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JPH0931666A - ステンレス鋼板の塗装前処理方法 - Google Patents

ステンレス鋼板の塗装前処理方法

Info

Publication number
JPH0931666A
JPH0931666A JP18150995A JP18150995A JPH0931666A JP H0931666 A JPH0931666 A JP H0931666A JP 18150995 A JP18150995 A JP 18150995A JP 18150995 A JP18150995 A JP 18150995A JP H0931666 A JPH0931666 A JP H0931666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
coating
stainless steel
treatment liquid
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18150995A
Other languages
English (en)
Inventor
Kensuke Mizuno
賢輔 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority to JP18150995A priority Critical patent/JPH0931666A/ja
Publication of JPH0931666A publication Critical patent/JPH0931666A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス鋼板表面に優れた塗膜密着性と塗
装後耐食性を有するクロメート皮膜を形成させる塗装前
処理方法を提供する。 【構成】 金属イオンと硫酸イオンとを含み、必要によ
りさらにフッ素イオンおよびフッ化物イオンの1種以
上、或はりん酸イオンをさらに含み、pH0.5〜4.5
の酸性処理液でステンレス鋼板表面を処理した後、これ
を水洗し、次に、これに、3価クロムイオンと6価クロ
ムイオンとを含有するクロメート液を塗布し乾燥するこ
とによって、ステンレス鋼板表面上に塗膜密着性と塗装
後耐食性に優れたクロメート皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼板の
塗装前処理方法に関するものである。さらに詳しく述べ
るならば、本発明はステンレス鋼板の表面に、塗膜密着
性および塗装後耐食性に優れた塗膜を形成する新規な塗
装前処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にステンレス鋼板は、一般の鋼板に
比較してはるかに優れた耐食性を有しているため、高級
耐久材として、広い用途、例えば、建材、車両、機器、
厨房用品など多岐方面に使用されている。しかしなが
ら、ステンレス鋼板を未塗装で使用した場合には表面に
汚れが付着し易く、汚れた部分が腐食の起点となった
り、あるいは海岸の沿岸部で使用された場合には、塩素
によって起こる孔食のため意匠性が低下するばかりでは
なく、機能性が低下するという問題がある。そこで、こ
れらの問題を解決するために、ステンレス鋼板に塗装を
施して得られる塗装ステンレス鋼板が建材等に使用され
ている。
【0003】一般にステンレス鋼板の表面は安定した金
属酸化物に覆われており、このため、その表面と塗膜と
の密着性が低いことが知られている。この問題を解消す
るため、ステンレス鋼板の塗装前処理として、溶剤洗
浄、アルカリ洗浄、硝フッ酸処理、およびリン酸塩処理
が施されており、場合によってはこれらの処理をした
後、さらに塗布型クロメート処理等が施されている。
【0004】しかしながら、これら従来の塗装前処理方
法には下記のような問題点が挙げられる。
【0005】溶剤洗浄を用いる従来の前処理は、表面に
付着した油脂類を除去するだけで、塗膜密着性を向上さ
せる効果がなく、ステンレス鋼板表面の水濡れ性も向上
