明 細 書
a _L—ァスパルチル _L—フエ二ルァラニン— x—エステルの製造方 法
技術分野
[0001] 本発明は、 a—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— j8—エステル(または a— L— ( β—O— substituted aspartyl)—L— phenylalanine (略称: — ARP)ともいう)の生 成を経由し、甘味料として大きな需要がある物質である a—L ァスノルチルー L フエ-ノレァラニン一 α メチノレエステノレ α—L—asparty卜 L— phenylalanine methyl es ter (略称: a— APM、製品名:アスパルテーム))等の a—L ァスパルチル— L— フエ二ルァラニン— a—エステルを製造する方法に関する。
背景技術
[0002] a—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— α—メチルエステル(「ひ ΑΡΜ」 と略称される場合がある)の製造法としては従来から化学合成法、酵素合成法が知ら れている。化学合成法としては、 Ν保護の L ァスパラギン酸無水物と L フエ-ルァ ラニンメチルエステルを縮合させて Ν保護 ΑΡΜを合成し、この Ν保護基を脱離して A PMを得る方法、酵素合成法としては、 N保護の L ァスパラギン酸と L フエ-ルァ ラニンメチルエステルを縮合させて N保護 APMを合成し、この N保護基を脱離して A PMを得る方法が知られているが、両方法とも保護基の導入、保護基の脱離工程が 必要で、工程が極めて煩雑になっていた。一方、 N保護基を使用しない APM製法も 検討されている(特許文献 1)が、収率が極めて低く工業的生産には適していない。こ のような背景の下、アスパルテームの更なる安価な工業的製造法の開発が望まれて いた。
[0003] 特許文献 1 :特公平 02— 015196号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 本発明は、複雑な合成方法を経ることなぐ簡便かつ高収率で安価な、 ex Lーァ スバルチルー L—フエ-ルァラニン a エステルの製造方法を提供することを課題
とする。
課題を解決するための手段
[0005] 上記目的に鑑み鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは新たに見出した酵素、ある いは酵素含有物力 L ァスパラギン酸一 a , j8—ジエステルと L—フエ-ルァラ- ンカら、 a—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— 13—エステルを選択的に生 成する能力を有することを見出し、加えてそれにより、効率的な α Lーァスバルチ ル一 L フエ二ルァラニン一 —エステルが製造可能であることをも見出し、本発明 を完成するに至った。
[0006] 即ち、本発明は、以下の内容を含むものである。
〔1〕 (i)L フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 α , β—ジエステルの a—エス テル部位に選択的にペプチド結合させる能力を有する酵素または酵素含有物を用 いて、 L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルと L フエ-ルァラニンとから α L ーァスバルチルー L—フエ-ルァラニン 13 エステルを生成する第 1の反応工程と
GO前記第 1の反応工程により生成した a—Lーァスバルチルー L—フエ-ルァラ- ンー β エステルを、水の存在下酸及びアルコールによりひ—Lーァスバルチルー L —フエ-ルァラニン一 α—エステルに変換する第 2の反応工程とを含むことを特徴と する、 a—L ァスバルチルー L フエ-ルァラニン— α エステルの製造方法。 〔2〕 前記第 1の反応工程で得られる a Lーァスバルチルー L フエ-ルァラニン - β—エステルを含む反応溶液を濃縮し、生じた L フエ二ルァラニン結晶を除去 する工程を更に含む、上記〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕 (i)L フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 α , β—ジエステルの a—エス テル部位に選択的にペプチド結合させる能力を有する酵素または酵素含有物を用 いて、 L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルと L フエ-ルァラニンとから α L ーァスバルチルー L—フエ-ルァラニン 13 エステルを生成する第 1の反応工程と
(iii)前記第 1の反応工程で得られる a Lーァスバルチルー L フエ-ルァラニン - β—エステルを含む反応溶液を、酸性条件下にエステル加水分解に供し、塩基に
より中和させて析出する α L ァスノルチルー L—フエ二ルァラニン結晶を濾別す る第 3の反応工程と;
GO前記第 3の反応工程により生成した a—Lーァスバルチルー L—フエ-ルァラ- ンを、水の存在下酸及びアルコールにより (X—Lーァスバルチルー L フエ-ルァラ ニン— ex—エステルに変換する第 2の反応工程とを含むことを特徴とする、 a— L— ァスバルチルー L フエ-ルァラニン— α エステルの製造方法。
〔4〕 前記第 2の反応工程で得られる反応溶液から α Lーァスバルチルー L フエ 二ルァラニン— α—エステルの酸付加塩結晶を得た後、これをアルカリで中和し、 a —L ァスパルチル一 L フエ-ルァラニン一 α—エステルを晶析する工程を更に 含む、上記〔1〕または〔3〕に記載の製造方法。
[5] 前記酸が塩酸であり、前記アルコール力メタノールである上記〔1〕〜〔4〕に記載 の製造方法。
〔6〕 前記第 1の反応工程で得られる a Lーァスバルチルー L フエ-ルァラニン - β—エステルが a—L ァスパルチル— L—フエ-ルァラニン— 13—メチルエステ ルであり、前記第 2の反応工程で得られる a Lーァスバルチルー L フエ-ルァラ ニン一 α—エステルが a—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— α—メチルェ ステルである上記〔1〕〜〔5〕に記載の製造方法。
〔7〕 前記酵素または酵素含有物が、 L フエ二ルァラニンを Lーァスパラギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる能力を有す る微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体、および、該微生物の菌体処 理物からなる群より選ばれる 1種または 2種以上であることを特徴とする、上記〔1〕〜〔 6〕に記載の製造方法。
〔8〕 前記微生物が、エア口モナス属、ァゾトパクター属、アルカリゲネス属、ブレビバ クテリウム属、コリネバクテリウム属、ェシエリヒア属、ェンぺドバクター属、フラボバクテ リウム属、ミクロバクテリウム属、プロピオ二バクテリウム属、ブレビバチルス属、ぺニバ チルス属、シユードモナス属、セラチア属、ステノトロホモナス属、スフインゴバクテリウ ム属、ストレプトマイセス属、キサントモナス属、ウイリオプシス属、キャンディダ属、ジ オトリクム属、ピヒア属、サッカロミセス属、トルラスポーラ属、セル口ファーガ属、ウイ一
クセラ属、ぺドバクター属、パーシコバクター属、フレキシスリクス属、チテイノファーガ 属、サイクロバクテリウム属、ルネラ属、サーモネマ属、サイクロセルペンス属、ゲリディ パクター属、ディアドパクター属、フラメオビルガ属、スピロソマ属、フレクトバチルス属 、テナシバクラム属、ロドターマス属、ゾベリア属、ムリカウダ属、サレゲンティパクター 属、タキセォバクター属、チトファーガ属、マリ二ラビリア属、レビネラ属、サプロスビラ 属、およびハリスコメノバクター属カもなる群より選ばれる属に属する微生物であること を特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
〔9〕 前記微生物が、下記 (A)または (B)に示すタンパク質を発現可能な、形質転換 された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(A)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜616の アミノ酸配列を有するタンパク質
(B)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜616の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
〔10〕 前記微生物が、下記 (C)または (D)に示すタンパク質を発現可能な、形質転 換された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(C)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 21〜619の アミノ酸配列を有するタンパク質
(D)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 21〜619の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
〔11〕 前記微生物が、下記 (E)または (F)に示すタンパク質を発現可能な、形質転 換された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(E)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜625の
アミノ酸配列を有するタンパク質
(F)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜625の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
〔12〕 前記微生物が、下記 (G)または (H)に示すタンパク質を発現可能な、形質転 換された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(G)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜645の アミノ酸配列を有するタンパク質
(H)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜645の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
〔13〕 前記微生物が、下記 (I)または ωに示すタンパク質を発現可能な、形質転換 された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(I)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 26〜620の アミノ酸配列を有するタンパク質
(J)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 26〜620の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Ζまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
〔14〕 前記微生物が、下記 (K)または (L)に示すタンパク質を発現可能な、形質転 換された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(K)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 18〜644の アミノ酸配列を有するタンパク質
(L)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 18〜644の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
[15] 前記微生物が、下記 (M)または (N)に示すタンパク質を発現可能な、形質転 換された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(M)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(N)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつべ プチド生成活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
〔16〕 前記微生物が、下記 (O)または (P)に示すタンパク質を発現可能な、形質転 換された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(O)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(P)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
〔17〕 前記微生物が、下記 (Q)または (R)に示すタンパク質を発現可能な、形質転 換された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(Q)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(R)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L—ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
〔18〕 前記微生物が、下記 (S)または (Τ)に示すタンパク質を発現可能な、形質転 換された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(S)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(T)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L —フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質 〔19〕 前記微生物が、下記 (U)または (V)に示すタンパク質を発現可能な、形質転 換された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(U)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(V)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L —フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質 〔20〕 前記微生物が、下記 (W)または (X)に示すタンパク質を発現可能な、形質転 換された微生物であることを特徴とする、上記〔7〕に記載の製造方法。
(W)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(X)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L —フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質 〔21〕 前記酵素が、下記 (Α)から (X)力もなる群より選ばれる少なくとも 1種である、 上記〔1〕〜〔6〕に記載の製造方法。
(Α)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜616の アミノ酸配列を有するタンパク質
(Β)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜616の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Ζまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
(C)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 21〜619の
アミノ酸配列を有するタンパク質
(D)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 21〜619の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
(E)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜625の アミノ酸配列を有するタンパク質
(F)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜625の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
(G)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜645の アミノ酸配列を有するタンパク質
(H)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜645の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
(I)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 26〜620の アミノ酸配列を有するタンパク質
(J)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 26〜620の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
(K)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 18〜644の
アミノ酸配列を有するタンパク質
(L)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 18〜644の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
(M)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(N)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(Ο)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(Ρ)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(Q)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(R)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L—ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(S)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(Τ)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(U)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(V)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸
の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L —フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質 (W)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(X)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L —フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質 発明の効果
[0007] 本発明の方法により、保護基の導入'脱離などの複雑な合成方法を軽減し、簡便か つ高収率で安価に α—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— α—エステルを 製造することができる。
図面の簡単な説明
[0008] [図 1]図 1は、サイトプラズム画分、ペリプラズム画分についての相対活性(%)を示す 図である。
[図 2]図 2は、モノメチル硫酸溶液中の α—L ァスパルチル一 L フエ-ルァラニン - a—エステル塩酸塩の溶解度を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0009] 以下、本発明につ 、て、
< 1 >第 1の反応工程(a—L ァスバルチルー L フエ-ルァラニン 13 エステ ルを生成する工程)
1. a Lーァスバルチルー L—フエ-ルァラニン 13 エステルの製造方法
2.本発明で用いられる微生物
3.本発明で用いられる酵素
< 2 >第 2の反応工程(a—L ァスバルチルー L フエ-ルァラニン 13 エステ ルを a—L ァスバルチルー L フエ-ルァラニン— α エステルに変換する工程) < 3 >第 3の反応工程( α—L ァスバルチルー L—フエ-ルァラニン結晶を濾別す る工程)
の順に説明する。
[0010] < 1 >第 1の反応工程(a—L ァスバルチルー L フエ-ルァラニン j8—エステ ルの製造)
1. a Lーァスバルチルー L—フエ-ルァラニン 13 エステルの製造方法 前記第 1の反応工程は、所定のペプチド生成活性を有する酵素の存在下で、 L フエ二ルァラニンと Lーァスパラギン酸一 α , βージエステルとを反応させる。すなわ ち、第 1の反応工程は、 L フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , j8—ジエス テルの a エステル部位に選択的にペプチド結合させる能力を有する酵素または酵 素含有物を用いて、 L ァスパラギン酸一 a , j8—ジエステルと L フエ-ルァラニン とから a—L ァスバルチルー L フエ-ルァラニン一 13 エステルを生成せしめる ものである。 L フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 α , β—ジエステルのひ - エステル部位に選択的にペプチド結合させる能力を有する酵素または酵素含有物と は、実質的に、 L フエ-ルァラニンが L ァスパラギン酸一 a , j8—ジエステルの 13 エステル部位には求核攻撃できず、 a エステル部位のみを求核攻撃するような 反応を触媒する能力または活性を有する酵素または酵素含有物のことを!、う。なお、 下記参考例 1に示したように、上記能力とは全く逆に、 L—フエ二ルァラニン力 L— ァスパラギン酸— a , j8ージエステルの a エステル部位には求核攻撃できず、 j8 エステル部位のみを求核攻撃する反応を触媒する能力を有し、 L ァスパラギン 酸 α , j8—ジエステルと L フエ-ルァラニンとから 13—L ァスパルチル一 L—フ ェニノレアラニン一 a—エステノレ(または β— L— ( —O— substituted aspartyl)— L— phen ylalanine (略称: β ARP)ともいう)を生成する酵素または酵素含有物も得られている
[0011] L フエ-ルァラニン力 L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルの α—エステル 部位を求核攻撃して、 oi—Lーァスバルチルー L—フエ-ルァラニン 13 エステル ( a -ARP)が生成する反応式を、 Lーァスパラギン酸— a , βージエステルとして L ーァスパラギン酸 α , βージメチルエステルを用いた場合の例を例にとって下記 式 (I α )に示す (式中「Me」はメチル基を表す。)式 (I α )に示すように、本発明 のペプチド製造方法では、 L フエ-ルァラニンのアミノ基力 L ァスパラギン酸一
a , βージメチルエステルのひ メチルエステル部位と反応して、ペプチド結合を形 成する。これに対し、下記式 (I— β )は、 L ァスパラギン酸— a , β—ジメチルエス テルの j8—メチルエステル部位が求核攻撃されて、 13—Lーァスバルチルー L—フエ ニノレアラニン一 a—メチルエステル(または β - L- ( a -O- methyl aspartyl)-L- phenyl alanine (略称: β AMP)が生成する反応を示す。 β AMPにおけるペプチド結合 は、 Lーァスパラギン酸 a , j8ージメチルエステルの 13 メチルエステル部位で形 成される。本発明で用いられる酵素または酵素含有物は、実質的に式 (I—ひ)のよう な反応のみを促進し、式 (I j8 )のような反応を実質的に生じさせない。 a AMP からは、簡便な反応工程により、 α—ΑΡΜを製造することができるが (式 (Π) )、 β - ΑΜΡからは直接的に a—APMを製造することはできない。すなわち、本発明の方 法は、 a— APMの中間体製造方法として極めて効率が良ぐ工業生産上有用であ る。
[0012] [化 1]
MeOOC— CH
2-
COOH -■■( I -ひ) β a
[0013] [化 2]
MeOOC— CH
2-
COOH
β ce
[0014] [化 3]
NH2 CH2
MeOOC— CH2-CH— CONH— CH— COOH
[0015] 酵素または酵素含有物を、 L ァスパラギン酸— a , β—ジエステルと L フエニル ァラニンに作用せしめる方法としては、当該酵素または酵素含有物と、 Lーァスパラ ギン酸一 a , βージエステルと、 L—フエ二ルァラニンとを混合すればよい。より具体 的には、酵素または酵素含有物を L ァスパラギン酸ジエステルと L フエニルァラ ニンを含む溶液中に添加して反応せしめる方法を用いてもょレ、し、当該酵素含有物 として当該酵素を生産する微生物を用いる場合には、上記のように反応してもよレ、し 、当該酵素を生産する微生物を培養し、微生物中または微生物の培養液中に当該 酵素を生成'蓄積せしめ、培養液中に L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルと L —フエ二ルァラニンを添加する方法などを用いてもよい。生成されたひ L ァスパ ルチルー L—フエ二ルァラニン β エステルは、定法により回収し、必要に応じて
精製することができる。
[0016] 「酵素含有物」とは、当該酵素を含有するものであればよぐ具体的形態としては、 当該酵素を生産する微生物の培養物、当該培養物から分離された微生物菌体、菌 体処理物などが含まれる。微生物の培養物とは、微生物を培養して得られる物のこと であり、より具体的には、微生物菌体、その微生物の培養に用いた培地および培養 された微生物により生成された物質の混合物などのことをいう。また、微生物菌体は 洗浄し、洗浄菌体として用いてもよい。また、菌体処理物には、菌体を破砕、溶菌、 凍結乾燥したものなどが含まれ、さらに菌体などを処理して回収される粗酵素、さら に精製した精製酵素なども含まれる。精製処理された酵素としては、各種精製法によ つて得られる部分精製酵素等を使用してもよい。また、これら酵素含有物を共有結合 法、吸着法、包括法等によって固定ィ匕した固定ィ匕酵素を使用してもよい。また、使用 する微生物によっては、培養中に一部、溶菌するものもあるので、この場合には培養 液上清も酵素含有物として利用できる。
