明 細書 , 抗利尿剤 技術分野
本発明は抗利尿剤もしくは利尿剤またはそのスクリ一ニングなどに関する。 背景技術
動物における尿生成機構は、 全体重の 45〜 70 %を占める体内の水分および電 解質の代謝の恒常性を維持するためにきわめて重要である。 これに伴い、 尿生 成を制御する様々な作用機作に基づく多くの利尿薬および抗利尿薬が治療現場 で使用されている。 例えば、 尿細管細胞における Na+-H+交換系を抑制する炭酸 脱水酵素阻害であるスルファニルアミドまたはァセタゾラミド、 尿細管再吸収 抑制剤であるべンゾチアジアジン系利尿薬、 .ヘンレ上行脚の Na+/Cl—の能動輸送 抑制によつて髄質の浸透圧勾配を消失させるフエノキシ酢酸誘導体'またはスル ファモイル安息香酸誘導体などの利尿薬が知られている。 また、 抗利尿薬とし ては、 抗利尿ホルモンであるバソプレツシンまたはその誘導体がある。 これら はいずれも強力な利尿作用あるいは抗利尿作用を有し、 高血圧、 腎性浮腫、 肝 硬変や心不全に伴う浮腫、 鬱血性心不全による肺鬱血、 下垂体性尿崩症または 腎性尿崩症の治療に使用されている。 しかしながら、 ベンゾチアジアジン系利 尿藥では血中カリウム濃度の低下や高血糖、 また、 フエノキシ酢酸誘導体ある いはスルファモイル安息香酸誘導体では抗尿酸血症や聴覚障害といつた副作用 が知られている。 バソプレツシンは血圧上昇作用を有する。
一方、 ヒト GPR8 (Genomics, 28巻、 84-91頁、 1995年) のリガンドとして、 摂 食作用等を有するペプチド (W0 01/98494号公報、 J. Biol . Chem.、 277巻、 35826-35832頁、 2002年) が報告されている。
利尿作用または抗利尿作用を有することが知られている公知の化合物に比べ て、 新たなメカニズムに基づく副作用の少ない安全な腎性浮腫、 下垂体性尿崩 症または腎性尿崩症などの予防 ·治療剤の開発が望まれていた。
発明の開示
本発明者らは、 この様な現状に鑑み、 鋭意検討した結果、 W0 01/98494号公報 記載の GPR8リガンドぺプチドが、 ゥサギに対して抗利尿作用を有することを見 出し、 更に研究を重ねた結果、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
( 1 ) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有するポリぺプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ ルまたはその塩を含有してなる抗利尿剤、
( 2 ) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有するポリぺプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ ルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩を含有してなる抗利尿剤、
( 3 ) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の ァミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ ルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩を含有してなる利尿剤、
( 4 ) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の ァミノ酸配列を含有するポリぺプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ ルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる 抗利尿剤、
( 5 ) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の ,ァミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ ルまたはその塩を用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリ一二 ング方法、
( 6 ) 配列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列番号: 7 7または配列番号: 7 9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含 有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とす る抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法、
( 7 ) さらに、 配列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列番号: 7 7または配 列番号: 7 9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実賁的に同一のアミノ酸
配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いる上記 (5) 記載のスクリーニング方法'、
(7 a) さらに、 配列番号: 73または配列番号: 79で表されるアミノ酸 配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いる上記 (5) 記載のスクリーニング方法、
(8) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の ァミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそめアミドもしくはそのエステ ルまたはその塩を含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリー ニング用キッ卜、
(9) 配列番号: 73、 配列番号: 75、 配列番号: 77または配列番号: 79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含 有する蛋白質もしくはその部分べプチドまたはその塩を含有することを特徴と する抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット、
(10) さらに、 配列番号: Ί 3、 配列番号: 75、 配列番号: 77または 配列番号: 79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有する上 記 (8) 記載のスクリー ング用キット、
(10 a) 上記 (5) 〜 (7) 記載のスクリーニング方法または上記 (8) 〜 (1 0) 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる抗利尿剤または利 尿剤、
(1 1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するポリぺプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス テルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを用いること を特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法、
(12) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有するポリぺプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス テルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有するこ とを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット、
(12 a) 上記 (1 1) 記載のスクリーニング方法または上記 (12) 記載
のスクリーニング用キットを用いて得られる抗利尿剤または利尿剤、
(13) (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のァミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはその エステルまたはその塩に対する抗体、 または (ii) 配列番号: 73、 配列番 号:, 75、.配列番号: 77または配列番号: 79で表されるアミノ酸配列と同 一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分べ プチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる利尿剤、
(14) (0 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のァミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはその エステルまたはその塩をコードする D N Aの塩基配列に相補的もしくは実質的 に相補的な塩基配列またはその一部、 または (ii) 配列番号: 73、 配列番 . 号: 75、 配列番号: 77または配列番号: 79で表されるアミノ酸配列と同 一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分べ . プチドまたはその塩をコードする DNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に 相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチドを 含有してなる利尿剤、
