WO1997035931A1

WO1997035931A1 - Anticorrosive coating composition

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Publication number: WO1997035931A1
Application number: PCT/JP1997/000964
Authority: WO
Inventors: Nakaba Kanou
Original assignee: Kansai Paint Co Ltd
Current assignee: Kansai Paint Co Ltd
Priority date: 1996-03-28
Filing date: 1997-03-24
Publication date: 1997-10-02
Anticipated expiration: 1998-09-28
Also published as: FI974318A7; KR100269565B1; KR19990022012A; FI974318A0; CN1147545C; CN1185799A; FI974318L

Description

明 - 細書防食塗料組成物技術分野

本発明は、タールを含まない、特にバラストタンクなどの船舶内部の塗装に有用な防食塗料組成物に関する。

背景技術

従来より、船舶 .鐧構造物の防食塗料としてタールエポキシ途料が使用されてきている。該塗料は防食性、耐水性、酎薬品性などに優れるものであるが、タールを含有することから、タール中に含まれる発痛性物質ベンツピレンのため安全衛生上の問題が想念されるだけでなく、黑色であるため維持管理がしにくく密閉場所では喑くなるので作業に危険が伴うなどの不具合があつた。

近年、タールの代わりに石油系の樹脂を用いたノンタール塗料も開発されているが、該塗料では、エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤と石油系の樹脂との相溶性に問題があり、特に高度の防食性、耐水性などを要求される船舶のバラストタンク内に適用するには不十分であった。

本発明者は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、タールのかわりに水酸基含有石油榭脂または特定の分解残油を特定量用いることにより、エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤との相溶性を保持しつつ、安全衛生上問題なく、防食性、付着性に優れ、しかも明色ないしタールに比べて明色の塗膜を形成しうる防食塗料組成物が得られることを見出し本発明に到達した。

発明の開示

すなわち、本発明は（A) エポキシ榭脂、 ( B ) アミン系硬化剤および（C ) 水酸基含有石油樹脂または軟化点 5 0〜1 5 0での分解残油、好ましくはさらに改質剤（D) からなり、該（C ) 成分を該エポキシ樹脂（A) および該アミン系硬化剤（B ) からなる硬化樹脂固形分 1 0 0重量部に対して 2 0〜5 0 0重量部含有することを特徵とする防食塗料組成物に関する。

発明を実施するための最良の形態

本発明で使用されるエポキシ樹脂（A) は、 1分子中に少なくとも 2個以上のエポキシ基を有するものであ-り、エポキシ当量が 1 5 0〜 6 0 0、好ましくは 1 5 0〜3 0 0のものが適当である。かかるエポキシ樹脂としては、例えばビスフエノール型エポキシ榭脂、脂肪族エポキシ榭脂、グリシジルエステル系ェポキシ榭脂、グリシジルァミン系エポキシ樹脂、フヱノールノボラック型エポキシ榭脂、クレブール型エポキシ樹脂、ダイマ一酸変性エポキシ樹脂など従来公知のものが挙げられ、これらは 1種又は 2種以上混合して使用してもよい。

本発明で使用されるァミン系硬化剤（B ) としては、従来公知のエポキシ樹脂用硬化剤、例えばメタキシレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレントリァミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフヱニルメタンなどの脂肪族ポリアミン類、脂環族ボリアミン類、芳香族ポリアミン類；該ボリアミンのエポキシ榭脂ァダクト物、ポリアミドアミン類、ボリアミド榭脂などが挙げられ、これらは 1種又は 2種以上混合して使用できる。これらのうち、前記（C ) 成分としての分解残油との相溶性やエポキシ榭脂との反応性の点から、芳香族ポリアミン類が好適であり、特にポリアミン類をフヱノールやアルキルフ Xノール（例えば 3 一 n—ペンタジニルフヱノール等）とホルマリンで変性してなるアルキル化フエノリックボリアミンが好適である。

上記（A) 及び（B ) 成分の混合割合は、両者の使用種により適宜選択されるが、通常 [ ( B ) 中の活性水素当量 Z ( A) 中のエポキシ当量] の当量比が 0. 5 〜 1. 0の範囲となるようにするのが適当である。

本発明で使用される前記（C ) 成分たる水酸基含有石油樹脂としては、水酸基を含有する常温で固形状の石油樹脂で、その軟化点が 5 0〜1 5 0で、好ましくは 8 0〜1 0 0 °Cであるものが好適に使用できる。

