明 細 書
歯科用歯面コーティングキット
技術分野
[0001] 本発明は、歯科用コーティング材に関する。さらに詳しくは、歯への光沢付与や、歯 に適用して色調調節するなどの歯の審美性の向上、保護に用!、る歯科用コ一ティン グ材、さらに、歯科用エッチング剤、歯科用プライマー、歯科用接着剤などを構成に 含んでも良 、歯科用コ一ティングキットに関する。
背景技術
[0002] 近年、健康的な歯に対する意識の高!、日本人が増え、天然歯質表面の色調を改 善した 、と 、う審美的な要求が高まってきて 、る。
この天然歯質表面の色調改善方法には、(1)過酸化水素水などの薬液を使用する 方法、(2)ラミネートベニァと呼ばれる補綴物を装着する方法などがある。このうち、( 2)ラミネートべ-ァ法は、薄い厚みの陶材ゃレジンを歯質に接着させる方法で、審美 性に優れている (例えば、非特許文献 1、非特許文献 2参照。 )0
[0003] また、審美性をさらに高めるために、歯質表面 (エナメル質)の艷を出したいとの要 望も高まってきている。このような場合には、ラミネートべ-ァ法、または歯科用コンポ ジットレジンを用いて歯質表面をコーティングする方法などにより、人工物を歯質に装 填している。
し力しながら、ラミネートべ-ァ法の場合は、(1)陶材ゃレジンを装着する厚み分だ け歯質を切削しなければならない、(2)陶材ゃレジン、すなわち補綴物を作製するた めに高い技術力が必要である、(3)煩雑な加工工程が必要である、(4)治療費が高 額であるという問題点があった。
[0004] また、歯科用コンポジットレジンを用いて歯質表面をコーティングする方法の場合は 、(1)塗りムラや厚みムラが生じ易い、(2)コーティング層に厚みがあるので歯質表面 を切削しなければならな 、と 、う問題点があった。
非特許文献 1 :田中朝見、ナツサーバージ, 「ポーセレンラミネートべ-ァ」,デンタル ダイヤモンド増刊号 審美歯科 21—個性'健康美の創造を求めて,デンタルダイヤモ
ンド社,平成 13年, p. 76-81
非特許文献 2 :千田彰、他 2名, 「変色歯に対するベニァ修復」,愛知学院大学歯学 会誌,昭和 61年,第 24卷, P. 553-566
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 本発明は、好みの色調に調節することができ、し力も安全に短時間で作業ができ、 歯質表面を削ることなぐ歯面の艷を高くすることができる歯科用コーティングキットを 提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0006] 本発明者らは、歯の審美性に関する上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特 定の組成物カゝらなるコーティング材が、高い安全性、作業性および審美性 (漂白性 能)を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明に係る歯科用コーティングキットは、
(a )エチレン性不飽和化合物、(b )重合開始剤、および (c )フイラ一を含むコーティ
1 1 1
ング組成物 (I)が充填された容器 (I)、および
(a )エチレン性不飽和化合物、そして必要に応じて (b )重合開始剤および (c )フィ
2 2 2 ラーを含むコーティング組成物 (π)が充填された容器 (Π)からなり、
容器 (II)に充填されたコーティング組成物 (II)中の(c )
2フィラーの含有重量0 /。〔(c )
2
/[ (a ) + (b ) + (c )] X 100〕 1S 容器 (I)に充填されたコーティング組成物 (I)中の
2 2 2
(c )フィラーの含有重量0 /0〔 (c ) Z[ (a ) + (b ) + (c ) ] X 100〕よりも少な 、ことを特
1 1 1 1 1
徴とする。
[0007] そして、前記容器 (I)に充填されたコーティング組成物 (I)中の(c )フィラーの含有
1
重量%の値を fとし、前記容器 (Π)に充填されたコーティング組成物 (Π)中の(c )フィ
I 2 ラーの含有重量%の値を f
IIとしたときに、
(f I-f II )≥20、および Zまたは
(f /f )≤0. 5
II I
の関係を満たすことが好ましい。
[0008] また、前記コーティング組成物(I)のフイラ一の含有重量% (f )が 5— 80重量%であ
り、前記コーティング糸且成物 (Π)のフイラ一含有重量0 /0 (f )が 0— 20重量%であること
II
が好ましい。
前記コーティング組成物 (I)に含まれる (a )エチレン性不飽和化合物および
1 Zまた は前記コーティング組成物 (Π)に含まれる (a )エチレン性不飽和化合物の少なくとも
2
一種が、(メタ)アタリレート系単量体であることが好ましい。また、前記コーティング組 成物 (I)はさらに着色剤を含んでいてもよい。
[0009] また、本発明に係る歯科用コーティングキットは、さらに歯科用エッチング剤 (III)を 充填した容器 (III)、歯科用プライマー (IV)を充填した容器 (IV)、および歯科用接 着剤 (V)を充填した容器 (V)よりなる群力も選ばれる少なくとも一種類の容器を含ん でいてもよい。
発明の効果
[0010] 本発明に係るコーティングキットは、好みの色調に調節することができ、しかも安全 に短時間で作業をすることができ、歯面の艷を高くすることができる。また、本発明に 係る歯科用コ一ティングキットを用 、てコ一ティング材を歯面に塗布する場合、塗りム ラ、厚みムラの発生が抑制されるとともに、コーティング膜が薄いので、歯質表面を切 削する必要がなぐ装着感にも優れる。
発明を実施するための最良の形態
[0011] 歯科用コーティング材
本発明に用いる歯科用コーティング材について具体的に説明する。本発明に用い る歯科用コーティング材は、容器 (I)に充填されたコーティング組成物 (I)および容器 (II)に充填されたコーティング組成物 (Π)を含み、組成物 (I)および組成物 (Π)を混 和して、オペークコーティング材層を形成する歯科用コーティング材として使用をする [0012] コーティング組成物 ω
本発明に用いるコーティング組成物 (I)は、少なくとも、(a )エチレン性不飽和化合
1
物、(b )重合開始剤、および (c )フイラ
1 一を含むことを特徴とする。
1
〔エチレン性不飽和化合物 (a )〕
1
コーティング組成物 (I)に使用されるエチレン性不飽和化合物(a )としては、公知
の単官能性単量体もしくは多官能性単量体を使用することができ、好ましくはラジカ ル重合性単量体を使用することができる。
[0013] これらの中でも、(メタ)アタリレート系単量体は、人体への刺激性が比較的低いため 好ましく使用される。また、分子内に酸性基を有する単量体は、特に歯質に対する高 い接着力を与える成分として好ましく使用される。それゆえ、(メタ)アタリレートとカル ボキシル基またはその無水物基、リン酸基、スルホン酸基などの酸性基を有する単量 体の組合せも好ましく使用される。さらに、コーティング組成物 (I)を最外層材用の組 成物の一部に使用する場合は、多官能性単量体を高配合すると耐摩耗性が向上す る。
