WO2006068011A1

WO2006068011A1 - 歯牙美白用組成物及び歯牙美白用セット

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Publication number: WO2006068011A1
Application number: PCT/JP2005/022918
Authority: WO
Inventors: Shimako Inoue; Akira Uchiyama; Ikuko Toki; Noriko Matsumoto
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 2004-12-22
Filing date: 2005-12-14
Publication date: 2006-06-29
Anticipated expiration: 2007-06-22
Also published as: JPWO2006068011A1; JP4873155B2

Abstract

　（Ａ）二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムから選ばれる１種又は２種以上、（Ｂ）プルラン、（Ｃ）リゾチーム、カチオン化セルロース、ポリリジンから選ばれる１種又は２種以上を含有することを特徴とする歯牙美白用組成物。　本発明によれば、歯牙への吸着性に優れた金属酸化物粉体が歯の表面で光を乱反射して本来の色よりも白く見せることができ、この場合、特に長時間安定して該粉体を歯面に保持し、高い白色化効果を持続的に発揮させることができる。

Description

明細書

歯牙美白用組成物及び歯牙美白用セット

技術分野

[0001] 本発明は、歯を元の色よりも白くみせるための歯牙美白用組成物及び歯牙美白用セットに関し、更に詳述すると、歯牙に貼付又は塗布して、二酸化チタンなどの粉体を一定時間歯の表面に固定し、乱反射によって歯を白く見せるものであって、高い白色化効果を長時間持続的に発揮させる歯牙美白用組成物及び歯牙美白用セットに関する。

背景技術

[0002] 従来より、歯を白くするための技術は、（1)歯に付着した着色物質を取り除き、元の歯の白さを取り戻す技術と、（2)歯を元の色より更に白くする技術に大別される。（1) の方法としては、歯磨剤、歯ブラシを用い、歯磨剤に含まれる研磨成分でブラッシングすることによる物理的な除去方法や、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の可溶化剤、酵素、キレート剤等により着色物を分解する等の化学的な方法が用レ、られ、（2)の方法としては、欧米で多用される過酸化物を使った漂白や、歯のマ二キュア剤などに代表される隠蔽剤の塗布、あるいはラミネートべユア等の歯科材料が使われてきた。

[0003] 近年、口腔衛生意識と審美願望の向上を受けて、歯の美白に対するニーズは、 (1 )の「清掃」から（2)の「白色化」に移行しつつある。し力ながら、過酸化物での漂白は、歯肉の炎症、退縮のおそれがあり、専門知識のない消費者が勝手に使用することは非常に危険である。一方、マニキュア等の塗布剤は、飲食等により剥離するため持続性に欠ける。また、ラミネートべユアによる方法は、歯科医しか行うことができず、し力、も健全な歯の表面を削る必要があり、患者が結果に対して不満足であっても、術後元の歯に戻すことができない。

[0004] 以上のことから、「白色化」の分野において、審美性が良ぐ且つ簡便で安全性が高い、歯牙白色化技術の開発が望まれてきた。

[0005] このような白色化技術として、シェラック、酢酸ビニル樹脂やアクリル系樹脂の被膜形成能を活用したマニキュア等の塗布剤が提案されているが（特開平 04— 82821 号公報、特開平 05— 58844号公報、特開平 09— 100215号公報、特開平 09— 20 2718号公報、特開平 09— 151123号公報）、歯にコーティングされた被膜剤のザラザラした使用感に課題があった。また、被膜剤と併用して用レ、られる酸化チタンの粒径は lOOnm以下が好ましいことが開示されているが（特開平 09— 151123号公報）、被膜剤を併用しない場合の酸化チタンの歯牙への吸着性は必ずしも十分とは言えなかった。

[0006] 従来より歯磨剤等で一般的に顔料として用いられる酸化チタンの比表面積は 10〜

20m²Zgであるが、この範囲の比表面積を有する金属酸化物を被膜剤のような支持体なしで歯牙に適用しても、歯牙への吸着性が低ぐ十分な白色化効果を発揮することができなかった。

