生体内の有害な活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤
技術分野.
本発明は、 生体内の有害な活性酸 ^及び/又はフリーラジカル濃度を低下させ る活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤に関し、 特に、 生体内の活性酸素及' び/又はフリーラジカル濃度を効果的に低下させ、 老化の進行抑制、 老年病ある 明
いは生活習慣病の予防、 健康増進、 酸化ス トレス抑制等の効果を奏することがで きる生体内の有害な活性酸素及び/又はフリ一ラジカル除去剤に関する。
書 背景技術
一般的に活性酸素'種又はフリーラジカルと呼ばれる反応性分子の存在が、老化、 がん、 ァテローム性動脈硬化症、 心筋梗塞、 発作、 ウィルス感染、 肺の異常、 腸 の病気及ぴ神経退行疾病を含む多くの人間^)健康上の異常の原因の少なくともひ とつとなっており、 老化と健康の悪化につながることが現在では広く認められて いる。 これらの分子は生理的な反応での通常の副産物であり、 酸素の代謝、 たと えば、 細胞呼吸、 あるいは免疫系機能 (外的異物の殺害) 及び代謝に不可欠な非 常に多くの酵素反応によって生産される。 ·
特に細胞内小器官であるミ''トコンドリアは電子伝達系において電子の受け渡し を行うが、 常に電ネの漏れを生じ、 呼吸に用いる酸素分子の 2 %〜0 . 2 %が還 元されて活性酸素種となる。 更に、 このような活性酸素種は一般 ¾境中にも普通 に発生する。 例えば、 活性酸素種の周囲の発生源には煙、 電離性放射線、 大気汚 染、 化学薬品 (発がん物質、 多くの石油化学製品、 生物致死剤、 色素、 溶媒、 細. 胞分裂阻害剤、 その他)、 毒性重金属、及び酸化あるいは酸敗脂肪が含まれる。 最 も一般的な活性酸素種の中にはスーパーォキシドラジカル、 ヒ ドロキシルラジカ ル、 一重項酸素、 過酸化水素があげられ、 広義の意味では、 一酸化窒素、 ペルォ' キシナイ トライ ト、 及ぴアルコキシルラジカルや脂質ペルォキシルラジカルなど の脂質ラジカルが含まれる。 スーパーォキシド、 ヒ ドロキシルラジカル、 一酸化
窒素、 脂質ペルォキシルラジカル、' アルコキシルラジカルなどの脂質ラジカルな どはフリーラジカル分子種である。一
フリーラジカル分子は生命有機体に対し、 核酸、 蛋白質、 脂質などのすベでの 生物分子の構造的損傷め.原因となる酸化毒性を持つ。 分子の損傷は遺伝子コード の変更、 酵素反応の異常、 脂質膜の変性といった細胞の異常を誘起し、 .細胞を傷 害する。 このように,、 フリーラジカル分子は酸化力が強く、 この酸化力による障 害は一般的に酸化ストレスと呼ばれる。 こうした酸化ストレスの蓄積により、 個 体レベルでは神経学的障害、 内分泌不安定、 アレルギーの増加、 血管内皮破壊、 及ぴ関節破壊と炎症の原因となることがある。 ·
酸化ストレスは、 細胞における過剰な活性酸素種又はフリーラジカルの持つ強 力な酸化能によって引き起こされる。 スーパーォキシドア-オンラジカル(0 ') の大半はミ トコンドリアにおいてクレプスサイクルから電子伝達系に至る過程で の電子のリークによって発生する。 また、 0 .は NADPH'ォキシダーゼ 'ゃキサンチ ンォキシダーゼなどのォキシダ一ゼによっても生じる。 02" ·はスーパーォキシド ジスムターゼによつて過酸化水素へと変換され、 さらに過酸化水素はグルタチォ ンペルォキシダーゼや力タラーゼによつて水へと変換されることで無毒化される。 過剰な 02— ·は遷移金属である鉄や銅を還元し、 これらが過酸化水素とフヱントン 反応することでヒドロキシルラジカル ( · 0Η) が生じる。 · 0Η は最も強力な活性 酸素種で核酸、脂質及び蛋白と無差別に反応する.。 この · 0Ηを解毒する機構は知 られておらず、従って、 · 0Ηを賒去することが最も重要な抗酸化プロセスとなる。 フリーラジカル分子による有毒な影響からの防護は抗酸化剤と呼ばれる多様な 領域の分子において見いだされる。 生体内におけるフリーラジカル分子及びそれ らが関連した副産物は、 酸化防止剤により中和され、 害の少ない生産物に変換さ れることがある。このような酸化防止剤は酵素(スーパーォキシドジスムターゼ、 . カタラーゼ、ダルタチオンペルォキシターゼ等々)、必須栄養素(ベータカロチン、 ビタミン C及ぴ Ε '、 セレンなど)、 非常に多くの内生物質 (ダルタチオンなど) 又 は食品化合物 (ビオフラボノイ ドなど) であることもある。 従って、 人間の'生体 内にはフリーラジカル分子に対するいくつかの天然の抑制物が保持されている。 しかしながら、 生体内にフリーラジカル抑制物が存在するにも関わらず、 個体
はフリーラジカル分子によって多くの障害 受ける。 従って、 フリーラジカル分 子による酸化防止のための栄養的ネt充を含む作用がヒ トにおいて老化 ©進行を遅 らせ、 健康の増進、 疾病の予防に大きな利点を持つことが明らかである。 ' . ところで、.水素分子の酸化還元電位は一 0 . 4 2 Vであり、 酸素分子の酸化還 元電位は. + 0 . 8 2 Vである。 従って、 ·水素分子は酸素分子を還元する內在的能 力をもつ。 しかし、 酸化還元電位は酸化又は還元ができる指標であり、 平衡状態 における酸化還元の反応最終状態を示すにすぎず、 実際に生体内で酸化還元反応' が進行するか否かとは別問題である。 一般に速やかに反応が進行するには触媒な どが必要であり、 あるいは高温にして反応を進行させる必要がある。 複雑な構造 をもつ細胞内では、 酸化還元反応を進行させるにはそれぞれの特有な酵素が必要 であることが多く、 水素が生体内で実際に還元力を発揮するかどうかは予測する ことはできない。
例えば、酸化還元電位からすると水素と酸素は反応して水になるはずであるが、 水に溶けた水素分子と酸素分子が反応して水になることはない。 同様に、 水素分 子が前述のように活性酸素種あるいはフリ一ラジカルを還元できるかどうかは、 実際に実験によって確かめなくては全く確認できない。 酸化還元電位から判断す るとすれば、 水素分子は平衡状態では、 スーパーォキシド、 一酸化窒素、 過酸化 水素を還元してしまうはずである。 一方、 スーパーォキシド、 過酸化水素、 一酸 化窒素は、 生体によつて必要不可欠の役割を果たしでいることも明らかにされて いる。 侵入した細菌の殺傷作用、 免疫機能、 癌に対する防御機構、 血管の新生、 血管の拡張、 精子形成、 神経伝達などである。 従って、 も,し、 水素分子が生体内 で速やか.にこれらのフリーラジカル、 あるいは活性酸素を還元し X消去してしま うなら、 時には水素分子は有害となるはずである。
従来から、 酸化還元電位の低い水は、 電気分解により (下記特許文献 1〜 3参. 照) 又は加圧下において水素を溶解させること (下記特許文献 4参照) により作 成されていた。 このうち、 電気分解法によって酸化還元電位の低い水性飲料をつ くる場合は、 O H—イオンによりアルカリ性を示すだけであり、飽和濃度以上に水 素ガスを含んでいるわけではない。アル力リ性であれば O H—イオンによって還元 力が生じるので見かけ上還元性を示すが、 中性に戻すと酸化還元電位は高くなつ
てしまう。 つまり見せかけの還元性を示すだけのものである。 また、 アルカリ性 溶液を多量に飲用すると:、 健康上の問題が生じる。 特に腎臓の負担が大きくなる ので、 腎障害のある人にとっては有害である。 一方、 胃酸過多の人にとっては適 量であれば少しは効果が認められるが、 この効果はアルカリ性溶液による胃酸の 中和による効果であって、 水素ガス又は還元力による効果ではない。 . , また、 金属マグネシゥムを水性飲料の中に混入することによつて還元性水を得 る方法も知られているが、 .この場合においては、 水素ガスと同時にマグネシウム' イオン及び O H—イオンが発生されるため、 アル力リ性となる。マグネシウムィ才 ンは、 便秘薬などに取り入れられているから、 適量であれば人体に対する健康維 持効果を期待できるが、 既に上述したように、 アル力リ性の水性飲料を多量に摂' 取することは身体が絶えず中性であろうとする機能を阻害する方向に働くた 、 危険である。 水素ガスを単に溶解させる方がアルカリ性を示さないので安全性は 高いと考えられる。 '
特許文献 1 特開 2001-145880号公報
特許文献 2 特開 2001-137852号公報
特許文献 3 特開 2002-254078号公報
特許文献 4 特開 2004-230370号公報 発明の開示
上述のようにフリーラジカル分子は酸化力が強く、 生体に対して酸化ストレス を与えることが知られており、 従来から酸化ス トレスの防止にはポリフヱノール 類、 ビタ.ミン類などが有効であると提唱されてきた。 この酸化ス トレスの防止用 として最も広範に認められ、 摂取されているビタミン Cとビタミン Eはそれぞれ 安全性が高く、 安価で る。 しかしながら、 ビタミン Cは水溶性であり、 一方の. ビタミン Eは脂溶性であることから、 両者とも細胞の内部まで容易に到達するこ とはできない。 従って、 細胞内外に広く浸透することが可能な抗酸化物質が求め られている。
一方、 フリーラジカルは有害であるだけでなく、 生体によって必要不可欠の役 割を果たしていることも明らかにされている。 侵入した細菌の殺傷作用、 免疫機
能、 癌に対する防御機構、 血管の新生、.血管の拡張、 精子形成、 神経伝達などで ある。それらは、スーパーォキジド、—過酸化水素、一酸化窒素によるものである。 従って、 ヒ ドロギシルラジカル、 ペルォキシナイ トライ.ト、 脂質ペルォキシルラ ジカルといった反応性が高く、 細胞障害性の高いフリーラジカル種等のみを選択 的に除去できる物質を見出すことができれば、 酸化ストレスの防御には安全に用 いることができ、 望ましいことである。
上述のように、 従来からフリーラジカルや活性酸素を消去するための薬剤とじ て抗酸化ビタミンをはじめとする抗酸化物質が健康増進に利用されているが、 こ れらの薬剤は必ずしも細胞の内部まで容易に到達することができるわけではない。 また、上記特許文献 1〜 4に開示されている'ような還元性水を引用するにしても、 その水は還元性が維持されたまま細胞内外へ広く浸透し得ないこ.とは明らかであ るし、 しかも生体の構造と成分は複雑であり、 均一系ではないので、 容易にその 作用効果を予測する'ことはできない。
本願の発明者等は、 気体状態の水素分子であれば、 生体内に取り込まれ、 細胞 内に速やかに分布し、 フリーラジカルが発生した時点で消去することが期待し得 るものと'考察し、 種々実験を重ねた結果、 水素分子は、 細胞内でフリーラジカル の害を軽減できること、 実際に人間を含む動物の生体内に取り込まれること、 動 物の生体内で水素が実際に酸化ストレスを軽減することを確認して本発明を完成 するに至ったのである。
すなわち、 本発明は、 生体内のフリーラジカル濃度を効果的に低下させ、 この: フリーラジカル濃度の低下によって老化の進行抑制、 老年^あるいは生活習慣病 の予防、 .健康増進、 酸化ス トレス抑制等、 所定の効果を奏するフリ,一ラジカル除 去剤及びこのフリーラジカル除去剤を吸引させるための装置を提供することを目 的とする。
細胞毒性の一方で、 低濃度の 0 ·や過酸化水素は数多くのシグナル伝達カスケ ードにおいてこれらを制御するシグナル分子として機能し、 アポトーシス、 細胞 増殖及び細胞分化などの生理的プロセスを制御するなど、 生理的に重要な機能を 持つ。 高濃度の過酸化水素はミエ口ペルォキシダーゼによって次亜塩素酸へと変 換され抗菌作用を示す。さらにラジカルである一酸化窒素は神経伝達物質であり、
血管拡張において重要な機能を果たす。 これに対して.、 · 0H のょぅに一方的な細 胞毒性を持つラジカルについては、''前述のような活性酸素種が有する基本的な生 理活性を阻害するようなことなく、 これを中和することができる。 本発明者は、 水素分子が他の活性酸素種に影響を与えることなく · oilによつて誘導される細胞 毒性を緩和することができること、 水素分子には抗酸化物質として医療.に応用で きるポテンシャルが有ることを見出し、 本発明を完成させるに至った。
すなわち、 本発明は以下の通.りである。
[I] 少なくとも水素分子を含む液体からなる生体内の有害な活性酸素及び/ はフリーラジカル除去剤。
[2] 少なくとも水素分子を含む液体が水溶液からなる、 [1]の生体内の有害な 活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤。
[3] 水素分子が過飽和状態で含まれる、 [2]の生体内の有害な活性酸素及び/ 又はフリーラジカル除去剤。 .
