WO2007010990A1 - フラーレン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Definitions
- fullerene 1,3 dioxolan can be obtained by reacting fullerene oxide with a carbole compound.
- fullerene 1,3 dioxolane can be obtained with high yield.
- fullerene 1 and 3 dioxolane can be produced in a high yield by the reaction of fullerene oxide and a carbonyl compound by a reaction mechanism different from the reaction mechanism estimated in the past. It is thought that it can be obtained.
- the fullerene oxide prepared by the above method is a mixture of fullerene oxide, and by subjecting it to a fractionation step, a desired fullerene oxide (monooxide, dioxide, trioxide, etc.) can be isolated. it can.
- the fractionation step can be performed by a known method. Hereinafter, the fractionation process will be described using C fullerene oxide as an example.
- unreacted fullerenes and low-order and high-order epoxides are mixed in the mixture of fullerene oxide.
- various fragments are present. Each of these fragments is, for example, a high performance liquid chromatograph connected to an LC-APC analyzer (Liquid chromatography-Atmospheric pressure chemical ionixation (APCI) -Mass-spectroscopy (MS), atmospheric pressure chemical ionization mass spectrometer).
- APCI Liquid chromatography-Atmospheric pressure chemical ionixation
- MS Mass-spectroscopy
- B can be used to determine the mass number.
- benzene molecular solvents include benzene molecular solvents, naphthalene molecular solvents, heterocyclic molecular solvents, alkane molecular solvents, haloalkane molecular solvents, polar molecular solvents, and the like.
- the mixing ratio of the fullerene oxide and the carbole compound is preferably set so that the carbole compound becomes excessive.
- fullerene dioxide When fullerene dioxide is used as a raw material, a mixture of fullerene mono 1,3-dioxolane and fullerene bis 1,3-dioxolan is obtained at the initial stage of the reaction of fullerene bis 1,3-dioxolane. .
- Fullerene mono 1,3-dioxolane and fullerene bis 1,3-dioxolane can be isolated by column chromatography. The same applies when fullerene trioxide is used as a raw material. It can be confirmed by mass spectrum, FT-IR, 13 C-NMR, and 1 H-NMR that the desired fullerene 1,3-dioxolane is obtained.
- reaction solution was filtered, and purification using silica gel column chromatography yielded products with molecular weights of 948.9 and 834.7 in yields of 50% and 23%, respectively.
- products were bis 1,3-dioxolane ((D) below and 1,3-dioxolan (above (b)).
- Fullerene 1,3-dioxolane obtained by the method of the present invention is suitable as a highly functional material such as a solar cell material.
