本発明の第一の態様によると、液体エアロゾル形成基体のエアロゾル発生のための喫煙装置が提供されている。喫煙装置は、液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備える液体貯蔵部分を備える装置ハウジングを備える。装置ハウジングは、例えばカートリッジを受けるためのくぼみを備えてもよく、カートリッジは液体エアロゾル形成基体を備える。喫煙装置は、霧化領域と、霧化領域を含むSAWアトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波を発生するための少なくとも一つの変換器と、少なくとも第二の変換器とを備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)をさらに備える。供給要素は、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分からSAWアトマイザー上の霧化領域に供給するように配置されている。供給要素は、液体貯蔵部分、例えばカートリッジと、SAWアトマイザー、特にSAWアトマイザー上の霧化領域とを流体接続してもよい。制御システムは、霧化領域内の液体エアロゾル形成基体を霧化してエアロゾルを発生するためのSAWアトマイザーを動作するように構成されている。制御システムは、例えばSAWアトマイザーに接続された電源および制御電子回路を備えてもよい。制御システムは、例えばRF信号を少なくとも一つの変換器に提供するように適合されている。発生したエアロゾルはその後、装置ハウジング内で喫煙装置の下流端へと移動され、喫煙装置のユーザーへと移動されてもよい。
使用時、ユーザーはスイッチを操作することによって、または装置のマウスピースを吸うことによって装置を動作してもよい。電力がSAWアトマイザーに提供され、SAWアトマイザーが少なくとも一つの変換器を起動して、SAWアトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波(レイリー波)を発生してもよい。これらの表面弾性波のエネルギーは、霧化領域に供給される液体エアロゾル形成基体へと伝達される。液体に供給されたエネルギーは、液体エアロゾル形成基体のエアロゾル液滴を形成させ、ひいては霧化領域から液体エアロゾル形成基体を霧化する。液体へと伝達された表面弾性波は基本的に、SAWアトマイザーの表面上の液体の液滴を不安定化し、その結果液滴の表面が破裂し、エアロゾル液滴のミストを形成する。
エアロゾルを発生するこのやり方は、好都合な喫煙の体験のために、液体エアロゾル形成基体から確かな一貫した量のエアロゾルを提供することが証明されている。さらに、エアロゾル発生には、周知の振動要素(例えば、熱を使用する要素)を用いて発生する時よりも少ない電力しか必要としない。
SAWアトマイザーとしては、一般的に知られているSAWセンサーチップを使用してもよい。これらは典型的に、圧電基板上に配置された(例えば、基板上に印刷された)(金属)電極を備える少なくともインターデジタル(またはインターデジタル化した)変換器を備える。変換器電極の個々の「フィンガー」に印加されたAC電圧は、フィンガーの間で圧電基板内の引張歪みと圧縮歪みとの交互の領域に起因して、圧電基板に機械的な変形を発生させる。変換器の同一の側にあるフィンガーは、圧縮または引張の同一のレベルにあるので、これらの間の空間(ピッチとして知られる)は機械的波動の波長に対応する。
そのように発生した波動は典型的に、ナノメートルサイズの振幅を有し、かつMHz周波数で圧電基板の表面に沿って伝搬する。
本発明による喫煙装置で使用されるSAWアトマイザーの少なくとも一つの変換器は、圧電基板上に配置された電極を備えるインターデジタル変換器であることが好ましい。
変換器は、発生した表面弾性波の方向性を一方向へと支持するように反射器を備えてもよい。これによって、システムの電力効率が上がる場合がある。
変換器は、例えば平行に配置された真っ直ぐな電極のアレイによって、平行波を発生するように構成されてもよい。
変換器は、発生した波動の焦点合わせ効果を有するように構成されてもよい。例えば、変換器には、発生した波動を小さいゾーンへと集中させるなどのために、平行であるが湾曲した形状を有する電極が提供されてもよい。
変換器は反射器を備え、かつ焦点合わせ効果を有することが好ましい。
喫煙装置の制御システムは、SAWアトマイザーを動作して、所定の周波数で表面弾性波を発生するように構成されている。所定の周波数は約20MHz以上であってもよく、例えば20MHz~約100MHzであってもよく、または約20MHz~約80MHzであってもよい。このことは、良好なユーザーの体験のための所望のエアロゾル出力レートおよび所望の液滴サイズを提供してもよい。
