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JP2017530189A - 低分子量ペプチド又はタンパク質のナノ沈殿物を調製する方法 - Google Patents

低分子量ペプチド又はタンパク質のナノ沈殿物を調製する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物を非変性調製する方法であって、上記タンパク質又は上記ペプチドが、20kDa以下、好ましくは15kDa以下、有利には10kDa以下、より有利には8kDa以下の分子量を有する方法に関する。前記方法は、ペプチド又はタンパク質の水溶液と、上記ペプチド又はタンパク質の非溶媒と、任意選択で水溶性金属塩との混合物を調製する工程を含む。また、本発明は、本発明に基づく方法により取得可能なナノ沈殿物、及び糖尿病の治療又は予防で使用される、上記ナノ沈殿物を含む医薬組成物にも関する。

Description

本発明は、ペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオン、好ましくは二価の金属イオンとのナノ共沈殿物(nanocoprecipitate)を非変性調製する方法であって、上記ペプチド又はタンパク質の分子量が小さい方法、及びそのような方法により取得可能なナノ沈殿物又はナノ共沈殿物に関する。また、本発明は、前記ナノ沈殿物又はナノ共沈殿物を含む医薬組成物、特に制御放出型の医薬組成物、並びにヒト及びアニマルヘルスの分野における同医薬組成物の使用にも関する。
ペプチド及びタンパク質は、複雑で、高度に組織化された構造物であり、これを取り巻く環境に対して極めて感受性が高く、容易に変性し得る。ペプチド又はタンパク質の変性は、活性の決定的又は一時的な喪失を通常引き起こす。しかし、今日までに知られているペプチド又はタンパク質を沈殿させる方法は、ペプチド/タンパク質の構造にとって有害となり得、従ってペプチド/タンパク質が失活する条件、例えば高温、急速な撹拌、又は疎水表面、水/有機界面、若しくは界面活性剤との接触等の条件を含むので、そのような方法は変性的である。
ペプチド又はタンパク質、特に治療用ペプチド又はタンパク質のナノ沈殿法は、例えば、それを受容する生物におけるペプチド又はタンパク質の放出プロファイル及び生物学的利用能を改善することができる。この沈殿法は、濃縮したペプチド/タンパク質懸濁物の凍結乾燥、及び医薬組成物の調製も可能にする。上記医薬組成物は、ペプチド又はタンパク質が非常に濃縮されている一方、粘度が低い又はまったく有さず、変性的な凝集を生ずることなしに得られたナノ沈殿物を含む。
タンパク質をナノ沈殿させる方法、例えば一般的に1ミクロンを上回るサイズのタンパク質沈殿物を生成する、タンパク質脱溶媒和技法等が文献中に認められる。しかし、このような方法では、タンパク質の変性が通常引き起こされる、又は非溶媒に加えてポリマーを必要とすることなしにはタンパク質沈殿物の取得が不可能である。
例えば、特許出願国際公開第2009/043874号は、タンパク質が、好ましくは8kDaよりも大きい分子量を有し、非変性的である、平均直径が50〜200nmのポロキサマー-タンパク質ナノ粒子を調製する方法について開示する。前記ナノ粒子は、ポロキサマー-タンパク質複合体であり、従って前記ナノ粒子を取得するのに、非溶媒以外のポリマーをさらに必要とする。
特許出願国際公開第2009/043874号
従って、殿を促進する別の分子と複合体を形成していない、又は金属イオン、好ましくは二価の金属イオンと共沈殿する形での低分子量ペプチド又はタンパク質の非変性ナノ沈殿のための技法を開発することが必要である。ペプチド又はタンパク質は、治療用ペプチド又はタンパク質、例えばインスリン等であることが好ましい。
本発明の文脈において、本発明者らは、20kDa以下、好ましくは15kDa以下、有利には10kDa以下、より有利には8kDa以下の分子量を有するペプチド又はタンパク質のナノ沈殿物を非変性調製する新規方法を発見した。同方法は、医薬組成物、好ましくは制御放出型の医薬組成物に組み込み可能である非変性ペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又は上記非変性ペプチド若しくはタンパク質と金属イオン、好ましくは二価の金属イオンとのナノ共沈殿物を取得できるようにする。
本発明は、穏和な非変性条件下で、低分子量ペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又は低分子量ペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物を取得できるようにする。本発明は、低分子量ペプチド又はタンパク質の溶液を、ペプチド又はタンパク質の有機非溶媒、例えば低分子量ポリエチレングリコール、又はポリエチレングリコール誘導体、特にPEG550より選択される有機ジオール、及びヘキシレングリコール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、エトヘキサジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール(ヘキシレングリコール)、3-シクロペンテン-1,2-ジオール、シス-4-シクロペンテン-1,3-ジオール、トランス-1,4-ジオキサン-2,3-ジオール、1,3-ジオキサン-5,5-ジメタノール、(3S,4S)-ピロリジン-3,4-ジオール、(3R,4R)-(-)-1-ベンジル-3,4-ピロリジンジオール、(3S,4S)-(+)-1-ベンジル-3,4-ピロリジンジオール、3-シクロペンテン-1,2-ジオール、2-メチル-ブタン-1,3-ジオールの群より選択される有機ジオール等に接触させる工程から構成される。
本発明によるナノ沈殿法は、前記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、本発明による調製方法に基づいて調製されなかった同一のペプチド又はタンパク質を単回非経口投与した後にその血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間を上回るように、単回非経口投与用の医薬品として使用可能であるペプチド又はタンパク質のナノ沈殿物又はナノ共沈殿物を取得できるようにする。従って、本発明によるナノ沈殿によって、ペプチド又はタンパク質の放出速度を制御し、特に少なくとも2日間、好ましくは2日間〜数ヶ月間、生物学的に活性な形態でペプチド又はタンパク質の徐放性を得ることができるようになる。
また、本発明によるナノ沈殿は、粘度が低いまま、前記ペプチド又はタンパク質内で高度に濃縮された医薬組成物の調製も可能にする。医薬組成物の粘度が低ければ、その非経口投与、特にその非静脈内非経口投与に特に有用である。
第1の態様では、本発明は、従って、1μm未満の平均直径を有するペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物を非変性調製する方法に関し、この方法は、
a)ペプチド又はタンパク質の水溶液と、上記ペプチド又はタンパク質の非溶媒と、任意選択で水溶性金属塩との混合物を調製する工程、
b)工程a)で得られた混合物を緩やかに撹拌する工程、
c)工程b)で得られた混合物を固体-液体分離する工程、並びに
d)任意選択で、ペプチド若しくはタンパク質ナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物を収集する工程、
を含み、
上記ペプチド又はタンパク質は、20kDa以下、好ましくは15kDa以下、有利には10kDa以下、より有利には8kDa以下の分子量を有し、上記非溶媒は、2000Da未満、有利には200〜2000Da、より有利には550Daの分子量を有するポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール誘導体、及びヘキシレングリコール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、エトヘキサジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール(ヘキシレングリコール)、3-シクロペンテン-1,2-ジオール、シス-4-シクロペンテン-1,3-ジオール、トランス-1,4-ジオキサン-2,3-ジオール、1,3-ジオキサン-5,5-ジメタノール、(3S,4S)-ピロリジン-3,4-ジオール、(3R,4R)-(-)-1-ベンジル-3,4-ピロリジンジオール、(3S,4S)-(+)-1-ベンジル-3,4-ピロリジンジオール、3-シクロペンテン-1,2-ジオール、2-メチル-ブタン-1,3-ジオールの群より選択される有機ジオールから選択される。
本発明の文脈において、「非変性調製方法」とは、ペプチド又はタンパク質を変性させない、上記ペプチド又はタンパク質のナノ沈殿法又はナノ共沈殿法を意味する。従って、本発明によるナノ沈殿法又はナノ共沈殿法は、その正常な3次元立体構造、並びにその完全性及びその生物活性を保持するペプチド又はタンパク質を取得できるようにする。好ましくは、本発明による方法は、タンパク質又はペプチドの85%、特に90%、さらに特に100%が変性していないペプチド又はタンパク質のナノ沈殿物又はナノ共沈殿物を取得できるようにする。より好ましくは、本発明による方法は、タンパク質又はペプチドが100%変性していない、タンパク質又はペプチドのナノ沈殿物又はナノ共沈殿物を取得できるようにする。