[0017] また、当該酵素を含む微生物としては野生株を用いても良いし、本酵素を発現した 遺伝子組換え株を用いてもよい。当該微生物としては、酵素微生物菌体に限らず、 アセトン処理菌体、凍結乾燥菌体等の菌体処理物を使用してもよいし、これらを共有 結合法、吸着法、包括法等によって固定化した固定化菌体、固定化菌体処理物を 使用してちょい。
[0018] a—Lーァスバルチルー L フエ-ルァラニン j8—エステルを生成する活性のあ るペプチド生成酵素を生産できる野生株を用いる場合には、遺伝子組み換え株など を作製する手間なしに、より簡便にペプチド生産を行える点などで好適である。他方 、 a—Lーァスバルチルー L フエ-ルァラニン— 13 エステルを生成する活性のあ るペプチド生成酵素を発現可能なように形質転換した遺伝子組み換え株はペプチド 生成酵素をより大量生成するように改変することが可能であるため、 a L ァスパ ルチルー L—フエ二ルァラニン β エステルの合成も大量により速く行うことが可能 となり得る。野生株または遺伝子組み換え株の微生物を培地中で培養し、培地中お よび Ζまたは微生物中に、当該ペプチド生成酵素を蓄積させて、 L ァスパラギン酸 - a , j8—ジエステルと L フエ-ルァラニンに混合して、 α L ァスパルチル一 L
—フエ二ルァラニン一 13—エステルを生成することができる。
[0019] なお、培養物、培養菌体、洗浄菌体、菌体を破砕あるいは溶菌させた菌体処理物 を用いる場合には、 α—L—ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— 13—エステルの 生成に関与せずに生成 a—L ァスバルチルー L—フエ-ルァラニン 13 エステ ルを分解する酵素が存在することが多ぐこの場合には、エチレンジァミン四酢酸 ( EDTA)のような金属プロテアーゼ阻害剤を添加するほうが好ましい場合がある。添 カロ量は、 0. ImM力ら 300mM の範囲で、好ましくは ImMから lOOmMである。
[0020] 酵素または酵素含有物の使用量は、 目的とする効果を発揮する量 (有効量)であれ ばよい。この有効量は当業者であれば簡単な予備実験により容易に求められるが、 例えば酵素を用いる場合には、 0. 01から 100ユニット (U)程度、洗浄菌体を用いる 場合は 0. l〜500gZL程度である。なお、 1Uは、 25°Cの温度条件下で、 1分間に 1 OOmMの L ァスパラギン酸- α , β -ジメチルエステルと 200mMの L—フエ-ルァラ ニンより 1 μ moleの a—L ァスパルチル一 L—フエ-ルァラニン一 j8—メチルエス テル(または e - L- ( β -0- methyl aspartyl)-L- phenylalanine (略称: a - AMP)とも V、う)を生成せしめる酵素量とする。
[0021] 反応に用いられる L ァスパラギン酸一 a , j8—ジエステルとしては、 L フエ-ル ァラニンと縮合してひ L ァスパルチル一 L—フエ-ルァラニン一 13—エステルを 生成できるものであれば、いかなるものを使用してよい。 Lーァスパラギン酸一 a , β —ジエステルとしては、例えば、 L ァスパラギン酸一 a , j8—ジメチルエステル、 L —ァスパラギン酸一 a , β—ジェチルエステル等が挙げられる。 L ァスパラギン酸 - a , j8—ジメチルエステルと L フエ-ルァラニンを反応させた場合には、 a—L— ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— 13—メチルエステル( a - AMP)が、: Lーァ スパラギン酸 a , j8ージェチルエステルと L フエ-ルァラニンを反応させた場合 には、 a—L—ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— 13—ェチルエステル(または a— L— ( β—O— ethyl aspartyl)—L— phenylalanine (略称: oc AEP)とも 、う)が生産さ れる。反応に供する L ァスパラギン酸— α , β—ジエステルとしては、塩酸塩、モノ メチル硫酸塩等の塩を用いても良 、。
[0022] 出発原料である Lーァスパラギン酸— a , j8—ジエステルおよび L—フエ-ルァラ-
ンの濃度は各々 ImM〜: L0M、好ましくは 0. 05M〜2Mである力 どちらかの基質 を等量以上添加したほうが好ましい場合もあり、必要に応じて選択される。また、基質 が高濃度だと反応を阻害するような場合には、反応中にこれらを阻害しない濃度にし て逐次添加することができる。
[0023] 反応温度は 0〜60°Cで、 at—Lーァスバルチルー L フエ-ルァラニン 13 エス テル生成が可能であり、好ましくは 5〜40°Cである。また反応 pHは pH6. 5〜: LO. 5 で、 a—Lーァスバルチルー L—フエ-ルァラニン 13 エステル生成が可能であり 、好ましくは pH7. 0〜: LO. 0である。
[0024] 2.本発明で用いられる微生物
本発明に使用される微生物としては、 L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルと L —フエ-ルァラニンとから a—L ァスパルチル一 L フエ-ルァラニン一 13—エス テルを生成する能力を有する微生物を特に限定なく使用することができる。 Lーァス パラギン酸一 (X , βージエステルと L—フエ-ルァラニンとから at—Lーァスパルチル —L—フエ二ルァラニン β エステルを生成する能力を有する微生物としては、例 えば、エア口モナス属、ァゾトパクター属、アルカリゲネス属、ブレビバクテリウム属、コ リネバクテリウム属、ェシエリヒア属、ェンぺドバクター属、フラボバクテリウム属、ミクロ バクテリウム属、プロピオ二バクテリウム属、ブレビバチルス属、ぺニバチルス属、シュ ードモナス属、セラチア属、ステノトロホモナス属、スフインゴバクテリウム属、ストレプト マイセス属、キサントモナス属、ウイリオプシス属、キャンディダ属、ジオトリクム属、ピヒ ァ属、サッカロミセス属、トルラスポーラ属、セル口ファーガ属、ウィークセラ属、ぺドバ クター属、パーシコバクター属、フレキシスリクス属、チテイノファーガ属、サイクロバタ テリゥム属、ルネラ属、サーモネマ属、サイクロセルペンス属、ゲリディバクター属、デ ィアドパクター属、フラメオビルガ属、スピロソマ属、フレクトバチノレス属、テナシバクラ ム属、ロドターマス属、ゾベリア属、ムリカウダ属、サレゲンティパクター属、タキセォバ クター属、チトファーガ属、マリ-ラビリア属、レビネラ属、サプロスビラ属、およびハリ スコメノバクター属に属する微生物を挙げることができる力 具体的には以下のものを ί列示することができる。
[0025] エアロモナス ハイドロフイラ ATCC 13136
(Aeromonas hydrophila)
ァゾトパクター ビネランディ IFO 3741
(Azotobacter vinelandn
ァノレカリゲネス フエカリス FERM P-8460
(Alcangenes faecalisノ
ブレビバタテリゥム ミヌティフエルナ FERM BP-8277
(Brevibactenum minutiferuna)
コリネバタテリゥム フラベッセンス ATCC 10340
(し orynebactenum flavescensノ
ェシエリヒア コリ FERM BP- 8276
(Escherichia coli
ェンぺドパクター ブレビス ATCC 14234
(Empedobacter brevis)
フラボバタテリゥム レジノボラム ATCC 14231
(Flavooacterium resinovorum)
ミクロバタテリゥム アルボレツセンス ATCC 4348
(Microbactenum arborescens)
プロピオ-バタテリゥム シェノレマー- FERM BP- 8100
(Propionioactenum shermann
ブレビバチルス ノ《ラブレビス ATCC 8185
(Brevibacillus parabrevisノ
ぺ-バチルス アルべィ IFO 14175
(Paenibacillus alvei)
シユードモナス フラジ IFO 3458
(Pseudomonas fragi)
セラチア グリメシィ ATCC 14460
(¾erratia gnmesii)
ステノトロホモナス マルトフィリア ATCC 13270
(Stenotrophomonas maltophilia)
スフインゴバタテリゥム エスピー FERM BP-8124
(bphingobactenum sp.ノ
ストレプトマイセス グリセオラス NRRL B-1305
(streptomyces griseoms、 ij名; Streptomyces lavendulae) キサントモナス マルトフィリア FERM BP-5568
(Xanthomonas maltophilia)
ウイリオプシス サターナス IFO 0895
(Williopsis saturnus)
キャンディダ マグノリアェ IFO 0705
(し andida magnoliae)
ジォトリクム フラグランス CBS 152.25
(ueotnchum flagrance、另 U名; Geotncnum amycelium) ジォトリクム アミセリウム IFO 0905
(ueotnchum amycelium)
ピヒア シフエリイ IFO 0905
(Pichia ciferrn
サッカロミセス ユニスポーラス IFO 0724
(¾accharomyces unisporus)
トノレラスポーラ デルブルツキ IFO 0422
(Toruiaspora delorueckii)
セル口ファーガ リティカ NBRC 14961
(し ellulophaga lytica)
ウィークセラ ビロサ NBRC 16016
(Wee sella virosa)
ぺドパクター へパリナス NBRC 12017
(Pedobacter hepannus)
パーシコパクター ディフノレエンス NBRC 15940
(Persicobacter diffluens)
フレキシスリクス ドロテア NBRC 15987
(rlexithrix dorotheae
チテイノファーガ ピネンシス NBRC 15968
(し hitinophaga pinensis)
サイクロバタテリゥム マリナム ATCC 25205
(し yclobactenum m annum;
ルネラ スリシフオルミス ATCC 29530
(Runella slithyformis)
サーモネマ ラプサム ATCC 43542
(Thermonema lapsum)
サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359
(Psychroserpens burtonensis)
ゲリディバクタ一 アルゲンス ATCC 700364
(Gehdibacter algens
ディアドパクター フアーメンタンス ATCC 700827
(Dyadobacter fermentans)
フラメオビルガ アプリ力 NBRC 15941
(Flammeovirga apnea)
スピロソマ リングァレ DSMZ 74
(Spirosoma linguale)
フレクトバチルス マジョーノレ DSMZ 103
(Flectobacillus major;
テナシバクラム マリティマム ATCC43398
(Tenacibaculum maritimum
ロドターマス マリナス DSMZ 4252
(Rhodothermus mannus)
ゾベリア ガラクタニボランス DSMZ 12802
(Zobellia galactanivorans)
ムリカウダ ノレエストリンゲンシス DSMZ 13258
(Muncauda ruestnngensis)
サレゲンティパクター サレゲンス DSMZ 5424
(Salegentibacter salegens)
タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス DSMZ 11116
(Ί axeobacter gelupurpurascens)
チトファーガ フツチンソニイ NBRC 15051
(Cytopnaga hutchinsonn)
マリ-ラビリア サルモニカラー NBRC 15948
(Mannilabilia salmonicolor)
レビネラ コハエレンス ATCC 23123
(Lewinella cohaerens)
サプロスビラ グランデイス ATCC 23119
(Saprospira grandis)
ノヽリスコメノバクタ一 ヒドロシス ATCC 27775
(Hanscomenobacter hydrossis)
上記菌株のうち、 FERM番号が記載されているものは、独立行政法人産業技術総 合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 )に寄託されており、各番号を参照して分譲を受けることができる。
上記菌株のうち、 ATCC番号が記載されているものは、アメリカン'タイプ'カルチヤ 一 ·コレクション(P.O.Box 1549 Manassas, VA 20110, the UnitedStates of Am erica)に寄託されており、各番号を参照して分譲を受けることができる。
上記菌株のうち、 IFO番号が記載されているものは、財団法人発酵研究所(日本国 大阪市淀川区十三本町 2丁目 17— 85)に寄託されたものであるが、平成 14年 6月 3 0日以降、その業務は独立行政法人製品評価技術基盤機構 (NITE) 'バイオテクノ ロジ一本部(DOB) '生物遺伝資源部門(NBRC)に移管され、 NBRCより上記 IFO 番号を参照して分譲を受けることができる。
上記菌株のうち、 NBRC番号が記載されているものは、独立行政法人製品評価技 術基盤機構バイオテクノロジー本部生物遺伝資源部門(日本国千葉県木更津巿か ずさ鎌足 2— 5— 8)に寄託されており、各番号を参照して分譲を受けることができる。 上記の菌株のうち、 DSMZ番号が記載されているものは、 Deutche Sammlung von
Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (uerman し ollection of Microorgani sms and Cell Cultures) (Mascheroder Weg lb, 38124 Braunschweig, Germany )に寄託されており、各番号を参照して分譲を受けることができる。
[0027] 上記菌株のように、 FERM番号が記載されて 、るものは、独立行政法人産業技術 総合研究所特許微生物寄託センター (〒 305 -8566 日本国茨城県つくば巿東 1 - 1 - 1 中央第 6)に寄託され、受託番号が付与された微生物である。アルカリゲネ ス フエカリス FERM P— 8460は、 1985年 9月 30日に寄託力され、受託番号 FE RM P— 8460が付与された微生物である。プロピオ-バタテリゥム シェルマー-
FERM P— 9737ίま、 1987年 12月 4曰に原寄託力 Sされ、 2002年 7月 1曰にブダ ペスト条約に基づく国際寄託に移管され、受託番号 FERM BP— 8100が付与され た微生物である。キサントモナス マルトフィリア FERM BP— 5568は、 1995年 6 月 14日に原寄託がなされ、 1996年 6月 14日にブダペスト条約に基づく国際寄託に 移管されている。ブレビバタテリゥム ミヌティフエルナ FERM BP— 8277は、 200 3年 1月 20日にブダペスト条約に基づく国際寄託に委託されている。ェシエリヒア コ リ FERM BP— 8276は、 2003年 1月 20日にブダペスト条約に基づく国際機関に 委託されている。
[0028] ェンぺドパクター ブレビス ATCC 14234株(FERM P— 18545株、 FERM BP— 8113株)は、 2001年 10月 1日に独立行政法人産業技術総合研究所特許微 生物寄託センター(〒 305— 8566 日本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 中央第 6)に寄託され、 FERM P— 18545の受託番号が付与され、さらに平成 14年 7月 8 日に、独立行政法人産業技術総合研究所特許寄託センターにおいて、ブダペスト条 約に基づく寄託へ移管され、 FERM BP— 8113が付与された微生物である(微生 物の表示: Empedobacter brevis AJ 13933株)。
[0029] スフインゴバタテリゥム エスピー AJ 110003株は、 2002年 7月 22日に独立行
政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センターに寄託され、 FERM BP— 8 124の受託番号が付与されて!、る。
[0030] 尚、 AJ 110003 (FERM BP— 8124)株は、以下の分類実験により、上述のスフ インゴバタテリゥム エスピーであることが同定された。 FERM BP— 8124株は、桿 菌(0. 7〜0. 8 X 1. 5〜2. O /z m)、グラム陰性、胞子形成なし、運動性なし、コ口- 一形態は円形、全縁滑らか、低凸状、光沢あり、淡黄色、 30°Cで生育、カタラーゼ陽 性、ォキシダーゼ陽性、 OFテスト(グルコース)陰性の性質より、スフインゴバクテリウ ムに属する細菌と同定された。更に、硝酸塩還元陰性、インドール産生陰性、ダルコ ースからの酸生成陰性、アルギニンジヒドロラーゼ陰性、ゥレアーゼ陽性、エスクリン 加水分解陽性、ゼラチン加水分解陰性、 )8—ガラクトシダーゼ陽性、グルコース資化 陽性、 Lーァラビノース資化陰性、 D—マンノース資化陽性、 D—マン-トール資化陰 性、 N—ァセチルー D—ダルコサミン資化陽性、マルトース資化陽性、ダルコン酸カリ ゥム資化陰性、 n—力プリン酸資化陰性、アジピン酸資化陰性、 dl—リンゴ酸資化陰 性、クェン酸ナトリウム資化陰性、酢酸フエ二ル資化陰性、チトクロームォキシダーゼ 陽性の性質より、スフインゴバタテリゥム マルチボーラムあるいはスフインゴバクテリウ ム スピリチボーラムの性状に類似することが判明した。更に 16SrRNA遺伝子の塩 基配列のホモロジ一解析の結果、スフインゴバタテリゥム マルチボーラムと最も高い ホモロジ一(98. 8%)を示したが、完全に一致する株はな力つたことより、本菌株をス フィンゴバクテリゥム エスピー(Sphingobacterium sp.)と同定した。
[0031] これらの微生物としては、野生株または変異株の 、ずれを用いてもよ!、し、また、細 胞融合もしくは遺伝子操作などの遺伝学的手法により誘導される組み換え株等も用 いることがでさる。
[0032] このような微生物の菌体を得るには、当該微生物を適当な培地で培養増殖せしめ るとよい。このための培地はその微生物が増殖し得るものであれば特に制限はなぐ 通常の炭素源、窒素源、リン源、硫黄源、無機イオン、更に必要に応じ有機栄養源を 含む通常の培地でよい。
[0033] 例えば、炭素源としては上記微生物が利用可能であれば ヽずれも使用でき、具体 的には、グルコース、フラクトース、マルトース、アミロース等の糖類、ソルビトール、ェ
タノール、グリセロール等のアルコール類、フマル酸、クェン酸、酢酸、プロピオン酸 などの有機酸類及びこれらの塩類、ノ ラフィンなどの炭化水素類あるいはこれらの混 合物などを使用することができる。
[0034] 窒素源としては、硫酸アンモ-ゥム、塩化アンモ-ゥムなどの無機酸のアンモ-ゥム 塩、フマル酸アンモニゥム、クェン酸アンモニゥムなどの有機酸のアンモニゥム塩、硝 酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの硝酸塩、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンス ティープリカ一などの有機窒素化合物あるいはこれらの混合物を使用することができ る。
[0035] 他に無機塩類、微量金属塩、ビタミン類等、通常の培地に用いられる栄養源を適宜 混合して用いることができる。
[0036] 培養条件にも格別の制限はなぐ例えば、好気的条件下にて pH5〜8、温度 15〜
40°Cの範囲で pHおよび温度を適当に制限しつつ 12〜48時間程度培養を行えばよ い。
[0037] 3.本発明で用いられる酵素
本発明のペプチド製造方法における上記第 iの反応工程では、 L—フエ-ルァラ- ンを L—ァスパラギン酸— a , β—ジエステルのひ—エステル部位に選択的にぺプ チド結合させる能力を有する酵素が用いられる。本発明のペプチド製造方法に用い られる前記酵素は、このような活性を有する酵素であれば、その由来、取得方法など に限定されるものではない。以下に、本発明で用いられる酵素の精製、遺伝子工学 的な手法の利用などについて説明する。
[0038] (3— 1)本発明の製法に用いることができる酵素を有する微生物
本発明の酵素を生産する微生物としては、 Lーァスパラギン酸— a , βージエステ ルと L—フエ-ルァラニンから a—L—ァスパルチル一 L—フエ-ルァラニン一 13 —ェ ステルを生成する能力を有する微生物であれば全て使用できる。例えばエア口モナ ス属、ァゾトパクター属、ァノレカリゲネス属、ブレビバクテリウム属、コリネバタテリゥム 属、ェシエリヒア属、ェンぺドバクター属、フラボバクテリウム属、ミクロバクテリウム属、 プロピオ二バクテリウム属、ブレビバチルス属、ベニバチルス属、シユードモナス属、 セラチア属、ステノトロホモナス属、スフインゴバクテリウム属、属、ストレプトマイセス属
、キサントモナス属、ウイリオプシス属、キャンディダ属、ジオトリクム属、ピヒア属、サッ カロミセス属、トルラスポーラ属、セル口ファーガ属、ウィークセラ属、ぺドパクター属、 パーシコバクター属、フレキシスリクス属、チテイノファーガ属、サイクロバタテリゥム属 、ルネラ属、サーモネマ属、サイクロセルペンス属、ゲリディバクター属、ディアドバタ ター属、フラメオビルガ属、スピロソマ属、フレクトバチルス属、テナシバクラム属、ロド ターマス属、ゾベリア属、ムリカウダ属、サレゲンティパクター属、タキセォバクター属 、チトファーガ属、マリ-ラビリア属、レビネラ属、サプロスビラ属、およびハリスコメノバ クター属力 なる群より選ばれる属に属する細菌などが挙げられ、より具体的にはェ ンぺドパクター ブレビス(Empedobacter brevis) ATCC 14234株(FERM P—l 8545株、 FERM BP— 81 13株)、スフインゴバタテリゥム エスピー(Sphingobacteri um sp.) FERM BP— 8124 株、ぺドパクター へパリナス(Pedobacter heparinus ) lFO 12017株、タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス(Taxeobacter gelupur purascens) DSMZ 11116株、サイクロノくクテリウム マリナム(Cyclobacterium mari num) ATCC 25205株、サイクロセルペンス ブルトネンシス(Psycloserpens burton ensis) ATCC 700359株などが挙げられる。ェンぺドパクター ブレビス ATCC 14234株(FERM P— 18545株、 FERM BP— 8113株)およびスフインゴバクテ リウム エスピー(Sphingobacterium sp.) FERM BP— 8124株、ぺドパクター へパ リナス(Pedobacter heparinus) IFO 12017株、タキセォパクター ゲルプルブルア ッセンス(Taxeobacter gelupurpurascens) DSMZ 11116株、サイクロノくクテリウム マリナム(Cyclobacterium marinum) ATCC 25205株、サイクロセルペンス ブルト ネンシス(Psycloserpens burtonensis) ATCC 700359株などは、本発明者らが、 L —ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルと L フエ-ルァラニンから at— L ァスパル チルー L フエ二ルァラニン /3 エステルを高収率で生産する酵素の生産菌を検 索した結果に選出した微生物である。
(3— 2)酵素の精製
上記のように、本発明で用いられるペプチド生成酵素は、例えばェンぺドパクター 属に属する細菌力 精製することができる。当該酵素を精製する例として、ェンぺド パクター ブレビス力 ペプチド生成酵素を単離 ·精製する方法を説明する。
[0040] まず、ェンぺドパクター ブレビス、例えば FERM BP— 8113株の菌体から、超音 波破砕等の物理的方法、あるいは細胞壁溶解酵素等を用いた酵素法等により菌体 を破壊し、遠心分離等により不溶性画分を除いて菌体抽出液を調製する。このよう〖こ して得られる菌体抽出液を、通常のタンパク質の精製法、陰イオン交換クロマトグラフ ィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーなどを組み合わせ て分画することによって、ペプチド生成酵素を精製することができる。
[0041] 陰イオン交換クロマトグラフィー用の担体としては、 Q— Sepharose HP (アマシャ ム社製)が挙げられる。本酵素を含む抽出液をこれらの担体を詰めたカラムに通液さ せると当該酵素は pH8. 5の条件下で非吸着画分に回収される。
[0042] 陽イオンクロマトグラフィー用担体としては、 MonoS HR (アマシャム社製)が挙げ られる。本酵素を含む抽出液をこれらの担体を詰めたカラムに通液させて本酵素を力 ラムに吸着させ、カラムを洗浄した後に、高塩濃度の緩衝液を用いて酵素を溶出させ る。その際、段階的に塩濃度を高めてもよぐ濃度勾配をかけてもよい。例えば、 Mo noS HRを用いた場合には、カラムに吸着した本酵素は、 0. 2-0. 5 M程度の N aClで溶出される。
[0043] 上記のようにして精製された本酵素は、さらにゲル濾過クロマトグラフィー等により均 一に精製できる。ゲル濾過クロマトグラフィー用担体としては、 Sephadex 200pg (ァ マシャム社製)が挙げられる。
[0044] 上記精製操作において、本酵素を含む画分は、後述する実施例に示される方法等 により、各画分のペプチド生成活性を測定することにより、確認することができる。上 記のようにして精製された本酵素の内部アミノ酸配列を、配列表の配列番号 1及び配 列番号 2に示す。
[0045] (3- 3) DNAの単離、形質転換体の作製およびペプチド生成酵素の精製
(3— 3— 1) DNAの単離
本発明者らは、まずェンぺドパクター ブレビス FERM BP— 8113株などから、 本発明のペプチド製造方法で用いることができるペプチド生成酵素の DNAの 1種を 単離することに成功した。
[0046] 本発明の DNAである配列番号 5に記載の塩基番号 61〜 1908の塩基配列からな
