明 細 書
ァミノアルコール誘導体とその付加塩及び免疫抑制剤
技術分野
[0001] 本発明は、免疫抑制剤として有用なァミノアルコール誘導体とその付加塩並びにそ の水和物に関する。
背景技術
[0002] 免疫抑制剤は関節リウマチ、腎炎、変形性関節炎、全身性エリテマトーデス、クロー ン病等の自己免疫疾患や炎症性腸疾患などの慢性炎症性疾患、喘息、皮膚炎など のアレルギー疾患の治療薬として多方面に利用されている。特に、医療技術の進歩 に伴い、組織や臓器等の移植手術が数多く実施されるようになってきた近年の医療 現場においては、移植後の拒絶反応をレ、かにうまくコントロールすることができるかが 移植の成否を握っており、この領域においても免疫抑制剤は大変重要な役割を果た している。
[0003] 臓器移植においては、ァザチォプリンやミコフヱノール酸モフエチルに代表される 代謝拮抗剤、シクロスポリン Aやタクロリムスに代表されるカルシニューリン阻害剤、プ レドニゾロンに代表される副腎皮質ホルモン剤が用いられている。し力しながら、これ らの薬剤は効果が不十分であったり、また腎障害などの重篤な副作用を回避するた めに薬物の血中濃度モニタリングが必須とされているものもあり、その効果や副作用 の点で必ずしも満足のできるものではない。
[0004] さらに、免疫抑制剤の副作用を軽減し十分な免疫抑制作用を得るために、作用機 序の異なる複数の薬剤を使用する多剤併用療法が一般的であり、前述した免疫抑 制剤とは異なる作用機序を持つ新しいタイプの薬剤の開発も望まれている。
[0005] 本発明者らはこのような課題を解決するために、ァミノアルコール誘導体に着目し、 新しレ、タイプの免疫抑制剤の探索を行った。
[0006] 免疫抑制剤として 2-ァミノ- 1,3-プロパンジオール誘導体が特許文献 1、特許文献 2 に開示されている力 本発明の特徴であるジァリールスルフイド基ゃジァリールエー テル基を有するァミノアルコール誘導体が優れた免疫抑制効果を示すことは知られ
ていなかった。また、特許文献 3、特許文献 4、特許文献 5、特許文献 6及び特許文 献 10に 2_アミノーエタノール誘導体が免疫抑制作用を示すことが開示されているが 、本出願化合物とは構造を異にするものである。さらに本出願化合物と極めて構造的 に類似したジァリールスルフイド基ゃジァリールエーテル基を有するァミノアルコール 誘導体が特許文献 7、特許文献 8及び特許文献 9に開示されているが、本出願化合 物の特徴である末端側のァリール基のパラ位にのみ置換基を有する化合物は含ま れていない。
特許文献 1: WO94/08943号パンフレット
特許文献 2 :特開平 9 2579602号公報
特許文献 3: WO02/06268号パンフレット
特許文献 4 :特開平 2002— 53575号公報
特許文献 5:特開平 2002— 167382号公報
特許文献 6 :特開平 2002— 316985号公報
特許文献 7: WO03/029205号パンフレット
特許文献 8 :WO03/029184号パンフレット
特許文献 9 :WO04/026817号パンフレット
特許文献 10: WO04/024673号パンフレット
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明が解決しょうとする課題は、優れた免疫抑制作用を有し、かつ副作用の少 ないァミノアルコール誘導体を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者らは、代謝拮抗剤やカルシニューリン阻害剤とは作用機序を異にする免 疫抑制剤について鋭意研究を重ねた結果、これまでに知られている免疫抑制剤とは 構造を異にしたジァリールスルフイド基ゃジァリールエーテル基を有する新規なァミノ アルコール誘導体、特に一方のァリール基のパラ位にァミノアルコールユニットを含 む炭素鎖を有し、もう一方の末端側ァリール基のパラ位に置換基を有する化合物が 強力な免疫抑制作用を有することを見出し、本発明を完成した。
[0009] すなわち本発明は、
1) 一般式 (1)
[0011] [式中、
Rはハロゲン原子、トリフルォロメチル基、ヒドロキシ基、炭素数 1〜4の低級アルキ
1
ル基、炭素数 1〜4アルコキシ基、置換基を有しても良いフエニル基、置換基を有し ても良いフエニルォキシ基、置換基を有しても良いァラルキル基又は置換基を有して も良レヽァラルキルォキシ基を示し
Rは水素原子、ハロゲン原子又はトリフルォロメチル基を示し、
2
Rは水素原子、炭素数 1〜4の低級アルキル基、炭素数 2〜4の低級アルケニル基
3
又はヒドロキシメチル基を示し、
Xは〇、 S、 SO又は SOを、 nは 1〜4の整数を示す]
2
で表されることを特徴とするァミノアルコール誘導体及び薬理学的に許容しうる塩並 びにその水和物、
[0012] 2) 前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(la)
[0014] [式中、 R、X及び nは前記定義に同じ]
2
で表される化合物であることを特徴とする 1)に記載のァミノアルコール誘導体及び 薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物、
[0015] 3) 前記一般式(la)において、 Rが塩素原子であることを特徴とする 2)に記載のァ
2
ミノアルコール誘導体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物、
[0016] 4) 前記一般式(1)で示される化合物が、
(1) 2—ァミノ一 2— [4— (4—ベンジルォキシフエノキシ)一2—クロ口フエニル]プロピ ノレ _ 1, 3 _プロパンジオール、
(2) 2—ァミノ _ 2 _ [4 _ (4—ベンジルォキシフエ二ルチオ) _ 2 _クロ口フエニル]プ ロピノレ一1 , 3 _プロパンジォーノレ、
(3) 2—ァミノ一 2_ [4_ (4_ベンジルォキシフエ二ルチオ) _ 2_クロ口フエニル]ェ チノレー 1, 3 _プロパンジォーノレ、
(4) 2—ァミノ一 2 _ (4 _ビフエ二ルチオ _ 2 _クロ口フエ二ノレ)プロピノレ _ 1, 3 _プロ パンジオール又は
(5) 2—ァミノー2— [4ー(3', 5'—ジクロロビフエ二ルチオ)ー2—クロ口フエニル]プロ ピノレー 1, 3—プロパンジォーノレ、
であることを特徴とする 1)に記載のァミノアルコール誘導体及び薬理学的に許容し うる塩並びにその水和物、
[0017] 5) 一般式(1)
[0019] [式中、
Rはハロゲン原子、トリフルォロメチル基、ヒドロキシ基、炭素数 1〜4の低級アルキ
1
ル基、炭素数 1〜4アルコキシ基、置換基を有しても良いフエニル基、置換基を有し ても良いフエニルォキシ基、置換基を有しても良いァラルキル基又は置換基を有して も良レ、ァラルキルォキシ基を示し
Rは水素原子、ハロゲン原子又はトリフルォロメチル基を示し、
2
Rは水素原子、炭素数 1〜4の低級アルキル基、炭素数 2〜4の低級アルケニル基
3
又はヒドロキシメチル基を示し、
Xは〇、 S、 SO又は SOを、 nは 1〜4の整数を示す]
2
で表されるァミノアルコール誘導体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物 の少なくとも一種類以上を有効成分とすることを特徴とする免疫抑制剤、
[0020] 6) 前記一般式(1)で示される化合物が、一般式(la)
[0021] [化 4]
[0022] [式中、 R、X及び nは前記定義に同じ]
2
で表される化合物である 5)に記載のァミノアルコール誘導体及び薬理学的に許容し うる塩並びにその水和物の少なくとも一種類以上を有効成分とすることを特徴とする 免疫抑制剤、
[0023] 7) 前記免疫抑制剤が、関節リウマチの予防又は治療薬であることを特徴とする 5) 又は 6)に記載の免疫抑制剤、
[0024] 8) 前記免疫抑制剤が、乾癬又はアトピー性皮膚炎の予防または治療薬であること を特徴とする 5)又は 6)に記載の免疫抑制剤、
[0025] 9) 前記免疫抑制剤が、気管支喘息または花粉症の予防または治療薬であることを 特徴とする 5)又は 6)に記載の免疫抑制剤、
[0026] 10) 前記免疫抑制剤が、臓器移植及び骨髄移植における拒絶反応の予防または 治療薬であることを特徴とする 5)又は 6)に記載の免疫抑制剤、
[0027] 11) 前記免疫抑制剤が、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、クローン 病などの自己免疫疾患の予防または治療薬であることを特徴とする 5)又は 6)に記載 の免疫抑制剤、
