明 細書 不飽和アミノジオール類の製造方法 技術分野
本発明はメタセシス反応を利用した不飽和アミノジオール類の製造方法に関す るものである。 背景技術
不飽和アミノジオ^"ル類はスフインゴシ^^導体であり、ドラッグデリバリーシス テム等に有効なスフインゴミエリンなどの合成原料として有用な物質である。
従来、不飽和アミノジオール類の製造方法に関しては、糖を原料とした合成方 法、 Sharpless不斉エポキシ化を用いた方法、 Garnerアルデヒドを用いた方法、不斉ァ ルドール反応を用いた方法などが報告されている (たとえば、勝村成雄、箱木敏和, 「蛋白質核酸酵素」, Vol.147, No.4, 526-536 (2002))力 レ、ずれも工程が煩雑であった り、立体選択性が悪 、とレ、つた問題を抱えてレ、る。
最近になって、(S)- 3-ベンジル -4-((R)-l-ヒドロキシァリル)ォキサゾリジン- 2-ォ ン((S)-3-Benzyト 4- ((R)- 1- hydroxyaUyDoxazoiidin- 2- one)のような環状保護基を有する 化合物のメタセシスを利用したスフインゴシ 導体の合成方法が報告されてレヽる (S. Torssell and P. Somfai, Org. Biomol. Chem"., 2, 1643-1646 (2004))力 このォキサゾ リジノン (oxazolidinone)骨格を有するものではホモメタセシス生成物が主生成物であつ たり、 EZZ選択性力為悪かったり、反応性に劣っていたり、さらに収率が悪いといった問 題がある。
本発明はメタセシス反応を利用して、簡便かつ安価に不飽和アミノジオール類
を製造する方法を提供することを目的とするものである, 発明の開示
本発明者らは、力かる問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、メタセシス触 媒の存在下、非環状保護基を有する不飽和アミノジオール類とォレフィンを反応させる ことにより、スフインゴミエリン等の合成中間体として有用な不飽和アミノジオール類を簡 便かつ安価に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の不飽和アミノジオール類の製造方法は下記一般式 (I)
(式中、 R1および R4は水素原子または水酸基の保護基であり、 および R3は水素原子 またはァミノ基の保護基であり、 R5は水素原子または低級アルキル基である。)で表さ れる不飽和アミノジオール類と、下記一般式 (II)
R6 (II)
(式中、 R
6は炭素数:!〜 20のアルキル基である)で表されるォレフィン類をメタセシス触 媒存在下で反応させ下記一般式 (ΠΙ)
(式中、 R\ R2、 R3、 R4および R6は上記と同じである。)で表される不飽和アミノジォ一 ル類を製造することを特徴とするものである。
前記メタセシス触媒はルテニウムカルべン錯体であることが好ましぐルテニウム カルべン錯体としては、下記一般式 (IV)
(式中、 R7および R8はアルキル基またはァリール基であり、 R9はホスフィン配位子であり、 Xはハロゲン原子である。 )で表される錯体であることが好ましい。
本発明の不飽和アミノジオール類の製造方法は、不飽和アミノジオール類とォ レフィ をメタセシス触媒存在下で反応させるため、従来の反応工程に比べて簡便 で汎用性及び反応性が高ぐ立体選択性 (EZZ選択性)がよ Vヽため高レ、収率で目的 化合物である不飽和アミノジオール類を製造することが可能である。
加えて、本発明の不飽和アミノジオール類の製造方法に使用する不飽和ァミノ ジオール類、ォレフィン類およびメタセシス触媒は比較的安価であるため、不飽和ァミノ ジオール類を安価に製造することが可能であり、ドラッグデリバリーシステム等に有効な スフインゴミエリンなどの合成原料を経済的に提供することが可能である。 発明を実施するための好ま U、態様
本発明の不飽和アミノジオール類の製造方法は下記一般式 (I)
(式中、 R1および R4は水素原子または水酸基の保護基であり、 および R3は水素原子 またはァミノ基の保護基であり、 R5は水素原子または低級アルキル基である。)で表さ れる不飽和アミノジオール類と、下記一般式 (II)
R6\^ 01)
(式中、 R
6は炭素数 1〜20のアルキル基である)で表されるォレフィン類をメタセシス触
媒存在下で反応させ下記一般式 (III)
(式中、 R が、 R3、 R4および R6は上記と同じである。)で表される不飽和アミノジォ一 ノレ類を製造することを特徴とする。
上記低級アルキル基としては、枝分かれを有してレ、てもよレ、炭素数 1から 5のァ ノレキノレ基であり、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチ/レ基、 sec-プ チル基、 t-プチル基、ペンチル基等を例示することができる。
炭素数:!〜 20のアルキル基とは、反応に関与しな!/、置換基を有してレヽてもよ ヽ 炭素数 1から 20のアルキル基である。
水酸基の保護基としては、トリメチルシリル、トリェチルシリル、 t一ブチルジメチ ルシリル、トリイソプロビルシリル等のシリル系保護基、メトキシメチル、テトラヒドロビラ二 ノレ、エトキシェチル等のエーテル系保護基、ァセチル、ベンゾィル等のエステル系保護 基等をあげることができる。
ァミノ基の保護基としては、トリメチルシリル、トリェチルシリル、 t-ブチルジメチル シリル、トリイソプロピノレシリル等のシリル系保護基、 t、ブトキシカルボニル、ベンジルカ ルポニル等の力ルバメート系保護基、ァセチル、ベンゾィル等のエステル系保護基等 をあけ、ることができる。
本発明の製造方法はメタセシス触媒存在下に反応行うものであり、メタセシス触 媒としては、既存の各種メタセシス触媒が好適に用いられる力 中でもルテニウムカル ベン錯体が反応効率の点で好ましい。
ルテニウムカルべン錯体としては、既存のルテニウムカルべン錯体が好適に用 いられるが、下記一般式 (IV)
(式中、 R7および R8はァノレキル基またはァリール基であり、 R9はホスフィン配位子であり、 Xはハロゲン原子である。)で表される錯体が反応効率、収率、入手の容易さ等の点で 好ましい。
ここで、上記アルキル基は反応に関与しな!/、置換基を有して!/、てもよレ、炭素数
1カゝら 20のアルキル基であり、ァリール基とは、反応に関与しない置換基を有していて もよいフエニル基、ナフチル基、フラン基、ピロール基、チォフェン基等を例示すること ができる。上記ホスフィン配位子とは、上記アルキル基またはァリール基が置換したホス フィン配位子である。ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子 である。
本発明の実施にあたっては、反応に関与しない溶媒中で行うことが好ましぐベ ンゼン、トルエン、キシレン、へキサン、シクロへキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒド 口フラン、ジメトキシェタン、ジォキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロ口ホル ム、ジクロロェタン等のハロゲン化溶媒等を例示することができる。
反応温度は、 0°Cなレ、し 150°Cの温度範囲力も適宜選択することができる力 反 応速度ならぴに経済的観点力 室温なレ、し 80°Cの範囲が好ましレ、。
以下、本発明を実施例および参考例によりさらに詳しく説明する。
実施例
(参考例 1)
