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JPH11502729A - エーロゾル投与全身麻酔薬 - Google Patents

エーロゾル投与全身麻酔薬

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JPH11502729A
JPH11502729A JP8527924A JP52792496A JPH11502729A JP H11502729 A JPH11502729 A JP H11502729A JP 8527924 A JP8527924 A JP 8527924A JP 52792496 A JP52792496 A JP 52792496A JP H11502729 A JPH11502729 A JP H11502729A
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JP
Japan
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propofol
propellant
aerosol
anesthetic
hfc
Prior art date
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JP8527924A
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English (en)
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エイ. ヘンリー,リチャード
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Individual
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Publication date
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    • A61K9/0073Sprays or powders for inhalation; Aerolised or nebulised preparations generated by other means than thermal energy
    • A61K9/008Sprays or powders for inhalation; Aerolised or nebulised preparations generated by other means than thermal energy comprising drug dissolved or suspended in liquid propellant for inhalation via a pressurized metered dose inhaler [MDI]
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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Abstract

(57)【要約】 計量ずみ投与量吸入器を用いてエーロゾルの形態で不揮発性全身麻酔薬を患者に投与すると好都合である。麻酔薬は高度の脂質可溶性を備え、鼻、口および肺粘膜経由山で迅速に吸収される。プロポフォルは表面活性剤および共溶媒の使用によることなくヒドロフルオロカーボン推進剤中に容易に可溶化される。この可溶性によって、プロポフォルなどの純粋な麻酔薬を患者および動物の気道粘膜に所要量だけ伝達し、事前の静脈内注入を要することなく鎮静または麻酔の迅速な発現を生じさせることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】 エーロゾル投与全身麻酔薬 発明の技術分野 本発明は全身麻酔薬に関し、より詳しくいうと、室温で液体または固体であり 通常静脈に投与される全身麻酔薬のエーロゾル製剤と、患者吸入による鼻や肺の 粘膜へのこれら薬剤のエーロゾル投与に関する。 背景技術 局部麻酔薬は可逆的にニューロン機能を抑圧して患者の痛感や他の感覚の知覚 能力を喪失させる化合物である。全身麻酔薬は患者の意識を喪失させるものであ る。この種の薬剤はしばしば”催眠”剤と呼ばれる。しばしば「笑気」と呼ばれ る亜酸化窒素は普通に用いられる吸入形の全身麻酔薬の一例である。ハロタン、 イソフルラン(isoflurane)およびエンフルラン(enflurane)はガスとして与 えられる、より効能のある吸入形の気化性全身麻酔薬の例である。 ガスとは別に多種の催眠剤も注射液溶液または乳剤として投与される。これら 薬剤は一般に速効性があり、望ましい鎮痛作用並びに投与終了後の有利な全身的 排出性を有する。これらの薬剤は通常室温で液体または固体であり、本発明以前 はそのエーロゾル投与は行われていない。 プロポフォル(propofol)、2,6−ジイソプロピルフェノール(C1218O )、は静脈内仝身麻酔薬として使用される速効性催眠剤の一例である。これは一 回の腕−脳循環時間内に麻酔状態を急速且つ穏やかに導入し、しかも心臓血管の 安定性は良好であり、吐き気を伴わない急速且つ良好な回復性を有する。プロポ フォルはその純粋な形では室温で無色の液体(溶融点摂氏19度)である。