Landscapes
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Abstract
フラーレン1,3-ジオキソランを簡便かつ高収率で製造する方法を提供する。
固体酸触媒存在下で、フラーレンオキシドとカルボニル化合物とを反応させることにより、フラーレン1,3-ジオキソランを製造する。
Description
フラーレン誘導体の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、フラーレンォキシドからのフラーレン 1, 3—ジォキソランの製造方法に関 する。
背景技術
[0002] フラーレンおよびその誘導体は、包接ィ匕合物に関連するクラスター科学や医薬品、 光電子デバイスへの応用の分野で注目されている。中でも、フラーレン 1, 3—ジォキ ソランは、電子受容体であり、高機能性材料として注目されている。
[0003] エポキシドとカルボニル化合物から、
[化 1]
〇
例えば、 B. N. Blackett, J. M. Coxon, M. P. Hartshorn, A. J. Lewis, G. R. Little a nd G. J. Wright.Tetrahedron, 26, 1311-1313 (1970) (以下、「文献 1」という)には、 B Fエーテレートを触媒として使用し、
3
[化 2]
H3 trans
の反応により、 1, 3—ジォキソランを製造する方法が記載されている。
[0004] また、 R. P. Hanzlik and M. Leinwetter, J. Org. Chem., 43, 438 (1978) (以下、「文 献 2」という)には、触媒として無水 CuSOを使用し、
4
の反応により、 1, 3 ジォキソランを製造する方法が記載されている。
更に、 H. Steinbrink, Ger. Patent (DOS) 1086241, Chemische Werke Huls AG (195 9) (以下、「文献 3」という)には、以下の反応により、 1, 3 ジォキソランを製造する方 法が記載されている。
[0006] F. Nerdel, J. Buddrus, u. bcherowsky, D. Klamann, and M. Fligge, Justus Liebig A nn. Chem. 710, 85 (1967) (以下、「文献 4」という)には、
の反応により、 1, 3 ジォキソランを製造する方法が記載されている。触媒としては、 文献 3では KSFクレイ力 文献 4では、テトラエチルアンモ -ゥムブロマイドが使用さ れている。
[0007] これら文献に記載の反応の反応機構につ!、ては、文献 1に記載の方法による生成 物の立体ィ匕学および 018アセトンを用いた実験結果により、以下に示すように、カルボ -ル酸素のバックサイドアタックに続 、て C C結合の回転を経て、第 2の C O結合 が生成することにより、 1, 3 ジォキソランが生成すると考えられている。しかし、この 反応は、エポキシドゃアルデヒドの副反応により 1, 3 ジォキソランの収率が低下す るという問題があった。また、使用する触媒は、吸湿性が高ぐ取り扱いが容易ではな かった。
、Η
: Η3 「.o ccl
col 、
Β,
[0008] また、触媒としてピリジ-ゥム塩を用いて、以下の反応により、 1, 3—ジォキソランを 製造する方法が、 S-B. Lee, T. Tanaka, and T. Endo, Chem. Lett., 2019-2022 (199 0) (以下、「文献 5」という)に記載されている。
R=Ph, C , CH l
上記文献 5に記載の方法における反応機構も、前述と同様と推定される。
[0009] 一方、フラーレンを出発物質としてフラーレン 1, 3—ジォキソランを得る方法力 文 献 6〜8 (文献 6 :Y. Achiba et al., Tetrahedron Lett., 34, 7629-7632 (1993)、文献 7 : C. S. Foote et al" Angew. Chem. Int. Ed. 31, 351-353 (1992)、文献 8 : S- H. Wu et al., J. Chem. Soc, Chem. Commun., 1995. 1071)に報告されている。し力し、文献 6 〜8に記載の方法では、フラーレン 1, 3—ジォキソランが他のフラーレン誘導体ととも に得られることが多い。そのため、これらの方法では、フラーレン 1, 3—ジォキソラン を高収率で得ることはできな力つた。また、使用する試薬、例えば過酸化物の取り扱 V、が困難であると 、う問題もあった。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0010] 本発明の目的は、フラーレン 1, 3—ジォキソランを簡便かつ高収率で製造する方 法を提供することである。
課題を解決するための手段
[0011] 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、固体酸触媒存 在下でフラーレンォキシドとカルボ二ルイ匕合物とを反応させることにより、簡便かつ高 収率でフラーレン 1, 3—ジォキソランを製造することができることを見出し、本発明を 完成するに至った。
[0012] 即ち、本発明は、固体酸触媒存在下で、フラーレンォキシドとカルボ-ルイ匕合物と を反応させることにより、フラーレン 1, 3—ジォキソランを製造する方法に関する。
[0013] 前記固体酸触媒は、プロトン供与体であることができる。
前記固体酸触媒は、スルホン酸基を含有するものであることができる。
前記固体酸触媒は、陽イオン交換榭脂であることができる。
前記カルボ二ルイヒ合物は、芳香族アルデヒド、脂肪族アルデヒドおよび脂環式アル デヒド等のアルデヒド、または芳香族ケトン、脂肪族ケトン、炭素環式ケトンおよび複 素環式ケトン等のケトンであることができる。