テトラヒドロピラニノレプロノ ギゾレエーテ 7レ (Tetrahydropyranyl propargyl ether; 0.656g, 4.68mmol)の THF(29.8ml)溶液に一78°Cで n-ブチルリチウムの 1. 6Nへキ サン溶液 (2.80 ml, 4.47mmol)を滴下し、そのままの温度で 15分攪拌した。この溶液を 一 100。C以下に冷却した。(4S)-3-ベンジル- 2-ォキソ-ォキサゾリジン- 4-カルボン酸メ テノレエステノレ、上 己 1) ((4S)-3— Benzyl— 2— 0X0— oxazolidine—4_carboxylic acid methyl ester: l.OOg, 4.25画 ol)の THF溶液に滴下した後、 10分攪拌した。反応混合物に IN -HC1及びジェチルエーテルを滴下し、ジェチルエーテルで抽出した。有機層を飽和 食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシ リカゲルクロマトグラフィー(へキサンに 25%〜50%の酢酸ェチルを溶かしたもの)によ り精製し、(4S)-3-ベンジル -4- [4,- (テトラヒドロピラン- 2,-ィルォキシ) -ブタ -2,-イノィル] -ォキサゾリジン- 2-オン(上記 2) ((4S)-3-Benzyl-4-[4 - (tetrahydro-pyran-2 -yloxy) -but- 2' - ynoyl]-oxazolidin-2-one: 1.12g, 76.4%)を得た。
(参考例 2)
(4S) - 3 -ベンジル - 4- [4, - (テトラヒドロピラン- 2 ' -イノレオキシ) -ブタ - 2' -イノィル] -ォ キサゾリジン- 2-オン (上記 2)のトルエン(13.64ml)溶液に、 0°Cでジイソプロピルァノレミ ニゥム 2, 6-ジ- -ブチル -4-メチルフエノキシドの◦. 5Mトゾレエン溶液(13.6ml, 6.00 mmol)を滴下した。 15分攪抨した後、飽和塩化アンモニゥム水溶液を加え、酢酸ェチ ルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、 減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(へキサンに20%〜50%の酢 酸ェチルを溶かしたもの)により精製し、(4S)-3-ベンジル -4- (テトラヒドロピラン- 2,- ィル - -ヒドロキシ) -プタ -2'-ィニル]-ォキサゾリジン- 2-オン(上記 3) ((4S)-3-Benzyl
-4-[4'-(tetrahydro-pyran-2'-yl- -hydroxy)-but-2'-ynyl]-oxazolidin-2- one: 0.680g, 72%)を得た。
(参考例 3)
液体アンモニア (142ml)に一 78。Cで (4S)- 3-ベンジル -4-[4,- (テトラヒドロピラン- 2, -ィル -1'-ヒドロキシ) -ブタ -2,-ィニル]-ォキサゾリジン- 2-オン(上記 3) (3.27g, 9.47 mmol)の THF(47.4ml)溶液を加えた後、リチウム(0.789g, lOOmmol)を加えた。アイス バスを除去し 3時間還流させた後、一 78°Cで固体の塩化アンモニゥムを加え、アンモニ ァを留去した。セライト濾過、続いて減圧濃縮を行い、(45,1, 2 )-(4-(1,-ヒドロキシ- ブタ- 2'-ェニル)-ォキサゾリジン- 2-オン(上記 4) ((4S,1,R,2'E) _(4- (1し Hydroxy-but - 2, - enyl)-oxazolidm - 2- onej ¾"得 。
(参考例 4)
参考例 3で得た (4S,l,R,2'E)-(4- (Γ-ヒドロキシ-ブタ- 2'-ェニル)-ォキサゾリジン -2-オン (上記 4)の DMF (108 ml)溶液に室温でイミダゾール(0.967g, 14.2 mmol)、 t -プチルジメチルシリルクロリド (2.14g, 14.2mmol)を順に加えた。同温にて 3時間攪拌し、 反応混合物に氷を加え、酢酸ェチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ 一(へキサンに20%〜50%の酢酸ェチルを溶かしたもの)により精製し、(4S,1'R, 2Έ)-
4 - [1, - (t -ブチルジメチルシリルォキシ) -ブタ - 2, -ェニル] -ォキサゾリジン- 2 -オン (上記 5) ((4S, l'R,2'E)-4-[ -(tert-Butyl-dimethyl-silyloxy)-but-2'-enyl] -oxazolidin-2-one : 1.81g, 参考例 3, 4の 2段階で収率 70%)を得た。(4S, l,R,2,E)-4- [l,-(t-プチルジメチ ルシリルォキシ)-ブタ -2' -ェニル]-ォキサゾリジン- 2-オン(上記 5)の IR、 'Η NMR、 13C NMRデータを以下に示す。
IR (KBr disk) = 3399, 2932, 1713, 1418, 1038, 856 cm—1
lH NMR (CDC13, 400MHz) δ: 5.74 (dqd, J= 15.4, 6.6, 0.5 Hz, 1H), 5.36 (brm, 1H), 5.33 (ddq, 7= 15.4, 7.6, 1.7 Hz, 1H), 4.38 (dd,户 8.8, 8.8 Hz, 1H), 4.27 (dd,户 9.0, 4.9 Hz, 1H), 3.97 (dd,户 6.6, 6.6 Hz, 1H), 3.71 (ddd,户 8.5, 5.6, 5.6 Hz), 1.72 (dd, 6.6, 1.5 Hz, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.06 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)
13C NMR (CDCI3, 100MHz) δ: 159.8, 130.1, 129.5, 75.1, 66.7, 56.8, 25.7, 17.9, 17.7,一 4.1, -5.0
(参考例 5)
(4S, l'R, 2,E) -4 - [1, - (t -ブチルジメチルシリルォキシ) -プタ - 2, -ェニル] -ォキサゾ リジン- 2-オン(上記 5) (0.969g, 3.57mnmol)の DMF (17.9ml) 溶液に 0°Cでジメチルァ ミノピリジン(0.217g, 1.78mmol)、トリェチルァミン(0.75ml, 5.36mmol)、炭酸ジ- 1 -プチ ノレ(1.17g, 5.36mmd)を順次加えた。同温にて 10分間攪拌した後、飽和塩ィヒアンモニ ゥム水溶液を加え、酢酸ェチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水 硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (へキサンに 9。/
0〜20%の酢酸ェチルを溶力 たもの)により精製し、(4S,l'R,2,E)-4-
[l'-(t-ブチルジメチルシリルォキシ) -ブタ - 2, -ェニル] - 2 -ォキソ-ォキサゾリジン- 3 -力 ルボン^:-ブチルエステル(上記 6) ((4S,1,R,2,E)- 4- [ - (tert-Butyト dimethyl 一 silyloxy)- but- 2 _enyl]_2 - oxo-oxazolidine - carboxylic acid tert-butyl ester: l.llg, 84%)を得た。 (4S,l'R,2,E)-4- [l,-(t-ブチルジメチルシリ /レオキシ) -ブタ -2,-ェニル] - 2- ォキソ-ォキサゾリジン- 3-カルボン酸 t-ブチルエステル(上記 6)の IR、 ¾ NMR、
