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WO2009145306A1 - 生残菌数推定装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents

生残菌数推定装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 Download PDF

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WO2009145306A1
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    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/02Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving viable microorganisms
    • C12Q1/04Determining presence or kind of microorganism; Use of selective media for testing antibiotics or bacteriocides; Compositions containing a chemical indicator therefor
    • C12Q1/06Quantitative determination

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Abstract

 プロバイオティクス製品中の生残菌数を正確に推定することで、製品の開発期間を短縮可能とする。生残菌数推定装置(1)の算出部(14)は、特定の菌株を含有する組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数n(CFU/g)を次式(I)によって推定した結果を算出する。(I)Log10=Log10-t×EXP{(A×T+B)w+(C×T+D)}。ここで、t:保管期間(日)×1/30、n:保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数(CFU/g)、n:保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数(CFU/g)、T:保管温度(℃)、w:組成物の水分活性値、A及びC:実験により求めた前記菌株特有の係数、B及びD:実験により求めた前記菌株特有の定数。

Description

生残菌数推定装置、コンピュータプログラム及び記録媒体
 本発明は、プロバイオティクスなどの菌株を含有する組成物の生残菌数推定する生残菌数推定装置、コンピュータプログラム及び記録媒体に関する。
 本願は、2008年5月29日に、日本に出願された特願2008-141377号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 ビフィズス菌や乳酸菌は、プロバイオティクスとして様々な食品に使用されている。例えば、ビフィズス菌や乳酸菌は、粉末、カプセル、タブレットなどの形態とされ、健康食品、菓子、育児用粉乳など、幅広い用途の食品に利用されている。また、ビフィズス菌や乳酸菌は、医療分野や家畜用飼料分野においても、プロバイオティクスとして使用されるようになってきた。
 プロバイオティクスは、人や動物に投与した菌が腸内で増殖することで、人や動物の健康に有益な作用を発揮する。そのため、プロバイオティクスは生きていることが重要となる。ビフィズス菌や乳酸菌を製品中に添加し、かつ保証期間(賞味期間)内の生残菌数を維持するのは非常に困難であるものの、過去にいくつかの手法が開発され、現在では多くのプロバイオティクスを含む食品、医薬品、飼料(以下、プロバイオティクス製品という。)が製品化されている。
 プロバイオティクス製品を開発する際には、製品中の生残菌数の変化の予測、製品の賞味期間の設定、製品の有効性の確認など、非常に多くの検討事項がある。また、プロバイオティクス製品には、消費者に対する製品への信頼性を確保する観点から、保証期間内における製品中の保証菌数を明確にする必要がある。
 そのため、プロバイオティクス製品を開発する際には、保管期間内における製品中のプロバイオティクスの生残菌数を、実際に保管試験を行って測定し、プロバイオティクスの生残性を評価する必要があった。しかし、プロバイオティクス製品は、その保証期間が1年から3年と非常に長く設定されることが多く、保証期間終了時点でのプロバイオティクスの生残菌数を測定し、保証菌数を設定するには、保証期間に匹敵する長期間の保管試験が必要であり、製品化に時間が掛かっていた。
 そこで、プロバイオティクス製品の保管試験を短縮するため、高い保管温度による加速試験を行い、加速試験の結果から生残菌数を推定する手法が研究されている(非特許文献1~4参照)。
 ところが、加速試験の期間を短縮するには、保管温度を高く設定することになるため、高温によって菌の死滅速度が高まり、そこから常温の保管温度における生残性を正確に推定することは非常に困難であった。また、加速試験の設定温度が常温よりやや高い程度の場合、保管試験の期間を十分に短縮することができなかった。
 ところで、ビフィズス菌は、製品の水分含量や水分活性値によって、その生残性が変化することが知られている(非特許文献5参照)。更にビフィズス菌は、製品の水分活性値のみならず、製品の保管温度によっても、その生残性が変化することが知られている(非特許文献6参照)。また、ビフィズス菌は、菌株毎に生残性が異なることが知られている(非特許文献7参照)。また、乳酸菌においても、その生残性が保管温度と水分活性値によって変化するという報告がある(非特許文献8参照)。
ダマジャノビック、ルドロビック(Damajanovic, V. and Rdulovic, D.)、"クライオバイオロジー(Cryobiology)"(英国)、1968年、第5巻、p.101-104 アシュールら(Achour et al.)、"ジャーナル・オブ・ケミカル・テクノロジー・アンド・バイオテクノロジー(Jounarl of Chemical Technology and Biotechnology.)"、(英国)、2001年、第76巻、p.624-628 ジアディら(Ziadi et al.)、"バイオケミカル・エンジニアリング・ジャーナル(Biochemical Engineering Journal)"、(オランダ)、2005年、第24巻、p.141-145 ポートナーら(Portner et al.)、"クライオバイオロジー(Cryobiology)"、(英国)、2007年、第54巻、p.265-270 ナガワら(Nagawa et al.)"ジャーナル・オブ・ダイアリー・サイエンス(Journal of Dairy Science)"、(米国)、1988年、第71巻、p.1777-1782 立松ら、"凍結及び乾燥研究会会誌"、1982年、第28巻、p.40-45 シンプソンら(Simpson et al.)、"ジャーナル・オブ・アプライド・マイクロバイオロジー(Journal of Applied Microbiology)"、(英国)、2005年、第99巻、p.493-501 ハイルら(Higl et al.)、"バイオテクノロジー・プログレス(Biotechnology Progress)"、(米国)、2007年、第23巻、p.794-800
 しかしながら、これら非特許文献5~8では、保管温度と水分活性値との相関関係を解析し、その相関関係から製品中の生残菌数を推定するという発想には至っていなかった。
 本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、プロバイオティクス製品の保管期間に対する特定の菌株の生残菌数を正確に推定することができる生残菌数推定装置、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供することにある。
 本発明者らは、ビフィズス菌、乳酸菌などに属する特定の菌株を含む組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数が、組成物の保管温度と組成物の水分活性値とに依存し、その生残菌数の常用対数値と保管期間との間に相関関係があることを見出した。そして、相関関係から導かれた回帰係数を菌の死滅速度と定義した。そして、死滅速度が水分活性値によって異なること、死滅速度の自然対数値が水分活性値に対して正の相関を示すことを見出した。また、死滅速度がアレニウスの法則に従い、保管温度に対して相関関係を有し、かつ死滅速度と水分活性値との関係から導かれた回帰直線の死滅速度係数や定数が、保管温度と強い相関性があることを見出した。そして、死滅速度と保管温度と水分活性値との相関関係から、菌の死滅速度と特定の菌株の生残菌数(CFU/g)に関する関係式を完成させ、生残菌数推定装置が、入力された保管開始時の生菌数、保管温度(℃)、水分活性値、及び保管期間(日)をこの関係式に代入することで、生残菌数(CFU/g)を正確に推定した結果を算出し、出力することを可能にした。更に、生残菌数推定装置が、この関係式から導かれる生残菌数(CFU/g)から、指定の温度(℃)以下で保管した場合の保証期間(日)内のプロバイオティクス製品の保証菌数(CFU/g)を算出し、その結果を出力することを可能にした。
 すなわち、前記の課題を達成するために、本発明は、特定の菌株を含有する組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数を推定する生残菌数推定装置であって、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す生残菌数算出条件情報の入力を受ける入力受付部と、前記入力受付部により入力を受けた前記生残菌数算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを次式(I)に代入して、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数を算出する算出部と、前記算出部により算出された、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数を示す情報の出力を指示する出力指示部と、を有することを特徴とする生残菌数推定装置である。
 Log10=Log10-t×EXP{(A×T+B)w+(C×T+D)}・・・(I)
  t:保管期間(日)×1/30。
  n:保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数(CFU/g)。
  n:保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数(CFU/g)。
  T:保管温度(℃)。
  w:組成物の水分活性値。
  A:実験により求めた前記菌株特有の係数。
  B:実験により求めた前記菌株特有の定数。
  C:実験により求めた前記菌株特有の係数。
  D:実験により求めた前記菌株特有の定数。
 また、本発明は、上述する生残菌数推定装置であって、前記入力受付部は、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す保管期間算出条件情報の入力を受け、前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記保管期間算出条件情報で示される、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、前記菌株を含有する組成物の保管期間を算出し、前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記菌株を含有する組成物の保管期間を示す情報の出力を指示する、ことを特徴とする。
 また、本発明は、上述する生残菌数推定装置であって、前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す保管開始時生菌数算出条件情報の入力を受け、前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた保管開始時生菌数算出条件情報で示される前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数を算出し、前記出力指示部は、前記算出部により算出された、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数を示す情報の出力を指示する、ことを特徴とする。