[0014] 本発明で使用可能な単官能性の (メタ)アタリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル 酸メチル、 (メタ)アクリル酸ェチル、 (メタ)アクリル酸プロピル、 (メタ)アクリル酸ブチ ル、 (メタ)アクリル酸へキシル、 (メタ)アクリル酸 2—ェチルへキシル、 (メタ)アクリル酸 ドデシル、 (メタ)アクリル酸ラウリルなどの脂肪族 (メタ)アタリレート;
(メタ)アクリル酸シクロへキシル、 (メタ)アクリル酸イソボル-ルなどの脂環式 (メタ)ァ クリレー卜;
(メタ)アクリル酸ベンジルなどの芳香族 (メタ)アタリレート;
ジエチレングリコールモノ(メタ)アタリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アタリレ ート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アタリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ )アタリレートなどのポリエチレングリコールモノ (メタ)アタリレート;
エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アタリレート、エチレングリコールモノエ チルエーテル (メタ)アタリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル (メタ)ァク リレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アタリレート、ポリエチレング リコールモノメチルエーテル(メタ)アタリレート、ポリプロピレングリコールモノアルキル エーテル (メタ)アタリレートなどの(ポリ)グリコールモノアルキルエーテル (メタ)アタリ レート;
パーフルォロォクチル (メタ)アタリレート、へキサフルォロブチル (メタ)アタリレートな どの(メタ)アクリル酸のフルォロアルキルエステル;
γ— (メタ)アタリロキシプロピルトリメトキシシラン、 γ— (メタ)アタリロキシプロピルトリ(ト
およびテトラフルフリル (メタ)アタリレートなどの複素環を有する (メタ)アタリレートなど が挙げられる。
[0015] これら単官能性 (メタ)アタリレートのうち、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸 ェチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アタリレート、トリエチレングリコールモ ノ (メタ)アタリレートのように分子内にエチレングリコール鎖を有する (メタ)アタリレート などが特に好ましく用いられる。
[0016] これら、 (メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アタリ レート、(ポリ)グリコールモノアルキルエーテル (メタ)アタリレート、(メタ)アクリル酸の フルォロアルキルエステル、(メタ)アタリロキシアルキル基を有するシラン化合物、複 素環を有する (メタ)アタリレートなどとして例示された、水酸基および酸性基を有さな い単官能性単量体は、エチレン性不飽和化合物(al)全体に対して、好ましくは 20 重量%以下、より好ましくは 10重量%以下の範囲内の量で使用することができる。 タリレート、 4-ヒドロキシブチル (メタ)アタリレート、 5-ヒドロキシペンチル (メタ)アタリレ ート、 6—ヒドロキシへキシル (メタ)アタリレート、 1,2—または 1,3—ジヒドロキシプロピル モノ (メタ)アタリレート、エリスリトールモノ (メタ)アタリレートなどの(メタ)アクリル酸の 水酸基含有 (メタ)アタリレートも使用することができる。
[0018] これら水酸基含有 (メタ)アタリレートのうち、 2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート、 1 ,3-ジヒドロキシプロピルモノ (メタ)アタリレート、エリスリトールモノ (メタ)アタリレートな どが好ましく用いられる。
これら水酸基含有 (メタ)アタリレートに代表される水酸基含有単官能性単量体は、 エチレン性不飽和化合物(al)全体に対して、好ましくは 30重量%以下、より好ましく は 20重量%以下の範囲、さらに好ましくは 2重量%以下の範囲内の量で使用するこ とがでさる。
[0019] これら単官能性単量体は、単独であるいは 2種以上組み合わせて使用することがで き、後述する多官能性単量体と組み合わせて使用することもできる。
本発明で使用可能な多官能性の (メタ)アタリレートとしては、例えば、エチレンダリ コールジ (メタ)アタリレート、プロピレングリコールジ (メタ)アタリレート、ブチレングリコ ールジ(メタ)アタリレート、ネオペンチルグリコールジ (メタ)アタリレート、へキシレング リコールジ (メタ)アタリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アタリレート、ペンタエリ スリトールテトラ (メタ)アタリレートなどのアルカンポリオールのポリ(メタ)アタリレート、 ジエチレングリコールジ (メタ)アタリレート、トリエチレングリコールジ (メタ)アタリレート 、ポリエチレングリコールジ (メタ)アタリレート、ジプロピレングリコールジ (メタ)アタリレ ート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アタリレート、ジブチレングリコールジ (メタ)ァク リレート、ジペンタエリスリトールへキサ(メタ)アタリレートなどのポリオキシアルカンポリ オールポリ(メタ)アタリレート、
1, 6ビス(メタクリロキシェチルォキシカルボニルァミノ)— 2, 2, 4—トリメチルへキサン (UDMA);
下記式(1)で表わされる脂肪族または芳香族のジ (メタ)アタリレート;
[0021] ここで、 Rは水素原子またはメチル基であり、 mおよび nは同一でも異なってもよぐ 0 一 10の整数である。そして R1は、
[0023] のいずれかである;
さらに、下記式 (2)で表わされる脂肪族または芳香族エポキシジ (メタ)アタリレート; [0024] [化 3]
H2C=C-C-0^He-CH-CH2-0-R1-O-CH2-CH-CH£-(0-R1-0-CH2-CH-CH;!)n-0-C-C-CH2
RO OH OH OH OR … (2)
[0025] ここで、 Rは水素原子またはメチル基であり、 nは 0— 10の整数であり、そして R1は
[0026] [化 4]
[0027] である;
および
下記式(3)で表わされる分子中にウレタン結合を有する多官能性 (メタ)アタリレ どが挙げられる。
[0029] ここで、 Rは水素原子またはメチル基であり、そして R1は
[0030] [化 6]
[0031] である。
これら多官能性 (メタ)アタリレートの中では、例えばトリエチレングリコールジ (メタ) アタリレート、ポリエチレングリコールジ (メタ)アタリレートのよ 分子内にエチレング リコール鎖を有するジ (メタ)アタリレート、
