WO2007026921A1

WO2007026921A1 - トランスグルタミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性測定方法及び接着用トランスグルタミナーゼ製剤

Info

Publication number: WO2007026921A1
Application number: PCT/JP2006/317413
Authority: WO
Inventors: Hiroyuki Nakagoshi; Rikiya Ishida
Original assignee: Ajinomoto Co Inc
Current assignee: Ajinomoto Co Inc
Priority date: 2005-08-30
Filing date: 2006-08-29
Publication date: 2007-03-08
Anticipated expiration: 2008-02-29
Also published as: EP1921155A4; EP1921155A1; JP4973496B2; JPWO2007026921A1; CN101248185A; TW200801198A

Abstract

トランスグルタミナーゼ含有物の水溶液（試料溶液）とジメチルカゼインの水溶液を、特定のトランスグルタミナーゼ活性：ジメチルカゼイン量比で混合し、特定の条件で静置してプロテアーゼによる分解反応を進めた後、酸を添加してろ過し、そのろ液中のタンパク質量を測定することからなるトランスグルタミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性測定方法を提供する。特に、食品接着用トランスグルタミナーゼ製剤および水産練製品用トランスグルタミナーゼ製剤の調製に有用である。

Description

明細トランスダル夕ミナーゼ含有物のプロテア一ゼ活性測定方法及び接着用トランスグル夕ミナ一ゼ製剤技術分野

本発明は、夕ンパク質含有素材用の添加酵素として有用なトランスダル夕ミナ一ゼ含有物のプロテア一ゼ活性測定方法と接着用トランスグルタミナーゼ製剤の調製方法に関する。特に本発明は、接着と水産練製品用途におけるト.ランスグル夕ミナーゼの機能と密接に相蘭するトランスダルタミナーゼ含有物中のプロテアーゼ活性の測定方法と、該測定方法によるプロテア一ゼ活性の測定値に基づいて、プロテアーゼ活性が制御されているトランスグル夕ミナーゼ含有物を調製する方法、及び該調製方法に従って製造されるプロテア一ゼ活性が制御されている接着用および水産練製品用のトランスグルタミナ一ゼ製剤に関する。

■ 背景技術

トランスグルタミナーゼは、夕ンパク質含有素材の物性を改質する酵素物質として知られており、タンパク質含有素材に直接添加してその物性を改質したり、トランスグル夕ミナーゼをタンパク質含有素材、特にゼラチンや乳タンパク質の溶液と混合し、接着剤組成物として各種素材に使用されている。ところが、入手可能なトランスグルタミナーゼ含有物、特に微生物由来のトランスグルタミナーゼ含有物を用いて製造したトランスダルタミナーゼ製剤は、他の酵素製剤同様、そのロット間で品質にばらつきがあった。

トランスダルタミナーゼ製剤のタンパク質含有素材に対する効果がロット間でばらつきがある主な理由は、製剤に含まれるトランスダルタミナーゼ活性のばらつきに起因するものと考えられてきたが、トランスグル夕ミナーゼ活性を制御してもなお品質にばらつきが残り、事業上の大きな課題であった。また、トランスグルタミナーゼ含有物を添加したタンパク質含有素材の変化の傾向からみてプロテア一ゼの混入が原因と疑われるケースもあつたが、従来のプロテアーゼ活性測定方法で測定したトランスダルタミナーゼ含有物のプロテァーゼ活性と、変化の相関性が非常に低く、原因がプロテアーゼであると断定されたケースは無かった。このように、品質のばらつきの原因が不明であったことから、製剤の品質を確保するためには、試作試験による選別や、余裕をもってトランスダル夕ミナーゼ含有物の配合率を高めに取るなどの対策が必要であつたが、双方とも人的、原材料的コストが高く、製剤の製造コストを押し上げていた。このため、原因の解明と、品質との相関性の高い指標に基づいたトランスダルタミナ一ゼ含有物及びそれを用いて製造したトランスグルタミナ一ゼ製剤の品質管理技術が切望されていた。

意図しないプロテアーゼがタンパク質を含む素材に残存または混入し、その素材に対して悪影響を及ぼす例は、従来より知られていた。しかし、影響を及ぼし得る量は、対象となるタンパク質含有素材の種類やその用途、プロテアーゼの由来やその種類によつて異なる。また、いくつかのプロテァーゼ活性の測定方法が提唱されているが、測定されたプロテア一ゼ活性値と、対象となるタンパク質含有素材への影響の大きさとの相関性が必ずしも高くなく、品質管理手法としてのプロテア一ゼ活性の信頼性は低いものであった。

微生物由来トランスダル夕ミナ一ゼにおいては、特定の用途に意図的にプロテア —ゼを配合した例が知られている（特許文献 1 ) 。'また、トランスダルタミナーゼの改質対象であるタンパク質含有素材に残留するプロテア一ゼの影響を制御しょうとする例も知られている（特許文献 2 ) 。しかし、トランスグル夕ミナ一ゼ含有物に夾雑するプロテア一ゼの影響について、食品への影響を検証し、それを制御しようとした事例は知られていない。

酵素含有物中のプロテア一ゼを選択的に失活させる方法に関しては、 P H 9 . 8 、 3 7 °C、 .1 6時間処理することによりプロテアーゼ、 α—アミラーゼ等の夾雜酵素活性を除く方法（特許文献 3 ) や、ラク夕一ゼ中のプロテア一ゼをァ線照射によつて失活させる方法が知られている（特許文献 4 ) 。しかし、これらの方法によって得られるプロテァーゼ活性が低減されたトランスダル夕ミナーゼ含有物の接着力や水産練製品に対する物性改質効果との関係や、それを示唆する記述はみられない。

また、一般的なプロテア一ゼ（パパイン、パンクレアチン、プロメライン、ぺプシン）のプロテアーゼ活性測定方法に関する報文（非特許文献 1 ) があるが、該測定方法によつて確認されるトランスダル夕ミナーゼ含有物中のプロテア一ゼ活性値と、該トランスダル夕ミナ一ゼ含有物を接着剤成分および水産練製品用製剤として適用した場合の接着力および水産練製品に対する物性改質効果と相関性について示唆する記述はみられない。

特許文献 1 ·

特開平 0 7— 0 2 3 7 4 0号公報

特許文献 2 '

特開平 9一 2 9 9 0 6 5号公報

特許文献 3

特開平 1 1一 4 2 0 8 6号公報

特許文献 4

特公昭 5 4— 1 8 3 4 9号公報

非特許文献 1

第二版化学的合成品以外の食品添加物自主規格、発行社：日本食品添加物協会、 p . 2 1 5— 2 2 3、（発行年 1 9 9 3 ) 発明の開示

本発明者らは、鋭意検討の結果、プロテア一ゼ活性測定方法における酵素反応の条件、具体的には反応温度とトランスダル夕ミナーゼ活性/基質比を、トランスグルタミナ一ゼ製剤を添加した後のタンパク質含有素材の条件に近づけることで、プ口テアーゼ活性とトランスダル夕ミナ一ゼ製剤の品質との間の相関性が高まることを見出した。これにより、トランスダルタミナーゼ製剤の品質のばらつきの原因がランスグルタミナ一ゼ含有物に含まれるプロテア一ゼであることが推定された。さらに、 '本発明の方法によってプロテアーゼを非常に高い精度で制御できるようになり、トランスダルタミナーゼ製剤の品質を g定させることが可能となった。本発明は、タンパク質含有素材、特に食品用接着製剤と水産練製品用製剤の主要成分として使用されるトランスダルタミナーゼ含有物について、その製剤の品質、特に接着製剤においてはその接着力、さらに水産練製品用製剤においてはその水産練り製品に対する物性改質効果ときわめて密接な相関性を有する該ランスグル夕ミナーゼ含有物及び製剤中のプロテァーゼ活性の測定方法を提供することを目的とするものである。

