサンテュル基、フ エノキサンチュル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ビラジニル基、ピリミジ ニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリ ル基、プリニル基、キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタルアジ二ル基、ナ フチリジ-ル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シノリル基、プテリジ-ル基、カル バゾリル基、 β カルボリ-ル基、フエナンチリジ-ル基、アタリジ-ル基、ペリミジ- ル基、フエナント口リニル基、フエナジ-ル基、イソチアゾリル基、フエノチアジ-ル基、 イソキサゾリル基、フラザ-ル基、ビフヱ-ル基、テルフ -ル基、フルォレニル基また はフエノキサジ-ル基は、代表的には 1 ナフチル基、 2—ナフチル基、 1 フエニル アミノー 4 ナフチル基、 1—メチルナフチル基、 2—メチルナフチル基、 1—メトキシ 2—ナフチル基、 2—メトキシ 1 ナフチル基、 1ージメチルアミノー 2—ナフチル 基、 1, 2 ジメチル— 4 ナフチル基、 1, 2 ジメチル— 6 ナフチル基、 1, 2 ジ メチルー 7 ナフチル基、 1, 3 ジメチルー 6 ナフチル基、 1, 4 ジメチルー 6— ナフチル基、 1, 5 ジメチルー 2 ナフチル基、 1, 6 ジメチルー 2 ナフチル基、 1ーヒドロキシ 2 ナフチル基、 2 ヒドロキシ 1 ナフチル基、 1, 4ージヒドロキシ —2 ナフチル基、 7 フエナントリル基、 1—アントリル基、 2 アントリル基、 9 アン トリル基、 3 べンゾ [b]チェ-ル基、 5 べンゾ [b]チェ-ル基、 2 べンゾ [b]チェ -ル基、 4ージベンゾフリル基、 4, 7—ジベンゾフリル基、 4ーメチルー 7—ジベンゾフ リル基、 2 キサンテュル基、 8—メチルー 2 キサンテニル基、 3 キサンテニル基、 2 フエノキサンチュル基、 2, 7 フエノキサンチュル基、 2 ピロリル基、 3 ピロリ ル基、 5—メチルー 3 ピロリル基、 2 イミダゾリル基、 4 イミダゾリル基、 5 イミダ
ゾリル基、 2—メチルー 4 イミダゾリル基、 2 ェチルー 4 イミダゾリル基、 2 ェチ ルー 5 イミダゾリル基、 3 ピラゾリル基、 1ーメチルー 3 ピラゾリル基、 1 プロピ ルー 4 ピラゾリル基、 2 ピラジュル基、 5, 6 ジメチルー 2—ビラジニル基、 2—ィ ンドリジ-ル基、 2—メチル—3—イソインドリル基、 2—メチル—1—イソインドリル基、
1ーメチルー 2 インドリル基、 1ーメチルー 3 インドリル基、 1, 5 ジメチルー 2—ィ ンドリル基、 1ーメチルー 3 インダゾリル基、 2, 7 ジメチルー 8 プリ-ル基、 2—メ トキシー 7—メチルー 8 プリ-ル基、 2 キノリジ-ル基、 3 イソキノリル基、 6 イソ キノリル基、 7 イソキノリル基、イソキノリル基、 3—メトキシー 6 イソキノリル基、 2— キノリル基、 6 キノリル基、 7 キノリル基、 2—メトキシー3 キノリル基、 2—メトキシ 6 キノリル基、 6 フタラジュル基、 7 フタラジュル基、 1ーメトキシ 6 フタラ ジニル基、 1, 4ージメトキシー 6 フタラジュル基、 1, 8 ナフチリジ -ー2—ィル基、 2 キノキサリニル基、 6 キノキサリニル基、 2, 3 ジメチルー 6 キノキサリニル基
、 2, 3 ジメトキシー 6 キノキサリニル基、 2 キナゾリ-ル基、 7 キナゾリニル基、
2 ジメチルァミノ一 6 キナゾリニル基、 3 シノリ-ル基、 6 シノリ-ル基、 7 シノ リニル基、 3—メトキシー7 シノリ-ル基、 2 プテリジ-ル基、 6 プテリジ-ル基、 7 ープテリジ-ル基、 6, 7 ジメトキシー 2 プテリジ-ル基、 2—力ルバゾリル基、 2— カルバゾリル基、 9ーメチルー 2—力ルバゾリル基、 9ーメチルー 3—力ルバゾリル基、 β カルボリ- 3—ィル基、 1ーメチルー 13 カルボリ- 3—ィル基、 1 メチル - β—カルボリ- 6—ィル基、 3 フエ-アントリジ-ル基、 2—アタリジ-ル基、 3— アタリジ-ル基、 2 ペリミジ -ル基、 1—メチル—5 ペリミジ -ル基、 5 フエナント 口リ-ル基、 6 フヱナント口リ-ル基、 1ーフヱナジ-ル基、 2 フヱナジ-ル基、 3— イソチアゾリル基、 4 イソチアゾリル基、 5 イソチアゾリル基、 2 フ ノチアジ-ル 基、 3 フエノチアジ-ル基、 10—メチルー 3 フエノチアジ-ル基、 3 イソキサゾリ ル基、 4 イソキサゾリル基、 5 イソキサゾリル基、 4ーメチルー 3 フラザニル基、 2 フエノキサジ-ル基または 10—メチル 2—フエノキサジ-ル基である。
特別に好ましい上記置換基は、おのおの未置換の、または炭素原子数 1ないし 4の アルキル基、炭素原子数 1ないし 4のアルコキシ基、炭素原子数 1ないし 4のアルキル チォ基、ヒドロキシ基、フエ-ルァミノ基またはジ (炭素原子数 1ないし 4のアルキル)
—ァミノ基で置換された、ナフチル基、フエナントリル基、アントリル基、 5, 6, 7, 8- テトラヒドロー 2 ナフチル基、 5, 6, 7, 8—テトラヒドロー 1 ナフチル基、チェ-ル 基、ベンゾ [b]チェニル基、ナフト [2, 3— b]チェニル基、チアントレ-ル基、ジベン ゾフリル基、クロメ-ル基、キサンテュル基、フエノキサンチュル基、ピロリル基、イソィ ンドリル基、インドリル基、フ ノチアジ-ル基、ビフヱ-ル基、テルフ -ル基、フル ォレニル基またはフエノキサジ-ル基であり、代表的には 1 ナフチル基、 2—ナフチ ル基、 1 フエ-ルァミノー 4 ナフチル基、 1ーメチルナフチル基、 2—メチルナフチ ル基、 1ーメトキシー2—ナフチル基、 2—メトキシ 1 ナフチル基、 1ージメチルアミ ノー 2 ナフチル基、 1, 2 ジメチルー 4 ナフチル基、 1, 2 ジメチルー 6 ナフ チル基、 1, 2 ジメチル— 7 ナフチル基、 1, 3 ジメチル— 6 ナフチル基、 1, 4 ジメチルー 6 ナフチル基、 1, 5 ジメチルー 2 ナフチル基、 1, 6 ジメチルー 2—ナフチル基、 1ーヒドロキシ 2—ナフチル基、 2—ヒドロキシ 1 ナフチル基、 1 , 4 ジヒドロキシ— 2 ナフチル基、 7 フエナントリル基、 1 アントリル基、 2 アン トリル基、 9 アントリル基、 3 べンゾ [b]チェ-ル基、 5 べンゾ [b]チェ-ル基、 2 一べンゾ [b]チェ-ル基、 4ージベンゾフリル基、 4, 7—ジベンゾフリル基、 4 メチル 7 ジベンゾフリル基、 2 キサンテュル基、 8—メチルー 2 キサンテュル基、 3— キサンテュル基、 2 フエノキサンチュル基、 2, 7 フエノキサンチュル基、 2 ピロリ ル基、 3 ピロリル基、 2 フエノチアジ-ル基、 3 フエノチアジ-ル基、 10 メチル - 3—フエノチアジ-ル基である。
[0077] ハロゲン置換基は、都合よくは、塩素置換基、臭素置換基またはヨウ素置換基であ る。塩素置換基が好ましい。
[0078] 25個までの炭素原子をもつアルカノィル基は枝分かれしたまたは枝分かれして ヽ ない基であり、例えば、ホルミル基、ァセチル基、プロピオニル基、ブタノィル基、ペン タノィル基、へキサノィル基、ヘプタノィル基、オタタノィル基、ノナノィル基、デカノィ ル基、ゥンデカノィル基、ドデカノィル基、トリデカノィル基、テトラデカノィル基、ペン タデカノィル基、へキサデカノィル基、ヘプタデカノィル基、ォクタデカノィル基、エイ コサノィル基またはドコサノィル基である。 2ないし 18個の、より好ましくは 2ないし 12 個の、特に 2ないし 6個の炭素原子のアルカノィル基が好ましい。ァセチル基が特別
に好ましい。
[0079] ジ (炭素原子数 1な 、し 6のアルキル)ホスホネート基により置換されて 、る炭素原 子数 2ないし 25のアルカノィル基は代表的には、(CH CH O) POCH CO—、 (CH
3 2 2 2
O) POCH CO—、 (CH CH CH CH O) POCH CO—、 (CH CH O) POCH
3 2 2 3 2 2 2 2 2 3 2 2 2
CH CO—、 (CH O) POCH CH CO—、 (CH CH CH CH O) POCH CH CO
2 3 2 2 2 3 2 2 2 2 2 2 一、 (CH CH O) PO (CH ) CO- , (CH CH O) PO (CH ) CO または(CH C
3 2 2 2 4 3 2 2 2 8 3
H O) PO (CH ) CO である。
2 2 2 17
[0080] 25個までの炭素原子を持つアルカノィルォキシ基は、枝分かれしたまたは枝分か れしていない基であり、例えば、ホルミルォキシ基、ァセトキシ基、プロピオ二ルォキ シ基、ブタノィルォキシ基、ペンタノィルォキシ基、へキサノィルォキシ基、ヘプタノィ ルォキシ基、オタタノィルォキシ基、ノナノィルォキシ基、デカノィルォキシ基、ゥンデ カノィルォキシ基、ドデカノィルォキシ基、トリデカノィルォキシ基、テトラデカノィルォ キシ基、ペンタデカノィルォキシ基、へキサデカノィルォキシ基、ヘプタデカノィルォ キシ基、ォクタデカノィルォキシ基、ェキコサノィルォキシ基またはドコサノィルォキシ 基である。 2ないし 18個の、より好ましくは 2ないし 12個の、例えば 2ないし 6個の炭素 原子のアルカノィルォキシ基が好まし ヽ。ァセトキシ基が特別に好まし!/、。
[0081] 3個な 、し 25個の炭素原子を持つアルケノィル基は枝分かれしたまたは枝分かれ していない基であり、例えば、プロぺノィル基、 2 ブテノィル基、 3 ブテノィル基、 イソブテノィル基、 n—2, 4 ペンタジエノィル基、 3—メチルー 2 ブテノィル基、 n 2—ォクテノィル基、 n—2—ドデセノィル基、ィソードデセノィル基、ォレオイル基、 n—2 オタダデカノィル基または n— 4 ォクタデカノィル基である。 3な!、し 18個の 、より好ましくは 3ないし 12個の、例えば 3ないし 6個の、最も好ましくは 3ないし 4個の 炭素原子のアルケノィル基が好まし 、。
[0082] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし
14
25のアルケノィル基は代表的には CH OCH CH CH = CHCO または CH OCH
3 2 2 3
CH OCH = CHCO である。
2 2
[0083] 3な 、し 25個の炭素原子をもつアルケノィルォキシ基は枝分かれしたまたは枝分か れしていない基であり、例えば、プロぺノィルォキシ基、 2 ブテノィルォキシ基、 3—
ブテノィルォキシ基、イソブテノィルォキシ基、 n— 2, 4 ペンタジエノィルォキシ基、 3—メチル 2 ブテノィルォキシ基、 n— 2—ォクテノィルォキシ基、 n— 2 ドデセノ ィルォキシ基、ィソードデセノィルォキシ基、ォレオイルォキシ基、 n— 2—ォクタデセ ノィルォキシ基または n— 4—ォクタデセノィルォキシ基である。 3ないし 18個の、より 好ましくは 3ないし 12個の、代表的には 3ないし 6個の、最も好ましくは 3ないし 4個の 炭素原子のアルケノィルォキシ基が好まし 、。
[0084] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし
14
25のアルケノィルォキシ基は代表的には CH OCH CH CH=CHCOO または C
3 2 2
H OCH CH OCH = CHCOO である。
3 2 2
[0085] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし
14
25のアルカノィル基は代表的には CH -O-CH CO—, CH— S— CH CO—、 C
3 2 3 2
H -NH-CH CO—、 CH N (CH ) CH CO—、 CH -O-CH CH OCH
3 2 3 3 2 3 2 2
CO、 CH (O-CH CH ) O-CH CO—、 CH (O-CH CH -) O-CH C
2 3 2 2 2 2 3 2 2 3 2
O または CH— (O-CH CH一) O-CH CO である。
3 2 2 4 2
[0086] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし
14
25のアルカノィルォキシ基は代表的には CH -O-CH COO—、 CH— S— CH
3 2 3 2
COO—、 CH -NH-CH COO—、 CH -N (CH ) -CH COO—、 CH— O— C
3 2 3 3 2 3
H CH 一 OCH COO—、 CH 一 (O-CH CH ) O-CH COO—、 CH 一 (O— C
2 2 2 3 2 2 2 2 3
H CH -) O-CH COO または CH - (O-CH CH -) O-CH COO であ
2 2 3 2 3 2 2 4 2 る。
[0087] 炭素原子数 6ないし 9のシクロアルキルカルボ-ル基の例は、シクロペンチルカルボ ニル基、シクロへキシルカルボ-ル基、シクロへプチルカルボ-ル基及びシクロオタ チルカルボ-ル基である。シクロへキシルカルボ-ル基が好まし 、。
[0088] 炭素原子数 6ないし 9のシクロアルキルカルボ-ルォキシ基の例は、シクロペンチル カルボ-ルォキシ基、シクロへキシルカルボニルォキシ、シクロへプチルカルポ-ル ォキシ基及びシクロォクチルカルボ-ルォキシ基である。シクロへキシルカルボ-ル 才キシ基が好ましい。
[0089] 好ましくは 1ないし 3個の、最も好ましくは 1ないし 2個のアルキル基をもつ、炭素原
子数 1な 、し 12のアルキル—置換ベンゾィル基は o—、 m—もしくは p メチルベンゾ ィル基、 2, 3 ジメチルベンゾィル基、 2, 4 ジメチルベンゾィル基、 2, 5 ジメチ ルベンゾィル基、 2, 6 ジメチルベンゾィル基、 3, 4 ジメチルベンゾィル基、 3, 5 ージメチルベンゾィル基、 2—メチルー 6 ェチルベンゾィル基、 4 第三ブチルー ベンゾィル基、 2 ェチルベンゾィル基、 2, 4, 6 トリメチルベンゾィル基、 2, 6 ジ メチル 4 第三ブチルベンゾィル基または 3, 5—ジ第三ブチル ブチルベンゾィ ル基である。好ましい置換基は炭素原子数 1ないし 8のアルキル基、最も好ましくは 炭素原子数 1な 、し 4のアルキル基である。
[0090] 好ましくは 1ないし 3個の、最も好ましくは 1ないし 2個のアルキル基をもつ、炭素原 子数 1な!、し 12のアルキル—置換ベンゾィルォキシ基は o—、 m—もしくは p メチル ベンゾィルォキシ基、 2, 3 ジメチルベンゾィルォキ基、 2, 4 ジメチルベンゾィル ォキシ基、 2, 5 ジメチルベンゾィルォキシ基、 2, 6 ジメチルベンゾィルォキシ基 、 3, 4ージメチルベンゾィルォキシ基、 3, 5 ジメチルベンゾィルォキシ基、 2—メチ ルー 6 ェチルベンゾィルォキシ基、 4 第三ブチルベンゾィルォキシ基、 2 ェチ ルベンンゾィルォキシ基、 2, 4, 6 トリメチルベンゾィルォキシ基、 2, 6 ジメチル 4 第三ブチルベンゾィルォキシ基及び 3 , 5 ジ第三ブチルベンゾィルォキシ基 である。好ましい置換基は炭素原子数 1ないし 8のアルキル基、最も好ましくは炭素 原子数 1な 、し 4のアルキル基である。
[0091] 25個までの炭素原子をもつアルキル基は枝分かれしたまたは枝分かれして 、な ヽ 基であり、例えばメチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 n ブチル基、 第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、 2—ェチルブチル基、 n—ペンチル基 、イソペンチル基、 1ーメチルペンチル基、 1, 3 ジメチルブチル基、 n—へキシル基 、 1 メチルへキシル基、 n—へプチル基、イソへプチル基、 1, 1, 3, 3, ーテトラメチ ルブチル基、 1 メチルヘプチル基、 3 メチルヘプチル基、 n—ォクチル基、 2 ェ チルへキシル基、 1, 1, 3 トリメチルへキシル基、 1, 1, 3, 3—テトラメチルペンチ ル基、ノニル基、デシル基、ゥンデシル基、 1ーメチルゥンデシル基、ドデシル基、 1, 1, 3, 3, 5, 5 へキサメチルへキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシ ル基、へキサデシル基、ヘプタデシル基、ォクタデシル基、エイコシル基またはドコシ
ル基である。好ましい R及び Rの意味は代表的には、炭素原子数 1ないし 18のアル
2 4
キル基である。特に好ましい Rの意味は炭素原子数 1ないし 4のアルキル基である。
4
[0092] 3個な 、し 25個の炭素原子を持つアルケ-ル基は枝分かれしたまたは枝分かれし ていない基であり、例えば、プロぺニル基、 2—ブテニル基、 3—ブテニル基、イソブ テュル基、 n—2, 4—ペンタジェ-ル基、 3—メチルー 2—ブテュル基、 n—2—オタ テニル基、 n—2—ドデセニル基、イソドデセニル基、ォレイル基、 n—2—オタダデカ -ル基または n— 4—ォクタデ力-ル基である。 3ないし 18個の、より好ましくは 3ない し 12個の、代表的には 3ないし 6個の、最も好ましくは 3ないし 4個の炭素原子のアル ケニル基が好ましい。
[0093] 3個な 、し 25個の炭素原子を持つアルケ-ルォキシ基は枝分かれしたまたは枝分 かれしていない基であり、例えば、プロべ-ルォキシ基、 2—ブテュルォキシ基、 3— ブテュルォキシ基、イソブテュルォキシ基、 n—2, 4—ペンタジェ-ルォキシ基、 3— メチルー 2—ブテュルォキシ基、 n—2—オタテュルォキシ基、 n—2—ドデセ -ルォ キシ基、イソドデセ-ルォキシ基、ォレイルォキシ基、 n— 2—オタダデ力-ルォキシ 基または n— 4—ォクタデカニルォキシ基である。 3ないし 18個の、より好ましくは 3な いし 12個の、代表的には 3ないし 6個の、最も好ましくは 3ないし 4個の炭素原子のァ ルケニルォキシ基が好まし 、。
[0094] 3個な 、し 25個の炭素原子を持つアルキニル基は枝分かれしたまたは枝分かれし ていない基であり、例えば、プロピ-ル基(— CH— C≡CH)、 2—プチ-ル基、 3—
2
ブチュル基、 n—2—ォクチ-ル基、 n—2—ドデシ-ル基である。 3ないし 18個の、よ り好ましくは 3ないし 12個の、代表的には 3ないし 6個の、最も好ましくは 3ないし 4個 の炭素原子のアルキ-ル基が好まし 、。
[0095] 3個な 、し 25個の炭素原子を持つアルキニルォキシ基は枝分かれしたまたは枝分 かれしていない基であり、例えば、プロピ-ルォキシ基(一 OCH— C≡CH)、 2—ブ
2
チュルォキシ基、 3—ブチュルォキシ基、 n— 2—ォクチ-ルォキシ基、 n— 2—ドデ シ-ルォキシ基である。 3ないし 18個の、より好ましくは 3ないし 12個の、代表的には 3ないし 6個の、最も好ましくは 3ないし 4個の炭素原子のアルキ-ルォキシ基が好ま しい。
[0096] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 2ないし
14
25のァノレキノレ基は、代表的には CH -O-CH 一, CH—S— CH —、 CH—NH
3 2 3 2 3
-CH 一、 CH -N (CH ) CH —、 CH O CH CH O CH —、 CH (O
2 3 3 2 3 2 2 2 3
-CH CH ) O-CH 一、 CH (O-CH CH一) O CH または CH (O—
2 2 2 2 3 2 2 3 2 3
CH CH -) O-CH—である。
2 2 4 2
[0097] 炭素原子数 7ないし 9のフヱ-ルアルキル基は代表的には、ベンジル基、 α—メチ ルベンジル基、 α , α—ジメチルベンジル基及び 2—フエ-ルェチル基である。ベン ジル基及び α , α ジメチルベンジル基が好まし!/、。
[0098] 未置換のまたはフエ-ル部分で 1な!、し 3個の炭素原子数 1な!、し 4のアルキル基 で置換されている炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルキル基は代表的には、ベンジ ル基、 α メチルベンジル基、 α , α—ジメチルベンジル基、 2—フエ-ルェチル基 、 2 メチルベンジル基、 3 メチルベンジル基、 4 メチルベンジル基、 2, 4 ジメ チルベンジル基、 2, 6 ジメチルベンジル基または 4 第三ブチルベンジル基であ る。ベンジル基が好ましい。
[0099] 酸素原子、硫黄原子もしくは—N (R )—を炭素鎖の中に含み、かつ、未置換のま
14
たはフエ-ル部分で 1な 、し 3個の炭素原子数 1な!、し 4のアルキル基で置換されて いる炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルキル基は、例えばフエノキシメチル基、 2— メチルフエノキシメチル基、 3—メチルフエノキシメチル基、 4 メチルフエノキシメチル 基、 2, 4 メチルフエノキシメチル基、 2, 3 メチルフエノキシメチル基、フエニルチ オメチル基、 N—メチルー N フエ-ルーメチル基、 N ェチルー N フエ-ルメチ ル基、 4 第三ブチルフエノキシメチル基、 4 第三ブチルフエ-キシエトキシメチル 基、 2, 4 ジ—第三ブチルフエノキシメチル、 2, 4 ジ—第三ブチルフエノキシエト キシメチル基、フエノキシエトキシエトキシエトキシメチル基、ベンジルォキシメチル基 、ベンジルォキシエトキシメチル基、 N べンジルー N ェチルメチル基または N— ベンジルー N—イソプロピルメチル基のような、枝分かれしたまたは枝分かれして!/ヽ ない基である。
[0100] 炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルコキシ基は代表的には、ベンジルォキシ基、 α メチルベンジルォキシ基、 α , α—ジメチルベンジルォキシ基及び 2—フエ-ル
エトキシ基である。ベンジルォキシ基が好ましい。
[0101] 好ましくは 1ないし 3個、特に 1または 2個のアルキル基を含む、炭素原子数 1ないし 4のアルキル基で置換されたフエ-ル基の例は、 o—、 m—もしくは p メチルフエ- ル基、 2, 3 ジメチルフエ-ル基、 2, 4 ジメチルフエ-ル基、 2, 5 ジメチルフエ- ル基、 2, 6 ジメチルフエ-ル基、 3, 4 ジメチルフエ-ル基、 3, 5 ジメチルフエ- ル基、 2—メチル—6 ェチルフエ-ル基、 4 第三ブチルフエ-ル基、 2 ェチルフ ェ-ル基及び 2, 6 ジェチルフエ-ル基である。
[0102] 好ましくは 1ないし 3個、特に 1または 2個のアルキル基を含む、炭素原子数 1ないし 4のアルキル基で置換されたフエノキシ基の例は、 o—、 m—もしくは p—メチルフエノ キシ基、 2, 3 ジメチルフエノキシ基、 2, 4 ジメチルフエノキシ基、 2, 5 ジメチル フエノキシ基、 2, 6 ジメチルフエノキシ基、 3, 4 ジメチルフエノキシ基、 3, 5 ジメ チルフエノキシ基、 2—メチルー 6 ェチルフエノキシ基、 4 第三ブチルフエノキシ基 、 2 ェチルフエノキシ基及び 2, 6 ジェチルフエノキシ基である。
[0103] 未置換のもしくは炭素原子数 1な!、し 4のアルキル基で置換された炭素原子数 5な いし 8のシクロアルキル基の例は、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメ チルシクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロへキシル基、ジメチルシクロ へキシル基、トリメチルシクロへキシル基、第三ブチルシクロへキシル基、シクロヘプ チル基及びシクロォクチル基である。シクロへキシル基及び第三ブチルシクロへキシ ル基が好ましい。
[0104] 未置換のもしくは炭素原子数 1な!、し 4のアルキル基で置換された炭素原子数 5な いし 8のシクロアルコキシ基の例は、シクロペントキシ基、メチルシクロペントキシ基、ジ メチルシクロペントキシ基、シクロへクソキシ基、メチルシクロへクソキシ基、ジメチルシ クロへクソキシ基、トリメチルシクロへクソキシ基、第三ブチルシクロへクソキシ基、シク 口ヘプトキシ基及びシクロオタトキシ基である。シクロへクソキシ基及び第三ブチルシ クロへクソキシ基が好まし 、。
[0105] 25個までの炭素原子をもつアルコキシ基は枝分かれしたまたは枝分かれして 、な い基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、 n—ブ トキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、へキソキシ基、ヘプトキシ
基、オタトキシ、デシルォキシ基、テトラデシルォキシ基、へキサデシルォキシ基また はォクタデシルォキシ基である。 1ないし 12個の、好ましくは 1ないし 8個の、例えば 1 な!、し 6個の炭素原子のアルコキシ基が好まし 、。
[0106] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 2ないし
14
25のァノレコキシ基は代表的には、 CH -O-CH CH O—、 CH— S— CH CH O
3 2 2 3 2 2 一、 CH -NH-CH CH O—、 CH— N (CH )— CH CH O—、 CH— O— CH
3 2 2 3 3 2 2 3 2
CH -O-CH CH O—、 CH (O-CH CH ) O— CH CH O—、 CH一(O— CH
2 2 2 3 2 2 2 2 2 3
CH -) O-CH CH O または CH - (O— CH CH -) O— CH CH O であ
2 2 3 2 2 3 2 2 4 2 2 る。
[0107] 25個までの炭素原子をもつアルキルチオ基は枝分かれしたまたは枝分かれして ヽ ない基であり、例えばメチルチオ基、ェチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチ ォ基、 n—ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、 へキシルチオ基、へプチルチオ基、ォクチルチオ基、デシルチオ基、テトラデシルチ ォ基、へキサデシルチオ基またはォクタデシルチオ基である。 1ないし 12個の、好ま しくは 1な!、し 8個の、例えば 1な 、し 6個の炭素原子のアルキルチオ基が好まし 、。
[0108] 4個までの炭素原子をもつアルキルアミノ基は枝分かれしたまたは枝分かれして ヽ ない基であり、例えばメチルァミノ基、ェチルァミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピル アミノ基、 n—プチルァミノ基、イソプチルァミノ基または第三プチルァミノ基である。
[0109] ジ (炭素原子数 1な 、し 4のアルキルァミノ)基もまた、おのおの他方と独立した 2つ の部分は枝分かれしたまたは枝分かれしていないことを意味し、代表的には、ジメチ ルァミノ基、メチルェチルァミノ基、ジェチルァミノ基、メチルー n—プロピルアミノ基、 メチルイソプロピルアミノ基、メチルー n—ブチルァミノ基、メチルイソブチルァミノ基、 ェチルイソプロピルアミノ基、ェチルー n—ブチルァミノ基、ェチルイソブチルァミノ基 、ェチル一第三ブチルァミノ基、ジェチルァミノ基、ジイソプロピルアミノ基、イソプロピ ルー n—ブチルァミノ基、イソプロピルイソブチルァミノ基、ジー n ブチルアミノ基ま たはジイソプチルァミノ基である。
[0110] 25個までの炭素原子を持つアルカノィルァミノ基は、枝分かれしたまたは枝分かれ していない基であり、例えば、ホルミルアミノ基、ァセチルァミノ基、プロピオ-ルァミノ
基、ブタノィルァミノ基、ペンタノィルァミノ基、へキサノィルァミノ基、ヘプタノィルアミ ノ基、オタタノィルァミノ基、ノナノィルァミノ基、デカノィルァミノ基、ゥンデカノィルアミ ノ基、ドデカノィルァミノ基、トリデカノィルァミノ基、テトラデカノィルァミノ基、ペンタデ カノィルァミノ基、へキサデカノィルァミノ基、ヘプタデカノィルァミノ基、ォクタデカノ ィルァミノ基、ェキコサノィルァミノ基またはドコサノィルァミノ基である。 2ないし 18個 の、好ましくは 2ないし 12個の、例えば 2ないし 6個の炭素原子のアルカノィルァミノ 基が好ましい。
[0111] 炭素原子数 1ないし 18の炭素原子をもつアルキレン基は枝分かれしたまたは枝分 かれしていない基であり、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン 基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、へキサメチレン基、ヘプタメチレン基、ォクタ メチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基またはォクタデカメチレン基である。炭 素原子数 1ないし 12のアルキレン基が好ましぐ及び炭素原子数 1ないし 8のアルキ レン基が特に好ましい。
[0112] 1ないし 3個の、好ましくは 1ないし 2個の枝分かれしたまたは枝分かれしていない基 を含む、炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換炭素原子数 5ないし 12のシクロアル キレン環の例は、シクロペンチレン、メチルシクロペンチレン、ジメチルシクロペンチレ ン、シクロへキシレン、メチルシクロへキシレン、ジメチルシクロへキシレン、トリメチル シクロへキシレン、第三ブチルシクロへキシレン、シクロへプチレン、シクロオタチレン またはシクロデシレン環である。シクロへキシレン及び第三ブチルシクロへキシレン環 が好ましい。
[0113] 酸素原子、硫黄原子または N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 2ないし 1
14
8のァノレキレン基の例は一 CH -O-CH -CH -S-CH CH— NH
2 2 2 2 2
-CH -CH -N (CH ) CH CH O CH CH O CH C
2 2 3 2 2 2 2 2
H (O-CH CH -) O-CH -CH O CH CH ) O CH CH
2 2 2 2 2 2 2 2 3 2 2
- (O-CH CH ) O-CH—及び— CH CH— S— CH CH—である。
2 2 4 2 2 2 2 2
[0114] 炭素原子数 1ないし 18のァルケ-レン基は代表的にはビ-レン基、メチルビ-レン 基、オタテュルエチレン基またはドデセニルエチレン基である。炭素原子数 2ないし 8 のァノレケニレン基が好まし 、。
[0115] 2ないし 20個の炭素原子を持つアルキリデン基は代表的には、ェチリデン基、プロ ピリデン基、ブチリデン基、ペンチリデン基、 4ーメチルペンチリデン基、ヘプチリデン 基、ノニリデン基、トリデシリデン基、ノナデシリデン基、 1ーメチルェチリデン基、 1 ェチルプロピリデン基及び 1ーェチルペンチリデン基である。炭素原子数 2な!、し 8の アルキリデン基が好ましい。
[0116] 7ないし 20個の炭素原子を持つフエ-ルアルキリデン基の例はべンジリデン基、 2 フエニルェチリデン基及び 1 フエニル基 2—へキシリデン基である。炭素原子 数 7な!、し 9のフエ-ルアルキリデン基が好まし!/、。
[0117] 炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキレン基は 2つの自由電子価及び少なくとも 1つ の環単位をもつ不飽和炭化水素基であり、例えば、シクロペンチレン基、シクロへキ シレン基、シクロへプチレン基またはシクロオタチレン基である。シクロへキシレン基が 好ましい。