これ は水には溶解せず、従って、静脈投与に適した水溶性調合剤にすることは困難で ある。これは初めに可溶化剤として16%クレマファー(cremaphor)ELを用 いた1%活性溶液として使用された。クレマファーELは、過敏症反応の危険性 を伴うことが明らかとなって、市場から回収された。その後、これは大豆油乳剤 :10%大豆油、1.2%卵燐脂質及び2.5%グリセロールの1重量/体積( w/v)%の水の乳剤(Kanto,J.Clin.Pharm.,Ther.Tox.,Vol.26,No.1, 1988, pp.41-57参照)に再調合された。この再調合剤は溶解度の問題を解決し、 クレマ ファーELで達成されるものよりも安全な可溶化技術を与えた。この再調合剤の 原理的な欠点は注射したとき患者に僅かではあるが痛みを与えること、及び保存 期間が短いこと、特に、その汚染され易さにより、開封後の寿命が短いことであ る。 プロポフォルは、麻酔誘発のための大量瞬時投与(1−2.5mg/kg)の 際に、非常に急速な拡散、急速な作用の消滅、全身的な高い排出率などの有用性 を示す多くの有利な作用特性を有する。連続注入(75−300マイクロg/k g/分)により、バランスした静脈麻酔剤、或いは全静脈麻酔剤の一部が麻酔状 態を維持するのであり、注入の中止により急速に回復することを特徴とする。こ れらの望ましい作用特性はこの薬剤の高い脂質溶解度およびその急速な新陳代謝 に寄与する。亜麻酔投与量のプロポフォルの注入(25−100マイクロg/k g/分)は局部麻酔により処置を受ける患者又は呼吸装置による強力な支援を受 ける患者に対し鎮静作用を与えるために使用出来る。この注入は鎮静のレベルと 血圧の高速且つ容易な制御を可能にする。 救急の場面で用いられる麻酔及び鎮静技術の術後副作用の発生率は低いので、 術前状態への速やかな回復を可能にすることにより患者の安全を最適に保証でき る。繰返し大量瞬時投与または滴定による連続注入後であっても、プロポフォル の予測可能な回復特性及び好ましい副作用特性がこれを短時間の救急処置中の麻 酔または鎮静剤の導入及び維持に適したものにしている。 小児科患者では、静脈注射による麻酔の誘発は、眠らずおびえている小児の血 管にアクセスしにくいという問題がある。ハロタンなど有効な揮発性麻酔剤を用 いる吸入形の麻酔は小児が眠る前にその静脈に注入する必要がないため種々の状 況での麻酔剤の導入にルーチンとして使用されている。或いは、麻酔剤ではなく 鎮静剤を投与することも出来る。鎮静剤はその薬効の開始が遅いので、予め投与 する必要がある。鎮静剤を使用する場合には、麻酔剤が投与される迄小児を観察 しなければならないから、短時間の処置後の回復時間を長引かせる。水溶性静脈 調剤を用いる鼻腔内ミダザラムが最近用いられている。投与の際の刺痛、緩慢な 効力発現、および緩慢な回復がその欠点である。 発明の開示 本発明の目的は、通常は静脈内投与用で室温で液体または固体であり望ましい 回復及び代謝特性を有する即効性の全身麻酔薬組成物を注射ではなくエーロゾル 吸入(鼻孔や口腔)で患者に与えることである。 本発明の他の目的は、通常は静脈内投与用で室温(例えば、23−28℃)で は液体又は固体であり望ましい回復及び代謝特性を有する即効性の仝身麻酔薬組 成物のエーロゾル製剤を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、プロポフォルおよびヒドロフルオロカーボン推進 剤を含む新規なエーロゾル製剤を提供することである。 本発明により、プロポフォルが1,1,1,2−テトラフルオロエタンなどのヒドロ フルオロカーボン推進剤と安定な溶液を形成することが見出された。この溶液は 自然に形成され、界面活性剤または溶媒の介在を必要としない。プロポフォルを 含むエーロゾル製剤は患者の吸入により鼻、口腔および肺粘膜に投与でき、意識 喪失や鎮静の急速な発現をもたらす。本発明は、室温で不揮発性の従来の静脈内 全身麻酔剤をエーロゾルとして安全且つ効果的に投与できることを示しており、 ”オゾンに優しい”推進剤利用のプロポフォル含有の特定のエーロゾル製剤を提 供するものである。 発明の好適な実施例の詳細な説明 プロポフォルは、室温では低密度の油であって、脂質可溶性の高い物質である 。これは水には溶解せず、したがって水含有懸濁液中で用いるには不適当である 。プロポフォルを純粋な脂質可溶性のある形で気道粘膜に投与して急速で一過性 の催眠を生じさせるようにすると有利である。このエーロゾル調剤は非刺激性で あることを要し、催眠または鎮静を生じさせるに充分な量を投与する必要がある 。これによって人および動物に非侵襲性で速効性ある鎮静および催眠状態を生じ させることが可能になる。 本発明は、計量ずみ投与量吸入器を用いて患者に静脈内全身麻酔剤プロポフォ ルのエーロゾル投与することをとくに対象としている。しかしながら、ケタミン 、ミダゾラム、エトミデート、プレグナネロン、アルテシン、ペントタール、ブ リエタルなどの静脈内全身麻酔剤のエアロゾル投与、および上記以外の、噴霧器 、乾燥粉体吸入器などのエーロゾル発生器に広く応用できるものであることを理 解すべきである。さらに、計量バルブ以外の手段による静脈内全身麻酔剤の計量 を本発明の実施に使用できる。 計量ずみ投与量吸入器(MDI)は喘息などの慢性の疾患の処置にここ数年に わたり使用されてきた。