また、本発明は、上記測定方法に従って得られる種々のトランスダル夕ミナーゼ製品について、プロテアーゼ活性値を指標として、特定のプロテアーゼ活性を有するトランスグル夕ミナーゼ含有物を選択し、選択したトランスグルタミナ一ゼ含有 ■ 物を各単独で使用するか、又はそれらを他素材と組み合わせて使用することによつて各種素材用トランスダル夕ミナ一ゼ製剤、特に接着用および水産練製品用に適したトランスダル夕ミナ一ゼ製剤を調製する方法と、その方法によって調製された製剤を提供することを目的とするものである。

上記課題を解決するための本発明は、基本的には、「トランスグルタミナ一ゼ含有物の水溶液（試料溶液）とプロテア一ゼの基質であるジメチルカゼインの水溶液を、特定のトランスダル夕ミナーゼ活性：ジメチルカゼイン量比で混合し、特定の条件でプロテアーゼによる分解反応を進めた後、酸を添加し、そのろ液中のタンパク質量を測定する」ことからなる、トランスダル夕ミナ一ゼのプロテアーゼ活性測定方法に関する。

本発明の方法における、特定の酵素 Z基質比及び反応温度の適切な値は、用途によって異なる。接着用トランスグルタミナ一ゼ製剤の場合は、トランスグル夕ミナーゼ活性基質質量の比率を 2 0 0以下とするのが望ましく、さらに反応温度を 0 °C以上 1 0 °C以下とするのが望ましい。水産練製品用トランスダルタミナーゼ製剤の場合は、トランスダル夕ミナーゼ活性基質質量の比率を 2 0 0以下とするのが望ましく、さらに反応温度を 30°C以上 50°C以下とするのが望ましい。

本発明は、以下の各発明を包含する。

(1) (a)トランスグル夕ミナーゼ含有物の水溶液とプロテア一ゼの基質であるジメチルカゼィンの水溶液を、トランスグルタミナーゼ活性：ジメチルカゼィン量比が、 200ユニット/ g以下となるように調製し、

(b)プロテアーゼによる酵素反応を進め、

(c)その後、酸を添加してろ過し、

(d)そのろ液中のタンパク質量を測定することからなる、

トランスダル夕ミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性測定方法。

C2) 前記プロテアーゼによる酵素反応が、温度 0°C以上 10°C以下で行われることからなる（1) 項に記載のトランスダル夕ミナ一ゼ含有物のプロテアーゼ活性測定方法。

(3) トランスグルタミナ一ゼ含有物のプロテア一活性測定が以下の条件で行われることからなる（1) 項に記載のトランスグルタミナ一ゼ含有物のプロテア一ゼ活性測定方法。

(I- a)試料トランスグルタミナーゼ含有物の溶液と、プロテア一ゼの基質であるジメチルカゼインの溶液を、トランスグルタミナ一ゼ活性 83. 3ユニット/ 10 0m 1、ジメチルカゼイン 2. 083 g/1ひ Om 1 · pH 6とした水溶液 2. 4 部となるように調製し、 ·

(I-b)前記トランスグル夕ミナ一ゼ含有物の溶液と前記ジメチルカゼィン水溶液を混合し 5 で 24時間静置してプロテアーゼによる酵素反応を進め、

(I - c)その後に、 12%トリクロ口酢酸 2部を加えて遠心分離し、その上澄みをろ過してサンプルろ液を得て、

(Π - a)ジメチルカゼイン溶液を 2. 5 g/10 Om 1 · p H 6とした水溶液 2部となるように調製し、

(I I-b)前記ジメチルカゼィン水溶液を 5 °Cで 24時間静置し、

(II- c)その後に、 12%トリクロ口酢酸 2部を加え、さらに 500ユニット/ ^/10 OmLの試料トランスグルタミナ一ゼ含有物の溶液を 0. 4部加えて混合し、遠心分離し、その上澄みをろ過してブランクろ液を得て、

(d)前記サンプルろ液と前記ブランクろ液を L owr y法を用いて呈色反応させ、波長 500~700 nmにおける各反応液の吸光度を蒸留水を対照として測定した場合の、サンプルろ液の吸光度を A 1、ブランクろ液の吸光度を A 2とし、別に、濃度が既知の標準用精製ゥシ血清アルブミンの溶液を L owr y法を用いて呈色反応させ、蒸留水を対照として波長波長 500〜700 nmにおける吸光度を測定し、標準用精製ゥシ血清アルブミン溶液の吸光度と蒸留水の吸光度から検量線を作成して前記 A 1及び A 2の吸光度からサンプルろ液とブランクの蛋白質濃度（PA 1 、 P A 2) を算出し、さらに下式によってプロテアーゼ活性を求めることからなる、トランスダル夕ミナーゼ含有物に含まれるプロテア一ゼ活性測定方法。

プロテアーゼ活性（ユニット Zg) = (PA 1 -PA2) X 4. 4÷ 0. 4÷ 14 40 X V÷W

〔式中、

PA1は、サンプルろ液の蛋白質濃度（mgBSA/ml)

PA 2は、ブランクろ液の蛋白質濃度（mgBSAZml)

4. 4÷0. 4は、反応停止後のトータル液量への換算係数

1440は、反応時間 24時間に相当する分間

Vは、試料トランスグルタミナ一ゼ含有物の溶解体積（m l )

Wは、試料トランスグル夕ミナ一ゼ含有物の採取量（g)

を表す。〕

(4) (a) (1) 項〜（3) 項のいずれか 1項に記載の測定方法によって複数種のトランスダル夕ミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性を測定し、

(bjプロテアーゼ活性とトランスダル夕ミナ一ゼ活性の比「ュニットプロテア一ゼ活性ュニットトランスダルタミナーゼ活性」が 0. 00024以下であるトランスグル夕ミナ一ゼ含有物を選別し、使用することからなる、

接着用トランスグルタミナ一ゼ製剤の調製方法。 (5) (a) (1) 項〜（3) 項のいずれか 1項に記載のトランスダル夕ミナ一ゼ含有物のプロテア一ゼ活性測定方法に従つて測定し、

(b)プロテア一ゼ活性とトランスダル夕ミナ一ゼ活性の比「ユニットプロテア一ゼ活性/ュニッ卜卜ランスダル夕ミナーゼ活性」が 0. 00024以下であるトランスグルタミナーゼ含有物と、タンパク質含有素材とを使用することからなる、接着用トランスダルタミナ一ゼ製剤の調製方法。

(6) 前記タンパク質含有素材が、ゼラチンであることからなる（5) 項記載の接着用卜ランスグルタミナーゼ製剤の調製方法。

(7) (4) 項〜（6) 項のいずれか 1項に記載の調製方法に従って調製された食品接着用トランスグルタミナ一ゼ製剤。

(8) 前記プロテアーゼによる酵素反応が、温度 30°C以上 50°C以下で行われることからなる（1) 項記載のトランスダル夕ミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性測定方法。 -

(9) トランスダルタミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性測定が以下の条件で行われることからなる（1) 項に記載のトランスグルタミナ一ゼ含有物のプロテア一ゼ活性測定方法。

(I - a)試料トランスグルタミナ一ゼ含有物の溶液と、プロテア一ゼの基質であるジメチルカゼインの溶液を、トランスグルタミナ一ゼ活性 83. 3ユニット/ / 10 0ml、ジメチルカゼイン 2. 083,g/l 00m 1 · pH6とした水溶液 2. 4 部となるように調製し、