制御システムは、SAWアトマイザーおよび電源に接続された電気回路を備えてもよい。
電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路はSAWアトマイザーへの電力供給を調節するように構成されてもよい。電力は装置の起動後、SAWアトマイザーに連続的に供給されてもよく、断続的に供給(例えば、吸煙するごとに供給)されてもよい。
SAWアトマイザーは任意の適切な形状とすることができる。SAWアトマイザーは、実質的に円形または楕円形であってもよい。SAWアトマイザーは、実質的に三角形状、または正方形状、または任意の規則的な形状もしくは不規則な形状であってもよい。SAWアトマイザーは実質的に平坦であることが好ましい。SAWアトマイザーは、湾曲していてもよい。SAWアトマイザーは、ドーム形状であってもよい。SAWアトマイザーは、実質的に正方形のプレートであってもよい。SAWアトマイザーは、実質的に円形または楕円形のディスクであってもよい。
SAWアトマイザーは、再使用可能であってもよい。SAWアトマイザーは、使い捨てであってもよい。SAWアトマイザーは、以下に説明するように、別個の要素であってもよく、またはカートリッジの一部であってもよい。
SAWアトマイザーは、一般的に小さく、かつ軽量である。さらに、SAWアトマイザー、特に電気的に作動する喫煙装置での使用に適しているサイズを有するSAWアトマイザーは、周知の振動要素(例えば、エアロゾル生成に熱を使用する要素)の場合よりも少ない電力を使用する。なおさらに、SAWアトマイザーは一般的に、小さい液滴サイズのエアロゾルを発生する能力を有する。SAWアトマイザーのこれらの利点は、本発明の喫煙装置を改善し、かつ効率的で経済的な喫煙装置の提供を可能にする。
本発明による喫煙装置は、液体エアロゾル形成基体、好ましくは霧化領域内の液体エアロゾル形成基体を加熱するために配置されたヒーターをさらに備えてもよい。ヒーターは、SAWアトマイザーの少なくとも一部分を加熱するように、またこれによってSAWアトマイザー上のエアロゾル形成基体を加熱するように配置されてもよい。ヒーターは、少なくともSAWアトマイザーの霧化領域を加熱するように、またこれによって霧化領域内のエアロゾル形成基体を加熱するように配置されることが好ましい。
ヒーターは、液体エアロゾル形成基体を加熱し、液体の粘性および表面張力を減少してもよい。好ましくは霧化の前だけでなく、霧化の間も液体を加熱することによって、ヒーターは霧化のレートを上げる場合がある。エアロゾル形成基体を加熱すること、および液体エアロゾル形成基体の粘性を減少することは、装置または喫煙システムの信頼性をそれぞれ高める場合がある。
ヒーターは、霧化のために液体エアロゾル形成基体を一貫性のある所定の温度まで加熱してもよい。このことは、一定の粘性での液体エアロゾル形成基体の霧化を可能にし、また装置による一定の霧化のレートでのエアロゾルの生成を可能にする場合がある。これはユーザーの体験を改善する。
液体エアロゾル形成基体の粘性は、霧化のレート、および装置またはシステムによって生成したエアロゾルの液滴サイズに対して効果がありうる。従って、霧化の前に液体エアロゾル形成基体を一貫性のある所定の温度に加熱することは、一貫性のある液滴サイズの分布を有するエアロゾルの生成を容易にする場合がある。
霧化の前に液体エアロゾル基体を周囲温度より高い温度に加熱することはまた、周囲温度における変動に対するシステムの感度を減少し、各使用においてユーザーに一貫性のあるエアロゾルを提供する場合がある。
本明細書で使用される「液滴サイズ」という用語は、問題の液滴と同一の速度になる球状の単位密度液滴のサイズである空気力学的な液滴サイズを意味するために使用される。
エアロゾルの液滴サイズを説明するために当該技術分野において、いくつかの測定が使用される。これらは、質量中央径(MMD)および空気力学的質量中央径(MMAD)を含む。本明細書で使用される「質量中央径(MMD)」という用語は、半分の質量のエアロゾルが小径の液滴に含まれ、また半分の大径の液滴に含まれるような液滴の直径を意味するために使用される。本明細書で使用される「空気力学的質量中央径(MMAD)」という用語は、エアロゾルの中央質量の液滴と同一の空気力学的特性を有する単位密度の球の直径を意味するために使用される。
本発明の喫煙装置およびシステムによって発生した液滴の空気力学的質量中央径(MMAD)は、約1μm~約10μmであってもよく、またはそのMMADは、約1μm~約5μmであってもよい。液滴のMMADは、3μm以下であってもよい。本発明の喫煙装置によって発生した液滴の所望の液滴サイズは、上述の任意のMMADであってもよい。所望の液滴サイズ(MMAD)は、3μm以下であってもよい。