(15) 多尿症、 尿崩症、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカローシス、 低力 リウム血症または Cushing症候群の予防 ·治療剤である上記 (1) 、 (2) また は (4) 記載の抗利尿剤、
(16) 腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防 ·治療剤であ る上記 (3) 、 (13) または (14) 記載の利尿剤、
(17) 哺乳動物に対して、 (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同 一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリべプチドもしくはその アミドもしくはそのエステルまたはその塩、 (ii) 該ポリペプチドもしくはそ のアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはそ の塩、 または (iii) 該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドの有効量を投与す ることを特徴とする尿生成抑制方法、
(18) 哺乳動物に対して、 (i) 配列審号: 1で表されるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはその, アミドもしくはそのエステルまたはその塩、 (i i) 該ポリペプチドもしくはそ のアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはそ の塩、 または (i i i) 該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル をコ一ドするポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする多尿症、 尿崩症、 高ナトリウ'ム血症、 代謝性アルカローシス、 低カリウム血症または Cushing症候群の予防 ·治療法、
( 1 9 ) 哺乳動物に対して、 (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同 一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはその アミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその 塩、 (i i) 上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは その塩に対する抗体、 (i i i) 配列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列番号: 7 7または配列番号: 7 9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 ' のァミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対 する抗体、 (iv) 上記ポリペプチドもしくはそのァミドもしくはそのエステル またはその塩をコードする D N Aの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的 な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチド、 または , (v 上記蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードする D NAの 塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有す るァンチセンスポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする尿生成 促進方法、
( 2 0 ) 哺乳動物に対して、 (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同 一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリぺプチドもしくはその アミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその 塩、 (i i) 上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは その塩に対する抗体、 (i i i) 配列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列番号: 7 7または配列番号: 7 9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分べプチドまたはその塩に対 する抗体、 (iv) 上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩をコードする D N Aの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的 .な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチド、 または (V) 上記蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードする D NAの 塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有す ' るアンチセンスポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする腎性浮 腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防 ·治療法、
( 2 1 ) (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に ' 同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはその エステルまたはその塩、 または (i i) 配列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列 番号: 7 7または配列番号: 7 9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質 . 的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分べプチドまたはそ の塩の活性を促進することを特徴とする尿生成抑制方法、
( 2 2 ) (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のアミノ酸配列を含有するポリぺプチドもしくはそのアミドもしくはその エステルまたはその塩、 または (i i) 配列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列 番号: 7 7または配列番号: 7 9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質 的に同一のァミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分べプチドまたはそ の塩の活性を促進することを特徴とする多尿症、 尿崩症、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカローシス、 低カリウム血症または Cushing症候群の予防 ·治療法、 ( 2 3 ) (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のアミノ酸 E列を含有するポリぺプチドもしくはそのアミドもしくはその エステルまたはその塩、 または (i i) 配列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列 番号: 7 7または配列番号: 7 9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質 的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはそ の塩の活性を阻害することを特徴とする尿生成促進方法、
( 2 4 ) (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のアミノ酸配列を含有するポリぺプチドもしくはそのアミドもしくはその エステルまたはその塩、 または (i i) 配列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列 番号: 7 7または配列番号: 7 9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはそ の塩の活性を阻害することを特徴とする腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不 適症候群の予防 '治療法、
