WO2007058180A1

WO2007058180A1 - 盲人安全杖の石突き

Info

Publication number: WO2007058180A1
Application number: PCT/JP2006/322678
Authority: WO
Inventors: Kiyoshi Takeuchi
Original assignee: TAKE'S Corp
Current assignee: TAKE'S Corp
Priority date: 2005-11-15
Filing date: 2006-11-14
Publication date: 2007-05-24
Anticipated expiration: 2008-05-15
Also published as: JPWO2007058180A1

Abstract

【課題】路面に突っかかりにくいことで、簡単に使え、疲れずに、速く歩行できる盲人安全杖を実現する石突きを提供する。【解決手段】石突き（３）は、盲人安全杖（１）の竿部（２）に付けられる取付け部材（４）と、取付け部材のくびれ部（４ａ）にはめこまれた中心穴形成部（５ａ）がある円盤状の弾性部材（５）と、弾性部材（５）の外面に接着剤（８）によって固着された殻部材（７）から成っている。殻部材（７）が全方向へ変位と回転をして、突っかかりを避けることができる。

Description

明細書

盲人安全杖の石突き

技術分野

[0001] この発明は、視覚障害者が歩行に使う盲人安全杖の石突きに関するものである。

背景技術

[0002] 従来の盲人安全杖の石突きとして、軽金属やファイバ強化プラスチックなどでできた竿部の先に、硬いプラスチックの塊でできた石突きをつけたものがよく使われる。盲人などの視覚障害の使用者は、左右それぞれの足を着地させる予定の路面を、盲人安全杖で左右交互にたたく操作を繰り返して、安全を確認ながら歩行している。路面の凹凸に突つ力かることを避けるため、すばやくたたいた後に、すばやく持ち上げて、かつ、ゆっくり歩くことが大切である。突つかかるのは、竿部も石突きも剛なので、竿部の軸方向への力が路面の凹凸に入り込むことが主な理由である。

[0003] 従来の盲人安全杖の石突きには、竿部の軸方向に回るボールベアリングを仕組んだ、例えば日本特開 2004— 290433号公報の例もある。使用者は、石突きを路面において左右に転がしながら、蛇行して前に進んでいく。路面が連続して分かるといぅ禾 IJ点がある。

[0004] 従来の盲人安全杖には、軸と石突きをパネで接続し、車輪を組み合わせた、例えば日本実開昭 60— 153127号公報の例もある。そのような盲人安全杖には、路面からの衝撃を和らげるという利点と、石突きが安定して当たるという利点がある。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] しかし、盲人安全杖をすばやく動かすことには高い技術と強い力が必要である。そのために、操作が面倒で疎かになることがあり、それが原因で転倒や転落事故などにつながって、た。速く歩くことができなヽと、う問題もあった。

[0006] 日本特開 2004— 290433号公報に記載されている盲人安全杖の石突きでは、回転の方向が決まって、るので、その方向に合わせて転がして!/、くのに不自由があると!/ヽう問題があった。転がりの効果を出すため左右に大きく転がすので、広い道でないと使えず、かつ、速く歩けないという問題もあった。

[0007] 日本実開昭 60— 153127号公報に記載されている盲人安全杖は、回転の方向が決まっているという問題を解決するものではない。さらに、突つ力かる方向へ石突きが向ヽて、くと、う問題があった。

[0008] そこで、本発明は、路面に突つ力かりにくいことで、簡単に使え、疲れずに、速く歩行できる盲人安全杖を実現する石突きを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009] この発明による石突き、または石突きの機能もしくは機構は、盲人安全杖の石突きであって、竿部の先に付ける取付け部材と、取付け部材の先に付けられた弾性部材と、弾性部材の外面に付けられた殻部材とを備えたことを特徴とする。

発明の効果

[0010] この発明による石突きは、路面に突つかかりにく!/、ことで、簡単に使え、疲れずに、速く歩行できる盲人安全杖を実現できる効果がある。

発明を実施するための最良の形態

[0011] 図 1は、この発明による石突き 3の構成を示す構成図である。盲人安全杖 1は、路面 Gに対してほぼ 45度の角度で当てて使われる。各部は、パイプ形状をしている竿部 2 の中心軸に対して対称の構成になって、るので、対称の部位の説明は省略して、る。竿部 2は、ソケット式の取付け部材 4にはめられる。取付け部材 4の先には、くびれ部 4aが形成され、その先に停止部 4bが形成され、中心軸には水抜き穴 4cが形成されている。取付け部材 4は、強ぐ伸びがよぐ軽いプラスチック、例えばナイロンでできている。取付け部材 4のくびれ部 4aには、円盤状の弾性部材 5の中心にある中心穴形成部 5aがはめこまれ、接着剤 6で固定される。つまり、弾性部材 5は、取付け部材 4に付けられて周囲に張り出すように形成されている。停止部 4bによって、取付け部材 4が弾性部材 5から抜けに《できる。弾性部材 5は、柔らかく軽い材料、例えばスポンジ状のクロロプレンゴムでできて、る。

