WO2008035760A1

WO2008035760A1 - Endoscope de type capsule, et procédé d'observation de gaster

Info

Publication number: WO2008035760A1
Application number: PCT/JP2007/068373
Authority: WO
Inventors: Manabu Fujita
Original assignee: Olympus Medical Systems Corp
Current assignee: Olympus Medical Systems Corp
Priority date: 2006-09-22
Filing date: 2007-09-21
Publication date: 2008-03-27
Anticipated expiration: 2009-03-22
Also published as: EP2064983A1; US20090253956A1; EP2064983B1; CN101516250A; EP2064983A4; CN101516250B; JP5096349B2; JPWO2008035760A1

Description

明細書

力プセル型内視鏡および胃内部観察方法

技術分野

[0001] 本発明は、被検体内に導入した液体に浮いた状態で被検体内を観察するカプセル型内視鏡および胃内部観察方法に関するものである。

背景技術

[0002] 近年、内視鏡の分野では、撮像機能と無線通信機能とが装備されたカプセル型内視鏡が登場している。このカプセル型内視鏡は、観察 (検査）のために被検体（人体）である被検者のロカ飲み込まれた後、被検者の生体から自然排出されるまでの観察期間、例えば食道、胃、小腸などの臓器の内部（体腔内）をその蠕動運動に伴つて移動し、撮像機能を用いて順次撮像する構成を有する。

[0003] ここで、カプセル型内視鏡の比重を 1以下とし、カプセル型内視鏡を液体 (飲料水）とともに飲み込み、液体が導入された胃内部でカプセル型内視鏡を液体に浮かせて、胃壁を観察できるようにした技術が特許文献 1に開示されてレ、る。

[0004] 特許文献 1 :国際公開第 02/95351号パンフレット（特表 2004— 529718号公報）特許文献 2 :特開平 10— 213384号公報

特許文献 3：特開 2004— 305635号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] しかしながら、カプセル型内視鏡のカプセル型筐体内には撮像手段、照明手段、無線通信手段、電池等の内蔵物が内蔵されるものであり、これら内蔵物の比重は 1 以上であることが多い。これにより、特許文献 1に示されるように、カプセル型内視鏡の比重を 1以下にするためには、カプセル型筐体を必要以上に大きく形成する必要があり、被検者にとって口腔力飲み込みにくいカプセル型内視鏡となってしまう不具合がある。

[0006] 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、内蔵物の比重が大きい場合であつても被検体内への導入性を損なうことなく被検体内で全体の比重を軽くして液体に浮かせた観察を行うことができるカプセル型内視鏡および胃内部観察方法を提供することを目白勺とする。

課題を解決するための手段

[0007] 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、撮像手段、その他の内蔵物を内蔵して被検体内に導入されるカプセル型筐体と、該カプセル型筐体に気密状態で連結されて、該カプセル型筐体との連結位置を可変することにより筐体体積を変化させる中空の体積可変部と、前記カプセル型筐体に連結され、前記連結位置を可変させるァクチユエータと、を備えることを特徴とする

[0008] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明にお!/、て、前記ァクチユエ一タは、前記カプセル型筐体外の温度変化によって動作することを特徴とする。

[0009] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明にお!/、て、前記ァクチユエ一タは、形状記憶型合金製ばね材であることを特徴とする。

[0010] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明にお!/、て、前記連結位置が、前記カプセル型筐体の体積が最小となる収納位置と、それ以外の露出位置とをとり、前記収納位置のときは、前記カプセル型筐体の水に対する比重は 1以上となり、前記露出位置のときは、前記カプセル型筐体の水に対する比重は 1未満となることを特徴とする。

[0011] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明において、前記体積可変部は、剛体によるシリンダ形状であり、前記カプセル型筐体内外に進退自在に連結されていることを特徴とする。

[0012] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明にお!/、て、前記体積可変部は、軟材による蛇腹形状であり、前記カプセル型筐体内外に伸縮自在に連結されていることを特徴とする。

[0013] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明にお!/、て、前記カプセル型筐体は、分割された 2筐体からなり、前記体積可変部は、前記 2筐体間に連結されていることを特徴とする。

[0014] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明にお!/、て、前記 2筐体は、有底形状であることを特徴とする。

