WO2007066513A1

WO2007066513A1 - 生体情報検出装置、ハンドル部材、ハンドルカバー及びハンドル部材の製造方法

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Publication number: WO2007066513A1
Application number: PCT/JP2006/323298
Authority: WO
Inventors: Masatoshi Yanagidaira; Mitsuo Yasushi
Original assignee: Pioneer Corp
Current assignee: Pioneer Corp
Priority date: 2005-12-05
Filing date: 2006-11-22
Publication date: 2007-06-14
Anticipated expiration: 2008-06-05
Also published as: JP2009045077A

Abstract

　性能をより向上させた、自動車の運転者等から心拍数等の生体情報を検出する生体情報検出装置を提供する。　生体情報の被検出者である自動車の運転手が接触するための操縦ハンドル２０と、操縦ハンドルに接触した運転者から生体情報を検出する生体情報検出部３０と、により構成される生体情報検出装置１０において、操縦ハンドル２０は、ポリウレタン系樹脂を含有する基材上に導電性フィラーを含有するエポキシ系樹脂からなる接触層２３ａ、２３ｂを形成したものであり、当該接触層２３ａ、２３ｂは、電極と接触し、当該電極が生体情報検出部３０と電気的に信号線２４ａ、２４ｂにより接続されていることを特徴とする生体情報検出装置１０により、上記課題を解決する。

Description

明細書

生体情報検出装置、ハンドル部材、ハンドルカバー及びノヽンドル部材の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、車両や船舶、飛行機などを運転或いは操縦する者の心拍などの生体情報を検出するための生体情報検出装置、これに用いるハンドル部材、ハンドルカバ一及びノ、ンドル部材の製造方法に関する。

背景技術

[0002] 近年、自動車の運転中における運転者の健康状態を知るための生体情報検出装置が検討されている。こうした生体情報検出装置によれば、例えば車両運転中における運転者の心拍を検出し、かかる心拍に基づいて、眠気、疲労、焦燥感或いは不整脈の有無等の運転者の健康状態を判定する手がかりとすることができる。

[0003] そして、このようにして運転者やその自動車の管理者等がその体調の変化を知ることで、その後の運転を別の人と交代したり、休憩するなどの対応をすることができる。このように、生体情報検出装置は、自動車等の運転時の安全性に貢献できるものでめる。

[0004] ここで、こうした生体情報検出装置としては、自動車のハンドル等の運転者が接触する部分に電極を設け、この電極により生体情報を検出するものが知られている（例えば、特許文献 1参照)。

[0005] また、車両用ドアの外側に配置されたドアハンドル内に人体の接近に伴って静電容量が変化するセンサ電極を設け、前記センサ電極の静電容量の変化に基づ!ヽて人体の接近を判別する判別回路を備えた車両用人体検出装置が開示されている (例えば、特許文献 2参照)。この車両用人体検出装置においては、センサ電極の近傍に位置して前記センサ電極と容量結合したフロート状態の補助電極を前記ドアハンドルに設けており、補助電極として、導電性榭脂ゃ導電性塗料を用いることが開示されている。

特許文献 1：国際公開ノンフレット WO2004Z089209号特許文献 2 :特開 2005— 134178号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 上述のように、生体情報検出装置や車両用人体検出装置においては、電極の材料として導電性榭脂ゃ導電性塗料を用いることが開示されてヽる。このような電極を用いた生体情報検出装置においては、運転者等の使用のし易さや機能の持続性等の観点から、さらなる性能の向上が求められている。

[0007] そこで、本願は、性能をより向上させた生体情報検出装置、これに用いるハンドル部材、ハンドルカバー及びノヽンドル部材の製造方法を提供することを課題の一例とする。

課題を解決するための手段

[0008] 上記課題を解決するために、請求項 1に記載の発明は、生体情報の被検出者が接触するための接触部と、前記接触部に接触した前記被検出者から前記生体情報を検出する生体情報検出部と、により構成される生体情報検出装置において、前記接触部は、ポリウレタン系榭脂を含有する基材上に導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層を形成したものであり、当該接触層は、電極と接触し、当該電極が前記生体情報検出部と電気的に接続されていることを特徴とする生体情報検出装置である。

[0009] 上記課題を解決するために、請求項 4に記載の発明は、生体情報の被検出者が接触するための接触部として用いられるハンドル部材であって、ハンドル部材の芯材と、前記芯材の周囲に設けられるポリウレタン系榭脂を含有する基材と、前記基材上に形成される導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層と、前記接触層が接触した電極と、を有してヽることを特徴とするハンドル部材である。

[0010] 上記課題を解決するために、請求項 7に記載の発明は、生体情報の被検出者が接触するための接触部として用いられるハンドル部材に着脱可能なカバーであって、ハンドル部材の芯材に着脱可能な形状のポリウレタン系榭脂を含有する基材と、前記基材上に形成された導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層と、を有し、前記接触層は前記被検出者が接触可能な前記カバーの表面から、接続する電極に接触可能である前記カバーの裏面に至る位置に形成されていることを特徴とするハンドルカバーである。

[0011] 上記課題を解決するために、請求項 10に記載の発明は、生体情報の被検出者が接触するための接触部として用いられるハンドル部材の製造方法であって、前記ハンドル部材の芯材の一部に電極を取り付け、前記ハンドル部材の芯材の周囲に設けられるポリウレタン系榭脂を含有する基材を成形し、前記基材上に導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層を形成し、当該接触層を前記基材上の前記被検出者が接触可能な位置カゝら前記電極に接触可能である位置に至るまで設け、前記ハンドル部材の芯材の周囲に、前記電極と前記接触層とが接する範囲で前記基材を取り付けることを特徴とするハンドル部材の製造方法である。

