WO2006107085A1 - クロージング加工方法及びクロージング加工機 - Google Patents

Abstract

回転するワーク（９）に加熱された金型（４）を押し当ててワーク（９）をクロージングするクロージング加工機（１）において、ワーク（９）の近傍に対峙して開口するエアーパージボックス（５１０）と、このエアーパージボックス（５１０）にエアーを供給するエアー供給手段とを備え、エアーパージボックス（５１０）の内側にワーク（９）または金型（４）の状態を検出するセンサ（５０１，５０２）を設ける。

Description

明細書 クロージンダカ口ェ方法及びクロージンダカ口ェ機

技術分野

本発明は、 金属パイプ材の開口端を閉塞するクロージング加工方法及ぴクロー ジング加工機の改良に関するものである。 技術背景

クロージング加工方法は金属パイプ材からなるワークを回転させ、 ワークを加 熱しながらワークに金型を押し当て、 徐々に金型に近づけて塑性変形させるもの である。

このクロージング加工に用いられるクロージング加工機は、 ワークの外周面を 把持する外径チャックと、 外径チャックをワークと共に回転駆動するチャックス ピンドルとを備え、 回転するワークに対してオフセット量を持って回転する金型 をワークに押し当ててワークをクロージングするようになっている。

このクロージング加工方法及びクロージング加工機ついては特開 2 0 0 2 - 1 5 3 9 3 0号公報に開示されている。

従来のクロージング加工機は、 ワークの加工部の近傍にワークの位置を検出す るセンサや金型の温度を検出するセンサが設けられており、 これらセンサの検出 信号に応じてクロージング加工が自動的に行われるようになっている。

しかしながら、 従来のクロージング加工機は、 金型とワークを加熱して行われ るワークの加工部から油煙が発生するため、 この油煙がセンサのレンズ等を汚す 可能性があり、 センサの検出精度が低下するという問題点があった。

従って、 本発明は、 センサの検出精度を維持できるクロージング加工方法及び クロージング加工機を提供することを目的とする。

発明の開示

本発明は、 その軸心まわりに回転するワークに対して加熱された金型を押し当 ててこのワークの開口端をクロージングするクロージング加工方法において、 ヮ ークの近傍に対峙して開口するエアーパージボックスを設け、 このエアーパージ ボックスの内側にエア一を供給し、 ェァ一パージポッタスの内側に設けたセンサ によってワークまたは金型の状態を検出することを特徴とする。 また、 本発明は、 その軸心まわりに回転するワークに対して加熱された金型を 押し当ててこのワークの開口端をクロージングするクロージング加工機におい て、 ワークの近傍に対峙して開口するエアーパージボックスと、 このエアーパー ジボックスの内側にエアーを供給するェァー供給手段とを備え、 エアーパージポ ッタスの内側にワークまたは金型の状態を検出するセンサを設けたことを特徴と する。 本発明によって、 回転するワークを加熱しながら金型を押し当て、 金型に近づ けて塑性変形させるクロージング加工時に、 エアーパージポックス内が供給され るエアーで満たされるため、 このエアーが開口部からエアーパージボックスの外 部へと流出し、 ワークの加工部から発生した油煙がエアーパージポックス内に侵 入することが抑えられる。 これにより、 センサの検出部が油煙によって汚れるこ とが防止され、 センサの検出精度を高く維持することができる。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明の実施の形態を示すクロージング加工機の側面図である。 図 2は、 クロージング加工機の平面図である。

図 3は、 クロージング加工機の正面図である。

図 4 ( a ) 〜 （h ) は、 クロージングする工程を示す図である。

図 5は、 エアーパージボックスの断面図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明をより詳細に説述するために、 添付の図面に従ってこれを説明する。 図 1〜図 3にクロージング加工機 1の全体構成を示す。 図 1〜図 3において、 互いに直交する X、 Y、 Ζの 3軸を設定し、 X軸が略水平横方向に延び、 Υ軸が 略水平前後方向に延ぴ、 Ζ軸が略垂直方向に延びるものとする。 以下、 クロージ ング加工機 1の全体構成について説明する。

