WO2005008009A1

WO2005008009A1 - 捕獲ネットシステム

Info

Publication number: WO2005008009A1
Application number: PCT/JP2003/009281
Authority: WO
Inventors: Eiji Mori
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2003-07-22
Filing date: 2003-07-22
Publication date: 2005-01-27
Anticipated expiration: 2006-01-22
Also published as: AU2003252670A1

Abstract

金融機関等の店舗に押し入った強盗犯を、頭上から覆って瞬時にして捕獲するネット装置を提供する。天井に設けられたネット部材の適宜箇所に複数個の錘を取り付け、これらの錘を爆薬の爆発エネルギで筒から発射されるように形成した発射手段の筒内部に収容し、上薬を爆発させたときに、その爆発エネルギにより筒内部の錘が発射されて、落下する上記各錘の運動エネルギによって、ネット部材が、人の頭上から加速されながら広がった状態で覆って捕獲する。このとき、同時に噴射手段から犯人の動作を緩慢にする動作緩慢誘発物質を頭上から噴出させて付着するようにする。

Description

明細書

捕獲ネットシステム技術分野

本発明は、金融機関等の防犯対策に係り、天井、壁、衝立等から金融強盗等にネットを展開放出して犯人を捕獲する捕獲ネット装置に関する。背景技術

従来、金融機関等の押し入った強盗犯を捕獲する技術として、例えば特許文献 1の特開平 7— 5 4 5 4 4号公報が公知である。この公報に記載の技術は、ネット部材の複数箇所に綞を結合し、このネット部材を天井下面に予め展開した状態で電磁石の磁力を利用して吊り下げておく。いざという場合には、電磁石の励磁力を断ち切ることでネッ卜部材を強盗犯の頭上から自然落下させ、強盗犯を捕獲するようにしたものである。この場合に、天井のネット部材設置部位近傍に発煙筒を設け、発煙筒から噴出する煙で犯人の視界を妨げるようにしている。

また、特許文献 2の特開 2 0 0 0 - 1 1 0 4 4 1号公報や特許文献 3の特開 2 0 0 3— 1 3 2 4 4 8号公報に記載されているように、金融機関の建物の出入ロにネット部材を張り出すように展闘させ出入リロを閉鎖するものが知られている。このものは、出入リロをネット部材で閉鎖することで、強盗犯の逃走を阻止しょうとするものもある。

なお、人を捕獲する技術として、上記公報の他に、例えば特許文献 4として特表 2 0 0 0— 5 1 3 0 8 9号公報記載のものもある。し力、し、この公報のものは、

銃の砲身中に弾丸としてのカートリッジを装填してカートリッジを発射させるようにしている。このカー卜リッジ内には、弾薬と共にネットと、ネッ卜に結合された錘とを一体的に収容したものである。この弾薬を爆発させてカー卜リッジを砲身から発射させることにより、錘でネッ卜が広がりながら展開していき、人を捕獲して拘束出来るようになつている。しかしながら、特許文献 1記載の技術にあっては、ネット部材は重力によリ頭上に自然落下させるものであるため、天井が高い位置にある建物の場合には、強盗犯の頭上に到達するまでの時間が長くなリ、犯人を捕獲するタイミングを逸してしまう恐れがあり、また、発煙筒からの煙を放出させて視界を遮るだけでは、犯人捕獲に有効な手段たり得ない恐れもある。また、特許文献 2や特許文献 3記載のものでは、強盗犯が建物から外部へ逃走するのは阻止できたとしても、強盗犯が建物内に立てこもり、店舗の店員や顧客を人質に巻き込んだりして、事態を悪化させる懸念もある。さらに、特許文献 4の捕獲装置は、携帯できるもので、標的となる人に向けて発射することによリネットを広げて人を捕獲するものに過ぎず、深夜のような無人となつた金融機関等の店舗内に侵入してきた犯人等を捕獲することができない問題がある。

そこで、上記のような問題点を解決するために、ネット部材に結合した錘を発射手段から発射させ、天井、壁、衝立等から瞬時にしてネット部材を展開させることにより、人体を覆い尽くすようにして強盗犯の自由を拘 ¾することによ捕しさらには噴射手段から放出される動作緩慢読発物質をネット部材に絡ぬられた強盗犯に振りかけるという相乗効果で強盗犯の動きの自由度を奪うことにより捕獲効翬を高めるようにした捕獲ネットシステムを提供するのが、本発明の課題（目的）である。発明の開示

上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項 1記載の発明は、捕獲ネットシステムであつて、天井、壁、衝立等に折り畳んで設けられたネット部材、このネッ卜部材の周縁近傍の適宜箇所に取り付けられた複数個の錘、これらの錘に応じて設けられ、各錘を収容する発射筒および上記各錘に発射エネルギを付与する発射エネルギ発生手段を有する発射装置、および当該発射装置の上記発射エネルギ発生手段を作動させる指令信号を送る作動指令信号送出手段を備え、この作動指令信号送出手段によリ上記発射エネルギ発生手段が作動したとき、上記各発射装置の発射筒から発射された上記各錘の有する運動エネルギにより、上記ネット部材が四方に広がる方向に引っ張られて展開し、人を捕獲できるよう構成を採ることとした。

この請求項 1記載の発明では、例えば、カウンタ近くに設置した備え付けの操作スィッチゃ人感センサ手段等で形成された作動指令信号送出手段から発せられた指令信号（電気信号）を発射装置に送る。これによりの発射エネルギ発生手段が作動して発射筒に発射エネルギが発生する。この発射エネルギにより天井、壁、衝立等に設けた発射筒から各錘が四方へ発射される。これにより、天井、壁、衝立等に設けられた各錘の有する運動エネルギにより、折り畳まれていたネット部材が錘に引っ張られることで展開していく。このとき、ネット部材は人（例えば、強盗犯、テロリスト）の頭上から加速されながら瞬時にして勢いよく展開されて覆い被さるようになる。

ネット部材の編み目間隔は、例えば、 1 0 c m~ 2 0 c m、あるいは 3 0 c mの大きさであるものを使用した場合には人の手足や頭部が嵌ってからみついて抜けにくくなリ、また、ネット部材の素材をある程度重量の大きな紐材で形成すればネット部材全体としての重量が嵩張り、錘の重量と相まって、人に大きな負担を掛けることとなリ、動作の自由度を奪うこととなリ、結果としてそれだけ人そのものを拘束して捕獲することができ、且つ、店舗にいる顧客等が人質にされる事態を確実に阻止することができる。

