WO2007046333A1

WO2007046333A1 - 乳化剤およびそれを用いて調製される乳化組成物

Info

Publication number: WO2007046333A1
Application number: PCT/JP2006/320567
Authority: WO
Inventors: Takao Ido; Tsuyoshi Katayama; Takeshi Ogasawara; Saphwan Al-Assaf; Glyn Owen Phillips
Original assignee: Phillips Hydrocolloids Research Ltd; San Ei Gen FFI Inc
Current assignee: Phillips Hydrocolloids Research Ltd; San Ei Gen FFI Inc
Priority date: 2005-10-19
Filing date: 2006-10-16
Publication date: 2007-04-26
Anticipated expiration: 2008-04-19

Abstract

　本発明はアラビアガムを用いた乳化力の高い乳化剤、および乳化安定性に優れた乳化組成物を提供する。本発明の乳化剤は、アラビアガム１０重量部に対してガティガムを少なくとも０.５重量部の割合で組み合わせて用いるものである。本発明の乳化組成物は、乳化剤としてアラビアガム１０重量部に対してガティガムを少なくとも０.５重量部の割合で用いて、親水性溶媒に疎水性物質を分散させるか、または疎水性溶媒に親水性物質を分散させる工程を行うことによって調製することができる。

Description

明細書

乳化剤およびそれを用いて調製される乳化組成物

技術分野

[0001] 本発明は、新規乳化剤に関する。より詳細には、本発明はアラビアガムを有効成分の一つとする乳化剤であって、アラビアガムを他の特定のガム質と併用することで、乳化性および乳化安定性が向上し、アラビアガムの使用量を低減した場合でも優れた乳化性および乳化安定性を発揮することのできる乳化剤に関する。さらに本発明は、当該乳化剤を用いて調製される乳化組成物に関する。

背景技術

[0002] アラビアガムは、優れた乳化力を備え、さらに高濃度の溶液でも粘性が低ヽと、う特性を有することから、従来より食品や医薬品分野において広く乳化剤として使用されている多糖類である。し力しながら、アラビアガムは、そのままの状態で、単品で使用しても満足の、く乳化性能を発揮しな、ことも知られて、る。

[0003] そこで、従来よりアラビアガムの乳化力を高めるための方法が検討され、種々提案されている。例えば、かかる方法として、アラビアガム力も金属イオンを除いてァラビン酸を取得し、これを加熱変性して乳化力を高める方法 (例えば、特許文献 1参照）、乾燥減量が 50質量％以下のアラビアガムを 60〜140°Cで 30分以上加熱して変性することにより乳化力を高める方法 (例えば、特許文献 2参照）、アラビアガムを水分 3 〜30質量％に調整して 30°C以上で加温することにより乳化力を高める方法 (例えば、特許文献 3参照)など、アラビアガムそのものを改質する方法が知られている。しかしながら、力かる方法によると、改質処理によってアラビアガムが着色したり異臭が発生するといつた問題が生じる場合がある。

特許文献 1：特開平 02— 049001号公報

特許文献 2 :特開 2000— 166489号公報

特許文献 3：特開 2003 - 321502号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0004] 本発明は、アラビアガムの乳化力を利用しながら、より高い乳化力並びに乳化安定性を有する乳化剤を提供することを目的とする。より好ましくは、本発明は、低粘度で高い乳化力を発揮するというアラビアガムの効果を活力しながらも、他成分をアラビアガムと併用することにより乳化力をより向上させた乳化剤、またアラビアガムの使用量を低減した場合でも優れた乳化性および乳化安定性を発揮することのできる乳化剤を提供することを目的とする。さらに本発明は、当該乳化剤を用いて調製される乳化安定性に優れた乳化組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねてヽたところ、アラビアガムとガティガムを特定の割合で併用することによって、上記目的を達成することができることを見いだした。

[0006] 本発明は力かる知見に基づいて開発されたものであり、下記の態様を含むものである。

[0007] (1)乳化剤

項 1.有効成分としてアラビアガム 10重量部に対してガティガムを少なくとも 0.5重量部の割合で含有する乳化剤。

[0008] 項 2.アラビアガム 10重量部に対するガティガムの割合が 0.5〜20重量部である項

1記載の乳化剤。

[0009] 項 3.乳化組成物の調製に、最終乳化組成物中に含まれるアラビアガムおよびガティガムの総量が 1〜50重量％となるような割合で使用される項 1または項 2に記載する乳化剤。

[0010] 項 4.乳化組成物の調製に、最終乳化組成物中に含まれるアラビアガムおよびガティガムの総量が 5〜30重量％となるような割合で使用される項 1乃至 3のいずれかに記載する乳化剤。

[0011] 項 5.乳化組成物の調製に、最終乳化組成物中に含まれるガティガムの濃度が 20 重量％以下となるような割合で使用される項 1乃至 4のいずれかに記載する乳化剤。

[0012] (2) ¾,化の法

項 6.乳化剤としてアラビアガム 10重量部に対してガティガムを少なくとも 0.5重量部の割合で用いて、親水性溶媒に疎水性物質を分散させるか、または疎水性溶媒に親水性物質を分散させる工程を有する乳化組成物の調製方法。

[0013] 項 7.アラビアガム 10重量部に対するガティガムの割合が 0.5〜20重量部である項

6に記載する調製方法。

[0014] 項 8.アラビアガムおよびガティガムを、最終乳化組成物中の総量が 1〜50重量％となるような割合で使用する項 6または 7に記載する調製方法。

[0015] 項 9.アラビアガムおよびガティガムを、最終乳化糸且成物中の総量が 5〜30重量％となるような割合で使用する項 6乃至 8のいずれかに記載する調製方法。

