WO2006057192A1

WO2006057192A1 - 被熱転写シート

Info

Publication number: WO2006057192A1
Application number: PCT/JP2005/021113
Authority: WO
Inventors: Akihiro Horii; Tomoko Haga; Daigo Koide; Hirokazu Okada
Original assignee: Fujikura Kasei Co Ltd; Sony Corp
Current assignee: Fujikura Kasei Co Ltd; Sony Corp
Priority date: 2004-11-24
Filing date: 2005-11-17
Publication date: 2006-06-01
Anticipated expiration: 2007-05-24
Also published as: EP1816000A4; EP1816000A1; KR20070086592A; EP1816000B1; CN101107133A; KR101217365B1; JPWO2006057192A1; DE602005012143D1; US8338331B2; JP4829127B2; US20090220709A1; CN100567019C

Abstract

　本発明は、基材（２）と、基材（２）上に形成され、染料を受容する受容層（３）とを有し、受容層（３）には、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマーのうち１種類以上のモノマーと、１種類以上のポリエステルとのグラフト重合体を含有させることにより、印画濃度やラミネートフィルムの接着性を満足し、且つ画像の滲みや退色を防止し、走行性を安定にすることができるため、高品質、高解像度の画像を形成することができる。

Description

明細書

被熱転写シート

技術分野

[0001] 本発明は、染料が熱転写される被熱転写シートに関する。

本出願は、日本国において 2004年 11月 24日に出願された日本特許出願番号 20 04— 339278を基礎として優先権を主張するものであり、この出願は参照することにより、本出願に援用される。

背景技術

[0002] 被熱転写シートは、サーマルヘッドにより昇華性の分散染料を有する熱転写シートの染料が熱転写され、転写された染料によって画像が形成される。熱転写シートは、 1画像分としてイェロー、マゼンタ、シアンの染料に続いて、画像を保護するラミネ一トフイルムが走行方向に一列に並んで設けられている。被熱転写シートには、イエロ一、マゼンタ、シアンが熱転写され画像が形成され、最後に画像上にラミネートフィルムが熱転写される。

被熱転写シートは、シート状の基材と、この基材上に形成され、熱転写された染料を受容する受容層とを有する（例えば、特許文献:!〜 2参照。）。基材は、例えばポリエチレンテレフタラート（PET)、ポリプロピレン（PP)、ポリエチレン（PE)などのプラスチックフィルムや合成紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙等が単独もしくは貼合されたもので形成されている（例えば、特許文献 3参照。）。

基材上に形成される受容層は、熱転写シートから転写される染料を受容し、受容した染料を保持するための層である。この受容層は、例えば染着性を有するアクリル系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビュル等の樹脂で形成されている。受容層には、染着性を有する樹脂の他に例えば耐熱性を向上させるため、更に硬化剤としてポリイソシァネート等が添加される。また、受容層には、染料の転写感度の向上や退色性の抑制、即ち耐光性を向上させるため、可塑剤が添加される。また、受容層には、熱転写シートの剥離性を向上させるため、離型剤としてシリコーンオイル等が添加される。被熱転写シートの受容層は、印画濃度ゃ耐光性、転写された染料を保護するラミネートフィルムの転写性を満足させながら高温条件下における走行性や画像保存性を満足させることが求められる。

ここで、受容層の樹脂として、上述したアクリル系樹脂のみを用いた場合には、ラミネートフィルムの転写性や熱転写シートの剥離性は良好となる。一方、この場合には

、染料の染着性が十分ではなぐ満足した印画濃度を得ることは困難となる。また、受容層にアクリル系樹脂のみを用いた場合には、外部からの応力に対する応答が悪く、被熱転写シートを曲げた際に輝割れ、即ちクラックが発生してしまう場合がある。また、受容層の樹脂として上述したポリエステルのみを用いた場合には、染料の染着性が高いため、十分な印画濃度を得ることができる。この場合には、硬化剤と反応する官能基が極端に少なくなるため、高温条件下での走行性を満足させるため硬化剤を過度に添加し、受容層を架橋させる必要が生じる。し力ながら、硬化剤を過度に添加した場合には、印画濃度ゃ耐光性が低下し、ラミネートフィルムの転写性が悪化してしまう。

受容層の樹脂にアクリル系樹脂を用いた場合等では、印画濃度を向上させるため、硬化剤の添加量を減らし、可塑剤を添加して樹脂のガラス転移点を下げ、過度に軟化させる場合がある。受容層を過度に軟化させた場合には、印画濃度が良好となり、染料の拡散が十分に行われることで耐光性が向上し、ラミネートフィルムの転写性も良好となる。し力しながら、この場合には、画像を高温条件下で保存すると、染料の拡散が面方向にも進み、画像が滲んでしまう。また、受容層を過度に軟化させた場合には、高温条件下で染料を熱転写した際に熱転写シートの染料面と融着してしまい、熱転写シートの剥離性が低下してしまう。熱転写シートの剥離性が低下した場合には、形成された画像の品位が損なわれたり、走行不良等の不具合が生じてしまう。また、被熱転写シートには、熱転写速度を高速化するため、熱転写シートを加熱する温度が高くなつていることから、高い熱が加わり、熱転写シートの剥離性が更に低下してしまい、走行不良等の不具合が生じやすくなる。

