JP2740621B2 - 使用済みナトリウム硫黄電池の処理方法 - Google Patents
使用済みナトリウム硫黄電池の処理方法Info
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- JP2740621B2 JP2740621B2 JP19607893A JP19607893A JP2740621B2 JP 2740621 B2 JP2740621 B2 JP 2740621B2 JP 19607893 A JP19607893 A JP 19607893A JP 19607893 A JP19607893 A JP 19607893A JP 2740621 B2 JP2740621 B2 JP 2740621B2
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/84—Recycling of batteries or fuel cells
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電力貯蔵用電池や電気
自動車用電源として開発が進められているナトリウム硫
黄電池の廃棄物から有用物質を回収することを目的とし
た使用済みナトリウム硫黄電池の処理方法に関するもの
である。
自動車用電源として開発が進められているナトリウム硫
黄電池の廃棄物から有用物質を回収することを目的とし
た使用済みナトリウム硫黄電池の処理方法に関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】ナトリウム硫黄電池は、β−アルミナ製
の固体電解質管の両側に陰極活物質としてのナトリウム
と、陽極活物質としての硫黄を充填したもので、その外
周をアルミニウム製の外周容器により保護した構造の二
次電池である。このナトリウム硫黄電池は電力貯蔵用電
池として最も適したものとして開発が進められている
が、充放電を繰り返す間に徐々に劣化するため、耐用年
数である１０年を経過した後には使用済みのナトリウム
硫黄電池が大量に発生することが考えられる。
の固体電解質管の両側に陰極活物質としてのナトリウム
と、陽極活物質としての硫黄を充填したもので、その外
周をアルミニウム製の外周容器により保護した構造の二
次電池である。このナトリウム硫黄電池は電力貯蔵用電
池として最も適したものとして開発が進められている
が、充放電を繰り返す間に徐々に劣化するため、耐用年
数である１０年を経過した後には使用済みのナトリウム
硫黄電池が大量に発生することが考えられる。
【０００３】このような使用済みのナトリウム硫黄電池
の処理技術は未だ完成されていないため、そのままの状
態で保管しておくことも考えられる。しかしナトリウム
硫黄電池の内部には消防法で危険物に指定されているナ
トリウムや硫黄が含まれているため、一箇所に保管でき
る量には限度があり、大量の使用済みのナトリウム硫黄
電池をそのまま保管することは困難である。
の処理技術は未だ完成されていないため、そのままの状
態で保管しておくことも考えられる。しかしナトリウム
硫黄電池の内部には消防法で危険物に指定されているナ
トリウムや硫黄が含まれているため、一箇所に保管でき
る量には限度があり、大量の使用済みのナトリウム硫黄
電池をそのまま保管することは困難である。
【０００４】なお、使用済みのナトリウム硫黄電池の処
理に関する唯一の従来技術が特開平3-88281 号公報に公
開されている。この公報には、使用済みのナトリウム硫
黄電池からナトリウムを回収した後、外周容器を陽極部
分から分離し、外周容器はアルコール浴で洗浄して再使
用するとともに、陽極部分は焼却して硫酸を回収すると
記載されている。しかし長期間にわたり使用されてきた
ナトリウム硫黄電池の外周容器は損傷されている可能性
があるため、アルコール浴で洗浄しただけで再使用する
ことは、我が国では受け入れられないと想定される。ま
た硫酸の回収工程では設備が酸腐食されるおそれがあ
る。
理に関する唯一の従来技術が特開平3-88281 号公報に公
開されている。この公報には、使用済みのナトリウム硫
黄電池からナトリウムを回収した後、外周容器を陽極部
分から分離し、外周容器はアルコール浴で洗浄して再使
用するとともに、陽極部分は焼却して硫酸を回収すると