なお、発射エネルギ発生手段が、発射筒底部に点火栓と、この点火栓に火花が飛ぶことで点火されて爆発的に膨脹ガスを発生するガス発生部材とで形成された態様のものである場合には、指令信号によって点火栓が点火され、ガス発生部材で高圧の膨脹ガスを発生させて、各錘を発射するようにする。

また、発射エネルギ発生手段を、例えば、空気、窒素ガス等の高圧気体を密封した高圧気体密封室と、この高圧気体密封室の高圧気体を錘に向けて噴射させる電磁弁部材とで形成した態様である場合には、指令信号によつて電磁弁部材を開き、密封されていた高圧気体を発射筒内に噴射して錘を発射筒から発射させるようにする。

さらに、発射エネルギ発生手段として、発射筒底部にコイルスプリングを圧縮した状態で収納しておき、コイルスプリングの圧縮状態を解放することで、コイルスプリングのばね反発力を利用して錘を発射させる態様に形成するものであってもよい。

さらにまた、発射エネルギ発生手段として、発射筒の底部に、火薬を充填した薬莢等の火薬充填部を設けて形成し、電気的な指令信号を受けて作動するトリガ機構によって火薬充填部を打撃することで、錘を発射するようにする態様でもよい。 ' また、請求項 2記載の発明は、請求項 1記載の捕鹳ネットシステムに係上記作動指令信号送出手段は、人為的操作によって投入可能な操作スイッチで形成され、この操作スィッチが投入されたとき、上記指令信号を出力するようにしたことを特徴とする。

この請求項 2記載の発明では、作動指令信号送出手段である操作スィッチを、例えば金融機関等の店舗のカウンタに設置すると、強盗犯が店舗内に侵入してきたとき、店員がその操作スィッチを投入することで、指令信号が発射エネルギ発生手段に送出されて作動し、発射装置から錘が発射され、店員が人為的操作により発射装置を作動させるため、捕獲ネットシステムの作動を安全確実に実施できるようになるものである。

また、請求項 3記載の発明は、請求項 1または 2記載の捕獲ネットシステムに係り、上記作動指令信号送出手段によリ上記発射エネルギ発生手段力《作動したとき、緊急事態が生じた状態にあることを報知する警報手段を有することを特徴とする。

この請求項 3記載の発明では、発射エネルギ発生手段が作動して、ネット部材が天井、壁、衝立等から展開作動するとき、ほぼこれと同時的に、例えば、ブザー、スピーカ、点滅灯（回転遮光体あるいは灯自体が点滅する構造のもの等）等の、店舗内外に設置された警報手段から発声される警報音や、発光する警報光により、異常事態（強盗事件）が発生していることを周囲に報知することができ、犯人の捕獲を一層効果的に実行することが可能となるものである。

また、請求項 4記載の発明は、請求項 1乃至 3のいずれか一項に記載の捕獲ネットシステムに係り、上記作動指令信号送出手段は、ネッ卜部材またはその近傍に設置された人感センサ手段で形成し、この人感センサ手段が異常を感知したとき、上記指令信号を出力するようにしたことを特徴とする。

この請求項 4記載の ¾明では、ネット部材またはその近傍に、例えば、人体から発する赤外線を感知する赤外線センサ、人体に向けて照射する超音波、レーザー光線の反射を検知して人の存在有無を検知する超音波センサゃレーザーセンサといった人感センサ手段を設けているため、夜間における無人化した店舗、貨幣保管装置において、人感センサ手段が人の存在を撿知した場合に、自動的に異常状態にあると感知し、これにより捕獲ネットシステムが天井、壁、衝立等で作動してネヅト部材が発射装置から発射されて強盗犯を捕獲することができるようになる。

また、請求項 5記載の発明は、請求項 4記載の捕獲ネットシステムに係リ、上記人感センサ手段は、人体から発する赤外線を感知する赤外線センザと人体に反射する超音波を感知する超音波センサとで形成し、これら赤外線センサと超音波センサとが同時に作動したときにのみ、上記指令信号を出力するようにしたことを特徴とする。

この請求項 5記載の発明では、作動指令信号送出手段としての人感センサ手段を、赤外線センサと超音波センサとで形成し、且つ、両センサが同時に人の存在を感知したときのみ、指令信号が発射エネルギ発生手段に送出されるようになつているため、発射装置の誤作動を防止することができ、店舗や貨幣保管装置を設置した部屋を不用意に汚すことを回避できるようになるものである。

また、請求項 6記載の発明は、請求項 1乃至 5のいずれか一項に記載の捕獲ネットシステムに係り、上記請求項 1記載の捕獲ネットシステムは、金庫、現金自動支払機等の保管装置またはその近傍に設けられた傾斜センサを有し、この傾斜センサが所定値以上の傾斜角度を感知したとき、上記指令信号を出力するようにしたことを特徴とする。

この請求項 6記載の発明では、保管装置またはその近傍に、作動指令信号送出手段としての傾斜センサが設けられているので、無人化した夜間時等に店舗に侵入した強盗犯が、保管装置を動かして持ち出そうとしたときに、保管装置が傾く。傾斜センサが、傾斜角度が所定値以上に傾斜したことを感知したとき、指令信号が発射エネルギ発生手段に送られて作動し、発射装置から錘が発射され、ネット部材が展開作動するものである。

また、請求項 7記載の発明は、請求項 1乃至 6のいずれか一項に記載の捕獲ネットシステムに係リ、上記請求項 1記載の捕獲ネットシステムは、通信ネ ' 卜ワークを介してセキュリティ管理会社のコンピュータシステムに接続された制御装置を備え、この制御装置に上記作動指令信号送出手段が入力され、この制御装置から上記指令信号が出力されるようにしたことを特徴とする。

この請求項 7記載の発明では、捕獲ネットシステムに設けられた制御装置が、通信網であるインターネット等の通信ネットワークを介してセキュリティ管理会社のコンピュータシステムに接続されているため、作動指令信号送出手段が作動してその信号が制御装置に入力されると、制御装置から店舗等に異常緊急事態が生じていることを指令信号の出力と同時に、上記コンピュータシステムに出力される。これにより、セキュリティ会社の警備員力《現場に急行させることが可能となり、それだけ強盗犯の捕獲を有利に実行できるようになる。

また、請求項 8記載の発明は、請求項"！乃至 7のいずれか一項に記載の捕獲ネッ卜システムに係り、上記天井、壁、衝立等に、上記作動指令信号送出手段による上記指令信号を受けて作動する噴射手段を設け、この噴射手段から人の着衣等に付着することにより人の動作を緩慢にさせる動作緩慢誘発物質を放射するようにしたことを特徴とする。