そこで、被熱転写シートでは、高温条件下における走行性や耐熱性の向上、画像の滲みを防止するため、受容層に添加する硬化剤のポリイソシァネートの添力卩量を多くして、受容層を過度に硬化させる場合がある。し力ながら、受容層を過度に硬化させた場合には、転写感度が低下し、印画濃度が著しく低下してしまう。また、受容層を過度に硬化させた場合には、熱転写の際の熱により受容層が軟ィ匕せず、ラミネ一トフイルムの転写不良が生じてしまう。また、受容層を過度に硬化させた場合には、染料の拡散が十分に行われず、耐光性が低下してしまう場合がある。

また、被熱転写シートでは、例えば樹脂にポリエステルのみを用いた場合、イエロ一、マゼンタ、シアンの染料が順々に重ね合わせて熱転写される際に、受容層にすでに転写されている染料が熱転写シート側に移行することを防止できる。しかしながら、樹脂にポリエステルのみを用いた場合には、耐光性が悪ぐ重ね合わせた染料の上側の染料の退色が進行しやすく、画像が劣化してしまう。

以上のように、被熱転写シートでは、受容層が印画濃度やラミネートフィルムの接着性を満足し、且つ画像の滲みや退色を防止し、走行性が安定であるといったことを満足することは困難であり、高品質、高解像度の画像を得ることが困難である。また、被熱転写シートでは、高速転写される際等、高温条件下において上述したことを両立することは更に困難である。

特許文献 1 特開平 7— 117371号公報

特許文献 2 特開平 7— 68948号公報

特許文献 3 特開平 9一 267571号公報

発明の開示

本発明の目的は、上述したような従来の技術が有する問題点を解消することができる被熱転写シートを提供することにある。

本発明の他の目的は、印画濃度やラミネートフィルムの接着性を満足し、且つ画像の滲みや退色を防止でき、走行性が安定である被熱転写シートを提供することにある。

上述した目的を達成する本発明に係る被熱転写シートは、基材と、基材上に形成され、染料を受容する受容層とを有し、受容層には、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマーのうち 1種類以上のモノマーと、 1種類以上のポリエステルとのグラフト重合体が含有されてレ、ることを特徴とする。本発明では、受容層にアクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーのうち 1種類以上のモノマーと、 1種類以上のポリエステルとのグラフト重合体が含有されているため

、アクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーにより熱転写シートの剥離性が良好となり、走行性の低下を防止し、更にラミネートフィルムの接着性が向上し、染料の退色も防止することができる。また、本発明では、ポリエステルにより転写感度が向上し、印画濃度が良好となり、染料の面方向への拡散が抑えられ、画像の滲みを防止することができる。これにより、本発明では、印画濃度やラミネートフィルムの接着性を満足し、かつ画像の滲みや退色を防止し、走行性を安定にすることができ、高品質、高解像度の画像を形成することができる。

本発明の更に他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下において図面を参照して説明される実施の形態の説明から一層明らかにされるであろう。図面の簡単な説明

[0004] [図 1]図 1は、本発明を適用した被熱転写シートの断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0005] 以下、本発明を適用した被熱転写シートについて図面を参照して詳細に説明する。図 1に示す被熱転写シート 1は、例えばイェロー、マゼンタ、シアン等の昇華性分散染料からなる染料層と、ラミネートフィルム層を有する熱転写シートを備える熱転写プリンタ装置に用いられる。熱転写プリンタ装置では、被熱転写シート 1にカラー画像を形成する場合、先ず熱転写シートと対向する位置に被熱転写シート 1を搬送し、被熱転写シート 1に熱転写シートの各染料層を順々に重ね合わせるようにサーマルヘッドで各染料層を加熱しながら押し当て、各染料を重ね合わせて転写することで他の色を作り、更に転写された染料上にラミネートフィルムを転写してカラー画像を形成するこのように染料が転写される被熱転写シート 1は、基材 2上に染料を受容する受容層 3が積層された 2層構造からなる。基材 2は、例えばシート状のものであり、一主面に積層される受容層 3を保持する。受容層 3は、最表面に位置し、熱転写シートに設けられた染料層が選択的に転写され、転写された染料を受容する層である。

具体的に、基材 2は、例えばポリエチレンテレフタラート（PET)、ポリプロピレン（PP )、ポリエチレン（PE)などのプラスチックフィルムや合成紙、コート紙、アート紙、キヤストコート紙、上質紙等の紙等を単独、又はプラスチックフィルムと紙とを貼合されたもので形成されている。この基材 2は、染料が受容層 3に転写される際のサーマルへッドの熱に耐え、取り扱う際に破断することがない剛性を有するものである。

また、基材 2には、受容層 3が積層されている側とは反対側の面に図示しないバック層が設けられていてもよレ、。このバック層は、熱転写プリンタ装置内を被熱転写シート 1が安定して走行できるように、被熱転写シート 1と搬送機構との間の摩擦係数を制御する。