下記式(1) - aで表される化合物
[0033] ここで、 R、 mおよび nの定義は式(1)に同じである;
下記式(2)— aで表される化合物;
ここで、 Rの定義は式(2)に同じである;
下記式(3) - aで表される化合物
[0036] [化 9]
[0037] ここで、 Rの定義は式(3)に同じである、
などが特に好ましく用いられる。
また、本発明に用いるコーティング組成物 (I)を歯の最外層材組成物の一部とし て使用する場合には、多官能性アタリレートとしては、ペンタエリスリトールトリアタリレ ート、ペンタエリスリトールテトラアタリレート、ジペンタエリスリトールテトラアタリレート、 ジペンタエリスリトールペンタアタリレート、ジペンタエリスリトールへキサアタリレートな どのペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトールの多官能性アタリレート、 エチレングリコールジアタリレート、トリエチレングリコールジアタリレート、あるいはその 他のエチレングリコーノレ才リゴマーのジアタリレート、
ビスフエノーノレ Aのジアタリレート、
2—プロべノイツク酸(2, 4, 6—トリオキソー 1, 3, 5—トリアジンー 1, 3, 5— (2H, 4H, 6 H)トリル)トリ— 1, 2—ェタンジィルエステルなどのトリアジン環を有する多官能性アタリ レートが、最終的に得られる硬化物の表面硬さの点から特に好ましい。
[0038] これら多官能性単量体は、エチレン性不飽和化合物(a )全体に対して、好ましくは
1
5— 60重量%、より好ましくは 10— 50重量%の範囲内の量で使用することができる。 また、これら多官能性単量体は、単独であるいは 2種以上組み合わせて使用するこ とができ、単官能性単量体と組み合わせて使用することもできる。
[0039] また、分子内に酸性基を有する単量体としては、例えば (メタ)アクリル酸およびその 無水物、 1,4-ジ(メタ)アタリロキシェチルピロメリット酸、 6— (メタ)アタリロキシェチル ナフタレン 1,2,6—トリカルボン酸、 N— (メタ)アタリロイルー p—ァミノ安息香酸、 N (メタ )アタリロイルー o—ァミノ安息香酸、 N (メタ)アタリロイルー m—ァミノ安息香酸、 N (メ タ)アタリロイルー 5—ァミノサリチル酸、 N- (メタ)アタリロイルー 4-ァミノサリチル酸、 4— (メタ)アタリロキシェチルトリメリット酸およびその無水物、 4— (メタ)アタリロキシブチル トリメリット酸およびその無水物、 4 (メタ)アタリ口キシへキシルトリメリット酸およびその
無水物、 4 (メタ)アタリロキシデシルトリメリット酸およびその無水物、 2 (メタ)アタリ ロイルォキシ安息香酸、 3— (メタ)アタリロイルォキシ安息香酸、 4 (メタ)アタリロイル ォキシ安息香酸、 j8— (メタ)アタリロイルォキシェチルノヽイドロジェンサクシネート、 β (メタ)アタリロイルォキシェチルハイドロジエンマレエート、 β— (メタ)アタリロイルォ キシェチルハイドロジェンフタレート、 11— (メタ)アタリロイルォキシー 1, 1—ゥンデカン ジカルボン酸、 ρ ビニル安息香酸などのカルボン酸基またはその無水物を含有する (メタ)アクリル酸エステル単量体;
2- (メタ)アタリロキシェチルホスホリック酸、 2— (メタ)アタリロキシェチルフエ-ルホス ホリック酸、 10— (メタ)アタリロキシデシルホスホリック酸などの燐酸基を含有する (メタ )アクリル酸エステル単量体;
ρ スチレンスルホン酸、 2—アクリルアミドー 2—メチルプロパンスルホン酸などのスルホ ン酸基を含有する単量体を挙げることができる。
[0040] これら酸性基を有する単量体は、単独であるいは組み合わせて使用することができ る。
これら酸性基を有する単量体は、単独である 、は組み合わせて使用することができ る。酸性基を有する単量体は、エチレン性不飽和化合物(a )全体 100重量部に対し
1
て、 2— 20重量部の範囲内の量で好ましく使用することができる。
また、これら酸性基を有する単量体は、エチレン性不飽和化合物(a )全体 100重
1
量部に対して、好ましくは 20重量部以下の範囲、より好ましくは 10重量部以下の範 囲、さらに好ましくは 5重量部以下の範囲内の量でも使用することもできる。なお、酸 性基を有する単量体は、単官能性単量体、または多官能性単量体のいずれであつ てもよいが多官能性単量体としても分類できる場合には、それぞれの分類のいずれ にも分類した上で、それぞれの好適な使用量の範囲で使用することができる。
[0041] さらに、上記水酸基含有単官能性単量体に替えて、あるいは併用して水酸基含有 多官能性単量体を用いることもできる。このような場合には、水酸基含有単官能性単 量体、および水酸基含有多官能性単量体全体の合計量が、エチレン性不飽和化合 物(al)全体 100重量部に対して、好ましくは 30重量部以下、より好ましくは 20重量 部以下の範囲、さらに好ましくは 2重量部以下の範囲内の量で使用することができる
[0042] なお、水酸基を有する単量体が多官能性単量体としても分類できる場合には、この 単量体を多官能性単量体としても分類した上で、多官能性単量体の好適な使用量 の範囲で使用することができる。
また、その他に使用可能なエチレン性不飽和化合物(a )としては、例えば、ビニル
1
酢酸エステル、ビュルピロリドン、無水マレイン酸、マレイン酸、ビュル安息香酸など を挙げることができる。これらは単独であるいは 2種類以上組み合わせて使用すること ができる。
[0043] 〔重合開始剤 (b )〕
1
本発明に使用される重合開始剤 (b )としては、光重合開始剤 (b a )および
1 Zまた は過酸化物 (b β )が好ましく使用される。
光重合開始剤 (b a )としては、例えば、(b a ) a—ケトカルボニル化合物、(b a )ァ
1 2 シルホスフィンォキシドィ匕合物などが挙げられる。
[0044] aーケトカルボ-ル化合物(b a )としては、例えば、 α—ジケトン、 α—ケトアルデヒド
1
、 α -ケトカルボン酸、 α—ケトカルボン酸エステルなどが挙げられる。具体的には、ジ ァセチノレ、 2, 3 ペンタジオン、 2, 3—へキサジオン、ベンジル、 4,4'ージメトキシベンジ ル、 4,4'ージエトキシベンジル、 4,4' ォキシベンジル、 4,4'ージクロルベンジル、 4— ニトロベンジル、 ひ—ナフチル、 j8—ナフチル、カンファーキノン、カンファーキノンスル ホン酸、カンファーキノンカルボン酸、 1,2—シクロへキサンジオンなどの α—ジケトン; メチルダリオキザール、フ -ルグリオキザールなどの α—ケトアルデヒド; ピルビン酸、ベンゾィルギ酸、フエ-ルビルビン酸、ピルビン酸メチル、ベンゾィルギ 酸ェチル、フエ-ルビルビン酸メチル、フエ-ルビルビン酸ブチルなどの α—ケトカル ボン酸またはそのエステルイ匕合物が挙げられる。
[0045] これら aーケトカルボニル化合物の中では、安定性などの面から aージケトンを使用 することが好ましぐ α—ジケトンの中ではジァセチル、ベンジル、カンファーキノンが 特に好ましい。