前記（C ) 成分たる水酸基含有石油樹脂を構成する石油樹脂の例としては、例えば石油ナフサ分解で副生する重質油中からスチレン誘導体、インデン等の C ₈ 留分を重合させた芳香族系石油樹脂、シクロペンタジェン、 1 , 3—ペンタジェン等の C ₅ 留分の共役ジェンがー部環化重合した脂防族系石油榭脂、前記 C ₅ 留分と留分を共重合させた共重合系石油樹脂、芳香族系石油樹脂を水素添加した樹脂やジシクロペン夕ジェンを重合させた脂環族系石油榭脂などが挙げられ、これらに水酸基が導入される。これらのうち特に水酸基含有芳香族系石油樹脂が耐水性の点から好適である。一

前記（C ) 成分たる水酸基含有石油樹脂中の水酸基の含有量は該石油樹脂 1分子中に 1〜2モル、好ましくは 1〜1. 5モル含有することが望ましい。該含有量が、 1分子中に 1モル未満では上記ァミン系硬化剤との相溶性が低下し塗膜性能に悪影響を及ぼし、一方 2モルを越えると耐水性が低下するので望ましくない。また該水酸基含有樹脂の軟化点が 5 0て未満では塗膜の耐水性が低下し塗膜表面に該成分がブリードして粘着性が残存する場合があり、 —方 1 5 0でを越えると塗料粘度が高くなり作業性が低下したり、塗膜物性が低下するので望ましくない。本発明で使用される前記（C ) 成分としての分解残油は、石油ナフサの熱分解過程で生成する各種分解油留分を得る際に副生する残澄であり、多核芳香族化合物が主成分で不純物を多く含み比較的広い分子量分布を有するものである。特に該残渣から蒸留により、塗膜表面にブリードしやすレ、低分子分を除いたものが好適である。また該分解残油は、タールと比較して不純物中に硫黄化合物などの極性化合物が含まれず、多核体中に芳香琛とナフテン環が適度に混在するものである。このため耐水性に優れ、しかも発癍性物質ベンツピレンの含有率が低く、色もタールに比べて明るレ、茶褐色系である。

該分解残油としては、その軟化点が 5 0〜1 5 0で、好ましくは8 0〜1 0 0 でであるものが使用できる。該分解残油の軟化点が 5 (TC未満では塗膜の酎水性が低下し塗膜表面に該成分がブリードして粘着性が残存する場合があり、一方 1 5 0 ^eCを越えると塗料粘度が高くなり作業性が低下するので好ましくない。本発明組成物では、前記（C ) 成分としての水酸基含有石油榭脂または分解残油を硬化榭脂固形分 1 0 0重量部に対して 2 0〜 5 0 0重量部、好ましくは 5 0 〜3 0 0重量部含有する。かかる含有量が 2 0重 i部未満では十分な耐水性が得られず、一方 5 0 0重量部を越えると塗膜が脆く良好な物性が得られなくなるので好ましくない。

本発明組成物では（C ) 成分としての上記分解残油に、必要に応じて軟化点が 5 0〜1 5 0での前記石油樹脂を、前記アミン系硬化剤との相溶性に悪影響を及ぼさなレ、範囲で併用してもよい。

本発明組成物では、さらに可撓性付与の面から、その他の液状の改質剤、例えばキシレン榭脂、トルエン榭脂；プチルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物などの反応希釈剤；フ Xノール変性縮重合物などの非反応希釈剤などを硬化樹脂固形分 1 0 0重量部に対して 5 0重量部以下の範囲で添加してもよい。これらのうち、耐水性維持の面から芳香族系のものが好適に使用される。

本発明の組成物には、さらに必要に応じて、体質顔料、防鱭顔料、着色顔料等の顔料類；反応性希釈剤；有機溶剤、沈降防止剤、タレ止め剤、湿潤剤、反応促進剤、付着性付与剤、脱水剤等の通常の塗料用添加剤などを適宜含有してもよい。

また本発明の組成物は、エポキシ榭脂を含む主剤とアミン系硬化剤からなる二液型塗料であり、通常、ジンクプライマーなどの一次防銪塗膜上に塗装される。上記塗料の途装方法には、エアスプレー、エアレススプレー、刷毛途り、ローラ一などの従来公知の方法が採用でき、上記塗料を乾燥膜厚で 1 5 0〜5 0 0 / m となるよう途布することができる。