[4] 更に酸素分子を含む、 [2]又は [3]の生体内の有害な活性酸素及び Z又は フリーラジカル除去剤。
[5] 少なくとも水素分子を含む気体からなる生体内の活性酸素及び Z又はフリ 一ラジカル除去剤。
[6] 少なくとも水素分子を含む気体が水素ガスと酸素ガスの混合ガスからなる、
[ 5 ]の生体内の有害な活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤。 ''
[7] 少なくとも水素分子を含む気体が水素ガスと酸素ガスと不活性ガスの混合
- I
ガスからなる、 [ 5 ]め生体内の有害な活性酸素及び Z又は リーラジカル除去剤。
[8] 少なくとも水素分子を含む気体が水素ガスと空気の混合 スからなる、
[ 5 ]の生体内の有害な活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤。
[9] 少なくとも水素芬子を含む気体が水素ガスと麻酔ガスの混合ガスからな. る [ 5 ]の生体内の有害な活性酸素^ ¾ぴ7又はフリーラジカル除去剤。
[10] 水素ガスを 1〜4% (v/v)の濃度で含む [5]〜[ 9]のいずれかの生体内 の有害な活性酸素及び Z又はフリ一ラジカル除去剤。
[I I] 水素ガスを 1.0〜4.5% (v/v) の濃度で含む [5]〜[9]のいずれかの生 体内の有害な活性酸素及び Z又はフリ一ラジカル除去剤。
[1.-2] 活性酸素及ぴ Z又はフリーラジカルがヒ ドロキシルラジカル、 ペルォキ シナイトライ ト、 了ルコキシラジ力ル及ぴ脂質ペルォキシルラジカルからなる群 から選択される活性酸素及び/又はフリーラジカルであ.る、 [1]〜[1 1]のいず, れかの生体内の有害な活性酸素及び Z又はフリーラジカル除去剤。
[1 3] 活性酸素及び/又はフリーラジカルがヒ ドロキシルラジカルである、 [ 1
2]の生体内の有害な活性酸素及び Z又はフリーラジカル除去剤。
[14]' [1]〜[1 3]のいずれかの生体内の有害な活性酸素及びノ又はフリ ラ' ジカル除去剤を含む、 医薬組成物。
[1 5] [1]〜[1 3]のいずれかの生体内の有害な活性酸素及ぴ Z又はフリーラ ジカル除去剤を含む、 活性酸素及び Z又はフリーラジカルに起因する障害の治療 又は予防剤。
[1 6] 活性酸素及び/又はフリーラジカルに起因する障害が酸化ス トレス、 酸 化ストレスによる細胞死及び酸化ストレスによるミ トコンドリァ機能障害からな る群から選択される [1 5jの治療又は予防剤。
[1 7] 活性酸素及び Z又はフリーラジ力/レに起因する障害が、 脳梗塞、'心筋梗 塞、動脈硬化、虚血再還流障害、臓器移植時障害、未熟児の網膜変性、急性肺症、 人工透析障害、 炎症及び脂質代謝障害からなる群から選択される; [1 5]の治療 又は予防剤。 .
[1 8] 活性酸素及ぴ Z又はフリーラジカルに起因する障害が、 急激な運動後の 筋障害文は運動後の高濃度の酸素ガスを吸引する際に生じる酸素障害である、 [1. 5]の治療又は予防剤。
[1 9] ,活性酸素及び/又はフリーラジカルに起因する障害が、 ルツハイマー 病、パーキンソン病及び ALS等の神経変性疾患からなる群から選択される、 [1 5] の治療又は予防剤。 .
[20] 活性酸素及びノ又はフ^ーラジカルに起因する障害が癌である、 [1 5] の治療又は予防剤。
[21] [1]〜[4]のいずれかの少なくとも水素分子を含む液体からなる活性酸 素及び/又はフリーラジカル除去剤を含む、 活性酸素及び Z又はフリーラジカル に起因する障害の軽減又は予防に適した飲料品。
[2,2] [ 1 ]〜 [ 4 ]のいずれかの少なくとも'水素分子を贪む液体からなる活性酸 素及び/又はフリーラジカル除去剤'を含む、 生体内の活性酸素及び/又はフリ一 ラジカルの除去又は低下のために用いられるものである .旨の表示を付した飲料品。
[23] [1]〜[4]のいずれかの少なくとも水素分子を含む液体からなる活性酸 素及び Z又はフリーラジカル除去剤を含む、 活性酸素及び/又はフリ一.ラジカル に起因する障害の軽減又は予防のために用いられるものである旨の表示を付した 飲料品。 ' '
[24] 飲料品が、 健康食品、 機能性食品、 栄養補助食品、 サプリメント又は特 定健康食品である [2 1]〜[2 3]のいずれかの飲料品。
[25] [5]〜[1 0]のいずれかの生体内の有害な活性酸素及び Z又はフリーラ ジカル除去剤を含む容器。
[26] 水素ガスボンベであ.る [25]の容器。
[27] [ 5 ]〜[ 1 0]のいずれかの少なくとも水素分子を含む気体からなる生体 内の有害な活性酸素及び Z又はフリーラジカル除去剤を含む容器、 ガス吸引用手 段並びに前記容器中の気体を吸引用手段に供給する供給配管を備えている、 活性 酸素及び/又はフリーラジカル除去剤を活性酸素及び/又はフリーラジカルに起 因する障害の治療又は予防を必要とする被験体に供給するための装置。
[28] さらに、 酸素ガス、 不活性ガス及ぴ空気からなる群から選択される少な くとも 1種のガスを含む容器を備え、 少なくとも.水素分子を含む気体からなる生 体内の有害な活性酸素及び/又はフリ一ラジカル除去剤と酸素ガス、 不活性ガス . 及ぴ空気からなる群から選択される少なくとも 1種のガスを別々に或いは混合し た後にガス吸引用手段に供給する、 [2 7]の活性酸素及び Z又はスリ一ラジカル 除去剤を活性酸素及び/又はフリーラジカルに起因する障害の治療又は予防を必 要とする被験体に供給するための装置。
[29] さらに、 麻酔ガスを含む容器を備え、 少なくとも水素分子を含む気体か らなる生体内の有害な活性酸素及ぴ Z又はフリーラジカル除去剤と麻酔ガスを 別々に或いは混合した後にガス吸引用手段に供給する、 [27]又は [28]の活性 酸素及ぴ Z又はフリーラジカル除去剤を活性酸素及び Z又はフリーラジカルに起 因する障害の治療又は予防を必要とする被験体に供給するための装置。
[3.0] 少なくとも水素分子を含む気体からなる生体内の有害な活性酸素及ぴ/ 又はフリーラジカル除去剤を含む 器中に水素ガスが 1〜 4 %含まれる [ 27:]〜 [29]のいずれかの活性酸素及び/又はフリーラジカル.除去剤'を活性酸素及ぴ Z 又はスリ^-ラジカルに起因する障害の治療又は予防を必要-とする被験体に供給す るための装置。 ' ,
[3 1] 少なくとも水素分子を含む気体からなる生体内の有害な活性酸素及び/ 又はフリーラジカル除去剤を含む容器が水素ガスボンベである [2 7]〜[30]の いずれかの活性酸素及ぴ Z又はフリーラジカル除去剤を活性酸素及ぴ Z.又はフリ 一ラジカルに起因する障害の治療又は予防を必要とする被験体に供給するための 装置.。
[32] ガス吸引用手段がガス吸引用マスクである [2 7]〜[3 1]のいずれ の 活性酸素及び Z又はフリーラ.ジカル除去剤を活性酸素及ぴ Z又はフリーラジカル に起因する障害の治療又は予防を必要とする被験体に供給するための装置。
[33] ガス吸引用手段が密閉室であり、 該密閉室中に少なくとも水素分子を含 む気体からなる生体内の有害な活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤を供給 することにより、 密閉室内.の被験体に前記活性酸素及び/又はフリ一ラジカル除 去剤を供給する、 [27]〜[3 1 ]のいずれかの活性酸素及び Z又はフリーラジカ ル除去剤を活性酸素及ぴ Z又はフリーラジカルに起因する.障害の治療又は予防を 必要とする被験体に供給す'るための装置。 本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願 20.05-2385725 号及ぴ 2006- 157827号の明細書および Zまたは図面に記載される内容を 含する。 図面の簡単な説明
図 1は、 水素含有培地におけるアンチマイシン A処理した P C 1 2細胞の位相 . 差顕微鏡像である。
図 2は、 アンチマイシン A処理後の水素含有培地と水素未充填培地における P
C 1 2細胞生存数の比較したグラフである。
図 3は、 メナジオン処理後の水素含有培地と水素未充填培地における P C 1 2
細胞生存数の比較したグラフで.ある。. '
図 4は、 アンチマイシン A又はメナジオン処理後の水素含有培地と水素未充填 培地における P C 1 2細胞生存数経時変化を示すグラフ.である。
図 5は、 アンチマイシン A又はメナジオン処理後の永素含有培地とビタミン E 添加水素未充填培地における P C 1 2細胞生存数の比較したグラフであ.る。 . 図 6は、 アンチマイシン A処理後、 水素含有培地に置き換えた場合の P C 1 2 細胞生存数の比較したグラフである。
図 7は、 溶存水素濃度の変化がアンチマイシン A処理後の P C 1 2細胞生存数 に及ぼす影響を示すグラフである。 .'