喫煙装置の制御システムは、好ましくはSAWアトマイザーの少なくとも一部分を所定の温度まで加熱することによって、ヒーターを動作して液体エアロゾル形成基体を所定の温度まで加熱するように構成されてもよい。所定の温度は周囲温度より高くてもよい。所定の温度は室温より高くてもよい。このことは、未加熱のエアロゾル形成基体の粘性と比較してエアロゾル形成基体の粘性を減少させるだけでなく、表面張力も減少させる場合がある。このことは、霧化のレートを増加する場合があり、また所望の液滴サイズを有するエアロゾルの発生を促進する場合がある。このことは、周囲温度における変動に対するシステムの感度を減らす場合がある。所定の温度は、液体エアロゾル形成基体の気化温度未満であってもよく、または沸点より低くてもよい。所定の温度は、摂氏18度~摂氏80度、または摂氏30度~摂氏60度、または摂氏35度~摂氏45度であってもよい。所定の温度は、摂氏20度~摂氏30度、摂氏30度~摂氏40度、摂氏40度~摂氏50度、摂氏50度~摂氏60度、摂氏60度~摂氏70度、または摂氏70度~摂氏80度であってもよい。SAWアトマイザーの加熱された部分の所定の温度は、霧化領域内の液体エアロゾル形成基体の所定の温度に対応することが好ましい。
本明細書で使用される「周囲温度」という用語は、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生システムが用いられる周囲の環境の空気温度を意味する。周囲温度は典型的には摂氏約10度~摂氏35度の温度に対応する。本明細書で使用される「室温」という用語は、標準的な周囲温度および圧力、典型的には摂氏約25度の温度および約100kPa(1atm)の絶対圧力を指す。
ヒーターを動作するように構成された制御システムは、喫煙装置の制御システムと一体型であってもよく、または分離していてもよい。
制御システムは、ヒーターおよび電源に接続された電気回路を備えてもよい。電気回路は、ヒーターの電気抵抗をモニターし、かつヒーターの電気抵抗に応じてヒーターへの電力供給を制御するように構成されてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路はヒーターへの電力供給を調節するように構成されてもよい。電力は装置の起動後、ヒーターに連続的に供給されてもよく、断続的に供給(例えば、吸煙するごとに供給)されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーターに供給されてもよい。
ヒーターは、SAWアトマイザーの表面上に、好ましくは霧化領域の隣、または霧化領域の反対側に配置されてもよい。例えば、ヒーターは、霧化領域とSAWアトマイザーの同一の表面上に配置されてもよい。こうした配置は、ヒーターと加熱される液体エアロゾル形成基体との直接的な物理的接触または密接な接触が、特に霧化領域の近くで起こるのを可能にする。ヒーターは、例えば霧化領域内でエアロゾル形成基体を囲んでもよく、または部分的に囲んでもよい。
ヒーターが霧化領域とは反対側のSAWアトマイザーの表面上に配置される配置において、エアロゾル形成基体の霧化領域への供給はヒーターの存在によって変化しない。さらに、ヒーターは、霧化領域の位置に配置されてもよいが、SAWアトマイザーの基体の反対側に配置されてもよい。ヒーターのサイズは、SAWアトマイザーのサイズに対応してもよい。ヒーターのサイズは、霧化領域のサイズに制限される場合がある。ヒーターのサイズは、少なくとも霧化領域のサイズに対応してもよい。ヒーターの位置は、供給要素の方向に移されてもよい。これによって、液体が霧化領域に入る前に液体を加熱できるようになる。ヒーターの熱は、SAWアトマイザーの基体を通して熱伝導によって伝達されることが好ましい。
説明の通り、ヒーターの位置は、SAWアトマイザー上のヒーターと液体エアロゾル形成基体との間の熱伝達を改善する場合がある。
ヒーターは、SAWアトマイザーに取り付けられた、またはSAWアトマイザーの隣もしくは近くに配置された別個のヒーターであってもよい。
ヒーターは、SAWアトマイザーと一体型であってもよい。このことは、装置の構成要素部品の数を減らし、また単純な製造を容易にする場合がある。
ヒーターは、SAWアトマイザーと熱伝導の関係にあることが好ましい。
ヒーターは、液体貯蔵部分のハウジング上に、またはハウジング内に配置されてもよい。その後、液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分からSAWアトマイザーに供給された時に高温になる。