クロージング加工機 1の中央部にはワーク 9をその軸心まわりに回転駆動する 2台のチャックスピンドル 2 0と金型 4を駆動する 1台の金型駆動装置 4 0が設 けられる。 各チャックスピンドル 2 0は、 後述するチャックスピンドル移動装置 3 0を介して架台 3に対して X軸方向について往復動し、 クロージング加工機 1 の中央部へと交互に移動し、 ワーク 9を金型 4に対峙させる。

ク口一ジング加工機 1は、 高周波加熱装置 2によつて金属パイプ材からなるヮ ーク 9を加熱し、 回転するワーク 9に金型 4を押し当ててワーク 9を塑性変形さ せることによって、 ワーク 9の開口端を閉塞するクロージング加工を行う。 クロージング加工機 1の中央部には、 ワーク 9をクロージングするチヤックス ピンドル 2 0の前方に位置してワーク 9の端部を支持するスラス トス トツパ移動 装置 6 0と、 芯金 5をワーク 9の内側に移動する芯金移動装置 5 0とが設けられ る。

クロージング加工機 1の左右の後部にはそれぞれ一対のコンベア 1 8とワーク 投入装置 1 0が設けられる。 ワーク 9は各コンベア 1 '8によって Υ軸方向前方に 搬送された後、 Υ軸方向に移動可能な各ワーク投入装置 1 0によって Υ軸方向前 方に搬送され、 左右のチヤックスピンドル 2 0に投入し把持される。

一方のチャックスピンドル 2 0がクロージング加工機 1の中央部に位置してク ロージング加工を行っている間、 他方のチヤックスピンドル 2 0がクロージング 加工機 1の左右端部のいずれかに位置して各ワーク投入装置 1 0に搬送されるヮ ーク 9を受け取る。

クロージング加工機 1の前部には、 クロージング加工後のワーク 9を搬出する 搬出装置 1 7が設けられる。 搬出装置 1 7はワーク 9を把持するハンド 1 3を架 台 3に対して X軸方向について往復動し、 左右のチャックスピンドル 2 0から押 し出されるワーク 9をクロージング加工機 1の右前部に配置されたコンベア 1 9 へと搬送する。

クロージング加工を終えて 1 0 0 0 °C以上に高温となるワーク 9は、 コンベア 1 9によって冷却装置 7 0 (図 3参照） へと搬送され、 冷却装置 7 0にて冷却さ れる。 冷却装置 7 0はクロージング加工機 1の前方右側に設けられている。 図 4の （a ) 〜 ( g ) にクロージング加工機 1がワーク 9にクロージングする 一連の工程を示す。 以下、 このクロージング加工方法の各工程を順に説明する。 図 4の （a ) に示すように、 ワーク投入装置 1 0の内径チャック 8をワーク 9 内に挿入し、 その内径チャック 8がワーク 9の内周面を把持する。

図 4の （b ) に示すように、 ワーク投入装置 1 0が内径チャック 8を Y軸方向 に前進させてワーク 9をチャックスピンドル 2 0の外径チヤック 7に挿入し、 外 径チャック 7がワーク 9の外周面を把持する。

図 4の （c ) に示すように、 ワーク投入装置 1 0が内径チャック 8を Y軸方向 に後退させて内径チャック 8をワーク 9から抜き取る。 続いてチャックスピンド ^^移動装置 3 0がチャックスピンドル 2 0を X軸方向に移動してワーク 9を金型 4に対峙する加工位置に停止させる。

図 4の （d ) に示すように、 スラストストッパ移動装置 6 0がスラストストツ パ 6をワーク 9の基端部 9 bを支持するスラスト加工基準位置に移動する。 図 4の （e ) に示すように、 芯金移動装置 5 0が芯金 5をワーク 9の内側に投 入する。

図 4の （f ) に示すように、 チャックスピンドル 2 0がワーク 9と芯金 5を回 転駆動する。 一方、 金型駆動装置 4 0が加熱された金型 4をワーク 9に押し当て る。 これにより、 金型 4と芯金 5の間でワーク 9の先端部 9 aが次第に絞られ、 最終的にワーク 9の先端部 9 aを閉塞した底部 9 cを形成する。

図 4の （g ) に示すように、 金型駆動装置 4 0が金型 4を Y軸方向後方に移動 し、 ワーク 9から離す。 一方、 スラストストッパ移動装置 6 0がスラストストツ パ 6を Y軸方向前方に移動してスラスト加工基準位置から離すとともに、 芯金移 動装置 5 0が芯金 5をワーク 9の内側から抜き取る。