本発明の文脈において、「ペプチド又はタンパク質のナノ沈殿物」とは、非溶媒中の1つ若しくは複数のペプチド及び/又は1つ若しくは複数のタンパク質が沈殿した結果生じた1μm未満、有利には5nm〜500nm、より有利には5nm〜200nm、なおもより有利には5nm〜170nm、特に5nm〜150nmの平均直径を有する粒子を意味する。本発明によるペプチド又はタンパク質のナノ沈殿物は、ペプチド又はタンパク質から実質的に構成される。
有利な実施形態によれば、本発明によるペプチド又はタンパク質のナノ沈殿物は、90%を超える、特に95%を超える、さらに特に99%を超えるペプチド又はタンパク質から構成され、残りは不純物、例えば用いた非溶媒からなる不純物である。
有利には、本発明は、1μm未満、有利には5nm〜500nm、より有利には5nm〜200nm、なおもより有利には5nm〜170nm、特に5nm〜150nmの平均直径を有する、低分子量ペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又は低分子量ペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物を非変性調製する方法に関する。
別の態様によれば、本発明は、ペプチド又はタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物を非変性調製する方法に関し、上記ペプチド又はタンパク質は、20kDa以下、好ましくは15kDa以下、有利には10kDa以下、より有利には8kDa以下の分子量を有し、及び上記金属イオンは、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、リチウム(Li)、及び銅(Cu)から選択される。好ましくは、上記金属イオンは、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、及び銅(Cu)、好ましくは亜鉛(Zn)、又はマンガン(Mn)から選択される二価の金属イオンである。
「一価金属イオン」とは、1つの原子価を有し、従って別のイオン又は分子と結合を形成することができるイオンを意味する。例えば、一価の金属陰イオンとは、その原子状態と比較して1個の追加電子を有するイオンである。同様に、一価の金属陽イオンとは、その原子状態と比較して電子1個を失ったイオンである。
同様に、「二価金属イオン」とは、2つの原子価を有するイオンを意味する。例えば、二価金属陰イオンとは、その原子状態と比較して2個の追加電子を有するイオンである。同様に、二価金属陽イオンとは、その原子状態と比較して2個の電子を失ったイオンである。
「ペプチド又はタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物」は、「ペプチド又はタンパク質/金属イオンのナノ共沈殿物」とも呼ばれ、1つ若しくは複数のタンパク質又はペプチドと金属イオンとの共沈殿の結果を意味する。このようなナノ共沈殿物は、従ってペプチド又はタンパク質、上記金属イオン、及び任意選択で用いた非溶媒の残留物から実質的に構成される。
「低分子量ペプチド又はタンパク質」とは、20kDa以下、好ましくは15kDa以下、有利には10kDa以下、より有利には8kDa以下の分子量を有するタンパク質又はペプチドを意味する。
ペプチド又はタンパク質の有機非溶媒とは、タンパク質又はペプチドが溶解せず、沈殿物、好ましくはナノ沈殿物の形成を引き起こす溶媒を意味する。
本発明による「非溶媒」として、2000Da未満、有利には200〜2000Da、より有利には550Daの分子量を有するポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール誘導体より選択される有機ジオール、及びヘキシレングリコール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、エトヘキサジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール(ヘキシレングリコール)、3-シクロペンテン-1,2-ジオール、シス-4-シクロペンテン-1,3-ジオール、トランス-1,4-ジオキサン-2,3-ジオール、1,3-ジオキサン-5,5-ジメタノール、(3S,4S)-ピロリジン-3,4-ジオール、(3R,4R)-(-)-1-ベンジル-3,4-ピロリジンジオール、(3S,4S)-(+)-1-ベンジル-3,4-ピロリジンジオール、3-シクロペンテン-1,2-ジオール、2-メチル-ブタン-1,3-ジオールの群より選択される有機ジオールが挙げられる。好ましくは、本発明によるペプチド又はタンパク質の非溶媒は、PEG550、グリコフロール、及びヘキシレングリコール((±)-2-メチル-2,4-ペンタンジオール)、好ましくはPEG550及びヘキシレングリコールから選択される。より好ましくは、本発明によるペプチド又はタンパク質の非溶媒は、PEG550である。
本発明の文脈において、「低分子量ポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール誘導体」という表現は、2000Da未満、有利には200〜2000Da、より有利には500Daの分子量を有するポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール誘導体より選択される有機ジオール、及びヘキシレングリコールを意味する。本発明による低分子量ポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール誘導体は、PEG100、PEG200、PEG300、PEG400、PEG550、PEG600、PEG900、PEG1000、PEG2000、グリコフロールより選択される。好ましくは、本発明による低分子量ポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール誘導体は、PEG550及びグリコフロールより選択され、好ましくは、本発明による低分子量ポリエチレングリコールは、PEG550である。
本発明の文脈において、ペプチド又はタンパク質の非溶媒は、1μm未満の平均直径を有するナノ粒子の形態で、上記ペプチド若しくはタンパク質を沈殿させるのに、又は上記ペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとをナノ共沈殿させるのに十分な量で用いられる。ペプチド又はタンパク質の溶液/ペプチド又はタンパク質の非溶媒につき、その容積比は当業者にとって公知の方法により決定可能である。ナノ沈殿又はナノ共沈殿の収率は、特にナノ沈殿物又はナノ共沈殿物に対するペプチド又はタンパク質の量に依存する。確かに、図1に示す通り、ナノ沈殿物又はナノ共沈殿物に対するペプチド又はタンパク質の量が少ないほど、ナノ沈殿又はナノ共沈殿は容易となり、また収率も増す。ナノ沈殿物又はナノ共沈殿物に対するペプチド又はタンパク質の量が増加すると、収率は低下し得る。
好ましくは、本発明は、治療用ペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又は治療用ペプチド若しくはタンパク質/金属イオンのナノ共沈殿物を非変性調製する方法に関する。
「治療用ペプチド又はタンパク質」とは、投与すると、1つ又は複数の病理についてその治療を可能にする任意のペプチド又は任意のタンパク質を意味する。治療用ペプチド又はタンパク質のなかでも、酵素、サイトカイン、増殖因子、ホルモン、抗体及び凝固因子、並びに診断薬が、特にペプチドホルモン、例えばインスリン及び誘導体、グルカゴン及び類似体(グルカゴン様ペプチド)、成長ホルモン、ソマトスタチン、バソプレシン、カルシトニン、LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)作動薬及び拮抗薬、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、ACTH-相乗性ペプチド(ACTH-synergistic peptide)、成長ホルモン、黄体刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、間質細胞刺激ホルモン(ICSH)、チロリベリン、コルチコリベリン、ソマトリベリン、ルテオリベリン、プロラクチン放出抑制因子、チロシジンA、ペニシリン、グラミシジン、オキシトシン、ワクチンペプチド、並びに天然及び合成のその誘導体又はその断片等が特筆され得る。有利には、本発明は、ヒトインスリン、成長ホルモン、グルカゴン、ペプチドホルモン、又はその治療上有効な誘導体若しくは断片から選択されるペプチド又はタンパク質のナノ沈殿物を非変性調製する方法に関する。より有利には、本発明は、ヒトインスリン又はその治療上有効な誘導体若しくは断片のナノ沈殿物、或いはヒトインスリン又はその治療上有効な誘導体若しくは断片と金属イオンとのナノ共沈殿物、好ましくはヒトインスリン/亜鉛のナノ共沈殿物を非変性調製する方法に関する。
