WO2004081119A1 - アルミニウムフレーク顔料、それを含む塗料組成物、インキ組成物およびそれらの塗膜 - Google Patents

Abstract

金属光沢に優れ、キメが細かく、銀のような高級感のあるメッキ調の外観を有する、アルミニウムフレーク顔料を提供するために、アルミニウム粉末を有機溶媒中で磨砕して得られる、平均厚み（ｔ）が０．０２５μｍ～０．０８μｍの範囲にあり、平均粒子径（Ｄ50）が８μｍ～３０μｍの範囲にある、アルミニウムフレーク顔料を提供する。ここで、このアルミニウム粉は、アトマイズド法により製造されたことが好ましい。また、この磨砕を行なう磨砕装置としては、ボールミルを使用することが好ましい。

Description

明細書 アルミニウムフレーク顔料、 それを含む塗料組成物、 インキ組成物

およびそれらの塗膜 技術分野

本発明は、 メタリック調のアルミニウムフレーク顔料に関する。 さらに詳しく は、 本発明は、 金属光沢に優れ、 キメが細かく、 銀のような高級感のあるメツキ 調の外観を有する、 アルミニウムフレーク顔料に関する。

また、 本発明は、 金属光沢に優れ、 キメが細かく、 銀のような高級感のあるメ ッキ調の外観を有する、 メタリック塗料糸且成物、 メタリツクインキ組成物および それらの塗膜に関する。 背景技術

従来、 アルミユウムフレーク顔料は、 自動車、 自動二輪車、 自転車、 その他の 車両などのボディおよびその部品、 カメラ、 ビデオカメラなどの光学機器、 O A 機器、 スポーツ用品、 食品、 飲料品、 化粧品などの容器、 ラジカセ、 C Dプレー ヤーなどの音響製品、 掃除機、 電話機、 テレビなどの家庭用品、 のような種々の 分野で、 あるいは、 グラビア印刷、 オフセット印刷、 スクリーン印刷などの分野 において、 塗料組成物またはインキ組成物に配合される光輝性顔料として幅広く 用いられてきた。

現在までに、 各方面でさまざまなタイプのアルミニウムフレーク顔料が開発さ れているが、 代表的なものとしては、 たとえば、 特開平 1 0— 1 6 2 5号公報に 開示されているように、 平均粒子径が 1 8〜 3 0 /i mの範囲にあり、 平均厚みが 0 . 5〜1 . 5 i mの範囲にある、 アルミニウムフレーク顔料などが多用されて いる。

しかしながら、 これらの分野でのアルミニウムフレーク顔料に対する要求特性 は年々向上しており、 特にグラビア印刷、 オフセッ ト印刷、 スクリーン印刷など では、 金属光沢に優れ、 キノが細かく、 銀のようなメツキ調の輝きを有する、 高 級感のある印刷層を得ることのできるアルミユウムフレーク顔料が求められてい る。 一方、 塗料組成物の分野でも、 メツキ調の輝きを有する、 高級感のある塗膜 を得ることができるアルミユウムフレーク顔料に対する強い要求がある。

このような要求に対して、 従来は、 アルミニウムを樹脂フィルムの上に 0 . 0 2〜0 . 0 6 z mの範囲の厚さで蒸着し、 その後当該フィルムを溶解除去して得 られた蒸着アルミニゥム薄膜を、 フレーク状に粉砕することにより得られたァノレ ミニゥム蒸着フレーク顔料を使用することにより対処してきた。

しかし、 この方法は、 生産性が非常に低いため、 性能とコストが釣り合わず、 その使用範囲は狭い用途に限られていた。 また、 蒸着粉のような厚みの薄いアル ミニゥムフレーク顔料を従来のボールミルなどを用いた湿式の粉砕、 磨砕 （以下 単に磨砕という） により製造しょうとしても、 厚みが十分薄くなる前に、 粉砕に より分断されてしまうため、 そのようなアルミニウムフレーク顔料を使用しても 十分なメツキ調塗 H莫ゃインキは得られなかった。 発明の開示

上記の現状に基づき、 本発明の主な目的は、 金属光沢に優れ、 キメが細かく、 銀のような高級感のあるメツキ調の外観を有する、 アルミニウムフレーク顔料を 提供することである。