しないため、この前処理面に塗布型クロメート処理液を
塗布することができない。さらに使用される溶剤による
作業環境の悪化も避けられない。
【0006】アルカリ洗浄による従来の前処理は表面の
油脂類の除去には有効であるが、ステンレス鋼板表面の
金属酸化物を除去することができないため、塗膜密着性
は向上せず、水濡れ性も改善されない。このため、得ら
れた前処理面にクロメート処理を施すことができない場
合がある。さらに付着したアルカリ成分が水洗では十分
に除去されないので、経時による塗膜密着性の低下が著
しいという問題を生ずる。
【0007】前記硝フッ酸による前処理は、塗膜の密着
性を向上させる効果があるが、フッ酸による作業環境の
悪化が起き易く、また廃水処理のコストも大きいので経
済的にも不利である。また、硝フッ酸処理のみでは経時
による塗膜密着性の低下を避けることができない。
【0008】同様にリン酸塩による前処理も塗膜の密着
性を向上させる効果を有するが、スラッジを発生するた
めにライン操業上で問題がある。即ち、発生したスラッ
ジがステンレス鋼板に付着した場合、鋼板自体やロール
表面に押し傷が発生したり、塗装後の塗膜に所謂、「ブ
ツ」という欠点を生じたり、さらにその部分で塗膜剥離
を起こす等の問題がある。また、リン酸塩処理は通常4
0〜70℃で行われるため、その処理液タンクの加熱器
の付近にリン酸塩が析出し、加熱効率が低下して、経済
的不利を生ずることがある。更にスラッジを除去するた
めに定期的にリン酸塩処理液を廃棄しなくてはならず、
メンテナンスのコストがかなり高くなる。尚、ステンレ
ス鋼板の塗装前処理方法としては、特公昭63−663
93号公報に開示された方法がある。この方法は、ステ
ンレス鋼板にリン酸塩処理を行い、これに、ロール絞り
を施し、さらに、これに、塗布型クロメート処理液をク
ロム量として2〜60mg/m2塗布するものである。この
方法において、ステンレス鋼板と塗膜との初期および経
時密着性は良好となるが、リン酸塩廃液処理工程が必要
となり、前記問題点を解消することができない。
【0009】即ち、前記した如く従来の前処理方法で
は、ステンレス鋼板に、安定して十分な塗膜密着性を付
与することはできず、特に経時劣化の激しい外装用の建
材として使用する場合には問題を生じ易く、また工業的
な設備を用い、かつ低コストで処理することができなか
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の有
する前記問題点を解決し、ステンレス鋼板に優れた塗膜
密着性と塗装後耐食性を有する塗膜を、安定して、かつ
低コストで形成させる新規なステンレス鋼板の塗装前処
理方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記問題点
を解決するための手段について鋭意検討した結果、ステ
ンレス鋼板を金属イオンと硫酸イオンとを含有する酸性
処理液で処理した後、これに更に塗布型クロメート処理
を施すことにより、前記問題点を解決できることを新規
に見い出した。
【0012】即ち、本発明のステンレス鋼板の塗装前処
理方法は、ステンレス鋼板の表面に、金属イオンと硫酸
イオンとを含むpH0.5〜4.5の酸性処理液を接触さ
せ、これを水洗した後、この表面上に、6価クロムイオ
ンと3価クロムイオンとを含む塗布型クロメート処理液
を塗布し、乾燥して、前記表面に、金属クロムに換算し
て5〜150mg/m2のクロメート皮膜を形成することを
特徴とするものである。
【0013】本発明の酸性処理液に含まれる金属イオン
としては、アルカリ金属を除く2価以上の金属のイオン
が好ましく、Fe,Ni、およびCoから選ばれる少な
くとも1種の金属のイオンであることがより好ましく、
さらにFeより貴な金属であるNi,Coから選ばれた
少なくとも1種の金属のイオンであることがより好まし
い。
【0014】本発明の酸性処理液は、更にフッ素イオ
ン、およびフッ化物イオンから選ばれる少なくとも1種
を含有することが好ましい。
【0015】本発明の酸性処理液は更にりん酸イオンを
含有することが好ましい。
【0016】