13C NMRデータを以下に示す。
IR (KBr disk) = 2934, 1804, 1719, 1372, 1069, 837 cm—1
lH NMR (CDC13, 400MHz) 5: 5.80 (dqd,户 15.4, 6.6, 1.5 Hz, 1H), 5.34 ( ddq, J= 15.4, 5.4, 1.7Hz, 1H), 4.65 (m, 1H), 4.38 (dd,ゾ = 7.1, 2.0 Hz, 1H), 4.15 (m, 2H), 1.73 (ddd,户 6.6, 1.5, 1.5 Hz, 3H), 1.57 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 0.04 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)
13C NMR (CDCI3, 100MHz) δ: 152.2, 149.7, 128.9, 128.7, 83.6, 70.7, 61.4, 58.9, 28.0, 25.6, 17.8, 17.7, -4.6,—5.2
(参考例 6)
(4S,1'R,2'E)- 4- (t-ブチルジメチルシリルォキシ)-プタ- 2,-ェニル ]- 2-ォキソ -ォキサゾリジン- 3 -カルボン酸 t -ブチルエステル (上記 6) (0.468g, 1.31mmol)のメタノ ール (6.54ml)溶液に室温で炭酸セシウム(0.508g, 1.31mmol)をカ卩え、同温で 3時間攪 拌した。反応混合物に飽和塩ィ匕アンモニゥム水溶液を加え、酢酸ェチルで抽出した。 有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行つ た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(へキサンに 9%〜 17%の酢酸ェチルを溶かし たもの)により精製し、 (2S,3R,4E)- 2- 1-ブチルォキシカルボニルァミノ- 3- (t-ブチルジメ
チルシリルォキシ )-4-へキセン- 1一オール(上記 8) ((2S,3R,4E)-2-tert- Butyloxycarbonylamino— 3 - (tert - butyi - dimethyl - silyiox ) - 4一 hexene_l-ol: 0.35lg, 78%)を得た。 (2S,3R,4E)-2-t-ブチルォキシカルボニルァミノ - 3 - (t -ブチノレジメチ /レシリ ノレォキシ )-4-へキセン- 1 -オール (上記 8)の IR、 ¾ NMR、 13C NMRデータを以下に示 す。
IR (NaCl, Neat) = 3449, 2959, 1699, 1503, 1254, 966 cm一1
¾ NMR (CDC13, 400MHz) δ 5.72(m, 1H), 5.48(ddq,ゾ = 15.4, 6.3, 1.7 Hz, 1H), 5.32(brd,户 7.1 Hz, 1H), 4.45(m, 1H), 4.01(m, 1H), 3.58(m, 1H), 3.46(m, 1H), 3.03-2.96(brm, 1H), 1.7 Km, 3H), 1.45(s, 9H), 0.90(s, 9H), 0.07(s, 3H), 0.03(s, 3H) 13C NMR (CDC13, 100MHz) δ: 155.7, 130.6, 127.7, 79.3, 76.1, 62.2, 55.2, 28.4, 25.8, 18.0, 17.6, -4.6, -5.2.
(参考例 7)
BocNH BocNH
\^\^\^OH ^ 人ノ OTBS
8 OTBS 9 OTBS
(2S,3R,4E)-2-t-ブチルォキシ力ルポニルァミノ - 3 - (t -ブチルジメチルシリルォ キシ) -4-へキセン- 1-オール(上記 8) (150 mg, 0.434讓 ol) の DMF(2.17 ml)溶液に 室温でイミダゾール(44mg, 0.651mmol), t-プチルジメチルシリルクロリド(98mg, 0.651 mmol)を順次に加えた。同温にて 3時間攪拌し、反応混合物に氷を加え、酢酸ェチル で抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減 圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(へキサンに 1%〜2%の酢酸ェ チルを溶かしたもの)により精製し、 (2S,3R,4E)- 1,3-ジ (t -プチルジメチルシリルォキシ) - 2 - 1-ブチルォキシカルボニルァミノ- 4-へキセン(上記 9) ((2S,3R, 4E)-l,3-di(tert- Butyl-dimethyl-silyloxy)-2-tert-butyloxycarbonylamino-4-hexene : 199 mg, auant) ¾r
得た。(2S, 3R,4E)- 1,3-ジ (t-ブチルジメチルシリルォキシ) - 2十ブチルォキシカノレボニ ルァミノ- 4-へキセン(上記 9)の IR、 ¾ NMR、 13C NMRデータを以下に示す。
IR (KBr disk) = 3459, 2957, 1723, 1501, 1256, 966 cm—1
¾ NMR (CDC13, 400MHz) δ: 5.61 (dqd, J= 15.4, 6.3, 0.7 Hz, 1H), 5.45 (m, 1H), 4.73 (m, 1H), 4.18 (m, 1H), 3.79 (dd,户 10.0, 4.2 Hz, 1H), 3.58 (m, 2H), 1.68 (dd,户 6.3, 1.0 Hz), 0.90 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.05 (s, 6H), 0.03 (s, 3H), 0.01 (s, 3H) 13C NMR (CDCI3, 100MHz) δ: 155.6, 131.5, 127.5, 78.8, 73.0, 61.4, 56.5, 28.4. 25.89, 25.85, 18.2, 18.1, 17.7, -4.1, - 4.9,—5.3, -5.5
(参考例 8)
BocNH o OTBS
(2S,3R,4E)- 1 ,3-ジ (t -ブチルジメチルシリルォキシ )- 2 - 1 -プチルォキシカルボ二 ルァミノ- 4-へキセン(上記 9) (0.398g, 1.15mmol)の THF (2.88ml)溶液に 0°Cでテトラ プチルアンモニゥムフロリド(0.452g,
溶液をカ卩ぇ、同温にて 30分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニゥム水溶液を加え、酢酸ェチルで抽 出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃 縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(へキサンに 33%〜67%の酢酸ェチ ルを溶かしたもの)により精製し、 (2S,3R,4E) - 2-t-ブチルォキシカノレポニルァミノ- 4 -へ キセン- 1,3-ジォ ル(上記 10) ((2S,3R,4E)-2- tert- Butyloxycarbonylamino-4-hexane -1,3-diol: 0.251g, 94%)を得た。 (2S,3R,4E)- 2- 1-ブチノレオキシカノレポニルァミノ- 4 -へ キセン- 1,3-ジオール(上記 10)の IR、 ¾雇 R、