受容層 3は、熱転写シートの染料層が選択的に転写され、転写された染料を受容する層である。受容層 3は、転写された染料によって染着する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、 UV硬化性樹脂等の樹脂で形成されている。この受容層 3は、厚みが 1 / m 〜10 μ mであり、好ましくは 3 μ m〜8 μ mである。受容層 3の厚みが 1 μ mよりも薄い場合には、受容できる染料が少なくなり、印画濃度が低下してしまう。一方、受容層 3 の厚みが 10 μ ΐηより厚い場合には、転写感度が低下してしまい、この場合も印画濃度が低下してしまう。

この受容層 3には、上述した樹脂の他に、アクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーのうち 1種類以上のモノマーと、 1種類以上のポリエステルとのグラフト重合体が含有されている。受容層 3では、このグラフト重合体が含有されていることによって、印画濃度及びラミネートフィルムの接着性を満足し、かつ画像の滲みや退色を防止し、熱転写シートの剥離性を良好にして走行性を安定にすることができる。

具体的に、グラフト共重合体は、主鎖がアクリル系モノマー及びメタクリル系モノマ一のうち 1種類以上のモノマーであり、側鎖が 1種類以上のポリエステルである。主鎖となるアクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーは、染料が熱転写される際の熱により熱転写シートの染料層が設けられている染料面が受容層 3と融着することを防止し、熱転写シートの剥離性を向上させる。これにより、被熱転写シート 1では、高温条件下において染料の転写後に熱転写シートが速やかに剥離され、熱転写プリンタ装置内を安定に走行することができる。また、アクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーは、受容層 3に転写された染料を保護するラミネートフィルムの接着を良好にし、ラミネ一トフイルムの転写性を向上させることができる。更に、アクリル系モノマーやメタタリル系モノマーは、受容層 3の耐光性を良好にし、染料の退色を防止し、画像の劣化を卬えることができる。

アクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーとしては、例えば下記の化学式（1)に示チル（メタ）アタリレート」ともいう）、化学式（2)に示す 2—ヒドロキシ一 3_フヱノキシプ口ピルアタリレートや 2—ヒドロキシ一 3_フエノキシプロピルメタタリレート（以下、「2_ ヒドロキシ一 3—フエノキシプロピル (メタ）アタリレート」ともいう）を用いることができる。このヒドロキシェチル（メタ）アタリレートや 2—ヒドロキシ一 3—フエノキシプロピル（メタ）アタリレートは、受容層 3に対するラミネートフィルムの接着性及び熱転写シートの剥離性をさらに向上させることができる。また、ヒドロキシェチル (メタ）アタリレートや 2 —ヒドロキシ一 3—フエノキシプロピル (メタ）アタリレートは、ポリエステルとグラフト重合することで、グラフト重合体の官能基量を増加させ、グラフト重合体と硬化剤との反応性を高めることができる。

[化 1]

R

H₂C = C

I _n …-化学式 (1)

0— (CH₂)₂— OH

(但し、式中 Rは、 H又は CH₃である）

[化 2] ■· · ·化竿式 (2)

(但し、式中 Rは、 H又は CH₃である)

特に、化学式（1)及び化学式（2)の中でも、化学式（1)に示すヒドロキシェチルメタタリレートは、ガラス転移温度が 55。Cであり、化学式（2)に示す 2—ヒドロキシ _3—フエノキシプロピルアタリレートは、ガラス転移温度が 28°Cである。化学式（1)に示すヒドロキシェチルメタタリレートは、受容層 3に含有させることによって、化学式（2)に示す 2—ヒドロキシ一 3_フエノキシプロピルアタリレートを含有させた場合よりも、受容層 3を硬化させるときの熱に対して耐熱性が良好となり、受容層 3が溶融しやすくなることを防止することができる。

また、化学式（1)及び化学式（2)に示すアクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーの他に、メチルアタリレート、ェチルアタリレート、シクロへキシルアタリレート、イソボロニノレアタリレート、ターシャリーブチルアタリレート、フエノキシアタリレート、フエノキシェチノレアタリレート、メチノレメタタリレート、ェチノレメタタリレート、シクロへキシノレメタタリレート、イソボロニルメタタリレート、ターシャリーブチルメタタリレート、フエノキシメタタリレート、フエノキシェチルメタタリレートを用いることができ、これらのうち少なくとも 1つ含むようにしてもよレ、。アクリル系モノマーは、メタクリル系モノマーよりもガラス転移温度が低いため、受容層 3の感度をより良好とさせることができる。

ポリエステルとグラフト重合させる 1種類以上のモノマーにおいては、化学式（1)に示すヒドロキシェチル (メタ）アタリレートの重量部と、他のアクリル系モノマーやメタタリル系モノマーの総重量部との比が 5重量部： 95重量部〜 50重量部： 50重量部である。また、同様に、化学式（2)に示す 2—ヒドロキシ— 3_フエノキシプロピル (メタ）ァタリレートの重量部と、他のアクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーの総重量部との比も 5重量部： 95重量部〜 50重量部： 50重量部である。

ヒドロキシェチル（メタ）アタリレートや 2—ヒドロキシ一 3_フエノキシプロピル（メタ）ァタリレートの重量部が 5重量部よりも少ない場合には、ポリエステルとグラフト重合しにくくなり、グラフト重合体の官能基量が減少し、グラフト重合体が硬化剤と反応しにくくなってしまう。一方、 50重量部よりも多い場合には、ポリエステルとのグラフト重合が十分に行われ、グラフト重合体の官能基量が増加し、グラフト重合体が硬化剤と十分に反応するが、グラフト重合体が有機溶剤に溶けにくくなつたり、極性が高くなり受容層 3の表面が白化してしまう場合がある。

