明 細 書
光学活性アンモニゥム塩化合物、その製造中間体および製造方法 技術分野
[0001] 本発明は、キラル相間移動触媒として有用な光学活性 4級アンモニゥム塩ィヒ合物 に関し、より詳細には、新規な光学活性なスピロ型 4級アンモニゥム塩と該化合物を 製造するための中間体および製造方法に関する。
本願は、 2005年 3月 3曰に出願された特願 2005— 059694号および 2005年 6月 30日に出願された特願 2005— 192757号に基づいて優先権を主張し、その内容を ここに援用する。
背景技術
[0002] 光学活性なスピロ型 4級アンモニゥム塩に関する化合物については、これまで多く の化合物が知られている。例えば、特許文献 1に記載された下記式:
[0003] [化 1]
[0004] に示す化合物や特許文献 3に記載された化合物は、天然または非天然であることを 問わず、光学活性 α —アミノ酸を合成するための相間移動触媒として、この化合物 が極めて有効に機能することが開示されている。しかし、これらの文献に記載された 光学活性なスピロ型 4級アンモニゥム塩は相異なる置換基を有する 2種類の光学活 性ビナフチル誘導体によって構成されるため、高価となり、工業的に用いるには必ず しも満足されるものではない。
[0005] また、特許文献 2には、下記式:
[0006] [化 2]
に示すような化合物が記載されているが、光学活性体が片側のみであるゆえに、反 応時間が長時間となり工業的に使用するには必ずしも満足されるものではない。
[0007] さらに、特許文献 4には、下記式に示すような化合物が記載されているが、これらの 文献に記載されたスピロ型 4級アンモニゥム塩は、同一の置換基を有する 2種の光学 活性ビフエニル誘導体によって構成されるため、触媒設計上の制限があり、工業的 に使用するには必ずしも満足されるものではない。
[0008] [化 3]
[0009] そのため、光学活性ひ一アミノ酸を合成するための相間移動触媒として有効で、製 造が容易でかつ実用的な光学活性スピロ型 4級アンモニゥム塩の開発が望まれてい る。
[0010] 特許文献 1 :特開 2001— 48866号公報
特許文献 2 :特開 2002— 326992号公報
特許文献 3 :特開 2003— 81976号公報
特許文献 4:特開 2004— 359578号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] 本発明は、キラル相間移動触媒として有用な光学活性 4級アンモニゥム塩ィヒ合物
について、前記の先行技術の問題を解決することにあり、相間移動触媒として、天然 または非天然であることを問わず光学活性アミノ酸合成に優れた効果を有する化合 物および該化合物を工業的に有利に製造できる製造方法を提供することを課題とす る。
課題を解決するための手段
[0012] 本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を行い、相異なる置換基を有す る 2種のビフエニル誘導体から、あるいはビフエニル誘導体とビナフチル誘導体から、 構成される光学活性なスピロ型 4級アンモニゥム塩のなかに、光学活性アミノ酸の合 成に優れた効果を有し工業的に有用な触媒となるものを見出し、さらに該 4級アンモ ニゥム塩の容易な製造方法を見出すことによって、本発明を完成するに至った。
[0013] 本発明において、見出したスピロ型 4級アンモニゥム塩の容易な製造方法は速度 論分割を基盤とし、該製造方法によれば、例えば、原料化合物のビフエニル誘導体 が光学活性を有していなくても、光学活性なァゼピン誘導体と反応させれば、 2つの 軸不斉を有する光学活性 4級アンモニゥム塩ィ匕合物を容易に得ることができ、この際 、反応に関与しない一方のビフエ二ル誘導体を光学活性体として回収することもでき 、また、原料化合物のビフエニル誘導体が光学活性を有していれば、光学活性を有 さなレ、ァゼピン誘導体と反応させると、同様に 2つの軸不斉を有する光学活性 4級ァ ンモユウム塩ィ匕合物を容易に得ることができ、反応に関与しない一方のァゼピン誘導 体を光学活性体として回収することもできる。
[0014] さらに、本発明で見出したスピロ型 4級アンモニゥム塩の容易な製造方法を構成す るいまひとつの基盤は、スピロ型 4級アンモニゥム塩製造のための重要製造中間体で あるァゼピン類の簡便な製造方法であり、本製造方法によれば、 3, 3 '—位に置換基 を有する 2, 2'—ビス(置換メチル)ビアリールイ匕合物にアンモニアを反応させることで 、容易に対応するァゼピン類を得ることができる。
[0015] すなわち、本発明の第一の実施態様は、式(1):
(式中、 R1は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C 1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよい C2〜C8アルケニル基、置換基を有 してレ、てもよレ、C2〜C8アルキニル基、置換基を有してレ、てもよレ、C6〜C14ァリール 基、置換基を有していてもよい C3〜C8ヘテロァリール基、置換基を有していてもよ い直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルコキシ基、または置換基を有していてもよ い C7〜C16ァラルキル基を示し、
R2および R21は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有 していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルキル基、置換基を有していて もよい C2〜8アルケニル基、置換基を有していてもよい C2〜C8アルキニル基、置換 基を有していてもよい C6〜C14ァリール基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐も しくは環状の C1〜C8アルコキシ基、または置換基を有していてもよい C7〜C16ァラ ルキル基を示し、また、 R1と R21または R2と R21のいずれかの組み合わせ力 S、結合して 置換基を有してレ、てもよレ、C1〜6アルキレン基、置換基を有してレ、てもよレ、〇1〜6ァ ルキレンモノォキキシ基、または置換基を有していてもよい Cl〜6アルキレンジォキ シ基を形成してもよぐ
R3および R4は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよい C6〜C14 ァリーノレ基、置換基を有してレ、てもよレ、C3〜C8ヘテロァリール基または置換基を有 していてもよい C7〜C16ァラルキル基を示し、ここで、 R3および R4が、同時に水素原 子になることはなぐ
R5は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環 状の C1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1 〜C8アルコキシ基、置換基を有していてもよい C2〜C8アルケニル基、または置換 基を有してレ、てもよレ、C2〜C8アルキニル基を示し、
R6は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C 8アルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルコ キシ基、置換基を有していてもよい C2〜C8アルケニル基、または置換基を有してい てもよい C2〜C8アルキニル基を示し、また、 R5と R6は結合して置換基を有していて もよい芳香環を形成してもよぐ
A環と B環は、同時に同じ置換基を有することはなぐ
*および * *は、軸不斉を有する光学活性であることを示し、
ΧΊま、ァニオンを示す。)で表される光学活性 4級アンモニゥム塩ィ匕合物に関する 式(1)で表される 4級アンモニゥム塩化合物としては、
R2が、水素原子で、 R21は、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい直 鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよい C2〜8アル ケニル基、置換基を有していてもよい C2〜C8アルキニル基、置換基を有していても よい C6〜C14ァリール基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1 〜C8アルコキシ基、または置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキル基である 化合物が好ましぐ
R2および R21が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしく は環状の C1〜C8アルコキシ基である化合物が好ましぐ
R1が、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルコキシ基 で、 R2と R21が、結合して置換基を有していてもよい Cl〜6アルキレンジォキシ基を 形成する化合物が好ましぐ
R1および R21が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環 状の C1〜C8アルコキシ基で、 R2が、水素原子である化合物が好ましぐ