これらの処置方法では、推進剤または推進剤混合物と共 に加圧下で充填された薬物(例えば、アルブテロール、トリアムシノロン、ベク ロメタゾン ジプロピオネートなど)の容器の供給を患者は受ける。通常は、推 進剤への薬物の溶解或いは均一な分散を促進させるために、溶媒、界面活性剤、 酸化防止剤、潤滑剤、保存剤などがこの薬物および推進剤と共に充填してある。 患者はこの容器に接続した計量パルブを周期的に操作して推進剤により薬物を容 器から吸入することにより、或る量の薬物を自己投与する。 本発明は、患者に麻酔剤を投与する際にMDIを有効に使用することを提案す る。患者に麻酔をかけることは慢性の病気の処置とは全く異なる。例えば、麻酔 剤は常に有資格者により取り扱わなければならず、麻酔剤は手術または処置中に 一回または数回投与されるだけである。しかしながら、MDIはその容器の持ち 運び易さとそれにより可能となる極めて正確な投与薬量とにより麻酔医の役割を はたすものである。従来の静脈注射の要件は不要となり、針/注射器の使用によ る処置の遅れはなくなる。軍事紛争中や第三世界の貧困国におけるように針と注 射器の確保が困難な国や状況における有利性も実現できる。さらに、麻酔剤のエ ーロゾル投与はおびえている動物の鎮静や麻酔の誘発を迅速にしかも非侵襲的に 達成可能にするので、獣医学の分野においてもこの麻酔剤のエーロゾル投与は有 利である。 MDIはクロロフルオロカーボン、すなわち”フレオン”推進剤をこれまで利 用してきた。地球のオゾン層に対する悪影響により、全世界にわたる条約でそれ ら推進剤の使用禁止が要求されている。もっとも広く認識されているCFCの代 替物は1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプ ロパンなどのヒドロフルオロカーボン(HFC)推進剤であり、これら推進剤は 冷却、ポリマーフォーム加圧噴出製法、電子式洗浄業界に応用されてきた。しか しながら、HFC推進剤はMDI環境においてはCFC推進剤とは異なる形で作 用することがわかってきた。特に、HFC中に薬物を可溶化又は分散することは 非常に困難であることがわかってきた。推進剤中への可溶化または一様分散化な しではMDIは薬物の再現可能で薬効ある投薬量を生ずることができない。HF C推進剤中への薬物の可溶化または分散のために使用可能な新規な界面活性剤の 開発、および共溶媒の開発に向けて多くの努力が払われている。 HFC推進剤を利用したMDI製剤は先進工業国ではまだ使用が認可されてい ない。しかしながら、規制当局に対して最近提出された報告では、1,1,1,2−テ トラフルオロエタンおよび1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン利用のMD I製剤が近い将来に認可取得可能性の最も高いCFC代替MDI製剤であること を示唆している。或いは、MDI業界がCFC利用のMDI製品の販売許可に導 く現行条約適用除外取得に成功するかもしれない。 特にプロポフォル製剤について、本発明の発明者は、プロポフォルが、1,1,1, 2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフ ルオロプロパン(HFC−227)に急速に且つ自然に溶解することを見出した 。例えば、500ミリグラムの純粋なプロポフォル油を計量し、洗浄ずみのガラ スの容器に入れ、標準バルブで蓋をすることによりエーロゾル溶液を準備した。 HFC−134a5グラムをこの容器に圧入技術により添加した。これら二つの 物質はそのままでも冷却しても分離しない均質の溶液を生成することが見出され た次に、この容器を徐々に開いて大気圧とし、HFC−134aを、それが大気 圧になるまで徐々に放出した。この容器を再び計量し、1500ミリグラムの重 量増加があったことがわかった。残留物質は透明な油状溶液の形態であり、分離 または結晶析出の兆候を示さなかった。HFC成分の一部はその成分が通常揮発 性を示す条件下ではプロポフォルと会合状態に留まるので、この油状溶液は新規 な組成物である。この溶液のHFC成分は水またはアルコール(例えば、エチル アルコール)を加えることにより容易に放出された。 これらの実験は、プロポフォルのエアロゾル製剤がそのHFC推進剤との自然 な混合性によりHFC推進剤を用いることによって容易に作りうることを示して いる。このエアロゾル製剤は好適には60−99%HFC推進剤又は推進剤混合 物(例ば、HFC−134a,HFC−227又はそれらの混合物)に溶解した 1−40%w/wプロポフォルを含む。HFC推進剤へのプロポフォルの可溶性 により、溶媒及び界面活性剤はこのエアロゾル製剤には不要である。さらに、プ ロポフォル塩基の油性により、MDIとしたとき、バルブの潤滑剤等はこのエア ロゾル製剤には不要である。塩基の形のプロポフォルは、鼻、口腔、及び肺粘膜 にそしてそれを通り容易に浸透しうるようにするその親油性により、好適なもの である。しかしながら、プロポフォルの他の形及び誘導体も使用しうる。 プロポフォルと同様にベンゼン環にヒドロキシル(OH)基を有するプロポフ ォルにおけるようなフェノール環構造を有する化合物はそれ自体HFC推進剤に は溶解しないことが分かった。