前記反応におけるフラーレンォキシドとカルボ二ルイ匕合物との混合比(フラーレンォ キシド:カルボ-ル化合物)は、 1: 1〜1: 1000、好ましくは 1: 10〜1: 100の範囲で あることができる。
前記反応におけるフラーレンォキシドの濃度は、 10―1〜 10— 4M、好ましくは 10— 2〜1 0一3 Mの範囲であることができる。
前記固体酸触媒は、フラーレンォキシドに対して 0. 1モル%〜100モル0 /0、好まし くは 1モル0 /0〜 50モル0 /0の量で使用することができる。
前記反応は、—10°C〜110°C、好ましくは 20°C〜100°Cの範囲の温度で行うこと ができる。
[0014] 本発明によれば、高機能性材料として有用なフラーレン 1, 3—ジォキソランを簡便 かつ高収率で得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
[0015] 本発明は、固体酸触媒存在下で、フラーレンォキシドとカルボニル化合物とを反応 させることにより、フラーレン 1, 3—ジォキソランを製造する方法に関する。本発明に おいて、「固体酸」とは、常温 (25°C)、常圧(latm)下において固体状態を保持する
酸をいうものとする。
[0016] 本発明の製造方法によれば、出発物質としてフラーレンォキシドを使用し、カルボ 二ルイ匕合物との簡便な反応により、高収率でフラーレン 1, 3 ジォキソランを得ること ができる。更に、本発明の製造方法は、 1, 3 ジォキソランの位置を制御できるという 利点も有する。
前述の文献 6〜8に記載の技術のように、出発物質としてフラーレンを使用すると、 1, 3 ジォキソランが生成する位置を制御することは困難である。一方、フラーレン ォキシドを出発物質として使用すれば、エポキシドの位置に 1, 3 ジォキソランが生 成するため、 1, 3 ジォキソランの位置を制御することが可能になる。更に、本発明 者らは、特定の位置にエポキシドが存在するフラーレンォキシドを得る方法を確立し た (特開 2003— 277373号公報参照)。この方法により得られたフラーレンォキシド を出発物質として用いれば、特定の位置に 1, 3 ジォキソランを有するフラーレン 1 , 3—ジォキソランを得ることができる。
[0017] 一方、前述のように、エポキシドとカルボ-ル化合物から 1, 3 ジォキソランを得る 反応の反応機構は、カルボニル酸素のノ ックサイドアタックに続いて C C結合の回 転を経て、第 2の C O結合が生成することにより、 1, 3 ジォキソランが生成すると 推定されている。しかし、フラーレンォキシドの場合、カルボ-ル酸素がバックサイド アタックする位置に、フラーレンが存在するため、カルボ-ル酸素のバックサイドァタ ックにより C C結合を回転させることは不可能と考えられる。つまり、この反応機構で は、フラーレンォキシドとカルボ-ル化合物から、フラーレン 1, 3 ジォキソランを得 ることは不可會である。
[0018] しかし、驚くべきことに、本発明者らの検討の結果、フラーレンォキシドとカルボ-ル 化合物とを反応させることにより、フラーレン 1, 3 ジォキソランが得られることが判明 した。し力も、本発明の方法によれば、高い収率でフラーレン 1, 3 ジォキソランを得 ることができる。本発明の方法では、従来推定されていた反応機構とは異なる反応機 構によって、フラーレンォキシドとカルボ二ルイ匕合物との反応が進行することにより、 フラーレン 1 , 3 ジォキソランを高収率で得ることができると考えられる。
[0019] 更に、本発明の方法は、固体酸触媒を使用するため、反応終了後の精製が非常に
容易になるという工業的利点もある。固体酸を用いる場合には、固液系での反応とな るため、生成物であるフラーレン 1, 3—ジォキソランと触媒とをろ過等の簡便な方法 によって容易に分離することができ、工業的にも非常に有用である。
[0020] 本発明において使用されるフラーレンォキシドは、フラーレンを酸ィ匕することにより 得ることができる。原料フラーレンとしては、 C を用いることができ、 C 、C 、C 、C
60 70 76 78 82
、 C 等を用いることもできる。原料フラーレンは、公知の方法で得ることができ、また、
84
市販品として入手可能なものもある。
[0021] フラーレンの酸化は、例えば、フラーレン C を m—クロル過安息香酸 (m- CPBA)で
60
酸ィ匕することにより行うことができる。 m-CPBAによる酸ィ匕反応は、例えば、以下の条 件で行うことができる。
フラーレン C と m- CPBAとのモル比: 1: 10〜1: 100、好ましくは 1: 30〜1: 60
60
反応温度: 80〜120°C
反応時間: 1分〜 60分、好ましくは 10〜30分
[0022] フラーレンォキシドの調製は、上記 m-CPBAのような過安息香酸を用いる方法以外 に例えば、酸化剤としては、フランペルォキシド等の有機過酸、ジォキシランィ匕合物、 オゾン、 P :チトクロームォキシダーゼ等を用いる方法を用いることもできる。
450
[0023] 前記方法により調製されたフラーレンォキシドは、フラーレンォキシドの混合物であ り、分画工程に付すことにより、所望のフラーレンォキシド (モノォキシド、ジォキシド、 トリオキシド等)を単離することができる。分画工程は、公知の方法で行うことができる 。以下、 C のフラーレンォキシドを例にとり、分画工程について説明する。
60
[0024] フラーレンォキシドの混合物には、一般に未反応のフラーレンや低次および高次の エポキシドが混在する。例えば、フラーレンォキシドの混合物を HPLCにかけると、種 々のフラグメントが存在する。そして、これらの各フラグメントは、例えば、 LC-APCト M ¾ (Liquid chromatography- Atmospheric pressure chemical ionixation(APCI)-Mass-sp ectroscopy(MS),大気圧化学イオン化質量分析器を接続した高速液体クロマトグラフ ィー)を用いることで質量数を決定できる。