また、 本発明の別の目的は、 金属光沢に優れ、 キメが細かく、 銀のような高級 感のあるメツキ調の外観を有し、 同時に、 アトマイズドアルミ-ゥム粉末をボー ルミルなどを用いて湿式で磨砕することにより製造可能であるために製造コスト が低い、 アルミニウムフレーク顔料を提供することである。

さらに、 本発明のもう一つの目的は、 金属光沢に優れ、 キヌが細かく、 銀のよ うな高級感のあるメツキ調の外観を有する、 塗料組成物およびインキ組成物を提 供することである。 カロえて、 本発明のさらに別の目的は、 金属光沢に優れ、 キメ が細かく、 銀のような高級感のあるメツキ調の外観を有する、 塗膜を提供するこ とである。

本発明者らは、上記の課題を解決するため、アルミニウムフレーク顔料の形状、 表面平滑性、 平均粒子径、 粒子径分布、 平均厚み、 厚み分布、 ァスぺク ト比など と、 当該アルミニウムフレーク顔料を含有する塗膜の反射率などと、 の関係を詳 細に検討した。

その結果、 本発明者らは、 特定の平均粒子径および特定の平均厚みを有するァ ノレミニゥムフレーク顔料により、 金属光沢に優れ、 キヌが細かく、 銀のような高 級感のあるメツキ調の外観を有する塗膜が得られることを見出した。 また、 その ようなァノレミニゥムフレーク顔料の製造方法についても検討した結果、 ァトマイ ズド法により製造されたアルミニウム粉末を、 ボールミルなどを用いて湿式で磨 砕することにより、 低い製造コストで製造可能であることを見出し、 本発明を完 成させた。

すなわち、 本発明は、 アルミニウム粉末を有機溶媒中で磨砕して得られる、 平 均厚み （t ) が 0 . 0 2 5 μ πι〜0 . 0 8 μ πιの範囲にあり、 平均粒子径 (D₅₀) が 8 μ πα〜3 0 μ πιの範囲にある、 アルミニウムフレーク顔料である。 ここで、 このアルミェゥム粉末は、 ァトマイズ法により製造されたアルミニウム粉末であ ることが好ましい。

また、 本発明は、 このアルミニウムフレーク顔料と、 バインダと、 溶剤と、 を 含む塗料組成物を含む。 さらに、 本発明は、 このアルミ-ゥムフレーク顔料と、 バインダと、 溶剤と、 を含むインキ組成物を含む。

そして、 本発明は、 この塗料組成物を基材に塗装後、 乾燥して得られる塗膜を 含む。 加えて、 本発明は、 このインキ組成物を基材に印刷後、 乾燥して得られる 塗膜を含む。 発明を実施するための最良の形態

以下、 実施の形態を示して本発明をより詳細に説明する。

本発明は、 平均厚み （t ) が 0 . 0 2 5 μ πι〜0 . 0 8 μ ιηの範囲にあり、 平 均粒子径 （D₅₀) が 8 μ ιη〜3 0 /_i mの範囲にある、 アルミニウムフレーク顔料 である。

くアルミニウムフレーク顔料の平均厚み >

本発明のアルミニウムフレーク顔料が、 金属光沢に優れ、 キメが細かく、 銀の ような高級感のあるメッキ調の外観を有するには、 アルミニウムフレーク顔料粒 子の平均厚み （t) が 0. 025〜0. 08 μπιの範囲にあることが必要であり、 0. 04〜0. 07 μπιの範囲にあることが好ましい。

平均厚みが 0. 08 μιηを超える場合には、 アルミェゥムフレーク顔料粒子表 面の平滑性が十分でないため金属光沢が低下し、 隠蔽力が不足し、 印刷面や塗膜 のキヌの細かさに従来のメタリック顔料と大した差が認められず、 銀のような高 級感のぁるメッキ調の仕上がりとならないという問題がある。

一方で、 平均厚みが 0. 025 u m未満では、 アルミニウムフレーク顔料粒子 の強度があまりにも弱くなり、 塗料組成物ゃィンキ糸且成物の作製中にアルミ-ゥ ムフレーク顔料粒子の破損や屈曲などが多くなり、 健全な印刷層や塗膜が形成で きない上に、 磨砕に時間がかかりすぎるため実質的に生産ができないという問題 力 Sある。