[0016] 項 10.ガティガムを、最終乳化糸且成物中の濃度が 20重量％以下の濃度となるような割合で使用する項 6乃至 9のいずれかに記載する調製方法。

[0017] 項 11.乳化組成物が、精油、油性香料、油性色素、脂溶性ビタミン、脂溶性薬物、多価不飽和脂肪酸、動植物油、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び中鎖トリグリセライドよりなる群力選択される少なくとも 1種の疎水性物質を分散質として有する OZW 型または WZOZW型のエマルシヨンである、項 6乃至 10のいずれかに記載する乳化組成物の調製方法。

[0018] (3) ,

項 12.項 6に記載される方法によって調製される乳化組成物。

[0019] 項 13.乳化剤としてアラビアガム 10重量部に対してガティガムを少なくとも 0.5重量部の割合で含有する乳化組成物。

[0020] 項 14.アラビアガム 10重量部に対するガティガムの割合が 0.5〜20重量部である項 12または 13に記載する乳化組成物。

[0021] 項 15.アラビアガムおよびガティガムを、その総量が 1〜50重量⁰ /₀となるような割合で含有する項 12乃至 14のいずれかに記載する乳化組成物。

[0022] 項 16.アラビアガムおよびガティガムを、その総量が 5〜30重量％となるような割合で含む項 12乃至 15のいずれかに記載する乳化組成物。

[0023] 項 17.ガティガムを 20重量％以下の割合で含む項 12乃至 16のいずれかに記載する乳化組成物。

[0024] 項 18.乳化組成物が、精油、油性香料、油性色素、脂溶性ビタミン、脂溶性薬物、多価不飽和脂肪酸、動植物油、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び中鎖トリグリセライドよりなる群力選択される少なくとも 1種の疎水性物質を分散質として有する ozw 型または WZOZW型のエマルシヨンである、項 12乃至 17のいずれかに記載する乳化組成物。

[0025] 項 19.乳化組成物が、乳化香料、乳化色素、乳化薬物または乳化食品である、項

12乃至 18のいずれかに記載する乳化組成物。

[0026] 項 20.乾燥状態の乳化組成物である、項 12乃至 19のいずれかに記載する乳化組成物。

[0027] (4) itm

項 21.アラビアガム 10重量部に対してガティガムを少なくとも 0.5重量部の割合で含有する組成物の、乳化剤の調製のための使用。

[0028] 項 22.アラビアガム 10重量部に対してガティガムを少なくとも 0.5重量部の割合で含有する乳化剤の、乳化組成物の調製のための使用。

発明の効果

[0029] 特定の割合でアラビアガムとガディガムを併用することで乳化力の優れた乳化剤を得ることができる。斯くして調製される乳化剤は、特に、精油、油性色素、油性香料、脂溶性ビタミン、多価不飽和脂肪酸、動植物油、または中鎖トリグリセライド等の各種の疎水性物質の乳化に好適に使用することができる。かかるアラビアガムとガディガムを用いて調製される乳化組成物は、乳化剤としてアラビアガム単独を用いて調製した乳化組成物と比較して、粒子の粒度分布が均一であり、かつ、長期保存によって経時変化を受けてエマルシヨン粒子同士が凝集したり、合一して粒子が劣化することが有意に抑制されており、非常に安定である。よって、本発明の特定の割合力もなるアラビアガムとガディガムを乳化剤として用いて調製される乳化組成物は、食品、医薬品、医薬部外品、及び香粧品の分野において、例えば乳化食品、乳化香料、乳化色素、粉末香料等として好適に利用することができる。

発明を実施するための最良の形態

[0030] (1)乳化剤

本発明の乳化剤は、アラビアガムに加えてガティガムを有効成分とするものである。 [0031] ここでアラビアガムは、マメ科植物であるアカシア属のアカシア ·セネガノレ (Acacia se negal)やアカシア ·セィアル (Acacia seval)またはこれらの同属植物の幹や枝から得られるゴム状の滲出液を乾燥して調製される天然榭脂（多糖類)である。本発明では、アカシア ·セネガノレ (Acacia Senegal)及びアカシア ·セィァノレ (Acacia seval)の別を問わずいずれも使用できる力好ましくはアカシア ·セネガル (tek Senegal)種に属するアラビアガムである。

[0032] アラビアガムは、スーダンを始め、エチオピアからセネガルにいたる北アフリカ一帯（エチオピア、セネガル、ナイジェリア、アフリカ北部のコルドファン、ナイル河支流近傍、その他ァメラハ地方)で産出される力本発明においてはその由来を問うことなぐいずれの産地由来のものであってもよい。また、本発明で用いられるアラビアガムは、加温などの任意の処理によって乳化力を高めるように改質されたものであってもよい (例えば、上記特許文献 1〜3等参照)。

[0033] アラビアガムは、その水分含量を特に制限するものではない。通常商業的に入手可能なアラビアガム (原料）は、 105°Cで 6時間加熱乾燥することによって減少する水分量 (乾燥減量）が 40重量％以下、好ましくは 30重量％以下、特に好ましくは 20重量％以下であるものである。本発明においても、このような水分含量 (乾燥減量)を有するアラビアガム (原料)を、任意に選択し使用することができる。