[0015] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明にお!/、て、前記ァクチユエ一タは、形状記憶型合金製ばね材からなり、該形状記憶型合金製ばね材が、所定温度以下になると前記体積可変部を前記収納位置から前記露出位置に変化させることを特徴とする。

[0016] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明において、被検体内に導入されることで溶ける材質からなり、前記露出位置に変位させる前記形状記憶合金製ばね材の記憶形状に抗して前記体積可変部を前記収納位置に維持させるシール材を有することを特徴とする。

[0017] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明にお!/、て、前記体積可変部に通気孔が形成されて!/、ることを特徴とする。

[0018] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明にお!/、て、前記カプセル型内視鏡の重心は、前記通気孔が重力方向上向き位置となる位置に設定されていることを特徴とする。

[0019] また、本発明に力、かるカプセル型内視鏡は、上記発明にお!/、て、前記通気孔に、気体のみを通すシート材が貼り付けられていることを特徴とする。

[0020] また、本発明にかかる胃内部観察方法は、胃内部観察方法であって、検査直前にカプセル型内視鏡の温度を所定温度にするステップと、被検者が前記カプセル型内視鏡を嚥下するステップと、前記所定温度より低い温度の水を摂取するステップと、前記カプセル型内視鏡の体積を増加させるステップと、前記カプセル型内視鏡で胃内部を観察するステップと、力なることを特徴とする。

[0021] また、本発明にかかる胃内部観察方法は、胃内部観察方法であって、所定温度の環境温度でカプセル型内視鏡を保管するステップと、被検者が前記カプセル型内視鏡を嚥下するステップと、前記所定温度より低い温度の水を摂取するステップと、前記カプセル型内視鏡の体積を増加させるステップと、前記カプセル型内視鏡で胃内部を観察するステップと、力なることを特徴とする。

[0022] また、本発明にかかる胃内部観察方法は、上記発明にお!/、て、前記所定温度は、 36°C〜40°C程度であり、前記所定温度より低い温度は、 25°C程度であることを特徴とする。

[0023] また、本発明にかかる胃内部観察方法は、胃内部観察方法であって、被検者が前記カプセル型内視鏡を嚥下するステップと、前記所定温度の水を摂取し、胃内部を液体で満たすステップと、前記カプセル型内視鏡の体積を増加させるステップと、前記カプセル型内視鏡で胃内部を観察するステップと、力なることを特徴とする。発明の効果

[0024] 本発明に係るカプセル型内視鏡および胃内部観察方法によれば、被検体内に導入される際には被検体の体温によってァクチユエータが体積可変部のカプセル型筐体との連結位置を可変させて筐体体積を変化させるので、被検体内への導入性を損なうことのない体積状態とすることができ、被検体内に導入した後、適宜液体も被検体内に導入することで液体温度によってァクチユエータが体積可変部のカプセル型筐体との連結位置を可変させて筐体体積を変化させ筐体体積を増加させることで内蔵物の比重が大きい場合であっても全体の比重を軽くして液体に浮かせた観察を行わせること力 Sできると!/、う効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1]図 1は、実施の形態 1に係るカプセル型内視鏡を用いて被検体内を観察する様子を示す模式図である。

[図 2]図 2は、実施の形態 1に係るカプセル型内視鏡の体積増加前後の構成例を示す概略側面図である。

[図 3]図 3は、実施の形態 2に係るカプセル型内視鏡の体積増加前後の構成例を示す概略側面図である。

符号の説明

[0026] 1 カプセル型内視鏡

2 被検体

3 水

11 カプセル型筐体

11A, 11B 筐体

12 内蔵物 13 体積可変部

13a 通気孔

14 形状記憶合金製ばね材

15 シール材

16 体積可変部

16a 通気孑し

発明を実施するための最良の形態

[0027] 以下、本発明を実施するための最良の形態に係るカプセル型内視鏡について図面を参照して説明する。

[0028] (実施の形態 1)

図 1は、実施の形態 1に係るカプセル型内視鏡を用いて被検体内を観察する様子を示す模式図であり、図 2は、実施の形態 1に係るカプセル型内視鏡の体積増加前後の構成例を示す概略側面図である。