[0007] 一方、特開 2003— 183142号公報には、金属酸化物の表面水酸基数を増加させる活性化処理を施すことで、エナメル質への吸着性を高めて歯を白く見せる方法及びその組成物が開示されている。し力しながら、前処理として金属酸化物を高アル力リ条件で処理する必要があるため、操作性、安全性に課題があった。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] 従って、本発明の目的は、歯を元の色よりも白くみせるための歯牙美白用組成物であって、歯牙に貼付又は塗布して、二酸化チタンなどの粉体を一定時間歯の表面に固定し、乱反射によって歯を白く見せ、且つ、長時間安定して粉体を歯面に保持することで色ムラや剥がれを大幅に低減して、高い白色化効果を持続的に発揮させる歯牙美白用組成物及び歯牙美白用セットを提供することである。

課題を解決するための手段

[0009] 本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジノレコニゥムから選ばれる白色化粉体と、ゲル化剤としてのプルランと、リゾチーム、カチオンィヒセルロース、ポリリジンから選ばれるカチオン性高分子を組み合わせることで、白色化粉体を歯面に長時間安定して固定し、色ムラや剥がれを大幅に低減して、高い白色化効果の持続性を与えることを見出し、本発明をなすに至った。

[0010] 従って、本発明は、

(A)二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジノレコニゥムから選ばれる 1種又は 2種以上、

(B)プルラン、

(C)リゾチーム、カチオン化セルロース、ポリリジンから選ばれる 1種又は 2種以上を含有することを特徴とする歯牙美白用組成物を提供する。

[0011] また、本発明は上記歯牙美白用組成物を保持した状態で、歯に着脱可能に装着される適用用具とを備えたことを特徴とする歯牙美白用セットを提供する。この場合、適用用具としては、テープ、シート、フイノレム、マウストレー、マウスピース、スポンジ、印象材、パック材、又は歯列に成型した歯のカバーが挙げられる。

発明の効果

[0012] 本発明によれば、歯牙への吸着性に優れた金属酸化物粉体が歯の表面で光を乱反射して本来の色よりも白く見せることができ、この場合、特に長時間安定して該粉体を歯面に保持し、高い白色化効果を持続的に発揮させることができる。

発明を実施するための最良の形態

[0013] 本発明の歯牙美白用組成物に用いられる (A)成分は、二酸化チタン、二酸化ケィ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジノレコニゥムから選ばれる金属酸化物であり、好ましくは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニゥムであり、これらの 1種又は 2種以上が用いられ、これら金属酸化物の複合物であってもよい。

[0014] 本発明に用いられる金属酸化物は、表面処理の有無は特に制限されなレ、が、金属酸化物の触媒活性を抑制する目的で二酸化ケイ素、アルミナ、酸化ジルコニウムで被覆したものも好適に用いられる。

[0015] 本発明に用いられる (A)成分の金属酸化物の配合量は、歯牙美白用組成物から歯の表面に十分な量放出することができれば特に制限されないが、好ましくは組成物全体の 0.：!〜 50質量％、更に好ましくは 0. 5〜20質量％である。配合量が 0. 1 質量％未満の場合には、十分な白色化効果を得ることができず、 50質量％を超える場合には、歯牙への適用形態によっては使用性の悪い組成物になってしまう場合がある。

[0016] 本発明の（A)成分として用いられる金属酸化物の平均粒子径は、 0. 005〜5 /i m が好ましい。特に好ましくは 0. 01〜： l x mである。平均粒子径が 0. 005 z m未満の場合には十分に光を散乱することができず、白色化効果が得られない場合がある。平均粒子径が 5 x mを超える場合には、歯牙への固定性が十分でなぐ白色化効果が持続しないことがある。なお、本発明において、平均粒子径はマイクロトラック粒度分析計（日機装 (株) )による 50%粒径の測定値である。