この請求項 8記載の発明では、天井に設けた噴射手段が、例えば、蓄圧式あるいは加圧式であって、指令信号を受けて作動するとき、動作緩慢誘

II物質を人の頭上から圧力で噴射（または放出、散布）され着衣等に付着するようにしている。この動作緩慢誘発物質は、例えば、空気に触れることで高粘着性を発揮するもの瞬間接着剤、ボンド、煙幕効果を有する消火薬剤、液体状の物質等といったものが好ましく、ネット部材で覆い被された人に、さらに動作緩慢誘発物質が身体や着衣等に容易に付着し易く、一旦付着することで、人の動作に対する抵抗力を醸し出し、このため、動作が緩慢になり、ネット部材を取り払う動作ができにくくなリ、ネッ卜部材と動作緩慢誘発物質とで一体に絡まった状態にある強盗犯を容易に捕獲できるようになる。

また、請求項 9記載の発明は、請求項 8記載の捕獲ネットシステムに係リ、上記噴射手段は、上記動作緩慢誘発物質として、重炭酸ナトリウム、リン酸アンモニゥム、硫酸アンモニゥム、二酸化炭素、液化窒素ガス等の消火薬剤を含有する消火器で形成されたことを特徴とする。

この請求項 9記載の発明では、噴射手段から消火薬剤を含有成分とした動作緩慢誘発物質が噴射（放射）されるため、強盗犯が火炎ビン、ガソリン等を店舗内に持ち込んだりして放火しょうとする事態が生じたとしても、円滑に鎮火ないしは未然に火災が発生するのを防止することが可能となるものである。

また、動作緩慢誘発物質は、例えば、重炭酸ナトリウムまたはリン酸ァンモニゥムを主成分とする消火薬剤（粉末状）を充填された加圧式または蓄圧式の消火器の態様で採用することもできる。これによれば、消火器（噴射手段）の内部に蓄圧された圧縮空気や窒素ガスを放射圧力源として利用して噴射手段のノズルから噴射 (または放射) することで、消火薬剤の粉末による煙幕が張られ、犯人の視界を妨げ、その動作を緩慢にし、その結果、逃亡を有効に阻止することが可能となる。

なお、噴射手段内に、動作緩慢誘発物質として、例えば二酸化炭素を蓄圧しておきこれを気化放出するようにしてもよく、さらには、例えば、窒素ガス単体を液化した状態でボンベに貯蔵した形態のものにし、これを高圧放射させる態様にすることも可能である。

また、請求項 1 0記載の発明は、請求項 8記載の捕獲ネットシステムに係り、上記噴射手段は、とりもち、粘着剤、接着剤等の粘着性物質でなる動作緩慢誘発物質を高圧気体で噴射させるようにしたことを特徴とする。この請求項 1 0記載の発明では、動作緩慢誘発物質として、合成樹脂製の粘着性物質で形成し、これを噴射手段から放射させて人に付着させることで、その動作を緩慢にすることが可能となる。なお、この粘着性物質としては、噴射された後に空気に触れることによリ粘着性を惹起する性質を備えた物質で形成することもできる。

また、請求項 1 1記載の発明は、請求項 8記載の捕獲ネットシステムに係り、上記噴射手段は、上記動作緩慢誘発物質として、重炭酸ナ卜リウム、リン酸アンモニゥム、硫酸アンモニゥム、二酸化炭素、液化窒素ガス等の消火薬剤と、とりもち、粘着剤、接着剤等の粘着性物質とを、放射するようにしたことを特徴とする。

この請求項 1 1記載の発明では、噴射手段から、動作緩慢誘発物質として、消火薬剤と、粘着性物質とを同時に放射（噴射）されるため、犯人の捕獲をよリー層確実なものにすることができるものである。

また、請求項 1 2記載の発明は、請求項 8乃至 1 1のいずれか一項に記載の捕獲ネットシステムに係リ、上記動作緩慢誘発物質に、蛍光物質を含有させたことを特徴とする。

この請求項 1 2記載の発明では、蛍光物質を含有した動作緩慢誘発物質が噴射手段から噴射されて強盗犯等の肌や着衣に付着すると、強盗犯等が仮に捕獲ネットシステムから逃げ出したとしても、蛍光作用によ y犯人であることが一目で視認できるので、逃走した犯人の捕獲に有利となるものである。

また、請求項 1 3記載の発明は、捕獲ネットシステムであって、天井、壁衢立等に設けられたネッ卜部材の適宜箇所に複数個の錘を取 y付け、これらの錘に応じて設けられた各発射装置の発射筒に上記各錘を収容し、上記各発射装置に設けられた発射エネルギ発生手段の発射エネルギで上記各発射筒から上記各錘が発射されるように形成し、上記各発射エネルギ発生手段が作動して上記各錘が上記各発射筒から発射されたとき、上記各錘の有する運動エネルギによって、上記ネット部材が、人を覆って捕獲するようにしたことを特徴とする。

この請求項 1 3記載の発明では、例えば、カウンタ近くに設置した備え付けの操作スィッチゃ人感センサ手段等で形成された作動指令信号送出手段から発せられた指令信号（電気信号）を発射装置に送る。これによりの発射エネルギ発生手段が作動して発射筒に発射エネルギが発生する。この発射エネルギにより発射筒から各錘が発射される。これにより、各錘の有する運動エネルギにより、ネッ卜部材が錘に引っ張られながら展開していく。このとき、ネット部材は人（例えば、強盗犯、テロリスト）に対して加速されながら瞬時にして勢いよく覆い被さるようになる。

なお、ネット部材の編み目間隔は、例えば、 1 0 c m〜2 0 c m、あるいは 3 0 c mの大きさであるものを使用した場合には、人の手足や頭部が嵌ってからみついて抜けにくくなリ、また、ネット部材の素材をある程度重量の大きな紐材で形成すればネット部材全体としての重量が嵩張り、錘の重量と相まって、人に大きな負担を掛けることとなり、動作の自由度を奪うこととなり、結果としてそれだけ人そのものを拘束して捕獲することができ、且つ、店舗にいる顧客等が人質にされる事態を確実に阻止することができる。

なおまた、発射エネルギ発生手段が、発射筒底部に点火栓と、この点火栓に火花が飛ぷことで点火されて爆発的に膨脹ガスを発生するガス ¾生部材とで形成された態様のものである場合には、指令信号によって点火栓が点火され、ガス発生部材で高圧の膨脹ガスを発生させて、各錘を発射するよづにする。