続けて別のワーク 9をクロージングする場合、 図 4の （a ) に示すように、 チ ャックスピンドル移動装置 3 0がチャックスピンドル 2 0を X軸方向に移動して ワーク 9を内径チャック 8に対峙させる。 そして、 図 4の （b ) に示すように、 ワーク投入装置 1 0が内径チャック 8を Y軸方向に前進させ、 クロージング加工 前のワーク 9の基端部 9 bをクロージング加工済みのワーク 9の底部 9 cに当接 させてクロージング加工済みのワーク 9を外径チヤック 7から押し出す。

一方、 ワーク 9のクロージング加工を終了する場合、 図 4の ( h ) に示すよう に、 ワーク投入装置 1 0が内径チャック 8を Y軸方向に前進させ、 内径チャック 8をクロージング加工済みのワーク 9の底部 9 cに当接させてクロージング加工 済みのワーク 9を外径チャック 7から押し出す。

以上、 クロージング加工機 1の全体構成を説明した。

次に図 5に示す金型駆動装置 4 0の構成を説明する。

金型駆動装置 4 0は、 その前端部に金型 4が取り付けられる金型支持シャフト 4 1と、 この金型支持シャフト 4 1を図示しない軸受を介して回転可能に支持す る金型支持ケース 4 2と、 金型支持ケース 4 2を搭載するスライド台 4 3を Y軸 方向に移動可能に支持する 2本のガイドレール 4 4と、 スライド台 4 3を Y軸方 向に駆動する油圧シリンダとを備える。 油圧シリンダは図示しないコントローラ の出力に応じてクロージング加工時に金型支持ケース 4 2を Y軸方向について前 方に移動し、 金型 4をワーク 9に押し付ける。

金型駆動装置 4 0は、 金型 4を回転可能に支持する金型支持シャフト 4 1と、 モータ 4 6の回転を金型支持シャフト 4 1に伝達する動力伝達機構 4 0 1と、 動 力伝達機構 4 0 1から金型支持シャフト 4 1にトルクを入力する一方、 金型支持 シャフト 4 1から動力伝達機構 4 0 1に入力されるトルクを遮断するワンウェイ クラッチ 4 1 0とを備える。

クロージング加工機 1は、 金型駆動装置 4 0に対するワーク 9の位置をレーザ 光線によって検出する位置センサ 5 0 1を備える。 コントローラは位置センサ 5 0 1の検出信号に応じて金型駆動装置 4 0を作動させてクロージング加工を行う ように制御する。

クロージング加工機 1は、金型 4の温度を検出する温度センサ 5 0 2を備える。 コントローラは温度センサ 5 0 2の検出信号に応じてクロージング加工を行うよ うに制御する。

ところで、 高周波加熱装置 2によって金型 4及ぴワーク 9を例えば 1 0 0 0 °C 以上に加熱した状態で行われるクロージング加工時、 ワーク 9の加工部から油煙 が発生するため、 この油煙が位置センサ 5 0 1及び温度センサ 5 0 2のレンズ等 を汚して検出精度が低下する可能性がある。

これに対処して、 クロージング加工機 1は、 加工位置にあるワーク 9の近傍に 対峙して開口するエアーパージボックス 5 1 0と、 このエアーパージボックス 5 1 0にエアーを供給するエアー供給手段とを備え、 エアーパージボックス 5 1 0 の内側にワーク 9または金型 4の状態を検出する位置センサ 5 0 1及ぴ温度セン サ 5 0 2を設け、 位置センサ 5 0 1及ぴ温度センサ 5 0 2がワーク 9の加工部か ら発生する油煙にさらされないようにする。

エアーパージボックス 5 1 0は位置センサ 5 0 1及ぴ温度センサ 5 0 2を囲む 箱状に形成され、 下方に向けて開口した開口部 5 1 1を有する。 この開口部 5 1 1は金型 4及ぴ加工位置にあるワーク 9の上方に位置している。