【発明の実施の態様】本発明の方法は特にステンレス鋼
板のみに限定して適用されるものではなく、ステンレス
鋼板を加工して製造された成形物等にも適用可能であ
り、いわゆるステンレス鋼板材料すべてに適用できる。
また、本発明の塗装前処理方法を、フッ素系、又はシリ
コーン系等の樹脂を用いるクリアー塗装、ポリエステル
系、ポリウレタン系、およびアクリル系等の樹脂を用い
る着色塗装、粉体塗装、および電着塗装等を包含する各
種塗装の前処理として利用することが可能である。
【0017】本発明の酸性処理液とクロメート処理液の
構成を下記に詳しく説明する。まず、本発明の酸性処理
液について説明する。本発明の酸性処理液は金属イオン
と硫酸イオンとを含有し、0.5〜4.5のpHを有する
水性処理液である。
【0018】本発明方法の酸性処理液に用いられる金属
イオンの種類としてはアルカリ金属を除く2価以上の金
属のイオンが挙げられ、Fe,Ni、およびCoから選
ばれる少なくとも1種の金属のイオンが好ましく、より
好ましくはFeよりも貴な金属であるNi、およびCo
から選ばれる少なくとも1種の金属のイオンが用いられ
る。アルカリ金属を用いると塗膜の密着性を経時的に低
下させる場合があるので好ましくない。金属イオンを酸
性処理液に供給するためには、当該金属の硫酸塩、炭酸
塩、リン酸塩、硝酸塩、酸化物、水酸化物あるいは有機
酸塩等を用いることができる。金属塩化物は、それから
生成する塩素イオンにより、酸性処理液による処理槽な
どの装置を腐食する危険性があるので好ましくない。ま
た、酸性処理液中の硫酸イオンは硫酸、前記金属イオン
の硫酸塩、および/又はその他の硫酸塩から供給され
る。
【0019】本発明方法において、酸性処理液に含有さ
れる金属イオンの濃度には特に限定はないが、それは金
属原子に換算して0.2〜30g/リットルの範囲内に
あることが好ましく、0.5〜20g/リットルの範囲
内にあることがより好ましい。金属イオンの濃度が0.
2g/リットル未満では、酸性処理液のpHを0.5〜
4.5に調整した時、十分な性能が得られない場合があ
る。一方、金属イオン濃度が30g/リットルを超える
と処理効果が飽和し、酸性処理液の消耗による経済的損
失が大きくなり不利である。
【0020】硫酸イオンの量には特に限定はなく、本発
明の酸性処理液のpHを0.5〜4.5の間の調整できる
量、例えば10〜200g/リットルであればよい。
【0021】本発明方法に用いられる酸性処理液は、上
記成分の他に、フッ素イオン、およびフッ化物イオンか
ら選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。
これらのフッ素濃度(g/リットル)は硫酸イオンのそ
れより低い方が好ましく、一般に、フッ素(フッ素イオ
ン換算)として0.01〜5g/リットルであることが
好ましい。フッ素濃度が0.01g/リットル未満であ
ると、得られる酸性処理液に対するエッチング作用向上
効果が不十分であることがあり、フッ素濃度が硫酸イオ
ン濃度より高くなると、あるいはそれが5g/リットル
を超えると、処理槽を腐食したり、或いはフッ酸などの
揮発性酸による作業環境の悪化などを生ずることがあ
る。フッ素イオンやフッ化物イオンの供給源の例とし
て、フッ酸、硅フッ化水素酸、ジルコンフッ化水素酸お
よびチタンフッ化水素酸が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0022】本発明の酸性処理液は、更にりん酸イオン
を含有することが好ましい。酸性処理液中のりん酸イオ
ンの濃度は、硫酸イオンの濃度より低いことが好まし
く、0.01〜10g/リットルの範囲がより好まし
い。りん酸の濃度が0.01g/リットル未満である
と、十分なりん酸イオン添加効果が得られない場合があ
り、またそれが硫酸イオン濃度より高く、あるいは10
g/リットルを超えると、リン酸塩のスラッジを発生す
る場合がある。りん酸イオンはオルトりん酸あるいはそ
の塩として、酸性処理液に供給することが好ましい。
【0023】本発明の酸性処理液のpHは0.5〜4.5
の範囲内に調整され、好ましくは1〜3.5に調整され