さらに、発射エネルギ発生手段として、発射筒の底部に、火薬を充填した藥莢等の火薬充填部を設けて形成し、電気的な指令信号を受けて作動するトリガ機構によって火薬充填部を打撃することで、錘を発射するようにする態様でもよい。

また、請求項 1 4記載の発明は、請求項 1乃至 1 3のいずれか一項に記載の捕獲ネットシステムに係り、上記ネッ卜部材は、このネット部材に付着する上記粘着性物質との間で粘着力を高める性質を備えたゴム材質で形成されたことを特徴とする。

この請求項 1 4記載の発明では、ゴム材質で形成されたネット部材に動作緩慢誘発物質としての粘着性物質が付着したとき、この粘着性物質がネット部材のゴム質と融合した状態を醸し出し、粘着性物質がネット部材と一体に絡まるので、ネット部材に覆い被された犯人は、ネット部材を取り払って逃げ出すのが困難になり、捕獲効果を一層高めることができるようにる。

また、請求項 1 5記載の発明は、請求項 8乃至 1 4のいずれか一項に記載の捕獲ネットシステムに係り、上記噴射手段は、上記ネット部材と索部材を介して結合され、上記ネット部材の展開時に上記索部材が引つ張られて '作動されるようにしたことを特徽とする。

この請求項 1 5記載の発明では、発射装置により発射された錘に引かれてネット部材が天井、壁、衝立等から展開していくときに、ネット部材に結合された索部材が引きつられて引っ張られ、噴射手段が作動する。展開されたネット部材により捕獲された犯人がネット部材を被ったまま逃走しょうとしても、ネット部材が索部材で噴射手段に拘束されているため、逃げ切ることができず、犯人の逃走を良好に阻止することが可能となるものである。図面の簡単な説明

第 1図は、本実施の形態における捕獲ネッ卜装置のシステム構成を示したシステム構成図である。

第 2図は、図 1の天井裏から視た展開前におけるネット部材と、発射手段と、噴射手段との相対取リ付け位置関係を示す外観斜視図である。第 3図は、発射装置における発射エネルギ発生手段の構造を示す断面図である。

第 4図は、展開した状態のネット部材を示す展開図である。

第 5図は、噴射手段に設けられたノズルを示す正面図である。

第 6図は、噴射手段の一例における内部構造を示す説明図である。第 7図は、ネット部材が展開して落下する状態を示した作用説明図である。

第 8図は、噴射手段が作動して動作緩慢誘発物質がノズルから噴射される状態を説明する説明図である。

第 9図は、第 2実施の形態における全体構成を示したシステム構成図である。

第 1 0図は、第 3実施の形態における全体構成を示したシステム構成図である。発明を実施するための最良の形態

実施例

以下において、本発明の第 1実施の形態の捕獲ネットシステムを天井に設置した場合を例に挙げ、図 1乃至図 8に基づいて詳述する。図 1は、本第 1実施の形態における捕獲ネットシステムのシステム構成図、図 2はネット部材と発射装置と噴射手段との相対取付け位置関係を俯瞰して示した外観斜視図である。金融機関等の店舗における天井 1に形成した開口部 1 aに望むようにして、例えば図 3 ( a ) に示されるように、展開された状態ではほぼ正方形、（b ) に示すような円形、あるいは楕円、多角形等の適宜形状をなすネッ卜部材 2が、小さく折り畳まれた状態で収納されている。このネット部材 2は、外周ネッ卜部 2 aが伸縮しない性質の素材で形成され、外周ネッ卜部 2 aで囲まれたネッ卜部 2 bは、後述する噴射手段から放射される動作緩慢誘発物質（例えば、合成樹脂製の粘着性物質）との相性がよく、且つ、ある程度伸縮性を備えたゴム材質を用いて形成され、一旦ネット部材 2に被着した動作緩慢誘発物質との間で一体化して動作緩慢誘発物質が離脱しにくいようになっている。

もちろん、外周ネット部 2 aもゴム材質で形成されていてもよい。また、外周ネッ卜部 2 aもネット部 2 bも刃物で容易には切断できない所要の強度を備えたものであり、その広さ（大きさ）は犯人を捕獲した場合に、犯人の身体の一部が引つかかるような寸法でよく、また、ネット部材 2の編み目の間隔（ピッチ）は 1 0〜3 0 G mのものが好ましい。ネット部材 2の周囲の適宜箇所（本実施の形態では、 4力所の角部であるが、何力所であってもよい）には、蚊帳のような態様で紐 3を付け、それら紐 3の先端に所要の重量を有する錘 4が取り付けられる。錘 4の材質は、鋼、アルミニゥム等の金属 _¾ あるいは合成樹脂、硬質ゴム等が好しく、人（強盜犯、テロリスト）を殺傷しないように考慮されているものである。これらの錘 4は、紐 3の付いた状態で後述する発射装置の発射筒内に収容されるようになつている。

天井開口部 1 aの周縁の 4力所には、発射方向を開口部 1 aより下方外方向（図 1の矢印 A方向）に向けて設置した発射装置 5が設けられる。この発射装置 5は、例えば、図 3 ( a ) に示されるように、発射筒 5 b底部に充填した火蘂充填部 5 aと、後述する作動指令信号送出手段からの指令信号（電流）により点火される点火栓 5 cとからなる発射エネルギ発生手段を有し、火薬充填部 5 aが点火栓 5 cにより着火され、そのときの爆発エネルギによって錘 4が発射筒 5 bから発射されるようになっている。なお、この場合、火薬充填部 5 aを、電気的な指令信号を受けて作動するトリガ機構によって火薬充填部 5 aを打撃することで、錘を発射するようにする態様でもよい。

なお、発射エネルギ発生手段の変形例としては、上記点火栓 5 cと、この点火栓 5 cによって飛ぶ火花によリ点火されて爆発的に膨脹ガスを発生するように、発射装置 5底部に設けたガス発生部材とで形成し、指令信号によって点火栓 5 cが点火され、ガス発生部材で高圧の膨脹ガスを発生させて、各錘を発射するようにすることの可能である。

また、発射エネルギ発生手段の別の変形例として、例えば、図 3 ( b ) のように、空気、窒素ガス等の高圧気体を密封した高圧気体密封室 5 eと、この高圧気体密封室 5 eの高圧気体を綞に向けて噴射させる電磁弁 5 f とで形成した態様でもよく、この場合には、指令信号によって電磁弁 5 f が開かれ、密封されていた高圧気体を発射筒 5 b内に噴射して錘を発射装置 5から発射させるようにすることができる。