ヒーターは、液体エアロゾル形成基体を加熱する能力を有する任意の適切なヒーターであってもよい。ヒーターは電気的に作動するヒーターであってもよい。ヒーターは抵抗ヒーターであってもよい。ヒーターは誘導加熱手段を含んでもよい。ヒーターは、単純な製造ができるように、実質的に平坦としてもよい。本明細書で使用される「実質的に平坦」という用語は、単一の平面内に形成され、かつ湾曲した形状またはその他の非平面形状に巻かれたりまたはその形状に適合するようになっていなかったりすることを意味する。平坦なヒーターは、製造時に簡単に取り扱える場合があり、丈夫な構造を提供する。
ヒーターは、電気的に絶縁された基体上に一つ以上の導電性トラックを備えてもよい。電気的に絶縁された基体は、任意の適切な材料を備えてもよく、また高温(摂氏150度を超える)および急激な温度変化に耐えることができる材料であってもよい。適切な材料の一例は、Kapton(登録商標)などのポリイミド膜である。
ヒーターもしくはSAWアトマイザーまたは両者を動作するように構成された制御システムは、周囲温度を検出するために、周囲温度センサーを備えてもよい。制御システムは、霧化領域内の液体エアロゾル形成基体の温度を検出するためにSAWアトマイザー上に温度センサーを備えてもよい。一つ以上の温度センサーは、エアロゾル発生装置の制御電子回路と連動して、制御電子回路が液体エアロゾル形成基体の温度を所定の温度に維持できるようにしてもよい。一つ以上の温度センサーは、熱電対または抵抗温度センサーであってもよい。ヒーターは、温度に関する情報を提供するために使用されてもよい。ヒーターの温度に依存する抵抗の特性は周知であり、少なくとも一つのヒーターの温度を当業者にとって周知の方法で決定するために使用されてもよい。
本発明による喫煙装置では、供給要素の一部分は、SAWアトマイザーの霧化領域と隣接して配置されてもよく、一方で供給要素の別の部分は液体貯蔵部分に流体接続可能であってもよい。霧化領域に隣接して配置された供給要素の部分は霧化領域の中に延びてもよい。喫煙装置の使用準備完了状態では、供給要素は、液体貯蔵部分、例えばカートリッジの中から霧化領域への液体エアロゾル形成基体の搬送を容認してもよい。これによって、供給要素のもう一方の部分は、液体貯蔵部分へと直接的に接続(例えば、液体貯蔵部分の内容物の中へと挿入)されてもよく、またはこれと隣接して配置されてもよい。しかし、エアロゾル形成基体はまた、液体貯蔵部分の外へと、例えば液体通路内で搬送されてもよく、また供給要素の貯蔵部分からSAWアトマイザーへの液体搬送のさらに下流にあるもう一方の部分と流体接続してもよい。液体搬送の分離は、液体貯蔵部分からSAWアトマイザーへの液体搬送手段の変動および最適化を強化する場合がある。特に、液体エアロゾル形成基体のSAWアトマイザーへの供給のための供給要素は、霧化領域への液体の供給および霧化領域にわたる分配のために最適化される場合がある。一方で液体貯蔵部分の外での液体搬送は最適化されてもよい。
供給要素は、例えば芯または紙の細片、液体エアロゾル形成基体を収容するカートリッジを貫通するための毛細管または貫通要素などの毛細管要素であってもよいが、これに限定されない。
供給要素は、液体エアロゾル形成基体に対する毛細管作用を有する毛細管要素であることが好ましい。毛細管要素の形態の供給要素は、液体エアロゾル形成基体がSAWアトマイザーの霧化領域に供給されることを可能にすることが好ましい。毛細管要素は、液体エアロゾル形成基体が毛細管効果によって移動されるような材料から成る、またはそのような材料を含む。毛細管材料は、液体を材料の一方の端から他方へ能動的に運ぶ材料である。有利なことに、毛細管材料は装置内で、液体エアロゾル形成基体をSAWアトマイザーの表面上の霧化領域へと運ぶように方向付けられる。毛細管材料は繊維質構造を有してもよく、または海綿状構造を有してもよい。毛細管材料は、毛細管、複数の繊維、複数の糸の束を含んでもよく、または微細チューブを含んでもよい。毛細管材料は、繊維と糸と微細チューブとの組み合わせを含んでもよい。繊維、糸、および微細チューブは一般的に、液体をSAWアトマイザーへと運ぶように整列されてもよい。毛細管材料は海綿体様材料を含んでもよく、または発泡体様材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さな穴またはチューブを形成してもよく、それを通して液体を毛細管作用によって搬送することができる。
