明 細 書
包装材料用プロピレン系樹脂組成物
技術分野
[0001] 本発明は、特定の性質を有する包装材料用プロピレン系樹脂組成物に関する。よ り詳しくは、剛性、透明性、耐衝撃性、耐ブロッキング性に優れた包装材料用プロピ レン系樹脂組成物に関する。
背景技術
[0002] プロピレン系樹脂組成物は、 日用雑貨、台所用品、包装用フィルム、家電製品、機 械部品、電気部品、自動車部品など、種々の分野で利用されている。特に、包装用 フィルム分野では、それぞれ要求される機能に応じたプロピレン系樹脂組成物が提 案されている。し力、しながら、既存のプロピレン系樹脂組成物のみでは対応しきれな い多くのフィルム分野が出現しつつある。具体的には、レトルト用フィルム、プロテクト フィルム、医療用包装材料または鮮度保持包装材料が挙げられる。
[0003] 近年、レトルト食品は、一般家庭から業務分野へと急速に普及し始めており、一般 家庭で利用される量よりもさらに大量のレトルト食品を一度に包装できる包装材料が 求められている。レトルト食品は、一般には長期間に亙って常温保存、あるいは低温 保存されることから、包装体が破れたりあるいは包装体のヒートシール部から包装体 が破損して、内容物が漏れないよう、高いヒートシール強度と耐低温衝撃強度を有す る包装材料用フィルムが求められている。また、前記包装材料用フィルムをレトルト食 品に用いる場合、内容物を充填して密封した後、 100〜; 140°C程度の高温下で高圧 釜を用いてレトルト殺菌処理が行われる。そのため、前記包装材料用フィルムには、 食品の品質管理上からもその処理に耐えられるようなヒートシール部の耐熱性とヒー トシール強度を保持するフィルムであることが要求される。
[0004] 力、かるレトルト食品に用いられている包装材料用フィルムは、ポリプロピレンとェチレ 体フィルム、あるいはそのポリプロピレンブロック共重合体とエチレン' α—ォレフイン 共重合体ゴムとのブレンド樹脂組成物から得られたフィルムが広く用いられている。し
力、しながら、これらのフィルムは、耐熱性、耐低温衝撃強度、耐ブロッキング性および ヒートシール性といった、包装材料用フィルムとしての主要性能のバランスに優れて V、るとは!/、レ、難ぐ特に耐低温衝撃強度とヒートシール性とのバランスには大きな問 題点がある。例えば、レトルト処理後のヒートシール強度低下を少しでも防止するため に、特許文献 1では、ポリプロピレンブロック 95〜70重量0 /0とエラストマ一ブロック 5〜 30重量%とから構成されたプロピレン' a—ォレフインブロック共重合体をヒートシ一 ル層に用いる提案がなされている。し力、しな力 、同公報に具体的に開示されている フィルムは、チーグラーナッタ触媒系を用いることにより、プロピレン含有量 30〜70モ ル%の組成分布の広いエラストマ一ブロックを含むプロピレン 'エチレンブロック共重 合体を得て、これから成形されるフィルムであり、耐低温衝撃強度が十分ではない。
[0005] 一方、特許文献 2では、メタ口セン触媒系で製造されたプロピレン系ブロック共重合 体によるポリプロピレンシートおよびフィルムが提案されて!/、る。これらのシートおよび フィルムは、エラストマ一ブロックの組成が均一であるプロピレン系ブロック共重合体 力も得られるため、耐衝撃性の向上が図られている。同公報には、実質的にエラスト マーブロックである n—デカン可溶部の [ 7] ]が 2· 5dl/g以上であるプロピレン系重 合体が開示されている。同公報に開示されているフィルムは、低温耐衝撃性は改良 される力 フィルムの透明性に劣る。また、近年環境問題が重要度を増すなか、包装 材料用フィルムに対しても減量化が要求されるため、薄膜であっても耐衝撃性を保持 するとともに、さらに高い剛性を有するフィルムが望まれている。
[0006] レトルト包装材料の開発動向として、被包装物を透視することができる程度の透明 性を有することが要求される場合がある。高透明性化のメリットとしては、電子レンジ 対応可能となること、内容物を視認できること、製造ラインでの金属探知が容易となる ことなどが挙げられる。透明性を改良するために、特許文献 3には、メタ口セン触媒を 用いて製造されたプロピレン系単独重合体とメタ口セン触媒存在下で製造されたェ チレン.プロピレン. 1ーブテン共重合体からなる樹脂組成物が提案されている。しか しな力 Sら、同公報に具体的に記載されているフィルムは、透明性については優れるも のの、レトルト用フィルムとして要求される低温耐衝撃性、剛性については、改良の余 地が残されている。
[0007] また、特許文献 4にはメタ口セン触媒を用いて製造されたプロピレン エチレンラン ダム共重合体とエチレン 《—ォレフイン共重合体からなる樹脂組成物が提案され ている。し力、しな力 、同公報に具体的に例示されているフィルムは透明性、耐衝撃 性については優れるものの、ハイレトルト処理に対する耐熱性については充分ではな い。
[0008] 一方、プロピレン系樹脂組成物からなるプロテクトフィルムは、従来自動車の国内搬 送や輸出するときに、表面の傷付き防止を目的として使用されている。プロテクトフィ ルムの要求特性として、金属表面に該フィルムを貼り付けるときの適度な接着性、剥 離作業の容易性、引き裂き等の強度が必要とされる。例えば、特許文献 5では、チー ダラーナッタ触媒で製造されたプロピレン系ブロック共重合体からなるプロテクトフィ ルムが開示され、該フィルムは金属表面の保護に適していると記載されている。しか しな力ら、同公報に具体的に記載されているプロピレン系ブロック共重合体は、ゴム 成分の分子量分布が広いために、低分子量ゴムがブリードして粘着力が経時変化す ること力 Sある。また近年、液晶ディスプレイ市場の拡大を背景に、液晶用ディスプレイ に使用される各種光学シートの表面プロテクトフィルムが伸長してきている。光学シー ト用プロテクトフィルムでは、粘着力の経時変化を抑制し、さらに外観検査を容易化 するために、フィッシュアイの少なく、かつ高透明性を有することが要求される。
[0009] また、輸液製剤容器等の医療容器用材料は、ガラス素材からプラスチック材料へと 変遷しつつある。輸液製剤容器用材料としては、これまでポリエチレンが使用される ケースが多かったが、近年、柔軟性、防湿性、耐水性、耐薬品性等のバランスに優れ たポリプロピレンが増加する傾向にある。特に、海外では 121°C下での滅菌が求めら れるため、耐熱性の観点からすれば、ポリエチレンよりもポリプロピレンが有利である。 しかし、ポリプロピレンはポリエチレンと比較して低温耐衝撃性に劣るため、寒冷地で 輸液製剤容器を誤って落下させた場合等には容器が破袋してしまう可能性がある。 ポリプロピレンの低温耐衝撃性を改良する方法として、プロピレン系ブロック共重合体 を用いる方法が考えられる力 既存のプロピレン系ブロック共重合体では透明性と耐 衝撃性、耐熱性のバランスに劣るとレ、う問題点がある。
[0010] 他方、野菜や果実等青果物の鮮度保持用包装材料においては、酸素、二酸化炭
素、エチレン等に対し、高いガス透過度が要求される。例えば、特許文献 6には、ガ ス透過性が改良されたプロピレン α—ォレフイン共重合体を含んだプロピレン系樹 脂組成物からなるフィルムが提案されている。し力、しながら、該フィルムは良好なガス 透過度を有するものの、フィルムの剛性が低ぐ実用性に問題がある。
[0011] また、特許文献 7にはポリプロピレンとエチレン 1 オタテンランダム共重合体を 含んだ樹脂組成物からなるフィルムが提案されて!/、る。同公報によるとガス透過性、 フィルムの剛性とも良好である力 S、ポリプロピレンとエチレン 1—オタテンを混練する 工程が必要であり、コストが高ぐかつエネルギー消費量が大きいという問題点がある
〇
特許文献 1 :特開 2000— 255012号公報
特許文献 2:特開 2006— 152068号公報
特許文献 3:特開 2001— 172402号公報
特許文献 4 :特開 2004— 3597711号公報
特許文献 5:特開 2000— 168006号公幸
特許文献 6:特開 2001— 106802号公報
特許文献 7:特開 2006 - 299229号公幸
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0012] 上記のような問題を解決すベぐ本発明は、高透明性、剛性、低温耐衝撃性、耐ブ ロッキング性のバランスに優れたレトルト用フィルム、プロテクトフィルムを得るのに好 適な包装材料用プロピレン系樹脂組成物を提供することを目的としている。さらにか 力、る組成物を用いることで、高透明性、剛性、低温耐衝撃性、耐ブロッキング性のバ ランスに優れたレトルト用フィルム、プロテクトフィルム医療容器包装用フィルムおよび 鮮度保持包装用フィルムならびにこれらのシートを提供することをも目的としている。 課題を解決するための手段
[0013] すなわち本発明は、下記要件(al)〜(a2)を満たすプロピレン系重合体 (A) 60〜 90重量%および、下記要件(bl)〜(b4)を満たすプロピレン エチレン共重合体(B ) 40〜; 10重量%とからなる(ただし (A) + (B) = 100重量%)ことを特徴とする包装材
料用プロピレン系樹脂組成物および力、かる組成物から得られるシートまたはフィルム である。
[0014] プロピレン系重合体(A);
(al)メノレトフローレート(MFR ;ASTM D1238、 230。C、荷重 2. 16kg)力 0. 1~ 40 (g/10min)。
[0015] (a2)示差走査型熱量計 (DSC)で測定される融点 (Tm)が 145°C〜; 170°C。
[0016] プロピレン エチレン共重合体(B);
(M)エチレンに由来する構成単位の含有量が 15mol%以上 45mol%未満。
[0017] (b2)デカリン溶媒、 135°Cにおける極限粘度 [ 7] ]が 1 · 8dl/g〜3. 5dl/g。
[0018] (b3)分子量分布(Mw/Mn)が 3. 5以下。
[0019] (b4) 23°Cにおける n デカン可溶部が 95重量%以上。
[0020] 本発明はまた、下記要件(al ' )〜(a2' )を満たす、 23°Cにおける n デカン不溶 部(D )が 60〜90重量%および下記要件(bl ' )〜(b3' )を満たす、 23°Cにおける insol
n—デカン可溶部(D )が 40〜10重量0 /0からなり、かつ、メルトフローレート(MFR ;
sol
ASTM D1238、 230。C、荷重 2. 16kg)力 0. ;!〜 20 (g/10min)の範囲にあること を特徴とする包装材料用プロピレン系樹脂組成物および力、かる組成物から得られる シートまたはフィルムである。
[0021] n デカン不溶部(D );
insol
(al ' )エチレンに由来する構成単位の含有量力 ¾重量%以下。
[0022] (a2' )示差走査型熱量計 (DSC)で測定される融点 (Tm)が 145°C〜; 170°C。
n デカン可溶部(D );
sol
(Μ ' )エチレンに由来する構成単位の含有量が 15mol%以上 45mol%未満。
[0023] (b2' )デカリン溶媒、 135°Cにおける極限粘度 [ 7] ]が 1 · 8dl/g〜3. 5dl/g。
[0024] (b3' )分子量分布(Mw/Mn)が 3. 5以下。
発明の効果
[0025] 本発明のプロピレン系樹脂組成物を成形して得られるシートまたはフィルムは、既 存のチ一ダラー 'ナッタ系触媒を用いて製造したプロピレン系ブロック共重合体から 得られるシートまたはフィルムに比べて、透明性、低温耐衝撃性および剛性のバラン
スに優れる。
発明を実施するための最良の形態
[0026] 本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系重合体 (A)と、プロ ピレン一エチレン共重合体 (B)とからなる。
[0027] 以下、各成分について詳細に述べる。
[0028] ( 1 )プロピレン系重合体(A)
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物を形成する成分の一つであるプロピ レン系重合体 (A)は、
(al)メノレ卜フローレ一卜(MFR;ASTM D1238、 230。C、荷重 2. 16kg)力 0. 1~4 0 (g/10min)、好ましくは 0· 5〜20(g/10min)、より好ましくは 1. 0〜; 10 (g/10min)の範 囲にあり、
(a2)示差走査型熱量計 (DSC)で測定される融点 (Tm)が 145°C〜; 170°C、好まし <は 150。C〜; 170。C、より好まし <は 155。C〜; 170。Cの範囲にある。
[0029] MFRが 0. l (g/10min)未満のプロピレン系重合体は、プロピレン エチレン共重 合体 (B)と混合して得られる包装材料用プロピレン系樹脂組成物の押出成形性が悪 化するおそれがあり、 40 (g/10min)を超えると得られるシートまたはフィルムの低温衝 撃性が悪化する傾向にある。
[0030] 融点が 145°C未満のプロピレン系重合体は、得られるシートまたはフィルムが耐熱 性に劣り、レトルト処理時にフィルムが軟化するおそれがあり、とくにハイレトルト用フィ ルムとしては適さない場合がある。また、得られるフィルムの腰が弱ぐ製品表面に貼 り付ける際にしわがよる場合があり、プロテクトフィルムとしても適さないおそれがある。
[0031] 本発明に係るプロピレン系重合体 (A)は、プロピレン単独重合体、あるいはプロピ レンと少量、例えば 2重量%以下の他の α—ォレフインとの共重合体である。 α—ォ レフインとしてはエチレン、 1-ブテン、 1一へキセン、 1-オタテンが好ましく用いられる。
[0032] 本発明に係るプロピレン系重合体 (Α)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは 3.