図面の簡単な説明

[0012] [図 1]本実施形態にかかる生体情報検出装置及びこれに接続する装置を示す概略図である。

[図 2]導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる塗料が硬化する様子を示す概略図である。

[図 3]接触層の断面を示す概略図と、接触層の形成工程を示す概略図である。

[図 4]ハンドル部材、ハンドルカバー、ハンドル部材の芯材のそれぞれの断面図である。

[図 5]生体情報検出装置に用いられるハンドル部材のカバーを示す概略図である。

[図 6]ハンドル部材の芯材を示す概略図である。

[図 7]ハンドルカバーの他の形態を示す断面図である。

符号の説明

[0013] 10· ··生体情報検出装置

20· · '操縦ノ、ンドル (接触部、ハンドル部材）

21 · · 'ステアリングホイ一ノレ

22· "スポーク

23、 23a, 23b…接触層

24、 24a, 24b…信号線 25· ' ·ノヽンドノレの芯材

26· '·基材

27· '.電極

28· ' ·ノヽンド、ノレカノ一

29· • -ノヽンドノレカバーの芯材

so- ··生体情報検出部

so- • -車載用ナビゲーションシステム

si- .·ディスプレイ装置

52· "スピーカ

発明を実施するための最良の形態

[0014] 本発明の生体情報検出装置、これに用いるハンドル部材、ハンドルカバー及びノヽンドル部材の製造方法に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。図 1は、本実施形態の生体情報検出装置及びこれに接続する装置を示す概略図である。図 2は、導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる塗料が硬化する様子を示す概略図であり、図 3は、接触層の断面を示す概略図と、接触層の形成工程を示す概略図である。図 4は、芯材にハンドルカバーを取り付けたノヽンドル部材の断面図（図 1における A— A断面図）と、ハンドルカバーの断面図（図 1、図 5における A A断面図）と、電極が設けられたノ、ンドル部材の芯材の断面図（図 1における A— A断面図、図 6における B— B断面図）と、を示す。図 5は、生体情報検出装置に用いられるハンドル部材のカバーを示す概略図であり、図 6は、ハンドル部材の芯材を示す概略図である。図 7は、ハンドルカバーの他の形態を示す断面図である。

[0015] なお、以下に説明する本実施形態の生体情報検出装置は、生体情報の被検出者が接触する接触部やノヽンドル部材としての自動車の操縦ノヽンドルと、操縦ノヽンドルに接触した被検出者から生体情報を検出する生体情報検出部と、により構成される。そして、生体情報の被検出者をその自動車の運転者とし、生体情報としてその運転者の心拍数を検出するために、心電図波形を出力するものである。また、操縦ハンドルは、ハンドルの芯材の周囲をハンドルカバーにより覆う形態となっている。

[0016] (生体情報検出装置）始めに、実施形態に係る生体情報検出装置の構成を、図 1を用いて説明する。図 1 に示すように、本実施形態の生体情報検出装置 10は、操縦ノ、ンドル 20と、生体情報検出部 30と、を有している。なお、図 1においては、生体情報検出装置 10の生体情報検出部 30から車載用ナビゲーションシステム 50に接続されて!、る。車載用ナビゲーシヨンシステム 50のような生体情報検出装置 10に接続されて、検出した生体情報に応じて動作を行う機器にっ、ては後述する。

[0017] (操縦ハンドル）

以下に、本発明の接触部、ハンドル部材となる操縦ノヽンドル 20の具体的な構成について図 1乃至図 7を用いて詳細に説明する。

[0018] 操縦ノヽンドル 20は、ステアリングホイール 21と、このステアリングホイール 21を支持するスポーク 22と、により構成されている。そして、当該操縦ノヽンドル 20において、ステアリングホイール 21の左右両側には、その表面に一対の接触層（右側の接触層 2 3a及び左側の接触層 23b)が形成される。当該接触層 23a及び 23b (以下単に 23とも示す。 )は、後述する図 4 (a)に A— A断面図を示すように、電極 27と接触し、当該電極 27が生体情報検出部 30と電気的に接続されており、図 1においては信号線 24 a、 24b (以下単に 24とも示す。）で接続されている。電極 27も、後述する図 6に示すように右側の電極 27aと左側の電極 27bと力もなり、両方をまとめて電極 27と示すものとする。なお、本願において、左右とは、その部材等の使用状態における運転者から見た左右であり、例えば図 1における左右を！、う。

[0019] (操縦ハンドルの材料）

操縦ノヽンドル 20に用、られる材料等につ、て説明する。図 1や後述する図 1の A— A断面図を図 4 (a)等に示すように、操縦ノヽンドル 20は、ポリウレタン系榭脂を含有する基材 26上に導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層 23a及び 2 3bを形成したことに特徴を有して、る。