[0017] 本発明に用いられる（B)成分のプルランは、マルトトリオースがひ 1—6結合した高分子であり、重量平均分子量約 4〜80万のものが挙げられる。なかでも特に 10〜50 万のものが好適に使用される。なお、プルランの重量平均分子量は既知分子量のポリエチレンオキサイドを標準物質とし、 LiBrを添カ卩したジメチルホルムアミドを溶媒とした、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフ（GPC)法により求められる。プノレランは、ポリアクリル酸又はその塩、カルボキシビ二ルポリマー、酢酸ビエル.ビエルピロリドン共重合体、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシェチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビエルピロリドン、ポリビエルアルコーノレ、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸塩などの他の水溶性高分子と組み合わせて使用できる。プルランの組成物中の配合量は、組成物全体の 0.：!〜 20質量 %の範囲、特に 0. 3〜： 15質量％の範囲が好ましい。この場合、プルランの分子量に応じて配合量を選定することが好ましぐ特に、重量平均分子量約 79万の場合 0. 1 〜5質量％が好ましぐ更に好ましくは 0. 3〜3質量％である。重量平均分子量約 40 万の場合 0.：!〜 7質量％が好ましぐ更に好ましくは 0. 5〜5質量％である。重量平均分子量約 20万の場合 0. 3〜： 15質量％が好ましぐ更に好ましくは 0. 5〜： 10質量 %である。重量平均分子量約 4. 7万の場合 0. 5〜20質量％が好ましぐ更に好ましくは 1〜： 15質量％である。プノレランの配合量力各重量平均分子量における好ましい配合量に満たない場合には、他の水溶性高分子と組み合わせても、組成物の歯牙への吸着性と持続性が低ぐ金属酸化物が歯に長時間安定して吸着できない場合がある。また各重量平均分子量における好ましい配合量を超える場合には、組成物の粘度が高くなり、十分な量の金属酸化物が歯に吸着できない場合がある。

[0018] 本発明に用いられる（C)成分は、リゾチーム、カチオン化セルロース、ポリリジンから選ばれる 1種又は 2種以上である。

[0019] リゾチームは塩化リゾチームが好適に用いられる。リゾチームの配合量は、組成物全体の 0. 1〜： 10質量％が好ましぐ 0. 5〜5質量％が更に好ましレ、。リゾチームの配合量が、 0. 1質量％未満の場合には、組成物の歯牙への吸着性と持続性が低ぐ金属酸化物が歯に長時間安定して吸着できない場合がある。また 10質量％を超える場合には、リゾチーム独特の苦味が強くなり、組成物の味が悪くなる場合がある。

[0020] カチオン化セルロースはヒドロキシジメチルァリルアンモニゥムクロライドや塩化〇_

{ 2—ヒドロキシ一 3— (トリメチルアンモニォ） }プロピルヒドロキシェチルセルロースが好適に用いられる。重量平均分子量は約 30万〜約 200万のものが好適に用いられる。重量平均分子量が 30万より小さい場合、歯牙への固定性が十分でなぐ白色化効果が持続しないことがあり、重量平均分子量が 200万より大きい場合は製剤の粘度が高くなり、操作性が損なわれる場合がある。カチオン基の置換度は、窒素分として 0. 5〜3質量％が好適に用いられる。窒素分が 0. 5質量％未満の場合、歯牙への固定性が十分でなぐ白色化効果が持続しないことがあり、窒素分が 3質量％を超える場合は味が悪くなり、使用感が低下する場合がある。なお、重量平均分子量はポリエチレングリコールを標準物質としたゲルパーミエーシヨンクロマトグラフ（GPC)法により求めた値である。また、窒素分は CHN有機元素分析によって求めた値である。力チオン化セルロースの配合量は、組成物全体の 0.：!〜 5質量％が好ましぐ 0. 5〜3 質量％が更に好ましい。カチオン化セルロースの配合量力 0. 1質量％未満の場合には、組成物の歯牙への吸着性と持続性が低ぐ金属酸化物が歯に長時間安定して吸着できない場合がある。また 5質量％を超える場合には、組成物の粘度が高くなり、十分な量の金属酸化物が歯に吸着できない場合がある。

[0021] ポリリジンは、ポリリジン単独やポリリジン塩酸塩、ポリリジンハイド口ブロマイドなどの塩を使用することができる。ポリリジンの数平均分子量は、 1000〜： 100万のものを用レ、ることができ、特に 3000〜30万のものが好適に使用される。数平均分子量が 100 0より小さい場合、歯牙への固定性が十分でなぐ白色化効果が持続しないことがあり、数平均分子量力 sioo万より大きい場合は製剤の粘度が高くなり、操作性が損なわれる場合がある。なお、数平均分子量の測定法は特に限定されるものではないが、例えばポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーシヨンクロマトグラフの低角度光散乱法 (GPC— LALLS法）により以下の条件で求めることができる。