 また、本発明は、上述する生残菌数推定装置であって、前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の水分活性値とを示す保管温度算出条件情報の入力を受け、前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記保管温度算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、前記組成物の保管温度を算出し、前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記組成物の保管温度を示す情報の出力を指示する、ことを特徴とする。
 また、本発明は、上述する生残菌数推定装置であって、前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度とを示す水分活性値算出条件情報の入力を受け、前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記水分活性値算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度とを前記式(I)に代入して、前記組成物の水分活性値を算出し、前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記組成物の水分活性値を示す情報の出力を指示する、ことを特徴とする。
 また、本発明は、上述する生残菌数推定装置であって、前記算出部は、前記保管温度以下で保管した場合の保証期間内の保証菌数を、次式(II)により算出し、前記出力指示部は、前記算出部により算出された、保証菌数を示す情報の出力を指示する、ことを特徴とする。
 N=n’×a・・・(II)
  n’:上述する生残菌数推定装置によって算出した、保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)であって、保管温度T(℃)をT’(℃)とし、保管期間t(日)を保証期間t’(日)としたときのn(CFU/g)。
  a:1未満の定数。
 また、本発明は、上述する生残菌数推定装置であって、前記入力受付部は、さらに、前記菌株の種類の情報の入力を受け、前記算出部は、前記菌株の種類の情報に対応した、前記菌株特有の係数A、前記菌株特有の定数B、前記菌株特有の係数C、前記菌株特有の定数Dを前記式(I)に適用する、ことを特徴とする。
 また、本発明は、上述する生残菌数推定装置であって、前記入力受付部は、前記組成物の保管温度、及び、水分活性値と、前記組成物の保管期間と、前記保管期間後の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数との情報の入力を受け、前記保管温度及び前記水分活性値毎に、前記保管期間の月数と、前記保管期間における前記菌株の生菌数の常用対数の値との関係に基づいて第1の回帰直線を算出し、前記保管期間の月数に対する前記第1の回帰直線の傾きの絶対値を前記菌株の死滅速度として取得し、前記保管温度毎に、前記水分活性値と前記菌株の死滅速度の自然対数値との関係に基づいて第2の回帰直線を算出し、前記保管温度と、前記保管温度における前記第2の回帰直線の前記水分活性値に対する傾きとの関係から第3の回帰直線を算出し、前記第3の回帰直線の保管温度に対する傾きを前記菌株特有の係数Aとして、保管温度が0のときの切片を前記菌株特有の定数Bとして取得し、前記保管温度と、前記保管温度に対応した前記第2の回帰直線において前記水分活性値を0としたときの切片で示される定数との関係から第4の回帰直線を算出し、前記第4の回帰直線の保管温度に対する傾きかを前記菌株特有の係数Cとして、保管温度が0のときの切片から前記菌株特有の定数Dとして取得する定数係数算出部をさらに有する、ことを特徴とする。
 また、前記の課題を達成するために、本発明は、特定の菌株を含有する組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数を推定する生残菌数推定装置として用いられるコンピュータを、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す生残菌数算出条件情報の入力を受ける入力受付部、前記入力受付部により入力を受けた前記生残菌数算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを次式(I)に代入して、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数を算出する算出部、前記算出部により算出された、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数を示す情報の出力を指示する出力指示部、として動作させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
 Log10=Log10-t×EXP{(A×T+B)w+(C×T+D)}・・・(I)
  t:保管期間(日)×1/30。
  n:保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数(CFU/g)。
  n:保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数(CFU/g)。
  T:保管温度(℃)。
  w:組成物の水分活性値。
  A:実験により求めた前記菌株特有の係数。
  B:実験により求めた前記菌株特有の定数。
  C:実験により求めた前記菌株特有の係数。
  D:実験により求めた前記菌株特有の定数。
 また、本発明は、上述するコンピュータプログラムであって、前記入力受付部は、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す保管期間算出条件情報の入力を受け、前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記保管期間算出条件情報で示される、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、前記菌株を含有する組成物の保管期間を算出し、前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記菌株を含有する組成物の保管期間を示す情報の出力を指示する、ことを特徴とする。
 また、本発明は、上述するコンピュータプログラムであって、前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す保管開始時生菌数算出条件情報の入力を受け、前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた保管開始時生菌数算出条件情報で示される前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数を算出し、前記出力指示部は、前記算出部により算出された、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数を示す情報の出力を指示する、ことを特徴とする。
 また、本発明は、上述するコンピュータプログラムであって、前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の水分活性値とを示す保管温度算出条件情報の入力を受け、前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記保管温度算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、前記組成物の保管温度を算出し、前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記組成物の保管温度を示す情報の出力を指示する、ことを特徴とする。
 また、本発明は、上述するコンピュータプログラムであって、前記算出部は、前記保管温度以下で保管した場合の保証期間内の保証菌数を、次式(II)により算出し、前記出力指示部は、前記算出部により算出された、保証菌数を示す情報の出力を指示する、ことを特徴とする。
 N=n’×a・・・(II)
  n’:上述のコンピュータプログラムで実現される前記算出部によって算出された、保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)であって、保管温度T(℃)をT’(℃)とし、保管期間t(日)を保証期間t’(日)としたときのn(CFU/g)。
  a:1未満の定数。
 また、本発明は、上述するコンピュータプログラムであって、前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度とを示す水分活性値算出条件情報の入力を受け、前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記水分活性値算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度とを前記式(I)に代入して、前記組成物の水分活性値を算出し、前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記組成物の水分活性値を示す情報の出力を指示する、ことを特徴とする。
 また、本発明は、上述したコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
 本発明の生残菌数推定装置によれば、プロバイオティクス製品の保管期間に対する特定の菌株の生残菌数(CFU/g)を正確に推定した結果を算出することが可能であり、製品の開発期間を短縮可能である。
 本発明の生残菌数推定装置によれば、品質の保証期間内におけるプロバイオティクス製品中の特定の菌株の保証菌数を容易に算出することが可能である。
B.longum BAA-999の保管温度25℃における生残菌数を示す図である。 B.longum BAA-999の保管温度37℃における生残菌数を示す図である。 B.longum BAA-999の保管温度45℃における生残菌数を示す図である。 B.longum BAA-999の保管温度60℃における生残菌数を示す図である。 B.longum BAA-999の死滅速度kに関するアレニウスプロットを示す図である。 B.longum BAA-999の各保管温度(℃)における水分活性値wと死滅速度kの関係を示す図である。 B.longum BAA-999の死滅速度係数k’と保管温度(℃)との関係を示す図である。 B.longum BAA-999の死滅速度kに関する定数Cと保管温度(℃)との関係を示す図である。 B.breve LMG 23729の各保管温度(℃)における水分活性値wと死滅速度kの関係を示す図である。 B.pseudolongum IFO 15861の各保管温度(℃)における水分活性値wと死滅速度kの関係を示す図である。 生残菌数推定装置の構成を示すブロック図である。 生残菌数推定装置の出力する表示画面の例を示す図である。 L.acidophilus LAC-300の死滅速度k(自然対数値)と水分活性wの関係を示す図である。 生残菌数推定装置の出力する表示画面の他の例を示す図である。
 本発明の生残菌数推定装置は、特定の菌株を含有する組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数n(CFU/g)を次式(I)によって推定した結果を算出し、出力する。
 Log10=Log10-t×EXP{(A×T+B)w+(C×T+D)}・・・(I)
  t:保管期間(日)×1/30。
  n:保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数(CFU/g)。
  n:保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数(CFU/g)。
  T:保管温度(℃)。
  w:組成物の水分活性値。
  A:実験により求めた前記菌株特有の係数。
  B:実験により求めた前記菌株特有の定数。
  C:実験により求めた前記菌株特有の係数。
  D:実験により求めた前記菌株特有の定数。
 特定の菌株としては特に限定されるものではないが、好ましくは組成物中にプロバイオティクスとして含まれる菌株が対象となる。なお、プロバイオティクスとは、それを生きたまま食した人及び家畜などの生体に対して、腸管内で善玉菌として機能する菌のことであり、生体に健康上、有益な働きかけをすることのできる菌のことを意味する。
 前記式(I)を適用可能な菌株としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ブレベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム(Bifidobacterium pseudolongum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)などのビフィズス菌に属する菌株が挙げられる。なお、ビフィズス菌(ビフィドバクテリウム属)は、人の乳児の腸管内などに特に多く見受けられる絶対嫌気性細菌の一種であり、プロバイオティクスとして種々利用されている。