[0020] ポリウレタン系榭脂とエポキシ系榭脂とは密着性がよいため、安定した接触層 23を操縦ノヽンドル 20に設けることができる。運転者が自動車を運転する際に操縦ハンドル 20を握ることにより、接触層 23と運転者の皮膚とが擦れることとなる力このようにエポキシ系榭脂からなる接触層 23がポリウレタン系榭脂を含有する基材 26に密着しているため、接触層 23の塗装が剥がれることや、接触層 23に亀裂が入ることが防止され、電極としての導電性能が低下することが防止される。また、このように安定した接触層 23により、時間が経過しても操縦ノヽンドル 20の手触りが変わらず運転者にとつて不快な感触とならないため、運転者は当該操縦ノヽンドル 20を長く取り替えずに使用することができる。

[0021] ポリウレタン系榭脂を含有する基材 26は、操縦ノヽンドル 20のカバーの役割を有し、一般に用いられる合成皮革 (ポリウレタンを含浸した合成繊維の不織布）を利用できる。この合成皮革は、極細繊維を用いており、繊維間の網目が細力べ接触層 23との接着面が大きくなるため、基材 26と接触層 23とのぬれ性がよぐ接着性が良好になる。このようなポリウレタン系榭脂を含有する合成皮革を基材 26に用いることにより、本革や塩化ビュル榭脂を含む合成皮革を用いる場合に比べても安定した接触層 23 を提供することができる。

[0022] ポリウレタン系榭脂は、一分子中にイソシァネート基（-NCO)を二個以上持つ化合物であるポリイソシァネートと、活性水素基を持ったィ匕合物であるポリオールとを主原料とし、触媒やその他の添加剤力もなる榭脂である。このようなポリウレタン系榭脂のうち、合成皮革に適したポリウレタン系榭脂が基材 26の材料としてが好ましく用いられる。

[0023] 接触層 23は、導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる。エポキシ系榭脂は、溶剤が揮発して硬化するタイプの榭脂ではなぐ化学反応によって硬化し、体積が小さくなる。

[0024] ここで、エポキシ系榭脂は、分子中にエポキシ基を 2個以上持った化合物 (主剤)と、分子中に活性水素（一 NH 、— NH、—CONH—など）を 2個以上持った化合物 (硬

2

ィ匕剤としてポリアミド、ポリアミンなどがある）とが、付加反応重合して、立体構造 (三次元編目状構造)を形成して硬化されたものである。

[0025] 一液性のエポキシ系榭脂は、上述のエポキシ基と硬化剤となる活性水素とを一分子中に有するものである。一液性のエポキシ系榭脂は、硬化させる際に加熱処理を行うこととなる。二液性のエポキシ系榭脂は、上述のエポキシ基を有する主剤と活性水素を有する硬化剤とが分かれており、これらを混合して硬化させることとなる。 [0026] 本実施形態の接触層 23には一液性のエポキシ系榭脂及び二液性のエポキシ系榭脂のどちらのタイプのエポキシ系榭脂も使用できるが、一液性のエポキシ系榭脂は主剤と硬化剤の計量混合が不要であり生産性が向上するため好ましく用いられる

[0027] エポキシ榭脂は、分子量の大きさにより液状から固形まで様々な種類のものがある 1S 一液性であっても、二液性であっても、ビスフエノール A型液状樹脂が多く用いられている。なお、ビスフエノール A型液状榭脂は、ビスフエノール Aとェピクロルヒドリンとの反応により生成される。また、ビスフエノール A型以外には、ビスフエノール F¾ ( ベンゼン環の間が一 CH—となる）があり、 A型よりも柔軟性のある硬化物を得ること

2

ができる。

[0028] エポキシ系榭脂としては、柔軟性のある軟質 (軟性)エポキシ系榭脂を使用することが好ましい。エポキシ系榭脂として軟質のものを用いることにより、塗料の硬化後に弹性を有し、電極として運転者に接触されても亀裂や剥がれが起こりに《なる。軟質ェポキシ系榭脂としては、特に厳密に規定されないが、塗膜を形成したときに柔軟性を有するエポキシ系榭脂、一般的に軟質エポキシ系榭脂と呼ばれる榭脂、軟質ェポキシ系榭脂と表示されて販売されて、る榭脂等が用いられる。

[0029] 導電性フイラ一としては、銀、ニッケル、金、ノラジウム、炭素又はカーボンナノチューブ等の導電性の材料が用いられる。銀は、体積抵抗率がこの中で最も低ぐまた、塗装後の剥がれ落ちやクラック発生等の品質劣化がしに《安定しているため、好ましく用いられる。また、銀は、そのまま用いてもよいし、塩ィ匕銀または硫ィ匕銀として用いることもでき、これらの各材料を単独で用いることもできるし、銀と塩化銀、銀と硫化銀、という組み合わせで用いることもできる。このように、導電性フイラ一は、銀、塩ィ匕銀または硫ィ匕銀の少なくとも、ずれか一であることが好ま、。導電性フィラーを塩ィ匕銀や硫化銀とすることにより、形成される接触層 23の外観が褐色、黒色または灰色となるため、接触層 23の色合いが自動車内のインテリアや操縦ノヽンドル 20の他の部分と調和した操縦ノヽンドル 20を提供できることとなる。

[0030] 導電性フィラーの大きさは、特に限定されないが、通常、 m X m〜数十

m X数十 m程度の大きさの球状やフレーク状の形状のものが用いられる。導電性フイラ一の形状も、特に限定されないが、後述する図 2に示すような球状の導電性フィラーや、同様に図 3に示すようなフレーク状の導電性フイラ一等が用いられる。導電性フイラ一の塗料に対する含有率も、特に限定されないが、通常、 70〜80質量％程度である。