図、 8は、 水素含有培地におけるアンチマイシン A処理した P C 1 2細胞のミ ト コンドリア像である。
図 9は、 酸化ストレス亢進モデル動物における水素水の 4一 H N E蓄積抑制効 果を示すグラフである。 '
図 1 0は、 水素水を投与した酸化ス トレス亢進モデル動物における血中 4一 H N E蓄積量の経時変化を示すグラフである。
図 1 1は、 水素ガス吸入による虚血 '再灌流障害軽減効果を示す肝臓のへマト キシリ ン ' ェォジン染色像である。
図 1 2は、 水素水を飲用することによる 4人の呼気の水素濃度の時間変化を示 すグラフである。 - 図 1' 3は、 室温、 中性下での溶存水素分子によるヒ ドロキシルラジカルの除去 を示す図である。
図 1 4は、 PC12細胞における水素分子による七ドロキシルラジカル除去を示す 図であり、 HPFの蛍光を共焦点レーザー顕微鏡で観察した結果を示す図である。 図 1 5は、 PC12細胞における水素分子によるヒドロキシルラジカル除去を示す. 図であり、 HPF蛍光強度を定量した結果を'示す図である。
図 1 6は、水素分子によりグァニンの酸化が抑制された PC12細胞を示す図であ る。
図 1 7は、 水素分子による PC12細胞のグァニンの酸化の抑制を示す図である。 図 1 8は、 水素分子により HNE産生が抑制された PC12細胞を示す図である。
図 1 9は、 水素分子による PC12細胞の HNE産生の抑制を示す図である。
図 2 0は、 水素分子によるインピ'トロの虚血からの神経細胞保護効果を示す図 であり、 再還流 1 0分後に細胞を HPFで染色した結果を.示す図である。 ' 図 2 1は、 水素分子によるインビトロの虚血からの神経細胞保護効果を示す図 であり、 HPF蛍光強度を 100個の細胞について NIH Image ソフトウエア.を用いて 計測した結果を示す図である。
図 2 2は、 水素分子による生存神経細胞数の増加 ¾果を示す図である。
図 2 3は、 水素分子による生存神経細胞 バイアビリティーの増加を.細胞数に より示す図である。
図 2 4は、 水素分子による生存神経細胞のバイアビリティーの増加を活性によ り示す図である。
図 2 5は、 吸引水素ガスの酸化ス トレス抑制による虚血再還流傷害の保護効果 を示す図であり、 TTCで染色した結果を示す図である。
図 2 6は、 吸引水素ガスの酸化ス トレス抑制による虚血再還流傷害の保護効果 を示す図であり、 脳の梗塞体積を示す図で.ある。
図 2 7は、 種々の水素ガス吸引時間での虚血再還流傷害保護効果を示す図であ る。
図 2 8は、 吸引水素ガスの酸化ス トレス抑制による虚血再還流傷害の保護効果 を示す図であり.、、一週間後に脳を冠状切断して得たスライスをへマト シリン - ェォジシ染色した結果を示す図である。
図 2 9は、 吸引水素ガスの酸化ストレス抑制による虚血再還流傷害の保護効果 を示す図であり、 一週間後の梗塞体積をへマトキシリン .ェォジ 染色で薄ピン ク色に見える領域を梗塞領域として算出した結果を示す図である。
図 3 0は、 水素処置及ぴ未処置ラットの体温又は体重の変化を示す図である。' 図 3 1は、 水素ガス存在下及び非存在下における虚血再還流傷害後の脳の抗 8 - 0H-G抗体による免疫染色の結果を示す図である。
図 3 2は、 水素ガス存在下及び非存在下における虚血再還流傷害後の脳の抗
HNE抗体による免疫染色の結果を示す図である。
図 3 3は、 水素ガス存在下及び非存在下における虚血再還流傷害後の脳の抗
GFAP抗体による免疫染色の結果を示す図である。
図 3 4は、 水素ガス存在下及ひ、^存在下における虚血再還流傷害後の脳をミク ログリア特異的抗 Iba-I抗体染色した結果を示す図である。 '
図 3 5は、 水素ガス存在下及び非存在下における虚血再還流傷害後の脳をミク ログリァ特異的抗 Iba - 1抗体染色した.ときに陽性となった細胞数を示す図である。 図 3 6は、 本発明の装置を示す図である。
図 3 7は、 S0D (+/-)マウス同士の交配で生まれるマウスの遺伝子型を示す図で ある。
図 3 8は、 S0D (+/ -)マウス同士の交配で生まれるマウスの遺伝子型に対する水 素水の効果を示す図である。 ·
図 3 9は、 水素水の発癌抑制効果を評価する実験方法を示す図.である。
図 4 0は、 水素水を投与し.たマウスと投与しなかったマウスの肝臓の GST-P陽 性細胞巣の数 (図 4' 0 a) 及び陽性巣の面積 (図 4 O b) を示す図である。 発.明を実施するための最良の形態
水素は生体内の活性酸素及び/又はフリ一ラジカルを還元することにより、 こ れらを除去することができる。
活性酸素とは、 酸素よりも酸化力が強く他の物質を酸化する能力が高い分子を いい、 一重項酸素、 過酸化水素、 オゾン、 スーパーォキシドラジカル、' ヒドロキ シルラジカル、 ペルォキシナイ トライ ト等をいう。 フリーラジカルは、 活性酸素 であるスーパーォキシドラジカル、ヒ'ドロキシルラジカル ψのほか、一酸化窒素、 アルコキシルラジカル (脂質ラジカル。 L · )、'脂質ペルォキシル ジカル (アル キルペルォキシルラジカ^/、 L O O · ) 等を含む。 本発明において、 フリーラジ カルという場合、 活性酸素種も含む広義のフリーラジカル分子を意味する場合が. ある。 '
これらのうち、 ヒ ドロキシルラジカル、 ペルォキシナイ トライ ト、 アルコキシ ラジカル及び脂質ペルォキシルラジカルは、 細胞毒性を有し、 生体に有害な作用 をもたらし、 種々の障害の原因の一つになり得る悪玉活性酸素又はフリーラジカ ルである。 本発明において、 水素はもっぱらこれらの有害な活性酸素及び Z又は
フリーラジカルを短時間で還元して除去する。 一方、 前記の悪玉活性酸素及びノ 又はフリーラジカル以外の活性^素及び/又はフリーラジカルは、 生体内でシグ ナル伝達等に関与し、 有用な機能を有しており、 善玉活性酸素及び/又はフリ'一 ラジカルという。 善玉活性酸素及び/又ほフリーラジカルは、 水素によっても容 易に除去されることはない。 本発明の少なくとも水素分子を含む液体かちなる生 体内の有害な活性酸素及び/又はフリ一ラジカル除去剤は、 専ら生体に有害な悪 玉活性酸素及ぴ Z又はブリーラ.ジカルのみを除去する。 ここで、 酸化ス トレスど は活性酸素及び/又はフリーラジカルの酸化力によりもたらされる生体.の障害を レ、う。
水素分子は細胞膜をも透過し得るので、 細胞内に進入し、 細胞内の活性酸素及 び Z又はフリーラジカルを除去する。 また、 水素分子は核内とミ トコンドリア内 にも入ることができ、 遺伝子.を活性酸素及び/又はフリーラジカルから保護する ことができ癌を抑制'することができる。'また、 水素は血液脳関門を通過し得るの で、 脳を酸化ストレスから保護することもできる。
少なくとも水素分子を含む液体は、 水溶液からなることを特徴とする。 この水 溶液を形成する媒体としては、 純水、 イオン交換水、 蒸留水、 生理食塩水等を使 用し得る。 さらに、前記媒体として純水、イオン交換水あるいは蒸 水を使用し、 得られた生体内の有害なフリーラジカル除去剤を一般的な水性飲料品、 例えば、 ミネラルウォーター、 ジユニス、 コ一七一、 お茶等に添加して飲用するようにし てもよい。 ここで、 飲料品は.、 飲料用の健康食品、 特定保健用食品、 栄養機能食 品、 栄養補助食品、 サプリメント等を含む。 ここで、 特定 f呆健用食品どは、 食生 活において特定の保健の目的で摂取をし、 その摂取により当該保健の目的が期待 できる旨の表示をする食品をいう。 これらの飲料品には、 生体内の活性酸素及び
Z又はフリーラジカルの除去又は低下のために用いられるものである旨の表示や. フリーラジカルに起因する障害の軽減又ほ予防のために用いられるものである旨 の表示が付されていてもよい。 さらに、 具体的に活性酸素及び/又はフリーラジ カルに起因する障害を定義して、 それらの障害の軽減又は予防のために用いられ るものである旨の表示が付されてもよいし、 また抗老化ゃ抗酸化に有用である旨 の表示が付されていてもよい。 さらに、 同様の目的で水素を含む液体は化粧水に
も用いられてもよレヽ。
水素分子は過飽和状態であつても水又は水溶液中にある程度の時間溶けている ことができる。 このような水素分子が過飽和状態の水又は水溶液は、 加圧下にお いて本素ガスを水又は水溶液に溶解させた後に圧力を取り除くことにより製造し 得る。例えば、水溶液を 0. 4MPa以上の水素ガス圧下に数時間、好ましく.は 1〜 3 時間おけばよい。 水溶液形態の生体内の有害な活性酸素及び Z又はフリーラジカ ル除去剤は、 飲用として用いることもでき、 酸素を'共存させた生理食塩水 形で 静注用として用いること'もできる。 この場合、 投与はカテーテルを用いた投与や 注射による投与が可能である。 注入後は生体内に摂取された水素は生体にほとん ど吸収され、 血液を介して全身に行き渡り、 効果を発揮し、 その後呼気と一緒に 排出される。
水素 1気圧、 室温条件で水素は水 1 L当たり約 17. 5mL溶存し得る (約 1. 6PPm、 約 0. 8 mM)。本発明の水溶液形態の活性酸素及び/又はフリーラジカル除去^は、 水溶液 1 L当たり、 10mL以上、 好ましくは 15mL以上、 特に好ましくは 17. 5mL 以上の水素分子を含む。 また、 本発明の水溶液形態の活性酸素及び/又はフリー ラジカル除去剤は、 l ppm以上、好ましくは 1· 5ppm以上の水素分子を含む。また、 · 本発明の水溶液形態の活性酸素及び Z又はフリーラジカル除去剤は、 0. 1 mM以上、 好ましくは 0. 4mM以上、 さらに好ましくは 0. 6 mM、 特に好ましくは 0· 8mM以上の 水素を含む。 . - また、'本発明の水溶液形態の活性酸素及ぴ Z又はフリーラジカル除去剤は、 酸. 素分子を含んでいてもよい。 水溶液中に水素分子と酸素分子とが共存することと なるが、 .水素分子と酸素分子とが混合状態であっても、 ただちに ¾応することは なく、 両者とも安定に共存し得る。 ただし、 気体が多量の酸素分子を含む場合に おいては安全性を確保十るために水素含有童は全気体の 4 . 7 % (v/v)未満とな. るようにすることが好ましい。 安全性に問題がない使用環境下においては、 水素 含有量は可能な限り高濃度であることが好ましい。 酸素を含む活性酸素及び Z又 はフリ一ラジカル除去剤も、 飲用又は生理食塩水の形で静注用として使用し得る が、 注射による投与の場合には、 酸素分子がない場合に比すると、 生体内が局部 的に酸素不足の状態となることがないため、 生体組織に損傷を与えることが少な
くなる。
本発明の飲料品は、 好ましくほアルミニウム等の水素を透過できない素材でで きた容器中に保存するのが好ましい。 このような容器として例えばアルミバウチ が挙げられる。 また、 低温である程、 より多くの水素が溶存するので、 低温で保 存するのが好ましい。
本発明の少なくとも水素分子を含む生体内の有害な活性酸素及び/又はフリ一 ラジカル除去剤は、 気体状の形態であってもよい。 この場合、 水素の濃度は、 Γ 〜4 . 7 %、 好ましくは 1〜4 . 5 %、 さらに好ましくは 1〜4 % (v/v)、 さら に好ましくは 1. 5〜2. 5% (v/v)、 さらに好ましぐは約 2 %である。 水素ガス含有 量は _安全性確保のために約 4 . 7 % (v/v)未満であることが望ましいが、密閉条件 下で静電気が発生しないように配慮された安全な条件下であれば水素ガス含有量 をより高くすることもできる.。 本発明の少なくとも水素分子を含む生体内の有害 な活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤は、 さらに酸素ガス及ぴ Z又は他の 不活性ガスを含んでいてもよい。 酸素ガスを含む場合、 水素ガスと酸素ガスの混 佘ガスからなる。 酸素ガスは呼吸のために消費される。 不活性ガスとしては、 窒 素ガス、 ヘリウムガス、 アルゴンガス等を使用し得るが、 安価な窒素ガスが望ま しい。 この不活性ガスの含有量は、 多すぎない範囲で当業者が任意に設定できる が、 呼吸用の酸素ガス濃度を考慮すると 80% (v/v) 以下が好ましい。 さらに、 本発明の少なぐとも水素分子を含む生体内の有害な活性酸素及び Z又ほフリーラ ジカル除去剤は、 水素ガスと.空気の混合ガスであってもよい。 このような混合ガ スは、 空気に水素ガスを適宜混合することにより簡単に製,造レ得る。 さらに、 本 発明は水素分子を含む生体内の有害な活性酸素及び Z又はフリ一 ジカル除去剤 は、 麻酔用ガスを含んでいてもよい。 この場合、 生体内の有害な活性酸素及び Z 又はフリーラジカル除去剤は、 水素ガスと麻酔ガスの混合ガスからなる。 麻酔ガ スとしては、 笑気ガス等が挙げられる。 '