R1と R21が、結合して置換基を有していてもよい Cl〜6アルキレンジォキシ基を形 成し、 R2が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分 岐もしくは環状の C1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは 環状の C1〜C8アルコキシ基、または置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキ ル基である化合物が好ましく、
R1が、フッ素原子、塩素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルキル基、または置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1 〜C8アルコキシ基で、 R2と R21力 S、結合して置換基を有していてもよい Cl〜6アルキ レンジォキシ基を形成する化合物が好ましぐ
R3が、(ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8ァノレキノレ基、または C6〜C14ァリール基)で置換されてもよい C6〜C14ァ リール基、(ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状 の C1〜C8アルキル基、または C6〜C14ァリール基)で置換されもよい C3〜C8へ テロアリール基、または (ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されてもよい直鎖、分岐 もしくは環状の C1〜C8アルキル基、または C6〜C14ァリール基)で置換されてもよ レ、 C7〜C16ァラルキル基を示し、 R4が、水素原子である化合物が好ましぐ
または、 R3が、水素原子を示し、 R4が、(ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されて もよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルキル、または C6〜C14ァリール)で置 換されてもよい C6〜C14ァリール基、(ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されても よい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルキル基、または C6〜C14ァリール基)で 置換されもよい C3〜C8ヘテロァリール基、または(ハロゲン原子、ハロゲン原子で置 換されてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルキル基、または C6〜C14ァリ ール基)で置換されてもよい C7〜C16ァラルキル基である化合物が好ましぐ
さらに、 X—力 ハロゲン原子のァニオン、 OH―、 BF PF―、 HSO―、置換基を
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有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の Cl〜6ジアルキル硫酸ァニオン、置換基 を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の Cl〜6アルキルスルホン酸ァニオン、 置換基を有していてもよい C6〜: 14ァリールスルホン酸ァニオン、または置換基を有 していてもよい C7〜C16ァラルキルスルホン酸ァニオンである化合物が好ましい。
[0019] また、本発明の第二の実施態様は、
(i)式 (2) :
(2)
[0021] (式中、
および、 R
3は、前記と同じ意味を示し、 Y
2は、脱離基を示す) で表される軸不斉を有する光学活性なビスべンジルイヒ合物またはラセミのビスべンジ ル化合物;および、
(ii)式 (3) :
[0022] [化 6]
(3)
[0023] (式中、
R
2、 R
21および R3は、前記と同じ意味を示す。 )
で表されるラセミのァゼピン誘導体または光学活性なァゼピン誘導体に関する
[0024] 本発明の第三の実施態様は、式 (4):
[0025] [化 7]
[0026] (式中、
Raは、置換基を有していてもよい C6〜C14ァリール基、置換基を有していてもよい
C3〜C8ヘテロァリール基または置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキル基 を示し、 Rbは、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしく は環状の C1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよい C2〜8アルケニル基、置 換基を有してレ、てもよレ、C2〜C8アルキニル基、置換基を有してレ、てもよレ、C6〜C1 4ァリール基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルコキ シ基、または置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキル基を示し、また、 Rb同 士が結合して置換基を有してレ、てもよレ、C1〜6アルキレン基、置換基を有してレ、ても ょレ、C1〜6アルキレンモノォキキシ基、置換基を有してレ、てもよレ、C1〜6アルキレン ジォキシ基、または置換基を有していてもよい芳香環を形成してもよぐ mは 0または :!〜 3の整数を示し、 mが 2以上である場合、互いに異なる置換基であってもよい。 ) で表されるビフヱニル誘導体にアンモニアを反応させることを特徴とする下記式(5):
[0027] [化 8]
(5)
[0028] (式中、 Ra、 Rb、 mは、前記と同じ意味を示す。 )
で表されるァゼピン誘導体の製造方法である。このァゼピン誘導体は式(1)で示され る化合物の製造中間体として有用である。
[0029] 本発明の第四の実施態様は、
(i)式 (6) :
[0030] [化 9]
[0031] (式中、 Rcは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C
1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよい C2〜C8アルケニル基、置換基を有 してレ、てもよレ、C2〜C8アルキニル基、置換基を有してレ、てもよレ、C6〜C14ァリール 基、置換基を有していてもよい C3〜C8ヘテロァリール基、置換基を有していてもよ い直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルコキシ基、または置換基を有していてもよ レ、 C7〜C16ァラルキル基を示し、 Rdと Reは、それぞれ独立してハロゲン原子、ニト 口基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルキル基、置 換基を有してレ、てもよレ、C2〜8アルケニル基、置換基を有してレ、てもよレ、C2〜C8ァ ルキニル基、置換基を有していてもよい C6〜C14ァリール基、置換基を有していて もよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルコキシ基、置換基を有していてもよい C 3〜C8ヘテロァリール基、または置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキル基 を示し、また、 Rdは、 Rd同士で結合して置換基を有していてもよい Cl〜6アルキレン 基、置換基を有していてもよい Cl〜6アルキレンモノォキキシ基、または置換基を有 していてもよい Cl〜6アルキレンジォキシ基を形成してもよぐ nは 0または 1〜2の整 数を示し、 nが 2である場合、互いに異なる置換基であってもよい。 Y2は前記と同じ意 味を示す。 )
で表される光学活性なビスべンジル誘導体と、式(7):
[0032] [化 10]
[0033] (Rfはハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8 アルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルコキ シ基、置換基を有していてもよい C2〜C8アルケニル基、置換基を有していてもよい C2〜C8アルキニル基、置換基を有していてもよい C6〜C14ァリール基、置換基を 有してレ、てもよレ、C3〜C8ヘテロァリール基、または置換基を有してレ、てもよレ、C7〜 C16ァラルキル基を示し、 kは 0または 1〜4の整数を示し、 kが 2以上の場合、互いに 異なる置換基であってもよぐ Rf同士が結合して置換基を有していてもよい芳香環を
形成してもよい。 )
で表されるラセミのァゼピン誘導体とを、反応させることを特徴とする、式(8):
[0034] [化 11]
[0035] (式中、 Rc、: Rd、 Re、: Rf、 n、 k、 *および * *は、前記と同じ意味を示す。)
で表される光学活性 4級アンモニゥム塩ィヒ合物の製造方法、および
(ii)式(6)で表されるラセミのビスべンジル誘導体と式(7)で表される光学活性なァゼ ピン誘導体を反応させることを特徴とする反応させることを特徴とする式 (8)で表され る光学活性 4級アンモニゥム塩化合物の製造方法である。