る。pHが0.5未満では本発明の酸性処理液を投入する
タンクや配管等の腐食や酸ミストによって作業環境が低
下するため好ましくなく、またpHが4.5を超えると、
得られる酸性処理液のステンレス鋼板へのエッチング作
用が低下したり、金属イオンが沈澱したりするため好ま
しくない。
【0024】また、本発明方法に用いられる酸性処理液
は、上記の無機イオンの他に、グリコール酸、乳酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ヘプトグルコ
ン酸、およびアスコルビン酸等の有機酸、もしくはこれ
らの塩を含有させることができる。これらの有機化合物
は、酸性処理液に対し、pH調整作用と金属錯化作用とを
有している。
【0025】本発明方法に用いられる酸性処理液には、
上記金属イオンと酸成分の他に、ステンレス鋼板表面に
付着した油分を除去するため界面活性剤が添加されてい
てもよい。この目的に用いられる界面活性剤としては、
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオ
ン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられる。
例えば、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックポ
リマー等のポリエチレングリコール型、ソルビタン脂肪
酸エステル等の多価アルコール型、および脂肪酸アルキ
ロールアミド型が挙げられる。またカチオン性界面活性
剤としては、高級アルキルアミン塩、ポリオキシエチレ
ン高級アルキルアミン等のアミン塩、アルキルトリメチ
ルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩が挙げられ
る。アニオン性界面活性剤としては、一般に酸性領域で
の溶解度が低いため、その利用が困難なものが多いが、
ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩のよう
にエチレンオキサイドが付加されているタイプであれば
利用可能である。また、両性界面活性剤としては、アル
キルアミノプロピオン酸メチル等のアミノ酸型、アルキ
ルジメチルベタイン等のベタイン型等が挙げられる。こ
れらの界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を酸性処
理液に添加できるが、カチオン性界面活性剤とアニオン
性界面活性剤とを併用すると、液安定性に問題を生ずる
場合があるので注意が必要である。また、界面活性剤の
添加濃度は10g/リットル以下が適当であるが、界面
活性剤の種類や濃度は混入してくる油の種類や濃度によ
って適宜選択することが大切である。
【0026】次に本発明方法に用いられる塗布型クロメ
ート処理液について説明する。本発明方法に使用する塗
布型クロメート処理液は、6価クロムイオンと3価クロ
ムイオンとを含有するものである。6価クロムイオンの
供給源としては無水クロム酸、重クロム酸、およびこれ
らの塩が挙げられ、3価クロムイオンの供給源として
は、前記6価クロムイオンをメタノールやヒドラジン等
の還元性物質によって還元したものや、3価クロムの硫
酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩等の無機酸塩が挙げら
れる。前記塗布型クロメート処理液中における3価クロ
ムイオンと6価クロムイオンとの配合割合は、モル比で
1/10〜3/1であることが好ましい。この比が1/
10未満であると形成される皮膜の耐水性が不十分にな
り、かつ二次密着性を低下させることがある。また、こ
の比が3/1を超えると、得られるクロメート処理液中
の6価クロムイオンの含有量が少なくなるため、得られ
る皮膜の耐食性が不十分になる場合がある。
【0027】前記塗布型クロメート処理液はさらにシリ
カゾル、コロイダルシリカ、およびフュームドシリカか
ら選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。これ
らのシリカ成分を添加することにより得られる皮膜の塗