本発明の気体状の少なくとも水素分子を含む生体内の有害な活性酸素及び Z又 はフリーラジカル除去剤は、例えばガスボンべ等の耐圧性の容器中に入れられる。 本発明は、 気体状の少なくとも水素分子を含む生体内の有害な活性酸素及び/又 はフリ一ラジカル除去剤を含む容器をも包含する。
本発明の気体状の少なくとも水素 子を含む生体内の有害な活性酸素及び/又 はフリーラジカル除去剤は、 被験体に吸引させることができる。 吸引は吸引手段 を用いて行うことができ'、 前記の生体内の有害な活性酸素及び Z又はフリーラジ カル険去剤を含む容器から配管を通して吸引手段を介して吸引させればよい。 吸 引手段は服定されないが、 例えば、 吸引マスクが挙げられ該マスクは好ましぐは 被験体の口及ぴ鼻を同時に覆うことができる。 さらに、 吸引手段として密閉され た小密閉室がある、 該小室は被験体がその中に入り込める程度の大きさを有し、 ' 該小室に被験体が入った状態で、 消失内に本発明の気体状の少なくとも水素分子 を含む生体内の有害な活性酸素及び/又はフリ一ラジカル除去剤を供給すること によ、り、 被験体に吸引させることができる。 このような小室の一例として、 密閉 されたべッドが挙げられる。 被験体はべッドに横臥した状態で本発明の気体状の 少なくとも水素分子を含む生体内の有害な活性酸素及びノ又はフリーラジカル除 去剤を吸引すること'ができる。
本発明は、 少なくとも水素分子を含む液体からなる生体内の有害な活性酸素及 び./又はフリ一ラジカル除去剤を有効成分として含む、 医薬組成物等の組成物も 包含する。 この場合、 活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤は液体状であつ ても、 気体状であってもよい。 これらの組成物は、 活性酸素及び/又はフリーラ ジカルに起因する障害を予防又は治療するために用いることができる。
ここで、 活性酸素及ぴ Z又はフリーラジカルに起因する障害とは、 活性酸素及 び/又はフリーラジカルが原因の 1つになっている障害、 疾患、 機能異常等をい. う。 具体的には、 '酸化ス トレス、 酸化ス トレスによる細胞 及び酸化ストレスに よるミ ドコンドリア機能障害が挙げられる。 また、 脳梗塞、 心筋梗塞、 手術時等 の虚血再還流障害、 臓器移植時の障害、 未熟児の網膜変性、 急性肺症、 人工透析 時障害及び炎症が挙げられる。 さらに、 急激な運動後の筋障害又は運動後の高濃. 度の酸素ガスを吸引する際に生じる酸素障害が挙げられる。 さらに、 ァルツハイ マー病、 パーキンソン病及び ALS等の神経変性疾患が挙げられる。 さらに、 核の
DNA の酸化を防止することにより癌の予防又は治療にも用いることができる。 さ らに、 老化の進行には活性酸素及び/又はフリーラジカルが関与しており、 本発 明の活性酸素及び/又はフリ一ラジカル除去剤は、 老化に伴う種々の障害を治療
又は予防することにより、 抗老化 (アンチエイジングく 抗加齢) 作用を発揮し得 る。 すなわち、 本発明の活性酸素及び Z又はフリーラジカル除去剤は、 抗老化に 有用な組成物として使用することもできる。 これらの障害のう'ち、 脳梗塞及ぴ心 筋梗塞においては、 酸素欠乏状態から血流が流れることにより活性酸素及びノ又 はフリーラジカルが生起し障害が生じる。 また、 手 ¾f時の虚血再還流障害は、 .手 術時に血流をとめて手術が終了した時点で血流が流れることにより活性酸素及び
Z又はフリーラジカルが生起し障害が生じる。 また、 臓器移植においては、 移植' する臓器は酸素欠乏状態にあり、 移植後血流が流れることにより、 活性酸素及び
Z又はフリーラジカルが生起し障害が生じる。 未熟児の網膜変性は未熟児の高濃 度酸.素治療のため活性酸素が生じやすくなりそのため網膜に障害を受ける。 急性 肺症においては、 高濃度酸素治療により活性酸素及ぴ z又はフリーラジカルが生 起し障害が生じる p さらに、 急激な運動直後には、 酸欠状態から運動停止により 酸素が供給されるこ'とにより活性酸素及びノ又はフリーラジカルが生起し障害が 生じる。
本発明における予防又は治療とは、 実際に障害を有している被験体へ活性酸素 及び Z又はフリーラジカル除去剤を投与して、 該障害を治癒させること、 障害を 起こす 険のある被験体へ活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤を投与して、 該障害が生じる危険を低下させること、 該障害の程度を軽減すること、 該障害を 抑制すること等を含む。
これら組成物の投与又は摂取の時期は限定されないが、 現実に障害が生じてい るときに投与又は摂取してもよい。 また、 活性酸素及び Z はフリーラ'ジカルが 生体内で生起し得る直前又は直後に投与又は摂取してもよい。 例えば、 激しい運 動後、 激しい運動後の酸素摂取時、 精神的ス トレス、 肉体的ストレスを受けた後 等が好ましい。 ざらに、 タバコの煙中には、 スーパーォキシドラジカルが多量に. 含まれており、 生体内でヒドロキ'シルラジカルに転換し、 該ヒ ドロキシルラジカ ルが遺伝子に損傷を与えることが肺がんの原因の 1つと言われている。 したがつ て、 喫煙者の肺がんの予防に用いることもできる。
投与は、液体状の活性酸素及び Z又はフリーラジカル除去剤の場合、経口投与、 静脈注射により行うことができる。 また、 癌等の局所的な疾患の場合は、 癌部位
に直接投与してもよく、 例えば内臓の癌の場合、 腹腔内に注射により投与しても よい。 また、 気体状の活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤の場合は、 吸引 により投与すればよい。
さらに、'本発明は少なくとも水素分子を含む気体からなる生体内の有害な活性 酸素及び Z又はフリーラジカル除去剤を含む容器、 ガス吸引用手段並びに前記容 器中の気体を吸引用手段に供給する供給配管を備えている、 活性酸素及び z又は フリーラジカル除去剤を活性酸素及び/又はフリ.一ラジカルに起因する障害の治 療又は予防を必要とする被験体に供給するための装置を包含する。容器は例えば、 水素ガスボンベである。 また、 ガス吸引手段として前述のように、 吸引マスク、 密閉した小室が挙げられる。 該装置は、 さらに、 酸素ガス、 不活性ガス、 空気及 び麻酔ガスからなる群から選択される少なくとも 1種のガスを含む容器を備えて いてもよく、 この場合、 少なくとも水素分子を含む気体からなる生体内の有害な 活性酸素及び Z又はフリーラジカル除去剤と酸素ガス、 不活性ガス及び空気から なる群から選択される少なくとも .1種のガスを別々に或いは混合した後にガス吸 引.用手段に供給すればよい。 図 3 6に本発明の装置の概略図を示す。 該図は、 ガ ス吸引用手段 1、 水素分子を含む気体からなる生体内の有害な活性酸素及ぴ Z又 はフリーラジカル除去剤を含む容器 2、 酸素ガス、 不活性ガス、 ¾気及ぴ麻酔ガ スからなる群かち選択される少なくとも 1種のガスを含む容器 3並びに配管 4を 備え、 ガスが配管を通してガス吸引甩手段に供給され、 被験体に投与される。 以下、 本発明の具体例を実施例を用いて詳細に説明するが、 以下の実施例は本 発明をこれに限定することを意図するものではなく、 本発,明は特許請求の範囲に 示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得 るものである。 ·
以下の実施例において、 水素と酸素の測定、 培養細胞の水素処理及ぴ培養細胞. の染色は、 特に断りのない限り以下の手法で行った。 また、 詳細な条件を各実施 例中に示す。
水素と酸素の測定
溶液中の水素と酸素の濃度はそれぞれ水素電極 (ABLE Inc. ) と酸素電極
(Strathkelvin Instruments Ltd) で測定した。 7_ 素ガス濃度はガス . クロマト
グラフィー (テラメックス社、京都) .で測定した。蛍光強度の測定には RF- 5300PC (島津製作所製) を用いた。 溶 条件での実験には、 水素ガス 0. 4 MPa圧下で 2 時間放置することで、 水素を溶存させた。 水素によるヒ.ドロキシルラジカル消去 測定実験では、 水素溶存水にはリン酸バッファー (10 mM, pH7. 4)、 水酸化第一鉄 (0. 1 mM)、 HPF (0. 4 /ζ Μ、 第一化薬) を加えて、 水素電極で濃度を測定.した。 .次 いで、 フ ントン反応の開始には過酸化水素 (5 / Μ) を加え、 23°Cで緩やかに攪 拌した。
培養細胞の水素処理'
水素ガス 0. 4 MPa圧下で丽 EM培地を 2時間放置することで、水素を溶存させた。 酸素;^スを通気することで酸素飽和培地を別途用意し、水素溶存培地と混合、 25°C での溶存酸素濃度を 8. 5 mg/Lとした。また、.水素電極で水素濃度を測定した。 02" · を介した · 0Hの発生には、 細胞にアンチマイシン Aを添加した。 PC12細胞は、 溶 存水素と溶存酸素のt度が適切になるように調整した水素と酸素を含む気体を封 入した密閉容器に入れ、 37°Cで培養した。
培養細胞の染色 ,
• 0Hの検出には、 細胞培地に HPF (0. 4 Αί Μ) を加え、 その蛍光イメージを共焦 点レーザー顕微鏡 (オリンパス社製 FV300) を用いて励起波長 488 nm 吸収波長 510 nm で観察した。 ミ トコンドリアの染色には MitoTracker Green (1 μ Μ, olecularProbes) と MitoTracker Red (100 nM、 MolecularProbes) を用レヽた。 抗 HNE友び抗 8- OH- G抗体は日研ザイルより買い求めた。 また、,抗 TUJ- 1及び抗 GFAP抗体は、 それぞれ Babe。と Immunonから買い求めた。 , ' 実施例 1 .
, 水素分子には還元力があることは知られているが、 前記のように生物学的に重 要な酸化還元に関与する分子種、 及ぴフリ一ラジカル分子種を短時間に還元でき るかどうかは予測できない。 そこ'で、 実 ¾例 1においては、 水素水を用いて每分 子種に対する作用を測定した。
水素水の調製
まず、水 1リットルを容量 5リットルの耐圧ボトル(ュニコントロールズ社製) に注入後、 水素ガスを 0 . 4メガ 'パスカルの圧力となるように充填した。 2時
間後にボトルから水素を添加した水を減圧しながら回収.した。 水素含有量は溶存 水素測定器 (エイブル社製) を用いて解析した。 この方法により、 0.8mM程度の 過飽和水素を含有'する水 (水素水) が得られた。
水素水の活性酸素種消去作用の測定
次いで、 一酸化窒素 NOに対しては、' リン酸 0. 0 1Mで p H 7. 4に調製し た 水 素 水 に N O ド ナ 一 で あ る 1— Hydroxy- 2— OXO - 3_(N— methyl- 3- amionopropyl) - 3— methyl - 1一 triazene(N O C 7、 同仁化学研究所社製) 0·· 1 mM又は 1 mMを加えて室温で 3 0分反応させ、 次 レヽー C、 l μ Μの 5— (ana— 0ノ一 chloromethy丄ー 2 ,7 — dich丄 orodihydrof luorescein diacetate (D C F D H , Molecular Probe社製、米国)を加え、蛍光分析装置(TECAN 社製、 オース ト リ ア) にて 4 8 5 nmの励起波長で測定す.ることにより、 NO残 量を測定した。
ぺノレォキシナイ ドライ ト (Peroxynitrite ONOO") に対しては'、 リン酸 0. 0 11 で 《[ 7. 4に調製した水素水にペルォキシナイ トライ ト溶液 (同仁化学 研究所社製) を終濃度 6 2. 3 mMとなるように加えて室温で 1 0分反応、 次い で 3 0 0 nmの吸光度を分光高度計 (BECKMAN社製) を用いて測定した。.