毛細管材料は、適切な任意の材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、スポンジまたは発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミックベース、紙ベース、またはグラファイトベースの材料、発泡性の金属またはプラスチック材料、シート材料、例えば紡がれたかまたは押し出された繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンまたはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)でできた繊維性材料がある。毛細管材料は紙ベースであってもよい。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。
液体エアロゾル形成基体は、液体が毛細管作用によって毛細管要素の毛細管材料を通って移動されることを可能にする粘性、表面張力、密度、熱伝導率、および沸点を含むがこれに限定されない物理的特性を有する。毛細管要素は液体エアロゾル形成基体をSAWアトマイザーの霧化領域へと運ぶように構成されてもよい。毛細管要素はシートの形態であってもよい。一部の毛細管材料(例えば、紙ベースの芯材料など)は、液体からの汚染の濾過の能力をさらに有する場合があり、それ故に純粋な液体エアロゾル形成基体の霧化を支持する。
供給要素は別個の要素であってもよく、またはSAWアトマイザーの一部であってもよい。供給要素はSAWアトマイザーの一部である(例えば、一体型である)ことが好ましい。
供給要素は、液体を搬送するために毛細管効果を使用する、当該技術分野において周知の芯要素であってもよい。供給要素はまた、液体を霧化領域に搬送するために、例えばベンチュリ効果も使用してもよい。供給要素は、例えばSAWアトマイザーの基板の中へと組み込まれたマイクロチャネル、または上述の供給要素の任意の組み合わせであってもよい。
SAWアトマイザーは、少なくとも一つの圧電変換器を備えてもよい。SAWアトマイザーは、少なくとも一つのインターデジタル変換器を備えてもよい。圧電変換器は、単結晶材料を含むことが好ましいが、多結晶材料も含んでもよい。圧電変換器は、石英、セラミック、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)を含んでもよい。セラミックは、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を含んでもよい。セラミックは、Ni、Bi、La、Nd、またはNbイオンなどのドーピング材料を含んでもよい。圧電変換器は極性化されてもよい。圧電変換器は極性化されていなくてもよい。圧電変換器は、極性化された圧電材料と極性化されていない圧電材料の両方を含んでもよい。
SAWアトマイザーは、表面弾性波を発生するために一つの変換器を備えてもよい。SAWアトマイザーは、表面弾性波を発生するために二つ以上の変換器を備えてもよい。表面弾性波を発生する変換器は、入力変換器と呼ばれる。入力変換器は電気的信号を受け、入力信号に従って表面弾性波を発生する。二つ以上の入力変換器は、相互に干渉する表面弾性波を発生してもよく、霧化領域へのエネルギー入力を強化する有益な干渉をすることが好ましい。追加的な入力変換器は、霧化領域内の液体を集めるために、または一般的に液体を小さいゾーン内に集めるために使用されてもよい。
SAWアトマイザーが二つ以上の変換器を備える場合、二つ以上の変換器のうちの少なくとも一つは電気的信号を発生するために使用されてもよい。
電気的信号を発生する変換器は出力変換器と呼ばれる。出力変換器は表面弾性波を出力信号へと変換する。出力変換器によって受けられる表面弾性波は、少なくとも一つの入力変換器によって発生され、SAWアトマイザーの霧化領域に沿って出力変換器へと伝搬する。出力信号は、霧化領域における物理的プロセスに関する情報(例えば、霧化領域内に存在する液体の量)を含んでもよい。それ故に、SAWアトマイザーは、霧化プロセスに関する情報を得るSAWセンサーとして使用されてもよい。この情報は霧化プロセスを制御するために使用されてもよい。センサー情報は、例えばSAWアトマイザーの動作を制御する、または例えばヒーターを制御する制御システムで使用されてもよい。霧化プロセスの制御は、例えばSAWアトマイザーに供給される電力の調整を通して達成されてもよい。
SAWアトマイザーは少なくとも第二の変換器を備える。少なくとも第二の変換器は、霧化領域の物理的情報を表す電気的信号を発生するために使用されてもよい。別の方法として、少なくとも第二の変換器は、さらなる表面弾性波を発生するために使用されてもよい。
二つの変換器が存在する場合、二つの変換器は、二つの変換器の間に配置される霧化領域によって、互いに向かい合って配置されることが好ましい。二つの変換器のうちの第一の変換器は、入力変換器である。二つの変換器のうちの第二の変換器は、入力変換器であっても、または出力変換器であってもよい。