[0034] また通常、アラビアガムは、塊状物、玉状物、粗粉砕物、粒状、または粉末状の形態で入手することができるが、本発明ではこれらの形態を問わず、いずれの形態のものをも使用することができる。水に短時間で溶解することができることから、好ましくは粗粉砕物、粒状、または粉末状の形態のものである。

[0035] ガティガムは、シクンシ科ガティノキ (Anoeeissus Latifolia WALL.)の幹の分泌液を乾燥して得られる多糖類を主成分とするガム質である。増粘安定剤 (食品添加物）として知られており、商業的に塊状物、粗粉砕物、粉末状 (例えば、スプレードライ粉末 )、粒状 (例えば、スプレードライ粉末の造粒物)などの形態で入手することができる（例えば、三栄源エフ 'エフ'アイ (株)など)。本発明ではこれらの形態を問わず、いずれの形態のものをも使用することができる。アラビアガム同様、水に短時間で溶解することができること力ら、好ましくは粗粉砕物、粒状、または粉末状の形態のものである。

[0036] 本発明の乳化剤は、乳化力の点から、アラビアガム 10重量部に対してガティガムを 0.5重量部以上、好ましくは 0.8重量部以上の割合で含むことが好ましい。乳化力の点から上限は特に制限されないが、乳化剤使用時 (乳化組成物調製時）に生じ得る不都合な増粘を抑制すると、う点からは、アラビアガム 10重量部に対してガティガムを 30重量部以下、好ましくは 20重量部以下、より好ましくは 15重量部以下、さらに好ましくは 10重量部以下の割合で使用することが望ましい。

[0037] 本発明の乳化剤は、その形態を特に制限されなヽ。例えば、アラビアガムとガティガムを混合溶解した水溶液の状態、乾燥粒子状、乾燥粉末状、粉末と粒状物の混合物の状態など、任意の形態を採ることができる。なお、これらの乾燥粉末は、アラビアガムとガティガムを互ヽに粉砕混合するか、若しくはアラビアガムとガティガムを混合溶解した水溶液をスプレードライすることにより (スプレードライ粉末)、また乾燥粒子は斯くして得られる乾燥粉末を造粒することによって調製することができる。

[0038] 本発明の乳化剤は、アラビアガムを単独で用いる場合に比べて優れた乳化力を有している。

[0039] 乳化剤の乳化力は、エマルシヨンを形成する小滴 (分散相）の平均粒子径 (ェマルジョン調製時）、及びェマルジヨンの経時的安定性の、一方または両方から、判断することができる。本発明の乳化剤は、通常それを用いてエマルシヨンを調製した場合に、そのエマルシヨンを形成する小滴 (分散相）の平均粒子径が 1 m以下、好ましくは 0.8 μ m以下、より好ましくは 0. 7 μ m以下になるような乳化力を有することが好ましい。

[0040] さらに好ましくは、本発明の乳化剤は、通常それを用いて調製されたエマルシヨンが経時的に安定であることが望ましい。エマルシヨンの経時的安定性は、例えば調製したエマルシヨンの平均粒子径を、調製直後〔平均粒子径 (a)〕と保存後〔平均粒子径 (b)〕に測定し、その差〔(b) - (a)〕で評価することができる。制限されないが、本発明の乳化剤は、それを用いて調製したエマルシヨンを 60°Cで 3日間保存した場合、上記差〔（b)— (a)〕が: m以下、好ましくは 0. 3 /z m以下、より好ましくは 0. 1 ^ m 以下であるようなエマルシヨンが得られるような乳化力を有することが望ましい。 [0041] 本発明の乳化剤は、特に食品、医薬品、医薬部外品、または香粧品の分野において用いることが出来る。とりわけ経口的に摂取され得る製品の乳化剤として好適に使用することができる。具体的には、飲料、菓子類、乳製品、ドレッシング等のソース類、水産加工品または畜産加工品などの食品等の乳化 (乳化食品の調製)、錠剤等のコーティング材の乳化、油性香料の乳化 (乳化香料の調製)、並びに油性色素の乳化 (乳化色素の調製)などに、乳化剤として好適に使用することができる。

[0042] 本発明の乳化剤は、アラビアガムとガティガム力なるものであってもよ、が、必要に応じて、その他の担体や添加剤を含有するものであってもよい。この場合、使用される担体や添加剤は、乳化剤を用いる製品の種類やその用途に応じて、常法に従つて適宜選択採用することができる。例えば、デキストリン、マルトースおよび乳糖等の糖類、またはグリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコールと混合して使用することがでさる。

[0043] 本発明の乳化剤は、後述するように乳化組成物の調製に好適に使用することができる。乳化組成物の調製に使用される本発明の乳化剤の割合は、乳化組成物の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、乳化組成物 100重量％中、アラビアガムとガティガムの総量の下限としては 1重量％、好ましくは 3重量％、より好ましくは 5重量％を、また上限としては 50重量％、好ましくは 40重量、より好ましくは 30重量 %を挙げることができる。具体的には 1〜50重量％、好ましくは 3〜40重量％、より好ましくは 5〜30重量％の範囲である。この際、粘度 lOOOmPa ' s以下、好ましくは 500 mPa ' s以下、より好ましくは 200〜500mPa ' s〔B型粘度計（(株)東京計器製）、ローター No. 3、回転数 60rpm、品温 20°C〕の範囲にある乳化組成物を調製する場合、使用する乳化剤の割合として、最終乳化組成物 100重量％中に配合するガティガムの濃度が 20重量％以下、好ましくは 0. 5〜15重量％、より好ましくは 1〜： L0重量％となるような割合を挙げることができる。