5以下、より好ましくは 3. 0以下、さらに好ましくは 2. 5以下である。かかる分子量分 布を有するプロピレン系重合体 (A)からなる包装材料用プロピレン系樹脂組成物か らは、さらに透明性、耐衝撃性、耐ブロッキング性等に優れるシートまたはフィルムが
得られる。
[0033] 本発明に関わるプロピレン系重合体 (A)は、メタ口セン触媒の存在下で製造される ことが好まし!/、。プロピレン系重合体 (A)の製造に使用するメタ口セン触媒としては、 後述するように、メタ口セン化合物、ならびに有機金属化合物、有機アルミニウムォキ シ化合物およびメタ口セン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物 力、ら選ばれる少なくとも 1種以上の化合物、さらに必要に応じて粒子状担体とからなる メタ口セン触媒で、本出願人による前記公報 (WO01/27124)または特開平 11-31510 9号公報中に既に開示されている架橋性メタ口セン化合物が好適に用いられる。
[0034] (2)プロピレン エチレン共重合体(B)
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物を形成する他の成分であるプロピレ ンーエチレン共重合体 (B)は、
(bl)エチレンに由来する構成単位の含有量が 15mol%以上 45mol%未満の範囲 にめ ·ο。
(b2)デカリン溶媒、 135°Cにおける極限粘度 [ ]が 1. 8dl/g〜3. 5dl/g、好ましくは 1. 9dl/g〜3. Odl/g、より好ましくは 2· 0dl/g〜2. 5dl/gの範囲にある。
(b3)分子量分布(Mw/Mn)が 3. 5以下、好ましくは 3. 0以下、より好ましくは 2. 5 以下の範囲にある。
(b4) 23°Cにおける n デカン可溶部が 95重量%以上、好ましくは 98重量%以上、 より好ましくは 99重量%以上の範囲にある。
[0035] エチレンに由来する構成単位の含有量が 15mol%未満の共重合体は、得られるシ ートまたはフィルムの耐衝撃性が悪化するおそれがあり、 45mol%以上の共重合体 は、得られるシートまたはフィルムの透明性が低下する傾向にあるので、透明レトルト 用フィルムとして適さなレ、場合がある。
[0036] 極限粘度 [ n ]が 1. 8dl/g未満の共重合体は、得られるシートまたはフィルムの耐衝 撃性が低下するおそれがあり、一方、極限粘度 [ 7] ]が 3. 5dl/gを超える共重合体は、 透明性が悪化するおそれがあるため、透明レトルトフィルムとしては適さない。また、 極限粘度 [ 7] ]が 3. 5dl/gを超えると、得られるシートまたはフィルムにフィッシュアイが 発生しやすくなるため、レトルト用フィルムおよびプロテクトフィルムとして適さない場
合がある。
[0037] 分子量分布(Mw/Mn)が 3. 5を超える共重合体は、低分子量成分が増えるため 、得られるシートまたはフィルムの耐衝撃性および引き裂き強度が低下することがあり 、し力、も低分子量重合体がブリードアウトする可能性があるため、レトルト用フィルムや
[0038] 23°Cにおける n デカン可溶部が 95重量%未満の共重合体は、プロピレンーェチ レン共重合体の組成分布が広ぐ得られるシートまたはフィルムの剛性、耐衝撃性が 低下するために、レトルト用フィルムやプロテクトフィルムとして適さな!/、場合がある。
[0039] 本発明に関わるプロピレン エチレン共重合体 (B)は、メタ口セン触媒の存在下で 製造されることが好ましい。プロピレン エチレン共重合体 (B)の製造に使用するメタ 口セン触媒としては、後述するように、メタ口セン化合物、ならびに有機金属化合物、 有機アルミニウムォキシ化合物およびメタ口セン化合物と反応してイオン対を形成す ることのできる化合物から選ばれる少なくとも 1種以上の化合物、さらに必要に応じて 粒子状担体とからなるメタ口セン触媒で、本出願人による前記公報 (WO01/27124)ま たは特開平 11-315109号公報中に既に開示されている架橋性メタ口セン化合物が好 適に用いられる。
[0040] 本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物には、さらに第 1の態様および第 2の 態様があり、それぞれの態様における、前記プロピレン系重合体 (A)の(al)メルトフ ローレート、前記プロピレン エチレン共重合体(B)の(bl)エチレンに由来する構成 単位の含有量は、以下のとおりである。
[0041] [第 1の態様]
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物の第 1の態様は、前記プロピレン エチレン共重合体(B)の(M)エチレンに由来する構成単位の含有量が 15mol%〜 25mol%、好ましくは 17mol%〜25mol%、より好ましくは 18〜23mol%の範囲に あることを特徴とする。
[0042] 前記プロピレン エチレン共重合体 (B)の (b 1 )エチレンに由来する構成単位の含 有量が上記範囲内であると、得られるシートまたはフィルムの透明性および耐ブロッ キング性のバランスに優れた効果を発揮する。
[0043] [第 2の態様]
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物の第 2の態様は、前記プロピレン エチレン共重合体(B)の(M)エチレンに由来する構成単位の含有量が 25mol%を 超え 45mol%未満、好ましくは 27mol%〜40mol%、より好ましくは 30〜35mol% の範囲であることを特徴とする。前記プロピレン エチレン共重合体(B)の(bl)ェチ レンに由来する構成単位の含有量が上記範囲内であると、得られるシートまたはフィ ルムの耐衝撃性および透明性のバランスに優れた効果を発揮する。
[0044] (3)プロピレン系樹脂組成物
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物は、 (A)と (B)との合計 100重量% 中、前記プロピレン系重合体(八)60〜90重量%、好ましくは 70〜85重量%、より好 ましくは 80〜85重量%および前記プロピレン—エチレン共重合体(B) 40〜; 10重量 %、好ましくは 30〜; 15重量%、より好ましくは 20〜; 15重量%の範囲で含む包装材 料用プロピレン系樹脂組成物(以下、「組成物 Cl」とも!/、う)である。
[0045] プロピレン系重合体(A)の量が 60重量%未満の組成物は、得られるシートまたは フィルムの剛性が低くなる傾向にあるため、レトルト用フィルムとしては適さない場合 がある。一方、 90重量%を超える組成物は、得られるシートまたはフィルムの耐衝撃 性が低下する傾向にあるため、レトルト用フィルムとして適さない場合がある。
[0046] 本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物は、メルトフローレート(MFR; AST M D1238、 230。C、荷重 2. 16kg)カ通常、 0. ;!〜 40g/10minの範囲にあること が好ましい。
[0047] 本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物は、また、下記要件(&1 ' )〜(&2' ) を満たす、 23°Cにおける n デカン不溶部(D )が 60〜90重量%、好ましくは 70 insol
〜85重量%、より好ましくは 77〜83重量%および下記要件(bl ' )〜(b3' )を満た す、 23°Cにおける n デカン可溶部(D )カ 0〜; 10重量%、好ましくは 30〜; 15重
sol
量0 /o、より好ましくは 23〜; 17重量0 /0力もなり、かつ、メルトフローレート(MFR; AST M D1238、 230。C、荷重 2. 16kg)力 0. ;!〜 20 (g/10min)の範囲にあることを特 徴とする包装材料用プロピレン系樹脂組成物(以下、「組成物 C2」ともレ、う)である。
[0048] n デカン不溶部(D );
(al ' )エチレンに由来する構成単位の含有量が 2重量%以下である。
[0049] (a2 ' )示差走査型熱量計 (DSC)で測定される融点 (Tm)が 145°C〜; 170°C、好ま しくは 150°C〜; 170°C、より好ましくは 155°Cを超えて 170°C以下の範囲にある。
[0050] n—デカン可溶部(D );
(Μ ' )エチレンに由来する構成単位の含有量が 15mol%以上 45mol%未満の範 囲にある。
[0051] (b2 ' )デカリン溶媒、 135°Cにおける極限粘度 [ 7] ]が 1. 8dl/g〜3. 5dl/g、好まし くは 1 · 9dl/g〜3. Odl/g、より好ましくは 2· 0dl/g〜2. 5dl/gの範囲にある。
(b3 ' )分子量分布(Mw/Mn)が 3. 5以下、好ましくは 3. 0以下、より好ましくは 2. 5 以下の範囲にある。
[0052] 本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物には、さらに第 1の態様および第 2の 態様があり、それぞれの態様における、前記 n—デカン可溶部(D )の(bl ' )ェチレ ンに由来する構成単位の含有量は、以下のとおりである。
[0053] [第 1の態様]
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物の第 1の態様は、前記 n—デカン可 溶部(D )の(bl ' )エチレンに由来する構成単位の含有量が 15mol%〜 25mol%
、好ましくは 17mol%〜25mol%、より好ましくは 18〜23mol%の範囲にあることを 特徴とする。前記 n—デカン可溶部(D )の(bl ' )エチレンに由来する構成単位の含 有量が上記範囲内であると、得られるシートまたはフィルムの透明性および耐ブロッ キング性のバランスに優れた効果を発揮する。
[0054] [第 2の態様]
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物の第 2の態様は、前記 n—デカン可 溶部(D )の(bl ' )エチレンに由来する構成単位の含有量が 25mol%を超え 45mo
1%未満、好ましくは 27mol%〜40mol%、より好ましくは 30〜35mol%の範囲であ ることを特徴とする。前記 n—デカン可溶部(D )の (bl ' )エチレンに由来する構成 単位の含有量が上記範囲内であると、得られるシートまたはフィルムの耐衝撃性およ び透明性のバランスに優れた効果を発揮する。
[0055] (4)その他の成分
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物(前記組成物 C Iおよび組成物 C2を 含む)には、さらに、プロピレン系重合体 (A)およびプロピレン エチレン共重合体( B)等の他に、他の重合体等を含んでいてもよい。具体的には、さらにエチレン α ーォレフイン共重合体(D)、エチレン プロピレン共重合体(Β ' )、プロピレン系重合 体 (Γ)等を含んでいてもよい。
[0056] 《エチレン α—ォレフィン共重合体 (D)》
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物には、得られるシートまたはフィルム の耐衝撃性等の機能をさらに改良する目的で、エチレン α—ォレフイン共重合体( D)を添加してもよい。かかるエチレン α—ォレフイン共重合体(D)における α—ォ レフインとしては、炭素数 4〜20の α ォレフィン、好ましくは 1—ブテン、 1—へキセ ン、 1—オタテン等が挙げられる。また、エチレン一 α—ォレフイン共重合体 (D)の密 度 (ま、通常、 0. 850—0. 910g/cm3、好ましく (ま 0. 860—0. 890g/cm3である。
[0057] 密度が 0. 850gん m3未満の共重合体は、得られるシートまたはフィルムの透明性あ るいは耐ブロッキング性が悪化しやすぐレトルト用フィルムとしては適さない場合が ある。一方、密度が 0. 910gん m3よりも高い場合、得られるシートまたはフィルムの耐 衝撃性が低下するおそれがあり、またフィッシュアイが発生しやすくなる傾向にあるた め、レトルト用フィルムとしては適さない場合がある。エチレン一 α—ォレフイン共重合 体 (D)の添加量は、包装材料用プロピレン系樹脂組成物(100重量%)中に、 0〜1 5重量%、好ましくは 0〜; 10重量%、より好ましくは 0〜 5重量%の範囲である。
[0058] 《エチレン プロピレン共重合体(Β,)》
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物には、得られるシートまたはフィルム の耐衝撃性等の機能をさらに改良する目的で、前記プロピレン エチレン共重合体 (Β)とは異なるエチレンに由来する構成単位の含有量、あるいは組成物 C2の η デ カン可溶部(D )に含まれるエチレンに由来する構成単位の含有量とは異なる量を 有するエチレン—プロピレン共重合体 (Β ' )を添加してもよレ、。
[0059] かかるエチレン プロピレン共重合体(Β, )のエチレンに由来する構成単位の含有 量は、好ましくは 25〜85mol%、より好ましくは 30〜70mol%、さらに好ましくは 30 〜55mol%の範囲にある。
[0060] エチレン プロピレン共重合体 (Β' )としては、包装材料用プロピレン系樹脂組成 物から得られるシートまたはフィルムの耐衝撃性、耐ブロッキング性を改良する観点 から、メタ口セン触媒の存在下で製造されたものであることが望ましい。エチレンープ ロピレン共重合体 (Β' )の添加量は、包装材料用プロピレン系樹脂組成物(100重量 %)中に、 0 15重量%、好ましくは 0〜; 10重量%、より好ましくは 0 5重量%である
[0061] また、エチレン プロピレン共重合体(Β' )はプロピレン系重合体(Α)およびプロピ レン—エチレン共重合体 (B)とを同一系で重合する際に重合して添加しても良い。
[0062] 《プロピレン系重合体 (Γ )》
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物に添加されるプロピレン系重合体 (Γ )は、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレンおよび炭素数 4以上の α . フィンとの共重合体、プロピレンとエチレンおよび炭素数 4以上の α ·
ロック共重合体である。前記 α—ォレフインの具体例としては、 1ーブテン、 2—メチノレ — 1—プロペン、 2—メチル 1—ブテン、 3—メチル 1—ブテン、 1—へキセン、 2- ェチルー 1ーブテン、 2, 3 ジメチルー 1ーブテン、 2 メチルー 1 ペンテン、 3 メ チルー 1—ペンテン、 4ーメチルー 1 ペンテン、 3, 3—ジメチルー 1ーブテン、 1 ヘプテン、メチルー 1 キセン、ジメチルー 1 ペンテン、ェチルー 1 ペンテン、ト リメチルー 1ーブテン、メチルェチルー 1ーブテン、 1—オタテン、メチルー 1 ペンテ ン、ェチノレー 1 キセン、ジメチノレー 1 キセン、プロピノレー 1 ヘプテン、メチ ノレェチルー 1 ヘプテン、トリメチルー 1 ペンテン、プロピル 1 ペンテン、ジェチ ルー 1ーブテン、 1 ノネン、 1ーデセン、 1 ゥンデセン、 1ードデセン等が挙げられ る。なかでも、 1ーブテン、 1 ペンテン、 1 キセン、 1—オタテンの α
が好ましい。プロピレンと共重合されるエチレンおよび炭素数 4以上の α
は 2種以上用いてもよい。
[0063] プロピレン系重合体(Γ)の融点(Tm)は、通常、 150〜; 170°C、好ましくは 155 1 70°Cである。また、プロピレン系重合体(Γ)のメルトフローレート(MFR:ASTM D1 238 230 C、荷重 2. 16kg)は、通常、 0. ;! lOg/10分、好ましくは 0. 5 8g/ 10分、より好ましくは 1.0 5g/10分である。
[0064] プロピレン系重合体 (Γ )の添加量は、包装材料用プロピレン系樹脂組成物(100 重量%)中に、 0〜50重量%、好ましくは 0〜25重量%、より好ましくは 0〜; 10重量% である。
[0065] 本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物には、さらに必要に応じて、通常、ォ レフイン系重合体に添加される酸化防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキ ング剤、着色剤、無機質または有機質の充填剤、種々の合成樹脂等の各種添加剤 を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。
[0066] (5)句, 材料用プロピレン ¾ 脂組成物の製造方法
本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物は、種々公知の製造方法により得ら れうる。例えば、予め得られた前記プロピレン系重合体 (Α)と前記プロピレンーェチ レン共重合体 (Β)とを前記記載の量で、必要に応じて前記重合体あるいは各種添加 剤を配合して、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリ一ミキサーな どの種々公知の装置を用いて混合する方法、あるいは混合した後、単軸押出機ある いは二軸押出機、ブラベンダー又はロール等の種々公知の混練機を使用して、 170 〜300°C、好ましくは 190〜250°Cで溶融混練する方法等が挙げられる。
[0067] また、本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物は、以下の方法で、プロピレン およびエチレン等を重合することによつても製造し得る。
[0068] 本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物を重合により製造する場合は、触媒 としてメタ口セン触媒の存在下で、次の二つの工程([工程 1]および [工程 2])を連続 的に実施してプロピレン系ブロック共重合体を製造することが好ましい。
[0069] [工程 1]は、メタ口セン触媒の存在下に、プロピレンおよび必要に応じてエチレンを 単独重合または共重合して、前記プロピレン系重合体 (A)または 23°Cにおける n— デカン可溶部(D )が 0. 5重量%以下である単独重合体または共重合体を前記範
sol
囲の量で製造する工程である。
[0070] [工程 2]は、メタ口セン触媒の存在下に、プロピレンおよびエチレンを共重合して、 前記プロピレン—エチレン共重合体(B)または 23°Cにおける n—デカン不溶部(D
insol
)が 5. 0重量%以下である共重合体を前記範囲の量で製造する工程である。
[0071] 本発明における包装材料用プロピレン系樹脂組成物は、具体的には、二つ以上の
反応器を直列に連結した重合装置を用い、前記二つの工程([工程 1]および [工程 2 ] )を連続的に実施することによって製造することが好ましい。
[0072] [工程 1]は、重合温度 0〜; 100°C、重合圧力常圧〜 5MPaゲージ圧で、プロピレン を単独重合、またはプロピレンと少量のエチレンとを共重合させる工程である。 [工程 1]では、プロピレン単独重合、またはプロピレンと少量のエチレンとを共重合させるこ とによって、 [工程 1]で製造されるプロピレン系(共)重合体が包装材料用プロピレン 系樹脂組成物中の 23°Cにおける n デカン不溶部(D )の主成分となるようにする
insol
[0073] [工程 2]は、重合温度 0〜; 100°C、重合圧力常圧〜 5MPaゲージ圧で、プロピレン とエチレンを共重合させる工程である。 [工程 2]では、プロピレンに対するエチレンの フィード量を [工程 1]のときよりも多くすることによって、 [工程 2]で製造されるプロピレ ンーエチレン共重合体が包装材料用プロピレン系樹脂組成物中の 23°Cにおける n デカン可溶部(D )の主成分となるようにする。
sol
[0074] ここで、前記 D は、実質的に包装材料用プロピレン系樹脂組成物中に含まれる
insol
プロピレン系重合体 (A)に相当する。また、前記 D は、実質的に包装材料用プロピ
sol
レン系樹脂組成物中に含まれるプロピレン エチレン共重合体 (B)に相当する。
[0075] なお、包装材料用プロピレン系樹脂組成物で、実質的にプロピレン系重合体 (A) に相当する D においてプロピレンの 2, 1-揷入結合量、 1,3-揷入結合量が多い場合
insol
、実質的にプロピレン エチレン共重合体 (B)に相当する D の組成分布が広くなり
、剛性、耐衝撃性が低下する場合がある。 2,1-揷入および 1,3-揷入とは、包装材料 用プロピレン系樹脂組成物中におけるプロピレンの位置不規則単位であり、これらを 含む部分構造は下記 (i)および (ii)で表される。
[0076] [化 1]
構造 (i)
A B C
CH3 CH3 CH3 CH3 CH3 CH3
-(CH3-CH - (CH2-CH)- (CH2- GH)— (CH- GH2)~ (CH2— CHHCH2— CH)—
および
構造 (ii)
D D
CH3 CH3 CH3 CH3
-(CH -CH)- (CH2-CH)- (CH2- CH2— CH2HCH2-CH) -(CH2-CH)-
[0077] さらに [工程 1]並びに [工程 2]での重合終了後、必要に応じて公知の触媒失活処理 工程、触媒残渣除去工程、乾燥工程等の後処理工程を行うことにより、包装材料用 プロピレン系樹脂組成物がパウダーとして得られる。
[0078] (6)メタ口セン触媒
本発明において、プロピレン系重合体 (A)、プロピレン エチレン共重合体 (B)ま たはプロピレン系樹脂組成物は、メタ口セン触媒の存在下で製造されるのが好まし!/ヽ
[0079] 本発明で用いられるメタ口セン触媒としては、メタ口セン化合物、ならびに有機金属 化合物、有機アルミニウムォキシ化合物およびメタ口セン化合物と反応してイオン対 を形成することのできる化合物から選ばれる少なくても 1種以上の化合物、さらに必 要に応じて粒子状担体とからなるメタ口セン触媒で、好ましくはァイソタクチックまたは シンジオタクチック構造等の立体規則性重合をすることのできるメタ口セン触媒を挙 げること力 Sできる。前記メタ口セン化合物の中では、本願出願人による国際出願によ つて既に公開(WO01/27124)されている架橋性メタ口セン化合物が好適に用いられ
[0080] [化 2]
• · ·〔1]
上記一般式 [I] ίこお!/、て、
R
2、 R
3、 R
4、 R
5、 R
6、 R
7、 R
8、 R
9、 R
10、 R
U、 R
12、 R
13、 R
14 は水素、炭化水素基、ケィ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよ い。このような炭化水素基としては、メチル基、ェチル基、 n-プロピル基、ァリル基、 n- ブチル基、 n-ペンチル基、 n-へキシル基、 n-ヘプチル基、 n_ォクチル基、 n_ノニル基 、 n-デカニル基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、 tert-ブチル基、アミル基 、 3-メチルペンチル基、 1 , 1-ジェチルプロピル基、 1 , 1-ジメチルブチル基、 1-メチル- 1-プロピルブチル基、 1 , 1-プロピルブチル基、 1 , 1-ジメチル -2-メチルプロピル基、 1- メチル - 1-イソプロピル- 2-メチルプロピル基などの分岐状炭化水素基;シクロペンチ ノレ基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、シクロオタチル基、ノルボルニル基、ァ ダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;フエニル基、トリル基、ナフチル基、ビフエ ニル基、フエナントリル基、アントラセニル基などの環状不飽和炭化水素基;ベンジル 基、タミル基、 1 , 1-ジフエニルェチル基、トリフエニルメチル基などの環状不飽和炭化 水素基の置換した飽和炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、フエノキシ基、フリル基、 N-メチノレアミノ基、 N,N-ジメチルァミノ基、 N-フエニルァミノ基、ピリノレ基、チェニル基 などのへテロ原子含有炭化水素基等を挙げることができる。ケィ素含有基としては、ト リメチノレシリノレ基、トリエチノレシリノレ基、ジメチルフエニルシリル基、ジフエニルメチルシ リル基、トリフエニルシリル基などを挙げることができる。また、 R