[0036] 本発明の第五の実施態様は、式(9) :
[0037] [化 12]
[0038] (式中、 Rc、 Rdおよび nは前記と同じ意味を示す)
で表される光学活性なァゼピン誘導体と、下記式(10):
[0039] [化 13]
[0040] (Rf、 kおよび ΥΊま前 '記と同じ意味を示す)
で表されるラセミのビスべンジル誘導体とを、反応させることを特徴とする、下記式 (8
[0041] [化 14]
[0042] (式中、 Rc、: Rd、 Re、: Rf、 n、 k、 *および * *は、前記と同じ意味を示す)
で表される光学活性 4級アンモニゥム塩ィヒ合物の製造方法、および
(ii)式(9)で表されるラセミのビスべンジル誘導体と式(10)で表される光学活性なァ ゼピン誘導体を反応させることを特徴とする反応させることを特徴とする式 (8)で表さ れる光学活性 4級アンモニゥム塩化合物の製造方法である。
発明の効果
[0043] 本発明の光学活性 4級アンモニゥム塩化合物は、工業的に有利な方法で製造する ことができ、光学活性アミノ酸合成に優れた触媒効果を有する。
また、本発明の製造方法によれば、速度論分割により、工業的に有利に光学活性 4 級アンモニゥム塩化合物を製造することができる。 発明を実施するための最良の形態
[0044] 以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中のハロゲン原子の例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を 挙げることが出来る。
[0045] 置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルキル基の直鎖、 分岐もしくは環状の C1〜C8アルキル基の例として、メチル、ェチル、プロピル、イソ プロピル、ブチル、イソブチル、 sec—ブチル、 tert—ブチル、ペンチル、イソペンチル 、ネオペンチル、へキシル、イソへキシル、ヘプチル、イソへプチル、ォクチル、イソォ クチノレ、シクロプロピノレ、シクロブチノレ、 2—メチノレシクロプロピノレ、シクロプロピノレメチ ノレ、シクロペンチル、シクロへキシル等を挙げることが出来る。
[0046] 置換基を有してレ、てもよレ、C2〜8アルケニル基の C2〜8アルケニル基の例として、 ビニノレ、 1 プロぺニノレ、 2—プロぺニノレ、イソプロぺニノレ、 1 ブテニノレ、 2—ブテニ ノレ、 3 ブテニノレ、 1 ペンテ二ノレ、 2 ペンテ二ノレ、 3 ペンテ二ノレ、 4 ペンテ二ノレ 、 1 _メチル _ 2—ブテュル、 1 _メチル _ 3—ブテュル、 1, 1—ジメチル— 2 _プロ ぺニノレ、 3—メチノレ一 2 _ブテニノレ、 1 _へキセニノレ、 2_へキセニノレ、 3 _へキセニ ノレ、 4_へキセニノレ、 5 _へキセニノレ、 2—メチノレ _ 1 _ペンテ二ノレ、 3—メチノレ _ 1 _ ペンテュル、 4—メチルー 1 _ペンテニル、 2_メチル _ 2_ペンテニル、 3—メチル一
2 _ペンテニル、 2_ェチル _ 1—ブテュル、 3, 3—ジメチル _ 1—ブテュル、 1 _へ プテュル、 2 _ヘプテュル、 3 _ヘプテュル、 1—オタテュル、 2—オタテュル、 3—ォ クテュル、 4—オタテュル等を挙げることが出来る。
[0047] 置換基を有してレ、てもよレ、C2〜C8アルキニル基の C2〜C8アルキニル基の例とし て、ェチニノレ、 1 _プロピニノレ、 2 _プロピニノレ、 1 _ブチニノレ、 2 _ブチニノレ、 3 _ブ チニル、 1 ペンチニル、 2 ペンチュル、 3 ペンチュル、 4 ペンチュル、 4ーメチ ノレ一 1—ペンテニル、 1—へキシェル、 1—ォクチ二ル等を挙げることが出来る。
[0048] 置換基を有していてもよい C6〜C14ァリール基の C6〜C14ァリール基の例として 、フエ二ノレ、 1 ナフチノレ、 2 ナフチノレ、 1 アントリノレ、 2 アントリノレ、 9 アントリノレ 、 1 フエナントリノレ、 2 フエナントリノレ、 3 フエナントリノレ、 4 フエナントリル、 9ーフ ェナントリル、 10—フエナントリル等を挙げることが出来る。
[0049] 置換基を有してレ、てもよレヽ C3〜C8ヘテロァリ—ル基の C3〜C8ヘテロァリ—ル基 としては、同一または異なって N、〇、 S各原子の:!〜 4個を含む単環、多環または縮 合環であり、具体的 f列として、 2 ピリジノレ、 3 ピリジノレ、 4 ピリジノレ、 2 キノ二ノレ、
3 _キノ二ノレ、 4 _キノ二ノレ、 5 _キノ二ノレ、 6 _キノ二ノレ、 7 _キノ二ノレ、 8—キノニル、 2—インドリノレ、 3—インドリノレ、 4一インドリノレ、 5—インドリノレ、 6—インドリノレ、 7—イン ドリノレ、 2—フリノレ、 3—フリノレ、 2 _チェニル、 3 _チェニル、 2 _ピロリジル、 3 _ピロリ ジノレ、 2—イミタ"ソ^リノレ、 4一イミダゾリノレ、 5—イミダゾリノレ、 2—才キサソ^リノレ、 4一才キ サゾリル、 5—ォキサゾリル、 2 _チアゾリル、 4 _チアゾリル、 5 _チアゾリル等を挙げ ることが出来る。
[0050] 置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルコキシ基の直鎖
、分岐もしくは環状の C1〜C8アルコキシ基のアルキル部分は、前記アルキル基と同 義であり、具体的例として、メトキシ、エトキシ、プロボキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、 イソブトキシ、 sec—ブトキシ、 tert—ブトキシ、ペンチルォキシ、イソペンチルォキシ、 へキシルォキシ、ヘプチルォキシ、ォクチルォキシ、シクロプロボキシ、シクロブトキシ 、 2—メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルォキシ、シクロ へキシルォキシ等を挙げることが出来る。
[0051] 置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキル基の C7〜C16ァラルキル基の例と して、ベンジル、 1 _フエニルェチル、 2_フエニルェチル、 1 _メチル_ 1 _フェニル ェチル、 1 _ナフチルメチル、 2_ナフチルメチル等を挙げることが出来る。
[0052] X—の例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子のァニオン、〇H_、 BF PF―、 SCN―、 HSO―、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状
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の Cl〜6ジアルキル硫酸ァニオン、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環 状の Cl〜6アルキルスルホン酸ァニオン、置換基を有していてもよい C6〜14ァリー ルスルホン酸ァニオン、置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキルスルホン酸 ァニオン等のァニオンを挙げることができる。
[0053] ここで、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の Cl〜6ジアルキル硫 酸基および置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の Cl〜6アルキルス ルホン酸のアルキル部分は、前記アルキル基と同義であり、具体的には、ジメチル硫 酸およびメチルスルホン酸、ェチルスルホン酸、プロピルスルホン酸、ブチルスルホン 酸等を例示することができる。
[0054] 置換基を有していてもよい C6〜: 14ァリールスルホン酸基のァリール部分は、前記 ァリール基と同義であり、具体的には、フヱニルスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸、 ナフチルスルホン酸等を例示することができる。
[0055] 置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキルスルホン酸基のァラルキル部分は 、前記ァラルキル基と同義であり、具体的には、ベンジルスルホン酸、フヱネチルスル ホン酸等を例示することができる。
[0056] R5と R6が結合して形成される置換基を有していてもよい芳香環としては、ベンゼン 環、ナフタレン環等を挙げることが出来る。
[0057] 置換基を有していてもよい Cl〜6アルキレン基の Cl〜6アルキレン基とは、一(CH ) 一(式中、 nは 1〜6の整数を示す。)で表され、 R1と R21、または R2と R21が結合し
2 n
た化合物として、具体的に以下のような構造の化合物等を例示することができる。
[0058] [化 15]
(式中、 Gは置換基を示す。 )
[0059] 置換基を有していてもよい Cl〜6アルキレンモノォキキシ基の Cl〜6アルキレンモ ノォキキシ基としては、一〇(CH ) —または、一(CH ) O— (式中、 nは 1〜6の整
2 n 2 n