[0044] (2)乳化組成物の調製方法、及び乳化組成物

本発明は、上記アラビアガムとガディガムを乳化剤として使用する乳化組成物の調製方法を提供する。

[0045] 具体的には、当該乳化組成物は、乳化剤としてアラビアガム 10重量部に対してガディガムを少なくとも 0.5重量部の割合で用いて、疎水性物質 (分散質)を親水性溶媒中に分散安定ィ匕することによって、または親水性物質 (分散質)を疎水性溶媒中に分散安定ィ匕することによって調製することができる。なお、ここでアラビアガム 10重量部に対して用いるガディガムの割合は、前述するように 0.5重量部以上であれば特に制限されないが、乳化組成物の乳化性及び乳化安定性 (経時的安定性)の点から、 0.8重量部以上の割合で含むことが好ま、。乳化性及び乳化安定性の点から上限は特に制限されないが、乳化組成物の不都合な増粘を抑制するという点からは、ァラビアガム 10重量部に対してガティガムを 30重量部以下、好ましくは 20重量部以下、より好ましくは 15重量部以下、さらに好ましくは 10重量部以下の割合で使用することが望ましい。

[0046] 乳化組成物の調製に際して、乳化剤としてアラビアガムとガディガムを別個に用いてもよ、し、またアラビアガムとガディガムの両方を含有する前記本発明の乳化剤を用いてもよい。

[0047] 本発明が対象とする乳化組成物は、水中油滴 (OZW)型、油中水油滴 (WZO) 型、 wZoZw型、 oZwZo型のエマルシヨンである力好ましくは、水中油滴（o Zw)型や wZoZw型のエマルシヨンである。力かる水中油滴（oZw)型または w ZoZw型の乳化組成物は、上記アラビアガムとガディガムを乳化剤として使用して、疎水性物質 (分散質)を親水性溶媒中に分散安定化することによって調製することができる。

[0048] ここで乳化される疎水性物質 (分散質)は、通常エマルシヨン形態に供されるもの若しくはその必要性のあるものであれば特に制限されないが、好ましくは食品、医薬品、医薬部外品または香粧品分野で用いられる疎水性物質、より好ましくは経口的に用いられることが可能な（可食性)疎水性物質を挙げることができる。

[0049] 具体的には、オレンジ、ライム、レモン及びグレープフルーツなどの柑橘系植物等の基原植物力得られる各種精油；ペッパー、シンナモン及びジンジャーなどの基原植物力ォレオレジン方式で得られるォレオレジン、ジャスミンやローズなどの基原植物からアブソリユート方式で得られるアブソリユート、その他、合成香料化合物、及び油性調合香料組成物などの油性香料； j8 -カロチン、パプリカ色素、リコピン、パーム油カロチン、ドナリエラカロチン及びニンジンカロチンなどの油性色素；ビタミン A,ビタミン D, E及び Kなどの脂溶性ビタミン;脂溶性薬物（例えば、高脂血症薬であるフィブラート系薬物ゃスタチン系薬物など）；ドコサへキサェン酸、エイコサペンタエン酸、及び γ —リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸;大豆油、菜種油、コーン油及び魚油などの動植物油； SAIB (Sucrose Acetate isobutyrate：ショ糖酢酸イソ酪酸エステル）、エステルガム、ブロム化油、または C〜C の中鎖トリグリセライドなどの、加工食品

6 12

用油脂及びこれら可食性油性材料の任意の混合物を例示することができる。

[0050] 上記アラビアガムとガディガムを乳化剤として用いる乳化組成物の調製方法は、特に制限されず、常法に従って行うことができる。例えば、水中油滴 (oZw)型ェマルシヨンまたは wZoZw型エマルシヨンの調製に関する常法または油中水滴 (wZo )型エマルシヨンまたは oZwZo型エマルシヨンの調製に関する常法に従って、疎水性物質と親水性溶媒または親水性物質と疎水性溶媒とを上記乳化剤の存在下で、ホモジナイザーや高圧噴射機などの乳化機を利用して機械的に攪拌混合することによって行うことができる。より具体的には、水中油滴（oZw)型エマルシヨンまたは wZoZw型エマルシヨンの調製を例とすれば、下記の方法を例示することができる

[0051] まず、アラビアガムとガディガムを水等の親水性溶媒に溶解し、必要に応じて、遠心分離又はフィルタープレス等を利用した濾過など、適当な固液分離手段により不純物を除去して、アラビアガムとガディガムの混合溶液を調製する。これに、目的の疎水性物質を撹拌機等で混合し、予備乳化する。なお、この際、必要に応じて SAIB等の比重調整剤にて比重を調整してもよい。次いで得られた予備乳化混合液を、乳化機を利用して乳化する。

[0052] ここで乳化組成物の調製に使用されるアラビアガムとガティガムの割合は、乳化組成物の種類に応じて適宜設定することができるが、通常、乳化組成物 100重量％中、アラビアガムとガティガムの総量が 1〜50重量⁰ /₀の範囲となるような割合で含まれるように用いることができる。かかる総量の下限として、好ましくは 3重量％、より好ましくは 5重量％を挙げることができる。またかかる総量の上限として、好ましくは 40重量％、より好ましくは 30重量％を挙げることができる。好ましくは、乳化組成物 100重量％中に含まれるアラビアガムとガティガムの総量が 3〜40重量⁰ /₀、より好ましくは 5〜30 重量％となるような割合である。この際、調製する乳化組成物が、粘度 lOOOmPa' s 以下、好ましくは 500mPa' s以下、より好ましくは 200〜500mPa' sの範囲にある場合〔B型粘度計（(株)東京計器製)、ローター No. 3、回転数 60rpm、品温 20°C〕、最終乳化組成物 100重量％中に配合されるガティガムの濃度が 20重量％以下、好ましくは 0. 5〜15重量％、より好ましくは 1〜： LO重量％となるような割合で、アラビアガムとガディガムを用いることができる。