ァシルホスフィンォキシド化合物(b α )としては、例えば、ベンゾィルジメトキシホス
2
フィンォキシド、ベンゾィルエトキシフエ-ルホスフィンォキシド、ベンゾィルジフエ-ル
ホスフィンォキシド、 2 メチルベンゾィルジフエ-ルホスフィンォキシド、 2,4,6—トリメ チルベンゾィルジフエ-ルホスフィンォキシドなどが挙げられる。 (b a )成分と(b a )
1 2 成分とは、単独でまたは組み合わせて使用することができる。
[0046] 過酸化物(b β )としては、例えば、ジァセチルペルォキシド、ジプロピルペルォキシ ド、ジブチルペルォキシド、ジカプリルペルォキシド、ジラウリルペルォキシド、などの ジカルボン酸ペルォキシド、過酸化ベンゾィル(ΒΡΟ)、 ρ,ρ'—ジクロルべンゾィルぺ ルォキシド、 ρ,ρ'—ジメトキシベンゾィルペルォキシド、 ρ,ρ'—ジメチルベンゾィルペル ォキシド、 ρ,ρ'—ジ-トロジベンゾィルペルォキシドなどのベンゾィルペルォキシド置 換誘導体などの有機過酸化物;
過硫酸アンモ-ゥム、過硫酸カリウム、塩素酸カリウム、臭素酸カリウムおよび過リン 酸カリウムなどの無機過酸ィ匕物が挙げられる。これらの中では、 ΒΡΟが好ましい。
[0047] 上記重合開始剤の重合開始効果を向上するため、化合物の触媒効果に悪影響を 及ぼさない還元性ィ匕合物の併用をすることもできる。これら還元性ィ匕合物としては、 例えば、 Ν,Ν ジメチルァ-リン、 Ν,Ν ジメチルー ρ—トルイジン、 Ν,Ν ジェチルー ρ— トルイジン、 Ν, Ν—ジエタノール ρ—トルイジン、 Ν,Ν—ジメチルー ρ— tert—ブチルァ 二リン、 Ν,Ν—ジメチルァニシジン、 Ν,Ν ジメチルー ρ—クロルァニリン、 Ν,Ν ジメチ ルアミノエチル (メタ)アタリレート、 Ν,Ν—ジェチルアミノエチル (メタ)アタリレート、 Ν, Ν—ジメチルァミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、 Ν,Ν—ジェチルァミノ安息 香酸およびそのアルキルエステル、 Ν,Ν—ジメチルァミノベンツアルデヒド、 Ν フエ二 ルグリシン、 Ν フエ-ルグリシンのアルカリ金属塩、 Ν トリルグリシン、 Ν トリルグリシ ンのアルカリ金属塩、 Ν,Ν— (3—メタクリロイルォキシー 2—ヒドロキシプロピル)フエ-ル グリシンなどの有機還元性ィ匕合物が挙げられる。上記還元性ィ匕合物の配合量は、通 常は、使用される重合開始剤量に対して 0. 3— 5倍の範囲内にある。
[0048] 〔フイラ一(c )〕
1
本発明に使用するコーティング組成物 (I)にはフイラ一(c )が配合される。フィラー(
1
C )は無機フィラー,有機フィラー,有機無機複合フィラーから適宜選択して使用され 1
る。
本発明に使用される無機フイラ一は、形状としては、球状体であっても不定形体で
あってもよい。また、無機フィラーの種類としては公知のものを適宜選択して使用でき 、例えば、周期律第 I、 II、 III、 IV族、遷移金属およびそれらの酸化物、水酸化物、塩 化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、燐酸塩、珪酸塩、およびこれらの混合物、複合塩 など力も選択することができる。具体的には、二酸化珪素、ストロンチュウムガラス、ラ ンタンガラス、ノ リウムガラスなどのガラス粉末、石英粉末、硫酸バリウム、酸化アルミ ユウム、酸化チタン、バリウム塩、ガラスビーズ、ガラス繊維、フッ化バリウム、鉛塩、タ ルクを含有するガラスフィラー、コロイダルシリカ、シリカゲル、ジルコニウム酸化物、ス ズ酸ィ匕物、その他のセラミックス粉末などを使用することができる。
[0049] 無機フィラーの粒子径は適宜選択して使用される力 平均粒径は通常 0. 001— 5 O /z mであり、 0. 001— 10 /z mであることが好ましい。これら無機フイラ一は単独であ るいは 2種以上組み合わせて使用することができ、また、有機フィラーまたは Zおよび 有機無機複合フィラーと組み合わせて使用しても良 、。
有機フイラ一としては、ポリメチル (メタ)アタリレート、ポリェチル (メタ)アタリレート、メ チル (メタ)アタリレート'ェチル (メタ)アタリレート共重合体、メチル (メタ)アタリレート · ブチル (メタ)アタリレート共重合体、メチル (メタ)アタリレート'スチレン共重合体など の非架橋性ポリマー、メチル (メタ)アタリレート ·エチレングリコールジ (メタ)アタリレー ト共重合体、メチル (メタ)アタリレート ·トリエチレングリコールジ (メタ)アタリレート共重 合体、(メタ)アクリル酸メチルとブタジエン系単量体との共重合体などの (メタ)アタリ レート重合体などが使用できる。有機フィラーの形状については特に制限はなぐま た、フイラ一粒子径も適宜選択して使用される力 平均粒径は通常 0. 001— 50 /z m であり、 0. 001— 10 mであることが好ましい。
[0050] 有機無機複合フィラーとしては、 TMPTフィラー(トリメチロールプロパンメタタリレー トとシリカフィラーを混和、重合させた後に粉砕したもの)などが使用できる。有機無機 複合フィラーの形状については特に制限はなぐまた、フイラ一粒子径も適宜選択し て使用される力 平均粒径は通常 0. 001— 50 /z mであり、 0. 001— mであるこ とが好ましい。
[0051] コーティング組成物 (I)に含まれるエチレン性不飽和化合物(a )、重合開始剤 (b )
1 1
、およびフィラー(c )の合計 100重量部に対するフィラー(c )の含有重量0 /0 (f )〔(c
) /[ (a ) + (b ) + (c ) ] X 100〕は、好ましくは 5— 80重量部、より好ましくは 10— 70
1 1 1
重量部である。フィラーの含有重量%が上記範囲内にあると、歯科用コーティング剤
(I)を充填した容器を長期保存してもフィラー成分が分離することがなぐ長期間安定 して使用することができる。
[0052] 〔着色剤 (d )〕
1
本発明に用いるコーティング組成物 (I)には、さらに着色剤 (d )を配合することがで
1
きる。ここで使用される着色剤(d )としては、公知の歯科用の顔料や染料が使用でき
1
、例えば、公知の黒酸化鉄、黄色酸化鉄、弁柄、チタンイェロー、チタンホワイトなど の無機顔料ゃブロモフタールレッド、ブロモフタ一ルイエローなどの有機顔料が使用 できる。着色剤 (d )の配合量は、コーティング組成物 (I)に含まれるエチレン性不飽
1
和化合物(a )、重合開始剤 (b )、およびフィラー(c )の合計 100重量部に対して通
1 1 1
常 0. 01— 3重量部である。
[0053] 本発明に用いるコーティング組成物 (I)には、さらに本発明の目的を損なわない範 囲内で、他の添加剤を配合することもできる。他の添加剤の例としては、殺菌剤、安 定剤、重合禁止剤などが挙げられる。
コーティング
本発明に用いるコーティング組成物 (Π)は、少なくとも (a )エチレン性不飽和化合
2
物を含むことを特徴とする。
[0054] 〔エチレン性不飽和化合物(a )〕
2
エチレン性不飽和化合物(a )としては、コーティング組成物 (I)に用いられるェチレ