記載されている。しかし長期間にわたり使用されてきた
ナトリウム硫黄電池の外周容器は損傷されている可能性
があるため、アルコール浴で洗浄しただけで再使用する
ことは、我が国では受け入れられないと想定される。ま
た硫酸の回収工程では設備が酸腐食されるおそれがあ
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、使用済みのナトリウム硫黄電池から
設備を腐食させることなく、アルミニウム、その表面の
金属皮膜、ナトリウム、硫黄、多硫化ソーダ（Na2Sx )
等をそれぞれ分離して回収することができる使用済みナ
トリウム硫黄電池の処理方法を提供するために完成され
たものである。
の問題点を解決し、使用済みのナトリウム硫黄電池から
設備を腐食させることなく、アルミニウム、その表面の
金属皮膜、ナトリウム、硫黄、多硫化ソーダ（Na2Sx )
等をそれぞれ分離して回収することができる使用済みナ
トリウム硫黄電池の処理方法を提供するために完成され
たものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた第１の発明は、使用済みナトリウム硫黄電
池のキャップを切断し、パラフィン中でナトリウムを回
収したのち外周容器をはぎ取り、この外周容器を加熱炉
内の分離媒体上で700 〜1200℃に加熱してアルミニウム
を滴下させ、このアルミニウムと分離媒体上に残存した
金属皮膜とを分離回収することを特徴とするものであ
る。
めになされた第１の発明は、使用済みナトリウム硫黄電
池のキャップを切断し、パラフィン中でナトリウムを回
収したのち外周容器をはぎ取り、この外周容器を加熱炉
内の分離媒体上で700 〜1200℃に加熱してアルミニウム
を滴下させ、このアルミニウムと分離媒体上に残存した
金属皮膜とを分離回収することを特徴とするものであ
る。
【０００７】また第２の発明は、使用済みナトリウム硫
黄電池のキャップを切断し、パラフィン中でナトリウム
を回収したのち外周容器をはぎ取り、残部を不活性雰囲
気中で加熱して硫黄を蒸発させるとともに、蒸発した硫
黄を冷却固化して固体硫黄として回収することを特徴と
するものである。
黄電池のキャップを切断し、パラフィン中でナトリウム
を回収したのち外周容器をはぎ取り、残部を不活性雰囲
気中で加熱して硫黄を蒸発させるとともに、蒸発した硫
黄を冷却固化して固体硫黄として回収することを特徴と
するものである。
【０００８】また第３の発明は、使用済みナトリウム硫
黄電池のキャップを切断し、パラフィン中でナトリウム
を回収したのち外周容器をはぎ取り、残部を不活性雰囲
気中で目的とするNa2Sx のｘ値に対応する温度に加熱し
て硫黄を蒸発させるとともに、蒸発した硫黄を冷却固化
して固体硫黄を回収し、硫黄分離後の部分をアルコール
又は水中に浸漬してNa2Sx を抽出・回収することを特徴
とするものである。なお、この第１の発明と第２の発明
とは一連の工程で行うことができ、第１の発明と第３の
発明とを一連の工程で行うこともできる。
黄電池のキャップを切断し、パラフィン中でナトリウム
を回収したのち外周容器をはぎ取り、残部を不活性雰囲
気中で目的とするNa2Sx のｘ値に対応する温度に加熱し
て硫黄を蒸発させるとともに、蒸発した硫黄を冷却固化
して固体硫黄を回収し、硫黄分離後の部分をアルコール
又は水中に浸漬してNa2Sx を抽出・回収することを特徴
とするものである。なお、この第１の発明と第２の発明
とは一連の工程で行うことができ、第１の発明と第３の
発明とを一連の工程で行うこともできる。
【０００９】
【作用】第１の発明によれば、使用済みナトリウム硫黄
電池から、ナトリウムと、アルミニウムと、その表面の
高価な金属皮膜とをそれぞれ分離して回収することがで
きる。第２の発明によれば、使用済みナトリウム硫黄電
池から、ナトリウムと硫黄とをそれぞれ分離して回収す
ることができる。第３の発明によれば、使用済みナトリ
ウム硫黄電池から、ナトリウムと、有価物質である多硫
化ソーダとをそれぞれ分離して回収することができる。
なおいずれの発明においても、設備が酸腐食されるおそ
れはない。以下に各発明を順次詳細に説明するが、図１
に各発明を総合した使用済みナトリウム硫黄電池の処理
フローの全体を示す。