グラフト重合体中で側鎖となるポリエステルは、転写感度を高くし、印画濃度を良好にし、高温条件下における染料の面方向への拡散を防止し、画像の滲みを抑えることがでさる。

ポリエステルとしては、例えば芳香族系ポリエステル、脂肪族系ポリエステル、脂環族系ポリエステルを単独又は混在したグラフト重合体である。このポリエステルは、ァクリル系モノマー、メタクリル系モノマーのうちの 1種類以上のモノマー 100重量部に対して、 5重量部以上、 50重量部以下の範囲でグラフト重合される。ポリエステルが 5 重量部よりも少ない場合には、染料の染着性が十分ではな受容層 3の転写感度が低くなり、満足する印画濃度が得られなくなってしまう場合がある。また、ポリエステルが 5重量部よりも少ない場合には、アクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーの割合が多くなるため、受容層 3を基材 2上に塗布した後、受容層 3の応力に対する応答が悪くなり、被熱転写シート 1を曲げた際等に受容層 3に輝割れ、即ちクラックが生じてしまう場合がある。

逆に、ポリエステルが 50重量部よりも多い場合には、硬化剤と反応する官能基が少なくなるため、受容層 3が十分に硬化されず、高温条件下において染料が転写された際に熱転写シートの染料面と融着し、熱転写シートの剥離されにくくなり、走行安定性が低下してしまう。

また、ポリエステルは、例えば数平均分子量が 1000〜2000であり、ガラス転移温度が _ 80°C〜― 30°Cの脂肪族系ポリエステルを用いることによって、印画濃度をより良好にすることができる。また、ポリエステルは、モノマーとのグラフト効率を向上させるため、水酸基価が 28〜224mgK〇H/gのものが好ましい。

また、アクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーのうち 1種類以上のモノマーと、 1 種類以上のポリエステルとのグラフト重合体の重量平均分子量は、 1万〜 100万であり、好ましくは 5万〜 25万である。グラフト重合体の重量平均分子量が小さすぎるともろくなり、受容層 3を形成する際に塗膜特性が悪化するおそれがある。一方、グラフト重合体の重量平均分子量が大きすぎると、このグラフト共重合体を含有する塗料の粘度が高くなり、基材 2上に塗工しに《なる。

上述したモノマーとポリエステルとのグラフト重合方法は、特に限定されるものではなぐ例えば、過酸化物に代表されるラジカル発生型重合開始剤を用い、 1種類以上のポリエステル存在下で 1種類以上のアクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーを重合し、重合開始剤の水素引き抜き反応を利用する方法がある。また、他のグラフト重合方法としては、ポリエステルに含まれる水酸基にラジカル重合不飽和基を予め付加させた後、 1種類以上のアクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーと反応させダラフト重合体を得る方法、水酸基と反応し得る官能基を導入した 1種類以上のアタリノレ系モノマーゃメタクリル系モノマーを予め合成しておき、その後、 1種類以上のポリエステル中の水酸基に付加反応させる方法など、一般的に用いられる方法により得ることがでさる。

また、複数のアクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーを重合する際の重合方法については、懸濁重合法や溶液重合、乳化重合、塊状重合等、特に限定されるものではなぐ任意の重合方法により、目的の重合体を生成することができる。これらの重合方法の中でも、溶液重合は、重合がより円滑に行うことができるため好ましい。

受容層 3では、主鎖がアクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーのうち 1種類以上のモノマーであり、側鎖力 S1種類以上のポリエステルであるグラフト重合体が含有されることによって、主鎖のアクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーにより高温条件下における熱転写シートの剥離性が向上し走行性が安定となり、更にラミネートフィルムの接着性が向上し、染料の退色を防止することができると共に、側鎖のポリエステルによって、印画濃度が良好となり、高温条件下における画像の滲みを抑えることができる。これにより、この被熱転写シート 1は、印画濃度やラミネートフィルムの接着性を満足し、且つ画像の滲みや退色を防止し、熱転写シートの剥離性を良好にして走行性を安定することができるため、高品質、高解像度の画像を形成することができる。

また、上述した受容層 3には、白色度を向上させるため、更に酸化チタン、炭酸カルシゥム、酸化亜鉛等の無機顔料や蛍光増白剤を添加してもよい。

また、受容層 3には、更に離型剤を添加してもよい。離型剤としては、例えば、メチルスチレン変性シリコーンオイル、ォレフィン変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、力ルボキシ変性シリコーンオイル、ァミノ変性シリコーンオイルのようなシリコーンオイノレや、フッ素系離型剤等を使用できる。

また、受容層 3には、皮膜特性を向上させるために硬化剤を添加してもよい。硬化剤としては、例えばエポキシ系硬化剤、イソシァネート系硬化剤等を使用することができ、これらの中でも無黄変タイプの多官能イソシァネー H匕合物が好ましい。このような多官能イソシァネートイ匕合物としては、例えばへキサメチレンジイソシァネート (H DI)、キシレンジイソシァネート (XDI)、トルエンジイソシァネート (TDI)、ビューレット等を使用することができ、これらを単独又は複数混合してもよい。