、例えば、発明者による試験によれば、メタラミ ノール(metaraminol)、フェニレフリン、アセタミノフェン(acetaminophen) 、サリチル酸、サリチル酸ナトリューム及びサリチル酸メチルはそれら自体1,1, 1,2−メタフルオロエタンには不溶であり、又他の資料によれば、メタプロテレ ノール(metaproterenol)、アルブテロール(albuterol)、リトドリン(ritod rine)、テルブタリン(terbutaline)、エピネフリン、ノルエピネフリンおよ びイソプロテレノール(isoproterenol)もそれら自体は1,1,1,2−テトラフルオ ロエタンには不溶である。 プロポフォルは投与時不快な強い薬品の味を有するから、少量の味覚増強/変 更剤を加えるとよいことが分かった。プロポフォルMDIエアロゾル製剤と組み 合わせて特に有効な組み合わせはサッカリン(甘味剤)、グレープフルーツフレ ーバ(芳香剤)およびセチルピリジニューム(cetylpyridinium)(保存剤)を 含む。他の甘味剤、芳香剤及び保存剤、及びそれらの異なる組み合わせは本発明 の実施に有効である。 更に、HFCへのプロポフォルの溶解特性により、プロポフォルは、HFCに 溶解しない他の薬物を含むMDI製剤に補薬(可溶化剤又は界面活性剤)として 使用してもよい。プロポフォルはHFC推進剤に特異に且つ極めて溶解しやすく 、推進剤の溶解特性をさらに変えそして不溶又は僅かしか溶解しなかった化合物 の溶液を作りうるように推進剤と相互作用する。例えば、本発明者は、アルブテ ロール、リトドリン、メタプロテレノール、テルブブタリン、イソエタリン、及 びビトルテロール(bitolterol)のようなベーター2アゴニスト、フェニレフリ ン及びメタラミノールのような合成非カテコラミン、ブピバカイン(bupivacain e)のような局部麻酔剤、サリチル酸、アスピリン、サリチル酸ナトリューム、 およびサリチル酸メチルのようなサリチレート、フェナセチン及びアセタミノフ ェンのようなパラ−アミノフェノール誘導体、イブプロフェン(ibuprofen)の ようなプロピオン酸、及びエピネフリン、ノルエピネフリン、イソプロテレノー ル、ドーパミン、ドブタミン(dobutamine)及びベーターフェニルエチルアミン のよう な交感神経興奮剤はすべて界面活性剤そして/又は共溶媒のような補薬なくして はHFCに溶解しないことを確認した。これら化合物は補薬としてプロポフォル を含むHFC推進剤に可溶又は分散可能にすることが出来る。HFC推進剤と補 薬としてのプロポフォルを用いて作られたMDIは1−10%w/w薬物、1− 40%w/wプロポフォル、および60−98%w/wHFC推進剤(好適には HFC−134a,HFC−227及びそれらの組み合わせ)を含む。 エアロゾル麻酔剤の量は患者、達成されるべき結果及びエアロゾル化されるべ き麻酔剤により決まる。例えば、身体の大きな患者は小さい患者より多くの麻酔 剤を必要とし、鎮静とは異なり無感覚を達成すべき場合には量は増加し、そして 無感覚または鎮静状態を達成するには異なる量が必要である。プロポフォルの場 合、患者を鎮静させるには0.5−1mg/kgの範囲の薬量を用い、無感覚に させるには1−2mg/kgの範囲の量を用いることになる。これらの薬量は、 プロポフォルを静脈に投与する場合の薬量と比肩出来る。プロポフォルは急速に 吸収されるから、患者の気道に投与された薬量は静脈注射の薬量と比肩できる。 エアロゾル麻酔剤をMDIを用いて投与すべき場合、MDIの容器は、一回又 は二回の操作で患者を鎮静又は無感覚状態にするに充分な量の麻酔剤を与える計 量バルブを備えていることが望ましい。通常の計量済み薬量は、目標とする投与 部位により25−100マイクロリットルの範囲である。鼻スプレーは一般にこ れより少ない。製剤の体積と濃度は最適な滴寸法及びスプレー形状に必要な薬量 を投与できるように選ばれる。全身麻酔剤は極めて脂質に溶解しやすいから、こ れらは気道粘膜のどこからでもよく吸収され、そのため吸入可能な範囲(1−1 0マイクロメータ)の液滴寸法は必然的に問題とならない。 麻酔剤の要求量は患者間で大きく変化する。そのため、一回分の計量済み薬量 は最も敏感な患者以外のすべてを麻酔状態にしないような量とすることが望まし い。このようにすることにより、医者は個々の患者に対する麻酔剤の効果に従っ て投与される薬量を調節することができる。 MDIの容器には加圧推進剤が充填されており、バルブ操作でこの推進剤が放 出されるときそれに溶解された或いは分散された麻酔剤を患者の気道に送り込み 、鼻孔、口腔又は肺の粘膜から吸収させる。従来のCFC推進剤を使用できるが 、HFC,アルカン(alkane)、およびアルキルエーテルのような非オゾン破壊 性 推進剤を使用することが望ましい。界面活性剤及び共溶媒は必要に応じてMDI 容器内の麻酔剤と組み合わせることが出来る。上述のように、プロポフォルを麻 酔剤として用いそしてHFCを推進剤として用いる場合には、潤滑剤、共溶媒及 び界面活性剤は不要である。 MDIは全身麻酔剤のエアロゾル投薬用の好適な装置であるが、ネブライザー 等のような他の装置」を本発明の実施において有効に使用できる。 本発明を好適な実施例について説明したが、本発明は添付の特許請求の範囲の 精神と範囲内で変更して実施できることは当業者にはあきらかである。