に関するものである。
発明の効果
[0028] 本発明は、新規なァミノアルコール誘導体、特に一方のァリール基のパラ位にアミノ アルコールユニットを含む炭素鎖を有し、もう一方のァリール基のパラ位に置換基を 有するジァリールスルフイドゃジァリールエーテル誘導体が強力な免疫抑制作用を 有することを見出したものである。このような免疫抑制作用を有する化合物は、 S蔵器 移植および骨髄移植における拒絶反応の予防または治療薬、炎症性腸疾患、全身 性エリトマト一デス、クローン病などの自己免疫疾患の予防または治療薬、関節リウマ
チの予防または治療薬、乾癬またはアトピー性皮膚炎の予防または治療薬及び気管 支喘息または花粉症の予防または治療薬として有用である。
発明を実施するための最良の形態
[0029] 以下、本発明を詳細に説明する。
[0030] 本発明における一般式(1)で表される化合物の薬理学的に許容される塩には、塩 酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、トリフルォロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、クェン酸塩 、酒石酸塩のような酸付加塩が挙げられる。
[0031] また、本発明の一般式(1)において、「ハロゲン原子」とはフッ素原子、塩素原子、 臭素原子、ヨウ素原子を表し、「炭素数 1〜4の低級アルキル基」、「炭素数 1〜4の低 級アルコキシ基」などの「低級アルキル基」とは、例えばメチル、ェチル、プロピル、ィ ソプロピル、プチル、 t_ブチルなどの直鎖もしくは分岐した炭素数 1〜4の炭化水素 力 S挙げられる。 「炭素数 2〜4の低級アルケニル基」とはビュル基、ァリル基、 1 _プロ ぺニル基、イソプロぺニル基、 1—ブテュル基、 2—ブテュル基、 2—メチノレァリノレ基、 3—ブテニル基などの不飽和 2重結合を有する炭素数 2〜4の炭化水素が挙げられ る。 「置換基を有しても良いフエニル基」、「置換基を有しても良いフエノキシ基」とは、 ベンゼン環上の任意の位置にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などの ハロゲン原子、トリフルォロメチル基、炭素数 1〜4の低級アルキル基、炭素数:!〜 4 の低級アルコキシ基を有するものが挙げられる。「ァラルキル基」、「ァラルキルォキシ 基」の「ァラルキル基」とはべンジル基、ジフヱニルメチル基、フエネチル基、フエニル プロピル基が挙げられ、「置換基を有しても良いァラルキル基」、「置換基を有しても 良いァラルキルォキシ基」とはベンゼン環上の任意の位置にフッ素原子、塩素原子、 臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、トリフルォロメチル基、炭素数:!〜 4の低 級アルキル基、炭素数 1〜4の低級アルコキシ基を有するものが挙げられる。
[0032] 本発明によれば、上記一般式 (1)で表される化合物の中、 Rが水素原子またはヒド
3
ロキシメチル基である化合物、すなわち一般式(lb)
[0033] [化 5]
[0034] [式中、 Dは水素原子又はヒドロキシメチル基を示し、 R、 R、 X及び nは前述の通り]
1 2
で表される化合物は例えば以下に示すような経路により製造することができる。
[0035] <合成経路 A>
[0036] [化 6]
[0037] 合成経路 Aで一般式(3)
[0039] [式中、 Rは炭素数 1〜4の低級アルキル基を、 Bocは t ブトキシカルボ二ル基を示
4
し、 R、 R、 X及び nは前述の通り]
1 2
で表される化合物は、一般式(2)
[0040] [化 8] (2)
[0041] [式中、 Yは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、 R、 R、 X及び nは前述の通
1 2
り]で表される化合物と一般式 (5)
[0042] [化 9]
BocHN— (5)
C02R4
[0043] [式中、 R及び Bocは前述の通り]
4
で表される化合物を塩基存在下作用させることによって製造することができる(工程 A
- D o
[0044] 反応はメタノーノレ、エタノール、 1, 4-ジォキサン、ジメチルスルホキシド (DMSO)、 N, N -ジメチルホルムアミド (DMF)、テトラヒドロフラン (THF)などを反応溶媒として用い、 水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシドなど の無機塩基の存在下、反応温度としては 0°C〜加熱還流下にて、好適には 80°C〜10 0°Cにて行うことができる。
[0045] 合成経路 Aで一般式 (4)
[0047] [式中、 R、 R、 D、 X、 Boc及び nは前述の通り]
1 2
で表される化合物は、一般式 (3)で表される化合物を還元することによって製造するこ とができる (工程 A— 2)。
[0048] 反応は、ボラン (BH )や 9-ボラビシクロ [3.3.1]ノナン (9-BBN)のようなアルキルボラン
3
誘導体、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド (iBu A1H)、水素化ホウ素ナトリウム (NaBH )
2 4
、水素化アルミニウムリチウム (UA1H )等の金属水素錯化合物、好ましくは水素化ホウ
4
素リチウム (LiBH )を用い、反応溶媒としては THFやエタノール、メタノールなどを用い
4
、反応温度は- 78°C〜加熱還流下、好適には常温下にて行うことができる。
[0049] 合成経路 Aで前記一般式 (lb)で表される化合物は、一般式 (4)で表される化合物を 酸分解することによって製造することができる (工程 A— 3)。
[0050] 反応は、酢酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルォロ酢酸などの無機 酸又は有機酸中、あるいはメタノール、エタノール、 THF、 1,4-ジォキサン、酢酸ェチ ルなどの有機溶媒との混合溶液中に作用させ、反応温度は 0°C〜常温下に行うこと ができる。
[0051] 一般式(1)で表される化合物の中、 Xが〇で、 Rがヒドロキシメチル基である化合物
3
、即ち一般式(lc)
[0053] [式中、 R、R及び nは前述の通り]
1 2
で表される化合物と、一般式(1)で表される化合物の中、 Xが〇で、 Rが水素原子で
3
ある化合物、即ち一般式(1 )
[0055] [式中、 R、R及び nは前述の通り]
1 2
で表される化合物は下記合成経路によっても製造することができる。
[0056] <合成経路 B >
[0057] [化 13]
[0058] 合成経路 Bで一般式(7)
[0059] [化 14]
[0060] [式中、 R、 R、 Boc及び nは前述の通り]
2 4
で表される化合物は、一般式 (6)
[0062] [式中、 Y、R及び nは前述の通り]
2
で表される化合物と前記一般式(5)で表される化合物を塩基存在下作用させること によって製造することができる(工程 B— l)。
[0063] 反応はメタノーノレ、エタノール、 1, 4-ジォキサン、 DMS0、 DMF、 THFなどを反応溶 媒として用レ、、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムァ ルコキシドなどの無機塩基の存在下、反応温度としては 0°C〜加熱還流下にて、好適 には 80°C〜100°Cにて行うことができる。
[0064] 合成経路 Bで一般式 (8)
[0066] [式中、 R、 D、 Boc及び nは前述の通り]
2
で表される化合物は、上記一般式 (7)で表される化合物を還元することによって製造 すること力 Sできる (工程 B— 2)。
[0067] 反応は、 BHや 9-BBNのようなアルキルボラン誘導体、 iBu A1H、 NaBH、 LiAlH等
3 2 4 4 の金属水素錯化合物、好ましくは LiBHを用い、反応溶媒としては THFやエタノール
4
、メタノールなどを用い、反応温度は- 78°C〜加熱還流下、好適には常温下にて行う
こと力 Sできる。
[0068] 合成経路 Bで一般式 (9)
[0069] [化 17]
[0070] [式中、 Mは炭素原子またはケィ素原子を示し、 R、 R、 Boc及び nは前述の通り]
2 4