13C NMRデータを以下に示す。
IR (KBr disk) = 3354, 1666, 1541, 1170, 1059 cm"1
lH NMR (CDC13, 400MHz) δ: 5.79 (dqd, J= 15.3, 6.6, 1.2 Hz, 1H), 5.56 (ddq, J=
15.4, 6.6, 1.5 Hz, 1H), 5.30 (brm, 1H), 4.29 (m, 1H), 3.93 (m, 1H), 3.71 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 2.90-2.60 (brm, 2H), 1.73 (ddd, J- 6.6, 1.7, 1.0 Hz, 3H), 1.45 (s, 9H) 13C N (CDC13, 100MHz) δ: 156.3, 130.3, 128.7, 79.8, 74.6, 62.6, 55.4, 28.3, 17.8.
(2S,3R,4E)-2- 1-ブチルォキシカルボニルァミノ- 4-へキセン- 1,3-ジオール(上 記 10) (200mg, 0.864mmol)の DMF (4.32ml)溶液に室温でイミダゾール(88mg, 1.29 mmol) , t-プチノレジメチルシリルクロリド(169mg, 1.12mmol)を順次加えた。同温にて 5 分間攪拌し、反応混合物に氷を加え、酢酸ェチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶 液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルク 口マトグラフィー(へキサンに 12%〜33%の酢酸ェチルを溶かしたもの)により精製し、 (2S,3R, 4E)- 2- 1-ブチルォキシ力ルポニルァミノ- 1-t-ブチルジメチルシリルォキシ) -4- へキセン- 3-オール(上記 11) ((2S,3R,4E)-2-tert-Butyloxycarbonylamino-l-tert-butyl - dimethyl- silyloxy)- 4- hexene- 3- ol: 72mg, 24%)を得た。(2S,3R,4E)-2- 1-ブチノレオキシ 力ルポ-ルァミノ - t -ブチノレジメチルシリルォキシ )- 4-へキセン- 3 -オール(上記 11 ) の IR、 lH NMR, 13C NMRデータを以下に示す。
IR (NaCl, Neat) = 3453, 2932, 1701, 1503, 1175, 837 cm—1
NMR (CDCI3, 400MHz) 8: 5.75 (dqd,户 15.4, 6.6, 1.2 Hz, 1H), 5.52 (ddq, J= 15.4, 6.1, 1.5Hz, 1H), 5.20 (brd,户 7.3 Hz, 1H), 4.16 (m, 1H), 3.92 (dd,户 10.3, 3.1 Hz, 1H), 3.73 (dd, J= 10.3, 2.7 Hz, 1H), 3.56 (m, 1H), 3.30 (brm, 1H), 1.72 (ddd, J= 6.6, 1.5 Hz, 3H), 1.43 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.06 (s, 6H)
13C N R (CDCI3, 100MHz) δ: 155.7, 130.8, 127.6, 79.3, 74.4, 63.3, 54.5, 28.3, 25.7, 18.1, 17.7, -5.68, -5.71
8 OTBS 12 OTBS
(2S,3R,4E)-2- 1-ブチルォキシカノレポニルァミノ- 3- (t-ブチルジメチルシリルォキ シ) -4-へキセン- 1 -オール(上記 8) (46mg, 0.133mmol)のベンゼン(1.33ml)溶液に室 温で 1 -ペンタデセン(280mg, 1.33mmol)を加え、 55°Cまで昇温し、続いてトリシクロホス フィン [1 ,3-ビス (2,4,6—トリメチルフヱニル)- 4,5 -ジヒドロイミダゾル -2-イリデン] (ベンジリ デン)ルテニウム (IV)ジクロリド(6mg, 0.00666mmol)を一時間毎に 6回加えた。反応混合 物を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(へキサンに 9%〜25%の酢酸ェチ ルを溶かしたもの)により分離'精製し、 (2S,3R,4E)-2- -ブチルォキシカルボニルァミノ- 3 - (t-ブチルジメチルシリルォキシ )-4-ォクタデセン- 1 -オール(上記 12) ((2S,3R, 4E)-2-tert-Butyloxycarbonylamino-3-(tert-butyi- dimethy卜 silyloxy)_4 - octadecene - l_ol : 12mg, 18%, E体のみ)を得た。 (2S,3R,4E)- 2-t-ブチルォキシカルボニルァミノ- 3 -(t-プチルジメチルシリルォキシ )-4-ォクタデセン-トオール(上記 12)の IR、 'Η NMR、 13C NMRデータを以下に示す。
IR ( NaCl, Neat) = 3451, 2928, 1701, 1366, 1173, 1055 cm"1
¾ NMR (CDCI3, 400MHz) 8: 5.71 (m, 1H), 5.45 (ddt,户 15.4, 6.1, 1.2 Hz, 1H), 5.34 (brd,户 7.6 Hz, 1H), 4.48 (m, 1H), 4.04 (m, 1H), 3.57 (m, 1H), 3.46 (m, 1H), 3.05-2.94 (brm, 1H), 1.62 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.26 (s, 22H), 0.90 (m, 12H), 0.08 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.09 (s, 9H)
13C NMR (CDCI3, 100MHz) δ 155.7, 134.3, 133.3, 79.4, 76.3, 62.3, 55.2, 32.2,
31.9, 29.7, 29.6, 29.50, 29.46, 29.3, 29.1, 28.4, 25.8, 22.7, 18.0, 14.1,—4.5,一 5.1
10 OH 13 OH
(2S,3R,4E)- 2-t-ブチルォキシカルボニルァミノ- 4-へキセン- 1,3-ジオール(上 記 10) (65mg, 0.281mmol)のベンゼン(2.16 ml)溶液に室温で、 1-ペンタデセン(590mg, 2.81mmol)を加え、 55°Cまで昇温し、続レヽてトリシクロホスフィン [1,3-ビス (2,4,6-トリメチ ルフエニル) -4,5 -ジヒドロイミダゾル - 2-イリデン] (ベンジリデン)ノレテニゥム (IV)ジクロリド (12mg, O.O Ommol)をカ卩ぇ 1時間攪拌した。更にトリシクロホスフィン [1,3-ビス (2,4,6-ト リメチルフエ二ノレ)- 4,5-ジヒドロイミダゾル- 2 -イリデン] (ベンジリデン)ルテニウム (IV)ジク ロリド (6mg, 0.007mmol)を加え 30分攪拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、シリカゲ ルクロマトグラフィー(へキサンに 33°/0〜67%の酢酸ェチルを溶力したもの)により分離 •精製し、 (2S,3R,4E)- 2-t-プチルォキシカルボニルァミノ- 4-ォクタデセン- 1,3-ジォー ノレ(上記 13) ((2S,3R,4E)-2-tert-Butyloxycarbonylamino-4-octadecene-l,3-diol: 69mg, 62%, E体のみ)を得た。 (2S,3R,4E)-2- tert-ブチルォキシカルボニルァミノ- 4-ォクタデ セン- 1,3-ジオール(上記 13)の IR、 ¾ NMR、 13C NMRデータを以下に示す。