[0025] 例えば、上記 LC-APCI-MSを用いて、フラーレンォキシドの混合物の中から、所望 のエポキシド (モノォキシド、ジォキシド、トリオキシド等)のみを含む画分を、シリカゲ
ルを用いて分離することができる。具体的には、シリカゲルを充填したカラムにフラー レンォキシドの混合物を供給し、次いで、適当な溶出液を用いて各フラグメントを順 次溶出させ、 目的とするフラーレンエポキシドのみを含む画分を得ることができる。
[0026] 使用するシリカゲルには特に制限はな 、が、例えば、アルカン基結合シリカゲルで あることが好ましぐアルカン基結合シリカゲルとしては、 C18 (ォクタドデシル)基結 合シリカゲル、 C30基結合シリカゲル等を挙げることができる。
また、溶出液は、使用するシリカゲルの種類により適宜決定されるが、例えば、疎水 性移動相という観点から、トルエンとァセトニトリルとの混合溶媒、トルエンとメタノール との混合溶媒、オルトジクロロベンゼンとメタノールとの混合溶媒等を使用することが できる。また、フラーレンォキシドの異性体の分離方法については、特開 2003— 27 7373号公報を参照することができる。
また、本発明では、フラーレンの酸ィ匕により得られたフラーレンォキシド混合物を、 カルボ二ルイ匕合物との反応に用いることもできる。但し、この混合物には、未反応のフ ラーレンも含まれる場合があるため、前述のように、シリカゲルを充填したカラムを用 いて、未反応フラーレンを除いた後に、反応に付すことが好ましい。
[0027] 本発明の方法では、前述の方法によって得られたフラーレンォキシドを、固体酸触 媒存在下でカルボ-ルイ匕合物と反応させることにより、フラーレン 1, 3 ジォキソラン を製造する。
カルボ二ルイ匕合物としては、アルデヒドを使用することができ、ケトンを使用すること もできる。カルボニル化合物の構造は、最終生成物であるフラーレン 1, 3 ジォキソ ランの物性 (溶剤溶解性ゃ榭脂との親和性等)を考慮して適宜設定することができる 。また、カルボニル化合物として、環構造をもつものを使用することもできる。
[0028] 具体的には、フラーレンォキシドとの反応に用いるアルデヒドとしては、芳香族アル デヒド、脂肪族アルデヒド、脂環式アルデヒド等を挙げることができる。芳香族アルデヒ ドとしては、ベンズアルデヒド、 3—または 4 アルキルべンズアルデヒド(アルキル基 は C〜C で置換されていてもよい)、 3—または 4—アルコキシアルデヒド(アルコキ
1 20
シは c o—から c o—で置換されていてもよい)等を挙げることができる。脂肪族ァ
1 20
ルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、ァセトアルデヒド、 R -CHO (Rは C〜C の置
換基を有してもょ 、アルキル基)等を挙げることができる。脂環式アルデヒドとしては、 シクロペンタンカルバルデヒド、シクロへキサンカルバルデヒド、シクロヘプタン力ルバ ルデヒド、シクロオクタンカルバルデヒド等を挙げることができる。更に、ヘテロ環含有 アルデヒドとしては、フルフラール、ニコチンアルデヒド、 2—テトラハイドフランカルバ ルデヒド、 2—チォフェンカルバルデヒド等を挙げることができる。
[0029] フラーレンォキシドとの反応に用いるケトンとしては、芳香族ケトン、脂肪族ケトン、 炭素環式ケトン、複素環式ケトン等を挙げることができる。芳香族ケトンとしては、ァセ トフエノン、 3—または 4—アルキル置換ァセトフエノン (R(C H ) COCH ; R=C
6 4 3 1〜C の置換されていてもよいアルキル基)、 3—または 4 アルコキシ置換ァセトフエノン(
20
RO (C H ) COCH ; R=C〜C の置換されていてもよいアルキル基)、プロピオフエ
6 4 3 1 10
ノン誘導体 (R(C H ) COC H ; R=C
6 4 2 5 1〜C の置換されていてもよいアルキル基また
20
はじ〜C の置換されていてもよいアルコキシ基)、デォキシベンゾイン類 (R (C H )
1 10 1 6 4
CH CO (C H )R ;R , Rは、それぞれ独立に H、 C〜C のアルキル基、または C
2 6 4 2 1 2 1 20 1
〜C のアルコキシ基)、 R (C H ) COR (R =C〜C のアルキル基、 C〜C のァ
10 1 6 4 2 1 1 20 1 10 ルコキシ基、 R =C
2 3〜C のアルキル基)、ベンゾフヱノン誘導体 (R (C H ) CO (C
10 1 6 4 6
H )R (R , Rはそれぞれ独立に水素、 C〜C のアルキル基、 C〜C のアルコキシ
4 2 1 2 1 20 1 10
基、またはハロゲン原子)等を挙げることができる。脂肪族ケトンとしては、 R COR (R
1 2
, Rはそれぞれ独立に C
2 1〜C の置換基を有してもよいアルキル基)、例えば、ァセ
1 20
トン、メチルェチルケトン、ジェチルケトン、メチルプロピルケトン、ェチルプロピルケト ン、ジプロピルケトン、メチル tーブチルケトン、ェチル tーブチルケトンなどを挙げるこ とができる。炭素環式ケトンとしては、シクロペンタノン、シクロへキサノン、シクロヘプ タノン、シク口才クタノン、インデン一 1—才ン、インダノン、 9 フルォレノン、アンス口 ン、 1 ォキソ一 1, 2, 3, 4ーテトラヒドロナフタレン等を挙げることができる。複素環 式ケトンとしては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含むもの、より好ましくは、エステ ル構造を有するもの、例えば、 γ ブチロラタトン、 δ バレロラタトン、 γ バレロラ タトン等を挙げることができる。
[0030] 反応に使用する固体酸触媒は、常温、常圧下で固体状態を保持するものである。
前述のように、固体酸触媒を使用することにより、反応終了後の精製が容易になると
いう工業的利点を得ることができる。