[0031] この接触層 23を構成する塗料としては、従来公知の導電性接着剤等を使用することも可能である。このような導電性接着剤としては、はんだ付けができないような電子部品の接着用に用いられてきたものを利用できる。

[0032] ここで、接触層 23の形成方法にっ、て説明する。上述の一液性のエポキシ系榭脂力もなる塗料を用いる場合には、図 2 (a)に示すように、まず当該塗料を基材上に塗布する。このとき、導電性フィラー同士が接していない場合が多ぐ電気抵抗値が大きい。塗布方法は、特に限定されないが、ハケ塗り、ヘラ塗り、スクリーン印刷、カーテンフローコーター、ローラーコーター等の方法が用いられる。また、塗布膜厚も特に限定されないが、通常、 50〜数百/ z m程度である。

[0033] その後、 140°C〜170°C程度において 30分〜 60分程度、塗料を高温乾燥させることにより、バインダー榭脂であるエポキシ系榭脂の熱収縮 (体積収縮)が起こり、塗料が硬化するため、図 2 (b)に示すように導電性フィラーがそれぞれ接触して、電気抵抗値が下がる。通常、高熱乾燥させた塗料をさらに 24〜48時間程度、常温乾燥させる。乾燥後の膜厚は、特に限定されないが、通常、 50〜： LOO /z m程度である。

[0034] 接触層 23用の塗料の乾燥後、水洗い等の方法により、塗膜の表面を洗浄することが好ましい。このこと〖こより、表面に浮き出した銀粉を除去し、運転者が触った場合にも、銀粉が剥がれ落ちることのない接触層 23を提供することができる。

[0035] このとき、銀と塩化銀 (または銀と硫ィ匕銀)を混合して含有させた塗料を用いて形成した接触層 23の例を図 3 (a)に示す。また、図 3 (b)に示すように、銀を含有するェポキシ系榭脂からなる塗料を塗布し、上述のように乾燥させた後、塩素を含有する薬剤を塗布し、銀を反応させて接触層 23の表面を塩ィ匕銀とすることができる。同様に、塗料を乾燥させた後、硫黄を含有する薬剤を塗布し、銀を反応させて接触層 23の表面を硫ィ匕銀とすることもできる。なお、特に上述のような薬剤を用いた処理を行わなくても、銀を含む接触層 23は、空気中の塩素成分や硫黄成分 (硫化水素、二酸化硫黄等）と反応するため、自然に表面を塩ィ匕銀や硫ィ匕銀とすることもできる。しかしながら

、上述のような処理により生体情報検出装置 10を使用し始める段階で接触層 23の色を黒く又は褐色にしておくことにより、経時変化に強くなる。

[0036] (操縦ノ、ンドルの形状）

次ヽで、操縦ハンドル 20の形状や各構成部分の位置関係等につ、て説明する。図 4 (a)に操縦ノヽンドル 20自体の A— A断面図を示すように、操縦ノヽンドル 20は、操縦ノヽンドル 20の芯材 25と、芯材 25の周囲に設けられるポリウレタン系榭脂を含有する基材 26と、基材 26上に形成される導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層 23a及び 23bと、接触層 23a及び 23bが接触した電極 27と、を有している

[0037] 図 4 (a)に示すように、操縦ノヽンドル 20は、芯材 25とその芯材 25に着脱可能なハンドルカバー 28とからなる構成とすることが好まヽ。操縦ノヽンドル 20の分離された力バー 28の断面図を図 4 (b)に示し、分離された芯材 25の断面図を図 4 (c)に示す。また、図 1の操縦ノヽンドル 20における分離されたハンドルカバー 28を図 5に示し、図 1 の操縦ハンドル 20における分離された芯材 25を左右反転させて裏側から見た状態で図 6に示す。なお、図 6における破線で 23a、 23bと示した部分は、芯材 25上の接触層 23a、 23bが設けられることとなる位置を示す。

[0038] 各図に示すように、具体的には、基材 26が芯材 25に着脱可能なカバーの形状をしており、電極 27は操縦ノヽンドル 20における内側の位置に設けられており、接触層 23 a及び 23bは運転者が接触可能なハンドルカバー 28の表面から、電極 27に接触可能であるハンドルカバー 28の裏面に至る位置に形成されている構成とすることができる。

[0039] このように、操縦ノ、ンドル 20が芯材 25と、芯材 25から着脱可能なカバー 28とから構成されることにより、図 4 (a)に示すように、接触層 23と電極 27とが圧着されて導通し、接触抵抗を低減させることができる。接触層 23に信号線 24を直接配線する場合に比べて、電極 27と信号線 24とが接続されて固定されており、電極 27と接触層 23とが圧着されていることにより、配線 (信号線 24)が切れるおそれが少なくなる。また、力バーに電極が取り付けられている場合に比べて、カバーの取り付け作業が容易になり、断線する可能性が低くなる。

[0040] 図 4 (a)、図 4 (b)〖こ示すように、カバー 28には、カバー 28自体の芯材 29が含まれていてもよぐ通常、この芯材 29はゴムからなり、従来公知のカバーの芯材として用いられるゴムが用いられる。カバー 28の芯材 29としてゴムが用いられることにより、ゴムが伸び縮みするので、カバー 28を操縦ノヽンドル 20の芯材 25に密着させやすくなり、接触層 26と電極 27とを圧着させる効果が向上する。図 4 (a)、図 4 (b)に示すように、カバー 28が芯材 29を有する場合には、カバー 28の形状をした芯材 29の少なくとも表面全体に基材 26が設けられ、カバー 28の裏側の一部または全体まで基材 26が設けられる。基材 26は、通常、操縦ノヽンドル 20のステアリングホイール 21における周囲全体に設けられている。