なお、 本明細書でいう平均厚みとは、 原子間力顕微鏡を用いた測定により決定 されたものである。

くアルミニウムフレーク顔料の平均粒子径〉

本発明のアルミェゥムフレーク顔料の平均粒子径 （D₅。） は 8〜30 111の範 囲にある必要があり、 10〜25 μπιの範囲にあることが好ましい。 ここで、 平 均粒子径が小さいアルミユウムフレーク顔料は、 一般的に、 高い輝度が得られに くい傾向がある。 そのため、 平均粒子径が 8 μπι未満では、 強い金属光沢、 高い 反射率が得られず、 一方で、 平均粒子径が 30 μιηを超えると、 印刷面や塗膜の キメの細かさが得られなくなるとともに、粒子感ゃキラキラ感が強調されすぎて、 銀のような高級感のあるメツキ調の仕上がりとならなレ、。

なお、 本明細書でいう平均粒子径とは、 ハネウエル （Ho n e y we 1 1 ) 社 製、 マイクロ トラック （M i c r o t r a c) HR Aを用いて測定したものであ る。

<原料アルミニウム粉末 >

本発明のアルミエゥムフレーク顔料の原料となるアトマイズドアルミニゥム粉 末は、 従来公知のアトマイズ法により得られるアルミユウム粉末であって、 その 噴霧媒は特に限定されず、 たとえば、 空気、 窒素、 アルゴンガス、 二酸化炭素ガ ス、 ヘリウムガス、 およびこれらのガスを少なくとも一種以上含む混合ガスなど が使用できる。 また、 水などの液体を噴霧媒として用いることもできる。 これら の嘖霧媒の中でも、 アルゴンガスあるいは窒素ガスを用いたァトマイズ法により 得られるアルミニウム粉末が特に好適である。

本発明に用いるアトマイズドアルミニゥム粉末の形状は、 特に限定されず、 た とえば、 球状、 偏平状、 板状、 涙滴状、 針状、 回転楕円体状、 不定形状、 などの いずれであっても差し支えないが、 球状に近い方が好ましい。

また、 当該アルミニウム粉末に含まれる酸素量は、 当該アルミニゥム粉末の粒 度や形状にもよるが、 0 . 5質量％以下が好ましい。 酸素量が 0 . 5質量％を超 える場合には、 酸化皮膜が強固となり、 延性の低下によって薄いフレークの製造 が困難となる傾向がある。

さらに、 当該アルミニウム粉末の酸素を除く純度は、 特に限定されず、 純アル ミニゥムであってもよいし、 公知のアルミユウム合金であってもよい。 しかしな がら塗膜や印刷物の光沢の面からは、 通常の純アルミエゥムの使用が好ましく、 純度 9 9 . 9質量。 /₀以上の純アルミニウムであればさらに好ましい。

当該アルミニウム粉末の大きさは、 平均粒子径が 1〜1 0 μ πιの範囲にあるこ とが好ましく、 2 ~ 8 μ πιの範囲にあればさらに好ましい。 平均粒子径が Ι μ πι 未満の場合には、 当該アルミニウム粉末を磨砕によりフレーク化することが難し い傾向があり、 平均粒子径が 1 0 mを超える場合には、 磨砕時間が極端に長く なり光沢が低下する恐れがある。

<アルミニウムフレーク顔料の製造方法 >

本発明のアルミニウムフレーク顔料の製造方法は、 特に制限されず、 従来公知 の方法で製造することも可能ではあるが、 たとえば、 原料としてアトマイズドア ルミ-ゥム粉末を使用し、 有機溶媒の存在下、 ボールミルを用いて、 1 0時間以 上の磨砕処理をすることが好ましい。

本発明のアルミニウムフレーク顔料の製造方法において用いるボールミル内で 使用する磨碎メディアとしては、 従来公知の工業用磨砕ポールが使用できるが、 たとえば、 直径が 0 . 3〜4 mmの範囲にある鋼球やステンレス球などが好適に 使用できる。

当該磨砕ボールの量は、 ボールミルの大きさ、 回転数にもよる力 通常アルミ 二ゥム粉末 1質量部とした場合、 4 0〜 1 5 0質量部の範囲にあることが好まし い。 ボーノレミルの回転数 （一般に回転速度とも称する） は、 ボールミルの大きさ、 ボール材質、 ボール径、 ボール量などにより適宜変更されるが、 通常、 臨界回転 数の 3 0〜9 5 %の範囲にあることが好ましい。