ペプチド又はタンパク質の「治療上有効な誘導体」という表現は、1つ若しくは複数のアミノ酸残基がその他のアミノ酸残基と置換した、及び/又はペプチド若しくはタンパク質の1つ若しくは複数のアミノ酸残基が除去された、及び/又は1つ若しくは複数のアミノ酸残基がペプチド若しくはタンパク質に付加したペプチド若しくはタンパク質を意味する。特に、ペプチド又はタンパク質の「治療上有効な誘導体」という表現は、PEG化、グリコシル化、アセチル化、リン酸化された誘導体、環状誘導体、1つ又は複数の天然又は合成の脂質、1つ又は複数のアプタマー、1つ又は複数のペプチド配列、1つ又は複数の核酸、RNA又はDNAと結合した誘導体、或いはデンドリマーや多価構造物等の特徴的な化学構造を有するスキャフォールド型構造と結合したタンパク質又はペプチドを意味する。有利には、ペプチド又はタンパク質の「治療上有効な誘導体」という表現は、PEG化、グリコシル化、及びアセチル化されたペプチド又はタンパク質を意味する。
ペプチド又はタンパク質の「治療上有効な断片」とは、天然状態のペプチド又はタンパク質の長さよりも短く、且つ有効な治療活性を有するポリペプチド、ペプチド、又はタンパク質の一部分を意味する。例えば、「インスリンの治療上有効な断片」とは、天然状態のインスリンタンパク質の長さよりも短く、且つ特に糖尿病に対して有効な治療活性を有するインスリンポリペプチドの一部分を意味する。
本発明によれば、ペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿は、幅広い温度範囲、特に-20〜37℃の温度、さらに特に0〜20℃の温度において生ずる。この温度範囲であれば、ペプチド又はタンパク質が変性するあらゆるリスクを制限することができる。
好ましい実施形態では、緩やかな撹拌が、当業者にとって公知の方法に基づき、特に機械的又は磁気的撹拌により、さらに特に50rpm以下での撹拌により実施される。本発明による方法は、従って非常に剪断力が低い穏やかな非変性条件下で実施される(レイノズル係数2000未満)。
別の好ましい実施形態では、本発明による方法の工程b)には、混合物が、0℃〜10℃の温度で1分〜60分間、有利には氷浴中で冷却される工程が続く。
なおも別の好ましい実施形態では、本発明による方法の工程c)の固体/液体分離は、特に約500〜50000Gの遠心力で実施される遠心分離である。同様に、ナノ沈殿物を収集する工程d)は、メンブレン濾過又はタンジェンシャル濾過により実施される。
ナノ沈殿は、水溶性金属塩、例えばZnC12、MgC12、CaC12、MnC12、FeCl2、CuSO4、又はLiCl等の存在下で、任意選択で実施され得る。好ましくは、水溶性金属塩は、塩化亜鉛(ZnC12)又は塩化マンガン(MnC12)である。この場合、本発明によるナノ共沈殿と呼ばれる。
有利には、水溶性の塩をペプチド又はタンパク質の非溶媒と併用すれば、金属イオン/タンパク質(又はペプチド)複合体の形成により、ペプチド又はタンパク質の沈殿が促進及び/又は改善する。塩は、沈殿及び再溶解後のペプチド又はタンパク質の活性を保持しつつ、特により良好な沈殿収率の実現を可能にする。
水溶液の塩濃度は、幅広く変化し得る。溶液pH、温度、及び水/水混和性非溶媒の容積比が固定された所定量のペプチド又はタンパク質について、当業者は、ルーチン実験により、一般的にはペプチド又はタンパク質の沈殿が認められるまで、塩を漸増的に添加することにより、適する最低塩濃度を決定することができる。但し、ナノ沈殿が水溶性の塩の存在下で実施される場合、ナノ共沈殿の収率は、ペプチド又はタンパク質の量及び塩濃度に依存する。図2、図3、図4、及び図5に示す通り、ペプチド又はタンパク質の量が小さい場合、ナノ共沈殿の収率は、塩濃度に強く依存し、また塩濃度の低下と共に増加する。
従って、工程a)の上記混合物は、ZnC12、MgC12、CaC12、MnC12、FeC12、LiC1、及びCuSO4より選択される少なくとも1つの水溶性金属塩、有利にはZnC12又はMnC12も含むという特徴を、本発明による方法は有し得る。
本発明は、タンパク質若しくはペプチドのナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物に更に関し、上記ペプチド又はタンパク質は、20kDa以下、好ましくは15kDa以下、有利には10kDa以下、より有利には8kDa以下の分子量を有し、本発明による方法に基づき取得可能である。
好ましくは、本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物は、85%を超える、特に90%を超える、さらに特に100%の非変性タンパク質又はペプチドから構成される。
好ましくは、本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物は、1μm未満、有利には5nm〜500nm、より有利には5nm〜200nm、なおもより有利には5nm〜170nm、特に5nm〜150nmの平均直径を有する。本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物は、特に、適する医薬製剤に組み込むために収集する。
さらに特には、本発明によるペプチド又はタンパク質のナノ沈殿物又はナノ共沈殿物は、上記ペプチド又はタンパク質の送達をin vivo制御する徐放型の医薬品として利用可能である。
別の態様では、本発明は、医薬品として使用される本発明によるペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物に関する。
本発明は、本発明によるペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物にも関し、これらの沈殿物は、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、本発明による調製方法に基づいて調製されなかった同一のペプチド又はタンパク質を、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後にその血中濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間を上回るように、特に非静脈内非経口経路を経由する単回非経口投与用の医薬品として使用される。
本発明の文脈において、有効成分の「治療ウィンドウ」とは、上記有効成分の最低治療血漿濃度、すなわち有効成分が有効治療活性を有する最低血漿濃度と、上記有効成分の最大治療血漿濃度、すなわち問題のある副作用を引き起こさずに到達し得る、上記有効成分の最大血漿濃度との間のすべての上記有効成分の血漿濃度を意味する。
特に、本発明は、本発明によるペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物に関し、それは、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が2日を上回る、好ましくは7日を上回る、好ましくは21日を上回る、より好ましくは30日を上回るように、特に非静脈内非経口経路を経由する単回非経口投与用の医薬品として使用される。
さらに特には、本発明は、本発明によるペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物に関し、それは、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が21日を上回る、より好ましくは30日を上回るように、特に非静脈内非経口経路を経由する単回非経口投与用の医薬品として使用される。
別の態様では、本発明は、本発明によるペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物に関し、それは、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、本発明による調製方法に基づき調製されなかった同一のペプチド又はタンパク質を、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後にその血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間よりも2日長い、好ましくは7日長い、より好ましくは21日長い、なおもより好ましくは30日長くなるように、特に非静脈内非経口経路を経由する単回非経口投与用の医薬品として使用される。
特に、本発明は、本発明によるペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物に関し、それは、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、本発明による調製方法に基づき調製されなかった同一のペプチド又はタンパク質を、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後にその血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間よりも21日長い、好ましくは30日長くなるように、特に非静脈内非経口経路を経由する単回非経口投与用の医薬品として使用される。