[0041] ここで、心拍数の情報は、左右の手の電位差を測定することにより得られるため、接触層 23a及び 23b、電極 27a及び 27b、信号線 24a及び 24bは、それぞれ対に設けられ、接触層 23a及び 23b同士、電極 27a及び 27b同士、信号線 24a及び 24b同士は互ヽに接触しな、ように設けられる。これらの各構成がこのように設けられてヽれば、各構成がそれぞれ設けられる位置は特に限定されないが、例えば、以下のようにすることがでさる。

[0042] 操縦ノヽンドル 20における接触層 23の取り付けられる位置は、図 4 (a)、図 4 (b)に示すように、外部から見て一部途切れたように設けてもよいし、ハンドルの芯材 25を一周覆うように設けてもよい。さらに図 4 (b)や図 7にハンドルカバー 28の変形形態を示すように、カバー 28の少なくとも裏面の一部に接触層 23を設け、この裏面に位置する接触層 23が、電極 27に接触するようにする。接触層 23のカバー 28の裏面における位置は、図 4 (b)に示すように断面における一部分でもよいし、図 7に示すように断面における全体でもよ!/ヽ。

[0043] また、接触層 23は、図 1に示すように、ステアリングホイール 21全体の 60%程度の部分を占めるように、上下方向の中心を含む範囲で設けることができる。ステアリングホイール 21における接触層 23の占める割合や範囲は、特に限定されないが、運転者が通常握る位置を含むように設けることが好ましい。ただし、接触層 23は、運転者の手力適性な電位が得られる範囲の面積を有している必要がある。 [0044] 操縦ノヽンドル 20の芯材 25 (ステアリングホイール 21)における電極 27が取り付けられる位置は、特に限定されないが、図 4 (a)、図 4 (c)の断面図、図 6の運転者と対面しない側から見た図に示すように、例えば、ハンドル 20の芯材 25の外側であり、ハンドル自体の内側や運転者から見た裏側に電極 27を取り付けることができる。

[0045] また、電極 27は、図 6に示すように、外観上接触層 23が途切れる位置の近くに設けることができる。電極 27の位置は、特に限定されず、ステアリングホイール 21のどのような位置に設けてもよい。ただし、接触層 23が電極 27に接触できる位置に電極 27を設ける必要がある。また、後述するように信号線 24を設けるために、信号線 24と接続しゃすい位置に電極 27を設けることが好ましい。電極 27の材料は、導電性のものであれば特に限定されないが、金属板、例えば、銅や銀、ニッケルを材料としたシール材等が、好ましく用いられる。

[0046] 信号線 24は、図 1に示すように、スポーク 22に沿って、ハンドルの中心から自動車本体につながるボス等を通して生体情報検出部 30に至るように設けることができる。信号線 24を設ける位置は特に限定されず、また、電気信号を伝えることができれば、線が一本に繋がったものではなぐ複数の線が接触して繋がっているものでもよい。

[0047] 以上、操縦ノヽンドル 20が芯材 25と着脱可能なカバー 28とからなる場合について説明したが、カバー 28は、芯材 25を覆うように設置した後に位置がずれることを防止し、運転者が触ったときに不快感がないよう、その端面同士が縫い合わされる。なお、図 4や図 7においては、芯材 25とカバー 28とが分離できることを示すために、極端にカバーの端面が離れたように描かれて、る。

[0048] このような操縦ノヽンドル 20を製造する際には、操縦ノヽンドル 20の芯材 25の一部に電極 27を取り付け、ハンドル 20の芯材 25の周囲に設けられるポリウレタン系榭脂を含有する基材 26を成形し、基材 26上に導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂カゝらなる接触層 23を形成し、当該接触層 23を基材 26上の運転者が接触可能な位置から電極 27に接触可能である位置に至るまで設け、ハンドル 20の芯材 25の周囲に、電極 27と接触層 23とが接する範囲で基材 26を取り付ける。このとき、基材 26を芯材 25の周囲に設けられる形状に成形する工程は、接触層 23を形成する工程の後でもよぐ各工程を行えば、その順番は上述の通りでなくてもよい。 [0049] ここで、図示しないが、接触部である操縦ノヽンドル 20は、芯材 25とこれを覆う基材 2 6とが一体になつていてもよい。この場合にも、操縦ノヽンドル 20は、ポリウレタン系榭脂を含有する基材 26上に導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層 23を形成したものであり、当該接触層 23は、電極 27と接触し、当該電極 27が生体情報検出部 30と電気的に接続された態様となっている必要がある。

[0050] (生体情報検出部）

次いで、生体情報検出部 30は、図示しないが、信号線 24a、 24bと接続して各電極間の電位差を検出する交流差動アンプ、交流差動アンプの出力信号力不要なノィズ成分を除去するローパスフィルタ（Low Pass Filter)、： LPFの出力を増幅するアンプ、アンプ力もの心拍信号をディジタル信号に変換する AZD(Analog/Digital)変換器、 AZD変力ものディジタル心拍信号を入力データとして生体情報検出部 30 の動作制御を行う CPU、変換されたディジタル心拍信号を一時的に記憶するバッファ、 CPUに動作クロックを与えるクロック発生器、等を有している。また、図 1に示すように、生体情報検出部 30は電源と接続されている。