また、受容層 3には、熱転写プリンタ装置内で走行時に静電気が発生することを防止するために帯電防止剤を添加したり、表面にコーティングしてもよい。帯電防止剤としては、例えば、陽イオン型界面活性剤（第 4級アンモニゥム塩、ポリアミン誘導体等）、陰イオン型界面活性剤（アルキルベンゼンスルホネート、アルキル硫酸エステルナトリウム塩等）、両性イオン型界面活性剤又は非イオン型界面活性剤等の各種の界面活性剤を使用することができる。

また、受容層 3には、必要に応じて可塑剤を添カ卩してもよい。可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、多価フエノールエステル等を使用することができる。この他、受容層 3には、保存性を向上させるため紫外線吸収剤や酸化防止剤等を適宜添加することができる。紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフヱノン系、ジフヱニルアタリレート系、ベンゾトリアゾール系を使用することができる。酸化防止剤としては、フヱノ一ル系、有機硫黄系ホスファイト系、リン酸系等を使用することができる。

実施例

以下、本発明の好適な実施例を実験結果に基づレ、て説明する。

実施例 1

実施例 1では、先ずグラフト重合体を作製した。具体的には、攪拌機、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を備えた反応器内に、溶媒として、メチルェチルケトン 15 0重量部を仕込んだ後、ポリエステルとして、数平均分子量 2000の脂肪族系ポリエステルのクラレポリオール N— 2010(クラレ製) 25重量部に、ポリエステルに不飽和基を導入するための 2—メタクリロイルォキシェチルイソシァネートを添加し、均一になるように攪拌して混合した。次に、クラレポリオール N— 2010と 2—メタクリロイルォキシェチルイソシァネートとが含有された溶液の温度を 75°Cに保ち、 8時間付加反応を行った。

次に、得られた溶液にメタクリル系モノマーとしてメチルメタタリレート 100重量部と、重合開始剤としてァゾビスイソプチロニトリル 1. 0重量部とを加え、攪拌して混合した。そして、反応器内に窒素ガスで置換して、溶液の温度を 75°Cに保ちながら 8時間反応させた。

次に、溶液にァゾビスイソプチロニトリル 1. 0重量部を加え、更に反応器内の温度を 75°Cに保ち 4時間反応させた後、メチルェチルケトン 150重量部で希釈し、メチルメタタリレートと脂肪族系ポリエステルとのグラフト重合体からなる樹脂を作製した。次に、基材上に塗工する受容層塗工液を作製した。具体的に、受容層塗工液は、得られたグラフト重合体の樹脂 100重量部と、離型剤としてカルビノール変性シリコーンオイノレの SF8427 (東レ 'ダウコーユング社製） 5重量部と、硬化剤として HDI系ポリイソシァネートの N-75 (日本ポリウレタン社製） 10重量部と、溶媒としてメチルェチノレケトン 200重量部と、トルエン 200重量部とを混合して作製した。

次に、被熱転写シートを作製した。受容層塗工液をシート用基材として用意した厚さ 150 /i mの合成紙 (王子油化製商品名 YUPO FPG— 150)上に乾燥後の厚みがとなるように塗工し、 120°Cにて 2分間乾燥後、 50°Cにて 48時間キュアリングし、被熱転写シートを作製した。

実施例 2

実施例 2では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてメチルメタクリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は、実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。実施例 3

実施例 3では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてメチルメタクリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、数平均分子量が 1000の脂環族系ポリエステルのクラレポリオール P— 1040 (クラレ製） 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は、実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 4

実施例 4では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてメチルメタクリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、数平均分子量が 17000の芳香族系ポリエステルのバイロン 200(東洋紡製) 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は、実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 5

実施例 5では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてメチルメタクリレート 95重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 5重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 6

実施例 6は、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてメチルメタタリレート 50重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 50重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は、実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 7

実施例 7では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてフエノキシェチノレメタタリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 8

実施例 8では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてフエノキシェチルメタタリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 5重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は、実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 9

実施例 9では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてフエノキシェチルメタタリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 50重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は、実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 10

実施例 10では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてフヱノキシェチノレメタタリレート 80重量部と、アクリル系モノマーとして 2—ヒドロキシ _ 3—フエノキシプロピルアタリレート 20重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は、実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 11

実施例 11では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてェチルメタタリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 12

実施例 12では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてシクロへキシノレメタタリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 13

実施例 13では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてイソボロニルメタタリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した実施例 14

実施例 14では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてターシャリーブチルメタタリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

実施例 15

実施例 15では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてフヱノキシメタタリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステル 25重量部をグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。実施例 16

実施例 16では、受容層に含有させる樹脂として、メタクリル系モノマーとしてメチルメタタリレート 90重量部と、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート 10重量部とに対して、脂肪族系ポリエステル 10重量部と、脂環族系ポリエステル 10重量部とをグラフト重合させて得られたグラフト重合体の樹脂を用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

比較例 1

比較例 1では、受容層に含有させる樹脂として、メチルメタタリレートのみを単独重合して共重合樹脂を作製し、この樹脂 100重量部を用レ、たこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