[0118] 炭素原子数 7な!、し 8のビシクロアルキレン基はビシクロへプチレン基及びビシクロ オタチレン基である。
[0119] 未置換のもしくは炭素原子数 1な 、し 4のアルキル 置換フエ-レン基またはナフ チレン基の例は 1, 2—, 1, 3—及び 1, 4 フエ-レン基; 1, 2—, 1, 3—, 1, 4—, 1, 6- , 1, 7- , 2, 6 または 2, 7 ナフチレン基である。 1, 4 フエ二レン基が好 ましい。
[0120] 好ましくは 1ないし 3個の、最も好ましくは 1または 2個の、枝分かれしたまたは枝分 かれして ヽな 、アルキル基を含む、炭素原子数 1な!、し 4のアルキル 置換炭素原 子数 5ないし 8のシクロアルキリデン環の例は、シクロペンチリデン、メチルシクロペン チリデン、ジメチルシクロペンチリデン、シクロへキシリデン、メチルシクロへキシリデン 、ジメチルシクロへキシリデン、トリメチルシクロへキシリデン、第三ブチルシクロへキシ リデン、シクロへプチリデン及びシクロオタチリデンである。シクロへキシリデン及び第 三ブチルシクロへキシリデンが好まし!/、。
[0121] 1価、 2価または 3価の金属カチオンは好ましくはアルカリ金属カチオン、アルカリ土 類金属カチオンまたはアルミニウムカチオンであり、例えば Na+、 K+、 Mg 、 Ca また は Al +である。
[0122] 一般式 (R)で表される化合物は、 nが 1であるとき、 R力 おのおの未置換の、また
1
はパラ位にぉ 、て、炭素原子数 1な 、し 18のアルキルチオ基もしくはジ (炭素原子数 1ないし 4のアルキル)ーァミノ基により置換されたフエ-ル基; 1ないし 5個のアルキル 置換基中で同時に最大数 18個の炭素原子数を含む一ないし五置換されたアルキル フエニル基;おのおの未置換の、または炭素原子数 1ないし 4のアルキル基、炭素原 子数 1ないし 4のアルコキシ基、炭素原子数 1ないし 4のアルキルチオ基、ヒドロキシ 基またはァミノ基で置換された、ナフチル基、ビフエ-ル基、テルフエ-ル基、フエナ ントリル基、アントリル基、フルォレニル基、カルバゾリル基、チェ-ル基、ピロリル基、 フエノチアジニル基または 5, 6, 7, 8—テトラヒドロナフチル基を表す、化合物である
[0123] 好ましい一般式 (R)で表される化合物は、 nが 2であるとき、 Rが一 R — X— R -
1 12 13 を表し; R 及び R 力フエ-レン基を表し; Xが酸素原子または— NR —を表し;及び
12 13 31
R が炭素原子数 1ないし 4のアルキル基を表す、化合物である。
31
[0124] さらに好ましい一般式 (R)で表される化合物は、 nが 1であるとき、 R力 おのおの
1
未置換の、または炭素原子数 1ないし 4のアルキル基、炭素原子数 1ないし 4のアル コキシ基、炭素原子数 1ないし 4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミ ノ基、炭素原子数 1な 、し 4のアルキルアミノ基またはジ (炭素原子数 1な 、し 4のアル キル)ーァミノ基で置換された、ナフチル基、フエナントリル基、チェ-ル基、ジベンゾ フリル基、カルバゾリル基、フルォレニル基を表すか、あるいは式(II)
[0125] [化 23]
[0126] で表される基を表し; R、R、R及び R はおのおの互いに独立して水素原子、塩素
7 8 9 10
原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基;酸素原子もしく は硫黄原子で中断された炭素原子数 2ないし 18のアルキル基;炭素原子数 1ないし
18のアルコキシ基;酸素原子もしくは硫黄原子で中断された炭素原子数 2ないし 18 のアルコキシ基;炭素原子数 1ないし 18のアルキルチオ基、炭素原子数 3ないし 12 のァルケニルォキシ基、炭素原子数 3ないし 12のアルキ-ルォキシ基、炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルキル基、炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルコキシ基、未 置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フエ-ル基、フエノキシ基、シ クロへキシル基、炭素原子数 5ないし 8のシクロアルコキシ基;炭素原子数 1ないし 4 のアルキルアミノ基、ジ (炭素原子数 1ないし 4アルキル)アミノ基、炭素原子数 1ない し 12のアルカノィル基;酸素原子もしくは硫黄原子で中断された炭素原子数 3な 、し 12のアルカノィル基;炭素原子数 3な 、し 12のアルカノィルォキシ基;酸素原子もしく は硫黄原子で中断された炭素原子数 3な ヽし 12のアルカノィルォキシ基;炭素原子 数 1ないし 12のアルカノィルァミノ基、炭素原子数 3ないし 12のァルケノィル基、炭素 原子数 3ないし 12のァルケノィルォキシ基、シクロへキシルカルボ-ル基、シクロへキ シルカルボニルォキシ基、ベンゾィル基または炭素原子数 1な 、し 4のアルキル 置 換ベンゾィル基;ベンゾィルォキシ基または炭素原子数 1な 、し 4のアルキル置換べ ンゾィルォキシ基;
[0127] [化 24]
[0128] を表すか、また、式 (Π)中、置換基 R及び Rまたは R及び R のおのおのの対は、結
7 8 8 11
合している炭素原子と一緒になつて、ベンゼン環を形成し、 R は水素原子、炭素原
11
子数 1ないし 18のアルキル基、炭素原子数 1ないし 18のアルキルチオ基、炭素原子 数 7な!、し 9のフエ-ルアルキル基、未置換のもしくは炭素原子数 1な 、し 4のアルキ ル置換 フエ-ル基、シクロへキシル基、炭素原子数 1ないし 4のアルキルアミノ基、 ジ (炭素原子数 1な 、し 4のアルキル)アミノ基、炭素原子数 1な!、し 12のアルカノィ ル基;酸素原子もしくは硫黄原子で中断された炭素原子数 3な ヽし 12のアルカノィル 基;炭素原子数 1ないし 12のアルカノィルァミノ基、炭素原子数 3ないし 12のアルケノ ィル基、シクロへキシルカルボ-ル基、ベンゾィル基または炭素原子数 1ないし 4のァ
ルキル—置換ベンゾィル基を表し;ただし、 R、 R、 R、 R または R の少なくとも 1つ
7 8 9 10 11
は水素原子でなく; R はヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 12のアルコキシ基または
15
[0130] を表し; R 及び R はおのおの互いに独立して、水素原子または炭素原子数 1ないし
18 19
4のアルキル基を表し; R は水素原子を表し; R は水素原子、フ -ル基、炭素原
20 21
子数 1ないし 18のアルキル基、酸素原子もしくは硫黄原子で中断された炭素原子数 2な!、し 18のアルキル基、炭素原子数 7な!、し 9のフ -ルアルキル基;酸素原子も しくは硫黄原子で中断され、かつ、未置換のもしくはフエニル部分において 1ないし 3 個の炭素原子数 1ないし 4のアルキル基で置換された炭素原子数 7ないし 18のフエ -ルアルキル基を表し;あるいは R 及び R は結合している炭素原子と一緒になつて
20 21
、未置換のもしくは 1ないし 3個の炭素原子数 1ないし 4のアルキル基により置換され たシクロへキシレン環を形成し; R は水素原子または炭素原子数 1ないし 4のアルキ
22
ル基を表し; R は水素原子、炭素原子数 1ないし 18のアルカノィル基、炭素原子数
23
3な ヽし 12のアルケノィル基;酸素原子もしくは硫黄原子で中断された炭素原子数 3 な!、し 12のアルカノィル基;ジ(炭素原子数 1な 、し 6のアルキル)—ホスホネート基 により置換された炭素原子数 2ないし 12のアルカノィル基;炭素原子数 6ないし 9のシ クロアルキルカルボ-ル基、ベンゾィル基;
[0131] [化 26]
O O o
II II II
-C- 27— C-R28 または 一 C— RM— R30
[0132] (基中、 sは 1または 2を表す。)を表し; R 及び R はおのおの互いに独立して水素原
24 25
子または炭素原子数 1ないし 12のアルキル基を表し; R は水素原子または炭素原
26
子数 1ないし 4のアルキル基を表し; R は炭素原子数 1ないし 12のアルキレン基、炭
27
素原子数 2ないし 8のァルケ-レン基、炭素原子数 2ないし 8のアルキリデン基、炭素 原子数 7ないし 12のフエ-ルアルキリデン基、炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキレ ン基、フエ-レン基を表し; R はヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 12のアルコキシ基
28
または
[0133] [化 27]
,R24
—
2S
[0134] を表し; R は酸素原子または—NH—を表し R は炭素原子数 1ないし 18のアルキル
29 30
基またはフエ二ル基を表す、化合物である。
[0135] また、好ましいものは、 nが 1であるとき、 R力 フエナントリル基、チェ-ル基、ジべ
1
ンゾフリル基;未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換カルバゾリル 基;またはフルォレニル基を表す力、あるいは式(II)
[0136] [化 28]
[0137] で表される基を表し; R、R、R及び R はおのおの互いに独立して水素原子、塩素
7 8 9 10
原子、ヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基、炭素原子数 1ないし 18の アルコキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキルチオ基、炭素原子数 3ないし 4のァ ルケ-ルォキシ基、炭素原子数 3ないし 4のアルキ-ルォキシ基、フエ-ル基、ベンゾ ィル基、ベンゾィルォキシ基または
[0138] [化 29]
— O-C— C -0- 23
H R22
[0139] を表し、 R は水素原子、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基、炭素原子数 1ないし 1
11
8のアルキルチオ基、フエニル基またはシクロへキシル基を表し;ただし、 R、 R、 R、
7 8 9
R または R の少なくとも 1つは水素原子でなく; R は水素原子を表し; R は水素原
10 11 20 21 子、フエ二ル基、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基を表し;あるいは R 及び R は
20 21 結合している炭素原子と一緒になつて、未置換のもしくは 1ないし 3個の炭素原子数 1 ないし 4のアルキル基により置換されたシクロへキシレン環を形成し; R は水素原子
22
または炭素原子数 1ないし 4のアルキル基を表し; R は水素原子、炭素原子数 1ない
23
し 12のアルカノィル基またはベンゾィル基を表す、一般式 (R)で表される化合物であ る。
[0140] R、 R、 R及び R はおのおの互いに独立して水素原子または炭素原子数 1ないし
4のアルキル基を表し、及び R は水素原子、炭素原子数 1ないし 12のアルキル基、
11
炭素原子数 1ないし 4のアルキルチオ基またはフエ-ル基を表し;ただし、 R、 R、 R
7 8 ί
、R または R の少なくとも 1つは水素原子でない、一般式 (R)で表される化合物は
特別に好ましい。
[0141] より好ましい一般式 (R)で表される化合物は、 R、 R、 R及び Rはおのおの互いに
2 3 4 5
独立して水素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基、 ベンジル基、フエ-ル基、炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキル基、炭素原子数 1な いし 18のアルコキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキルチオ基、炭素原子数 1な いし 18のアルカノィルォキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルカノィルァミノ基、炭 素原子数 3な 、し 18のアルケノィルォキシ基またはベンゾィルォキシ基を表し (ただ し、 Rが水素原子またはメチル基の場合、 Rまたは Rはヒドロキシ基または炭素原子
2 7 9
数 1ないし 25のアルカノィルォキシ基を表さない。 );あるいは置換基 R及び Rまたは
2 3
、 R及び Rまたは R及び Rは結合している炭素原子と一緒になつて、ベンゼン環を
3 4 4 5
形成し; Rはさらに—(CH ) — COR または—(CH ) OH (式中、 pは 1または 2を表
4 2 p 15 2 q
し; qは 2、 3、 4、 5または 6を表す。)を表し;あるいは R、 R及び Rが水素原子を表す
3 5 6
場合、 Rはさらに式 (III)で表される基を表し; R はヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし
4 15
12のアルコキシ基または
[0142] [化 30]
-N
[0143] を表し; R 及び R はメチル基を表す力 または結合している炭素原子と一緒になつ
16 17
て、未置換のもしくは 1ないし 3個の炭素原子数 1ないし 4のアルキル基により置換さ れた炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキリデン環を形成し; R 及び R はおのおの
24 25
互いに独立して水素原子または炭素原子数 1ないし 12のアルキル基を表す、化合 物である。
[0144] 特に好まし 、一般式 (R)で表される化合物はまた、 R、 R、 R及び Rの少なくとも 2
2 3 4 5
つが水素原子である、化合物である。
[0145] 特に好ま 、一般式 (R)で表される化合物は、 R及び Rが水素原子である化合物
3 5
である。
[0146] 非常に特別に好ましい一般式 (R)で表される化合物は、 Rが炭素原子数 1ないし 4
のアルキル基を表し; Rが水素原子を表し; Rが炭素原子数 1ないし 4のアルキル基
3 4
を表す力または、 Rが水素原子を表す場合、 Rはさらに式 (III)で表される基を表し;
6 4
Rは水素原子を表し、ならびに R 及び R は結合している炭素原子と一緒になつて
5 16 17
シクロへキシリデン環を形成する、化合物である。
[0147] 次に、詳細に本発明の一般式 (R—1)の化合物について説明する。
[0148] 前記一般式 (R— 1)において、 R〜Rは前記一般式 (R)における R〜Rと同義で
2 5 2 5 あり、おのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。 R〜Rで表される置
2 5
換基は、特に制限はないが、例えば前記一般式 (R)における R〜Rで表される置換
2 5
基と同様の基を挙げることができる。
[0149] 前記一般式 (R— 1)において、 R〜Rが置換基を表すとき、置換基としては未置換
2 5
のもしくは置換の炭素原子数 1ないし 18のアルキル基が好ましぐ未置換のもしくは 置換の炭素原子数 1ないし 8のアルキル基がより好ましぐ未置換のもしくは置換の炭 素原子数 1な 、し 4のアルキル基が特に好まし 、。
[0150] R〜R はおのおの互いに独立して水素原子、炭素原子数 1ないし 18のアルキル
7 11
基、炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基をあらわす。
[0151] 次に、詳細に本発明の一般式 (R— 2)の化合物について説明する。
[0152] 前記一般式 (R— 2)において、 R〜Rは前記一般式 (R)における R〜Rと同義で
2 5 2 5 あり、おのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。 R〜Rで表される置
2 5
換基は、特に制限はないが、例えば前記一般式 (R)における R〜Rで表される置換
2 5
基と同様の基を挙げることができる。
[0153] 前記一般式 (R— 2)において、 R〜Rが置換基を表すとき、置換基としては未置換
2 5
のもしくは置換の炭素原子数 1ないし 18のアルキル基が好ましぐ未置換のもしくは 置換の炭素原子数 1ないし 8のアルキル基がより好ましぐ未置換のもしくは置換の炭 素原子数 1な 、し 4のアルキル基が特に好まし 、。
[0154] 前記一般式(R— 3)にお!/、て、 R、 R、 R、 R、 Rはおのおの互いに独立して水
1 2 3 5 6
素原子または置換基を表す。なお、 Rと Rは互いに結合して環を形成しても良い。
2 3
置換基は一般式 (R)の R〜Rで表される置換基と同義である。 Rは特に水素原子
1 6 6
が好ましい。 Xは 2価の連結基を表す。 2価の連結基としては、例えば、置換基を有し
ても良い 2価のアルキレン基、置換基を有しても良い 2価のァリーレン基、酸素原子、 硫黄原子、あるいはこれらの連結基の組み合わせを挙げることができる。
[0155] 本発明の一般式 (R)、(Ra)、(R—l)、(R— 2)または (R— 3)で表される化合物の 添加量は、偏光板保護フィルムの質量に対して、 0. 01〜10質量%添加することが 好ましぐ更に、 0. 1〜5質量%添加することが好ましぐ更に、 0. 2〜2質量%添カロ することが好ましい。これらは、 2種類以上を併用しても良い。
[0156] 一般式 (R)、 (Ra)、 (R— 1)、 (R— 2)及び (R— 3)で表される化合物はそれ自体 公知の方法によって製造できる。
[0157] 一般式 (R)、(Ra)、(R— 1)、(R— 2)及び (R— 3)で表される化合物の具体例を以 下に示す力 本発明はこれらに限定されるものではない。
[0158] [化 31]
[0161] [化 34]
[0164] [化 37]
[0165] [化 38]
化合物
No. R O2 R3 R4 R5
152 — CH3 — H — C4H9(s) — H
153 — C4H9(s) — H — C4H9(t) — H
154 — C4H9(s) — H — C5H"(t) — H
155 — CsHnW — H 一 C5H"(t) — H
156 — C4H9(t) — H 一 C5H" (t) — H
157 -C4H9(s) — H — C4H9(s) — H
158 — C4H9(t) — H — (CH2)2C02C8H17(n) — H
159 -C4H9(t) — H — (CH2)2C02C8H17(i) — H
160 — C4H9(t) — H ― (CH2)2C02(CH2)2OC4H3(n) — H
161 ― C12H25 — H — CH3 — H
162 — H — CH3 — H
163 ― — H — CH3 — H
164 ― C24H49 — H — CH3 — H
165 — C4H9(t) — H — CI — H
166 — C4H9(t) — H — OCH3 — H
167 — C
4H
9(t) — H 一 O— C
8H
17(n) — H
169 — H -H — OC4H9(n) — H 170 — H -H — OCH3 — H 171 — H -H — CH, — H ]
ί ^ [Ζ9Ϊ0]
Η— Η— Ζ(ΕΗ0)Ν- H— 88レ
10— Η— (u)"H80-0- H— LSI
ιο— Η— (!) H80-0- ΕΗ0— 981·
Η— Η— (u)uH80-0- ΕΗ0—
Η— 10— (u)^H80-0- H—
Η— H— (u)6H*OO0HN- H—
Η— H— (! H80-0- H— Z 1
Η— H— (u)"H¾-0- H—■
H— ΕΗ0— H— 9 LI
H— W H80— H— H— PLl
H— U) H90- H— H— ZLi
H— )s v — H—■ H—
ON 9l8S0/L00ZdT/13d 6 S9.SZT/.00Z OAV
化合物
No. R2 R3 R4 R5
No. R, R3 4
212 — H — CH2OH — H 213 — H — H — CH2OH — H 214 — H — H — S02C8H17(i) — H 215 — H — C15H31(n) — H — H 216 — H — H
222 — H — H — H — H 223 — H 一 C
4H
9(t) — H — H 224 — H — CH
3 — H — CH
3 225 — H — H — (CH
2)
2C0
2C
18H
35(n) — H 226 — C
4H
9(t) — H — H — C
4H
9(t) 227 — H — CH
3 — H — H
229 — H — OCH3 — H — H 230 — H —OH — H — H
233 — C3H17(t) — C»Hir(t) 一 H ]
[0170] [化 43]
[0171] [化 44]
[0172] [化 45]
[0173] 《本発明に係るフラノース構造もしくはビラノース構造を有すィ匕合物》
本発明の偏光板保護フィルムはフラノース構造もしくはビラノース構造を 1個有すィ匕 合物 (A)中の、あるいは、フラノース構造もしくはビラノース構造の少なくとも 1種を 2 〜12個結合した化合物(B)中の OH基のすべてもしくは一部をエステル化した糖ェ ステル化合物、セルロースエステル及び前記一般式 (R)または (Ra)で表される化合 物とを含むことを特徴とする。
[0174] 好ましい化合物 (A)および化合物(B)の例としては、例えば以下のようなものをあ
げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
化合物(A)の例としてはグルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロー ス、あるいはァラビノースが挙げられる。
化合物(B)のエステルイ匕合物としてはフラノース構造もしくはビラノース構造の少なく とも 1種を 2〜 12個結合した化合物(B)中の OH基のすべてもしくは一部をエステル 化した糖エステルイ匕合物であることが好ましぐ更に好ましくはフラノース構造もしくは ビラノース構造の少なくとも 1種を 2〜3個結合したィ匕合物(B)中の OH基のすべても しくは一部をエステルイ匕した糖エステルイ匕合物であることが好まし ヽ。
[0175] 化合物(B)の例としてはラタトース、スクロース、ニストース、 1F-フラクトシルニストー ス、スタキオース、マノレチトーノレ、ラクチトーノレ、ラクチュロース、セロビオース、マノレト ース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフイノースあるいはケストース挙げられる。こ のほか、ゲンチオビオース、ゲンチォトリオース、ゲンチォテトラオース、キシロトリオ一 ス、ガラクトシルスクロースなども挙げられる。化合物(B)の中で、特にフラノース構造 とビラノース構造を両方有する化合物が好ましい。例としてはスクロース、ケストース、 ニストース、 1F-フラクトシルニストース、スタキオースなどが好ましい。更に好ましくは 、スクロースである。
[0176] 本発明の化合物 (A)および化合物(B)中の OH基のすべてもしくは一部をエステ ル化した化合物 (糖エステル化合物)に用いられるモノカルボン酸としては、特に制 限はなぐ公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボ ン酸等を用いることができる。用いられるカルボン酸は 1種類でもよいし、 2種以上の 混合であってもよい。
[0177] 好ま 、脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉 草酸、カプロン酸、ェナント酸、力プリル酸、ペラルゴン酸、力プリン酸、 2—ェチルー へキサンカルボン酸、ゥンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデ シル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ァラキン酸、ベ ヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセ ル酸等の飽和脂肪酸、ゥンデシレン酸、ォレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン 酸、ァラキドン酸、オタテン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
[0178] 好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロへ キサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることが できる。
[0179] 好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルィル酸等の安息香酸 のベンゼン環に 1〜5個のアルキル基もしくはアルコキシ基を導入した芳香族モノ力 ルボン酸、ケィ皮酸、ベンジル酸、ビフエ二ルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テト ラリンカルボン酸等のベンゼン環を 2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそ れらの誘導体を挙げることができ、より具体的には、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン 酸、プレー-チル酸、 γ -イソジュリル酸、ジュリル酸、メシト酸、 α -イソジュリル酸、ク ミン酸、 α -トルィル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、ヒドロケィ皮酸、サリチル酸、 0- ァニス酸、 m-ァニス酸、 p-ァニス酸、クレオソート酸、 0-ホモサリチル酸、 m-ホモサリ チル酸、 P-ホモサリチル酸、 0-ピロ力テク酸、 β -レソルシル酸、バニリン酸、イソバニ リン酸、ベラトルム酸、 0-ベラトルム酸、没食子酸、アサロン酸、マンデル酸、ホモア- ス酸、ホモバニリン酸、ホモべラトルム酸、 0-ホモべラトルム酸、フタロン酸、 ρ -タマル 酸を挙げることができる力 特に安息香酸が好ましい。
[0180] 上記化合物 (Α)および化合物(Β)をエステル化した糖エステル化合物の中では、 エステルイ匕によりァセチル基が導入されたァセチルイ匕化合物が好ましい。
[0181] これらの化合物の製造方法の詳細は、特開平 8— 245678号公報に記載されてい る。
[0182] 上記化合物 (Α)および化合物(Β)のエステルイ匕化合物にカ卩えて、オリゴ糖のエス テル化化合物を、本発明のフラノース構造もしくはビラノース構造の少なくとも 1種を 3
〜 12個結合した化合物として適用できる。
[0183] オリゴ糖は、澱粉、ショ糖等にアミラーゼ等の酵素を作用せて製造されるもので、本 発明に適用できるオリゴ糖としては、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラタトオリゴ 糖、ガラタトオリゴ糖、キシロオリゴ糖が挙げられる。
[0184] オリゴ糖も上記化合物 (Α)および化合物 (Β)と同様な方法でァセチルイ匕できる。
[0185] 次に、エステル化化合物の製造例の一例を記載する。
[0186] グルコース(29. 8g、 166mmol)にピリジン(100ml)をカ卩えた溶液に無水酢酸(20
Oml)を滴下し、 24時間反応させた。その後、エバポレートで溶液を濃縮し氷水へ投 入した。 1時間放置した後、ガラスフィルターにてろ過し、固体と水を分離し、ガラスフ ィルター上の固体をクロ口ホルムに溶かし、これが中性になるまで冷水で分液した。 有機層を分離後、無水硫酸ナトリュウムにより乾燥した。無水硫酸ナトリュウムをろ過 により除去した後、クロ口ホルムをエバポレートにより除き、更に減圧乾燥することによ りグリコースペンタアセテート(58. 8g、 150mmol、 90. 9%)を得た。尚、上記無水 酢酸の替わりに、上述のモノカルボン酸を使用することができる。
[0187] 以下に、本発明の糖エステルイ匕合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定さ れるものではない。
[0188] [化 46]
化合物 11
化合物 12
化合物 13
化合物 14
]
化合物 21
n = 1~8 O
II
R21 = -C-CH
化合物 22
本発明の偏光板保護フィルムは、位相差値の湿度変動を抑制して、表示品位を安 定化する為に、フラノース構造もしくはビラノース構造を 1個有す化合物 (A)中の、あ るいは、フラノース構造もしくはビラノース構造の少なくとも 1種を 2〜 12個結合した化 合物(B)中の OH基のすべてもしくは一部をエステルイ匕した糖エステルイ匕合物を偏
光板保護フィルムの質量に対して 1〜35質量%、特に 5〜30質量%含むことが好ま しい。この範囲内であれば、本発明の優れた効果を呈すると共に、原反保管中にお けるブリードアウトなどもなく好まし 、。
[0197] 《セルロースエステル》
次に、本発明に用いられるセルロースエステルについて、詳述する。
[0198] 本発明に用いられるセルロースエステルフィルムは、溶液流延法、溶融流延法によ り製造される。溶液流延法は、セルロースエステルを溶媒中に溶解した溶液 (ドープ) を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。溶融流延法では、セル ロースエステルを加熱により溶融したもの (メルト)を支持体上に流延してフィルムを形 成する。溶融流延法はフィルム製造時の有機溶媒使用量を、大幅に少なくすることが できるため、従来の有機溶媒を多量に使用する溶液流延法に比較して、環境適性が 大幅に向上したフィルムが得られるため、溶融流延法により、セルロースエステルフィ ルムを製造することが好ま U、。
[0199] 本発明における溶融流延とは、実質的に溶媒を用いずにセルロースエステルを流 動性を示す温度まで加熱溶融しこれを用いて製膜する方法であり、例えば流動性の セルロースエステルをダイスカゝら押し出して製膜する方法である。なお溶融セルロー スエステルを調製する過程の一部で溶媒を使用してもよ ヽが、フィルム状に成形を行 う溶融製膜プロセスにおいては実質的に溶媒を用 ヽずに成形加ェする。
[0200] 偏光板保護フィルムを構成するセルロースエステルとしては、溶融製膜可能なセル ロースエステルであれば特に限定はされず、例えば芳香族カルボン酸エステル等も 用いられる力 光学特性等の得られるフィルムの特性を鑑みると、セルロースの低級 脂肪酸エステルを使用するのが好まし 、。本発明にお 、てセルロースの低級脂肪酸 エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が 5以下の脂肪酸を意味し、例えばセ ノレロースアセテート、セノレロースプロピオネート、セノレロースブチレート、セノレロースピ パレート等がセルロースの低級脂肪酸エステルの好まし 、ものとして挙げられる。炭 素原子数が 6以上の脂肪酸で置換されたセルロースエステルでは、溶融製膜性は良 好であるものの、得られるセルロースエステルフィルムの力学特性が低ぐ実質的に 光学フィルムとして用いることが難しいためである。力学特性と溶融製膜性の双方を
両立させるために、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチ レート等のように混合脂肪酸エステルを用いてもょ 、。