で表される化合物は前記一般式 (8)で表される化合物の中、 Dがヒドロキシメチル基 である化合物に一般式(12)
[0072] [式中、 Rは前述の通り]
4
または一般式(13)
[0073] [化 19]
D R60.X 0R' (13)
6
[0074] [式中、 Rは炭素数 1〜4の低級アルキル基を示し、 Rは前述の通り]
6 4
あるいは一般式(14)
[0076] [式中、 Rは塩素原子又はトリフルォロメタンスルホ二ルォキシ基を示し、 Rは前述の
7 4 通り]で表される化合物を作用させることによって製造することができる(工程 B_ 3)。
[0077] 一般式(12)または一般式(13)で表される化合物との反応は、塩ィ匕亜鉛などのル イス酸存在下、あるいはカンファースルホン酸、 p—トルエンスルホン酸、ピリジニゥム p—トルエンスルホネート等の触媒存在下、無溶媒あるいは DMF、 THF、塩化メチレ
ンを反応溶媒として用レ、、反応温度は常温〜 100°Cにて行うことができる。
[0078] また、一般式(14)との反応は、トリエチノレアミン、ピリジン、 2, 6—ルチジン、イミダ ゾール、クロ口ホルム、ァセトニトリルを用レ、、反応温度は 0°C〜100°Cにて行うことが できる。
[0079] 合成経路 Bで一般式(10)
[0081] [式中、 R、 R、 Boc及び nは前述の通り]で表される化合物は前記一般式(9)で表さ
2 4
れる化合物を水素化分解することによって製造することができる(工程 B— 4)。
[0082] 反応は、接触還元触媒であるパラジウム炭素、白金炭素、酸化白金、ロジウム炭素 、ルテニウム炭素等の存在下、エタノール、メタノール、 THF、 DMF、酢酸ェチル等の 溶媒中、常圧〜加圧下の水素圧下に常温〜 100°Cにて行うことができる。
[0083] 合成経路 Bで一般式(11)
[0085] [式中、 R、 R、 R、 Boc及び nは前述の通り]で表される化合物は前記一般式(10)で
1 2 4
表される化合物と酢酸銅の存在下、一般式(15)
[0087] [式中、 Rは前述の通り]で表される化合物を作用させることによって製造することがで
1
きる(工程 B— 5)。
[0088] 反応は、トリェチルァミンなどの塩基の存在下、反応溶媒として塩化メチレンあるい
はクロ口ホルムを用レ、、モレキュラシ一ブスの存在下あるいは非存在下に酢酸銅を常 温下に作用させることが好ましい。
[0089] 合成経路 Bで前述一般式(lc)で表される化合物は、上記一般式(11)で表される 化合物を酸分解するか、あるいは脱シリル化後酸分解することによって製造すること ができる(工程 B— 6)。
[0090] 反応は、酢酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルォロ酢酸などの無機 酸または有機酸中、あるレ、はメタノーノレ、エタノール、 THF、 1,4_ジォキサン、酢酸ェ チルなどの有機溶媒との混合溶液中に作用させ、反応温度は 0°C〜常温下に行うこ とがでさる。
[0091] また、一般式(10)の Mがケィ素原子である場合には THF、 DMF 1,4_ジォキサン 等を溶媒として用い、フッ化カリウム、フッ化セシウム、テトラプチルアンモニゥムフル オリドを 0°C〜常温下に作用させた後、上述した酸分解反応に付すことによって合成 できる。
[0092] 合成経路 Bで一般式(9')
[0094] [式中、 Rは tーブチルジメチルシリル基またはメトキシメチル基を示し、 R 、 Boc及び n は前述の通り]で表される化合物は前記一般式 (8)で表される化合物の中、 Dが水素 原子である化合物に塩基の存在下、 t_プチルジメチルシリルクロリドまたはメトキシメ チルクロリドを作用させることによって製造することができる(工程 B— 3')。
[0095] 反応は、トリェチルァミン、ジイソプロピルェチルァミン等の有機塩基の存在下に、 D MF、 THF、塩化メチレンを反応溶媒として用い、反応温度は 0°C〜常温下にて行うこ とがでさる。
[0096] 合成経路 Bで一般式(10')
[0098] [式中、 R 、 R 、 Boc及び nは前述の通り]
2 5
で表される化合物は前記一般式(9')で表される化合物を水素化分解することによつ て製造することができる(工程 B— 4')。
[0099] 反応は、接触還元触媒であるパラジウム炭素、白金炭素、酸化白金、ロジウム炭素 、ルテニウム炭素等の存在下、エタノール、メタノール、 THF、 DMF、酢酸ェチル等の 溶媒中、常圧〜加圧下の水素圧下に常温〜 100°Cにて行うことができる。
[0100] 合成経路 Bで一般式(11 ')
[0102] [式中、 R 、 R 、 R 、 Boc及び nは前述の通り]で表される化合物は前記一般式(10')
1 2 5
で表される化合物と酢酸銅の存在下、一般式(15)で表される化合物を作用させるこ とによって製造することができる(工程 B— 5')。
[0103] 反応は、トリェチルァミンなどの塩基の存在下、反応溶媒として塩化メチレンあるい はクロ口ホルムを用レ、、モレキュラシ一ブスの存在下あるいは非存在下に酢酸銅を常 温下に作用させることが好ましい。
[0104] 合成経路 Bで前述一般式(lc')で表される化合物は、上記一般式(11')で表される 化合物を酸分解するか、あるいは脱シリル化後酸分解することによって製造すること ができる(工程 B— 6')。
[0105] 反応は、酢酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルォロ酢酸などの無機 酸または有機酸中、あるレ、はメタノーノレ、エタノール、 THF、 1,4-ジォキサン、酢酸ェ チルなどの有機溶媒との混合溶液中に作用させ、反応温度は 0°C〜常温下に行うこ とがでさる。
[0106] また、前記一般式(lc)および(lc')で表される化合物、すなわち一般式(Id) [0107] [化 27]
[0108] [式中、 R、 R、 D及び nは前述の通り]で表される化合物は下記合成経路によっても
1 2
製造すること力 Sできる c
[0109] <合成経路 c >
[0110] [化 28]
[0111] 合成経路 Cで一般式(16)
[0113] [式中、 R、 R、 Boc及び nは前述の通り]で表される化合物は前述一般式(7)で表さ
2 4
れる化合物を水素化分解することによって製造することができる(工程 C_ l)。
[0114] 反応は、接触還元触媒であるパラジウム炭素、白金炭素、酸化白金、ロジウム炭素 、ルテニウム炭素等の存在下、エタノール、メタノール、 THF、 DMF、酢酸ェチル等の 溶媒中、常圧〜加圧下の水素圧下に常温〜 100°Cにて行うことができる。
[0115] 合成経路 Cで一般式(17)
[0116] [化 30]
[0117] [式中、 R、 R、 R、 Boc及び nは前述の通り]で表される化合物は上記一般式(16)で
1 2 4
表される化合物と前記一般式(15)で表される化合物を作用させることによって製造 することができる(工程 C_ 2)。
[0118] 反応は、トリェチルァミンなどの塩基の存在下、反応溶媒として塩化メチレンあるい はクロ口ホルムを用レ、、モレキュラシ一ブスの存在下あるいは非存在下に酢酸銅を常 温下に作用させることが好ましい。
[0119] 合成経路 Cで一般式(18)
[0121] [式中、 R、 R、 D、 Boc及び nは前述の通り]
1 2
で表される化合物は上記一般式(17)で表される化合物を還元することによって製造 することができる(工程 C_ 3)。
[0122] 反応は、 BHや 9-BBNのようなアルキルボラン誘導体、 iBu A1H、 NaBH、 LiAlH等
3 2 4 4 の金属水素錯化合物、好ましくは LiBHを用い、反応溶媒としては THFやエタノール
4
、メタノールなどを用レ、、反応温度は- 78°C〜加熱還流下、好適には常温下にて行う こと力 Sできる。
[0123] 合成経路 Cで前記一般式( 1 d)で表される化合物は上記一般式(18)で表される化 合物を酸分解することによって製造することができる(工程 C— 4)。
[0124] 反応は、酢酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルォロ酢酸などの無機 酸または有機酸中、あるレ、はメタノーノレ、エタノール、 THF、 1,4-ジォキサン、酢酸ェ チルなどの有機溶媒との混合溶液中に作用させ、反応温度は 0°C〜常温下に行うこ とがでさる。
[0125] 一般式(1)で表される化合物の中、 Rが炭素数 1〜4の低級アルキル基または炭素
3