2
ン性不飽和化合物(a )の単量体種と同種のものを好ましく使用することができる。ま
1
た、エチレン性不飽和化合物(a )として使用する単量体の配合比率についても、ェ
2
チレン性不飽和化合物 (a )の場合と同様の配合比率で好ましく使用することができ
1
る。上記エチレン性不飽和化合物(a )、および (a )の化合物種および Zまたは単量
1 2
体の配合比率は同一でも異なって!/、ても良 ヽ。
[0055] 例えば、エチレン性不飽和化合物(a )中に含まれる水酸基および酸性基を有さな
2
い単官能性単量体は、エチレン性不飽和化合物(a )全体 100重量部に対して、好
2
ましくは、 70重量部以下、より好ましくは 65重量部以下の範囲内の量で使用すること
ができる。また、多官能性単量体は、エチレン性不飽和化合物(a )全体 100重量部
2
に対して、好ましくは、 5— 90重量部、より好ましくは 5— 80重量部の範囲内の量で 使用することができる。
[0056] 〔重合開始剤 (b )〕
2
本発明に用いる組成物 (Π)には、 (b )重合開始剤が含まれていてもよい。重合開
2
始剤 (b )は、コーティング組成物 (I)で好適に用いられる上記重合開始剤 (b )と同種
2 1 のものを使用することができる。また、重合開始剤 (b )として使用する化合物の配合
2
比率についても、上記重合開始剤 (b )と同様の配合比率で好ましく使用することが
1
できる。重合開始剤 (b )および (b )の化合物種は同一でも異なっていても良い。また
1 2
、重合開始剤 (b )および (b )の化合物の配合比率は同一でも異なって 、ても良!、。
1 2
[0057] 〔フイラ一 (c )〕
2
本発明に用いる組成物 (Π)には (c )フィラーが含まれて 、てもよ 、。フィラー(c )は
2 2
、コーティング組成物 (I)で好適に用いられる上記フィラー(c )と同種のものを使用す
1
ることができる。フィラー(C )および (C )の種類は同一でも異なっていても良い。
1 2
[0058] ここで、組成物 (Π)に含まれるエチレン性不飽和化合物(a )、必要に応じて含まれ
2
る重合開始剤 (b )、および必要に応じて含まれるフィラー(c )の合計 100重量部に
2 2
対する重量部単位の (c )フィラーの含有重量0 /o (f ) [ (c ) /[ (a ) + (b ) + (c ) ] X l
2 II 2 2 2 2
00〕は、前記組成物 (I)のフイラ一(c )の含有重量% (f )よりも少な!/、ことが必要であ
1 I
る。また、フィラーの含有重量0 /0 (f )は 0であってもよい。
II
[0059] フィラー含有重量%が多 、糸且成物 (I)とフイラ一含有重量%が少な 、糸且成物 (Π)と を組み合わせることで、以下に示す効果を発揮することができる。
(1)好みの色調に調節することができる。
(2)歯面の艷が高ぐ薄いベニァ層を形成できるので、歯質表面を削る必要がない。
(3)コーティング材の塗りムラが少なぐコーティング層の厚みムラも少ない。
(4)作業者の好みの粘度に調節して作業することができるので、安全に、短時間で 作業することができ、作業性に優れる。
[0060] ここで、フィラー含有重量% (f )とフイラ一含有重量% (f )との差 (f f )を好ましく
II I I II
は 20重量部以上、より好ましくは 40重量部以上とすると、(1)一(4)の効果を顕著な
ちのとすることがでさる。
また、フィラー含有重量% (f )とフイラ一含有重量% (f )との比 (f /ί )を好ましくは
II I II I
0. 5以下、より好ましくは 0. 3以下としても、上記(1)一(4)の効果を顕著なものとす ることがでさる。
[0061] さらに上記(1)一(4)の効果をより顕著なものにするためには、(f I f )および
II (f II Zf I
)がともに上記範囲内にあることが好まし 、。
また、前記糸且成物 (Π)中のフィラー(c )の含有重量% (f )は、 0— 20重量部である
2 II
ことが好ましぐ 0— 10重量部であることがより好ましい。フィラー(c )の含有重量%(f
2
)が上記範囲内にあると、組成物からフィラー (c )が分離しにくくなり、また組成物 (I)
II 2
と組成物 (Π)とを混和する際の作業性に優れる。
[0062] 組成物 (Π)は組成物 (I)と混和をして使用をする力 その際に、塗布に適した粘度 となるようフィラー配合量を調節して力も使用することが好ましい。そのためには、フィ ラー(c )およびフィラー(c )の合計量が、組成物 (I)と組成物 (Π)の混合物の全重量
1 2
100重量部に対して、 20— 80重量部含まれるように混和することが好ましぐ 30— 7 0重量部含まれてるように混和することがより好ま 、。
[0063] フィラー(c )およびフィラー(c )の合計量が上記範囲内にあることにより、コーティン
1 2
グ時の塗りムラが少なぐまたコーティング膜の厚みムラも少な 、好適なコーティング が行える。
〔その他成分〕
また、組成物 (Π)は、組成物 (I)と同様に (d )着色剤を含んで!/ヽても良!ヽ。着色剤 (d
2
)は、コーティング組成物 (I)で好適に用いられる上記着色剤 (d )と同種のものを使
2 1
用することができる。また、着色剤 (d )の配合量は、組成物 (π)に含まれるエチレン
2
性不飽和化合物 (a )、必要に応じて含まれる重合開始剤 (b )、および必要に応じて
2 2
含まれるフィラー(c )の合計 100重量部に対して通常 0. 01— 3重量部である。
2
[0064] 組成物 (I)に用いられる着色剤 (d )、および組成物 (Π)に用いられる (d )の化合物
1 2
種および Zまたは組成物に対する配合比率は同一でも異なって ヽても良 ヽ。
また、組成物 (π)には、組成物 (I)に使用できる他の添加剤を、本発明の効果を損 なわな 、範囲で使用することもできる。
なお、これらコーティング糸且成物 (I)および (Π)では、水は、実質上含まれないこと が好ましぐこれら組成物からフィラーを除外した成分 (単量体、重合開始剤、着色剤) 全体に対して、 3重量%以下であることが好ましい。
[0065] 前処理剤
本発明の歯科用歯面コーティングを使用するにあたっては、歯に前処理を施すこと が好ましい。前処理としては、例えば (ΠΙ)歯科用エッチング剤による接着面のエッチ ング処理、(IV)歯科用プライマーによる接着面の改質処理あるいはエッチング能を 有するプライマーによる接着面のエッチングおよび改質処理、(V)接着剤による接着 剤層を形成する処理などが挙げられる。これら歯科用エッチング剤 (III)を充填した 容器、歯科用プライマー (IV)を充填した容器、および接着剤 (V)を充填した容器は
、本発明に係るコーティングキットに含ませることができる。
[0066] 〔歯科用エッチング剤 (III)〕