膜密着性がさらに向上し、かつその上に形成される塗膜
の耐コインスクラッチ性も向上する。これらシリカの添
加量は、シリカ/(3価クロムイオン+6価クロムイオ
ン)の重量比が6/1以下になるようにすることが好ま
しい。この比が6/1を超えるとシリカ添加効果が飽和
し、経済的に不利であったり、クロメート処理液中に沈
澱を生じることがあるため好ましくない。
【0028】前記クロメート処理液は、さらにりん酸イ
オンを含有していてもよい。クロメート処理液にリン酸
イオンを添加すると得られるクロメート皮膜が無色化す
るため、この皮膜上にクリアー塗膜塗装を施す場合に有
効である。りん酸イオンの添加量は、りん酸イオン/
(3価クロムイオン+6価クロムイオン)の重量比が5
/1以下になるように調整することが好ましい。この比
が5/1を超えると得られる皮膜の耐水性が不十分にな
り、かつその二次密着性を低下させる場合があるため好
ましくない。
【0029】また、前記塗布型クロメート処理液には、
アクリル酸および/又はメタクリル酸の重合体および共
重合体などの水溶性ポリマー、アクリル酸エステル系共
重合体エマルジョン、スチレン、アクリル酸エステル系
共重合体エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、エ
チレン・アクリル酸共重合体エマルジョン、ポリエステ
ル樹脂エマルジョン等の少なくとも1種を添加してもよ
い。これらの高分子化合物を添加することによって、得
られる皮膜の塗膜密着性をさらに向上させることができ
る。
【0030】次に本発明の塗装前処理方法について具体
的に説明する。まず、酸性処理液によるステンレス鋼板
の処理は該表面と該酸性処理液とを、噴霧、浸漬、又は
塗布等の方法により接触させるだけでよく、この後に、
水洗あるいは湯洗し、乾燥させる。この工程において、
酸性処理液による該鋼板の処理条件は液温が室温〜80
℃、接触(処理)時間は60秒以下で十分である。次
に、塗布型クロメート処理を施す。すなわち、クロメー
ト処理液を、前記酸性処理液により処理されたステンレ
ス鋼板の表面に、浸漬あるいはシャワー等の方法で付与
して処理液層を形成し、これにエアーブローやロール絞
り等の方法でクロメート処理液の塗布量を調整してもよ
く、またはロールコート法、スプレー法などの任意の方
法で所望の塗布を施してもよい。本発明の方法により形
成されるクロメート皮膜の付着量には特に制限はない
が、3価クロムイオンと6価クロムイオンを合計したク
ロム付着量が5〜150mg/m2(金属クロム換算とし
て)の範囲内にあることが好ましい。この付着量が5mg
/m2(金属クロム換算)未満では、得られる皮膜の耐食
性が十分ではなく、またそれが150mg/m2超になる
と、得られる皮膜の性能は飽和に達し、経済的に不利に
なる。
【0031】
【作用】本発明方法による塗装前処理の作用効果は、下
記のように考えられる。通常、ステンレス鋼板の表面は
安定な金属酸化膜に覆われており、ステンレス鋼板の耐
食性はこの金属酸化膜によるものと説明されている。一
方、金属に塗装された塗料などの塗膜の素地に対する密
着力は塗料中の極性基に依存することが知られている。
ところが、ステンレス鋼板表面は安定な金属酸化膜に覆
われているために、その上に塗装した場合に、塗料中の
極性基によるステンレス鋼板表面に対する密着性が発揮
され難い。
【0032】そこで、本発明の効果を推測する。酸性処
理液処理において、酸性処理液中の硫酸イオンはステン
レス鋼板に対してマイルドな腐食作用(エッチング作
用)を有している。このエッチング作用は低pH域におい
て促進され、また硫酸イオンの濃度に比例するため、十
分なエッチング作用を得るためにはある程度の硫酸イオ
ン濃度が必要となる。このエッチング反応の助剤として
フッ素イオンやフッ化物イオンの添加が効果的である。
一方、装置自体の腐食や作業環境の面から酸性処理液の
pHは0.5〜4.5に調整する必要があるが、硫酸は少
量でもpHを大幅に低下させるため、これを中和する必要
がある。この中和剤としてカチオンの添加が必要とな
り、このカチオンとしてアルカリ金属を除く2価以上の