数 2〜4のアルケニル基である化合物、すなわち一般式(le)
[0127] [式中、 Rは炭素数 1〜4の低級アルキル基又は炭素数 2〜4のアルケニル基を示し
8
、 R、 R、 X及び nは前述の通り]で表される化合物は下記合成経路によって製造す
1
ること力 Sできる。
[0128] <合成経路 D >
[0129] [化 33]
[0130] 合成経路 Dで一般式(19)
[0132] [式中、 R、 R、 R、 R、 X及び nは前述の通り]で表される化合物は、一般式(2)で表
1 2 4 8
される化合物と一般式(23)
[0133] [化 35]
,C02R4
R8- (23)
C02R4
[0134] [式中、 R及び Rは前述の通り]で表される化合物を塩基存在下に作用させることによ
4 8
つて製 o o造することができる(工程 D _ l)。
R R
[0135] 反応はメタノーノレ、エタノール、 1, 4-ジォキサン、 DMSO、 DMF、 THFなどを反応溶 媒として用レ、、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムァ ルコキシドなどの無機塩基の存在下、反応温度としては 0°C〜加熱還流下にて、好適 には 80°C〜100°Cにて行うことができる。
[0136] 合成経路 Dで一般式( 19')
[0138] [式中、 R 、 R 、 R 、 X及び nは前述の通り]で表される化合物は一般式(2)で表される
1 2 4
化合物と一般式 (24)
[0139] [化 37]
[0140] [式中、 Rは前述の通り]で表される化合物を塩基存在下に作用させることによって製
4
造すること力 Sできる(工程 D— 2)。
[0141] 反応はメタノーノレ、エタノール、 1, 4-ジォキサン、 DMSO、 DMF、 THFなどを反応溶 媒として用レ、、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムァ ルコキシドなどの無機塩基の存在下、反応温度としては 0°C〜加熱還流下にて、好適 には 80°C〜100°Cにて行うことができる。
[0142] 合成経路 Dで一般式(19)で表される化合物は上記一般式(19')で表される化合 物を塩基の存在下、一般式(25)
[0143] [化 38]
[0144] [式中、 R及び Yは前述の通り]で表される化合物を反応させることによって製造する
こと力 Sできる。
[0145] 反応は、メタノーノレ、エタノール、 1 , 4-ジォキサン、 DMSO、 DMF、 THFなどを反応 溶媒として用レ、、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウム アルコキシドなどの無機塩基の存在下、反応温度としては 0°C〜加熱還流下にて、好 適には 80°C〜100°Cにて行うことができる。
[0146] 合成経路 Dで一般式(20)
[0148] [式中、 R 、 R 、 R 、 R 、 X及び nは前述の通り]で表される化合物は上記一般式(19)
1 2 4 8
で表される化合物を加水分解することによって製造することができる(工程 D— 4)。
[0149] 反応は水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液など の塩基の存在下、反応溶媒としてはメタノール、エタノール、 1 , 4 ジォキサン、 DM F、 DMSOなどを用い、反応温度は 0°C〜加熱還流下に行うことができる。また、好ま しくは水酸化カリウムをエタノール溶媒中で 50°Cにて作用させる方法が良い。
[0150] 合成経路 Dで一般式(21 )
[0152] [式中、 R 、 R 、 R 、 R 、 R 、 X及び nは前述の通り]で表される化合物は上記一般式(
1 2 4 6 8
20)で表される化合物を Curtius転位させることによって製造することができる(工程 D 一 5)。
[0153] 反応は、カルボキシル基を力ルバマートに変換する一般的手法を用いることができ 、例えばクロル炭酸ェチルと NaNを用いる方法や、好ましくはジフエニルリン酸アジド
3
(DPPA)をトリエチルァミンなどの塩基の存在下、ベンゼンやトルエン溶媒中加熱撹 拌した後にメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、 t— プナタノールなどの低級アルコールを加えて加熱撹拌を継続する力、もしくは低級ァ
ルコールのみを反応溶媒として用い加熱撹拌下、好ましくは加熱還流下に行うことが できる。
[0154] 合成経路 Dで一般式(22)
[0156] [式中、 R、 R、 R、 R、 X及び nは前述の通り]で表される化合物は、上記一般式(21
1 2 6 8
)で表される化合物を還元することによって製造することができる(工程 D— 6)。
[0157] 反応は、 BHや 9-BBNのようなアルキルボラン誘導体、 iBu A1H、 NaBH、 LiAlH等
3 2 4 4 の金属水素錯化合物、好ましくは LiBHを用い、反応溶媒としては THFやエタノール
4
、メタノールなどを用レ、、反応温度は- 78°C〜加熱還流下、好適には常温下にて行う こと力 Sできる。
[0158] 合成経路 Dで一般式(le)で表される化合物は、上記一般式(22)で表される化合 物を酸分解するかアルカリ加水分解することによって製造することができる(工程 D— 7)。
[0159] 反応は、酢酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルォロ酢酸などの無機 酸または有機酸中、あるレ、はメタノーノレ、エタノール、 THF、 1 , 4 ジォキサン、酢酸 ェチルなどの有機溶媒との混合溶液中に作用させ、反応温度は 0°C〜常温下に行う こと力 Sできる。またはメタノーノレ、エタノール、 1, 4—ジォキサン、 DMS〇、 DMF、 T HFなどを反応溶媒として用い、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水 酸化リチウム水溶液などの塩基の存在下、反応温度としては 0°C〜加熱還流下にて 、好適には 80〜100°Cにて行うことができる。
[0160] また、各一般式中の Xが SO、 SOである化合物は、対応する Xが Sである化合物を
2
酸ィ匕することによつても製造することができる。
[0161] 反応は 1,4-ジォキサン、 DMSO、 DMF、 THF、塩化メチレン、クロ口ホルムなどを反 応溶媒として用い、酸化剤として過マンガン酸カリウムやメタクロ口過安息香酸、過酸 化水素水を用い、 0°C〜加熱還流下にて、好適には常温にて行うことができる。
[0162] 実施例
次に本発明を具体例によって説明するが、これらの例によって本発明が限定される ものではない。
[0163] <参考例 1 >
4- (4—ベンジルォキシフエ二ルチオ) _ 2_クロ口べンズアルデヒド
[0165] パラヒドロキシベンゼンチオール (5.00g)を Ν,Ν-ジメチルホルムアミド (lOOmL)に溶解 し、 2-クロ口- 4-フルォロベンズアルデヒド(6.28g)および炭酸カリウム(5.56g)を加え、 50°Cにて 5時間攪拌した。氷冷下、反応液に水をカ卩ぇ酢酸ェチルにて抽出し、水、飽 和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲル カラムクロマトグラフィー(へキサン
:酢酸ェチル = 4 : 1後に 2 : 1)にて精製し、 4- (4—ヒドロキシフエ二ルチオ)—2— クロ口べンズアルデヒド (10. lg)を淡黄色油状物として得た。得られたアルデヒド (lO.Og) を氷冷下にて塩化メチレン(lOOmL)に溶解し、ェチルジイソプロピルアミン
(7.79mL)および塩ィ匕べンジノレ (6.36g)を加え、氷冷下にて 1時間攪拌した。氷冷下、 反応液に水を加え酢酸ェチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫 酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン :酢酸ェチル = 9 : 1)にて精製し、 目的物 (13.3g)を淡黄色粉末として得た。
'H-NMRC^OMHz, CDC1 ) δ 5· 12(2Η, s), 6.98— 7.02(2H, m),
3
7.05-7.08(2H, m), 7.36- 7·50(7Η, m), 7.74(1H, d, J=8.3Hz), 10.36(1H, s).