電池から、ナトリウムと、アルミニウムと、その表面の
高価な金属皮膜とをそれぞれ分離して回収することがで
きる。第２の発明によれば、使用済みナトリウム硫黄電
池から、ナトリウムと硫黄とをそれぞれ分離して回収す
ることができる。第３の発明によれば、使用済みナトリ
ウム硫黄電池から、ナトリウムと、有価物質である多硫
化ソーダとをそれぞれ分離して回収することができる。
なおいずれの発明においても、設備が酸腐食されるおそ
れはない。以下に各発明を順次詳細に説明するが、図１
に各発明を総合した使用済みナトリウム硫黄電池の処理
フローの全体を示す。
【００１０】
（第１の発明）図２は使用済みナトリウム−硫黄電池の
断面構造を示す図であって、１はアルミニウム製の外周
容器、２はその内部に収納されたβ−アルミナ製の固体
電解質管、３は陽極活物質としての硫黄、４は陰極活物
質としてのナトリウム、５はキャップ、６は集電棒であ
る。この外周容器１の内面には、ステライト（Co-Cr-W-
C 系合金) 等の金属皮膜がコーティングされている。
断面構造を示す図であって、１はアルミニウム製の外周
容器、２はその内部に収納されたβ−アルミナ製の固体
電解質管、３は陽極活物質としての硫黄、４は陰極活物
質としてのナトリウム、５はキャップ、６は集電棒であ
る。この外周容器１の内面には、ステライト（Co-Cr-W-
C 系合金) 等の金属皮膜がコーティングされている。
【００１１】まず、使用済みナトリウム−硫黄電池のキ
ャップ５を機械的に切断し、必要に応じて上部からドリ
ル等で孔を明けて電極上部を開口し、図３のように陰極
部を露出させる。次にこれを図４のようにナトリウムの
融点以上の温度に加温されたパラフィン８の入った槽７
の内部に開口部を下向きとして浸漬する。するとパラフ
ィン８よりも比重の大きいナトリウムは槽７の底部に流
下し、回収できる。なお、ナトリウムは水分との接触に
より激しく反応するが、パラフィン８は全く水分を含有
しないので反応が生ずることはなく、陰極部のナトリウ
ムは容易に回収される。
ャップ５を機械的に切断し、必要に応じて上部からドリ
ル等で孔を明けて電極上部を開口し、図３のように陰極
部を露出させる。次にこれを図４のようにナトリウムの
融点以上の温度に加温されたパラフィン８の入った槽７
の内部に開口部を下向きとして浸漬する。するとパラフ
ィン８よりも比重の大きいナトリウムは槽７の底部に流
下し、回収できる。なお、ナトリウムは水分との接触に
より激しく反応するが、パラフィン８は全く水分を含有
しないので反応が生ずることはなく、陰極部のナトリウ
ムは容易に回収される。
【００１２】このようにしてナトリウムを回収した後、
使用済みナトリウム−硫黄電池の外周容器１をβ−アル
ミナ製の固体電解質管２から機械的にはぎ取り、外周容
器１を例えば縦方向に２等分して断面半円状とする。こ
れを図５のように加熱炉９内のすのこ状あるいは網状の
分離媒体10上に載せ、700 〜1200℃に加熱する。すると
融点が約660 ℃のアルミニウムは溶融して分離媒体10か
ら下方の容器11内へ滴下し、融点が1200℃よりも高いス
テライト等の金属皮膜のみが分離媒体10上に残ることと
なる。このようにして完全にアルミニウムと金属皮膜と
が分離された後、分離媒体10上から金属皮膜を取り出せ
ばよい。なお、容器11に回収されたアルミニウムの純度
は99％以上であって利用価値が高く、またステライト等
の金属皮膜は高速度鋼の製造原料等として再利用するこ
とができる。
使用済みナトリウム−硫黄電池の外周容器１をβ−アル
ミナ製の固体電解質管２から機械的にはぎ取り、外周容
器１を例えば縦方向に２等分して断面半円状とする。こ
れを図５のように加熱炉９内のすのこ状あるいは網状の
分離媒体10上に載せ、700 〜1200℃に加熱する。すると
融点が約660 ℃のアルミニウムは溶融して分離媒体10か
ら下方の容器11内へ滴下し、融点が1200℃よりも高いス
テライト等の金属皮膜のみが分離媒体10上に残ることと
なる。このようにして完全にアルミニウムと金属皮膜と
が分離された後、分離媒体10上から金属皮膜を取り出せ
ばよい。なお、容器11に回収されたアルミニウムの純度
は99％以上であって利用価値が高く、またステライト等
の金属皮膜は高速度鋼の製造原料等として再利用するこ
とができる。