る DNAは、ェンぺドパクター ブレビス FERM BP— 8113株(寄託機関;独立行 政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県 つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6、国際寄託移管日; 2002年 7月 8日)より単離さ れたものである。なお、塩基番号 61〜1908の塩基配列からなる DNAは、コードシ 一ケンス(CDS)部分である。塩基番号 61〜1908の塩基配列には、シグナル配列 領域と成熟タンパク質領域とが含まれている。シグナル配列領域は塩基番号 61〜1 26の領域であり、成熟タンパク質領域は塩基番号 127〜 1908の領域である。すな わち、本発明は、シグナル配列を含むペプチド酵素タンパク質遺伝子と、成熟したタ ンパク質としてのペプチド酵素タンパク質遺伝子の双方を提供する。配列番号 5に記 載の配列に含まれるシグナル配列は、リーダー配列の類であり、リーダー配列がコー ドするリーダーペプチドの主たる機能は、細胞膜内から細胞膜外に分泌させることに あると推定される。塩基番号 127〜 1908でコードされるタンパク質、すなわちリーダ 一ペプチドを除く部位が成熟タンパク質であり、高いペプチド生成活性を示すと推定 される。
また、本発明の DNAである配列番号 11に記載の塩基番号 61〜 1917の塩基配列 力もなる DNAは、スフインゴバタテリゥム エスピー FERM BP— 8124株(寄託機 関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託機関住所;日 本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6、国際寄託日; 2002年 7月 22日)よ り単離されたものである。配列番号 11に記載の塩基番号 61〜 1917の塩基配列から なる DNAは、コードシーケンス(CDS)部分である。塩基番号 61〜1917の塩基配列 には、シグナル配列領域と成熟タンパク質領域とが含まれている。シグナル配列領域 は塩基番号 61〜 120の領域であり、成熟タンパク質領域は塩基番号 121〜 1917の 領域である。すなわち、本発明は、シグナル配列を含むペプチド酵素タンパク質遺伝 子と、成熟したタンパク質としてのペプチド酵素タンパク質遺伝子の双方を提供する 。配列番号 11に記載の配列に含まれるシグナル配列は、リーダー配列の類であり、 当該リーダー配列領域にコードされるリーダーペプチドの主たる機能は、細胞膜内か ら細胞膜外に分泌させることにあると推定される。塩基番号 121〜1917でコードされ るタンパク質、すなわちリーダーペプチドを除く部位が成熟タンパク質であり、高いぺ
プチド生成活性を示すと推定される。
[0048] また、本発明の DNAである配列番号 17に記載の塩基番号 61〜1935の塩基配列 力もなる DNAは、ぺドパクター へパリナス IFO 12017株(寄託機関;財団法人 発酵研究所、寄託先住所;日本国大阪市淀川区十三本町 2丁目 17— 85)より単離さ れたものである。配列番号 17に記載の塩基番号 61〜 1935の塩基配列からなる DN Aは、コードシーケンス(CDS)部分である。塩基番号 61〜1935の塩基配列には、 シグナル配列領域と成熟タンパク質領域とが含まれて 、る。シグナル配列領域は塩 基番号 61〜 126の領域であり、成熟タンパク質領域は塩基番号 127〜 1935の領域 である。すなわち、本発明は、シグナル配列を含むペプチド酵素タンパク質遺伝子と 、成熟したタンパク質としてのペプチド酵素タンパク質遺伝子の双方を提供する。配 列番号 17に記載の配列に含まれるシグナル配列は、リーダー配列の類であり、当該 リーダー配列領域にコードされるリーダーペプチドの主たる機能は、細胞膜内から細 胞膜外に分泌させることにあると推定される。塩基番号 127〜1935でコードされるタ ンパク質、すなわちリーダーペプチドを除く部位が成熟タンパク質であり、高いぺプチ ド生成活性を示すと推定される。
[0049] また、本発明の DNAである配列番号 22に記載の塩基番号 61〜1995の塩基配列 からなる DNAは、タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス DSMZ 11116株( 託機 ;Deutche bammlung von ikroorganismen und Zellkulturen GmbH ( German Collection of Microorganisms and Cell Cultures ^备 b先住所; Mascher oder Weg lb, 38124 Braunschweig, Germany)より単離されたものである。配列番 号 22に記載の塩基番号 61〜1995の塩基配列からなる DNAは、コードシーケンス( CDS)部分である。塩基番号 61〜1995の塩基配列には、シグナル配列領域と成熟 タンパク質領域とが含まれて 、る。シグナル配列領域は塩基番号 61〜 126の領域で あり、成熟タンパク質領域は塩基番号 127〜 1995の領域である。すなわち、本発明 は、シグナル配列を含むペプチド酵素タンパク質遺伝子と、成熟したタンパク質とし てのペプチド酵素タンパク質遺伝子の双方を提供する。配列番号 22に記載の配列 に含まれるシグナル配列は、リーダー配列の類であり、当該リーダー配列領域にコー ドされるリーダーペプチドの主たる機能は、細胞膜内から細胞膜外に分泌させること
にあると推定される。塩基番号 127〜1995でコードされるタンパク質、すなわちリー ダーペプチドを除く部位が成熟タンパク質であり、高いペプチド生成活性を示すと推 定される。
[0050] 本発明の DNAである配列番号 24に記載の塩基番号 29〜1888の塩基配列から なる DNAは、サイクロバタテリゥム マリナム ATCC 25205株(寄託機関;アメリカ ン'タイプ'力ノレチャ^ ~ ·コレクション、寄託先住所; P.O.Box 1549 Manassas, VA 2
0110, the United States of America)より単離されたものである。配列番号 24に 記載の塩基番号 29〜 1888の塩基配列力もなる DNAは、コードシーケンス(CDS) 部分である。塩基番号 29〜 1888の塩基配列には、シグナル配列領域と成熟タンパ ク質領域とが含まれて 、る。シグナル配列領域は塩基番号 29〜 103の領域であり、 成熟タンパク質領域は塩基番号 104〜1888の領域である。すなわち、本発明は、シ グナル配列を含むペプチド酵素タンパク質遺伝子と、成熟したタンパク質としてのぺ プチド酵素タンパク質遺伝子の双方を提供する。配列番号 24に記載の配列に含ま れるシグナル配列は、リーダー配列の類であり、当該リーダー配列領域にコードされ るリーダーペプチドの主たる機能は、細胞膜内から細胞膜外に分泌させることにある と推定される。塩基番号 104〜1888でコードされるタンパク質、すなわちリーダーぺ プチドを除く部位が成熟タンパク質であり、高いペプチド生成活性を示すと推定され る。
[0051] 本発明の DNAである配列番号 26に記載の塩基番号 61〜 1992の塩基配列から なる DNAは、サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株(寄託機関; アメリカン'タイプ'カルチャ^ ~ ·コレクション、寄託先住所; P.O.Box 1549 Manassas, VA 20110, the United States of America)より単離されたものである。配列番 号 26に記載の塩基番号 61〜1992の塩基配列からなる DNAは、コードシーケンス( CDS)部分である。塩基番号 61〜1992の塩基配列には、シグナル配列領域と成熟 タンパク質領域とが含まれて 、る。シグナル配列領域は塩基番号 61〜: L 11の領域で あり、成熟タンパク質領域は塩基番号 112〜 1992の領域である。すなわち、本発明 は、シグナル配列を含むペプチド酵素タンパク質遺伝子と、成熟したタンパク質とし てのペプチド酵素タンパク質遺伝子の双方を提供する。配列番号 26に記載の配列
に含まれるシグナル配列は、リーダー配列の類であり、当該リーダー配列領域にコー ドされるリーダーペプチドの主たる機能は、細胞膜内から細胞膜外に分泌させること にあると推定される。塩基番号 112〜1992でコードされるタンパク質、すなわちリー ダーペプチドを除く部位が成熟タンパク質であり、高いペプチド生成活性を示すと推 定される。
[0052] なお、以下に挙げる種々の遺伝子組換え技法については、 Molecular Cloning,2nd edition, Cold Spring Harbor press (1989)などの記載に準じて行うことができる。
[0053] 本発明で用いることができる酵素をコードする DNAは、ェンぺドパクター ブレビス 、スフインゴバタテリゥム エスピー、ぺドパクター へパリナス、タキセォパクター ゲ ルプルプルアツセンス、サイクロバタテリゥム マリナム、もしくはサイクロセルペンス ブルトネンシスなどの染色体 DNA、もしくは DNAライブラリーから、 PCR (polymerase chain reacion、 White'T.J. et al;Trends Genet., 5, 185(1989)参照)またはハイ ブリダィゼーシヨンによって取得することができる。 PCRに用いるプライマーは、上記( 3)の欄で説明したようにして精製されたペプチド生成酵素に基づいて決定された内 部アミノ酸配列に基づいて設計することができる。また、本発明によりペプチド生成酵 素遺伝子 (配列番号 5、配列番号 11、配列番号 17、配列番号 22、配列番号 24およ び配列番号 26)の塩基配列が明らかになつたので、これらの塩基配列に基づいてプ ライマーまたはハイブリダィゼーシヨン用のプローブを設計することもでき、プローブを 使って単離することもできる。 PCR用のプライマーとして、 5'非翻訳領域及び 3'非翻 訳領域に対応する配列を有するプライマーを用いると、本酵素のコード領域全長を 増幅することができる。配列番号 5に記載された、リーダー配列および成熟タンパク質 コード領域の双方を含む領域を増幅する場合を例にとると、具体的には、 5'側プライ マーとしては配列番号 5において塩基番号 61よりも上流の領域の塩基配列を有する プライマーが、 3'側プライマーとしては塩基番号 1908よりも下流の領域の塩基配列 に相補的な配列を有するプライマーが挙げられる。
[0054] プライマーの合成は、例えば、 Applied Bio systems社製 DN A合成機 model 380Bを使用し、ホスホアミダイト法を用いて(Tetrahedron Letters(1981),22,1859参 照)常法に従って合成できる。 PCR反応は、例えば Gene Amp PCR System 9
600 (PERKIN ELMER社製)及び TaKaRa LA PCR in vitro Cloning Ki t (宝酒造社製)を用い、各メーカーなど供給者により指定された方法に従って行うこ とがでさる。
[0055] 本発明のペプチド製造方法で用いることができる酵素をコードする DNAとしては、 リーダー配列を含む場合および含まな 、場合の!/、ずれにせよ、配列表の配列番号 5 に記載の CDSからなる DNAと実質的に同一の DNAも含まれる。すなわち、変異を 有する本酵素をコードする DNAまたはこれを保持する細胞などから、配列表の配列 番号 5に記載の CDSと相補的な塩基配列力 なる DNAもしくは同塩基配列力 調 製されるプローブとストリンジェントな条件下でノヽイブリダィズし、かつ、ペプチド生成 活性を有するタンパク質をコードする DNAを単離することによつても、本発明の DN Aと実質的に同一の DNAが得られる。
[0056] 本発明の DNAには、リーダー配列を含む場合および含まない場合のいずれにせ よ、配列表の配列番号 11に記載の CDSからなる DNAと実質的に同一の DNAも含 まれる。すなわち、変異を有する本酵素をコードする DNAまたはこれを保持する細 胞などから、配列表の配列番号 11に記載の CDSと相補的な塩基配列からなる DNA もしくは同塩基配列力も調製されるプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダィ ズし、かつ、ペプチド生成活性を有するタンパク質をコードする DNAを単離すること によっても、本発明の DNAと実質的に同一の DNAが得られる。
[0057] 本発明の DNAには、リーダー配列を含む場合および含まない場合のいずれにせ よ、配列表の配列番号 17に記載の CDSからなる DNAと実質的に同一の DNAも含 まれる。すなわち、変異を有する本酵素をコードする DNAまたはこれを保持する細 胞などから、配列表の配列番号 17に記載の CDSと相補的な塩基配列からなる DNA もしくは同塩基配列力も調製されるプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダィ ズし、かつ、ペプチド生成活性を有するタンパク質をコードする DNAを単離すること によっても、本発明の DNAと実質的に同一の DNAが得られる。
[0058] 本発明の DNAには、リーダー配列を含む場合および含まない場合のいずれにせ よ、配列表の配列番号 22に記載の CDSからなる DNAと実質的に同一の DNAも含 まれる。すなわち、変異を有する本酵素をコードする DNAまたはこれを保持する細
胞などから、配列表の配列番号 22に記載の CDSと相補的な塩基配列からなる DNA もしくは同塩基配列力も調製されるプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダィ ズし、かつ、ペプチド生成活性を有するタンパク質をコードする DNAを単離すること によっても、本発明の DNAと実質的に同一の DNAが得られる。
[0059] 本発明の DNAには、リーダー配列を含む場合および含まない場合のいずれにせ よ、配列表の配列番号 24に記載の CDSからなる DNAと実質的に同一の DNAも含 まれる。すなわち、変異を有する本酵素をコードする DNAまたはこれを保持する細 胞などから、配列表の配列番号 24に記載の CDSと相補的な塩基配列からなる DNA もしくは同塩基配列力も調製されるプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダィ ズし、かつ、ペプチド生成活性を有するタンパク質をコードする DNAを単離すること によっても、本発明の DNAと実質的に同一の DNAが得られる。
[0060] 本発明の DNAには、リーダー配列を含む場合および含まない場合のいずれにせ よ、配列表の配列番号 26に記載の CDSからなる DNAと実質的に同一の DNAも含 まれる。すなわち、変異を有する本酵素をコードする DNAまたはこれを保持する細 胞などから、配列表の配列番号 26に記載の CDSと相補的な塩基配列からなる DNA もしくは同塩基配列力も調製されるプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダィ ズし、かつ、ペプチド生成活性を有するタンパク質をコードする DNAを単離すること によっても、本発明の DNAと実質的に同一の DNAが得られる。
[0061] プローブは、例えば配列番号 5に記載の塩基配列に基づ 、て定法により作製する ことができる。また、プローブを用いてこれとハイブリダィズする DNAをつり上げ、目 的とする DN Aを単離する方法も、定法に従って行えばよい。例えば、 DNAプローブ はプラスミドやファージベクターにクローニングされた塩基配列を増幅し、プローブと して用いたい塩基配列を制限酵素により切り出し、抽出して調製することができる。切 り出す箇所は、目的とする DNAに応じて調節することができる。
[0062] ここで 、う「ストリンジェントな条件」とは、 、わゆる特異的なハイブリッドが形成され、 非特異的なハイブリッドが形成されな 、条件を 、う。この条件を明確に数値ィ匕するこ とは困難であるが、一例を示せば、相同性が高い DNA同士、例えば 50%以上、より 好ましくは 80%以上、さらに好ましくは 90%以上の相同性を有する DNA同士がハイ
ブリダィズし、それより相同性が低い DNA同士がノ、イブリダィズしない条件、あるい は通常のサザンハイブリダィゼーシヨンの洗いの条件である 60°C、 1 X SSC、 0. 1% SDS、好ましくは、 0. 1 X SSC、 0. 1%SDSに相当する塩濃度でハイブリダィズする 条件が挙げられる。このような条件でノヽイブリダィズする遺伝子の中には途中にストツ プコドンが発生したものや、活性中心の変異により活性を失ったものも含まれる力 そ れらについては、市販の発現ベクターにつなぎ、適当な宿主で発現させて、発現産 物の酵素活性を後述の方法で測定することによって容易に取り除くことができる。
[0063] ただし、上記のようにストリンジェントな条件でノヽイブリダィズする塩基配列の場合に は、 50°C、 pH8の条件下で、元となる塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有 するタンパク質の半分程度以上、より好ましくは 80%以上、さらに好ましくは 90%以 上の酵素活性を保持していることが望ましい。例えば、配列番号 5に記載の塩基配列 のうち塩基番号 127〜 1908にの塩基配列と相補的な塩基配列からなる DNAとストリ ンジェントな条件でノヽイブリダィズする塩基配列の場合について説明すると、 50°C、 p H8の条件下で、配列番号 6に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜616 のアミノ酸配列を有するタンパク質の半分程度以上、より好ましくは 80%以上、さらに 好ましくは 90%以上の酵素活性を保持して 、ることが望ま 、。
[0064] 配列表の配列番号 5に記載の CDSによりコードされるアミノ酸配列は、配列表の配 列番号 6に示される。また、配列表の配列番号 11に記載の CDSによりコードされるァ ミノ酸配列は、配列表の配列番号 12に示される。配列表の配列番号 17に記載の CD Sによりコードされるアミノ酸配列は、配列表の配列番号 18に示される。配列表の配 列番号 22に記載の CDSによりコードされるアミノ酸配列は、配列表の配列番号 23に 示される。配列表の配列番号 24に記載の CDSによりコードされるアミノ酸配列は、配 列表の配列番号 25に示される。また、配列表の配列番号 26に記載の CDSによりコ ードされるアミノ酸配列は、配列表の配列番号 27に示される。
[0065] 配列番号 6に記載されたアミノ酸配列の全体には、リーダーペプチドと成熟タンパク 質領域が含まれ、アミノ酸残基番号 1〜22までがリーダーペプチドにあたり、 23-61 6までが成熟タンパク質領域である。
[0066] 配列番号 11に記載されたアミノ酸配列の全体には、リーダーペプチドと成熟タンパ
ク質領域が含まれ、アミノ酸残基番号 1〜20までがリーダーペプチドにあたり、 21〜
619までが成熟タンパク質領域である。
[0067] 配列番号 18に記載されたアミノ酸配列の全体には、リーダーペプチドと成熟タンパ ク質領域が含まれ、アミノ酸残基番号 1〜22までがリーダーペプチドにあたり、 23〜
625までが成熟タンパク質領域である。
[0068] 配列番号 23に記載されたアミノ酸配列の全体には、リーダーペプチドと成熟タンパ ク質領域が含まれ、アミノ酸残基番号 1〜22までがリーダーペプチドにあたり、 23〜
645までが成熟タンパク質領域である。
[0069] 配列番号 25に記載されたアミノ酸配列の全体には、リーダーペプチドと成熟タンパ ク質領域が含まれ、アミノ酸残基番号 1〜25までがリーダーペプチドにあたり、 26〜
620までが成熟タンパク質領域である。
[0070] 配列番号 27に記載されたアミノ酸配列の全体には、リーダーペプチドと成熟タンパ ク質領域が含まれ、アミノ酸残基番号 1〜17までがリーダーペプチドにあたり、 18〜
644までが成熟タンパク質領域である。
[0071] 本発明の DNAによりコードされるタンパク質は、その成熟タンパク質がペプチド生 成活性を有するタンパク質であり、リーダーペプチドを含むか含まないかに関わらず
、配列表の配列番号 6、配列番号 12、配列番号 18、配列番号 23、配列番号 25もし くは配列番号 27に記載されたアミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同一のタン パク質をコードする DNAも、本発明で用いることができる DNAに含まれる(なお、ュ 二バーサルコドンのコードに従ってアミノ酸配列から塩基配列は特定される)。すなわ ち、本発明により、以下の (A)から (X)に示されるタンパク質をコードする DNAが提 供される。
[0072] (A)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜616の アミノ酸配列を有するタンパク質
(B)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜616の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 α , βージエステルのひ エステル部位に選択的にペプチド結合させる活
性を有するタンパク質
(C)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 21〜619の アミノ酸配列を有するタンパク質
(D)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 21〜619の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
(E)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜625の アミノ酸配列を有するタンパク質
(F)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜625の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
(G)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜645の アミノ酸配列を有するタンパク質
(H)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 23〜645の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
(I)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 26〜620の アミノ酸配列を有するタンパク質
(J)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 26〜620の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 α , βージエステルのひ エステル部位に選択的にペプチド結合させる活
性を有するタンパク質
(K)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 18〜644の アミノ酸配列を有するタンパク質
(L)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列のうちアミノ酸残基番号 18〜644の アミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L フエ二ルァラニンを L ァスパラ ギン酸 a , βージエステルの α エステル部位に選択的にペプチド結合させる活 性を有するタンパク質
(M)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(N)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(Ο)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(Ρ)配列表の配列番号 12に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(Q)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(R)配列表の配列番号 18に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L—ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(S)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(Τ)配列表の配列番号 23に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(U)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(V)配列表の配列番号 25に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L—ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
(W)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(X)配列表の配列番号 27に記載のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸 の置換、欠失、挿入、付加、および/または逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、 L
—フエ-ルァラニンを L—ァスパラギン酸一 a , β—ジエステルのひ一エステル部位 に選択的にペプチド結合させる活性を有する成熟タンパク質領域を含むタンパク質
[0073] ここで、「数個」とは、アミノ酸残基のタンパク質の立体構造における位置や種類に よっても異なるが、アミノ酸残基のタンパク質の立体構造や活性を大きく損なわない 範囲のものであり、具体的には、 2〜50個、好ましくは 2〜30個、さらに好ましくは 2〜 10個である。ただし、(B)、 (D)、 (F)、 (H)、 Ci)、 (U、 (N)、 (P)、 (R)、 (T)、 (V)、 (X)のタンパク質のアミノ酸配列において 1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、 挿入、付加および Zまたは逆位を含むアミノ酸配列の場合には、 50°C、 pH8の条件 下で、変異を含まない状態でのタンパク質の半分程度以上、より好ましくは 80%以上 、さらに好ましくは 90%以上の酵素活性を保持していることが望ましい。例えば、(B) の場合について説明すると、(B)配列表の配列番号 6に記載のアミノ酸配列におい て 1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加および Zまたは逆位を含む アミノ酸配列の場合には、 50°C、 pH8の条件下で配列表の配列番号 6に記載のアミ ノ酸配列を有するタンパク質の半分程度以上、より好ましくは 80%以上、さらに好まし くは 90%以上の酵素活性を保持して 、ることが望ま 、。