以下、実施例を举げて本発明をさらに詳細を説明する。尚、「部 J 及び Γ %」はそれぞれ「重量部」及び「重量％」を示す。

実施例 1

1 リットル容器に、エポキシ榭脂（注 1 ) 1 0 0部、チタン白 7 0部、タルク 1 0 0部、水酸基含有石油樹脂（注 2 ) 5 0部、キシレン樹脂（注 3 ) 1 0部、タレ止め剤（注 4 ) 1 0部及びキシレン 1 0部を添加しデイスパーで混合 ·擾拌し分散して主剤とし、これにアミン系硬化剤（注 5 ) 7 0部を塗装直前に添加し混合 ·擾拌して防食塗料を得た。

(注 1 ) 「エボン # 8 2 8」：エポキシ当量 1 9 0、油化シルエポキシ社製。 (注 2 ) 「ネオポリマー K— 2」： 1分子中水酸基含有 i l〜l. 1モルのジビニルトルエン一インデン共重合物、軟化点 1 0 0 ^eC、日本石油化学社製。

(注 3 ) 「ニカノール L j ：三菱瓦斯化学社製。

(注 4 ) 「ディスパロン A 6 3 0— 2 0 X N」：ポリアマイド系ワックス、楠本化成社製。

(注 5 ) 「サンマイド C X 1 0 2」：脂肪族ポリアミンを 3—： n—ペン夕ジニルフエノールとホルマリンで変性してなるアルキル化フヱノリックポリアミン、活性水素当量 1 3 0、三和化学社製。実施例 2〜6及び比較例 1〜5

実施例 1において、表 1に示す組成物及び配合量とする以外は実施例 1 と同様の操作で各防食塗料を得た。表 1中の（注 6) 〜（注 9) は、下記の通りである _c 尚、比較例 5として「ェポシール 6 0 0 0 PS」（05西ペイント社製、タールェボキシ樹脂塗料）を使用した。表 1は固形分表示である。

(注 6) 「エボン # 1 00 1」：エポキシ当量 4 75、油化シヱルエポキシ社製。 (注 7) 「ネオポリマー 1 00」：芳香族系石油樹脂（水酸基なし）、軟化点 1 0 0て、日本石油化学社製。

(注 8 ) 「ネオポリマ— 1 4 0」：芳香族系石油樹脂（水酸基なし）、軟化点 1 5 0 、日本石油化学社製。

(注 9) 「ダイトクラール X 778 CJ ：マンニッヒ変性メタキシリレンジアミン、活性水素当量 70、大都産業社製。

実施例 7〜1 2及び比較例 6〜8

実施例 1において、表 2に示す組成及び配合量とする以外は実施例 1 と同様の操作で各防食塗料を得た。表 2中の（注 1) 、（注 3) 〜（注 7) および（注 9) は上記の通りであり、（注 1 0) は下記の通りである。

(注 1 0) 「CR— Z」：分解残油、軟化点 8 0て、丸善石油化学社製。

性能試験

上記の通り得られた各防食塗料を下記性能試験に試した。結果を表 1および表 2に示す。

(* 1 ) 屈曲性

各防食塗料を、脱脂した磨き軟鋼板（ 1 5 0 X 70 X 0.8 mm) にエアレススプレーにて約 25 0 (乾燥膜厚）となるように塗装し、 20°Cx 6 5 HRB の雰囲気で 7日間乾燥して各試験塗板を作成した。該塗板を 2 (TC雰囲気で途面を外側にして 9 0° に折り曲げ、折り曲げ部分の途膜の裂を目視で評価した (〇：亀裂なし、 △：わずかに *裂がある、 X ：かなり亀裂がある）。

(* 2) 温度差耐水性

ショットブラスト鋼板（ 3 0 0 X 1 0 0 X 3.2 mm) (試験板 I ) 、及び該鋼板上に「SDジンク 1 00 0」（関西ペイント社製、シリゲートジンクブライマ _c 一）を約 25〃m (乾燥膜厚)—となるように塗装し 1 日乾燥してなる試験板（試験板 II) の上に、上記で得た各防食塗料をそれぞれエアレススプレーにて約 25