[0166] <参考例 2 >
4- (4_ベンジルォキシフエノキシ) _ 2_クロ口べンズアルデヒド
[0167] [化 43]
[0168] パラべンジルォキシフエノールを用い参考例 1と同様に 2_クロ口- 4_フルォロベンズ アルデヒドと反応させ目的物を褐色粉末として得た。
'H-NMRC^OMHz, CDC1 ) δ 5.08(2H, s), 6·88_6·92(2Η, m),
3
7.02(4H,s), 7.33-7.43(5H, m), 7.88(1H, d, J=8.3Hz), 10.34(1H, s)
[0169] <参考例 3 >
4,_[4_ (ベンジルォキシ)フエノキシ ]_2'_クロロケィヒ酸ェチル
[0171] アルゴンガス気流下、 0。Cにてジェチルホスホノ酢酸ェチル (1.19mL)の THF(30mL) 溶液に 60%水素化ナトリウム (220mg)をカ卩えて 15分間撹拌した後、参考例 2 (1.43g)の THF(5mL)溶液をカ卩えた。 1時間撹拌後、 5。/0クェン酸をカ卩え、酢酸ェチルで抽出し、 水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し残渣をシリ 力ゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸ェチル = 15/1)にて精製し、 目的物 (1 .86g)を淡黄色粉末として得た。
NMR(400MHz, CDC1 ) δ 1.34(3H, t, J=7.3Hz), 4.27(2H,
3
q, J=7.3Hz), 5.07(2H, s), 6.34(1H, d, J=16.1Hz), 6.85(1H, dd, J=2.4, 8.8Hz), 6.94(1 H,
d, J=2.4Hz), 7.33-7.46(9H, m), 7.56(1H, d, J=8.8Hz), 8.03(1H, d, J=16.1Hz)
[0172] <参考例 4 >
4'-[4- (ベンジルォキシ)フエ二ルチオ] -2'-クロロケィヒ酸ェチル
[0174] 参考例 1の化合物を用い、参考例 3と同様に反応させ目的物を淡黄色粉末として 得た。 iH-NMR OOMHz, CDC1 )
δ 1.33(3H, t, J=7.3Hz), 4.26(2H, q, J=7.3Hz), 5.11(2H, s), 6.35(1H, d,
J=15.9Hz), 6.96(1H, dd, ]=1.2, 7.8Hz), 7.01_7.07(3H, m), 7.34-7.49(8H, m) 8.00(1H, d, J=15.9Hz)
[0175] <参考例 5 >
4し(4-ブロモフエ二ルチオ) -2'-クロロケィヒ酸ェチル
[0177] ノ ブロモチォフエノールを用いて参考例 1と同様にして反応させた後、得られたァ ルデヒドを参考例 3と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDC1 ) δ 1.34(3H, t, J=7.3Hz), 4.27(2H, q,
3
J=7.3Hz),6.39(lH, d, J=16.1Hz), 7.08(1H, dd, J=2.0, 8.3Hz), 7.23(1H, d, J=2.0Hz), 7.32(2H, d, J=8.3Hz), 7.50- 7·53(3Η, m), 8.01(1H, d, J=16.1Hz)
[0178] <参考例 6 >
4'- (4-ビフエ二ルチオ) -2'-クロロケィヒ酸ェチル
参考例 5(1.23g)のトルエン (40mL)にテトラキストリフエニルホスフィンパラジウム (179m g)、フエニルホウ酸 (452mg)のエタノール (5mL)溶液、 2mol/L_Na CO水溶液 (8.7mL)
2 3
を加え、 8時間加熱還流した。酢酸ェチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫
:酢酸ェチル =20/1)で精製し、 目的物 (1.07g)を淡黄色油状物として得た。
'H-NMRC^OMHz, CDC1 ) δ 1.34(3H, t, J=7.3Hz), 4.27(2H,
3
q, J=7.3Hz), 6.39(1H, d,J=16.1Hz), 7.12(1H, dd, J=2.0, 8.3Hz), 7.36- 7.41(1H m), 7.45-7.55(5H, m), 7·60_7·64(5Η, m), 8.02(1H, d, J=16.1Hz).
[0181] <参考例 7 >
4し [4-(3,5-ジクロロフエニル)フエ二ルチオ] -2'-クロロケィヒ酸ェチル
[0182] [化 48]
[0183] 参考例 5の化合物と 3, 5—ジクロ口フエニルホウ酸を上記参考例 6と同様に反応さ せ目的物を淡黄色油状物として得た。
'H-NMRC^OMHz, CDC1 ) δ 1.34(3H, t, J=7.3Hz), 4.27(2H,
3
q, J=7.3Hz), 6.40(1H, d,J=16.1Hz), 7.15(1H, dd, J=2.0, 8.3Hz), 7.29(1H, d,
J=2.0Hz), 7.37(1H, t, J=2.0Hz), 7.47(2H, d, J=1.5Hz), 7.50— 7.56(5H, m),
8.02(1H, d, J=16.1).
[0184] <参考例 8 >
4'-[4- (ベンジルォキシ)フエノキシ ]-2'-クロロジヒドロシンナミルアルコール
参考例 3(1.86g)をエタノール (30mL)に溶解し、 0°C撹拌下に BiCl (719mg)、 NaBH (6
3 4
89mg)を加えた。同温にて 30分、室温にて 5時間撹拌後、水を加え不溶物をセライト にて濾去し、濾液を酢酸ェチルにて抽出した。水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸 ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣を THF(30mL)に溶解し、 0°Cにて LiAlH (173mg)をカ卩ぇ 1時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液をカ卩え、不溶物をセラ
4
イトにて濾去し残渣を酢酸ェチルにて抽出後、水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫 酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (へキサン :酢酸ェチル =3: 1)にて精製し、 目的物 (1.50g)を無色粉末として得た。
'H-NMRC^OMHz, CDC1 ) δ 1.31(1H, br s), 1·84— 1·91(2Η,
m), 2,78(2H, t, J=7.8Hz),3.69(2H, d, J=6.4Hz), 5.06(2H, s), 6.79(1H, dd, J=2.4
8.3Hz), 6.92-6.96(5H, m), 7.15(1H, d, J=8.3Hz), 7·30_7·45(5Η, m).
[0187] <参考例 9 >
4,_[4_ (ベンジルォキシ)フエノキシ ]_2'_クロロジヒドロシンナミルョージド
[0189] 参考例 8(1.50g)の THF(30mL)溶液を 0°Cにて撹拌下、 PPh (2.14g)、イミダゾール (55
4mg)、 I (2.07g)を加え 30分間撹拌した。 5%チォ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸ェ チルで抽出後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を濃 縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸ェチル = 30: 1)にて 精製し、 目的物 (1.79g)を無色粉末として得た。
'H-NMRC^OMHz, CDC1 ) δ 2.08-2.15(2H, m), 2.79(2H, t,
J=7.3Hz), 3.19(2H, t, J=6.8Hz), 5.06(2H, s), 6.79(1H, dd, J=2.4, 8.3Hz),
6.93(1H, d, J=2.4Hz), 6.97(4H,s), 7.16(1H, d, J=8.3Hz), 7.32-7.46(5H, m).