数を示す。)で表され、 R1と R21、または R2と R21が結合した化合物として具体的に以 下のような構造の化合物を例示することができる。
[0060] [化 16]
(式中、 Gは置換基を示す。 )
[0061] 置換基を有していてもよい Cl〜6アルキレンジォキキシ基の Cl〜6アルキレンジォ キキシ基としては、一〇(CH ) O— (式中、 nは 1〜6の整数を示す。)で表され、 R1と
2 n
R21、または R2と R21が結合した化合物として具体的に以下のような構造の化合物を 例示することができる。
[0062] [化 17]
(式中、 Gは置換基を示す。 )
[0063] また、脱離基は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい C1〜C8アルキルスル ホニルォキシ基、置換基を有していてもよい C6〜C14ァリールスルホニルォキシ基、 または置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキルスルホ二ルォキシ基等を示す ここで、置換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルキルスル ホニルォキシ基、置換基を有していてもよい C6〜C14ァリールスルホニルォキシ基 および置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキルスルホニルォキシ基における 、アルキル部分、ァリール部分およびァラルキル部分は、それぞれ前記アルキル、ァ リールおよびァラルキルの定義と同義である。
[0064] 置換基を有していてもよい基(C1〜C8アルキル基、 C2〜C8アルケニル基、 C2〜 C8ァノレキニノレ基、 C6〜C14ァリール基、 C3〜C8ヘテロァリール基、 C1〜C8ァノレ コキシ基、 C7〜C16ァラルキル基、 R5と R6が結合して形成される芳香環、 Cl〜6ァ ルキレン基、 Cl〜6アルキレンモノォキキシ基、 Cl〜6アルキレンジォキキシ基、 C1 〜6ジアルキル硫酸基、 Cl〜6アルキルスルホン酸基、 C6〜 14ァリールスルホン酸 基、 C7〜C16ァラルキルスルホン酸基、 C1〜C8アルキルスルホニルォキシ基、 C6 〜C14ァリールスルホニルォキシ基、 C7〜C16ァラルキルスルホニルォキシ基)およ び Gの置換基としては、同一または異なって置換数:!〜 6の置換基であって、 フッ素、塩素、臭素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;
メチノレ、ェチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、 sec—ブチル、 tert- ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、へキシル、イソへキシル、へプチノレ 、イソへプチル、ォクチル、イソォクチル、シクロプロピル、シクロブチル、 2—メチルシ
クロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル等の直鎖、分岐または環状の C1 〜C8アルキル基;
トリフロロメチル、テトラフロロェチル、ヘプタフロロイソプロピル等の直鎖、分岐また は環状の C1〜C5パーフロロアルキル基;
フエ二ノレ、 1一ナフチノレ、 2—ナフチノレ、 1一: rントリノレ、 2—: rントリノレ、 9一アントリノレ
、 1 _フエナントリノレ、 2_フエナントリル等の C6〜C14ァリール基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、 sec—ブトキ シ、 tert_ブトキシ、ペンチルォキシ、イソペンチルォキシ、へキシルォキシ、へプチ ノレォキシ、ォクチルォキシ、シクロプロボキシ、シクロブトキシ、 2—メチルシクロプロボ キシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルォキシ等の直鎖、分岐または環状の C1 〜C8アルコキシ基;
ベンジル、 2 _フエニルェチル、 1 _ナフチルメチル、 2_ナフチルメチル等の C7〜 C16ァラルキル基;
同一または異なって N、 0、 S各原子の:!〜 4個を含む単環、多環または縮合環であ り、具体的 f列として、 2 ピリジノレ、 3 ピリジノレ、 4 ピリジノレ、 2 キノ二ノレ、 3 キノ ニル、 4 キノニル、 5 キノニル、 6 キノニル、 7 キノニル、 8 キノニル、 2—イン ドリノレ、 3 インドリノレ、 4 インドリノレ、 5 インドリノレ、 6 インドリノレ、 7 インドリノレ、 2 フリル、 3 フリル、 2 チェニル、 3 チェニル、 2 ピロリジル、 3 ピロリジル、 2 イミダゾリル、 4 イミダゾリノレ、 5—イミダゾリノレ、 2—ォキサゾリル、 4 ォキサゾリノレ 、 5 ォキサゾリル、 2 チアゾリル、 4 チアゾリル、 5 チアゾリル等の C3〜C8へテ ロアリール基等を挙げることができる。
[0065] 前記式(1)で表される化合物(1)の製造中間体として有用な前記式 (2)で表される 軸不斉を有するラセミのビスべンジルイ匕合物として、下記式(2a)で表される化合物が 挙げられ、光学活性なビスべンジルイ匕合物として、下記式(2b)で表される化合物が 挙げられる。
[0066] [化 18]
[0067] 式中、
R1は前記と同じ意味を示し、
R2aおよび R21aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖 、分岐もしくは環状の C1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよい C2〜C8アル ケニル基、置換基を有していてもよい C2〜C8アルキニル基、置換基を有していても ょレヽ C6〜C14ァリーノレ基、置換基を有していてもよい C3〜C8ヘテロァリール基、置 換基を有していてもよい直鎖、分岐もしくは環状の C1〜C8アルコキシ基、または置 換基を有してレ、てもよレ、C7〜C16ァラルキル基を示し、
R31は、置換基を有していてもよい C6〜C14ァリール基、置換基を有していてもよ い C3〜C8ヘテロァリール基、または置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキ ル基を示し、
Y1は、脱離基を示し、好ましくは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい C1〜C 8アルキルスルホニルォキシ基、置換基を有していてもよい C6〜C14ァリールスルホ ニルォキシ基、または置換基を有していてもよい C7〜C16ァラルキルスルホニルォ キシ基を示す。
[0068] [化 19]
[0069]
Y
1および *は、前記と同じ意味を示す。
[0070] 前記式(1)で表される化合物(1)の製造中間体として有用な前記式(3)で表される
ラセミのァゼピン誘導体として、下記式(3a)で表される化合物が挙げられ、光学活性 なァゼピン誘導体として、下記式(3b)で表される化合物が挙げられる。
[化 20]
[0072] 式中、 R\ R2、 R2Iおよび ITは、前記と同じ意味を示す。
[0073] [化 21] 丫
し
R
[0074] 式中、 R\ R2、 R21、 Rおよび *は、前記と同じ意味を示す。
[0075] 前記式(1)と下記式(1 ' )で表される光学活性 (鏡像関係にある軸不斉化合物の一 方が他方に対して過剰)な 4級アンモニゥム塩化合物は、光学活性な軸不斉ビフエ二 ル基と光学活性な軸不斉ビナフチル基、あるいは、光学活性な 2種類の軸不斉ビフ ェニル基によって構成されるために、該化合物は、軸不斉の光学活性を示す記号に 従えば、 4種類の異性体 S, S _体、 R, R_体、 S, R_体、 R, S _体が存在し、これ らのレ、ずれもが本発明に含まれる。
[0076] 本発明の 4級アンモニゥム塩化合物(1 ' )は、例えば、以下のいずれかの方法で製 造すること力 Sできる。
( ラセミのビスべンジルイ匕合物(2a' )と光学活性ァゼピン誘導体(5b)を反応させる
[0078] (ii)光学活性ビスべンジル化合物(2b ' )とラセミのァゼピン誘導体(5a)を反応させる
(2b ' );光学活性体 + (5a);ラセミ体→(1 ' ) + (5b);光学活性体
(iii)ラセミのァゼピン誘導体(3a)と光学活性ビフエ二ル誘導体 (4b)を反応させる。
[化 23]
(3a) ;ラセミ体 (4b) ;光学活性体
[0080] (iv)光学活性ァゼピン誘導体(3b)とラセミのビフエニル誘導体 (4a)を反応させる。
(3b);光学活性体 + (4a);ラセミ体→(1 ' ) + (4b);光学活性体
[0081] 本発明の前記の製造方法 (i)〜(iv)のいずれにおいても、光学活性原料同士を反 応させれば、得られる 4級アンモニゥム塩ィヒ合物の 2つの不斉軸はいずれも光学活 性となるが、一方が光学活性で他方がラセミ体の原料であっても反応する際には、速 度論分割によって、前者は後者の一方のェナンチォマーと優先して反応し、この場 合にも得られる 4級アンモニゥム塩ィヒ合物の 2つの不斉軸はいずれも光学活性となつ て製造される。このため製造に関与しなかった後者のェナンチォマ一は光学活性体 として回収される。よって、本法の製造においては、いずれか一方の原料は光学活 性を有していなくても、 2つの不斉軸がいずれも光学活性な 4級アンモニゥム塩ィ匕合 物を容易に得ることができるため、工業的に有利な方法である。