(I-b)前記トランスグルタミナ一ゼ含有物の溶液と前記ジメチルカゼィン水溶液を 40 °Cで 1時間静置してプロテアーゼによる酵素反応を進め、

(I- c)その後に、 12%トリクロ口酢酸 2部を加えて遠心分離し、その上澄みをろ過してサンプルろ液を得て、

(ΙΙ-a)ジメチルカゼイン溶液を 2. 5 g/10 Om 1 · pH6とした水溶液 2部となるように調製し、

(I I-b)前記ジメチルカゼィン溶液を 40 °Cで 1時間静置し、 (II - c)その後に、 12%トリクロ口酢酸 2部を加え、さらに 500ユニット/ 10 OmLの試料トランスダルタミナーゼ含有物の溶液を 0. 4部加えて混合し、遠心分離し、その上澄みをろ過してブランクろ液を得て、

(d) 前記サンプルろ液と前記ブランクろ液を L owr y法を用いて呈色反応させ、波長 500〜700 nmにおける各反応液の吸光度を蒸留水を対照として測定した場合の、サンプルろ液の吸光度を A 1、ブランクろ液の吸光度を A 2とし、別に、濃度が既知の標準用精製ゥシ血清アルブミンの溶液を L owr y法を用いて呈色反応させ、蒸留水を対照として波長波長 500〜700 nmにおける吸光度を測定し、標準用精製ゥシ血清アルブミン溶液の吸光度と蒸留水の吸光度から検量線を作成して前記 A 1及び A 2の吸光度からサンプルろ液とブランクの蛋白質濃度（PA1 - 、 PA2) を算出し、さらに下式によってプロテアーゼ活性を求めることからなる、トランスグルタミナーゼ含有物に含まれるプロテア一ゼ活性測定方法。

プロテアーゼ活性（ユニット Zg) = (PA 1 -PA 2) X 4. 4÷0. 4÷60 X V÷W

〔式中、

PA1は、サンプルろ液の蛋白質濃度（mgBSAZml )

PA 2は、ブランクろ液の蛋白質濃度（mgBSAZml)

4. 4÷0. 4は、反応停止後のトータル液量への換算係数

60は、反応時間 1時間に相当する分間

Vは、試料トランスダル夕ミナ一ゼ含有物の溶解体積（m l)

Wは、試料トランスダル夕ミナーゼ含有物の採取量 (g)

を表す。〕

(10) (a) (1) 項、（8) 項、（9) 項のいずれか 1項に記載の測定方法によって複数種のトランスダル夕ミナ一ゼ含有物のプロテアーゼ活性を測定し、 (b)プロテアーゼ活性とトランスダル夕ミナーゼ活性の比「ユニットプロテアーゼ活性ュニットトランスグルタミナ一ゼ活性」が 0. 002以下であるトランスグルタミナ一ゼ含有物を選別し、使用することからなる、水産練製品用トランスグルタミナ一ゼ製剤の調製方法。

( 1 1 ) (a) ( 1 ) 項、（8 ) 項、（9 ) 項のいずれか 1項に記載のトランスグルタミナーゼ含有物のプロテア一ゼ活性測定方法に従つて測定し、

(b)プロテアーゼ活性とトランスダルタミナーゼ活性の比「ュニットプロテアーゼ活性ノユニットトランスダル夕ミナ一ゼ活性」が 0 . 0 0 2以下であるトランスグルタミナーゼ含有物と、カルシウム塩、アルカリ性塩類、タンパク質含有素材から選ばれる少なくとも一つの副剤とを使用することからなる、水産練製品用トランスグルタミナーゼ製剤の調製方法。

( 1 2 ) ( 1 0 ) 項又は（1 1 ) 項に記載の調製方法に従って調製された水産練製品用トランスグルタミナ一ゼ製剤。本発明のプロテア一ゼ活性測定方法によれば、トランスダル夕ミナーゼ製剤を夕ンパク質含有素材に使用した場合の製剤の効果を、トランスダル夕ミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性から容易に把握することができる。

また、上記測定方法の適用により、入手可能な種々のトランスグルタミナーゼ含有物から、所望の効果を示すトランスダルタミナ一ゼ製剤を組成できるトランスグルタミナーゼ含有物を簡単に選び出すことが可能となる。 ·

また、上記測定方法の適用により、入手可能な種々の.トランスグルタミナーゼ含有物から、所望の接着効果を示すトランスダル夕ミナ一ゼ接着製剤を組成できるトランスグルタミナ一ゼ含有物を簡単に選び出すことが可能となる。

また、上記測定方法の適用により、入手可能な種々のトランスグルタミナーゼ含有物から、所望の水産練製品に対する効果を示す水産練製品用トランスグル夕ミナ —ゼ製剤を組成できるトランスグル夕ミナーゼ含有物を簡単に選び出すことが可能となる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の測定方法によるダルタミナーゼのプロテアーゼ活性値と接着強度の相関性を示す図である。発明を実施するための最良の形態

以下に、本発明の実施の形態について説明する。

本発明者らは、トランスグル夕ミナーゼ含有物を含むトランスダル夕ミナ一ゼ製剤の効果が、使用したトランスダルタミナーゼ含有物のロット間でばらつきがあり、トランスダルタミナーゼ活性に依存しない変動による影響が大きいことを見出した。更に、効果が低くなるトランスグル夕ミナーゼ含有物とタンパク質含有素材を混合して放置した際に、タンパク質の分子量の経時的低下が顕著であることを見出した。これらの現象から、トランスダルタミナーゼ含有物に含まれるプロテア一ゼについて検討を行った。

トランスダルタミナーゼ製剤の品質管理指標として、トランスダル夕ミナ一ゼ活性に加え、各用途における最終製品を実際に調製する試作試験が挙げられるが、試作試験は原料の種類や質、試作技術の優劣等によってトランスグル夕ミナ一ゼの効果の大きさや試作品自体の品質が変動するなどの 2次的要因の影響が大きいため、再現性が不十分であり、トランスダルタミナーゼ製剤の品質管理指標としては望ましくない。

例えば、接着製剤用のトランスダルタミナーゼ含有物の品質管理方法として接着試験による接着強度の測定が挙げられるが、同じロットのトランスグル夕ミナーゼ含有物を使用しても肉の種類や肉の質により接着強度は試験実施日ごとに変動するため十分な再現性が得にくく、接着製剤の品質管理指標としては必ずしも望ましくない。水産練製品用製剤のトランスダルタミナーゼ含有物の品質管理方法としての蒲鋅の試作とその物性測定も、同様に望ましくない。

一般的に、プロテアーゼ活性を含む酵素活性は、その酵素活性が安定に保持され、かつ最大となる温度で測定されるケースがほとんどであり、酵素特性が不明な場合は、哺乳類の生体温度である 3 7 °C近辺を反応温度とする場合が多い。また、採用されるタンパク質分解物の検出方法に対して十分なタンパク質分解物を得て十分な検出感度を得る必要があるが、一般的には、測定に要する時間を短縮するため反応時間は事前に決められ、酵素添加量は必要な検出感度を得るために十分な量として決定される。