[0190] <参考例 10〜12 >
参考例 4、 6、 7の化合物を用いて参考例 8、 9と同様に反応させ表 1に示す化合物を 合成した。
[0191] [表 1]
参考例 1 性状
10 PhCH20 淡 ϊ!色油状物
11 Ph 淡黄色油状物
12 3,5-CI-Ph 淡黄色油状物
[0192] <参考例 13 >
4-[4- (ベンジルォキシ)フエ二ルチオ] -2-クロロフエネチルアルデヒド
[0193] [化 51]
[0194] ァノレゴン置換下、氷冷下にて (Methoxymethy)triphenylphosphonium chloride (8.28g )のテトラヒドロフラン
(280mL)溶液に t-ブトキシカリウム (6.76g)を加え 1時間攪拌し、参考例 l(11.2g)のテト ラヒドロフラン(20mL)溶液をカ卩えて 1時間攪拌した。反応液に水を加え酢酸ェチルに て抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を
:酢酸ェチル = 6: 1後に 2: 1)にて精製し、ビニルエーテル体 (4.63g )を淡黄色油状 物として得た。得られたビエルエーテル (4.63g)をテトラヒドロフラン (66mL)に溶解し、 6mol/L塩酸水溶液(60mL)を加え 60°Cにて 3時間攪拌した。酢酸ェチルにて抽出し、 水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。シリカゲルカラムク 口マトグラフィー(へキサン
:酢酸ェチル = 6: 1後に 4: 1)にて精製し、 目的物(3.70g)を無色粉末として得た。 MS(EI+): 382([M]+)
'H-NMRC^OMHz, CDC1 ) δ 3.82(2Η, d, J=1.8Hz), 5.02(2Η,
3
s), 7.16(2Η, d, J= 1.8Hz), 7.25(1H, d, J=8.6Hz), 7.35(1H, d, J=1.2Hz), 7.50(2H, d, J=8.6Hz), 7.54(2H, d, J=8.0Hz), 7.66(1H, t, J=8.0Hz), 8.20(2H, dd, J=1.2Hz,
8.6Hz), 9.75(1H, t, 1.8Hz).
[0195] <参考例 14 >
4— [4_ (ベンジルォキシ)フエ二ルチオ ]_2_クロロフエネチルョージド
[0196] [化 52]
[0197] 氷冷下にて参考例 13を NaBHを用いて還元し得られたをアルコールを参考例 9と同
様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
'H-NMRC^OMHz, CDC1 ) δ 3.23-3.30(2H, m), 3.31— 3.40(2H,
3
m), 5.03(2H, s), 7.12— 7.18(2H, m), 7.23(2H, d, J=8.6Hz), 7.30(1H, d, J=1.2Hz)
7.47(2H, d, J=8.6Hz), 7.53(2H, d, J=8.0Hz), 7.66(1H, t, J=8.0Hz), 8.20(2H, dd
J=1.2Hz, 8.6Hz).
[0198] <参考例 15 >
4,-ベンジルォキシ -ジヒドロシンナミノレョージド
[0200] パラべンジルォキシジヒドロケィヒ酸ェチルを上記参考例 14と同様に還元、ヨウ素化 し目的物を黄色粉末として得た。
[0201] <実施例 1 >
5_[(4-ベンジルォキシ)フエ二ル]- 2_t-ブトキシカルボニルァミノ- 2_エトキシカルボ二 ノレペンタン酸ェチル
[0202] [化 54]
2_t-ブトキシカルボニルァミノマロン酸ジェチル (11.7g)の THF(180mL)、 DMF(30mL) 溶液に、 NaOtBu(4.09g)を加え 30分加熱還流した後、参考例 15(10.0g)の THF(120mL )溶液を加え 8時間還流撹拌した。氷水を加え、酢酸ェチルで抽出後、水、飽和食塩 水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を濃縮し目的物を淡黄色油状物と して粗精製物を得た。
'H-NMRC^OMHz, CDC1 ) δ 1.22(6H, t, J=7.1Hz),
3
1.42(9H,s), 1.44-1.47(2H, m), 2.31(2H, br s), 2.57(2H, t, J=7.6Hz),
4.11-4.27(4H, m), 5.03(2H, s), 5.92(1H, br s), 7.06(2H, d, J=8.8Hz), 7.29-7.43(5H, m), 8.88(2H, d, J=8.8Hz).
[0204] <実施例 2〜6 >
参考例 9〜12及び 14を用い実施例 1と同様に反応させ表 2に示す化合物を合成し た。
実施例 R1 X n 性状
2 PhCH20 0 3 無色油状物
3 PhCHzO s 2 無色油状物
4 PhCH20 s 3 無色油状物
5 Ph s 3 無色油状物
6 3,5-CI-Ph s 3 無色油状物
[0206] ぐ実施例 7〉
5-[(4_トリフルォ エノキシ)フエニル] -2-t-ブトキシカルボニルァミノ- 2-ェトキ シカルボ二 酸ェチル
[0208] 実施例 1で得られた粗精製物をエタノール (300mL)に溶解し、 10%Pd/C (2.00g)をカロ え、水素圧 294kPa、 50°Cにて撹拌した。 2時間後、セライトにて触媒を濾去し、残渣を 濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン:鲊酸ェチル = 10: 1後 2: 1)にて 精製し 5-(4-ヒドロキシフエニル) -2-t-ブトキシカルボニルァミノ- 2-エトキシカルボニル ペンタン酸ェチル (12.0g)を無色油状物として得た。
[0209] 得られたフエノール体 (300mg)、パラトリフルォロメチルフエニルホウ酸(279mg)の塩 化メチレン(5mL)溶液に、酢酸銅(133mg)、トリェチルァミン(0.205mL)、 MS4A(1.00g
)を加えて常温にて 1日撹拌した。セライトにて不溶物を濾去し、残渣をシリカゲルカラ ムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸ェチル = 10: 1)にて精製し、 目的物(235mg)を無 色油状物として得た。
'H-NMRC^OMHz, CDC1 ) δ 1.24(6H, t, J=7.3Hz), 1.42(9H,
3
s), 1.46-1.52(2H, m), 2.34(2H, br s), 2.64(2H, t, J=7.8Hz), 4.18-4.25(4H, m), 5.94(1H, br s), 6.95(2H,d, J=8.3Hz), 7.01(2H, d, J=8.3Hz), 7.16(2H, d,
J=8.3Hz), 7.55(2H, d, J=8.3Hz).
[0210] <実施例 8及び 9 >
2-t-ブトキシカルボニルァミノ- 2-[4-(4-トリフルォロメチルフエノキシ)フエニル]プロピ ル -1,3-プロパンジオール及び 2-t-ブトキシカルボニルァミノ- 5-[4-(4-トリフルォロメ チルフエノキシ)フエニル]ペンタン -1-オール
[0212] 実施例 7(235mg)の THF(lOmL)溶液に 0°Cにて LiBH (92.6mg)、 EtOH(0.5mL)を加え
4
常温まで昇温しながら 1日撹拌した。飽和塩ィ匕アンモニゥム水溶液を加え、酢酸ェチ ルにて抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒 を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸ェチル =2: 1後 3:2)で 精製しジオール体 (147mg)、モノオール体 (24.3mg)を各々無色油状物として得た。
[0213] ジオール体;1 H_NMR(400MHz, CDC1 ) δ 1.44(9H, s), 1.62- 1·64(4Η,
3
m), 2.62(2H, brs), 3.36(2H, br s), 3.59(2H, d, J=11.2Hz), 3.83(2H, d,
J=11.2Hz), 4.91(1H, br s), 6.97(2H, d, J=8.8Hz), 7.02(2H, d, J=8.8Hz), 7.18(2H, d, J=8.8Hz), 7.55(2H, d,J=8.8Hz).
モノオール体;1 H— NMR(400MHz, CDC1 ) δ 1.45(9H, s),
3
1.53— 1.77(4H, m), 2.60— 2.69(2H, m), 3.54— 3.57(1H, m), 3.68(2H, d, J=8.3Hz), 4.62(1H, br s), 6.97(2H, d, J=8.8Hz), 7.02(2H, d, J=8.8Hz), 7.18(2H, d,
J=8.8Hz), 7.55(2H, d, J=8.8Hz).