[0201] 本発明において、セルロースエステルフィルムを構成するセルロースエステルは、 炭素数 2以上の脂肪族ァシル基を有するセルロースエステルであり、かつ、セルロー スエステルのァシル基総炭素数が 6. 1〜7. 5であるセルロースエステルであることが 好ましい。セルロースエステルのァシル基総炭素数は、好ましくは、 6. 5〜7. 2であり 、さらに好ましくは 6. 7〜7. 1である。ただし、ァシル基総炭素数は、セルロースエス テル中の各ァシル基の置換度と炭素数の積の総和である。さらに、脂肪族ァシル基 の炭素数は、セルロース合成の生産性、コストの観点から、 2〜6が好ましい。なお、 ァシル基で置換されて 、な 、部分は通常水酸基として存在して 、る。これらは公知 の方法で合成することができる。
[0202] ァシル基としては、例えば、ァセチル基、プロピオ-ル基、ブチリル基、ペンタネート 基、へキサネート基等が挙げられ、セルロースエステルとしては、セルロースプロピオ ネート、セルロースブチレート、セルロースペンタネート等が挙げられる。また、上述の 側鎖炭素数を満たせば、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート ブチレート、セルロースアセテートペンタネート等のように混合脂肪酸エステルでもよ い。この中でも、特にセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチ レートが好ましい。
[0203] 一般に、セルロースエステルのァシル基の総置換度に対し、セルロースエステルフ イルムの機械物性及びケン化性と、セルロースエステルの溶融製膜性は、トレードォ フの関係にある。例えば、セルロースアセテートプロピオネートにおいて、ァシル基の 総置換度を上げると機械物性が低下し、溶融製膜性が向上するため、両立は困難で ある。本発明では、セルロースエステルのァシル基総炭素数を 6. 1〜7. 5の範囲で あると、フィルム機械物性、ケンィ匕性、溶融製膜性を両立できることができる。この機 構の詳細は不明であるが、ァシル基の炭素数により、フィルム機械物性、ケンィ匕性、 溶融製膜性への影響が異なるためと推測される。すなわち、同置換度の場合、ァセ チル基よりもプロピオニル基、プチリル基といった長鎖のァシル基の方力 より疎水性 となり、溶融製膜性を向上させる。従って、同じ溶融製膜性を達成する場合、プロピ
ォニル基、プチリル基の置換度はァセチル基よりも低置換度でよぐそのため機械物 性、ケンィ匕性の低下が抑えられると推測される。
[0204] 本発明で用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量 MwZ数平均分子量 Mn比が 1.0〜5.5のものが好ましく用いられ、より好ましくは 1.4〜5.0であり、さら に好ましくは 2.0〜3.0である。また、 Mwは 5万〜 50万、中でも 10万〜 30万のもの が好ましく用いられる。
[0205] セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィー を用いて公知の方法で測定することができる。これを用いて数平均分子量、重量平 均分子量を算出する。測定条件は以下の通りである。
[0206] 溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、 Κ805、 Κ803 (昭和電工 (株)製を 3本接続して使用 した)
カラム温度: 25°C
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504 (GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000 (日立製作所 (株)製)
校正曲線: 標準ポリスチレン STK (東ソ一(株)製) Mw=1000000〜500迄の 13サンプルによる校正曲線を使用した。 13サンプルは、ほぼ等間隔にすることが好 ましい。
[0207] 本発明で用いられるセルロースエステルの原料セルロースは、木材パルプでも綿花 リンターでもよぐ木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ま しい。製膜の際の剥離性の点力もは綿花リンターが好ましく用いられる。これらから作 られたセルロースエステルは適宜混合して、ある!/、は単独で使用することができる。
[0208] 例えば、綿花リンター由来セルロースエステル:木材パルプ (針葉樹)由来セルロー スエステル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエステルの比率が 100: 0: 0、 90: 10:0、 85:15:0、 50:50:0、 20:80:0、 10:90:0、 0:100:0、 0:0:100、 80:10 :10、 85:0:15、 40 :30 :30で用いることができる。
[0209] セルロースエステルは、例えば、原料セルロースの水酸基を無水酢酸、無水プロピ オン酸及び Zまたは無水酪酸を用いて常法によりァセチル基、プロピオ-ル基及び
/またはブチル基を上記の範囲内に置換することで得られる。このようなセルロース エステルの合成方法は、特に限定はないが、例えば、特開平 10— 45804号あるい は特表平 6— 501040号に記載の方法を参考にして合成することができる。
[0210] ァセチル基、プロピオ-ル基、ブチル基等のァシル基の置換度は、 ASTM— D81 7— 96に準じて測定することができる。
[0211] また、工業的にはセルロースエステルは硫酸を触媒として合成されている力 この 硫酸は完全には除去されておらず、残留する硫酸が溶融製膜時に各種の分解反応 を引き起こし、得られるセルロースエステルフィルムの品質に影響を与えるため、本発 明に用いられるセルロースエステル中の残留硫酸含有量は、硫黄元素換算で 0. 1 〜40ppmの範囲であることが好まし!/、。これらは塩の形で含有して!/、ると考えられる 。残留硫酸含有量が 40ppm以下であると熱溶融時のダイリップ部の付着物が増加し にくく好ましい。また、熱延伸時や熱延伸後でのスリツティングの際に破断しにくくなる ため好ましい。残留硫酸含有量は少ない方が好ましいが、 0. lppm未満とするには セルロースエステルの洗浄工程の負担が大きくなりすぎるため好ましくないだけでな ぐ逆に破断しやすくなることがある。これは洗浄回数が増えることが榭脂に影響を与 えているの力もしれないがよく分かっていない。さらに 0. l〜30ppmの範囲が好まし い。残留硫酸含有量は、同様に ASTM— D817— 96により測定することができる。
[0212] また、その他の残留酸 (酢酸、プロピオン酸、酪酸等)を含めたトータル残留酸量は lOOOppm以下が好ましぐ 500ppm以下がさらに好ましぐ lOOppm以下がより好ま しい。
[0213] 合成したセルロースエステルの洗浄を、溶液流延法に用いられる場合に比べて、さ らに十分に行うことによって、残留酸含有量を上記の範囲とすることができ、溶融流 延法によってフィルムを製造する際に、リップ部への付着が軽減され、平面性に優れ るフィルムが得られ、寸法変化、機械強度、透明性、耐透湿性、後述する Rth値、 Ro 値が良好なフィルムを得ることができる。また、セルロースエステルの洗浄は、水にカロ えて、メタノール、エタノールのような貧溶媒、あるいは結果として貧溶媒であれば貧
溶媒と良溶媒の混合溶媒を用いることができ、残留酸以外の無機物、低分子の有機 不純物を除去することができる。さらに、セルロースエステルの洗浄は、ヒンダードフエ ノール、ヒンダードァミン、亜リン酸エステルといった酸化防止剤の存在下で行うことが 好ましぐセルロースエステルの耐熱性、製膜安定性が向上する。
[0214] また、セルロースエステルの耐熱性、機械物性、光学物性等を向上させるため、セ ルロースエステルの良溶媒に溶解後、貧溶媒中に再沈殿させ、セルロースエステル の低分子量成分、その他不純物を除去することができる。この時、前述のセルロース エステルの洗浄同様に、酸化防止剤の存在下で行うことが好ま 、。
[0215] さらに、セルロースエステルの再沈殿処理の後、別のポリマーあるいは低分子化合 物を添カ卩してもよい。
[0216] また、本発明で用いられるセルロースエステルはフィルムにした時の輝点異物が少 ないものであることが好ましい。輝点異物とは、 2枚の偏光板を直交に配置し (クロス ニコル)、この間にセルロースエステルフィルムを配置して、一方の面から光源の光を 当てて、もう一方の面からセルロースエステルフィルムを観察した時に、光源の光が 漏れて見える点のことである。このとき評価に用いる偏光板は輝点異物がない保護フ イルムで構成されたものであることが望ましぐ偏光子の保護にガラス板を使用したも のが好ましく用 ヽられる。輝点異物はセルロースエステルに含まれる未酢化もしくは 低酢化度のセルロースがその原因の 1つと考えられ、輝点異物の少ないセルロース エステルを用いる(置換度の分散の小さ 、セルロースエステルを用いる)ことと、溶融 したセルロースエステルを濾過すること、あるいはセルロースエステルの合成後期の 過程や沈殿物を得る過程の少なくともいずれかにおいて、一度溶液状態として同様 に濾過工程を経由して輝点異物を除去することもできる。溶融榭脂は粘度が高いた め、後者の方法の方が効率がよい。
[0217] フィルム膜厚が薄くなるほど単位面積当たりの輝点異物数は少なくなり、フィルムに 含まれるセルロースエステルの含有量が少なくなるほど輝点異物は少なくなる傾向が あるが、輝点異物は、輝点の直径 0. Olmm以上が 200個 Zcm2以下であることが好 ましぐ 100個 Zcm2以下であることがより好ましぐ 50個 Zcm2以下であることがさら に好ましぐ 30個/ cm2以下であることがさらにより好ましぐ 10個/ cm2以下であるこ
とがさらに好ましいが、皆無であることが最も好ましい。また、 0. 005-0. 01mm以 下の輝点についても 200個 Zcm2以下であることが好ましぐ 100個 Zcm2以下であ ることがより好ましぐ 50個/ cm2以下であることがさらにより好ましぐ 30個/ cm2以 下であることがさらに好ましぐ 10個/ cm2以下であることがさらに好ましいが、皆無で あることが最も好ましい。
[0218] 輝点異物を溶融濾過によって除去する場合、セルロースエステルを単独で溶融さ せたものを濾過するよりも可塑剤、劣化防止剤、酸ィ匕防止剤等を添加混合したセル ロースエステル組成物を濾過することが輝点異物の除去効率が高く好まし 、。もちろ ん、セルロースエステルの合成の際に溶媒に溶解させて濾過により低減させてもよい 。紫外線吸収剤、その他の添加物も適宜混合したものを濾過することができる。濾過 はセルロースエステルを含む溶融物の粘度が 10000P以下で濾過されることが好ま しぐ 5000P以下がより好ましぐ 1000P以下がさらに好ましぐ 500P以下であること 力 Sさらにより好ましい。濾材としては、ガラス繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化工 チレン榭脂等の弗素榭脂等の従来公知のものが好ましく用いられるが、特にセラミツ タス、金属等が好ましく用いられる。絶対濾過精度としては 50 m以下のものが好ま しく用いられ、 30 /z m以下のものがより好ましぐ 10 /z m以下のものがさらにより好ま しぐ 5 m以下のものがさらに好ましく用いられる。これらは適宜組み合わせて使用 することもできる。濾材はサーフェースタイプでもデプスタイプでも用いることができる 1S デプスタイプの方が比較的目詰まりしにくく好ましく用いられる。
[0219] 別の実施態様では、原料のセルロースエステルは少なくとも一度溶媒に溶解させた 後、溶媒を乾燥させたセルロースエステルを用いてもよい。その際には可塑剤、紫外 線吸収剤、劣化防止剤、酸化防止剤及びマット剤の少なくとも 1つ以上と共に溶媒に 溶解させた後、乾燥させたセルロースエステルを用いる。溶媒としては、メチレンクロ ライド、酢酸メチル、ジォキソラン等の溶液流延法で用いられる良溶媒を用いることが でき、同時にメタノール、エタノール、ブタノール等の貧溶媒を用いてもよい。溶解の 過程で— 20°C以下に冷却したり、 80°C以上に加熱したりしてもよい。このようなセル ロースエステルを用いると、溶融状態にした時の各添加物を均一にしゃすぐ光学特 性を均一にできることがある。
[0220] 本発明の偏光板保護フィルムはセルロースエステル以外の高分子成分を適宜混合 したものでもよ ヽ。混合される高分子成分はセルロースエステルと相溶性に優れるも のが好ましぐフィルムにした時の透過率が 80%以上、さらに好ましくは 90%以上、さ らに好ましくは 92%以上であることが好ましい。
[0221] 《酸化防止剤》
セルロースエステルは、熱だけでなく酸素によっても分解が促進されるため、本発 明の偏光板保護フィルムにおいては安定化剤として酸ィ匕防止剤を含有することが好 ましい。
[0222] 特に、溶融製膜が行われるような高温環境下では、セルロースエステルフィルム成 形材料の熱、及び酸素による分解が促進されるため、酸化防止剤を含有することが 好ましい。
[0223] また、本発明にお 、て、セルロースエステルの貧溶媒による懸濁洗浄時に酸ィ匕防 止剤存在下で洗浄することも好ましい。使用される酸化防止剤は、セルロースエステ ルに発生したラジカルを不活性ィ匕する、あるいはセルロースエステルに発生したラジ カルに酸素が付加したことが起因のセルロースエステルの劣化を抑制する化合物で あれば制限なく用いることができる。
[0224] セルロースエステルの懸濁洗浄に使用する酸ィ匕防止剤は、洗浄後セルロースエス テル中に残存していてもよい。残存量は 0. 01〜2000ppm力 Sよく、より好ましくは 0. 05〜: LOOOppmである。さらに好ましくは 0. 1〜: LOOppmである。
[0225] 本発明において有用な酸ィ匕防止剤としては、酸素によるセルロースエステルフィル ム成形材料の劣化を抑制する化合物であれば制限なく用いることができるが、中でも 有用な酸化防止剤としては、フエノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系 化合物、ィォゥ系化合物、耐熱加工安定剤、酸素スカベンジャー等が挙げられ、これ らの中でも、特にフ ノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物が好 ましい。これらの化合物を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく 、熱や熱酸化劣化等による成形体の着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防 止剤は、それぞれ単独で、あるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0226] (フ ノール系化合物)
フエノール系化合物は既知の化合物であり、例えば、米国特許第 4, 839, 405号 明細書の第 12〜14欄に記載されており、 2, 6—ジアルキルフエノール誘導体化合 物が含まれる。このような化合物のうち好ましい化合物として、下記一般式 (A)で表さ れる化合物が好ましい。
[0228] 式中、 R 〜R
11 15は置換基を表す。置換基としては、水素原子、ハロゲン原子 (例え ばフッ素原子、塩素原子等)、アルキル基 (例えばメチル基、ェチル基、イソプロピル 基、ヒドロキシェチル基、メトキシメチル基、トリフルォロメチル基、 t—ブチル基等)、シ クロアルキル基 (例えばシクロペンチル基、シクロへキシル基等)、ァラルキル基 (例え ばべンジル基、 2—フエネチル基等)、ァリール基(例えばフエ-ル基、ナフチル基、 p
—トリル基、 p—クロ口フエニル基等)、アルコキシ基 (例えばメトキシ基、エトキシ基、ィ ソプロポキシ基、ブトキシ基等)、ァリールォキシ基 (例えばフエノキシ基等)、シァノ基
、ァシルァミノ基 (例えばァセチルァミノ基、プロピオ-ルァミノ基等)、アルキルチオ 基 (例えばメチルチオ基、ェチルチオ基、プチルチオ基等)、ァリールチオ基 (例えば フエ-ルチオ基等)、スルホ -ルァミノ基(例えばメタンスルホ -ルァミノ基、ベンゼン スルホ -ルァミノ基等)、ウレイド基 (例えば 3—メチルウレイド基、 3, 3—ジメチルウレ イド基、 1, 3—ジメチルウレイド基等)、スルファモイルァミノ基 (ジメチルスルファモイ ルァミノ基等)、力ルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、ェチルカルバモイル 基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えばェチルスルファモイル基 、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボ-ル基(例えばメトキシカルボ-ル 基、エトキシカルボニル基等)、ァリールォキシカルボ-ル基 (例えばフエノキシカル ボ-ル基等)、スルホ -ル基(例えばメタンスルホ-ル基、ブタンスルホ-ル基、フエ- ルスルホニル基等)、ァシル基 (例えばァセチル基、プロパノィル基、ブチロイル基等
)、アミノ基 (メチルァミノ基、ェチルァミノ基、ジメチルァミノ基等)、シァノ基、ヒドロキ シ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンォキシド基 (例えばピリジン一才キシド基)、イミド基( 例えばフタルイミド基等)、ジスルフイド基 (例えばベンゼンジスルフイド基、ベンゾチア ゾリルー 2—ジスルフイド基等)、カルボキシル基、スルホ基、ヘテロ環基 (例えば、ピ ロール基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル 基、ベンズチアゾリル基、ベンズォキサゾリル基等)等が挙げらる。これらの置換基は さらに置換されてもよい。
また、 R は水素原子、 R 、 R は t ブチル基であるフエノール系化合物が好まし
11 12 16
い。フエノール系化合物の具体例としては、 n—ォクタデシル 3— (3, 5—ジー tーブ チルー 4ーヒドロキシフエ-ル) プロピオネート、 n—ォクタデシル 3—(3, 5—ジ t —ブチルー 4—ヒドロキシフエ-ル)一アセテート、 n—ォクタデシル 3, 5—ジ一 t—ブ チルー 4ーヒドロキシベンゾエート、 n—へキシル 3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキ シフエ-ルペンゾエート、 n—ドデシル 3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル ベンゾエート、ネオ—ドデシル 3— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエ-ル) プロピオネート、ドデシル j8 (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエ-ル)プロピ ォネート、ェチル α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジー t ブチルフエ-ル)イソブチレー ト、ォクタデシル α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジー t—ブチルフエ-ル)イソブチレート 、ォクタデシル α— (4—ヒドロキシ一 3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル) プロピオネート、 2 (n—ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジ—tーブチルー 4ーヒドロキ シ一べンゾエート、 2 (n—ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジー tーブチルー 4ーヒドロ キシ—フエ-ルアセテート、 2—(n—ォクタデシルチオ)ェチル 3, 5 ジー t—ブチル 4ーヒドロキシフエ-ルアセテート、 2—(n—ォクタデシルチオ)ェチル 3, 5 ジ t ーブチルー 4ーヒドロキシ一べンゾエート、 2- (2 ヒドロキシェチルチオ)ェチル 3, 5—ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、ジェチルダリコールビス (3, 5— ジ tーブチルー 4ーヒドロキシ一フエ-ル)プロピオネート、 2- (n—ォクタデシルチ ォ)ェチル 3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート、ステ アルアミド N, N ビス一 [エチレン 3— (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ- ル)プロピオネート]、 n—ブチルイミノ N, N—ビス一 [エチレン 3— (3, 5—ジ一 t ブ
チルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 2- (2—ステアロイルォキシェチル チォ)ェチル 3, 5 ジ tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、 2—(2—ステアロイ ルォキシェチルチオ)ェチル 7—( 3—メチル 5— t ブチル 4 ヒドロキシフエ- ル)ヘプタノエート、 1, 2 プロピレングリコールビス— [3— (3, 5 ジ— t—ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、エチレングリコールビス [3— (3, 5—ジー tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコールビス [3— (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、エチレングリ コールビス一 (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ルアセテート)、グリセリン —1—n—ォクタデカノエートー 2, 3 ビス一(3, 5 ジ一 t—ブチノレ一 4 ヒドロキシ フエ-ルアセテート)、ペンタエリスリトールーテトラキス一 [3— (3' , 5' —ジ一 t— ブチルー^ —ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 1, 1, 1—トリメチロールェタン —トリス— [3— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ソ ルビトールへキサ [3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオ ネート]、 2 ヒドロキシェチル 7— (3—メチル 5— t—ブチル 4 ヒドロキシフエ- ル)プロピオネート、 2—ステアロイルォキシェチル 7—(3—メチルー 5—t—ブチルー 4 ヒドロキシフエ-ル)ヘプタノエート、 1, 6— n—へキサンジオール一ビス [ , 5 ' ージ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ペンタエリトリトール テトラキス(3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシヒドロシンナメート)が含まれる。上 記タイプのフエノール化合物は、例えば、 Ciba Specialty Chemicalsから、 "Irga noxl076"及び" IrganoxlOlO"という商品名で市販されている。
[0230] (ヒンダードアミン系化合物)
本発明にお 、て有用な酸化防止剤の一つとして、下記一般式 (B)で表されるヒン ダードアミン系化合物が好まし 、。
[0231] [化 55]
[0232] 式中、 R 〜R は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で表さ
21 27 11 15 れる置換基と同義である。 R は水素原子、メチル基、 R は水素原子、 R 、 R 、 R 、
24 27 22 23 25
R はメチル基が好ましい。
26
[0233] ヒンダードアミン系化合物の具体例としては、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4 ピペリジル)セバケート、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)スクシネート 、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N—オタトキ シ一 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N ベンジルォキ シ一 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N シクロへキシル ォキシ—2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル)セノ ケート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 —ペンタメチル一 4 ピペリジル) 2— (3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジ ル)ー2 ブチルマロネート、ビス(1ーァクロイルー 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピ ペリジル) 2, 2 ビス(3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 2 ブチル マロネート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル一 4 ピペリジル)デカンジ才エート、 2 , 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジルメタタリレート、 4— [3— (3, 5 ジ— t—ブ チル— 4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ルォキシ]— 1— [2— (3— (3, 5 ジ— t— ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ルォキシ)ェチル ] 2, 2, 6, 6—テトラメ チルピペリジン、 2—メチルー 2—(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)ァミノ — N— (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2, 2 , 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル) 1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボキシレート、テ トラキス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル— 4 ピペリジル) 1, 2, 3, 4 ブタンテトラ力 ルポキシレート等が挙げられる。
[0234] また、高分子タイプの化合物でもよぐ具体例としては、 N, Ν' , Νグ , Νグ ' —テ トラキスー [4, 6 ビス 〔ブチルー(Ν—メチルー 2, 2, 6, 6—テトラメチルピベリジ
ン— 4—ィル)ァミノ〕—トリァジン— 2—ィル]—4, 7 ジァザデカン— 1, 10 ジアミ ン、ジブチノレアミンと 1, 3, 5 トリアジンー N, N' ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチノレ 4ーピペリジル)ー1, 6 へキサメチレンジァミンと N—(2, 2, 6, 6—テトラメチル 4ーピペリジル)ブチルァミンとの重縮合物、ジブチルァミンと 1, 3, 5 トリアジンと N, N' ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)ブチルァミンとの重縮合 物、ポリ〔{ (1, 1, 3, 3—テトラメチルブチル)アミノー 1, 3, 5 トリアジン 2, 4 ジ ィル } { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)イミノ}へキサメチレン { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)ィミノ }〕、 1, 6 へキサンジァミン一 N, N' —ビス (2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル)とモルフォリン— 2, 4, 6 トリクロ口 1 , 3, 5 トリァジンとの重縮合物、ポリ [ (6 モルフォリノ s トリァジン— 2, 4 ジィ ル)〔(2, 2, 6, 6, —テトラメチル— 4 ピペリジル)ィミノ〕—へキサメチレン〔(2, 2, 6 , 6—テトラメチル— 4—ピペリジル)ィミノ〕]等の、ピぺリジン環がトリァジン骨格を介 して複数結合した高分子量 HALS ;コハク酸ジメチルと 4ーヒドロキシ 2, 2, 6, 6— テトラメチルー 1ーピペリジンエタノールとの重合物、 1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボ ン酸と 1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピベリジノールと 3, 9 ビス(2 ヒドロキシ - 1, 1ージメチルェチル) 2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカンとの 混合エステルイ匕物等の、ピぺリジン環がエステル結合を介して結合したィ匕合物等が 挙げられる力 これらに限定されるものではない。
[0235] これらの中でも、ジブチルァミンと 1, 3, 5 トリァジンと N, N' —ビス(2, 2, 6, 6 —テトラメチル一 4 ピペリジル)プチルァミンとの重縮合物、ポリ〔{ (1, 1, 3, 3—テト ラメチノレブチノレ)アミノー 1, 3, 5 トリアジンー 2, 4 ジィル } { (2, 2, 6, 6—テトラメ チル一 4 ピペリジル)イミノ}へキサメチレン { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリ ジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと 4ーヒドロキシ 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 1ーピ ペリジンエタノールとの重合物等で、数平均分子量(Mn)が 2, 000〜5, 000のもの が好ましい。
[0236] (ヒンダードフエノール酸化防止剤)
ヒンダードフエノール酸化防止剤は、フエノール化合物の水酸基に対してオルト位置 にかさ高 、分岐アルキルを有する構造である。
[0237] ヒンダードフエノール酸ィ匕防止剤は既知の化合物であり、例えば、米国特許第 4, 8 39, 405号明細書の第 12〜14欄に記載されているものなどの、 2, 6 ジアルキル フエノール誘導体が好ましい。このような化合物には、以下の一般式 (E)のものが含 まれる。