 ビフィズス菌に属する菌株として、具体的には、ビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA-999(製品名:Bifidobacterium longum BB536、森永乳業社製。)、ビフィドバクテリウム・ブレベ BCCM(BCCM:Belgian Co-Ordinated Collections of Micro-organisms) LMG 23729(製品名:Bifidobacterium breve M16V、森永乳業社製。)、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム IFO 15861(製品名:Bifidobacterium pseudolongum M-602、森永乳業社製。)などの菌株が挙げられる。これらはいずれもプロバイオティクスとして安定供給可能な菌株である。
 また、前記式(I)を適用可能な菌株としては、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus ramnosus)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantrum)、エンテロコッカス・ファシウム(Enteroccus faecium)などの乳酸菌に属する菌株が挙げられる。なお、乳酸菌(ラクトバチルス属、エンテロコッカス属など)は、人体の腸管内、発酵乳中などに見受けられる通性嫌気性細菌の一種であり、プロバイオティクスとして種々利用されている。
 乳酸菌に属する菌株として、具体的には、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)LAC343(森永乳業社製)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)LAC361(森永乳業社製)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)LAC-300(森永乳業社製)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus ramnosus)LCS742(森永乳業社製)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantrum)LP83(森永乳業社製)、エンテロコッカス・ファシウム(Enteroccus faecium)FA5(森永乳業社製)などの乳酸菌が挙げられる。これらはいずれもプロバイオティクスとして安定供給可能な菌株である。
 前記式(I)を適用可能な組成物としては、健康食品、菓子(クリーム、クリームサンドクッキー、チョコレート、チョコフレーク、朝食シリアル、ガム等)及び育児用粉乳などの食品を始めとして、医薬品、家畜用の飼料、医薬品などが挙げられる。組成物の形態としては特に限定されないが、保管時に固体状態の組成物を対象としており、例えば粉末、粉末を封入したカプセル、粉末を賦形剤などで固めたタブレットなどが挙げられる。
 また、前記式(I)を適用可能な組成物は、水蒸気バリア性を有する容器に密封されることが必要である。前記組成物が水蒸気バリア性を有する容器に密封されない場合、保管期間の経過とともに、水分活性値wが保管開始の時点から変化する可能性があり、式(I)によって、保管期間に対する正確な生残菌数n(CFU/g)を推定することが難しくなる恐れがある。
 また、前記式(I)を適用可能な組成物は、保管状態において、遮光性を有した容器に収納されていることが必要である。前記組成物が、遮光性の充分でない容器に保管された場合、紫外線によって菌株の生残菌数n(CFU/g)が減少する恐れがあり、式(I)によって、保管期間に対する正確な生残菌数n(CFU/g)を推定することが難しくなる恐れがある。
 前記式(I)におけるtは、保管期間(日)に1/30を乗じた値であり、1ヶ月を30日とみなした場合の保管期間(月)に相当する。
 保管期間t(日)としては、好ましくは1日~1,500日を想定しており、この範囲内であれば式(I)によって、保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)をより正確に推定することができる。
 nは、前記式(I)によって推定される保管期間t(日)後の組成物に含まれる特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)である。nは、保管期間t(日)、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)、保管温度T(℃)、実験により求めた菌株特有の係数A及びC、実験により求めた菌株特有の定数B及びD、組成物の水分活性値wを前記式(I)に代入することによって算出される。
 nは、保管開始時の組成物に含まれる前記菌株の生菌数(CFU/g)であり、製造時を保管開始時とする場合は、特定の菌株を含む組成物の製造時に、前記組成物に添加される特定の菌株の生菌数(CFU/g)に等しいものとする。
 T(℃)は、保管温度(℃)、すなわち組成物を保管する際の温度である。なお、前記式(I)は、組成物の保管期間中、保管温度T(℃)が一定であるとして生残菌数n(CFU/g)を推定するものである。
 また、保管温度T(℃)の設定値は特に限定されないが、25~60℃に設定されることが好ましい。保管温度T(℃)が25~60℃であれば、組成物に含まれる特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)と、保管温度T(℃)との間には強い相関性が認められるため、組成物に含まれる特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)をより正確に推定することができる。
 wは、組成物の水分活性値である。水分活性値とは、測定の対象物を入れた密閉容器内の水蒸気圧(P)と、純水の水蒸気圧(PO)との比(P/PO、ただし、P、POとも同じ温度条件での水蒸気圧。)で定義される値であり、対象物に含まれる結合水以外の水分、すなわち自由水の量の尺度を表し、主に微生物の繁殖のしやすさの指標として用いられる。水分活性値は、0.000~1.000の範囲で表され、純水の水分活性は1.000であり、乾燥食品などの水分活性はおおよそ0.6以下を示す。
 組成物の水分活性値wは、組成物を製造する段階で設定される。水分活性値wの設定は、例えば、種々の水分活性値wを有する組成物を、所望の水分活性値wとなるように、所定の配合割合で混合する方法、組成物に塩分、糖分などを溶解させ、自由水の量を下げる方法、組成物を乾燥または組成物に水を添加する方法、などによって設定される。なお、前記式(I)は、保管開始期間中の水分活性値wは一定であるとして生残菌数n(CFU/g)を推定するものである。
 水分活性値wの設定値は特に限定されないが、好ましくは0.6以内、より好ましくは0.10~0.40に設定される。水分活性値wが0.6以内であれば、組成物に含まれる特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)と水分活性値wとの間に、強い相関性が認められるため、組成物に含まれる特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)をより正確に推定することができる。
 A、B、C、Dは、下記1)~5)の実験により求めた菌株特有の係数または定数である。
 1)対象とする特定の菌株を、少なくとも3種類の水分活性値wとなる粉末状組成物中にそれぞれ均一に混合することで、特定の菌株を含む組成物のサンプルを作製し、各サンプルを各々、更に複数(保管温度条件数×保管期間条件数)の水蒸気バリア性の容器に個包装して密封し、各水分活性値w毎に、複数の密封サンプルを得る。そして、各密封サンプルを、少なくとも3種類の保管温度(℃)で保管する。そして、少なくとも3時点の保管期間(日)における、組成物中の生残菌数n(CFU/g)を測定する。
 2)保管条件(保管温度(℃)、水分活性値)の異なる各サンプル中の特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)の常用対数値をY軸、保管期間t(日)×1/30をX軸にして、保管期間中の生残菌数n(CFU/g)をプロットする。更に、これらのプロットから各保管条件の回帰直線を算出し、各保管条件における回帰直線の傾き(回帰係数)を死滅速度と定義する。
 3)次に、各保管温度(℃)における死滅速度の自然対数値をY軸、水分活性値wをX軸にして、両者の関係をプロットし、このプロットから各保管温度(℃)における回帰直線(y=ax+b)をそれぞれ算出する。
 4)3)で得られた各保管温度(℃)の直線式の傾き(a)をY軸にするとともに、保管温度T(℃)をX軸にして、両者の関係をプロットし、このプロットから直線式を求め、得られた回帰直線の傾きA、Y切片Bを算出する。
 5)また、3)で得られた回帰直線の定数(b)をY軸にするとともに、保管温度T(℃)をX軸にして、両者の関係をプロットし、直線式を求め、得られた直線式の傾きC、Y切片Dを算出する。
 ここで、前記2)では、前記1)で得られた保管期間と生残菌数n(CFU/g)との関係から、サンプルの保管開始から急激に生残菌数n(CFU/g)が低下し、保管時間の経過とともに、生残菌数n(CFU/g)の低下が徐々に緩やかになることが認められる。そのため、特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)との関係を直線式(回帰直線)で表すことができる。なお、回帰直線の傾き(回帰係数)は、保管期間1ヶ月あたりに死滅する菌数の常用対数値を示しており、本発明においてこの回帰係数を死滅速度と定義する。この死滅速度は、保管温度及び水分活性値wの設定毎に異なり、水分活性値wが高い程、及び保管温度が高いほど死滅速度が高い値を示す。
 前記3)で回帰直線式(y=ax+b)を保管温度毎に算出した後、前記4)にて、これら複数の回帰直線式の傾き(a)(後述の試験例-1に詳述する組成物中に含まれる特定の菌株の死滅速度係数k’に相当。)と、それぞれの式の保管温度との関係をプロットし、直線式(k’=A×T+B)を求め、直線式の係数である傾きA、及び直線式の定数であるY切片Bを算出する。
 また、前記5)にて、複数の回帰直線式の定数(b)(後述の試験例-1に詳述する組成物中に含まれる特定の菌株の死滅速度に関する定数Cに相当。)と、それぞれの式の保管温度との関係をプロットし、直線式(C=C×T+D)を求め、直線式の係数である傾きC、及び直線式の定数であるY切片Dを算出する。
 以上のようにして、前記1)~4)の実験により求めた特定の菌株毎のA、B、C、Dを、前記式(I)に代入することで、特定の菌株毎の前記式(I)が導かれる。
 なお、前記1)において、サンプルに使う特定の菌株の形態としては、菌末、液体が挙げられるが、好ましくは菌末である。これは特定の菌株が菌末として提供される場合が多いこと、菌末の状態であれば、粉末状組成物と均一に混合させやすいこと、更には、水分活性値wの調整済みの粉末状組成物に少量の菌末を添加しても、粉末状組成物の水分活性値wを変化させる可能性が少ないためである。
 サンプルに使う粉末状組成物の水分活性値wは0.05~0.60であることが好ましい。これは、通常のプロバイオティクス製品の水分活性値の範囲であり、また、この範囲内であれば、水分活性値wと菌株の生残菌数n(CFU/g)との間に強い相関関係が認められるため、前記粉末状組成物中の生残菌数n(CFU/g)をより正確に推定できるためである。
 サンプルに使う粉末状組成物としては、特に限定されないが、例えばコーンスターチなどの澱粉粉末、粉乳などが挙げられる。
 サンプルの水分活性値wは、例えば、生澱粉と乾燥澱粉とを適宜混合して、所定の水分活性値wの粉末状組成物に調整すればよい。
 サンプルの水分活性値wは、前述の通り、少なくとも3種類とするが、好ましくは4種類以上である。
 所定の水分活性値wを有するサンプルは、保管される各温度の種類(少なくとも3種類)、及び所定の保管期間(少なくとも3時点)における生残菌数n(CFU/g)の測定分だけ用意しておく必要があるため、各水分活性値を有したサンプルは、少なくとも9個は個包装する必要があり、保管される各温度の種類及び所定の保管期間の測定の数に応じて、適宜必要な数のサンプルを個包装する。なお、この実験では、少なくとも3種類の水分活性値wの異なるサンプルを保管することから、実験に用いる総サンプル数は、少なくとも27個である。
 サンプルの個包装に用いる容器は、前述の通り水蒸気バリア性を有する必要がある。これは、保管期間中におけるサンプルの水分活性値wの変化を防止し、より正確な生残菌数n(CFU/g)の推定を行うためである。水蒸気バリア性を有する容器の形態としては、水蒸気バリア性を有し密封可能な袋、ガラス製、金属製などのビンに、水蒸気バリア性を有する栓を組み合わせた容器などが用いられる。