[0053] 親水性溶媒としては、水、またはグリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコールを用いることができる。

[0054] また疎水性物質としては前述のものを例示することができる力油性香料や油性色素を用いて乳化香料や乳化色素を調製する場合は、上記疎水性物質として予め油脂に油性香料や油性色素を溶解した混合液を用いることが好ましい。これによつて、より乳化を安定ィ匕し、また成分の揮発を予防することができる。また油性香料や油性色素を溶解する油脂としては、特に制限されないが、通常、中鎖トリグリセライド (炭素数 6〜12の脂肪酸トリダリセライド）；及びコーン油、サフラワー油、または大豆油などの植物油を用いることができる。

[0055] 例えば、 β -カロチンなどの色素の多くは、それ自身、結晶の状態でサスペンションとして存在する。したがって、これらの色素をエマルシヨン (乳化色素）として調製するには、まず色素の結晶を適当な油脂と高温下で混合し溶解してから、親水性溶媒で溶解したアラビアガムとガディガムの混合溶液に添加し、次、で乳化することが好ましい。

[0056] 乳化に使用する乳化機としても、特に制限はなぐ目的とするエマルシヨンの粒子の大きさや、試料の粘度などに応じて適宜選択することができる。例えば、機械的に高圧のホモジナイザーの他、デイスパーミルやコロイドミルなどの乳化機を使用することができる。

[0057] 乳化工程は、前述するように、親水性溶媒で溶解したアラビアガムとガディガムの混合溶液と疎水性物質とを攪拌しながら混合し、予備乳化し、粒子径約 2〜5 μ mの乳ィ匕粒子を調製した後、ホモジナイザーなどの乳化機を用いて微細で均一な粒子 (例えば、平均粒子径 1 μ m以下、好ましくは 0.8 μ m以下、より好ましくは 0.7 μ m以下）を調製すること〖こよって実施される。

[0058] 斯くしてアラビアガムとガディガムを乳化剤として用いて調製されるエマルシヨンは、アラビアガムを単独で用いて調製したエマルシヨンと比較して、粒子の平均粒子径が小さぐまたその粒度分布が均一であり、かつ、経時的安定性に優れている。また、加熱や長期保存、経時変化などの虐待 (過酷条件）により、エマルシヨン粒子同士が、凝集したり、合一して粒子が劣化することが有意に抑制されている。

[0059] 斯くして調製される本発明の乳化組成物は、特に制限されないが、例えば上記の精油、油性香料、油性色素、脂溶性ビタミン、脂溶性薬物、多価不飽和脂肪酸、動植物油、または中鎖トリグリセライドなどの疎水性物質が、親水性溶媒に分散されてなる、水中油滴 (oZw)型または wZoZw型の乳化食品組成物、乳化医薬品組成物、乳化医薬部外品組成物、乳化香粧品組成物または乳化色素組成物を挙げることができる。また親水性物質が疎水性溶媒に分散されてなる油中水滴 (wzo)型の乳化組成物であってもよい。とりわけ好ましくは、経口的に摂取され得る可食性の乳化組成物である。具体的には、アイスクリーム、ホイップクリーム、マーガリンなどの乳製品およびマヨネーズやドレッシングなどのソース類を含む乳化食品組成物、乳化薬物 (脂溶性薬物の乳化物）、乳化香料、並びに乳化色素を挙げることができる。

[0060] なお、これらの乳化組成物は、その後、噴霧乾燥 (スプレードライ)、ドラム乾燥 (ドラムドライ)、真空凍結乾燥 (フリーズドライ)等の乾燥処理を施して乾燥状態に調製することもできる。本発明が対象とする乳化組成物には、カゝかる乾燥状態の乳化組成物 (例えば、乳化薬物、粉末香料、粉末色素など)も含まれる。

[0061] また、斯くして調製される乳化組成物の中でも、水中油滴 (OZW)型または WZO

Zw型の乳化組成物 (乳化食品組成物、乳化薬物、乳化香料、乳化色素、およびこれらの乾燥物が含まれる）は、水への溶解性および溶解安定性が高いため、水性の組成物に配合して用いることができる。例えば、本発明の乳化組成物を配合する水性の組成物としては、食品 (飲料など）、医薬品（シロップ、ドリンク、眼科溶液、注射剤、点滴剤など)、医薬外部品 (液剤、眼科溶液剤など)、香粧品 (化粧水など)を挙げることができる。実施例

[0062] 以下、本発明の内容を以下の実験例（実施例および比較例）を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実験例などに何ら制限されるものではない。なお、下記の実験例において、特に記載しない限り、「部」とは「重量部」を、また「％」とは「重量％」を意味するものとする。なお、下記の実験例において、ガティガムとして、ィンド産の Anogeissus Lsil kの幹及び枝力採取されたゴム状分泌物の乾燥物（平均粒子径 l〜5cm、水分含量 12%)を用いた。