[0029] 本実施の形態 1のカプセル型内視鏡 1は、図 1に示すように、被検体 2の口腔 2aからの飲み込みによって被検体 2内に導入され、液体、例えば比重 1の水 3が導入された胃 2b内において水 3の表面に浮いて胃壁を対象部位として撮像観察するためのものである。 4は、撮像機能と無線通信機能とを有するカプセル型内視鏡 1から無線送信される画像データを受信する受信装置である。受信装置 4は、被検体 2の体外表面に貼付されるループアンテナ等の受信アンテナ 4aを備えており、カプセル型内視鏡 1から無線送信された画像データ等を、受信アンテナ 4aを介して受信する。

[0030] ここで、本実施の形態 1のカプセル型内視鏡 1は、カプセル長軸方向両側の撮像が可能な複眼型カプセル型内視鏡への適用例を示し、被検体 2の口腔 2aから飲み込み可能な大きさのカプセル型筐体 11と、このカプセル型筐体 11内に内蔵された撮像手段、照明手段、無線通信手段、基板部材、電池等の内蔵物 12とを備える。

[0031] カプセル型筐体 11は、略半球状で透明性あるいは透光性を有する先端カバー 11 a, l ibと、可視光が不透過な有色材質からなる筒形状の胴部カバー 11cとからなる 1S 本実施の形態のカプセル型筐体 11は、胴部カバー 11cが軸方向に 2分割されることにより、第 1の筐体 11Aと第 2の筐体 11Bとに分割された 2筐体からなる。分割された胴部カバー 1 lcの分割面側はそれぞれ有底形状とされて、それぞれの筐体 11 A, 11Bの内部を液密に封止する構造とされて!/、る。

[0032] 内蔵物 12中の照明手段は、被検体 2内の撮像部位を先端カバー 11a, l ib部分を介して照明するための照明光を出射する LEDなどの発光素子からなる。また、内蔵物 12中の撮像手段は、照明光による反射光を先端カバー 11a, l ib部分を介して受光して撮像部位を撮像する CCDや CMOSセンサなどの撮像素子や結像レンズなど力、らなる。このような内蔵物 12は、複眼型カプセル型内視鏡の対称的な構造に合わせてそれぞれの筐体 11 A, 11Bに 2分割して内蔵される力いずれも比重が 1以上で水 3よりも重!/、ものである。

[0033] また、本実施の形態のカプセル型内視鏡 1は、上述のような構成に加え、体積可変部 13と、体積可変部 13を稼働させるァクチユエータである形状記憶合金製ばね材 1 4とを備える。体積可変部 13は、概略的には剛体によるシリンダ形状で中空のタンク力、らなり、カプセル型筐体 11に対して筐体 11A, 11B間に配設されて、筐体 11A, 1 1Bの有底形状部分に対して気密状態を維持しながら長軸方向に沿って筐体 11 A, 11B内外に進退自在に連結されている。これにより、体積可変部 13は、図 2 (a)に示すように、筐体 11A, 11B内に半分ずつ収納される収納位置と、図 2 (b)に示すように、筐体 11A, 11B外に露出してカプセル型内視鏡 1全体の筐体体積を比重 1以下となるように増加させる露出位置とに変位可能である。体積可変部 13には、このような収納位置と露出位置との間の変位を行うために、外気を吸引したり内部の空気を排気したりするための 1個の通気孔 13aが中央側面部に形成されている。ここで、内蔵物 12中の重量物、例えば電池 12aを筐体 11A, 11B内で通気孔 13aとは反対側となる内壁に配設することで、カプセル型内視鏡 1の重心 Gは、カプセル型内視鏡 1 が横向きとなった場合に通気孔 13aが上向き位置となる位置に設定されている。

[0034] また、形状記憶合金製ばね材 14は、両端が筐体 11A, 11Bの有底形状部分に対して回動自在に連結されて、被検体 2の体温に相当する 36°C〜40°C程度の温度では図 2 (a)に示すような折畳み形状なる記憶形状を呈して体積可変部 13を収納位置に変位させる一方、被検体 2内に導入される水 3の温度に相当する 25°C程度の温度では図 2 (b)に示すような拡開形状なる記憶形状を呈して体積可変部 13を露出位置に変位させる。この形状記憶合金製ばね材 14は、通気孔 13a位置側よりも重心 G位置側に片寄らせて配設されている。