本発明のアルミニウムフレーク顔料の製造方法としては、 原料アルミニウム粉 末を一旦ボールミル中で磨砕し、 フィルタープレスなどで固液分離したフィルタ —ケーキを使用し、 さらに磨砕を継続する 2段磨砕方式を採用する方法が好適で ある。 1段目の磨砕では、原料アルミェゥム粉末をある程度まで効率よく延ばし、 2段目の磨砕では、 フレーク化途中のアルミニウム粒子の分断を避け、 さらに効 率よく薄片化するために、 磨砕条件を 1段目とは異なる条件に変更することが好 ましい。 具体的には、 2段目の磨砕では、 磨砕ボール径を小さく したり、 磨砕時 の有機溶媒量を増加させたりすることにより、 フレーク化途中のアルミニウム粒 子の分断を避けながら薄片化を進めることができる。

本発明のアルミニウムフレーク顔料の製造方法において用いる磨砕助剤は、 特 に限定されるものではなく、 従来公知のものを使用可能であるが、 たとえば、 ラ ゥリン酸、 ミリスチン酸、 パルミチン酸、 ステアリン酸、 ァラキン酸、 ベへニン 酸などの高級脂肪酸、 ォレイン酸などの高級不飽和脂肪酸、 ステアリンアミンな どの高級脂肪族ァミン、 ステアリルアルコール、 ォレイルアルコールなどの高級 脂肪族アルコール、 ステアリン酸アミ ド、 ォレイン酸アミ ドなどの高級脂肪酸ァ ミ ド、 ステアリン酸アルミニウム、 ォレイン酸アルミニウムなどの高級脂肪酸金 属塩などが挙げられる。

当該磨砕助剤は、 原料アルミユウム粉末に対し、 0 . 1〜1 0質量％の範囲で 使用することが好ましく、 0 , 2〜 5質量％の範囲で使用すればさらに好ましい。 磨砕助剤の量が 0 . 1質量。/。未満では、 磨砕により原料アルミニウム粉末の比表 面積が増大したとき、 磨砕助剤が不足となり、 フレーク化途中のアルミニウム粒 子が凝集する傾向がある。一方で、磨砕助剤の量が 1 0質量％を超える場合には、 塗膜や印刷層の外観や耐久性に対し悪影響をおよぼす恐れがある。

本発明のアルミニウムフレーク顔料の製造方法において用いる磨砕溶剤として は、 特に限定されるものではなく、 従来公知の溶剤を使用可能であるが、 たとえ ば、 ミネラルスピリット、 ソノレベントナフサなどの炭化水素系溶剤やアルコール 系、 エーテル系、 ケトン系、 エステル系の溶剤が好適に使用できる。 また、 前記 の溶剤の中でも、 安全性の面か 、 ミネラルスピリット、 ソルベントナフサなど の高沸点の炭化水素系溶剤の使用が特に好ましい。 さらに、 原料アルミニウム粉 末 1 0 0質量部に対する磨 ί 溶剤の量は、 2 5 0〜 2 0 0 0質量部の範囲にある ことが好ましい。

さらに、 本発明アルミニウムフレーク顔料の製造方法においては、 磨碎装置と しては、上記のようにボールミルのみに限定されるわけではなく、ァ卜ライター、 振動ミルなどの従来公知の磨砕装置でも好適に製造可能である。

そして、 本発明のアルミニウムフレーク顔料は、 通常、 ミネラルスピリット、 ソノレベントナフサ、 トルエン、 酢酸ェチルなどの溶剤に配合して販売、 流通され ることが多いが、 これらの溶剤を除去して流通させることも可能であるし、 少量 の溶剤で湿潤処理して市場に提供することもできる。

<塗料組成物およびィンキ耝成物 >

本発明のアルミニウムフレーク顔料は、 塗料組成物、 インキ組成物、 ゴム組成 物、 プラスチック組成物、エラストマ一組成物などに配合し、 それらの組成物に、 金属光沢に優れ、 キメが細かく、 銀のような高級感のあるメツキ調の外観を付与 することができる。

本発明の塗料組成物およびィンキ組成物は、 本発明のアルミニウムフレーク顔 料と、 溶剤と、 バインダと、 を含有する。 本発明の塗料組成物およびインキ組成 物には、 本発明のアルミニウムフレーク顔料を 0 . 1〜3 0質量％の範囲で配合 することが好ましい。 また、 本発明の塗料組成物およびインキ組成物には、 必要 に応じて、 他の着色顔料や染料を加えることができる。