[0063] 実験例 1

アラビアガム及びガティガムを、乳化剤として、表 1に記載する割合で使用して、乳化組成物（実施例 1〜5、比較例 1〜2)を調製した。具体的には、まず水にアラビアガム及びガティガムを添加し、次いでクェン酸、および安息香酸 Naを添加し、撹拌機にて撹拌溶解する。これに撹拌機で混合しながら中鎖トリグリセライド (オクタン酸 'デカン酸トリグリセライド (O. D. O) ) (日清オイリオグループ社製)を添加し、添加後、約 2分撹拌混合した。これをナノマイザ一 (吉田機械興業製）にて 50MPaにて 2回均質乳化処理した。

[0064] なお、アラビアガムとしては、スーダン産の Acacia ^mi^lの幹及び枝から採取されたゴム状分泌物の粗粉砕物 (平均粒径 0. 3mm程度、水分含量 14%、平均分子量 6 9. 8万）を用いた。

[0065] [表 1]

(重量％)

[0066] 調製した各乳化組成物について、後述する方法に従って、乳化性、乳化安定性及び粘度を測定して評価した。

[0067] <評価方法 > (1)乳化性、乳化安定性

上記で調製した各乳化組成物（実施例 1〜5、比較例 1〜2) 30gを 50mlスクリュー管に量り取り、 60°Cの恒温槽に所定の期間（3日および 7日間)保存し、調製直後、 6 0°C3日保存後、および 60°C7日保存後の乳化組成物の平均粒子径（ μ m)を測定した。なお、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置 SALD— 1100 ( (株）島津製作所製)にて測定した。また、乳化組成物の乳化安定性は、調製初期 (乳化直後）と 60°C3日保存後または 60°C7日保存後のエマルシヨン粒子の平均粒子径の差で評価した。

[0068] (2)粘度

各乳化組成物について、調製段階において中鎖トリグリセライドを配合して 2分間撹拌混合した後、およびナノマイザ一で 2回均質乳化処理した後に、それぞれ粘度を測定した。なお、粘度は B型粘度計 (ローター No. 3使用、（株)東京計器製)を用いて、回転数 60rpm、品温 20°Cの条件にて測定した。

[0069] <評価結果 >

(1)乳化性、乳化安定性

結果を表 2に示す。

[0070] [表 2]

[0071] (2)粘度

結果を表 3に示す。

[0072] [表 3] アラビアガムカティカム撹拌後粘度乳化後粘度試験区

添加量（％) 添加量（《½) 、mPa■ s) ^mPa * s 比較例 1 20 0 235 301 比較例 2 10 0 30.2 39.8 実施例 1 9.5 0.5 32.9 49.8 実施例 2 9.25 0.75 34.8 54.1 実施例 3 9 1 37 60.3 実施例 4 7.5 2.5 53 120 実施例 5 5 5 93.3 351

[0073] 上記で得られた結果を、下記の基準に従って評価した。

[0074] ω ¾,化件、 ¾ 定件

初期の粒子径、並びに 60°C3日保存試験による粒子径変化の程度から下記に従つて評価した。

◎：初期粒子小さく (1 μ m以下）、 60°C3日保存試験後も粒子径変化が非常に小さい（0.3 m以下）。

〇：初期粒子小さく (1 μ m以下）、 60°C保存試験後も粒子径変化が小さい（1 μ m以下)。

△：初期粒子小さ、（ 1 m以下）が、 60°C保存試験後の粒子径変化がやや大き!/、 ( 1 /z mより大きい)。

X：初期粒子が大き、（1 mより大き、)か、または初期粒子は小さ!/、（1 m以下）が、 60°C保存試験後の粒子径変化が大き!/、 (2 μ m以上)。

乳化後の粘度および流動性を下記に従って評価した。

[0076] <粘度 >

低:粘度が小さく（200mPa' s以下）、流動性が非常に良い。

中：粘度が適度にあり（200〜500mPa' s)、流動性が良い。

高：粘度が高く（500mPa · s以上）、流動性が悪、。

[0077] <流動性 >

◎:流動性が非常に良い。

〇：流動性が良い。

X：流動性が悪い。 [0078] 結果を表 4にまとめる。

[0079] [表 4]

[0080] 以上のことから、アラビアガム (Acacia Senegal)とガティガムとを併用することで、ァラビアガムの使用量を低減しながらも、より優れた乳化性および乳化安定性が得られること、し力もアラビアガムが備える低粘度と、う特性を損なわな、ことがわ力つた。

[0081] 実験例 2

アラビアガムとして、 Acacia 種に属するアラビアガム（クイックガム # 8375：ァルフレッド ·エル ·ヴオルフ社製)を使用し、実験例 1と同様に乳化組成物を調製して、乳化性及び乳化安定性を調べた。

[0082] 具体的には、アラビアガム及びガティガムを乳化剤として、表 5に記載する割合で使用して、実験例 1と同様の操作により乳化組成物 (実施例 6〜8、比較例 3)を調製した。調製した各乳化組成物について、実験例 1に記載する方法に従って、乳化性及び乳化安定性を測定して評価した。結果を表 6に示す。

[0083] [表 5]

(重量％)

[0084] [表 6] 60。C 60°C アラビアガムガティガム調製初期

3曰保存後 7曰保存後評価試験区 (セィャル）添加量

A平均粒子怪 B平均粒子径 C平均粒子怪

添加量（％) (%)