[0214] <実施例 10〜17〉
実施例 2〜6の化合物を実施例 8及び 9と同様に反応させ表 3に示す化合物を合成 した。
実施例 R1 X n R3 性状
10 PhCH20 0 3 CH2OH 無色油状物
11 PhCH20 0 3 H 無色油状物
12 PhCH20 S 2 CH2OH 無色アモルファス
13 PhCH20 S 3 CH2OH 無色アモルファス
14 Ph S 3 CH2OH 無色アモルファス
15 Ph S 3 H 無色アモルファス
16 3,5-CI-Ph S 3 CH2OH 無色油状物
17 3,5-CI-Ph S 3 H 無色油状物
[0216] <実施例 18 >
2-ァミノ- 2-[4-(4-トリフルォロメチルフエノキシ)フ: 二ノレ]プロピル- 1,3-プロパンジォ ール塩酸塩
[0218] 実施例 8(147mg)をメタノール (3mL)に溶解し、 10%HCト AcOEt(3mL)を加え常温にて 一晩撹拌した。溶媒を濃縮し目的物 (119mg)を無色アモルファスとして得た。
'H-NMRC^OMHz.DMSO-d ) δ 1.58(4H, br s), 2.56(2H, t,
6
J=6.8Hz), 3.40-3.48(4H, m), 5.32(2H, br s), 7.06(2H, d, J=8.8Hz), 7.08(2H, d, J=8.8Hz), 7.28(2H, d, J=8.8Hz), 7.71(2H, d, J=8.8Hz), 7.76(3H, br s).
FABMS[M+H]+ ; 370
'(m 'H 6S'S- 9S'S '(s ΉΖ)2Γ9 '( 'HW£-6V£ '(冚 'Η 89 — 9
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く 〜 6ΐ ¾第> [6120]
09£8lO/SOOZdf/X3d ST0T1-0/900Z OAV
7.07-7.12(4H, m), 7.26(1H, d, J=8.2Hz), 7.32— 7.46(7H, m), 7.79— 7.87(3H, br). 元素分析値(%) :じ H C1NO S.HC1として
C H N
計算値 60.00 5.66 2.92
実測値 59.58 5.61 2.79
[0225] 実施例 SS^H-NMR OOMHz'DMSO-d ) δ 1·50_1·56(4Η, m),
2.56— 2.62(2Η, m), 3.38— 3.42(4Η, m), 5· 14(2Η, s), 5.26— 5.29(2Η, m), 7·05(1Η, dd J=1.8, 7.9Hz), 7.08- 7.11(3H, m), 7.25(1H, d, J=7.9Hz), 7.34- 7.46(7H, m), 7.60-7.68(3H, br).
元素分析値(%) :じ H C1NO S.HC1
C H N
計算値 60.72 5.91 2.83
実測値 60.61 5.85 2.66
[0226] 実施例 S^H-NMR OOMHz'DMSO-d )
δ 1.58(4H, br s), 2.65(2H, br s), 3.39— 3·47(4Η, m), 5.31(2H, t, J=4.9Hz), 7.27(1H, dd, J=2.0, 7.8Hz), 7.30- 7·39(3Η, m), 7.42- 7.49(4H, m), 7.63_7.72(7H, m).
[0227] 実施例 SS^H—NMR OOMHz'DMSO-d ) δ 1.50-1.68(4H,m), 2.68(2H,
t, J=7.3Hz), 3.07(1H, br s), 3.40-3.44(lH, m), 3·55_3·59(1Η, m), 5.28(1H, br s), 7.27(1H, dd, J=2.0, 8.3Hz), 7.30— 7.39(3H, m), 7.42-7.49(4H, m),
7.63-7.72(4H, m), 7.88(3H,br s).
[0228] 実施例 Se^H—NMR OOMHz'DMSO-d ) δ 1.59(4H,br s), 2.66(2H,
br s), 3.39-3.47(4H, m), 5.32(2H, br s), 7.32(1H, dd, J=2.0, 7.8Hz),
7.38-7.42(4H, m), 7.61(1H, d, J=2.0Hz), 7.74— 7.78(7H, m).
[0229] 実施例 Si^H-NMR OOMHz'DMSO-d ) δ 1·50_1·68(4Η, m),
2.69(2H, t, J=7.3Hz), 3.07(1H, br s), 3·40_3·47(1Η, m), 3.54_3.61(1H, m), 5.28(1H, br s), 7.31(1H, dd,』=2.0, 8.3Hz), 7.38-7.42(4H, m), 7.60(1H, t, J=2.0Hz), 7.72-7.77(4H, m), 7.92(3H, br s).
[0230] <実施例 28 >
2 -ァリル— 4_[(4-ベンシルォキシフエ二ルチオ) - 2—クロ口フエニル] - 2_エトキシ カルボニル酪酸ェチル
[0232] アルゴン置換下にてマロン酸ジェチル (2.61mL)のテトラヒドロフラン Ν,Ν-ジメチル ホルムアミド(7: 1)混合溶液 (80mL)に 60%水素化ナトリウム (661mg)を加え、 80°Cにて 30分間攪拌した。参考例 14(5.67g)のテトラヒドロフラン Ν,Ν-ジメチルホルムアミド(7 : 1)混合溶液 (20mL)を加え 80°Cにて 30分攪拌した。反応容器を氷冷し、反応液に 60% 水素化ナトリウム (2.28g)を加え 30分攪拌した。その後ァリルョージド (5.21mL)を加え 30 分攪拌し、反応液に氷水を加え酢酸ェチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄 後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィ 一(へキサン:
酢酸ェチル = 20: 1)にて精製し、 目的物 (3.56g)を淡黄色油状物として得た。
MS(EI+): 552([M]+)
'H-NMRC^OMHz, CDCl ) δ 1.26(6Η, t, J=7.3Hz),
3
2.07-2.11(2Η, m), 2.56— 2.63(2H,m), 2.74(2H, d, J=7.3Hz), 4.19(4H, q, J=7.3Hz), 5.08(2H, s), 5.12-5.18(2H, m), 5.64— 5.72(1H, m), 6.96— 6.99(3H, m), 7.04(1H, d, J=7.9Hz), 7.11(1H, d, J=1.8Hz), 7.32— 7.45(7H, m).
[0233] <実施例 29 >
2 -ァリル— 4-[(4-ベンシルォキシフエ二ルチオ) 2—クロ口フエニル] - 2-エトキシ カルボニル酪酸
[0234] [化 59]
[0235] 実施例 28(3.56g)のエタノーノレーテトラヒドロフラン (2: 1)混合溶液 (90mL)に、 ImoL/L -水酸化カリウム水溶液 (20mL)をカ卩え、 2.5時間加熱還流した。反応液に 10%塩酸水 溶液を加え、 pHを 1としたのち、酢酸ェチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄 後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィ 一(へキサン
:酢酸ェチル = 3: 1のち 1: 1)にて精製し、 目的物 (2.67g)を淡黄色油状物として得 た。
MS(FAB+): 524([M+H]+)
NMR(400MHz, CDC1 ) δ 1.31(3H, t, J=7.3Hz),
3
2.17-2.20(2H, m), 2.58— 2.67(3H,m), 2.76— 2.81(1H, m), 4.22— 4.28(2H, m), 5.08(2H, s), 5.11-5.16(2H, m), 5·61_5·71(1Η, m), 6.96_6.99(3H, m), 7.03(1H, d, J=7.9Hz), 7.10(1H, d, J=1.8Hz), 7.32-7.45(7H, m).