( 2 5 ) 多尿症、 尿崩症、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカローシス、 低力 リゥム血症または Cushing症候群の予防 ·治療剤を製造するための、 (i) 配列 番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列 を含有するポリぺプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその 塩、 (i i) 該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ の塩の活性を促進する化合物またはその塩、 または (i i i) 該ポリペプチドもし くはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドの使用、 ( 2 6 ) 腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防 ·治療剤の製 造のための、 (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的 に同一のァミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそ のエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩、 (i i) 上記ポ リぺプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗 体、 (i i i) 配列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列番号: 7 7または配列番 号: 7 9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列 を含有する蛋白質もしくはその部分べプチドまたはその塩に対する抗体、 (iv) 上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその 塩をコ一ドする D N Aの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列 またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチド、 または (V) 上記蛋 白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードする D N Aの塩基配列に 相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセ ンスポリヌクレオチドの使用、
( 2 7 ) 配列番号: 8 1または配列番号: 8 3で表されるアミノ酸配列と同 一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはその塩、
( 2 8 ) 配列番号: 8 1または配列番号: 8 3で表されるアミノ酸配列から なる蛋白質またはその塩、
( 2 9 ) 上記 (2 7 ) 記載の蛋白質の部分ペプチドまたはその塩、
(30) 上記 (27) 記載の蛋白質またはその部分ペプチドをコードするポ リヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(31) DNAである上記 (30) 記載のポリヌクレオチド、
(32) 配列番号': 82または配列番号: 84で表される塩基配列からなる ポリヌクレオチド、
(33) 上記 (30) 記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、 (34) 上記 (33) 記載の組換えべクタ一で形質転換された形質転換体、 (35) 上記 (34) 記載の形質転換体を培養し、 上記 (27) 記載の蛋白 質またはその部分ペプチドを生成 ·蓄積せしめることを特徴とする上記 (2 7) 記載の蛋白質またはその部分ペプチドまたはその塩の製造法、
(36) 上記 (27) 記載の蛋白質またはその部分ペプチドまたはその塩に 対する抗体、
(37) 上記 (36) 記載の抗体を含有してなる診断薬、
(38) 上記 (30) 記載のポリヌクレオチドに相補的または実質的に相補 的な塩基配列またはその一部を有するアンチセンスポリヌクレオチド、
(39) DNAである上記 (38) 記載のアンチセンスポリヌクレオチド、 (40) 上記 (27) 記載の蛋白質またはその部分ペプチドを用いることを 特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法、
(41) 上記 (27) 記載の蛋白質またはその部分ペプチドを含有すること を特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット、
(42) -配列番号: 85で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同 一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのェ ステルまたはその塩、
(43) 配列番号: 85で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドもし くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(44) 上記 (42) 記載のポリペプチドの部分ペプチドまたはその塩、 (45) 上記 (42) 記載のポリペプチドまたはその部分ペプチドをコード するポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(46) DNAである上記 (45) 記載のポリヌクレオチド、
(47) 配列番号: 86で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、 (48) 上記 (45) 記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、 (49) 上記 (48) 記載の組換えベクターで形質転換された形 ¾転換体、 (50)1 上記 (49) 記載の形質転換体を培養し、 上記 (42) 記載のポリ ペプチドまたはその部分ペプチドを生成。蓄積せしめることを特徴とする上記 (42) 記載のポリペプチドまたはそめ部分ペプチドまたはその塩の製造法、 (51) 上記 (42) 記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはその エステルまたはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、
(52) 上記 (51) 記載の抗体を含有してなる診断薬、
(53) 上記 (45) 記載のポリヌクレオチドに相補的または実質的に相補 的な塩基配列またはその一部を有するアンチセンスポリヌクレオチド、
(54) DNAである上記 (53) 記載のアンチセンスポリヌクレオチド、 (55) 上記 (42) .記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはその エステルまたはその塩を用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスク リーニング方法、
(56) 上記 (42) 記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはその エステルまたはその塩を含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のス クリーニング用キットなどを提供する。 発明を実施するための最良の形態
配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ ノ酸配列を有するポリペプチド (以下、 本発明のポリペプチドと称する場合が ある) は、 ヒトゃ温血動物 (例えば、' モルモ、>ト、 ラット、 マウス、 ニヮトリ、 ゥサギ、 ブ夕、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) の細胞 (例えば、 網膜細胞、 肝細胞、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 塍臓 iS細胞、 骨髄細胞、 メサンギゥム細胞、 . ランゲル八ンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞、 B細胞、 ナチュ ラルキラ一細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑 膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細胞もしくは