さらに、別の発射エネルギ発生手段の変形例として、図 3 ( c ) に示すように、 έ 射筒 5 b底部にコィルスプリング 5 gを圧縮した状態で錘 4を収納しておき、図示されないパネの復元力に抗して解放力 Fを作用させ、フックレバ一 5 hを強制的に錘 4の先端から解脱させることで、コイルスプリング 5 gの圧縮状態を解放し、錘を発射させる態様に形成するものであってもよい。

次に、作動指令信号送出手段について説明する。すなわち、この作動指令信号送出手段は、電気回路 6に設けられ店舗内のカウンタまたはその近傍に設置された操作スィッチ 6 cで形成されている。この電気回路 6には, 商用電源 6 aに接続された停電時のバックアツプ用電源としての蓄電装置 6 b、スピーカ、ブザー、点滅灯等でなる警報装置 6 dの回路要素が接続されている。店員が操作スィッチ 6 cを投入（O N ) することで、電気回路 6 eを介して蓄電装置 6 bの電流が指令信号として通電（送出）され、図示されない点火栓 5 cをスパークさせて火薬充填部 5 aを爆発させるようになつている。

各錘 4は紐 3の付いた状態で発射装置 5の発射筒内に開口端から錘 4 と共に収納され、発射装置 5内部の火薬 5 aが、作動指令信号送出手段である操作スィッチ 6 cがオンにされて点火爆発する。そして、発生する爆発エネルギにより、錘 4力《発射されるようになっているものである。各発射装置 5から各錘 4が発射されることで、図 7に示すように、ネット部材 2が錘 4の運動エネルギに引きつられ四方に展開して広がりながら、人 (強盗犯等） Mの頭上に落下していくようになっている。

次に、天井 1に設けられる噴射手段 7を説明する。すなわち、天井 1には、人 Mの動作を緩慢にする動作緩慢誘発物質を噴射するボンべ（容器）状の噴射手段 7が設けられる（本実施の形態では、 4力所）。この噴射手段 7には、作動レバー 7 aが設けられ、その作動レバ一 7 aは、折り畳まれたネット部材 2に紐等の索部材 7 bに緊張した状態で結合されている。また、噴射手段 7の内部には勳作緩惶読発物質が収納されている。

上記動作緩慢誘発物質の成分としては、例えば、消火薬剤として採用されている重炭酸ナトリウム、リン酸アンモニゥム、二酸化炭素、硫酸アンモニゥ厶あるいは液化窒素ガス等である。また、とりもち、空気に触れることで粘着性を発揮する粘着剤、さらには合成樹脂製の接着剤といつた粘着性物質を動作緩慢誘発物質として使用することも可能である。

噴射手段 7の構造を具体的に説明すると、図 6に示されるように、その内部には、空気、窒素ガス、あるいは炭酸ガス等の蓄圧された高圧気体 7 dと、上記消火薬剤を粉末状にした粉末消火薬剤 7 _eと、上記粘着性物質 7 f とが封入されている。もちろん、噴射手段 7としては、自体公知の蓄圧型の粉末消火器（重炭酸ナトリウムまたはリン酸アンモニゥムを主成分とし、窒素ガスまたは圧縮空気を密封したタイプの消火器)、二酸化炭層を含有して多量の泡を発生させる蓄圧タィプの化学泡消火器等の各種消火器で代用するようにすることもできる。

こうして、ネッ卜部材 2力図 7に示すように落下して展開するときに、懸垂状態にある索部材 7 bがネット部材 2に引っ張られて、作動レバー 7 aが駆動し、これにより噴射手段 7内部の高圧の空気、窒素ガス、炭酸ガスといった高圧気体の噴出エネルギによって、図 5に示すノズル 7 cからフロア Fに向かって動作緩慢誘発物質が噴出（放出、放射、噴射）することができるようになつている。

本第 1実施の形態の作動を、図 1 , 図 7 , 図 8に基づいて説明する。すなわち、金融機関等の店舗に強盗犯 Mが侵入してきた場合、店員が作動指令信号送出手段である操作スィッチ 6 cを押して電気回路 6 eに蓄電装蘆 6 bの電流を通電させる。すると、警報装置 6 dが作動して警報音を発声したり、点滅光を発光させると同時に、各発射装置 5の点火栓 5 _Cがスパークし、火薬充填部 5 aが点火され、爆発エネルギが発射筒内に発生する。その爆発エネルギにより発射筒内に収容された各錘 4が図 1の矢印 A方向へ発射されていく。これにより、図 7に示すように、天井 1で折り畳まれて収納されていたネット部材 2は、従来技術のように錘の自然落下によリネット部材を展開させるものと異なり、錘 4の運動エネルギにより強盗犯の頭上に傘状に展開しながら勢いよく落下するようにしたので、強盗犯 Mはネッ卜部材 2により瞬時にして捕獲することができるようになる。

このように本第 1実施の形態によれば、ネット部材 2が瑢下していく過程において、索部材 7 bは落下するネット部材 2により下方に引っ張られ、作動レバー 7 aが駆動される。これにより、図 8に示すように、噴射手段 7内部に密封された動作緩慢誘発物質がノズル 7 cから高圧気体により図 8の点線で示すようにシャワー状に噴出され、ネット部材 2で覆われた強盗犯 Mの頭上から、動作緩慢誘発物質が降リかかつて付着する。そして、動作緩慢誘発物質として、例えば粉末消火薬剤 7 eと粘着性物質 7 f (図 5参照）を含有されているので、強盗犯 Mはネット部材 2で捕獲されると同時的に動作緩慢誘発物質中の粘着性物質によって強盗犯の動作が緩慢となり、ネット部材 2から逃亡するのを阻止することができる。また、粉末消火薬剤 7 eの噴射によリ店舗内の空間が煙幕を張った状態にされ、強盗犯の視界を妨げ、かつ、万一火事が発生した場合でも、この粉末消火薬剤により消火をすることができ、結果として、瞬時にして捕獲を円滑に行えるようになる。また、ネット部材 2は索部材 7 bを介して噴射手段 7に結合されているため、ネット部材 2に絡まった犯人が逃げようとする動作を拘束することができ、逃走を阻止するのに有効となる。