発明者らの検討によると、トランスダルタミナーゼ含有物に含まれるプロテア一ゼ活性の測定において、一般的な条件で測定されたプロテアーゼ活性と接着製剤および水産練製品用製剤の品質の間の相関性は非常に低かった。例えば、複数のロットのトランスダルタミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性を、トランスグルタミナ一ゼ活性と基質質量の比を 2 0 0 0ユニット/ gとし、反応温度を 3 7で、反応時間を 1時間とし、これを前提として他の条件を設定して測定したプロテアーゼ活性値と、そのトランスグルタミナーゼ含有物を使用して調製した接着製剤の接着強度との間、および水産練製品用製剤と水産練り製品に対する効果との間には、低い相関性しか得られなかった。

そのため、このような一般的な条件でのプロテアーゼ活性の測定結果によるトランスグルタミナーゼ製剤の品質管理は困難であった。

本発明者らは、トランスグルタミナ一ゼ製剤の品質との相関が高いプロテアーゼ活性を示す測定条件について鋭意検討した結果、前記測定方法を開発し、この測定方法で測定したプロテアーゼ活性を指標として、特定の範囲のプロテァーゼ活性をもつトランスグルタミナーゼ含有物を選択し、トランスダルタミナ一ゼ製剤を製造することにより、安定した品質の製剤を提供することを可能ならしめたものである。

本発明を完成させるに至っては、トランスダル夕ミナ一ゼ含有物に夾雑するプロテアーゼ活性の温度依存性と酵素濃度依存性が、ロットによって大きく異なるという、通説とは異なる特性を見出したことが、大きく寄与した。また、トランスダル夕ミナーゼ含有物に含まれるプロテァーゼが 2種類以上存在し、その含有量比が口ットによって異なること、さらにトランスダル夕ミナーゼ含有物にはそのうち 1種類のプロテアーゼに対する阻害因子が含まれ、その含量がロットによって異なることが、前述の通説とは異なるこれらの酵素特性の原因であることが、発明者らによつて見出された。

本発明におけるプロテアーゼとは、タンパク質を分解する酵素であり、その由来は、トランスグルタミナーゼ含有物を製造する際に、原料から移行するプロテア一ゼか、もしくは微生物が分泌するプロテアーゼである。

本発明におけるトランスダル夕ミナーゼとは、ァシル基転移反応を触媒するトランスフェラ一ゼの一種である。 , 本発明に用いるトランスダル夕ミナ一ゼとしては、組織由来、微生物由来の双方ともに利用できるが、微生物由来トランスグルタミナ一ゼは安価に入手できる点で好ましい。また、本発明に用いるトランスダルタミナーゼは C a依存性及び C a非依存性のどちらでも使用できるが、 C a非依存性トランスグル夕ミナーゼの方が、その効果が添加対象における C a濃度に依存しない点で好ましい。

本発明における卜ランスダル夕ミナ一ゼ含有物とは、トランスダル夕ミナーゼを含む生体組織もしくは微生物の培養液から得られ、必要に応じて濾過や精製工程を経た液体、またはそれらを乾燥させた粉末を指す。トランスダル夕ミナ一ゼ活性を一定に揃えたり、その酵素活性を安定化させるために、賦形剤や安定化剤が混合されることもある。

また、本発明におけるトランスダルタミナーゼ製剤とは、トランスグル夕ミナ一ゼ含有物と、目的に応じて選択された副剤とを混合したものを指す。

ここで、副剤としては、タンパク質含有素材、塩類、糖類、賦形剤等が用いられる。

トランスダル夕ミナーゼ含有物又は卜ランスダル夕ミナ一ゼ製剤の添加対象である、本発明におけるタンパク質含有素材とは、トランスグル夕ミナ一ゼの基質となるグルタミン残基を含むタンパク質を含む素材であり、可食、不可食を問わない。可食性のタンパク質含有素材としては、その由来は植物性タンパク質、動物性タンパク質、微生物タンパク質、藻類タンパク質、などが挙げられ、植物性タンパク質としては、大豆たん白、小麦たん白、えんどう豆たん白などが、動物性タンパク質としては、畜肉、家禽肉、魚肉、鶏卵、乳及びこれらの単離精製物、魚卵、血漿たん白、ゼラチン、コラーゲンなどが挙げられる。

塩類としては、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、焼成カルシウム、リン酸 3ナトリウム、炭酸ナトリウム等が使いやすい。糖類としては、糖類、澱粉、デキストリン、糖アルコール類などを使用することができる。賦形剤としては、前記の糖類が使用され、特に味への影響が小さいデキストリン、澱粉、乳糖などを使用するのが好ましい。

本発明における酸は、プロテア一ゼによる分解を受けなかったジメチルカゼインを凝集させ、続く遠心分離によって分離し、除去する目的で添加される。酸としては、ジメチルカゼインを凝集させるものであれば何でもよいが、蛋白質を凝集させる能力の高いトリクロ口酢酸もしくは過塩素酸を用いるのが望ましい。

本発明でいう接着用トランスダル夕ミナ一ゼ製剤とは、トランスダル夕ミナ一ゼ含有物と、タンパク質含有素材を粉粉混合したもの、もしくは両者を別々に包装し .てセットとして供給できるようにしたものを指す。前者は粉末のまま、もしくは水を加えて水溶液として被接着物にまぶすか、塗布するか、被接着物と混合して用いられ、 '後者は両者を直前に粉粉混合して前者と同様に用いるか、水にトランスダルタミナーゼ含有物とタンパク質含有素材を投入して溶解し、これを被接着物に塗布するか、被接着物と混合して用いられる。また、流通に耐え得る十分な保存安定性が得られるのであれば、製剤の形態は粉末に限らず、液体製剤として供給することもできる。

接着製剤において配合されるタンパク質含有素材の由来としては、前述のタンパク質含有素材から選択することができる。特にカゼインを主体とする乳たん白、水溶性が高いゼラチン、フィプリンを主体とする血漿たん白は接着製剤の副剤として優れている。ゼラチンの中では、魚ゼラチンが特に望ましい。ゼラチンを副剤とする接着用トランスダル夕ミナ一ゼ製剤は、接着力が非常に高い反面、プロテアーゼの影響を比較的受けやすいため、本発明の適用によりその品質は格段に向上する。本発明でいう水産練製品用トランスグルタミナ一ゼ製剤とは、トランスダルタミナーゼ含有物と、タンパク質含有素材、カルシウム塩、アルカリ性塩類、賦形剤から選ばれる少なくとも一つの副剤とを使用することを特徴とする酵素製剤をさす。カルシウム塩としては、カルシウムを含む塩であればよく、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、焼成カルシウム、卵殻カルシウム、貝カルシゥムなどが挙げられる。アルカリ性塩類としては、魚肉すり身の pHを上昇させうるものであればよく、リン酸 3ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、焼成カルシウムなどが使いやすい。水産練製品用トランスダル夕ミナ一ゼ製剤に配合されるタンパク質含有素材としては、カゼインナトリウム、カゼイン力リウム、大豆蛋白、小麦蛋白などが挙げられる。賦形剤としては、糖類、澱粉、デキストリン、糖アルコール類などを使用することができ、特に味への影響が小さいデキストリン、澱粉、乳糖などを使用するのが好ましい。

本発明において、プロテア一ゼ活性測定方法における酵素反応の条件、具体的には、反応温度とトランスグルタミナ一ゼ活性/基質比は、トランスグルタミナ一ゼ製剤を添加した後の夕ンパク質含有素材の条件に近いほど望ましい。接着製剤および水産練製品向けのプロテア一ゼ活性測定方法における酵素反応時のトランスダルタミナーゼ活性とジメチルカゼインの比は、 2 0 0ユニット [T G活性ジメチルカゼイン]以下（望ましくは 1 0 0ュニット [T G活性/ gジメチルカゼイン]以下）であり、酵素反応時の温度は、接着製剤用は 0 °C以上 1 0 °C以下が望ましく、 5 °C以上 1 0 °C以下が更に望ましく、水産練製品用は 3 0 以上 5 0 以下が望ましい。 '