5から R
12の隣接した置
換基は互いに結合して環を形成してもよ!/、。このような置換フルォレニル基としては、 ベンゾフルォレニル基、ジベンゾフルォレニル基、ォクタヒドロジべンゾフルォレニル 口ペンタフルォレニル基などを挙げることができる。
[0082] 前記一般式 [I]において、
R
2、 R
3、 R
4は水素
、または炭素数 1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数 1〜20の炭化水素 基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくは R3が炭素数
1〜20の炭化水素基である。
[0083] 前記一般式 [I]において、フルオレン環に置換する R5から R12は炭素数 1〜20の炭化 水素基であることが好ましい。炭素数 1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素 基を例示することができる。 R5から R12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成し てもよい。
[0084] 前記一般式 [I]にお!/、て、シクロペンタジェニル環とフルォレニル環を架橋する Yは 第 14族元素であることが好ましぐより好ましくは炭素、ケィ素、ゲルマニウムでありさ らに好ましくは炭素原子である。この Yに置換する R13、 R14は炭素数 1〜20の炭化水素 基が好ましい。これらは互いに同一でも異なっていてもよぐまたは互いに結合して環 を形成してもよい。炭素数 1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示す ること力 Sできる。さらに好ましくは R14は炭素数 6〜20のァリール (aryl)基である。ァリー ル基としては、前述の環状不飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基の置換した 飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有環状不飽和炭化水素基を挙げることができる。ま た、 R13、 R14はそれぞれ同一でも異なっていてもよぐ互いに結合して環を形成しても よい。このような置換基としては、フルォレニリデン基、 10-ヒドロアントラセ二リデン基、 ジベンゾシクロヘプタジェ二リデン基などが好ましい。
[0085] 前記一般式 [I]において、 Mは好ましくは第 4族遷移金属であり、さらに好ましくは Ti 、 Zr、 Hf等が挙げられる。また、 Qはハロゲン、炭化水素基、ァニオン配位子または孤 立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。 jは 1 〜4の整数であり、 jが 2以上の時は、 Qは互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲ ンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例として
は前述と同様のものなどが挙げられる。ァニオン配位子の具体例としては、メトキシ、 t ert-ブトキシ、フエノキシなどのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエートなどのカルボ キシレート基、メシレート、トシレートなどのスルホネート基等が挙げられる。孤立電子 対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリェチルホス フィン、トリフエニルホスフィン、
ン化合物、テ トラヒドロフラン、ジェチルエーテル、ジ才キサン、 1,2-ジメトキシェタンなどのエーテ ノレ類等が挙げられる。 Qは少なくとも 1つがハロゲンまたはアルキル基であることが好 ましい。
[0086] このような架橋メタ口セン化合物としては、イソプロピリデン(3— tert ブチル 5— メチルーシクロペンタジェニル)(フルォレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデ ン(3— tert ブチルー 5—メチルーシクロペンタジェニル)(3, 6—ジ tert ブチノレ フルォレニノレ)ジルコニウムジクロリド、ジフエニルメチレン(3— tert ブチルー 5—メ チルーシクロペンタジェニル)(フルォレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフエ二ルメチ レン(3— tert ブチルー 5 メチルーシクロペンタジェニル)(2, 7 ジ tert ブチ ルフルォレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフエニルメチレン(3— tert ブチルー 5— メチルーシクロペンタジェニル)(3, 6—ジ tert ブチルフルォレニル)ジルコニウム ジクロリドが好ましく用いられる。
[0087] また、下記一般式 [II]で表されるメタ口セン化合物も好適に使用することができる。
[0088] [化 3]
[0089] 一般式 [ii]中、
R
8、 R
9、 R
1Q、 R
U、 R
12、 R
13、 R
14、 R
15、 R
16は水 素原子、炭化水素原子基、ケィ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なってい てもよく、 R
1から R
16までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。た だし R
2はァリール基ではない。なお、ここで言うァリール基とは芳香族炭化水素基に おいて共役 sp
2炭素上に遊離原子価をもつ置換基、例えばフエニル基、トリル基、ナ フチル基などを指し、ベンジル基やフエネチル基、フエ二ルジメチルシリル基などは 含まない。炭化水素基としては、メチル基、ェチル基、 n-プロピル基、ァリル基、 n-ブ チル基、 n-ペンチル基、 n-へキシル基、 n-ヘプチル基、 n_ォクチル基、 n_ノニル基、 n-デカニル基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、 tert-ブチル基、アミル基、 3 -メチルペンチル基、 1 , 1-ジェチルプロピル基、 1 , 1-ジメチルブチル基、 1-メチル -1- プロピルブチル基、 1 , 1-プロピルブチル基、 1 , 1-ジメチル -2-メチルプロピル基、 1-メ チル -1-イソプロピル- 2-メチルプロピル基などの分岐状炭化水素基;シクロペンチル 基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、シクロオタチル基、ノルボルニル基、ァダ マンチル基、メチルシクロへキシル基、メチルァダマンチル基などの環状飽和炭化水 素基;フエニル基、トリノレ基、ナフチル基、ビフエ二ル基、フエナントリノレ基、アントラセ ニル基などの環状不飽和炭化水素基;ベンジル基、タミル基、 1 , 1-ジフエニルェチル 基、トリフエニルメチル基などの環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基; メトキシ基、エトキシ基、フエノキシ基、フリル基、 N-メチルァミノ基、 N,N-ジメチルアミ ノ基、 N -フエニルァミノ基、ピリル基、チェニル基などのへテロ原子含有炭化水素基 等を挙げることカできる。ケィ素含有基としては、トリメチルシリル基、トリェチルシリノレ 基、ジメチルフエニルシリル基、ジフエニルメチルシリル基、トリフエニルシリル基などを 挙げること力 Sできる。また、フノレオレニル環の R
9から R
16の隣接した置換基は互いに結 合して環を形成してもよい。このような置換フルォレニル基としては、ベンゾフルォレ 二ノレ基、ジベンゾフルォレニル基、ォクタヒドロジべンゾフルォレニル基、オタタメチノレ ォクタヒドロジべンゾフルォレニル基、オタタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルォレ ニル基などを挙げることができる。
[0090] 前記一般式 [II]において、 R1および R3は水素原子であることが好ましい。さらに お よび R7から選ばれる少なくとも 1つは水素原子であることが好ましぐ R6および R7は共
に水素原子であることがより好ましレ、。
[0091] 前記一般式 [II]において、シクロペンタジェニル環に置換する R2はァリール基では なぐ水素原子または炭素数 1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数 1〜2 0の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。 R2としては炭化 水素基が好ましぐメチル基、ェチル基、イソプロピル基、 tert-ブチル基が好ましぐ 特に好ましくは tert-ブチル基である。
[0092] R4および R5は水素原子、炭素数 1〜20のアルキル基およびァリール基から選ばれ、 好ましくは炭素数 1〜20の炭化水素基である。 R4および R5は、メチル基およびフエ二 ル基から選ばれることがさらに好ましぐ R4と R5が同一であることが特に好ましい。
[0093] 前記一般式 [Π]において、フルオレン環上の R9、 R12、 R13および R16は水素原子である ことが好ましい。
[0094] 前記一般式 [Π]において、 Mは第 4族遷移金属であり、具体的には Ti、 Zr、 Hf等が挙 げられる。また、 Qはハロゲン原子、炭化水素原子基、ァニオン配位子、及び孤立電 子対で配位可能な中性配位子からなる群より選ばれる。 jは 1〜4の整数であり、 jが 2 以上の時は、 Qは互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲン原子の具体例として は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては前述と同様のも のを挙げること力できる。ァニオン配位子の具体例としては、メトキシ、 tert-ブトキシ、 フエノキシなどのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエートなどのカルボキシレート基、 メシレート、トシレートなどのスルホネート基、ジメチルアミド、ジイソプロピルアミド、メ チルァ二リド、ジフエニルアミド等のアミド基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能 な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリェチルホスフィン、トリフエ ニルホスフィン、ジフエニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン 、ジェチルエーテル、ジォキサン、 1,2-ジメトキシェタンなどのエーテル類等が挙げら れる。 Qは少なくとも 1つがハロゲン原子またはアルキル基であることが好ましい。
[0095] 本発明に係わる、前記一般式 [Π]で表されるメタ口セン化合物としては、 [3- (フルォ レニル) (l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'-ジ -tert- ブチルフルォレニノレ) (l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(3 ',6'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジク
口ライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレ ニル )(l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3- (フルォレニル )(1, 1,3,5-テトラメチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3_(2', 7'-ジ -tert-ブチルフルォレニル) (1, 1,3,5-テトラメチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレ ン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(3',6'-ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,1,3,5-テトラメ チル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7', ΙΟ',ΙΟ'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1,1,3,5-テトラメチル -1,2 ,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3- (フルォレニル )(1,1-ジメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジ ルコニゥムジクロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,1-ジメチル -5-tert -ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(3',6'_ジ -tert -ブチルフルォレニル )(1,1-ジメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン) ]ジルコニウムジクロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべ ンゾ [b,h]フルォレニル )(1,1-ジメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン) ]ジルコニウムジクロライド、 [3- (フルォレニル )(1,1,3-トリェチル -2-メチル 5-tert-ブチ ル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'-ジ -tert-ブチ ルフルォレニル) (1, 1,3-トリェチル -2-メチル 5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペン タレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3-(3',6'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,1,3-トリェチル -2-メチル 5-tert-ブチル -1 ,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10' -ォクタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1, 1,3-トリェチル -2-メチル 5-ter t-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3- (フルォレニ ル )(1,3-ジメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロ ライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,3-ジメチル -5-tert-ブチル -1,2,3,3 a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(3',6'_ジ -tert-ブチルフルォレ ニル )(1,3-ジメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジク 口ライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレ ニル )(1,3-ジメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジク
口ライド、
[3- (フルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-ェチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジル コニゥムジクロライド、 [3-(2',7'-ジ -tert-ブチルフルォレニル) (1, 1,3-トリメチル -5-ェ チル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(3',6'_ジ -tert-ブ チルフルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-ェチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジル コユウムジクロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b, h]フルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-ェチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコ 二ゥムジクロライド、 [3- (フルォレニル) (1, 1,3-トリメチル -5-トリメチルシリル- l,2,3,3a- テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニ ノレ )(1,1,3-トリメチル -5-トリメチルシリル- l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウム ジクロライド、 [3-(3',6'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-トリメチルシ リル- l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1, 1,3-トリメチル -5-トリメチルシリル- l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロ ライド、 [3- (フルォレニル )(3-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)] ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル) (3-メチル -5-tert- ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(3',6'_ジ -tert- ブチルフルォレニル )(3-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジル コユウムジクロライド、
[3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(3- メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3- (フルォレニル )(1-フエニル -3-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン) ]ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1-フエニル -3-メ チル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3_(3 ',6'-ジ -tert-ブチルフルォレニル) (1-フエニル -3-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テ トラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1- フエニル -3-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジク
口ライド、 [3- (フルォレニル )(l-p-トリル- 3-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒド 口ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル) (1-p- トリル- 3-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロラ イド、 [3-(3',6'-ジ -tert-ブチルフルォレニル )(l-p-トリル- 3-メチル -5-tert-ブチル -1, 2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'- オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル) (1-p-トリル- 3-メチル -5-tert-ブ チル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3- (フルォレニル )(1,3-ジフエニル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)] ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,3-ジフエニル -5- tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3_(3',6'-ジ- tert-ブチルフルォレニル)(1,3-ジフエニル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペン タレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒド ロジベンゾ [b,h]フルォレニル )(1,3-ジフエニル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロぺ ンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3- (フルォレニル )(1,3-ジフエニル -1-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロぺ ンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,3-ジフ ェニル -1-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロ ライド、 [3-(3',6'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,3-ジフエニル -1-メチル -5-tert-ブ チル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1, 3-ジフエニル -1-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコユウ ムジクロライド、 [3- (フルォレニル )(1,3-ジ(p-トリル) -1-メチル -5-tert-ブチル -1,2,3,3 a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレ ニル )(1,3-ジ(p-トリル) -1-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジ ルコニゥムジクロライド、 [3-(3',6'-ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,3-ジ(p-トリル) -1- メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1, 3-ジ(p-トリル) -1-メチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコユウ
ムジクロライド、 [3- (フルォレニル )(3-フエニル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロぺ ンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(3-フエ二 ル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3_(3', 6'-ジ -tert-ブチルフルォレニル) (3-フエニル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロぺ ンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(3- フエニル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [ 3- (フルォレニル )(1-メチル -3-フエニル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレ ン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1-メチル -3-フ ェニル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3-(3',6'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1-メチル -3-フエニル -5-tert-ブチル -1,2,3 ,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-ォ クタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1-メチル -3-フエニル -5-tert-ブチ ル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3- (フルォレニル )(1,1- ジメチル -3-フエニル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジ クロライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,1-ジメチル -3-フエニル -5-tert- ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[3-(3',6'_ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,1-ジメチル -3-フエニル -5-tert-ブチル -1 ,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10' -ォクタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1,1-ジメチル -3-フエニル -5-ter t-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3- (フルォレニ ノレ) (1, 1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ハフニウムジク 口ライド、 [3-(2',7'_ジ -tert-ブチルフルォレニル) (1, 1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -1,2 ,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ハフニウムジクロライド、
[3-(3',6'-ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a- テトラヒドロペンタレン)]ハフニウムジクロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチ ノレオクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a- テトラヒドロペンタレン)]ハフニウムジクロライド、 [3- (フルォレニル) (1, 1,3-トリメチル -5-
tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]チタニウムジクロライド、 [3_(2',7'-ジ _te rt-ブチルフルォレニル) (1,1,3-トリメチル-5-16 -ブチル-1,2,3,3&-テトラヒドロぺンタ レン)]チタニウムジクロライド、
[3-(3',6'-ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a- テトラヒドロペンタレン)]チタニウムジクロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチ ノレオクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a- テトラヒドロペンタレン)]チタニウムジクロライド、特に好ましい化合物としては、 [3- (フ ノレオレニル )(1,1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコ ユウムジクロライド、
[3-(2',7'-ジ -tert-ブチルフルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a- テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、 [3-(3',6'_ジ -tert-ブチルフルォレニ ノレ) (1, 1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジ クロライド、 [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォ レニル) (1, 1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコユウ ムジクロライドを f列示すること力 Sできる。
[0096] ただし、本発明のメタ口セン化合物 [m]は、上記例示化合物に何ら限定されるもので はなぐ本願請求の範囲で定義された要件を満たす全ての化合物を包含するもので ある。なお、上記化合物の命名に用いた位置番号を [3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オタ タメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -1,2, 3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、および [3-(2',7'-ジ -tert-ブチ ノレフルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジ ルコニゥムジクロライドを例にとりそれぞれ下式 [Ι ]及び式 [Ι ']に示す。
[0097] [化 4]
[0099] なお、本発明に係わるメタ口セン触媒において、前記一般式 [Ι]、 [Π]で表わされる 第 4族遷移金属化合物とともに用いられる、有機金属化合物、有機アルミニウムォキ シ化合物、および遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれ る少なくとも 1種の化合物、さらには必要に応じて用いられる粒子状担体については、 本出願人による前記公報 (WO01/27124)または特開平 11-315109号公報中に開示 された化合物を制限無く使用することができる。
[0100] (7)シートまたはフィルム
本発明のシートまたはフィルムは、本発明の前記包装材料用プロピレン系樹脂組 成物から得られるシートまたはフィルムである。
[0101] 力、かるシートまたはフィルムは、包装材料用プロピレン系樹脂組成物を用い、種々 公知の成形方法、例えば、押出し機の先端に τ ダイあるいはサーキユラ一ダイを備
えたフィルム成形機で製造し得る。
[0102] 本発明のシートまたはフィルムの厚さは、用途に応じて種々決め得る力 通常、 10 〜 、好ましくは 10〜200 の範囲にある。本発明のフィルムは、比較的 薄レ、フィルムとしても低温での耐衝撃性に優れて!/、る。
[0103] 本発明のシートまたはフィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよいが、未 延伸フィルムが好ましい。
[0104] 本発明のシートまたはフィルムは単層でもレトルト用フィルム等の包装材料として使 用し得るが、延伸または未延伸ポリアミドフィルム、一軸または二軸延伸ポリエステル フィルム、アルミニウム箔または紙等とラミネートすることにより、複層のレトルト用フィ ルムとして用いること力 Sできる。また、単層および多層のプロテクトフィルムとすることに より、光学シートや金属の表面保護材料として使用することができる。さらに、医療用 包装材料または鮮度保持包装用材料として使用することもできる。特に鮮度保持包 装用材料としては、第 2の態様の包装材料用プロピレン系樹脂組成物が好適である
〇
実施例
[0105] 次に本発明を実施例に基づき詳細に説明する力 本発明はかかる実施例に限定さ れるものではな!/、。本発明にお!/、て採用した分析方法は以下の通りである。
[0106] [ml] MFR (メルトフローレート)
MFRは、 ASTM D1238 (230°C、荷重 2.16kg)に従って測定した。
[0107] [m2]融点(Tm)
示差走査熱量計 (DSC、パーキンエルマ一社製)を用いて測定を行った。ここで、第 3st印における吸熱ピークを融点(Tm)と定義した。
[0108] (測定条件)
第 lstep : 10°C/minで 240°Cまで昇温し、 lOmin間保持する。
[0109] 第2 step : 10°C/minで 60°Cまで降温する。
[0110] 第 3step : 10°C/minで 240°Cまで昇温する。
[0111] 極限粘度「π Ί
デカリン溶媒を用いて、 135°Cで測定した。サンプル約 20mgをデカリン 15mlに溶解
し、 135°Cのオイルバス中で比粘度 ] spを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒 を 5ml追加して希釈後、同様にして比粘度 7] spを測定した。この希釈操作をさらに 2回 繰り返し、濃度(C)を 0に外揷した時の η sp/Cの値を極限粘度として求めた。
[0112] [ 7] ] = lim ( 7] sp/C) (C→0)
[m4] Mw/Mn測定「重量平均分子量 (Mw)、数平均分子量 (Mn)〕
ウォーターズ社製 GPC-150C Plusを用い以下の様にして測定した。分離カラムは、 TS gel GMH6-HT及び TSK gel GMH6-HTLであり、カラムサイズはそれぞれ内径 7· 5mm、長さ 600mmであり、カラム温度は 140°Cとし、移動相には o_ジクロロベンゼン(和 光純薬工業)および酸化防止剤として BHT (和光純薬工業) 0.025重量 %を用い、 1.0 ml/分で移動させ、試料濃度は 0.1重量%とし、試料注入量は 500マイクロリットルとし、 検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量が Mwく 1000および M w〉4 X 106につ!/、ては東ソ一社製を用い、 1000≤Mw≤4 X 106につ!/、てはプレツシャ 一ケミカル社製を用い、汎用較正法を用いて PPに換算した。なお、 PS、 PPの Mark- Houwink係数はそれぞれ、文献(J. Polym. Sci., Part A_2, 8, 1803 (1970)、 Makromol • Chem., 177, 213 (1976))に記載の値を用いた。
Γιηδΐ 23°Cにおける η-デカン可溶部量(D
sol 1
最終生成物(すなわち、本発明に用いられるプロピレン系樹脂組成物)のサンプル 5gに n-デカン 200mlを加え、 145°Cで 30分間加熱溶解した。約 3時間かけて、 23°Cま で冷却させ、 30分間放置した。その後、析出物(以下、 23°Cにおける n-デカン不溶 部: D )をろ別した。ろ液を約 3倍量のアセトン中入れ、 n-デカン中に溶解していた insol
成分を析出させた。析出物 (A)とアセトンをろ別し、析出物を乾燥した。なお、ろ液側 を濃縮乾固しても残渣は認められな力 た。 23°Cにおける n-デカン可溶部量は、以 下の式によって求めた。
[0113] 23°Cにおける n-デカン可溶部量 (重量 %)= [析出物 (A)重量/サンプル重量] X 100
[m6]エチレンに由来する構成単位の含量
プロピレン エチレン共重合体(B)および D
insol、D 中のエチレンに由来する構成 sol
単位の濃度を測定するために、サンプル 20〜30mgを 1,2,4 トリクロ口ベンゼン/重べ ンゼン (2: 1)溶液 0.6mlに溶解後、炭素核磁気共鳴分析(13C_NMR)を行った。プロピ
レン、エチレン、 α_ォレフィンの定量はダイアツド連鎖分布より求めた。例えば、プロ ピレン—エチレン共重合体の場合、 PP=S a a、 EP=S α γ +S α /3 , EE=1/2(S β δ + S 6 6)+l/4Sy δを用い、以下の計算式 (Eq-1)および (Eq-2)により求めた。
[0114] プ口ピレン (mol%) = (PP+1/2EP) X 100/[(PP+1/2EP)+(1/2EP+EE)•••(Eq-1)
エチレン (mol%) = (1/2EP+EE) X 100/[(PP+1/2EP)+(1/2EP+EE) · --(Eq-2) なお、本実施例における D のエチレン量および α -ォレフイン量の単位は、重量%
insol
に換算して表記した。
[0115] [m7] 2,1-揷入結合量、 1,3-揷入結合量
サンプル 20〜30mgを 1,2,4 トリクロ口ベンゼン/重ベンゼン (2:1)溶液 0.6mlに溶解 後、炭素核磁気共鳴分析(13C_NMR)を行った。 2,1-揷入で形成されたモノマーは、 ポリマー鎖中において前記の部分構造 (i)で表される位置不規則単位を形成する。全 プロピレン揷入に対する 2,1-プロピレンモノマー揷入量は、下記の式で計算した。
[0116] [数 1]
2.1 -揷入に づく位 S不規則単位 - 0.5X [メチルき (16.5-17.5PPm D面稹]
の割合 (%) X10°
∑ICH3 Ηϊαδ*Ιβ T)/4
[0117] 二の式において、∑ICHは全メチル基の面積を示す。また、 Ια δおよび 1/3 γはそ
3
れぞれ α /3ピーク(37.1ppm付近で共鳴)の面積、 β γピーク(27.3ppm付近で共鳴) の面積を示す。なお、これらメチレンピークの命名は、 Carmanらの方法(Rubber Che m. Technol.,M(1971),781)に従った。
[0118] 同様に、全プロピレン揷入に対する前記の部分構造 (ii)で表される 1,3- ノマー揷入量は、下記の式で計算した。
[0119] [数 2]
の割合 (¾) ズ 100
∑ICH¾ +(1 3+ΐΡτ〉/4
[0120] [m8] 密度
エチレン α—ォレフイン共重合体の密度の測定は測定サンプルを 120°Cで 1時 間熱処理し、 1時間かけて直線的に室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定した
[0121] [m9]フイノレムの剛 I十生
JIS 6781に準じてフィルムのヤング率を測定し、剛性を評価した。
[0122] <試験条件〉
温度: 23°C
引張速度: 200mm/min
チャック間距離: 80mm
[mlO]フィルムの耐衝撃性
フィルムを 5cm X 5cmにサンプリングし、所定温度下でインパクトテスター(下から上 へハンマーを突きあげる方式)で面衝撃強度を測定し、耐衝撃性を評価した。
[0123] <試験条件〉
温度: -io°c
ハンマー:先端 1インチ、 荷重 3.0J
[mi l]フィルムのヘイズ (HAZE)
ASTM D-1003に準拠して測定した。
[0124] [ml 2]フィルムの耐ブロッキング件
MD方向 lOcm X TD方向 10cmのフィルムのチルロール面どうしを重ね合わせ、 5 0°Cの恒温槽に 200g/cm2の荷重下で 3日間保持する。その後、 23°C、湿度 50%の 室内にて 24時間以上状態調節した後、引張速度 200mm/minで剥離させたときの 剥離強度を測定し、剥離強度を試験片幅で割った値をブロッキング係数とし、耐ブロ ッキング性を評価した。ここで、ブロッキング係数が小さいほど、耐ブロッキング性に優 れる。
[0125] [ml 3]フィルムのヒートシール強度
フィルムを 5mm幅にサンプリングし、ヒートシール時間 1秒、ヒートシール圧力 0.2MPa でシールした。シールしたフィルムの両端を 300mm/minで引張り、剥離する最大強度 を測定した。なお、シールバーの上部を 200°Cの指定温度に設定し、下部の温度を 7 o°cとした。
[0126] [ml 4]フィルムのガス诱渦性
(株)東洋精機製作所製 ガス透過率測定装置 MT— C3型を用い、 JIS K7126 の A法に準拠して、 23°C、 0%RHの条件にて測定した。
[0127] [ml 5]弾性率の温度依存性
耐熱性の指標として、以下の条件に従って、弾性率の温度依存性を測定した。具 体的には、ペレットをプレス成形で成形品を作成し、固体粘弾性測定装置で温度分 散測定を行った。
測定装置 : RSA-II (TA製)
測定モード :引張モード(Autotension, Autostrain制卸)
測定温度 : _80〜150°C (測定可能な温度まで)
昇温速度 : 3。し/ mm
試料サイズ :幅 5mm X厚さ 0.4mm
初期 Gap(L ) : 21.5mm
0
雰囲気 : N
〔製造例 la〕プロピレン系ブロック共重合体(C2— la)の製造
(1)固体触媒担体の製造
1L枝付フラスコに SiO 300gをサンプリングし、トルエン 800mLを入れ、スラリー化 した後、 5L4つ口フラスコへ移液をし、トノレエン 260mLをカロえた。メチルアルミノキサ ン(以下、 MAO)のトルエン溶液(10重量%溶液)を 2830mL加え、室温下で 30分 間攪拌した。 1時間かけて 110°Cまで昇温し、 4時間反応させた。反応終了後、室温 まで降温した。冷却後、上澄みトルエン液を除去し、再びトルエンを加え、置換率が 9 5%になるまで、置換を行った。
[0129] (2)固体触媒の製造 (担体への金属触媒成分の担持)
グローブボックス内にて、 5Lの 4つ口フラスコに [3-( ,1 ',4',4',7',7',10',10' -ォ クタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル) (1,1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -1, 2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライドを 2· Og秤取った。フラスコを 外へ出し、トルエン 0· 46リットルと(1)で調製した MAO/SiO /トルエンスラリー 1 · 4 リットルを窒素下で加え、 30分間攪拌し担持を行った。得られた [3_(1 ',1 ',4',4',7',7 ,,10 ',10' -オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1, 1,3-トリメチル -5-te
rt-ブチル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド/ MAO/SiO /トルエンスラリーは n-ヘプタンにて 99%置換を行い、最終的なスラリー量を 4· 5リツ トルとした。この操作は、室温で行った。
[0130] (3)前重合触媒の製造
前記 (2)で調製した固体触媒成分 404g、トリェチルアルミニウム 218mL、ヘプタン 1 00Lを内容量 200Lの攪拌機付きオートクレーブに揷入し、内温 15〜20°Cに保ちェ チレンを 1212g揷入し、 180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分 を沈降させ、上澄み液を除去し、ヘプタンで 2回洗浄した。得られた前重合触媒を精 製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で 4g/Lとなるよう、ヘプタンにより調 整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分 lg当りポリエチレンを 3g含んでいた。
[0131] (4)本重合
内容量 58Lの管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、前記( 3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 3. 5g/時間、トリェチルアルミユウ ム 2. 3ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合を行な つた。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0132] 得られたスラリーを内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合を 行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 2mol%になるよ うに重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0133] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの挟み込み管に移送し、ガス化させ、気固分離を 行った後、 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、ェチレ ン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン / ( エチレン +プロピレン) =0. 52 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル比)になるように 、プロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧力 1. IMPa /Gで重合を行った。
[0134] 得られたプロピレン系ブロック共重合体を、 80°Cで真空乾燥した。
[0135] 〔製造例 2a〕プロピレン系ブロック共重合体(C2— 2a)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 laと同様の方法で包装材料用プロ ピレン系樹脂組成物を製造した。
[0136] (1)本重合