比較例 2

比較例 2では、受容層に含有させる樹脂として、実施例 1と同じ脂肪族系ポリエステルを 100重量部用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。比較例 3

比較例 3では、受容層に含有させる樹脂として、実施例 4と同じ芳香族系ポリエステルを 100重量部用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。比較例 4

比較例 4では、受容層に含有させる樹脂として、実施例 3と同じ脂環族系ポリエステル 100重量部用いたこと以外は実施例 1と同様に被熱転写シートを作製した。

以上のように作製した実施例 1〜実施例 16の被熱転写シート及び比較例 1〜比較例 4の被熱転写シートに対して、印画濃度（MAX O. D)、高温条件下における保存時の滲み、耐光性、高温条件下における走行性、マイクロクラック性、ラミネートフィルムの転写性を評価した。

具体的に、印画濃度の評価については、各被熱転写シートに対し、熱転写プリンタ (ソニー株式会社製、 UP— DR100プリンタ)を使用し、イェロー（Y)、マゼンタ（M)、シアン (C)の各染料及びラミネートフィルム（L)が設けられたインクリボン (ソニー株式会社製、 UPC— 46)を用い、階調印画を行い、印画濃度（MAX 〇. D)をマクベス反射濃度計 (TR— 924)を使用して測定して評価した。

滲みの評価については、各被熱転写シートに対して、印画濃度の評価と同様の熱転写プリンタ及びインクリボンを用レ、、幅が約 lmmの線の印画行い、画像の幅の測定を行った。この測定結果を L0とする。そして、画像を 60°C85%の環境下にて 1ヶ月保存した。保存後の画像の幅を測定し、この測定結果を L1として、次の計算式により滲み率(％)を算出して評価した。計算式は、滲み率(％)=(し1 _し0)/し0 100である。

耐光性の評価については、各被熱転写シートに対して、印画濃度の評価と同様の熱転写プリンタ及びインクリボンを用い、階調印画を行いマクベス反射濃度計 (TR— 924)を使用して濃度の測定を行った。この濃度の測定結果を ODとする。そして、画

0

像にキセノンロングライフウエザーメーター（スガ試験株式会社製）でキセノン (Xe)を 90000kJ照射し、再びマクベス濃度計にて濃度を測定した。このキセノン照射後の濃度の測定結果を ODとする。キセノンを照射前の濃度（OD )と照射後の濃度（OD

1 0

)とから、次の計算式により退色率を算出して耐光性の評価した。計算式は、退色率

1

(%) =(OD— OD )/OD X 100である。

0 1 0

高温条件下における走行性の評価については、各被熱転写シートに対して、印画濃度の評価と同様の熱転写プリンタ及びインクリボンを用い、温度 50°C、湿度 50% の環境下に十分放置した後、 10画面連続黒ベタ印画を行った際の走行性について目視により観察して評価した。

マイクロクラック性の評価については、各被熱転写シートを折り曲げてその時のマイクロクラックの程度を目視により観察して評価した。

ラミネートフィルムの転写性の評価については、各被熱転写シートに対して、印画濃度の評価と同様の熱転写プリンタ及びインクリボンを用レ、、インクリボンのイェロー部にラミネートフィルムを切り貼りし、イェローデータのみ 16階調印画を行レ、、ラミネート階調印画サンプノレを作製し、その画像のラミネート転写階調によりラミネート転写性を観察して評価した。以下に、実施例 1〜実施例 16及び比較例 1〜比較例 5の被熱転写シートについて表 1にまとめ、各被熱転写シートに対する各評価の結果を表 2 に示す。