本発明による喫煙装置では、液体貯蔵部分、SAWアトマイザー、および供給要素はカートリッジの一部を形成しうる。SAWアトマイザーおよび供給要素を含むまたは含まないカートリッジは、予め製造されてもよい。カートリッジは、取り外し可能であってもよく、交換可能であってもよく、再使用可能であってもよく、または使い捨てであってもよい。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を再充填可能であってもよい。再充填可能な液体貯蔵部分を用いると、または特に交換可能なカートリッジを用いると、喫煙装置は再使用可能になる。カートリッジは毎回の使用後に再充填可能ではなく、また交換されないことが好ましい。
装置ハウジングは、カートリッジを受けるためのくぼみを備えてもよい。
カートリッジは、エアロゾル発生装置に取り外し可能に結合されてもよい。カートリッジは、エアロゾル形成基体が消費された時にエアロゾル発生装置から取り外されてもよい。本明細書で使用される「取り外し可能に結合される」という用語は、装置またはカートリッジのいずれも著しく損傷することなく、カートリッジおよび装置が互いに結合および分離できることを意味するように使用される。
カートリッジは、低コストで、信頼性があり、かつ再現可能な方法で製造されてもよい。カートリッジは単純な設計を有してもよい。カートリッジはハウジングを有してもよく、その中にエアロゾル形成基体が保持される。
カートリッジは、エアロゾル形成液体を保持する液体保有材料を備えてもよい。カートリッジは、液体で充填されたタンクシステムであってもよい。
カートリッジハウジングは剛直なハウジングであってもよい。本明細書で使用される「剛直なハウジング」とは、自立型のハウジングを意味する。ハウジングは液体に対して不透過性の材料を含んでもよい。
カートリッジはリッドを備えてもよい。リッドは、カートリッジをエアロゾル発生装置に結合する前に剥がすことができるものであってもよい。リッドは、例えば供給要素によって貫通可能であってもよい。
供給要素およびSAWアトマイザーを備えるカートリッジは、カートリッジが交換された時はいつでも完全に「新鮮」な霧化プロセスが可能である。供給要素内またはSAWアトマイザー上の付着物または残渣は、カートリッジを交換する際に取り除かれうる。供給要素を含むSAWアトマイザーは、再使用可能で、かつ好ましくは喫煙装置に固定して取り付けられた要素であってもよい。これによって、廃棄物および材料のコストは低減しうる。
本発明の別の態様によると、喫煙システム中でエアロゾルを発生する方法が提供されている。方法は、霧化領域と、少なくとも一つの変換器と、少なくとも第二の変換器とを備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)を提供することを含む。方法は、液体エアロゾル形成基体をSAWアトマイザーの霧化領域に提供して、SAWアトマイザーを動作し、これによって少なくとも一つの変換器を用いて表面弾性波を発生し、表面弾性波がSAWアトマイザーの表面に沿って霧化領域へと伝搬し、かつ霧化領域内の液体エアロゾル形成基体へと伝搬し、これによって液体エアロゾル形成基体を霧化し、かつエアロゾルを発生する工程をさらに備える。方法は、本発明の他の態様による喫煙装置、喫煙システム、およびカートリッジを使用して実施されてもよい。
方法は、本発明の他の態様に関連して説明されたすべての利点を有する場合がある。SAWアトマイザーの特徴(例えば、動作モードなど)、供給要素の特徴(例えば、その配置および構造など)、ヒーターの特徴(例えば、所定の温度)は、本発明の他の態様に関して説明されたものと同一であってもよい。
方法は、液体貯蔵部分(例えば、液体エアロゾル形成基体を含むカートリッジ)をSAWアトマイザーの霧化領域と流体連結する工程を含んでもよい。
方法は、無線周波数信号を少なくとも一つの変換器に提供する工程を含んでもよい。
この方法は、ある量の液体エアロゾル形成基体をSAWアトマイザーに供給する工程をさらに含んでもよく、液体の量は1回の吸煙に対応する。
方法は、霧化領域内の液体エアロゾル形成基体を、好ましくは霧化の前に室温より高い温度まで加熱する工程を含んでもよい。加熱は、霧化される液体の温度が摂氏50度より高い温度、例えば摂氏50~80度となるように実施されてもよい。
本発明による方法は、少なくとも第二の変換器を用いてSAWアトマイザーを提供する工程をさらに含んでもよい。