内容量 58Lの管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 1NL/時間、製造 例 la(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 6. 2g/時間、トリェチルアルミ ユウム 2. 3ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した 。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0137] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を 行った。重合器へは、プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 09 mol%になるように供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0138] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの挟み込み管に移送し、ガス化させ、気固分離を 行った後、 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、ェチレ ン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン / ( エチレン +プロピレン) =0. 10 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル比)になるように プロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧力 1. IMPa/ Gで重合を行った。
[0139] 得られたプロピレン系ブロック共重合体を、 80°Cで真空乾燥した。
[0140] 〔製造例 3a〕プロピレン系ブロック共重合体(C2— 3a)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 laと同様の方法でプロピレン系プロ ック共重合体を製造した。
[0141] (1)本重合
内容量 58Lの管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 1NL/時間、製造 例 la(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 6. 2g/時間、トリェチルアルミ ユウム 2. 3ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した 。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0142] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を 行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 09mol%になる ように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0143] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの挟み込み管に移送し、ガス化させ、気固分離を 行った後、 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、ェチレ
ン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン / ( エチレン +プロピレン) =0. 10 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル比)になるように プロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧力 0. 9MPa/ Gで重合を行った。
[0144] 得られたプロピレン系ブロック共重合体を、 80°Cで真空乾燥した。
[0145] 〔製造例 4a〕プロピレン系ブロック共重合体(C2— 4a)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 laと同様の方法でプロピレン系プロ ック共重合体を製造した。
[0146] (1)本重合
内容量 58Lの管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 1NL/時間、製造 例 la(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 6. 2g/時間、トリェチルアルミ ユウム 2. 3ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した 。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0147] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を 行った。重合器へは、プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 09 mol%になるように供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0148] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの挟み込み管に移送し、ガス化させ、気固分離を 行った後、 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、ェチレ ン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン / ( エチレン +プロピレン) =0. 20 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル比)になるように プロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧力 1. OMPa/ Gで重合を行った。
[0149] 得られたプロピレン系ブロック共重合体を、 80°Cで真空乾燥した。
[0150] 〔製造例 5a〕プロピレン系ブロック共重合体(C2— 5a)の製造
製造例 1 a ( 1 )で製造した固体触媒担体を用レ、、以下の方法によりプロピレン系プロ ック共重合体を製造した。
[0151] (1)固体触媒の製造 (担体への金属触媒成分の担持)
グローブボックス内にて、 5Lの 4つ口フラスコにジフエニルメチレン(3— t ブチル
5 メチルシクロペンタジェニル)(2,7— t ブチルフルォレニル)ジルコニウムジク 口リドを 2. Og秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン 0· 46リットルと(1)で調製した MAO/SiO /トルエンスラリー 1. 4リットルを窒素下で加え、 30分間攪拌し担持を行 つた。得られたジフエニルメチレン(3— t ブチルー 5—メチルシクロペンタジェニル) (2,7— t ブチルフルォレニル)ジルコニウムジクロリド/ MAO/SiO /トノレエンスラ リーは n-ヘプタンにて 99%置換を行い、最終的なスラリー量を 4· 5リットノレとした。こ の操作は、室温で行った。
[0152] (2)前重合触媒の製造
前記 (1)で調製した固体触媒成分 404g、トリェチルアルミニウム 218mL、ヘプタン 1 00Lを内容量 200Lの攪拌機付きオートクレーブに揷入し、内温 15〜20°Cに保ちェ チレンを 606g揷入し、 180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を 沈降させ、上澄み液を除去し、ヘプタンで 2回洗浄した。得られた前重合触媒を精製 ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で 4g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整 を行った。この前重合触媒は固体触媒成分 lg当りポリエチレンを 3g含んでいた。
[0153] (3)本重合
内容量 58Lの管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 1NL/時間、前記( 2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 10. 0g/時間、トリェチルアルミユウ ム 2. 3ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合を行な つた。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0154] 得られたスラリーを内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合を 行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 05mol%になる ように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0155] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの挟み込み管に移送し、ガス化させ、気固分離を 行った後、 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、ェチレ ン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン / ( エチレン +プロピレン) =0. 10 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル比)になるように プロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧力 1. IMPa/ Gで重合を行った。
[0156] 得られたプロピレン系ブロック共重合体を、 80°Cで真空乾燥した。
[0157] 〔製造例 6a〕プロピレン系ブロック共重合体(C2— 6a)の製造
製造例 la(l)で製造した固体触媒担体を用い、以下の方法によりプロピレン系プロ ック共重合体を製造した。
[0158] (1)固体触媒の製造 (担体への金属触媒成分の担持)
グローブボックス内にて、 5Lの 4つ口フラスコにジメチルシリレンビス- (2-メチル -4- フエニルインデュル)ジルコニウムジクロリドを 2· Og秤取った。フラスコを外へ出し、ト ルェン 0· 46リットルと (1)で調製した MAO/SiO /トルエンスラリー 1 · 4リットルを窒素 下で加え、 30分間攪拌し担持を行った。得られたジメチルシリレンビス _ (2-メチル -4 -フエニルインデニノレ)ジルコニウムジクロリド/ MAO/SiO /トノレエンスラリーは n- ヘプタンにて 99%置換を行い、最終的なスラリー量を 4· 5リットルとした。この操作は 、室温で行った。
[0159] (2)前重合触媒の製造
前記 (1)で調製した固体触媒成分 202g、トリェチルアルミニウム 109mL、ヘプタン 1 00Lを内容量 200Lの攪拌機付きオートクレーブに揷入し、内温 15〜20°Cに保ちェ チレンを 606g揷入し、 180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を 沈降させ、上澄み液を除去し、ヘプタンで 2回洗浄した。得られた前重合触媒を精製 ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で 2g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整 を行った。この前重合触媒は固体触媒成分 lg当りポリエチレンを 3g含んでいた。
[0160] (3)本重合
内容量 58Lの管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、前記( 2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 1. 2g/時間、トリェチルアルミユウ ム 2. 3ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管 状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3· IMPa/Gであった。
[0161] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 14mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0162] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの挟み込み管に移送し、ガス化させ、気固分離を
行った後、 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、ェチレ ン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン / ( エチレン +プロピレン) =0. 45 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル比)になるように プロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧力 0. 7MPa/ Gで重合を行った。
[0163] 得られたプロピレン系ブロック共重合体を、 80°Cで真空乾燥した。
〔製造例 7a〕プロピレン系重合体 (A— la)の製造
製造例 la(l)で製造した固体触媒担体を用い、以下の方法によりプロピレン系重合 体を製造した。
[0164] (1)固体触媒の製造 (担体への金属触媒成分の担持)
グローブボックス内にて、 5Lの 4つ口フラスコにジメチルメチレン(3-tert-ブチル -5- メチルシクロペンタジェニル)(3,6-ジ -tert-ブチルフルォレニル)ジルコニウムジクロ ライドを 2· Og秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン 0· 46リットルと(1)で調製した MAO/SiO /トルエンスラリー 1. 4リットルを窒素下で加え、 30分間攪拌し担持を行 つた。得られたジメチルメチレン(3-tert-ブチル -5-メチルシクロペンタジェニル)(3,6 -ジ -tert-ブチルフルォレニル)ジルコニウムジクロライド/ MAO/SiO /トルエンス ラリーは n-ヘプタンにて 99%置換を行い、最終的なスラリー量を 4. 5リットルとした。 この操作は、室温で行った。
[0165] (2)前重合触媒の製造
前記 (1)で調製した固体触媒成分 202g、トリェチルアルミニウム 109mL、ヘプタン 1 00Lを内容量 200Lの攪拌機付きオートクレーブに揷入し、内温 15〜20°Cに保ちェ チレンを 606g揷入し、 180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を 沈降させ、上澄み液を除去し、ヘプタンで 2回洗浄した。得られた前重合触媒を精製 ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で 2g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整 を行った。この前重合触媒は固体触媒成分 lg当りポリエチレンを 3g含んでいた。
[0166] (3)本重合
内容量 58Lの管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 3NL/時間、前記( 2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 8. 0g/時間、トリェチルアルミユウ
ム 5. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合を行な つた。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0167] 得られたスラリーを内容量 1000Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合 を fiつた。プロピレンを 160kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 07mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0168] 得られたスラリーは内容量 500Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を 行った。重合器へは、プロピレンを 16kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 07 mol%になるように供給した。重合温度 69°C、圧力 2. 9MPa/Gで重合を行った。
[0169] 得られたスラリーは内容量 500Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 12kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 07mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 68°C、圧力 2. 9MPa/Gで重合を行った。
[0170] 得られたスラリーは内容量 500Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、重合を行つ た。重合器へは、プロピレンを 17kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 07mol %になるように供給した。重合温度 67°C、圧力 2. 8MPa/Gで重合を行った。
[0171] 得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン系重合体を得た。得られた プロピレン系重合体を、 80°Cで真空乾燥した。
[0172] 〔製造例 8a〕プロピレン系重合体 (A— 2a)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 5aと同様の方法でプロピレン系重合 体を製造した。
[0173] (1)本重合
内容量 58Lの管状重合器にプロピレンを 57kg/時間、水素を 4NL/時間、前重 合で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 7. lg/時間、トリェチルアルミユウ ム 4. OmL/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。 管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 2. 6MPa/Gであった。
[0174] 得られたスラリーを内容量 1000Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。重合器へは、プロピレンを 50kg/時間、エチレンを 1. 7kg/時間、水素 を気相部の水素濃度が 0. 16mol%になるように供給した。重合温度 60°C、圧力 2. 5MPa/Gで重合を行った。
[0175] 得られたスラリーは内容量 500Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を fiつた。プロピレンを 11kg/時間、エチレンを 1. 2kg/時間、水素を気相部の水 素濃度が 0. 16mol%になるように重合器へ供給した。重合温度 59°C、圧力 2. 4M Pa/Gで重合を行った。
[0176] 得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン系重合体を得た。得られた プロピレン系重合体を、 80°Cで真空乾燥した。
[0177] 〔製造例 9a〕プロピレン エチレン共重合体(B— la)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 5aと同様の方法でプロピレンーェチ レン共重合体を製造した。
[0178] (1)本重合
充分に窒素置換し、 10°Cにした内容量 30Lの SUS製オートクレーブに液体プロピ レン 9kgを装入し、エチレンを分圧として 0. 5MPa装入した。充分に撹拌しながら 45 °Cまで加温し、触媒揷入用ポットから、固体触媒成分として 0. 6g/ヘプタン 300ml とトリェチルアルミニウム 0. 5mlの混合溶液を窒素でオートクレーブに加圧挿入した 。 60°Cで、 20分間重合を行った後、メタノールを添加し重合を停止した。重合終了 後、プロピレンをパージし、充分窒素置換をし、ポリマーを分別した。得られたプロピ レン—エチレン共重合体を、 80°Cで真空乾燥した。
[0179] 〔製造例 10a〕プロピレン エチレン共重合体(B— 2a)の製造
(1)固体状チタン触媒成分の調製
無水塩化マグネシウム 952g、デカン 4420mlおよび 2—ェチルへキシルアルコー ノレ 3906gを、 130°Cで 2時間加熱して均一溶液とした。この溶液中に無水フタル酸 2 13gを添加し、 130°Cにてさらに 1時間攪拌混合を行って無水フタル酸を溶解させた
〇
[0180] このようにして得られた均一溶液を 23°Cまで冷却した後、その溶液の 750mlを、 - 20°Cに保持された四塩化チタン 2000ml中に 1時間かけて滴下した。滴下後、得ら れた混合液の温度を 4時間かけて 110°Cまで昇温し、 110°Cに達したところでフタノレ 酸ジイソブチル (DIBP) 52. 2gを添加し、さらに 2時間攪拌しながら同温度に保持し た。次いで熱時濾過にて固体部を採取し、この固体部を 2750mlの四塩化チタンに
再懸濁させた後、再び 110°Cで 2時間加熱した。
[0181] 加熱終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、 110°Cのデカンおよびへキサンを 用いて、洗浄液中にチタン化合物が検出されなくなるまで洗浄した。
[0182] 上記の調製された固体状チタン触媒成分はへキサンスラリーとして保存されるが、 このうち一部を乾燥して触媒組成を調べた。固体状チタン触媒成分は、チタンを 2重 量%、塩素を 57重量%、マグネシウムを 21重量%および DIBPを 20重量%の量で 含有していた。
[0183] (2)前重合触媒の製造
遷移金属触媒成分 56g、トリェチルアルミニウム 9. 8mL、ヘプタン 80Lを内容量 2 00Lの攪拌機付きオートクレーブに揷入し、内温 5°Cに保ちプロピレンを 560g揷入し 60分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の 除去し、ヘプタンで 2回洗浄した。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して 、遷移金属触媒成分濃度で 1. Og/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この 前重合触媒は遷移金属触媒成分 lg当りポリプロピレンを 10g含んでいた。
[0184] (3)本重合
充分に窒素置換した内容量 30Lの SUS製オートクレーブに液体プロピレン 9kgを 装入し、充分に撹拌しながら 45°Cまで加温した。エチレンを分圧として 0. 15MPa 水素 20NLを装入した。触媒揷入用ポットから、固体触媒成分として 0. 2g/ヘプタン 200mlとトリエチノレアノレミニゥム 2. Omlとジシクロペンチノレジメトキシシラン 0. 4mlの 混合溶液を窒素でオートクレープに加圧挿入した。 50°Cで、 15分間重合を行った後 、メタノールを添加し重合を停止した。重合終了後、プロピレンをパージし、充分窒素 置換をし、ポリマーを分別した。 80°Cで真空乾燥した。得られたプロピレン—ェチレ ン共重合体(B— 2a)のエチレン量は 20mol%、極限粘度 [ ]は 2· ldl/gであった
[0185] [実施例 la]
製造例 laで製造されたプロピレン系ブロック共重合体(C2-la) 100重量部に対して 、熱安定剤 IRGANOX1010 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケイミカルス、、株式会社製) 0.1重 量部、熱安定剤 IRGAFOS168 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケイミカルス、、株式会社製) 0.1