【００１３】（第２の発明）一方、外周容器１をはぎ取
られた残部は図６のように陽極部の硫黄３を露出させ
る。そしてこれを図７に示すように電気炉のような加熱
炉12に入れ、不活性ガス雰囲気中で200 〜1000℃に加熱
する。すると陽極部の硫黄３は酸化されることなく蒸発
するので、発生した硫黄の蒸気をヒータ14付きのパイプ
15で冷却固化装置16へ導き、冷却して固化させる。この
結果、純度が99.9％以上の硫黄が得られるので、この硫
黄はナトリウム硫黄電池の陽極活性物質として再利用す
ることができる。なお、加熱炉12の排ガスはスクラバー
17を通したうえで大気中へ放出すればよい。この方法に
よれば、硫黄を蒸発させて冷却固化し固体硫黄として回
収するので、従来法のように設備を腐食させるおそれの
ある硫酸等を生じさせることがない。
られた残部は図６のように陽極部の硫黄３を露出させ
る。そしてこれを図７に示すように電気炉のような加熱
炉12に入れ、不活性ガス雰囲気中で200 〜1000℃に加熱
する。すると陽極部の硫黄３は酸化されることなく蒸発
するので、発生した硫黄の蒸気をヒータ14付きのパイプ
15で冷却固化装置16へ導き、冷却して固化させる。この
結果、純度が99.9％以上の硫黄が得られるので、この硫
黄はナトリウム硫黄電池の陽極活性物質として再利用す
ることができる。なお、加熱炉12の排ガスはスクラバー
17を通したうえで大気中へ放出すればよい。この方法に
よれば、硫黄を蒸発させて冷却固化し固体硫黄として回
収するので、従来法のように設備を腐食させるおそれの
ある硫酸等を生じさせることがない。
【００１４】（第３の発明）上記の第２の発明は硫黄の
回収を目的としたものであるが、第３の発明はNa2S
x （多硫化ソーダ）の回収を目的としたものである。第
３の発明でも、外周容器１をはぎ取られた残部（陽極部
分）の硫黄３を露出させ、図７に示すように電気炉のよ
うな加熱炉12に入れ、不活性ガス雰囲気中で200 〜1000
℃に加熱し、陽極部分の硫黄を蒸発させる。しかし第３
の発明では、回収目的とするNa2Sx のｘ値に対応する温
度に加熱して硫黄を蒸発させる。これは、加熱温度と後
工程において回収されるNa2Sx のｘ値との間に、図８の
通りの関係があることが確認されたためである。このた
め、例えば後工程においてNa2S6 を回収したい場合には
約350 ℃で加熱すればよく、後工程においてNa2S3 を回
収したい場合には約1000℃で加熱すればよい。
回収を目的としたものであるが、第３の発明はNa2S
x （多硫化ソーダ）の回収を目的としたものである。第
３の発明でも、外周容器１をはぎ取られた残部（陽極部
分）の硫黄３を露出させ、図７に示すように電気炉のよ
うな加熱炉12に入れ、不活性ガス雰囲気中で200 〜1000
℃に加熱し、陽極部分の硫黄を蒸発させる。しかし第３
の発明では、回収目的とするNa2Sx のｘ値に対応する温
度に加熱して硫黄を蒸発させる。これは、加熱温度と後
工程において回収されるNa2Sx のｘ値との間に、図８の
通りの関係があることが確認されたためである。このた
め、例えば後工程においてNa2S6 を回収したい場合には
約350 ℃で加熱すればよく、後工程においてNa2S3 を回
収したい場合には約1000℃で加熱すればよい。
【００１５】このようにして硫黄３を蒸発させ、第２の
発明と同様に硫黄の蒸気を冷却固化し固体硫黄を回収し
た後、図９のように硫黄分離後の陽極部分を粉砕してア
ルコール又は水18に浸漬して陽極部分に含まれるNa2Sx
を抽出し、その後、ろ過により固体を除きNa2Sx を回収
したり、図10の例のように硫黄分離後の陽極部分をその
ままアルコール又は水18に浸漬して陽極部分に含まれる
Na2Sx を抽出し回収する。抽出の際のアルコール又は水
の量は陽極部分１ｇ当り100cc 程度とすればよく、陽極
部分を室温で30分程度浸漬する。なお、図10は硫黄分離
後の陽極部分をコンベヤ19に載せてアルコール又は水18
の中を移動させる方法を示しており、コンベヤ19のスピ
ードは陽極部分が必要な時間浸漬できるスピードに調整
されている。
発明と同様に硫黄の蒸気を冷却固化し固体硫黄を回収し
た後、図９のように硫黄分離後の陽極部分を粉砕してア
ルコール又は水18に浸漬して陽極部分に含まれるNa2Sx