0 m (乾燥膜厚）となるように塗装し、 2 O^eCx 6 5 %RHの雰囲気で 7日間乾燥して各試験塗板を得た。

この試験塗板の塗装面が 4 0^eCの温水に、裏面が 2 0での水に接するような漫演槽内に 1 4日間浸演した後、塗面状態を目視で評価した（〇：異常なし、 △：フクレ、さびの発生が少し認められる、 X ：フクレ、さびが著しく発生）。

(* 3) 耐海水性

上記（* 2) と同様にして得た各試験塗板を、 50での海水に 3ヶ月間浸演後の塗面状態を目視で評価した（〇：異常なし、 △ : フクレの発生が少し認められる、 X ：フクレが著しく発生）。

表 1 実施例比較例

1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 ェボキシ樹脂（注 1 ) 100 100 100 100 100 100 100 】00 100 エポキシ榭脂（注 6 ) 100

タチタン白 70 70 70 70 70 70 70 70 70 70

1 タルク 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 ル石油樹脂（a) (注 2 ) 50 150 300 〗50 150 150 600

料ェ石油樹脂（b) (注 7 ) 150

ポ石油樹脂（c) (注 8 ) 150 組キキシレン樹脂（注 3 ) 10 10 10 10 10 10 10 10 10 シタレ止め剤（注 4 ) 10 10 10 】0 10 10 10 10 10 10 成

キシレン 10 10 10 10 10 10 10 ]0 10 10 料硬化剤 ① （注 5 ) 70 70 70 70 70 70 70 70 硬化荊 ② （注 9 ) 40 40 途震の色白白白白白白白白白白黑屈曲性〇〇〇〇 o 厶 Δ X 〇厶〇温度差耐水性試験板 I 〇〇〇〇〇〇 X 厶厶 Δ Δ 試験板 II 〇〇〇〇〇 O X Δ Δ 厶 Δ 耐海水性拭驗板 I O 〇〇〇厶〇 △ △ △ 厶〇試驗板 II 〇〇〇〇厶〇厶 Δ 厶 Δ 〇

表 2

発明の効果

本発明の防食塗料組成物は、タールのかわりに水酸基含有石油樹脂または特定の分解残油を特定量用いるので、エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤と石油樹脂または分解残油との相溶性が良好で、安全衛生上問題なく、防食性、耐水性、付着性に優れ、しかも明色ないしタールに比べて明色の途膜を形成できる。

産業上の利用可能性

本発明の防食塗料組成物は、船舶 ·鋼構造物の防食塗料として非常に有用である、

Claims

請求の範囲

1. (A) エポキシ榭脂、（B) ァミン系硬化剤および（C) 水酸基含有石油榭脂または軟化点 5 0〜1 5 0^eCの分解残油からなり、該（C) 成分を該エポキシ樹脂（A) および該ァミン系硬化剤（B) からなる硬化榭脂固形分 1 0 0重量部に対して 20〜5 0 0重量部含有することを特徵とする防食塗料組成物。

2. 該（A) 成分と該（B) 成分との混合割合が、該（B) 成分中の活性水素当量と該（A) 成分中のエポキシ当量との当量比として 0.5〜1.0の範囲にあることを特徵とする請求の範囲第 1項記載の組成物。

8. 該組成物がさらに改質剤（D) からなり、該改質剤（D) を硬化樹脂固形分 1 0 0重量部に対して 5 0重量部以下の範囲で含有することを特徵とする請求の範囲第 1項記載の組成物。

4. 該エポキシ樹脂（A) が、 1分子中に少なくとも 2個のエポキシ基を有し、

1 50〜6 00のエポキシ当量を有することを特徴とする請求の範囲第 1項記載の組成物。

5. 該エポキシ樹脂（A) が 1 5 0〜30 0のエポキシ当量を有することを特徴とする請求の範囲第 4項記載の組成物。

6. 該（C) 成分が分解残油であり、該アミン系硬化剤（B) がアルキル化フノリックボリアミンであることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の組成物。

7. 該（C) 成分としての水酸基含有石油樹脂が 1分子中に 1〜2モルの水酸基を含有する石油樹脂であり、その軟化点が 5 0〜1 5 0^eCであることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の組成物。

8. 該（C) 成分としての分解残油が、石油ナフサの熱分解過程で副生する残渣であり、多核芳香族化合物を主成分とし、該残渣から蒸留により低分子分を除いたものであることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の組成物。