本発明の接着用トランスグルタミナ一ゼ製剤における、プロデアーゼ活性とトランスダル夕ミナ一ゼ活性の比「ュニットプロテアーゼ活性ュニットトランスダル夕ミナ"ゼ活性」は 0 . 0 0 0 2 4以下が好ましく、更に好ましくは 0 . 0 0 0 1 7以下とするのが望ましい。

本発明の水産練製品用トランスダル夕ミナ一ゼ製剤における、プロテアーゼ活性とトランスダル夕ミナーゼ活性の比「ユニットプロテアーゼ活性 Zユニットトランスグルタミナ一ゼ活性」は 0 . 0 0 2以下が望ましい。

本発明 Ϊおいては、プロテア一ゼ活性の単位を以下のとおり定義する。「1分間に lmgのゥシ血清アルブミン（BSA) に相当する非たん白性の' L o wr y試液呈色物質の増加をもたらす酵素量を 1ユニット（1U) とする。」なお、プロテア一ゼ活性は、測定条件によって変化するため、同一の測定条によつて測定された値のみ直接比較することができる。

本発明におけるトランスダルタミナーゼの活性単位は、次のように測定され、かつ、定義される。すなわち、

「温度 37°Cで; pH6. 0のトリス緩衝液中、ベンジルォキシカルポニル—L一ダルタミニルダリシン及びヒドロキシルアミンを基質とする反応系で TG a s eを ,作用せしめ、生成したヒドロキサム酸をトリクロ口酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、 525 nmにおける吸光度を測定し、ヒドロキサム酸量を検量線により求め、 1分間に 1 モルのヒドロキサム酸を生成せしめる酵素量を 1ユニット（1U) とする。」（日本特許公開公報一昭 64·— 2747 1号参照）。 .

トランスダルタミナ一ゼ活性測定方法についてさらに詳細に述べる。

(試薬の調製）

試薬 A： 0. 03 Mベンジルォキシカルボ二ルー L—グル夕ミニルグリシン、 0. 1 M塩化ヒドロキシルアンモニゥム、 0. 01M還元型グルタチオン、 0. 2Mトリスヒドロキシァミノメタン、 pH6. 0 (塩酸を用いて pHを調整）

試薬 B ： 3M塩酸と 12%トリクロ口酢酸と 5%Fe C 1₃. 6H₂0 i n 0 . 1MHC 1を、体積比 1 ： 1 ： 1で混合して調製する。 .

酵素溶液：卜ランスグル夕ミナーゼ含有物 100ユニット相当を正確に量り取り（量り取った量を記録）、 50 m lの 0. 2Mトリス塩酸緩衝液 pH6. 0に溶解して調製する。

(操作）

酵素溶液 0. 2mlを試験管に量りとり、 37 °Cに温めておいた試薬 Aを 2m 1 添加し、 37°Cで 1 0分間反応させ、試薬 Bを 2m 1加えて反応を停止させ、 30 00 r pmで 10分間遠心分離後、上澄みの 525 nmの吸光度を測定する（酵素反応区）。対照として、酵素溶液を混合せずに反応停止まで同様の操作を行い、酵 '素溶液を 0. 2ml加えて 3000 r pmで 10分間遠心分離後、上澄みの 525 nmの吸光度を測定する。酵素反応区と対照の吸光度差を求めておく。

別に、酵素液のかわりに l〜4mg/ml L—グルタミン酸ァーモノヒドロキサム酸の水溶液を用いて同様の操作を行つて吸光度を測定し、検量線を作成する。 (トランスグルタミナ一ゼ活性の算出）

検量線と前記吸光度差から、酵素反応により生成したヒドロキサム酸の量を求め、 1分間に 1 モルのヒドロキサム酸を精製する酵素活性を 1ユニット（1U) として、トランスダル夕ミナ一ゼ含有物 1グラムあたりのトランスグルタミナーゼ活性を求める。実施例

以下に、測定例、実験例、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。

測定例 1

くトランスグルタミナ一ゼの低温プロテアーゼ活性試験法〉

(試料溶液調製法）

試料トランスダルタミナーゼ含有物（商品名「ァクティバ TG」、味の素 . (株）社製、約 1000ユニット Zg、粉末）をビ一力一に量り取り、採取量を記録する。なお、各試験区の採取量は、別途指定する。 2%KCし l %T r i t on X 一 100. 5 OmM りん酸緩衝液（pH6. 0) 10 Om 1を加え、スターラ一 -で 60分間攪拌した後、遠心分離（3000 r pm， 10分間、 20°C) し、その上澄を孔径 0. 45 imのシリンジフィルタ一でろ過する（用時調製）。

(ジメチルカゼイン溶液調製法： S I GMA C 9801, C a s e i n, N, N — d i. me t hy l a t e d f r om bov i n e mi l k)

ジメチルカゼインを正確に量りとり（各試験区の採取量は、別途指定する）、 5 OmMリン酸緩衝液（pH6. 0) 100 m 1を加え、常温で約 30分以上攪拌. して溶解する（用時調製）。 <L owr y法試液調製方法〉

アルカリ性銅試液 2%Na₂CO₃ i n 0. 1 MN a OH： 2 %酒石酸ナトリゥム溶液： 1%硫酸銅 5水和物を 50 : 1 : 1で混合する。（用時調製） 2倍希釈フエノール試液和光純薬製フエノール試薬と蒸留水を体積比 1 ： 1 で混合する。（用時調製）

<測定操作 >

(酵素反応）

サンプル：ジメチルカゼイン溶液を特定の温度 ±0. 5°Cに設定した恒温槽中（温度を標準温度計で確認する）に漬けておく。試験管に試料溶液 0. 4mLを量り取り、恒温槽中で約 10分間以上静置した後、ジメチルカゼィン溶液を 2 m L加え、直ちに振り混ぜ、特定の温度 ±0. 5°Cで正確に、特定の時間静置して酵素反応を進める（各試験区の温度と静置時間は別途指定する）。反応停止時間に順次 5%トリクロロ酢酸を 2ml加えて直ちに攪拌し、室温中に出す。 37°C±0. 5°Cに設定した恒温槽中に入れて 30〜45分間静置し、遠心分離（3000 r pm, 10 分間 20°C) し、孔径 0. 45 mのシリンジフィルターでろ過し、ろ液を回収する。

ブランク：ジメチルカゼイン溶液 2 mLを試験管に加えて特定の温度 ±0. 5でで正確に特定時間静置する（各試験区の温度と静置時間は別途指定する）。 5%トリクロ口酢酸を 2m 1加えて直ちに攪拌し、室温中に出す。各試料溶液 0. 4mLを加えて、直ちに攪拌する。 37°C±0. 5 °Cに設定した恒温槽中に入れて 30〜 4 5分間静置し、遠心分離（3000 r pm、 10分間、 20°0 し、孔径 0. 45 ^umのシリンジフィルタ一でろ過し、ろ液を回収する。

(呈色反応）

試験管にろ液 0. 4mLを量り取り、アルカリ性銅試液 2mLを加えて振り混ぜ、室温で 10分間放置する。次に、水で 2倍に希釈したフエノール試薬（和光純薬製） 0. 2mLを加えて直ちに攪拌する。続いて、 37°C±0. 5°Cに設定した恒温槽中に入れて 30分間静置後、室温中で放冷する。この液につき、水を対照とし、波長 700 rimにおける吸光度（サンプルの吸光度を A 1、プランクの吸光度を A 2とする）を測定する。