[0082] 本反応におけるラセミ体は、光学活性体に対して、 1. 0〜: 10倍モル使用することが でき、特に工業的には 1. 5〜3. 0倍モル使用することが好ましい。
[0083] 本反応は、溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、
反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、へキサン、ヘプタ ン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、 1 , 2—ジクロ ロェタン、クロ口ホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等 のアルコール類、ァセトニトリル、プロピオンニトリル等の二トリル系溶媒、ジェチルェ 一テル、ジォキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、 N, N—ジメチルホルム アミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水およびこれらの溶媒を二 つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
[0084] 塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸力リウ ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリェチルァミン、 N, N ジメチルァニリン、 4—ジメチルァミノピリジン、 N メチルピロリジン、 N メチ ノレモノレホリン、 1 , 8—ジァザビシクロ(5. 4. 0)ゥンデ力 _ 7—ェン等の有機塩基等が 挙げられる。用いられる塩基の使用量は、光学活性ビナフチル誘導体または光学活 性ビフエニル誘導体に対し、通常:!〜 10倍モル、好ましくは 1〜3倍モルである。
[0085] 本反応の温度は、 78°C〜200°Cの範囲で、好適には 20°C〜100°Cの範囲で ある。反応時間は、反応試剤の量および温度等により異なる力 30分〜 100時間の 範囲である。
[0086] 製造中間体であるビスべンジルイ匕合物(2a' )、(2b' )とビフエニル誘導体 (4a)、 (4 b) iま、特開 2003— 327566、特開 2004— 359578等【こ記載の方法 ίこ従って、対 応する原料力 製造することができる。
[0087] 一方、製造中間体のァゼピン誘導体(3a)、 (3b)、(5a)、(5b)は、下記に記述する ところに従い、製造することができる。
[0088] 即ち、特開 2004— 359578を参考に公知物質力も製造されるビスァニリン類(12) をハロゲン化し、得られる 3, 3'—ジハロゲノ _ 2, 2' _ジァニリン類(13)を、特開 20 01—48866等に記載の Suzukiカップリングの条件下 i. Organomet. Chem. (1 999年)、 576、 147参照)、に反応させて 3, 3 '—ジ置換 _ 2, 2'—ジァ二リン類(14 )を得る。
(式中、 x
1はハロゲン原子を示し、
R
2 R
21および R
3は、前記と同じ意味を示す。
)
[0090] ハロゲン化試薬の例としては、 N ブロモコハク酸イミド(NBS)、 N—クロロコハク酸 イミド(NCS)、 N—ヨウドコハク酸イミド(NIS)、臭素、塩素、ヨウ素等を挙げること力 S できる。ここで使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定され ず、例えばペンタン、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水 素系溶媒、ジクロロメタン、 1 2—ジクロロェタン、クロロホノレム、四塩化炭素等のハロ ゲン系溶媒、メタノーノレ、エタノール等のアルコール類、これらの溶媒を二つ以上混 合した混合溶媒系が挙げられる。反応は、室温から溶媒の沸点まで適宜な温度で行 うことができる。
[0091] 次に、 3, 3 ジ置換— 2, 2' _ジァニリン類(14)のアミノ基を亜硝酸塩の使用に よりハロゲン原子に変換し 3 3 ジ置換— 2 2 ジハロゲン体(15)とし、これを一 酸化炭素— Pd触媒で処理すれば 3, 3' _ジ置換— 2, 2' _ジエステル体(16)が得 られる。
[0092] 亜硝酸塩によるアミノ基のハロゲン原子への変換は、特開 2004— 359578に記載 の方法を参考に、 3, 3'—ジ置換 2, 2'—ジハロゲン体(15)の 3, 3'—ジ置換 2 , 2,ージエステル体(16)への変換は、 Synlett, (1998年) 2 183の方法を参考に して行うことができる。
[0093] [化 25]
(14) (15) (16)
(式中、 x2はハロゲン原子を示し、 R2 R21および ITは、前記と同じ意味を示す。
)
[0094] また、既知化合物あるいは公知の方法で誘導可能なビフヱ二ルー 2, 2'ージエステ ル体(14' )を前記に準じた方法で、ハロゲン化'鈴木カップリング反応をおこなって、 3, 3,一ジハロゲノビフエニル _ 2, 2 '—ジエステル体(15' )を経由し、 3, 3 '—ジ置 換一 2, 2 '—ジエステル体(16)を得ることもできる。
[0095] [化 26]
(14') (15') (16)
(式中、 X
1、
R
2、 R
21および R
3は、前記と同じ意味を示す。 )
[0096] 3, 3 '—ジ置換一 2, 2 '—ジエステル体(16)を日本化学会編第 4版実験化学講座
20卷、 10〜: 141頁(丸善)に記載の方法によって還元すれば、 3, 3 '—ジ置換— 2,
2' _ビスヒドロキシメチル体(17)を得ることができる。
[0097] [化 27]
(16) (17)
(式中、
R
2、 R
21、および R
3は、前記と同じ意味を示す。 )
[0098] 次いで、 3, 3 '—ジ置換一 2, 2'—ビスヒドロキシメチル体(17)の水酸基を日本化 学会編第 4版実験化学講座 19卷、 438〜445頁 (丸善)に記載の方法を参考に、ハ ロゲン原子等の脱離基に変換し、ビスべンジル化合物(2a' )を得る。
(IT) c
[0100] (式中、 Y
2は脱離基を示し、
R
2 R
21および R
3は、前記と同じ意味を示す。 )
ここで、上記 Y2における脱離基としては、ハロゲン原子、 p—トルエンスルホニルォ キシ、メタンスルホニルォキシ等が挙げられる。
[0101] 一方、 3, 3 '—ジ置換 2, 2'—ジハロゲン体(15)は、文献ひ. Mol. Catal. , 19 90, 60, 343)に準じた方法で、 3, 3 '—ジ置換 2, 2'—ジメチル体(17' )に変換 でき、 (17' )を一般的なハロゲンィ匕条件に付すことによってビスべンジノレ化合物(2a' )を得ることもできる。
[0102] [化 29]
(式中、
R
3、および ΥΊま、前記と同じ意味を示す。 )
[0103] さらに、例えば、文献ひ. Chem. Soc. , 1950, 711)等を参考に合成可能な 6, 6 ,ージアルコキシ ジメチルビフエニル誘導体(14' ' )に、前記に準じた方法 で、ハロゲン化'鈴木カップリング反応をおこなって、 6, 6 'ージアルコキシ 3, 3' ジ置換 2, 2 '—ジメチル体(17' ' )を得て、 (17' ' )は(17' )と同様の処理で(2a' ) に対応するビスべンジル化合物(2a' ' )に誘導できる。
[0104] [化 30]
[0105] (式中、 R
aleは、アルコキシ基を示し、 R
2、 R
3、 R
21、および、 Y
2は、前記と同じ意味を 示す。)
[0106] また、ジォーノレ類(18)力ら、文献ひ. Am. Chem. Soc. , 121 , 6519 (1999) . ) に従って、ビフエニル誘導体類 (4a)を得ることができる。
[0107] [化 31]
[0108] (式中、 R4、 R5、 R6および Y2は、前記と同じ意味を示す。 )
[0109] 前記のビスべンジル化合物(2a' )およびビフエニル誘導体類(4a)の合成法は、こ れらに対応する光学活性化合物(2b' )および (4b)にも、適用できる。
[0110] これらのビフエ二ル類にアンモニアを反応させることによって、ァゼピン誘導体(3a) 、(3b)、(5a)、または(5b)を製造することができる。
[0111] [化 32]
》 is
[0112] (式中、
R
2、 R
21、 R
3、 R
4、 R
5、 R
6、 Xおよび X
3は、前記と同じ意味を示し、( * )と
( * * )はそれぞれィ匕合物番号に bがっく場合に光学活性であることを示す。 )
[0113] 本反応は、ビフヱニル類とアンモニアのそれぞれの溶媒溶液同士、あるいは、いず れか一方を直接他方の溶媒溶液に作用させて、行うことができる。