[表 1] モノマーの ¾類モノマーのポリエス于ルのポリエステルの種類

アクリル系、メタクリル系含有 i (重童部）含有量 (重暈部）実施例 1 メチルメタクリレート 100 脂肪族ポリエステル 25

メチルメタクリレート 90

実施例 2 膪肪族ポリエステル 25

2— tドロキシェチルメタクリレート 10

メチルメタクリレート 90

実施例 3 脂孭族ポリエステル 25

2—ヒドロキシェチルメタクリレート 10

メチルメタクリレート 90

実施例 4 芳香族ポリエステル 25

2—ヒド□キシェチルメタクリレート 1 0

メチルメタクリレート 95

実施例 5 脂肪族ポリエステル 25

2—ヒド αキジェチルメタクリレート 5

メチルメタクリレート 50

実施例 6 脂肪族ポリエステル 25

2—ヒドロキシェチルメタクリレート 50

フエノキシェチルメタクリレート 90

実施例 7 脂肪族ポリエステル 25

2—ヒドロキシェチルメタクリレート 1 0

フエノキシェチルメタクリレート 90

実施例 8 脂肪族ポリエステル 5

2—ヒドロキシェチルメタクリレ一ト 10

フエノキシェチルメタクリレート 90

実施例 9 脂肪族ポリエステル 50

2—ヒドロキシェチルメタクリレート 10

フエノキシェチルメタクリレート 80

実施例 10 2—ヒドロキシ一 3—フノキシプロ脂肪族ポリエステル 25

20

ビルァクリレート

ェチルメタクリレート 90

実施例 1 1 脂肪族ポリエステル 25

2—ヒドロキシェチルメタクリレート 1 0

シク□へキシルメタクリレート 90

実施例 12 脂肪族ポリエステル 25

2—ヒドロキシェチルメタクリレート 1 0

イソポロニルメタクリレート 90

実施例 13 脂肪族ポリエステル 25

2—ヒドロキシェチルメタクリレート 10

タ一シャリーブチルメタクりレート 90

実施例 14 脂肪族ポリエステル 25

2—ヒドロキシェチルメタクリレ一ト 10

フエノキシメタクリレート 90

実施例 15 脂肪族ポリエステル 25

2—ヒドロキシェチルメタクリレ一ト 10

メチルメタクリレート 90 脂肪族ポリエステル 10 実施例 1 6

2—ヒドロキシェチルメタクリレート 10 脂瑋族ポリエステル 10 比較^ メチルメタクリレート 100 - 比較俐 2 一一脂肪族ポリエステル 100 比較例 3 一一芳香族ボリエステル 1 00 比較例 4 一 - 脂 ¾族ポリエステル 1 00

ネトムラミルフイ一

性走性耐光性ククク行イラマロッ

転性写の

実施例 2

実施例 3

実施例 4

実施例 5

実施例 7

実施例 8

実施例 9

実施例

実施例 11

実施例 12

実施例 13

実施例61

較例比 1

較比例 2

較例比 3

較比例 4

α

ο

<

表 2中では、印画濃度の評価について、 MAX O. Dの値が 2. 30以上の場合は、表 1中に◎印で示し、 2. 10以上、 2. 30よりも小さい場合には、〇印で示し、 1. 95 以上、 2. 10よりも小さい場合には、△印で示し、 1. 95よりも小さい場合には、 X印で示した。表 1中において、 MAX O. Dの値が 2. 10以上であり、◎印及び〇印となった被熱転写シートでは、染料が所定の濃度で発色し、染着性が良好であるものとみなした。また、 MAX 〇. Dの値が 2. 10より小さく、△印及び X印となった被熱転写シートでは、染料が所定の濃度で発色せず、染着性が悪いものとみなした。また、表 2中では、滲みの評価について、滲み率が 5%以下の場合には、◎印で示し、 5%よりも大きぐ 25%以下の場合には、〇印で示し、 25%よりも大きい場合には、 X印で示した。滲みについて、評価結果が◎印及び〇印となった被熱転写シートは、高温高湿環境下における滲みが抑えられたものとみなした。一方、滲みについて、評価結果が X印となった被熱転写シートは高温高湿環境下において滲みを抑えることができなったものとみなした。

また、表 2中では、耐光性の評価について、退色率が 5%以下の場合には、◎印で示し、 5%よりも大きぐ 15%以下の場合には、〇印で示し、 15%より大きい場合には、 X印で示した。耐光性の評価において、評価結果が◎印及び〇印となった被熱転写シートは、退色が抑えられたものとみなした。一方、耐光性の評価において、評価結果が X印となった被熱転写シートは、退色を抑えることができなったものとみなしたまた、表 2中では、走行性の印画濃度の評価について、一切問題がなかった場合には、◎印で示し、インクリボンの剥離時に若干異音がする力得られた画像に剥離線などの不具合が生じなかった場合には、〇印で示し、走行時に異音が発生し、得られた画像に剥離線などが入り品位が損なわれた場合には、△印で示し、インクリボンが融着し、受容層が基材カも剥れたり等して、走行不良が発生した場合には、 X 印で示した。走行性の評価において、評価結果が◎印及び〇印となった被熱転写シートは、走行性が安定であるとみなした。一方、走行性の評価において、評価結果が △印及び X印となった被熱転写シートは、走行性が悪いとみなした。

表 2中では、マイクロクラックの評価において、マイクロクラックが発生しな力た場合には、◎印で示し、若干亀裂が入るが品位を損なわれないような場合には、〇印で示し、ひび割れ音と共に全面にクラックが発生し品位を損なわれた場合には、△印で示し、ひび割れ音と共に受容層が基材上から脱落した場合には、 X印で示した。マイクロクラックの評価において、評価結果が◎印及び〇印となった被熱転写シートは、被熱転写シートとして使用可能であるとみなした。一方、マイクロクラック性の評価において、評価結果が△印及び X印となった被熱転写シートは、熱転写シートとして使用することは困難であるとみなした。

表 2中では、ラミネート接着性に評価において、ラミネート転写階調が 7階調目以下の場合には、◎印で示し、 7階調目より多ぐ 11階調目以下の場合には、〇印で示し、 11階調目より多ぐ 16階調目以下の場合には、△印で示し、ラミネートが転写されなかった場合には、 X印で示した。

表 2に示す評価結果から、受容層にアクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーのうち 1種類以上のモノマーと、 1種類以上のポリエステルとのグラフト重合体が含有されている実施例 1〜実施例 16では、印画濃度（MAX 〇. D)、高温条件下における保存時の滲み、耐光性、高温条件下における走行性、マイクロクラック性、ラミネートフィルムの転写性のすべての評価において良好であった。