次に、本発明の第 2実施の形態を図 9に基づいて説明する。上記第 1実施の形態と同一部分には同一符合を付し、その詳細説明は省略することとする。すなわち、この第 2実施の形態が第 1実施の形態と構成上大きく相違する点は第 1実施の形態では索部材 7 bを使用してネット部材 2と噴射手段 7との間を結合し、ネット部材 2の落下する力を利用して噴射手段 7を作動するように構成した態様であつたが、本第 2襄施の形態においては、このような索部材 7 bや作動レパ一 7 aを廃止して、ネット部材 2の落下とは関係なく作動する噴射手段を設けた点でのみ相違し、その他の構成は両者同じである。

すなわち、噴射手段 7を天井 1に設置する代わリに、図 9に示すように、フロア F側に噴射手段 7 0を設置している。この噴射手段 7 0は、例えば、上記第 1実施の形態における消火薬剤を蓄圧状態で密封したもの、窒素ガスを液化し状態で充填したものであり、容器（ボンべ）に密封充填されている。そして、噴射手段 7 0 (ボンべ）は、電磁開放弁 7 3を介して配管 7 2が接続され、配管 7 2は天井 1に取り付けられたノズル 7 1に連通されている。電磁開放弁 7 3は、電気回路 6 eを電気接続される。

この第 2実施の形態によれば、作動指令信号送出手段たる操作スィツチ 6 cを投入（O N ) することで、電磁開放弁 7 3に指令信号としての電流が通電されて開放作動し、ボンべ内部の動作緩慢誘発物質、具体的にば消火薬剤や粘着性物質が、個別に、あるいは、一体となって配管 7 2を流動して天井 1に設置したノズル 7 1から噴射される。

このため、天井には配管 7 2を行うだけでよいため、天井 1に設置スぺースがなくてもノズル 7 1から動作緩慢誘発物質を噴射することができ、また、店舗スペースが大きい場合にも大容量の噴射手段 7 0を用いことで対応が可能となる。もちろん、本第 2実施の形態においても、上記第 1実施の形態とほぼ同等の効果を有することは言うまでもない。

次に、図 1 0に示す本発明の第 3実施の形態を説明する。すなわち、本第 3実施の形態は、上記第 1実施の形態と実質的に同一部材、同一部分については同一符合を付し、その詳細説明は割愛する。

すなわち、上記第 1 H施の形態と異なる点は、店舗内のセキュリティ用制御装置（以下「制御装置」という） 3 0を設置し、この制御装置 3 0を、例えばインターネット等の通信ネッ卜ワーク (S!を介してセキュリティ管理会社のコンピュータシステム 4 0に接続し、さらに、制御装置 3 0に作動指令信号送出手段として、操作スィッチ 6 cの他に、貨幣や金融証券類を保管した金庫、現金自動支払機の貨幣保管装置 5 0や、その上方に設けられたネット部材 2の近傍に人感センサ手段 6 0を設けた点にあり、その他の構成は第 1喪施の形態と同じである。制御装置 3 0は、コンピュータシステム 4 0とインタ一ネット Nを介して常時接続されていて、金融機関等の店舗がコンピュータにより警備を管理しているものを流用する。人感センサ手段 6 0は、人体から発する赤外線を感知する赤外線センサ、超音波やレーザー光線が人体に照射され、その反射波を受信することで犯人の有無を判断することができる超音波センサゃレーザ一光センサ等が単体、または複合して設置される。

この第 3実施の形態によれば、無人化した夜間時における店舗に、犯人が侵入して保管装置 5 0に近づいた場合に、人感センサ手段 6 0が直ぐさま人の侵入を感知する。感知された信号は、制御装置 3 0に入力され、これに応じて制御装置 3 0から指令信号が発射装置 5や警報装置 6 dを作動させるように出力される。これにより、発射装置 5が作動して錘 4が発射され、ネット部材 2が犯人の頭上から投下され、同時に噴射手段 7から動作緩慢誘発物質が放出されて犯人を捕獲する。また、警報装置 6 dが作動して周囲に警報音を発したり、警報ランプ等が点滅作動する。さらには、指令信号は、インターネット Nを介してコンピュータシステム 4 0に出力され、その受信データによリセキュリティ管理会社から警備員が直ちに急行することができ、犯人の捕獲をスピーディに処理することができるものある。

なお、第 3奏施の形態において、赤外纖センサあるいは超音波センサを単独で使用することができるが、これら両方のセンサを併用すれば、両方のセンサが同時に犯人侵入を感知したときのみ、指令信号が制御装置 3 0 から出力されるため、捕獲ネットシステムの誤作動の発生を抑制することが可能になる。

また、第 3実施の形態において、保管装置 5 0またはその近傍に、作動指令信号送出手段として傾斜センサを設置することもできる。これによれば、保管装置 5 0が所定値以上に傾斜したことを感知したときに、保管装置 5 0が店舗から奪取されると判断し、その判断結果が制御装置 3 0から指令信号として出力されるようにすることも可能である。

以上、本発明の第 1乃至第 3の各実施の形態を図面により詳述してきた力具体的な構成はこの実施の形態に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明の範囲に含まれる。例えば、上記各実施の形態では、捕獲ネットシステムを天井に設置した場合を例に挙げて説明したが、もちろん、壁や衝立等にも適用して使用することができるのは言うまでもない。

また、第 1実施の形態および第 2実施の形態に、第 3実施の形態で採用したような、制御装置 3 0を中心とした捕獲ネットシステムを形成することも可能である。これにより、セキュリティ管理会社にょリ統合管理を容易に行えるようになる。また、この場合において、第 3実施の形態で採用したと同様の人感センサ手段を適宜使用することも可能であるのは勿論である。

また、上記第 1〜第 3の各実施の形態では、ネット部材 2を天井 1に、折リ畳んだ状態で設置し、これを発射装置 5により展開する構成であったが、もちろん、当初から天井 1にそってネット部材 2を展開した状態で設置しておき、発射装置 5によりこれをそのまま下方に向けて発射するような態様であってもよいのは言うまでもない。発明の効果

以上のとおり本発明を構成したので、本発明は下記の効果を奏する。即ち、カウンタ近くに設置した備え付けの操作スィツチや人感センサ手段等で形成された作動指令信号送出手段から発せられた指令信号（電気信号）を発射装置に送る。これにより天井、壁、衝立等に設置された発射エネルギ発生手段が作動して発射筒に発射エネルギが発生する。この発射エネルギにより発射筒から各錘が四方へ発射される。これにより、各錘の有する運動エネルギにより、折り畳まれていたネット部材が錘に引っ張られることで展開していく。このとき、ネット部材は人（例えば、強盗犯、テロリスト）に向かって加速されながら瞬時にして勢いよく展開されて覆い被さリ、このため、ネット部材ゃ錘のトータル重量により、犯人に大きな負担を掛けることとなって、動作の自由度を奪うこととなり、犯人を確実に拘束して捕獲することができると共に、店舗にいる顧客等が人質にされる事態を確実に阻止することができる効果を奏する。する。