使用される溶媒は、ビフヱニル類とアンモニアに反応しなければ特に制限はないが 、例えばペンタン、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素 系溶媒、ジクロロメタン、 1, 2—ジクロロェタン、クロロホノレム、四塩化炭素等のハロゲ ン系溶媒、メタノーノレ、エタノール等のアルコール類、ァセトニトリル、プロピオンニトリ ル等の二トリル系溶媒、ジェチルエーテル、ジォキサン、テトラヒドロフラン等のエーテ ル系溶媒、 N, N—ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性 溶媒、水、およびこれらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。また、 アンモニアを溶解させる溶媒もアンモニアと反応しなければ特に制限はなレ、。例えば ペンタン、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、 ジクロロメタン、 1 , 2—ジクロロェタン、クロロホノレム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒 、メタノーノレ、エタノール等のアルコール類、ァセトニトリル、プロピオンニトリル等の二 トリル系溶媒、ジェチルエーテル、ジォキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶 媒、 N, N—ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、 水、およびこれらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
[0114] 反応は方法に特に制限はなレ、が、例えば、アンモニアを気体または液体で直接ビ フエニル類の溶液中に加える力、アンモニアの前記溶媒溶液をビフヱニル類の溶液 に滴下することによって、行うこと力 Sできる。
溶媒とビフヱニル類の混合比率には特に制限はなレ、が、 1: 1〜: 100 : 1 (体積:重量 )で、適宜に設定できる。アンモニアも同様に任意の濃度で使用可能である。
ビフエニル類とアンモニアのモル比は、 1 : 0· 2から 1 : 10、好ましくは 1 : 1〜: 1 : 5で ある。
反応温度は、 _ 70°C〜溶媒の沸点まで、好ましくは _ 20°C〜40°Cである。
[0115] 反応後、未反応アンモニアを留去させたのち、必要に応じて、抽出、洗浄、蒸留、 カラムクロマトグラフィー、乾燥、再結晶等、公知慣用の方法により、ァゼピン誘導体 類を分離精製することができる。
[0116] 光学活性 4級アンモニゥム塩ィ匕合物(1)の製造は以下のように、一般的な N_ベン ジノレ化反応条件に従って行うことができる。
(a)光学活性ビスべンジル化合物(2b' )と光学活性ァゼピン誘導体(5b)を反応させ
る。または、
(b)光学活性ビフエニル誘導体 (4b)と光学活性ァゼピン誘導体(3b)を反応させる。
[0117] また、光学活性 4級アンモニゥム塩化合物(1)の製造は速度論分割法によっても行 うことができる。すなわち、以下のように、ラセミ基質と光学活性基質とを反応させるこ とで実施できる。
( ラセミのビスべンジルイ匕合物(2a' )と光学活性ァゼピン誘導体(5b)を反応させる
(ii)光学活性ビスべンジル化合物(2b ' )とラセミのァゼピン誘導体(5a)を反応させる
(iii)ラセミのァゼピン誘導体(3a)と光学活性ビフエ二ル誘導体 (4b)を反応させる。ま たは、
(iv)光学活性ァゼピン誘導体(3b)とラセミのビフエニル誘導体 (4a)を反応させる。
[0118] 前記の 2種類の基質の反応は、適当な溶媒中、塩基の存在下に、容易に実施する こと力 Sできる。
[0119] ここで、溶媒は、反応に関与しなければその種類にかかわらず使用できる。例えば 、ペンタン、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、 ジクロロメタン、 1 , 2—ジクロロェタン、クロロホノレム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒 、メタノーノレ、エタノール等のアルコール類、ァセトニトリル、プロピオンニトリル等の二 トリル系溶媒、ジェチルエーテル、ジォキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶 媒、 N, N—ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、 およびこれらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられるが、本反応は相間 移動反応条件においても実施可能であるので前記の溶媒中で水に不溶な溶媒と水 を組み合わせた溶媒系も使用できる。
[0120] 使用され得る塩基は、一般の無機塩基が使用可能であるが、より好ましくは、水酸 化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、および、炭酸カリウムが挙げられる。
[0121] 反応は溶媒中あるいは溶媒系中攪拌して、塩基存在下に、溶媒または溶媒系の凝 固点から沸点までの間で実施できる。反応温度は、好ましくは _ 20°C〜80°Cである 。反応時間は反応温度により、適宜に調整できるが、 30分から 12時間で終了させる
こと力 Sできる。
[0122] この際、上記反応溶媒容積は、 2種類の基質の合計重量に対して、容積 (mL) / 重量(g)比で、好ましくは 1倍〜 100倍、より好ましくは 5倍〜 50倍である。
[0123] 前記の 2種類の基質の仕込みモル比は、一般的な N—ベンジル化反応条件の場 合には、好ましくは 1 : 1であるが、入手しやすい基質を適宜増やしたほうが、より好ま しい結果が得られる。速度論分割法による場合には、好ましくは、光学活性体:ラセミ 体が 1: 2〜: 1: 5であり、より好ましくは 1: 2〜: 1: 3である。
[0124] 塩基は、一般的な N—ベンジル化反応条件の場合には、反応系中に存在する脱 離基 Y2に対して、好ましくは 1当量〜 6当量、より好ましくは 1当量〜 3当量用いれば よぐ速度論分割法による場合には、ァゼピン誘導体が光学活性体ならば反応系中 に存在する脱離基 Y2に対して、好ましくは 1当量〜 6当量、より好ましくは 1当量〜 3 当量であり、ァゼピン誘導体がラセミ体ならば、反応系中に存在する脱離基 Y2に対し て、好ましくは 0当量〜 4当量、より好ましくは 0当量〜 1当量である。
[0125] このようにして製造される、化合物(1)は、 α—アミノ酸誘導体の不斉アルキル化に おいて相間移動触媒として使用された場合、高い光学純度を有する反応生成物を 与えることができる。
[0126] 以下、実施例と参考例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的 範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
実施例 1
[0127] 2' , 2,, _ビス(ブロモメチル)一 3, 4, 5, 3,,,, 4,,,, 5,,, _へキサフルオロー 4 ,, 5,, 4,,, 5,,一テトラメチル一(1, 1,;3,, 3" ; 1 " , 1,,,)クァテルフエニル(22 )の製造
[0128] [化 33]
(20) (21) (22)
[0129] 化合物(20) (156mg, 0. 27mmol)を THF (5mU溶媒に溶かし、 0°Cに冷やした 後、 LiAlH (31mg, 0. 81mmol)を加えた。混合物をゆっくりと室温まで昇温させた
4
後、更に 5時間撹拌を行った。その後、反応溶液を氷水に注ぐことにより反応を終了 させ、更に抽出 ·乾燥 ·濃縮操作を行うことによりアルコール体(21)を得た。アルコー ル体(21)をこれ以上の精製操作を行うことなぐ CH CI (5mL)に溶解させ、 PBr (
2 2 3
0. 26mL, 0. 6mmol)を 0°Cにて滴下した。反応溶液を室温にて 2時間撹拌した後 氷水に注ぎ、反応を終了させ、更に塩化メチレンを用いて抽出し、乾燥'濃縮を経た 後、カラムクロマトグラフィー(酢酸ェチル:へキサン = 1: 10)にて精製を行い、化合 物(22)を得た(137mg, 0. 21mmol,収率 77%)。
XH NMR (300MHz, CDCl )、 δ 7. 15 (2H, d, J = 6. 6Hz, ArH) , 7. 12 (2
3
H, d, J = 6. 6Hz, ArH) , 7. 09 (2H, s, ArH) , 4. 03 (4H, d, J = 2. 4Hz, ArC H ) , 2. 37 (6H, s, ArCH ), 1. 97 (6H, s, ArCH )
2 3 3
実施例 2
[0130] 1 , 2, 10, 11—テトラメチノレ _4, 8_ビス(3, 4, 5_トリフノレ才ロフエ二ノレ) _ 6, 7 ージヒドロー 5H—ジベンゾ(c, e)ァゼピンの製造
[0131] [化 34]
(22) (23)
[0132] 化合物(22) (65mg, 0. lmmol)と 25%アンモニア水 0· 2mLをァセトニトリル溶 媒中、室温にて 24時間撹拌を行った。反応終了後、抽出 ·乾燥 '濃縮を経た後カラ ムクロマトグラフィー(メタノール:塩化メチレン = 1:10)にて精製を行い、化合物(23 )を得た(51mg, 0. lmmol,収率 100%)。
XH NMR(300MHZ, CD〇D)、 δ 7. 31 (2H, s, ArH), 7. 24(2H, d, J = 6.