重量部、ステアリン酸カルシウム 0. 1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 50 5 (富士シリシァ化学株式会社製) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後、二軸押出機に て溶融混練してペレット状の包装材料用プロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダイ押 出機 [品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを製膜し た。フィルムの物性を表 2に示す。
[0186] <溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιη Φ Τダイ押出機 : 品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 4.5m/min程度
フィルム厚さ : 70 m
[実施例 2a]
実施例 l aにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2- la) 100重量部を製造例 2a で製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-2a) 100重量部に代えた以外は同様 にしてキャストフィルムを製膜した。得られたフィルムの物性を表 2に示す。
[0187] [実施例 3a]
製造例 3aで製造されたプロピレン系ブロック共重合体(C2-3a) 95重量部とエチレン オタテン共重合体 (D- la) (エンゲージ 8003(登録商標):デュポンダウエラストマ一株 式会社製、密度 =0.885(gん m3)) 5重量部とを合わせて 100重量部に対して、熱安定剤 IRGANOX 1010 (チノ、、、 'スへ。シャリティ'ケイミカルス、、株式会社製) 0. 1重量部、熱安 定剤 IRGAFOS 168 (チノ、、、 'スへ。シャリティ'ケイミカルス、、株式会社製) 0. 1重量部、ス テアリン酸カルシウム 0. 1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 505 (富士シリ シァ化学株式会社製) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後、二軸押出機にて溶融混
練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダイ押出機 [品番 GT-25A、 ( 株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを製膜した。フィルムの物性を表 2に示す。
[0188] <溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιη Φ Τダイ押出機 : 品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 4.5m/min程度
フィルム厚さ : 70 m
[実施例 4a]
実施例 3aにお!/、て、エチレン オタテン共重合体 (D- la) (エンゲージ 8003(登録商 標):デュポンダウエラストマ一株式会社製、密度 =0.885(gん m3)) 5重量部を、エチレン オタテン共重合体 (D-2a) (エンゲージ 8480 (登録商標):デュポンダウエラストマ一 株式会社製、密度 =0.902(gん m3)) 5重量部に代えた以外は同様にしてキャストフィル ムを製膜した。得られたフィルムの物性を表 2に示す。
[0189] [実施例 5a]
実施例 3aにお!/、て、エチレン オタテン共重合体 (D- la) (エンゲージ 8003(登録商 標):デュポンダウエラストマ一株式会社製、密度 =0.885(gん m3)) 5重量部を、エチレン オタテン共重合体 (D-3a) (エンゲージ 8100(登録商標):デュポンダウエラストマ一株 式会社製、密度 =0.870(gん m3)) 5重量部に代えた以外は同様にしてキャストフィルム を製膜した。得られたフィルムの物性を表 2に示す。
[0190] [実施例 6a]
実施例 l aにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2- la) 100重量部を製造例 5a
で製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-5a) 100重量部に代えた以外は同様 にしてキャストフィルムを製膜した。得られたフィルムの物性を表 2に示す。
[0191] [実施例 7a]
製造例 7aで製造されたプロピレン系重合体 (A- la) 80重量部と製造例 9aで製造さ れたプロピレン エチレン共重合体 (B- la)20重量部とを合わせて 100重量部に対し て、熱安定剤 IRGANOX 1010 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケイミカルス、、株式会社製) 0. 1 重量部、熱安定剤 IRGAFOS 168 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケイミカルス、、株式会社製) 0 . 1重量部、ステアリン酸カルシウム 0. 1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 505 (富士シリシァ化学株式会社製) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後、二軸押出機 にて溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダイ押出機 [品 番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを製膜した。フィル ムの物性を表 2に示す。
[0192] <溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιη Φ Τダイ押出機 : 品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 4.5m/min程度
フィルム厚さ : 70 m
[実施例 8a]
実施例 7aにおいて、プロピレン系重合体 (A- la)80重量部を、チーグラーナッタ触媒 系で製造されたプロピレン単独重合体 (A-3a) (F 102W :プライムポリマー株式会社 製) 80重量部に代えた以外は同様にしてキャストフィルムを製膜した。得られたフィル ムの物性を表 2に示す。
[0193] 〔比較例 la〕
実施例 7aにおいて、プロピレン エチレン共重合体 (B-la)20重量部を、製造例 8a で製造されたプロピレン系重合体 (A-2a)20重量部に代えた以外は同様にしてキャス トフイルムを製膜した。得られたフィルムの物性を表 2に示す。
[0194] 〔比較例 2a〕
実施例 laにおいて、プロピレン系ブロック共重合体 (C2-la)100重量部を、製造例 4 aで製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-4a)100重量部に代えた以外は同 様にしてキャストフィルムを製膜した。得られたフィルムの物性を表 2に示す。
[0195] 〔比較例 3a〕
実施例 laにおいて、プロピレン系ブロック共重合体 (C2-la)100重量部を、製造例 6 aで製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-6a)100重量部に代えた以外は同 様にしてキャストフィルムを製膜した。得られたフィルムの物性を表 2に示す。
[0196] 〔比較例 4a〕
プロピレン系重合体 (A-3a) (F102W:プライムポリマー株式会社製) 80重量部と製造 例 10aで製造されたプロピレン エチレン共重合体 (B-2a)20重量部とを合わせて 100 重量部に対して、熱安定剤 IRGANOX1010 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケイミカルス、、株 式会社製) 0.1重量部、熱安定剤 IRGAFOS168 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケイミカルス、、 株式会社製) 0.1重量部、ステアリン酸カルシウム 0.1重量部、アンチブロッキング剤サ イロホービック 505 (富士シリシァ化学株式会社製) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後 、二軸押出機にて溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダ ィ押出機 [品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを製 膜した。フィルムの物性を表 2に示す。
[0197] <溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιηΦΤダイ押出機 : 品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 4.5m/min程度
フィルム厚さ : 70 m
1]
1〕9
〔〕室,薪≠入零ー00^^,20J¾ 1S0C¾ DS2/ Λ7
果を次に示す。実施例 laと実施例 2aは Dsolの C2量が 20mol%のプロピレン系ブロ ック共重合体からなる包装材料用プロピレン系樹脂組成物である。 Dsolの C2量が 30 mol%であるプロピレン系ブロック共重合体からなる包装材料用プロピレン系樹脂組 成物である比較例 2aと比べると、実施例 laおよび実施例 2aは耐ブロッキング性と透 明性に優れてレ、ること力 Sわ力、る。
[0201] 実施例 6aと比較例 3aより、 Dsol中の [ ]がフィルム物性に及ぼす効果を以下に示 す。実施例 6aは Dsolの [ 7] ]が 2. ldl/gであるプロピレン系ブロック共重合体からな る包装材料用プロピレン系樹脂組成物である。 Dsolの [ 7] ]が 1. Odl/gであるプロピ レン系ブロック共重合体からなる包装材料用プロピレン系樹脂組成物である比較例 3 aと比べると、実施例 6aは Dsolの [ 7] ]が高ぐインパクト強度に優れていることがわか
[0202] 実施例 7aはプロピレン系重合体 Al— aとプロピレン エチレン共重合体 Bl— aと 力、らなる包装材料用プロピレン系樹脂組成物であり、実施例 2aに記載したプロピレン 系ブロック共重合体 C2— 2aに近い樹脂組成物である。ここで、実施例 7aと実施例 2 aは、ほぼ同等の良好なフィルム物性を有している。従って、本発明の包装材料用プ ロピレン系樹脂組成物により、プロピレン重合体とプロピレン エチレン共重合体の 溶融混練法、プロピレン系ブロック共重合体の重合の製造法によらず、透明性、イン パクト強度、耐ブロッキング性に優れたフィルム、シートを得ること力 Sできる。
[0203] 実施例 3a、実施例 4a、実施例 5aは、プロピレン系ブロック共重合体 C2— 2aにェチ レン α—ォレフイン共重合体を少量添加することにより、実施例 C2— 2aと同等の 透明性、耐ブロッキング性を保持しながら、インパクト強度が著しく向上できている。 本発明の包装材料用プロピレン系樹脂組成物にエチレン α—ォレフイン共重合体 を添加することにより、製品要求性能に応じてフィルム物性を制御できることが分かる
[0204] プロピレン エチレン共重合体(Β)がフィルム物性に及ぼす事例として、実施例 8a と比較例 4aの比較を以下に示す。実施例 8aでは、メタ口セン触媒系で製造されたプ ロピレン エチレン共重合体 B— laを使用しており、得られた包装材料用プロピレン 系樹脂組成物のフィルム物性は、透明性、インパクト強度、耐衝撃性に優れている。
一方、比較例 4aではチーグラーナッタ触媒系で製造されたプロピレン エチレン共 重合体 B— 2aを使用しており、該プロピレン エチレン共重合体 B— 2aは分子量分 布(Mw/Mn)が広ぐ Dsol量も少なぐ組成分布が広い。その為、比較例 4aで得ら れた包装材料用プロピレン系樹脂組成物のフィルムは、フィルムの剛性が低くなつて おり、ハイレトルト等のフィルム用途には適さない。
[0205] [製造例 lb]プロピレン系ブロック共重合体(C2— lb)の製造
(1)固体触媒担体の製造
1L枝付フラスコに SiO 300gをサンプリングし、トルエン 800mLを入れ、スラリー化 した後、 5L4つ口フラスコへ移液をし、トノレエン 260mLをカロえた。メチルアルミノキサ ン(以下、 MAO)のトルエン溶液(10wt%溶液)を 2830mL加え、室温下で 30分間 攪拌した。 1時間かけて 110°Cまで昇温し、 4時間反応させた。反応終了後、室温ま で降温した。冷却後、上澄みトルエン液を除去し、再びトルエンを加え、置換率が 95 %になるまで、置換を行った。
[0206] (2)固体触媒の製造 (担体への金属触媒成分の担持)
グローブボックス内にて、 5L4つ口フラスコに [3_(1 ',1 ',4',4',7',7',10',10' -ォクタ メチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-tert-ブチル -1,2,3, 3a_テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライドを 2· Og秤取った。フラスコを外へ 出し、トルエン 0· 46リットルと (1)で調製した MAO/SiO /トルエンスラリー 1 · 4リットル を窒素下で加え、 30分間攪拌し担持を行った。得られた [3_(1 ',1 ',4',4',7',7',10', 10' -オタタメチルォクタヒドロジべンゾ [b,h]フルォレニル )(1,1,3-トリメチル -5-tert-ブ チル -l,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド/ MAO/SiO /トノレ エンスラリーは n-ヘプタンにて 99%置換を行い、最終的なスラリー量を 4· 5リットルと した。この操作は、室温で行った。
[0207] (3)前重合触媒の製造
前記 (2)で調製した固体触媒成分 404g、トリェチルアルミニウム 218mL、ヘプタン 1 00Lを内容量 200Lの攪拌機付きオートクレーブに揷入し、内温 15〜20°Cに保ちェ チレンを 1212g揷入した後、 180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体 成分を沈降させ、上澄み液を除去し、ヘプタンで 2回洗浄した。得られた前重合触媒
を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で 6g/Lとなるよう、ヘプタンによ り調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分 lg当りポリエチレンを 3g含んでい た。
[0208] (4)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、前記 (3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 5. 8g/時間、ト リエチルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状 態にて重合を行った。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであ つた。
[0209] 得られたスラリーを内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合を 行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 07mol%になる ように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0210] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気 固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ 一を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成 力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0. 18 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル 比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧 力 0. 8MPa/Gで重合を行った。
[0211] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— lb)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0212] [製造例 2b]プロピレン系ブロック共重合体(C2— 2b)の製造
製造例 lb(l)で製造した固体触媒担体を用い、以下の方法により行った。
[0213] (1)固体触媒の製造 (担体への金属触媒成分の担持)
グローブボックス内にて、 5L4つ口フラスコにジフェニノレメチレン( 3— tーブチノレー 5 ーメチルシクロペンタジェニル)(2,7— t ブチルフルォレニル)ジルコニウムジクロリド を 2· Og秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン 0. 46リットルと (1)で調製した MAO/ SiO /トルエンスラリー 1. 4リットルを窒素下で加え、 30分間攪拌し担持を行った。得 られたジフエニルメチレン(3— tーブチルー 5 メチルシクロペンタジェニル)(2,7— t ブチルフルォレニル)ジルコニウムジクロリド/ MAO/SiO /トノレエンスラリーは n
-ヘプタンにて 99%置換を行い、最終的なスラリー量を 4· 5リットルとした。この操作 は、室温で行った。
[0214] (2)前重合触媒の製造
前記 (1)で調製した固体触媒成分 404g、トリェチルアルミニウム 218mL、ヘプタン 1 00Lを内容量 200Lの攪拌機付きオートクレーブに揷入し、内温 15 20°Cに保ちェ チレンを 606g揷入した後、 180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成 分を沈降させ、上澄み液の除去し、ヘプタンで 2回洗浄した。得られた前重合触媒を 精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で 6g/Lとなるよう、ヘプタンにより 調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分 lg当りポリエチレンを 3g含んでいた
[0215] (3)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、前記 (2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 10. 9g/時間、 トリェチルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の 状態にて重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった
[0216] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 02mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0217] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気 固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成 力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0. 19 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル 比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧 力 0. 9MPa/Gで重合を行った。
[0218] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— 2b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0219] [製造例 3b]プロピレン系ブロック共重合体(C2— 3b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 3bと同様の方法でプロピレン系プロ
ック共重合体 (C2— 3b)を製造した。
[0220] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 10. 9g/時間、トリエ チルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態に て重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0221] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 02mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0222] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気 固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ 一を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成 力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0. 19 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル 比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧 力 1. IMPa/Gで重合を行った。
[0223] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— 3b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0224] [製造例 4b]プロピレン系ブロック共重合体(C2— 4b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 2bと同様の方法でプロピレン系プロ ック共重合体 (C2— 4b)を製造した。
[0225] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 10. 9g/時間、トリエ チルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態に て重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0226] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 02mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0227] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気