なおも別の態様では、本発明は、本発明による純粋なペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物に関し、それは、特に非静脈内非経口経路を経由する単回非経口投与用の医薬品として、Tmax〜Tmax+2日、好ましくはTmax〜Tmax+7日、より好ましくはTmax〜Tmax+21日、なおもより好ましくはTmax〜Tmax+30日の間で用いられる。
さらに特には、発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物を、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後に、血漿ペプチド又はタンパク質濃度は、Tmax〜Tmax+2日、好ましくはTmax〜Tmax+7日、より好ましくはTmax〜Tmax+21日、なおもより好ましくはTmax〜Tmax+30日の間、最高血漿中濃度(Cmax)値の好ましくは90%を上回る、より好ましくは98%を上回る。
用語「最高血漿濃度(Cmax)」は、動力学全体において血漿濃度が最高となるポイントを表すピーク濃度を意味する。このピークは、吸収量と排除量が等しい時に達し、単回投与実施後に測定される。
「Tmax」は、最高血漿濃度に到達するのに要する時間の数値である。この数値は、薬学的に活性物質の吸収速度を表す。
「Tmax+x日」は、最高血漿中濃度Tmaxに到達するのに要する時間にx日を加算した時間に対応し、xは整数に対応し、特にxは、2、7、21、又は30に等しい。例えば「Tmax+2日」は、時間Tmaxに2日を加算した数値に対応する。
本発明の好ましい態様では、本発明者らは、血漿濃度が、用いられる有効成分に対して、Cmax値の少なくとも85%を上回り維持されているに違いない期間を調整した。例えば、非限定的に、本発明による純粋のインスリンナノ沈殿物又はインスリン/亜鉛ナノ共沈殿物は、血漿インスリン濃度が、Tmax〜Tmax+2日、好ましくはTmax〜Tmax+5日、特にTmax〜Tmax+7日の間、Cmax値の85%を上回る、好ましくは90%を上回る、より好ましくは98%を上回るように、1回のみ、非経口経路により、特に非静脈内非経口経路により投与されるインスリン放出医薬品として使用可能である。同様に、本発明による純粋の成長ホルモンナノ沈殿物又は成長ホルモン/金属イオンナノ共沈殿物は、血漿成長ホルモン濃度が、Tmax〜Tmax+21日、好ましくはTmax〜Tmax+30日のCmax値の間、85%を上回る、好ましくは90%を上回る、より好ましくは98%を上回るように、1回のみ、非経口経路により、特に非静脈内非経口経路により投与される成長ホルモン放出医薬品として使用される。
特定の実施形態では、本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物は、上記ペプチド又はタンパク質のin vivo徐放型放出を、少なくとも2日間、有利には少なくとも5日間、より有利には少なくとも30日間、なおもより有利には90日間可能にする。有利に好ましい方式では、本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物は、上記ペプチド又はタンパク質のin vivo徐放型放出を、少なくとも7日間、有利には少なくとも21日間、より有利には30日間可能にする。
本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物は、制御された方式で、長期的にタンパク質又はペプチドの放出を可能にする任意のシステム又は任意のポリマーマトリックスの利用に適合する。従って、好ましい実施形態では、本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物は、やはりそのin vivo徐放型放出を可能にするポリマーマトリックスに組み込まれる。
本発明の文脈において、「ポリマーマトリックス」とは、ポリマーが架橋されている場合、任意選択で3次元のポリマーネットワーク、例えばゲル等を意味する。好ましくは、ポリマーマトリックスは、特にグリコール酸、乳酸、プルロニック酸、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸等の多糖類、ポリペプチド、PEO-PPO(ポリ(酸化エチレン)-ポリ(酸化プロピレン))トリブロックコポリマーに基づくポリマー、イソプロピルアクリルアミドに基づくポリマーより選択される天然又は合成の生体適合性ポリマー、脂質マトリックス、デンドリマー、又はその混合物を含む。好ましくは、ポリマーマトリックスは、生分解性である。
さらに特には、ポリマーマトリックスはゲル、特に注入型ゲル、さらに特に熱感受性ゲル又は脂質マトリックス、なおもさらに特にヒアルロン酸ゲルである。
「ポリマーマトリックスに組み込まれたナノ沈殿物又はナノ共沈殿物」とは、ポリマーマトリックス内でカプセル化、分散化、グラフト化、又は架橋した本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物を意味する。
本発明は、本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物、及び有利には薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物にも関する。有利には、本発明による医薬組成物は、ポリマーマトリックスに組み込まれた本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物を含む。
有利な実施形態によれば、本発明による医薬組成物は、徐放型の医薬組成物である。さらに特には、本発明による組成物は、2日を超えて、有利には5日を超えて、より有利には30日を超えて、なおもより有利には90日を超えて、長期的にペプチド又はタンパク質を放出する。
医薬組成物は、非経口、好ましくは非静脈内、口腔内、舌下、鼻腔内、経皮的、局所的、直腸、眼球、及び粘膜経路を経由する、好ましくは非静脈内非経口経路を経由する投与に特に適する。有利に好ましい方式で、本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物は、ペプチド又はタンパク質のin vivo徐放型放出を7日間、有利には21日間、より有利には30日間可能にする。
好ましい実施形態では、本発明による医薬組成物は、本発明によるペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、本発明による調製方法に基づき調製されなかった同一のペプチド又はタンパク質を、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後にその血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間を上回るように、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後に上記タンパク質又はペプチドを放出する。
特に、本発明による医薬組成物は、本発明によるタンパク質又はペプチドを、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後に、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、2日を上回る、好ましくは7日を上回る、好ましくは21日を上回る、より好ましくは30日を上回るように放出する。
特に、本発明による医薬組成物は、本発明によるタンパク質又はペプチドを、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後に、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、本発明による調製方法に基づき調製されなかった同一のペプチド又はタンパク質を、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後にその血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間よりも2日長い、好ましくは7日長い、より好ましくは21日長い、なおもより好ましくは30日間長くなるように放出する。
別の態様では、本発明による医薬組成物は、本発明によるタンパク質又はペプチドを、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後に、血漿ペプチド又はタンパク質濃度が、Tmax〜Tmax+2日、好ましくはTmax〜Tmax+7日、好ましくはTmax〜Tmax+21日、なおもより好ましくはTmax〜Tmax+30日の間、Cmax値の85%を上回る、好ましくは90%を上回る、より好ましくは98%を上回るように放出する。