 サンプルの保管温度T(℃)は、前述の通り少なくとも3種類とされるが、好ましくは4種類以上である。
 サンプルの保管温度T(℃)は、好ましくは5~60℃に設定される。この温度範囲は、プロバイオティクス製品が保管される温度に即した温度であるとともに、この温度範囲であれば、保管温度(℃)と特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)との間に強い相関関係が認められるので、より正確な生残菌数n(CFU/g)の推定が行えるためである。
 サンプルの保管は、例えばインキュベーター、恒温槽などの保管温度(℃)を一定に維持できる保管装置内に静置することで行われるのが好ましい。保管装置内の相対湿度に関しては特に設定されず、温度に対して成り行きとしても構わないが、必要に応じて相対湿度の制御を行ってもよい。
 サンプル中の生残菌数n(CFU/g)の測定は、少なくとも3時点の保管期間(日)にて行われる。好ましくは4時点以上である。
 サンプル中の生残菌数n(CFU/g)の測定は、保管開始から1~1,500日後に設定するのが好ましい。サンプル中の生残菌数n(CFU/g)の測定を保管開始から1~1,500日後にて行うことで、保管期間に対する保管温度(℃)及び水分活性値wの相関関係をより正確に把握できる。
 サンプル中の生残菌数n(CFU/g)の測定は、特定の菌株が嫌気性であるか、好気性であるかを鑑みて、適正な培養及び測定を行う。例えば、特定の菌株が、ビフィズス菌や乳酸菌といった嫌気性細菌に属する菌株の場合は、例えば次に示す手順でサンプル中の生残菌数n(CFU/g)の測定を行う。まず、容器から取り出したサンプルを所定の緩衝液で希釈し、菌株を含む希釈液をシャーレに所定量移した後、このシャーレに溶解した寒天培地を加えて、菌株を含む希釈液と寒天培地とを均一に混釈する。そして、寒天培地が固化してから、嫌気ボックスにシャーレをセットし、所定温度(36~38℃)にて所定期間(約2~4日。)静置培養する。その後、シャーレを嫌気ボックスから取り出し、培地中のコロニー数を測定し、生残菌数n(CFU/g)を算出する。
 本発明の生残菌数推定装置によれば、前述のようにして導かれた特定の菌株毎の前記式(I)に、入力された、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数n(CFU/g)、保管温度T(℃)、保管期間t(日)、及び水分活性値wを代入することで、特定の菌株の保管期間t(日)後の生残菌数n(CFU/g)を推定した結果を算出し、出力することができる。
 このように、本発明の生残菌数推定装置を用いることにより、特定の菌株を含むプロバイオティクス製品の開発において、保管試験を行わずとも、特定の菌株の保管期間t(日)後の生残菌数n(CFU/g)を、特定の菌株毎の前記式(I)によって正確に推定した結果を得ることができるため、プロバイオティクス製品の開発期間を短縮することが可能となる。
 また、プロバイオティクス製品の配合組成の変更に際し、この製品の配合組成を変更した後の水分活性値が分れば、保管試験を行わずとも、生残菌数推定装置によって生残菌数n(CFU/g)を正確に推定した結果を得ることができるので、製品の開発期間を短縮できる。
 また、製品中の菌株を変更しても、本発明の生残菌数推定装置を用いることにより、菌株の変更の度に保管試験を行わずとも、その特定の菌株毎の前記式(I)を用いて生残菌数n(CFU/g)を正確に推定した結果を得ることができるので、製品の開発期間を短縮できる。
 更に、前記式(I)を用いれば、生残菌数推定装置は、入力された、保管期間t(日)後の生残菌数n(CFU/g)、保管温度T(℃)、保管期間t(日)、及び水分活性値wを代入することで、保管開始時の前記組成物に必要な特定の菌株の生菌数n(CFU/g)を算出することもできる。
 同様に、前記式(I)を用いれば、生残菌数推定装置は、入力された、保管開始時の前記組成物に含まれる特定の菌株の生菌数n(CFU/g)、保管期間t(日)後の生残菌数n(CFU/g)、保管期間t(日)、及び水分活性値wを代入することで、組成物の保管に必要な保管温度T(℃)を算出することもできる。
 同様に、前記式(I)を用いれば、生残菌数推定装置は、入力された、保管開始時の前記組成物に含まれる特定の菌株の生菌数n(CFU/g)、保管期間t(日)後の生残菌数n(CFU/g)、保管温度T(℃)、及び水分活性値wを代入することで、組成物の保管期間t(日)を算出することもできる。
 また、前記式(I)によって、保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)を推定することで、プロバイオティクス製品中に含まれる保証菌数N(CFU/g)を、以下のようにして算出することができる。
 すなわち、本発明の生残菌数推定装置は、温度T’(℃)以下で保管した場合の保証期間t’(日)内の保証菌数N(CFU/g)を、次式(II)により算出する。
 N=n’×a・・・(II)
 ここで、n’は、前記式(I)によって推定した保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)であって、保管温度T(℃)をT’(℃)とし、保管期間t(日)をt’(日)としたときのn(CFU/g)である。
 また、温度T’(℃)とは、プロバイオティクス製品を保管する際の指定温度である。
 aは、1未満の定数である。aは、保管期間中の保管温度T(℃)の変動などによって、推定される特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)と、実際の生残菌数n(CFU/g)との間に差が生じる可能性を鑑みて適宜決定され、概ね0.5~0.9に設定される。
 このように、本発明の生残菌数推定装置は、上記式(II)を用いることによって、温度T’(℃)以下でプロバイオティクス製品を保管した際の、品質の保証期間内における製品に含まれる特定の菌株の保証菌数N(CFU/g)を導くことが可能である。
 以下、本発明の生残菌数推定装置に用いる前記式(I)、(II)を導く方法について、試験例を用いて、更に詳細に説明する。
〔試験例-1 ビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA-999を用いた試験〕
<方法>
 ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)ATCC BAA-999。(Bifidobacterium longum BB536、森永乳業社製。以下、B.longum BAA-999と略する。)の菌末を被験菌として試験に使用した。また、水分活性値wの異なる粉末を作製するために、生澱粉(コーンスターチ、水分活性値:0.6、日本食品加工社製。)と、乾燥澱粉(精製殺菌乾燥コーンスターチ、水分活性値:0.02、松谷化学社製。)とを様々な割合で混合することにより、7種類の水分活性値(w=0.04、0.10、0.16、0.21、0.32、0.40、及び0.57。)を有する澱粉粉末をそれぞれ作製した。
 次いで、これら7種類の澱粉粉末それぞれに、B.longum BAA-999の菌末を、1×10(CFU/g)となるように約0.1質量%添加し、均一に混合し、B.longum BAA-999の菌末と澱粉粉末との混合粉末のサンプルを作製した。
 そして、1サンプル当たり、水蒸気バリア性を有するアルミ袋(PET/AL/PEの3層積層のフィルム製)を40袋用意し、各アルミ袋に前記サンプルを2~3g個包装し、ヒートシールにて密封した。そして、25℃、37℃、45℃、及び60℃の各温度(相対湿度成り行き。)に設定した4台の恒温槽(三洋電機社製)それぞれに、1サンプル当たり2~19袋ずつ入れ、保管を開始した。その後、アルミ袋に個包装した各サンプルについて、継時的に恒温槽から取り出し、各々生残菌数を測定した。ここで、保管温度25℃における保管期間(日)に対する各サンプルの生残菌数n(CFU/g)の測定回数を表1に示す。また、保管温度37℃における保管期間(日)に対する各サンプルの生残菌数n(CFU/g)の測定回数を表2に示す。また、保管温度45℃における保管期間(日)に対する各サンプルの生残菌数n(CFU/g)の測定回数を表3に示す。また、保管温度60℃における保管期間(日)に対する各サンプルの生残菌数n(CFU/g)の測定回数を表4に示す。また、生残菌数n(CFU/g)の測定は、以下の1)~6)に示す手順で行った。
 1)クリーンベンチ内でサンプルのアルミ袋を開封し、アルミ袋から取り出したサンプル1gを、滅菌した99mlの懸濁用バッファー(KHPO;4.5g、NaPO;6.0g、L-システイン;0.5g、Tween-80;0.5g、蒸留水;1,000ml)中に添加した。この際、懸濁用バッファーは、あらかじめ30~40℃に暖めたものとした。
 2)懸濁用バッファー内でサンプルを完全に溶出させ、懸濁液を作製した。
 3)この懸濁液を、滅菌した9.9mlの生理食塩水で定法に従って希釈し、希釈液を作製した。
 4)この希釈液を、ピペットを用いて0.1~1.0mlずつシャーレに分注した。更に、希釈液を分注したシャーレに、45~50℃の溶解されたBL寒天培地(日研化学社製またはニッスイ社製。血液は添加しない。)約20mlを添加して、希釈液をBL寒天培地で混釈した。
 5)BL寒天培地が固化した後、クリーンベンチからシャーレを取り出し、できるだけ迅速にミックスガス(N;80%、CO;10%、H;10%)を使用した嫌気ボックスにセットし、嫌気条件下、37℃で3日間、サンプルに生残する菌を静置培養した。
 6)3日間の培養後、嫌気ボックスからシャーレを取り出し、BL寒天培地に形成されたコロニー数を測定し、定法に従って粉末1g当たりの生残菌数n(CFU/g)を求めた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
<結果>
 以上のようにして測定された、各保管温度(℃)における水分活性値wの異なる各サンプルの経時的な生残菌数n(CFU/g)の測定結果について、保管温度25℃の場合を図1に、保管温度37℃の場合を図2に、保管温度45℃の場合を図3に、保管温度60℃の場合を図4に示す。なお、図1~4において、X軸を保管期間(日)×1/30、Y軸を生残菌数の常用対数値(Log10CFU/g)とした。
 次に、図1~4から、各サンプルの回帰直線を作成した。そして、相関性の高い回帰直線(R>0.6)が得られたサンプルについて、その回帰直線の傾きの絶対値を、菌株の死滅速度kと定義した。各保管温度T(℃)と水分活性値wにおける死滅速度kを下記表5に示す。ここで、下記表5中における死滅速度kの単位は、Log10CFU/g/月であり、1ヶ月当りに死滅する菌数の常用対数値として表す。また、測定回数が少ないもの、および回帰直線の相関性が低く(R<0.6)、死滅速度kとしての信頼性に乏しいものについては、N.Dとした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 ここで、表5に示された死滅速度をkとし、保管期間をtとすると、保管期間t(日)後の特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)は次式(1)で表される。
 Log10=Log10-t×k・・・・・(1)
  n:保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)。
  n:保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数(CFU/g)
  t:保管期間(日)×1/30。
  k:死滅速度(Log10CFU/g/月)。
 また、前記式(1)を移動することにより、次式(2)が得られた。
k=(N-N)/t・・・・・(2)
  N:nの常用対数値、すなわちLog10
  N:nの常用対数値、すなわちLog10
 一方、表5の死滅速度kを自然対数値にするとともに、保管温度T(℃)の絶対温度(K)の逆数を求めてから、死滅速度kの自然対数値と、絶対温度(K)の逆数との関係をプロットし、回帰直線を求めると、図5のようになった。これら各水分活性値wにおける回帰直線には、死滅速度kと絶対温度(K)の逆数とに強い負の相関(R>0.98)が認められた。したがって、いずれの水分活性値wにおいても、死滅速度kは保管温度T(℃)に依存する関係(保管温度T(℃)が上がれば、死滅速度kが上がる。)にあり、アレニウスの法則に従い、図5の回帰直線がアレニウスプロットであることが示された。
 これにより、B.longum BAA-999は、いずれの水分活性値wにおいても、その死滅速度kが保管温度(℃)に依存し、死滅速度kの自然対数値と保管温度(℃)とが比例関係にあることが分った。