[0031] 前記固体酸触媒としては、一分子内にプロトン (H+)として供与可能な水素原子を 少なくとも 1つ有し、反応においてプロトン供与体として作用するものを用いることが好 ましい。そのようなものとしては、一般にブレンステッド酸とよばれる酸を挙げることが できる。なお、ブレンステッド酸とは、 1923年にブレンステッドとローリーが提案した定 義である。これによると、ブレンステッド酸とはプロトンを与える物質であり、ブレンステ ッド塩基とはプロトンを受け取る物質をいう。
[0032] 具体的には、本発明において固体酸触媒として使用可能な酸としては、以下のも のを例示できる:リン酸、ポリリン酸等公知のプロトン酸;ベンゼンスルホン酸 (融点 45- 50°C)、トルエンスルホン酸類等各種スルホン酸類; CsHSO、 Cs (HSO )等のセシウム
4 2 4
塩類; Rb H(SeO )のようなルビジウム塩類; (NH ) H(SO )のようなアンモ-ゥム塩類;
3 4 2 4 3 4 2
K H(SO )のような硫酸水素塩類; HZr (PO )のようなリン酸水素塩;各種へテロポリ酸
3 4 2 2 4 3
類;各種陽イオン交換榭脂;ゼォライト類;シリカ、アルミナ、ジルコユア、チタ-ァ、含 水酸化ニオブ、含水酸化タンタル等の各種の無機酸化物; Zr、 Sn等の金属酸化物; スメクタイト、カオリナイト、バイミキユライト等の各種層状ィ匕合物をアルミニウムおよび ケィ素、チタン、ジルコニウムの中力も選ばれる一種類以上の金属酸ィ匕物で処理した イオン交換型層状ィ匕合物等。なお、本発明においては、固体酸触媒を一種単独で 用いることができ、また二種以上を併用することも可能である。
[0033] 本発明におけるヘテロポリ酸とは、遊離酸ならびにその中性および酸性塩を含む 概念である。ここで、酸性塩とは、水素イオンの幾つかが塩基性カチオン、例えばァ ルカリ金属カチオンで置き換えられたヘテロポリ酸 (HPA)の塩を意味する。従って、 本発明における触媒に使用されるへテロポリ酸には、遊離酸およびその配位型の塩 が含まれ、該塩中でァ-オンは錯体高分子量物質として存在する。典型的には、該 ァ-オンは 2〜18個の酸素が結合した多価金属原子を含み、それは周辺原子と呼 ばれる。これらの周辺原子は、 1個またはそれ以上の中心原子を対称的に取り囲む。 該周辺原子は通常、 1個またはそれ以上のモリブデン、タングステン、バナジウム、二 ォブ、タンタル、およびその他の金属力もなる群力も選ばれる少なくとも一種である。 中心原子は通常、ケィ素またはリンである力 元素の周期表の第 IA〜VIIA族および
第 VIII族に属する元素を含んでいても良い。これら元素のイオンとしては、例えば、第 二銅イオン;二価のベリリウム、亜鉛、コバルトまたはニッケルの各イオン;三価のホウ 素、アルミニウム、ガリウム、鉄、セリウム、ヒ素、アンチモン、リン、ビスマス、クロムまた はロジウムの各イオン;四価のケィ素、ゲルマニウム、錫、チタン、ジルコニウム、バナ ジゥム、ィォゥ、テルル、マンガン、ニッケル、白金、トリウム、ハフニウム、セリウムの各 イオン、およびその他の稀土類イオン;五価のリン、ヒ素、バナジウム、アンチモンの 各イオン;六価のテルルイオン;ならびに七価のヨウ素イオンが挙げられる。ヘテロポ リ酸はまた、〃ポリオキソァ二オン"、〃ポリオキソメタレード 'または"金属酸ィ匕物クラスタ 一"として知られる。代表的なァ-オン構造として、ケギン (Keggin)構造、ウェルズ ダウソン(Wells- Dawson)構造,アンダーソンーェヴアンズ一ペルロフ(Anderson- Eva ns-Perlolf)構造 (何れも当該分野の先駆的研究者に因んで命名された)が挙げられ る。
[0034] ヘテロポリ酸は通常、例えば 700〜8500程度の高分子量を有し、ニ量錯体の構造 を採る場合もある。また、ヘテロポリ酸は水やその他の酸素含有溶媒等の極性溶媒 に比較的高い溶解性を有する。この溶解性は、ヘテロポリ酸が遊離酸やある種の塩 の形態を採る場合に高くなることが知られており、適当な対イオンを選択することによ り調節することができる。本発明において固体酸触媒として使用し得るヘテロポリ酸と しては、下記のものを例示できる;リン— 12—タングステン酸(H [PW O ]xH O) ,
3 12 40 2 リン— 12—モリブデン酸(H [PMo O ]xH O) ,ケィ— 12—タングステン酸(H [Si
3 12 40 2 4
W O ]xH O) ,ケィ一 12—タングステン酸モノナトリウム(H Na[SiW O ]xH O)
12 40 2 3 12 40 2
,ケィ一 12—モリブデン酸(Η [SiMo O ]xH O) ,リンタングステン酸カリウム(K [
4 12 40 2 6
P W O ]xH O) ,リンモリブデン酸ナトリウム(Na [PMo O ]xH O) ,二リンーモ
2 18 62 2 3 12 40 2
リブデン酸アンモ-ゥム((NH ) [P Mo O ]xH O) ,ニッケル一タングステン酸ナト
4 6 2 18 62 2
リウム(Na [NiW O H ]xH O) ,ニコバルト—モリブデン酸アンモ-ゥム((NH ) [C
4 6 24 6 2 4 o Mo O ]xH O) ,ケィタングステン酸セシウム水素(Cs H[SiW O ]xH O) ,リン
2 10 36 2 3 12 40 2 モリプドジバナジウム酸カリウム(K [PMoV O ]xH O)。
5 2 40 2
[0035] 本発明において固体酸触媒として使用し得る無機酸化物や金属酸化物は、無水 状態でも水をィ匕学的または物理的に含有した状態で用いても構わない。また、シリカ
一アルミナ、シリカ一ジルコユア、シリカ一チタ-ァ等のように二種類以上の元素の混 合酸化物や複合酸化物であっても構わな ヽ。
[0036] 本発明において固体酸触媒として使用し得る陽イオン交換榭脂としては、スルホン 酸基を有する強酸性陽イオン交換榭脂、カルボン酸基またはフエノール性ヒドロキシ ル基を有する弱酸性陽イオン交換榭脂を挙げることができる。なお、陽イオン交換榭 脂は、通常プロトン交換型 (H型)が用いられるが、その一部が Na、 Ca等で交換され ていてもよい。