【手続補正書】 【提出日】1997年10月31日 【補正内容】 全文訂正明細書 エーロゾル投与全身麻酔薬 発明の技術分野 本発明は全身麻酔薬に関し、より詳しくいうと、室温で液体または固体であり 通常静脈に投与される全身麻酔薬のエーロゾル製剤と、患者吸入による鼻や口や 肺の枯膜へのこれら薬剤のエーロゾル投与に関する。 背景技術 局部麻酔薬は可逆的にニューロン機能を抑圧して患者の痛覚や他の感覚の知覚 能力を喪失させる化合物である。全身麻酔薬は患者の意識を喪失させるものであ る。この種の薬剤はしばしば「催眠」剤と呼ばれる。「笑気」と呼ばれる亜酸化 窒素は普通に用いられている吸入型の全身麻酔薬の一例である。ハロタン、イソ フルランおよびエンフルランはガスとして投与される、より強力な吸入型の揮発 性全身麻酔薬の例である。 種々の催眠剤がガスとしてではなく注射薬溶液または乳剤として投与される。 これら薬剤は一般に速効性があり、所望の鎮痛作用および投与終了後の有利な全 身的排出性を有する。これらの薬剤は通常室温で液体または固体であり、本発明 以前はそのエーロゾル投与は行われていない。 プロポフォル、すなわち2,6−ジイソプロピルフェノール(C1218O)、 は静脈内全身麻酔薬として使用される速効性催眠剤の一例である。この薬剤は一 回の腕−脳循環時間内に麻酔状態を急速に穏やかに導入し、しかも心臓血管の安 定性は良好であり、吐き気を伴わない急速で良好な回復性を有する。 プロポフォルは純粋な形では室温で無色の液体(融点19℃)である。この薬 剤は不溶であり、従って、静脈内投与向きの水溶性調合剤にすることは困難であ る。この薬剤は16%クレマファーEL中の1%活性溶液の形で可溶化剤として 当初使用された。クレマファーELは、過敏症反応の危険性を伴うことが明らか となって、市場から回収された。その後、この薬剤は大豆油乳剤:10重量/容 積(w/v)%大豆油、1.2%卵燐脂質および2.5%グリセロールの1重量/容積( w/v)%の水性乳濁液に再調合された(Kanto,J.Clin.Pharm.,Ther.Tox., Vol.26,No.1,1988,pp.41-57参照)。この再調合剤は溶解度の問題を解決し、 クレマファーELで達成されたものよりも安全な可溶化手法をもたらした。この 再調合剤の主な欠点は注射時における患者の僅かな痛みおよび保存期間が短いこ と、とくにその汚染され易さにより開封後の保存期間が短いことである。 プロポフォルは麻酔誘発のための静脈内大量瞬時投与(1−2.5mg/kg)の際 に、非常に急速な拡散、急速な作用の消滅、全身的な高い排出率などの有用性を 示す多くの有利な作用特性を有する。連続注入(75−300マイクロg/kg/ 分)は調節静脈注射麻酔薬または全静脈麻酔薬の一部として麻酔状態を維持し、 その麻酔状態は注入の中止により急速に回復することを特徴とする。これらの望 ましい作用特性はこの薬剤の高い脂質溶解度およびその急速な新陳代謝に起因す る。亜麻酔投与量のプロポフォルの注入(25−100マイクロg/kg/分)は 局部麻酔により処置を受けている患者または人工呼吸装置依存の集中治療を受け ている患者に対し鎮静作用を与えるために使用できる。この注入は鎮静の深さお よび血圧の迅速で容易な制御を可能にする。注入停止後の急速な意識回復はプロ ポフォルの有利な特性である。 救急の場面で用いられる麻酔および鎮静手法は、術後副作用の発生率を低くし 、術前状態への速やかな回復を可能にすることにより患者の安全を最適に保証す るものが望ましい。プロポフォルは、繰返し大量瞬時投与または滴定による連続 注入後であっても、予測可能な回復特性および好ましい副作用特性を備えるので 、短時間の救急処置中の麻酔または鎮静の導入および維持に適している。 小児科患者では、静脈注射による麻酔の誘発は、眠らずおびえている小児の血 管にアクセスしにくいという問題がある。ハロタンなど有効な揮発性麻酔剤を用 いる吸入型の麻酔は、覚醒状態の小児の静脈へのアクセスを不要にするために多 様な状況で麻酔薬の導入に日常的に使用されている。代替的に鎮静剤を投与する こともできる。鎮静剤はその薬効の開始が遅いので、予め投与する必要がある。 鎮静剤を使用する場合は、麻酔薬投与まで小児を観察する必要があり、短時間の 処置後の回復時間もそのために長くなる。水溶性静脈調剤を用いる鼻腔内ミダザ ラムが最近用いられている。投与の際の刺痛、緩慢な効力発現、および緩慢な回 復がその欠点である。 発明の開示 本発明の目的は、通常は静脈内投与用で室温で液体または固体であり望ましい 回復特性および代謝特性を有する即効性の全身麻酔薬組成物を注射ではなくエー ロゾル吸入(鼻孔や口腔)で患者に与えることである。 本発明のもう一つの目的は、通常は静脈内投与用で室温(例えば、23−28 ℃)では液体または固体であり望ましい回復特性および代謝特性を有する即効性 の全身麻酔薬組成物のエーロゾル製剤を提供することである。 本発明のさらにもう一つの目的は、プロポフォルおよびヒドロフルオロカーボ ン推進剤を含む新規なエーロゾル製剤を提供することである。 本発明により、プロポフォルが1,1,1,2−テトラフルオロエタンなどのヒドロ フルオロカーボン推進剤と安定な溶液を形成することが見出された。この溶液は 自然に形成され、界面活性剤または溶媒の介在を必要としない。プロポフォルを 含むエーロゾル製剤は患者の吸入により鼻、口腔または肺粘膜に投与でき、意識 消失や鎮静の急速な発現をもたらす。本発明は、室温で不揮発性の従来の静脈内 全身麻酔剤をエーロゾルとして安全且つ効果的に投与できることを示しており、 「オゾンに無害の」推進剤利用のプロポフォル含有の特定のエーロゾル製剤を提 供するものである。 発明の好適な実施例の詳細な説明 プロポフォルは、室温では低密度の油であって、脂質可溶性の高い物質である 。