<検量線の作成 >

市販の標準用精製ゥシ血清アルブミン（BSA) 溶液（B i o— R ad P r o t e i n As s ay S t and a r d I I 濃度既知）に対し、蒸留水による 2倍希釈（1→2) を繰り返し、 2倍、 4倍、 8倍希釈溶液を調製する（例： B S A溶液の濃度が 1. 2mg/m 1の場合、希釈溶液の濃度はそれぞれ 0. 6 ,

0. 3， 0. 15mgZm 1となる）。試験管に希釈した B S A溶液 0. 4m Lを量り取り、アルカリ性銅試液 2 mLを加えて振り混ぜ、室温で 10分間放置する。次に、水で 2倍に希釈したフエノ一ル試薬 0. 2 mLを加えて直ちに攪拌する。続いて、 37°C土 0. 5 °Cに設定した恒温槽中に入れて 30分間静置後、室温中で放冷する。この液につき、水を対照とし、波長 700 nmにおける吸光度（S 1 ) を測定する。別に、 BS A溶液の代わりに蒸留水を用い、同様に操作して、吸光度（S O) を測定する。各標準蛋白質溶液の濃度、及び各 S 1から S 0を差し引いた吸光度差を用い、 M i c r o s o f t社製ソフト「Ex c e 1」により散布図を作成し、多項式近似，次数 2として近似曲線を作成し、数式を求める。 A1及び A 2の吸光度から S 0を差し引いた値を数式に代入して、それぞれの蛋白質濃度（P A 1, PA 2) を算出する。

<活性算出法 >

1分間に lmgのゥシ血清アルブミンに相当する非たん白性の Low r y試液呈色物質の増加をもたらす酵素量を 1単位（1U) とし、次式により算出する。式：プロテア一ゼ活性（ユニット Zg) = (PA 1 -PA 2) X 4. 4÷0. 4÷ TX V÷W

上記式中、

PA1 酵素反 JS溶液の蛋白質濃度（mgBS A/m 1 )

PA2 ブランクの蛋白質濃度（mgB SA/m 1 )

4. 4÷ 0. 4 反応停止後の総液量への換算係数 T 反応時間（分）

V 粉末試料溶解体積（ml)

W 粉末試料採取量（g)

を表す。

実験例 1

培養時のロットが異なるトランスダル夕ミナーゼ含有物を 12ロット用意し、事前にトランスグルタミナーゼ活性を測定し、トランスダルタミナーゼ活性がそれぞれ 1000ュニット /gとなるようにデキストリンを混合し、これらを試料トランスグル夕ミナーゼ含有物とした。

次に、後述の方法で接着製剤を調製し、その接着強度を測定した。次に、測定例 1に示す方法に準じ、表 1に従って試料トランスダル夕ミナ一ゼ含有物の採取量、ジメチルカゼインの採取量、酵素反応時の反応温度と反応時間を設定し、試料トランスダル夕ミナーゼ含有物 12ロッ卜のプロテア一ゼ活性を複数の条件で測定した。最後に、各条件で測定したプロテアーゼ活性と接着強度の相関係数を M i c r o s o f t社製ソフト「Exc e l」を用いて求め、プロテアーゼ活性と接着強度との相関性に対する、プロテァ一ゼ活性測定条件の影響を比較した。

<接着製剤の調製方法 >

12ロットの試料トランスグル夕ミナーゼ含有物を用い、以下に示す比率で粉末原料を粉粉混合した。

試料トランスグルタミナ一ゼ含有物（1000ユニット/ g) 4. 5部

魚ゼラチン粉末 40部

デキストリン粉末 53. 5部

微粒二酸化ケイ素粉末 2部 . (この混合物のトランスダル夕ミナ一ゼ活性/基質比は、 1 12ユニット/ gである）

<接着強度の測定方法 >

(1) 牛もも肉を 2 X 2 cmのサイコロ状に成型する。 ( 2 ) 成型した牛肉の一面に接着製剤をまぶし、製剤をまぶした面同士を貼り合わせ、真空包装して圧着し、 5 °Cで 7 2時間静置する。

( 3 ) 接着した肉片同士をテクスチャ一アナライザーで引っ張り、引っ張り応力のピークを測定し、これを接着力とする。

( 4 ) 接着力を被接着面積（4平方センチメートル）で割り、接着強度を算出する。単位はグラム/平方センチメートルで表される。なお、相関性の確認は、接着強度の常用対数とプロテアーゼ活性値との間で行う。

<接着強度とプロテァーゼ活性の相関性 >

(使用する溶液の濃度による表記）

(表 1 )

※トランスグルタミナ一ゼ原末のトランスグルタミナ一ゼ活性は、事前に 1000ユニット/ g に揃えた。上記表 1より、反応時のトランスダル夕ミナ一ゼ活性/基質比、更には反応時の温度が相関性に影響することが分かる。

比較例では、相関係数（0より遠いほど相関性が高い）で示される接着強度とプ口テアーゼ活性の相関性が低く、トランスダル夕ミナ一ゼ含有物のプロテア一ゼ活性から接着製剤の品質（接着強度）を推定することは困難であつたが、本発明では、相関性が十分に高く、接着製剤の品質を精度良く推定することができる。

ここで、相関係数とは、 2変数間（ここでは接着強度とプロテアーゼ活性）の関係の強さをあらわす係数のことをいい、一 1から 1までの間の値をとる。 2変数間の散布図を描き、右肩上がりの傾向を示すときには正の相関、逆に右肩下がりの傾向を示すときには負の相関があると言う。相関係数が 0に近づくほど 2変数間の相関関係が希薄であることになる。

比較例（実施例 4) および本発明（実施例 7) の条件で測定されたトランスダル夕ミナ一ゼ含有物数ロッ卜の各プロテアーゼ活性と、同ロットのトランスグルタミナーゼ含有物を用いて調製した接着製剤の接着強度を表 2に示し、当該プロテア一ゼ活性と当該接着強度の常用対数を要素とする散布図、ならびに本発明（実施例 7 ) の散布に対する線形近似線を図 1に示す。

(表 2) · 表 2) 比較例 (実施例 4)と本発明 (実施例 7)の測定値例

本発明（実施例 7) の散布に対する線形近似式は下記の通りであった。

L o glO [接着強度（g/cm²) ]=—4. 01 I Xプロテアーゼ活性（ュニット Zg トランスダルタミナーゼ含有物） + 2. 6626 実用的な最低限の接着強度は、経験的に 50 gとされ、さらに好ましくは 10 O g とされている。図 1の本発明（実施例 7) の線形近似線を用いて、接着強度 50 g の常用対数 1. 70と、 100 gの常用対数 2. 00に対応するプロテアーゼ活性を求めると、それぞれ 0. 24ユニット Zgと 0. 17ュニッ 'ト gとなる。従つて、接着製剤に実用的な接着強度を与えるためには、トランスグルタミナ一ゼ含有物のプロテア一ゼ活性は、本発明（実施例 7 ) の測定方法による場合、トランスグル夕ミナ一ゼ含有物（1グラム当たり 1 0 0 0ュニットのトランスダル夕ミナ一ゼ活性を含む） 1グラム当たり 0 . 2 4ユニット以下、好ましくは 0 . 1 7ユニット以下のプロテア一ゼ活性、すなわち 0 . 0 0 0 2 4 [ュニット ·プロテアーゼ活性 /ユニット · トランスグル夕ミナ一ゼ活性]以下、好ましくは 0 . 0 0 0 1 7 [ュニット ·プロテア一ゼ活性ノュニット ·小ランスグルタミナ一ゼ活性]以下である必要がある。