[0074] 上記 (B)などに示されるようなアミノ酸の変異は、例えば部位特異的変異法によつ て、本酵素遺伝子の特定の部位のアミノ酸が置換、欠失、挿入、付加されるように塩 基配列を改変することによって得られる。また、上記のような改変された DNAは、従 来知られている突然変異処理によっても取得され得る。突然変異処理としては、本酵 素をコードする DNAをヒドロキシルァミン等でインビトロ処理する方法、及び本酵素を
コードする DNAを保持するェシエリヒア属細菌を、紫外線照射または N—メチル—N '一-トロー N— -トロソグァ-ジン (NTG)もしくは亜硝酸等の通常人工突然変異に 用いられて ヽる変異剤によって処理する方法が挙げられる。
[0075] また、上記のような塩基の置換、欠失、挿入、付加、および Zまたは逆位等には、 微生物の種あるいは菌株による差等、天然に生じる変異も含まれる。上記のような変 異を有する DNAを適当な細胞で発現させ、発現産物の本酵素活性を調べること〖こ より、配列表の配列番号 6、 12、 18、 23、 25または 27に記載のタンパク質と実質的 に同一のタンパク質をコードする DNAが得られる。
[0076] (3 - 3 - 2)形質転換体の作製およびペプチド生成酵素の生成
上記(3— 3— 1)で説明した DNAを適当な宿主に導入し、発現させること〖こよって、 本発明のペプチド製造方法で用いることができるペプチド生成酵素を生成することが できる。
[0077] DNAにより特定されるタンパク質を発現させるための宿主としては、宿主としては、 ェシエリヒア コリ(Escherichia coli)等のェシエリヒア属細菌、ェンぺドパクター属 細菌、スフインゴバタテリゥム属細菌、フラボバタテリゥム細菌及びバチルス ズブチリ ス(Bacillus subtilis)をはじめとする種々の原核細胞、サッカロマイセス セレビシ ェ (saccharomyces cerevisiae)、ピヒア スアイヒアイス (Pichia stipitis)、 ス ペルギルス ·ォリゼ(Aspergillus oryzae)をはじめとする種々の真核細胞を用 V、る ことができる。
[0078] DNAを宿主に導入するのに用いる組換え DNAは、発現させようとする宿主の種類 に応じたベクターに、導入しょうとする DNAを、該 DNAがコードするタンパク質が発 現可能な形態で挿入することで調製可能である。本発明の DNAを発現させるための プロモータとしては、ェンぺドパクター ブレビスなどのペプチド生成酵素遺伝子固有 のプロモータが宿主細胞で機能する場合には該プロモータを使用することができる。 また、必要に応じて宿主細胞で働く他のプロモータを本発明の DNAに連結し、該プ 口モータ制御下で発現させるようにしてもょ 、。
[0079] 組換え DNAを宿主細胞に導入するための形質転換法としては、 D.M.Morrisonの 方法(Methods in Enzymology 68, 326 (1979))あるいは受容菌細胞を塩化カル
シゥムで処理して DNAの透過性を増す方法(Mandel,M. and Higa,A.,J.Mol.Biol.,5 3,159(1970))等が挙げられる。
[0080] タンパク質を組換え DNA技術を用いて大量生産する場合、該タンパク質を生産す る形質転換体内で該タンパク質が会合し、タンパク質の封入体 (inclusion body)を 形成させる形態も好ま 、一実施形態として挙げられる。この発現生産方法の利点 は、目的のタンパク質を菌体内に存在するプロテアーゼによる消化力も保護する点 および目的のタンパク質を菌体破砕に続く遠心分離操作によって簡単に精製できる 点等である。
[0081] このようにして得られるタンパク質封入体は、タンパク質変性剤により可溶化され、 主にその変性剤を除去することによる活性再生操作を経た後、正しく折り畳まれた生 理的に活性なタンパク質に変換される。例えば、ヒトインターロイキン— 2の活性再生 (特開昭 61— 257931号公報)等多くの例がある。
[0082] タンパク質封入体力ゝら活性型タンパク質を得るためには、可溶化'活性再生等の一 連の操作が必要であり、直接活性型タンパク質を生産する場合よりも操作が複雑に なる。しかし、菌体の生育に影響を及ぼすようなタンパク質を菌体内で大量に生産さ せる場合は、不活性なタンパク質封入体として菌体内に蓄積させることにより、その影 響を抑えることができる。
[0083] 目的タンパク質を封入体として大量生産させる方法として、強力なプロモータの制 御下、目的のタンパク質を単独で発現させる方法の他、大量発現することが知られて いるタンパク質との融合タンパク質として発現させる方法がある。
[0084] 以下、形質転換された大腸菌を作製し、これを用いてペプチド生成酵素を製造す る方法を例として、より具体的に説明する。なお、大腸菌などの微生物にペプチド生 成酵素を作製させる場合、タンパク質のコード配列として、リーダー配列を含む前駆 タンパク質をコードする DNAを組み込こんでも、リーダー配列を含まな 、成熟タンパ ク質領域の DNAのみを組み込んでもよぐ作製しょうとする酵素の製造条件、形態、 使用条件などにより適宜選択することができる。
[0085] ペプチド生成酵素をコードする DNAを発現させるプロモータとしては、通常大腸菌 における異種タンパク質生産に用いられるプロモータを使用することができ、例えば、
T7プロモータ、 lacプロモータ、 trpプロモータ、 trcプロモータ、 tacプロモータ、ラム ダファージの PRプロモータ、 PLプロモータ等の強力なプロモータが挙げられる。また 、ベクターとしては、 PUC19、 pUC18、 pBR322、 pHSG299、 pHSG298、 pHSG 399、 pHSG398、 RSF1010、 pMW119、 pMW118、 pMW219、 pMW218等を 用いることができる。他にもファージ DNAのベクターも利用できる。さらに、プロモー タを含み、挿入 DNA配列を発現させることができる発現ベクターを使用することもで きる。
[0086] ペプチド生成酵素を融合タンパク質封入体として生産させるためには、ペプチド生 成酵素遺伝子の上流あるいは下流に、他のタンパク質、好ましくは親水性であるぺプ チドをコードする遺伝子を連結して、融合タンパク質遺伝子とする。このような他のタ ンパク質をコードする遺伝子としては、融合タンパク質の蓄積量を増カロさせ、変性'再 生工程後に融合タンパク質の溶解性を高めるものであればよぐ例えば、 T7gene 1 0、 j8—ガラクトシダーゼ遺伝子、デヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、 γインターフェロン 遺伝子、インターロイキン 2遺伝子、プロキモシン遺伝子等が候補として挙げられる
[0087] これらの遺伝子とペプチド生成酵素をコードする遺伝子とを連結する際には、コドン の読み取りフレームが一致するようにする。適当な制限酵素部位で連結するか、ある V、は適当な配列の合成 DNAを利用すればょ 、。
[0088] また、生産量を増大させるためには、融合タンパク質遺伝子の下流に転写終結配 列であるターミネータを連結することが好ま 、場合がある。このターミネータとしては 、 Τ7ターミネータ、 fdファージターミネータ、 T4ターミネータ、テトラサイクリン耐性遺 伝子のターミネータ、大腸菌 trpA遺伝子のターミネータ等が挙げられる。
[0089] ペプチド生成酵素またはペプチド生成酵素と他のタンパク質との融合タンパク質を コードする遺伝子を大腸菌に導入するためのベクターとしては、いわゆるマルチコピ 一型のものが好ましぐ ColEl由来の複製開始点を有するプラスミド、例えば pUC系 のプラスミドや PBR322系のプラスミドあるいはその誘導体が挙げられる。ここで、「誘 導体」とは、塩基の置換、欠失、挿入、付加および/または逆位などによってプラスミ ドに改変を施したものを意味する。なお、ここでいう改変とは、変異剤や UV照射など
による変異処理、あるいは自然変異などによる改変をも含む。
[0090] また、形質転換体を選別するために、該ベクターがアンピシリン耐性遺伝子等のマ 一力一を有することが好ましい。このようなプラスミドとして、強力なプロモータを持つ 発現ベクターが市販されて 、る (PUC系(宝酒造 (株)製)、 pPROK系(クローンテツ ク製)、 pKK233— 2 (クローンテック製)ほ力 。
[0091] プロモータ、ペプチド生成酵素またはペプチド生成酵素と他のタンパク質との融合 タンパク質をコードする遺伝子、場合によってはターミネータの順に連結した DNA断 片と、ベクター DNAとを連結して組換え DNAを得る。
[0092] 該組換え DNAを用いて大腸菌を形質転換し、この大腸菌を培養すると、ペプチド 生成酵素またはペプチド生成酵素と他のタンパク質との融合タンパク質が発現生産 される。形質転換される宿主は、異種遺伝子の発現に通常用いられる株を使用する ことができる力 ェシエリヒア コリ JM109株が好ましい。形質転換を行う方法、およ び形質転換体を選別する方法は Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring H arbor press (1989)等に記載されている。
[0093] 融合タンパク質として発現させた場合、血液凝固因子 Xa、カリクレインなどの、ぺプ チド生成酵素内に存在しな 、配列を認識配列とする制限プロテア一ゼを用 、てぺプ チド生成酵素を切り出せるようにしてもょ ヽ。
[0094] 生産培地としては、 M9—力ザミノ酸培地、 LB培地など、大腸菌を培養するために 通常用いる培地を用いてもよい。また、培養条件、生産誘導条件は、用いたベクター のマーカー、プロモータ、宿主菌等の種類に応じて適宜選択する。
[0095] ペプチド生成酵素またはペプチド生成酵素と他のタンパク質との融合タンパク質を 回収するには、以下の方法などがある。ペプチド生成酵素あるいはその融合タンパク 質が菌体内に可溶化されていれば、菌体を回収した後、菌体を破砕あるいは溶菌さ せ、粗酵素液として使用できる。さらに、必要に応じて、通常の沈澱、濾過、カラムク 口マトグラフィ一等の手法によりペプチド生成酵素あるいはその融合タンパク質を精 製して用いることも可能である。この場合、ペプチド生成酵素あるいは融合タンパク質 の抗体を利用した精製法も利用できる。
[0096] タンパク質封入体が形成される場合には、変性剤でこれを可溶化する。菌体タンパ
ク質とともに可溶ィ匕してもよいが、以降の精製操作を考慮すると、封入体を取り出して 、これを可溶ィ匕するのが好ましい。封入体を菌体から回収するには、従来公知の方 法で行えばよい。例えば、菌体を破壊し、遠心分離操作等によって封入体を回収す る。タンパク質封入体を可溶ィ匕させる変性剤としては、グァ-ジン塩酸 (例えば、 6M 、 pH5〜8)や尿素(例えば 8M)などが挙げられる。
[0097] これらの変性剤を透析等により除くと、活性を有するタンパク質として再生される。透 祈に用いる透析溶液としては、トリス塩酸緩衝液やリン酸緩衝液などを用いればよぐ 濃度としては 20mM〜0. 5M、 pHとしては 5〜8が挙げられる。
[0098] 再生工程時のタンパク質濃度は、 500 μ gZml程度以下に抑えるのが好ま 、。再 生したペプチド生成酵素が自己架橋を行うのを抑えるために、透析温度は 5°C以下 であることが好ましい。また、変性剤除去の方法として、この透析法のほか、希釈法、 限外濾過法などがあり、いずれを用いても活性の再生が期待できる。
[0099] < 2 >第 2の反応工程(a—L ァスバルチルー L フエ-ルァラニン α エステ ルの製造)
本発明の α— ΑΡΜに代表される a—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— a—エステルの製造方法は、上記の「< 1 >第 1の反応工程」に沿って a—L ァス パルチル— L フエ-ルァラニン— β—エステルを生成する第 1の反応工程にカロえ、 生成した a—L ァスバルチルー L フエ-ルァラニン— 13 エステルを、水の存在 下酸及びアルコールにより α Lーァスバルチルー L フエ-ルァラニン α エス テルに変換する第 2の反応工程を含む。
[0100] 前記第 2の反応工程は、具体的には例えば、上記の < 1 >の欄に記載した方法に 従って生成した a—L—ァスバルチルー L フエ-ルァラニン 13 エステルを必要 に応じて再結晶等により精製した後、水溶液等の溶液とし、続いて酸及びアルコール を当該水溶液に添加して反応させることにより行うことができる。当該反応により得ら れた生成物は、さらに必要に応じて 1回又は複数回の再結晶等により精製するなど の工程を経て製品とすることができる。
より好ましくは、次のようにして行うことができる。まず第 1の反応工程で得られる α —Lーァスバルチルー L—フエ-ルァラニン 13 エステルを含む酵素反応溶液を、
必要により加熱等の手段で殺菌し、遠心分離、膜分離等の手段により菌体を除去す る。菌体除去後の酵素反応溶液は、そのまま第 2の反応工程に用いることができる。 なお酵素反応溶液には未反応の L-フ 二ルァラニンが相当量含まれるため、酵素反 応溶液を濃縮することにより、溶液中に存在する L-フエ-ルァラニンを晶析し、生じた L-フエ-ルァラニン結晶を濾過等により除去して力 第 2の工程に供するのが好まし い。反応は酵素反応溶液に酸およびアルコールを添加することにより行うことができ る。酸およびアルコールの添カ卩はこの順に順次添加することもでき、同時に添加する こともできる。また、例えば酸あるいはアルコールの何れかを、 L-フエ-ルァラニン結 晶を除去する前に添加しておき、いずれか一方を後に添加して反応を行ってもよい。 またアルコールは第 1の反応工程で得られる酵素反応溶液中に適量のアルコールが 存在する場合、その添加を省略することもできる。
当該酸としては、塩酸、硫酸等が挙げられる力 特に塩酸が好ましい。また当該ァ ルコールとしては、メタノール、エタノール等が挙げられる力 特にメタノールが好まし い。特に a—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— α—メチルエステルを製造 する場合、 —L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— 13—メチルエステルを含 む酵素反応溶液を使用し、アルコールとしてメタノールを使用ればよい。以下、反応 条件を、塩酸とメタノールを使用して α—L ァスバルチルー L—フエ-ルァラニン a—メチルエステルを製造する場合を例にとり説明する。第 2の反応工程の a— L— ァスバルチルー L フエ-ルァラニン β メチルエステルの初期濃度 (反応開始 時の濃度)は、好ましくは 0. 1〜3Μとする。塩酸は、好ましくは、例えば 35重量%の 濃塩酸を使用し、これを反応開始時の反応溶液の全体積中、 8〜55体積%を占める 割合で添加することができる。メタノールは、反応溶液の全体積中、 10〜20体積% を占める割合で存在させるのが好ましい。なお、反応系中へのメタノールの添加量は 第 1の反応工程で得られる酵素反応溶液中にメタノールが存在する場合、その量も 含めて、反応溶液中のメタノール存在量が上記の範囲になるように、系中にメタノー ルを添加して調製すればょ 、。反応温度は好ましくは 0〜60°Cの範囲で行うことがで きる。反応時間は好ましくは 1〜14日の範囲で行うことができる。反応が進行するに つれ、 a—L ァスバルチルー L フエ-ルァラニン— α メチルエステル塩酸塩が
結晶として析出する。反応終了後、析出した該結晶は、濾過、遠心分離等の手段で 分離することができる。
[0102] < 3 >第 3の反応工程(a—L ァスバルチルー L—フエ-ルァラニンの濾別) 第 1の反応工程の原料として用いられる Lーァスパラギン酸 α , βージエステル は、塩酸塩、モノメチル硫酸塩等の塩を用いても良い。しかし、モノメチル硫酸のよう な酸類又は塩類が第 2の反応工程の系内に残存するような場合には、 oc—Lーァス パルチル— L フエ-ルァラニン— a—エステル塩酸塩の溶解度が上がり、第 2の反 応工程の収率が著しく低下してしまう(参考として、図 2に、 a—L ァスバルチルー L —フエ-ルァラニン一 α—エステル塩酸塩の、モノメチル硫酸水溶液中の溶解度 (ρΗ =0.4、 10°C)を示す)。そのため、第 1の反応工程力 第 2の反応工程の間に第 3の反 応工程を行って、モノメチル硫酸のように α Lーァスバルチルー L フエ-ルァラ- ン—ひ エステル塩酸塩の溶解度を上げてしまうような酸類又は塩類を除去するェ 程を入れるのが好ましい。そのような工程としては、下記に述べる第 3の反応工程を 行うことができる。
[0103] 第 3の反応工程は、第 1の反応工程で得られる a—L ァスパルチル— L フエ- ルァラニン— β—エステルを含む反応溶液を、酸性条件下にエステル加水分解に 供し、塩基により中和させて析出する (X—L ァスパルチル— L—フエ二ルァラニン 結晶を濾別する工程である。当該反応に供する反応溶液は、第 1の反応工程から得 られたものを直接使用することもできる力 酸濃度が高いほどエステルの加水分解反 応が速やかに進行するので、予め酵素反応液を濃縮してお!、た方が酸添加量を削 減できるので好ましい。濃縮工程を行う場合の酸添加のタイミングは、濃縮の前でも 後でもいずれでも構わない。エステル加水分解反応に使用される酸の種類は、エス テルの加水分解が進行しさえすれば特に制限はなぐ具体的には塩酸、硫酸、強酸 性榭脂等が挙げられ、好ましくは塩酸、硫酸、強酸性榭脂であり、より好ましくは硫酸 である。酸の量は、エステル加水分解反応開始時の全体積中 1〜50体積%、より好 ましくは 5〜20体積%の範囲とすることができる。 ρΗとしては一 2. 0〜2. 0の範囲に なるように酸を添加することができ、エステルの加水分解反応が速やかに進行しつつ も中和時に塩を生じ過ぎないという観点で、好ましくは— 1. 0〜1. 0であり、より好ま
しくは—0. 5〜0. 5である。エステル加水分解反応温度は 25°C〜80°Cの範囲で行 うことができる。エステル加水分解反応時間は 1〜48時間の範囲で行うことができる。 中和反応に使用される塩基の種類は、中和反応が進行すれば特に制限はなぐ水 酸ィ匕ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の塩基を使用することができ、好ましく はアンモニアである。塩基の量は、 pHが 2. 0〜4. 5の範囲になるように添加すること ができ、安定した収率と不純物除去の観点から、好ましくは 3. 0〜3. 5である。得ら れた α Lーァスバルチルー L フエ二ルァラニン結晶は濾過、遠心分離等の手段 で分離することができる。得られた結晶は乾燥させても乾燥させなくても第 2の反応ェ 程に用いることができる。
[0104] 当該第 3の反応工程を行った後に第 2の反応工程を行う場合、第 2の反応工程の 基質は上述のものとは異なり、 a—Lーァスバルチルー L—フエ-ルァラニン 13 エステルではなく a—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニンとなる。しかし具体的 な反応条件は、上に述べたものと同様として、反応を遂行することができる。
[0105] 上述したように当該反応により生成する a Lーァスバルチルー L フエ-ルァラ- ンー α メチルエステルは、当該酸の酸付加塩として得られうる力 これを必要に応 じて塩基との反応等により酸を除いて遊離体とした後に、製品とすることもできる。具 体的には例えば、上記反応により得られた a—L ァスバルチルー L—フエ二ルァラ ニン一 a メチルエステル塩酸塩を、水溶液中で炭酸ナトリウム等の塩基と反応させ 、冷却晶析等の手段で結晶を析出させ、これを濾過、遠視分離等の手段で分離する ことにより、 a—L ァスバルチルー L フエ二ルァラニン α メチルエステルを得 ることがでさる。
[0106] 本発明の製造方法によれば、甘味料等として重要な (X Lーァスバルチルー L フエ-ノレァラニン一 α メチノレエステノレ α—L—asparty卜 L— phenylalanine methyl es ter (略称: a— APM、製品名:アスパルテーム))等の a—L ァスパルチル— L— フエ二ルァラニン a エステルを簡便かつ高収率で安価に製造することができる。
[0107] 以下、実施例をあげて、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも のではない。生成物の測定には、薄層クロマトグラムの-ンヒドリン発色での確認(定 性)に加え、定量的には以下に示す高速液体クロマトグラフィーにて定量した。カラム
: InertsiL ODS 2 (GLサイエンス社製)、溶離液: 5. OmM 1—オクタンスルホン 酸ナトリウムを含むリン酸水溶液(pH2. 1):メタノール = 100 : 15〜50、流量: 1. Om LZ分、検出 210nm。
実施例 1
[0108] a—Lーァスバルチルー L フエ-ルァラニン j8—メチルエステルを生成する微生 物
表 1—1に示す細菌、放線菌の培養には、 1L中にグリセロール 20g、硫酸アンモ ユウム 5g、リン酸一カリウム lg、リン酸二カリウム 3g、硫酸マグネシウム 0. 5g、 酵母エキス 10g、ペプトン 10gを含む培地(pH7. 0) 50mLを 500mL坂ロフラス コに分注し、 115°Cで 15分殺菌したものを用いた (培地 1)。この培地 1に、 1L中にグ ルコース 5g、酵母エキス 10g、ペプトン 10g、NaCl 5g、寒天 20gを含む斜面 寒天培地 (PH7. 0)にて 30°C、 24時間培養した表 1に示す微生物を 1白金耳接種し 、 30°C、 120往復 Z分、で 17時間振とう培養を行った。培養後菌体を遠心分離し、 湿菌体として 100g/Lになるように 10mMの EDTAを含む 0. 1Mホウ酸緩衝液(p H9. 0)にて懸濁した。
[0109] 表 1—1に示す酵母の培養には、 1L中にグルコース 10g、グリセロール 10g、硫 酸アンモ-ゥム 5g、リン酸一カリウム lg、リン酸二カリウム 3g、硫酸マグネシウム
0. 5g、酵母エキス 5g、マルツエキス 5g、ペプトン 10gを含む培地(pH6. 0) 5 OmLを 500mL坂口フラスコに分注し、 115°Cで 15分殺菌したものを用いた(培地 2) 。この培地 2に、 1L中にグルコース 5g、酵母エキス 5g、寒天 20g、マルツエキス
5g、ペプトン 10g、 NaCl 5gを含む斜面寒天培地(pH6. 0)にて 30。C、 24時間 培養した下表に示す酵母を 1白金耳接種し、 25°C、 120往復 Z分、で 17時間振とう 培養を行った。培養終了後、これらの培養液から菌体を遠心分離し、湿菌体として 1 00g/Lになるように 10mMの EDTAを含む 0. 1Mホウ酸緩衝液(pH9. 0)にて懸 濁した。
[0110] 表 1—2に示す微生物は以下のように培養した。 Cellulophaga lytica NBRC 1496 1 あるいは Flexithrix dorotheae NBRC 15987 の培養には、ダイゴ人工海水 SP 1L中に、トリプトン lg、酵母エキス lg、寒天 15gを含む寒天固体培地 (pH7.2、
120°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地にて 30°C、 48時間、シード培養した Celluloph aga lytica NBRC 14961あるいは Flexithrix dorotheae NBRC 15987 の菌体を 同培地に塗布し、 30°C、 48時間、メイン培養した。
[0111] Weeksella virosa NBRC 16016 の培養には、羊血液寒天培地(日水プレート、 日水製薬製)を用いた。この培地にて 30°C、 48時間、シード培養した Weeksella viro sa NBRC 16016 を同培地に塗布し、 30°C、 48時間、メイン培養した。
[0112] Pedobacter heparinus NBRC 12017 の培養には、蒸留水 1L中に、ペプトン 10g 、酵母エキス 2g、MgSO ' 7H O lg、寒天 15gを含む寒天固体培地(pH 7.0p、 1
4 2
20°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地〖こて 30°C、 48時間、シード培養した Pedobact er heparinus NBRC 12017 の菌体を同培地に塗布し、 30°C、 48時間、メイン培養 した。
[0113] Persicobacter diffluens NBRC 15940 の培養には、ダイゴ人工海水 SP 1L中に 、 KNO 0. 5g、グリセ口リン酸ナトリウム 0. lg、トリスヒドロキシメチノレアミノメタン 1
3
g、トリプトン 5g、酵母エキス 5g、寒天 15g、微量元素溶液 1mlを含む寒天固体 培地 (pH 7.0, 120°Cで 15分殺菌)を用いた (尚、微量元素溶液は蒸留水 1L中に、 H BO 2.85g, MnCl ·4Η 0 1.8g, FeSO · 7Η 0 1.36g, CuCl - 2H 0 26.9 mg, Zn
3 4 2 2 4 2 2 2
CI 20.8 mg, CoCl - 6H 0 40.4 mg, Na MoO - 2H 0 25.2 mg, sodium tartarat
2 2 2 2 4 2
e 1.77 gを含む)。この培地にて 25°C、 48時間、シード培養した Persicobacter diff luens NBRC 15940 の菌体を同培地に塗布し、 25°C、 48時間、メイン培養した。
[0114] Chitinophaga pinensis NBRC 15968 の培養には、蒸留水 1L中に、バクトカジト ン 3g、酵母エキス lg、CaCl ' 2H 0 1. 36g、寒天 15gを含む寒天固体培地(p
2 2
H 7.0, 120°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地にて 25°C、 48時間、シード培養した Chitinophaga pinensis NBRC 15968の菌体を同培地に塗布し、 25°C、 48時間、メ イン培養した。
[0115] Cyclobacterium marinum ATCC 25205 の培養には、ダイゴ人工海水 SP 1L中 に、ペプトン 5g、酵母エキス lg、FeSO ' 7H 0 0. 2g、寒天 15gを含む寒天固
4 2
体培地(pH 7.0, 120°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地にて 25°C、 48時間、シード 培養した Cvclobacterium marinum ATCC 25205の菌体を同培地に塗布し、 25°C、
48時間、メイン培養した。
[0116] Runella slithyformis ATCC 29530 の培養には、蒸留水 1L中に、ペプトン lg、酵 母エキス lg、グルコース lg、寒天 15gを含む寒天固体培地(pH 7.0, 120°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地にて 25°C、 48時間、シード培養した Runella slithyfor mis ATCC 29530 の菌体を同培地に塗布し、 25°C、 48時間、メイン培養した。
[0117] Thermonema lapsum ATCC 43542 の培養には、蒸留水 1L中に、 Nitrilotriace tic acid 0. 2g、 0.03% FeCl溶液 2ml, CaSO - 2H 0 0. 12gゝ MgSO - 7H 0 0.