有利には、本発明は、ヒトインスリン、成長ホルモン、グルカゴン、ペプチドホルモン、又は治療上有効なその誘導体若しくは断片より選択されるペプチド又はタンパク質の本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物を含む医薬組成物に関する。より有利には、本発明は、ヒトインスリン又は治療上有効なその誘導体若しくは断片の本発明によるナノ沈殿物、或いはヒトインスリン又は治療上有効なその誘導体若しくは断片と金属イオンとの本発明によるナノ共沈殿物、好ましくはヒトインスリン/亜鉛ナノ共沈殿物を含む医薬組成物に関する。
さらに特には、局所投与に適する組成物として、クリーム、エマルジョン、ミルク、軟膏、ローション、油、水溶液若しくは水性アルコール溶液若しくはグリコール酸溶液、粉末、パッチ、スプレー、スティック、又は外部塗布用の任意のその他の製品が挙げられる。経口投与に適する調製物は、カプセル、特にソフトカプセル、特にゼラチン又は植物からなるカプセル、粉末、特に飲み込み型若しくは粉砕型の、咀嚼可能な、又は発泡性の錠剤の形態で提示され得る。この調製物は、液体、エマルジョン、クリーム、ペースト、粉末、ゲル、又は懸濁物の形態でも提示され得る。最終的に、非静脈内非経口経路を経由する、すなわち皮下、皮内、又は筋肉内注射による投与に適する組成物は、特に懸濁状態、注射液、又はインプラント形態で提示される。本発明による組成物は、ステント等の医療デバイスとの併用も可能である。
本発明による医薬組成物の投与様式、投与スケジュール、及び最適なガレヌスの形態(galenic form)は、対象に適した医薬的治療法の確立を一般的に考慮した基準、例えば患者の年齢又は体重、患者の全身状態の重症度、治療に対する忍容性、広く知られている副作用等に基づき決定することができる。
薬学的に許容される添加剤は、当業者にとって公知であり、また医薬組成物の投与様式に基づき選択される。従って、薬学的に許容される添加剤は、賦形剤、分散剤、湿潤剤、バインダー、崩壊剤、色素、潤滑剤、可溶化剤、吸収促進剤、フィルム形成剤、ゲル化剤、及びその混合物からなる群より選択可能である。
例として、錠剤形態の固体組成物は、ゼラチン、スターチ、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアゴム又は類似体等の医薬担体、及び任意選択でスクロース又はその他の適する材料のコーティングを含む。同様に、カプセル調製物は、特により薄いソフト又はハードカプセルを含む。シロップ又はエリキシル型の調製物は、甘味料、防腐剤、並びに着香料及び適する色素と共に有効成分を含み得る。水分散性の粉末又は顆粒は、分散剤若しくは湿潤剤、又は懸濁剤、並びに調味料又は甘味料と混合された有効成分を含み得る。直腸投与の場合、坐剤は、直腸温度で融解するバインダー、例えばココアバター又はポリエチレングリコールと共に調製される。最後に、非経口鼻腔内又は眼内投与の場合、薬理学的に適合する分散剤及び/又は湿潤剤を含む水性懸濁物、等張性の生理食塩溶液、又は無菌の注射液が用いられる。
有利には、本発明による医薬組成物は、好ましくはインスリン又は治療上有効なその誘導体若しくは断片の本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物、或いはポリマーマトリックスに組み込まれたインスリンと金属イオンとの、好ましくはインスリンと亜鉛とのナノ共沈殿物を含み、このポリマーマトリックスは、注射及び滅菌処理を容易に実施するのに十分な流動性がある安定な徐放型の系である。本発明による医薬組成物は、特に、グリコール酸、乳酸、プルロニック酸、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸等の多糖類、ポリペプチド、PEO-PPO(ポリ(酸化エチレン)-ポリ(酸化プロピレン))トリブロックコポリマーに基づくポリマー、イソプロピルアクリルアミドに基づくポリマーより選択されるポリマー、脂質マトリックス、デンドリマー、又はその混合物を含む。さらに特には、本発明によるナノ沈殿物は、ヒアルロン酸ゲル中に配合する。
特別な態様では、本発明は、医薬品として使用される徐放型の本発明による医薬組成物に更に関する。
本発明は、ヒト及びアニマルヘルスの分野、特に腫瘍学、組織及び骨の変性、眼科学、内分泌学(I型及びII型糖尿病を含む)、心血管系疾患、皮膚病学、皮膚美容学(dermocosmetology)、感染症学、寄生虫学、心臓学、免疫学、肝臓学、血液学、胃病学、腸病学、リウマチ病学、創傷、肺臓学、婦人科学、耳鼻咽喉科学、診断薬において使用される、本発明によるナノ沈殿物若しくはナノ共沈殿物、又は本発明による医薬組成物にも関する。
更に、本発明は、ヒト及びアニマルヘルスの分野、特に腫瘍学、組織及び骨の変性、眼科学、内分泌学(I型及びII型糖尿病を含む)、心血管系疾患、皮膚病学、皮膚美容学、感染症学、寄生虫学、心臓学、免疫学、肝臓学、血液学、胃病学、腸病学、リウマチ病学、創傷、肺臓学、婦人科学、耳鼻咽喉科学、診断薬において、疾患を治療及び/又は予防するように特に意図された医薬品の調製を目的とする、本発明によるナノ沈殿物若しくはナノ共沈殿物、又は本発明による医薬組成物の使用にも関する。
本発明は、ヒト及びアニマルヘルスの分野、特に腫瘍学、組織及び骨の変性、眼科学、内分泌学(I型及びII型糖尿病を含む)、心血管系疾患、皮膚病学、皮膚美容学、感染症学、寄生虫学、心臓学、免疫学、肝臓学、血液学、胃病学、腸病学、リウマチ病学、創傷、肺臓学、婦人科学、耳鼻咽喉科学、診断薬において、それを必要とする対象に対して疾患を治療及び/又は予防する方法にも関し、治療上有効な量の本発明によるナノ沈殿物若しくはナノ共沈殿物、又は本発明による医薬組成物を上記対象に投与するステップを含む。
さらに特には、本発明は、糖尿病の治療及び/又は予防で使用される、本発明によるインスリン若しくは治療上有効なその誘導体若しくは断片のナノ沈殿物、又はインスリンと金属イオンとの、好ましくはインスリンと亜鉛とのナノ共沈殿物、或いは本発明による医薬組成物に関する。
有利に好ましい方式では、本発明によるインスリンナノ沈殿物、又はインスリン/金属イオンのナノ共沈殿物は、血漿インスリン濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、本発明による調製方法に基づき調製されなかったインスリンを単回非経口投与した後にその血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間を上回るような、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後のインスリンの徐放を可能にする。
特に、本発明によるインスリンナノ沈殿物、又はインスリン/金属イオンのナノ共沈殿物は、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、2日を上回る、好ましくは7日を上回る、より好ましくは21日を上回る、なおもより好ましくは30日を上回るような、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後のインスリンの徐放を可能にする。
特に、本発明によるインスリンナノ沈殿物、又はインスリン/金属イオンのナノ共沈殿物は、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、本発明による調製方法に基づき調製されなかった同一のペプチド又はタンパク質を、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後にその血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間よりも2日長い、好ましくは7日長い、より好ましくは21日長い、なおもより好ましくは30日長くなるような、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後のインスリンの徐放を可能にする。
別の態様では、本発明によるインスリンのナノ沈殿物、又はインスリン/金属イオンのナノ共沈殿物は、血漿インスリン濃度が、Tmax〜Tmax+2日、有利にはTmax〜Tmax+5日、なおもより有利にはTmax〜Tmax+7日の間、Cmaxの85%を上回る、好ましくは90%を上回る、より好ましくは98%を上回るような、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後のインスリンの徐放を可能にする。
好ましい実施形態では、本発明は、本発明によるインスリン又は治療上有効なその誘導体若しくは断片のナノ沈殿物、或いはインスリンと金属イオン、好ましくはインスリンと亜鉛とのナノ共沈殿物からなる、糖尿病の治療及び/又は予防で使用される徐放型の医薬組成物に関する。好ましくは、本発明による医薬組成物は、2日を超えて、有利には、5日を超えて、より有利には30日を超えて、なおもより有利には90日、インスリンのin vivo徐放を可能にする。
有利には、本発明による医薬組成物は、血漿インスリン濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、本発明による調製方法に基づき調製されなかったインスリンを単回非経口投与した後にその血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間を上回るような、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後の、本発明によるインスリン又は治療上有効なその誘導体若しくは断片、或いはインスリン/金属イオン、好ましくはインスリン/亜鉛の複合体の徐放を可能にする。