( jU m) m) B— A C jU m) C -A 比較例 3 20 0 3.52 5.89 2.37 5.61 2.09 X 実施例 6 10 10 0.61 0.61 0 0.62 0.01 ® 実施例 7 16 4 0.67 0.68 0.01 0.68 0.01 実施例 8 5 5 0.70 0.70 0 0.70 0 ®

[0085] 以上のことから、アラビアガム (Acacia seval)とガティガムとを併用することで、ァラビァガムの使用量を低減しながらも、より優れた乳化性および乳化安定性が得られることがわかった。

[0086] 実験例 3

アラビアガムとして、高、乳化性を有するように改質したアラビアガム (スーパーガム EM2：三栄源エフ ·エフ ·アイ社製)を使用し、実験例 1と同様に乳化組成物を調製して、乳化性及び乳化安定性を調べた。

[0087] 具体的には、アラビアガム及びガティガムを乳化剤として、表 7に記載する割合で使用して、実験例 1と同様の操作により乳化組成物 (実施例 9〜10、比較例 4)を調製した。調製した各乳化組成物について、実験例 1に記載する方法に従って、乳化性及び乳化安定性を測定して評価した。結果を表 8に示す。

[0088] [表 7]

[0089] [表 8]

[0090] 以上のことから、改質アラビアガムとガティガムとを併用した場合でも、改質アラビアガムの使用量を低減しながらも、より優れた乳化性および乳化安定性が得られることがわかった。

処方例

[0091] 以下に処方例として、本発明の乳化組成物の具体的態様を示す。なお、ここでァラビアガム及びガティガムは、下記の方法によって調製したスプレードライ粉末を使用した。

[0092] (1)アラビアガムスプレードライ粉末の調製

2400L容ステンレス製タンクに 80°Cの湯水 1600kgを量り、撹拌下、アラビアガム原料 (Acacia seneeaLスーダン産、塊状品） 400kgを添カ卩し、 2時間撹拌溶解した。この溶液をフィルタープレスにて不純物を除去し、 80°C30分の殺菌を行った後、スプレードライ (スプレードライ条件:インレット 180°C、アウトレット 100°C)にて噴霧乾燥し、 350kgのアラビアガムスプレードライ粉末を得た。

[0093] (2)ガティガムスプレードライ粉末の調製

2400L容ステンレス製タンクに 80°Cの湯水 1700kgを量り、撹拌下、ガティガム原料 (インド産、塊状品） 300kgを添加し、 1時間撹拌溶解した。この溶液をフィルタープレスにて不純物を除去し、 80°C30分の殺菌を行った後、スプレードライ (スプレードライ条件:インレット 180°C、アウトレット 100°C)にて噴霧乾燥し、 250kgのガティガムスプレードライ粉末を得た。

[0094] 処方例 1 |8—力ロチン色素製剤（乳化色素製剤）

ガティガム (スプレードライ粉末） 17gとアラビアガム (スプレードライ粉末） 153gを水 680gに溶解し、 20重量％のガティガム'アラビアガム混合水溶液を調製した。これを乳化剤として用いた。これに、予め 30% β—カロチン混濁水溶液 50gに中鎖トリダリセライド (オクタン酸'デカン酸トリグリセライド、 O. D. O. (商品名、日清オイリオダループ株式会社製) ) 100gを配合して 150°Cにて加熱して溶解してぉヽた混合液を添加し、撹拌混合した。これをホモジナイザー (APV GAULIN社製）にて乳化し (圧力 4 . 4MPa (450kgZcm²)でのホモジナイズを 4回）、乳化色素製剤である j8—力ロチン色素製剤を調製した。

[0095] 処方例 2 オレンジ乳化香料 (乳化香料）ガティガム (スプレードライ粉末） 17gとアラビアガム (スプレードライ粉末） 153gを水 630gに溶解し、 20重量％のガティガム'アラビアガム混合水溶液を調製した。これを乳化剤として用いた。これに、オレンジ香料 20gと中鎖トリグリセライド (オクタン酸'デカン酸トリグリセライド、 O. D. O. (商品名、日清オイリオグループ株式会社製)） 130 gを室温下でよく混合して調製しておいた混合液を添加し、撹拌混合した。これをホモジナイザー（APV GAULIN社製）にて乳化し（圧力 4. 4MPa (450kgZcm²)でのホモジナイズを 4回）、乳化香料であるオレンジ乳化香料を調製した。

[0096] 処方例 3 DHA (ドコサへキサェン酸)乳化製剤

ガティガム (スプレードライ粉末） 17gとアラビアガム (スプレードライ粉末） 153gを水 680gに溶解し、 20重量％のガティガム'アラビアガム混合水溶液を調製した。これを乳化剤として用いた。これに、予め DHA20重量％含有魚油 50gと中鎖トリグリセライド (オクタン酸'デカン酸トリグリセライド、 O. D. O. (日清オイリオグループ社製)） 10 Ogとの混合物を 80°Cに加熱し、混合して調製しておいた混合液を添加し、撹拌混合した。これをホモジナイザー（APV GAULIN社製）にて乳化し（圧力 4. 4MPA(450 kg/cm²)でのホモジナイズを 4回）、 DHA乳化製剤を調製した。

[0097] 処方例 4 レモン粉末香料

ガティガム (スプレードライ粉末） 20g、アラビアガム (スプレードライ粉末） 180gおよびデキストリン 600gを水 1500gに溶解し、ガティガム ·アラビアガム混合水溶液を調製し、これを乳化剤とした。これにレモンオイル 200gを添加し、撹拌混合した。これをホモジナイザー（APV GAULIN社製）にて乳化し（圧力 2MPa (200kg/cm²)でのホモジナイズを 1回）、次いで、この乳化溶液をスプレードライヤー（ANHYDRO社製） (インレット： 140°C、アウトレット： 80°C)にて噴霧乾燥し、レモン粉末香料 950gを調製した。