金属イオンが好ましく、Fe,Co,Niが好ましい。
これら金属イオンは、硫酸を中和する役割と、特にFe
より貴な金属であるNi,Coは該鋼板を処理したとき
のエッチング反応時に該鋼板表面から放出される電子を
受取る役割を有すると推測される。また酸性処理液中の
金属イオンの一部分がステンレス鋼板表面に置換析出す
ることによって該鋼板表面がさらに活性化されることが
推測される。また、りん酸の添加は、りん酸が該鋼板表
面に吸着され、この表面の水濡れ性を改善する作用、お
よびそのpH緩衝能により酸性処理液のpHが安定化する効
果を有する。そして、硫酸あるいはフッ素によるエッチ
ング作用、ステンレス鋼板表面に析出した極微量の金
属、およびりん酸の吸着などによる該鋼板表面の安定な
酸化膜の一部除去、および活性化により、ステンレス鋼
板表面の水濡れ性が大幅に改善され、その結果塗布型ク
ロメート処理液をステンレス鋼板表面に均一に塗布する
ことが可能になり、また、前記析出した金属とクロメー
ト処理液との接触時に、何等かのインターラクション
(相互作用)が発生し、それによって、密着性がさらに
向上するものと考えられる。また、硫酸は前記のように
ステンレスに対してマイルドな腐食作用を有する酸であ
るが、処理液のpHを0.5〜4.5とすることにより、
ステンレス鋼板の高度な耐食性を発揮する安定な金属酸
化膜に対するダメージが最小限にとどまるため、耐食性
を低下させることがないものと推測される。さらに、酸
性処理液中に添加される硫酸塩の溶解度は一般に高いた
め、スラッジが発生する危険性は極めて少ないのであ
る。
【0033】
【実施例】本発明を下記実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるもの
ではない。
【0034】実施例1〜10、比較例1〜7 実施例1〜10および比較例1〜7の各々において、下
記の処理操作およびテストを行った。 (1)酸性処理液の調製 酸性処理液(I)は、硫酸コバルト(CoSO4 ・7H
2 O)20gを水900gに溶解し、そのpHを硫酸で
1.2に調整した後、総量を1リットルとした。酸性処
理液(II)、(III)、(IV)、および(V)は、それぞ
れ処理液(I)と同様の手順で、表1に示した組成にな
るように調製された。
【0035】(2)塗布型クロメート処理液の調製 クロメート処理液(a)は、まず無水クロム酸100g
を純水300gで溶解し、この水溶液にメタノールを加
え、クロム酸の一部を還元し、3価クロム/6価クロム
イオンのモル比が3/7になるように調整し、これに純
水を加えて全量を1kgとした。また、クロメート処理液
(b)、(c)、(d)、および(e)は、それぞれク
ロメート処理液(a)と同様の手順により、表2に示し
た組成になるように調製された。
【0036】(3)供試板 市販の厚さ0.3mm、縦200mm、横300mmのサイズ
のステンレス鋼板(SUS304)を供試材として使用
した。
【0037】(4)酸性処理液による処理 この供試材を表3に示した処理条件で塗装前処理を施し
た。クロメート処理前の処理はすべてスプレー法により
行い、水洗後、水切り乾燥した。
【0038】(5)クロメート処理液による処理 次に表2に示した各種クロメート処理液を、WET塗布
量;5ml/m2において表3に示したクロム付着量になる
ように適宜希釈し、これをロールコーターにより塗布
し、到達板温が70℃となるように、5秒間乾燥した。
【0039】(6)塗装 前記前処理されたステンレス鋼板に対し、塗装系にお
いて、ステンレス鋼板用フッ素系クリアー塗料をバーコ
ート塗装し、到達板温が220℃となるように25秒で
焼き付け、塗膜厚10μmとした。別に、塗装系にお
いて、前記前処理されたステンレス鋼板に対し着色塗料
(ポリエステル系トップコート)を用い同様にバーコー
ト塗装し、到達板温が220℃となるように30秒間焼
き付け、塗膜厚15μmとした。上記塗装系および
により得られた塗装ステンレス鋼板について、下記の性
能テストを行った。
【0040】(7)性能テスト (イ)塗膜密着性: (i)1次密着性:塗装板をJIS G 3312の着