IR (KBr disk): 3335, 2909, 1692, 1528, 1177, 1057, 664 cm一1
¾ NMR (CDC13, 400MHz) δ: 5.77 (td,ゾ: 6.8, 15.4 Hz, 1H), 5.52 (dd,ゾ =6.3, 15.4, 1H), 5.33 (d, /= 7.1Hz, 1H), 4.29 (brm, 1H), 3.92 (ddd, 3.7, 3.7, 11.5 Hz, 1H), 3.70 (ddd,ゾ = 3.7, 6.8, 11.2 Hz, 1H), 3.59 (brm, 1H), 2.99 (brm, 1H), 2.91 (brm, 1H), 2.05 (dt,户 7.1, 7.1 Hz), 1.45 (s, 9H), 1.39 - 1.26 (m, 22H), 0.88 (t,ゾ = 7.1 Hz, 3H)
13C NMR (CDCI3, 100MHz) δ: 156.2, 134.1, 128.9, 79.8, 74.6, 62.6, 55.4, 32.3, 31.9, 29.7, 29.6, 29.5, 29.3, 29.2, 29.1, 28.3, 22.7, 14.1.
(実施例 3)
(2S,3R,4E)-2 - 1 -ブチノレオキシカルボニノレアミノ-ト t-プチノレジメチルシリノレオ キシ) -4-へキセン- 3-オール(上記 11) (68mg, 0.197mmol)のベンゼン(2.00 ml)溶液に 室温でトペンタデセン (414 mg, 1.97mmol)を加え、 55°Cまで昇温し、続いてトリシクロ ホスフィン [1,3-ビス (2,4,6-トリメチルフエ二ノレ) -4,5-ジヒドロイミダゾル -2-イリデン] (ベン ジリデン)ルテニウム (IV)ジクロリド (8mg, 0.00984mmol)を一時間毎に 6回加えた。反応 混合物を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(へキサンに 9%〜25°/。の酢酸 ェチルを溶かしたもの)により分離 ·精製し、 (2S,3R,4E)- 2- 1-ブチルォキシ力ルポニルァ ミノ- 1-t-プチルジメチルシリルォキシ )-4-ォクタデセン- 3-オール(上記 14) ((2S.3R, 4E)_2 - tert - Butyloxycarbonylamino— l_tert—butyl - dimethyl - silyloxy)— 4— octaaecene— 3— ol : 58mg, 57%, E体のみ)を得た。 (2S,3R,4E)-2-t-ブチルォキシカルボニルァミノ- 1-t -
の IR、 ¾ NMR,
13C
NMRデータを以下に示す。
IR (NaCl, Neat) = 3449, 2928, 1715, 1497, 1173, 839 cm-1
¾ NMR (CDC13, 400MHz) 8: 5.75 (dtd, J= 15.4, 6.8, 1.2 Hz, IH), 5.50 (ddt, J= 15.4, 5.6, 1.5 Hz, IH), 5.23 (brm, 1H), 4.27 (m, 1H), 3.93 (dd, J: 10.2, 2.9 Hz, IH) 3.75 (dd, J= 10.5, 2.4 Hz, 1H), 3.57 (m, IH), 3.31 (brm, IH), 2.05 ( dt,户 7.1, 7.1 Hz, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.25 (s, 22H), 0.90 (s, 9H), 0.85 (m, 3H), 0.06 (s, 6H) 13C NMR (CDCI3, 100MHz) δ 155.4, 133.1, 129.4, 79.4, 74.6, 63.4, 54.5, 32.3, 31.9, 29.7, 29.5, 29.3, 29.2, 28.4, 28.3, 25.8, 22.7, 18.1, 14.1, -5.6
四臭化炭素(0.375mmol, 124 mg)のピリジン(1.3mL)溶液に 0°Cで、 2-ブロモェ チルジメチルホスファイト(2— Bromoethyl(dimethyl)phosphtte: 0.056ml, 0.375腿 ol)を加 え、続いて、 (2S,3R,4E)-2- 1-ブチルォキシカルボニルァミノ- 4-ォクタデセン- 1,3-ジォ ール(上記 13) (lOOmg, 0.250mmol)を加えた。徐々に室温まで昇温しながら 3. 5時間 攪拌した。反応混合物を濾過し、 2N-塩酸で酸性にした後、酢酸ェチルで抽出した。 有機層を 2N-塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水 硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (へキサンに 33%〜50%の酢酸ェチルを溶かしたもの)により分離'精製し、 2-ブロモ ェチル ((2S,3R,4E)-2-t-ブチルォキシカノレボニルァミノ- 3-ヒドロキシォクタデ力- 4-ェニ ノレ)メチルホスフェート (上記 15) (2-Bromoethyl((2S,3R,4E)-2-tert- butyloxycarbonylammo- 3 - hydroxy - octadec - 4- enyl)(methyl)phosphate: 133mg, 88.7%) を得た。 2-ブロモェチル ((2S,3R,4E)-2-t-ブチノレオキシカルポニルァミノ- 3-ヒドロキシ ォクタデ力- 4-ェニノレ)メチルホスフェート(上記 15)の IR、 ¾ NMR、 13C NMRデータを以 下に示す。
IR (NaCl Neat): 3387.31, 1712.94, 1521.97, 1460.25, 1259.63, 1174.75, 1024.29 cm-1 ¾ NMR (CDC13, 400 MHz) δ: 5.76 (td,ゾ =6.8, 15.4 Hz, 1Η), 5.50 (dd, J: 7.1, 15.4 Hz, 1H),5.05 (brs, 1H), 4.36 - 4.31 (m, 3H), 4.16 (m, 2H), 3.82 (d, 11.2 Hz, 3/2H), 3.82 (d, 11.2 Hz, 3/2H), 3.79 (m, 1H), 3.55 (dd, 6.1, 6.1 Hz, 2H), 2.04 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.26 (m, 22H), 0.88 (t, 6.8 Hz, 3H)
13C NMR (CDCI3, 100MHz) δ: 155.6, 134.9, 128.5, 79.7, 72.4, 66.9 (m, 2C), 54.7 (m, 2C), 32.3, 31.9, 29.6, 29.6, 29.5, 29.3, 29.2, 29.1, 28.3, 22.6' 14.1.