[0051] 生体情報検出部 30における動作の一例を説明する。運転者が車両を運転すべくステアリングホイール 21を手で握ると、運転者の両手がステアリングホイール 21の表面に有する接触層 23a、 23bに接触する。接触層 23a、 23bは、それぞれ異なる電極に接続されており、当該電極が電位式心拍センサを構成する。運転者の心臓の電気的な興奮に伴って発生する運転者の両手間のパルス状電位 (心筋活動電位)を電極力も検出し、心臓の鼓動を検出する。そして、電極により検出された電位は交流差動アンプに入力され、電極間の電位差を検出する。次に、交流差動アンプの出力は LP Fに入力されて車両力も発生するノイズなどの種々のノイズが除去され、当該出力のうちの l〜100Hzの心拍信号成分のみが通過される。そして、 LPFを通過した心拍信号は、アンプにより所定レベルに増幅された後、 AZD変換器によりディジタル信号に変換される。その後、このディジタル心拍信号波形すなわちディジタル心筋活動電位データは CPUに入力され、 CPUよりバッファに入力されて一時的に記憶される。このときディジタル心拍データが CPUに入力された時刻すなわち運転者の心拍が何時に検出されたのかという情報を併せて記憶しておくこともできる。なお、 CPUにはクロック発生器により動作クロックが供給されている。このように電極で検出された運転者の手の心拍による電位を適宜増幅等することにより、心電図波形が得られる。

[0052] (変形形態）

以上の実施形態においては、自動車の運転に用いられる操縦ノヽンドル 20を本発明の接触部として説明したが、接触部となる部材は操縦ノヽンドル 20に限定されなヽ。具体的に、接触部としては、ハンドル、レバー（シフトレバー等）、ボタン (ノヽザ一ドランプ用ボタン、空調調節用ボタン等）、肘掛け (アームレスト等)を含む乗物の操縦に用いられる部材や、乗物中の被検出者が接触する部材とすることができる。上記実施形態において、接触部は、操縦ノヽンドル 20のみであつたが、接触部をこれらの複数の部材とすることも可能である。これらの部材における被検出者の手や腕等の身体の一部が接触する位置に、上記したものと同様の接触層を設ければよい。また、対象となる乗物も特に限定されないが、自動車、船舶、飛行機等に生体情報検出装置が用いられる。

[0053] 生体情報検出装置 10において検出する生体情報を心拍数として説明したが、生体情報は特に限定されず、被検出者の発汗、皮膚の電気抵抗、皮膚の交流インピ一ダンス等を生体情報として検出することもできる。生体情報検出装置 10は、これらの生体情報をもとに、眠気、疲労、焦燥感或いは不整脈の有無等を検知し、後述のように運転者に休憩を促すこと等ができる。

[0054] ここで、生体情報検出装置 10において検出した生体情報を利用した機器について説明する。図 1に示す車載用ナビゲーシヨンシステム 50は、生体情報検出装置 10において検出した心拍数の情報力も導かれる運転者の状況をディスプレイ装置 51を用いて表示したり、スピーカ 52を用いて運転者の状況に応じた音声や音楽を鳴らす形態となつている。具体的には、生体情報検出装置 10において、生体情報から運転者の眠気が高いと判断される場合には、図 1に示すように「少し眠くありませんか？」とデイスプレイ装置 51にお!/、て表示し、スピーカ 52にお!/ヽて問、かけるようにすることができる。同様に、図 1のディスプレイ装置 51のように、眠さを示す「うとうと度」や、焦燥感を示す「ひやひや度」等を示すようにしてもよい。このように、車載用ナビゲーシヨンシステム 50において、必要な場合に運転者に休憩を促すことができる。 [0055] このほかに、車載用オーディオ機器等も生体情報を利用して特殊な動作を行わせることができる。具体的には、生体情報検出装置 10において、生体情報から運転者の眠気が高いと判断される場合には、鳴らす音楽の音量を上げたり、テンポ (音楽の演奏速度)の速い音楽を再生することにより、運転者の眠気がなくなるようにできる。また、オーディオ機器においてこのような変化があったことを運転者が認識することにより、運転者自身が自身の状態を考えて、休憩を取ったり、他の人と運転を交代することができる。

[0056] 以上説明したように、本実施形態の生体情報検出装置 10は、心拍数を検出される運転者が接触するための接触部となる操縦ノ、ンドル 20と、操縦ノ、ンドル 20に接触した運転者から心拍数 (電位差)を検出する生体情報検出部 30と、により構成される生体情報検出装置 10において、操縦ノヽンドル 20は、ポリウレタン系榭脂を含有する基材 26上に導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層 23を形成したものであり、当該接触層 23は、電極 27と接触し、当該電極 27が生体情報検出部 30と電気的に接続されてヽることを特徴とする。

[0057] よって、基材 26に含まれるポリウレタン系榭脂と接触層 23に含まれるエポキシ系榭脂との接着力が高いため、接触層 23が安定して基材に密着した操縦ノヽンドル 20を有する生体情報検出装置 10を提供することができる。特に、接触層 23のエポキシ系榭脂として軟質のものを使用した場合には、運転者が接触層 23を触ったときに柔らかぐまた、剥離や亀裂を防止した接触層 23となる。そのため、接触層 23が劣化せず、生体情報検出装置を長く使用しても、生体情報検出部 30において、精度よく生体情報を検出できることとなる。