[0239] 上式中、 Rl、 R2及び R3は、更に置換されている力、または置換されていないアル キル置換基を表す。ヒンダードフエノール化合物の具体例には、 n—ォクタデシル 3 - (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)一プロピオネート、 n—ォクタデシ ル 3— (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)一アセテート、 n—ォクタデシ ル 3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、 n キシル 3, 5—ジー t— ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ルペンゾエート、 n—ドデシル 3, 5—ジ—tーブチルー 4 ーヒドロキシフエ-ルペンゾエート、ネオードデシル 3— (3, 5—ジ—tーブチルー 4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート、ドデシル (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキ シフエ-ル)プロピオネート、ェチルひ一(4ーヒドロキシ 3, 5—ジー t—ブチルフエ -ル)イソブチレート、ォクタデシル α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジー t ブチルフエ -ル)イソブチレート、ォクタデシル α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジ tーブチルー 4 ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート、 2—(n—ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジー t— ブチルー 4ーヒドロキシ一べンゾエート、 2 (n—ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジー t ーブチルー 4ーヒドロキシ—フエ-ルアセテート、 2- (n—ォクタデシルチオ)ェチル 3 , 5 ジ— t—ブチル—4 ヒドロキシフエ-ルアセテート、 2— (n—ォクタデシルチオ )ェチル 3, 5 ジ tーブチルー 4ーヒドロキシ一べンゾエート、 2—(2 ヒドロキシェ チルチオ)ェチル 3, 5—ジー tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、ジェチルダリコ
ールビス—(3, 5 ジ— t ブチル—4 ヒドロキシ—フエ-ル)プロピオネート、 2— ( n—ォクタデシルチオ)ェチル 3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル) プロピオネート、ステアルアミド N, N ビス— [エチレン 3— (3, 5—ジ— t—ブチルー 4—ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 n—ブチルイミノ N, N ビス一 [エチレン 3 — (3, 5 ジ— t—ブチル—4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 2— (2—ステア ロイルォキシェチルチオ)ェチル 3 , 5—ジー t ブチル 4 ヒドロキシベンゾエート 、 2- (2—ステアロイルォキシェチルチオ)ェチル 7—(3—メチルー 5—t—ブチルー 4 ヒドロキシフエ-ル)ヘプタノエート、 1, 2 プロピレングリコールビス一 [3— (3, 5 ージー t ブチル 4 ヒドロキシフエニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス
[3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ネオペン チルダリコールビス [3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオ ネート]、エチレングリコールビス— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエ-ルァ セテート)、グリセリン一 1—n—ォクタデカノエートー 2, 3 ビス一(3, 5 ジ一 t—ブ チル一 4—ヒドロキシフエ-ルアセテート)、ペンタエリトリトールーテトラキス一 [3— (3 ' , 5' —ジ一 t—ブチルー^ —ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 1, 1, 1—トリ メチロールエタン―トリス— [3— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエ-ル)プ 口ピオネート]、ソルビトールへキサ— [3— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフ ェ -ル)プロピオネート]、 2 ヒドロキシェチル 7— (3—メチル—5— t—ブチル—4— ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート、 2—ステアロイルォキシェチル 7—(3—メチルー 5—t ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)ヘプタノエート、 1, 6—n—へキサンジォー ルービス [ (3' , 5' —ジ— t ブチル—4—ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ぺ ンタエリトリトールーテトラキス(3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシヒドロシンナメー ト)が含まれる。上記タイプのヒンダードフエノール化合物は、例えば、 Ciba Special ty
Chemicalsから、 Tinuvinl44、 Tinuvin770、 Irganox 1010、旭電化工業株式 会社から" ADK STAB LA— 52"、という商品名で市販されている。
(リン系化合物)
本発明において有用な酸ィ匕防止剤の一つとして、下記一般式 (C— 1)、(C— 2)、 (
C 3)、(C 4)、(C 5)で表される部分構造を分子内に有する化合物が好ましい
[0241] [化 57] 一般式 (C— 1)
0— Ph,
I I
X
0— Ph'
[0242] 式中、 Ph及び Ph' は 2価の置換基を表す。より好ましくは、 Ph及び P はフエ
1 1 1 1 二レン基を表し、該フエ-レン基の水素原子はフエ-ル基、炭素数 1〜8のアルキル 基、炭素数 5〜8のシクロアルキル基、炭素数 6〜 12のアルキルシクロアルキル基ま たは炭素数 7〜 12のァラルキル基で置換されていてもよい。 Ph及び PI は互いに
1 1 同一でもよぐ異なってもよい。 Xは単結合、硫黄原子または CHR—基を表す。 R
6 6 は水素原子、炭素数 1〜8のアルキル基または炭素数 5〜8のシクロアルキル基を表 す。また、これらは前記一般式 (A)の R 〜R で表される置換基と同義の置換基によ
11 15
り置換されてもよい。
[0243] [化 58] 一般式 (C一 2)
0― Ph2
I
[0244] 式中、 Ph及び P は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R
2 2 11 15 で表される置換基と同義である。より好ましくは、 Ph及び P はフエ-ル基または
2 2
ビフエ-ル基を表し、該フエ-ル基またはビフエニル基の水素原子は炭素数 1〜8の アルキル基、炭素数 5〜8のシクロアルキル基、炭素数 6〜 12のアルキルシクロアル キル基または炭素数 7〜 12のァラルキル基で置換されていてもよい。 Ph及び P
2 2 は互いに同一でもよぐ異なってもよい。また、これらは前記一般式 (A)の R 〜R で
表される置換基と同義の置換基により置換されてもょ
[0245] [化 59] 一般式 {C一 3>
0一
/
Ph,-0-P
\
o—
[0246] 式中、 Phは置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で表される
3 11 15 置換基と同義である。より好ましくは、 Phはフエニル基またはビフエ-ル基を表し、該
3
フエニル基またはビフヱ-ル基の水素原子は炭素数 1〜8のアルキル基、炭素数 5〜 8のシクロアルキル基、炭素数 6〜 12のアルキルシクロアルキル基または炭素数 7〜 12のァラルキル基で置換されていてもよい。また、これらは前記一般式 (A)の R 〜R
11
15で表される置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
[0247] [化 60] 一般式 (C— 4)
— o— P /
[0248] 式中、 Phは置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で表される
4 11 15 置換基と同義である。より好ましくは、 Phは炭素数 1〜20のアルキル基またはフエ-
4
ル基を表し、該アルキル基またはフ 二ル基は前記一般式 (A)の R 〜R で表され
11 15 る置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
[0249] [化 61]
[0250] 式中、 Ph、Ph' 及び Ph" は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の
R 〜R で表される置換基と同義である。より好ましくは、 Ph、Ph^ 及び Phグ は炭
11 15 5 5 5 素数 1〜20のアルキル基またはフ -ル基を表し、該アルキル基またはフ -ル基 は前記一般式 (A)の R 〜R で表される置換基と同義の置換基により置換されても
11 15
よい。
[0251] リン系化合物の具体例としては、トリフエ-ルホスフアイト、ジフエ-ルイソデシルホス ファイト、フエ-ルジイソデシルホスフアイト、トリス(ノ -ルフエ-ル)ホスファイト、トリス( ジノ-ルフエ-ル)ホスファイト、トリス(2, 4 ジ一 t—ブチルフエ-ル)ホスファイト、 1 0— (3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 9, 10 ジヒドロ一 9—ォキ サ一 10 ホスファフェナントレン一 10—オキサイド、 6— [3— (3— t—ブチル 4 ヒ ドロキシ 5 メチルフエ-ル)プロポキシ ] 2, 4, 8, 10—テトラー tーブチルジベン ズ [d, f] [l. 3. 2]ジォキサホスフエピン、トリデシルホスファイト等のモノホスファイト 系化合物; 4, 4' ーブチリデンービス(3—メチルー 6— t ブチルフエ-ルージートリ デシルホスフアイト)、 4, 4' —イソプロピリデン—ビス(フエ-ル―ジ—アルキル(C1 2〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物;トリフエ-ルホスホナイト、テトラキ ス(2, 4 ジ— tert—ブチルフエ-ル) [1, 1—ビフエ-ル]— 4, 4' —ジィルビスホ スホナイト、テトラキス(2, 4 ジ tert ブチルー 5 メチルフエ-ル) [1, 1ービフエ -ル]—4, 4' —ジィルビスホスホナイト等のホスホナイト系化合物;トリフエ-ルホス フィナイト、 2, 6 ジメチルフエ-ルジフエ-ルホスフイナイト等のホスフィナイト系化 合物;トリフエ-ルホスフィン、トリス(2, 6 ジメトキシフエ-ル)ホスフィン等のホスフィ ン系化合物;等が挙げられる。特に、ホスホナイト系化合物が好ましい。
[0252] ホスホナイト系化合物についてさらに詳しく述べる。
[0253] (ホスホナイト化合物)
本発明に用いられるホスホナイトイ匕合物は、従来公知のものを用いることができ、好 ましくは一般式 (F)または(G)で表される化合物である。
[0254] 一般式 (F) R P (OR ) (式中、 Rは置換基を有していてもよいフ -ル基、ま
1 2 2 1
たは置換基を有していてもよいチェ-ル基、 Rは
2 置換基を有していてもよいアルキル 基、置換基を有していてもよいフエ-ル基、または置換基を有していてもよいチェ- ル基を表す。複数の Rは互いに結合して環を形成してもよい。 )
一般式 (G) (R O) PR R P (OR )
4 2 3 3 4 2
(式中、 Rは置換基を有していてもよいフエ-レン基、または置換基を有していても
3
よいチェ二レン基、 Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していて
4
もよいフエニル基、または置換基を有していてもよいチェ-ル基を表す。複数の Rは
4 互いに結合して環を形成してもよい。 )
前記一般式 (F)において、 Rは置換または無置換の置換基を有していてもよいフ
1
ェニル基、または置換基を有していてもよいチェ-ル基を、 Rは炭素数 1〜6の置換
2
基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフエニル基、または置 換基を有していてもよいチェ-ル基、または 1〜5個の置換基を有し、該置換基の炭 素原子数の合計力^〜 14である置換フ 二ル基を表す。複数の R2は互いに結合して 環を形成してもよいが、 Rとして好ましくは炭素数 1〜9のアルキル基によって置換さ
2
れたフヱ-ル基が挙げられる。
[0255] Rとして好ましくは、置換フエ-ル基であり、置換基の炭素数の合計は、好ましくは
2
9〜14であり、より好ましくは 9〜: L 1である。
[0256] 複数の Rが結合して互 、に環を形成する場合、フエニル環上の炭素数の合計が 1
2
0〜30であることが好まし!/、。
[0257] 前記、置換基としては特に制限はな 、が、例えば、アルキル基 (例えば、メチル基、 ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 t ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ォ クチル基、ドデシル基、トリフルォロメチル基等)、シクロアルキル基 (例えば、シクロべ ンチル基、シクロへキシル基等)、ァリール基 (例えば、フ -ル基、ナフチル基等)、 ァシルァミノ基 (例えば、ァセチルァミノ基、ベンゾィルァミノ基等)、アルキルチオ基( 例えば、メチルチオ基、ェチルチオ基等)、ァリールチオ基 (例えば、フエ二ルチオ基 、ナフチルチオ基等)、アルケニル基 (例えば、ビュル基、 2 プロべ-ル基、 3 ブ テュル基、 1ーメチルー 3 プロぺ-ル基、 3 ペンテ-ル基、 1ーメチルー 3 ブテ -ル基、 4一へキセ -ル基、シクロへキセ -ル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素 原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基 (例えば、プロパルギル基 等)、複素環基 (例えば、ピリジル基、チアゾリル基、ォキサゾリル基、イミダゾリル基等
)、アルキルスルホ -ル基(例えば、メチルスルホ -ル基、ェチルスルホ -ル基等)、ァ
リールスルホ -ル基(例えば、フエ-ルスルホ-ル基、ナフチルスルホ -ル基等)、ァ ルキルスルフィ -ル基(例えば、メチルスルフィ -ル基等)、ァリールスルフィ -ル基( 例えば、フエニルスルフィエル基等)、ホスホノ基、ァシル基 (例えば、ァセチル基、ピ バロィル基、ベンゾィル基等)、力ルバモイル基(例えば、ァミノカルボ-ル基、メチル ァミノカルボ-ル基、ジメチルァミノカルボ-ル基、ブチルァミノカルボ-ル基、シクロ へキシルァミノカルボ-ル基、フエ-ルァミノカルボ-ル基、 2—ピリジルァミノカルボ -ル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホ -ル基、メチルアミノスルホ -ル 基、ジメチルアミノスルホ -ル基、ブチルアミノスルホ -ル基、へキシルアミノスルホ- ル基、シクロへキシルアミノスルホ -ル基、ォクチルアミノスルホ -ル基、ドデシルアミ ノスルホ -ル基、フエ-ルアミノスルホ -ル基、ナフチルアミノスルホ -ル基、 2—ピリ ジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基 (例えば、メタンスルホンアミド基、ベン ゼンスルホンアミド基等)、シァノ基、アルコキシ基 (例えば、メトキシ基、エトキシ基、 プロポキシ基等)、ァリールォキシ基 (例えば、フエノキシ基、ナフチルォキシ基等)、 複素環ォキシ基、シロキシ基、ァシルォキシ基 (例えば、ァセチルォキシ基、ベンゾィ ルォキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、ァミノカルボニルォキシ基、アミノ基 (例えば、アミノ基、ェチルァミノ基、ジメチルァミノ基、プチルァミノ基、シクロペンチ ルァミノ基、 2—ェチルへキシルァミノ基、ドデシルァミノ基等)、ァ-リノ基 (例えば、フ ェ-ルァミノ基、クロ口フエ-ルァミノ基、トルイジノ基、ァ-シジノ基、ナフチルァミノ基
、 2—ピリジルァミノ基等)、イミド基、ウレイド基 (例えば、メチルウレイド基、ェチルウレ イド基、ペンチルゥレイド基、シクロへキシルウレイド基、ォクチルゥレイド基、ドデシル ウレイド基、フエ-ルゥレイド基、ナフチルウレイド基、 2—ピリジルアミノウレイド基等) 、アルコキシカルボ-ルァミノ基(例えば、メトキシカルボ-ルァミノ基、フエノキシカル ボ-ルァミノ基等)、アルコキシカルボ-ル基(例えば、メトキシカルボ-ル基、ェトキ シカルボ-ル基、フエノキシカルボ-ル等)、ァリールォキシカルボ-ル基(例えば、 フエノキシカルボ-ル基等)、複素環チォ基、チォウレイド基、カルボキシル基、カル ボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。これらの 置換基は同様の置換基によって更に置換されて 、てもよ 、。
前記一般式 (G)にお 、て、 Rは置換または無置換の置換基を有して 、てもよ!/、フ
ェ-レン基、チェ-レン基を、 Rは炭素数 1〜6の置換基を有していてもよいアルキル
4
基、置換基を有していてもよいフエ-ル基、または置換基を有していてもよいチェ- ル基、または 1〜5個の置換基を有し、該置換基の炭素原子数の合計が 1〜14であ る置換フ 二ル基を表す。複数の Rは互いに結合して環を形成してもよいが、 Rとし
4 4 て好ましくは炭素数 1〜9のアルキル基によって置換されたフエ-ル基が挙げられる。
[0259] R4として好ましくは、置換フエ-ル基であり、置換基の炭素数の合計は、好ましくは 9〜14であり、より好ましくは 9〜: L 1である。複数の Rが結合して互いに環を形成する
4
場合、フエ-ル環上の炭素数の合計が 10〜30であることが好ましい。
[0260] 前記置換基としては、 Rにおいて、述べたものと同じである。
2
[0261] 具体的には、一般式 (F)で表されるホスホナイトイ匕合物としては、ジメチルーフヱ- ルホスホナイト、ジー t ブチル フエニルホスホナイト等のジアルキル フエニルホ スホナイト類、ジフエ-ルーフエ-ルホスホナイト、ジー(4 ペンチルーフエ-ル) フエ-ルホスホナイト、ジー(2— t—ブチルーフエ-ル) フエ-ルホスホナイト、ジー (2—メチルー 3 ペンチルーフエ-ル) フエ-ルホスホナイト、ジー(2—メチルー 4 ーォクチルーフエ-ル) フエ-ルホスホナイト、ジー(3—ブチルー 4ーメチルーフエ -ル)—フエ-ルホスホナイト、ジ—(3—へキシル—4—ェチル—フエ-ル)—フエ二 ルホスホナイト、ジ一(2, 4, 6 トリメチルフエ-ル)一フエ-ルホスホナイト、ジ一(2, 3 ジメチルー 4 ェチル—フエ-ル)—フエ-ルホスホナイト、ジ—(2, 6 ジェチル 3 ブチルフエ-ル) フエ-ルホスホナイト、ジー(2, 3 ジプロピルー5 ブチル フエ-ル)—フエ-ルホスホナイト、ジ—(2, 4, 6 トリ— t ブチルフエ-ル)—フエ二 ルホスホナイト、等のジ―フエニル誘導体—フエ-ルホスホナイト類が挙げられる。
[0262] また、一般式 (G)で表されるホスホナイトイ匕合物としては、テトラキス(2, 4 ジー t— ブチル一フエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジ一 t —ブチルーフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(3, 5—ジ一 t ブチル一フエ-ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3, 4— トリメチルフエ-ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジメチ ルー 5 ェチル一フエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 —ジメチル一 4—プロピルフエ-ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキ
ス(2, 3 ジメチル— 5— t—ブチルフエ-ル)— 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト 、テトラキス(2, 5 ジメチル一 4— t ブチルフエニル) 4, 4' —ビフエ二レンジホ スホナイト、テトラキス(2, 3 ジェチルー 5—メチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レ ンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジェチルー 4 メチルフエ-ル) 4, 4' ービフ ェニレンジホスホナイト、テトラキス(2, 4, 5 トリェチノレフエ二ノレ) 4, 4' ービフエ 二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジェチルー 4 プロピルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジェチルー 6 ブチルフエ-ル) 4 , 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジェチル一 5— t—ブチルフエ -ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジェチルー 6— t— ブチノレフエ二ノレ) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジプロピ ル一 5—メチルフエ-ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6— ジプロピル一 4—メチルフエ-ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス( 2, 6 ジプロピル一 5 ェチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テト ラキス(2, 3 ジプロピル一 6 ブチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナ イト、テトラキス(2, 6 ジプロピル一 5 ブチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジ ホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジブチル一 4—メチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ二 レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジブチルー 3 メチルフエ-ル) 4, 4' ービ フエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジブチルー 4 メチルフエ-ル) 4, 4 ' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジ一 t—ブチル 3—メチルフエ -ル) 4, 4' ービフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジ tーブチルー 5 —メチルフエ-ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジ一 t— ブチルー 6 メチルフエ-ル) 4, 4' ービフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5—ジ— t—ブチル—3—メチルフエ-ル)— 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テ トラキス(2, 5 ジ一 t—ブチル 4—メチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホス ホナイト、テトラキス(2, 5 ジ一 t ブチル 6—メチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ -レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジ一 t—ブチル 3—メチルフエ-ル)一 4, 4 ' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジ一 t—ブチル 4—メチルフエ 二ノレ) 4, 4' ービフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジ tーブチノレー 5
—メチルフエ-ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3 ジブチ ルー 4 ェチルフエ-ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4— ジブチノレー 3 ェチノレフエ-ノレ) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2 , 5—ジブチル一 4—ェチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラ キス(2, 4 ジ一 t—ブチル 3 ェチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホスホ ナイト、テトラキス(2, 4 ジ—tーブチルー 5 ェチルフエ-ル)—4, 4' ービフエ二 レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジ tーブチルー 6 ェチルフエ-ル) 4, 4 ' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジ一 t—ブチル 3 ェチルフエ 二ノレ) 4, 4' ービフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジ tーブチノレー 4 —ェチルフエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 5 ジ一 t —ブチノレ一 6—ェチノレフエ二ノレ) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス( 2, 6 ジ— t—ブチル—3 ェチルフエ二ル)— 4, 4' —ビフエ二レンジホスホナイト 、テトラキス(2, 6 ジ一 t—ブチル 4 ェチルフエニル) 4, 4' —ビフエ二レンジ ホスホナイト、テトラキス(2, 6 ジ— t—ブチル—5 ェチルフエ-ル)—4, 4' —ビ フエ二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 3, 4 トリブチルフエニル) 4, 4' —ビフエ 二レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4, 6 トリ一 t—ブチルフエ-ル) 4, 4' —ビフ ェ-レンジホスホナイト等が挙げられる。
[0263] 本発明にお 、ては、一般式 (G)で表されるホスホナイトイ匕合物が好まし 、。
[0264] 中でも、テトラキス(2, 4 ジ一 t ブチル一フエ-ル)一 4, 4' —ビフエ-レンジホ スホナイト等の 4, 4' ービフエ-レンジホスホナイトイ匕合物が好ましぐ特に好ましいも のはテトラキス(2, 4 ジ一 t—ブチル 5—メチルフエ二ル)一 4, 4' —ビフエ二レン ジホスホナイトが好適である。
[0265] 特に好ま 、ホスホナイトイ匕合物を次に示す。
[0266] [化 62]
[99^ ] [6920]
t79l8S0/.00Zdf/X3d 1-6 S9£SZ動 0 OAV
[99^ ] [0Z20]
9l8S0/L00ZdT/13d 36 S9.SZT/.00Z OAV
[0271] ホスホナイト化合物の含有量は、偏光板保護フィルムの質量に対して、通常 0. 001 〜10. 0質量0 /0、好ましくは 0. 01-5. 0質量0 /0、さらに好ましくは 0. 1〜1. 0質量 %である。
[0272] 本発明で用いることができるリン系化合物としては、例えば、住友化学工業株式会 社から、" SumilizerGP"、旭電化工業株式会社から" ADK STAB PEP— 24G"
、 "ADK STAB PEP— 36"及び" ADK STAB 3010"、チノく'スペシャルティ' ケミカルズ株式会社から" IRGAFOS P— EPQ"、 "IRGAFOS 38"、吉富ファイン ケミカル株式会社から" GSY—P— 101"という商品名で市販されている。
[0273] また、下記化合物が挙げられる。
[0274] [化 67]
[0275] [化 68]
[0276] [化 69]
[0278] [ィ匕 71]
[0279] (ィォゥ系化合物)
本発明にお 、て有用な酸化防止剤の一つとして、下記一般式 (D)で表されるィォ ゥ系化合物が好ましい。
[0280] [化 72]
—般式 <D)
Fy一 S
[0281] 式中、 R及び R は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で
31 32 11 16 表される置換基と同義である。
[0282] ィォゥ系化合物の具体例としては、ジラウリル 3, 3—チォジプロピオネート、ジミリス チル 3, 3' —チォジプロピピオネート、ジステアリル 3, 3—チォジプロピオネート、ラ ゥリルステアリル 3, 3—チォジプロピオネート、ペンタエリスリトールーテトラキス(j8—
ラウリル チォープロピオネート)、 3, 9 ビス(2 ドデシルチオェチル) 2, 4, 8, 10 テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカン等が挙げられる。
[0283] 上記タイプのィォゥ系化合物は、例えば、住友ィ匕学工業株式会社から、 "Sumilez er TPL— R"及び" Sumilezer TP— D"という商品名で市販されている。
[0284] 酸ィ匕防止剤は、前述のセルロースエステル同様に、製造時力も持ち越される、ある いは保存中に発生する残留酸、無機塩、有機低分子等の不純物を除去することが 好ましぐより好ましくは純度 99%以上である。残留酸及び水としては、 0. 01-100 ppmであることが好ましぐセルロースエステルを溶融製膜する上で、熱劣化を抑制 でき、製膜安定性、フィルムの光学物性、機械物性が向上する。
[0285] 酸化防止剤は 0. 1〜: LO質量%添加することが好ましぐさらに 0. 2〜5質量%添加 することが好ましぐさらに 0. 3〜2質量%添加することが好ましい。これらは 2種以上 を併用してもよい。
[0286] 酸化防止剤の添加量が少なすぎると溶融時に安定化作用が低いために、効果が 得られず、また添カ卩量が少なすぎるとセルロースエステルへの相溶性の観点カゝらフィ ルムとしての透明性の低下を引き起こし、またフィルムが脆くなることがあるため好まし くない。
[0287] 《酸捕捉剤》