間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくは癌細胞など) もしく はそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部位 (例、 網膜、 嗅球、 扁桃核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 大脳皮質、 延髄、 小脳) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 滕臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎下 腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋など、 また は血球系の細胞もしくはその培養細胞 (例えば、 MEL、 Ml、 CTLL-2, HT- 2、 WEHI- 3、 HL- 60、 】0SK_1、 K562 | ML-K M0LT_3、 M0LT-4、 MOLT- 10、 CCRF- CEM、 TALL- 1、 Jurkat , CCRT-HSB-2, KE_37、 SCT-3、 HUT- 78、 HUT- 102、 H9、 U937、 THP-U HEL, JK-K CMK、 0-812, MEG-01など) に由来するポリペプチドであつ てもよく、 合成ポリペプチドであってもよい。
配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とし , ては、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と例えば約 7 0 %以上、 好まし ぐは約 8 0 %以上、 好ましくは約 9 0 %以上、 好ましくは約 9 5 %以上、 より 好ましくは約 9 8 %以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
特に、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配 列としては、 上記のアミノ酸配列の他、
(i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列中の 1〜5個 (好ましくは 1〜3個、 さらに好ましくは 1〜2個、 より好ましくは、 1個) のアミノ酸が欠失したァ ミノ酸配列、
(i i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列に 1〜5個 (好ましくは 1〜3個、 さらに好ましくは 1〜2個、 より好ましくは、 1個) のアミノ酸が付加したァ ミノ酸配列、
(i i i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列に 1〜5個 (好ましくは 1〜3個、 さらに好ましくは 1〜2個、 より好ましくは、 1個) のアミノ酸が挿入された アミノ酸配列、
(iv) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列中の 1〜 5個 (好ましくは 1〜3個、 さらに好ましくは 1〜2個、 より好ましくは、 1個) のアミノ酸が俾のァミノ 酸で置換されたアミノ酸配列、
(v) 上記(i;)〜(i v)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有 するポリペプチドとしては、 例えば、 前記の配列番号: 1で表わされるァミノ 酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、 配列番号: 1で表わされるアミ. ノ酸配列を有するポリぺプチドと実質的に同質の活性を有するポリぺプチドな どが好ましい。
' 実質的に同質の活性としては、 例えば、 本発明のポリペプチドの有する活性 (例、 抗利尿作用など) などがあげられる。
実質的に同質の活性とは、 それらの活性が性質的に (例、 理化学的に、 ま たは薬理学的に) 崗質であることを示す。
抗利尿作用の測定は、 公知の方法に準じて行うことができ、 例えば、 Modern Urine Chemistry (Bayer Corporation, New York, 1996年) に記載の方法また はそれに準じた方法、 後述の実施例に記載の方法などに従って測定することが できる。
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的 同一のアミノ酸配列の具体 例としては、 例えば、 配列番号: 21、 配列番号: 2、 配列番号: 7、 配列番 号: 8、 配列番号: 9、 配列番号: 10、 配列番号: 11、 配列番号: 12、 配列番号: 24、 配列番号: 25、 配列番号: 30、 配列番号: 31、 配列番 号: 36、 配列番号: 37、 配列番号: 40、 配列番号: 41、 配列番号: 4 2、 配列番号: 43、 配列番号: 44、 配列番号: 45、 配列番号: 46、 配 列番号: 47、 配列番号: 48、 配列番号: 49、 配列番号: 50、 配列番 号: 51、 配列番号: 52、 配列番号: 53、 配列番号: 54、 配列番号: 5 5、 配列番号: 56、 配列番号: 57、 配列番号: 58または配列番号: 71 で表されるァミノ酸配列などがあげられる。
本発明のポリペプチドの具体例としては、 例えば、 配列番号: 1で表わされ るアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 2で表されるアミノ酸配列 を有するポリペプチド、 配列番号: 21で表されるアミノ酸配列を有するポリ ペプチド、 配列番号: 7で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列 ■ 番号: 8で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 9で表さ
れるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 1 0で表されるアミノ酸' 配列を有するポリペプチド、 配列番号: 1 1で表されるアミノ酸配列を有する ポリペプチド、 配列番号: 1 2で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 2 4で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 2 5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 3 0で表される アミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 3 1で表されるアミノ酸配列 を有するポリペプチド、 配列番号: 3 6で表されるアミノ酸配列を有するポリ ペプチド、 配列番号: 3 7で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配 列番号: 4 0で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 4 1 で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 4 2で表されるァ ミノ酸配列を有するポリペプチド'、 配列番号: 4 3で表されるアミノ酸配列を 有するポリペプチド、 配列番号: 4 4で表されるアミノ酸配列を有するポリべ プチド、 配列番号: 4 '5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列 番号: 4 6で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 4 7で 表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 4 8で表されるアミ ノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 4 9で表されるアミノ酸配列を有 するポリペプチド、 配列番号: 5 0で表されるアミノ酸配列を有するポリぺプ チド、 配列番号: 5 1で表されるアミノ酸配列を有するポリぺフ °チド、 配列番 号: 5 2で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 5 3で表 されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 5 4で表されるァミノ 酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 5 5で表されるアミノ酸配列を有す るポリペプチド、 配列番号: 5 6で表されるアミノ酸配列を有するポリべプチ ド、 配列番号: 5 7で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドおよび配列 番号: 5 8で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 7 1で 表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 8 5で表されるアミ ノ酸配列を有するポリペプチドなどの GPR8と特異的に結合する能力を有するポ リペプチドがあげられる。
また、 本発明のポリペプチドは、 本発明のポリペプチドの前駆体ポリべプチ ドをも包含する意味で用いられる。
該前駆体ポリペプチドの具体例としてほ、 例えば、 配列番号: 6で表される アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特 徵とするポリペプチド等があげられる。
より、 具体的には、
配列番号: 6で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とし ては、 配列番号: 6で表わされるアミノ酸配列と約 8 0 %以上、 好ましくは約 9 0 %以上、 より好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列など があげられる。 .