特に、本発明による医薬組成物は、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、2日を上回る、好ましくは7日を上回る、好ましくは21日を上回る、より好ましくは30日を上回るような、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後の、本発明によるインスリン又は治療上有効なその誘導体若しくは断片、或いはインスリン/金属イオン、好ましくはインスリン/亜鉛複合体の徐放を可能にする。
特に、本発明による医薬組成物は、上記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、本発明による調製方法に基づき調製されなかった同一のペプチド又はタンパク質を、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後にその血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間よりも2日長い、好ましくは7日長い、より好ましくは21日長い、なおもより好ましくは30日長くなるような、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後の、本発明によるインスリン又は治療上有効なその誘導体若しくは断片、或いはインスリン/金属イオン、好ましくはインスリン/亜鉛複合体の徐放を可能にする。
別の態様では、本発明による医薬組成物は、血漿インスリン濃度が、Tmax〜Tmax+2日、有利にはTmax〜Tmax+5日、なおもより有利にはTmax〜Tmax+7日の間、Cmaxの85%を上回る、好ましくは90%を上回る、より好ましくは98%を上回るような、特に非静脈内非経口経路を経由して単回非経口投与した後の、本発明によるインスリン又は治療上有効なその誘導体若しくは断片、或いはインスリン/金属イオン、好ましくはインスリン/亜鉛複合体の徐放を可能にする。
本発明の文脈において、「糖尿病」とは、血糖の過剰を引き起こすインスリン利用の欠損又は欠陥を原因とする不治の慢性疾患を意味する。2種類の糖尿病が存在し、I型糖尿病は、インスリン生成の完全喪失により特徴付けられ、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病又はNIDD)は、血液中グルコース濃度の増加、高血糖により特徴付けられるグルコース代謝障害である。
本発明は、糖尿病の治療及び/又は予防を意図した医薬品の調製を目的とする、本発明によるインスリン又は治療上有効なその誘導体若しくは断片のナノ沈殿物の使用、或いはインスリン/金属イオン、好ましくはインスリン/亜鉛複合体の使用、或いは医薬組成物の使用にも関する。
更に、本発明は、それを必要とする対象に対して糖尿病を治療及び/又は予防する方法でに関し、治療上有効な量の本発明によるナノ沈殿物若しくはナノ共沈殿物、又は本発明による医薬組成物を対象に投与する工程を含む。
用いたインスリン質量に対してインスリンナノ沈殿の収率を示す図である。 塩化マンガン、MnC12存在下での、インスリン質量に対してインスリンナノ共沈殿の収率を示す図である(条件(1): MnC12、0.12mg;条件(2): MnC12、0.25mg)。 塩化カルシウム、CaC12存在下での、インスリン質量に対してインスリンナノ共沈殿の収率を示す図である(条件(1): CaCl2、0.12mg;条件(2): CaC12、0.25mg)。 塩化亜鉛、ZnC12存在下での、インスリン質量に対してインスリンナノ共沈殿の収率を示す図である(条件(1): ZnC12、0.12mg;条件(2): ZnC12、0.25mg)。 塩化亜鉛濃度がインスリンナノ沈殿の収率に及ぼす影響を示す図である。 ZnC12が0.12mg存在したときに、温度がインスリンナノ沈殿又はナノ共沈殿の収率に及ぼす影響を示す図である。 インスリンナノ沈殿物と共に負荷したポリマーミクロスフェアの光学顕微鏡写真を示す図である。 1%ヒアルロン酸ゲルからの、グリコフロール(黒菱形)又はPEG550(黒四角)を用いた、本発明によるインスリンナノ沈殿物に由来するインスリンの放出プロファイルを示す図である。 2%ヒアルロン酸ゲルからの、グリコフロール(黒菱形)又はPEG550(黒四角)を用いた、本発明によるインスリンナノ沈殿物に由来するインスリンの放出プロファイルを示す図である。 ヒアルロン酸ゲル内で、グリコフロールとZnC12(黒丸)、グリコフロールとMnC12(黒菱形)、PEG550とZnC12(白丸)、又はPEG550とMnC12(白菱形)を用いて調製した本発明によるインスリンと金属イオンとのナノ共沈殿物からのインスリン放出プロファイルと、ヒアルロン酸ゲル(黒四角)からの天然型インスリン放出プロファイルを比較した図である。 ナノ沈殿物を再懸濁する工程の有無に対してインスリン放出プロファイルを示す図である。この懸濁工程は、インスリンナノ沈殿物をヒアルロン酸マトリックス内で分散する前に実施される。事前希釈しない条件(黒菱形)は、ナノ沈殿物形態のインスリンにもっぱら対応する。事前希釈する条件(黒四角)は、ナノ沈殿型インスリンと溶液状態の非沈殿型インスリンとの混合物に対応する。 動的光散乱法により得たインスリンナノ沈殿物のサイズ分布を示す図である。 液状インスリン(Humuline(登録商標)、Eli Lilly社)、及びHumuline(登録商標)ナノ沈殿物を、5IU/kg/日の用量で皮下投与した後の、ラットにおける糖血症の経過を示す図である。この場合、Humuline(登録商標)ナノ沈殿物は、1%ヒアルロン酸ゲルに含めて投与される。 液状インスリン(Humuline(登録商標)、Eli Lilly社)、及びHumuline(登録商標)ナノ沈殿物を、5IU/kg/日の用量で皮下投与した後の、ラットにおける糖血症の経過を示す図である。この場合、Humuline(登録商標)ナノ沈殿物は、ポリマー溶液(175mg/mlのPLGA-PEG-PLGAポリマー、20%のCapmul(登録商標)、トリアセチン)に含めて投与される。 液状インスリン(Humuline(登録商標)、Eli Lilly社)、及びHumuline(登録商標)ナノ沈殿物を、5IU/kg/日の用量で皮下投与した後の、ラットにおけるインスリン血症の経過を示す図である。この場合、Humuline(登録商標)ナノ沈殿物は、ポリマー溶液(175mg/mlのPLGA-PEG-PLGAポリマー、20%のCapmul(登録商標)、トリアセチン)に含めて投与される。図14a及び図14bは、同一動物から単回実験で収集したデータに由来する。 液状インスリン(Humuline(登録商標)、Eli Lilly社)、及びHumuline(登録商標)ナノ沈殿物を、5IU/kg/日の用量で皮下投与した後の、ラットにおける糖血症の経過を示す図である。この場合、Humuline(登録商標)ナノ沈殿物は、1%ヒアルロン酸、10%プルロニックF127ゲルに含めて投与される。 凍結乾燥したインスリンナノ沈殿物の走査型電子顕微鏡画像を示す図である。 本発明に基づき調製したインターロイキン-2ナノ沈殿物を含有する3つのマトリックスからのインターロイキン-2(分子量、15kDa)放出プロファイルを示す図である(菱形: 3%アルギン酸プロピレングリコール、四角: 10%ヒアルロン酸、三角: 4%Carbopol)。
下記の実施例の目的は本発明を説明することにある。
(実施例1)
インスリンナノ沈殿物の調製
フラスコ内で、ヒトインスリン0.468mgの溶液(100IU/mlのLilly社製Umuline rapide(登録商標))をPEG550溶液(インスリンの有機性非溶媒)と接触させる。得られた調製物を、緩やかに撹拌して混合し、次にフラスコを氷浴中に4℃で30分間置く。次に、混合物を、10,000〜50,000gの遠心力を用いて遠心分離する。最終的に、ナノ沈殿物を収集し、インスリン量をHPLCにより求める。
ナノ沈殿の収率を、開始時に導入したインスリン質量に対する割合(%)として表す。
インスリン量がナノ沈殿の収率に及ぼす影響を調べるために、インスリン質量が0.936mg、1.404mg、1.874mg、及び2.340mgの場合について上記方法を繰り返し、そして収率をナノ沈殿毎に計算する。
結果を図1に示す。沈殿するインスリンの量が少ないほど、ナノ沈殿の収率は高くなることを見て取ることができる。
得られたナノ沈殿物の平均直径を、動的光散乱法により測定し、それを図12に示す。この平均直径は200nm未満であることを見て取ることができる。
図16は、凍結乾燥したインスリンナノ沈殿物の走査型光学顕微鏡像である。凍結乾燥物は、上記方法に基づき調製したすべてのインスリンナノ沈殿物から構成され、相互に凝集している。各ナノ沈殿物は、球状の形状を有し、また50〜100nmの直径を有することが観察され得る。このサイズは、光散乱技法により求めたサイズと類似する。
(実施例2)
ナノ沈殿期間中に水溶性の塩が存在する場合の影響
インスリンとMnC12、CaCl2、又はZnC12とのナノ共沈殿