固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ 一を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成 力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0. 19 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル 比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧 力 0. 6MPa/Gで重合を行った。
[0228] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— 4b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0229] [製造例 5b]プロピレン系ブロック共重合体(C2— 5b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 2bと同様の方法でプロピレン系プロ ック共重合体 (C2— 5b)を製造した。
[0230] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 7. Og/時間、トリエ チルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態に て重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0231] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 08mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0232] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気 固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ 一を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成 力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0. 19 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル 比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧 力 0. 8MPa/Gで重合を行った。
[0233] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— 5b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0234] [製造例 6b]プロピレン系ブロック共重合体(C2— 6b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 2bと同様の方法でプロピレン系プロ ック共重合体 (C2— 6b)を製造した。
[0235] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 10. 9g/時間、トリエ チルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態に て重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0236] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 02mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0237] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気 固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ 一を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成 力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0· 09 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル 比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧 力 1. OMPa/Gで重合を行った。
[0238] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— 6b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0239] [製造例 7b]プロピレン系ブロック共重合体(C2— 7b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 2bと同様の方法でプロピレン系プロ ック共重合体 (C2— 7b)を製造した。
[0240] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 11. Og/時間、トリエ チルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態に て重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0241] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 02mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0242] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気 固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ 一を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成
力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0. 50 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル 比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧 力 0. 7MPa/Gで重合を行った。
[0243] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— 7b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0244] [製造例 8b]プロピレン系ブロック共重合体(C2— 8b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 2bと同様の方法でプロピレン系プロ ック共重合体 (C2— 8b)を製造した。
[0245] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 11. 0g/時間、トリエ チルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態に て重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0246] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 02mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0247] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気 固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ 一を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成 力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0. 19 (モル比)、水素/エチレン =0. 001 (モル比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70 °C、圧力 0. 7MPa/Gで重合を行った。
[0248] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— 8b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0249] [製造例 9b]プロピレン系重合体 (A— lb)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 lbと同様の方法でプロピレン系重合 体 (A— lb)を製造した。
[0250] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 5. 8g/時間、トリエ
チルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態に て重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0251] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 07mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0252] 得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン重合体を得た。得られたプ ロピレン系重合体 (A— lb)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0253] [製造例 10b]プロピレン系重合体 (Γ lb)の製造
(1)固体状チタン触媒成分の調製
無水塩化マグネシウム 952g、デカン 4420mlおよび 2—ェチルへキシルアルコー ノレ 3906gを、 130°Cで 2時間加熱して均一溶液とした。この溶液中に無水フタル酸 2 13gを添加し、 130°Cにてさらに 1時間攪拌混合を行って無水フタル酸を溶解させた
〇
[0254] このようにして得られた均一溶液を 23°Cまで冷却した後、この均一溶液の 750mlを 、—20°Cに保持された四塩化チタン 2000ml中に 1時間かけて滴下した。滴下後、 得られた混合液の温度を 4時間かけて 110°Cまで昇温し、 110°Cに達したところでフ タル酸ジイソブチル (DIBP) 52. 2gを添加し、これより 2時間攪拌しながら同温度に 保持した。次いで熱時濾過にて固体部を採取し、この固体部を 2750mlの四塩化チ タンに再懸濁させた後、再び 110°Cで 2時間加熱した。
[0255] 加熱終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、 110°Cのデカンおよびへキサンを 用いて、洗浄液中にチタン化合物が検出されなくなるまで洗浄した。
[0256] 上記のように調製された固体状チタン触媒成分はへキサンスラリーとして保存され るが、このうち一部を乾燥して触媒組成を調べた。固体状チタン触媒成分は、チタン を 2重量%、塩素を 57重量%、マグネシウムを 21重量%および DIBPを 20重量%の 量で含有していた。
[0257] (2)前重合触媒の製造
遷移金属触媒成分 56g、トリエチノレアノレミニゥム 20. 7mL、 2—イソブチノレー 2—イソ プロピル 1,3 ジメトキシプロパン 7. 0mL、ヘプタン 80Lを内容量 200Lの攪拌機
付きオートクレーブに揷入し、内温 5°Cに保ちプロピレンを 560g揷入した後、 60分間 攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液を除去し、へ ブタンで 2回洗浄した。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、遷移金属 触媒成分濃度で 0. 7g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒 は遷移金属触媒成分 lg当りポリプロピレンを 10g含んでいた。
[0258] (3)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 9NL/時間、触媒スラリーを固体触媒成分として 0. 33g/時間、トリヱチルアルミ二 ゥム 3. 8ml/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン 1. 3ml/時間を連続的に供給 し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状反応器の温度は 70°Cであり、 圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0259] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌器付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 4mol%になる ように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0260] 得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン系重合体 (Γ lb)を得た 。得られたプロピレン系重合体 (Γ— lb)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0261] [製造例 l ib]プロピレン系重合体 (Γ 2b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 lbと同様の方法でプロピレン系重合 体 (Γ— 2b)を製造した。
[0262] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 4. 8g/時間、トリエ チルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態に て重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. 2MPa/Gであった。
[0263] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 07mol%、ェ チレンを気相部のエチレン濃度が 1. 8mol%になるように重合器へ供給した。重合 温度 70°C、圧力 3. IMPa/Gで重合を行った。
[0264] 得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン系重合体 (Γ 2b)を得た 。得られたプロピレン系重合体 (Γ— 2b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0265] [製造例 12b]プロピレン エチレン共重合体(B— lb)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 2bと同様の方法でプロピレンーェチ レン共重合体 (B— lb)を製造した。
[0266] (1)本重合
充分に窒素置換し、 10°Cにした内容量 30Lの SUS製オートクレーブに液体プロピ レン 9kgを装入し、エチレンを分圧として 0. 7MPa装入した。充分に撹拌しながら 45 °Cまで加温し、触媒揷入用ポットから、固体触媒成分として 0. 6g/ヘプタン 300ml とトリェチルアルミニウム 0. 5mlの混合溶液を窒素でオートクレーブに加圧挿入した 。 60°Cで、 20分間重合を行った後、メタノールを添加し重合を停止した。重合終了 後、プロピレンをパージし、充分窒素置換をし、プロピレン エチレン共重合体(B— lb)を分別した。得られたプロピレン エチレン共重合体(B— lb)を 80°Cで真空乾 燥した。
[0267] [製造例 13b]プロピレン エチレン共重合体(B 2b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 10bと同様の方法でプロピレン—ェ チレン共重合体 (B— 2b)を製造した。
[0268] (1)本重合
充分に窒素置換した内容量 30Lの SUS製オートクレーブに液体プロピレン 9kgを 装入し、充分に撹拌しながら 45°Cまで加温した。エチレンを分圧として 0. 25MPa、 水素 42NLを装入した。触媒揷入用ポットから、固体触媒成分として 0. 05g/ヘプタ ン 200mlとトリェチルアルミニウム 0. 5mlとジシクロペンチルジメトキシシラン 0. 05ml の混合溶液を窒素でオートクレープに加圧挿入した。 50°Cで、 15分間重合を行った 後、メタノールを添加し重合を停止した。重合終了後、プロピレンをパージし、充分窒 素置換をし、プロピレン エチレン共重合体 (B— 2b)を分別した。得られたプロピレ ンーエチレン共重合体 (B— 2b)を 80°Cで真空乾燥した。
[0269] これらの結果を表 3および表 4に示す。
[実施例 lb]
製造例 lbで製造されたプロピレン系ブロック共重合体(C2-lb) 100重量部に対して 、熱安定剤 IRGANOXIOIO (チノ、、、 'スへ。シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0.1重量部 、熱安定剤 IRGAFOS168 (チノ、、、 'スへ。シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0.1重量部、 ステアリン酸カルシウム 0.1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 505 (AB剤 1、粒径 3.9 01) (富士シリシァ化学株式会社) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後、 二軸押出機にて溶融混練してペレット状のポリプロピレン系樹脂組成物を調整し、 T ダイ押出機 [品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを 製膜した。フィルムの物性を表 5に示す。
[0273] <溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιη Φ Τダイ押出機 : 品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 4.5m/min程度
フィルム厚さ : 70 m
[実施例 2b]
実施例 lbにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2- lb) 100重量部を製造例 2b で製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-2b) 100重量部に代えた以外は同様 に行った。得られたフィルムの物性を表 5に示す。
[0274] [実施例 3b]
実施例 lbにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2- lb) 100重量部を製造例 2b で製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-2b) 100重量部に代え、かつアンチ ブロッキング剤サイロホービック 505 (AB剤 1 )の添加量を 0.5重量部から 0.3重量部に 変更した以外は同様に行った。得られたフィルムの物性を表 5に示す。
[0275] [実施例 4b]
実施例 lbにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2- lb) 100重量部を製造例 2b で製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-2b) 100重量部に代え、かつアンチ ブロッキング剤をサイロホービック 505 (AB剤 1 ) 0.5重量部からサイロホービック 704 ( AB剤 2、粒径 6.2 01) (富士シリシァ化学株式会社) 0.5重量部に変更した以外は同 様に行った。得られたフィルムの物性を表 5に示す。
[0276] [実施例 5b]
実施例 lbにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2- lb) 100重量部を製造例 2b
で製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-2b) 100重量部に代え、かつアンチ ブロッキング剤サイロホービック 505 (AB剤 1 )の添加量を 0.5重量部から 0重量部(未 添加)に変更した以外は同様に行った。得られたフィルムの物性を表 5に示す。
[0277] [実施例 6b]
製造例 3bで製造されたプロピレン系ブロック共重合体(C2-3b) 80重量部と製造例 9 bで製造されたプロピレン系重合体 (A— lb) 20重量部とを合わせて 100重量部に対し て、熱安定剤 IRGANOX 1010 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0. 1重量 部、熱安定剤 IRGAFOS 168 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0. 1重量部 、ステアリン酸カルシウム 0. 1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 505 (富士 シリシァ化学株式会社)(AB剤 1 ) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後、二軸押出機に て溶融混練してペレット状のポリプロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダイ押出機 [品 番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを製膜した。フィル ムの物性を表 5に示す。
[0278] <溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιη Φ Τダイ押出機 : 品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 4.5m/min程度
フィルム厚さ : 70 m
[実施例 7b]
実施例 6bにおいて、プロピレン系重合体 (A— lb)の代わりに製造例 10bで製造さ れたプロピレン系重合体 (Γ- lb)を使用した以外は同様に行った。得られたフィル ムの物性を表 5に示す。
[0279] [実施例 8b]
製造例 4bで製造されたプロピレン系ブロック共重合体(C2-4b) 90重量部と直鎖状 低密度ポリエチレン(エボリ SP 1 510 (密度 = 0.915g/cm3、(株)プライムポリマー 商標) (エチレン α—ォレフイン共重合体 (D- l》 10重量部とを合わせた 100重量部 に対して、熱安定剤 IRGANOXIO IO (チノ、、、 'ス シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0. 1重量部、熱安定剤 IRGAFOS 168 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0. 1 重量部、ステアリン酸カルシウム 0. 1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 50 5 (富士シリシァ化学株式会社) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後、二軸押出機にて 溶融混練してペレット状のポリプロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダイ押出機 [品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを製膜した。フィルム の物性を表 5に示す。