実験例 2

培養時のロットが異なるトランスグル夕ミナ一ゼ含有物を 1 6ロット用意し、事前にトランスダルタミナーゼ活性を測定し、トランスグル夕ミナーゼ活性がそれぞれ 1 0 0 0ュニットノ gとなるようにデキストリンを混合し、こ: らを試、料トランスグルタミナ一ゼ含有物とした。

次に、後述の方法で水産練製品用製剤を調製し、その製剤を用いて後述の方法で蒲鋅（水産練製品）を調製し、蒲鋅の物性を測定した。次に、測定例 1に示す方法に準じ、表 3に従って試料トランスグル夕ミナ一ゼ含有物の採取量、ジメチルカゼインの採取量、酵素反応時の反応温度と反応時間を設定し、試料トランスグルタミナーゼ含有物 1 6ロットのプロテア一ゼ活性を複数の条件で測定した。最後に、各条件で測定したプロテアーゼ活性と、蒲鋅の物性（破断応力）の相関係数を M i c r o s o f t社製ソフト「E x c e l」を用いて求め、プロテアーゼ活性と蒲鋅の物性との相関性に対する、プロテアーゼ活性測定条件の影響を比較した。

<水産練製品用製剤の調製方法 >

1 6ロットの試料トランスグルタミナ一ゼ含有物を用い、以下に示す比率で粉末原料を粉粉混合した。

試料トランスダルタミナーゼ含有物 1 0部

乳酸カルシウム 7 5部

デキストリン 1 5部 <蒲鋅の調製方法 >

フレークにした冷凍すり身（すけそうだら、 F A級） 1 0 0 0 gをステフアンカツターで、温度が一 2〜0 °Cになるまでカッティングする。 '食塩 3 0 gを添加し、氷水 3 5 0 gを加え、ステファンカツ夕一で温度が 7〜8 °Cになるまでカツティングする。グラニュー糖 2 0 g、馬鈴薯澱粉 4 0 g、氷水 3 5 0 g、水産練製品用製剤 2 gを加え、温度が 7〜8 °Cになるまでカッティングする。得られた生地を、直径 3 0 mmの筒状の塩化ビニリデン製ケ一シングに詰め、 4 0 °Cの蒸気中で 3 0分、続いて 8 5 °Cの蒸気中で 2 0分加熱し、氷水に浸して冷却する。

<蒲鋅の物性測定方法 >

テクスチャーアナライザーを用い、破断試験を行う。円柱形の蒲鋅を高さ 3 0 mm に切断し、直径 5 mmの球形のプランジャーを蒲鋅の断面中央に対して 1 mm/秒の速さで突刺し、破断した時点の応力（破断応力）を測定する。蒲鋅の破断応力と、試料トランスダル夕ミナーゼ含有物の各条件のプロテア一ゼ活性について、 M i c r o s o f t社製ソフト「E x c e 1」を用いて相関係数を求める。

<蒲鋅の物性とプロテア一ゼ活性の相関性 >

(使用する溶液の濃度による表記） '

(表 3 )

※トランスグルタミナ一ゼ原末のトランスグルタミナーゼ活性は、事前に 1000ユニット/ g に揃えた。上記表 3より、本発明の方が比較例よりも相関性が高く、水産練製品に対する効果を精度良く推定することができる。本発明（実施例 1 2 ) のプロテア一ゼ活性と破断強度の散布図に対して作成した線形近似式と、破断強度の平均は、以下のとおりであった。

破断強度（g ) = - 2 2 . 4 4 Xプロテア一ゼ活性（ユニット Z g トランスグル夕ミナ一ゼ含有物） + 4 6 0 . 8

破断強度平均 4 3 6 g

経験的に、蒲鋅の破断強度が、基準 X 9 5 %以上であれば食感上の機能低下の差異は認められず、水産練り製品用製剤の品質は許容範囲内と判断される。平均値を基準とすると、破断^度平均 X 9 5 % = 4 3 6 X 9 5 % = 4 1 5 gに対応するプロテア一ゼ活性を、前述の線形近似式から求めると、 2 . 0 6ユニット/ gであった。従って、水産練製品用製剤として実用的な品質を確保するためには、トランスグルタミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性は、本発明（実施例 1 2 ) の測定方法による場合、トランスダル夕ミナーゼ含有物（1グラム当たり 1 0 0 0ュニットのトランスダル夕ミナ一ゼ活性を含む） 1グラム当たり 2ユニット以下、すなわち 0 . 0 0 2 [ュニット ·プロテアーゼ活性/ュニット · トランスグルタミナ一ゼ活性]以下である必要があると考えられる。産業上の利用可能性

本発明のプロテア一ゼ活性測定方法によれば、トランスダル夕ミナ一ゼ製剤を夕ンパク質含有素材に使用した場合の製剤の効果を、トランスダルタミナーゼ含有物のプロテァ一ゼ活性から容易に把握することができる。

また、上記測定方法の適用により、入手可能な種々のトランスグル夕ミナーゼ含有物から、所望の効果を示すトランスダル夕ミナ一ゼ製剤を組成できるトランスグルタミナ一ゼ含有物を簡単に選び出すことが可能となる。

また、上記測定方法の適用により、入手可能な種々のトランスグルタミナ一ゼ含有物から、所望の接着効果を示すトランスグルタミナーゼ接着製剤を組成できるトランスグルタミナ一ゼ含有物を簡単に選び出すことが可能となる。

また、上記測定方法の適用により、入手可能な種々のトランスダルタミナーゼ含有物から、所望の水産練製品に対する効果を示す水産練製品用トランスグルタミナ一ゼ製剤を組成できるトランスダル夕ミナーゼ含有物を簡単に選び出すことが可能となる。 ' 本出願は日本国で出願された特許出願番号 2005-248767を基礎としており、その内容は本明細書中に全て包含されるものである。

Claims

請求の範囲

1. (a)トランスダル夕ミナ一ゼ含有物の水溶液とプロテア一ゼの基質であるジメチルカゼィンの水溶液を、トランスグル夕ミナ一ゼ活性：ジメチルカゼィン量比が、 200ユニット/ g以下となるように調製し、

(b)プロテアーゼによる酵素反応を進め、

(c)その後、酸を添加してろ過し、

(d)そのろ液中のタンパク質量を測定することからなる、

トランスダル夕ミナーゼ含有物のプロテア一ゼ活性測定方法。

2. 前記プロテア一ゼによる酵素反応が、温度 0°C以上 10°C以下で行われることからなる請求項 1に記載のトランスダルミナ一ゼ含有物のプロテア一ゼ活性測定方法。

3. トランスグル夕ミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性測定が以下の条件で行われることからなる請求項 1に記載のトランスダル夕ミナ一ゼ含有物のプロテァーゼ活性測定方法。

(I- a)試料トランスダル夕ミナーゼ含有物の溶液と、プロテア一ゼの基質であるジメチルカゼインの溶液を、卜ランスグル夕ミナ一ゼ活性 83. 3ュニットノ 10 Om 1、ジメチルカゼイン 2. 083 gZl 0 Om 1 · pH6とした水溶液 2. 4 部となるように調製し、