[0035] また、本実施の形態のカプセル型内視鏡 1は、被検体 2による飲み込み前の常温状態において露出位置に変位させる形状記憶合金製ばね材 14の記憶形状に抗して体積可変部 13を収納位置に維持させるように筐体 11A, 11B間を連結状態にシールするシール材 15を表面に備える。このシール材 15は、被検体 15内に導入されることで胃液等によって溶けるオブラート等の食物性材質からなる。

[0036] このような構成において、検査開始前のカプセル型内視鏡 1は常温状態にあるが、常温が、例えば 25°C位の場合には、形状記憶合金製ばね材 14は、拡開形状なる記憶形状を呈しょうとする力筐体 11A, 11B間がシール材 15によりシールされているので、体積可変部 13は形状記憶合金製ばね材 14の記憶形状に抗して収納位置に維持される。これにより、カプセル型内視鏡 1は、体積可変部 13が露出することなく筐体 11A, 11Bがー体となった図 2 (a)に示すような状態の大きさに維持される。この大きさは、通常のカプセルサイズであり、口腔 2aからの飲み込み性を損なうことはない。

[0037] そして、検査開始に際して、図 2 (a)に示すような状態のカプセル型内視鏡 1を口腔 2aから胃 2b内に飲み込んで導入する。このような被検体 2内への導入により、シール材 15は胃液等によって溶けてシール状態が解放される。この際、カプセル型内視鏡 1は被検体 2内に導入されており、体温環境にあるため、形状記憶合金製ばね材 14 は、折畳み形状なる記憶形状を呈するため、シール状態が解放されても、体積可変部 13は収納位置に維持される。これにより、カプセル型内視鏡 1は、体積可変部 13 が露出することなく筐体 11A, 11Bがー体となった図 2 (a)に示すような状態の大きさに維持される。この状態では、カプセル型内視鏡 1の比重は、 1以上である。

[0038] その後、頃合いを見計らって、 25°Cの水 3を徐々に飲み込んで胃 2b内に導入する。この際、カプセル型内視鏡 1の比重は 1以上であり、カプセル型内視鏡 1は、胃 2b 内に導入された水 3の水面上には浮かないが、重心 G位置に従い通気孔 13aが上向き位置となる横向き状態となる。そして、横向き状態のカプセル型内視鏡 1の形状記憶合金製ばね材 14は、導入された水 3中に存在することとなり（この時点では、水 3は図 2 (b)に示す如くカプセル型内視鏡 1が水没しない程度の導入量とする）、この水 3 の温度（25°C)に従い、拡開形状なる記憶形状を呈するように折畳み形状から拡開変位を行う。この形状記憶合金製ばね材 14の拡開形状への変位に伴い、筐体 11 A , 11B間も離間する方向に変位され、筐体 11A, 11B間に連結されていた体積可変部 13も上向き位置にあり胃 2b内で気中に存在する通気孔 13aからシリンダ効果で外気を吸気しながら図 2 (b)に示すような露出位置に変位する。体積可変部 13の露出位置への変位により、カプセル型内視鏡 1の筐体体積は、比重が 1以下になる状態に増加する。

[0039] このような状態で、さらに適量の水 3を胃 2b内に導入すると、比重が 1以下に下げられたカプセル型内視鏡 1は、図 1中に示すように導入された水 3の水面に浮きながら、胃壁の撮像観察が可能となる。

[0040] 観察終了後は、胃 2b内から水 3を小腸側に排出させる。これにより、胃 2b内に残つたカプセル型内視鏡 1は、被検体 2の体温環境にあり、形状記憶合金製ばね材 14が屈曲形状なる記憶形状を呈するように拡開形状力折畳み方向に変位する。この形状記憶合金製ばね材 14の折畳み変位に伴い、離間していた筐体 11 A, 11B間も接触する方向に変位され、筐体 11A, 11B間に連結されていた体積可変部 13も通気孔 13aから内部の空気を排気しながら図 2 (a)に示すような収納位置に変位する。体積可変部 13の収納位置への変位により、カプセル型内視鏡 1の大きさは、通常の力プセルサイズに戻る。そして、以後の蠕動運動に伴って通常通り小腸側へ移動し、最終的には被検体 2外に排出される。