カラム： Tosoh Biosep G5000 PW , 7. 8mm X 30cm

XL

移動層：0. ImolZL リン酸ナトリウムバッファー（pH7. 0)

流量：0. 5mL/min

カラム温度： 40°C

[0022] また、ポリリジンの配合量は組成物全体の 0. 01〜20質量％が好ましぐ 0. 5〜10 質量％が更に好ましい。ポリリジンの配合量が、 0. 01質量％未満の場合には、組成物の歯牙への吸着性と持続性が低ぐ金属酸化物が歯に長時間安定して吸着できない場合がある。また 20質量％を超える場合には、組成物の粘度が高くなり、十分な量の金属酸化物が歯に吸着できなレ、場合がある。

[0023] 本発明の歯牙美白用組成物は、上記成分に加え、更に歯牙に長時間適用でき、且つ歯牙美白用組成物の口腔全体への溶け出しを防ぐゲル化剤をその形態に応じて配合することができる。

[0024] 本発明に用いられるゲル化剤は特に制限されなレ、が、ポリアクリル酸又はその塩、カルボキシビ二ルポリマー、酢酸ビニル'ビニルピロリドン共重合体、カルボキシメチノレセノレロースナトリウム、ヒドロキシェチノレセノレロース、ヒドロキシプロピノレセノレロース等のセルロース誘導体、ポリビエルピロリドン、ポリビエルアルコール、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸塩が好適に用いられ、これらの中から選ばれる 1種又は 2 種以上を配合し得る。

[0025] 上記ゲル化剤の配合量は、組成物全体の 0. 1〜： 10質量％が好適であり、特に 0.

5〜5質量％が望ましい。配合量が 10質量％を超えるとゲル化剤が十分に溶けきらず、製剤が不均一になるだけでなぐ製剤の歯面への吸着を阻害する場合がある。配合量が 0. 1質量％未満の場合は、ゲルの溶け出しによる口中の粘つき等の違和感が生じる場合がある。

[0026] 本発明の歯牙美白用組成物には、更に必要に応じて適宜、他の成分を配合することができる。

例えば、乳化、分散などの目的で、界面活性剤として、ァニオン性界面活性剤、ノ二オン性界面活性剤や両性イオン界面活性剤の 1種又は 2種以上を併用することができる。

この場合、ァニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸ナトリウム、 N—ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、 N—パルミトイルグルタミン酸ナトリウムなどの N—ァシルグルタミン酸ナトリウム、 N—ラウロイルサルコシンナトリウム、 N—ミリストイルサルコシンナトリウムなどの N—ァシルサルコシンナトリウム、 N—ラウロイルメチルタウリンナトリウム、 N —ミリストイルメチルタウリンナトリウムなどの N—メチル _N_ァシルタウリンナトリウム、 N—メチル一N—ァシルァラニンナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、 α—ォレフインスルホン酸ナトリウム、ラウリル ΡΟΕ硫酸ナトリウム、ラウリノレ ΡΟΕ 酢酸ナトリウム、ラウリル ΡΟΕリン酸ナトリウム、ステアリル ΡΟΕリン酸ナトリウム等が用いられる。

[0027] ノニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸モノグリセリル、ラウリン酸デカグリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステノレ、ラタトース脂肪酸エステルなどの糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステノレ、ラタチトール脂肪酸エステルなどの糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシェポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ミリスチン酸モノ又はジエタノールアミドなどの脂肪酸エタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコーノレエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等が用いられる。

[0028] 両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルァミノ酢酸べタインなどのアルキルジメチルァミノ酢酸べタイン、 Ν—ラウリルジアミノエチルグリシン、 Ν—ミリスチルジアミノエチルグリシンなどの Ν—アルキルジアミノエチルグリシン、 Ν—アルキノレ一 Ν— カルボキシメチルアンモニゥムベタイン、 2—アルキル 1ーヒドロキシェチルイミダゾリンべタインナトリウム等が用いられる。