水溶性の塩が存在する場合に、塩の量及びインスリンの量に対して、本発明によるインスリンナノ沈殿の収率に及ぼす影響を調べるために、3種類の塩、すなわち塩化マンガン(MnC12)、塩化カルシウム(CaCl2)、及び塩化亜鉛(ZnCl2)について試験した。各塩について、下記のTable 1(表1)に記載する量に基づき、ナノ沈殿用の4種類の溶液を調製した:
Figure 2017530189
各溶液について、ヒトインスリン(100IU/mlのEli Lilly社製Umuline rapide(登録商標))を、Table 1(表1)に提示する量で、PEG550と塩に接触させる。得られた調製物を、緩やかに撹拌して混合し、次にフラスコを氷浴中に4℃で30分間置く。混合物を、次に10000〜50000gの遠心力を用いて遠心分離する。最終的に、ナノ共沈殿物を収集し、そしてインスリンの量をHPLCにより求める。
ナノ共沈殿の収率を、開始時に導入したインスリンの量に対する割合(%)として表す。
結果を、図2、図3、及び図4に示す:
- 図2及び図3より、MnC12又はCaC12を使用すれば、使用したMnC12、CaC12、又はインスリンの量を問わず、ほぼ60〜70%の収率でインスリンナノ沈殿物の取得が可能となることが判る。
- 図4より、ZnC12を使用すれば、使用したMnC12又はインスリンの量を問わず、ほぼ80〜90%の収率でインスリンナノ沈殿物の取得が可能になることが判る。
従って、MnC12、CaC12、又はZnC12を使用することで、下記のような二重の長所が得られる:
- ナノ沈殿の収率の最大化、
- 塩を含めずに調製したナノ沈殿物とは異なる特性を有するナノ共沈殿物の形成。
一般的に、図2、図3、及び図4は、用いた塩の性質に関する、本発明による方法の柔軟性について例示する。更に、方法が同一であっても(インスリン質量が等しく、非溶媒の容積及び性質も等しい)、塩を変更するだけで、物理化学的性質及び生化学的特性に関して異なる生成物の取得が可能になる。
インスリンとZnC12とのナノ共沈殿
実施例2で得られた結果を補足するために、実施例2の方法に基づき、下記のTable2(表2)に記載する量で新規溶液を調製する:
Figure 2017530189
ナノ共沈殿の収率を、開始時に導入したインスリン質量に対する割合(%)として表す。
結果を図5に示す。この結果から、インスリンの質量が最大のとき、最高収率が得られることを見て取ることができる。従って、塩化亜鉛濃度の効果は無視し得る。
従って本発明者らは以下のように結論付けることができる:
- 塩化亜鉛は、ナノ沈殿の収率の最適化を可能にし、得られる収率はほぼ100%である;
- 塩化亜鉛は、特別な特性を有するナノ共沈殿物の形成を可能にする。
(実施例3)
温度がナノ沈殿又はナノ共沈殿の収率に及ぼす影響
水溶性の塩が存在する又は存在しない場合に、温度が本発明によるインスリンナノ沈殿の収率に及ぼす影響を調べるために、2つの異なる溶液のナノ沈殿の収率を、2つの異なる温度条件、すなわち4℃及び室温で試験した。実施例1に記載の方法に基づき、第1の溶液を調製し、この溶液はヒトインスリン1.404mg(100IU/mlのLilly社製Umuline rapide(登録商標))を含む。実施例2に記載の方法に基づき、第2の溶液を調製し、この溶液はヒトインスリン1.874mg(100IU/mlのLilly社製Umuline rapide(登録商標))、及び塩化亜鉛0.12mgを含む。
ナノ沈殿の収率を、開始時に導入したインスリン質量に対する割合(%)として表す。
結果を図6に示す。この結果は、ナノ沈殿は室温で実施可能であるという事実を説明し、以下の2つの重要な概念が導かれる:
- 本発明による方法の柔軟性、従って易利用性及び易拡張性;
- 温度が重要な因子である文献中に記載の方法との顕著な差異。
(実施例4)
ヒアルロン酸ゲルからの本発明によるインスリンナノ沈殿物又はナノ共沈殿物に由来するインスリンの放出プロファイル
ポリマーマトリックス中に配合した本発明によるインスリンナノ沈殿物からのインスリン放出プロファイル、並びにインスリンの非溶媒の性質が及ぼす影響を試験するため、インスリンの非溶媒としてPEG550又はグリコフロールを用いて、実施例1に記載の方法に基づき得られたインスリンナノ沈殿物を1%ヒアルロン酸ゲル中に配合する。
図7は、インスリンナノ沈殿物を含むミクロスフェアを示す(光学顕微鏡検査)。
図8は、1%ヒアルロン酸ゲルマトリックス中に配合した上記インスリンナノ沈殿物からのインスリンの放出を示す。この結果より、下記事項が明らかとなる:
- 20日を超えて放出が起きる、及び
- 非溶媒の性質は放出速度に影響を及ぼす;インスリンの非溶媒としてPEG550を使用すれば、20日を超えてほぼ70%の、従ってグリコフロールを使用した場合(20日を超えてほぼ30〜40%の血漿濃度であった)よりも高い血漿インスリン濃度を得ることができる。
図9は、2%ヒアルロン酸ゲルマトリックス中に配合した上記インスリンナノ沈殿物からのインスリン放出を示す。
同様に、ポリマーマトリックス中に配合した、本発明によるインスリンと水溶性の塩とのナノ共沈殿物からのインスリン放出プロファイル、並びにインスリンの非溶媒及び水溶性の塩の性質が及ぼす影響を試験するため、インスリンの非溶媒としてPEG550又はグリコフロール、及び水溶性の塩としてZnC12又はMnC12を用いて、実施例2に記載の方法に基づき得られたインスリンナノ共沈殿物を、1%ヒアルロン酸ゲル中に配合した。
1%ヒアルロン酸ゲルマトリックス中に配合した、インスリンと水溶性の塩との上記ナノ共沈殿物からのインスリン放出プロファイルを、天然型インスリンの放出プロファイルと比較しながら図10において考察する。
この結果より、下記事項が明らかである:
- ナノ共沈殿物からのインスリン放出が20日を超えて生ずるが、天然型インスリンの放出は1日未満である;
- 非溶媒の性質は、放出速度に影響を及ぼす。PEG550を使用すれば、グリコフロールを使用したときよりも高い血漿インスリン濃度を得ることができる;及び
- 水溶性の塩の性質も放出速度に影響を及ぼす。ZnC12を使用すれば、MnC12を使用したときよりも高い血漿インスリン濃度を得ることができる。
(実施例5)
本発明によるナノ共沈殿物の再懸濁工程の有無に応じたインスリン放出プロファイル
この試験は、本発明によるナノ沈殿法又はナノ共沈殿法について、その可逆性の長所を調べるために実施する。実際、本発明によるナノ沈殿物又はナノ共沈殿物は、溶液中に懸濁しすると、その本来の、すなわち非沈殿状態の形態を取り戻す。
この試験では、ヒアルロン酸ゲルマトリックス中に配合した、本発明によるインスリンとMnC12とのナノ共沈殿物(非希釈条件)からのインスリン放出プロファイルを、ヒアルロン酸ゲルマトリックス中に配合する前の、溶液中に懸濁した上記ナノ共沈殿物と同一のナノ共沈殿物(希釈条件)の放出プロファイルと比較する。結果を図11に示す。
本発明によるナノ沈殿又はナノ共沈殿の可逆性は、以下のいくつかの重要な理由から、重要なプロセスである:
- タンパク質又はペプチドの生物活性が保持される;
- デポ形態から生物学的治療薬をin vivo供給する供給源となるナノ沈殿物の能力;
- この可逆性(ナノ沈殿物、部分的に懸濁したナノ沈殿物、溶液状態の遊離したペプチド又はタンパク質)を発揮してタンパク質又はペプチドの放出速度を調節する能力。
(実施例6)
インスリンナノ沈殿物を投与した後の、ラットにおける糖血症及びインスリン血症の経過に関する試験
大腿静脈内にカテーテルを挿入したラット6匹からなる3つの群に、以下の、5IU/kg/日の用量で試験される配合物を皮下注射した:
- 1%ヒアルロン酸ゲル中で実施例1と同様に調製したインスリン(Humuline(登録商標))ナノ沈殿物(図13);
- ポリマー溶液(175mg/mlのPLGA-PEG-PLGAポリマー、20%のCapmul(登録商標)、トリアセチン)中で、実施例1と同様に調製したインスリン(Humuline(登録商標))ナノ沈殿物(図14a及び図14b);及び
- 1%ヒアルロン酸、10%プルロニックF127ゲル中で、実施例1と同様に調製したインスリン(Humuline(登録商標))ナノ沈殿物(図15)。
大腿静脈内にカテーテルを挿入した対照群のラット6匹に、市販の5IU/kg Umuline(登録商標)(Eli Lilly社)溶液を皮下注射した。
試験及び対照系を注射した前後において、下記のスケジュールに従い正確な時刻に、血液サンプルを採取した:
- 試験対象となる系の注射前3日において、基礎的な糖血症を試験の全ラットについて測定した。
- 注射前6分の時点で、血液サンプルを採取し、T=0分のサンプルと名付けた。
- 試験対象となる系を注射した後、5分、30分、1時間、3時間、8時間、12時間、24時間、48時間、72時間、及び96時間の各時点で、血液サンプルを採取した。
糖血症を、ロッシュ社製Accu-Chek Active(登録商標)システムを用いて測定した。インスリン血症を、Mercodia社より市販されているELISAキットを用いて測定した。
図13〜図15は、液状インスリン(Humuline(登録商標)、Eli Lilly社)、及び上記のように調製したナノ沈殿物を皮下投与した後の、ラットにおける糖血症又はインスリン血症の経過を示す。