[0041] このように、本実施の形態のカプセル型内視鏡 1によれば、被検体 2内に導入される際には被検体 2の体温によって形状記憶合金製ばね材 14が体積可変部 13をカブセル型筐体 1内に収納される収納位置に変位させる記憶形状を呈するので、被検体

2内への導入性を損なうことのない体積状態とすることができ、被検体 2内に導入した後、適宜水 3も被検体 2内に導入することで水温によって形状記憶合金製ばね材 14 が体積可変部 13をカプセル型筐体 1外に露出して筐体体積を増加させる露出位置に変位させる記憶形状を呈するので、体積可変部 13は被検体 2内において通気孔 1 3aから外気を内部に吸気しながら露出位置に変位して筐体体積を増加させることで内蔵物 12の比重が大きい場合であっても全体の比重を軽くして水 3に浮かせた観察を fiわせること力 Sできる。

[0042] なお、形状記憶合金製ばね材 14に代えて、一般的なリニアァクチユエータを設けてもよい。さらに、リニアァクチユエータの動作を温度によって制御するために温度センサを搭載してもよい。これにより、より高い自由度で体積可変部 13を制御できるようになる。

[0043] (実施の形態 2)

図 3は、実施の形態 2に係るカプセル型内視鏡の体積増加前後の構成例を示す概略側面図である。実施の形態 1で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示す。

[0044] 本実施の形態 2は、剛体によるシリンダ形状のタンクからなる体積可変部 13に代えて、軟材による蛇腹形状で中空のタンクからなる体積可変部 16を備えるものである。この体積可変部 16は、カプセル型筐体 11に対して筐体 11A, 11B間に配設されて、筐体 11A, 11Bの有底形状部分に対して気密状態を維持しながら長軸方向に沿つて伸縮自在に連結されている。これにより、体積可変部 16は、図 3 (a)に示すように、筐体 11A, 11B間に収まるように収縮した収納位置と、図 3 (b)に示すように、伸張して筐体 11A, 11B外に露出してカプセル型内視鏡 1全体の筐体体積を比重 1以下となるように増加させる露出位置とに変位可能である。体積可変部 16には、このような収納位置と露出位置との間の変位を行うために、外気を吸引したり内部の空気を排気したりするための 1個の通気孔 16aが中央側面部に形成されている。この他の構成は、実施の形態 1の場合と同様である。

[0045] このような構成において、検査開始前のカプセル型内視鏡 1は常温状態にあるが、常温が、例えば 25°C位の場合には、形状記憶合金製ばね材 14は、拡開形状なる記憶形状を呈しょうとする力筐体 11A, 11B間がシール材 15によりシールされているので、体積可変部 16は形状記憶合金製ばね材 14の記憶形状に抗して収納位置に維持される。これにより、カプセル型内視鏡 1は、体積可変部 16が露出することなく筐体 11A, 11Bがー体となった図 3 (a)に示すような状態の大きさに維持される。この大きさは、通常のカプセルサイズであり、口腔 2aからの飲み込み性を損なうことはない。

[0046] そして、検査開始に際して、図 3 (a)に示すような状態のカプセル型内視鏡 1を口腔 2aから胃 2b内に飲み込んで導入する。このような被検体 2内への導入により、シール材 15は胃液等によって溶けてシール状態が解放される。この際、カプセル型内視鏡 1は被検体 2内に導入されており、体温環境にあるため、形状記憶合金製ばね材 14 は、折畳み形状なる記憶形状を呈するため、シール状態が解放されても、体積可変部 16は収縮した収納位置に維持される。これにより、カプセル型内視鏡 1は、体積可変部 16が露出することなく筐体 11A, 11Bがー体となった図 3 (a)に示すような状態の大きさに維持される。この状態では、カプセル型内視鏡 1の比重は、 1以上である。