エアーパージボックス 5 1 0の天井部 5 1 2にはエアー取り入れ口 5 1 3が開 口する。 エアー供給手段としてこのエアー取り入れ口 5 1 3に図示しない配管を 介して空気圧源が接続される。 図 5に白抜き矢印で示すように、 この配管を介し てエアー取り入れ口 5 1 3に例えば 0 . 2 M p a程度に加圧されたエアーが供給 される。

金型支持ケース 4 2の上部にクランク状に曲折したフレーム 5 0 3を取り付 け、 このフレーム 5 0 3に位置センサ 5 0 1と温度センサ 5 0 2とエアーパージ ボックス 5 1 0をそれぞれ取り付ける。 ' 位置センサ 5 0 1をフレーム 5 0 3の上端部に取り付け、 温度センサ 5 0 2を フレーム 5 0 3の途中に取り付ける。 エアーパージボックス 5 1 0の内側にて位 置センサ 5 0 1の下方に温度センサ 5 0 2が配置される。

クロージング加工機 1は以上のように構成されて、次に作用について説明する。 クロージング加工機 1の運転時、 配管を介してエアー取り入れ口 5 1 3にカロ圧 されたエアーが供給され、 エアーパージボックス 5 1 0内が供給されるエアーで 満たされ、 開口部 5 1 1からエアーパージボックス 5 1 0の外部へと流出するこ とにより、 ワーク 9の加工部から発生した油煙がエアーパージボックス 5 1 0内 に侵入することが抑えられる。 これにより、 位置センサ 5 0 1及び温度センサ 5 0 2の検出部が油煙によって汚れることが防止され、 位置センサ 5 0 1及ぴ温度 センサ 5 0 2の検出精度を高く維持することができる。

エアーパージボックス 5 1 0は下方に向けて開口した開口部 5 1 1を有するた め、 エアーパージボックス 5 1 0内が供給されるエアーで満たされ、 ワーク 9の 加工部から発生した油煙がエアーパージボックス 5 1 0内に侵入することを有効 に抑えられる。

エアーパージボックス 5 1 0内にワーク 9の位置を検出する位置センサ 5 0 1 と、 金型 4の温度を検出する温度センサ 5 0 2を設け、 位置センサ 5 0 1の下方 に温度センサ 5 0 2を配置したことにより、 クロージング加工機 1の限られたス ペースにおいて一つのエアーパージボックス 5 1 0内に位置センサ 5 0 1と温度 センサ 5 0 2の両方を設けることが可能となり、 構造の簡素化がはかれる。 産業上の利用可能性

以上のように、 本発明にかかるクロージング加工方法及ぴクロージング加工機 は、 ワークの開口端を閉塞するクロージング加工に限らず、 回転するワークに対 して金型をワークに押し当ててワークを絞り加工するスピユング加工に利用でき る。

Claims

請求の範囲

1. その軸心まわりに回転するワーク （9) に対して加熱された金型 （4) を押 し当ててこのワーク （9) の開口端をクロージングするクロージング加工方法に おいて、

前記ワーク （9) の近傍に対峙して開口するエアーパージボックス （510) を設け、

このエアーパージボックス （510) の内側にエアーを供給し、

前記エアーパージボックス （510) の内側に設けたセンサ （501， 502) によって前記ワーク （9) または前記金型 .（4) の状態を検出することを特徴と するクロージング加ェ方法。

2. その軸心まわりに回転するワーク （9) に対して加熱された金型 （4) を押 し当ててこのワーク （9) の開口端をクロージングするクロージング加工機にお いて、

前記ワーク （9) の近傍に対峙して開口するエアーパージボックス （510) と、

このエアーパージボックス （510) の内側にエアーを供給するエアー供給手 段とを備え、

前記エアーパージボックス （510) の内側に前記ワーク （9) または前記金 型 （4) の状態を検出するセンサ （501， 502) を設けたことを特徴とする クロージング加工機 （1)。

3. 前記エアーパージボックス （510) は下方に向けて開口する開口部を有し たことを特徴とする請求項 2に記載のクロージング加工機 （ 1 )。

4. 前記エアーパージボックス （510) の内側に前記ワーク （9) の位置を検 出する位置センサ （501) と、

前記金型 （4) の温度を検出する温度センサ （501) を設け、

この温度センサ （501) を前記位置センサ （501) の下方に配置したこと を特徴とする請求項 2に記載のクロージング加工機 （1)。