[0037] 本発明において固体酸触媒として使用し得る陽イオン交換榭脂としては、以下のも のを例示できる:シグマアルドリッチ製のアンバーライト IR120 sodium form,アンバー ライト IRP— 69、アンバーリスト 15 hydrogen form (以上スルホン酸基含有)、アンバ— ライト IRC— 50 hydrogen form,アンバーライト IRP— 64hydrogen form (以上カルボ ン酸基含有);オルガノ株式会社製のアンバーリスト 15DRY、アンバーリスト 15JWET 、アンバーリスト 16WET、アンバーリスト 31WET,アンバーリスト 35WET、アンバー ライト IR120B Naゝアンバーライト IR120BN Naゝアンバーライト IR124 Naゝアンバ 一ライト 1006FH、アンバーライト 200CT Na、アンノ ーライト 252 Na (以上スルホン 酸基含有)、アンバーライト IRC50、アンバーライト IRC76 (以上カルボン酸基含有); 三菱ィ匕学株式会社製のダイヤイオン SK1B、ダイヤイオン SK104、ダイヤイオン SK 110、ダイヤイオン SK112、ダイヤイオン SKI 16、ダイヤイオン UBK530、ダイヤィ オン UBK550、ダイヤイオン UBK535、ダイヤイオンダイヤイオン 555 (以上スルホ ン酸基含有)、ダイヤイオン PK208、ダイヤイオン ΡΚ212、ダイヤイオン ΡΚ216、ダ ィャイオン ΡΚ220、ダイヤイオン ΡΚ228、ダイヤイオン WK10、ダイヤイオン WK11 、ダイヤイオン WK100、ダイヤイオン WT01S、ダイヤイオン WK40 (以上カルボン 酸基含有);米国ザ 'ダウ'ケイミカル'カンパ-一製のダウエックス 50WX 2、ダウエツ タス 50WX 4、ダウエックス 50WX 8、ダウエックスマラソン C、ダウエックスモノスフィ ァー 650C、ダウエックス HCR— W2、ダウエックス 88 (以上スルホン酸基含有)、ダウ エックス MAC— 3 (カルボン酸基含有)、ダウエックス HCR— 2、ダウエックスマラソン MSC (以上スルホン酸基含有);米国ローム'アンド ·ハース社製のデュオライト C20S 、デュオライト C20、デュオライト C20LF、デュオライト C26A (以上スルホン酸基含有
)、デュオライト C433LF、デュオライト C476 (以上カルボン酸基含有)等を用いること が出来る。
[0038] 本発明において固体酸触媒として使用し得るゼォライト類は、プロトン酸性を有する ゼォライトであることが好ましぐモルデナイト、エリオナイト、フ リエライト、モービル 社発表の ZSM— 5、 ZSM— 4、 ZSM— 8、 ZSM— 11、 ZSM— 12、 ZSM— 20、 ZS M— 40、 ZSM— 35、 ZSM— 48系ゼオライトや MCM— 41、 MCM— 48、 MCM— 50、 FSM— 16等のいわゆる M41Sメソポーラスゼオライト等の結晶性アルミノシリケ ート、およびボロシリケート、ガロシリケート、フエ口アルミノシリケート、チタノシリケート 等の異元素含有ゼォライト等の公知のゼォライトが例示できる。また、これらのゼオラ イトは、通常プロトン交換型 (H型)が用いられるが、その一部が Na、 K、 Li等のアル カリ金属、 Mg、 Ca、 Sr等のアルカリ土類元素、 Fe、 Co、 Ni、 Ru、 Pd、 Pt、 Zr、 Ti等 の遷移金属元素力 選ばれた少なくとも一種のカチオン種で交換されていてもよい。 なお、ゼォライトの使用される形態はいかなるものでもよぐ粉末状、顆粒状のものが 使用できる。また、担体あるいはノインダ一として、アルミナ、チタ-ァ、シリカ等を使 用することちでさる。
[0039] 本発明では、以上説明した固体酸触媒の中でも、スルホン酸基を含有する固体酸 触媒を用いることが反応効率および収率の点で好ましい。なお、固体酸触媒の使用 される形態は特に制限はないが、通常粉末状、顆粒状で使用することができる。また 、担体あるいはノインダーとして、アルミナ、シリカ、チタ-ァ等を使用してもよい。
[0040] 反応に使用する溶媒は、フラーレンォキシドに対して良溶媒であることが好ましい。
具体的には、例えば、ベンゼン分子系溶媒、ナフタレン分子系溶媒、複素環分子系 溶媒、アルカン分子系溶媒、ハロアルカン分子系溶媒、極性分子系溶媒等を挙げる ことができる。
[0041] ベンゼン分子系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ェチルベンゼン、 n—プロピル ベンゼン、イソプロピルベンゼン、 n—ブチノレベンゼン、 sec—ブチルベンゼン、 tert ーブチノレベンゼン、キシレン、 o—キシレン、 m—キシレン、 p—キシレン、 1, 2, 3—ト リメチルベンゼン、 1, 2, 4—卜リメチルベンゼン、 1, 3、 5—卜リメチルベンゼン、 1, 2, 3, 4ーテトラメチルベンゼン、 1, 2, 3, 5—テトラメチルベンゼン、テトラリン、 o—タレ
ゾーノレ、ベンゾニトリノレ、フノレオ口ベンゼン、ニトロベンゼン、ョードベンゼン、ブロモベ ンゼン、 ο ジブロモベンゼン、 m—ジブロモベンゼン、ァ-ソール、クロ口ベンゼン、
0—ジクロ口ベンゼン、 m—ジクロ口ベンゼン、および 1, 2, 4 トリクロ口ベンゼン等を 挙げることができる。これらベンゼン分子系溶媒の中でも工業的に好ましいものは、 ベンゼン、トルエン、キシレン、 1, 2, 4 トリメチルベンゼン、および o ジクロ口ベン ゼンである。
[0042] ナフタレン分子系溶媒としては、 1ーメチルナフタレン、ジメチルナフタレン、 1 フエ 二ルナフタレン, 1 クロロナフタレン、および 1ーブロモー 2—メチルナフタレン等を 挙げることができる。これらナフタレン分子系溶媒の中でも工業的に好ましいものは、
1—メチルナフタレン、 1—フエ二ルナフタレンである。