また、請求項 2記載の発明によれば、作動指令信号送出手段である操作スィッチを、例えば金融機関等の店舗のカウンタに設置すると、強盗犯が店舗内に侵入してきたとき、店員がその操作スィッチを投入することで、指令信号が発射エネルギ発生手段に送出されて作動し、天井、壁、衝立等に設けられた発射装置から錘が発射され、店員が人為的操作によリ発射装置を作動させるため、捕獲ネットシステムの作動を安全確実に実施できる効果を奏する。

また、請求項 3記載の発明によれば、発射エネルギ発生手段が作動して、ネット部材が展開作動するとき、ほぼこれと同時的に、例えば、ブザー、スピーカ、点減灯（回転遮光体あるいは灯自体が点減する造のもの等）等の、店舗内外に設置された警報手段から発声される警報音や、発光する警報光によ！^ 異常事態（強盗事件）が発生していることを周囲に報知することができ、犯人の捕獲を一層効果的に実行することが可能となる効果を奏する。

また、請求項 4記載の発明によれば、ネット部材またはその近傍に、例えば、人体から発する赤外線を感知する赤外線センサ、人体に向けて照射する超音波、レーザー光線の反射を検知して人の存在有篛を検知する超音波センサやレーザーセンサといった人感センサ手段を設けているため、夜間における無人化した店舗、貨幣保管装置において、人感センサ手段が人の存在を検知し場合に、自動的に異常状態にあると感知し、これにより捕獲ネッ卜システムが作動し、ネット部材が天井、壁、衝立等に設置した発射装置から発射されて強盗犯を捕獲することができる効果を奏する。また、請求項 5記載の発明によれば、作動指令信号送出手段としての人感センサ手段を、赤外線センサと超音波センサとで形成し、且つ、両センザが同時に人の存在を感知したときのみ、指令信号が発射エネルギ発生手段に送出されるようになっているため、発射装置の誤作動を防止することができ、店舗や貨幣保管装置を設置した部屋を不用意に汚すことを回避できる効果を奏する。

また、請求項 6記載の発明によれば、保管装置またはその近傍に、作動指令信号送出手段としての傾斜センサが設けられているので、無人化した夜間時等に店舗に侵入した強盗犯が、保管装置を動かして持ち出そうとしたときに、保管装置が傾く。傾斜センサが、傾斜角度が所定値以上に傾斜したことを感知したとき、指令信号が発射エネルギ発生手段に送られて作動し、発射装置から錘が発射され、ネット部材が展開作動するため、無人化した夜間時でも犯人を捕獲することができる効果を奏する。

また、請求項 7記の発明によれば、捕ネットシステムに設けられた制御装置が、通信網であるインターネッ卜等の通信ネッ卜ワークを介してセキュリティ管理会社のコンピュータシステムに接続されているため、作動指令信号送出手段が作動してその信号が制御装置に入力されると、制御装置から店舗等に異常緊急事態が生じていることを指令信号の出力と同時に、上記コンピュータシステムに出力される。これにより、セキユリティ会社の警備員が現場に急行させることが可能とな、それだけ強盗犯の捕獲を有利に実行できる効果を奏する。また、請求項 8記載の発明によれば、天井に設けた噴射手段が、例えば、蓄圧式あるいは加圧式であって、指令信号を受けて作動するとき、動作緩慢誘発物質を天井、壁、衝立等から噴射（または放出、散布）され、着衣等に付着するようにしている。この動作緩慢誘発物質は、例えば、空気に触れることで高粘着性を発揮するもの、瞬間接着剤、ポンド、煙幕効果を有する消火薬剤、液体状の物質等といったものが好ましく、ネット部材で覆い被された人に、さらに動作緩慢誘発物質が身体や着衣等に容易に付着し易く、一旦付着することで、人の動作に対する抵抗力を醸し出し、このため、動作が緩慢になり、ネット部材を取り払う動作ができにくくなリ、ネッ卜部材と動作緩慢誘発物質とで一体に絡まった状態にある強盗犯を容易に捕獲できる効果を奏する。

また、請求項 9記載の発明によれば、噴射手段から消火薬剤を含有成分とした動作緩慢誘発物質が噴射 (放射) されるため、強盗犯が火炎ビン、ガソリン等を店舗内に持ち込んだリして放火しょうとする事態が生じたとしても、円滑に鎮火ないしは未然に火災が発生するのを防止することが可能となるものである。

また、動作緩慢誘発物質は、例えば、重炭酸ナトリウムまたはリン酸ァンモニゥムを主成分とする消火薬剤 (粉末状) を充填された加圧式または蓄圧式の消火器の態様で採用することもできる。これによれば、消火器（噴射手段）の内部に蓄圧された圧縮空気や窒素ガスを放射圧力源として利用して噴射手段のノズルから噴射（または放射）することで、消火薬剤の粉末による煙幕が張られ、犯人の視界を妨げ、その動作を緩慢にし、その結果、逃亡を有効に阻止することが可能となる効果を奏する。

また、請求項 1 0記載の発明によれば、動作緩慢誘発物質として、合成樹脂製の粘着性物質で形成し、これを噴射手段から放射させて人に付着させることで、その動作を緩慢にすることができ、犯人捕獲に有利となる効果を奏する。

また、請求項 1 1記載の発明によれば、噴射手段から、動作緩慢誘発物質として、消火薬剤と、粘着性物質とを同時に放射（噴射）されるため、犯人の捕獲をよリー層確実にできる効果を奏する。

また、請求項 1 2記載の発明によれば、蛍光物質を含有した動作緩慢誘発物質が噴射手段から噴射されて強盗犯等の肌や着衣に付着すると、強盗犯等が仮に捕獲ネッ卜システムから逃げ出したとしても、蛍光作用によリ犯人であることがー目で視認できるので、逃走した犯人の捕獲に有利となる効果を奏する。

また、請求項 1 3記載の発明によれば、例えば、カウンタ近くに設置した備え付けの操作スィッチゃ人感センサ手段等で形成された作動指令信号送出手段から発せられた指令信号（電気信号）を発射装置に送る。これによリの発射エネルギ発生手段が作動して発射筒に発射エネルギが発生する。この発射エネルギにより発射筒から各鍤が発射される。これによリ、各錘の有する運動エネルギにより、ネット部材が錘に引っ張られながら展開していく。このとき、ネット部材は人 (例えば、強盗犯、テロリスト）に向かって加速されながら瞬時にして勢いよく覆い被さり、捕獲動作を俊敏に行える効果を奏する。