方法はその後、少なくとも一つの第二の変換器を用いて信号を出力する工程を含んでもよい。出力信号は、霧化領域内の物理的プロセスを表すものである。前記出力信号は、SAWアトマイザーの動作を制御するために使用されてもよい。例えば、出力信号は、SAWアトマイザーまたはヒーターを制御するための制御システムへの入力信号として使用されてもよい。
別の方法として、方法は、少なくとも第二の変換器を用いてさらなる表面弾性波を発生し、さらなる表面弾性波をSAWアトマイザーの表面に沿って霧化領域へと伝搬し、かつ霧化領域内の液体エアロゾル形成基体へと伝搬する工程を含んでもよい。
本発明の別の態様によると、本明細書に記載の喫煙装置を備えるエアロゾル発生喫煙システムが提供されている。システムは液体エアロゾル形成基体を備えてもよい。供給要素は、喫煙装置の液体貯蔵部分のハウジング内に備えられた液体エアロゾル形成基体と、表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)上の霧化領域と、を流体接続する。
液体エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体および液体添加剤を備える。エアロゾル形成体は、例えばプロピレングリコールまたはグリセロールであってもよい。
液体エアロゾル形成基体は水を含んでもよい。
液体添加剤は、液体風味または液体刺激物質のうちのいずれか一つまたは任意の組み合わせであってもよい。液体風味は、例えばたばこ風味、たばこ抽出物、果実風味、またはコーヒー風味を含んでもよい。液体添加剤は、例えばスイート系の液体(例えば、バニラ、キャラメル、およびココアなど)、ハーブ液、スパイス系の液体、または刺激的な液体(例えば、カフェイン、タウリン、ニコチン、もしくは食品業界で使用される周知の他の刺激剤を含有する液体)であってもよい。
本発明のなお別の態様によると、エアロゾル発生のための喫煙装置用カートリッジが提供されている。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備える液体貯蔵部分を備える。カートリッジは、霧化領域と、霧化領域を含むSAWアトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波を発生するための少なくとも一つの変換器と、少なくとも第二の変換器とを備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)をさらに備える。供給要素は、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分のハウジングからSAWアトマイザー上の霧化領域に供給するように提供され、かつ配置されている。
本明細書に記載の通り、液体貯蔵部分、SAWアトマイザー、供給要素、またはヒーターは、任意の特徴を備えてもよく、またはエアロゾル発生装置の液体貯蔵部分、SAWアトマイザー、供給要素、およびヒーターに関して上述の通り任意の構成で配置されてもよい。カートリッジの利点および特徴は、喫煙装置に関して説明されており、繰り返さない。
さらなる態様によると、液体エアロゾル形成基体のエアロゾル発生のための喫煙装置が提供されている。喫煙装置は、液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備える液体貯蔵部分を備える装置ハウジングを備える。装置ハウジングは、例えばカートリッジを受けるためのくぼみを備えてもよく、カートリッジは液体エアロゾル形成基体を備える。喫煙装置は、霧化領域と、霧化領域を含むSAWアトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波を発生するための少なくとも一つの変換器とを備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)をさらに備える。供給要素は、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分からSAWアトマイザー上の霧化領域に供給するように配置されている。供給要素は、液体貯蔵部分、例えばカートリッジと、SAWアトマイザー、特にSAWアトマイザー上の霧化領域とを流体接続してもよい。制御システムは、霧化領域内の液体エアロゾル形成基体を霧化してエアロゾルを発生するためのSAWアトマイザーを動作するように構成されている。制御システムは、例えばSAWアトマイザーに接続された電源および制御電子回路を備えてもよい。制御システムは、例えばRF信号を少なくとも一つの変換器に提供するように適合されている。発生したエアロゾルはその後、装置ハウジング内で喫煙装置の下流端へと移動され、喫煙装置のユーザーへと移動されてもよい。
本発明は、単なる例証として、添付図面を参照しながら、さらに説明される。