[0043] 複素環分子系溶媒としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチォフェン、 2—メチルチ オフェン、ピリジン、キノリン、およびチォフェン等を挙げることができる。これら複素環 分子系溶媒の中でも工業的に好ましいものは、テトラヒドロフラン、キノリンである。
[0044] アルカン分子系溶媒としては、 n—へキサン、シクロへキサン、 n オクタン、 2, 2, 4 トリメチノレペンタン、 n デカン、 n—ドデカン、 n—テトラデカン、デカリン、 cis デ カリン、および trans デカリン等を挙げることができる。これらアルカン分子系溶媒の 中でも工業的に好ましいものは、 n—へキサン、シクロへキサン、 n—デカン、 n—ドデ カン、 n—テトラデカン、デカリンである。
[0045] ハロアルカン分子系溶媒としては、ジクロロメタン、クロロフオルム、四塩化炭素、 1,
2—ジブロモェタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロジフノレオ口エタ ン、 1, 1, 2—卜リク — 1, 2, 2— HJフノレ才 Pエタン、および 1, 1, 2, 2—テ卜ラク P ロェタンを挙げることができる。これらハロアルカン分子系溶媒の中でも工業的に好ま しいものは、ジクロロメタン、クロロフオルムである。
[0046] 極性分子系溶媒としては、 N—メチル 2 ピロリドン等を挙げることができる。また 、その他の溶媒としては、二硫ィ匕炭素を挙げることができる。本発明では、使用する カルボニル化合物に応じて最適な溶媒を選択することにより、反応収率を向上させる ことができる。
[0047] これらの溶媒は、一種単独としても、または二種以上の混合溶媒としても使用するこ
とができ、またフラーレンォキシドの溶解性が確保できる範囲では、それ以外の溶媒 との混合溶媒としても使用することができる。
[0048] フラーレンォキシドとカルボ-ル化合物との混合比は、カルボ-ル化合物が過剰に なるように設定することが好ま 、。フラーレンォキシドとカルボ-ルイ匕合物との混合 比は、例えばフラーレンォキシド:カルボ-ル化合物 = 1: 1〜1: 1000、好ましくは 1: 10〜1: 100とすることができる。
[0049] フラーレンォキシドの濃度は、溶媒に対するフラーレンォキシドの溶解度に依存し、 例えば、 10―1〜 10— 4Mとすることができ、 10— 2〜: LO—3Mオーダーであることが好ましい 。カルボ-ル化合物の濃度は、フラーレンォキシドの濃度に応じて、フラーレンォキシ ドとカルボ-ルイ匕合物の混合比が上記範囲になるように設定することが好ま 、。
[0050] 反応に使用する固体酸触媒量は、フラーレンォキシドに対して 0. 1モル%〜100モ ル%とすることができ、 1モル%〜50モル%とすることが好ましい。反応温度は一 10 °C〜110°Cとすることができ、好ましくは 20°C〜100°Cである。反応時間は反応温度 に依存し、例えば 30分〜 100時間とすることができ、好ましくは 1時間〜 3時間である 。反応は、空気下で行うことが可能であるが、不活性雰囲気下で行うこともできる。例 えば、アルゴン、ヘリウム、または窒素雰囲気下でも行うことが出来る。
[0051] 前記反応後、固体酸触媒を予めろ過 ·デカンテーシヨン等によって除去し、減圧下 で溶媒を留去し、残渣を適当な溶媒で洗浄した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ 一によつて精製することにより、フラーレン 1, 3—ジォキソランを得ることができる。本 発明によれば、固体酸触媒をろ過 ·デカンテーシヨン等によって容易に除去すること ができ、この点は、工業的にも非常に大きな利点である。なお、原料としてフラーレン ジォキシドを使用した場合には、フラーレンビス 1, 3—ジォキソランが得られる力 反 応初期には、フラーレンモノ 1, 3—ジォキソランとフラーレンビス 1, 3—ジォキソラン の混合物が得られる。フラーレンモノ 1, 3—ジォキソランとフラーレンビス 1, 3—ジォ キソランは、カラムクロマトグラフィーによってそれぞれを単離することができる。原料と してフラーレントリオキシドを使用した場合も同様である。 目的のフラーレン 1, 3—ジ ォキソランが得られていることは、マススペクトル、 FT- IR、 13C- NMR、および1 H- NMR により確認することができる。
[0052] フラーレン 1, 3—ジォキソランは、太陽電池材料として好適であり、特に、バルタへ テロ接合型有機薄膜太陽電池用材料として使用することができる。本発明によれば、 このように、太陽電池材料等の高機能性材料として有用なフラーレン 1, 3—ジォキソ ランを、簡便かつ高収率で製造することができる。
実施例
[0053] 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
[例 1]
フラーレンォキシド混合体 C 0 (n≥l :フロンティアカーボン社製)をシリカゲルカラ
60 n
ムクロマトグラフィーで分離することによって得られたフラーレンモノォキシド C 0 (下
60 記 (a))の 0.001モル0 /0ベンゼン溶液 20mLに、カルボ-ル化合物としてシクロへキサノ ン 200mg、固体酸触媒として p-トルエンスルホン酸 50mgを加え、窒素ガスで 10分間置 換した後、 65°Cに保って攪拌した。反応の進行は LC-MSで追跡し、 C 0の消失を確
60
認した後、反応溶液カゝら減圧下でベンゼンを留去し、残渣をメタノールで洗浄した。 その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、分子量 834.8の生成物を収 率 40%で得た。この生成物は、 mass, UV- vis- NIR、 FT- IR、 1H-、 13C- NMRの各スぺク トル測定により所望の 1,3-ジォキソラン(下記 (b))であることを確認された。
[0054] [例 2]