過酸化水素 H 2 O 2に対しては、水素水に終濃度 1 0 0 Mから 1 μ Mとなるよ うに過酸化水素水 (和光純薬社製) を加えて室温で 3 0分反応、 次いで等量の 2 0 μΜ D C F DAを含む 0. 2 ン酸バッファー (p H 7. 2) を加えて Γ 0 分間反^後に蛍光分析装置にて 4 8 5 nmの励起波長で測定することにより、 H 2o2残量を測定した。
ヒ ドロ.キシルラジカル ( · OH) に対しては、 水素水に終濃度 1 0 0 / Mの ferrous perchlorate(Aldrich社製)及び過酸化水素 1 mM及ぴ 1 ρΜの 2- [6- (4, — hyd;roxy).phenoxy— 3Η— xanthen— 3— on_9— y丄」 benzonic acid (H P F、 同仁ィ匕学研究. 所社製) を加えて 1 0分間反応後に蛍光分析装置にて 4 8 5 nmの励起波長で測 定した。 HP Fは過酸化水素に対する反応性が低く、 ヒドロキシルラジカルに対 しては高い反応性を示して蛍光を発する。 これにより、 ヒ ドロキシルラジカル残 量を測定した。
脂質ラジカルの指標として脂質ペルォキシルラジカル(alkylperoxyl radical)
(LOO * ) を発生する' 2, 2' -azobis (2-amidinopropane) dihydrochloride ( 口光 純薬社製) 0. 1 mMを水素水【こ加えて室温で 1時間反応、 次いで等量の 2 0 μ M DCFD.Aを含む 0. 2Μリン酸バッファー (ρ Η 7.. 2) を加えて 1 0分間 反応後に蛍光分析装置にて 4 8 5 nmの励起波長で測定することにより、 LOO · 残量を測定した。
スーパーォキシド.(〇2— · ) に対しては、 水素水に TREVIGEN社の Superoxide Dismutaseアツセィキットに含まれる 2 5 X反応液、 Xanthine溶液、 RXlN B Ύ' 溶液を製造者のマニュアルに従って混和した後、 Xanthine oxidase溶液,を加える ことで 02— ·を発生させ、分光光度計で 5 5 0 nhiにて NB T— diformazanの蓄 積を経時的に測定した。
シトクロム c、 フラビンアデニンジヌクレオチド (FAD)、 ニコチンアミ ドア デニンジヌクレオチド (NAD + ) については、 1 0 / Mシトクロム c (Sigma社 製)、 1 mM FAD' (Sigma社製)、 1 mM NAD+ (Sigma社製) となるように 水素水に溶解し、 3 0分間室温で反応後にそれぞれ 4 1 5、 4 0 0、 3 4 0 n m の.吸光度を分光光度計で測定した。 結果を表 1に示す。 なお、 表 1における消去 量は水素未充填の水で反応.を行ったときの各分子種残量を 1 0 0%として、 水素 水で反^を行ったときの各分子種残量を引いた値を示す。 ' '
表 1に示した測定結果から以下のことが分かる。 すなわち、 水素水は最も反応 性の高く毒性の高いヒ ドロキシルラジカル、 ペルォキシナイ トライ トラジカル及 び脂質ペルォキシルラジカルを還元して消去することが確認できた。 一方、 生体 内でシグナル伝達などに使われることが知られる N〇、 ス,一パーォキジド、 過酸 化水素などの消去は認められなかった。 同様に酸化還元反応によ て生体内のェ ネルギー代謝において中心的な役割を果たすシトクロム c、 FAD、 NAD +に 対してもなんら影響を与えなかった。 '. 表 1
活性酸素種 消去量 (お)
NO <1
ONOO" 97
HzOz <1
■OH 69
ROO- 37.6
0?:- <1
呼吸鎖関連分子種 消去量 (%)
シトクロ'ム <1
FAD <1
NAD+ <1
*消去量は水素未充填の水で反応を行ったときの各分子種残量を 1 0ひ。 /0として、 水素 7 で反応を行ったときの各分子種残量を引いた値 実施例 2
アンチマイシン Aはミ トコンドリァの呼吸鎖複合体 IIIの阻害剤で、 細胞にお 'ける活性酸素の産生を促進し、 その結果として酸化ストレスによる細胞死を誘導 する。 そこで、 実施例 2においては、 アンチマイシン A存在下における水素によ る酸化ストレス防御効果を測定した。
水素含有培地の調製
細胞培養液には酸素が含まれ、 ほぼ中性で、 高濃度の金属イオンが含まれない ことが必要である。 酸素分子と水素分子を共存 せる培養液を作製するには、 へ ンリーの法則に従って、 それぞれを加圧して溶解させることが午測で.きる。 前記 の水素加圧装置の空間に酸素を満たしてから、 水素ガスを' 5気圧に加圧する。 酸 素ガスの分圧は 1気圧を維持できるので培養に必要な酸素濃度を確保できる。 細 胞培養用培地である Dulbecco' s Modified Eagle Medium (DMEM、 インビト ロジェン社製) 1 リットルに終濃度 1 00. u n i t/mLのペニシリン G (イン ビト口ジェン社製) と 1 00 μ g /m Lのストレプトマイシン (ィンビトロジェ ン社製) を含有せしめ、 これを容量 5リットルの耐圧ボトルに注入後、 水素ガス を 0. 4メガ ·パスカルの圧力となるように充填した。 2時間後にボトルから水 素を添加した DMEMを減圧しながら回収した。
あるいは、 高濃度の水素を必要としない場合は、 酸素飽和 DMEMを適量加え ることで、 水素添加前の: DMEMと同程度の溶存酸素を有する水素含有培地を調 製した。 溶存酸素は、 Mitocell MT200 (シィ一 'ティー. アンド シィ一社製) を用いて、 培養液の DMEMの溶存酸素濃度を測定し、'一定に保つようにした.。 水素含有量は前記の溶存水素測定器をもちいて解析した。 水素含有 DM.EM調製 時の溶存酸素、.及び溶存水素濃度の測定結果一例を表 2に示す。 この培地に終濃 度 1 %となるように馬血清. (PAA社製、 オーストリア) を添加し、 溶存水素濃度 が 0.6〜0, 8 mM、 溶存酸素濃度が 8. 6〜9. 3mg/Lとした水素含有培地 ¾ 以降の実験に用いた。 表 2
* (1)に(¾を約 1ノ10量添加 ラット副腎由来褐色細胞腫株 P C 1 2の培養
ラット副腎由来褐色細胞腫株 P C 1.2を 1 0 %牛胎児血清 (EQUITECH-BI0社製、 米国) t 5 %馬血清を含有する DMEMに懸濁し、 コラーゲンコートされた細胞 培養用ディッシュに 1 X 1 04Z c πι'2の細胞密度となるよ,う植え込んだ。 細胞は 5%CO2下、 3 7°Cのインキュベーターで培養した。 水素含有培地の効果を確 認するためには、 ー晚培養後に培地を吸引して 1 %馬血清を含有する DMEMで 細胞を一回洗浄して以降の実験に用いた。 . 水素含有培地で細胞培養する時には、 開放系の培養用デイシュを用いたが、 水 素が培養液より放出しないようにするため、以下のような工夫をした。すなわち、 容量 3リッターのタッパーに適当な濃度の水素水を 2リッ.ター入れ、 水面上に台 をおいて、 その上に水素含有培地で培養中のディッシュを静置し、 密封状態にお いて 3 7°Cで培養した。 以後、 氷素水を用いるときは、 この方法を踏襲した。 水
素を充填していない培地で培養中のディッシュは、 調製済み水素水に代えて未処 理の水を入れたタッパーの台上に静置して 3 7 °Cで培養した。
アンチマイシン Aによつて誘導される細胞死の水素によ.る抑制効果の調查 ' 水素による酸化ス トレス防御効果を測定するため、 P C 1 2細胞をコラーゲン コートされた 2 4ゥヱル細胞培養用ディッシュ (旭テクノグラス社製)で培養し、 これにアンチマイシン A (シグマ社製) 添加又は未添加水素含有培地を各ゥエル 2 m Lずつ加えて、 2 4時間後に位相差顕微鏡下でビラミッド型の細胞形態を有 する生細胞を計数した。 'このときに比較対照として水素を充填していない 1 %馬 血清含有 D M E M (以下、 水素未充填培地という。) を用いた。 .2 4時間後の位相 差顕微鏡像を図 1に示す。 .
この時、 水素耒充填培地に 1 0 μ g /m Lのアンチマイシン Aを添加した培地 で培養した細胞では、 丸く小さくなった死細胞が多数観察され、 ビラミツド型の 生細胞が減少している。 これに対し、 水素含有培地に 1 0 μ g Zm Lのアンチマ イシン Aを添加した場合は、 死細胞が減少し、 生細胞の比率が水素不含培地に比 レて顕著に増加した。 アンチマイシン Aの濃度を変えて、 水素含有培地と水素未 充填培地での生細胞数を計数した結果を図 2に示す。 棒グラフは少なく,とも 4ゥ エルの平均を示し、 誤差線は標準偏差を示す。 アンチマイシン Aの濃度が 1 0 μ g /m L及び 3 0 μ g /m Lのいずれの場合でも水素含有培地の生存細胞数が有 意に増加し、 水素添加によ'る細胞死抑制効果が示された。 実施例 3
メナジオンによって誘導される細胞死の水素による抑制効果の調査
メナジオンはミ トコンドリアの呼吸鎖複合体 Iの阻害剤で、 細胞における活性 酸素の産生を促進し、 その結果として酸化ス トレスによる細胞死を誘導する。 そ. こで実施例 2に示したアンチマイシン Α ίこよる細胞死の実験と同様に水素による 酸化ストレス防御効果を測定するため、 P C 1 2細胞をコラーゲンコートされた
2 4ゥヱル細胞培養用デイツシュで培養し、 これに濃度の異なるメナジオン (シ ダマ社製)を添加又は添加していなレ、水素含有培地を各ゥ ル 2 m Lずつ加えて、
2 4時間後に位相差顕微鏡下でピラミッド型の細胞形態を有する生細胞を計数し
た。 このとき、 比較対照として水素未充填培地を用い.た。 結果を図 3に示す。 棒 グラフは少なくとも 4ゥ.エルの平^を示し、 誤差線は標準偏差を示す。 1 0 μ Μ のメナジオンも添加しだ場合に水素含有培地の生存細胞数が有意に増加し、 水素 添加による細胞死抑制効果が示された。 ' ' 実施例 4
アンチマイシン Α及びメナジオンによって誘導され'る細胞死の、 水素による抑制 効果の経時的測定 .
実施例 2及び 3と同様の方法でアンチマイシン A及びメナジオンによつて細胞 死を誘導したときの水素による酸化ス トレス防御効果を経時的に測定することで、 水素による防御効果の持続性を調べた。 P C 1 2細胞をコラーゲンコートされた 2 4ゥヱル細胞培養用ディッ.シュ (旭テクノグラス社製) で培養し、 1 0 の メナジオン又は 3 'ひ μ g Zm Lのアンチマイシン Aを添加又は添加してい.ない水 素含有培地を各ゥ ル 2 m Lずつ加えて、 0、 1、 2、 3日後に位相差顕微鏡下 ピラミッド型の細胞形態を有する生細胞,を計数した。 その結果を図 4に示す。 各点は少なくとも 4ゥエル.の平均を示す。 水素添加による細胞死抑制効果は 2 日 目以降も確認でき、 水素添加による細胞死抑制効果が 2 4時間目以降も継続され ていることが示された。 実施例 5
水素による細胞死抑制効果のビタミン Eとの比較測定
• 実施例 5においては、 抗酸化効果を示す物質としてよく知られ、,広範に用いら れているビタミン Eと水素を比較した。 実施例 2及ぴ 3と同様の方法でアンチマ イシン A又はメナジオンによって細胞死を誘導し、 水素含有培地とひ一トコフエ. ノール(ビタミン E )を含有する水素不含培地での生存細胞数を比較した。まず、 .
P C 1 2細胞をコラーゲンコートされた 2 4ゥヱル細胞培養用ディッシュ ( I W
A K I社製) で培養し、 3 のメナジオン又は 1 0 μ g Zm Lのアンチマイシ ン Aを添加又は添加していない水素含有培地又は 1 0 0 / Mのα _トコフエノー ル (シグマ社製) を含有する水素未充填培地を各ゥエル 2 m Lずづ加えて、 2 4
時間後に位相差顕微鏡下でピラミッド型の細胞形態を有する生細胞を計数した。 比較対照として水素未充填培地を用いた。 '結果を図 5に示す。
棒グラフは少なくとも 4ゥエルの平均を示し、誤差線は標準偏差を示している。, 水素含有培地での生存細胞数は水素不含培地に比して有意に増加したが、 ひ一ト コフエノ一ルを含有する水素不含培地では、 アンチマイシン Aによつて誘導され た細胞死の阻害効果は水素よりも弱いながらも認められたが、 メナジオンに対し ては有意な効果は認められなかった。 以上の結果は、 細胞レベルにおいて水素が' ビタミン Eよりも優れた抗酸化ストレス物質であることを示している。 , 実施.例 6
水素含有培地後添加によるアンチマイシン A誘導細胞死の抑制効果の測定 , 水素含有培地によるアンチマイシン A誘導細胞死の抑制効果が、 アンチマイシ ン Aの水素による変'性のためではなくアンチマイシン Aよって惹起される酸化ス トレスの抑制であることを示すために、 アンチマイシン Aを含有する水素未充填 培地で細胞を処理して一定時間後に水素含有培地と入れ替え、 細胞死抑制の有無 を調べた。 実施例 5に示したアンチマイシン Aによる細胞死の実験と同様に P C
1 2細胞.をコラーゲンコートされた 2 4ゥエル細胞培養用ディッシュで培養し、 これに 3 0 μ g Zrii Lのアンチマイシン Αを添加した水素耒充填培地を各ゥエル
2 m Lずつ加えで、 その後' 1、 3及び 6時間の時点で各 2 m Lの水素含有培地又 は水素耒充填培地に置換した。 アンチマイシン A添加時から数えて 2 4時間後に 位相差顕微鏡下でピラミッド型の細胞形態を有する生細胞,を計数した。 '結果を図
6に示す。 ,
棒グラフは少なくとも.4ゥエルの平均を示し、誤差線は標準偏差を示している。
1及び 3時間後に水素含有培地へ置換した場合の生存細胞数は水素不含培地に比. して有意に増加した。 アンチマイ'シン A添加後に水素を与えても細胞死を抑制で きることから、 水素はアンチマイシン添加によって二次的に生じる酸化ストレス を抑制していることを示している。 また、 6時間後では効果が認められなかった のは、 この時点ですでに不可逆的細胞死が進行しており、 そのために水素添加の 有無に関係なく細胞が一定の割合で死滅したものと推測される。
実施例 ,7
溶存水素濃度の細胞死抑制効果に対する影響の測定
細胞における酸化ストレス防御に必要な水素濃度を検討した。 実施例 2に示し たアンチマイシン Aによる細胞死の実験と同様に P C 1 2細胞をコラーグン 3— トされた 2 4ゥヱル細胞培養用ディッシュで培養し、 これに 3 0 // g /m Lのァ ンチマイシン Aを添加した濃度の異なる水素を含有した培地を各ヴエル 2 m Lず つ加えて、 2 4時間後に位相差顕微鏡下でビラミッド型の細胞形態を有する生細 胞を計数した。結果を図 7に示す。細胞死の抑制が水素濃度に依存することから、 抑制、効果が水素によるものであることが確認された。 更に水素濃度が飽和水素濃 度の約 1 1 6にあたる 5 0 という低濃度であっても細胞死を有意に抑制す ることができた。 実施例 8