[0047] その後、頃合いを見計らって、 25°Cの水 3を徐々に飲み込んで胃 2b内に導入する。この際、カプセル型内視鏡 1の比重は 1以上であり、カプセル型内視鏡 1は、胃 2b 内に導入された水 3の水面上には浮かないが、重心 G位置に従い通気孔 16aが上向き位置となる横向き状態となる。そして、横向き状態のカプセル型内視鏡 1の形状記憶合金製ばね材 14は、導入された水 3中に存在することとなり（この時点では、水 3は図 3 (b)に示す如くカプセル型内視鏡 1が水没しない程度の導入量とする）、この水 3 の温度（25°C)に従い、拡開形状なる記憶形状を呈するように折畳み形状から拡開変位を行う。この形状記憶合金製ばね材 14の拡開形状への変位に伴い、筐体 11 A , 11B間も離間する方向に変位され、筐体 11A, 11B間に連結されていた体積可変部 16も上向き位置にあり胃 2b内で気中に存在する通気孔 16aから外気を吸気しな力 ¾膨らんで図 3 (b)に示すような露出位置に変位する。体積可変部 16の伸張に伴う露出位置への変位により、カプセル型内視鏡 1の筐体体積は、比重が 1以下になる状態に増加する。

[0048] このような状態で、さらに適量の水 3を胃 2b内に導入すると、比重が 1以下に下げられたカプセル型内視鏡 1は、図 1中に示すように導入された水 3の水面に浮きながら、胃壁の撮像観察が可能となる。

[0049] 観察終了後は、胃 2b内から水 3を小腸側に排出させる。これにより、胃 2b内に残つたカプセル型内視鏡 1は、被検体 2の体温環境にあり、形状記憶合金製ばね材 14が屈曲形状なる記憶形状を呈するように拡開形状力折畳み方向に変位する。この形状記憶合金製ばね材 14の折畳み変位に伴い、離間していた筐体 11 A, 11B間も接触する方向に変位され、筐体 11A, 11B間に連結されていた体積可変部 16も通気孔 16aから内部の空気を排気しながら図 3 (a)に示すような収納位置に変位する。体積可変部 16の収縮に伴う収納位置への変位により、カプセル型内視鏡 1の大きさは、通常のカプセルサイズに戻る。そして、以後の蠕動運動に伴って通常通り小腸側へと移動し、被検体 2外に排出される。

これにより、本実施の形態 2の場合も、実施の形態 1の場合と同様の効果を奏する。

[0050] なお、実施の形態 1 , 2では、飲み込み前にカプセル型内視鏡 1が体積増加状態に変位しないようにシール材 15でシールするようにしたが、例えば、飲み込み直前まで、カプセル型内視鏡 1を体温程度の恒温環境に保管することでシール材 15を省略してもよい。或いは、飲み込み直前には、被検体 1がカプセル型内視鏡 1を手で握る等して体温環境に維持することでシール材 15を省略してもよい。

[0051] また、露出位置への変位時に、カプセル型内視鏡 1の回転等によって通気孔 13a, 16aから水 3が体積可変部 13, 16内に入り込む可能性がある場合には、体積可変部 13, 16の通気孔 13a, 16a部分に対して気体のみを通すゴァテックス（登録商標）等のシート材を貼付しておき、水 3の浸入を防止するようにしてもよい。また、露出位置への変位動作を、通気孔 13a, 16aを設けずに、カプセル型内視鏡 1内の内圧によって調整する構造としてもよい。これにより、構造が簡略化できる。

[0052] さらには、実施の形態 1 , 2では、複眼型のカプセル型内視鏡への適用例として説明したが、単眼型のカプセル型内視鏡の場合であっても同様に適用することができる。特に、単眼型のカプセル型内視鏡の場合には、カプセル型筐体を筐体 11A, 11B の如く 2分割せず、撮像側とならない一端側に体積可変部を気密状態で変位可能に連結し、形状記憶合金製ばね材をカプセル型筐体と体積可変部の先端側とに連結して設けるようにしてもよい。

産業上の利用可能性

[0053] 以上のように、本発明に係るカプセル型内視鏡および胃内部観察方法は、被検体内に導入した液体に浮いた状態で被検体内を観察する場合に有用であり、特に、液体が導入された胃内部でカプセル型内視鏡を液体に浮かせて、胃壁を観察するのに適している。