この薬剤は水には不溶であり、したがって水含有懸濁液中で用いるには不適当 である。プロポフォルを純粋な脂質可溶性のある形で気道粘膜に伝達して急速で 一過性の催眠を生じさせるようにすると有利である。このエーロゾル調剤は非刺 激性であることを要し、催眠または鎮静を生じさせるに充分な量を伝達する必要 がある。これによって人間および動物に非侵襲性で速効性ある鎮静および催眠状 態を生じさせることが可能になる。 本発明は、計量ずみ投与量吸入器を用いて患者に静脈内全身麻酔薬プロポフォ ルのエーロゾル伝達を行うことをとくに対象としている。しかしながら、ケタミ ン、ミダゾラム、エトミデート、プレグナネロン、アルテシン、ペントタール、 ブリエタルなど上記以外の静脈内全身麻酔剤のエアロゾル伝達、および上記以外 の噴霧器、乾燥粉体吸入器などのエーロゾル発生器に本発明が広く応用できるこ とを理解すべきである。さらに、本発明の実施において上記静脈内全身麻酔薬を 計量バルブ以外の手段で計量することもできる。 計量ずみ投与量吸入器(MDI)は喘息などの慢性の疾患の処置にここ数年に わたり使用されてきた。これらの処置方法では、推進剤または推進剤混合物とと もに加圧下で充填された薬物(例えば、アルブテロール、トリアムシノロン、ジ プロピオン酸ベクロメタゾンなど)の容器の供給を患者は受ける。通常は、推進 剤への薬物の溶解または均一な分散を促進させるとともにこの混合物が計量パル ブを容易に通過できるようにするために、溶媒、界面活性剤、酸化防止剤、潤滑 剤、保存剤などがこの薬物および推進剤とともに充填してある。患者はこの容器 に結合した計量パルブを周期的に操作して推進剤により薬物を容器から吸入する ことにより、ある投与量の薬物を自己投与する。 本発明は、患者に麻酔を施す際にMDIを有効に使用することを提案する。患 者に麻酔を施すことは慢性の疾患の処置とは全く異なる。例えば、麻酔は常に有 資格専門家による取扱いを必要とし、外科手術または処置中に一回または数回施 されるだけである。一方、MDIはその容器の可搬性とそれにより可能となる高 精度投薬量伝達とにより麻酔医に格別の利点をもたらす。従来必要であった静脈 へのアクセスは不要となり、針/注射器の使用による遅れは解消される。軍事紛 争中や第三世界の貧困国などの場合のように針と注射器との確保が困難な国や状 況における有利性も実現できる。さらに、麻酔薬のエーロゾル伝達はおびえてい る動物の鎮静や麻酔の誘発を迅速にしかも非侵襲的に達成することを可能にする ので、獣医学の分野においてもこの麻酔剤のエーロゾル伝達は有利である。 MDIはクロロフルオロカーボン、すなわち「フレオン」推進剤をこれまで利 用してきた。地球のオゾン層に対する悪影響により、全世界にわたる条約でそれ ら推進剤の使用禁止が要求されている。もっとも広く認識されているCFCの代 替物は1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプ ロパンなどのヒドロフルオロカーボン(HFC)推進剤であり、これら推進剤は 冷却、ポリマーフォーム加圧噴出製法、電子式洗浄業界に応用されてきた。しか しながら、HFC推進剤はMDI環境においてはCFC推進剤とは異なる形で作 用することがわかってきた、特に、HFC中に薬物を可溶化又は分散することは 非常に困難であることがわかってきた。推進剤中への可溶化または一様分散化な しにはMDIは薬物の再現可能で薬効ある投薬量を提供することができない。H FC推進剤中への薬物の可溶化または分散化のために使用可能な新規な界面活性 剤の開発および共溶媒の開発に向けて多大の努力が払われている。 HFC推進剤を利用したMDI医薬製品は先進工業国ではまだ使用が認可され ていない。しかしながら、規制当局に対して最近提出された報告では、1,1,1,2 −テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン利用の MDIが近い将来に認可を取得する可能性の最も高いCFC代替MDI製剤であ ることを示唆している。或いは、MDI業界がCFC利用のMDI製品の販売許 可に導く現行条約適用除外取得に成功するかもしれない。 とくにプロポフォル製剤について、本発明の発明者は、プロポフォルが1,1,1, 2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフ ルオロプロパン(HFC−227)中で急速にしかも自然に可溶化することを見 出した。例えば、500ミリグラムの純粋なプロポフォル油を計量し、洗浄ずみ のガラスの容器に入れ、標準バルブで蓋をすることによりエーロゾル溶液を準備 した、HFC−134a5グラムをこの容器に圧入技術により添加した。これら 二つの物質はそのままでも冷却しても分離しない均質の溶液を生成することが見 出された。次に、この容器を徐々に開いて大気圧とし、HFC−134aを、そ れが大気圧になるまで徐々に放出した。この容器を再び計量し、1500ミリグ ラムの重量増加があったことがわかった。残留物質は透明な油状溶液の形態であ り、分離または結晶析出の兆候は示さなかった。HFC成分の一部はそのHFC 成分が通常揮発性を示す条件下ではプロポフォルとの会合状態に留まるので、こ の油状溶液は新規な組成物である。この溶液のHFC成分は水またはアルコール (例えば、エチルアルコール)を添加することにより容易に放出された。 