3 4 2 4 2
2g、 NaCl 0. 016g、 KNO 0. 21g、 NaNO 1. 4g、 Na HPO 0. 22g、微量元素
3 3 2 4
溶液 2ml、寒天 15gを含む寒天固体培地 (pH 8.2, 120°Cで 15分殺菌)を用いた (尚、微量元素溶液は蒸留水 1L中に、 H SO 0.5ml, MnSO - 2.2g, ZnSO 0.5g,
2 4 4 4
H BO 0.5g, CuSO 0.016g, Na MoO 0.025g, CoCl 0.046gを含む)。この培地
3 3 4 2 4 2
にて 60°C、 48時間、シード培養した Thermonema lapsum ATCC 43542 の菌体 を同培地に塗布し、 25°C、 48時間、メイン培養した。
[0118] Gelidibacter algens ATCC 700364 あるいは Lewinella cohaerens ATCC 23 123 ある ヽ【ま Psychroserpens burtonensis ATCC 700359 める ヽ【ま Salegentiba cter salegens DSMZ 5424 の培養には、 Marine Agar 2216 (Difco製)を用いた。 この培地にて、 Gelidibacter algens ATCC 700364 あるいは Psychroserpens burt onensis ATCC 700359 の場合には 10°C、 72時間、シード培養した菌体を同培地 に塗布し、 10。C、 72時間、メイン培養した。 Lewinella cohaerensATCC 23123 の場 合には、 30°C、 48時間、シード培養した菌体を同培地に塗布し、 30°C、 48時間、メ イン培養した。 Salegentibacter salegens DSMZ 5424 の場合には、 25°C、 48時間 、シード培養した菌体を同培地に塗布し、 25°C、 48時間、メイン培養した。
[0119] Dyadobacter fermentans ATCC 700827 の培養には、蒸留水 1L中に、 NH C1
4
0. 8g、 KH PO 0. 25g、 K HPO 0. 4g、 KNO 0. 505g、 CaCl - 2H 0 15mg、
2 4 2 4 3 2 2
MgCl - 6H 0 20mg、 FeSO - 7H 0 7mgゝ Na SO 5mgゝ MnCl -4H 0 5mgゝ H BO
2 2 4 2 2 4 2 2 3
0. 5mg、 ZnCl 0. 5mg、 CoCl - 6H 0 0. 5mg、 NiSO - 6H 0 0. 5mg、 CuCl - 2
3 2 2 2 4 2 2
H O 0. 3mg、 Na MoO - 2H 0 lOmg、酵母エキス 0. 5g、ペプトン 0. 5g、カザ
2 2 4 2
ミノ酸 0. 5g、デキストロース 0. 5g、可溶性デンプン 0. 5g、ピルビン酸ナトリウム
0. 5g、寒天 15gを含む寒天固体培地 (pH 7.0, 120°Cで 15分殺菌)を用いた。こ の培地にて 25°C、 48時間、シード培養した Dyadobacter fermentans ATCC 7008 27 の菌体を同培地に塗布し、 25°C、 48時間、メイン培養した。
[0120] Flammeovirga aprica NBRC 15941の培養には、ダイゴ人工海水 SP 1L中に、ト リプトン 2g、牛肉エキス 0. 5g、酵母エキス 0. 5g、酢酸ナトリウム 0. 2g、寒天 15gを含む寒天固体培地(pH 7.2, 120°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地にて 25 °C、 48時間、シード培養した Flammeovirga aprica NBRC 15941の菌体を同培地に 塗布し、 25°C、 48時間、メイン培養した。
[0121] Spirosoma linguale DSMZ 74 あるいは Flectobacillus major DSMZ 103の培 養には、蒸留水 1L中に、グルコース lg、ペプトン lg、酵母エキス lg、寒天 15 gを含む寒天固体培地(pH 7.0, 120°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地にて 25°C、 48時間、シード培養した Spirosoma linguale DSMZ 74 あるいは Flectobacillus major DSMZ 103の菌体を同培地に塗布し、 25°C、 48時間、メイン培養した。
[0122] Tenacibaculum maritimum ATCC43398 の培養には、蒸留水 300ml、ダイゴ人 ェ海水 SP700ml中に、トリプトン 0. 5g、酵母エキス 0. 5g、牛肉エキス 0. 2g、 酢酸ナトリウム 0. 2g、寒天 15gを含む寒天固体培地 (pH 7.0, 120°Cで 15分殺 菌)を用いた。この培地にて 25°C、 48時間、シード培養した Tenacibaculum maritimu m ATCC43398 の菌体を同培地に塗布し、 25°C、 48時間、メイン培養した。
[0123] Rhodothermus marinus DSMZ 4252 の培養には、 1L中に、酵母エキス 2. 5g、 トリプトン 2. 5gゝ Nitrilotriacetic acid lOOmgゝ CaSO ·2Η 0 40mgゝ MgCl ·6Η 0
4 2 2 2
200mg、 0.01M Fe citrate 0. 5ml、微量元素溶液 0. 5ml、リン酸ノ ッファー 1 00ml、蒸留水 900ml、寒天 28gを含む寒天固体培地(pH 7.2, 120°Cで 15分殺 菌)を用いた (尚、微量元素溶液は蒸留水 1L中に、 Nitrilotriacetic acid 12.8 g, F eCl ·4Η 0 lg, MnCl -4H 0 0.5g, CoCl -4H 0 0.3g, CuCl -2H 0 50mg, Na M
2 2 2 2 2 2 2 2 2 οθ -2H 0 50mg, H BO 20mg, NiCl -6H 0 20mgを含む。リン酸バッファ一は蒸留
4 2 3 3 2 2
水 1L中に KH PO 5.44g, K HPO 43gを含む)。この培地にて 60°C、 48時間、シー
2 4 2 4
ド培養した Rhodothermus marinus DSMZ 4252 の菌体を同培地に塗布し、 60°C 、 48時間、メイン培養した。
[0124] Zobellia galactanivoransDSMZ 12802 の培養には、 BACTO MARINE BROT H (DIFCO 2216)を含む寒天固体培地(寒天 1. 5%、 pH 7.6, 120°Cで 15分殺 菌)を用いた。この培地にて 30°C、 48時間、シード培養した Zobellia galactanivora nsDSMZ 12802 の菌体を同培地に塗布し、 30°C、 48時間、メイン培養した。
[0125] Muricauda ruestringensis DSMZ 13258 の培養には、蒸留水 1L中に、酵母ェキ ス 1. 5g、ペプトン 2. 5g、へキサデカン 2g、NaCl 17. 7g、 KC1 0. 48g、 MgCl
2
•6H 0 3. 4g、 MgSO - 7H 0 4. 46g、 CaCl 0. 98g、寒天 15gを含む寒天固体
2 4 2 2
培地(pH 7.2, 120°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地にて 30°C、 48時間、シード培 養した Muricauda ruestringensis DSMZ 13258 の菌体を同培地に塗布し、 30°C 、 48時間、メイン培養した。
[0126] Taxeobacter gelupurpurascens DSMZ 11116 の培養には、蒸留水 1L中に、力 ジトン 3g、酵母エキス lg、CaCl '2H 0 1. 36g、寒天 15gを含む寒天固体培地
2 2
(pH 7.2, 120°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地にて 30°C、 48時間、シード培養し た Taxeobacter gelupurpurascens DSMZ 11116 の菌体を同培地に塗布し、 30 。C、 48時間、メイン培養した。
[0127] Cytophaga hutchinsonii NBRC 15051 の培養には、蒸留水 1L中に、カジトン 3 g、酵母エキス lg、CaCl '2H 0 1. 36g、セロビオース 5g、寒天 15gを含む寒天
2 2
固体培地(pH 7.2, 120°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地にて 30°C、 48時間、シ ード培養した Cytophaga hutchinsonii NBRC 15051 の菌体を同培地に塗布し、 30°C、 48時間、メイン培養した。
[0128] Marinilabilia salmonicolor NBRC 15948 の培養には、蒸留水 250ml、ダイゴ人 工海水 SP 750ml中に、ペプトン 10g、酵母エキス 2g、MgSO ' 7H 0 0. 5g、寒
4 2
天 15gを含む寒天固体培地(pH 7.2, 120°Cで 15分殺菌)を用いた。この培地にて 30°C、 48時間、シード培養した Marinilabilia salmonicolor NBRC 15948 の菌体 を同培地に塗布し、 30°C、 48時間、メイン培養した。
[0129] Saprospira grandis ATCC 23119 の培養には、ダイゴ人工海水 SP 1L中に、 K NO 0. 5g、グリセ口リン酸ナトリウム 0. lg、トリスヒドロキシメチルァミノメタン lg、
3
トリプトン 2g、酵母エキス 2g、寒天 15g、微量元素溶液 1mlを含む寒天固体培
地 (pH 7.0, 120°Cで 15分殺菌)を用いた (尚、微量元素溶液は蒸留水 1L中に、 H B
3
0 2.85g, MnCl · 4Η 0 1.8g, FeSO · 7Η 0 1.36g, CuCl · 2Η 0 26.9 mg, ZnCl
4 2 2 4 2 2 2
20.8 mg, CoCl - 6H 0 40.4 mg, Na MoO - 2H 0 25.2 mg, sodium tartrate
2 2 2 2 4 2
1.77 gを含む)。この培地にて 30°C、 48時間、シード培養した Saprospira grandis ATCC 23119 の菌体を同培地に塗布し、 30°C、 48時間、メイン培養した。
[0130] Haliscomenobacter hydrossis ATCC 27775 の焙養には、蒸留水 1L中に、 KH P
2
O 27mg、 K HPO 40mg、 Na HPO - 2H 0 40mg、 CaCl - 2H 0 50mg、 MgSO
4 2 4 2 4 2 2 2
•7H 0 75mg、 FeCl · 6Η 0 5mg, MnSO - H 0 3mg、グルタミン酸 1. 31g、Tryp
4 2 3 2 4 2
ticase Soy Broth without glucose 2. 5mg、チアミン 0. 4mg、ビタミン B12 0. 0 lmg、グルコース 2g、微量元素溶液 1mlを含む寒天固体培地(pH 7.5, 120°C で 15分殺菌)を用いた (尚、微量元素溶液は蒸留水 1L中に、 ZnSO · 7Η 0 O. lg, Mn
4 2
CI · 4Η 0 0.03g, H BO 0.3g, CoCl - 6H 0 0.2g, CuCl - 2H 0 O.Olg, NiCl - 6
2 2 3 3 2 2 2 2 2
H 0 0.02g, Na MoO - H 0 0.03gを含む)。この培地にて 25°C、 48時間、シード培養
2 2 4 2
した Haliscomenobacter hydrossis ATCC 27775 の菌体を同培地に塗布し、 25 。C、 48時間、メイン培養した。
[0131] このようにして得られたそれぞれの菌体を寒天培地より集菌し、湿菌体として 100g/ Lになるように 10mMの EDTAを含む 0. 1Mホウ酸緩衝液(pH9. 0)にて懸濁した。
[0132] これらの微生物の菌体懸濁液 0. lmLに、 EDTA10mM、 Lーァスパラギン酸— a , βージメチルエステル塩酸塩 100mM、及び L—フエ-ルァラニン 200mMを含む lOOmMホウ酸緩衝液(pH9. 0) 0. lmLをそれぞれ添カ卩し、全量を 0. 2mLとした 後、 20°Cにて、表 1—1に示した微生物を用いた場合には 3時間、表 1—2に示した 微生物を用いた場合には 1時間、反応をおこなった。このときの a—L—ァスバルチ ルー L—フエ-ルァラニン— 13 メチルエステル(α— AMP)の生成量(mM)を表 1 1および表 1—2に示した。なお、 β AMPは何れの微生物の場合からも検出さ れなかった。
[0133] [表 1]
表 1一 1
微生物 a -AMP (mM)
Aeromonas hydrophila ATCC 13136 1. 55
Azotobacter vinelandii IFO 3741 0. 15
Alcaiigenes faecalis FERM P - 8460 0. 37
Brevibacterium minutiferuna FERM BP-8277 0. 10
Corynebac terium flavescens ATCC 10340 0. 26
Escherichia coli FERM BP-8276 3. 68
Empedobacter brevis ATCC 14234 6. 31
Fla vobacterium resinovorum ATCC 14231 0. 62
Microbac terium arborescens ATCC 4348 0. 08
Propionibac terium shermanii FERM BP-8100 3. 41
Brevibacillus parabrevis ATCC 8185 0. 08
Paenibacillus alvei IFO 14175 0. 09
Pseudomonas fragi IFO 3458 0. 84
Serra tia grimesii ATCC 14460 0. 47
Steno trophomonas mal tophi lia ATCC 13270 0. 18
Sphingobacterium sp. FERM BP - 8124 5. 97
Streptomyces lavendulae NRRL B - 1305 0. 89
Xanthomonas mal tophi lia FERM BP— 5568 0. 40
Williopsis saturnus IFO 0895 0. 05
Candida magnoliae IFO 0705 0. 26
Geotrichum amycelium CBS 152. 25 0. 19
Geotrichum amycelium IFO 0905 0. 06
Saccharowyces unisporus IFO 0724 0. 07
Torulaspora delbrueckii IFO 0422 0. 04
Pichia ciferrii IFO 0905 0. 06
表 1一 2
(参考例 1) β—Lーァスバルチルー L一フエ-ルァラニン一 e 一メチルエステルを生 成する微生物
表 2に示す微生物を実施例 1の表 1の細菌の場合と同様に培養した。培養後菌体 を遠心分離し、湿菌体として lOOgZLになるように lOmMの EDTAを含む 0. 1Mホ ゥ酸緩衝液 (PH9. 0)にて懸濁した。これらの微生物の菌体懸濁液 0. ImLに、 ED TA10mM、 L—ァスパラギン酸一 a , β—ジメチルエステル塩酸塩 100mM、及び L一フエ-ルァラニン 200mMを含む lOOmMホウ酸緩衝液(pH9. 0) 0. ImLをそ
れぞれ添加し、全量を 0. 2mLとした後、 30°Cにて 2時間反応をおこなった。このとき の β—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— a—メチルエステル( - AMP) の生成量 (mM)を表 2に示した。なお、いずれの微生物においても a AMPは検 出されなかった。
[表 3]
[0137] ェンぺドパクター ブレビス からの酵素の精製
1L中にグルコース 5g、硫酸アンモ-ゥム 5g、リン酸一カリウム lg、リン酸二カリ ゥム 3g、硫酸マグネシウム 0. 5g、酵母エキス 10g、ペプトン 10gを含む培地(p H6. 2) 50mLを 500mL坂口フラスコに分注し、 115°Cで 15分殺菌した (培地 3)。培 地 3に、同培地で 30°C、 16時間培養したェンぺドパクター ブレビス FERM BP 8113株 (寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、 寄託機関住所;日本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6、国際寄託移管日 ; 2002年 7月 8日)を 2ml接種し、 30°C、 120往復 Z分で 16時間振盪培養を行った
[0138] 以下、遠心分離以降の操作は氷上あるいは 4°Cにて行った。得られた培養液を遠 心分離(10, OOOrpm, 15分)し、菌体を集めた。菌体 16gを 50mMトリス—塩酸緩 衝液 (pH8. 0)にて洗浄後、同緩衝液 40mlに懸濁し、 195Wにて 45分間超音波破 砕処理を行った。この超音波破砕液を遠心分離(10, OOOrpm, 30分)し、破砕菌体 片を除去することにより超音波破砕液上清を得た。この超音波破砕液上清を 50mM トリスー塩酸緩衝液 (pH8. 0)に対して一夜透析し、超遠心分離(50, OOOrpm, 30 分)にて不溶性画分を除去することにより、上清液として可溶性画分を得た。得られた 可溶性画分をトリス—塩酸緩衝液 (pH8. 0)にて予め平衡化した Q Sepharose HPカラム (アマシャム社製)に供し、非吸着画分力も活性画分^^めた。この活性画
分を 50mM酢酸緩衝液 (pH4. 5)に対して一夜透析し、遠心分離(10, OOOrpm, 3 0分)にて不溶性画分を除去することにより、上清液として透析画分を得た。この透析 画分を 50mM酢酸緩衝液(pH4. 5)で予め平衡化した Mono Sカラム(アマシャム 社製)に供し、 0〜: LM NaClを含む同緩衝液の直線的な濃度勾配で酵素を溶出さ せた。活性画分の内、夾雑タンパクの最も少ない一画分を 1M
NaClを含む 50mM酢酸緩衝液(pH4. 5)で予め平衡化した Superdex 200pg カラム(アマシャム社製)に供し、 1M NaClを含む同緩衝液(pH4. 5)を 流すことによりゲル濾過を行い、活性画分溶液を得た。これらの操作により、本実施 例 2で得られたペプチド生成酵素は電気泳動の実験結果より均一に精製されたこと が確認された。上記の精製工程における活性物質の回収率は 12. 2%、精製度は 7 07倍であった。
実施例 3
[0139] ェンぺドパクター ブレビス の酵素画分を用いた a—L ァスバルチルー L フエ -ルァラ-ン /3 メチルエステルの生産
実施例 2で得られた MonoS画分酵素(約 20υΖπι1) 10 /ζ 1を、 105. 3mMの L ァスパラギン酸 a , j8—ジメチルエステル塩酸塩、 210. 5mMの L—フエ-ルァラ ニン、 10. 51mMのEDTAを含む190 iu lのホゥ酸緩衝液(pH9. 0)にカロえ、 20°C にて反応した。 a—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— 13—メチルエステル( a AMP)の生成経過を表 3に示した。尚、酵素無添加区での α— Lーァスバルチ ルー L—フエ二ルァラニン 13 メチルエステル生成はほとんど認められなかった。
[0140] 更に、実施例 2で得られた MonoS画分酵素(約 20UZml) 10 μ 1を、 105. 3mM の L ァスパラギン酸一 a—メチルエステル塩酸塩または 105. 3mMの L—ァスパラ ギン酸 13 メチルエステル塩酸塩のそれぞれについてと、 210. 5mMの L フエ 二ルァラニン、 10. 51mMのEDTAを含む190 iu lのホゥ酸緩衝液(pH9. 0)に加え 、 20°Cにて反応した結果、対応するペプチドの生成は見られな力つた。
[0141] [表 4]
表 3
[0142] スフインゴバタテリゥム エスピー からの酵素の精製
実施例 2に示した培地を用い、実施例 2と同様の方法でスフインゴバタテリゥム ェ スピー FERM BP— 8124株 (寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特 許生物寄託センター、寄託機関住所;日本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央 第 6、国際寄託日; 2002年 7月 22日)を培養した。以下、遠心分離以降の操作は氷 上あるいは 4°Cにて行った。得られた培養液を遠心分離(10, OOOrpm, 15分)し、 菌体を集めた。菌体 2gを 20mMトリス—塩酸緩衝液 (pH7. 6)にて洗浄後、同緩衝 液 8mlに懸濁し、 195Wにて 45分間超音波破砕処理を行った。この超音波破砕液を 遠心分離(10, OOOrpm, 30分)し、破砕菌体片を除去することにより超音波破砕液 上清を得た。この超音波破砕液上清を 20mMトリス—塩酸緩衝液 (pH7. 6)に対し て一夜透析し、超遠心分離(50, OOOrpm, 30分)にて不溶性画分を除去することに より、上清液として可溶性画分を得た。得られた可溶性画分をトリス—塩酸緩衝液 (p H7. 6)にて予め平衡化した Q— Sepharose HPカラム(アマシャム社製)に供し、 非吸着画分力ゝら活性画分を集めた。この活性画分を 20mM酢酸緩衝液 (pH5. 0) に対して一夜透析し、遠心分離(10, OOOrpm, 30分)にて不溶性画分を除去するこ とにより、上清液として透析画分を得た。この透析画分を 20mM酢酸緩衝液 (pH5. 0)で予め平衡化した SP— Sepharose HPカラム(アマシャム社製)に供し、 0〜1M
NaClを含む同緩衝液の直線的な濃度勾配で酵素を溶出させた活性画分を得た。 実施例 5
[0143] スフインゴバタテリゥム エスピーの酵素画分を用いた α—L—ァスバルチルー Lーフ ェ-ルァラニン— /3—メチルエステル、 a—L—ァスパルチル— L—フエ-ルァラ-
ン一 β ェチルエステルの生産
実施例 4で得られた SP - Sepharose HP画分の濃縮液 (約 15UZml) 15 1を、 a—L ァスパルチル— L フエ-ルァラニン— 13—メチルエステル( a— AMP)生 産の場合には、 108. ImMの L—ァスパラギン酸 a , j8—ジメチルエステル塩酸 塩、 216. 2mMの L フエ-ルァラニン、 10. 8mMの EDTAを含む 185 1のホウ 酸緩衝液 (ΡΗ9. 0)に加え、 20°Cにて反応した。同様に、 α— L ァスパルチル— L —フエ-ルァラニン— 13—ェチルエステル —ΑΕΡ)生産の場合には、実施例 4で 得られた SP— Sepharose HP画分の濃縮液(約 15UZml) 10 1を、 52. 6mMの Lーァスパラギン酸 α , βージェチルエステル塩酸塩、 105. 2mMの L—フエ-ル ァラニン、 10. 8mMの EDTAを含む 190 1のホウ酸緩衝液(pH9. 0)にカロえ、 20 °Cにて反応した。 AMPあるいは AEPの生成経過を表 4に示した。尚、酵素無添加区 での AMPあるいは AEPの生成はほとんど認められなかった。尚、 AEPの生成は A MPの標準品を用いた値を記載した。
[0144] [表 5] 表 4
実施例 6
[0145] ェンぺドパクター ブレビス由来のペプチド生成酵素遺伝子の単離
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はェンぺドバク ター ブレビス FERM BP— 8113株を用いた。遺伝子の単離にはェシエリヒア コ リ(Escherichia coli)JM— 109株を宿主に用い、ベクターは pUC118を用いた。
[0146] (1)決定内部アミノ酸配列に基づいた PCRプライマーの作製
前述のェンぺドパクター ブレビス FERM BP— 8113株由来のペプチド生成酵
素のリジルエンドべプチダーゼによる消化物をエドマン分解法により決定したアミノ酸 配列 (配列番号 1及び 2)をもとに、配列番号 3及び 4にそれぞれ示す塩基配列を有 するミックスプライマーを作成した。
[0147] (2)菌体の取得
ェンぺドパクター ブレビス FERM BP— 8113株をじ1^20寒天培地(50871 グルコース、 lOgZl 酵母エキス、 lOgZl ペプトン、 5g/l 塩化ナトリウム、 20gZl 寒天, pH7. 0) )上で 30°C、 24時間培養した。この菌体を、 50mlの CM2G液体培 地(上記培地より寒天を除 、た培地)を張り込んだ 500mlの坂口フラスコに 1白金耳 植菌し、 30°Cで振盪培養した。
[0148] (3)菌体からの染色体 DNAの取得
培養液 50mlを遠心分離(12, 000rpm、 4°C、 15分間)し、集菌した。 QIAGEN Genomic -tip System (Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体 力 染色体 DNAを取得した。
[0149] (4) PCR法によるペプチド生成酵素遺伝子の一部を含む DNA断片の取得ェンぺ ドパクター ブレビス FERM BP— 8113株由来のペプチド生成酵素遺伝子の一部 を含む DNA断片を、 LA— Taq (宝酒造社製)を用いた PCR法により取得した。ェン ぺドパクター ブレビス FERM BP— 8113株から取得した染色体 DNAに対し、配 列番号 3及び 4に示す塩基配列を有するプライマーを使用して PCR反応を行った。
[0150] PCR反応は、 Takara PCR Thermal Cycler PERSONAL (宝酒造製)を用 いて行い、以下の条件の反応を 30サイクル行った。
[0151] 94°C 30秒
52°C 1分
72°C 1分
[0152] 反応後、反応液 3 μ 1を 0. 8%ァガロース電気泳動に供した。その結果、約 1. 5kb の DNA断片が増幅されて!、ることが確認された。
[0153] (5)遺伝子ライブラリーからのペプチド生成酵素遺伝子のクローユング
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記 PCRにおいて増幅さ れた DNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダィゼーシヨンを行った。サザ
ンハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
[0154] 上記 PCRで増幅された約 1. 5kbDNA断片を、 0. 8%ァガロース電気泳動により 分離した。 目的のバンドを切り出し、精製した。この DNA断片を DIG High Prime (ベーリンガー 'マンノヽィム社製)を使用して、説明書に基づきプローブのジゴキシュ ゲンによる標識を行った。