[0029] 更に、本発明においては、有効成分として、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、スーパーオキサイドデイスムターゼなどの酵素、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどの水溶性ポリリン酸塩、アラントイン、ジヒドロコレスタノール、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸、 ε—アミノカプロン酸、トラネキサム酸、ビサボロール、イソプロピルメチルフエノール、塩化ナトリウム、トリク口サン、クロルへキシジン塩類、塩化セチルピリジニゥム、塩化べンゼトニゥム、塩化ベンザルコユウム、ァスコルビン酸及びその塩類、トコフエロール、ォゥゴン、ォォバタ、ローズマリー、チヨウジ、タイムなどの生薬抽出物等の有効成分の 1種又は 2種以上を配合し得る。

[0030] 本発明の歯牙美白用組成物には、更に、ァネトール、カルボン、ペパーミント油、スペアミント油などの香料、安息香酸及びそのナトリウム塩、パラベン類などの防腐剤、赤色 3号、赤色 104号、黄色 4号、青色 1号、緑色 3号、雲母チタン、弁柄などの色素又は着色剤、サッカリン及びそのナトリウム塩、ステピオサイド、グリチルリチン、ァスパルテームなどの甘味剤等を配合し得る。

[0031] 歯牙美白用組成物の ρΗは、口腔内及び人体に安全性上問題ない範囲であれば、特に限定されるものではないが、望ましくは歯牙美白用組成物を精製水で 10倍希釈した時の ρΗが 4〜： 10であり、更に望ましくは ρΗが 5. 5〜9である。 ρΗ4未満の場合には適用時間によっては脱灰の懸念があり、 ρΗΙΟを超える場合には、歯肉に触れた場合、粘膜剥離等の懸念がある。 pH調整剤として、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クェン酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、タエン酸ナトリウム、クェン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等を配合し得る。

[0032] 上記歯牙美白用組成物は、ペースト状、ゲル状、液状等の形態に調製されるが、その形態に応じて、歯牙への保持'固定専用の適用用具と併せて適用することが好ましいが、本発明の歯牙美白用組成物と併用して使用される歯牙への保持'固定専用の適用用具は、歯牙美白用組成物の歯牙への確実な適用、固定を補助すると共に、使用中の歯牙美白用組成物の歯肉、舌及び口腔粘膜への溶出を抑え、不快な使用感ゃ唾液の誘発を防ぎ、更に唾液の侵入や咬合、咀嚼、その他物理的な刺激による歯牙美白用組成物の希釈や歯牙力の離脱を防ぐ目的で使用される。用具の素材及び形状については、上記目的を達成できるものであれば特に限定されないが、水不溶†生の素材で作られたテープ、シート、フイノレム、マウストレー、マウスピース、スボンジ、印象材、パック材、又は歯列に成型した歯のカバーが好適に用いられる。

[0033] 上記適用用具の厚みは、口腔着用時に違和感のない 0. 01〜5mmが好ましぐ特にテープ、シート、フィルムについては、 0. 01〜2mmが望ましい。

[0034] 上記用具の素材については、口腔適用時のフィット感に優れ、唾液の発生を抑えることで製剤の長時間適用を可能にするポリエチレン、発泡ポリエチレン、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン、パルプ、綿、絹、紙、多糖フィルム、金属箔等の 1種又は 2種以上を用いるのが好ましぐ特にポリエチレン、発泡ポリエチレン、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、レ一ヨン、水難溶性プルランフィルムが良レ、。水難溶性プノレランフィルムはプノレランをフイルム化したもので、上記（B)成分のプルランには含まれない。更に、口腔粘膜及び舌と接する側の材質を親水性、吸水性の高い素材、例えばレーヨン、パルプ、綿、絹、紙等を使った織布又は不織布で構成することにより、口中で発生した唾液を吸収し保持するため、使用感に優れており好ましい。この場合、歯牙美白用組成物を保持する側には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン等の水不透過性フィルムを組み合わせることで、歯牙美白用組成物の適用用具への吸着、浸透を防ぐこともできる。