3
6Hz, ArH), 7.21 (2H, d, J = 6.6Hz, ArH), 4.14 (2H, d, J=13.8Hz, Ar CH ), 3.46 (2H, d, J=13.8Hz, ArCH ), 2.43 (6H, s, ArCH ), 2.09(6
2 2 3
H, s, ArCH )
3
実施例 3
[0133] 光学活性 4級アンモニゥム塩化合物(26) (ホモ)の製造
[0134] [化 35]
(S)-(24) (25) (S,S)-(26)
炭酸カリウム(140mg)存在下、ァセトニトリル溶媒中、キラルな二級アミン(24) (56 mg)と該ァミンに対して 2. 1等量のラセミのジブ口モメチルビフエニル(25) (80mg)と を室温にて 12時間撹拌を行った。反応終了後、抽出'カラムクロマトグラフィー (塩化 メチレン:メタノール =10:1)にて精製を行レ、、光学的に純粋な(S, S)—(26)を得 た(74mg,収率 85%)。
[ひ] 22 = + 25.6° (cl.0, CHC1 )
D 3
XH NMR(300MHZ, CDCl )、 δ 8.21 (2H, s, ArH) , 8.08 (2H, d, J = 8.4
3
Hz, ArH), 7.205-7.60 (8H, m, ArH), 7.09 (2H, d, J = 8.7Hz, ArH), 6 .71 (2H, d, J=7.8Hz, ArH), 6.02 (2H, d, J = 7.8Hz, ArH), 4.71 (2H, d, J=13.8Hz, ArCH ), 4.50 (2H, d, J=14.1Hz, ArCH ), 4.04 (2H, d,
2 2
J=13.5Hz, ArCH ), 3.49 (2H, d, J=13.2Hz, ArCH ), 2.30 (6H, s, Ar
2 2
CH ), 1.88 (6H, s, ArCH )
実施例 4
[0136] 光学活性 4級アンモニゥム塩化合物(29) (ホモ)の製造
[0137] [化 36]
[0138] 実施例 1と同様の方法で、炭酸カリウム(140mg)存在下、ァセトニトリル溶媒中、キ ラルな二級アミン(27) (56mg)と、該ァミンに対して 2.1等量のラセミのジブ口モメチ ルビフエニル(28) (80mg)とを室温にて 12時間撹拌を行った。反応終了後、抽出. カラムクロマトグラフィー(塩ィ匕メチレン:メタノール =10:1)にて精製を行い、光学的 に純粋な (R, R)—(29)を得た(82mg,収率 94%)。
[α] 23=— 120.2° (cl.0, CHC1 )
D 3
XH NMR (300MHz, CDCl )、 δ 7.92 (2H, d, J = 8.4Hz, ArH) , 7.20— 7
3
.57(12H, m, ArH), 7.11 (2H, d, J = 8.4Hz, ArH), 6.32(2H, d, J = 8.7 Hz, ArH), 4.55 (2H, d, J=13.8Hz, ArCH ), 4.47 (4H, d, J=14.1Hz,
2
ArCH ), 4. 18 (2H, d, J=14.1Hz, ArCH ), 3.61 (2H, d, J=12.9Hz, Ar
2 2
CH ), 2.45 (6H, s, ArCH ), 2.05 (6H, s, ArCH )
2 3 3
実施例 5
[0139] 光学活性 4級アンモニゥム塩化合物 (45)の製造
[0140] [化 37]
(40) (41)
[0141] ィ匕合物(40) (1. 97g, 4. 37mmol)と N—ブロモスクシンイミド(2. 33g, 13. lmm ol)をクロ口ホルム(20mL)溶媒中、室温にて 12時間反応させた。反応終了後、酢酸 ェチルを用いて抽出し、乾燥'濃縮を経た後、カラムクロマトグラフィーにて精製を行 レ、、 (酢酸ェチル:へキサン = 1: 3)化合物(41)を得た(収率 94%)。
XH NMR (300 MHZ, CDCI )、 δ 3. 96 (6H, s, ArCO CH ) , 3. 94 (6H, s,
3 2 3
ArOCH ), 3. 79 (6H, s, ArOCH ), 3. 94 (6H, s, ArOCH )
3 3 3
[0142] 化合物(41)から (45)は、参考例 7、実施例 1および実施例 4の方法に従い合成し た。
[0143] [化 38]
XH NMR (300MHZ, CDCI ) , 5 6. 90— 6. 95 (4H, m, ArH) , 3. 98 (6H, s
3
ArCO CH ) , 3. 85 (6H, s, ArOCH ) , 3. 70 (6H, s, ArOCH ) , 3. 27 (6H,
2 3 3 3
ArOCH )
[0145] 化合物(44) (ィ匕合物(42)からの収率 81%)
XH NMR (300MHZ, CDCl ), 56.95— 7.15 (4H, m, ArH) , 3.90—4.00
3
(4H, m, ArCH O—), 3.95 (6H, s, ArOCH ), 3.87 (6H, s, ArOCH ), 3.
2 3 3
73 (6H, s, ArOCH )
3
化合物(45) (収率 83%)
[α] 22=— 89.55° (c 0.22, CHC1 )
D 3
XH NMR (300MHz, CDCl ), δ 6.75— 8.00 (12H, m, ArH) , 6.47 (4H,
3
d, J = 8.4Hz, ArH), 4.65 (2H, d, J=14.1Hz, ArCH ), 4.44 (2H, d, J=l
2
2.6Hz, ArCH ), 4.40 (2H, d, J=13.5Hz, ArCH ), 4.11 (6H, s, ArOCH
2 2
), 3.91 (6H, s, ArOCH ), 3.75 (6H, s, ArOCH ), 3.61 (2H, d, J=13.8
3 3 3
Hz, ArCH )
2
実施例 6
[0146] [化 39]
[0147] ァミン(61)の製造
ィ匕合物(60) (30mg, 0.043mmol)をァセトニトリノレ 2mLに溶力、し、 25%アンモニ ァ水溶液を 0. 1-0.2ml滴下する。反応混合物を室温にて 48時間攪拌した後、濃 縮して溶媒を除去し、酢酸ェチルにて抽出する。乾燥 ·濃縮を行なったのち、カラムク 口マトグラフィー(塩化メチレン:メタノール = 15: 1)にて精製を行い、 目的物(61)を 得た。 (20mg、 0.036 mmol, 84%)
[0148] 上記実施例を含め、本発明化合物を表 1〜表 4に記載する。
[0149] [表 1]
光??舌 ΪΪ4級アンモニゥム塩( 1〕
SU〔^〕5311
〔〕〔^〕01502
〕〔〕〔
表 1 « き) 〕 〔〕〔
〔〕¾〕05146
挲
T60l70C/900Zdf/X3d 6S 69 60/900Z OAV
[0156] 参考例 1
光学活性 4級アンモニゥム塩化合物(29)を用いた a アミノ酸の不斉合成
0°Cにて、トルエン(2ml)溶媒中、 tert ブチル(ベンズヒドリリデンァミノ)酢酸(74 mg)、光学活性 4級アンモニゥム塩化合物(R, R) (29) (2. Omg)およびべンジル ブロミド(36ul)をカロえた。この溶液に、攪拌しながら 50%K〇H水溶液 0. 5mlを滴下 した。反応溶液を 0°Cにて、 8時間攪拌した後、水、エーテルを加え抽出した。反応生 成物は、カラムクロマトグラフィー(へキサン:エーテル = 15 : 1)により精製を行レヽ目的 の tert ブチル 2_ (ベンズヒドリリデンァミノ)_ 3—フエニルプロピオン酸を得た。 (収 率 95%)
更に、 HPLC分析(ダイセル CHIRALCEL 〇D、へキサン:イソプロピルアルコー ル = 100 : 1)により光学純度を決定した(不斉収率 97%ee)。
[0157] 参考例 2
光学活性 4級アンモニゥム塩化合物 (45)を用いたひ—アミノ酸の不斉合成