歯科用エッチング剤 (ΠΙ)は酸性水溶液であることが望ましい。具体的にはリン酸水 溶液、クェン酸水溶液などである。酸性物質の濃度は 5— 70%が好ましぐ 10— 60 %であることがさらに好ましい。歯科用エッチング剤 (III)には、さらに本発明の目的 を損なわない範囲内で他の添加剤を配合することもできる。添加剤の例としては、増 粘剤、殺菌剤、安定剤、顔料および染料などの着色剤を挙げることができる。
[0067] 〔歯科用プライマー (IV)〕
本発明に用いられる歯科用プライマー (IV)としては、例えば 1一 50重量%の 2—ヒ を含有する水溶液を挙げることができる。
また、接着面のエッチングと改質処理とに用いられるエッチング能を有するプライマ 一としては、例えば脱灰した歯質を改質し歯質への接着剤の拡散を促進する成分と 、有機酸 (酸性基を有する単量体を含む)とを含有する水溶液などを好ましく用いるこ とがでさる。
[0068] 歯質への接着剤の拡散を促進する成分としては、例えばアルキレングリコール、ポ リアルキレングリコール、 2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート、 1,3—ジヒドロキシプロ ピルモノ (メタ)アタリレートなどの水酸基含有単量体ある 、はポリエチレングリコール(
メタ)アタリレートなどを挙げることができる。
上記有機酸には酸性基を有する単量体が含まれる力 このような単量体としては、 カルボキシル基、もしくはその無水物基を含有する単量体、リン酸基もしくはスルホン 酸基を含有する単量体を挙げることができる。上記酸性基を有する単量体は、歯科 用プライマー (IV) 100重量部に対して、 5— 50重量部含有されていることが好ましく
、 10— 25重量部含有されていることがより好ましい。
[0069] 歯科用プライマー (IV)には、その他にも、本発明の組成物 (I)、 (II)で例示した単 量体が適宜含まれても良い。
これら単量体の中でも、水酸基および酸性基を有さな 、単官能性単量体を用いる 場合は、この単量体は、歯科用プライマー (IV)全体に対して、好ましくは 30重量% 以下、より好ましくは 15重量%以下の範囲の量で使用することができる。
[0070] また、水酸基を有する、単官能性、もしくは多官能性単量体を用いる場合には、こ の単量体は、歯科用プライマー (IV)全体に対して、好ましくは 50重量%以下、より 好ましくは 40重量%以下、さらに好ましくは 10重量%以下、特に好ましくは 7重量% 以下の範囲の量で使用することができる。
また、多官能性単量体を用いる場合は、この単量体は、歯科用プライマー (IV)全 体に対して、好ましくは 5— 50重量%、より好ましくは 10— 50重量%の範囲の量で 使用することができる。
[0071] 上記歯科用プライマー (IV)には、その他にも、水、エタノール、アセトン等に代表さ れる実質上有害でな!ヽ水溶性有機溶媒が適宜含まれて!/ヽてもよ ヽ。
水を用いる場合には、歯科用プライマー (IV)全体に対して、好ましくは 40重量% 以下、より好ましくは 5— 30重量%の範囲の量で使用することができる。
また、エタノールやアセトン等の実質上有害でな 、水溶性有機溶媒を用いる場合 には、歯科用プライマー (IV)全体に対して、好ましくは 70重量%以下、より好ましく は 10— 60重量%の範囲の量で使用できる。
[0072] さらに、必要に応じて、このプライマー(IV)にフイラ一をカ卩えても良い。
また、歯科用プライマー (IV)は、更にフッ素イオン放出性物質を配合することによ つて、歯質および本発明の接着性組成物とエナメル質とから構成される被膜層に耐
酸性を付与させることができる。このフッ素イオン放出物質としては、フルォロアルミノ シリケートガラスなどのフッ素ガラス、フッ化ナトリウム、フッ化カリウムなどの金属フッ 化物、さらにはメタクリル酸メチルとメタクリル酸フルオライドとの共重合体などのフッ素 イオン放出性ポリマーやセチルアミンフッ化水素酸塩などが挙げられる。
[0073] 歯科用プライマー (IV)には、本発明の目的を損なわない範囲内で他の添加剤を 配合することもできる。他の添加剤の例としては、増粘剤、殺菌剤、安定剤、顔料およ び染料などの着色剤を挙げることができる。
〔接着剤 (V)〕
本発明で用いられる接着剤 (V)には、分子内に酸性基を有する単量体が少なくと も 1種類含まれる。分子内に酸性基を有する単量体が接着剤 (V)に含まれることによ り、歯質などへの接着性が向上する。
[0074] 酸性基としては、カルボキシル基もしくはその無水物基、リン酸基、スルホン酸基な どが挙げられ、分子内に酸性基を有する単量体としては、上記組成物 (I)に使用する エチレン性不飽和化合物(a )に例示した単量体を好適に使用することができる。分
1
子内に酸性基を有する単量体は、接着剤 ) 100重量部に対して、 5— 20重量部 含有されて 、ることが好ましく、 10— 15重量部含有されて 、ることがより好ま 、。
[0075] 接着剤 (V)には、その他にも、本発明の組成物 (I)、 (II)で例示した、単量体が適 宜含まれても良い。こらら単量体の中でも、水酸基および酸性基を有しない単官能性 単量体は、接着剤 (V)全体に対して、好ましくは 30重量%以下、より好ましくは 15重 量%以下の量の範囲で使用することができる。水酸基を有する単量体は、接着剤 (V )全体に対して、好ましくは 30重量%以下、より好ましくは 20重量%以下の量で使用 することができる。多官能性単量体は、接着剤 (V)全体に対して、好ましくは 5— 80 重量%、より好ましくは 10— 70重量%の範囲の量で使用することができる。また、水 は、接着剤 (V)全体に対して、好ましくは 40重量%以下、より好ましくは 5— 30重量 %の範囲の量で使用することができる。さらに、必要に応じて、この接着剤 (V)にフィ ラーを加えても良い。
[0076] また、接着剤 (V)にフッ素イオン放出性物質を配合することによって、歯質および 本発明の接着性組成物とエナメル質とから構成される被膜層に耐酸性を付与させる
ことができる。このようなフッ素イオン放出物質としては、フルォロアルミノシリケートガ ラスなどのフッ素ガラス、フッ化ナトリウム、フッ化カリウムなどの金属フッ化物、さらに はメタクリル酸メチルとメタクリル酸フルオライドとの共重合体などのフッ素イオン放出 性ポリマーやセチルアミンフッ化水素酸塩などを挙げることができる。
[0077] さらに接着剤 (V)には、本発明の目的を損なわない範囲内で他の添加剤を配合す ることもできる。他の添加剤の例としては、増粘剤、殺菌剤、安定剤、顔料および染料 などの着色剤を挙げることができる。
歯科用歯 rifコーティング膜
本発明に係る歯科用コーティングキットを用いて得られる歯面に形成されたコーティ ング膜の表面硬度(ピッカース硬度)は 10— 60が好ましぐ 20— 60がより好ましい。 表面硬度が上記範囲内であれば、摩耗性が高ぐ歯ブラシで清掃しても表面艷がな くなりに《審美性に優れる。
[0078] また、必要に応じて、本発明に係るコーティングキットを用いて、オペークコーティン グ材層を形成した上に、ハードコート材を用いて最外層を形成してもよい。ここで、ハ ードコート材は、本発明に用いる組成物 (I)と組成物 (Π)とを混合したコーティング材 と同一であっても良いし、異なるコーティング材を用いても良い。最外層に使用する ハードコート材は耐摩耗性、耐着色性を有することが好まし ヽ。