[0155] 本実施例 6 (3)で取得したェンぺドパクター ブレビスの染色体 DNAを制限酵素 H indlllで 37°C、 16時間反応させて完全に消化した後、 0. 8%ァガロースゲルで電気 泳動した。電気泳動後のァガロースゲルからナイロンメンブレンフィルター Nylon m embranes positively charged (ロシュ'ダイァグノテイクス社製)にブロッテイング し、アルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EASY HYB (ベーリンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 50°Cで 1時間プ レハイブリダィゼーシヨンを行った後、上記で作製した、ジゴキシュゲンによる標識プ ローブを添カ卩し、 50°Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィルター を 0. 1%SDSを含む 2 X SSCで室温、 20分間洗浄した。さらに 0. 1%SDSを含む 0 . 1 X SSCで 65°C、 15分間洗浄を 2回行った。
[0156] プローブとハイブリダィズするバンドの検出は、 DIG Nucleotide Detection Ki t (ベーリンガー 'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、プ ローブとハイブリダィズする約 4kbのバンドが検出できた。
[0157] 本実施例 6 (3)で調製した染色体 DNA5 μ gを Hindlllで完全に消化した。 0. 8% ァガロースゲル電気泳動により約 4kbの DNAを分離し、 Gene Clean II Kit (フナ コシ社製)を用いて DNAを精製し、 10 1の TEに溶解した。このうち 4 1と、 pUCl l 8 HindlllZBAP (宝酒造製)とを混合し、 DNA Ligation Kit Ver. 2 (宝酒造 製)を用いて連結反応を行った。このライゲーシヨン反応液 5 μ ^Escherichia coli JM109株のコンビテント'セル(東洋紡績製) 100 μ 1とを混合して、 Escherichia coliを形質転換した。これを適当な固形培地に塗布し、染色体 DNAライブラリーを 作製した。
[0158] ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、上記プローブを用いたコロニー
ハイブリダィゼーシヨンによる染色体 DNAライブラリーのスクリーニングを行った。コロ ニーハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Sprin g Harbor press(1989)に説明されている。
[0159] 染色体 DNAライブラリーのコロニーをナイロンメンブレンフィルター Nylon Memb ranes for Colony and Plaque Hybridization (ロシュ'タイアグノテイクス社製 )に移し、アルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EA SY HYB (ベーリンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 37°Cで 1時 間プレハイブリダィゼーシヨンを行った後、上記ジゴキシュゲンによる標識プローブを 添加し、 50°Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィルターを 0. 1% SDSを含む 2 X SSCで室温、 20分間洗净した。さらに 0. 1%SDSを含む 0. 1 X SS Cで 65°C、 15分間洗浄を 2回行った。
[0160] 標識プローブとハイブリダィズするコロニーの検出は、 DIG Nucleotide
Detection Kit (ベーリンガー 'マンノヽィム社製)を使用して、説明書に基づき行つ た。その結果、標識プローブとハイブリダィズするコロニーを 2株確認できた。
[0161] (6)ェンぺドパクター ブレビス由来ペプチド生成酵素遺伝子の塩基配列
標識プローブとハイブリダィズしたことが確認された上記 2菌株から、ェシエリヒア コ リ JM109株が保有するプラスミドを、 Wizard Plus Minipreps DNA Purifica tion System (プロメガ社製)を用いて調製し、プローブとハイブリダィズした近傍 の塩基配列を決定した。シーケンス反応は CEQ DTCS - Quick Start Kit (べッ クマン.コールター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動は CEQ 2000— XL (ベックマン'コールター社製)を用いて行った。
[0162] その結果、ペプチド生成酵素の内部アミノ酸配列(配列番号 1及び 2)を含むタンパ ク質をコードするオープンリーディングフレームが存在し、ペプチド生成酵素をコード する遺伝子であることを確認した。ペプチド生成酵素遺伝子全長の塩基配列とこれ に対応するアミノ酸配列を配列表配列番号 5に示した。得られたオープンリーデイン グフレームを BLASTP.プログラムで相同性解析した結果、二つの酵素に相同性が 見出され、 Acetobacter pasteurianusの α—アミノ酸エステノレノヽイド口ラーゼ (Αρρ 1. Environ. Microbiol., 68(1), 211-218(2002) とは、アミノ酸配列で 34%、 Brevib
acillus laterosporum (J. Bacteriol., 173(24), 7848—7855(1991) のグルタリル— 7ACAアシラーゼとは、アミノ酸配列で 26%の相同性を示した。
[0163] (7)ェンぺドパクター属由来のペプチド生成酵素遺伝子の大腸菌における発現 ェシエリヒア コリ(Escherichia coli) W3110染色体 DNA上の trpオペロンのプロモ 一ター領域を配列番号 7、 8に示すオリゴヌクレオチドをプライマーとして PCRにより 目的遺伝子領域を増幅し、得られた DNA断片を pGEM— Teasyベクター(プロメガ 製)にライゲーシヨンした。このライゲーシヨン溶液で E. coli JM109株を形質転換し 、アンピシリン而性株の中力も trpプロモーターの方向力 lacプロモーターと反対向き に挿入された目的のプラスミドを有する株を選択した。次にこのプラスミドを EcoOlO 91/EcoRIにて処理して得られる trpプロモーターを含む DNA断片と、 pUC19 (Ta kara製)の EcoO109lZEcoRI処理物とライゲーシヨンした。このライゲーシヨン溶液 でェシエリヒア コリ JM109株を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプ ラスミドを有する株を選択した。次にこのプラスミドを HindlllZPvuII〖こて処理して得 られる DNA断片と、 pKK223 - 3 (Amersham Pharmacia製)を Hindlll/Hincl Iにて処理し、得られた rrnBターミネータ一を含む DNA断片とをライゲーシヨンした。 このライゲーシヨン溶液で E. coli JM109株を形質転換し、アンピシリン耐性株の中 から目的のプラスミドを有する株を選択し、このプラスミドを pTrpTと命名した。
[0164] ェンぺドパクター ブレビス FERM BP— 8113株の染色体 DNAを铸型として配 列番号 9、 10に示すオリゴヌクレオチドをプライマーとして PCRにより目的遺伝子を増 幅した。この DNA断片を NdelZPstlにて処理し、得られた DNA断片と pTrpTの N delZPstl処理物をライゲーシヨンした。このライゲーシヨン溶液でェシエリヒア コリ J M109株を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプラスミドを有する株を 選択し、このプラスミドを pTrpT_Gtg2と命名した。
[0165] pTrpT— Gtg2を有するェシエリヒア コリ JM109株を lOOmg/1アンピシリンを含 む LB培地で、 30°C、 24時間シード培養した。得られた培養液 lmlを、 50mlの培地( 2 gZlD—グルコース、 lOgZl酵母エキス、 lOgZlカザミノ酸、 5gZl硫酸アンモ- ゥム、 3gZlリン酸二水素カリウム、 lgZlリン酸水素二カリウム、 0. 5gZl硫酸マグネ シゥム七水和物、 lOOmgZlアンピシリン)を張り込んだ 500ml坂口フラスコにシード
し、 25°C、 24時間の本培養を行った。培養液 lmlあたり 0. 1111の0;—1^—ァスパル チルー L—フエ-ルァラニン 13 エステル生成活性を有しており、クローユングした 遺伝子が E. coliで発現したことを確認した。なお、対照として pTrpTのみを導入した 形質転換体には、活性は検出されなかった。
[0166] (シグナル配列予測)
配列表に記載の配列番号 6番のアミノ酸配列を SignalP vl. 1プログラム(Protein Engineering, voll2, no.l, pp.3- 9, 1999)にて解析したところ、アミノ酸配列の 1 22番目までがシグナルとして機能してペリブラズムに分泌すると予測され、成熟タ ンパクは 23番目より下流であると推定された。
[0167] (分泌の確認)
pTrpT— Gtg2を有するェシエリヒア コリ JM109株を lOOmg/1アンピシリンを含 む LB培地で、 30°C、 24時間シード培養した。得られた培養液 lmlを、 50mlの培地( 2g/l グルコース、 lOgZl 酵母エキス、 lOgZlカザミノ酸、 5gZl硫酸アンモ-ゥ ム、 3gZlリン酸二水素カリウム、 lgZlリン酸水素二カリウム、 0. 5gZl硫酸マグネシ ゥム七水和物、 lOOmgZlアンピシリン)を張り込んだ 500ml坂口フラスコにシードし 、 25°C、 24時間の本培養を行い培養菌体を得た。
[0168] 上記培養菌体を 20gZdlのスクロース溶液を用いた浸透圧ショック法により、ペリプ ラズム画分とサイトプラズム画分に分画した。 20gZdlのスクロース溶液に浸した菌体 を 5mM MgSO水溶液に浸し、この遠心上清をペリプラズム画分 (Pe)とした。また、そ
4
の遠心沈殿を再懸濁し、超音波破砕したものをサイトブラズム画分 (Cy)とした。サイト ブラズムを分離したことを確認するために、サイトブラズムに存在することが知られて いるグルコース 6燐酸デヒロドロゲナーゼの活性を指標とした。測定法は ImM ダルコ ース 6燐酸、 0. 4mM NADP、 10mM MgSO、 50mM Tris- Cl(pH8)、 30。Cの反応
4
溶液の中に適当量の酵素を添カ卩し、 340nmの吸光度の測定により NADPHの生成を 測定することにより行った。
[0169] 別途調製した無細胞抽出液の活性を 100%としたときの、サイトブラズム画分、ペリ プラズム画分の酵素量を図 1に示す。グルコース 6燐酸デヒロドロゲナーゼ活性がペリ プラズム画分に混入して 、な ヽことは、サイトプラズム画分にペリプラズム画分が混入
していないことを示す。 a—L—ァスパルチル一 L—フエ-ルァラニン一 13—エステ ル( α -AMP)生成活性のうち約 60%がペリプラズム画分に回収され、上記 SignalP vl. 1プログラムを用いてアミノ酸配列から予測されたように、 a -AMP生成酵素がぺ リブラズムに分泌して 、ることが確認された。
実施例 7
[0170] スフインゴバタテリゥム エスピー由来のペプチド生成酵素遺伝子の単離
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はスフインゴバタ テリゥム エスピー FERM BP— 8124株を用いた。遺伝子の単離にはェシエリヒア コリ(Escherichia coli) DH5 αを宿主に用い、ベクターは pUC118を用いた。
[0171] (1)菌体の取得
スフインゴバタテリゥム エスピー FERM BP— 8124株をじ1^20寒天培地(508 /\ グルコース、 lOgZl 酵母エキス、 lOgZl ペプトン、 5g/l
塩ィ匕ナトリウム、 20gZl寒天, PH7. 0))上で 25°C、 24時間培養した。この菌体を、 50mlの CM2G液体培地(上記培地より寒天を除!、た培地)を張り込んだ 500mlの 坂口フラスコに 1白金耳植菌し、 25°Cで振盪培養した。
[0172] (2)菌体からの染色体 DNAの取得
培養液 50mlを遠心分離(12, 000rpm、 4°C、 15分間)し、集菌した。 QIAGEN Genomic -tip System (Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体 力 染色体 DNAを取得した。
[0173] (3) PCR法によるプローブ用 DNA断片の取得
ェンぺドパクター ブレビス FERM BP— 8113株由来のペプチド生成酵素遺伝 子の一部を含む DNA断片を、 LA—Taq (宝酒造社製)を用いた PCR法により取得 した。ェンぺドパクター ブレビス FERMBP— 8113株から取得した染色体DNAに 対し、配列番号 3及び 4に示す塩基配列を有するプライマーを使用して PCR反応を 行った。
[0174] PCR反応は、 Takara PCR Thermal Cycler PERSONAL (宝酒造製)を用 いて行い、以下の条件の反応を 30サイクル行った。
[0175] 94°C 30秒
52°C 1分
72°C 1分
[0176] 反応後、反応液 3 μ 1を 0. 8%ァガロース電気泳動に供した。その結果、約 1. 5kb の DNA断片が増幅されて!、ることが確認された。
[0177] (4)遺伝子ライブラリーからのペプチド生成酵素遺伝子のクローユング
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記 PCRにおいて増幅さ れた DNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダィゼーシヨンを行った。サザ ンハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
[0178] 上記 PCRで増幅された約 1. 5kbDNA断片を、 0. 8%ァガロース電気泳動により 分離した。 目的のバンドを切り出し、精製した。この DNA断片を DIG High Prime (ベーリンガー 'マンノヽィム社製)を使用して、説明書に基づきプローブのジゴキシュ ゲンによる標識を行った。
[0179] 本実施例 7 (2)で取得したスフインゴバタテリゥム エスピーの染色体 DNAを制限 酵素 Saclで 37°C、 16時間反応させて完全に消化した後、 0. 8%ァガロースゲルで 電気泳動した。電気泳動後のァガロースゲルカゝらナイロンメンブレンフィルター Nylo n membranes positively charged (ロシュ'ダイァグノテイクス社製)にブロッティ ングし、アルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EAS Y HYB (ベーリンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 37°Cで 1時 間プレハイブリダィゼーシヨンを行った後、上記で作製した、ジゴキシュゲンによる標 識プローブを添カ卩し、 37°Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィル ターを 0. 1%SDSを含む 1 X SSCで 60°Cで洗浄を 2回行った。
[0180] プローブとハイブリダィズするバンドの検出は、 DIG Nucleotide Detection Ki t (ベーリンガー 'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、プ ローブとハイブリダィズする約 3kbのバンドが検出できた。
[0181] 本実施例 7 (2)で調製した染色体 DNA5 μ gを Saclで完全に消化した。 0. 8%ァ ガロースゲル電気泳動により約 3kbの DNAを分離し、 Gene Clean II Kit (フナコ シ社製)を用いて DNAを精製し、 10 μ 1の ΤΕに溶解した。このうち 4 μ 1と、 Saclで 37
。C、 16時間反応させて完全に消化した後、 Alkaline
Phosphatase (E. coli C75)で 37。C、 30分、 50。C、 30分処理した pUC118とを 混合し、 DNA Ligation Kit Ver. 2 (宝酒造製)を用いて連結反応を行った。こ のライゲーシヨン反応液 5 ^Escherichia coli DH5 αのコンビテント'セル(宝 酒造社製) 100 μ 1とを混合して、 Escherichia coliを形質転換した。これを適当な 固形培地に塗布し、染色体 DNAライブラリーを作製した。
[0182] ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、上記プローブを用いたコロニー ハイブリダィゼーシヨンによる染色体 DNAライブラリーのスクリーニングを行った。コロ ニーハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Sprin g Harbor press(1989)に説明されている。
[0183] 染色体 DNAライブラリーのコロニーをナイロンメンブレンフィルター Nylon Memb ranes for Colony and Plaque Hybridization (ロシュ'タイアグノテイクス社製 )に移し、アルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EA SY HYB (ベーリンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 37°Cで 1時 間プレハイブリダィゼーシヨンを行った後、上記ジゴキシュゲンによる標識プローブを 添加し、 37°Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィルターを 0. 1% SDSを含む 1 X SSCで 60°Cで洗浄を 2回行った。
[0184] 標識プローブとハイブリダィズするコロニーの検出は、 DIG Nucleotide
Detection Kit (ベーリンガー 'マンノヽィム社製)を使用して、説明書に基づき行つ た。その結果、標識プローブとハイブリダィズするコロニーを 6株確認できた。
[0185] (5)スフインゴバタテリゥム エスピー由来ペプチド生成酵素遺伝子の塩基配列
標識プローブとハイブリダィズしたことが確認された上記 6菌株から、ェシエリヒア コ リ DH5 αが保有するプラスミドを、 Wizard Plus Minipreps DNA Purificatio n System (プロメガ社製)を用いて調製し、プローブとハイブリダィズした近傍の塩 基配列を決定した。シーケンス反応は CEQ DTCS - Quick Start Kit (ベックマ ン.コールター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動は CEQ 20 00—XL (ベックマン 'コールター社製)を用いて行った。
[0186] その結果、ペプチド生成酵素をコードするオープンリーディングフレームが存在した
。スフインゴパクテリゥム エスピー由来ペプチド生成酵素遺伝子全長の塩基配列とこ れに対応するアミノ酸配列を配列表配列番号 11に示した。スフインゴパクテリゥム ェ スピー由来ペプチド生成酵素は、ェンぺドパクターブレビス由来ペプチド生成酵素と アミノ酸配列で 63. 5%の相同性を示した (BLASTPプログラムを使用)。
[0187] (6)スフインゴパクテリゥム属由来のペプチド生成酵素遺伝子の大腸菌における発現 スフインゴバタテリゥム エスピー FERM BP— 8124の染色体 DNAを铸型として 配列番号 13、 14に示すオリゴヌクレオチドをプライマーとして PCRにより目的遺伝子 を増幅した。この DNA断片を Ndel/Xbalにて処理し、得られた DNA断片と pTrpTの Ndel/Xbal処理物をライゲーシヨンした。このライゲーシヨン溶液でェシエリヒア コリ J M109株を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプラスミドを有する株を 選択し、このプラスミドを pTrpT— Sm— aetと命名した。
[0188] pTrpT— Sm— aetを有するェシエリヒア コリ JM109株を 3mlの培地(2g/l グル コース、 lOgZl 酵母エキス、 lOgZlカザミノ酸、 5gZl硫酸アンモ-ゥム、 3gZlリン 酸二水素カリウム、 lgZlリン酸水素二カリウム、 0. 5gZl硫酸マグネシウム七水和物 、 lOOmg/1アンピシリン)を張り込んだ普通試験管に一白金耳植菌し、 25°C、 20時 間の本培養を行った。培養液 lmlあたり 0. 53Uのひ -AMP生成活性を有しており、 クロー-ングした遺伝子がエシ リヒア コリで発現したことを確認した。なお、対照と して pTrpTのみを導入した形質転換体には、活性は検出されなカゝつた。
[0189] (シグナル配列予測)
配列表に記載の配列番号 12番のアミノ酸配列を SignalP vl. 1プログラム(Protei n Engineering, voll2, no.l, pp.3- 9, 1999)にて解析したところ、アミノ酸配列の 1 20番目までがシグナルとして機能してペリブラズムに分泌すると予測され、成熟タ ンパクは 21番目より下流であると推定された。
[0190] (シグナル配列の確認)
pTrpT— Sm— aetを有するェシエリヒア コリ JM109株を 50mlの培地(2g/l グ ルコース、 lOgZl 酵母エキス、 lOgZlカザミノ酸、 5gZl硫酸アンモ-ゥム、 3gZlリ ン酸ニ水素カリウム、 lgZlリン酸水素二カリウム、 0. 5gZl硫酸マグネシウム七水和 物、 lOOmg/1アンピシリン)を張り込んだ普通試験管に一白金耳植菌し、 25°C、 20
時間の本培養を行った。
[0191] 以下、遠心分離以降の操作は氷上あるいは 4°Cにて行った。培養終了後、これらの 培養液から菌体を遠心分離し、 lOOmMリン酸緩衝液 (pH7)にて洗浄後、同緩衝液 に懸濁した。 195Wにて 20分間超音波破砕処理を行い、超音波破砕処理液を遠心 分離(12, OOOrpm, 30分)し、破砕菌体片を除去することにより可溶性画分を得た。 得られた可溶性画分を lOOmMリン酸緩衝液 (pH7)にて予め平衡ィ匕した CHT-Πカラ ム (バイオラッド製)に供し、 500mMリン酸緩衝液による直線的な濃度勾配で酵素を 溶出させた。活性画分と 5倍量の 2M硫酸アンモ-ゥム、 lOOmMリン酸緩衝液とを混 合した溶液を、 2M硫酸アンモ-ゥム、 lOOmMリン酸緩衝液にて予め平衡化した Re source- PHEカラム(アマシャム社製)に供し、 2〜0M硫酸アンモ-ゥムによる直線的 な濃度勾配で酵素を溶出させ、活性画分溶液を得た。これらの操作により、ペプチド 生成酵素は電気泳動的に単一に精製されたことが確認された。
[0192] 上記ペプチド生成酵素をエドマン分解法によりアミノ酸配列を決定したところ、配列 番号 15のアミノ酸配列を取得し、 SignalP vl.lプログラムで予測されたとおり成熟タン ノ クは 21番目より下流であることが確認された。
実施例 8
[0193] ぺドパクター へパリナス IFO 12017由来のペプチド生成酵素遺伝子の単離 以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はぺドパクター へパリナス IFO 12017株 (寄託機関;財団法人発酵研究所、寄託先住所;日本国 大阪市淀川区十三本町 2丁目 17— 85)を用いた。遺伝子の単離にはェシエリヒア コリ(Escherichia coli)JM109株を宿主に用い、ベクターは pUC118を用いた。
[0194] (1)菌体の取得
ぺドパクター へパリナス IFO 12017株を CM2G寒天培地(50gZl ダルコ一 ス、 lOgZl 酵母エキス、 lOg/1 ペプトン、 5g/l 塩ィ匕ナトリウム、 20gZl寒天, P H7. 0))上で 25°C、 24時間培養した。この菌体を、 50mlの CM2G液体培地(上記 培地より寒天を除いた培地)を張り込んだ 500mlの坂口フラスコに 1白金耳植菌し、 2 5°Cで振盪培養した。
[0195] (2)菌体からの染色体 DNAの取得
培養液 50mlを遠心分離(12, 000rpm、 4°C、 15分間)し、集菌した。 QIAGEN G enomic-tip System (Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体から染 色体 DNAを取得した。
[0196] (3) PCR法によるプローブ用 DNA断片の取得
ぺドパクター へパリナス IFO 12017株由来のペプチド生成酵素遺伝子の一部 を含む DNA断片を、 LA- Taq (宝酒造社製)を用いた PCR法により取得した。ぺドバ クタ一 へパリナス IFO 12017株から取得した染色体 DNAに対し、配列番号 15 及び 16に示す塩基配列を有するプライマーを使用して PCR反応を行った。 PCRで 増幅された約 lkbDNA断片を、 0. 8%ァガロース電気泳動により分離した。 目的の バンドを切り出し、精製した。この DNA断片を DIG High Prime (ベーリンガ一'マン ノ、ィム社製)を使用して、説明書に基づきプローブのジゴキシュゲンによる標識を行 つた o
[0197] (4)遺伝子ライブラリーからのペプチド生成酵素遺伝子のクローユング
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記 PCRにおいて増幅さ れた DNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダィゼーシヨンを行った。サザ ンハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
[0198] ぺドパクター へパリナス IFO 12017株の染色体DNAを制限酵素HindΠIで37 。C、 16時間反応させて完全に消化した後、 0. 8%ァガロースゲルで電気泳動した。 電気泳動後のァガロースゲノレからナイロンメンブレンフイノレター Nylon membranes p ositively charged (ロシュ ·ダイァグノテイクス社製)にブロッテイングし、アルカリ変性、 中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EASY HYB (ベーリンガ一' マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 50°Cで 1時間プレハイブリダィゼーシ ヨンを行った後、上記で作製した、ジゴキシュゲンによる標識プローブを添加し、 50 °Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィルターを 0. 1%SDSを含 む 1 X SSCで 60°Cで洗浄を 2回行った。