色亜鉛鉄板の試験法に準じて折り曲げ試験を行った。こ
の時曲げの内側間隔は同試験板0枚(0T)と2枚(2
T)で行い、折り曲げ加工した部分にテープ剥離テスト
を施して、塗膜の剥離度合いを下記の評価基準に従って
目視判定した。 (ii)2次密着性:塗装板を沸騰水に2時間浸漬後、1
次密着性と同様にテストし評価した。 <評価基準> 優◎…剥離無し ↑○…剥離面積率10%未満 ↓△…剥離面積率10%以上30%未満 劣×…剥離面積率30%以上
【0041】(ロ)塗装後耐食性:塗膜に素地金属まで
達するキズをカッターで入れ、JIS Z 2371に
準じて塩水噴霧試験を3000時間実施した。判定はキ
ズ部および試験板全体の錆発生の面積を目視で行った。 <評価基準> 優◎…錆発生無し ↑○…錆発生面積率10%未満 ↓△…錆発生面積率10%以上30%未満 劣×…錆発生面積率30%以上
【0042】(ハ)耐候性:前記塗装系によりフッ素
系のクリアー塗装を施した試験板の塗膜に素地金属まで
達するキズをカッターで入れ、JIS D 0205に
準じてカーボンアークのサンシャインウエザヲメーター
を3000時間実施し、判定は下記評価基準で目視で行
った。 <評価基準> 優◎…塗膜剥離無し ↑○…剥離面積率10%未満 ↓△…剥離面積率10%以上30%未満 劣×…剥離面積率30%以上
【0043】上記テスト結果を表4に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】表4から明らかなように、本発明の塗装前
処理方法を用いた実施例1〜10は塗膜密着性が良好
で、塗装後の耐食性にも優れた性能を示した。それに対
して、比較例1〜7は充分な塗膜密着性を得ることはで
きず、比較例1,2,6,7は塗装後耐食性においても
十分ではなかった。
【0049】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
のステンレス鋼板の塗装前処理方法は、ステンレス鋼板
表面に優れた塗膜密着性と塗装後耐食性を有するクロメ
ート皮膜を効率よく、しかも安価に形成させることがで
きるので、実用上大きな効果を奏するものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼板の表面に、金属イオンと
    硫酸イオンとを含むpH0.5〜4.5の酸性処理液を接
    触させ、これを水洗した後、この表面上に、6価クロム
    イオンと3価クロムイオンとを含む塗布型クロメート処
    理液を塗布し、乾燥して、前記表面に、金属クロムに換
    算して5〜150mg/m2のクロメート皮膜を形成するこ
    とを特徴とする、ステンレス鋼板の塗装前処理方法。
  2. 【請求項2】 前記酸性処理液に含まれる金属イオンが
    Fe,Ni、およびCoから選ばれた少なくとも1種の
    金属のイオンである請求項1に記載のステンレス鋼板の
    塗装前処理方法。
  3. 【請求項3】 前記酸性処理液が、更にフッ素イオン、
    およびフッ化物イオンから選ばれた少なくとも1種を含
    有する請求項1または2に記載のステンレス鋼板の塗装
    前処理方法。
  4. 【請求項4】 前記酸性処理液が更にりん酸イオンを含
    有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のステンレス
    鋼板の塗装前処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100356162B1 (ko) * 1998-07-15 2002-11-18 주식회사 포스코 용접성 및 내식성이 우수한 크로메이트피막의 제조방법

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KR100356162B1 (ko) * 1998-07-15 2002-11-18 주식회사 포스코 용접성 및 내식성이 우수한 크로메이트피막의 제조방법

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