[0280] <溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιη Φ Τダイ押出機 : 品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 4.5m/min程度
フィルム厚さ : 70 m
[実施例 9b]
実施例 lbにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2- lb) 100重量部を製造例 5b で製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-5b) 100重量部に代えた以外は同様 に行った。得られたフィルムの物性を表 5に示す。
[0281] [実施例 10b]
製造例 9bで製造されたプロピレン系共重合体 (A- lb) 80重量部と製造例 12bで製
造されたプロピレン エチレン共重合体(B-lb) 20重量部とを合わせた 100重量部に 対して、熱安定剤 IRGANOXIOIO (チノ、、、 'ス シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0.1 重量部、熱安定剤 IRGAFOS168(チノ、、、 'ス シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0.1重 量部、ステアリン酸カルシウム 0.1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 505 ( 富士シリシァ化学株式会社)(AB剤 1)0.5重量部をタンブラ一にて混合後、二軸押 出機にて溶融混練してペレット状のポリプロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダイ押 出機 [品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを製膜し た。フィルムの物性を表 5に示す。
[0282] <溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιηΦΤダイ押出機 : 品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 4.5m/min程度
フィルム厚さ : 70 m
[0283] [表 5]
[0284] [比較例 lb]
実施例 lbにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2-lb) 100重量部を製造例 6b で製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-6b)100重量部に代えた以外は同様 に行った。得られたフィルムの物性を表 6に示す。
[0285] [比較例 2b]
実施例 lbにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2-lb) 100重量部を製造例 7b で製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-7b)100重量部に代えた以外は同様 に行った。得られたフィルムの物性を表 6に示す。
[0286] [比較例 3b]
実施例 lbにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2-lb) 100重量部を製造例 8b で製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-8b)100重量部に代えた以外は同様 に行った。得られたフィルムの物性を表 6に示す。
[0287] [比較例 4b]
製造例 10bで製造されたプロピレン系重合体(Γ -lb) 80重量部と製造例 13bで 製造されたプロピレン エチレン共重合体(B-2b) 20重量部とを合わせた 100重量部 に対して、熱安定剤 IRGANOXIOIO (チノ、、、 'ス シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0. 1重量部、熱安定剤 IRGAFOS168 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0.1 重量部、ステアリン酸カルシウム 0.1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 50 5 (富士シリシァ化学株式会社)(AB剤 1) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後、二軸 押出機にて溶融混練してペレット状のポリプロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダイ 押出機 [品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを製膜 した。フィルムの物性を表 6に示す。
[0288] <溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιη Φ Τダイ押出機 : 品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 4.5m/min程度
フィルム厚さ : 70 m
[比較例 5b]
製造例 1 lbで製造されたプロピレン系重合体(I'-2b) 80重量部と製造例 12bで 製造されたプロピレン エチレン共重合体(B- lb) 20重量部とを合わせた 100重量部 に対して、熱安定剤 IRGANOXIO IO (チノ、、、 'ス シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0. 1重量部、熱安定剤 IRGAFOS 168 (チノ、、、 'ス シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0. 1 重量部、ステアリン酸カルシウム 0. 1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 50 5 (富士シリシァ化学株式会社) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後、二軸押出機にて 溶融混練してペレット状のポリプロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダイ押出機 [品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを製膜した。フィルム の物性を表 6に示す。
<溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιη Φ Τダイ押出機 : 品番 GT-25A、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 4.5m/min程度
フィルム厚さ : 70 m
表 7に Dsol組成がフィルム物性に及ぼす影響をまとめた。実施例 2bでは剛性、耐 衝撃性、透明性のバランスに優れており、透明レトルトフィルム、プロテクトフィルム用
途に対して好適であることが分かる。一方、比較例 lbでは透明性に優れるものの、耐 衝撃性に劣ることからレトルトフィルムとしては適さない。また、比較例 2bでは剛性、耐 衝撃性は良好であるが、透明性に劣るので、透明レトルトフィルムやプロテクトフィノレ ムには適さない。また、比較例 3bは、 Dsolの [ 7] ]が低いため、耐衝撃性が低くなつて おり、レトルトフィルムとしては適さなレ、。これらの結果より、本発明のプロピレン系樹 脂組成物が透明レトルトフィルムやプロテクトフィルムに好適であることが分かる。
[0290] [表 6]
[0292] 表 8にフィルム物性データと高温(135°C)での弾性率をまとめた。比較例 5bでは P P部の融点が 138°Cと低いため、 135°C付近での弾性率は著しく低ぐハイレトルト処 理(温度 135°C)に耐えることはできない。一方、実施例 lb、実施例 2b、実施例 6b 実施例 7bでは、 135°Cでの弾性率が 2倍以上に高くなつている。特に、実施例 lbで は融点が 156°Cと高ぐ 135°Cでの弾性率が最も高くなつている。また、実施例 6b 実施例 7bは、本発明のプロピレン系ブロック共重合体の耐熱性を改良させる目的で 、高融点のプロピレン系重合体をブレンドしている。実施例 6b、実施例 7bでは 135 C の弾性率が比較例 5bに対して 4倍近く向上しており、ハイレトルト処理に十分耐えら れる。
表 9に製造方法の違いによるフィルム物性比較をまとめた。実施例 lbはメタ口セン 触媒 (Ml)存在下、 2段重合でプロピレン系ブロック共重合体 (C2-lb)を製造してレ、る。 実施例 10bは、メタ口セン触媒 (Ml)存在下で製造されたプロピレン系重合体 (A-lb) とメタ口セン触媒(M2)存在下で製造されたプロピレン エチレン共重合体(B-lb)を
溶融混練してプロピレン系ブロック共重合体 (C2-lb)と同様の組成物を製造している 。両者のフィルム物性は、剛性、耐衝撃性、 HAZE等同様の物性値を有している。こ れらより、本発明のプロピレン系樹脂組成物は 2段重合、溶融混練の製造方法によら ず、本発明の組成範囲に入れば透明レトルト、プロテクトフィルム等の包装材料に好 適に使用できることが分かる。
[0295] また、比較例 4bは ZN触媒系存在下でプロピレン系重合体およびプロピレンーェチ レン共重合体をそれぞれ製造して、溶融混練させたプロピレン系樹脂組成物である。 比較例 4bは、剛性、耐衝撃性とも実施例に対して低ぐレトルトには好適に使用する ことができない。
[0296] [表 9Ί
[0297] 表 10に本発明のプロピレン系樹脂組成物に添加したアンチブロッキング剤の検討 結果を示す。実施例 2b、実施例 3bはアンチブロッキング剤 AB-1 (粒径 3.911 m)をそ
れぞれ 0.5PHR 0.3PHR添カロ、実施例 4bはアンチブロッキング剤 AB-2 (粒径 6.2 ,i m) を 0.3PHR添加している。また、実施例 5bはアンチブロッキング剤を全く添加していな い系である。
[0298] [表 10]
[0299] 実施例 2b 3b 5bよりアンチブロッキング剤添加量を増やすと耐ブロッキング性が 改良できることが分かる。また、実施例 3bと実施例 4bとの比較より、アンチブロッキン グ剤の粒径が大きい方力 同等の高透明性を有しながら、耐ブロッキング性改良効 果が大きい。一方、実施例 5bはアンチブロッキング剤を添加していない為、耐ブロッ キング性が悪ぐハイレトルト用途には適さない。しかし、実施例 5bのフィルムは粘着 性が高いことから、自己粘着型プロテクトフィルムへの応用が可能である。
[0300] [製造例 14b]プロピレン系ブロック共重合体(C2— 9b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 lbと同様の方法でプロピレン系プロ ック共重合体 (C2— 9b)を製造した。
[0301] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 2. 3g/時間、トリエ チルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態に て重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0302] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 17mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0303] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気 固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ 一を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成 力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0. 26 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル 比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧 力 0. 9MPa/Gで重合を行った。
[0304] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— 9b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0305] [製造例 15b]プロピレン系ブロック共重合体(C2— 10b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 lbと同様の方法でプロピレン系プロ ック共重合体(C2 - 10b)を製造した。
[0306] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 2NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として 2. 3g/時間、トリエ チルアルミニウム 2. 5ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態に て重合した。管状反応器の温度は 30°Cであり、圧力は 3. IMPa/Gであった。
[0307] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 0. 17mol%にな るように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. OMPa/Gで重合を行った。
[0308] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気 固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ 一を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成 力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0· 09 (モル比)、水素/エチレン 0 (モル 比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70°C、圧 力 1. IMPa/Gで重合を行った。
[0309] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— 10b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0310] [製造例 16b]プロピレン系ブロック共重合体(C2— l ib)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 10bと同様の方法でプロピレン系ブ ロック共重合体(C2— 1 lb)を製造した。
[0311] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 51NL/時間、触媒スラリーを固体触媒成分として 0. 27g/時間、トリヱチルアルミ ニゥム 3. 1ml/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン 1. Oml/時間を連続的に供 給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状反応器の温度は 70°Cであり 、圧力は 3. 2MPa/Gであった。
[0312] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌器付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 3. lmol%になる ように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. IMPa/Gで重合を行った。
[0313] 得られたスラリーを内容量 2. 4Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気 固分離を行った後、内容量 480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダ 一を送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成 力 S、エチレン/ (エチレン +プロピレン) =0. 32 (モル比)、水素/エチレン =0· 3 ( モル比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度 70 °C、圧力 0. 5MPa/Gで重合を行った。
[0314] 得られたプロピレン系ブロック共重合体(C2— l ib)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0315] [製造例 17b]プロピレン系重合体 (Γ 3b)の製造
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例 10bと同様の方法でプロピレン系重
合体 (Γ— 3b)を製造した。
[0316] (1)本重合
内容量 58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを 30kg/時間、水素を 51NL/時間、触媒スラリーを固体触媒成分として 0. 27g/時間、トリヱチルアルミ ニゥム 3. 1ml/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン 1. Oml/時間を連続的に供 給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状反応器の温度は 70°Cであり 、圧力は 3. 2MPa/Gであった。
[0317] 得られたスラリーは内容量 100Lの攪拌器付きベッセル重合器へ送り、さらに重合 を行った。プロピレンを 15kg/時間、水素を気相部の水素濃度が 3. lmol%になる ように重合器へ供給した。重合温度 70°C、圧力 3. IMPa/Gで重合を行った。
[0318] 得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン重合体を得た。得られたプ ロピレン系重合体 (Γ— 3b)を、 80°Cで真空乾燥した。
[0319] これらの結果を表 11に示す。
[0320] [表 11]
[0321] [実施例 l ib]
製造例 14bで製造されたプロピレン系ブロック共重合体(C2-9b) 100重量部に対し て、熱安定剤 IRGANOXIOIO (チノ、、、 'スへ。シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0.1重量 部、熱安定剤 IRGAFOS168 チハ" 'スへ シャリティ'ケミカルズ'株式会社) 0.1重量部 、ステアリン酸カルシウム 0.1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 505 (AB 剤 1、粒径 3.9 01) (富士シリシァ化学株式会社) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後 、二軸押出機にて溶融混練してペレット状のポリプロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダイ押出機 [品番 GT- 25A、(株)プラスチック工学研究所製]にてキャストフィルムを 製膜した。フィルムの物性を表 12に示す。
[0322] ぐ溶融混練条件 >
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製
混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25πιιηΦΤダイ押出機 : 品番 GT-25A、 (株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 7.5 m/min程度
フィルム厚さ : 30
[比較例 6b]
実施例 l ibにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2-9b) 100重量部を製造例 15bで製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-10b)100重量部に代えた以外は 同様に行った。得られたフィルムの物性を表 12に示す。
[0323] [比較例 7b]
実施例 l ibにおいて、プロピレン系ブロック共重合体(C2-9b) 100重量部を製造例 16bで製造されたプロピレン系ブロック共重合体 (C2-l lb)100重量部に代えた以外は 同様に行った。得られたフィルムの物性を表 12に示す。
[0324] [比較例 8b]
製造例 1 lbで製造されたプロピレン系重合体(I'-3b) 75重量部とエチレン オタ テン共重合体 (D-2b) (エンゲージ 8842 (商標登録):デュポンダウエラストマ一株式会 社製、密度 =0.858(gん m3)) 25重量部とを合わせて 100重量部に対して、熱安定剤 IRG ANOX1010 (チノ、、、 'スへ。シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0.1重量部、熱安定剤 IRG AFOS168 (チノ、、、 'スへ。シャリティ'ケミカルス、、株式会社) 0.1重量部、ステアリン酸力 ルシゥム 0.1重量部、アンチブロッキング剤サイロホービック 505 (富士シリシァ化学株 式会社) 0.5重量部をタンブラ一にて混合後、二軸押出機にて溶融混練してペレット 状のポリプロピレン系樹脂組成物を調整し、 Tダイ押出機 [品番 GT-25A、 (株)プラス チック工学研究所製]にてキャストフィルムを製膜した。フィルムの物性を表 12に示す
[0325] <溶融混練条件〉
同方向二軸混練機 : 品番 NR2-36、ナカタニ機械 (株)製 混練温度 : 240°C
スクリュー回転数 : 200rpm
フィーダ一回転数 : 400rpm
<フィルム成形〉
25ιππιΦ Τダイ押出機 : 品番 GT- 25Α、(株)プラスチック工学研究所製 押出温度 : 230°C
チルロール温度 : 30°C
引取速度 : 7.5m/min程度
フィルム厚さ : 30 01
[0326] [表 12]
[0327] 表 12にフィルムのガス透過性および機械特性をまとめた。実施例 l ibのフィルムは 高ガス透過性かつ高剛性であり、鮮度保持フィルムとして適していることが分かる。一 方、比較例 6bでは、 Dsol中のエチレン組成を本発明の範囲内よりも低ぐガス透過 性が低下した。また比較例 7bは ZN触媒系ブロック共重合体からなるフィルムである 、実施例 l ibと比較してフィルムの剛性が低い。また比較例 8bは、実施例 l ibと同 様のガス透過性と剛性を有しているカ、プロピレン系重合体とエチレン オタテン共 重合体を配合、溶融混練させる工程を含むため、製造コストが高いあるいはエネルギ 一消費が大きい等の問題点がある。
産業上の利用可能性
[0328] 本発明の、特定の性質を満たすプロピレン系樹脂組成物またはプロピレン系共重
合体からなるフィルムおよびシートは、高透明性、剛性、低温耐衝撃性、耐ブロッキン グ性および粘着性制御に優れていることから、レトルト用フィルム、プロテクトフィルム 、医療容器、鮮度保持フィルムならびにこれらのシートに好適に使用することができる