[0035] 一方、シリコーンゴム、天然ゴム等の可塑性樹脂及び酢酸ビュル樹脂、アクリル樹脂、エチレン—酢酸ビュル共重合体等の熱可塑性樹脂からなるトレー又はマウスピースは、変形の自由度が高ぐ使用者の歯列、歯型にフィットさせやすいため、密着性、固定性に優れており、より長時間の歯牙美白用組成物の歯牙への適用を目的とする場合に適している。

[0036] 更に、粘度が低く歯牙への粘着性の弱いゲル組成物を併用する場合には、製剤を含浸させたスポンジや、レーヨン、綿、パルプ等の吸水性樹脂を歯のカバー、トレー等の内側に敷き詰め、これを咬み続けることで、適量のゲル組成物を歯牙に適用することちでさる。

[0037] なお、適用回数、時間等は適宜選定されるが、通常、 1日 1〜6回、特に:!〜 3回で、 1回:!〜 10分、特に:!〜 3分である。

実施例

[0038] 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、各例中の％はいずれも質量％である。また、下記例で平均粒子径、重量平均分子量、数平均分子量、窒素分の測定は上述した通りである。また、下記実施例及び比較例において、チッソ (株)製ポリリジン粉末を用いた例がある力 S、これは 50%粉末であるので、その配合量は、純分換算したものを示した。

製剤の調製

全原料を秤量し、ニーダ一に投入後、 4kPaまで減圧し、組成物が均一になるまで混合して歯牙美白用組成物を調製した。なお、 pHは精製水で 10倍希釈した時の 25 °Cにおける 1分後の pHを pHメーター（東亜ディーケーケ一（株)製、 HM— 26S)で測定し、 pH5. 5〜9. 0になるように必要に応じて水酸化ナトリウム又は塩酸を用いて調整した。

[0039] シートの作製

加熱したポリエチレンフィルム（低密度ポリエチレン、厚さ 10 z m、東ソー（株)製、商品グレード； 212)を、ポリプロピレン不織布（ポリプロピレン 100%、スパンボンド、目付 40g/m²、表面エンボス加工、出光石油化学 (株)製、商品グレード；出光 RN2 040)とレーヨン/ポリプロピレン不織布（レーヨン/ポリプロピレン = 70/30、スパンレース、目付 40gZm²、シンヮ（株)製、商品グレード； 7140— 6)で挟んで熱融着させて厚さ 0. 5mmの 3層不織布シートを作製した。この 3層不織布シートのレーヨン Z ポリプロピレン不織布面側と、フェイシンダフイルム（ポリエチレンテレフタレート 100% 、片面シリコンコート、厚さ 50 μ ΐη、東レフイルム加工 (株)製、商品グレード;セラピール BK (S) # 50)のシリコンコート面の間に、トータルの厚みが lmmになるように展延機 (花栄機械工業製、ロールサンドコーター）を用いて歯牙美白用組成物を塗膏した。その後、上下顎の左右:!〜 3番の歯の唇面、舌面を覆える大きさ（60mm X 25mm )になるように歯牙美白用組成物を塗膏したシートを型抜きし、上下顎の歯列に貼付可能なシートを作製した。

[実施例:!〜 10、比較例:!〜 4]

予め色差 L*a*b*を測定したヒト抜去歯の上に、表 1に示した組成物を上記の方法により塗膏したシートをのせ、 37°C， 3分間恒温槽中に静置後、シートを剥がし、ゲルをティッシュで軽く拭き取って水洗した後、人工唾液中に移した。人工唾液中に 3時間浸漬後、色差 L*a*b*を測定して ΔΕを求めた。色差は分光測色計 (ミノルタ (株)製、 C M_ 2022)を用いて測定した。なお、人工唾液の組成は以下の通りである。

塩ィ匕カルシウム '二水塩 0. 2205g

ジン酉変二！^力];クム 0.6805g

塩ィ匕ナ卜リウム 5. 8440g

酢酸 6. Og

Na〇H(pH調整剤)

A

計 1, OOOmL

•白色化効果

2、 1/2

△ E*(1) = ((L*1— L*0)²+(a*l_ -a O) +(b 1-b 0) )