[0098] 処方例 5 乳化タイプドレッシング

表 9記載の組成力もなる乳化タイプドレッシングを調製する。具体的には、水に、キサンタンガム、アラビアガムおよびガティガムを添カ卩し、次いでこれに醸造酢、砂糖、食塩及び L—グルタミン酸ナトリウムを添加し、攪拌混合する。これをホモミキサー (T Kロボミックス (プライミクス株式会社製)使用、回転数 8,000rpm)にて撹拌しながらサラダ油をゆっくりと添加し、添加後 5分間撹拌混合して、乳化タイプドレッシングを調製する。

[表 9]

* サンエースは三栄源エフ'エフ'アイ株式会社の登録商標。

[0100] 処方例 6 バタークリーム処方

表 10記載の組成力もなるバタークリームを調製した。具体的には、砂糖、アラビアガムおよびガティガムを 20°Cの水に添カロし、 5分間撹拌溶解したものをショートニングに加え、撹拌機 (キッチンエイドミキサー KSM5 (株式会社エフ ·ェム ·アイ社製)使用、撹拌速度目盛 2)にて 5分間混合し、バタークリームを得た。

[0101] [表 10] 処方重量部

ショートニング 55.0

砂糖 30.0

アラビアガム（スプレードライ粉末） 0.3

ガティガム（スプレードライ粉末） 0.1

水量

ム口 § p+ 100.0

Claims

請求の範囲

[I] 有効成分としてアラビアガム 10重量部に対してガティガムを少なくとも 0.5重量部の割合で含有する乳化剤。

[2] アラビアガム 10重量部に対するガティガムの割合が 0.5〜20重量部である請求項 1記載の乳化剤。

[3] 乳化組成物の調製に、最終乳化組成物中に含まれるアラビアガムおよびガティガムの総量が 1〜50重量％となるような割合で使用される請求項 1に記載する乳化剤。

[4] 乳化組成物の調製に、最終乳化組成物中に含まれるアラビアガムおよびガティガムの総量が 5〜30重量％となるような割合で使用される請求項 1に記載する乳化剤。

[5] 乳化組成物の調製に、最終乳化組成物中に含まれるガティガムの濃度が 20重量

%以下となるような割合で使用される請求項 1に記載する乳化剤。

[6] 乳化剤としてアラビアガム 10重量部に対してガティガムを少なくとも 0.5重量部の割合で用いて、親水性溶媒に疎水性物質を分散させるか、または疎水性溶媒に親水性物質を分散させる工程を有する乳化組成物の調製方法。

[7] アラビアガム 10重量部に対するガティガムの割合が 0.5〜20重量部である請求項

6に記載する調製方法。

[8] アラビアガムおよびガティガムを、最終乳化組成物中の総量が 1〜50重量⁰ /₀となるような割合で使用する請求項 6に記載する調製方法。

[9] アラビアガムおよびガティガムを、最終乳化組成物中の総量が 5〜30重量％となるような割合で使用する請求項 6に記載する調製方法。

[10] ガティガムを、最終乳化組成物中の濃度が 20重量％以下の濃度となるような割合で使用する請求項 6に記載する調製方法。

[II] 乳化組成物が、精油、油性香料、油性色素、脂溶性ビタミン、脂溶性薬物、多価不飽和脂肪酸、動植物油、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び中鎖トリグリセライドよりなる群から選択される少なくとも 1種の疎水性物質を分散質として有する OZW型または WZOZW型のエマルシヨンである、請求項 6に記載する乳化組成物の調製方法

[12] 請求項 6に記載される方法によって調製される乳化組成物。

[13] 乳化剤としてアラビアガム 10重量部に対してガティガムを少なくとも 0.5重量部の割合で含有する乳化組成物。

[14] アラビアガム 10重量部に対するガティガムの割合が 0.5〜20重量部である請求項

12または 13に記載する乳化組成物。

[15] アラビアガムおよびガティガムを、その総量が 1〜50重量⁰ /₀となるような割合で含有する請求項 12または 13に記載する乳化組成物。

[16] アラビアガムおよびガティガムを、その総量が 5〜30重量⁰ /₀となるような割合で含む請求項 12または 13に記載する乳化組成物。

[17] ガティガムを 20重量％以下の割合で含む請求項 12または 13に記載する乳化組成物。

[18] 乳化組成物が、精油、油性香料、油性色素、脂溶性ビタミン、脂溶性薬物、多価不飽和脂肪酸、動植物油、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び中鎖トリグリセライドよりなる群から選択される少なくとも 1種の疎水性物質を分散質として有する OZW型または WZOZW型のエマルシヨンである、請求項 12または 13に記載する乳化組成物。

[19] 乳化組成物が、乳化香料、乳化色素、乳化薬物または乳化食品である、請求項 12 または 13に記載する乳化組成物。

[20] 乾燥状態の乳化組成物である、請求項 12または 13に記載する乳化組成物。

[21] アラビアガム 10重量部に対してガティガムを少なくとも 0.5重量部の割合で含有する組成物の、乳化剤の調製のための使用。

[22] アラビアガム 10重量部に対してガティガムを少なくとも 0.5重量部の割合で含有する乳化剤の、乳化組成物の調製のための使用。