(参考例 11)
2—プロモェチル ((2S,3R,4E)-2 - 1-ブチルォキシカルボニノレアミノ- 3 -ヒドロキシ ォクタデカ -4-ェニル)メチルホスフェート(上記 15) (500mg, 0.833mmol)の塩化メチレン (4.16ml)溶液に 0°Cでトリフルォロ酢酸 (1.67ml)を加え、 1. 5時間攪拌した。反応溶液 に lN-NaOH水溶液を加え、中和した後、クロ口ホルムで抽出した。有機層を飽和食 塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣を THF、 H20 (8.32ml, 1:1)で溶解し、 0°Cで炭酸カリウム(575mg, 4.16mmol)、パルミトイルクロリ ド (0.28ml, 0.916mmol)を順次加え、 15分攪拌した。反応混合液を飽和塩化アンモニゥ ム水溶液で中和し、クロ口ホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸 マグネシウムで乾燥、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホ ルムに 0%〜10%の酢酸ェチルを溶力したもの)により分離'精製し、 2-ブロモメチル ((2S,3R,4E)-2-へキサデカノィルァミノ- 3-ヒドロキシォクタデカ- 4-ェニル)メチルホスフ エー (上,己 16) (2-Bromoethyl((2S,3R,4E)-2-hexadecanoylamino-3-hydroxy~octaaec -4-enyl) (methyl)phosphate: 522mg, 85%)を得た。 2-ブロモメチル ((2S,3R,4E)- 2-へキサ デカノィルァミノ- 3-ヒドロキシォクタデ力- 4-ェニル)メチルホスフェート(上記 16)の IR、 ¾ NMRS 13C NMRデータを以下に示す。
IR (KBr disk): 3291, 2917, 1647, 1547, 1468, 1269, 1047 cm"1
lH NMR (CDC13, 400 MHz) δ: 6.25 (d,ゾ =7.3 Hz, 1H), 5.75 (td,ゾ= 6.8, 15.1 Hz, 1H), 5.48 (dd,ゾ =6.6, 15.4 Hz, 1H), 4.33 (m, 3H), 4.17 (m, 3H), 3.81 (d,ゾ =11.2 Hz, 3/2H), 3.80 (d,ゾ =11.2 Hz, 3/2H), 3.55 (t,ゾ =6.1 Hz, 2H), 2.19 (dt,ゾ =1.7, 7.1 Hz, 2H), 2.03 (td,ゾ =7.1, 1.7 Hz, 2H), 1.61 (m, 2H), 1.26 (m, 46 H), 0.88 (t,ゾ =6.6 Hz, 6
H)
13C NMR (CDC13, 100MHz) δ: 173.6, 134.8, 128.5, 72.4, 67.2 (m), 66.8 (d, Jc一 P =
5.0 Hz ), 54.77 (d, Jc—P = 5.8 Hz, 1/2 C), 54.74 (d, Jc—P = 5.8 Hz, 1/2 C), 53.7 (d, Jc一 P
= 5.8 Hz), 36.7, 32.3, 31.9, 29.7, 29.5, 29.4, 29.3, 29.3, 29.1, 25.7, 22.6, 14.1
(参考例 12)
2-ブロモメチル ((2S,3R,4E)-2-へキサデカノィルァミノ- 3-ヒドロキシォクタデカ -4 -ェニル)メチルホスフェート(上記 16) (502mg, 0.6791画 1)のメタノール(8.36ml)溶液 に室温で無水のトリメチルアミン (5.40ml)を加え、同温で 2日間攪拌した。反応混合物 を水で希釈し、クロロホノレム、メタノールで抽出し、有機層を減圧濃縮した。残渣をシリ カゲノレクロマトグラフィー (メタノーノレ:クロロホノレム = 1: 9〜メタノーノレ:クロ口ホルム:水 = 65 : 25 : 4)により分離'精製し、スフインゴミエリン (上記 17)を得た。スフインゴミエリン の IR、 ¾ NMRデータを以下に示す。
IR (KBr disk): 3447, 2919, 1640, 1231, 1090 cm—1
lH NMR (CDC13, 400MHz) δ 5.71 (dtd, 15.4, 6.6, 0.5Hz, 1H), 5.46 (ddt,户 15.4, 7.6, 1.5Hz, 1H), 4.28 (m, 2H), 4.14一 3.88 (m, 4H), 3.63 (t, 4.9Hz, 2H), 3.22 (s, 9H): 2.19 (m, 2H),
2.03 (dt, 6.8, 6.8Hz, 2H), 1.59 (m, 2H), 1.29 (s, 46H), 0.90 (t, J=7.1Hz, 6H)
(実施例 4)
Η 0H 14
(2S,3R)-2 -t-プチノレォキシ力ルポニノレアミノ― 1 - 1 -ブチノレジメチルシリルォキシ -4-ペンテン- 3 -オール(上記 18) (106mg, 0.320讓 ol)のジクロロメタン (4.79ml)溶液に 室温で 1-ペンタデセン(269mg, 1.28mmol)をカロえ、続いてトリシクロホスフィン [1,3-ビス (2,4,6-トリメチルフエ二ノレ) -4,5-ジヒドロイミダゾル -2-イリデン] (ベンジリデン)ルテニウム (IV)ジクロリド (8mg, 0.00959mmol)を加えた。反応混合物を 2時間還流した。反応混合 物を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー (へキサンに 9%〜25%の酢酸ェチ ルを溶かしたもの)により分離'精製し、 (2S,3R,4E)- 2-t-プチルォキシカルボニルァミノ- 1-t-ブチルジメチルシリルォキシ -4-ォクタデセン- 3-オール(上記 14) (118mg, 72%)を 得た。 (2S,3R,4B)-2 - 1 -ブチノレオキシカルボニノレアミノ - 1 - 1 -ブチノレジメチルシリノレオキシ -4 -ォクタデセン- 3-オールの IR、 ¾ NMR、 13C NMRデータを以下に示す。