また、請求頊1 4記の発明ではゴム材質で形成されたネッ卜部材に動作緩慢誘発物質としての粘着性物質が付着したとき、この粘着性物質がネッ卜部材のゴ厶霣と融合した状態を醻し出し、粘着性物質がネット部材と一体に絡まるので、ネット部材に覆い被された犯人は、ネット部材を取リ払って逃げ出すのが困難になリ、捕獲効果を一層高めることができる効果を奏する。

また、請求項 1 5記載の発明では、発射装置により発射された錘に引かれてネット部材が天井、壁、衢立等から展開していくときに、ネッ卜部材に結合された索部材が引きつられて引っ張られ、噴射手段が作動する。展開されたネット部材により捕獲された犯人がネット部材を被ったまま逃走しょうとしても、ネット部材が索部材で噴射手段に拘束されているため、逃げ切ることができず、犯人の逃走を良好に阻止することができる効果を奏する。

Claims

請求の範囲

1 . 天井、壁、衝立等に折り畳んで設けられたネット部材、このネット部材の周縁近傍の適宜箇所に取り付けられた複数個の錘、これらの錘に応じて設けられ、各錘を収容する発射筒および上記各錘に発射エネルギを付与する発射エネルギ発生手段を有する発射装置、および当該発射装置の上記発射エネルギ発生手段を作動させる指令信号を送る作動指令信号送出手段を備え、この作動指令信号送出手段によリ上記発射エネルギ発生手段が作動したとき、上記各発射装置の発射筒から発射された上記各錘の有する運動エネルギにより、上記ネット部材が四方に広がる方向に引っ張られて展開して、人を覆って捕獲できるようにしたことを特徴とする捕獲ネッ卜システム。

2 . 上記作動指令信号送出手段は、人為的操作によって投入可能な操作スィッチで形成され、この操作スィッチが投入されたとき、上記指令信号を出力するようにしたことを特徴とする請求項 1記載の捕獲ネットシステム。

3 . 上記作動指令信号送出手段によリ上記発射エネルギ発生手段が作動したとき、緊急事態が生じた状態にあることを報知する警報手段を有することを特徴とする請求項 1または 2記載の捕獲ネットシステム。

4 . 上記作 ¾指令信号送出手段は、ネット部材 ¾たはその近傍に設置された人感センサ手段で形成し、この人感センサ手段が異常を感知したとき、上記指令信号を出力するようにしたことを特徴とする請求項 1乃至 3のいずれか一項に記載の捕獲ネットシステム。

5 . 上記人感センサ手段は、人^^から発する赤外線を感知する赤外線センサと人体に反射する超音波を感知する超音波センサとで形成し、これら赤外線センサと超音波センサとが同時に作動したときにのみ、上記指令信号を出力するようにしたことを特徴とする請求項 4記載の捕獲ネットシステム。

6 . 上記請求項 1記載の捕獲ネットシステムは、金庫、現金自動支払機等の保管装置またはその近傍に設けられた傾斜センサを有し、この傾斜センサが所定値以上の傾斜角度を感知したとき、上記指令信号を出力するようにしたことを特徴とする請求項 1乃至 5のいずれか一項に記載の捕獲ネッ卜システム。

7 . 上記請求項 1記載の捕獲ネットシステムは、通信ネッ卜ワークを介してセキュリティ管理会社のコンピュータシステムに接続された制御装置を備え、この制御装置に上記作動指令信号送出手段が入力され、この制御装置から上記指令信号が出力されるようにしたことを特徴とする請求項 1乃至 6のいずれか一項に記載の捕獲ネットシステム。

8 . 上記天井、壁、衝立等に、上記作動指令信号送出手段による上記指令信号を受けて作動する噴射手段を設け、この噴射手段から人の着衣等に付着することにより人の動作を緩慢にさせる動作緩慢誘発物質を放射するようにしたことを特徴とする請求項 1乃至 7のいずれか一項に記載の捕獲ネットシステム。

9 . 上記噴射手段は、上記動作緩慢誘発物質として、重炭酸ナ卜リゥム、リン酸アンモニゥ厶、硫酸アンモニゥ厶、二酸化炭素、液化窒素ガス等の消火薬剤を含有する消火器で形成されたことを特徴とする請求項 8記載の捕獲ネットシステム。

1 0 . 上記噴射装置は、とりもち、粘着剤、接着剤等の粘着性物質でなる動作緩慢誘発物質を高圧気体で噴射させるようにしたことを特徴とする請求項 8記載の捕獲ネットシステム。

1 1 . 上記噴射装置は、上記動作緩慢誘発物質として、重炭酸ナ卜リウム、リン酸アンモニゥム、硫酸アンモニゥム、二酸化炭素、液化窒素ガス等の消火薬剤と、とりもち、粘着剤、接着剤等の粘着性物質とを放射するようにしたことを特徴とする請求項 8記載の捕獲ネッ卜システム。

1 2 . 上記動作緩慢誘発物質に、蛍光物質を含有させたことを特徴とする請求項 8乃至 1 1のいずれか一項に記載の捕獲ネッ卜システム。

1 3 . 天井、壁、衝立等に設けられたネッ卜部材の適宜箇所に複数個の錘を取り付け、これらの錘に応じて設けられた各発射装置の発射筒に上記各錘を収容し、上記各発射装置に設けられた発射エネルギ発生手段の発射エネルギで上記各発射筒から上記各錘が発射されるように形成し、上記各発射エネルギ発生手段が作動して上記各錘が上記各発射筒から発射されたとき、上記各錘の有する運動エネルギによって、上記ネット部材が、人を覆って捕獲するようにしたことを特徴とする捕獲ネットシステム。

1 4 . 上記ネット部材は、このネット部材に付着する上記粘着性物質との間で粘着力を高める性質を備えたゴム材質で形成されたことを特徴とする請求項 1乃至 1 3のいずれか一項に記載の捕獲ネッ卜システム。

1 5 . 上記噴射手段は、上記ネッ卜部材と索部材を介して結合され、上記ネット部材の展開時に上記索部材が引っ張られて作動されるようにしたことを特徴とする請求項 8乃至 1 4のいずれか一項に記載の捕獲ネッ卜システム。