[0079] 本発明の歯科用コ一ティングキットにより得られるオペークコ一ティング材層の膜厚 は、着色剤の隠蔽力や操作性の観点から 20— 300 mが好ましい。また、摩耗性を 向上させるために、オペークコーティング材層の上にハードコート材カ なる最外層 を形成する場合は、最外層の膜厚は 1一 100 mが望ましい。 口腔内での接着耐久 性を向上させるために、オペークコーティング層の下に接着材層を形成する場合は、 接着材層の膜厚は 3— 100 /z mが望ましい。また、オペークコーティング層の下にプ ライマー層を形成する場合は、プライマー層の厚みは通常 3 m以下である。
[0080] 本発明に係る歯科用歯面コーティングキットを用いて得られる歯面コーティング積 層構造物全体の厚みは、違和感がないという点、対合歯とかみ合わせ、およびスケ 一ラーによる剥離のしゃすさから、 20— 400 m力好ましく、 30— 300 mがより好ま しい。
本発明により得られる歯科用歯面コーティング層の接着強度は、恒久的コーティン グ用途として用いる場合には、 5MPa以上であることが好ましぐ 8MPa以上であるこ とがより好ましい。また、マ-キュアなどの一時的コーティング用途として用いる場合 には、上記コーティング層の接着強度は、好ましくは 2— 20MPaの範囲、より好ましく は 4一 1 IMPaの範囲である。
[0081] 本発明の歯科用歯面コ一ティングキットの構成
本発明の歯科用歯面コーティングキットの構成は、コーティング組成物 (I)を充填し た容器、コーティング組成物 (Π)を充填した容器を必須とし、必要に応じて、これにェ ツチング剤 (III)を充填した容器、プライマー (IV)を充填した容器、および接着剤 (V )を充填した容器の群の中から選ばれる少なくとも一つを組み合わせて用いることを 特徴としている。また、上記最外層用のハードコート材組成物を、別の容器に充填し て、本発明に係るコーティングキットに含ませてもよい。このハードコート材組成物は、 コーティング組成物 (I)または (Π)と同一であってもよ!/、。
[0082] 体 な谪 ffl 法、丰順
本発明に係る歯科用コーティングキットを用いれば、コーティング組成物 (I)とコー ティング組成物 (II)とを混和したコーティング材を直接歯面のエナメル質に塗布して オペークコーティング層を形成することができる。また、上述した歯科用エッチング剤
(III)および Zまたは歯科用プライマー (IV)で歯面を処理した後に、上記コーティン グ材を塗布して、オペークコーティング層を形成することもできる。また、歯表面の色 調を調整するために、上記コーティング材を用いて、重ね塗りを何度行っても良い。
[0083] 口腔内での耐久性を向上させるために接着剤 (V)を用いる場合は、接着剤 (V)に より接着材層を形成してから、コーティング材層をその上に形成する。さらに耐久性を 高めるためにエッチング剤 (III)を用いる場合は、歯科用プライマー (IV)または Zお よび接着剤 (V)を用いる前に適用する。摩耗性を向上させるためにハードコート材を 組み合わせる場合は、オペーク用コーティング材層の上にハードコート材層を形成さ せる。
[0084] 以下、本発明について実施例を示して具体的に説明するが、本発明は以下の実施 例に限定されるものではない。
〔実施例〕
〔化合物の略称〕
MMA:メチルメタタリレート
4—META:4-メタクリロイルォキシェチルトリメリット酸無水物
A— 9300 : 2—プロべノイツク酸(2, 4, 6—トリオキソ— 1, 3, 5—トリアジンー 1, 3, 5— (2 H, 4H, 6H)トリル)トリー 2, 1—ェタンジィルエステル
UDMA: 1, 6ビス(メタクリロキシェチルォキシカルボニルァミノ)— 2, 2, 4—トリメチル へキサン
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタタリレート
HEMA: 2—ヒドロキシェチルメタタリレート
RDMA: 1, 3—ジメタクリロキシエトキシベンゼン
TMPT:トリメチロールプロパントリメタタリレート
PM2:ビス(2—メタクリロイ口キシェチル)アシッドホスフェート
2. 6E : 2, 2 ビス [4— (メタクリロキシポリエトキシ)フエ-ル]プロパン
DMTPO :ジフエニル(2, 4, 6—トリメチルベンゾィル)フォスフィンォキシド
CQ :カンフアキノン
〔実施例 1〕
〔各種材料の調製〕
ノ リウムガラスフィラー(平均粒径 1 μ m) 60重量部、 TMPTフィラー(トリメチローノレ プロパントリメタタリレート 66重量部とシリカフィラー 44重量部とを混和、加熱重合させ た後に粉砕した有機無機複合フィラー、平均粒径 17 m) 5重量部、 UDMA20重量 部、 TEGDMA5重量部、 RDMA8重量部、 CQO. 1重量部、およびジメチルァミノ 安息香酸ブトキシェチル 0. 1重量部からなるコーティング組成物(I 1)、および MM A59重量部、 A— 9300 37重量部、および DMTP04重量部からなるコーティング 組成物 (II 1)を用意した。
また、リン酸 23重量部、精製水 66重量部、およびポリビュルピロリドン 11重量部か らなるエッチング剤 (III 1)、およびアセトン 41重量部、精製水 29重量部、 4 MET A13重量部、 MMA4重量部、 UDMA10重量部、 HEMA3重量部、および DMTP
OO. 1重量部からなるプライマー (IV— 1)を用意した。
〔接着試験〕
以下に示す方法で接着試料を作製して、接着強度を測定した。
[0086] 注水下、 180 #の耐水研磨紙で、下額前歯を研磨し、平坦な接着用エナメル質面 を削り出した。エッチング剤 (III 1)をスポンジに含ませ上記エナメル質に塗布し、ェ ァーを吹き付け乾燥させた。次いで、プライマー液 (IV— 1)をスポンジに含ませ上記 エナメル質面に塗布して、エアーを吹き付け乾燥させた。
このプライマー層の上に、コーティング組成物(I 1)とコーティング組成物(Π— 1)と を重量比 5: 1〔 (1-1): (II-1)〕で混和したものを塗布して、歯科用ハロゲン照射器で 20秒間光照射し、オペークコーティング層を形成した。これら操作によってプライマ 一層とオペークコ一ティング層とが硬化される。
このオペークコーティング層の上にスーパーボンド (サンメディカル( (株))製)を用 V、て接着ロッドを接着して植立した。
[0087] 上記接着試料を、 37°C、湿度 100%の恒温槽に入れ 24時間静置した後、引張接 着強度を測定した。引張接着試験は、試験機 AGS- 1000D ( (株)島津製作所社製 )を用い、クロスヘッドスピード 2mmZminで行った。
〔被膜厚み〕
デジタル表示ノギスを用いて、上記接着試料の被膜厚みを測定した。被膜厚みは、 プライマー層およびオペークコーティング層全体の厚みとした。
[0088] 〔色ムラの評価方法〕
以下に示す方法で試験用試料を作製し、色ムラの評価を行った。