[0012] 弾性部材 5の外面は、殻部材 7の内面に、接着剤 8によって固定される。殻部材 7は、摩耗しにくぐ摩擦が少なぐ軽いプラスチック、例えば超高分子量ポリエチレンでできている。 45度の角度で路面 Gに当たる肩部 7aは、摩耗による減少を見込んで、張り出して、る。殻部材 7の先端力最外径の半分の長さにある中心軸上の中心 7cは、弾性部材 5が付く取付け部材 4の位置と、ほぼ一致させている。正確には、弾性部材 5が押されて変位した時に、一致するように構成されている。万一、殻部材 7の内部に水が侵入したときのために、先端に水抜き穴 7bが設けられて、る。

[0013] 図 2は、この発明による石突き 3の動作を説明する説明図である。図 2 (a)は、弾性部材 5の板面内の方向、つまり竿部 2の中心軸と直交する方向に、力 Fの成分が加わる場合を示す。力 Fは板の圧縮方向なので、弾性部材 5は変形しにくい。このため、竿部 2に対する石突き 3の位置が変わりにくいので、知りたい方向が不正確になることはない。

[0014] 図 2 (b)は、弾性部材 5の板面の垂直方向、つまり板の曲げ方向に、力 Fの成分が加わる場合を示す。弾性部材 5などの周囲に張り出した板は、曲げる力に変形しやすい。このため、弾性部材 5は曲げ変形して、突つ力かりにつながる竿部 2の軸方向への力を和らげることができる。さらに、力 Fが無くなった後には、その変形が元に戻る時の反動によって、盲人安全杖 1をはね上げる操作を楽にできるという効果もある。衝撃が小さくなつて、殻部材 7の摩耗が小さくなり、竿部 2の寿命も伸びるという効果もある。また、内部が空洞なので、軽く構成できるため、楽に、すばやく操作できるという効果もある。

[0015] 図 2 (c)は、弾性部材 5の板面の垂直方向に、さらに強い力で殻部材 7が押される場合、例えば、とっさの場合に、使用者が路面 Gに体重をかけた場合の動作を示す。弾性部材 5が大きく変形して、停止部 4bが殻部材 7に当たるので、しっかりと体重を支えることができる。

[0016] 図 2 (d)は、路面 Gの突起 Pに殻部材 7が突つカゝかった場合を示す。この場合、殻部材 7を通して、その中心 7c、つまり、取付け部材 4のくびれ部 4aを中心として、弾性部材 5をねじれ変形する力が加わる。弾性部材 5などの周囲に張り出した板は、ねじれ回転する力で変形しやすい。このため、殻部材 7が一時的に回転して、殻部材 7の外面における竿部 2の軸を延長した部分が、突起 Pよりも高い位置に移動するため、突つ力かりの力を逸らすことができる。その後、ねじれ変形は反動などで力がゆるんだ瞬間に開放されて、次の突起に備えることができる。各部材は中心軸に対して対称なので、全ての方向に対して同じ動作ができるため、使用者が向きを気にする不便は無い。路面を滑らせていく使い方もできる。

図 3は、この発明による石突き 3をつけた盲人安全杖 9の持ち方を説明するための説明図である。竿部 2の上端部には、滑りに《強いゴムなどでできた握り部 10が設けられている。竿部 2の長さは、使用者 Uが持った時、路面 Gに対してほぼ 45度で当たる程に設定される。竿部 2には、使用者 Uが盲人安全杖 9を立てて手が届く位置に、柔らカ、スポンジ状のゴムでできた、もう一つの握り部 11が設けられている。握り部 11を持つと、盲人安全杖 9を立てぎみに使えるので、混んだ場所でも使えて便利である。