'白色化効果の持続性

2ヽ 1/2

ΔΕ*(2) = ((L*2-L*0)²+ (a*2- -a O) +(b 2— b 0) )

なお、 L*0、 a*0、 b*0は初期 L*a*b*値を表し、同様に L*l、 a*l、 b*l、 L*2、 a*2、 b*2 はそれぞれ白色化操作後の L*aV値、人工唾液浸漬後の L*aV値である。

龍娜

白色化効果 ◎: ΔΕ*(1)が 7. 0以上

〇： ΔΕ*(1)が 5. 0以上〜 7.0未満

Δ: ΔΕ*(1)が 3. 0以上〜 5.0未満

X： ΔΕ*(1)が 3. 0未満

白色化効果の持続性 ◎: ΔΕ*(2)が 6.0以上〇： ΔΕ (2)が 4.0以上〜 6.0未満

Δ： ΔΕ*(2)が 3.0以上〜 4.0未満

x： ΔΕ*(2)が 3.0未満

結果を表 1に示す。

[表 1]

[実施例 11]

予め下記歯牙美白用組成物 1が 2. Og塗布された、前歯左 3番から右 3番の唇面を覆える発泡ポリエチレン製シート (積水化学工業 (株)製ボラーラ XL_IF08008、 15 mm X 60mm X厚さ 800 zm)を歯牙の唇面に貼付した。前述の実施例：!〜 10、比較例 1〜4と同様の方法により評価したところ白色化効果は◎、白色化効果の持続性はつであった。

T 成, ペースト

二酸化チタン 3.0% (石原産業 (株)タイペータ CR— 50、平均粒子径 0· 25 μ ΐη) プルラン（(株)林原商事、 PF— 2、重量平均分子量 20万）

ポリリジン (チッソ (株）、ポリリジン粉末、数平均分子量 4400)

カルボキシメチルセルロースナトリウム 0. 5

(ダイセル化学工業 (株)製、商品名 CMCダイセル— 1150)

70^ο/οソノレビ、卜一ノレ 30. 0

プロピレングリコール 3. 0

サッカリンナトリウム 0. 2

メチルパラベン 0. 1

香料 1. 0

精製水バランス

計 100. 0%

[実施例 12]

予め下記歯牙美白用組成物 2が 2. Og塗布された、前歯左 3番から右 3番の唇面を覆えるポリウレタンフィルム（シーダム（株）製、 DUS2124— CDB、 15mm X 60mm X厚さ 50 μ ΐη)を歯牙の唇面に貼付した。前述の実施例:!〜 10、比較例 1〜4と同様の方法により評価したところ白色化効果は◎、白色化効果の持続性は〇であった。歯牙姜白用組成物 2 (ゲル状）

二酸化チタン 4. 0%

(石原テクノ（株) TTO— 51 (A)、平均粒子径 0· 02 μ ΐη)

プルラン（昭光通商 (株）、 P— 800、重量平均分子量 79万） 3· 0 カチオン化セノレロース 0. 3

(日本 NSC (株）、窒素分 2%、重量平均分子量 30万）

キサンタンガム 0. 2

(三栄源エフ 'エフ'アイ (株)製、商品名サンエース NXG_ S)

ポリアクリル酸ナトリウム 0. 6

(日本純薬 (株)製、商品名ァロンビス SS)

ブチルパラベン 0. 1 70^ο/_οソノレビ、卜一ノレ 23. 0

プロピレングリコール 5. 0

安息香酸ナトリウム 0. 2

香料 1. 0

精製水バランス

計 100. 0%

[実施例 13]

予め下記歯牙美白用組成物 3が 0. 2g塗布された、歯 1本ずつの形をしたポリェチレン製フィルム（東レ（株）製軟質 PE、 10mm X 15mm X厚さ 25 μ m)を色の気になる歯だけに貼付した。前述の実施例:!〜 10、比較例 1〜4と同様の方法により評価したところ白色化効果は◎、白色化効果の持続性は◎であった。