本発明の塗料 成物およびインキ組成物に用いる溶剤としては、 特に限定ざれ ず、 従来公知の溶剤を使用できるが、 たとえば、 ミネラルスピリット、 へキサン、 ヘプタン、 シクロへキサン、 ォクタンなどの脂肪族炭化水素、 ベンゼン、 トルェ ン、 キシレンなどの芳香族炭化水素、 クロルベンゼン、 トリクロルベンゼン、 パ -クロノレエチレン、 トリクロルエチレンなどのハロゲン化炭化水素、 メタノ一ノレ、 ェタノ一ノレ、 η—プロピノレアノレコーノレ、 η—ブタノ一ノレなどのァノレコーノレ類、 η —プロパノン、 2—ブタノンなどのケトン類、 酢酸ェチル、 酢酸プロピル等のェ ステル類、 テトラヒ ドロフラン、 ジェチルエーテノレ、 ェチノレプロピノレエーテノレな どのエーテル類、 その他テレビン油などが挙げられる。 また、 当該溶剤は、 単独 で、 あるいは二種以上を混合して使用することができる。

また、 上記の説明は、 溶剤が有機溶剤の場合であるが、 本発明の塗料組成物お よびインキ組成物に用いる溶剤は、 水であってもよい。 この場合、 本発明のアル ミニゥムフレーク顔料を、 樹脂組成物やリン系化合物で被覆して、 その上で、 バ インダと、 水と、 配合することにより、 水性の塗料組成物ゃィンキ組成物として 使用可能である。

本発明の塗料組成物およびインキ組成物に用いるバインダとしては、 特に限定 されず、 従来公知の塗膜形成用樹脂などを好適に用いることができるが、 たとえ ば、 アクリル系樹脂、 ポリエステル系樹脂、 アルキド系樹脂、 フッ素系樹脂など が挙げられ、 ァミノ系樹脂ゃプロックポリイソシァネート系樹脂などの架橋剤と 併せて使用することもできる。 これらの樹脂の他にも、 自然乾燥により硬化する ラッカー、 2液型ポリウレタン系樹脂やシリコーン系樹脂なども使用することが できる。 本発明のインキ組成物に用いるバインダの場合には、 これらの他にも、 あまに油、 ひまし油などの油類、 フエノール樹脂、 ロジンなどの天然樹脂なども 適宜必要に応じて配合できる。 また、 当該バインダは、 単独で、 あるいは二種以 上を混合して使用することができる。

また、 本発明の塗料組成物およびインキ組成物に添加することのできる、 着色 顔料としては、 特に限定されず、 従来公知の着色顔料を、 本発明の特性を損なわ ない程度に添加することができるが、 たとえば、 キナクリ ドンレッド、 フタロシ ァニンブルー、 フタロシアエングリーン、 イソインドリノンイェロー、 カーボン ブラック、 ペリレン、 ァゾレーキなどの有機顔料、 酸化鉄、 酸化チタン、 コバル トブルー、 亜鉛華、 群青、 酸化クロム、 マイ力、 黄鉛などの無機顔料などが好適 に使用できる。 また、 当該着色顔料は、 一種に限らず二種以上を混合してあるい は同時に添加して使用することもできる。

また、 本発明の塗料組成物およびインキ組成物には、 これらの他、 紫外線吸収 剤、 增粘剤、 静電気除去剤、 分散剤、 酸化防止剤、 艷だし剤、 界面活性剤、 合成 保存剤.、 潤滑剤、 可塑剤、 硬化剤、 フィラーなどの強化剤、 ワックスなどを必要 に応じて添カ卩してもよい。

<塗料組成物の塗装方法およびインキ組成物の印刷方法 >

本発明の塗料組成物を塗装する方法としては、 従来公知の方法が採用でき、 刷 毛塗り法、 スプレー法、 ドクターブレード法、 ロールコ一ター法、 バーコ一ター 法、 などが挙げられる。 また、 本発明のィンキ組成物を使用して印刷する方法と しては、 グラビア印刷などの凹版印刷法、 オフセット印刷 （または転写印刷とも いう） 、 スクリーン印刷、 などの凸版印刷法、 平版印刷法、 などが挙げられる。 本発明の塗料組成物およびインキ組成物の被塗物としての基材は、 特に限定さ れず、 塗料組成物を塗布できる物品であれば好適に用いることができるが、 たと えば、 自動車、 自動二輪車、 自転車、 その他の車両などのボディおよびその部品、 カメラ、 ビデオカメラなどの光学機器、 〇A機器、 スポーツ用品、 化粧品などの 容器、 ラジカセや C Dプレーヤーなどの音響製品、 掃除機、 電話機、 テレビなど の家庭用品、 などが挙げられる。