IR (NaCl, Neat) = 3449, 2928, 1715, 1497, 1173, 839 cm一1
lH NMR (CDC13, 400MHz) δ : 5.75 (dtd, β 15.4, 6.8, 1.2 Hz, 1H), 5.50 (ddt, J= 15.4, 5.6, 1.5 Hz, 1H), 5.23 (brm, 1H), 4.27 (m, 1H), 3.93 (dd,户 10.2, 2.9 Hz, 1H), 3.75 (dd, 10.5, 2.4 Hz, 1H), 3.57 (m, 1H), 3.31 (brm, 1H), 2.05 (dt, J= 7.1, 7.1 Hz: 2H), 1.45 (s, 9H), 1.25 (s, 22H), 0.90 (s, 9H), 0.85 (m, 3H), 0.06 (s, 6H)
13C NMR (CDCI3, 100MHz) 8 155.4, 133.1, 129.4, 79.4, 74.6, 63.4, 54.5, 32.3, 31.9, 29.7, 29.5, 29.3, 29.2, 28.4, 28.3, 25.8, 22.7, 18.1, 14.1, -5.6
OH is OH 19
(2S,3R)-2-t-プチルォキシカルボニノレアミノ - 1 -t -ブチルジメチルシリルォキシ -
4 -ペンテン- 3-オール(上記 18) (lOlmg, 0.305讓 ol)のジクロロメタン(4.79ml)溶液に 室温で ノネン(154mg, 1.22mmol)を加え、続いてトリシクロホスフィン [1,3-ビス (2,4,6 -
トリメチルフエニル) -4,5-ジヒドロイミダゾル -2-イリデン] (ベンジリデン)ルテニウム (IV)ジク ロリド (8mg, 0.00914mmOl)を加えた。反応混合物を 2時間還流した。反応混合物を減圧 濃縮した後、シリカゲノレクロマトグラフィー(へキサンに 9%〜25%の酢酸ェチルを溶か したもの)により分離 ·精製し、 (2S,3R,4E) - 2 -t -ブチルォキシカルボニルァミノ-ト t -プチ ルジメチノレシリルォキシ -4-ドデセン- 3-オール (上記 19) (71mg, 55%)を得た。(2S,3R, 4E)-2 -t -プチルォキシカルポ-ルァミノ- 1 - 1 -プチルジメチノレシリルォキシ -4-ドデセン- 3-オールの IR、 ¾ NMR、 13C NMRデータを以下に示す。
IR (NaCl, Neat) = 3449, 2930, 1715, 1499, 1173, 837 cm一1
¾ N R (CDC13, 400MHz) 8 : 5.75 (dtd, β 15.4, 6.6, 1.2 Hz, IH), 5.51 (dd, J= 15.4 5.6 Hz, IH), 4.19 (m, IH), 3.93 (dd, J= 10.3, 2.9 Hz, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.56 (m, IH) 3.25-3.34 (brm, IH), 2.05 (dt, J= 14.2, 6.8 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.25 (s, 10H), 0.90 (s, 9H), 0.88 (t, J= 7.1 Hz, 3H)
13C NMR (CDCI3, 100MHz) δ : 155.8, 133.0, 129.4, 79.4, 74.5, 63.4, 54.5, 32.3, 31.8, 29.14, 29.10, 28.3, 25.8, 25.7, 22.6, 18.1, 14.0,—5.65,—5.68
(2S,3R)- 2-t-ブチルォキシカノレポニルァミノ- t -プチルジメチルシリルォキシ —4-ペンテン- 3-オール(上記 18) (114mg, 0.344mmol)のジクロロメタン(5.16 ml)溶液 に室温でスチレン( 7mg, 1.38mmol)を加え、続いてトリシクロホスフィン [1,3-ビス (2,4,6 -トリメチルフヱニル) -4,5-ジヒドロイミダゾル、2-イリデン) (ベンジリデン)ルテニウム (IV) ジクロリド (9mg, 0.0103mmol)を加えた。反応混合物を 2時間還流した。反応混合物を 減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(へキサンに 9%〜25%の酢酸ェチルを
溶かしたもの)により分離'精製し、(2S,3R,4E)- 2- 1 -プチルォキシカルボニルァミノ-ト t - プチルジメチルシリルォキシ -5-フエニル- 4-ペンテン- 3-オール (上記 20) (99mg, 71%) を得た。((2S,3R,4E)- 2-t-プチルォキシカルボニルァミノ- t-プチルジメチルシリルォ キシ- 5-フエニル- 4-ペンテン- 3-オールの IR、 ¾ NMR、 13C NMRデータを以下に示 す。
IR (NaCl, Neat) = 3451, 2932, 1717, 1499, 1254, 839 cm一1
¾ NMR (CDC13, 400MHz) δ: 7.38 (m, 2H), 7.32 (m, 2H), 7.25 (m, 1H), 6.70 (dd, 15.9, 1.5 Hz, 1H), 6.27 (dd, 15.9, 5.6 Hz, 1H), 5.32-5.22 (brm, 1H), 4.43 (m, 1H), 3.98(dd, 10.3, 2.9 Hz, 1H), 3.78 (dd, J= 10.5, 2.9 Hz, 1H ), 3.72 (m, 1H),
3.57 - 3.48 (brm, 1H), 1.43 (s, 9H), 0.91 (s, 9H), 0.08 (s, 3H), 0.07 (s, 3H)
13C NMR (CDCl3J100 Hz) δ: 155.8, 136.7, 131.1, 129.3, 128.5, 127.6, 126.5, 79.6, 74.6, 63.5, 54.6, 28.3, 25.8, 18.1, -5.6
(実施例 7)
(2S,3R)-2- -ブチルォキシカルボニルァミノ- t-ブチルジメチルシリルォキシ-