 また、表5から算出した各温度の死滅速度kの自然対数値を求め、各保管温度(℃)における死滅速度kの自然対数値とサンプルの水分活性値wとの関係についてプロットし、回帰直線を求めると、図6の通りとなった。そして、回帰直線の相関性から、いずれの保管温度(℃)においても、水分活性値wと死滅速度kの自然対数値との間に、高い正の相関性(R>0.952)があることが判明した。このことから、B.longum BAA-999の死滅速度kは組成物の水分活性値wに比例し、死滅速度kと水分活性値との関係は、図6の回帰直線である次式(3)で表されることが分った。
 Lnk=k’w+C・・・・・(3)
  k’:図6で示される回帰直線から得られる直線の傾き(回帰係数)。
  w:組成物の水分活性値。
  C:図6で示される回帰直線のy切片。
 そして、前記式(3)に前記式(2)を代入することで、次式(4)が導き出された。
 Ln{(N-N)/t}=k’w+C・・・・・(4)
 更に、前記(4)式は、定義によって次式(5)になる。
 (N-N)/t=EXP(k‘w+C)・・・・・(5)
 更に、前記式(5)を変化させて次式(6)が得られた。
 N=N-t×EXP(k’w+C)・・・・・(6)
 このようにして、保管期間t(日)後の生残菌数n(CFU/g)の常用対数値(N=Log10)が、前記式(6)で表されることが判明した。
 以上のことから、B.longum BAA-999を含有する組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数n(CFU/g)は、組成物の保管温度(℃)と、組成物の水分活性値wとに強く依存していることが示された。このことから、組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数n(CFU/g)は、組成物の保管温度(℃)と組成物の水分活性値wとから推定することが可能であることが推測された。そこで、図6の回帰直線から各保管温度(℃)の回帰直線の式を算出したところ、表6の式が得られた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 ここで、表6に示された各保管温度(℃)の回帰直線の式は、前記式(3)を表しているので、各保管温度(℃)の係数k’と定数Cは、表6から求めることができる。したがって、保管温度25℃の場合は、k’=12.02、C=-6.8176となり、保管温度37℃の場合は、k’=13.122、C=-4.321となり、保管温度45℃の場合は、k’=15.130、C=-3.051となり、保管温度60℃の場合は、k’=18.000、C=-0.459となる。
 そして、各保管温度の係数k’と保管温度(℃)との関係をプロットすると、図7に示すように、y=0.1762x+7.2137で表される回帰直線が導かれた。また、各保管温度の定数Cと保管温度(℃)との関係をプロットすると、図8に示すように、y=0.18x-11.178で表される回帰直線が導かれた。また、それぞれの相関係数はR=0.9717及びR=0.9969と非常に高いことが判明した。このことから、係数k’及び定数Cは次式(7)及び次式(8)で表せることが判明した。
 k’=0.1762×T+7.2137・・・・・(7)
 C=0.18×T-11.178・・・・・(8)
 T:保管温度(℃)
 なお、前記式(7)は、前記式(I)に関する(k’=A×T+B)であり、前記式(8)は、前記式(I)に関する(C=C×T+D)である。つまり、この例では、A=0.1762であり、B=7.2137であり、C=0.18であり、D=11.178である。
 そして、前記式(7)及び前記式(8)を前記式(6)に代入すると、次式(9)が導かれた。
 N=N-t×EXP{(0.1762×T+7.2137)w+(0.18×T-11.178)}・・・・・(9)
 更に、N及びNを変換して、最終的に次式(10)式が導き出された。
 Log10=Log10-t×EXP{(0.1762×T+7.2137)w+(0.18×T-11.178)}・・・・・(10)
 以上のことから、保管開始時の前記組成物に生菌数(CFU/g)で含まれるB.longum BAA-999が、水分活性値wの保管条件において保管温度T(℃)に保管した際の保管期間t(日)後に生残菌数n(CFU/g)を示すことが、前記式(10)で表されることが判明した。また前記式(10)から、生残菌数n(CFU/g)が、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数n(CFU/g)、保管温度T(℃)、保管期間t(日)、及び水分活性値wによって変化することが示された。
 これにより、前記式(10)を用いれば、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数n(CFU/g)、保管温度T(℃)、保管期間t(日)、及び水分活性値wを決定することで、B.longum BAA-999の保管期間t(日)後の生残菌数n(CFU/g)を推定できる。
〔試験例-2 ビフィドバクテリウム・ブレベ BCCM LMG 23729を用いた試験〕
<方法>
 ビフィドバクテリウム・ブレベ(Bifidobacterium breve)BCCM LMG 23729(Bifidobacterium breve M16V、森永乳業社製。以下、B.breve LMG 23729と略する。)の菌末を被験菌として使用し、かつ保管温度(℃)として5℃を加えたことと、及び生澱粉と乾燥澱粉の比率を変更することで、各サンプルの澱粉粉末の水分活性値wを下記表7に示すように変更した以外は、試験例-1と同様の方法で試験を行った。
<結果>
 試験例-1と同様にサンプル中の生残菌数n(CFU/g)を測定し、その生残性に関する回帰直線から、B.breve LMG 23729における各保管条件の死滅速度kを、表7の通り算出した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 また、表7おける死滅速度kの自然対数値と、水分活性値wとの関係をプロットしたところ、図9の通り、いずれの保管温度(℃)においても、死滅速度kと水分活性値との間に強い正の相関(R>0.9499)があることが示された。したがって、B.breve LMG 23729の死滅速度kは、試験例-1と同様に、組成物の水分活性値wに比例していることが示された。
 そして、B.breve LMG 23729においても試験例-1と同様に、保管期間t(日)、保管温度T(℃)、水分活性値wから、nを保管後の生残菌数(CFU/g)、nを保管開始時の菌数(CFU/g)とすると、試験例-1の前記式(6)と同様に、次式(11)が成り立つことが判明した。
 N=N-t×EXP(k’w+C)・・・・・(11)
 以上のことから、B.breve LMG 23729を含有する組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数n(CFU/g)は、試験例-1と同様に、組成物の保管温度T(℃)と組成物の水分活性値wとに強く依存していることが示された。このことから、組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数n(CFU/g)は、組成物の保管温度T(℃)と組成物の水分活性値wとから推定することが可能であることが推測された。そこで、図10の回帰直線から、各保管温度(℃)の回帰直線の式を算出したところ、表8の式が得られた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 ここで、試験例-1と同様に、各保管温度(℃)の係数k’と定数Cは、表8から求められることから、保管温度25℃の場合は、k’=11.346、C=-7.247となり、保管温度37℃の場合は、k’=12.346、C=-4.9591となり、保管温度45℃の場合は、k’=15.242、C=-2.5315となり、保管温度60℃の場合は、k’=19.405、C=-1.5009となる。
 そして、各温度の係数k’と保管温度(℃)との関係をプロットし、回帰直線を求めると、y=0.2396x+4.5794が導かれた。また、各温度の定数Cと保管温度(℃)との関係をプロットし、回帰直線を求めると、y=0.691x-11.118が導かれた。また、それぞれの式の相関係数はR=0.9483及びR=0.931となり、試験例-1と同様に、各温度の定数Cと保管温度(℃)との間に強い相関関係が認められた。このことから、B.breve LMG 23729における係数k’及び定数Cは、次式(12)及び次式(13)で表せることが判明した。
 k’=0.2396×T+4.5794・・・・・(12)
 C=0.691×T-11.118・・・・・(13)
 なお、前記式(12)は、前記式(I)に関する(k’=A×T+B)であり、前記式(13)は、前記式(I)に関する(C=C×T+D)である。つまり、この例では、A=0.2396であり、B=4.5794であり、C=0.691であり、D=-11.118である。
 T:保管温度(℃)
 そして、前記式(12)及び前記式(13)を前記式(11)に代入して、更にNをLog10変換し、NをLog10に変換することで、次式(14)が導かれた。
 Log10=Log10-t×EXP{(0.2396×T+4.5794)w+(0.691×T-11.118)}・・・・・(14)
 前記式(14)を用いれば、保管開始時の前記組成物に含まれるB.breve LMG 23729の生菌数n(CFU/g)、保管温度T(℃)、保管期間t(日)、及び水分活性値wを決定することで、保管期間t(日)後の生残菌数n(CFU/g)を推定できる。
〔試験例-3 ビフィドバクテリウム・シュードロンガム IFO 15861を用いた試験〕
<方法>
 ビフィドバクテリウム・シュードロンガム(Bifidobacterium pseudolongum)IFO 15861(Bifidobacterium pseudolongum M-602、森永乳業社製。以下、B.pseudolongum IFO 15861と略する。)の菌末を被験菌として使用したこと、また、生澱粉と乾燥澱粉の比率を変更することで、各サンプルの澱粉粉末の水分活性値wを下記表9に示すように変更した以外は、試験例-1と同様の方法で試験を行った。
<結果>
 試験例-1と同様にサンプル中の生残菌数n(CFU/g)を測定し、その生残性に関する回帰直線から、B.pseudolongum IFO 15861における各保管条件の死滅速度kを表9の通り算出した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 また、表9おける死滅速度kの自然対数値と、水分活性値wとの関係をプロットしたところ、図10の通り、いずれの保管温度(℃)においても、死滅速度kと水分活性値wとの間に強い正の相関(R>0.91)があることが示された。したがって、B.pseudolongum IFO 15861の死滅速度kは、試験例-1と同様に、組成物の水分活性値wに比例していることが示された。
 そして、B.pseudolongum IFO 15861においても試験例-1と同様に、保管期間t(日)、保管温度T(℃)、水分活性値wから、nを保管後の生残菌数(CFU/g)、nを保管開始時の菌数(CFU/g)とすると、試験例-1の前記式(6)と同様に、次式(15)が成り立つことが判明した。
 N=N-t×EXP(k’w+C)・・・・・(15)
 以上のことから、B.pseudolongum IFO 15861を含有する組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数n(CFU/g)は、試験例-1と同様に、組成物の保管温度T(℃)と組成物の水分活性値wとに強く依存していることが示された。このことから、組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数n(CFU/g)は、組成物の保管温度T(℃)と組成物の水分活性値wとから推定することが可能であることが推測された。そこで、図12の回帰直線から、各保管温度(℃)の回帰直線の式を算出したところ、表10の式が得られた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
 各保管温度(℃)の係数k’と定数Cは、表10から求められることから、保管温度25℃の場合は、k’=11.346、C=-7.247となり、保管温度37℃の場合は、k’=12.346、C=-4.9591となり、保管温度45℃の場合は、k’=15.242、C=-2.5315となり、保管温度60℃の場合は、k’=19.405、C=-1.5009となる。
 そして、各温度の係数k’と保管温度(℃)との関係をプロットし、回帰直線を求めると、y=0.1409x+9.2317が導かれた。また、各温度の定数Cと保管温度(℃)との関係をプロットし、回帰直線を求めると、y=0.1614x-11.33が導かれた。また、それぞれの式の相関係数はR=0.9266及びR=0.9646となり、試験例-1と同様に、相関関係が認められた。このことから、B.pseudolongum IFO 15861における係数k’及び定数Cは、次式(16)及び次式(17)で表せることが判明した。