酸化ス トレスによって生じるミ トコンドリア機能障害の水素による抑制効果の測 直 - アンチマイシン Aなどにより酸化ス トレスが亢進されると、 ミ トコンドリアの 機能が障害される。 そこで、 実施例 2に示したアンチマイシン Aによる細胞死の 実験と同様に、 P C 1 2細胞をコラーゲンコートされた 3 5 m mガラスボトムデ イツシュで培養し、 これに 1 , 0 μ g /m Lのアンチマイシン Αを含む水素含有培, 地を加えた。 比較対照として水素未充填培地を用いた。 5 ,0分後にミ トコンドリ ァ特異的色素 Mito Tracker Green (終濃度 1 μ·Μ、 Molecular Pro 社製、 米国) とミ トコンドリァ膜電位感受性色素 Mito Tracker Red (終濃度 1 0 n M、 Molecular Probe 社製、 米国) を添加し、 更に 1 0分間培養した。 これを 4 8 8 . n mと 5 4 3 n mの励起波長で発する蛍光像を共焦点レーザー顕微鏡 (オリンパ ス社製) で観察した。 結果を図 8に示す。
図 8に示す実験において、 0. 6 mM水素存在下又は非存在下でアンチマイシン A
(10 ^ g/ml) を添カ卩し、 3 0分後に l i Mの MitoTracker Green (MTGreen) と 100 nMの MitoTracker Red (MTRed) を添加、 さらに 1 0分間培養した。 次いで、 細胞
の蛍光を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。 スケールバーは 50 / IT1である。 氷素 非存在: Fでの MTRed染色強度の減少 ;はミ トコンドリァ膜電位の低下を示し、 重ね 合わせた画像では水素存在下と比べてより緑色が濃くなる。 従って、 水素分子は ミ トコンドリア膜を透過したものと考えられる。
水素未.充填培地でアンチマイシン A処理した細胞は、 未処理の細胞で.は編み目 様の構造をとっていたミ トコンドリアの形態が丸く千切れた形態をとつている。 また、 Mito Tracker Red'の.蛍光強度も低下している。 これらはミ トコンドリアの' 機能低下を示すものであるが、 水素含有培地でアンチマイシン A処理した細胞は 形態及ぴ Mito Tracker Redの蛍光強度共にアンチマイシン A未処理の細胞に近く、 ミ トコンドリア機能低下が抑制されていることが分かる。 すなわち、 水素分子は ミ トコンドリアを保護した。 実施例 9
酸化ストレス亢進モデル動物に対する水素水の効果の測定
アルデヒ ド脱水素酵素 2の不活性型遺伝子が導入されたトランスジエニック · マウスは酸化ス トレスが亢進され、 老化関連疾患を示す (C 2マウス、 特開 WO 2 0 0 5 / 0 2 0 6 8 1 , A 1 )。 この C 2マウス ( 5週齢、 雌、 各群 4匹) に水 素水を自由摂取させた。 開放系では水素水から水素が遊離して消失してしまうの で、 水素が長時間にわたって水に溶解している 態を維持するために、'摂水口に ベアリングポールを 2個いれて、水が漏れ出ず、水が空気と接しないようにした。 マウスはべアリングボールをつついて水を摂水口から水を飮むことができる。 こ の方法でマウスの飲水量は開放系とくらベて低下することはなか た。 この方法 では 2 4時間後にも水素.は半分以上残存した。 実施例 1に準じた方法で調製した 水素水を容量 1 0 0 m Lのガラス給水瓶に満水となるまで充填し、 2 4時間に一. 度水素水を交換した。 対照の水は、 水素水から水素を脱気した水を用いて、 水素 溶存以外は完全に同一の水を用いた。
C 2マウスに水素水あるいは対照水を自由摂取させ、 過酸化脂質から生じる有 害なアルデヒ ドであり生体内酸化ス トレス蓄積の指標となる 4ーヒ ドロキシー 2 一ノネナール (4一 H N E ) の血液及ぴ大腿筋における濃度変化を測定した。 4
週後、 全血ほ眼底から採取した。 また、 大腿筋は即座に液体窒素で凍結し、 一 8 0 °Cで f呆存した。 凍結した臓器は、 'ハンマーを用いて破砕した後に臓器 1 0 0 m gに対して氷冷した 1 mLのバッファー ( 1 0 0 mM塩化ナドリゥム、 1 0 mM Tris塩酸、 pH 7. 2) を添加した。 次いで、 これを' P0LYTR0N (KINEMATICA AG 社製、 スイス) で細断し、 1 /4量の 1 0% SDSを加えてから 1分間氷,上にて超 音波処理後、 4°Cにて 3 0 0 0 r pmで遠心、 その上清を回収して、 抽出タンパ ク量が' 1 Omg/mLとなるようにバッファーで希釈することで筋抽出液を調製 した。 全血 6 0 / Lと筋抽出液 2 0 0 μ Lを用いて、 BIOXYTECH HAE-586 ASSAY キット (OX I S社製、 米国) を用いて 4— HNE濃度を製造者によるマ二ユア ル記載の方法で測定した。 結果を図 9に示す。 血液及び大腿筋のいずれの場合に おいても水素水摂取群の 4—HNE量が有意に減少していた。 こ.の結果は、 飲料 とともに摂取した水素が血液.内及び組織内の生体内酸ィヒストレスを抑制できるこ とを示している。 · 実施例 1 0
異なった溶存水素濃度の^による酸化ス トレス抑制効果の経時的測定 ·
C 2マウス (4週齢、 雄、 各群 4から 5匹) に溶存水素濃度の異なる水を実施 例 9に準じて自由摂取させ、 1、 2及び 3週後に眼底から 6 0 μ Lの血液を採取 して、 実施例 9.に示した方法に準じて、 4— ΗΝΕ量を測定した。 与えた水の氷 素含有量は、 高濃度 (Η: 1. 6〜: I . 2mM)、 中濃度 (Μ: 0. 7〜0. 9 m M)、 低濃度 (L : 0. 3〜0. 5 mM)、 対照コントロー,ル .(C : OrdM) であ る。 一匹あたりの飲料は、 それぞれの群間で差が認められなかっ 。 結果を図 1 0に示す。 高濃度及び中濃度の水素水を摂取させた群では 2週目で 4一 HN E量 の減少が認められた。 しかし、 低濃度では減少が認められなかったことから、 飽. 和濃度以上の水素水が酸化ストレスの抑制に効果的であることが示された。また、 2週間程度の連続的飲用が酸化ス トレスの抑制には効果的であることが示された。
実施例
水素ガス吸 Λによる虚血 ·再灌流障害軽減効果の測定 .·
マウ (C 5 7 B L/6種, 5週齢、雄) に小動物全身麻酔器 Soft Lander (株 式会社ニュロサイエンス),を用いて混合麻酔ガス (酸素.: 0. 3 L/fn i n, '笑 気ガス : 0. .7 L/m i n, セポフレン '(丸石製薬株式会社) : 3 %) を供給して 全身麻 ffi^.を導入した。 麻酔導入後、 セ.ボフレンを 1. '5%に減少させた混合麻酔 ガス (酸素: 0. 3 L/m i n, 笑気ガス : 0. 7 L/m i n , セボフレン : 1. 5%) を供給して麻酔を長時間維持し、以下に示す外科的手技(参考文献: Yadav,' S. S. et al. , Transplantation 65, 1433-1436 (1998)) を用いて肝臓の局所的 虚血 ·再灌流傷害モデル動物を作製し、 虚血 ·再灌流障害による虚血肝の組織変 性と肝実質細胞の細胞死をへマトキシリン ·ェォシン染色 (H&E染色) で評価 した。
腹部中央を開腹して、 肝臓左葉に通じる門脈、 肝動脈、 胆管の三管を一緒にミ クロクランプ (FD56'2, Aesculap, South San Francisco, CA, USA) で閉塞し (虚血開 始)、腹を絹糸で縫合した。 9 0分後に縫合した絹糸を取り除いて再び開腹し、 ミ クロクランプを取り除いた (再灌流開始)。再ぴ腹を絹糸で縫合し、麻酔下に肝臓 左葉を 3·時間再灌流した。 水素ガス供給群では、 指定の期間に指定の水素ガス流 量で上言己の混合麻酔ガスと混合して供給したが、 全混合ガスの流 *を一定にする ために水素ガス流量分だけ笑気ガスの流量を減じた。 3時間の再灌流後、 肝臓左 葉 (虚血肝) を摘出し、 短冊状に細片して 1 0°/9中性緩衝ホルマリン液 (和光純 薬工業株式会社) に浸漬して固定した。
固定された虚血肝片はェチルアルコールによる脱水、 キ「ンレンによる'脱水剤除 去、 及びパラフィン浸透を自動包埋装置 (SAKURA, Tissue- Tek VIP5) で行った。 パラフィンに包埋した虚血肝を滑走型ミクロトームで 3 111〜 5;/ mの厚さに薄 切し、 切片をスライ ドガラスに貼布した。 キシレン、 続いてエチルアルコール処. 理してパラフィンを除き、 流水水洗した。 'マイヤーへマトキシリン溶液 (和光純 薬工業株式会社)でへマトキシリン染色後、水洗し続いて 1 %ェォシン Y溶液(和 光純薬工業株式会社) でェォシン染色した。 エチルアルコールで完全に脱水した. 後、 キシレンで透徹し、 封入剤マリノール (武藤化学薬品株式会社) をつけた力 バーガラスで封入して永久標本を作製した。
結果を図 1 1及び表 3に示す 表 3
図 1 1では、 水素ガス未処理の肝組織は多くの細胞で細胞質の変性 (ェオ^ン で赤く染色されず、 白くぬけ.ている) が起き、 更に核 (へマトキシリンで紫に染 色) も脱落している'細胞も多い。 水素ガス (0 . 2 L Zm i n ) を再灌流開始 5 分前から再灌流開始後 5分までの 1 0分間吸入させたマウスの肝組織では核も細 胞質も変性が少なく、 組織が良好に保たれ: Cいる。 表 4のデータは、 切片全体の デジタル写真から画像処理ソフト NIH Imageを使って、 肝組織変性領域 (白くぬ けた領域) の面積を計測し、 切片全体の面積を 1 0 0 %として変性領域が占める 割合を示した。 水素ガスを吸引させたことにより、 いずれのケースでも肝組織の 変性が軽減されていた。 虚血 ·再灌流による障害はフリーラジカルによる効果で あることが明らかにされているので、 水素ガスの吸引によってフリーラジカルが . 消去されたことを示した。 虚血 ·再灌流だけでなく、 水素^スを吸引することに より一般.にフリーラジカルを消去することが類推できる。 なお、 素 4 %の条件 では水素に火がつくことはなく、 安全に利用できる。 実施例 1 2
水素を摂取することによる運動後のフリーラジカルの消去効果の測定
急激な運動と急激な運動停止によってフリーラジカルが発生し、 筋肉をはじめ とする様々な組織に障害を与えることが知られている。 水素水の摂取及び水素ガ スの吸引によって運動後のフリーラジカルの消去効果を示した。 ラット (Wister
Rat 8週齢雄) を 4 0 m毎分で 2 0:分.間走らせ、直後に' 1 0 %水素ガスを含む空気 を 3 0分間吸引させた。:あるいは、 過飽和水素を含む生理的食塩水を腹腔注射し 3 0分間休ませた。 3 0分後に屠殺し、骨格筋をとりだし、 H (& E染色によって、 水素摂取により筋組織の損傷が軽減していることを確 Bした。 更に、 ミ トコンド リア D N Aの欠失変異を P C R法によづて検出し、 水素摂取ラットでは、 ミ'トコ ンドリア D N Aの欠失が減少していることが示された。 以上の結果から、 水素の 摂取は急激な運動後の筋組織を維持することが示された。 方法は、 Sakai, Y. , Iwamura, ί·, Hayashi, J. , Yamamoto, Ν·., Ohkoshi, N., Nagata, H. Acute exers i se causes mitochondrial DNA delet ion in rat skeletal muscle . Muscl e and Nerve 22 : 256-261, 1999 に従った。 実施例 1 3
水素水を飲用するごと、 水素ガスを吸引することにより水素分子が生体内に取り 込まれたことの証明
.水素が溶解した水を摂取あるいは、 水素ガスを吸引することによって、 実際に 水素分子が生体内に取り込まれたかどうかを、 ヒトの呼気の水素濃度を調べるご とにより調べた。 呼気の水素濃度は個人差があるので、 呼気水素濃度 1 0 p p m 以下の 4人を対象とした。 水素水を摂取する前の呼気の水素濃度を Breath Gas Analyzer (呼気中水素分析装置) TGA - 2000 (テラメッタス株式会社、 京都) によ り測定じた後に、水素水を体重 kgあたり 1 !!! 飲用摂取させこ。 その後、 口腔 内を水素不含水で漱いで完全に水素水を除去し、 時間を追 roて呼気中の水素濃度 を測定した。 個人差があるが、 水素水摂取後 2 0分以内に呼気水素濃度は 3 0 p p m以上上昇し、 その後、 減少した。' 一時間後にも水素水摂取以前に比べて高値 が続いたことから、 生体内に水素はとりこまれ、 血液中に溶解し、 肺から呼気と して排出されたことを示した。 以上のことより、 水素水を摂取すると 2 0分程度 で水素は生体内に取り込まれ、 血液中に溶解することが示された。 結果を図 1 2 に示した。
なお、 ここでは水素水を飲用することにより水素分子を生体内にとりこませた が、 被検者に水素ガスを吸引させる場合は、 被検者の口及び鼻を覆うガス吸引用
マスク內に空気及び水素ガスを別々に或いは予め混合'して供給して吸引させたり、 あるいは、 被検者を密閉容器内のべッドに横たわらせて密閉容器内に空気及び水 素ガスを別々に或いは予め混合して供給して吸引させる方法等'を採用し得る。'こ の場合、水素ガス濃度が約 4 V o 1 %以下であれば発火及び爆発の危険性はない。 実施例 1 4 ,
シンプルな溶液状態において水素分子が生理物質を還元するか調べた。 室温に おいて水素分子で飽和した中性溶液では NAが, FAD, Fe3+, Cu2+及び三価のヘム鉄、. 酸化型シトクローム cを還元しない (データ未掲載)。 すなわち、水素分子は溶液 において酸化還元反応を攪乱することなく安定である。 またこの条件下で、 水素 分子は過酸化水素、 一酸化窒素あるいは 02—·を還元しない (データ未掲載)。. .こ の結果は、 水素分子はシグナル伝達において主要な機能を有するこうした活性酸 素種を中和しないこ'とを示す。 これに対して、 図 1 3に示すように、' 同一条件下 で水素分子は触媒がなくとも · 0Ηを減少させる。 図 1 3は、 室温、 中性下での溶 存水素分子によるヒ ドロキシルラジカルの除去を示す。 ヒ ドロキシルラジカルは 蛍光分光光度計でモニター.した。 図 1 3 aは、 各水素分子濃度における HPF蛍光 強度の代表的な経時変化を示す。 ベースライン 1と 2は、 0. 8 mMの水素濃度で過 酸化水素不含 (1 ) 及び過塩素酸第一鉄不含 (2 ) の HPF蛍光強度変化を示して いる。 図 1 3 b は、 反応初期速度の平均値と標準偏差は独立した 4回の実験の実 験から'求めた結果を示す。 フ ヱ ン ト ン反応で発生させた · 0H は.