実施例 1〜実施例 16では、グラフト重合体中の主鎖となっているメチルメタクリレートゃ 2 ヒドロキシェチルメタタリレート、 2 ヒドロキシ 3 フエノキシプロピルアタリレート等のメタクリル系モノマーやアクリル系モノマーにより、高温条件下における熱転写シートの剥離性が向上し、走行性が安定となった。また、実施例 1〜実施例 16では、メタクリル系モノマーやアクリル系モノマーにより、ラミネートフィルムの接着性が良好となり、受容層の耐光性を向上させ、染料の退色を防止することができた。また、実施例 1〜実施例 16では、グラフト重合体中の側鎖となる脂肪族系ポリエステルや脂環族系ポリエステル、芳香族系ポリエステルのポリエステルにより、印画濃度が良好となり、高温条件下の画像の滲みを防止し、受容層にクラックが発生することを防止することができる。

これにより、実施例 1〜実施例 16では、受容層にメタクリル系モノマーやアクリル系モノマーのうち 1種類以上のモノマーと、 1種類以上のポリエステルとのグラフト重合体が含有されているため、印画濃度やラミネートフィルムの接着性を満足し、且つ画像の滲みや退色を防止し、走行性を安定となり、クラックの発生も防止できる。

これらの実施例に対して、比較例 1では、受容層にはポリエステルが含有されず、メチルメタタリレートのみを共重合した樹脂が含有されているため、転写感度が向上せず、印画濃度が低下した。また、比較例 1では、樹脂を構成するメチルメタタリレートが脆いため、受容層を曲げたりするとクラックが生じた。

比較例 2では、受容層にアクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーが含有されず、脂肪族系ポリエステルのみからなる樹脂が含有されているため、高温条件下においてインクリボンが受容層と融着し易くなり、インクリボンの剥離性が低下して、走行性が低下した。また、比較例 2では、脂肪族系ポリエステルのみからなる樹脂が含有されているため、ラミネートフィルムの転写性が低下し、高温条件下で画像を保存すると滲みが生じた。

比較例 3では、受容層にアクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーが含有されず、芳香族系ポリエステルのみからなる樹脂が含有されているため、ラミネートフィルムの転写性が低下し、芳香族系ポリエステルの芳香族化合物により画像の耐光性が低下した。

比較例 4では、受容層にアクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーが含有されず、脂環族系ポリエステルのみからなる樹脂が含有されているため、ラミネートフィルムの転写性が低下した。また、比較例 4では、アクリル系モノマーゃメタクリル系モノマーが含有されていないので、高温条件下における走行性が低下し、滲みも生じた。以上のことから、被熱転写シートを作製する際に、受容層にメタクリル系モノマーやアクリル系モノマーのうち 1種類以上のモノマーと、 1種類以上のポリエステルとのダラフト重合体を含有させることによって、印画濃度やラミネートフィルムの接着性を満足し、且つ画像の滲みや退色を防止し、走行性が安定であり、クラックの発生が防止された受容層を得ることができる。

産業上の利用可能性

本発明は、印画濃度やラミネートフィルムの接着性を満足し、且つ画像の滲みや退色を防止し、走行性を安定にすることができるため、高品質、高解像度の画像形成に用いられる。

Claims

請求の範囲

[1] 1.基材と、

上記基材上に形成され、染料を受容する受容層とを有し、

上記受容層には、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマーのうち 1種類以上のモノマーと、 1種類以上のポリエステルとのグラフト重合体が含有されてレ、ることを特徴とする被熱転写シート。

[2] 2.上記 1種類以上のモノマーには、下記の化学式 1に示すモノマーを含むことを特徴とする請求項 1記載の被熱転写シート。

[化 1]

R

H₂C = C

1 _n '…化学式 (1)

0— (CH₂)₂— OH

(但し、式中 Rは、 H又は CH₃である)

[3] 3.上記 1種類以上のモノマーには、下記の化学式 2に示すモノマーを含むことを特徴とする請求項 1記載の被熱転写シート。

[化 2]

(但し、式中 Rは、 H又は CH₃である)

[4] 4.上記 1種類以上のモノマーには、メチルアタリレート、ェチルアタリレート、シクロへキシルアタリレート、イソボロニルアタリレート、ターシャリーブチルアタリレート、フエノキシアタリレート、フエノキシェチルアタリレート、メチルメタタリレート、ェチルメタクリレート、シクロへキシノレメタタリレート、イソボロニノレメタタリレート、ターシャリーブチノレメタタリレート、フエノキシメタタリレート、フエノキシェチルメタタリレートのうち少なくとも 1つ含むことを特徴とする請求項 1記載の被熱転写シート。

[5] 5.上記ポリエステルは、芳香族系ポリエステル、脂肪族系ポリエステル、脂環族系ポリエステルが単独又は混在したグラフト重合体であることを特徴とする請求項 1記載の被熱転写シート。

[6] 6.上記グラフト重合体は、上記 1種類以上のモノマー総量 100重量部に対して、上記ポリエステルが 5重量部以上、 50重量部以下の範囲でグラフト重合されていることを特徴とする請求項 1記載の被熱転写シート。

[7] 7.上記化学式 1に示すモノマーの重量部と、当該化学式 1に示すモノマー以外のすベてモノマーの総重量部との比が 5重量部： 95重量部〜 50重量部： 50重量部であることを特徴とする請求項 2記載の被熱転写シート。