例 1と同様の方法で得られたフラーレンモノォキシド C 0 (下記 (a))の 0.001モル0 /0
60
ベンゼン溶液 20mLに、カルボ-ル化合物としてシクロへキサノン 200mg、固体酸触媒 として陽イオン交換性榭脂 Amberlystl5 hydrogen form (シグマアルドリッチ製) 250mg を加え、窒素ガスで 10分間置換した後、 65°Cに保って攪拌した。反応の進行は LC- MSで追跡し、 C 0の消失を確認した後、反応溶液をろ過し、シリカゲルカラムクロマト
60
グラフィーを用いた精製によって分子量 834.8の生成物を収率 60%で得た。この生成 物は、例 1と同様の 1,3-ジォキソラン(下記 (b))であった。
[0055] [化 8]
(a) フラーレンモノォキシド (b) 1, 3-ジォキソラン [例 3]
フラーレンォキシド混合体 C 0 (n≥l :フロンティアカーボン社製)をシリカゲルカラ
60 n
ムクロマトグラフィーで分離することによって得られたフラーレンジォキシド C 0 (cis-1
60 2
) (下記 (c))の 0.001モル%ベンゼン溶液 20mLに、カルボ-ル化合物としてシクロへキ サノン 400mg、固体酸触媒として陽イオン交換性榭脂 Amberlystl5 hydrogen form (シ ダマアルドリッチ製) 250mgをカ卩え、窒素ガスで 10分間置換した後、 65°Cに保って攪 拌した。反応の進行は LC-MSで追跡し、 C 0の消失を確認した後、反応溶液をろ過
60
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた精製によって分子量 948.9および 834. 8の生成物をそれぞれ収率 12%及び 5%で得た。これらの生成物は、ビス 1,3-ジォキ ソラン(下記 ( )および 1,3-ジォキソラン(上記 (b))であった。
[化 9]
フラーレンォキシド混合体 C 0 (n≥l :フロンティアカーボン社製)をシリカゲルカラ
60 n
ムクロマトグラフィーで分離することによって得られたフラーレンジォキシド C 0 (equa
60 2 torial) (下記 (e))を主成分とするフラーレンジォキシドの 0.001モル0 /0ベンゼン溶液 20
mLに、カルボ-ル化合物としてシクロへキサノン 400mg、固体酸触媒として陽イオン 交換性榭脂 Amberlystl5 (シグマアルドリッチ製) 250mgをカ卩え、窒素ガスで 10分間置 換した後、 65°Cに保って攪拌した。反応の進行は LC-MSで追跡し、 C 0の消失を確
60
認した後、反応溶液をろ過し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた精製によつ て分子量 948.9及び 834.7の生成物をそれぞれ収率 50%及び 23%で得た。これらの生 成物は、ビス 1,3-ジォキソラン(下記 (D)および 1,3-ジォキソラン(上記 (b))であった。
[化 10]
(e)フラーレンジォキシド Cfi。09 {equa tori a!) (f) ビス 1, 3_ジォキソラン 産業上の利用可能性
本発明の方法によって得られるフラーレン 1, 3—ジォキソランは、太陽電池材料等 の高機能性材料として好適である。
Claims
請求の範囲
[I] 固体酸触媒存在下で、フラーレンォキシドとカルボ-ル化合物とを反応させること〖こ より、フラーレン 1, 3—ジォキソランを製造する方法。
[2] 前記固体酸触媒は、プロトン供与体である請求項 1に記載の方法。
[3] 前記固体酸触媒は、スルホン酸基を含有する請求項 1または 2に記載の方法。
[4] 前記固体酸触媒は、陽イオン交換榭脂である請求項 1〜3のいずれか 1項に記載の 方法。
[5] 前記カルボ二ルイ匕合物はアルデヒドまたはケトンである請求項 1〜4の 、ずれか 1項 に記載の方法。
[6] 前記アルデヒドは、芳香族アルデヒド、脂肪族アルデヒドおよび脂環式アルデヒドから なる群力 選ばれる少なくとも一種である請求項 5に記載の方法。
[7] 前記ケトンは、芳香族ケトン、脂肪族ケトン、炭素環式ケトンおよび複素環式ケトンか らなる群力 選ばれる少なくとも一種である請求項 5に記載の方法。
[8] 前記反応におけるフラーレンォキシドとカルボ二ルイ匕合物との混合比(フラーレンォ キシド:カルボニル化合物)は、 1: 1〜1: 1000の範囲である請求項 1〜7のいずれか
1項に記載の方法。
[9] 前記反応におけるフラーレンォキシドとカルボ二ルイ匕合物との混合比(フラーレンォ キシド:カルボニル化合物)は、 1: 10〜1: 100の範囲である請求項 8に記載の方法。
[10] 前記反応におけるフラーレンォキシドの濃度は、 10―1〜 10— 4Mの範囲である請求項 1 〜9の!、ずれ力 1項に記載の方法。
[II] 前記反応におけるフラーレンォキシドの濃度は、 10— 2〜10— 3Mの範囲である請求項 1 0に記載の方法。
[12] 前記固体酸触媒は、フラーレンォキシドに対して 0. 1モル%〜100モル0 /0の量で使 用される請求項 1〜11のいずれ力 1項に記載の方法。
[13] 前記固体酸触媒は、フラーレンォキシドに対して 1モル%〜50モル%の量で使用さ れる請求項 12に記載の方法。
[14] 前記反応は、—10°C〜110°Cの範囲の温度で行われる請求項 1〜13のいずれか 1 項に記載の方法。
[15] 前記反応は、 20°C〜100°Cの範囲の温度で行われる請求項 14に記載の方法。
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| Publication number | Publication date |
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| JP2007031298A (ja) | 2007-02-08 |
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