■ I
2- [6- (4' -hydroxy) phenoxy-3H-xanthen-3-on-9-yl] benzoic acid (HPF) の紫光 でモニタ.一した。 HPFは過酸化水素や 02— ·を検出することなく、 · ,ΟΗを特異的に 検出できる。 実施例 1 5
水素分子が培養細胞における · 0Ηを中和できるか調べた。 自発的な · 0Ηの発生 は細胞毒性を示す量には至らず、 また検出が困難なため、 異なる二つの方法で -
0Η を誘導した。 なお、 · 0Ηは HPFをマーカー色素として共焦点レーザー顕微鏡で 検出した。 最初に、 水素及び酸素でそれぞれ飽和した培地を用意し、 水素及ぴ酸
素電極でモニターしながらぞれぞれ .の濃度が適量となるように混合した。'次いで PC12細胞の培地をこれに置き換え、 さらに水素及び酸素が適量濃度になるように . 調製した気体で満たされた容器に細胞を入れた。 PC12細胞ではミ トコンドリ T呼 . 吸鎖阻害剤であるアンチマイシン Aを添加する とで 0 ·を発生させ、 フェント ン反応を経て · 0Hを増加させた。 図 Γ 4及び図 1 5に示すように、 これを水素分 子で処理すると · 0Ηは減少した。 図 1 4は、 0. 6 mM水素存在下又は非存在下でァ ンチマイシン Aを添加し、 3 0分後に HPFの蛍光を共焦点レーザー顕微鏡で観察 した結果である。 矢印と矢尻はそれぞれ核において HPFの蛍光が陽性と陰性の細 胞を示している。 スケールバーは5 Ο μ ηιである。 図 1 5は、 0. 6 mM水素存在下又 は 存在下でアンチマイシン Aを添加した時の HPF蛍光強度を定量した結果を示 す。 それぞれ独立した実験で 100個の細胞について NIH Image ソフトウエア,を用 いて計測した。 細胞は初期の水素濃度を保っため,に適量の気体濃度とした密閉容 . 器で培養した。 興味深いことに水素分子は核の · 0Hを減少させた (囱 1 4の右の パネルで矢尻で示す)。
さらに、 0. 6 mM水素存在下又は非存在下でアンチマイシン Aを添加して、 培養 2 4時間後に抗 8- OH- G抗体及ぴ抗 HNE抗体で染色し、共焦点レーザー顕微鏡で観 · 察した。 図 1 6〜 1 9に結果を示す。 図 1 6及び 1 8のスケールバーは 100 m である。 抗 8- OH- G抗体 (図 1' 7 ) 及び抗 HNE抗体 (図 1 9 ) による免疫染色強度 は NIH Image ソフトウエアを用いて定量化した。.図 1 4〜 1 9に結果を示す実験 において、 アンチマイシン A (+) , 水素 (+) 及びビタミン E (+) の各濃度は 10 /i g/ml , 0. 6 mM及び 0. 1 mMであった。.平均値と標準偏差は独立した 4回の実験 力 ら求めた。 Ρ<0. 05、 **ρ<0. 01, H»M=P<0. 001。 ,
図 1 6及び 1 7において酸化グァニン (8 - 0Η - G) の減少に示されるように、水 素分子は核 DNAを酸化から保護した。 また、 図 2 2に示すように、 水素分子が過 酸化脂質の最終産物である 4 -ヒ 'ドロキシ- 2 -ノネナール (ΗΝΕ) の蓄積を抑制し ' たことは、 脂質の過酸化も抑制していることを示している。 実施例 1 6
ラット大脳皮質初代培養細胞を用いて、 より生理的な条件で酸化ストレスを誘
導,した。 虚血状態から再還流への急激な移行は酸化ス小レスによる障害を'引き起 こすこ.とが知られている。 そこ 虚血を模倣して、 細胞を窒素又は水素雰囲気下 で 6 0分間、 酸素グルコース欠乏状態に曝した。 ' ラ ト大脳皮質初代培養神経細胞は、 1 6日齢の胎児より調製した。 大脳皮質 は髄膜を除去し、 裁断、 プロテアーゼ混合液 (SUMIL0N) で消化した。 ピペットを 用いて機械的に解離した後、 細胞を神経細胞培養培地 (SUMIL0N) に分散して、 ポ リ- L-リジンでコートしたプレートに 1 cm2あたり, 5 X 104個となるように蒔いた。. ' 培地は B- 27 (Gibco) を含む Neurobasal Medium (Gibco) で 3日毎に交換し、 1 1日培養した細胞を実験に使用した。 酸素グルコース欠乏状態とする 1日前に培 地は B- 27 minus AO (Gibco) を含む Neurobasal Medium (Gibco) に交換した。 神 経細胞の品質管理は神経細胞特異的抗 TUJ-1抗体とァストロサイ小特異的抗 QFAP 抗体で染色することで確認した。 90%以上の細胞が神経細胞であった。
酸素ダルコース欠乏状態の開始には、 95%窒素ノ 5%二酸化炭素又は '95%水素 Z5% 二酸化炭素で通気したグルコースを含まない DMEM培地で、 細胞培地を交換した。 これを
素又は 95%水素/ 5%二酸化炭素雰囲気下で 3 0 °C、 1 時間放置した。 酸素グルコース欠乏状態の終了は、 交換前の培地と再交換するこ とで行い、 さらに 95%空気/ 5%二酸化炭素雰囲気下で 37°Cにて培褰を続けた。 酸素グルコース欠乏状態終了 1 0分後に · 0Η量を HPFの蛍光で測定したところ、 図 2 0及び 2 1に示すように、 水素非存在下では, · 0H'の顕著な増加が認められた が、 水素存在下では認められ,なかった。 図 2 0は、 再還流 1 0分後に細胞を HPF: で染色した (左は蛍光イメージ、 右は蛍光イメージとノマ/レスキー微分干渉像と の重ね合.わせ) 結果を示す。 コントロールは酸素グルコース欠乏状態に曝す替わ りに細胞をグルコースと酸素を含む丽 ΕΜ培地で処理した。スケールバーは 100 μ mである。 図 2 1は、 HPF '蛍光強度を 100 j@の細胞について NIH Image ソフ トゥェ. ァを用いて計測した結果を示す。 .平均値と'標準偏差は独立した 4回の実験から求 めた。 **Pく 0. 01。
さらに、 酸素グルコース欠乏 1 日後に生存神経細胞を神経細胞特異的な抗
TUJ-1 抗体で染色することにより検出したところ、 図 2 2に示すように、 水素分 子は生存神経細胞数を増加させた。 また、 図 2 3及び 2 4に示すように、 そのバ
ィアビリティーも増加させた。 図 2 3は、 酸素ダルコ ス欠乏状態から 1日後に 生存神経細胞数を位相差顕微鏡卞で一定視野についてカウントした結果を示す。 図 2 4は細胞のバイアビリティーを MTT変法で測定した.結果を'示す。 図 2 3及ぴ 図 2 4に示す平均値と標準偏差は独立した 4回の実験から求めた。 #P<0. 0001、 *Pく 0. 05。.これらの結果は、水素分子は酸化ストレスによる細胞死を抑制すること を示す。 ' 実施例 1 7
抗酸化物質としての水素分子を医療へ応用できるか調べるためにラットの虚血 モデルを用いた検討を行った。
大脳虚血においては多様なメカニズムで活性酸素種が発生し、 虚血再還流後 に · 0Ηが検出される。 ラッ卜を軽度大脳動脈閉塞によって 9 0分間局所的に虚血 し、 次いで 3 0分間再還流した。 特に指定のないかぎり、 この間、 水素を吸引さ せ続けた。 FK506 (1 mg/kg体重) は再還流直前に 1度、 エダラボン (3 mg/kg体 重) は再還流直前と再還流直後に 2度、 血中投与した。 麻酔後、 ラットは通常空 気下 2ひ °Cで維持した。水素分子は特に示さないかぎり全 1 2. 0分間吸引させた。 ラットには笑気 (麻酔のため)、 酸素及び水素を 6 6〜 7 0 %、 3 0 %、 0〜 4 % (体積 Z体積) の比率で混合したガスを吸引させた。 軽度大脳動脈閉塞 1日後に 脳をスライスし、 -ミ トコンドリアにおける呼吸過.程で基質となりうる 2, 3, 5-トリ フエニルテトラゾリゥム塩(T.TC)で染色した。 1週間後の動物については麻酔後、 脳を速やかに取り出して 1 0 %ホルマリンで固定した。 パ,ラフィンに包埋した脳 は 6- z m .の厚さにスライスし、 へマトキシリン'ェォジン染色した。 また、 '抗体 による染色には VECSTAIN ABC キットを用いた。 抗 Ibal抗体は和光純薬から買い 求めた。 スライドの解析には、 画像解析ソフト (Mac Scope ver. 2. 55、 Mitsuya. 商事) を用いた。 なお、 全ての動物実験ほ日本医科大学動物委員会の指針に っ た。
梗塞体積は脳の白く見える領域を測定することで推算した。 結果を図 2 5及び
2 6に示す。 図 2 5は、 軽度大脳動脈閉塞 1日後に脳を 6枚に冠状切断し、 TTC で染色した結果を示す。 さらに、 比較のため、 二つの化合物をテストした。 一つ
は ダラボンで日本では脳梗塞の処置に使用することが推奨されている。 もう一 つは FK506でァメリ力に:おいて脳梗塞に対するタリ-カル ' トライアルが進行中 である。 水素分子はいずれの化合物よりも酸化障害の軽減に効果的であった。'図
2 6は、脳の.梗塞体積を示し、脳の梗塞体積は各スライ'スの梗塞面積 X 厚さの合 計として算出した。図 2 6中の Eと Fはエダラボン(6 mg/kg体重)と FK506 (1 mg/kg 体重) を最適条件で投与した場合の梗塞体積を示す。 梗塞体積の平均値と標準偏 差は各グループ 6匹の動物の値から求めた。水素ガス濃度 0 %と比較して *P<0. 05、 **Pく 0. 01、 ***Pく 0. 001。 z 素ガス濃度 2 %と比較して ##P 〈0. 01、 腿 P 0. 001。 図 2 5及び 2 6に示すように、 梗塞体積の水素濃度依存的減少が明らかに認め られ、 2 %の水素濃度が最も効果的であった (図 2 6 )。
図 2 7は、 水素を虚血時のみ吸引させ、 再還流時には吸引させない場合の转果 を示す。 ラットを軽度大脳動.脈閉塞によって 9 0分間局所的に虚血し、 次いで 3
0分間再還流した。 ' 2 %水素ガスを A、 B、 Cで示す 3種の異なった期間、 吸引さ せた。 図 2 7 aはその模式図を示す。 図 2 7 bは、 上記 3種の異なった期間、水素 ガスを吸引させた場合の梗塞体積を示す。 择度大脳動脈閉塞 1日後に脳を 6枚に 冠状切断、 TTCで染色し、脳の梗塞体積は各スライスの梗塞面積 X 厚さの合計と して算出した。 水素ガス濃度 0 %と比較して *P<0. 05、 **Pく 0. 01、 ***Pく 0. 0001。 A と比較して #Pく 0. 05、 ###P く 0. 0001。 図 2 7に示すように、 水素を虚血時のみ吸引 させ、 再還流時には吸引させない場合は、 梗塞体積は減少しない。 こめ結果は、 水素分子が保護効果を示すには再還流時に水素分子が存在しなければならないこ. とを示す。
また、 .図 2 8及び 2 9に示すように、 軽度大脳動脈閉塞 1週間鋒、 水素処置群 と未処置群での梗塞体積の違いはより顕著になった。 図 2 8は、 軽度大脳動脈閉 塞 1週間後、 脳を冠状切断して得たスラ スをへマトキシリン · ェォジン染色し. た結果を示し、 図 2 8の写真はそのうち 3枚の異なるスライスの染色像である。 図 2 9は、 梗塞体積をへマトキシリン ·ェォジン染色で薄ピンク色に見える領域 を梗塞領 として、 上記と同様に算出した結果を示す。 梗塞体積の平均値と標準 偏差は各グループ 6匹の動物の値から求めた。 水素ガス濃度 0 %と比較して
*Pく 0. 05、 **Pく 0. 01、 ***Pく 0. 001。 水素ガス濃度 2 %と比較して ##P く 0. 01、 鐘 P
く 0. 001。
図 3 0に示すように、 '水素処齄ラットは体重及び体温でも未処置に比して改善 が見られた。図 3 O a及び 3 O bは、それぞれ体温と体重の変化を 2 %水素ガズ吸 引 (実線)、 未吸引 (破線) で示す。 平均値と標準偏差ほ各グループ 6匹の動物の 値から求めた。 *Pく 0. 05、 **Pく 0. 01、 ***Pく 0. 001。 これらの結果が示すように、.水 素分子は初期の脳障害を改善したのみならず障害の進行も抑制した。 .