4-ペンテン- 3 -オール(上記 18) (50mg, 0.151mmol)のジクロロメタン(2.26 ml)溶液に 室温で 11 - (4-(7-ニトロベンゾフラザニル)ァミノ)-トゥンデセン(200mg, 0.603腿 ol)をカロ え、続いてトリシクロホスフィン [1,3-ビス (2,4,6—トリメチルフエニル) -4,5-ジヒドロイミダゾ ノレ- 2-イリデン] (ベンジリデン)ルテニウム (IV)ジクロリド (4mg, 0.00452mmol)を加えた。反 応混合物を 2時間還流した。反応混合物を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィ 一(へキサンに20%〜33%の酢酸ェチルを溶力 たもの)により分離'精製し、(2S,3R, 4E)- 2- 1 -プチルォキシカルボニルァミノ- 1 -t-ブチルジメチルシリルォキシ- 14- (4' - (7' -
ニトロベンゾフラザ-ル)ァミノ) -4-テトラデセン- 3-オール (上記 21) (55mg, 57%)を得 た。 (2S,3R,4E)-2-t-ブチノレオキシカルボニルァミノ- 1-t -プチルジメチルシリルォキシ- 14- (4'- (7'-ニトロベンゾフラザニル)ァミノ) -4-テトラデセン- 3-オールの IR、 ¾ NMR、 13C NMRデータを以下に示す。
IR (KBr, disk) = 3414, 2928, 1586, 1258, 1173, 839 cm 1
¾ N R (CDC13, 400MHz) δ: 8.49 (d, 8.5 Hz, 1H), 6.58—6.48 (brm, 1H), 6.18 (d, 8.8 Hz, 1H), 5.75 (dt, J= 14.6, 7.3 Hz, 1H), 5.51 (dd, 15.4, 5.9 Hz, 1H), 5.31-5.21 (brm, 1H), 4.20 (m, 1H), 3.94 (dd, J= 10.3, 2.9 Hz, 1H), 3.76 (dm, J= 8.1 Hz, 1H), 3.57 (m, 1H), 3.50 (dt, J= 6.8, 6.8 Hz, 2H), 3.38 - 3.44 (brm, 1H), 2.04 (dt, J= 6.8, 6.8 Hz, 2H), 1.81 (tt, 7.3, 7.3 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.34 (m, 12H), 0.90 (s, 9H), 0.08 (s, 3H), 0.07 (s, 3H)
13C NMR (CDCI3, 100MHz) δ: 155.8, 144.2, 144.0, 136.5, 132.9, 129.5, 98.4, 79.4, 74.7, 63.4, 54.5, 44.0, 32.2, 29.3, 29.2, 29.1, 29.0, 28.5, 28.4, 26.9, 25.8, 18.1, -5.65, -5.68
(2S,3R)-2-t-ブチルォキシカノレポニルァミノ- 1 - -プチルジメチルシリルォキシ _ 4-ペンテン- 3-オール(上記 18) (50mg, 0.151mmol)のジクロロメタン (2.26 ml)溶液に 室温で 11 -ヒドロキシ- 1 -ゥンデセン(103mg, 0.603mmol)を加え、続いてトリシクロホスフ イン [1,3-ビス (2,4,6-トリメチルフエニル) -4,5-ジヒドロイミダゾル - 2 -イリデン] (ベンジリデ ン)ルテニウム (IV)ジクロリド (4mg, 0.00452mmol)をカ卩えた。反応混合物を 2時間還流し た。反応混合物を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー (へキサンに 17%〜3
3%の酢酸ェチルを溶かしたもの)により分離'精製し、(2S,3R,4E)-2-t-プチ/レオキシカ ルポニルァミノ- 1-t-ブチルジメチルシリルォキシ -4-テトラデセン- 3,14-ジオール(上記 22) (54mg, 75%)を得た。(2S,3R,4E)- 2-t-プチルォキシカルボニルァミノ- 1-t-ブチル ジメチルシリルォキシ -4-テトラデセン- 3, 14-ジォールンの1 H NMR、 13C NMRデータを 以下に示す。
¾ NMR (CDC13, 400MHz) δ: 8.49 (d, = 8.8 Hz, 1H), 6.58-6.48 (brm, 1H), 6.18 (d, = 8.8 Hz, 1H), 5.75 (dt, J= 14.6, 7.3 Hz, 1H), 5.51 (dd, β 15.4, 5.9 Hz, 1H), 5.31-5.21 (brm, 1H), 4.20 (m, 1H), 3.94 (dd, β 10.3, 2.9 Hz, 1H), 3.76(md, 8.1 Hz, 1H) 3.57 (m, 1H), 3.50 (dt, β 6.8, 6.8 Hz, 2H), 3.44-3.38 (brm, 1H), 2.04 (dt, J= 6.8, 6.8 Hz, 2H), 1.81 (tt, 7,3, 7.3 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.34 (m, 12H), 0.90 (s, 9H), 0.08 (s, 3H), 0.07 (s, 3H)
1 C NMR (CDC13, 100MHz) δ: 155.8, 144.2, 144.0, 136.5, 132.9, 129.5, 98.4, 79.4, 74.7, 63.4, 54.5, 44.0, 32.2, 29.3, 29.2, 29.1, 29.00, 29.94, 28.5, 28.3, 26.9, 25.8, 18.1, -5.65, - 5.68
以上のように、本発明の不飽和アミノジオール類の製造方法は、不飽和アミノジ オール類とォレフィン類をメタセシス触媒存在下で反応させるため、従来の反応工程に 比べて簡便で汎用性及び反応性が高ぐ立体選択性 (Ε/Ζ選択性)がよいため高い 収率で目的化合物である不飽和アミノジオ^"ル類を製造することが可能である。カロえて、 参考例 11〜 13に示すように、ドラッグデリバリーシステム等に有効なスフインゴミエリン などの合成原料を経済的に提供することが可能である。