[0018] 図 4は、他の実施例による石突き 12の構成を示す構成図である。各部は、竿部 2の中心軸に対して対称の構成になっているので、対称の部位の説明は省略している。図 1と同様の取付け部材 4の先には、弾性部材 13の中心穴形成部 13aがはめこまれ、接着剤 14で固定される。弾性部材 13には、変形しやすいように、折り返し部位 13b がある。外周部 13cは、殻部材 15の内面に、接着剤 16によって固定される。弾性部材 13は、柔らかく軽い材料、例えば稠密のクロロプレンゴムでできている。殻部材 15 は、図 1の殻部材 7と同様の材質である。取付け部材 4力も弾性部材 13が周囲に張り出した構成と、殻部材 15の中心 15aの位置の構成は、図 1の石突き 3と同様なので、動作は同様である。弾性部材 13の強度が高いため、少ない面積の接着剤 16によつて固定でき、その分だけ殻部材 15を短くでき、軽くなるという利点がある。

[0019] 図 5は、他の実施例による石突き 17の構成を示す構成図である。各部は、竿部 2の中心軸に対して対称の構成になっているので、対称の部位の説明は省略している。図 1と同様の取付け部材 4の先には、塊状の弾性部材 18の中心穴形成部 18aがはめこまれ、接着剤 19で固定される。外周部 18bは、殻部材 20の内面に、接着剤 21 によって固定される。弾性部材 18は、非常に柔らかぐ軽い材料、例えば稠密のスチレン系エラストマ一でできている。殻部材 20は、図 1の殻部材 7と同様の材質である。取付け部材 4から弾性部材 18が周囲に張り出した構成と、殻部材 20の中心 20aの位置の構成は、図 1の石突き 3と同様なので、動作は同様である。弾性部材 18は非常に柔らかぐ押されると周囲に拡大して変形するので、殻部材 20の内側の全面に接着されても、動作は同様である。空洞がないので、内部に水が入ることはなぐ寒冷地で内部の水が氷結して動かなくなるという心配もない、という利点がある。

[0020] 殻部材を、薄いステンレス鋼などの強い金属や、ジルコユアなどの硬くて靭性があるセラミクスなどで構成することも可能であり、さらに長い寿命にできる。この発明による石突きは、盲人安全杖に付けた状態で販売することが便利である。実施例にあるソケット式だけでなぐネジ式やフック式などで竿部へ付ける構成にもできる。さらに、この発明による石突きの機能もしくは機構を直接に盲人安全杖に設けた一体の構成とすることもできる。実施例では竿部の中心軸に対して対称の構成としたが、一定の向きで持てる竿部なら、路面に接する側だけに部材を構成して、軽量ィ匕することができる。従来例でも紹介したボールベアリング等の回転機能を追加することなどの応用も可能であり、その場合には、さらに性能の向上が期待できる。

図面の簡単な説明

[0021] [図 1]この発明による石突きの構成を示す構成図である。

[図 2]この発明による石突きの動作を説明するための説明図である。

[図 3]この発明による石突きをつけた盲人安全杖の持ち方を説明するための説明図である。

[図 4]他の実施例による石突きの構成を示す構成図である。

[図 5]他の実施例による石突きの構成を示す構成図である。

符号の説明

[0022] 1 盲人安全杖 2 竿部 3 石突き 4 取付け部材 4a くびれ部 4b 停止部 4c 水抜き穴 5 弾性部材 5a 中心穴形成部 6 接着剤 7 殻部材

7a 肩部 7b 水抜き穴 7c 中心 8 接着剤 9 盲人安全杖 10 握り部 11 握り部 12 石突き 13 弾性部材 13a 中心穴形成部 13b 折り返し部位 13c 外周部 14 接着剤 15 殻部材 15a 中心 16 接着剤 17 石突き 18 弾性部材 18a 中心穴形成部 18b 外周部 19 接着剤 20 殻部材 20a 中心 21 接着剤

Claims

請求の範囲

[1] 盲人安全杖の竿部の先に付ける取付け部材と、取付け部材の先に付けられた弾性部材と、弾性部材の外面に付けられた殻部材とを備えたことを特徴とする石突き。

[2] 弾性部材が、取付け部材の中心軸に対して垂直方向へ張り出している請求の範囲第 1項記載の記載の石突き。

[3] 弾性部材が付く取り付け部材の位置力殻部材の先端までの距離を、取り付け部材の中心軸力殻部材の最外面までの距離に略一致させて形成されて、る請求の範囲第 1項または第 2項記載の石突き。

[4] 弾性部材に穴を形成し、かつ、取付け部材にくびれ部を形成し、取付け部材のくびれ部を弾性部材の穴に装着した請求の範囲第 1項力第 3項のうちのいずれか 1項に記載の石突き。