 k’=0.1409×T+9.2317・・・・・(16)
 C=0.1614×T-11.33・・・・・(17)
 なお、前記式(16)は、前記式(I)に関する(k’=A×T+B)であり、前記式(17)は、前記式(I)に関する(C=C×T+D)である。つまり、この例では、A=0.1409であり、B=9.2317であり、C=0.1614であり、D=-11.33である。
 T:保管温度(℃)
 そして、前記式(16)及び前記式(17)を前記式(15)に代入して、更にNをLog10変換し、NをLog10に変換することで、次式(18)が導かれた。
 Log10=Log10-t×EXP{(0.1409×T+9.2317)w+(0.1614×T-11.33)}・・・・・(18)
 前記式(18)を用いれば、保管開始時の前記組成物に含まれるB.pseudolongum IFO 15861の生菌数n(CFU/g)、保管温度T(℃)、保管期間t(日)、及び水分活性値wを決定することで、保管期間t(日)後の生残菌数n(CFU/g)を推定できる。
 以下、乳酸菌おいても、生残菌数推定方法で用いる前記式(I)を導く方法及び保証菌数の設定方法について、試験例4を用いて更に説明する。
〔試験例-4 ラクトバチルス・アシドフィラス LAC-300を用いた試験〕
<方法>
 ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus IFO-15862(Lactobacillus acidophilus LAC-300、森永乳業社製。以下、L.acidophilus LAC-300と略する。)の菌末を被検菌として使用し、かつ保管温度(℃)を25℃ではなく30℃にしたこと、生澱粉と乾燥澱粉の比率を変更することで、各サンプルの澱粉粉末の水分活性値wを下記表11に示すように変更したこと、生残菌数n(CFU/g)の測定時に嫌気条件下ではなく好気条件下で培養したこと以外は、試験例―1と同様の方法で試験を行った。
<結果>
 試験例-1と同様にサンプル中の生残菌数n(CFU/g)を測定し、その生残性に関する回帰直線から、L.acidophilus LAC-300における各保管条件の死滅速度kを、表11の通りに算出した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000011
 また、表11における死滅速度kの自然対数値と、水分活性wとの関係をプロットしたところ、図13の通り、いずれの保管温度(℃)においても、死滅速度kと水分活性値wとの間に強い正の相関(R>0.8876)があることが示された。したがって、L.acidophilus LAC-300の死滅速度kは試験例-1と同様に、組成物の水分活性値wに比例していることが示された。
 そして、L.acidophilus LAC-300においても試験例-1と同様に、保管期間t(日)、保管温度T(℃)、水分活性値wから、nを保管後の生残菌数(CFU/g)、nを保管開始時の菌数(CFU/g)とすると、試験例-1の前記式(6)と同様に、次式(19)が成り立つことが判明した。
 N=N-t×EXP(k’w+C)・・・・・(19)
 以上のことから、L.acidophilus LAC-300を含有する組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数n(CFU/g)は、試験例-1と同様に、組成物の保管温度T(℃)と組成物の水分活性値wとに強く依存していることが示された。このことから、組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数n(CFU/g)は、組成物の保管温度T(℃)と組成物の水分活性値wとから推定することが可能であることが推測された。そこで、図13の回帰直線から、各保管温度(℃)の回帰直線の式を算出したところ、表12の式が得られた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000012
 ここで、試験例-1と同様に、各保管温度(℃)の係数k’と定数Cは、表12から求められることから、保管温度30℃の場合は、k’=13.135、C=-5.7123となり、保管温度37℃の場合は、k’=14.526、C=-4.8705となり、保管温度45℃の場合は、k’=17.72、C=-3.7463となり、保管温度60℃の場合は、k’=13.135、C=-5.7123となる。
 そして、各温度の係数k’と保管温度(℃)との関係をプロットし、回帰直線を求めると、y=0.1669x+8.6621が導かれた。また、各温度の定数Cと保管温度(℃)との関係をプロットし、回帰直線を求めると、y=0.1839x-11.327が導かれた。また、それぞれの式の相関係数はR=0.86621及びR=0.9853となり、試験例-1と同様に、相関関係が認められた。このことから、L.acidophilus LAC-300における係数k’及び定数Cは次式(20)及び次式(21)で表せることが判明した。
 k’=0.1669×T+8.6621・・・・・(20)
 C=0.1839×T-11.327・・・・・(21)
 なお、前記式(20)は前記式(I)に関する(k’=A×T+B)であり、前記式(21)は、前記式(I)に関する(C=C×T+D)である。つまり、この例では、A=0.1669であり、B=8.6621であり、C=0.1839であり、D=-11.327である。
 T:保管温度(℃)
 そして、前記式(20)及び前記式(21)を前記式(19)に代入し、更にNをLog10変換し、NをLog10に変換することで、次式(22)が導かれた。
 Log10=Log10-t×EXP{(0.1669×T+8.6621)w+(0.1839×T-11.327)}・・・・・(22)
 前記式(22)を用いれば、保管開始時の前記組成物に含まれるL.acidophilus LAC-300の生菌数n(CFU/g)、保管温度T(℃)、保管期間t(日)、及び水分活性値wを決定することで、保管期間t(日)後の生残菌数n(CFU/g)を推定できる。
 なお、前記の試験例-1~試験例-3では、いずれも菌株がビフィズス菌に属するものであったが、乳酸菌においても、その生残性が保管温度と水分活性値に依存することが、前述した非特許文献8に示されていることから、式(I)を適用することが可能であり、その詳細を試験例-4に示した。更に、他の菌属に属する菌株であっても、試験例-1~試験例-4と同様の方法によって、生残性が保管温度と水分活性値に依存することが認められる菌株であれば、本発明の生残菌数推定方法を適用することが可能である。
 次に、本発明の一実施の形態による生残菌数推定装置の構成及び処理について説明する。
 図11は、本発明の一実施の形態による生残菌数推定装置1の構成を示すブロック図である。生残菌数推定装置1は、例えば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置により実現することができ、入力受付部11、定数係数算出部12、記憶部13、算出部14、及び、出力指示部15を備える。
 入力受付部11は、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタンやキーなどの入力部により、ユーザが入力した情報を受ける。あるいは、入力受付部11は、ネットワークを介して接続される他のコンピュータ装置から情報を受信したり、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から情報を読み出したりすることでもよい。
 定数係数算出部12は、式(I)に用いられる係数、定数であるA、B、C、Dを算出して記憶部13に書き込む。算出部14は、記憶部13に記憶されているA、B、C、Dを用いた式(I)に基づいて、保管期間後に組成物に含まれる菌株の生残菌数、菌株を含有する組成物の保管期間、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数、組成物の保管温度、あるいは、組成物の水分活性値を算出する。また、算出部14は、式(II)に基づいて、保証菌数を算出する。
 出力指示部15は、算出部14による算出結果を出力部、例えば、CRT(cathode ray tube)やLCD(liquid crystal display)などのディスプレイに表示したり、プリンタなどにより印刷したりする機能を有する。あるいは、算出部14による算出結果を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に書き込んだり、ネットワークを介して接続されるコンピュータ装置へ出力したりすることでもよい。
 次に、生残菌数推定装置1を用いた、式(I)の定数、係数であるA、B、C、Dの算出処理について説明する。
 まず、生残菌数推定装置1の入力受付部11は、菌株の種類の情報と、前記菌株についての上述した実験を行なったときの保管条件、及び、その実験結果である、前記菌株を含有する組成物の保管温度(℃)及び水分活性値wと、前記組成物の保管期間(日)と、前記保管期間後の組成物に含まれる生菌数n(CFU/g)との情報の入力を受ける。
 定数係数算出部12は、保管条件、すなわち、保管温度(℃)及び水分活性値毎に、各サンプル中の特定の菌株の生残菌数n(CFU/g)の常用対数値をY軸、保管期間t(日)×1/30をX軸としたときの第1の回帰直線(図1~図4、表5参照)をそれぞれ算出する。定数係数算出部12は、各保管条件について得られた第1の回帰直線の傾き(回帰係数)の絶対値を、前記各保管条件の死滅速度kとして得る。
 次に、定数係数算出部12は、保管温度(℃)毎に、死滅速度kの自然対数値をY軸、水分活性値wをX軸としたときの、各保管温度(℃)についての第2の回帰直線y=ax+b(図6、表6参照)をそれぞれ算出する。
 さらに、定数係数算出部12は、第2の回帰直線の傾き(a)をY軸、保管温度T(℃)をX軸としたときの第3の回帰直線式(図7参照)を算出し、この第3の回帰直線の傾きをA、Y切片をBとして得る。
 続いて、定数係数算出部12は、第2の回帰直線の定数(b)をY軸、保管温度T(℃)をX軸としたときの第4の回帰直線(図8参照)を算出し、この第4の回帰直線式の傾きをC、Y切片をDとして得る。
 定数係数算出部12は、上記により算出したA、B、C、Dと、微生物の種類の情報とを対応づけて記憶部13に書き込む。
 次に、生残菌数推定装置1を用いた、保管期間後に組成物に含まれる菌株の生残菌数、菌株を含有する組成物の保管期間、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数、組成物の保管温度、組成物の水分活性値、保証菌数の算出処理について説明する。
[保管期間後に組成物に含まれる菌株の生残菌数、保証菌数の算出]
 生残菌数推定装置1の入力受付部11は、生残菌数算出条件情報、すなわち、菌の種類と、菌株を含有する組成物の保管期間(日)と、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)と、組成物の保管温度(℃)と、組成物の水分活性値wとの情報の入力を受ける。
 算出部14は、入力された菌の種類の情報に対応したAT、BT、CT、DTを記憶部13から読み出すと、読み出したAT、BT、CT、DTを用いた式(I)に、入力された生残菌数算出条件情報で示される、菌株を含有する組成物の保管期間(日)と、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)と、組成物の保管温度(℃)と、組成物の水分活性値wとを代入し、保存期間t(日)後に組成物に含まれる微生物の生残菌数n(CFU/g)を算出する。
 さらに、算出部14は、この算出した保管期間t(日)後の組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)を用い、温度T’(℃)以下で保管した場合の保証期間t’(日)内の保証菌数N(CFU/g)を、式(II)により算出する。ただし、温度T’(℃)、保証期間t’(日)は、生残菌数算出条件情報で示される、組成物の保管温度(℃)、菌株を含有する組成物の保管期間(日)である。
 出力指示部15は、算出部14により算出された、保存期間後に組成物に含まれる微生物の生残菌数n(CFU/g)、及び、保証菌数N(CFU/g)の情報を出力する。
[組成物の保管期間の算出]
 生残菌数推定装置1の入力受付部11は、保管期間算出条件情報、すなわち、菌の種類と、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)と、菌株を含有する組成物の保管温度(℃)と、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)と、組成物の水分活性値wとの情報の入力を受ける。