セルロースエステルは溶融製膜が行われるような高温環境下では酸によっても分解 が促進されるため、本発明の偏光板保護フィルムにおいては安定化剤として酸捕捉 剤を含有することが好ましい。本発明において有用な酸捕捉剤としては、酸と反応し て酸を不活性ィ匕する化合物であれば制限なく用いることができるが、中でも米国特許 第 4, 137, 201号明細書に記載されているような、エポキシ基を有する化合物が好 ま 、。このような酸捕捉剤としてのエポキシィ匕合物は当該技術分野にぉ 、て既知で あり、種々のポリグリコールのジグリシジルエーテル、特にポリグリコール 1モル当たり に約 8〜40モルのエチレンォキシド等の縮合によって誘導されるポリグリコール、ダリ セロールのジグリシジルエーテル等、金属エポキシィ匕合物(例えば、塩化ビニルポリ マー組成物において、及び塩ィ匕ビ二ルポリマー組成物と共に、従来から利用されて いるもの)、エポキシ化エーテル縮合生成物、ビスフエノール Aのジグリシジルエーテ
ル(即ち、 4, 4' ジヒドロキシジフエ-ルジメチルメタン)、エポキシ化不飽和脂肪酸 エステル (特に、 2〜22個の炭素原子の脂肪酸の 4〜2個程度の炭素原子のアルキ ルのエステル(例えば、ブチルエポキシステアレート)等)、及び種々のエポキシ化長 鎖脂肪酸トリグリセリド等 (例えば、エポキシィ匕大豆油、エポキシィ匕亜麻仁油等)の組 成物によって代表され例示され得るエポキシ化植物油及び他の不飽和天然油(これ らはときとしてエポキシィ匕天然グリセリドまたは不飽和脂肪酸と称され、これらの脂肪 酸は一般に 12〜22個の炭素原子を含有している)が含まれる。また、市販のェポキ シ基含有エポキシド榭脂化合物として、 EPON 815C、及び下記一般式(5)の他の エポキシィ匕エーテルオリゴマー縮合生成物も好ましく用いることができる。
[0288] [化 73] 一般式 (5)
[0289] 式中、 nは 0〜12の整数である。用いることができるその他の酸捕捉剤としては、特 開平 5— 194788号公報の段落 87〜105に記載されているものが含まれる。
[0290] 酸捕捉剤は偏光板保護フィルムの質量に対して 0. 1〜10質量%添加することが好 ましぐさらに 0. 2〜5質量%添加することが好ましぐさらに 0. 5〜2質量%添加する ことが好ましい。これらは 2種以上を併用してもよい。
[0291] なお酸捕捉剤は、酸掃去剤、酸捕獲剤、酸キャッチャー等と称されることもあるが、 本発明にお ヽてはこれらの呼称による差異なく用いることができる。
[0292] 《紫外線吸収剤》
紫外線吸収剤は、偏光子や表示装置の紫外線に対する劣化防止の観点から、波 長 370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ液晶表示性の観点から、波長 400nm以上の可視光の吸収が少な 、ものが好ま 、。本発明に用いられる紫外線 吸収剤としては、例えば、ォキシベンゾフエノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合
物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフエノン系化合物、シァノアクリレート系化 合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物等を挙げることができる力 ベンゾ フエノン系化合物や着色の少な 、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物 が好ましい。また、特開平 10— 182621号、同 8— 337574号公報記載の紫外線吸 収剤、特開平 6— 148430号、特開 2003— 1 13317号公報記載の高分子紫外線吸 収剤を用いてもよい。
[0293] ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例として、 2— (2' —ヒドロキシ一 5' - メチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ— 3' , 5' —ジ— tert— ブチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2—(2' —ヒドロキシ—3' —tert—ブチルー 5 ' —メチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ— 3' , 5' —ジ— ter t ブチルフエ-ル)ー5 クロ口べンゾトリアゾール、 2—(2' —ヒドロキシ 3' —( 3" , " , 5グ , Q" —テトラヒドロフタルイミドメチル) 5, —メチルフエニル)ベンゾ トリァゾール、 2, 2—メチレンビス(4— ( 1 , 1 , 3, 3—テトラメチルブチル) 6— (2H —ベンゾトリアゾール 2—ィル)フエノール)、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' —tert— ブチル 5' —メチルフエニル) 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2— (2H ベンゾトリ ァゾールー 2 ィル)ー6 (直鎖及び側鎖ドデシル)ー4 メチルフエノール、 2— (2 ' —ヒドロキシ— 3' , 5' —ジ—(1—メチル—1—フエ-ルェチル)—フエ-ル)ベン ゾトリァゾール、 6—(2 べンゾトリアゾル)—4—tーォクチルー 6' —t—ブチルー 4 ' ーメチルー 2, 2' メチレンビスフエノール、ォクチルー 3—〔3—tert—ブチルー 4 —ヒドロキシ— 5— (クロ口 2H ベンゾトリアゾール 2—ィル)フエ-ル〕プロビオネ ートと 2 ェチルへキシル 3—〔3— tert—ブチル 4 ヒドロキシ一 5— (5 クロ口 2H—べンゾトリァゾールー 2—ィル)フエ-ル〕プロピオネートの混合物、 2 {2' —ヒドロキシ一 3' — ( 1—メチル 1—フエ-ルェチル)一 5' — ( 1 , 1 , 3, 3—テトラ メチルブチル)一フエ-ル)ベンゾトリァゾール、等を挙げることができる力 これらに 限定されない。
[0294] また、市販品として、チヌビン (TINUVIN) 171、チヌビン (TINUVIN) 234、チヌ ビン(TINUVIN) 360、チヌビン(TINUVIN) 928、チヌビン(TINUVIN) 109 ( ヽ ずれもチバスペシャルティーケミカルズ社製)、 LA31 (旭電化社製)、 JAST- 500 (
城北化学工業社製)、 Sumisorb 250 (住友ィ匕学工業社製)が挙げられる。
[0295] ベンゾフエノン系化合物の具体例として、 2, 4 ジヒドロキシベンゾフエノン、 2, 2' —ジヒドロキシ一 4—メトキシベンゾフエノン、 2 ヒドロキシ一 4—メトキシ一 5—スルホ ベンゾフエノン、ビス(2 メトキシ 4 ヒドロキシ 5 ベンゾィルフエ-ルメタン)等 を挙げることができる力 S、これらに限定されるものではない。
[0296] 本発明においては、紫外線吸収剤は偏光板保護フィルムの質量に対して 0. 1〜5 質量%添加することが好ましぐさらに 0. 2〜3質量%添加することが好ましぐさらに 0. 5〜2質量%添加することが好ましい。これらは 2種以上を併用してもよい。
[0297] またこれらのベンゾトリアゾール構造やベンゾフヱノン構造力 ポリマーの一部、ある いは規則的にポリマーへペンダントされていてもよぐ可塑剤、酸化防止剤、酸掃去 剤等の他の添加剤の分子構造の一部に導入されて 、てもよ 、。
[0298] 《可塑剤》
本発明に係るセルロースエステルフィルムの製造にぉ 、ては、フィルム形成材料中 に少なくとも 1種の可塑剤を 1〜30質量%含有することが好ましい。
[0299] 可塑剤とは、一般的には高分子中に添加することによって脆弱性を改良したり、柔 軟性を付与したりする効果のある添加剤である力 本発明においては、セルロースェ ステル単独での溶融温度よりも溶融温度を低下させるため、また同じ加熱温度にお いてセルロース榭脂単独よりも可塑剤を含むフィルム構成材料の溶融粘度を低下さ せるために、可塑剤を添加する。また、セルロースエステルの親水性を改善し、セル ロースエステルフィルムの透湿度改善するためにも添加されるため透湿防止剤として の機能を有する。
[0300] ここで、フィルム構成材料の溶融温度とは、該材料が加熱され流動性が発現された 状態の温度を意味する。セルロースエステルを溶融流動させるためには、少なくとも ガラス転移温度よりも高い温度に加熱する必要がある。ガラス転移温度以上におい ては、熱量の吸収により弾性率あるいは粘度が低下し、流動性が発現される。しかし セルロースエステルでは高温下では溶融と同時に熱分解によってセルロースエステ ルの分子量の低下が発生し、得られるフィルムの力学特性等に悪影響を及ぼすこと があるため、なるべく低い温度でセルロースエステルを溶融させる必要がある。フィル
ム構成材料の溶融温度を低下させるためには、セルロースエステルのガラス転移温 度よりも低い融点またはガラス転移温度をもつ可塑剤を添加することで達成すること ができる。
[0301] 本発明の偏光板保護フィルムには、下記一般式(1)で表される有機酸と 3価以上の アルコールが縮合した構造を有するエステル化合物を、 1〜25質量%含有すること が好ましい。 1質量%以上の添カ卩により、平面性改善の効果が認められ、 25質量% より少ないとブリードアウトしに《なり、フィルムの経時安定性に優れるため好ましい。 より好ましくは該可塑剤を 3〜20質量0 /0含有するセルロースエステルフィルムであり、 さらに好ましくは 5〜 15質量0 /0含有するセルロースエステルフィルムである。
[0302] [化 74]
[0303] 式中、 R〜Rは水素原子またはシクロアルキル基、ァラルキル基、アルコキシ基、
1 5
シクロアルコキシ基、ァリールォキシ基、ァラルキルォキシ基、ァシル基、カルボ-ル ォキシ基、ォキシカルボ-ル基、ォキシカルボ-ルォキシ基を表し、これらはさらに置 換基を有していてよい。 Lは連結基を表し、置換または無置換のアルキレン基、酸素 原子、または直接結合を表す。
[0304] R〜Rで表されるシクロアルキル基としては、炭素数 3〜8のシクロアルキル基が好
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ましぐ具体的にはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル等の基である。こ れらの基は置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、ハロゲン原子、例えば、 塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、シ クロアルコキシ基、ァラルキル基(このフエ-ル基にはアルキル基またはハロゲン原子 等によってさらに置換されていてもよい)、ビニル基、ァリル基等のアルケニル基、フエ -ル基 (このフエニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換さ れていてもよい)、フエノキシ基(このフエ-ル基にはアルキル基またはハロゲン原子
等によってさらに置換されていてもよい)、ァセチル基、プロピオニル基等の炭素数 2 〜8のァシル基、またァセチルォキシ基、プロピオ-ルォキシ基等の炭素数 2〜8の 無置換のカルボニルォキシ基等が挙げられる。
[0305] R〜Rで表されるァラルキル基としては、ベンジル基、フエネチル基、 Ύ フエニル
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プロピル基等の基を表し、また、これらの基は置換されていてもよぐ好ましい置換基 としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
[0306] R〜Rで表されるアルコキシ基としては、炭素数 1〜8のアルコキシ基が挙げられ、
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具体的には、メトキシ、エトキシ、 n—プロポキシ、 n—ブトキシ、 n—ォクチルォキシ、 イソプロポキシ、イソブトキシ、 2—ェチルへキシルォキシ、もしくは t—ブトキシ等の各 アルコキシ基である。また、これらの基は置換されていてもよぐ好ましい置換基として は、ハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、ァ ルコキシ基、シクロアルコキシ基、ァラルキル基(このフエ-ル基にはアルキル基また はハロゲン原子等を置換していてもよい)、ァルケ-ル基、フエ-ル基(このフエ-ル 基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、ァリ ールォキシ基(例えばフエノキシ基(このフエ-ル基にはアルキル基またはハロゲン原 子等によってさらに置換されていてもよい))、ァセチル基、プロピオニル基等のァシ ル基が、またァセチルォキシ基、プロピオ-ルォキシ基等の炭素数 2〜8の無置換の ァシルォキシ基、またベンゾィルォキシ基等のァリールカルボ-ルォキシ基が挙げら れる。
[0307] R〜Rで表されるシクロアルコキシ基としては、無置換のシクロアルコキシ基として
1 5
は炭素数 1〜8のシクロアルコキシ基が挙げられ、具体的には、シクロプロピルォキシ 、シクロペンチルォキシ、シクロへキシルォキシ等の基が挙げられる。また、これらの 基は置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換 してもょ 、基を同様に挙げることができる。
[0308] R〜Rで表されるァリールォキシ基としては、フエノキシ基が挙げられる力 このフエ
1 5
-ル基にはアルキル基またはハロゲン原子等前記シクロアルキル基に置換してもよ
V、基として挙げられた置換基で置換されて 、てもよ 、。
[0309] R〜Rで表されるァラルキルォキシ基としては、ベンジルォキシ基、フエネチルォキ
シ基等が挙げられ、これらの置換基はさらに置換されていてもよぐ好ましい置換基と しては、前記のシクロアルキル基に置換してもよ 、基を同様に挙げることができる。
[0310] R〜Rで表されるァシル基としては、ァセチル基、プロピオニル基等の炭素数 2〜
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8の無置換のァシル基が挙げられ (ァシル基の炭化水素基としては、アルキル、アル ケニル、アルキ-ル基を含む。)、これらの置換基はさらに置換されていてもよぐ好ま し 、置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよ 、基を同様に挙げるこ とがでさる。
[0311] R〜Rで表されるカルボ-ルォキシ基としては、ァセチルォキシ基、プロピオ-ル
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ォキシ基等の炭素数 2〜8の無置換のァシルォキシ基 (ァシル基の炭化水素基として は、アルキル、ァルケ-ル、アルキ-ル基を含む。)、またベンゾィルォキシ基等のァ リールカルボ-ルォキシ基が挙げられる力 これらの基はさらに前記シクロアルキル 基に置換してもよ 、基と同様の基により置換されて 、てもよ 、。
[0312] R〜Rで表されるォキシカルボ-ル基としては、メトキシカルボ-ル基、エトキシカ
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ルボニル基、プロピルォキシカルボ-ル基等のアルコキシカルボ-ル基、またフエノ キシカルボニル基等のァリールォキシカルボ二ル基を表す。これらの置換基はさらに 置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換して もよ 、基を同様に挙げることができる。
[0313] また、 R〜Rで表されるォキシカルボ-ルォキシ基としては、メトキシカルボ-ルォ
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キシ基等の炭素数 1〜8のアルコキシカルボ二ルォキシ基を表し、これらの置換基は さらに置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置 換してもょ ヽ基を同様に挙げることができる。
[0314] R〜Rのうちの!/、ずれか同士で互いに連結し、環構造を形成して 、てもよ 、。
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[0315] また、 Lで表される連結基としては、置換または無置換のアルキレン基、酸素原子、 または直接結合を表す力 アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレ ン基等の基であり、これらの基は、さらに前記の R〜Rで表される基に置換してもよ
1 5
V、基としてあげられた基で置換されて 、てもよ 、。
[0316] 中でも、 Lで表される連結基として特に好ましいのは直接結合であり芳香族カルボ ン酸である。
[0317] また、これら本発明にお ヽて可塑剤となるエステルイ匕合物を構成する、前記一般式 (1)で表される有機酸としては、少なくとも Rまたは Rに前記アルコキシ基、ァシル基
1 2
、ォキシカルボ-ル基、カルボ-ルォキシ基、ォキシカルボ-ルォキシ基を有するも のが好ま U、。また複数の置換基を有する化合物も好ま 、。
[0318] なお本発明においては 3価以上のアルコールの水酸基を置換する有機酸は単一 種であっても複数種であってもよ!/、。
[0319] 本発明において、前記一般式(1)で表される有機酸と反応して多価アルコールェ ステルイ匕合物を形成する 3価以上のアルコールィ匕合物としては、好ましくは 3〜20価 の脂肪族多価アルコールであり、本発明おいて 3価以上のアルコールは下記一般式
(3)で表されるものが好ま 、。
[0320] 一般式(3) R' 一(OH)
m
式中、!^ は m価の有機基、 mは 3以上の正の整数、 OH基はアルコール性水酸基 を表す。特に好ましいのは、 mとしては 3または 4の多価アルコールである。
[0321] 好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができ る力 本発明はこれらに限定されるものではない。アド-トール、ァラビトール、 1, 2, 4 ブタントリオール、 1, 2, 3 へキサントリオール、 1, 2, 6 へキサントリオール、 グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、 トリペンタエリスリトール、ガラクチトール、イノシトール、マンニトール、 3—メチルペン タン 1, 3, 5 トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメ チロールェタン、キシリトール等を挙げることができる。特に、グリセリン、トリメチロール ェタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましい。
[0322] 一般式(1)で表される有機酸と 3価以上の多価アルコールのエステルは、公知の方 法により合成できる。実施例に代表的合成例を示した力 前記一般式(1)で表される 有機酸と、多価アルコールを例えば、酸の存在下縮合させエステルイ匕する方法、また 、有機酸を予め酸クロライドあるいは酸無水物としておき、多価アルコールと反応させ る方法、有機酸のフエ-ルエステルと多価アルコールを反応させる方法等があり、 目 的とするエステルイ匕合物により、適宜、収率のよい方法を選択することが好ましい。
[0323] 一般式(1)で表される有機酸と 3価以上の多価アルコールのエステル力 なる可塑
剤としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ま U、。
[0324] [化 75]
[0325] 式中、 R〜R は水素原子またはシクロアルキル基、ァラルキル基、アルコキシ基、
6 20
シクロアルコキシ基、ァリールォキシ基、ァラルキルォキシ基、ァシル基、カルボ-ル ォキシ基、ォキシカルボ-ル基、ォキシカルボ-ルォキシ基を表し、これらはさらに置 換基を有していてよい。 R
21は水素原子またはアルキル基を表す。
[0326] R〜R のシクロアルキル基、ァラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ァ
6 20
リールォキシ基、ァラルキルォキシ基、ァシル基、カルボニルォキシ基、ォキシカルボ
-ル基、ォキシカルボ-ルォキシ基については、前記一般式(1)の R〜Rと同様の
1 5 基が挙げられる。
[0327] このようにして得られる多価アルコールエステルの分子量には特に制限はないが、 300〜1500であることが好ましぐ 400〜1000であることがさらに好ましい。分子量 が大きい方が揮発し難くなるため好ましぐ透湿性、セルロースエステルとの相溶性の 点では小さい方が好ましい。
[0328] 以下に、本発明に係わる多価アルコールエステルの具体的化合物を例示する。
[0329] [化 76]
[0331] [化 78]
/ I8s0/-0sdl7::1£/ O/-0SAV
κεεο
[0333] [化 80]
İ33481
[0335] [化 82]
[0336] [化 83]
s
[0338] [化 85]
[0339] [化 86]
[0340] [化 87]
[0341] 本発明に係るセルロースエステルフィルムの製造にぉ 、て、少なくとも前記一般式( 1)で表される有機酸及び 3価以上の多価アルコールから製造されるエステル化合物 を可塑剤として偏光板保護フィルムの質量に対し 1〜25質量%含有することが好まし ぐそれ以外の可塑剤と併用してもよい。
[0342] 前記一般式(1)で表される有機酸と 3価以上の多価アルコール力 なるエステルイ匕 合物は、セルロースエステルに対する相溶性が高ぐ高添加率で添加することができ る特徴があるため、他の可塑剤や添加剤を併用してもブリードアウトを発生することが なぐ必要に応じて他種の可塑剤や添加剤を容易に併用することができる。
[0343] なお、他の可塑剤を併用する際には、上記可塑剤が、可塑剤全体の少なくとも 50 質量%以上含有されることが好ましい。より好ましくは 70%以上、さらに好ましくは 80 %以上含有されることが好ましい。このような範囲で用いれば、他の可塑剤との併用 によっても、溶融流延時のセルロールエステルフィルムの平面性を向上させることが できるという、一定の効果を得ることができる。
[0344] 併用するその他の可塑剤としては、脂肪族カルボン酸—多価アルコール系可塑剤 、特開 2003— 12823公報段落 30〜33に記載されているような、無置換の芳香族力 ルボン酸またはシクロアルキルカルボン酸—多価アルコールエステル系可塑剤、ある いはジォクチルアジペート、ジシクロへキシルアジペート、ジフエニルサクシネート、ジ 2 ナフチルー 1, 4ーシクロへキサンジカルボキシレート、トリシクロへキシルトリカル バレート、テトラ 3 メチルフエ-ルテトラヒドロフラン 2, 3, 4, 5—テトラカルボキシ レート、テトラプチルー 1, 2, 3, 4ーシクロペンタンテトラカルボキシレート、トリフエ二 ルー 1, 3, 5 シクロへキシルトリカルボキシレート、トリフエ-ルベンゼン一 1, 3, 5— テトラカルボキシレート、フタル酸系可塑剤(例えばジェチルフタレート、ジメトキシェ チルフタレート、ジメチルフタレート、ジォクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジー 2—ェチルへキシルフタレート、ジォクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジ シクロへキシルテレフタレート、メチルフタリルメチルダリコレート、ェチルフタリルェチ ルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルダリコレ ート等)、クェン酸系可塑剤(タエン酸ァセチルトリメチル、タエン酸ァセチルトリェチ ル、タエン酸ァセチルトリブチル等)等の多価カルボン酸エステル系可塑剤、トリフエ 二ノレホスフェート、ビフエ-ルジフエ-ルホスフェート、ブチレンビス(ジェチノレホスフエ ート)、エチレンビス(ジフエ-ノレホスフェート)、フエ-レンビス(ジブチノレホスフェート) 、フエ-レンビス(ジフエ-ルホスフェート)(旭電化製アデカスタブ PFR)、フエ-レン ビス(ジキシレニルホスフェート)(旭電化製アデカスタブ FP500)、ビスフエノール Aジ フエ-ルホスフェート(旭電化製アデカスタブ FP600)等のリン酸エステル系可塑剤、 例えば特開 2002— 22956の段落番号 49〜56に記載のポリマーポリエステル等、 ポリエーテル系可塑剤、下記記載のポリマー可塑剤等が挙げられる。
[0345] ポリマー可塑剤:具体的には、脂肪族炭化水素系ポリマー、脂環式炭化水素系ポリ マー、ポリアクリル酸ェチル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとメタクリル酸 2 ヒドロキシェチルとの共重合体(例えば、共重合比 1 : 99〜99: 1の間の任意の 比率)等のアクリル系ポリマー、ポリビュルイソブチルエーテル、ポリ N ビニルピロリ ドン等のビュル系ポリマー、メタクリル酸メチルと N—ビュルピロリドンの共重合体(例 えば、共重合比1 : 99〜99 : 1の間の任意の比率)、ポリスチレン、ポリ 4ーヒドロキシス
チレン等のスチレン系ポリマー、メタクリル酸メチルと 4ーヒドロキシスチレンの共重合 体 (例えば、共重合比 1 : 99〜99 : 1の間の任意の比率)、ポリブチレンサクシネート、 ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン ォキシド、ポリプロピレンォキシド等のポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレ ァ等が挙げられる。数平均分子量は 1, 000-500, 000程度が好ましぐ特に好まし くは、 1000〜 200000であること力 S本発明の効果を奏する点で好まし!/、。
[0346] <ポリマー X、ポリマー Y>
下記記載のポリマー X、ポリマー Υもポリマー可塑剤の一つとして好ましく用いること ができる。
分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマー Xaと分子内に芳 香環を有せず、親水性基を有するエチレン性不飽和モノマー Xbとを共重合して得ら れた重量平均分子量 5000以上 30000以下のポリマー X、そしてより好ましくは、芳 香環を有さないエチレン性不飽和モノマー Yaを重合して得られた重量平均分子量 5 00以上 3000以下のポリマー Yとを含有したセルロースエステルフィルムであることが 好ましい。
[0347] 好ましくは、 Xaは分子内に芳香環と親水性基を有しないアクリルまたはメタクリルモ ノマー、 Xbは分子内に芳香環を有せず親水性基を有するアクリルまたはメタタリルモ ノマーである。
[0348] 本発明のポリマー Xは、下記一般式(6)で表される。
[0349] 一般式 (6)
(Xa) m- (Xb) n- (Xc) p- さらに好ましくは、下記一般式 (6— 1)で表されるポリマーである。
[0350] 一般式 (6— 1)
[CH2— C (一 Rl) (-C02R2) ]m- [CH2-C (-R3) (一 C02R4— OH)— ]n- [Xc]p-
(式中、 Rl、 R3は、 Hまたは CH3を表す。 R2は炭素数 1〜12のアルキル基、シクロ アルキル基を表す。 R4は— CH2—、— C2H4 または— C3H6 を表す。 Xcは、 Xa、 Xbに重合可能なモノマー単位を表す。 m、 nおよび pは、モル組成比を表す。た
だし m≠0 n≠0 k≠0 m+n+p = 100である。 )
本発明のポリマー Xを構成するモノマー単位としてのモノマーを下記に挙げるがこ れに限定されない。ポリマー Xにおいて、親水性基とは、水酸基、エチレンォキシド連 鎖を有する基をいう。
[0351] 分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマー Xaは、例えば、 アクリル酸メチル、アクリル酸ェチル、アクリル酸プロピル(i n—)、アクリル酸ブチ ル(n i s— t—)、アクリル酸ペンチル(n i s—)、アクリル酸へキシル(n i一)、アクリル酸へプチル(n i一)、アクリル酸ォクチル(n i一)、アクリル酸 ノ-ル(n i一)、アクリル酸ミリスチル(n i一)、アクリル酸(2—ェチルへキシル) 、アクリル酸( ε一力プロラタトン)、等、または上記アクリル酸エステルをメタクリル酸ェ ステルに変えたものを挙げることが出来る。中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸ェチ ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ェチル、メタクリル酸プロピル(i n—)であるこ とが好ましい。
[0352] 分子内に芳香環を有せず、親水性基を有するエチレン性不飽和モノマー Xbは、水 酸基を有するモノマー単位として、アクリル酸またはメタクリル酸エステルが好ましぐ 例えば、アクリル酸(2—ヒドロキシェチル)、アクリル酸(2—ヒドロキシプロピル)、ァク リル酸(3—ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4ーヒドロキシブチル)、アクリル酸(2—ヒ ドロキシブチル)、またはこれらアクリル酸をメタクリル酸に置き換えたものを挙げること が出来、好ましくは、アクリル酸(2—ヒドロキシェチル)及びメタクリル酸(2—ヒドロキ シェチル)、アクリル酸(2—ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3—ヒドロキシプロピル) である。
[0353] Xcとしては、 Xa Xb以外のものでかつ共重合可能なエチレン性不飽和モノマーで あれば、特に制限はないが、芳香環を有していないものが好ましい。
[0354] Xa Xbおよび Xcのモル組成比 m : nは 99 : 1 65 : 35の範囲が好ましぐ更に好ま しくは 95 : 5 75: 25の範囲である。 Xcの pは 0 10である。 Xcは複数のモノマー単 位であってもよい。
[0355] ポリマー Xの分子量は重量平均分子量が 5000以上 30000以下であり、更に好ま し <は 8000以上 25000以下である。
[0356] 重量平均分子量を 5000以上とすることにより、セルロースエステルフィルムの、高 温高湿下における寸法変化が少な!/、、偏光板保護フィルムとしてカールが少な 、等 の利点が得られ好ましい。重量平均分子量が 30000を以内とした場合は、セルロー スエステルとの相溶性がより向上し、高温高湿下においてのブリードアウト、さらには 製膜直後でのヘイズの発生が抑制される。
[0357] 本発明のポリマー Xの重量平均分子量は、公知の分子量調節方法で調整すること が出来る。そのような分子量調節方法としては、例えば四塩化炭素、ラウリルメルカプ タン、チォグリコール酸ォクチル等の連鎖移動剤を添加する方法等が挙げられる。ま た、重合温度は通常室温から 130°C、好ましくは 50°Cから 100°Cで行われる力 この 温度または重合反応時間を調整することで可能である。
[0358] 重量平均分子量の測定方法は下記方法によることが出来る。
[0359] (重量平均分子量測定方法)
重量平均分子量 Mwは、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィーを用いて測定した
[0360] 測定条件は以下の通りである。