T 成, )3 (ゲル状）

酸化ジルコニウム（日本電工、 N— PC、平均粒子径 0· 02 /i m) 0. 5% 二酸化チタン 3. 0

(石原テクノ（株) TTO— 51 (A)、平均粒子径 0· 02 μ ΐη)

プルラン（昭光通商 (株）、 P— 400、重量平均分子量 40万） 5· 0 リゾチーム (和光純薬工業 (株）、リゾチーム、分子量 14400) 0. 1 ポリリジン (チッソ (株）、ポリリジン粉末、数平均分子量 4400) 1. 5

グリセリン 15. 0

ポリオキシエチレン（60モル）硬化ヒマシ油 1. 0

キサンタンガム 0. 2

(三栄源エフ 'エフ'アイ (株)製、商品名サンエース NXG_ S)

フッ化ナトリウム 0. 2

香料 1. 0

サッカリンナトリウム 0. 1

精製水バランス

計 100. 0%

[実施例 14] 下記歯牙美白用組成物 4を 1. Og筆で前歯左 3番から右 3番の歯の唇面に塗布後、上からポリプロピレン製フィルム（東レ（株）製軟質 PP、 15mm X 60mm X厚さ 100 z m)を貼付した。前述の実施例:!〜 10、比較例 1〜4と同様の方法により評価したところ白色化効果は◎、白色化効果の持続性は◎であった。酸化アルミニウム 2. 0%

(メラー社製、商品名：純アルミナ末、平均粒子径 0. 06 x m)

プルラン（(株)林原商事、 PF_ 2、重量平均分子量 20万） 3. 0 カチオンィ匕セノレロース 1. 5

(日本 NSC (株）、窒素分 2%、重量平均分子量 30万）

カラギーナン 0. 1

(三栄源エフ 'エフ'アイ (株)製、商品名ゲルリッチ No. 3)

ポリオキシエチレン（60モル）硬化ヒマシ油 1. 0

安息香酸ナトリウム 0. 3

メチルパラベン 0· 1

クェン酸 0. 1

クェン酸ナトリウム 0· 3

香料 0. 5

サッカリン 0· 02

精製水バランス

計 100. 0%

[実施例 15]

エチレンビュルアセテート樹脂製のマウスピースをお湯で温めて軟化させ、嚙んで各自の歯型にフィットしたマウスピースを作製した。下記歯牙美白用組成物 5をマウスピースに 1. Og充填し、装着した。前述の実施例:!〜 10、比較例 1〜4と同様の方法により評価したところ白色化効果は◎、白色化効果の持続性は〇であった。

T 成, )5 (ゲル状）

二酸化ケイ素 1. 0% (Huber社製、商品名 Zeodentl l 3、平均粒子径 5· 0 /i m)

プルラン（昭光通商 (株）、 P— 50、重量平均分子量 4. 7万） 5. 0 ポリリジン 1. 2

(和光純薬工業 (株）、ポリ Lリジン臭化水素酸塩、数平均分子量 30万以上) カルボキシメチルセルロースナトリウム 0. 3

(ダイセル化学工業 (株)製、商品名 CMCダイセル— 1150)

力ラゲナン 0. 2

(三栄源エフ 'エフ'アイ (株)製、商品名ゲルリッチ No. 3)

ソノレビット 20. 0

キシリット 10. 0

プロピレングリコール 3. 0

メチルパラベン 0. 05

香料 1. 0

サッカリンナトリウム 0. 15

精製水バランス

計 100. 0%

Claims

請求の範囲

[1] (A)二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジノレコニゥムから選ばれる 1種又は 2種以上、

(B)プルラン、

(C)リゾチーム、カチオン化セルロース、ポリリジンから選ばれる 1種又は 2種以上を含有することを特徴とする歯牙美白用組成物。

[2] 請求の範囲第 1項記載の歯牙美白用組成物と、この歯牙美白用組成物を保持すると共に、この歯牙美白用組成物を保持した状態で歯に着脱可能に装着される適用用具とを備えたことを特徴とする歯牙美白用セット。

[3] 適用用具が、テープ、シート、フィルム、マウストレー、マウスピース、スポンジ、印象材、パック材、又は歯列に成型した歯のカバーである請求の範囲第 2項記載の歯牙美白用セット。