を抽出し、その後、ろ過により固体を除きNa2Sx を回収
したり、図10の例のように硫黄分離後の陽極部分をその
ままアルコール又は水18に浸漬して陽極部分に含まれる
Na2Sx を抽出し回収する。抽出の際のアルコール又は水
の量は陽極部分１ｇ当り100cc 程度とすればよく、陽極
部分を室温で30分程度浸漬する。なお、図10は硫黄分離
後の陽極部分をコンベヤ19に載せてアルコール又は水18
の中を移動させる方法を示しており、コンベヤ19のスピ
ードは陽極部分が必要な時間浸漬できるスピードに調整
されている。
【００１６】Na2Sx はそのｘ値に応じて染料や薬品等の
種々の用途があり、大３の発明ではこのNa2Sx のｘ値を
前工程の温度によって自由に制御できるので、目的とす
るｘ値を持ったNa2Sx を得ることができる。なお、濾過
された固形物中には陽極を構成しているカーボンマット
が含まれるので、これは乾燥後再びカーボンマットとし
て使用することができる。
種々の用途があり、大３の発明ではこのNa2Sx のｘ値を
前工程の温度によって自由に制御できるので、目的とす
るｘ値を持ったNa2Sx を得ることができる。なお、濾過
された固形物中には陽極を構成しているカーボンマット
が含まれるので、これは乾燥後再びカーボンマットとし
て使用することができる。
【００１７】
【発明の効果】以上に詳細に説明したように、第１の発
明によれば、使用済みナトリウム硫黄電池から、ナトリ
ウムと、アルミニウムと、その表面の高価な金属皮膜と
をそれぞれ分離して回収することができる。また第２の
発明によれば、使用済みナトリウム硫黄電池から、ナト
リウムと硫黄とをそれぞれ分離して回収することがで
き、第３の発明によれば、使用済みナトリウム硫黄電池
から、ナトリウムと、有価物質である多硫化ソーダとを
それぞれ分離して回収することができる。なおいずれの
発明においても、従来法のように処理工程で硫酸が発生
することがないので、設備が酸腐食されるおそれはな
い。よって本発明は従来の問題点を解消した使用済みナ
トリウム硫黄電池の処理方法として、産業の発展に寄与
するところはきわめて大きいものがある。
明によれば、使用済みナトリウム硫黄電池から、ナトリ
ウムと、アルミニウムと、その表面の高価な金属皮膜と
をそれぞれ分離して回収することができる。また第２の
発明によれば、使用済みナトリウム硫黄電池から、ナト
リウムと硫黄とをそれぞれ分離して回収することがで
き、第３の発明によれば、使用済みナトリウム硫黄電池
から、ナトリウムと、有価物質である多硫化ソーダとを
それぞれ分離して回収することができる。なおいずれの
発明においても、従来法のように処理工程で硫酸が発生
することがないので、設備が酸腐食されるおそれはな
い。よって本発明は従来の問題点を解消した使用済みナ
トリウム硫黄電池の処理方法として、産業の発展に寄与
するところはきわめて大きいものがある。
【図１】使用済みナトリウム硫黄電池の処理フローの全
体を示すブロック図である。
体を示すブロック図である。
【図２】使用済みナトリウム硫黄電池を示す断面図であ
る。
る。
【図３】使用済みナトリウム硫黄電池のキャップを切断
し、ドリルで穴明けをした状態を示す断面図である。
し、ドリルで穴明けをした状態を示す断面図である。
【図４】使用済みナトリウム硫黄電池からナトリウムを
回収する工程を示す断面図である。
回収する工程を示す断面図である。
【図５】使用済みナトリウム硫黄電池からアルミニウム
と金属皮膜とを分離回収する工程を示す断面図である。
と金属皮膜とを分離回収する工程を示す断面図である。
【図６】使用済みナトリウム硫黄電池の外周容器を剥ぎ
取った状態を示す断面図である。
取った状態を示す断面図である。
【図７】硫黄の回収工程を示す断面図である。
【図８】硫黄回収工程における加熱温度と、後工程にお
いて回収されるNa2Sx のｘ値との関係を示すグラフであ
る。
いて回収されるNa2Sx のｘ値との関係を示すグラフであ
る。
【図９】硫黄分離後の陽極部分の破砕品よりNa2Sx を抽
出する工程の一例を示す断面図である。
出する工程の一例を示す断面図である。
【図10】硫黄分離後の陽極部分よりNa2Sx を抽出する工
程の一例を示す断面図である。
程の一例を示す断面図である。
１ 外周容器、２ 固体電解質管、３ 陽極活性物質で