[0361] 溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、 K805、 K803G (昭和電工 (株)製を 3本接続して使 用した)
カラム温度: 25°C
試料濃度: 0. 1質量%
検出器: RI Model 504 (GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000 (日立製作所 (株)製)
流量: 1. Omレ mm
校正曲線: 標準ポリスチレン STK standard ポリスチレン (東ソ一 (株)製) Mw = 1000000〜500迄の 13サンプノレ【こよる校正曲線を使用した。 13サンプノレ ίま、 ま ぼ等間隔に用いる。
[0362] 本発明のポリマー Υは芳香環を有さな 、エチレン性不飽和モノマー Yaを重合して 得られた重量平均分子量 500以上 3000以下のポリマーである。 Yaは、好ましくは芳
香環を有さないアクリルまたはメタクリルモノマーである。
[0363] 本発明のポリマー Yは、下記一般式(7)で表される。
[0364] 一般式(7)
- (Ya) k- (Yb) q- さらに好ましくは、下記一般式(7— 1)で表されるポリマーである。
[0365] 一般式(7— 1)
- [CH2-C (-R5) (-C02R6) ]k- [Yb]q-
(式中、 R5は、 Hまたは CH3を表す。 R6は炭素数 1 12のアルキル基またはシクロ アルキル基を表す。 Ybは、 Yaと共重合可能なモノマー単位を表す。 kおよび qは、モ ル組成比を表す。ただし k≠0 k+q= 100である。)
Ybは、 Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーであれば特に制限はない。 Y bは複数であってもよい。 qは好ましくは 0 30である。
[0366] 芳香環を有さな!/、エチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマー Yを構成 するエチレン性不飽和モノマー Yaはアクリル酸エステルとして、例えば、アクリル酸メ チル、アクリル酸ェチル、アクリル酸プロピル(i n—)、アクリル酸ブチル(n i s— t一)、アクリル酸ペンチル(n i s )、アクリル酸へキシル(n i一)、ァ クリル酸へプチル(n i一)、アクリル酸ォクチル(n i一)、アクリル酸ノ-ル(n— i一)、アクリル酸ミリスチル(n i一)、アクリル酸シクロへキシル、アクリル酸(2—ェ チルへキシル)、アクリル酸( ε—力プロラタトン)、アクリル酸(2—ヒドロキシェチル)、 アクリル酸(2 ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3 ヒドロキシプロピル)、アクリル酸( 4ーヒドロキシブチル)、アクリル酸(2 ヒドロキシブチル)、メタクリル酸エステルとして 、上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたもの;不飽和酸として、例え ば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、ィタコン酸等を挙げること が出来る。
[0367] Ybは、 Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーであれば特に制限はないが、 ビュルエステルとして、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビュル、酪酸ビニル、吉草 酸ビュル、ピバリン酸ビュル、カプロン酸ビュル、力プリン酸ビュル、ラウリン酸ビュル 、ミリスチン酸ビュル、パルミチン酸ビュル、ステアリン酸ビュル、シクロへキサンカル
ボン酸ビュル、ォクチル酸ビュル、メタクリル酸ビュル、クロトン酸ビュル、ソルビン酸 ビュル、桂皮酸ビュル等が好ましい。 Ybは複数であってもよい。
[0368] ポリマー X、 Yを合成するには、通常の重合では分子量のコントロールが難しぐ分 子量をあまり大きくしない方法で出来るだけ分子量を揃えることの出来る方法を用い ることが望ましい。力かる重合方法としては、クメンペルォキシドゃ tーブチルヒドロべ ルォキシドのような過酸ィ匕物重合開始剤を使用する方法、重合開始剤を通常の重合 より多量に使用する方法、重合開始剤の他にメルカプト化合物や四塩化炭素等の連 鎖移動剤を使用する方法、重合開始剤の他にベンゾキノンゃジニトロベンゼンのよう な重合停止剤を使用する方法、更に特開 2000 - 128911号または同 2000 - 344 823号公報にあるような一つのチオール基と 2級の水酸基とを有する化合物、ある ヽ は、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法等 を挙げることが出来、何れも本発明において好ましく用いられる力 特に、ポリマー Y は、分子中にチオール基と 2級の水酸基とを有する化合物を連鎖移動剤として使用 する重合方法が好ましい。この場合、ポリマー Yの末端には、重合触媒および連鎖移 動剤に起因する水酸基、チォエーテルを有することとなる。この末端残基により、 Yと セルロースエステルとの相溶性を調整することができる。
[0369] ポリマー Xおよび Yの水酸基価は 30〜150[mgKOHZg]であることが好ましい。
[0370] (水酸基価の測定方法)
この測定は、 JIS K 0070 (1992)に準ずる。この水酸基価は、試料 lgをァセチ ル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムの mg数と定義される。具体的には試料 Xg (約 lg)をフラスコに精秤し、これにァセチル 化試薬(無水酢酸 20mlにピリジンをカ卩えて 400mlにしたもの) 20mlを正確に加える 。フラスコの口に空気冷却管を装着し、 95〜100°Cのグリセリン浴にて加熱する。 1時 間 30分後、冷却し、空気冷却管から精製水 lmlを加え、無水酢酸を酢酸に分解する 。次に電位差滴定装置を用いて 0. 5molZL水酸ィ匕カリウムエタノール溶液で滴定 を行い、得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。更に空試験として、試料を入れな いで滴定し、滴定曲線の変曲点を求める。水酸基価は、次の式によって算出する。
[0371] 水酸基価 = { (B—C) X f X 28. 05ZX} +D
(式中、 Bは空試験に用いた 0. 5molZLの水酸ィ匕カリウムエタノール溶液の量 (ml) 、 Cは滴定に用いた 0. 5molZLの水酸ィ匕カリウムエタノール溶液の量 (ml)、 fは 0. 5molZL水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、 Dは酸価、また、 28. 05は水 酸化カリウムの lmol量 56. 11の 1Z2を表す)
上述の Xポリマーポリマー Yは何れもセルロースエステルとの相溶性に優れ、蒸発 や揮発もなく生産性に優れ、偏光板用保護フィルムとしての保留性がよぐ透湿度が 小さぐ寸法安定性に優れている。
[0372] ポリマー Xとポリマー Yのセルロースエステルフィルム中での含有量は、下記式(i)、 式 (ii)を満足する範囲であることが好ま 、。ポリマー Xの含有量を Xg (質量% =ポリ マー Xの質量/セルロースエステルの質量 X 100)、ポリマー Yの含有量を Yg (質 量%)とすると、
式 (i) 5≤Xg+Yg≤35 (質量%)
式(ii) 0. 05≤Yg/ (Xg+Yg)≤0. 4
式 (i)の好ま 、範囲は、 10〜25質量%である。
[0373] これらポリマー可塑剤は 1種のモノマーの繰り返し単位力もなる単独重合体でも、複 数のモノマーの繰り返し構造体を有する共重合体でもよい。また、上記ポリマーを 2種 以上併用して用いてもよい。
[0374] しかし、リン酸系可塑剤は加水分解によって強酸を発生し、可塑剤自身及びセル口 ースエステルの加水分解を促進する。このため、保存安定性が悪い、セルロースエス テルの溶融製膜に使用するとフィルムの着色が発生しやす 、等の問題により、フタル 酸エステル系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、クェン酸エステル系可塑 剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤を使用することが好ましい。
[0375] なお、本発明に係るセルロースエステルフィルムは、着色すると光学用途として影 響を与えるため、好ましくは黄色度 (イェローインデックス、 YI)が 3. 0以下、より好ま しくは 1. 0以下である。黄色度 ίお IS— K7103に基づいて測定することができる。
[0376] 《マット剤》
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、滑り性や光学的、機械的機能を付与 するためにマット剤を添加することができる。マット剤としては、無機化合物の微粒子
または有機化合物の微粒子が挙げられる。
[0377] マット剤の形状は、球状、棒状、針状、層状、平板状等の形状のものが好ましく用い られる。マット剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸ィ匕アルミニウム、 酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケィ酸カルシウム、水和ケ ィ酸カルシウム、ケィ酸アルミニウム、ケィ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の金属 の酸化物、リン酸塩、ケィ酸塩、炭酸塩等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙げ ることができる。中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを低くできるので好ましい。 これらの微粒子は有機物により表面処理されていること力 フィルムのヘイズを低下 できるため好ましい。
[0378] 表面処理は、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサン等で行うこと が好ましい。微粒子の平均粒径が大きい方が滑り性効果は大きぐ反対に平均粒径 の小さい方は透明性に優れる。また、微粒子の一次粒子の平均粒径は 0. 01〜1. 0 μ mの範囲であることが好ましい。好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は 5〜50n mが好ましぐさら〖こ好ましくは、 7〜14nmである。これらの微粒子は、セルロースェ ステルフィルム表面に 0. 01〜: L 0 mの凹凸を生成させるために好ましく用いられ る。
[0379] 二酸化ケイ素の微粒子としては、 日本ァエロジル (株)製のァエロジル (AEROSIL ) 200、 200V、 300、 R972、 R972V、 R974、 R202、 R812、 0X50、 TT600等を 挙げ、ること力 Sでき、好ましくはァエロジノレ 200V、 R972、 R972V, R974、 R202、 R8 12である。これらの微粒子は 2種以上併用してもよい。
[0380] 2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。平均粒径や 材質の異なる微粒子、例えば、ァエロジル 200Vと R972Vを質量比で 0. 1 : 99. 9〜 99. 9 : 0. 1の範囲で使用できる。
[0381] これらのマット剤の添加方法は混練する等によって行うことが好ましい。また、別の 形態として予め溶媒に分散したマット剤とセルロースエステル及び Zまたは可塑剤及 び Zまたは紫外線吸収剤を混合分散させた後、溶媒を揮発または沈殿させた固形 物を得て、これをセルロースエステル溶融物の製造過程で用いること力 マット剤が セルロース榭脂中で均一に分散できる観点力も好ましい。
[0382] 上記マット剤は、フィルムの機械的、電気的、光学的特性改善のために添加するこ とちでさる。
[0383] なお、これらの微粒子を添カ卩するほど、得られるセルロースエステルフィルムの滑り 性は向上するが、添加するほどヘイズが上昇するため、含有量は偏光板保護フィル ムの質量に対し好ましくは 0. 001〜5質量%が好ましぐより好ましくは 0. 005〜1質 量%であり、さらに好ましくは 0. 01-0. 5質量%である。
本発明の偏光板保護フィルムは、セルロースエステルと前記糖エステルイ匕合物およ び前記一般式 (R)または (Ra)で表される化合物を含有することを特徴としており、こ れにより、湿度変動によるリタ一デーシヨン値変動を抑制して表示品位が安定したセ ルロースエステルフィルム、長期間保存しても馬の背故障や凸状故障等のフィルム原 反の変形故障が発生しな 、セルロースエステルフィルムを使用した偏光板保護フィ ルムを提供することができる。本発明においては、偏光板保護フィルムに下記一般式 (4)で表される化合物を含有させることも好ましい。更に、これらの構成に前記ホスホ ナイト化合物、前記一般式 (A)で表されるフエノールイ匕合物の 、ずれか一方もしくは 両方を添加することも好まし 、。
[0384] [化 88] 一般式 (4)
[0385] 前記一般式 (R)または (Ra)で表される化合物、一般式 (4)で表される化合物は「 炭素ラジカル捕捉剤」として作用する。「炭素ラジカル捕捉剤」とは、炭素ラジカルが 速やかに付加反応しうる基 (例えば 2重結合、 3重結合等の不飽和基)を有し、かつ 炭素ラジカル付加後に重合等の後続反応が起こらな 、安定な生成物を与える化合 物を意味する。上記炭素ラジカル捕捉剤としては分子内に速やかに炭素ラジカルと 反応する基((メタ)アタリロイル基、ァリール基等の不飽和基)およびフ ノール系、ラ
タトン系化合物等のラジカル重合禁止能を有する化合物が有用であり、特に前記一 般式 (R)、 (Ra)または (4)で表わされる化合物が好ま 、。
[0386] 一般式 (4)において、 R は水素原子または炭素数 1〜: L0のアルキル基を表し、好
11
ましくは水素原子または炭素数 1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子ま たはメチル基である。
[0387] R および R は、それぞれ独立して炭素数 1〜8のアルキル基を表し、直鎖でも、分
12 13
岐構造または環構造を有してもょ 、。
[0388] R および R は、好ましくは 4級炭素を含む「*—C (CH ) —R'」で表される構造(
12 13 3 2
*は芳香環への連結部位を表し、 R'は炭素数 1〜5のアルキル基を表す。)である。
[0389] R は、より好ましくは tert ブチル基、 tert ァミル基または tert—ォクチル基であ
12
る。 R は、より好ましくは tert—ブチル基、 tert—アミル基である。上記一般式 (4)で
13
表される化合物として、市販のものでは「SumilizerGM、 SumilizerGS」(共に商品 名、住友化学 (株)社製)等が挙げられる。
[0390] 以下に上記一般式 (4)で表わされる化合物の具体例 (I 1〜1 18)を例示するが
、本発明はこれらに限定されるものではない。
[0391] [化 89]
[0392] [化 90]
[0395] なお、本発明に係るセルロースエステルフィルムとしては、ヘイズ値が 1. 0%を超え ると光学用材料として影響を与えるため、好ましくはヘイズ値は 1. 0%未満、より好ま しくは 0. 5%未満である。ヘイズ値 ίお IS— K7136に基づいて測定することができる
[0396] フィルム構成材料は溶融及び製膜工程にお!ヽて、揮発成分が少な!/ヽまたは発生し ないことが好ましい。これは加熱溶融時に発泡して、フィルム内部の欠陥やフィルム 表面の平面性劣化を削減または回避するためである。
[0397] フィルム構成材料が溶融されるときの揮発成分の含有量は、 1質量%以下、好まし くは 0. 5質量%以下、さらに好ましくは 0. 2質量%以下、さらにより好ましくは 0. 1質
量%以下であることが望まれる。本発明においては、示差熱重量測定装置 (セイコー 電子工業社製 TGZDTA200)を用いて、 30°Cから 250°Cまでの加熱減量を求め、 その量を揮発成分の含有量として 、る。
[0398] 用いるフィルム構成材料は、前記水分や前記溶媒等に代表される揮発成分を、製 膜する前に、または加熱時に除去することが好ましい。除去する方法は、公知の乾燥 方法が適用でき、加熱法、減圧法、加熱減圧法等の方法で行なうことができ、空気中 または不活性ガスとして窒素を選択した雰囲気下で行なってもよ ヽ。これらの公知の 乾燥方法を行なうとき、フィルム構成材料が分解しない温度領域で行なうことがフィル ムの品質上好ましい。
[0399] 製膜前に乾燥することにより、揮発成分の発生を削減することができ、榭脂単独、ま たは樹脂とフィルム構成材料の内、榭脂以外の少なくとも 1種以上の混合物または相 溶物に分割して乾燥することもできる。乾燥温度は 70°C以上が好ましい。乾燥する 材料にガラス転移温度を有する物が存在するときには、そのガラス転移温度よりも高 い乾燥温度に加熱すると、材料が融着して取り扱いが困難になることがあるので、乾 燥温度は、ガラス転移温度以下であることが好ましい。複数の物質がガラス転移温度 を有する場合は、ガラス転移温度が低い方のガラス転移温度を基準とする。より好ま しくは 70°C以上、(ガラス転移温度— 5)°C以下、さらに好ましくは 110°C以上、(ガラ ス転移温度— 20) °C以下である。乾燥時間は、好ましくは 0. 5〜24時間、より好まし くは 1〜18時間、さらに好ましくは 1. 5〜12時間である。乾燥温度が低くなりすぎると 揮発成分の除去率が低くなり、また乾燥するのに時間にかかり過ぎることになる。また 、乾燥工程は 2段階以上にわけてもよぐ例えば、乾燥工程が、材料の保管のための 予備乾燥工程と、製膜する直前〜 1週間前の間に行なう直前乾燥工程を含むもので あってもよい。
[0400] 《溶融流延法》
本発明に係るセルロースエステルイルムは溶融流延によって形成することが好まし い。溶液流延法において用いられる溶媒 (例えば塩化メチレン等)を用いずに、加熱 溶融する溶融流延による成形法は、さらに詳細には、溶融押出成形法、プレス成形 法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法等に分類できる。こ
れらの中で、機械的強度及び表面精度等に優れる偏光板保護フィルムを得るために は、溶融押し出し法が優れている。
[0401] 以下、溶融押し出し法を例にとり、本発明のフィルムの製造方法について説明する
[0402] 図 1は、本発明に係るセルロースエステルフィルムの製造方法を実施する装置の全 体構成を示す概略フローシートであり、図 2は、流延ダイカゝら冷却ロール部分の拡大 図である。
[0403] 図 1と図 2において、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、セル ロース榭脂等のフィルム材料を混合した後、押出し機 1を用いて、流延ダイ 4から第 1 冷却ロール 5上に溶融押し出し、第 1冷却ロール 5に外接させるとともに、さらに、第 2 冷却ロール 7、第 3冷却ロール 8の合計 3本の冷却ロールに順に外接させて、冷却固 化してフィルム 10とする。ついで、剥離ロール 9によって剥離したフィルム 10を、つい で延伸装置 12によりフィルムの両端部を把持して幅方向に延伸した後、卷取り装置 1 6により巻き取る。また、平面性を矯正するために溶融フィルムを第 1冷却ロール 5表 面に挟圧するタツチロール 6が設けられて!/、る。このタツチロール 6は表面が弾性を有 し、第 1冷却ロール 5との間で-ップを形成している。タツチロール 6についての詳細 は後述する。
[0404] 本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法にぉ 、て、溶融押し出しの条 件は、他のポリエステル等の熱可塑性榭脂に用いられる条件と同様にして行なうこと ができる。材料は予め乾燥させておくことが好ましい。真空または減圧乾燥機や除湿 熱風乾燥機等で水分を lOOOppm以下、好ましくは 200ppm以下に乾燥させること が望ましい。
[0405] 例えば、熱風や真空または減圧下で乾燥したセルロースエステル系榭脂を押出し 機 1を用いて、押し出し温度 200〜300°C程度で溶融し、リーフディスクタイプのフィ ルター 2等で濾過し、異物を除去する。
[0406] 供給ホッパー(図示略)から押出し機 1へ導入する際は、真空下または減圧下ゃ不 活性ガス雰囲気下にして、酸素や水分の影響を防止して酸化分解等を防止すること が好ましい。
[0407] 可塑剤等の添加剤を予め混合しない場合は、押出し機の途中で練り込んでもよい 。均一に添加するために、スタチックミキサー 3等の混合装置を用いることが好ましい
[0408] 本発明において、セルロース榭脂と、その他必要により添加される安定化剤等の添 加剤は、溶融する前に混合しておくことが好ましい。セルロース榭脂と安定化剤を最 初に混合することがさらに好ましい。混合は、混合機等により行なってもよぐまた、前 記したようにセルロース榭脂調製過程にお!ヽて混合してもよ!ヽ。混合機を使用する場 合は、 V型混合機、円錐スクリュー型混合機、水平円筒型混合機等、ヘンシェルミキ サー、リボンミキサ一一般的な混合機を用いることができる。
[0409] 上記のようにフィルム構成材料を混合した後に、その混合物を押出し機 1を用いて 直接溶融して製膜するようにしてもよいが、一旦、フィルム構成材料をペレツトイ匕した 後、該ペレットを押出し機 1で溶融して製膜するようにしてもよい。また、フィルム構成 材料が、融点の異なる複数の材料を含む場合には、融点の低い材料のみが溶融す る温度で一旦、いわゆるおこし状の半溶融物を作製し、半溶融物を押出し機 1に投 入して製膜することも可能である。フィルム構成材料に熱分解しやす ヽ材料が含まれ る場合には、溶融回数を減らす目的で、ペレットを作製せずに直接製膜する方法や 、上記のようなおこし状の半溶融物を作って力 製膜する方法が好ま 、。
[0410] 押出し機 1は、市場で入手可能な種々の押出し機を使用可能であるが、溶融混練 押出し機が好ましぐ単軸押出し機でも 2軸押出し機でもよい。フィルム構成材料から ペレットを作製せずに、直接製膜を行なう場合、適当な混練度が必要であるため 2軸 押出し機を用いることが好ましいが、単軸押出し機でも、スクリューの形状をマドック 型、ュニメルト型、ダルメージ等の混練型のスクリューに変更することにより、適度の混 練が得られるので、使用可能である。フィルム構成材料として、ー且、ペレットやおこ し状の半溶融物を使用する場合は、単軸押出し機でも 2軸押出し機でも使用可能で ある。
[0411] 押出し機 1内及び押出した後の冷却工程は、窒素ガス等の不活性ガスで置換する 力 あるいは減圧することにより、酸素の濃度を下げることが好ましい。
[0412] 押出し機 1内のフィルム構成材料の溶融温度は、フィルム構成材料の粘度や吐出
量、製造するシートの厚み等によって好ましい条件が異なる力 一般的には、フィル ムのガラス転移温度 Tgに対して、 Tg以上、 Tg+ 100°C以下、好ましくは Tg+ 10°C 以上、 Tg + 90°C以下である。押出し時の溶融粘度は、 10〜: LOOOOOボイズ、好まし くは 100〜10000ボイズである。また、押出し機 1内でのフィルム構成材料の滞留時 間は短い方が好ましぐ 5分以内、好ましくは 3分以内、より好ましくは 2分以内である 。滞留時間は、押出し機 1の種類、押出す条件にも左右されるが、材料の供給量や L /D、スクリュー回転数、スクリューの溝の深さ等を調整することにより短縮することが 可能である。
[0413] 押出し機 1のスクリューの形状や回転数等は、フィルム構成材料の粘度や吐出量等 により適宜選択される。本発明において押出し機 1でのせん断速度は、 1/秒〜 100 ooZ秒、好ましくは 5Z秒〜 loooZ秒、より好ましくは 10Z秒〜 looZ秒である。
[0414] 本発明に使用できる押出し機 1としては、一般的にプラスチック成形機として入手可 能である。
[0415] 押出し機 1から押し出されたフィルム構成材料は、流延ダイ 4に送られ、流延ダイ 4 のスリットからフィルム状に押し出される。流延ダイ 4はシートやフィルムを製造するた めに用いられるものであれば特に限定はされない。流延ダイ 4の材質としては、ハー ドクロム、炭化クロム、窒化クロム、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタン、超鋼、セ ラミック (タングステンカーバイド、酸化アルミ、酸ィ匕クロム)等を溶射もしくはメツキし、 表面カ卩ェとしてパフ、 # 1000番手以降の砲石を用いるラッピング、 # 1000番手以 上のダイヤモンド砲石を用 、る平面切削(切削方向は榭脂の流れ方向に垂直な方向 )、電解研磨、電解複合研磨等の加工を施したもの等が挙げられる。流延ダイ 4のリツ プ部の好ましい材質は、流延ダイ 4と同様である。またリップ部の表面精度は 0. 5S以 下が好ましぐ 0. 2S以下がより好ましい。
[0416] この流延ダイ 4のスリットは、そのギャップが調整可能なように構成されて 、る。これ を図 3に示す。流延ダイ 4のスリット 32を形成する一対のリップのうち、一方は剛性の 低い変形しやすいフレキシブルリップ 33であり、他方は固定リップ 34である。そして、 多数のヒートボルト 35が流延ダイ 4の幅方向すなわちスリット 32の長さ方向に一定ピ ツチで配列されている。各ヒートボルト 5には、埋め込み電気ヒータ 37と冷却媒体通
路とを具えたブロック 36が設けられ、各ヒートボルト 35が各ブロック 36を縦に貫通して いる。ヒートボルト 35の基部はダイ本体 31に固定され、先端はフレキシブルリップ 33 の外面に当接している。そしてブロック 36を常時空冷しながら、埋め込み電気ヒータ 37の入力を増減してブロック 36の温度を上下させ、これによりヒートボルト 35を熱伸 縮させて、フレキシブルリップ 33を変位させてフィルムの厚さを調整する。ダイ後流の 所要箇所に厚さ計を設け、これによつて検出されたウェブ厚さ情報を制御装置にフィ ードバックし、この厚さ情報を制御装置で設定厚み情報と比較し、同装置から来る補 正制御量の信号によってヒートボルトの発熱体の電力またはオン率を制御するように することもできる。ヒートボルトは、好ましくは、長さ 20〜40cm、直径 7〜14mmを有 し、複数、例えば数十本のヒートボルトが、好ましくはピッチ 20〜40mmで配列されて いる。ヒートボルトの代わりに、手動で軸方向に前後動させることによりスリットギャップ を調節するボルトを主体とするギャップ調節部材を設けてもょ 、。ギャップ調節部材 によって調節されたスリットギャップは、通常 200〜1000 μ m、好ましくは 300〜800 μ m、より好ましくは 400〜600 μ mである。
[0417] 第 1〜第 3冷却ロールは、肉厚が 20〜30mm程度のシームレスな鋼管製で、表面 が鏡面に仕上げられている。その内部には、冷却液を流す配管が配置されており、 配管を流れる冷却液によってロール上のフィルム力 熱を吸収できるように構成され ている。
[0418] 一方、第 1冷却ロール 5に当接するタツチロール 6は、表面が弾性を有し、第 1冷却 ロール 5への押圧力によって第 1冷却ロール 5の表面に沿って変形し、第 1ロール 5と の間に二ップを形成する。
[0419] 図 4に、タツチロール 6の一実施形態(以下、タツチロール A)の概略断面を示す。図 に示すように、タツチロール Aは、可撓性の金属スリーブ 41の内部に弾性ローラ 42を 配したものである。
[0420] 金属スリーブ 41は厚さ 0. 3mmのステンレス製であり、可撓性を有する。金属スリー ブ 41が薄すぎると強度が不足し、逆に厚すぎると弾性が不足する。これらのこと力 、 金属スリーブ 41の厚さとしては、 0. 1〜1. 5mmが好ましい。弾性ローラ 42は、軸受 を介して回転自在な金属製の内筒 43の表面にゴム 44を設けてロール状としたもの
である。そして、タツチロール Aが第 1冷却ロール 5に向けて押圧されると、弾性ローラ 42が金属スリーブ 41を第 1冷却ロール 5に押しつけ、金属スリープ 41及び弾性ロー ラ 42は第 1冷却ロール 5の形状になじんだ形状に対応しつつ変形し、第 1冷却ロー ルとの間に-ップを形成する。金属スリーブ 41の内部で弾性ローラ 42との間に形成 される空間には、冷却水 45が流される。
[0421] 図 5、図 6は挟圧回転体の別の実施形態であるタツチロール Bを示している。タツチ ロール Bは、可撓性を有する、シームレスなステンレス鋼管製 (厚さ 4mm)の外筒 51 と、この外筒 51の内側に同一軸心状に配置された高剛性の金属内筒 52とから概略 構成されている。外筒 51と内筒 52との間の空間 53には、冷却液 54が流される。詳し くは、タツチロール Bは、両端の回転軸 55a、 55bに外筒支持フランジ 56a、 56bが取 付けられ、これら両外筒支持フランジ 56a、 56bの外周部間に薄肉金属外筒 51が取 付けられている。また、一方の回転軸 55aの軸心部に形成されて流体戻り通路 57を 形成する流体排出孔 58内に、流体供給管 59が同一軸心状に配設され、この流体供 給管 59が薄肉金属外筒 51内の軸心部に配置された流体軸筒 60に接続固定されて いる。この流体軸筒 60の両端部に内筒支持フランジ 61a、 61bがそれぞれ取り付け られ、これら内筒支持フランジ 61a、 61bの外周部間から他端側外筒支持フランジ 56 bにわたつて約 15〜20mm程度の肉厚を有する金属内筒 52が取付けられている。 そしてこの金属内筒 52と薄肉金属外筒 51との間に、例えば 10mm程度の冷却液の 流送空間 53が形成され、また金属内筒 52に両端部近傍には、流送空間 53と内筒 支持フランジ 61a、 61b外側の中間通路 62a、 62bとを連通する流出口 52a及び流入 口 52bがそれぞれ形成されて!、る。
[0422] また、外筒 51は、ゴム弾性に近い柔軟性と可撓性、復元性をもたせるために、弾性 力学の薄肉円筒理論が適用できる範囲内で薄肉化が図られている。この薄肉円筒 理論で評価される可撓性は、肉厚 tZロール半径 rで表されており、 tZrが小さいほど 可撓性が高まる。このタツチロール Bでは tZr≤0. 03の場合に可撓性が最適の条件 となる。通常、一般的に使用されているタツチロールは、ロール径 R= 200〜500mm (ロール半径 r=RZ2)、ロール有効幅1^ = 500〜1600111111で、 r/L< 1で横長の形 状である。そして図 6に示すように、例えばロール径 R= 300mm、ロール有効幅 L=
1200mmの場合、肉厚 tの適正範囲は 150 X 0. 03=4. 5mm以下である力 溶融 シート幅を 1300mmに対して平均線圧を 98NZcmで挟圧する場合、同一形状のゴ ムロールと比較して、外筒 51の肉厚を 3mmとすることで相当ばね定数も等しぐ外筒
51と冷却ロールとの-ップのロール回転方向の-ップ幅 kも約 9mmで、このゴムロー ルの-ップ幅約 12mmとほぼ近 、値を示し、同じような条件下で挟圧できることが分 力る。なお、この-ップ幅 kにおけるたわみ量は 0. 05〜0. 1mm程度である。
[0423] ここで、 tZr≤0. 03とした力 一般的なロール径 R= 200〜500mmの場合では、 特に 2mm≤t≤5mmの範囲とすると、可撓性も十分に得られ、また機械加工による 薄肉ィヒも容易に実施でき、極めて実用的な範囲となる。肉厚が 2mm以下ではカロェ 時の弾性変形で高精度な加工ができな 、。
[0424] この 2mm≤t≤ 5mmの換算値は、一般的なロール径に対して 0. 008≤t/r≤0.