(I-b)前記トランスダルタミナーゼ含有物の溶液と前記ジメチルカゼィン水溶液を混合し 5 °Cで 24時間静置してプロテア一ゼによる酵素反応を進め、

(I-C)その後に、 12%トリクロ口酢酸' 2部を加えて遠心分離し、その上澄みをろ過してサンプルろ液を得て、

(II - a)ジメチルカゼイン溶液を 2. 5 g/10 Om 1 · p H 6とした水溶液 2部となるように調製し、

(I I-b)前記ジメチルカゼィン水溶液を 5 °Cで 24時間静置し、

(II-c)その後に、 12%トリクロ口酢酸 2部を加え、さらに 500ユニットノ 10 OmLの試料トランスダル夕ミナ一ゼ含有物の溶液を 0. 4部加えて混合し、遠心分離し、その上澄みをろ過してブランクろ液を得て、

(d)前記サンプルろ液と前記ブランクろ液を L o w r y法を用いて呈色反応させ、波長 500〜700 nmにおける各反応液の吸光度を蒸留水を対照として測定した場合の、サンプルろ液の吸光度を A 1、ブランクろ液の吸光度を A 2とし、別に、濃度が既知の標準用精製ゥシ血清アルブミンの溶液を L owr y法を用いて呈色反応させ、蒸留水を対照として波長波長 500〜700 nmにおける吸光度を測定し、標準用精製ゥシ血清アルブミン溶液の吸光度と蒸留水の吸光度から検量線を作成して前記 A1及び A2の吸光度からサンプルろ液とブランクの蛋白質濃度（ P A 1 、 PA 2) を算出し、さらに下式によってプロテア _一ゼ活性を求めることからなる、トランスダルタミナーゼ含有物に含まれるプロテァーゼ活性測定方法。

プロテアーゼ活性（ユニット Zg) = (PA1— PA2) X 4. 4÷ 0. 4÷ 14 40 X V÷W

〔式中、

PA1は、サンプルろ液の蛋白質濃度（mgBSAZm l )

PA 2は、ブランクろ液の蛋白質濃度（mgBSAZml )

4. 4÷0. 4は、反応停止後のトータル液量への換算係数

1440は、反応時間 24時間に相当する分間

Vは、試料トランスグルタミナ一ゼ含有物の溶解体積（ml)

Wは、試料トランスグルタミナ一ゼ含有物の採取量（g)

を表す。〕

4. (a)請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の測定方法によって複数種のトランスダル夕ミナ一ゼ含有物のプロテァーゼ活性を測定し、

(b)プロテア一ゼ活性とトランスダル夕ミナ一ゼ活性の比「ュニットプロテアーゼ活性ノユニットトランスダルタミナーゼ活性」が 0. 00024以下であるトランスダル夕ミナーゼ含有物を選別し、使用することからなる、

接着用トランスダルタミナーゼ製剤の調製方法。

5. (a)請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の卜ランスグルタミナーゼ含有物のプ口テァーゼ活性測定方法に従つて測定し、

(b)プロテアーゼ活性とトランスグルタミナ一ゼ活性の比「ユニットプロテアーゼ活性/ュニットトランスダル夕ミナーゼ活性」が 0. 00024以下であるトランスグル夕ミナ一ゼ含有物と、タンパク質含有素材とを使用することからなる、接着用トランスダル夕ミナ一ゼ製剤の調製方法。

6. 前記タンパク質含有素材が、ゼラチンであることからなる請求項 5記載の接着' 用トランスダルタミナーゼ製剤の調製方法。

7. 請求項 4 ~ 6のいずれかに記載の調製方法に従って調製された食品接着用トランスダル夕ミナ一ゼ製剤。

8. 前記プロテアーゼによる酵素反応が、温度 30°C以上 50°C以下で行われることからなる請求項 1に記載のトランスダル夕ミナーゼ含有物のプロテアーゼ活性測定方法。

9. トランスグル夕ミナ一ゼ含有物のプロテア一ゼ活性測定が以下の条件で行われることからなる請求項 1に記載のトランスダル夕ミナ一ゼ含有物のプロテア一ゼ活性測定方法。 '

(I - a)試料トランスグルタミナ一ゼ含有物の溶液と、プロテア一ゼの基質であるジメチルカゼインの溶液を、トランスダル夕ミナーゼ活性 83. 3ユニット /10 0m 1、ジメチルカゼイン 2. 083 gZl 0 Om 1 · pH 6とした水溶液 2. 4 部となるように調製し、

(I-b)前記トランスダルタミナーゼ含有物の溶液と前記ジメチルカゼィン水溶液を混合し 40 °Cで 1時間静置してプロテーア一ゼによる酵素反応を進め、

(II-b) if記ジメチルカゼィン水溶液を 40でで 1時間静置し、 (II - c)その後に、 1 2%トリクロ口酢酸 2部を加え、さらに 5 ◦ 0ユニット /1 0 OmLの試料トランスダルタミナーゼ含有物の溶液を 0. 4部加えて混合し、遠心分離し、その上澄みをろ過してブランクろ液を得て、

(d)前記サンプルろ液と前記ブランクろ液を L owr y法を用いて呈色反応させ、波長 5 0 0〜7 Q 0 nmにおける各反応液の吸光度を蒸留水を対照として測定した場合の、サンプルろ液の吸光度を A 1、ブランクろ液の吸光度を A 2とし、別に、濃度が既知の標準用精製ゥシ血清アルブミンの溶液を L owr y法を用いて呈色反応させ、蒸留水を対照として波長波長 5 00〜7 0 0 nmにおける吸光度を測定し、標準用精製ゥシ血清アルブミン溶液の吸光度と蒸留水の吸光度から検量線を作成して前記 A 1及び A 2の吸光度からサンプルろ液とブランクの蛋白質濃度（PA 1 、 PA2) を算出し、さらに下式によってプロテアーゼ活性を求めることからなる、トランスダルタミナーゼ含有物に含まれるプロテア一ゼ活性測定方法。

プロテア一ゼ活性（ユニット Zg) = (PA 1 -P A2) X 4. 4÷0. 4÷6 0 X V÷W

〔式中、

PA 1は、サンプルろ液の蛋白質濃度（mgBSAZm l )

PA2は、ブランクろ液の蛋白質濃度（mgBSAZm l )

4. 4 ÷0. 4は、反応停止後のトータル液量への換算係数

6 0は、反応時間 1時間に相当する分間

Vは、試料トランスダル夕ミナ一ゼ含有物の溶解体積（m l )

Wは、試料トランスグル夕ミナ一ゼ含有物の採取量 (g)

を表す。〕

1 0. (a)請求項 1、 8、 9のいずれか 1項に記載の測定方法によって複数種のトランスグルタミナ一ゼ含有物のプロテァーゼ活性を測定し、

(b)プロテアーゼ活性とトラ：スグルタミナーゼ活性の比「ユニットプロテアーゼ活性 Zュニットトランスダルタミナーゼ活性」が 0. 0 0 2以下であるトランスグル夕ミナ一ゼ含有物を選別し、使用することからなる、水産練製品用トランスダル夕ミナーゼ製剤の調製方法。

1 1 . (a)請求項 1、 8、 9のいずれか 1項に記載のトランスダルタミナーゼ含有物のプロテァーゼ活性測定方法に従つて測定し

(b)プロテア一ゼ活性とトランスダルタミナーゼ活性の比「ュニッ卜プロテア一ゼ活性 Zュニットトランスダル夕ミナーゼ活性」が 0 . 0 0 2以下であるトランスグル夕ミナーゼ含有物と、カルシウム塩、アルカリ性塩類、タンパク質含有素材から選ばれる少なくとも一つの副剤とを使用することからなる、水産練製品用トランスダルタミナーゼ製剤の調製方法。

1 2 . 請求項 1 0又は 1 1に記載の調製方法に従って調製された水産練製品用トランスダルタミナーゼ製剤。