 算出部14は、入力された菌の種類の情報に対応したAT、BT、CT、DTを記憶部13から読み出すと、読み出したAT、BT、CT、DTを用いた式(I)に、入力された保保管期間算出条件情報で示される、保管期間後に組成物に含まれる菌株の生残菌数n(CFU/g)と、組成物の保管温度(℃)と、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)と、組成物の水分活性値wとを代入し、菌株を含有する組成物の保管期間(日)を算出する。
 出力指示部15は、算出部14により算出された菌株を含有する組成物の保管期間(日)の情報を出力する。
[保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数の算出]
 生残菌数推定装置1の入力受付部11は、保管開始時生菌数算出条件情報、すなわち、菌の種類と、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)と、菌株を含有する組成物の保管期間(日)と、組成物の保管温度(℃)と、組成物の水分活性値wとの情報の入力を受ける。
 算出部14は、入力された菌の種類の情報に対応したAT、BT、CT、DTを記憶部13から読み出すと、読み出したAT、BT、CT、DTを用いた式(I)に、入力された保管開始時生菌数算出条件情報で示される、保管期間後に組成物に含まれる菌株の生残菌数n(CFU/g)と、菌株を含有する組成物の保管期間(日)と、組成物の保管温度(℃)と、組成物の水分活性値wとを代入し、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)を算出する。
 出力指示部15は、算出部14により算出された保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)の情報を出力する。
[組成物の保管温度の算出]
 生残菌数推定装置1の入力受付部11は、保管温度算出条件情報、すなわち、菌の種類と、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)と、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)、菌株を含有する組成物の保管期間(日)と、組成物の水分活性値wとの情報の入力を受ける。
 算出部14は、入力された菌の種類の情報に対応したAT、BT、CT、DTを記憶部13から読み出すと、読み出したAT、BT、CT、DTを用いた式(I)に、入力された保管温度算出条件情報で示される、保管期間後に組成物に含まれる菌株の生残菌数n(CFU/g)と、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)と、菌株を含有する組成物の保管期間(日)と、組成物の水分活性値wとを代入し、組成物の保管温度(℃)を算出する。
 出力指示部15は、算出部14により算出された組成物の保管温度(℃)の情報を出力する。
[組成物の水分活性値の算出]
 生残菌数推定装置1の入力受付部11は、水分活性値算出条件情報、すなわち、菌の種類と、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)と、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)と、菌株を含有する組成物の保管期間(日)と、組成物の保管温度(℃)との情報の入力を受ける。
 算出部14は、入力された菌の種類の情報に対応したAT、BT、CT、DTを記憶部13から読み出すと、読み出したAT、BT、CT、DTを用いた式(I)に、入力された水分活性値算出条件情報で示される、保管期間後に組成物に含まれる菌株の生残菌数n(CFU/g)と、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数n(CFU/g)と、菌株を含有する組成物の保管期間(日)と、組成物の保管温度(℃)とを代入し、組成物の水分活性値wを算出する。
 出力指示部15は、算出部14により算出された組成物の水分活性値wの情報を出力する。
 なお、上記において、入力された各条件情報の単位と、式(I)に使用される単位が異なる場合には、入力された各条件情報の単位を、式(I)において使用されている単位に変換してから代入する。
 図12は、生残菌数推定装置1が出力する画面例である。
 同図において、まず、生残菌数推定装置1の入力部により、菌の種類及び算出対象に対応したタブT1~T5を選択する。図においては、タブT1により、菌の種類としてビフィズス菌を、算出対象として保管期間後に組成物に含まれる菌株の生残菌数(生残菌数予測)を選択した場合を示す。
 同図には、さらに、組成物の保管温度(℃)を入力するためのフィールドA1、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数(初期添加菌数)n(CFU/g)を入力するための入力フィールドA2、組成物の水分活性値を入力するための入力フィールドA3、菌株を含有する組成物の保管期間(月)を入力するための入力フィールドA4が表示されている。ユーザが、生残菌数推定装置1の入力部により、入力フィールドA1~A4に数値を入力すると、生残菌数推定装置1の算出部14は、選択された菌の種類、ここでは、ビフィズス菌に対応したAT、BT、CT、DTを用いた式(I)に、入力フィールドA1~A4に入力された値を代入することにより、保存期間後に組成物に含まれる微生物の生残菌数n(CFU/g)を算出し、出力指示部15は、その算出結果を表示フィールドA5に表示させる。ビフィズス菌に対応したAT、BT、CT、DTを用いた式(I)として、例えば、試験例-1の式(10)を用いることができる。
 同図においては、出力指示部15はさらに、算出部14が(保存期間後に組成物に含まれる微生物の生残菌数)/(保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数)により算出した予測生残率を表示フィールドA6に表示させ、算出部14が式(II)により算出した保証菌数N(CFU/g)を表示フィールドA7に表示させる。
 図14は、生残菌数推定装置1が出力する他の画面例である。
 同図においては、生残菌数推定装置1の入力部によりタブT11を選択し、菌の種類としてL.acidophilus LAC-300を、算出対象として保管期間後に組成物に含まれる菌株の生残菌数(生残菌数予測)を選択した場合を示す。
 ユーザは、生残菌数推定装置1の入力部により、組成物の保管温度(℃)を入力するためのフィールドA11、保管開始時の組成物に含まれる菌株の生菌数(初期添加菌数)n(CFU/g)を入力するための入力フィールドA12、組成物の水分活性値を入力するための入力フィールドA13、菌株を含有する組成物の保管期間(月)を入力するための入力フィールドA14に数値を入力する。これにより、生残菌数推定装置1の算出部14は、選択された菌の種類、ここでは、L.acidophilus LAC-300に対応したAT、BT、CT、DTを用いた式(I)に、入力フィールドA11~A14に入力された値を代入し、保存期間後に組成物に含まれる微生物の生残菌数n(CFU/g)を算出し、出力指示部15は、その算出結果を表示フィールドA15に表示させる。L.acidophilus LAC-300に対応したAT、BT、CT、DTを用いた式(I)として、例えば、試験例-4の式(22)を用いることができる。
 出力指示部15はさらに、予測生残率を表示フィールドA16に表示させ、保証菌数N(CFU/g)を表示フィールドA17に表示させる。
 本発明の生残菌数推定装置によれば、プロバイオティクス製品の保管期間に対する特定の菌株の生残菌数を正確に推定した結果を算出することが可能であり、製品の開発期間を短縮することが可能である。
 また、本発明の生残菌数推定装置によれば、品質の保証期間内におけるプロバイオティクス製品中の特定の菌株の保証菌数を算出することが可能である。
 なお、生残菌数推定装置1は、入力受付部11、記憶部13、算出部14、及び、出力指示部15のみを備えるものであってもよい。この場合、生残菌数推定装置1の記憶部13は、入力受付部11、及び、定数係数算出部12を少なくとも備える他の生残菌数推定装置1により算出したAT、BT、CT、DTを保持する。
 なお、上述の生残菌数推定装置1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、生残菌数推定装置1の入力受付部11、係数定数算出部12、算出部14、及び、出力指示部15の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
 また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
 また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
(実施例1)
 水分活性値0.25のスキムミルク(森永乳業社製)に森永乳業社製B.longum BAA-999の菌末を、粉乳中に1×10(CFU/g)個/gとなる様に添加し、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数n(CFU/g)が1×10(CFU/g)のビフィズス菌含有粉乳を作製し、このビフィズス菌含有粉乳をアルミ袋にヒートシールした。一方、B.longum BAA-999の生残性を試験例-1における保管条件、及び、その実験結果の入力から、生残菌数推定装置1の定数係数算出部12は、AT、BT、CT、DTを求め、以下の関係式を得た。
 Log10=Log10-t×EXP{(0.1762×T+7.2137)w+(0.18×T-11.178)}・・・・・(23)
 この製品は25℃以下で保管するものとされ、かつ賞味期間を540日(18ヶ月)に定める予定であることから、生残菌数推定装置1の算出部14は、25℃における保管期間540日後の生残菌数n(CFU/g)を前記式(23)に従って計算した。すなわち、入力受付部11が入力を受けた情報に基づき、前記式(23)のnに1×10を、tに540×1/30=18を、Tに25を、wに0.25を代入し、次式とした。
 Log1018=Log10(1×10)-18×EXP{(0.1762×25+7.2137)×0.25+(0.18×25-11.178)}
 そして、この式から、n18=3.9×10が得られた。したがって、実施例1の水分活性値0.25のビフィズス菌含有粉乳を、25℃で保管した場合、保管開始時から18ヵ月後の生残菌数n18(CFU/g)は、3.9×10(CFU/g)であることが推定された。
 更に、生残菌数推定装置1の算出部14は、実施例1のビフィズス菌含有粉乳を、25℃以下で保管した場合の保証期間540日内の保証菌数N(CFU/g)を、次式(24)を用いて算出した。ここで、n’には前記式(23)で得られた3.9×10を代入し、aには0.8を代入した。
 N=n’×a・・・(24)
 前記式(24)によって、N≒3.1×10が得られた。よって、実施例1のビフィズス菌含有粉乳を、25℃以下で保管した場合の保証期間540日内の保証菌数N(CFU/g)を、3.1×10(CFU/g)に設定した。
 本発明の生残菌数推定装置によれば、プロバイオティクス製品の保管期間に対する特定の菌株の生残菌数(CFU/g)を正確に推定した結果を算出することが可能であり、製品の開発期間を短縮する用途に適用することが可能である。また、本発明の生残菌数推定装置によれば、品質の保証期間内におけるプロバイオティクス製品中の特定の菌株の保証菌数を容易に算出する用途に適用することが可能である。
1…生残菌数推定装置
11…入力受付部
12…定数係数算出部
13…記憶部
14…算出部
15…出力指示部

Claims (15)

  1.  特定の菌株を含有する組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数を推定する生残菌数推定装置であって、
     前記菌株を含有する組成物の保管期間と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す生残菌数算出条件情報の入力を受ける入力受付部と、
     前記入力受付部により入力を受けた前記生残菌数算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを次式(I)に代入して、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数を算出する算出部と、
     前記算出部により算出された、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数を示す情報の出力を指示する出力指示部と、
     を有することを特徴とする生残菌数推定装置。
     Log10=Log10-t×EXP{(A×T+B)w+(C×T+D)}・・・(I)
      t:保管期間(日)×1/30。