[0058] また、本実施形態のハンドル部材としての操縦ノヽンドル 20は、心拍数を検出される運転者が接触するための接触部として用いられる操縦ノヽンドル 20であって、操縦ノヽンドルの芯材 25と、芯材 25の周囲に設けられるポリウレタン系榭脂を含有する基材 2 6と、基材 26上に形成される導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層 23と、接触層 23が接触した電極 27と、を有していることを特徴とする。

[0059] よって、基材 26に含まれるポリウレタン系榭脂と接触層 23に含まれるエポキシ系榭脂との接着力が高いため、接触層 23が安定して基材 26に密着した操縦ノヽンドル 20 を提供することができる。特に、接触層 23のエポキシ系榭脂として軟質のものを使用した場合には、運転者が接触層 23を触ったときに柔らかぐまた、剥離や亀裂を防止した接触層 23となる。そのため、接触層 23が劣化せず、操縦ノヽンドル 20を長く使用しても、生体情報検出装置 10に当該操縦ノ、ンドル 20を用いたときに、生体情報検出部 30において、精度よく生体情報を検出できることとなる。

[0060] 本実施形態のハンドルカバー 28は、心拍数を検出される運転者が接触するための接触部として用いられる操縦ノヽンドル 20に着脱可能なカバー 28であって、操縦ハンドル 20の芯材 25に着脱可能な形状のポリウレタン系榭脂を含有する基材 26と、基材 26上に形成された導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層 23と、を有し、接触層 23は運転者が接触可能なカバー 28の表面から、接続する電極 27 に接触可能であるカバー 28の裏面に至る位置に形成されていることを特徴とする。

[0061] よって、ハンドルカバー 28によれば、上述の操縦ハンドル 20と同様の効果が得られる他、当該ハンドルカバー 28を操縦ノヽンドル 20の芯材 25 (ステアリングホイール 21) に取り付けることにより、ハンドルカバー 28の接触層 23と芯材 25に設けられる電極 2 7とが接触し、また、ハンドルカバー 28の外側力ゝらの圧力で密着することにより、接触層 23と電極 27とを導通させると共に、電気抵抗を下げることができる。さらに、ハンドルカバー 28と電極 27の設けられた芯材 25とが分離していることにより、ハンドルカバ一 28に直接信号線 24が接続されておらず、ハンドルカバー 28の扱いが簡易となると共に、信号線 24と電極 27間、電極 27と接触層 23間の断線が防止される。

[0062] 本実施形態の操縦ノ、ンドル 20の製造方法は、心拍数を検出される運転者が接触するための接触部として用いられる操縦ノヽンドル 20の製造方法であって、操縦ハンドル 20の芯材 25の一部〖こ電極 27を取り付け、ハンドル 20の芯材 25の周囲に設けられるポリウレタン系榭脂を含有する基材 26を成形し、基材 26上に導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層 23を形成し、当該接触層 23を基材 26上の運転者が接触可能な位置カゝら電極 27に接触可能である位置に至るまで設け、ハンドル 20の芯材 25の周囲に、電極 27と接触層 23とが接する範囲で基材 26を取り付けることを特徴とする。

[0063] よって、このような操縦ノヽンドル 20の製造方法によれば、上述の操縦ノヽンドル 20と同様の効果が得られる他、接触層 23が設けられた基材 26を操縦ノヽンドル 20の芯材 25 (ステアリングホイール 21)に取り付けることにより、基材 26の接触層 23と芯材 25 に設けられる電極 27とが接触し、また、基材 26の外側力ゝらの圧力で密着することにより、接触層 23と電極 27とを導通させると共に、電気抵抗を下げることができる。

実施例

[0064] (実施例 1)

まず、操縦ノヽンドルの芯材の一部に信号線に接続された電極を取り付けた。この電極は、銅を材料とするシール材からなる。

[0065] 一方、基材としてポリウレタン系榭脂を含有する合成皮革 (帝人コードレネ土製;コードレ)を用い、この合成皮革上に、導電性フイラ一として銀を含有する軟質エポキシ系榭脂からなる導電性接着剤 (スリーボンド社製； 3301U)を膜厚 50 μ m程度に塗布した。この塗料を、 140°Cで 2時間程度高温乾燥させ、その後常温にて 24時間乾燥させた。乾燥後の塗膜表面に銀粉が浮き出す場合があるので、最後に塗膜の表面を水洗いにより洗浄し、接触層を形成した。

[0066] ハンドルカバーの芯材となるゴムの周囲を接触層が形成された基材で覆い、ハンドルカバーの形状に成形してハンドルカバーを作製した。このとき、接触層を運転者が接触可能なハンドルカバー（ゴム）の表面側から電極に接触可能であるハンドルカバ一（ゴム）の裏面に至る位置に設けた。

[0067] 次いで、操縦ノヽンドルの芯材の周囲に、電極と接触層とが接する範囲で作製したハンドルカバーを取り付けて、操縦ハンドルを作製した。

[0068] (実施例 2)

軟質エポキシ系榭脂からなる導電性接着剤を乾燥させた後、塩水中でメツキを行い、乾燥させること〖こより、接触層の表面に存在する導電性フィラーを塩ィ匕銀とした。その他は実施例 1と同様にして操縦ノヽンドルを作製した。

[0069] (実施例 3)