05となる力 実用にあたっては tZr^O. 03の条件下でロール径に比例して肉厚も 大きくするとよい。例えばロール径: R= 200では t = 2〜3mm、ロール径: R= 500で は t = 4〜 5mmの範囲で選択する。
[0425] このタツチロール A、 Bは不図示の付勢手段により第 1冷却ロールに向けて付勢さ れる。その付勢手段の付勢力を F、 -ップにおけるフィルムの、第 1冷却ロール 5の回 転軸に沿った方向の幅 Wを除した値 FZW (線圧)は、 9. 8〜147NZcmに設定さ れる。本実施の形態によれば、タツチロール A、 Bと第 1冷却ロール 5との間に-ップ が形成され、当該二ップをフィルムが通過する間に平面性を矯正すればよい。従って 、タツチロールが剛体で構成され、第 1冷却ロールとの間に-ップが形成されない場 合と比べて、小さい線圧で長時間かけてフィルムを挟圧するので、平面性をより確実 に矯正することができる。すなわち、線圧が 9. 8NZcmよりも小さいと、ダイラインを 十分に解消することができなくなる。逆に、線圧が 147NZcmよりも大きいと、フィル ムが-ップを通過しにくくなり、フィルムの厚さにかえってムラができてしまう。
[0426] また、タツチロール A、 Bの表面を金属で構成することにより、タツチロールの表面が ゴムである場合よりもタツチロール A、 Bの表面を平滑にすることができるので、平滑 性の高いフィルムを得ることができる。なお、弾性ローラ 42の弾性体 44の材質として は、エチレンプロピレンゴム、ネオプレンゴム、シリコンゴム等を用いることができる。
[0427] さて、タツチロール 6によってダイラインを良好に解消するためには、タツチロール 6 力 Sフィルムを挟圧するときのフィルムの粘度が適切な範囲であることが重要となる。ま た、セルロースエステルは温度による粘度の変化が比較的大きいことが知られている 。従って、タツチロール 6がセルロースエステルフィルムを挟圧するときの粘度を適切 な範囲に設定するためには、タツチロール 6がセルロースエステルフィルムを挟圧す るときのフィルムの温度を適切な範囲に設定することが重要となる。セルロースエステ ルフィルムのガラス転移温度を Tgとしたとき、フィルムがタツチロール 6に挟圧される 直前のフィルムの温度 Tを、 Tg<T<Tg+ 110°Cを満たすことが好ましい。フィルム 温度 Tが Tgよりも低 、とフィルムの粘度が高すぎて、ダイラインを矯正できなくなる。 逆に、フィルムの温度 Tが Tg+ 110°Cよりも高いと、フィルム表面とロールが均一に接 着せず、やはりダイラインを矯正することができない。好ましくは Tg+ 10°C<T2<T g + 90°C、さらに好ましくは Tg + 20°C<T2く Tg + 70°Cである。タツチロール 6がセ ルロースエステルフィルムを挟圧するときのフィルムの温度を適切な範囲に設定する には、流延ダイ 4から押し出された溶融物が第 1冷却ロール 5に接触する位置 P1から 第 1冷却ロール 5とタツチロール 6との-ップの、第 1冷却ロール 5の回転方向に沿つ た長さ Lを調整すればよい。
[0428] 第 1ロール 5、第 2ロール 6に好ましい材質は、炭素鋼、ステンレス鋼、榭脂、等が挙 げられる。また、表面精度は高くすることが好ましく表面粗さとして 0. 3S以下、より好 ましくは 0. 01S以下とする。
[0429] 流延ダイ 4の開口部(リップ)から第 1ロール 5までの部分を 70kPa以下に減圧させ ることにより、上記、ダイラインの矯正効果が大きく好ましい。好ましくは減圧は 50〜7 OkPaである。流延ダイ 4の開口部(リップ)から第 1ロール 5までの部分の圧力を 70kP a以下に保つ方法としては、特に制限はないが、流延ダイ 4からロール周辺を耐圧部 材で覆い、減圧する等の方法がある。このとき、吸引装置は、装置自体が昇華物の 付着場所にならないようヒーターで加熱する等の処置を施すことが好ましい。吸引圧 は小さすぎると昇華物を効果的に吸引できないため、適当な吸引圧とする必要があ る。
[0430] Tダイ 4から溶融状態のフィルム状のセルロースエステル系榭脂を、第 1ロール (第 1
冷却ロール) 5、第 2冷却ロール 7、及び第 3冷却ロール 8に順次密着させて搬送しな がら冷却固化させ、未延伸のセルロースエステル系榭脂フィルム 10を得る。
[0431] 図 1に示す本発明の実施形態では、第 3冷却ロール 8から剥離ロール 9によって剥 離した冷却固化された未延伸のフィルム 10は、ダンサーロール (フィルム張力調整口 ール) 11を経て延伸機 12に導き、そこでフィルム 10を横方向(幅方向)に延伸する。 この延伸により、フィルム中の分子が配向される。
[0432] フィルムを幅方向に延伸する方法は、公知のテンター等を好ましく用いることができ る。特に延伸方向を幅方向とすることで、偏光フィルムとの積層がロール形態で実施 できるので好ましい。幅方向に延伸することで、セルロースエステル系榭脂フィルムか らなるセルロースエステルフィルムの遅相軸は幅方向になる。
[0433] 一方、偏光フィルムの透過軸も、通常、幅方向である。偏光フィルムの透過軸と光 学フィルムの遅相軸とが平行になるように積層した偏光板を液晶表示装置に組み込 むことで、液晶表示装置の表示コントラストを高くすることができるとともに、良好な視 野角が得られるのである。
[0434] フィルム構成材料のガラス転移温度 Tgはフィルムを構成する材料種及び構成する 材料の比率を異ならしめることにより制御できる。セルロースエステルフィルムとして位 相差フィルムを作製する場合、 Tgは 120°C以上、好ましくは 135°C以上とすることが 好ましい。液晶表示装置においては、画像の表示状態において、装置自身の温度 上昇、例えば光源由来の温度上昇によってフィルムの温度環境が変化する。このとき フィルムの使用環境温度よりもフィルムの Tgが低いと、延伸によってフィルム内部に 固定された分子の配向状態に由来するリタ一デーシヨン値及びフィルムとしての寸法 形状に大きな変化を与えることとなる。フィルムの Tgが高過ぎると、フィルム構成材料 をフィルム化するとき温度が高くなるために加熱するエネルギー消費が高くなり、また フィルム化するときの材料自身の分解、それによる着色が生じることがあり、従って、 T gは 250°C以下が好ましい。
[0435] また延伸工程には公知の熱固定条件、冷却、緩和処理を行なってもよぐ 目的とす る光学フィルムに要求される特性を有するように適宜調整すればよい。
[0436] 位相差フィルムの物性と液晶表示装置の視野角拡大のための位相差フィルムの機
能付与するために、上記延伸工程、熱固定処理は適宜選択して行なわれている。こ のような延伸工程、熱固定処理を含む場合、加熱加圧工程は、それらの延伸工程、 熱固定処理の前に行なうようにする。
[0437] セルロースエステルフィルムとして位相差フィルムを製造し、さらに偏光板保護フィ ルムの機能を複合させる場合、屈折率制御を行う必要が生じるが、その屈折率制御 は延伸操作により行なうことが可能であり、また延伸操作が好ましい方法である。以下 、その延伸方法について説明する。
[0438] 位相差フィルムの延伸工程において、セルロース榭脂の 1方向に 1. 0〜2. 0倍及 びフィルム面内にそれと直交する方向に 1. 01-2. 5倍延伸することで、必要とされ るリタ一デーシヨン Ro及び Rthを制御したり、平面性を改善することができる。ここで、 Roとは面内リタ一デーシヨンを示し、面内の長手方向 MDの屈折率と幅方向 TDの屈 折率との差に厚みを乗じたもの、 Rthとは厚み方向リタ一デーシヨンを示し、面内の屈 折率 (長手方向 MDと幅方向 TDの平均)と厚み方向の屈折率との差に厚みを乗じた ものである。 Ro及び Rthは次式で表される。
[0439] 式(I) Ro = (nx— ny) X d
式(II)Rt= { (nx+ny) Z2— nz} X d (式中、 nxは、フィルム面内の遅相軸方向の 屈折率であり、 nyは、フィルム面内の進相軸方向(遅相軸方向と直交する方向)の屈 折率であり、 nzはフィルム厚み方向の屈折率であり、 dはフィルムの厚さ(nm)である o )
延伸は、例えばフィルムの長手方向及びそれとフィルム面内で直交する方向、即ち 幅方向に対して、逐次または同時に行なうことができる。このとき少なくとも 1方向に対 しての延伸倍率が小さ過ぎると十分な位相差が得られず、大き過ぎると延伸が困難と なりフィルム破断が発生してしまう場合がある。
[0440] 互いに直交する 2軸方向に延伸することは、フィルムの屈折率 nx、 ny、 nzを所定の 範囲に入れるために有効な方法である。ここで、 nxとは長手 MD方向の屈折率、 ny とは幅手 TD方向の屈折率、 nzとは厚み方向の屈折率である。
[0441] 例えば溶融流延方向に延伸した場合、幅方向の収縮が大き過ぎると、 nzの値が大 きくなり過ぎてしまう。この場合、フィルムの幅収縮を抑制、あるいは幅方向にも延伸
することで改善できる。幅方向に延伸する場合、幅方向で屈折率に分布が生じること がある。この分布は、テンター法を用いた場合に現れることがあり、フィルムを幅方向 に延伸したことで、フィルム中央部に収縮力が発生し、端部は固定されていることによ り生じる現象で、いわゆるボーイング現象と呼ばれるものと考えられる。この場合でも、 流延方向に延伸することで、ボーイング現象を抑制でき、幅方向の位相差の分布を 少なくできる。
[0442] 互いに直行する 2軸方向に延伸することにより、得られるフィルムの膜厚変動が減 少できる。位相差フィルムの膜厚変動が大き過ぎると位相差のムラとなり、液晶ディス プレイに用いたとき着色等のムラが問題となることがある。
[0443] セルロースエステルフィルムの長手方向及び幅手方向の膜厚変動は、 ±3%、さら に ± 1%の範囲とすることが好ましい。以上のような目的において、互いに直交する 2 軸方向に延伸する方法は有効であり、互いに直交する 2軸方向の延伸倍率は、それ ぞれ最終的には流延方向に 1. 0〜2. 0倍、幅方向に 1. 01-2. 5倍の範囲とするこ と力 子ましく、流延方向に 1. 01-1. 5倍、幅方向に 1. 05-2. 0倍に範囲で行なう ことが必要とされるリタ一デーシヨン値を得るためにより好ま 、。
[0444] 長手方向に偏光子の吸収軸が存在する場合、幅方向に偏光子の透過軸が一致す ることになる。長尺状の偏光板を得るためには、位相差フィルムは、幅方向に遅相軸 を得るように延伸することが好ま U、。
[0445] 応力に対して、正の複屈折を得るセルロースエステルを用いる場合、上述の構成か ら、幅方向に延伸することで、位相差フィルムの遅相軸が幅方向に付与することがで きる。この場合、表示品質の向上のためには、位相差フィルムの遅相軸力 幅方向に あるほうが好ましぐ目的とするリタ一デーシヨン値を得るためには、
式、(幅方向の延伸倍率) > (流延方向の延伸倍率)の条件を満たすことが必要で ある。
[0446] 延伸後、フィルムの端部をスリツター 13により製品となる幅にスリットして裁ち落とし た後、エンボスリング 14及びバックロール 15よりなるナールカ卩ェ装置によりナールカ口 ェ (ェンボッシンダカ卩ェ)をフィルム両端部に施し、卷取り機 16によって巻き取ること により、セルロースエステルフィルム (元巻き) F中の貼り付きや、すり傷の発生を防止
する。ナールカ卩ェの方法は、凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱やカロ 圧により加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、 変形しており、フィルム製品として使用できないので、切除されて、原料として再利用 される。
[0447] 次に、フィルムの卷取り工程は、円筒形巻きフィルムの外周面とこれの直前の移動 式搬送ロールの外周面との間の最短距離を一定に保持しながらフィルムを卷取り口 一ルに卷き取るものである。かつ卷取りロールの手前には、フィルムの表面電位を除 去または低減する除電ブロア等の手段が設けられている。
[0448] 本発明の偏光板保護フィルムの製造に係わる巻き取り機は一般的に使用されてい るものでよぐ定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプ ログラムテンションコントロール法等の巻き取り方法で巻き取ることができる。なお、偏 光板保護フィルムの卷取り時の初期卷取り張力が 90. 2-300. 8NZmであるのが 好ましい。
[0449] 本発明の方法におけるフィルムの巻き取り工程では、温度 20〜30°C、湿度 20〜6 0%RHの環境条件にて、フィルムを巻き取ることが好ましい。このように、フィルムの 巻き取り工程での温度及び湿度を規定することにより、厚み方向リタ一デーシヨン (Rt h)の湿度変化の耐性が向上する。
[0450] 巻き取り工程における温度が 20°C未満であれば、シヮが発生し、フィルム卷品質劣 化のため実用に耐えないので、好ましくない。フィルムの巻き取り工程における温度 が 30°Cを超えると、やはりシヮが発生し、フィルム卷品質劣化のため実用に耐えない ので、好ましくない。
[0451] また、フィルムの巻き取り工程における湿度が 20%RH未満であれば、帯電しやす ぐフィルム卷品質劣化のため実用に耐えないので、好ましくない。フィルムの巻き取 り工程における湿度が 60%RHを超えると、卷品質、貼り付き故障、搬送性が劣化す るので、好ましくない。
[0452] 偏光板保護フィルムをロール状に巻き取る際の、巻きコアとしては、円筒上のコアで あれは、どのような材質のものであってもよいが、好ましくは中空プラスチックコアであ り、プラスチック材料としては加熱処理温度にも耐える耐熱性プラスチックであればど
のようなものであってもよぐフエノール榭脂、キシレン榭脂、メラミン榭脂、ポリエステ ル榭脂、エポキシ榭脂等の樹脂が挙げられる。またガラス繊維等の充填材により強化 した熱硬化性榭脂が好ましい。例えば、中空プラスチックコア: FRP製の外径 6インチ (以下、インチは 2. 54cmを表す。)、内径 5インチの巻きコアが用いられる。
[0453] これらの巻きコアへの巻き数は、 100巻き以上であることが好ましぐ 500巻き以上 であることがさらに好ましぐ巻き厚は 5cm以上であることが好ましぐ長さでは 500〜 10000mであり、本発明のフィルムの幅は l〜5mであることが好ましぐ特に好ましく は 1. 5〜4mである。広幅のフィルムを製膜して、巻き取りの前にフィルムにスリットカロ ェして 2〜3本のロールフィルムを得ることも好ましく行われる。
[0454] 本発明の偏光板保護保護フィルムの厚さは、 10〜500 m力 子ましい。特に 20〜 150 mが好ましぐ特に好ましい範囲は 25〜90 mである。偏光板保護保護フィ ルムが厚いと、偏光板加工後の偏光板が厚くなり過ぎ、ノート型パソコンゃモパイル 型電子機器に用いる液晶表示においては、特に薄型軽量の目的に適さない。一方、 偏光板保護保護フィルムが薄いと、リタ一デーンヨンの発現が困難となり、カロえてフィ ルムの透湿性が高くなり、偏光子を湿度力も保護する能力が低下してしまうことがある
[0455] 偏光板保護保護フィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方 向とのなす角度を 0 1とすると、 0 1は一1〜+ 1° 、好ましくは一 0. 5〜+ 0. 5° と なるようにすることが好ましい。特に位相差機能を付与する場合は、— 0. 1〜+ 0. 1 ° であることが好ましい。
[0456] この θ 1は配向角として定義でき、 θ 1の測定は、 自動複屈折計 KOBRA—21AD H (王子計測機器社製)を用いて行なうことができる。
[0457] θ 1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏 れを抑制または防止することに寄与し、カラー液晶表示装置においては忠実な色再 現に寄与する。
[0458] 本発明の偏光板保護フィルムは位相差フィルムとしても好ましく用いることができる 。位相差フィルムがマルチドメインィ匕された VAモードに用いられるとき、位相差フィル ムの配置は、位相差フィルムの進相軸が Θ 1として上記領域に配置することで、表示
画質の向上に寄与し、偏光板及び液晶表示装置として MVAモードとしたとき、例え ば図 7に示される構成をとることができる。
[0459] 図 7にお!/ヽて、 21a、 21biま保護フイノレム、 22a, 22b ίま位ネ目差フイノレム、 25a, 25b は偏光子、 23a、 23bはフィルムの遅相軸方向、 24a、 24bは偏光子の透過軸方向、 26a、 26bは偏光板、 27は液晶セル、 29は液晶表示装置を示している。
[0460] セルロースエステルフィルムの面内方向のリタ一デーシヨン Ro分布は、 5%以下に 調整することが好ましぐより好ましくは 2%以下であり、特に好ましくは、 1. 5%以下 である。また、フィルムの厚み方向のリタ一デーシヨン Rth分布を 10%以下に調整す ることが好ましいが、さらに好ましくは、 2%以下であり、特に好ましくは、 1. 5%以下 である。
[0461] 位相差フィルムにおいて、リタ一デーシヨン値の分布変動が小さい方が好ましぐ液 晶表示装置に位相差フィルムを含む偏光板を用いるとき、該リターデーシヨン分布変 動が小さ!/、ことが色ムラ等を防止する観点で好ま 、。
[0462] 位相差フィルムを、 VAモードまたは TNモードの液晶セルの表示品質の向上に適 したリタ一デーシヨン値を有するように調整し、特に VAモードとして上記のマルチドメ インに分割して MVAモードに好ましく用いられるようにするには、面内リターデーショ ン Roを 30nmよりも大きぐ 95nm以下に、かつ厚み方向リタ一デーシヨン Rthを 70η mよりも大きぐ 400nm以下の値に調整することが好ましい。
[0463] 上記の面内リタ一デーシヨン Roは、 2枚の偏光板がクロス-コルに配置され、偏光 板の間に液晶セルが配置された、例えば図 7に示す構成であるときに、表示面の法 線方向から観察するときを基準にしてクロス-コル状態にあるとき、表示面の法線から 斜めに観察したとき、偏光板のクロス-コル状態からのずれが生じ、これが要因となる 光漏れを、主に補償する。厚さ方向のリタ一デーシヨンは、上記 TNモードや VAモー ド、特に MVAモードにおいて液晶セルが黒表示状態であるときに、同様に斜めから 見たときに認められる液晶セルの複屈折を主に補償するために寄与する。
[0464] 図 7に示すように、液晶表示装置において、液晶セルの上下に偏光板が二枚配置 された構成である場合、図中の 22a及び 22bは、厚み方向リタ一デーシヨン Rthの配 分を選択することができ、上記範囲を満たしかつ厚み方向リタ一デーシヨン Rthの両
者の合計値が 140nmよりも大きくかつ 500nm以下にすることが好ましい。このとき 2 2a及び 22bの面内リタ一デーシヨン Ro、厚み方向リタ一デーシヨン Rthが両者同じで あることが、工業的な偏光板の生産性向上において好ましい。特に好ましくは面内リ ターデーシヨン Roが 35nmよりも大きくかつ 65nm以下であり、かつ厚み方向リターデ ーシヨン Rthが 90nmよりも大きく 180nm以下で、図 7の構成で MVAモードの液晶 セルに適用することである。
[0465] 液晶表示装置において、一方の偏光板に例えば市販の偏光板保護フィルムとして 面内リタ一デーシヨン Ro = 0〜4nm及び厚み方向リタ一デーシヨン Rth= 20〜50n mで厚さ 35〜85 μ mの TACフィルムが、例えば図 7の 22bの位置で使用されている 場合、他方の偏光板に配置される偏光フィルム、例えば、図 7の 22aに配置する位相 差フィルムは、面内リタ一デーシヨン Roが 30nmよりも大きく 95nm以下であり、かつ 厚み方向リタ一デーシヨン Rthが 140nmよりも大きく 400nm以下であるものを使用 するようにする。表示品質が向上し、かつフィルムの生産面からも好ましい。
[0466] 《液晶表示装置》
本発明の偏光板保護フィルム (位相差フィルムを兼ねる)を含む偏光板は、通常の 偏光板と比較して高 、表示品質を発現させることができ、特にマルチドメイン型の液 晶表示装置、より好ましくは複屈折モードによってマルチドメイン型の液晶表示装置 への使用に適している。
[0467] 本発明の偏光板は、 MVA(Multi—domein Vertical Alignment)モード、 PV A (Patterned Vertical Alignment)モード、 CPA (Continuous Pinwheel A lignment)モード、 OCB (Optical Compensated Bend)モード、 IPSモード等に 用いることができ、特定の液晶モード、偏光板の配置に限定されるものではない。
[0468] 液晶表示装置はカラー化及び動画表示用の装置としても応用されつつあり、本発 明により表示品質が改良され、コントラストの改善や偏光板の耐久性が向上したこと により、 目が疲れに《忠実な動画像表示が可能となる。
[0469] 位相差フィルムを含む偏光板を少なくとも含む液晶表示装置においては、本発明 の偏光板保護フィルムを含む偏光板を、液晶セルに対して、一枚配置するか、あるい は液晶セルの両側に二枚配置する。このとき偏光板に含まれる本発明の偏光板保護
フィルム側が液晶表示装置の液晶セルに面するように用いることで表示品質の向上 に寄与できる。図 7においては 22a及び 22bのフィルムが液晶表示装置の液晶セル に面することになる。
[0470] このような構成にぉ 、て、本発明の偏光板保護フィルムは、液晶セルを光学的に補 償することができる。本発明の偏光板を液晶表示装置に用いる場合は、液晶表示装 置の偏光板の内の少なくとも一つの偏光板を、本発明の偏光板とすればよい。本発 明の偏光板を用いることで、表示品質が向上し、視野角特性に優れた液晶表示装置 が提供できる。
[0471] 本発明の偏光板において、偏光子力 みて本発明の偏光板保護フィルムとは反対 側の面には、セルロース誘導体の偏光板保護フィルムが用いられ、汎用の TACフィ ルム等を用いることができる。液晶セル力 遠 、側に位置する偏光板保護フィルムは 、表示装置の品質を向上する上で、他の機能性層を配置することも可能である。本発 明の偏光板保護フィルムはこのような用途にも好ましく用いることができる。
[0472] 例えば、反射防止、防眩、耐キズ、ゴミ付着防止、輝度向上のためにディスプレイと しての公知の機能層を構成物として含む偏光板保護フィルムとして用いることもでき るが、これらに限定されるものではない。
[0473] 一般に位相差フィルムでは、上述のリタ一デーシヨン値として Roまたは Rthの変動 が少な!/、ことが安定した光学特性を得るために求められて 、る。特に複屈折モードの 液晶表示装置は、これらの変動が画像のムラを引き起こす原因となることがある。
[0474] 本発明に従 、溶融流延製膜法により製造される長尺状偏光板保護フィルムは、セ ルロースエステルを主体として構成されるため、セルロースエステル固有のケン化を 活用してアルカリ処理工程を活用することができる。これは、偏光子を構成する榭脂 がポリビュルアルコールであるとき、従来の偏光板保護フィルムと同様に完全ケンィ匕 ポリビニルアルコール水溶液を用いて偏光板保護フィルムと貼合することができる。こ のために本発明は、従来の偏光板加工方法が適用できる点で優れており、特に長尺 状であるロール偏光板が得られる点で優れている。
[0475] 本発明により得られる製造的効果は、特に 100m以上の長尺の巻物においてより 顕著となり、 1500m、 2500m, 5000m, 10000mとより長尺ィ匕する程、偏光板製造
の製造的効果を得る。
[0476] 例えば、偏光板保護フィルム製造において、ロール長さは、生産性と運搬性を考慮 すると、 1000〜6000m、好ましくは 1000〜4500mであり、このとさのフイノレムの幅 は、偏光子の幅や製造ラインに適した幅を選択することができる。 l〜4m、好ましくは 1. 5〜4mの幅でフィルムを製造してロール状に巻き取り、偏光板加工に供してもよく 、また、 目的の倍幅以上のフィルムを製造してロールに巻き取った後、断裁して目的 の幅のロールを得て、このようなロールを偏光板力卩ェに用いるようにしてもよ 、。
[0477] 偏光板保護フィルム製造に際し、延伸の前及び Zまたは後で帯電防止層、ハード コート層、易滑性層、接着層、防眩層、ノ リア一層等の機能性層を塗設してもよい。こ の際、コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等の各種表面処理を必要に応じて 施すことができる。
[0478] 製膜工程にぉ ヽて、カットされたフィルム両端のクリップ把持部分は、粉砕処理され た後、あるいは必要に応じて造粒処理を行なった後、同じ品種のフィルム用原料とし てまたは異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。
[0479] 前述の可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤等の添加物濃度が異なるセルロースエス テルを含む組成物を共押出しして、積層構造のセルロースエステルフィルムを作製 することもできる。例えば、スキン層/コア層 Zスキン層といった構成のセルロースェ ステルフィルムを作ることができる。例えば、マット剤は、スキン層に多ぐまたはスキン 層のみに入れることができる。可塑剤、紫外線吸収剤はスキン層よりもコア層に多く入 れることができ、コア層のみに入れてもよい。また、コア層とスキン層で可塑剤、紫外 線吸収剤の種類を変更することもでき、例えば、スキン層に低揮発性の可塑剤及び Zまたは紫外線吸収剤を含ませ、コア層に可塑性に優れた可塑剤、あるいは紫外線 吸収性に優れた紫外線吸収剤を添加することもできる。スキン層とコア層のガラス転 移温度が異なっていてもよぐスキン層のガラス転移温度よりコア層のガラス転移温度 が低いことが好ましい。このとき、スキンとコアの両者のガラス転移温度を測定し、これ らの体積分率より算出した平均値を上記ガラス転移温度 Tgと定義して同様に扱うこと もできる。また、溶融流延時のセルロースエステルを含む溶融物の粘度もスキン層と コア層で異なっていてもよぐスキン層の粘度 >コア層の粘度でも、コア層の粘度≥ス
キン層の粘度でもよい。
[0480] 本発明に係るセルロースエステルフィルムは、寸度安定性が、 23°C、 55%RHに 2 4時間放置したフィルムの寸法を基準としたとき、 80°C、 90%RHにおける寸法の変 動値が ± 2. 0%未満であり、好ましくは 1. 0%未満であり、さらに好ましくは 0. 5%未 満である。
[0481] 本発明に係るセルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合、 偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得ら れたセルロースエステルフィルムをアルカリ処理し、ポリビュルアルコールフィルムを 沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全鹼ィ匕ポリビュルアルコー ル水溶液を用いて、偏光子の両面に偏光板保護フィルムを貼り合わせる方法があり 、少なくとも片面に本発明の偏光板保護フィルムが偏光子に直接貼合する。もう一方 の面にも本発明の偏光板保護フィルムを用いることができる。あるいは、溶液流延法 で製造された市販のセルロースエステルフィルム(コ-力ミノルタタック KC8UX2M、 KC4UX、 KC5UX、 KC4UYゝ KC8UYゝ KC12UR, KC8UCR— 3、 KC8UCR —4、 KC8UCR— 5、 KC4FR— 1、 KC4FR— 2、 KC4FR— 3、 KC4UE、 KC8UE 、 KC8UY—HAゝ KC8UX—RHAゝ KC8UXW—RHA— Cゝ KC8UXW—RHA — NC、 KC4UXW— RHA— NC (以上、コ-カミノルタォプト(株)製))、あるいはポ リエステルフィルム、シクロォレフイン系榭脂フィルム(ゼォノアフィルム(日本ゼオン社 製)、アートンフィルム (JSR社製) )などの膜厚 10〜150 μ mのフィルムを用いることも できる。
[0482] 上記アルカリ処理の代わりに特開平 6— 94915号公報、同 6— 118232号公報に 記載されているような易接着加工を施して偏光板加工を行なってもよいし、コロナ放 電処理やプラズマ処理などを施すこともできる。
[0483] 偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、さらに該 偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構 成することができる。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製 品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィ ルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面
の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層を力 バーする目的で用いられ、偏光板を液晶セルへ貼合する面側に用いられる。
[0484] なお、偏光板の主たる構成要素である偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを 通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏 光フィルムであり好ましく用いられる。これはポリビュルアルコールある 、はエチレン 単位の含有量 1〜4モノレ0 /0、重合度 2000〜4000、けんィ匕度 99. 0〜99. 99モノレ0 /0 であるエチレン変性ポリビュルアルコールなどのポリビュルアルコール系フィルムにョ ゥ素あるいは二色性染料で染色したものがある。該偏光子は、ポリビュルアルコール 系フィルムを一軸延伸させて染色する力、染色した後一軸延伸してから、好ましくは ホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが好ましく用いられる。該偏光子の面上に、 本発明の偏光板保護フィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは 完全酸ィ匕ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせ る。偏光子の膜厚としては、 5〜30 /ζ πιのものが好ましく用いられる。
実施例
[0485] 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定される ものではない。
[0486] 実施例に用いる、セルロースエステル、可塑剤及び添加剤を以下の合成例 1〜11 に従って合成した。
[0487] (合成例 1:セルロースエステル)
特表平 6— 501040号公報の例 Βを参考にして、プロピオン酸、酢酸の添力卩量を調 整して、ァセチル基置換度、プロピオニル基置換度を下記のように変化させた 3種類 のセルロースエステルを合成した。
[0488] C 1:ァセチル基置換度 1. 4、プロピオ-ル基置換度 1. 4、総ァシル基置換度 2.