閉塞' 1週間後の脳を用いて、 水素分子による保護効果により生じた分子レベル での変化を核酸の酸化を表す抗 8 -0H-G抗体、 脂質の過酸化を表す抗 HNE抗体、 及び抗 GFAP抗体で脳スライスを染色して調べた結果を図 3 1〜3 3に示す。図 3 1は抗 8 -0H- G抗体を用いた場合を、 図 3 2は抗 HNE抗体を用いた場合を、 図 3 3はァストロサイ ト特異的抗 GFAP抗体を用いた場合を示す。軽度大脳動脈閉塞 3 日及ぴ 7日後に脳を固定しパラフィンに包埋した。 6 m厚の冠状切片を抗 8- 0H - G 抗体、抗 HNE抗体及ぴ抗 GFAP抗体で染色した。図 3 1〜 3 3の左の写真は大脳側 頭部の同一の閉塞周辺領域を示す。スケールバーは 100 μ πιである。図 3 1〜3 3 の右のグラフは一定視野下 (0. 25 mm2) の各抗体陽性細胞数の平均値と標準偏差 を各グループ 6匹の動物の値から求めた結果を示す。 *Pく 0. 05、 **Pく 0. 01。水素処. 置ラットではいずれの酸化マーカーの染色についても有意に減少していた。
図 3 4は、 脳の同一領域をミクログリア特異的抗 Iba-I抗体で染色した結果を 示す。 染色実験において、 軽度大脳動脈閉塞 3日.及び 7日後に脳を固走しパラフ インに包埋した。 冠状切片をそれぞれの抗体で染色した。 写真は大脳側頭部の閉. 塞中心領域を示す。図 3 4のスケールバーは 200 // mであり,、図 3 4の挿入写真の スケールバーは 100 mである。図 3 5は一定視野下の Iba - 1陽性細胞数の平均値 と標準偏差は各グループ 6匹の動物の値から求めた。 *Pく 0. 05。図 3 4及ぴ 3 5に 示すように、脳の同一領 をミクログリア特異的抗 Iba - 1抗体で染色したところ、. 抗 Iba- 1抗体による染色は水素処置によって顕著に減少していた。 ミクログリア の集積は脳障害の指標であり、 こうした結果は水素分子が酸化ストレスと、 さら には脳障害を顕著に抑制することを強く示唆している。 実施例 1 8 水素水の効果
SOD遺伝子破壊マウスを用いた SOD- /.SOD-ホモマウスの出産上昇
ミ ト ρンドリアに存在する MnSOD (マンガンスーパーォキシドジスムターゼ) は、 ミ トコンドリア内で発せられるスーパーォキシド (ο 2 ~ · ) を過酸化水素に 変換する酵素で遺伝子は核に存在する。 MnSOD が欠損十ると 0 2 _ ·が蓄積し、 NO と反応する頻度が高まり、 有害な 0N00— (ぺロォキシナイ トライ ト)が増加し、.細 胞毒性を生じる。 あるいは、 〇2— ·は遷移金属を還元し、 Cu2+,Fe2+を増加させる ために、 フェントン反応を力 [I速.し、 有害なヒドロキシルラジカル ( · 0H) を生じ させる。 そのため、 MnSOD を欠損した動物は、 死産により生まれる頻度が少なく なり、 あるいは生まれても 1週間内に死亡する。 ' MnSOD欠損遺伝子をへテロにも つマウス ( S0D2 (+/ ) ) ) どう しを交配させると、 MnSOD が正常なマウス (S0D2 (+/+) ) )、 MnSODをへテロにもつマウス (S0D2 (+/- ) )、 MnSODが完全に欠損し たマウス(SOD (-/-) )が生じ、 メンデルの法則に従えば、 1 : 2 : 1の比率で生ま れるはずである。 実際には、 MnSOD欠損マウスは上記の有害な活性酸素、 フリー ラジカルによって死産となり生まれてくる頻度は少なくなる (図 3 7 )。
MnSOD メスへテロマウス 1 .6匹を 2群にわけ、 一群には水素水を 8日飲ませ、 交配した。その後、出産まで水素水を飲ませ続けた。妊娠したのはそれぞれ 5匹、 6匹で 4 2匹と 4 5匹生まれた。 その生まれた仔マウスの尾から DNAを抽出し、 常法にしたがって遺伝子型を決定した。
対照水をのませた場合の生まれた仔マウス 4 5.匹で MnS0D (+/+): MnSOD (+/- ) : MnSD0 (- /- )は 1 4 : 2 9 : 2であった。 一方、 水素水を飲ませた母親から生まれ た仔は 4 2匹で、その比率は 1 4 : 2 0 : 8で、 MnSD0 (- /- ) ウスは 8倍も多く、 統計的に.も有意であった (図 3 8 )。
以上の結果から、 水素水は〇2— ·に起因する酸化ストレスを軽減することが示 された。 . 実施例 1 9 水素水の飲用と腹腔内投与による発癌抑制効果
発癌性を予測するための検索法として、 近年、 種々の中期発がん性試験法が開 発されている。 げっ歯類を用いた二段階発癌モデルは、 まずイニシエーション処 置として既知の発癌物質を発がんしない程度の少量で投与し、 その後、 被験物質
を投与しプロモーション作用の有無を検索する試験法で、発癌性を検出する際に、 特にプロモーション作用に注目して被験物質の発癌性を評価するものである。' 中期肝発癌性試験法 (伊東法) は、 プロモーション期の初期に部分肝切除術を' 施行し、 再生増殖期に肝細胞の細胞分裂を促すこ,とによって短期問に変異細胞巣 を誘発する方法で、現在までに、最も多くのデータが集積されているとされる(I'to N, Tamanp S, Shirai T., Cancer Sci. 2003 Jan ; 94 (1) : 3- 8. Review. ) 0 ラッ卜 肝臓を標的とし、 これまで 313の化学物質について検索され、 肝発癌性物質 (プ' 口モーターを含む) とされる化学物質では 60/65 (92%) に陽性結果が報告され ており、 本試験法は肝を標的とする発癌物質を検索する上で、 信頼性の高い有用 な検索法とされている。 さらに、 本試験法で肝発癌物質を種々の投与用量で検索 した結果では、 GST- P 陽性細胞巣の発生の定量値について、 長期の発癌性試験に よる肝細胞癌の発生頻度と相関した結果であること、 また、 用量相関性について も報告されている(Ogiso, T. et al., Toxicol. Pathol. , 13, 257—265, 1985)。 . 本実施例では、.ヘテロサイクリックァミンの 1種で、 肝発瘅性が報告されてい る. MelQxと被験物質を中期肝発癌性試験法のプロモーション段階で同時投与する 検出法を用いた。 この検出法は被験物質の肝発癌に対する抑制作用を検索しよう と開発ざれたもので、 これまでに広瀬ら(Hirose, M. et al., Carcinogenesis, 16, 3049-3055, 1995)はこのモデルを用いていくつかの肝発癌抑制物質を見いだして いる。
本実施例において、 被験物質として水素を含む生理食塩水 ( 生理食塩水) お よび水素を含む水' 水) を用いた。 本実施例では上記の デルを用い、 被験物 質である水素を含む生理食塩水を腹腔内投与し、 さらに水素を含む水を飲水投与 することによる肝発癌に対する抑制作用について検索した。
水素を含む生理食塩水および水素を含む水の併用投与による肝発癌に対する抑. 制効果の有無を調べる目的で、 胎盤型 Glutathione S- transferase (GST-P)陽性細 胞巣を指標とした中期肝発癌性試験法を用いて定量的に検討した。
肝発がんに対するイニシエーション処置のため、 6週齢の F334 系雄ラットに
Diethylnitrosamine (DEN)をィニシェーク一として 200 mg/kgの用量で 1回腹腔内 に投与し、 その 2週間後から、 被験物質である水素を含む生理食塩水を 10 ml/kg
の投与量で 1 '日 2回、 'またば 7回 Z週の頻度で 6週間腹腔内投与し、 さらに水素 を含む水を飲水投与した。 対照群 は生理食塩水および水道水をそれぞれ腹腔内 および飲水投与した。また、 DEN無処置の対照群およぴ被験物質投 群も設けた。 さらに、 DEN 処置群、 無処置群それぞれについて、 肝発がん物質である 2 - amino - 3, 8-demethyl imidazo [4, 5-/] quinoxaline (MelQx)をプロモータ一とし.て 飼料中濃度 0· 02%で被験物質と 6週間併用投与する群についても設けた。実験第 3週経 ίί時(被験物質投与開始 1週後)に全動物について部分肝切除術の施行し、 実験開始 8週間経過後 (被験物質投与期間終了後) に屠殺剖検した後、 肝臓にお ける GST- P陽性細胞巣の定量的解析を実施した。 図 3 9に実験方法を示す。 投与期 中、 被験物質投与に起因する一般状態の変化、 死亡動物および体重変 化を認めなかった。 摂水量では、 被験物質投与全群において投与期間の一時 に 高値傾向を示したことから被験物質投与の影響と考えられた。
肝臓重量および肉服的病理学検查では、 被験物質投与の影響を認めず、 血液生 化学的検査においても被験物質投与による毒性を示唆する変動は認められなかつ た。 今回用いた被験物質は、 過酸化脂質の 成を抑制することが推察されたこと から、 血清過酸化脂質についても測定を実施したが、 今回の実験では抑制は認め られなかった。 ·
図 4 0に肝臓の GST- P陽性細胞巣の数 (図 4 0 a) ) 及び面積 (図 4 O b) の計 測結果を示す。 水素を含む生理食塩水 (腹腔内投与) および水素を含む水 (飲水 投与) の組み合わせ投与は DEN処置群における GST- P陽性細胞巣の発生を軽度な がら抑制し、 その'抑制率は個数で 28. 0%、 面積で 25. 2%であった。 また、 DENに 加え MelQxを投与した群においても水素を含む生理食塩水および水素を含む水は GST-P陽性細胞巣の発生を軽度ながら抑制し、 その抑制率は個数で 21. 0%、 面積 で 20. 9%であった。
以上のように、 水素を含む生理食塩水及び水素を含む水は発癌の抑制に効果が あった。 産業上の利用可能性
本発明によれば、 上記の構成を備えることにより以下の実施例によって詳細に
説明するように、 生体内の有害な活性酸素及び Z又はフリーラジカルを消去する ことができるため、 この'活性酸素 ¾び7又はフリ一ラジカルの存在に起因する各 種悪影響を抑制するこどができる。 従って、 人体の老化進行の抑制、 健康増進と 疾病の予防に貢献できるという優れた効果を奏する。 後述の実施例の結果は水素 分子には有力な抗酸化物質として多くの利点があることを示している。すなわち、 水素分子は代謝過程での酸化還元反応や細胞シグナルにおける活性酸素種に影響 を与えることの無い適度な強度で · OHを効果的に中 ロする。 既知の多くの抗酸ィ匕 物質が標的とするオルガネラや組織に容易に到達することができないのに対して、 水素分子には容易に生体膜を透過して細胞質に拡散する.ことにより、 効果的に分 布することができる特質がある。 炎症や虚血再還流によって生じる酸化ストレス は他の様々な状況からも生じてくる。 .これには過度の運動、 心筋梗塞、 出血 よ る手術中断、 臓器移植などが挙げられる。 水素分子のように効果的でありながら 他にダメージを与え'ない抗酸化物質は、 その利便性から多くの医療分野での応用 が可能である。 すでに水素ガスの吸引は減圧による潜水病からダイバーを保護す るために用いられ、 その安全性が広く確認されている。 また、 本発明において治 療に用いる水素濃度では引火や爆発の危険性が無い。 さらに、 吸引した水素ガス は液体に溶解し容易に血管を通して運ばれる。 このように、 最もよく知られた分 子の一つである水素が、 副作用が小さく安全で効果的な抗酸化物質として広く医 療分野で応用される。
本明細書で引用した全ての刊行物、 特許および特許出願をそのまま参考として. 本明細書にとり入れるものとする。 .