これらの実験は、プロポフォルがHFC推進剤との間で自然な混和性を示すの でそれらHFC推進剤の利用によってプロポフォルのエーロゾル製剤を容易に生 成できることを示している。このエアロゾル製剤はHFC推進剤または推進剤混 合物(例えば、HFC−134a、HFC−227またはそれらの混合物)60 −99%に溶解したプロポフォル基剤1−40%w/wを含むのが好ましい。HF C推進剤へのプロポフォルの可溶性により、溶媒および界面活性剤はこのエーロ ゾル製剤には不要である。さらに、プロポフォル基剤が油状であるので、MDI 封入時にバルブ潤滑剤などをこのエーロゾル製剤に加える必要はない。基剤の形 のプロポフォルは、鼻腔、口腔、および肺の粘膜への浸透およびこれら粘膜経由 の浸透を可能にする親油性を備えているので、その基剤の形のものが好ましい。 しかし、それ以外の形のプロポフォルもプロポフォルの誘導体も使用できる。 プロポフォルと同様にベンゼン環にヒドロキシル(OH)基を有するプロポフ ォル中の同様のフェノール環構造を有する化合物もそれだけではHFC推進剤に 不溶であることがわかった。例えば、発明者による試験によれば、メタラミノー ル、フェニレフリン、アセタミノフェン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウムお よびサリチル酸メチルはそれだけでは1,1,1,2−メタフルオロエタンには不溶で あり、また他の資料によれば、メタプロテレノール、アルブテロール、リトドリ ン、テルブタリン、エピネフリン、ノルエピネフリン、およびイソプロテレノー ルもそれらだけは1,1,1,2−テトラフルオロエタンには不溶である。 プロポフォルは投与時に不快な強い薬品の味を示すので、味覚増強/偽装剤を 低濃度で添加するのが有用であることがわかった。プロポフォルMDIエーロゾ ル製剤と組み合わせてとくに有用とわかったものにはサッカリン(甘味剤)、グ レープフルーツフレーバ(芳香剤)およびセチルピリジニウム(保存剤)などが ある。これら以外の甘味剤、芳香剤および保存剤、およびそれらの異なる組み合 わせが本発明の実施に有用である。 また、HFCへのプロポフォルの可溶性により、プロポフォルはHFCに不溶 の他の薬物を含むMDI製剤に補薬(可溶化剤または界面活性剤)として使用す ることもできる。プロポフォルはHFC推進剤に特異的に高度の可溶性を示し、 推進剤の溶解特性をさらに変え不溶性またはごく低度の可溶性の化合物を可溶化 するように推進剤と相互作用する。例えば、本発明の発明者は、アルブテロール 、リトドリン、メタプロテレノール、テルブタリン、イソエタリン、およびビト ルテロールなどのベータ−2作用薬、フェニレフリンおよびメタラミノールなど の合成非カテコラミン、ブピバカインなどの局部麻酔薬、サリチル酸、アスピリ ン、 サリチル酸ナトリウム、およびサリチル酸メチルなどのサリチル酸塩、フェナセ チンおよびアセタミノフェンなどのパラ−アミノフェノール誘導体、イブプロフ ェンなどのプロピオン酸誘導体、およびエピネフリン、ノルエピネフリン、イソ プロテレノール、ドーパミン、ドブタミンおよびベータ−フェニルエチルアミン などの交感神経興奮剤はすべて界面活性剤や共溶媒などの補薬なしにはHFCに 不溶であることを確認した。これら化合物はプロポフォルを補薬として含めるこ とによってHFC推進剤に可溶化または分散可能化することができる。HFC推 進剤と補薬としてのプロポフォルとを用いて生成されたMDIは1−10%w/w の薬物、1−40%w/wのプロポフォル、および60−98%w/wのHFC推進剤 (好ましくはHFC−134a,HFC−227及びそれらの組み合わせ)を含 むのが望ましい。 エーロゾル投与麻酔薬の投与量は患者、達成すべき結果およびエーロゾル投与 すべき麻酔薬によって変動する。例えば、身体の大きい患者は小さい患者よりも 多量の麻酔薬を必要とし、鎮静ではなく意識消失の達成を要する場合はより多量 の麻酔薬を必要とし、達成すべき状態が意識消失であるか鎮静状態であるかによ って所要麻酔薬の量も種類も異ならせる必要がある。プロポフォルの場合は、鎮 静を達成するには0.5−1mg/kgの範囲の投与量を用い、意識消失を達成する には1−2mg/kgの範囲の投与量を用いることになる。これらの投与量は、プロ ポフォルを静脈内に投与する場合の投与量と大体同じである。プロポフォルは急 速に吸収されるので、患者の気道に伝達された投与量は静脈注射の投与量とほぼ 等しい。 エーロゾル投与麻酔薬をMDIにより提供する場合は、MDI容器には、1回 または2回の操作で患者の鎮静または意識消失状態を達成するに充分な量の麻酔 薬を供給する計量バルブを備えるのが望ましい。通常の計量ずみ投与量は、目標 の伝達部位に応じて25−100マイクロリットルの範囲である。鼻スプレーは 一般にこれより少ない投与量である。製剤の体積と濃度は最適の薬滴粒度および スプレー形状で所要投与量を伝達できるように選ばれる。全身麻酔薬は高度の脂 質可溶性を有するので、それら麻酔薬は気道粘膜のどこからでも良好に吸収され 、したがって、吸入可能な範囲(1−10マイクロメータ)の薬滴粒度は必ずし も 必要でない。 麻酔薬の所要量は患者ごとに大きく異なる。したがって、一回分の計量ずみ投 与量は反応の最も強い患者以外の患者には麻酔状態を生じない程度の量とし、個 々の患者に対する薬効にしたがった投薬量を医者が調節できるようにするのが望 ましい。 