8
C— 2 :ァセチル基置換度 1. 5、プロピオ-ル基置換度 1. 3、総ァシル基置換度 2.
8
C 3 :ァセチル基置換度 1. 4、プロピオ-ル基置換度 1. 3、総ァシル基置換度 2.
7
得られたセルロースエステルの置換度は、 ASTM -D817- 96に基づ!/、て算出し た。
[0489] (合成例 2:可塑剤、トリメチロールプロパントリべンゾエート(TMPTB)の合成)
100°Cに保持した 45質量部のトリメチロールプロパン、 101質量部のトリェチルアミ ンの混合溶液を攪拌しながら、 71質量部の塩ィ匕ベンゾィルを 30分間かけて滴下し、 さらに 30分間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸ェ チル ·純水を加えて洗浄し、有機相を分取して酢酸ェチルを減圧留去し、 126質量 部(収率 85%)の白色の結晶を得た。なお、この化合物の分子量は 446である。
[0490] (合成例 3:可塑剤、化合物 48)
10°Cに保持した 36質量部のトリメチロールプロパン、 107質量部のピリジン、 300 質量部の酢酸ェチルの混合溶液を攪拌しながら、 250質量部の 3, 4, 5 トリメトキシ ベンゾイルク口ライドを酢酸ェチル 300質量部に溶解した溶液を 30分間かけて滴下 し、その後、 80°Cまで加熱して、 5時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却して沈 殿物を炉別した後、 1モル ZL HC1水溶液を加えて洗浄し、さらに l%Na CO水溶
2 3 液を加えて洗浄した後、有機相を分取して酢酸ェチルを減圧留去し、 153質量部( 収率 80%)の白色結晶を得た。なお、この化合物の分子量は 717である。
[0491] (合成例 4 :可塑剤、化合物 51)
10°Cに保持した 54質量部の 2 ヒドロキシメチループロパン 1, 3ジオール、 190 質量部のピリジン及び 450質量部の酢酸ェチルの混合溶液を攪拌しながら、 240質 量部のベンゾイルク口ライドを 30分間かけて滴下し、その後、 80°Cまで加熱して、さら に 3時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸ェチル 一純水を加えて洗浄し、有機相を分取して酢酸ェチルを減圧留去し、 目的の化合物 を得た。なお、この化合物の分子量は 675である。
[0492] (合成例 5:可塑剤、化合物 62)
10°Cに保持した 45質量部の 2 ヒドロキシメチループロパン 1, 3ジオール、 190 質量部のピリジン及び 450質量部の酢酸ェチルの混合溶液を攪拌しながら、 390質 量部の p—メトキシベンゾイルク口ライドを 30分間かけて滴下し、その後、 80°Cまで加 熱して、さらに 3時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、
1モル ZL HCl水溶液を加えて洗浄し、さらに l%Na CO水溶液をカ卩えて洗浄した
2 3
後、有機相を分取して酢酸ェチルを減圧留去し、 目的の化合物を得た。なお、この 化合物の分子量は 494である。
[0493] (合成例 6:—般式 (R)で表される化合物、化合物 101)
5, 7—ジー 6 ー:611—3—ヒドロキシー311—べンゾフランー2—ォン、 p キシレ ンならびに触媒としてフルキャット(Fulcat)22Bから出発して、 5, 7 ジ tert—Bu -3-(2, 5 ジメチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 101)を合 成した。
[0494] a) 5, 7 ジ一 tert—Bu— 3 ヒドロキシ一 3H ベンゾフラン一 2—オンの合成
1, 2 ジクロロェタン 300ml中の 2, 4 ジ一 tert—Bu—フエノール(97%) 212. 5g(l. 00mol)、 50%水性ダリオキシル酸 163. 0g(l. lOmol)及び p トルエンス ルホン酸一水塩 0. 5g(2. 6mmol)を水分離器上で 3. 5時間、窒素気流中で還流し た。その後、反応混合物を減圧ロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をへキサ ン 800mlに溶解し、そして水で 3回洗浄した。分液漏斗中、水相を分離し、さらにへ キサン 300mlで抽出した。有機相を集め、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧エバポレ 一ターで濃縮した。残渣カも濃い黄色の榭脂の形態の、分析的に精製された 5, 7- ジ一 tert—Bu— 3 ヒドロキシ一 3H ベンゾフラン一 2—オン 262. 3g(~100%) を得た。
[0495] b)5, 7 ジ一 tert—Bu— 3— (2, 5 ジメチルフエ-ル)一 3H ベンゾフラン一 2 —オン (ィ匕合物(101))の合成
p キシレン 500ml (4. 05mol)中の 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3 ヒドロキシ一 3H— ベンゾフラン一 2—オン 262. 3g(l. OOmol)溶液にフルキャット 22B40gを加え、及 び混合物を水分離器上で 1. 5時間還流した。フルキャット 22B触媒を次にろ過により 除去し、過剰 p キシレンを減圧エバポレーターで留去した。メタノール 400mlからの 残渣の結晶化により、融点 93— 97°Cの 5, 7 ジ—第三ブチルー 3—(2, 5 ジメチ ルフエ-ル) 3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 101) 280. 6g(80%)を得た。
[0496] (合成例 7:—般式 (R)で表される化合物、化合物 103、 103Aの合成)
2, 4ージ tert—Bu—フエノール、グリオキシル酸及び o キシレンならびに触媒
としてフルキャットまたはフルモント(Fulmont)から出発して、 3— (3, 4—ジメチルフ ェ -ル) - 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 103)及び 3 - (2, 3 ジメチルフエ-ル)一 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3H ベンゾフラン一 2—ォ ン (ィ匕合物 103A異性体の約 5. 7 : 1混合物)を合成した。
水分離器を備えた 1500mlの二層反応器に 2, 4 ジ— tert— Bu—フエノール 20 6. 3g (l. 0mol)、 o キシレン 485g (5. 5mol)、 p トルエンスルホン酸一水塩 0. 5g (2. 6mmol)及び 50%水性ダリオキシル酸 163g (l. lmol)を入れた。攪拌しな がら、混合物を 85〜90°Cに加熱しそして装置を同時に約 450mbarに排気した。反 応器中の温度が 85〜90°Cになると直ちに、 o キシレン Z水混合物が蒸留され始め 、 o キシレンは還流され及び水は系から除去された。反応器の温度を 85〜90°Cに 保てるように減圧を連続的に高めた。水約 90〜: LOOmlの全てが 3ないし 4時間かけ て蒸留された。減圧を窒素により解除し、触媒 (フルキャット 30もしくは 40、フルモント XMP— 3もしくは XMP— 4) 40gを透明な黄色の溶液に加えた。装置を 700mbarの 圧力に排気しそして懸濁物を 165°Cの加熱浴温度で攪拌した。約 128°Cの温度から 反応水が共沸物として系カも留去され始めた。装置の温度は最後の方で最大 140 °Cに昇温させた。総量約 20mlの水が系から 1ないし 2時間かけて留去された。次に 減圧を窒素により解除した。反応混合物を 90〜100°Cに冷却し及びろ過した。装置 及びフィルター残渣を o キシレン 100gですすいだ。ろ液を二層反応器に移しそし て減圧下で濃縮し、 o キシレン 360gで回収した。やや赤い黄色の残渣を 70°Cに 冷却し、温度を 60〜65°Cに保ちながら、メタノール 636gを滴下漏斗から注意して加 えた。溶液に結晶種を入れ、 60〜65°Cで約 30分間攪拌して結晶化させた。次に結 晶ィ匕スラリーを 2時間かけて— 5°Cに冷却し、そしてこの温度で攪拌をさらに 1時間続 けた。結晶を吸引ろ過で集め、残渣を冷メタノール(一 5°C) 400mlを使用して 5回に 分けて洗浄した。十分に乾圧された生成物を 50〜60°Cの真空乾燥機で乾燥して、 白色固体 266gを得た。ガスクロマトグラフィーによる分析は、この物質が 3— (3, 4— ジメチルフエ-ル) 5, 7 ジ一 tert— Bu—3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 1 03)約 85%、ならびに 3— (2, 3 ジメチルフエ-ル) 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3— H —ベンゾフラン一 2 オン異性体 (ィ匕合物 103A)約 15%力もなることを示す。
[0498] (合成例 8 :—般式 (R)で表される化合物、化合物 105の合成)
5, 7 ジ一 tert— Bu— 3 ヒドロキシ一 3H ベンゾフラン一 2—オン、ェチノレベン ゼンならびに触媒としてフルキャット 22Bから出発して、 5, 7 ジ tert— Bu— 3—( 4 -ェチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン 2 オン(化合物 105)を合成した。
[0499] ェチルベンゼン 500ml (4. 08mol)中の 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3 ヒドロキシ一 3 H ベンゾフラン— 2—オン 262. 3g (l. OOmol)溶液にフルキャット 22B 40gをカロ え、そして混合物を水分離器上で 1. 5時間還流した。フルキャット 22B触媒を次にろ 過により除去し、過剰ェチルベンゼンを減圧エバポレーターで留去した。 GC— MS 分析はパラ—異性体 (ィ匕合物 105) 59. 2%、メタ—異性体 (ィ匕合物 105A) 10. 8% 及びオルト一異性体 (ィ匕合物 105B) 21. 1%の混合物力もなる残渣を示した。メタノ ール 400mlからの残渣の結晶化により、 5, 7 ジ—tert— Bu—3— (4 ェチルフエ -ル) 3H べンゾフラン 2 オン(ィ匕合物 105) (パラー異性体) 163. 8g (47% )が得られ、それはさらにメタ 異性体 5, 7—ジ tert— Bu—3— (3—ェチルフエ- ル)—3H—べンゾフランー2 オン(ィ匕合物 105A) 5. 6%、及びオルト 異性体 5, 7 ジ一 tert— Bu—3— (2 ェチルフエ-ル) 3H—ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合 物 105B) 1. 3%を含む。メタノールからのさらなる結晶化から、融点 127— 132°Cの ほとんど純粋なパラ異性体 (ィ匕合物 105)を得た。
[0500] [化 93]
(合成例 9:一般式 (R)で表される化合物、化合物 111)
5, 7 ジ tert— Bu—3 ヒドロキシ 3H べンゾフランー2 オン、ペンタメチ ルベンゼンならびに触媒として四塩化錫から出発して、 5, 7—ジ tert— Bu—3—( 2, 3, 4, 5, 6 ペンタメチルフエ-ル) 3H べンゾフラン 2 オン(ィ匕合物(11
1) )を合成した。
[0502] ペンタメチルベンゼン 11. 5g (77. 5mol)及び四塩化錫 10ml (85. Ommol)を 1, 2 -ジクロロメタン 50ml中の 5 , 7 ジ一 tert— Bu— 3 ヒドロキシ 3H ベンゾフラ ン— 2—オン 19. 7g (75. Ommol)の溶液にカ卩え、そして反応混合物を 1時間還流し た。反応混合物を水で稀釈しそしてトルエンで 3回抽出した。有機相を集め、水で洗 浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧エバポレーターで濃縮した。エタノールか らの残渣の結晶化により融点 185— 190°Cの、 5, 7 ジ—tert— Bu— (2, 3, 4, 5, 6 -ペンタメチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン 2 オン(化合物 111) 26. 3g (89 %)が得られた。
[0503] (合成例 10 :—般式 (R)で表される化合物、化合物 108)
5, 7 ジ tert— Bu— 3 ヒドロキシ 3H べンゾフランー2 オン、チオアニソ ールならびに触媒として三塩化アルミニウムから出発して、 5, 7—ジ—tert— Bu— 3 一 (4ーメチルチオフエ-ル)一 3H べンゾフラン一 2 オン(ィ匕合物 108)を合成し た。
[0504] チオア-ノール 25ml (0. 21mol)中の 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3 ヒドロキシ一 3H —ベンゾフラン一 2—オン 26. 2g (0. lOmol)の溶液をチオア-ノール 15ml (0. 13 mol)中の塩化アルミニウム 14. 7g (0. l lmol)の溶液に 35〜40°Cで滴下で添カロし た。反応混合物をその後 30°Cで 30分間及び 80°Cで 2時間攪拌し、そして冷却後、 水約 50ml、そして次に濃塩酸及び塩化メチレンを均質な 2層混合物が形成されるの に十分な量で注意深く加えた。有機相を分離し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥 しそしてロータリーエバポレーターで濃縮した。エタノールからの残渣の結晶化により 、融点 125— 131°Cの 5, 7 ジ— tert— Bu— 3— (4—メチルチオフエ-ル) 3H -ベンゾフラン 2 オン (化合物 108) 6. 7gを得た。
[0505] (合成例 11 :一般式 (R)で表される化合物、化合物 104)
5, 7 ジ tert— Bu— 3 ヒドロキシ 3H べンゾフランー2 オン、グリオキシ ル酸及びトルエンならびに触媒としてフルキャット 22Bから出発して、 5, 7 ジー tert — Bu— 3— (4—メチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 104)を合 成した。
[0506] 2, 4—ジ— 6 —:611フェノール(97%) 21. 2g (0. lOmol)、 50%水性ダリオキシ ル酸 16. 3g (0. l lmol)、フルキャット 22B 2. Og及びトルエン 50mlの混合物を水 分離器上、窒素気流中で 8時間還流した。フルキャット 22B触媒を次にろ過により除 去し、過剰トルエンを減圧エバポレーターで留去した。エタノール 40mlからの残渣の 結晶ィ匕により、融点、130〜133°Cの 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3— (4—メチノレフエ-ノレ )一 3H べンゾフラン 2 オン(ィ匕合物 104) 14. 2g (42%)を得た。
[0507] 尚、実施例 1で用いる PETBはペンタエリスリトールテトラべンゾエートの略であり、 アルドリッチ社より購入した。
[0508] 実施例 1
(偏光板保護フィルム 101の作製)
上記合成例で作製した各種化合物、また市販の各種ィ匕合物を可塑剤として用いて 、溶融流延により偏光板保護フィルム 101を作製した。
[0509] セルロースエステル(上記 C 1:ァセチル基置換度 1. 4、プロピオ-ル基置換度 1 . 4、総ァシル基置換度 2. 8のセルロースエステル) 84質量部 添加剤 1 (本発明に係るフラノース構造もしくはビラノース構造を有する化合物の例 示化合物 1 (化合物 1) ) 5質量部
添加剤 2 (PETB) 10質量部
添加剤 3 (合成例 7の 3— (3, 4—ジメチルフエ-ル)ー 5, 7—ジ— tert— Bu— 3H
—ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 103)及び 3— (2, 3 ジメチルフエ-ル) 5, 7
—ジ— tert— Bu— 3H ベンゾフラン 2 オン(化合物 103 A異性体の約 5. 7 : 1 混合物)) 0. 5質量部
IRGANOX— 1010 (チバスペシャルティケミカルズ社製) 0. 5質量部 セルロースエステルを 70°C、 3時間減圧下で乾燥を行い室温まで冷却した後、添 加剤を混合した。
[0510] 以上の混合物を窒素雰囲気下、 240°Cにて溶融して流延ダイ 4から第 1冷却ロール 5上に押し出し、第 1冷却ロール 5とタツチロール 6との間にフィルムを挟圧して成形し た。また押出し機 1中間部のホッパー開口部から、滑り剤としてシリカ粒子(日本ァェ 口ジル社製)を、 0. 1質量部となるよう添加した。
[0511] 流延ダイ 4のギャップの幅がフィルムの幅方向端部から 30mm以内では 0. 5mm、 その他の場所では lmmとなるようにヒートボルトを調整した。タツチロールとしては、タ ツチロール Aを使用し、その内部に冷却水として 80°Cの水を流した。
[0512] 流延ダイ 4から押し出された榭脂が第 1冷却ロール 5に接触する位置 P1から第 1冷 却ロール 5とタツチロール 6との-ップの第 1冷却ロール 5回転方向上流端の位置 P2 までの、第 1冷却ローラ 5の周面に沿った長さ Lを 20mmに設定した。その後、タツチ ロール 6を第 1冷却ロール 5から離間させ、第 1冷却ロール 5とタツチロール 6との-ッ プに挟圧される直前の溶融部の温度 Tを測定した。本実施例及び比較例にお!ヽて、 第 1冷却ロール 5とタツチロール 6との-ップに挟圧される直前の溶融部の温度 Tは、 -ップ上流端 P2よりもさらに lmm上流側の位置で、温度計 (安立計器株式会社製 H A- 200E)により測定した。本実施例では測定の結果、温度 Tは 141°Cであった。タ ツチロール 6の第 1冷却ロール 5に対する線圧は 14. 7N/cmとした。さらに、テンタ 一に導入し、巾方向に 160°Cで 1. 3倍延伸した後、巾方向に 3%緩和しながら 30°C まで冷却し、その後クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落とし、フィルム両端に 幅 10mm、高さ 5 μ mのナーリング加工を施し、巻き取り張力 220NZm、テーパー 4 0%で卷芯に巻き取った。卷芯の大きさは、内径 152mm、外径 165〜180mm、長 さ 1550mmであった。この卷芯母材として、エポキシ榭脂をガラス繊維、カーボン繊 維に含浸させたプリプレダ榭脂を用いた。卷芯表面にはエポキシ導電性榭脂をコー ティングし、表面を研磨して、表面粗さ Raは 0. 3 mに仕上げた。なお、膜厚は 80 m、卷長は 3500mとした。この本発明のフィルム原反試料を偏光板保護フィルム 1 01とする。
[0513] さらに、表 1、表 2に記載の添加剤、添加量に変更する以外は、フィルム原反試料を No. 101と同様な方法で、本発明の偏光板保護フィルム 102〜123、比較の偏光板 保護フィルム 201〜207を作製した。
[0514] ただし、添加剤の添加量はフィルム中の固形分の総計が 100質量部となるようにセ ルロースエステルの添加量を調整した。常温で液体の添加剤については、 2軸押し 出し機に入る直前でフィーダ一によつて添加した。
[0515] また、表中の高分子紫外線吸収剤 (UVM— 1)は、 1— (2—ベンゾトリァゾール)―
IrganoxlOlO:チバスペシャルティケミカルズ (株) Tinuvin— 144:チバスペシャルティケミカルズ (株)
s〕〕 〔l6051
[0518] 得られた偏光板保護フィルムに対して、下記方法で評価を行った。評価の結果を 表 3に示す。
[0519] (馬の背故障、巻芯転写)
巻き取った偏光板保護フィルムをポリエチレンシートで 2重に包み、図 8に示すよう な保存方法で、 25°C、 65%の条件下で 30日間保存した。その後、箱から取り出し、 ポリエチレンシートを開け、フィルム原反試料表面に点灯している蛍光灯の管を反射 させて映し、その歪みあるいは細かい乱れを観察し、馬の背故障を下記レベルにラン ク分けした。
[0520] A:蛍光灯が真つすぐに見える
B:蛍光灯が部分的に曲がって見える
C :蛍光灯が曲がって見える
D:蛍光灯がまだらに映って見える
また、保存後の偏光板保護フィルム原反を巻き返して、 50 m以上の点状の変形 、または幅手方向の帯状の変形がはっきり見える卷芯転写が、卷芯部分より何 mまで 発生して!/、るかを測定し、下記レベルにランク分けを行った。
[0521] A:卷芯部分より 10m未満
B:卷芯部分より 10〜25m未満
C :卷芯部分より 25〜50m未満
D:卷芯部分より 50m以上
(卷始めシヮ)
卷芯に原反フィルムを巻き取る作業を行 、、卷始めでシヮが発生して不良となった 場合は卷芯から原反フィルムを取り外して、再度巻き取る作業を行った。この時の不 良回数をカウントした。この作業を 10回行い平均値を求め、下記レベルにランク分け を行った。
[0522] A: 0回以上 1回未満
B: l回以上 3回未満
C : 3回以上 5回未満
D: 5回以上
なお、図 8中、 110は卷芯本体、 117は支え板、 118は架台、 120はセルロースエス テルフィルム原反を表す。
[0523] (湿度変化に対するリタ一デーシヨン値変動)
作製した偏光板保護フィルムのリタ一デーシヨン値を各々求め、その値より Rth (a) 変動を求めた。
[0524] Rth (a)変動は、 Rt (b)は 23°C、 20%RHにて 5時間調湿した後、同環境で測定し た Rt値を測定しこれを Rth (b)とし、 Rth (c)は同じフィルムを続けて 23°C、 80%RH にて 5時間調湿した後、同環境で測定した Rt値を求めこれを Rth (c)とし、下記の式 より Rth (a)変動を求めた。
[0525] Rth (a) = | Rth(b)—Rth(c) |
更に調湿後の試料を再度 23°C55%RHの環境にて測定を行い、この変動が可逆 変動であることを確認した。
[0526] [表 3]
偏光板
※ 1 偏光板/
馬の背 卷さ Jl 巻き始め 正面 視野角
液晶表示装置 備 考 フィルム 故障 転写 シヮ コントラストムラ 変動
※ No .
No .
101 A A A 8 101 A ◎ 本発明
102 A A A 8 102 A ◎ 本発明
103 A A A 8 103 A 本発明
104 A A A 6 104 A ◎ 本発明
105 A A A 7 105 A ◎ 本発明
106 A A A 8 106 A ◎ 本発明
107 B A A 10 107 A ◎ 本発明
108 B A A 10 108 A ◎ 本発明
109 B A A 12 109 A ◎ 本発明
110 B A A 15 110 A 〇 本発明
111 B A A 15 111 A 〇 本発明
112 B A A 15 112 A 〇 本癸明
113 B A A 15 113 A 〇 本発明
114 B A A 15 1 14 A 〇 本発明
115 B A A 10 1 15 A 〇 本発明
116 A A A 5 116 A ◎ 本発明
117 A A A 5 117 A ◎ 本発明
118 A A A 5 118 A ◎ 本発明
119 A A A 8 119 A ◎ 本発明
120 A A A 9 120 A ◎ 本発明
121 A A A 7 121 A ◎ 本発明
122 A A A 10 122 A ◎ 本発明
123 A A A 5 123 A ◎ 本発明
201 C C B 25 201 B Δ 比較例
202 C C C 26 202 B Δ 比較例
203 c c C 22 203 B Δ 比較例
204 c c C 27 204 B Δ 比較例
205 D ϋ D 30 205 C X 比較例
206 B B B 35 206 C X 比較例
207 B B B 32 207 C X 比較例
※ 1 :位相差湿度変動
※2 : A Rth(20%RH -80 RH)
表 3より、本発明に係る本発明に係るフラノース構造もしくはビラノース構造を有する 化合物、及び一般式 (R)に記載の化合物を含有する偏光板保護フィルム 101〜12 3は、長期間保存しても馬の背故障、卷芯転写が少なぐ卷始めシヮ等のフィルム原 反の変形故障が発生しにくい偏光板保護フィルムであることが分かる。また、湿度変 動に対するリタ一デーシヨン値変動も同時に改良されていることが明らかである。また 、偏光板保護フィルム 101において、化合物 103に代えて同量の化合物 235を用い
た以外は偏光板保護フィルム 101と同様に作製した偏光板保護フィルムは、長期間 保存しても馬の背故障、卷芯転写が少なぐ卷始めシヮ等のフィルム原反の変形故 障が発生しにくい、さらに、湿度変動に対するリタ一デーシヨン値変動も同時に改良 された偏光板保護フィルムであった。
[0528] 《偏光板の作製》
上記作製した偏光板保護フィルム 101〜123、 201〜207の原反試料を使って、 下記に記載するアルカリケンィ匕処理、偏光板の作製を行った。
[0529] 〈アルカリケン化処理〉
ケン化工程 2M—NaOH 50°C 90秒
水洗工程 水 30°C 45秒
中和工程 10質量%HC1 30°C 45秒
水洗工程 水 30°C 45秒
ケン化処理後、水洗、中和、水洗の順に行い、次いで 80°Cで乾燥を行った。
[0530] 〈偏光子の作製〉
厚さ 120 mの長尺ロールポリビュルアルコールフィルムを沃素 1質量部、ホウ酸 4 質量部を含む水溶液 100質量部に浸漬し、 50°Cで 5倍に搬送方向に延伸して偏光 膜を作った。
[0531] 上記偏光膜の両面にアルカリケンィ匕処理した前記偏光板保護フィルム試料 101〜 123、 201〜207を完全ケン化型ポリビュルアルコール 5%水溶液を接着剤として、 各々貼り合わせ、乾燥して偏光板 P101〜P123、 P201〜P207を作製した。
[0532] 《液晶表示装置の作製》
VA型液晶表示装置である富士通製 15型ディスプレイ VL— 150SDの予め貼合さ れていた視認側の偏光板を剥がして、上記作製した偏光板 P101〜P123、 P201〜 P207をそれぞれ液晶セル (VA型)のガラス面に貼合し、液晶表示装置 101〜123 、 201〜207を作製した。その際偏光板の貼合の向きは予め貼合されていた偏光板 と同一方向に吸収軸が向くように行った。
[0533] (正面コントラストムラ)
23°C55%RHの環境で、各々の液晶表示装置のバックライトを 1週間連続点灯した
後、測定を行った。測定には ELDIM社製 EZ— Contrastl60Dを用いて、液晶表 示装置で白表示と黒表示の表示画面の法線方向からの輝度を測定し、その比を正 面コントラストとした。
[0534] 正面コントラスト =表示装置の法線方向から測定した白表示の輝度 Z表示装置の 法線方向から測定した黒表示の輝度
液晶表示装置の任意の 5点の正面コントラストを測定し、以下の基準にて評価した
[0535] A:正面コントラストが平均値の 0〜5%未満のばらつきであり、ムラが小さい
B:正面コントラストが平均値の 5〜 10%未満のばらつきであり、ムラがややある C:正面コントラストが平均値の 10%以上のばらつきであり、ムラが大き!/ヽ (視野角劣化)
23°C 55 %RHの環境で ELDIM社製 EZ— Contrast 160Dを用いて液晶表示装 置の視野角測定を行った。続いて 23°C20%RH、さらに 23°C80%RHの環境下で、 作製した液晶表示装置の視野角を測定し下記基準にて評価した。最後に 23°C55% RHの環境でもう一度視野角測定を行い、前記測定の際の変化が可逆変動であるこ とを確認した。尚、これらの測定は、液晶表示装置を当該環境に 5時間置いて力も測 定を行った。
[0536] ◎:視野角変動が認められない
〇:視野角変動が実用上問題な 、
△:視野角変動がやや認められる
X:視野角変動が認められる
以上の評価結果を表 3に示す
本発明の液晶表示装置 101〜123は、比較の液晶表示装置 201〜207に対して、 正面コントラストムラもなぐ湿度が変動する条件下でも視野角変動のない極めて安 定した表示性能を示すことが確認された。また、偏光板保護フィルム 101において、 化合物 103に代えて同量の化合物 235を用いた以外は偏光板保護フィルム 101と 同様に作製した偏光板保護フィルムを用いて作製された液晶表示装置は、同様に、 比較の液晶表示装置 201〜207に対して、正面コントラストムラもなぐ湿度が変動す
る条件下でも視野角変動のない極めて安定した表示性能を示した。
産業上の利用可能性
本発明により、湿度変動によるリタ一デーシヨン値変動を抑制して表示品位が安定 したセルロースエステルフィルム、長期間保存しても馬の背故障や凸状故障等のフィ ルム原反の変形故障が発生しな 、セルロースエステルフィルムを使用した偏光板保 護フィルム、偏光板及びその製造方法、該偏光板を用いた液晶表示装置を提供する ことができる。