[0199] プローブとハイブリダィズするバンドの検出は、 DIG Nucleotide Detection Kit (ベ 一リンガー 'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、プロ一
ブとハイブリダィズする約 5kbのバンドが検出できた。
[0200] ぺドパクター へパリナス IFO 12017株の染色体DNA5 iu gをHindΠIで完全に 消化した。 0. 8%ァガロースゲル電気泳動により約 5kbの DNAを分離し、 Gene Cle anil Kit (フナコシ社製)を用いて DNAを精製し、 10 μ 1の ΤΕに溶解した。このうち 4 1と、 pUC118 Hindlll/BAP (宝酒造製)とを混合しとを混合し、 DNA Ligation Kit Ver.2 (宝酒造製)を用いて連結反応を行った。このライゲーシヨン反応液 5 μ 1と Esche richia coli JM109株のコンビテント'セル(宝酒造社製) 100 /z 1とを混合して、 Escher ichia coliを形質転換した。これを適当な固形培地に塗布し、染色体 DNAライブラリ 一を作製した。
[0201] ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、上記プローブを用いたコロニー ハイブリダィゼーシヨンによる染色体 DNAライブラリーのスクリーニングを行った。コロ ニーハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Sprin g Harbor press(1989)に説明されている。
[0202] 染色体 DNAライブラリーのコロニーをナイロンメンブレンフィルター NylonMembrane s for Colony and Plaque Hybridization (ロシュ'ダイァグノテイクス社製)に移し、 アルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EASY HYB ( ベーリンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 37°Cで 1時間プレハイ ブリダィゼーシヨンを行った後、上記ジゴキシュゲンによる標識プローブを添加し、 37 °Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィルターを 0. 1%SDSを含 む 1 X SSCで 60°Cで洗浄を 2回行った。
[0203] 標識プローブとハイブリダィズするコロニーの検出は、 DIG Nucleotide Detection Kit (ベーリンガー 'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、 標識プローブとハイブリダィズするコロニーを 1株確認できた。
[0204] (5)ぺドパクター へパリナス IFO 12017株由来ペプチド生成酵素遺伝子の塩基 配列
標識プローブとハイブリダィズしたことが確認された上記 1菌株から、ェシエリヒア コ リ JM109株が保有するプラスミドを調製し、プローブとハイブリダィズした近傍の塩 基配列を決定した。シーケンス反応は CEQ DTCS- Quick Start Kit (ベックマン'コ
一ルター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動は CEQ 2000-XL (ベックマン'コールター社製)を用いて行った。
[0205] その結果、ペプチド生成酵素をコードするオープンリーディングフレームが存在した 。ぺドパクター へパリナス IFO 12017株由来ペプチド生成酵素遺伝子全長の塩 基配列とこれに対応するアミノ酸配列を配列表配列番号 17に示した。
実施例 9
[0206] ぺドパクター へパリナス IFO 12017株由来のペプチド生成酵素遺伝子の大腸 菌における発現
ぺドパクター へパリナス IFO 12017株の染色体 DNAを铸型として配列番号 1 9、 20に示すオリゴヌクレオチドをプライマーとして PCRにより目的遺伝子を増幅した 。この DNA断片を NdelZHindlllにて処理し、得られた DNA断片と pTrpTの NdelZ Hindlll処理物をライゲーシヨンした。このライゲーシヨン溶液でェシエリヒアコリ JM10 9株を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプラスミドを有する株を選択し 、このプラスミドを pTrpT— Ph— aetと命名した。
[0207] pTrpT— Ph— aetを有するェシエリヒア コリ JM109株を 3mlの培地(2g/l グル コース、 lOgZl 酵母エキス、 lOgZlカザミノ酸、 5gZl硫酸アンモ-ゥム、 3gZlリン 酸二水素カリウム、 lgZlリン酸水素二カリウム、 0. 5gZl硫酸マグネシウム七水和物 、 lOOmg/1アンピシリン)を張り込んだ普通試験管に一白金耳植菌し、 25°C、 20時 間の本培養を行った。培養液 lmlあたり 0. 01Uのひ -AMP生成活性を有しており、 クロー-ングした遺伝子がエシ リヒア コリで発現したことを確認した。なお、対照と して pTrpTのみを導入した形質転換体には、活性は検出されなカゝつた。
実施例 10
[0208] タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス(Taxeobacter gelupurpurascens) DSM Z 11116株由来のペプチド生成酵素遺伝子の単離
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はタキセォバタ ター ゲルプルプルアツセンス DSMZ 11116株(寄託機関; Deutche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (uerman し oliectionof Microorga nisms and Cell Cultures ^ 先住所; Mascheroder Weg lb, 38124 Braunsch
weig, Germany)を用いた。遺伝子の単離にはェシエリヒア コリ(Escherichia coli)j M109株を宿主に用い、ベクターは pUC 118を用いた。
[0209] (1)菌体の取得
タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス DSMZ 11116株を CM2G寒天培 地(50gZl グルコース、 lOgZl 酵母エキス、 lOgZl ペプトン、 5gZl 塩化ナトリ ゥム、 20gZl寒天, ρΗ7. 0)上で 25°C、 24時間培養した。この菌体を、 50mlの CM 2G液体培地(上記培地より寒天を除!、た培地)を張り込んだ 500mlの坂口フラスコ に 1白金耳植菌し、 25°Cで振盪培養した。
[0210] (2)菌体からの染色体 DNAの取得
培養液 50mlを遠心分離(12, 000rpm、 4°C、 15分間)し、集菌した。 QIAGEN G enomic-tip System (Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体から染 色体 DNAを取得した。
[0211] (3) PCR法によるプローブ用 DNA断片の取得
タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス DSMZ 11116株由来のペプチド生 成酵素遺伝子の一部を含む DNA断片を、 LA-Taq (宝酒造社製)を用いた PCR法に より取得した。タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス DSMZ 11116株力ら取 得した染色体 DNAに対し、配列番号 21及び 16に示す塩基配列を有するプライマ 一を使用して PCR反応を行った。 PCRで増幅された約 lkbDNA断片を、 0. 8%ァ ガロース電気泳動により分離した。 目的のバンドを切り出し、精製した。この DNA断 片を DIG High Prime (ベーリンガー 'マンノヽィム社製)を使用して、説明書に基づき プローブのジゴキシュゲンによる標識を行った。
[0212] (4)遺伝子ライブラリーからのペプチド生成酵素遺伝子のクローユング
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記 PCRにおいて増幅さ れた DNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダィゼーシヨンを行った。サザ ンハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring
Harbor press(1989)に説明されている。
[0213] タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス DSMZ 11116株の染色体 DNAを 制限酵素 Pstlで 37°C、 16時間反応させて完全に消化した後、 0. 8%ァガロースゲル
で電気泳動した。電気泳動後のァガロースゲルカゝらナイロンメンブレンフィルター Nyl on membranes positively charged (ロシュ'タイアグノテイクス社製)にブロッテイング し、アルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EASY H YB (ベーリンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 50°Cで 1時間プレ ノ、イブリダィゼーシヨンを行った後、上記で作製した、ジゴキシュゲンによる標識プロ ーブを添カ卩し、 50°Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィルターを 0. 1%SDSを含む 1 X SSCで 60。Cで洗浄を 2回行った。
[0214] プローブとハイブリダィズするバンドの検出は、 DIG Nucleotide Detection Kit (ベ 一リンガー 'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、プロ一 ブとハイブリダィズする約 5kbのバンドが検出できた。
[0215] タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス DSMZ 11116株の染色体 DNA5 gを Pstlで完全に消化した。 0. 8%ァガロースゲル電気泳動により約 5kbの DNAを 分離し、 Gene Cleanll Kit (フナコシ社製)を用いて DN Aを精製し、 10 1の TEに 溶解した。このうち 4 μ 1と、 pUC118 Pstl/BAP (宝酒造製)とを混合し、 DNA Ligation
Kit Ver.2 (宝酒造製)を用いて連結反応を行った。このライゲーシヨン反応液 5 μ 1 と Escherichia coli JM109株のコンビテント ·セル(宝酒造社製) 100 μ 1とを混合して 、 Escherichia coliを形質転換した。これを適当な固形培地に塗布し、染色体 DNAラ イブラリーを作製した。
[0216] ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、上記プローブを用いたコロニー ハイブリダィゼーシヨンによる染色体 DNAライブラリーのスクリーニングを行った。コロ ニーハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Sprin g Harbor press(1989)に説明されている。
[0217] 染色体 DNAライブラリーのコロニーをナイロンメンブレンフィルター NylonMembrane s for Colony and Plaque Hybridization (ロシュ'ダイァグノテイクス社製)に移し、 アルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EASY HYB ( ベーリンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 37°Cで 1時間プレハイ ブリダィゼーシヨンを行った後、上記ジゴキシュゲンによる標識プローブを添加し、 37 °Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィルターを 0. 1%SDSを含
む 1 X SSCで 60°Cで洗浄を 2回行った。
[0218] 標識プローブとハイブリダィズするコロニーの検出は、 DIG Nucleotide Detection
Kit (ベーリンガー 'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、 標識プローブとハイブリダィズするコロニーを 1株確認できた。
[0219] (5)タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス DSMZ 11116株由来ペプチド生 成酵素遺伝子の塩基配列
標識プローブとハイブリダィズしたことが確認された上記 1菌株から、ェシエリヒア コ リ JM109株が保有するプラスミドを調製し、プローブとハイブリダィズした近傍の塩 基配列を決定した。シーケンス反応は CEQ DTCS- Quick Start Kit (ベックマン'コ 一ルター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動は CEQ 2000-XL
(ベックマン'コールター社製)を用いて行った。
[0220] その結果、ペプチド生成酵素をコードするオープンリーディングフレームが存在した
。タキセォパクター ゲルプルプルアツセンス DSMZ 11116株由来ペプチド生成 酵素遺伝子全長の塩基配列とこれに対応するアミノ酸配列を配列表配列番号 22〖こ 示した。
実施例 11
[0221] サイクロバタテリゥム マリナム (Cyclobacterium marinum) ATCC 25205株由来 のペプチド生成酵素遺伝子の単離
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はサイクロバクテ リウム マリナム ATCC 25205株(寄託機関;アメリカン'タイプ'カルチヤ一'コレク シヨン、寄託先住所; P.O.Box 1549 Manassas, VA 20110, the United States o f America)を用いた。遺伝子の単離にはェシエリヒア コリ(Escherichia coli)jM109 株を宿主に用い、ベクターは pUC 118を用いた。
[0222] (1)菌体の取得
サイクロバタテリゥム マリナム ATCC 25205株を CM2G寒天培地(50gZl グ ノレ =3—ス、 lOg/1 酵母エキス、 lOg/1 ペプトン、 5g/l 塩ィ匕ナ卜!;クム、 20g/l寒 天, pH7. 0))上で 25°C、 24時間培養した。この菌体を、 50mlの CM2G液体培地( 上記培地より寒天を除いた培地)を張り込んだ 500mlの坂口フラスコに 1白金耳植菌
し、 25°Cで振盪培養した。
[0223] (2)菌体からの染色体 DNAの取得
培養液 50mlを遠心分離(12, OOOrpm、 4°C、 15分間)し、集菌した。 QIAGEN G enomic-tip System (Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体から染 色体 DNAを取得した。
[0224] (3) PCR法によるプローブ用 DNA断片の取得
サイクロバタテリゥム マリナム ATCC 25205株由来のペプチド生成酵素遺伝子 の一部を含む DNA断片を、 LA-Taq (宝酒造社製)を用いた PCR法により取得した。 サイクロバタテリゥム マリナム ATCC 25205株から取得した染色体 DNAに対し、 配列番号 15及び 16に示す塩基配列を有するプライマーを使用して PCR反応を行つ た。 PCRで増幅された約 lkbDNA断片を、 0. 8%ァガロース電気泳動により分離し た。 目的のバンドを切り出し、精製した。この DNA断片を DIG High Prime (ベーリン ガー'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づきプローブのジゴキシュゲンによる 標識を行った。
[0225] (4)遺伝子ライブラリ一力 のペプチド生成酵素遺伝子のクローユング
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記 PCRにおいて増幅さ れた DNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダィゼーシヨンを行った。サザ ンハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
[0226] サイクロバタテリゥム マリナム ATCC 25205株の染色体 DNAを制限酵素 Pstl もしくは Hindiで 37°C、 16時間反応させて完全に消化した後、それぞれ 0. 8%ァガ ロースゲルで電気泳動した。電気泳動後のァガロースゲルからナイロンメンブレンフィ ノレター Nylon membranes positively charged (ロシュ'ダイァグノテイクス社製)にブロ ッティングし、アルカリ変性、中和、固定ィ匕の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EASY HYB (ベーリンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 50°Cで 1 時間プレハイブリダィゼーシヨンを行った後、上記で作製した、ジゴキシニゲンによる 標識プローブを添カ卩し、 50°Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィ ルターを 0. 1%SDSを含む 1 X SSCで 60°Cで洗浄を 2回行った。
[0227] プローブとハイブリダィズするバンドの検出は、 DIG Nucleotide Detection Kit (ベ 一リンガー 'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、プロ一 ブとハイブリダィズする Pstl消化産物では 7k、 Hindi消化産物では 2kのバンドが検出 できた。
[0228] サイクロバタテリゥム マリナム ATCC 25205株の染色体 DNA5 gを Pstlもしく は Hindiで完全に消化した。 0. 8%ァガロースゲル電気泳動によりそれぞれ約 7kbも しくは 2kbの DNAを分離し、 Gene Cleanll Kit (フナコシ社製)を用いて DNAを精製 し、 10 μ 1の ΤΕに溶解した。このうち 4 μ 1と、それぞれ pUC118 Pstl/BAP (宝酒造製 )もしくは PUC118 HincII/BAP (宝酒造製)とを混合し、 DNA Ligation Kit Ver.2 ( 宝酒造製)を用いて連結反応を行った。このライゲーシヨン反応液 5 μ ^Escherichia coli JM109株のコンビテント'セル(宝酒造社製) 100 μ 1とをそれぞれ混合して、 Es cherichiacoliを形質転換した。これを適当な固形培地に塗布し、染色体 DNAライブラ リーを作製した。
[0229] ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、上記プローブを用いたコロニー ハイブリダィゼーシヨンによる染色体 DNAライブラリーのスクリーニングを行った。コロ ニーハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Sprin g Harbor press(1989)に説明されている。
[0230] 染色体 DNAライブラリーのコロニーをナイロンメンブレンフィルター NylonMembrane s for Colony and Plaque Hybridization (ロシュ'ダイァグノテイクス社製)に移し、 アルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EASY HYB ( ベーリンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 37°Cで 1時間プレハイ ブリダィゼーシヨンを行った後、上記ジゴキシュゲンによる標識プローブを添加し、 37 °Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィルターを 0. 1%SDSを含 む 1 X SSCで 60°Cで洗浄を 2回行った。
[0231] 標識プローブとハイブリダィズするコロニーの検出は、 DIG Nucleotide Detection Kit (ベーリンガー 'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、 標識プローブとハイブリダィズするコロニーをそれぞれ 1株確認できた。
[0232] (5)サイクロバタテリゥム マリナム ATCC25205株由来ペプチド生成酵素遺伝子
の塩基配列
上記、標識プローブとハイブリダィズしたことが確認されたそれぞれ 1菌株から、ェ シエリヒア コリ JM109株が保有するプラスミドを調製し、プローブとハイブリダィズし た近傍の塩基配列を決定した。シーケンス反応は CEQ DTCS- Quick Start Kit (ベ ックマン ·コールター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動は CEQ
2000-XL (ベックマン ·コ一ルター社製)を用 、て行つた。
[0233] その結果、ペプチド生成酵素をコードするオープンリーディングフレームが存在した 。サイクロバタテリゥム マリナム ATCC 25205株由来ペプチド生成酵素遺伝子全 長の塩基配列とこれに対応するアミノ酸配列を配列表配列番号 24に示した。
実施例 12
[0234] サイクロセルペンス ブルトネンシス(Psycloserpens burtonensis) ATCC 700359 由来のペプチド生成酵素遺伝子の単離
以下、ペプチド生成酵素遺伝子の単離について述べるが、微生物はサイクロセル ペンス ブルトネンシス ATCC 700359株(寄託機関;アメリカン'タイプ'カルチヤ ~ ·コレクション、寄託先住所; P.O.Box 1549 Manassas, VA 20110, the United States of America)を用いた。遺伝子の単離にはェシエリヒア コリ(Escherichia c oli)JM109株を宿主に用い、ベクターは pUCl 18を用いた。
[0235] (1)菌体の取得
サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株を CM2G寒天培地(50g Λ グノレ =3—ス、 lOg/1 酵母エキス、 lOg/1 ペプトン、 5g/l 塩ィ匕ナ卜!;クム、 20 gZl寒天, ρΗ7. 0))上で 25°C、 24時間培養した。この菌体を、 50mlの CM2G液体 培地(上記培地より寒天を除 、た培地)を張り込んだ 500mlの坂口フラスコに 1白金 耳植菌し、 10°Cで振盪培養した。
[0236] (2)菌体からの染色体 DNAの取得
培養液 50mlを遠心分離(12, 000rpm、 4°C、 15分間)し、集菌した。 QIAGEN G enomic-tip System (Qiagen社)を用いて、説明書の方法に基づき、この菌体から染 色体 DNAを取得した。
[0237] (3) PCR法によるプローブ用 DNA断片の取得
サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株由来のペプチド生成酵素 遺伝子の一部を含む DNA断片を、 LA-Taq (宝酒造社製)を用いた PCR法により取 得した。サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株力ら取得した染色 体 DNAに対し、配列番号 15及び 16に示す塩基配列を有するプライマーを使用して PCR反応を行った。 PCRで増幅された約 lkbDNA断片を、 0. 8%ァガロース電気 泳動により分離した。 目的のバンドを切り出し、精製した。この DNA断片を DIG High Prime (ベーリンガー 'マンノ、ィム社製)を使用して、説明書に基づきプローブのジゴ キシュゲンによる標識を行った。
[0238] (4)遺伝子ライブラリ一力 のペプチド生成酵素遺伝子のクローユング
ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、まず、上記 PCRにおいて増幅さ れた DNA断片をプローブとして用いたサザンハイブリダィゼーシヨンを行った。サザ ンハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press(1989)に説明されている。
[0239] サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株の染色体 DNAを制限酵 素 EcoRIで 37°C、 16時間反応させて完全に消化した後、 0. 8%ァガロースゲルで電 気泳動した。電気泳動後のァガロースゲルからナイロンメンブレンフィルター Nylon m embranes positively charged (ロシュ'ダイァグノテイクス社製)にブロッテイングし、ァ ルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EASY HYB (ベ 一リンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 50°Cで 1時間プレハイブリ ダイゼーシヨンを行った後、上記で作製した、ジゴキシュゲンによる標識プローブを添 加し、 50°Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィルターを 0. 1%S DSを含む 1 X SSCで 60°Cで洗浄を 2回行った。
[0240] プローブとハイブリダィズするバンドの検出は、 DIG Nucleotide Detection Kit (ベ 一リンガー 'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、プロ一 ブとハイブリダィズする約 7kbのバンドが検出できた。
[0241] サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株の染色体 DNA5 gを Ec oRIで完全に消化した。 0. 8%ァガロースゲル電気泳動により約 7kbの DNAを分離 し、 Gene Cleanll Kit (フナコシ社製)を用いて DNAを精製し、 10 1の TEに溶解し
た。このうち 4 1と、 pUC118 EcoRI/BAP (宝酒造製)とを混合し、 DNA Ligation Kit Ver.2 (宝酒造製)を用いて連結反応を行った。このライゲーシヨン反応液 5 μ 1と Esc herichia coli JM109株のコンビテント'セル(宝酒造社製) 100 /z 1とを混合して、 Esch erichia coliを形質転換した。これを適当な固形培地に塗布し、染色体 DNAライブラ リーを作製した。