また、 当該基材の材質も、 特に限定されず、 従来公知のものを用いることがで きるが、 たとえば、 セラミックス、 ガラス、 セメント、 コンクリートなどの無機 材料、 天然樹脂、 合成樹脂などのプラスチック材料、 金属、 木材、 紙などが挙げ られる。

以下、 実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、 本発明はこれらに限定 されるものではない。

く実施例 1 >

内径 5 0 O mm、 長さ 1 8 0 mmのボールミル内に、 平均粒子径 3 μ ιηのァト マイズドアルミニウム球状粉を 1 k g、 ミネラルスピリ ッ ト 6 L、 およびォレイ ン酸 1 0 0 gからなる配合物を充填し、 直径 1 . 8 mmのスチールボール 5 0 k gを用いて、 3 3 r p m (臨界回転数の 5 5 %相当） にて、 8時間かけて 1段目 の磨砕を行なった。

1段目の磨砕後、 ボールミル内のスラリーをミネラルスピリットで洗い出し、 パンフィルターで固液分離した。 その後、 得られたフィルターケーキ （不揮発分 8 5 %) からアルミニウム金属分換算で 5 0 0 gを、 再度直径が 1 . 5 mmのス チールボーノレ 5 O k gを投入した同型ボールミルに戻し、 さらにミネラノレスピリ ット 5 Lおよびォレイン酸 1 0 0 gを追加して、 4 0 r p m (臨界回転数の 6 7 % 相当） にて、 2 0時間かけて 2段目の磨砕を行なった。

2段目の磨砕終了後、 ボールミル内のスラリーをミネラルスピリツトで洗い出 し、 4 0 0メッシュ、 5 0 0メッシュのスクリーンに順次かけ、 得られたケーキ を二一ダーミキサーに移し、 不揮発分 3 0 %のアルミニウムフレーク顔料を含ん だペーストを得た。

ぐ実施例 2 >

2段目の磨砕を直径 1 . O mmのスチールボールで行った以外は、 実施例 1と 同一の条件を採用し、 アルミニウムフレーク顔料を含んだペーストを得た。 ぐ実施例 3 >

原料として平均粒子径 5 μ πιのァトマイズドアルミニウム球状粉を使用した以 外は、 実施例 1と同一の条件を採用し、 アルミニウムフレーク顔料を含んだぺー ス トを得た。

ぐ実施例 4 >

原料として平均粒子径 5 μ πιのァトマイズドアルミニウム球状粉を使用し、 か つ、 2段目の磨砕を直径 1 . 0 mmのスチールボールで行った以外は、 実施例 1 と同一の条件を採用し、 アルミニウムフレーク顔料を含んだペーストを得た。 ぐ実施例 5 >

2段目の磨砕時間を 3 0時間とした以外は、 実施例 1と同一の条件を採用し、 アルミニウムフレーク顔料を含んだペーストを得た。

<比較例 1 >

2段目の磨砕時間を 8時間とした以外は、 実施例 1と同一の条件を採用し、 ァ ルミニゥムフレーク顔料を含んだペーストを得た。

<比較例 2 >

原料として平均粒子径 1 0 μ χηの了トマイズドアルミェゥム球状粉を使用した 以外は、 実施例 1と同一の条件を採用し、 アルミニウムフレーク顔料を含んだぺ ーストを得た。

<比較例 3〉 比較例として、 東洋アルミニウム （株） 製、 メタシーン KM1 0 0 0 (蒸着ァ ノレミエゥムフレーク顔料） を採用し、 特に手を加えずにそのままアルミニウムフ レーク顔料として用いた。

ぐ評価結果 >

実施例 1〜 5および比較例 1〜 3で得られたアルミニゥムフレーク顔料の平均 厚み、 平均粒子径、 製造コスト、 および、 当該アルミニウムフレーク顔料を含有 する塗料組成物の塗膜の反射率を、 下記の測定方法 （ i ) 〜 （i i i ) に従って 測定して評価した。 評価結果を表 1に示す。