式 (45)の触媒を用いて上記参考例 1と同様の反応を試みたところ、収率 96%、不 斉収率 94%eeで対応するアルキルィ匕体を得ることが出来た。
[0158] 参考例 3
光学活性 4級アンモニゥム塩化合物 (46)を用いた a アミノ酸の不斉合成
化合物(46)の触媒を用いて上記参考例 1と同様の反応を試みたところ、収率 100
%、不斉収率 98%eeで対応するアルキル化体を得ることが出来た。
[0159] 参考例 4
2, 3, 2' , 3,ーテトラメチルー 6, 6,ージニトロビフエ二ル(34)の製造
[0160] [化 40]
[0161] 2 ョードー 3, 4 ジメチル一 1—ニトロベンゼン(5· 5g, 20mmol)と、銅粉末(10 g, 155mmol)を DMF (20mL)溶媒中、 150°Cで、 48時間カロ熱した。反応終了後、 濾過により銅粉を除去した後、酢酸ェチルを用いて抽出し、乾燥'濃縮を経た後、力 ラムクロマトグラフィー(酢酸ェチル:へキサン = 1 : 10)にて精製を行い、 2, 3, 2' , 3 ,一テトラメチル 6, 6,一ジニトロビフエ二ル(34)を得た。 (2· 9g, 0. 96mmol,収 率 96%)
XH NMR (300MHZ, CDCl ) , δ 7. 91 (2H, d, J = 8. 4Hz, ArCH) , 7. 34 (
3
2H, d, J = 8. 4Hz, ArCH) , 2. 40 (6H, s, ArCH ), 1. 84 (6H, s, ArCH )
3 3
[0162] 参考例 5
5, 6, 5 ' , 6 ' テトラメチルビフエニル一 2, 2,一ジァミン(35)の製造
[0163] [化 41]
化合物(34) (3· Og, lOmmol)と 10%Pd/C (500mg, 5mol%)をメタノール(50 mL)溶媒中、水素雰囲気下 12時間撹拌を行った。反応終了後、濾過により固形物 を除去した後、カラムクロマトグラフィー(酢酸ェチル:へキサン = 1: 5)にて精製を行 レ、、 5, 6, 5 ', 6 ' テトラメチルビフエニル一 2, 2,一ジァミン(35)を得た。 (2. 4g, 1
Ommol,収率 100%)
XH NMR (300MHZ, CDCl )、 δ 6.97 (2H, d, J = 8.1Hz, ArH), 6.58 (2H
3
, d, J = 8.4Hz, ArH) , 3.25 (4H, br, NH ) , 2.21 (6H, s, ArCH ) , 1.86 (6
2 3
H, s, ArCH )
3
[0165] 参考例 6
3, 3'_ジブロモ _5, 6, 5', 6,一テトラメチルビフエニル _2, 2,一ジァミン(36) の製造
[0166] [化 42]
[0167] 化合物(35) (2.75g, 11.5mmol)をイソプロピルアルコール(20mL)に溶解させ た後、 NBS(4.45g, 25mmol)を 60°Cにて加えた。反応混合物を還流下 1時間撹 拌させたのち氷水に注ぎ反応を終了させた。得られた懸濁液を酢酸ェチルにて抽出 し、乾燥'濃縮を経た後、カラムクロマトグラフィー(酢酸ェチル:へキサン =1: 10)に て精製を行い、 3, 3'—ジブロモ一 5, 6, 5', 6'—テトラメチルビフエニル一 2, 2' - ジァミン(36)を得た。 (2.98g, 7.48mmol,収率 65%)
XH NMR(300MHZ, CDCl )、 δ7.27 (2H, s, ArH), 3.71 (4H, br, NH )
3 2
, 2.21 (6H, s, ArCH ), 1.80 (6H, s, ArCH )
3 3
[0168] 参考例 7
3, 4, 5, 3"', 4"', 5"'—へキサフルオロー 4,, 5', 4", 5"—テトラメチル一 (1, 1,;3,, 3" ;1", 1,,,)クァテルフエニル一 2,, 2,,一ジァミン(37)
[0169] [化 43]
[0170] ィ匕合物(36) (1.5g, 3.77mmol)、 3, 4, 5 _トリフノレ才ロフエ二ノレホウ酸(1.5g, 9. Ommol) Pd (OAc) (42mg, 5mol%)、PPh (99mg, 10mol%) Ba(〇H) ·
2 3 2
8H 0(3.78g, 12. Ommol)を DME— H〇(10mL, 9:lv/v)溶媒中、アルゴン
2 2
雰囲気下、 100°Cにて 12時間撹拌を行った。反応終了後、得られてくる反応混合物 を飽和 NH C1溶液に注いだ後、セライト濾過にて触媒を除去した。更に、この溶液を
4
酢酸ェチルにて抽出し、乾燥'濃縮を経た後、カラムクロマトグラフィー(酢酸ェチル: へキサン =1:10)にて精製を行い、化合物(37)を得た。 (1.63g, 3.21mmol,収 率 85%)
XH NMR (300MHZ, CDCl ), δ 7.15(2H, d, J = 6.6Hz, ArH) , 7. 12(2
3
H, d, J = 6.6Hz, ArH), 6.92 (2H, s, ArH), 3.46 (4H, br, NH ), 2.26(6
2
H, s, ArCH ), 1.92 (6H, s, ArCH )
3 3
[0171] 参考例 8
2,, 2,,一ジョード一 3, 4, 5, 3,,,, 4,,,, 5,,,一へキサフルォロ一 4,, 5', 4" , 5,,ーテトラメチルー(1, 1,;3,, 3,,;1,,, 1',')クァテルフエニル(38)の製造 [0172] [化 44]
[0173] ィ匕合物(37) (760mg, 1.52mmol)を 6M HCl(20mL)に溶かし 0。Cに冷却した 。この溶液に NaN〇 (315mg, 4.56mmol)の水溶液を 5分かけゆっくり滴下した。
2
さらに同温度にて KI(1.51g, 9.12mmol)の水溶液を滴下し、滴下終了後反応温 度を 80°Cまで昇温した。反応混合物を同温度にて更に 2時間撹拌した後、氷水で冷 やし亜硫酸ナトリウムを添加することにより反応を終了させた。得られた混合物をジェ チルエーテルで抽出し、乾燥'濃縮を経た後、カラムクロマトグラフィー(酢酸ェチル: へキサン =1:10)にて精製を行い、化合物(38)を得た。 (1.03g, 1.43mmol,収 率 94%)
XH NMR (300MHZ, CDCl )、 δ 7.09 (2H, s, ArH) , 6.99 (2H, d, J = 7.2
3
Hz, ArH), 6.97 (2H, d, J = 6.6Hz, ArH), 2.33 (6H, s, ArCH ) , 1.99(6 H, s, ArCH )
3
[0174] 参考例 9
3, 4, 5, 3"', 4 5' ' '—へキサフルオロー 4,, 5', 4", 5"—テトラメチル一
(1, 1,;3,, 3" ;1 L,,,)クァテルフエニル一 2,, 2',—ジカルボン酸ジメチノレ(2
0)の製造
[0175] [化 45]
化合物(38) (361mg, 0.5mmol)、 Pd(OAc) (5, 6mg, 5mol%)、 1, 3—ビス(
2
ジフエニルホスフイノ)プロパン(10.3 mg, 5mol%)、 N—ェチルジイソプロピルアミ ン(0· 52mL, 3mmol)、 MeOH(3mL)をトルエン(3mL)溶媒中、一酸化炭素圧 1 Oatm下にて 80°C、 48時間撹拌を行った。反応終了後、濾過にて触媒を除去した後 、カラムクロマトグラフィー(酢酸ェチル:へキサン = 1: 20)にて精製を行い、化合物( 20)を得た(198mg, 0.34mmol,収率 68%)。
XH NMR(300MHZ, CDCl ), 57. 14 (2H, s, ArH), 6.99 (2H, d, J = 6.6
3
Hz, ArH), 6.94 (2H, d, J = 6.3Hz, ArH), 3.27 (6H, s, ArH), 2.40(6H, s, ArCH ), 1.97 (6H, s, ArCH )