ある硫黄、４ 陰極活性物質であるナトリウム、５ キ
ャップ、６ 集電棒、７ 槽、８ パラフィン、９ 加
熱炉、10 分離媒体、11 容器、12 加熱炉、14 ヒー
タ、15 パイプ、16 冷却固化装置、17 スクラバー、
18 アルコール又は水、19 コンベヤ
ある硫黄、４ 陰極活性物質であるナトリウム、５ キ
ャップ、６ 集電棒、７ 槽、８ パラフィン、９ 加
熱炉、10 分離媒体、11 容器、12 加熱炉、14 ヒー
タ、15 パイプ、16 冷却固化装置、17 スクラバー、
18 アルコール又は水、19 コンベヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔵島 吉彦 愛知県名古屋市熱田区花表町17番20号 花表団地314号 (56)参考文献 特開 平３−88281（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−203173（ＪＰ，Ａ) 米国特許4801443（ＵＳ，Ａ) Ｊ．ＰＡＵＬ ＰＥＭＳＬＥＲ ＥＴ ＡＬ．，”ＲＥＣＹＣＬＥ ＯＦ Ｂ ＡＴＴＥＲＹ ＭＡＴＥＲＩＡＬＳ”, ＩＮＴＥＲＳＯＣＩＥＴＹ ＥＮＥＲＧ Ｙ ＣＯＮＶＥＲＳＩＯＮ ＥＮＧＩＮ ＥＥＲＩＮＧ ＣＯＮＦＥＲＥＮＣＥ, Ｕ．Ｓ．Ａ．，1981，ＶＯＬ．16，Ｎ Ｏ．１，Ｐ．695−698
Claims (5)
- 【請求項１】使用済みナトリウム硫黄電池のキャップを
切断し、パラフィン中でナトリウムを回収したのち外周
容器をはぎ取り、この外周容器を加熱炉内の分離媒体上
で700 〜1200℃に加熱してアルミニウムを滴下させ、こ
のアルミニウムと分離媒体上に残存した金属皮膜とを分
離回収することを特徴とする使用済みナトリウム硫黄電
池の処理方法。 - 【請求項２】使用済みナトリウム硫黄電池のキャップを
切断し、パラフィン中でナトリウムを回収したのち外周
容器をはぎ取り、残部を不活性雰囲気中で加熱して硫黄
を蒸発させるとともに、蒸発した硫黄を冷却固化して固
体硫黄として回収することを特徴とする使用済みナトリ
ウム硫黄電池の処理方法。 - 【請求項３】使用済みナトリウム硫黄電池のキャップを
切断し、パラフィン中でナトリウムを回収したのち外周
容器をはぎ取り、残部を不活性雰囲気中で目的とするNa
2Sx のｘ値に対応する温度に加熱して硫黄を蒸発させる
とともに、蒸発した硫黄を冷却固化して固体硫黄を回収
し、硫黄分離後の部分をアルコール又は水中に浸漬して
Na2Sx を抽出・回収することを特徴とする使用済みナト
リウム硫黄電池の処理方法。 - 【請求項４】使用済みナトリウム硫黄電池のキャップを
切断し、パラフィン中でナトリウムを回収したのち外周
容器をはぎ取り、この外周容器を加熱炉内の分離媒体上
で700 〜1200℃に加熱してアルミニウムを滴下させ、こ
のアルミニウムと分離媒体上に残存した金属皮膜とを分
離回収する一方、残部を不活性雰囲気中で加熱して硫黄
を蒸発させるとともに、蒸発した硫黄を冷却固化して固
体硫黄として回収することを特徴とする使用済みナトリ
ウム硫黄電池の処理方法。 - 【請求項５】使用済みナトリウム硫黄電池のキャップを
切断し、パラフィン中でナトリウムを回収したのち外周
容器をはぎ取り、この外周容器を加熱炉内の分離媒体上
で700 〜1200℃に加熱してアルミニウムを滴下させ、こ
のアルミニウムと分離媒体上に残存した金属皮膜とを分
離回収する一方、残部を不活性雰囲気中で目的とするNa
2Sx のｘ値に対応する温度に加熱して硫黄を蒸発させる
とともに、蒸発した硫黄を冷却固化して固体硫黄を回収
し、硫黄分離後の部分をアルコール又は水中に浸漬して
Na2Sx を抽出・回収することを特徴とする使用済みナト
リウム硫黄電池の処理方法。
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ID=27471277
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Citations (1)
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1993
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