[0236] <実施例 30 >
2 -ァリル一 4-[(4-ベンシルォキシフエ二ルチオ) - 2—クロ口フエニル] - 2-メトキシ カルボニルァミノ酪酸ェチル
[0237] [化 60]
実施例 29 (1.22g)のベンゼン(15.0mL)溶液に、トリェチルァミン(0.42mL)とジフヱ ニルリン酸アジド(550 x L)を加え、 40分加熱還流した。常温にもどしメタノール (15mL )溶液とナトリウムメトキシド (251mg)をカ卩え、 1.5時間加熱還流した。反応液に水を加え 、酢酸ェチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾 燥した。
:酢酸ェチル = 10 : 1)にて精製し、 目的物 (1.21g)を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 553([M+H]+)
NMR(400MHz, CDC1 ) δ 1.28(3H, t, J=7.3Hz),
3
2.06-2.12(1H, m), 2.44-2.51(2H,m), 2.60_2.65(2H, m), 3.05- 3.15(1H, m), 3.63(3H
s), 4.14-4.22(2H, m), 5.05— 5.07(2H, m), 5.58— 5.64(1H, m), 5.80(1H, br s), 6.93— 6.99(3H, m), 7.02(1H, d, J=7.9Hz), 7.10(1H, d, J=1.8Hz), 7.32— 7.45(7H, m).
[0239] <実施例 31 >
2 -ァリル一 4_[(4-ベンシルォキシフエ二ルチオ) - 2—クロ口フエニル] - 2 -メトキシ カルボニルアミノブタノール
[0241] 氷冷下、実施例 30(1.43g)のテトラヒドロフラン (15mL)溶液に水素化ホウ素リチウム (2 81mg, 12.90mmoL)を加え、エタノール (0.75mL)を滴下し 3時間攪拌した。反応液に水 を加え、酢酸ェチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウム にて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン
:酢酸ェチル = 3 : 2)にて精製し、 目的物 (1.10g)を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 512([M+H]+)
'H-NMRC^OMHz, CDCl ) δ 1.82-1·94(2Η, m), 2.31— 2.36(1Η,
3
m), 2.45-2.50(1Η, m), 2.64-2.71(2Η, m), 3.64(3Η, s), 3.71_3.81(3Η, m), 4.90(1Η, br s), 5·08(2Η, s), 5.17— 5.21(2Η, m), 5.80— 5.89(1Η, m), 6.96— 7.00(3Η, m), 7.08-7.12(2Η, m), 7.32— 7.45(7Η, m).
[0242] <実施例 32 >
2 -ァリノレ一 2 -ァミノ一 4- [(4-ベンシルォキシフエ二ルチオ) - 2—クロ口フエニル] - ブタノール
[0243] [化 62]
[0244] 実施例 31(1.10g)のジメチルスルホキシド (14mL)溶液に、 5moL/L_水酸化カリウム水 溶液 (14mL)と ImoL/L-水酸化リチウム水溶液 (7mL)をカ卩え、 100°Cにて 17時間加熱攪
拌した。反応液に水を加え、酢酸ェチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後 、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー( アミノ化シリカ,
酢酸ェチルのみ、のち酢酸ェチル:エタノーノレ = 10: 1)にて精製し、 目的物 (1.16g) を無色晶として得た。
MS(FAB+): 454([M+H]+)
'H-NMRC^OMHz, DMSO) δ 1.29(2Η, br s), 1.38— 1.42(2Η, m), 2·08(2Η, d, J=7.9Hz), 2.57-2.70(2H, m), 3.13- 3· 17(2Η, m), 4.56(1H, t, J=4.9Hz),
5.00-5.07(2H, m), 5.13(2H, s), 5.80_5.90(1H, m), 7.03-7.10(4H, m), 7.22(1H, d, J=7.9Hz), 7.31-7.46(7H,m).
[0245] <実施例 33 >
2 -ァリルー 2 -アミノー 4-[(4-ベンシルォキシフエ二ルチオ) - 2—クロ口フエニル] - ブタノール塩酸塩
[0247] 実施例 32(50mg)を 10%塩酸メタノール溶液に溶解し、 30分後に溶媒を留去し目的 物 (53.8mg)を無色アモルファスとして得た。
MS(FAB+): 454([M+H]+)
HRMS(FAB+): 454([M+H]+)(mmu +2.0)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1·66_1·70(2Η, m), 2.40(2Η, m),
2.66— 2.70(2Η, m), 3.48(2Η, m), 5· 12(2Η, s), 5.13— 5.26(2Η, m), 5·55(1Η, t,
J=4.9Hz), 5.75— 5.86(1H, m),7.06-7.13(4H, m), 7.26(1H, d, J=8.6Hz),
7.32-7.46(7H, m), 7.92- 8.06(3H, br).
[0248] 次に本発明化合物について、有用性を裏付ける成績を実験例によって示す。
[0249] <実験例 > マウス宿主対移植片拒絶反応に対する被験化合物の抑制作用
トランスプランテーション(Transplantation)、第 55卷、第 3号、第 578- 591頁, 1993年.
に記載の方法を参考にして行った。 BALBん系雄性マウス(日本チャールズリバ一) 力も脾臓を採取した。脾臓は、 RPMト 1640培地(ギブコまたはシグマ)中に取り出し、 スライドグラス 2枚ですり潰しセルストレーナ一(70ミクロン、ファルコン)を通過させるこ とにより脾細胞浮遊液にした。この脾細胞浮遊液を遠心して上清を除去した後、塩化 アンモニゥム-トリス等張緩衝液を加えて赤血球を溶血させた。 RPM卜 1640培地で 3回 遠心洗浄した後、 RPMI-1640培地に浮遊した。これに最終濃度が 25 z gZmLとなる ようにマイトマイシン C (協和醱酵)をカ卩え、 37°C、 5%CO下で 30分間培養した。 RPMI
2
-1640培地で 3回遠心洗浄した後、 1^1^1-1640培地に2.5 X 108個/ mLとなるように浮 遊し、これを刺激細胞浮遊液とした。刺激細胞浮遊液 20 μ L (5 X 106個/匹)を、 27G 針およびマイクロシリンジ(ハミルトン)を用いて C3H/HeN系雄性マウス 6〜10週齢( 日本クレア)の右後肢足躕部皮下に注射した。正常対照群には、 RPMト 1640培地の みを注射した。 4日後に、右膝下リンパ節を摘出し、メトラー AT201型電子天秤 (メトラ 一 ·トレド)を用いて重量を測定した。被験化合物は、刺激細胞注射日から 3日後まで 、 1日 1回、計 4回、連日腹腔内投与した。対照群には、被験化合物の調製に用いた ものと同じ組成の溶媒を投与した。表 5に示す。なお、抑制率は下記の計算式を用い て算出した。
[0250] [数 1コ
(陽性対釅群の右 B下リンパ節重量) - (被》化合物群の右ほ下リンパ節重量)" 1 DQ 抑制學 (¾) = (陽性対睡鮮の右 κ下リンパ節重璗) - (正常対照群の右膝下リンパ節重璗)
[0251] [表 5] 実施例番号 投与量 (mg/kg) 抑制率 (%)
20 0.03 51
0.3 72
22 0.1 73
23 0.3 88
24 3 62
[0252] 以上のように、一般式(1)で表される本発明化合物は動物実験モデルにおいてそ
の有効性が確認された。
産業上の利用可能性
上述のように、本発明は、新規なァミノアルコール誘導体、特に一方のァリール基 のパラ位にァミノアルコールユニットを含む炭素鎖を有し、もう一方のァリール基のパ ラ位に置換基を有するジァリールスルフイドゃジァリールエーテル誘導体が強力な免 疫抑制作用を有することを見出したものである。このような免疫抑制作用を有する化 合物は、臓器移植および骨髄移植における拒絶反応の予防または治療薬、炎症性 腸疾患、全身性エリトマト一デス、クローン病などの自己免疫疾患の予防または治療 薬、関節リウマチの予防または治療薬、乾癬またはアトピー性皮膚炎の予防または治 療薬及び気管支喘息または花粉症の予防または治療薬として有用である。