MDIの容器には加圧状態で推進剤を充填してあり、バルブ操作によりその推 進剤が放出されるとき、その推進剤中の溶解または分散麻酔薬を患者の気道に送 り込み、鼻腔、口腔または肺の粘膜から吸収させる。従来のCFC推進剤も使用 できるが、HFC,アルカン、およびアルキルエーテルなどのオゾン非破壊性推 進剤を使用するのが望ましい。界面活性剤および共溶媒を必要に応じてMDI容 器内の麻酔薬と組み合わせることが出来る。上述のとおり、プロポフォルを麻酔 薬として用いHFCを推進剤として用いた場合は、潤滑剤、共溶媒および界面活 性剤は不要である。 MDIは全身麻酔薬のエーロゾル伝達用に好適な伝達器具であるが、噴霧器な どそれ以外の器具も本発明の実施に使用できる。 本発明を好適な実施例について上に説明してきたが、本発明が添付の請求の範 囲の真意と範囲を逸脱することなく改変を加えて実施できることは当業者には明 らかであろう。 特許詰求の範囲 1.計量バルブを有する容器と、 この容器内に充填されプロポフォル、プレグナネロン、アルテシン、ペント タール、ブリエタール、ミダゾラムおよびエトミデートからなる群から選んだ全 身麻酔薬と推進剤とを含むエアロゾル製剤と を含む計量ずみ投与量吸入器。 2.前記推進剤が1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフル オロプロパンおよびそれらの組み合わせからなる群から選んである請求項1記載 の計量ずみ投与量吸入器。 3.プロポフォル1−40%w/wと、 1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン およびそれらの組み合わせからなる群から選んだヒドロフルオロカーボン推進剤 60−99%w/wとから主として成る 患者への経口および経鼻投与用のエーロゾル製剤。 4.前記プロポフォルが基剤の形態である請求項3記載のエーロゾル製剤。 5.プロポフォル1−40%w/wと、 1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロ パンからなる群から選んだヒドロフルオロカーボン推進剤60−99%w/wと 、 ベータ−2作用薬と合成非カテコラミンとプロポフォル以外の局部麻酔薬と サリチル酸塩とパラアミノフェノールとプロピオン酸と交感神経興奮剤とからな る群から選んだ薬物1−10%w/wと を合むエーロゾル製剤。 6.1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロ パンから成る群から選んだヒドロフルオロカーボン60−98%w/wに薬物1 −10%w/wを溶解または分散させるようにプロポフォル1−40%w/wを 用いる過程を含む、ヒドロフルオロカーボン推進剤中に薬物を可溶化する方法。 7.味覚増強剤0.1−10重量%をさらに含む請求項3記載のエーロゾル製剤 。 8.味覚増強剤0.1−10重量%をさらに含む請求項5記載のエーロゾル製剤 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/55 A61K 31/55 31/57 31/57

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.計量バルブを有する容器と、 この容器内に充填されプロポフォル、プレグナネロン、アルテシン、ペント タール、ブリエタール、ミダゾラムおよびエトミデートからなる群から選んだ全 身麻酔剤と推進剤とを含むエアロゾル製剤と を含む計量ずみ投与量吸入器。 2.前記推進剤が1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフル オロプロパンおよびそれらの組み合わせからなる群から選んである請求項1記載 の計量ずみ投与量吸入器。 3.プロポフォル1−40%w/wと、 1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン およびそれらの組み合わせからなる群から選んだヒドロフルオロカーボン推進剤 60−99%w/wと を含む患者への経口および経鼻投与用のエーロゾル製剤。 4.前記プロポフォルが基剤の形態である請求項3記載のエーロゾル製剤。 5.プロポフォル1−40%w/wと、 1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパ ンおよびそれらの組み合わせからなる群から選んだヒドロフルオロカーボン推進 剤60−99%w/wと ベーター2作用薬と合成非カテコラミンとプロポフォル以外の局部麻酔剤と サリチル酸塩とパラアミノフェノールとプロピオン酸と交感神経興奮剤とからな る群から選んだ薬物1−10%w/wと を含むエーロゾル製剤。 6.1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロ パンから成る群から選んだヒドロフルオロカーボン60−98%w/wに薬物1 −10%w/wを溶解または分散するようにプロポフォル1−40%w/wを用 いる過程を含む、ヒドロフルオロカーボン推進剤中に薬物を可溶化する方法。 7.味覚増強剤0.1−10重量%をさらに含む請求項3記載のエーロゾル製剤 。 8.味覚増強剤0.1−10重量%をさらに含む請求項5記載のエーロゾル製剤 。
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