( i ) 平均厚み： t (μιη) の測定方法

アルミニウムフレーク顔料を含んだアルミニゥムぺーストあるいはアルミニゥ ムフレーク顔料を、 アセトンで十分洗浄した後、 十分乾燥させてアルミニウムパ ウダ一を得る。 得られたアルミニゥムパゥダーをガラス板状に均一に分散させ、 プローブ顕微鏡 （セイコーインスツルメンッ （株） 製、 ナノビクス （N a n o p i c s ) 1 0 0 0) にて、 粒子の厚さ 1 0個について測定し、 その平均値を平均 厚みとした。

( i i ) 平均粒子径： D₅₀ (μ πι) の測定方法

下記の配合からなる混合物を、 ガラス棒で撹拌し、 レーザー回折式粒度分布測 定装置 （マイクロトラック HRA) の測定系内循環水に投入し、 超音波で 3 0秒 分散させた後、 測定した。

ァノレミニゥムペース ト ： 0. 5 g

トライトン X— 1 0 0 (* 1) ： 1. 0 g

エチレングリ コーノレ ： 5. 0 g

ただし、 上記の配合において、 * 1で示す商品は、 ュ オンカーバイドコーポ レーシヨン製、 ノニオン系界面活性剤である。

( i i i ) 塗膜の反射率 （％) の測定方法

下記の配合からなる混合物を、 ガラス棒で撹拌後、 空気圧 1. 0 k g/c m² でアルミニウム板にスプレー塗装し、 8 0°C、 2 0分間の焼付処理を施したのち、 グロスメータ （東京電色 （株） 製、 TC一 1 0 8 D P) を用いて、 入射角 6 0° 、 受光角 6 0° にてダロス値を測定する。 アルミニウムフレーク顔料 ： 1 . O g (金属分換算）

ポリタック 3 0 0 0 ( * 2 ) ： 6 . 6 7 g

ポリタックシンナー （* 2 ) ： 1 0 0 g

ただし、 上記の配合において、 * 2で示す商品は、 東邦化研 （株） 製、 アタリ ルラッカークリヤー樹脂である。

表 1

上記の評価結果の表 1で示されるように、 実施例 1〜5のアルミニウムフレー ク顔料を含む塗料を用いた塗膜は、 比較例 1〜 2と比べて、 反射率が明らかに高 く、比較例 3のァノレミ-ゥム蒸着フレーク顔料を用レヽた場合には及ばないものの、 非常に近い値となっている。

今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的な ものではないと考えられるべきである。 本発明の範囲は上記した説明ではなくて 特許請求の範囲によって示され、 特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での すべての変更が含まれることが意図される。 産業上の利用可能性

上記の評価結果より、 本発明のアルミニウムフレーク顔料は、 反射率が高いた め、 極めて薄い塗膜であっても、 金属光沢に優れ、 キヌが細かく、 銀のような、 メツキ調の、 高級感のある光沢を得ることができると同時に、 蒸着プロセスを経 ないで製造されるので、 低コストで大量生産に適する。

本発明のアルミ-ゥムフレーク顔料を使用した塗料組成物およびィンキ糸且成物 は、 反射率が高いため、 極めて薄い塗膜および印刷層であっても、 金属光沢に優 れ、 キメが細かく、 銀のような、 メツキ調の、 高級感のある光沢を得ることがで さる。

また、 本発明のアルミニウムフレーク顔料を使用した塗膜および印刷層は、 高 い正反射率を有するため、 金属光沢に優れ、 キメが細かく、 銀のような、 メツキ 調の、 高級感のある外観を得ることができる。

Claims

請求の範囲

1 . アルミニウム粉末を有機溶媒中で磨碎して得られる、 平均厚み （ が 0 .

0 2 5 μ m〜0 . 0 8 μ mの範囲にあり、 平均粒子径 (D ₅₀) が 8 μ m〜 3 0 μ mの範囲にある、 アルミニウムフレーク顔料。

2 . 前記アルミニウム粉末は、ァトマイズ法により製造されたことを特徴とする、 請求項 1に記載のアルミニウムフレーク顔料。

3 . 請求項 1または請求項 2に記載のアルミニウムフレーク顔料と、バインダと、 溶剤と、 を含む塗料組成物。

4 .請求項 1または請求項 2に記載のアルミ-ゥムフレーク顔料と、バインダと、 溶剤と、 を含むインキ組成物。

5 . 請求項 3に記載の塗料組成物を基材に塗装後、 乾燥して得られる塗膜。

6 . 請求項 4に記載のインキ組成物を基材に印刷後、 乾燥して得られる塗膜。