軟質エポキシ系榭脂からなる導電性接着剤を乾燥させた後、塩素を含む液体の薬剤 (液体塩素系漂白剤ハイター (登録商標）；花王株式会社製)を接触層上に塗布し、乾燥させること〖こより、接触層の表面に存在する導電性フィラーを塩ィ匕銀とした。その他は実施例 1と同様にして操縦ノヽンドルを作製した。

[0070] (実施例 4)

軟質エポキシ系榭脂からなる導電性接着剤を乾燥させた後、硫黄を含む液体の薬剤 (黒銀;エミダス社製)を接触層上に塗布し、乾燥させること〖こより、接触層の表面に存在する導電性フィラーを硫ィ匕銀とした。その他は実施例 1と同様にして操縦ノヽンドルを作製した。

[0071] (評価結果）

実施例 1〜4につ、て、操縦ハンドルの電極から信号線を介して生体情報検出部に接続し、心電図波形に変換した。この場合には、いずれも心電図波形が明確に現れており、安定して電位信号を検出できた。また、各実施例の操縦ノ、ンドルを自動車に装着して人が握ったり動力した場合に、接触した部分に柔軟性があるために運転力 Sしゃすいものであった。操縦ノヽンドルを動かすと、運転者の手と接触層とが擦れることもあるが、接触層が剥離したり導電性フィラーが取れたりすることはなぐ製造直後の状態が維持されたものであった。さらに、実施例 2〜4は、色合いが褐色または黒色であるため、操縦ノヽンドルの基材が現れた部分や自動車内のインテリアと調和がとれたものであった。

Claims

請求の範囲

[1] 生体情報の被検出者が接触するための接触部と、

前記接触部に接触した前記被検出者力前記生体情報を検出する生体情報検出部と、

により構成される生体情報検出装置において、

前記接触部は、ポリウレタン系榭脂を含有する基材上に導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層を形成したものであり、

当該接触層は、電極と接触し、当該電極が前記生体情報検出部と電気的に接続されていることを特徴とする生体情報検出装置。

[2] 前記導電性フイラ一は、銀、塩ィ匕銀または硫ィ匕銀の少なくともいずれか一であることを特徴とする請求項 1に記載の生体情報検出装置。

[3] 前記接触部は、ハンドル、レバー、ボタン、肘掛けを含む乗物の操縦に用いられる部材又は乗物中の前記被検出者が接触する部材であることを特徴とする請求項 1又は 2に記載の生体情報検出装置。

[4] 生体情報の被検出者が接触するための接触部として用いられるハンドル部材であつて、

ハンドル部材の芯材と、

前記芯材の周囲に設けられるポリウレタン系榭脂を含有する基材と、

前記基材上に形成される導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層と、

前記接触層が接触した電極と、

を有して!/ヽることを特徴とするハンドル部材。

[5] 前記基材は前記芯材に着脱可能なカバーの形状をしており、

前記電極はハンドル部材における前記芯材に設けられており、

前記接触層は前記被検出者が接触可能な前記カバーの形状の表面から、前記電極に接触可能である前記カバーの形状の裏面に至る位置に形成されていることを特徴とする請求項 4に記載のハンドル部材。

[6] 前記導電性フイラ一は、銀、塩ィ匕銀または硫ィ匕銀の少なくともいずれか一であることを特徴とする請求項 4又は 5に記載のハンドル部材。

[7] 生体情報の被検出者が接触するための接触部として用いられるハンドル部材に着脱可能なカバーであって、

ハンドル部材の芯材に着脱可能な形状のポリウレタン系榭脂を含有する基材と、前記基材上に形成された導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層と、を有し、

前記接触層は前記被検出者が接触可能な前記カバーの表面から、接続する電極に接触可能である前記カバーの裏面に至る位置に形成されていることを特徴とするハンドルカバー。

[8] 前記導電性フイラ一は、銀、塩ィ匕銀または硫ィ匕銀の少なくともいずれか一であることを特徴とする請求項 7に記載のハンドルカバー。

[9] 前記接触層は、前記導電性フイラ一として銀を含む塗料を塗布し、乾燥した前記塗料に処理を行うことにより前記導電性フィラーが塩ィ匕銀又は硫ィ匕銀の少なくともいずれかーを含むようにしたものであることを特徴とする請求項 7又は 8に記載のハンドルカバー。

[10] 生体情報の被検出者が接触するための接触部として用いられるハンドル部材の製造方法であって、

前記ハンドル部材の芯材の一部に電極を取り付け、

前記ハンドル部材の芯材の周囲に設けられるポリウレタン系榭脂を含有する基材を成形し、

前記基材上に導電性フィラーを含有するエポキシ系榭脂からなる接触層を形成し、当該接触層を前記基材上の前記被検出者が接触可能な位置から前記電極に接触可能である位置に至るまで設け、

前記ハンドル部材の芯材の周囲に、前記電極と前記接触層とが接する範囲で前記基材を取り付けることを特徴とするハンドル部材の製造方法。

[11] 前記導電性フイラ一は、銀、塩ィ匕銀または硫ィ匕銀の少なくともいずれか一であることを特徴とする請求項 10に記載のハンドル部材の製造方法。

[12] 前記接触層は、前記導電性フイラ一として銀を含む塗料を塗布し、乾燥した前記塗料に処理を行うことにより前記導電性フィラーが塩ィ匕銀又は硫ィ匕銀の少なくともいずれかーを含むようにしたものであることを特徴とする請求項 10又は 11に記載のハンドル部材の製造方法。