[0242] ペプチド生成酵素遺伝子全長を取得するために、上記プローブを用いたコロニー ハイブリダィゼーシヨンによる染色体 DNAライブラリーのスクリーニングを行った。コロ ニーハイブリダィゼーシヨンの操作は、 Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Sprin g Harbor press(1989)に説明されている。
[0243] 染色体 DNAライブラリーのコロニーをナイロンメンブレンフィルター NylonMembrane s for Colony and Plaque Hybridization (ロシュ'ダイァグノテイクス社製)に移し、 アルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。ハイブリダィゼーシヨンは EASY HYB ( ベーリンガ一'マンハイム社製)を用いて行った。フィルターを 37°Cで 1時間プレハイ ブリダィゼーシヨンを行った後、上記ジゴキシュゲンによる標識プローブを添加し、 37 °Cで 16時間ハイブリダィゼーシヨンを行った。この後、フィルターを 0. 1%SDSを含 む 1 X SSCで 60°Cで洗浄を 2回行った。
[0244] 標識プローブとハイブリダィズするコロニーの検出は、 DIG Nucleotide Detection Kit (ベーリンガー 'マンハイム社製)を使用して、説明書に基づき行った。その結果、 標識プローブとハイブリダィズするコロニーを 1株確認できた。
[0245] (5)サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株由来ペプチド生成酵素 遺伝子の塩基配列
標識プローブとハイブリダィズしたことが確認された上記 1菌株から、ェシエリヒア コ リ JM109株が保有するプラスミドを調製し、プローブとハイブリダィズした近傍の塩 基配列を決定した。シーケンス反応は CEQ DTCS- Quick Start Kit (ベックマン'コ 一ルター社製)を用いて、説明書に基づき行った。また、電気泳動は CEQ 2000-XL (ベックマン'コールター社製)を用いて行った。
[0246] その結果、ペプチド生成酵素をコードするオープンリーディングフレームが存在した 。サイクロセルペンス ブルトネンシス ATCC 700359株由来ペプチド生成酵素遺
伝子全長の塩基配列とこれに対応するアミノ酸配列を配列表配列番号 26に示した。
[0247] (参考例 2)ぺプチダーゼ欠損株の構築
(1)アミノアシルヒスチジンジぺプチダーゼ遺伝子 (pepD遺伝子)の欠損
遺伝子データバンクのアミノアシルヒスチジンジぺプチダーゼ遺伝子(pepD遺伝子 )の配列情報 (DDBJ/EMBL/GenBank Accession No. AE000132)に基づき、 5し G ATCTGGCGCACTAAAAACC (配列番号 28)と 5'- GGGATGGCTTTTATCGAAGG( 配列番号 29)のプライマーを合成した。本プライマーを用い、ェシエリヒア'コリ ATCC 8739株のゲノム DNAを铸型として、 PCR法 (94°C, 1分, 54°C, 2分, 72°C, 3分, 30 サイクル) 〖こより、 SD-ATGと翻訳終止コドンをカバーする構造遺伝子領域の約 1.6K bp 増 ipgした。これを ¾ureし lone Ligation Kit (Amersham Pharmacia Biotech社製 ) を用いて pUC18 (宝酒造社製)ベクターの Sma Iサイトに連結し、 pUC18- pepDを構 築した。本プラスミドでェシエリヒア 'コリ JM109株 competene cells (宝酒造社製)を 形質転換し、アンピシリン 50 /z g/mlを含む LB寒天プレート(Tryptone 1%, Yeast ext ract 0.5%, NaCl 0.5%, 寒天 1.5%, pH7.0)に生育させた。この形質転換体をアン ピシリン 50 /z g/mlを含む LB液体培地(Tryptone 1%, Yeast extract 0.5%, NaCl 0 .5%, pH7.0)で 37°C、 16時間培養し、集菌した形質転換体力ゝらプラスミドを調製した。 次に pUC18-pepDを Nru I並びに Hpa I (pepD遺伝子を含む 1.6Kbpの挿入断片中の 制限酵素サイト)で切断し、セルフライゲーシヨン反応を行った。このライゲーシヨン反 応液を用いて、ェシエリヒア'コリ JM109株のコンビテント'セル(competenet cells)を 形質転換し、アンピシリン 50 g/mlを含む LB寒天プレートに生育する形質転換体か らプラスミドを調製した。これより 1.4Kbpの挿入 DNA断片を有するプラスミド DNA、 pU C A pepDを選択した。本プラスミド DNAに連結された pepD遺伝子は Nru I— Hpa I領 域が欠損し、コードされる酵素は機能を持たなくなると予想される。
[0248] 次に、 pUC A pepDを EcoR I並びに Sal Iで切断し、欠損型 pepD遺伝子を含む 1.4K bpの DNA断片を調製した。この DNA断片を温度感受性複製起点 (tsori) を有する 相同組換え用ベクターである PMAN997の EcoR I/Sal Iサイトに連結し、 pepD遺伝子 欠損用プラスミド pMAN A pepDを構築した。 pMAN A pepDで形質転換された、大腸菌 K12株亜種であるェシエリヒア'コリ JM 109株をアンピシリン 50 μ g/mlを含む LB液体
培地で 30°C、 16時間培養し、集菌した形質転換体から pMAN A pepDを調製した。
[0249] 次!、で、 pepD遺伝子欠損用プラスミド ρΜΑΝ Δ pepDを用い、エレクト口ポーレーショ ン法にてェシエリヒア.コリ ATCC8739株を形質転換し、アンピシリン 50 g/mlを含む L B寒天プレートにプレーティングし、 30°Cで生育させた。(なお、 ATCC番号が記載さ れているものは、アメリカン'タイプ'カルチャ^ ~ ·コレクション(P.O.Box 1549 Manass as, VA 20110, the United States of America)に寄託されており、各番号を参照 して分譲を受けることができる。)得られた形質転換体の複数個を、アンピシリン 50 g /mlを含む LB液体培地 4 ml ( ΐ.4 cm X 18 cm試験管) にて 30°C、 16時間培養し た。この培養液を生理食塩水で希釈した後、アンピシリン 50 g/mlを含む LB寒天プ レートにプレーティングし、 42°Cにて 10時間培養を行い、シングルコロニーを得た。さ らに、ここで得たシングルコロニーを再度、上記と同様の方法にて培養してシングル コロニーを単離し、相同組み換えによりプラスミド全体が染色体に組み込まれたクロ ーンを選択した。さらに、アンピシリン 50 g/mlを含む LB培地で培養した相同組み換 え株力 プラスミドの抽出操作を行 、、本株がプラスミドを細胞質液中に持たな 、こと を確認した。
[0250] 次に、上記の相同組み換えによりプラスミド全体が染色体に組み込まれたクローン 力も、 10クローンを選び、 M9最少液体培地 (4 ml、ll^≡i^Na PO 6.8 g, KH PO
2 4 2 4
3 g, NaCl 0.5 g, NH CI 1 g, MgSO - 7H O 0.5 g, CaCl -2H O 15 mg,
4 4 2 2 2
ThiaminHCl 2 mg, Glucose 0.2 g, pH7.0) にて 30°C、 24時間培養した。この培 養液 100 /z lを同培地 (4 ml) に移し、更に 42°Cにて 24時間培養を行った。培養液 を生理食塩水にて希釈後、 M9最少プレートにスプレッドし、 42°Cにて 12時間培養を 行いシングルコロニーを得た。出現したコロニーを LB寒天プレートとアンピシリン 50 μ g/mlを含む LB寒天プレートに植菌し、 30°Cで 12時間培養した。二回組換えにより、ァ ンピシリン感受性となり LB寒天プレートのみに生育した二回組換え株を選択した。得 られた二回組換え株の染色体 DNAを铸型として配列番号 28および 29の配列のプラ イマ一を用いて PCRにより、 pepD断片を増幅させた。増幅された pepD遺伝子が Nru I -Hpa I領域の欠損した pepD遺伝子断片(約 1.4Kbp)であることより、本株の pepD遺 伝子が欠損型 pepD遺伝子で置換されたことを確認し、本株を pepD欠損株とした。
(2) a -ァスパルチルジぺプチダーゼ遺伝子 (pepE遺伝子) 欠失株の取得 遺伝子データバンクの a -ァスパルチルジぺプチダーゼ遺伝子(pepE遺伝子)の配 列情報 (DDBJ/EMBL/GenBank Accession No. AE000475)に基づき、 5し TATTTG TTATTT CCATTGGC (配列番号 30) と 5'- AATGTCGCTCAACCTTGAAC (配 列番号 31) のプライマーを合成した。本プライマーを用い、ェシエリヒア'コリ ATCC8 739株のゲノム DNAを铸型として、 PCR法 (94°C, 1分, 54°C, 2分, 72°C, 3分, 3 0サイクル) 〖こより、 SD-ATGと翻訳終止コドンをカバーする構造遺伝子領域の約 1.4 Kbpを増幅した。これを SureClone Ligation Kitを用いて pUC18ベクターの Sma Iサ イトに連結し、 PUC18- p印 Eを構築した。本プラスミドで形質転換したェシエリヒア'コリ JM109株のコンビテント'セルをアンピシリン g/mlを含む液体培地で 37°C、 16時 間培養し、集菌した形質転換体力もプラスミドを調製した。次に、 PUC18- pepEを Nru I (pepE断片を含む 1.4Kbpの挿入断片中の制限酵素サイト)で切断し、 EcoR I- Not I-BamH Iアダプターと連結した。これをさらにプラスミドを Not Iで切断し、セルフラ ィゲーシヨン反応を行った。このライゲーシヨン反応液を用いて、ェシエリヒア'コリ JM1 09株 competene cellsを形質転換し、アンピシリン 50 g/mlを含む LB寒天プレート に生育する形質転換体力もプラスミドを調製した。これより、 Not Iにて切断されるブラ スミド DNA、 pUC A pepEを選択した。本プラスミド DNAが有する pepE遺伝子は Nru I サイトでフレームシフトが生じることになり、コードされる酵素は機能を持たなくなると 予想される。次に、 pUC A pepEを EcoR I並びに Sal Iで切断し、欠損型 pepE遺伝子 を含む 1.4Kbpの DNA断片を調製した。 DNA断片を温度感受性複製起点 (tsori) を 有する相同組換え用ベクターである PMAN997の EcoR I/Sal Iサイトに連結し、 pepE 遺伝子欠損用プラスミド pMAN A pepEを構築した。 ρΜΑΝ Δ pepEで形質転換した、ェ シエリヒア 'コリ JM 109株をアンピシリン 50 μ g/mlを含む LB液体培地で 30°C、 16時間 培養し、集菌した形質転換体から ρΜΑΝ Δ ρ印 Eを調製した。この ρ印 Ε遺伝子欠損用 プラスミドを用い、エレクト口ポーレーシヨン法にて上記のェシエリヒア'コリ ATCC8739 の ρ印 D欠損株を形質転換した。続けて同様の操作により、 pepE遺伝子が欠損型 pep E遺伝子に置換され、アンピシリン感受性である二回組換え株を得た。二回組換え株 の染色体 DNAを铸型として、配列番号 30および 31の配列のプライマーを用いて PC
Rにより pepE断片を増幅した。増幅された pepE断片が、制限酵素 Not Iにて切断され ることから、本株の pepE遺伝子が欠損型 pepE遺伝子で置換されたことを確認し、本 株を、 pepD、 pepE二重欠損株とした。
[0252] (参考例 3)スフインゴパクテリゥム属由来のペプチド生成酵素高発現プラスミドの構築
(1) Journal of Bioscience and Bioengineenng (2001) Vol.92, No.l, 50— 54 己 載の通り(もしくは特開平 10— 201481号公報、実施例 24など)、ェンテロバクタ一 · ァエロゲネス(Enterobacter aerogenes) IFO 12010菌株の染色体 DN Aより、酸性フ ォスファターゼ遺伝子領域を含む、制限酵素 Sailと制限酵素 Kpnlで切り出される 1.6k bpの DNA断片を単離し、 pUC118に連結したプラスミド DNAを構築し、 pEAP120と命 名した。 pEAP120は、酸性フォスファターゼのプロモータ及びシグナルペプチドをコ ードする塩基配列が組み込まれたプラスミドである。
[0253] なお、 IFO番号が記載されているものは、財団法人発酵研究所(日本国大阪市淀 川区十三本町 2丁目 17— 85)に寄託されたものである力 平成 14年 6月 30日以降、 その業務は独立行政法人製品評価技術基盤機構 (ΝΙΤΕ) ·バイオテクノロジー本部 (DOB) '生物遺伝資源部門(NBRC)に移管され、 NBRCより上記 IFO番号を参照 して分譲を受けることができる。
[0254] (2)続いて、本遺伝子の上流に存在するプロモータ配列を一部改変し、活性向上 を試みた。 Quikchange site Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を 用いて部位特異的変異を導入し、酸性フォスファターゼ遺伝子推定プロモータ配列 の― 10領域を AAAAATカゝら TATAATへ置換した。変異導入用にデザインした PCR 用オリゴヌクレオチプライマー EM1(5,— CTT ACA GAT GAC TAT AAT GTG A CT AAA AAC ;配列番号 32)ぉょび5\«?1(5'-〇丁丁 TTT AGT CAC ATT ATA GTC ATC TGT AAG;配列番号 33)を合成した。説明書の方法に従って、 pEAP 120を铸型に変異導入を行った。 DNA Sequencing kit Dye Terminator Cycle Se quencing Ready Reaction(PERKIN ELMER社製)を用いた Dye Terminator法により 、310 Genetic analyzer(ABI)にて塩基配列を決定し、目的の変異が導入されている ことを確認し、本プラスミドを PEAP130と命名した。 pEAP130は、酸性フォスファターゼ の N末端領域に由来するシグナルペプチドをコードする塩基配列、および、改変され
たプロモータを有するプラスミドである。
[0255] (3)铸型として上記実施例 7の pTrpT— Sm— aetプラスミド、プライマーとして E-Sp -SI (5 - ccgtaaggaggaatgtagatgaaaaatacaatttcgtgcc ;目列 ¾·号 ύ4)及び S- AS1 (5 - ggctgcagtttgcgggatggaaggccggc;配列番号 35)オリゴヌクレオチド各 0. 4mM並びに KOD plus用緩衝液(TOYOBO社製)、 dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP各 0. 2mM、硫 酸マグネシウム lmM、及び KOD plusポリメラーゼ(TOYOBO社製) 1ユニットを含む 50 1の反応液で、 94。C、 30秒の熱処理の後、 94。Cを 15秒、 55。Cを 30秒、 68。Cを 2分 30秒のサイクルを 25回繰り返す PCRを行 ヽ、成熟型ペプチド生成酵素遺伝子 部分を増幅した。
[0256] (4)また、铸型として上記本参考例 3 (2)で得た pEAP130プラスミド、プライマーとし て E- S1 (5'- cctctagaattttttcaatgtgattt ;配列番号 36)及び ESp- AS1 (5'- gcaggaaatt gtatttttcatctacattcctccttacggtgttat;配列番号 37)オリゴヌクレオチドを用い同条件に て PCRを行!、、酸性フォスファターゼのプロモータ及びシグナル配列部分を増幅し た。反応液をァガロース電気泳動に供し、増幅された各 DNA断片を Microspin colu mn (アマシャム 'ファノレマシア ·バイオテク社製)を用いて回収した。
[0257] (5)次 、で、該増幅断片混合物を铸型とし、プライマーとして E-S1及び S-AS1オリゴ ヌクレオチドを用い、同様の組成の反応液で 94°Cを 15秒、 55°Cを 30秒、 68°Cを 2 分 30秒のサイクルを 25回繰り返す PCRを行い、キメラ型酵素遺伝子を構築した。増 幅された各 DNA断片を Microspin column (アマシャム ·フアルマシア ·バイオテク社 製)を用いて回収し、これを Xba Iと Pst I で消化した。これを pUC19プラスミドの Xba I— Pst Iサイトに連結した。 DNA sequencing kit Dye Terminator Cycle beque ncing Ready Reaction (PERKIN ELMER)を用いた Dye Terminator法により、 310 Genetic analyzer(ABI)にて塩基配列を決定し、 目的の変異が導入されていることを 確認し、本プラスミドを pSaetプラスミドと命名した。
実施例 13
[0258] ぺプチダーゼ遺伝子欠損株を宿主としたスフインゴバタテリゥム属由来アミノ酸エステ ルトランスぺプチダーゼ高発現株による AMPの生産
参考例 2で構築した PepD、 p印 E二重欠損株に、上記参考例 3で構築したスフインゴ
ノ クテリゥム由来アミノ酸エステルトランスぺプチダーゼ発現発現プラスミド pSaetをェ レクト口ポーレーシヨン法にて導入した。菌株をアンピシリン(100 μ g/mL)を含む L— 寒天培地上で、 20°Cで 48時間培養した。次に 1/4プレート分の細胞を 50mLの L 培 地(ペプトン 10g/L、酵母エキス 5g/L、 NaCl 10g/L)に移した。シェーカー (140rpm) を用いて 22°C、 16時間培養した培養液 3ml分 (OD =0.15、 26倍希釈)を以下に示
610
す組成の培地 300mLに植菌し、 1.0Lの容量の実験室用フアーメンター内で 700rpm の回転数で攪拌通気(1/lwm)しながらバッチ培養を行った。糖切れ後の培養液 1 5ml分(OD =0.60、 51倍希釈)を同じ組成の培地 300mlに植菌し、同様のフアーメン
610
ターによるカゝくはん通気(l/lwm)、 20°Cで糖フィード培養を行った。 pHの値は気体 アンモニアで自動的に 7. 0に調整した。
[0259] 培地の組成 (g/L) :
Glucose 25.0
MgSO · 7Η Ο 1.0
4 2
(ΝΗ ) SO 5.0
4 2 4
Η ΡΟ 3.5
3 4
FeSO · 7Η Ο 0.05
4 2
MnSO ·5Η Ο 0.05
4 2
Mameno (ΤΝ) 0.45
GD113 0.1
アンピシリン 0.1
[0260] グルコースと硫酸マグネシウムは別々に滅菌した。他の組成分の pHは ΚΟΗで 5.0に 調整した。
[0261] フィード糖液の組成 (g/L)
Glucose 500.0
pH 無調
[0262] この培養液 25mlを遠心分離 (2200g X 15分)し、菌体沈殿物を得た。これに、水を 2 5ml添カ卩し、菌体懸濁液とした。
実施例 14
[0263] L-ァスパラギン酸- α , β -ジメチルエステル塩酸塩 39.5g、及び L-フエ-ルァラニン 16.5gを水 750mlに溶解し、 6N水酸化ナトリウム水溶液により pH=8.5とした。水を加え て全量を 950mlとした後、 L-フエ-ルァラニン 33.0g及び実施例 13にお!/、て調製した 菌体懸濁液 50mlを添加し、 20°Cで 2時間攪拌した。反応中は、 25wt%水酸ィ匕ナトリウム 水溶液を添加することにより pHを 8.5に維持した。反応終了後、酵素反応溶液を 35% 塩酸で pH=3.0とした後、 40°Cで 3時間攪拌した。遠心分離および膜濾過 (MILLIPOR E製、 JG 0.2 μ m)により菌体を除去した後、酵素反応溶液を HPLCで分析したところ、 a -いァスパルチル -いフエ-ルァラニン- 13 -メチルエステル 16.6g (収率 28.3%)およ びいフエ二ルァラニン 30.2gを含んでいた。
実施例 15
[0264] 実施例 14で得た菌体除去後の酵素反応溶液を濃縮晶析した。 35%塩酸 24mlを添 加した後、濃縮晶析で生成した L-フエ二ルァラニン結晶を濾別し、母液 106.6g (ひ -L -ァスパルチル -ぃフエ-ルァラニン- β -メチルエステル 14. lg含有)を得た。酵素反 応溶液からの L-フエ-ルァラニンの除去率は 88.7%であった。
実施例 16
[0265] 実施例 15で得た母液のうち 53g -ぃァスパルチル -ぃフエ-ルァラニン- β -メチ ルエステル 7.0g含有)を 40°Cで 8時間攪拌した後、メタノール 2mlを加え、 25°Cで 7日 および 10°Cで 1日攪拌した。析出した結晶を濾別し、 a—いァスパルチル -L-フエ- ルァラニン- α -メチルエステル塩酸塩を 6.7g (収率 85.4%)得た。
実施例 17
[0266] 実施例 15で得た母液のうち 53g -ぃァスパルチル -ぃフエ-ルァラニン- β -メチ ルエステル 7.0g含有)にメタノール 2mlを加えた後、 40°Cで 8時間、 25°Cで 7日および 1 0°Cで 1日攪拌した。析出した結晶を濾別したところ、 a—いァスパルチル-いフエ- ルァラニン- α -メチルエステル塩酸塩を 6.6g (収率 83.5%)得た。
実施例 18
[0267] 実施例 16で得られた at一いァスパルチル -ぃフエ-ルァラニン- at -メチルエステ ル塩酸塩 6.7gを水 100mlに溶解した後、 18wt%炭酸ナトリウム水溶液で pH=4.8に調整
した。 15°Cで 1時間攪拌した後、析出した結晶を濾別したところ、 a一いァスバルチ ル-ぃフエ-ルァラニン- α -メチルエステルを 4.5g (収率 75%)得た。
実施例 19
[0268] L-ァスパラギン酸- α , β -ジメチルエステルモノメチル硫酸塩 27.2g、及び L-フエ- ルァラニン 8.25gを水 400mlに溶解し、 6N水酸化ナトリウム水溶液により pH=8.5とした。 水をカ卩えて全量を 500mlとした後、 L-フエ-ルァラニン 16.5g及び実施例 13において 調製した菌体懸濁液 25mlを添加し、 20°Cで 2時間攪拌した。反応中は、 25wt%水酸化 ナトリウム水溶液を添加することにより pHを 8.5に維持した。反応終了後、酵素反応溶 液を 35%塩酸で pH=3.0とした後、さらに 40°Cで 3時間攪拌した。遠心分離および膜濾 過 (MILLIPORE製、 JG 0.2 μ m)によりにより菌体を除去した後、酵素反応溶液を HPL Cで分析したところ、 at -ぃァスパルチル -ぃフエ-ルァラニン- 13 -メチルエステル 8.4 g (収率 28.6%)を含んで ヽた。
実施例 20
[0269] 実施例 19で得た菌体除去後の酵素反応溶液 500gを 35%塩酸で pH=1.0とした後、さ らに 98%硫酸 25gを添加し 250gに減圧濃縮した。これを 50度で 8時間攪拌した後、エス テル加水分解反応液を HPLCで分析したところ、 a -いァスパルチル-いフエ-ルァラ ニン 6.7g (収率 83.6%)を含んで!/、た。このエステル加水分解反応液を 40wt%水酸化ナト リウム水溶液で pH=3.3とし、析出した結晶を濾別したところ、ぃァスパルチル- L-フエ 二ルァラニン 6. lg (収率 90%)を含んで!/、た。
実施例 21
[0270] 実施例 20で得られたいァスパルチル -ぃフエ-ルァラニン 6. lgに 35%塩酸 12ml、メ タノール 3.8mlをカ卩え、 40°Cで 3日及び 10°Cで 1日攪拌した。析出した結晶を濾別した ところ、 α—いァスパルチル -ぃフエ-ルァラニン- α -メチルエステル塩酸塩を 7.2g ( 収率 84.5%)得た。(L-ァスパラギン酸- α , β -ジメチルエステルモノメチル硫酸塩か らの収率 21.8%)
実施例 22
[0271] 実施例 19と同様に調製した酵素反応溶液を濃縮晶析した。濃縮晶析で生成した L
-フエ-ルァラニン結晶を濾別し、母液 100.7g ( α -いァスパルチル -いフエ-ルァラ- ン- β -メチルエステル 7.7g含有、収率 26.2%)を得た。
実施例 23
[0272] 実施例 22で得た母液に 35%塩酸 20ml及びメタノール 4mlをカ卩えた後、 40°Cで 8時間
、 25°Cで 7日および 10°Cで 1日攪拌した。析出した結晶を濾別したところ、 a— L-ァス パルチル -ぃフエ-ルァラニン- α -メチルエステル塩酸塩を 2.3g (収率 27.0%)得た。
(L-ァスパラギン酸- a , β -ジメチルエステルモノメチル硫酸塩からの収率 7.1%) [0273] L-ァスパラギン酸- a , β -ジメチルエステルモノメチル硫酸塩を原料とした場合に、 第 1→第 2の反応工程を通じた総収率は 7.1%であったが(実施例 22, 23)、第 1→第
3→第 2 (実施例 19, 20, 21)の反応工程を通じた総収率は 21.8%であり、収率を 3倍 強にできることが分力つた。第 3の反応工程を行うことによってこれほど顕著な収率向 上を実現できたことは誠に驚くべき効果であった。
[0274] (配列表フリーテキスト)
配列番号 1;ェンぺドパクター ブレビス由来のペプチド生成酵素の一部
配列番号 2 ;ェンぺドパクター ブレビス由来のペプチド生成酵素の一部
配列番号 3;合成プライマー 1
配列番号 4;合成プライマー 2
配列番号 5;ペプチド生成酵素をコードする遺伝子
配列番号 6;ペプチド生成酵素のアミノ酸配列
配列番号 7 ;pTrpT調製用合成プライマー
配列番号 8 ;pTrpT調製用合成プライマー
配列番号 9 ;pTrpT_Gtg2調製用合成プライマー
配列番号 10; pTrpT_Gtg2調製用合成プライマー
配列番号 11;ペプチド生成酵素をコードする遺伝子
配列番号 12;ペプチド生成酵素のアミノ酸配列
配列番号 13; pTrpT— Sm— aet調製用合成プライマー
配列番号 14; pTrpT_Sm_aet調製用合成プライマー
配列番号 15 ;Aet用 、
配列番号 16 Aet用ミックスプライマー 2
配列番号 17 ペプチド生成酵素をコードする遺伝子
配列番号 18 ペプチド生成酵素のアミノ酸配列
配列番号 19 ぺドパクター由来の aet発現ベクターを構築するためのプライマー 1 配列番号 20 ぺドパクター由来の aet発現ベクターを構築するためのプライマー 2 配列番号 21 Aet用ミックスプライマー 3
配列番号 22 ペプチド生成酵素をコードする遺伝子
配列番号 23 ペプチド生成酵素のアミノ酸配列
配列番号 24 ペプチド生成酵素をコードする遺伝子
配列番号 25 ペプチド生成酵素のアミノ酸配列
配列番号 26 ペプチド生成酵素をコードする遺伝子
配列番号 27 ペプチド生成酵素をコードする遺伝子
配列番号 28 PCRプライマー
配列番号 29 PCRプライマー
配列番号 30 PCRプライマー
配列番号 31 PCRプライマー
配列番号 32 PCRプライマー
配列番号 33 PCRプライマー
配列番号 34 PCRプライマー
配列番号 35 PCRプライマー
配列番号 36 PCRプライマー
配列番号 37 PCRプライマー