実施した実験により、様々な配合物に含まれるインスリンの生物学的作用の比較が可能となる。市販の液状インスリン配合物は、30〜60分の間に、糖血症に対して急速に作用し、また低血糖症を引き起こすリスクを惹起する。確かに、薬物動態プロファイルは、30分の時点でピーク活性を有する。ほとんどのインスリン投与は、注射後5分〜1時間の間に送達され、低血糖症のリスクを大幅に増加させる。インスリンナノ沈殿物に基づく配合物は、糖血症に対してより低速で作用し、特定のケースでは、低血糖症の発生リスクが制限される。例えば、図14aに提示するインスリンナノ沈殿物に基づく配合物のようなケースでは、インスリンの作用は低速化し、そして投与されたインスリンのほとんどは、5分〜12時間の間に送達されるので、糖血症はより良好に制御される。
ポリマー担体中のUmuline(登録商標)ナノ沈殿物からなる配合物の定量的パラメーターを、市販のUmuline(登録商標)配合物と比較して以下に示す(図14a及び図14b):
Figure 2017530189
インスリン血症(図14b)の経過に関して、インスリンナノ沈殿物に基づく配合物を使用すれば、薬物動態プロファイルの平滑化が可能になり、インスリンの血漿循環時間を3倍増加させることができる。
(実施例7)
インターロイキン-2ナノ沈殿物の調製
グリコフロール(CAS3169-2-85-0)を添加してインターロイキン-2(PROLEUKIN(登録商標)-Novartis社)を沈殿させる。各試験において、グリコフロールにつき固定された容量1mlを用いた;インターロイキン-2溶液の容量のみが異なる。溶液を氷上に30分間放置し、次に4℃、21,382Gにて30分間遠心分離する。インターロイキン-2の量が49μg〜297μgの範囲で、ナノ沈殿試験を実施する。
アスピレーションにより上清を除去し、次にインターロイキン-2ナノ沈殿物を、100μlのMilli-Q水に取り込み、そして100μlの容量にBradford試薬、5mlを添加してアッセイする。サンプルを暗光下、5分間放置し、次に595nmで吸収を測定する。5〜20μg/mlのインターロイキン-2濃度範囲において、標準範囲を調製した(R2 = 0.99)。アッセイの結果を下記のTable3(表4)に示す:
Figure 2017530189
ナノ沈殿の収率を、開始時に導入したインターロイキン-2の質量に対する割合(%)として表す。
得られたナノ沈殿物の平均直径を、Malvern社製Nanosizer Zを用いて測定する。この平均直径は14nmである。
(実施例8)
インターロイキン-2ナノ沈殿物を含有するゲルマトリックスからのインターロイキン-2放出試験
放出実験を37℃で実施する。実施例7に記載の方法に基づき調製したインターロイキン-2ナノ沈殿物、198μgを、ゲルマトリックス(10%のヒアルロン酸、3%のアルギン酸プロピレングリコール又は4%のCarbopol)、200μlと混合し、次に1.5mlポリプロピレンチューブに入れる。マンニトール(1g/l)及びSDS(ドデシル硫酸ナトリウム、150mg/1)を補充した無菌のDPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水、pH7.4)、1mlを次に添加する。サンプル(1ml)を、30日間にわたり規則的な時間間隔で採取し、各サンプルを採取後に、新鮮な培地を添加して一定総容積を維持する。アッセイを、市販のELISAキット(Thermo Scientific(登録商標)ヒトIL-2 ELISAキット)を用いて実施する。
図17は、本発明に基づき調製したインターロイキン-2ナノ沈殿物を含有する3つのマトリックスからのインターロイキン-2(分子量15kDa)の放出を示す。この結果より、30日を超えて放出が起きることが明らかである。
この図は、インターロイキン-2ナノ沈殿物に基づく配合物が、インターロイキン-2のin vitro徐放を実現可能にすることを示す。採用したポリマーの種類に応じて、放出速度は、加速又は低速化し得る。この実施例では、ヒアルロン酸及びCarbopolに基づく配合物は、「バースト」効果も起こらずに、30日間インターロイキン-2の継続的放出を実現可能にする。

Claims (15)

1μm未満の平均直径を有するペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物を非変性調製する方法であって、前記方法が、
a)ペプチド又はタンパク質の水溶液と、前記ペプチド又はタンパク質の非溶媒と、任意選択で水溶性金属塩との混合物を調製する工程、
b)ステップa)で得られた混合物を緩やかに撹拌する工程、
c)ステップb)で得られた混合物を固体-液体分離する工程、並びに
d)任意選択で、ペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物を収集する工程、
を含み、
前記ペプチド又はタンパク質が、20kDa以下、好ましくは15kDa以下、有利には10kDa以下、より有利には8kDa以下の分子量を有し、前記非溶媒が、2,000Da未満、有利には200〜2,000Da、より有利には550Daの分子量を有するポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール誘導体、及びヘキシレングリコール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、エトヘキサジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール(ヘキシレングリコール)、3-シクロペンテン-1,2-ジオール、シス-4-シクロペンテン-1,3-ジオール、トランス-1,4-ジオキサン-2,3-ジオール、1,3-ジオキサン-5,5-ジメタノール、(3S,4S)-ピロリジン-3,4-ジオール、(3R,4R)-(-)-1-ベンジル-3,4-ピロリジンジオール、(3S,4S)-(+)-1-ベンジル-3,4-ピロリジンジオール、3-シクロペンテン-1,2-ジオール、2-メチル-ブタン-1,3-ジオールの群より選択される有機ジオールから選択される、方法。
前記ナノ沈殿物又はナノ共沈殿物の平均直径が、5nm〜500nm、特に5〜200nm、さらに特に5〜170nmであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
前記金属イオンが、Zn、Mg、Ca、Mn、Fe、Li、又はCuイオンより選択され、有利には前記金属イオンが、Zn又はMnであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
前記非溶媒が、PEG550、グリコフロール、又はヘキシレングリコールから、特にPEG550及びヘキシレングリコールから選択され、さらに特には、前記非溶媒が、PEG550であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
前記ペプチド又はタンパク質が、治療的であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
前記ペプチド又はタンパク質が、ヒトインスリン、成長ホルモン、グルカゴン、ペプチドホルモン、又は治療上有効なその誘導体若しくは断片より選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
前記水溶性金属塩が、ZnC12、MgC12、CaC12、MnC12、FeC12、LiCl、及びCuSO4、有利にはZnC12又はMnC12から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
ステップc)の前記固体/液体分離が、タンジェンシャル濾過又は遠心分離であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
請求項1から8のいずれか一項に記載の調製方法により取得可能なペプチド若しくはタンパク質のナノ沈殿物、又はペプチド若しくはタンパク質と金属イオンとのナノ共沈殿物。
前記ペプチド又はタンパク質が、ヒトインスリン又は誘導体若しくは治療上有効な断片であることを特徴とする、請求項9に記載のナノ沈殿物又はナノ共沈殿物。
医薬品として使用するための、請求項9又は10に記載のナノ沈殿物又はナノ共沈殿物。
前記ペプチド又はタンパク質の血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間が、請求項1から8に記載の調製方法に基づき調製されなかった同一のペプチド又はタンパク質を単回非経口投与した後にその血漿濃度が治療ウィンドウ内に収まる期間を上回るように、単回非経口投与用の医薬品として使用するための、請求項9又は10に記載のナノ沈殿物又はナノ共沈殿物。
請求項9から12のいずれか一項に記載のナノ沈殿物又はナノ共沈殿物を含む徐放型医薬組成物。
医薬品として使用するための、請求項13に記載の徐放型医薬組成物。
前記ペプチド又はタンパク質が、ヒトインスリン、成長ホルモン、グルカゴン、ペプチドホルモン、又は治療上有効なその誘導体若しくは断片から選択されることを特徴とする、請求項13又は14に記載の医薬組成物。
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