      n:保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数(CFU/g)。
      n:保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数(CFU/g)。
      T:保管温度(℃)。
      w:組成物の水分活性値。
      A:実験により求めた前記菌株特有の係数。
      B:実験により求めた前記菌株特有の定数。
      C:実験により求めた前記菌株特有の係数。
      D:実験により求めた前記菌株特有の定数。
  2.  前記入力受付部は、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す保管期間算出条件情報の入力を受け、
     前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記保管期間算出条件情報で示される、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、前記菌株を含有する組成物の保管期間を算出し、
     前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記菌株を含有する組成物の保管期間を示す情報の出力を指示する、
     ことを特徴とする請求項1に記載の生残菌数推定装置。
  3.  前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す保管開始時生菌数算出条件情報の入力を受け、
     前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた保管開始時生菌数算出条件情報で示される前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数を算出し、
     前記出力指示部は、前記算出部により算出された、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数を示す情報の出力を指示する、
     ことを特徴とする請求項1に記載の生残菌数推定装置。
  4.  前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の水分活性値とを示す保管温度算出条件情報の入力を受け、
     前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記保管温度算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、前記組成物の保管温度を算出し、
     前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記組成物の保管温度を示す情報の出力を指示する、
     ことを特徴とする請求項1に記載の生残菌数推定装置。
  5.  前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度とを示す水分活性値算出条件情報の入力を受け、
     前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記水分活性値算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度とを前記式(I)に代入して、前記組成物の水分活性値を算出し、
     前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記組成物の水分活性値を示す情報の出力を指示する、
     ことを特徴とする請求項1に記載の生残菌数推定装置。
  6.  前記算出部は、前記保管温度以下で保管した場合の保証期間内の保証菌数を、次式(II)により算出し、
     前記出力指示部は、前記算出部により算出された、保証菌数を示す情報の出力を指示する、
     ことを特徴とする請求項1に記載の生残菌数推定装置。
     N=n’×a・・・(II)
      n’:請求項1に記載の生残菌数推定装置によって算出した、保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)であって、保管温度T(℃)をT’(℃)とし、保管期間t(日)を保証期間t’(日)としたときのn(CFU/g)。
      a:1未満の定数。
  7.  前記入力受付部は、さらに、前記菌株の種類の情報の入力を受け、
     前記算出部は、前記菌株の種類の情報に対応した、前記菌株特有の係数A、前記菌株特有の定数B、前記菌株特有の係数C、前記菌株特有の定数Dを前記式(I)に適用する、
     ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の生残菌数推定装置。
  8.  前記入力受付部は、前記組成物の保管温度、及び、水分活性値と、前記組成物の保管期間と、前記保管期間後の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数との情報の入力を受け、
     前記保管温度及び前記水分活性値毎に、前記保管期間の月数と、前記保管期間における前記菌株の生菌数の常用対数の値との関係に基づいて第1の回帰直線を算出し、前記保管期間の月数に対する前記第1の回帰直線の傾きの絶対値を前記菌株の死滅速度として取得し、
     前記保管温度毎に、前記水分活性値と前記菌株の死滅速度の自然対数値との関係に基づいて第2の回帰直線を算出し、
     前記保管温度と、前記保管温度における前記第2の回帰直線の前記水分活性値に対する傾きとの関係から第3の回帰直線を算出し、前記第3の回帰直線の保管温度に対する傾きを前記菌株特有の係数Aとして、保管温度が0のときの切片を前記菌株特有の定数Bとして取得し、
     前記保管温度と、前記保管温度に対応した前記第2の回帰直線において前記水分活性値を0としたときの切片で示される定数との関係から第4の回帰直線を算出し、前記第4の回帰直線の保管温度に対する傾きかを前記菌株特有の係数Cとして、保管温度が0のときの切片から前記菌株特有の定数Dとして取得する定数係数算出部をさらに有する、
     ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の生残菌数推定装置。
  9.  特定の菌株を含有する組成物を保管した際の前記菌株の生残菌数を推定する生残菌数推定装置として用いられるコンピュータを、
     前記菌株を含有する組成物の保管期間と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す生残菌数算出条件情報の入力を受ける入力受付部、
     前記入力受付部により入力を受けた前記生残菌数算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを次式(I)に代入して、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数を算出する算出部、
     前記算出部により算出された、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数を示す情報の出力を指示する出力指示部、
     として動作させることを特徴とするコンピュータプログラム。
     Log10=Log10-t×EXP{(A×T+B)w+(C×T+D)}・・・(I)
      t:保管期間(日)×1/30。
      n:保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数(CFU/g)。
      n:保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数(CFU/g)。
      T:保管温度(℃)。
      w:組成物の水分活性値。
      A:実験により求めた前記菌株特有の係数。
      B:実験により求めた前記菌株特有の定数。
      C:実験により求めた前記菌株特有の係数。
      D:実験により求めた前記菌株特有の定数。
  10.  前記入力受付部は、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す保管期間算出条件情報の入力を受け、
     前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記保管期間算出条件情報で示される、保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、前記菌株を含有する組成物の保管期間を算出し、
     前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記菌株を含有する組成物の保管期間を示す情報の出力を指示する、
     ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。
  11.  前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを示す保管開始時生菌数算出条件情報の入力を受け、
     前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた保管開始時生菌数算出条件情報で示される前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、前記組成物の保管温度と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数を算出し、
     前記出力指示部は、前記算出部により算出された、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数を示す情報の出力を指示する、
     ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。
  12.  前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の水分活性値とを示す保管温度算出条件情報の入力を受け、
     前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記保管温度算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の水分活性値とを前記式(I)に代入して、前記組成物の保管温度を算出し、
     前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記組成物の保管温度を示す情報の出力を指示する、
     ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。
  13.  前記入力受付部は、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度とを示す水分活性値算出条件情報の入力を受け、
     前記算出部は、前記入力受付部により入力を受けた前記水分活性値算出条件情報で示される、前記菌株を含有する組成物の保管期間と、前記保管期間後に前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数と、保管開始時の前記組成物に含まれる前記菌株の生菌数と、前記組成物の保管温度とを前記式(I)に代入して、前記組成物の水分活性値を算出し、
     前記出力指示部は、前記算出部により算出された、前記組成物の水分活性値を示す情報の出力を指示する、
     ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。
  14.  前記算出部は、前記保管温度以下で保管した場合の保証期間内の保証菌数を、次式(II)により算出し、
     前記出力指示部は、前記算出部により算出された、保証菌数を示す情報の出力を指示する、
     ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。
     N=n’×a・・・(II)
      n’:請求項9に記載のコンピュータプログラムで実現される前記算出部によって算出された、保管期間t(日)後の前記組成物に含まれる前記菌株の生残菌数n(CFU/g)であって、保管温度T(℃)をT’(℃)とし、保管期間t(日)を保証期間t’(日)としたときのn(CFU/g)。
      a:1未満の定数。
  15.  請求項9から請求項14のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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