Claims

請求の範囲

[1] 撮像手段、その他の内蔵物を内蔵して被検体内に導入されるカプセル型筐体と、該カプセル型筐体に気密状態で連結されて、該カプセル型筐体との連結位置を可変することにより筐体体積を変化させる中空の体積可変部と、

前記カプセル型筐体に連結され、前記連結位置を可変させるァクチユエータと、を備えることを特徴とするカプセル型内視鏡。

[2] 前記ァクチユエータは、前記カプセル型筐体外の温度変化によって動作することを特徴とする請求項 1に記載のカプセル型内視鏡。

[3] 前記ァクチユエータは、形状記憶型合金製ばね材であることを特徴とする請求項 1 に記載のカプセル型内視鏡。

[4] 前記連結位置が、前記カプセル型筐体の体積が最小となる収納位置と、それ以外の露出位置とをとり、

前記収納位置のときは、前記カプセル型筐体の水に対する比重は 1以上となり、前記露出位置のときは、前記カプセル型筐体の水に対する比重は 1未満となることを特徴とする請求項 1に記載のカプセル型内視鏡。

[5] 前記体積可変部は、剛体によるシリンダ形状であり、前記カプセル型筐体内外に進退自在に連結されて!/、ることを特徴とする請求項 1に記載のカプセル型内視鏡。

[6] 前記体積可変部は、軟材による蛇腹形状であり、前記カプセル型筐体内外に伸縮自在に連結されてレ、ることを特徴とする請求項 1に記載のカプセル型内視鏡。

[7] 前記カプセル型筐体は、分割された 2筐体からなり、

前記体積可変部は、前記 2筐体間に連結されて!/、ることを特徴とする請求項 1に記載のカプセル型内視鏡。

[8] 前記 2筐体は、有底形状であることを特徴とする請求項 7に記載のカプセル型内視鏡。

[9] 前記ァクチユエータは、形状記憶型合金製ばね材からなり、該形状記憶型合金製ばね材が、所定温度以下になると前記体積可変部を前記収納位置から前記露出位置に変化させることを特徴とする請求項 4に記載のカプセル型内視鏡。

[10] 被検体内に導入されることで溶ける材質からなり、前記露出位置に変位させる前記形状記憶合金製ばね材の記憶形状に抗して前記体積可変部を前記収納位置に維持させるシール材を有することを特徴とする請求項 9に記載のカプセル型内視鏡。

[11] 前記体積可変部に通気孔が形成されていることを特徴とする請求項 1に記載の力プセル型内視鏡。

[12] 前記カプセル型内視鏡の重心は、前記通気孔が重力方向上向き位置となる位置に設定されて!/、ることを特徴とする請求項 11に記載のカプセル型内視鏡。

[13] 前記通気孔に、気体のみを通すシート材が貼り付けられていることを特徴とする請求項 11に記載のカプセル型内視鏡。

[14] 胃内部観察方法であって、

検査直前にカプセル型内視鏡の温度を所定温度にするステップと、

被検者が前記カプセル型内視鏡を嚥下するステップと、

前記所定温度より低い温度の水を摂取するステップと、

前記カプセル型内視鏡の体積を増加させるステップと、

前記カプセル型内視鏡で胃内部を観察するステップと、

力なることを特徴とする胃内部観察方法。

[15] 胃内部観察方法であって、

所定温度の環境温度でカプセル型内視鏡を保管するステップと、

被検者が前記カプセル型内視鏡を嚥下するステップと、

前記所定温度より低い温度の水を摂取するステップと、

前記カプセル型内視鏡の体積を増加させるステップと、

前記カプセル型内視鏡で胃内部を観察するステップと、

力なることを特徴とする胃内部観察方法。

[16] 前記所定温度は、 36°C〜40°C程度であり、前記所定温度より低い温度は、 25°C 程度であることを特徴とする請求項 14または 15に記載の胃内部観察方法。

[17] 胃内部観察方法であって、

被検者が前記カプセル型内視鏡を嚥下するステップと、

前記所定温度の水を摂取し、胃内部を液体で満たすステップと、

前記カプセル型内視鏡の体積を増加させるステップと、からなることを特徴とする胃内部観察方法。