色調 C4のガイド歯科技工用 VITAシェードガイド (歯質を模倣した模型)を用意した 。コーティング組成物 ( エ)とコーティング組成物 (Π—1)とを重量比 5: 1〔 (1-1): (II 1)〕で混和した。得られた混和物を、筆を用いて上記シェードガイドに塗布し、歯科 用ハロゲン照射器で 20秒間光照射した。表面の色調が色調 A1のシェードガイドと同 等になるまで、上記混和物の塗布および光照射を繰り返した。
[0089] この様にして作製した試験用試料を 5人で評価し、
5人中 4人以上が色ムラがないと評価したものを◎、
5人中 2人もしくは 3人が色ムラがな 、と評価したものを〇、
5人中 4人以上が色ムラがあると評価したものを Xとした。
以上試験結果を表 1に示す。
[0090] 〔実施例 2— 17〕
コーティング組成物 (Π— 1)を、各々、表 1に示すコーティング組成物 (Π— 2)— (II- 17)に変更した以外は実施例 1と同様に、接着試験、被膜厚みの測定、および色ム ラの評価を行った。試験結果を表 1に示す。
〔実施例 18〕
注水下、 180 #の耐水研磨紙で、下額前歯を研磨し、平坦な接着用エナメル質面 を削り出した。次いで、プライマー液 (IV— 1)をスポンジに含ませ上記エナメル質面に 塗布して、エアーを吹き付け乾燥させた。
このプライマー層の上に、コーティング組成物(I 1)とコーティング組成物(Π— 1)とを 重量比 5 : 1〔(1 1): (Π— 1)〕で混和したものを塗布して、歯科用ハロゲン照射器で 2 0秒間光照射し、オペークコーティング層を形成した。そして、実施例 1と同様に、接 着試験、被膜厚みの測定を行った。また実施例 1と同様の方法で色ムラの評価を行 つた。試験結果を表 1に示す。
[0091] 〔実施例 19〕
注水下、 180 #の耐水研磨紙で、下額前歯を研磨し、平坦な接着用エナメル質面 を削り出した。次いで、プライマー液 (IV— 1)をスポンジに含ませ上記エナメル質面に 塗布して、エアーを吹き付け乾燥させた。
このプライマー層の上に、コーティング組成物(I 1)とコーティング組成物(Π— 4)とを 重量比 5 : 1〔(1 1): (Π— 4)〕で混和したものを塗布して、歯科用ハロゲン照射器で 2 0秒間光照射し、オペークコーティング層を形成した。そして、実施例 1と同様に、接 着試験、被膜厚みの測定を行った。また実施例 1と同様の方法で色ムラの評価を行 つた。試験結果を表 1に示す
〔実施例 20〕
表 1に記載されているように、 MMA60重量部、 A— 9300 35重量部、およびバリ ゥムガラスフィラー(平均粒径: 1 μ m) 5重量部力らなるコーティング組成物 (I- 1 18)
を用意した。
[0092] コーティング組成物(II 1)をコーティング組成物(II 18)に変更した以外は実施例
1と同様に、接着試験、被膜厚みの測定、および色ムラの評価を行った。試験結果を 表 1に示す。
〔比較例 1〕
コーティング組成物 (Π— 1)を使用せずに、コーティング組成物 (I 1)単独でオペ一 クコーティング材とする以外は実施例 1と同様に、接着試験、被膜厚みの測定、およ び色ムラの評価を行った。試験結果を表 1に示す。
[0093] 〔比較例 2〕
コーティング組成物(Π— 1)を、メタフィル Flo (A2色)〔サンメディカル社製コンポジッ トレジン:フイラ一含有重量%60%〕に変更した以外は実施例 1と同様に、接着試験、 被膜厚みの測定、および色ムラの評価を行った。試験結果を表 1に示す。
[0094] [表 1]
組成物 ( I ) 組成物 (I I ) 試験結果
No. 単量休第 1成分 単量体第 2成分 単!:体第 3成分 重合開始剤 フイラ一
組成物名 組成物名 色むら 接着強さ 膜厚
(重置 W (重量; ί) (重置《) (重置! ί)
実施例 1 1 - 1 I 卜 Ί MMA (59) Α-9300 (37) ― DMTP0 (4) なし © 20MPa 200 nm 実施例 2 1 - 1 I I - 2 MMA (60) Α-9300 (40) ― ― なし © 16MPa 190//m 実施例 3 1 - 1 I 【一 3 懇 (50) TEGDMA (46) ― DHTP0 (4) なし O 18MPa 170/ m 実施例 4 1 - 1 I I -4 瞧 (30) A-9300 (66) ― DMTP0 (4) なし ◎ 層 a 250 / m 実施例 5 1 - 1 I I -5 隱 (40) A- 9300 (40) UDMA (16) DHTP0 (4) なし o 21NlPa 300 jum 実施例 6 1 - 1 I I -6 MMA (40) A-9300 (40) 2.6E (16) DMTP0 (4) なし © 17 Pa Z60 jm 実施例 7 1 - 1 I I一 7 MMA (40) A-9300 (40) TEGDHA (16) DMTP0 (4) なし 19MPa
実施例 8 1 — 1 1 1—8 瞧 (40) A-9300 (40) TEMA (20) ― なし © 17 Pa 180jLim 実施例 9 I一 1 1 I - 9 隱 (59) A-9300 (37) ― 0MTP0 (2) CQ (2) なし 19MPa 200 実施例 10 1—1 1 1 - 1 0 M A (96) ― ― DHTP0 (4) なし © 12 Pa llO^n 実施例 11 1 -1 1 1 - 1 1 瞧 (10) 2.6E (86) ― 匿 0 (4) なし 0 11MPa 300 実施例 12 1 -1 1 1 - 12 TEGDMA (50) UDMA :46) ― DMTP0 (2) CO (2) なし 0 16MPa 300 jum 実施例 13 1 -1 1 1 - 13 TEGDMA (50) TMPT (46) ― DMTP0 (2) CO (2) なし © 15KIPa 160«in 実施例 14 1 - 1 1 1— 14 TMPT (50) 2.6E (46) ― DMTPO (2) CQ (2) なし ◎ !3MPa 230 jum 実施例 15 1 - 1 1 1 - 15 TMPT (50) UDMA (46) ― DMTP0 (2) CO (2) なし 12MPa 290 jum 実施例 16 I - 1 1 1 - 1 6 MMA (60) A-9300 (31) 4-META (5) DMTPO (2) CO (2) なし ◎ ZOHPa 180jtiu 実施例 17 1 - 1 I 【一 17 MMA (60) A-9300 (31) PM2 {5} DMTPO (2} CO (2} なし 22MPa 170 jum 実施例 18 1 - 1 1 1 - 1 MMA (59) A-9300 (37) ― DMTPO (4) なし 9MPa 190^ηι 実施例 19 1 - 1 1 1 -4 MMA (30) A-9300 (66) ― DMTPO (4) なし ◎ SMPa 240 jum 実施例 20 1 - 1 1 1 - 1 8 MMA (60) A-9300 (35) ― ガラスフイラ一(5) o 15MPa 250 ^m 比較例 1 1 - 1 なし 17HPa 480 jum 比較例 2 1 — 1 )!タフイル Flo X 17MPa 820 /im