特に、 配列番号: 6で表わされるアミノ酸配列 実質的に同一のアミノ酸配 列としては、 上記めアミノ酸配列の他、
(i) 配列番号: 6で表されるアミノ酸配列中の 1〜1 5個 (好ましくは 1〜1 0個、 さらに好ましくは 1〜5個、 より好ましくは、 1〜3個) のアミノ酸が 欠失したアミノ酸配列、
(i i) 配列番号: 6で表されるアミノ酸 3列に 1〜1 0 0個 (好ましくは 1〜5 0個、 さらに好ましくは 1〜5個、 より好ましくは、 1〜3個) のアミノ酸が 付加したアミノ酸配列、
(i i i) 配列番号: 6で表されるアミノ酸配列に 1〜1 5個 (好ましくは 1〜1 0個、 さらに好ましくは 1〜5個、 より好ましくは、 1〜3個) のアミノ酸が 挿入されたアミノ酸配列、
(iv) 配列番号: 6で表されるアミノ酸配列中の 1〜1 5個 (好ましくは 1〜1 0個、 さらに好ましくは 1〜5個、 より好ましくは、 1〜3個) のアミノ酸が 他のアミノ酸で置換されたァミノ酸配列、
(V) 上記(i)〜(i v)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。 '
配列番号: 6で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列の具体 例としては、 例えば、 配列番号: 2 0、 配列番号: 2 3、 配列番号: 2 9また は配列番号: 3 5で表されるアミノ酸配列などがあげられる。
上記前駆体ポリぺプチドの具体例としては、 例えば、 配列番号: 6で表わさ れるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 2 0で表されるアミノ酸 配列を有するポリペプチド、 配列番号: 2 3で表されるアミノ酸配列を有する
ポリペプチド、 配列番号: 29で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 35で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、 配列番号: 1 16で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドなどがあげられる。
本発明のポリペプチドに対する受容体としては、 種々の受容体のうち、 本発 明のポリペプチドと結合活性を有し、 本発明のポリプチドにより該受容体発現 細胞の細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞 内 C a2+遊離、 細胞内 cAMP生成 抑制、 細胞内 c GMP生成、 イノシトー ル'リン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性 化、 pHの低下、 GTPrS結合活性などを促進する活性等) が観察されるも のなどがあげられる。
具体的には、 (1) GPR8 (配列番号: 73 ; Genomics, 28巻、 84- 91頁、 1995 年) または配列番号: 73で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸 配列を含有する蛋白質、 (2) ラット TGR26 (配列番号: 75 ; TO 02/44368号 公報) または配列番号: 75で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、 (3) マウス TGR26 (配列番号: 77 ; W0 02/44368号公報) または配列番号: ケ 7で表されるアミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、 (4) GPR7 (配列番号: 79 ; Genomics, 28巻、 84- 91頁、 1995年) またば配列番号: 79で表されるァ ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、 (5) ゥサギ GPR8 (配列番号: 81) または配列番号: 8 1で表されるァミノ 酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、 (6) ゥサギ GPR7 (配列番号: 83) または配列番号: 83で表されるアミノ酸配列 と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質などがあげられ る。
配列番号: 73で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を有する蛋白質、 配列番号: 76で表わされるアミノ酸配列と同一 もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白質、 配列番号: 77で表わ されるアミノ酸配列と同一も,しくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白 質、 配列番号: 79で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の.
アミノ酸配列を有する蛋白質、 配列番号: 8 1で表されるアミノ酸配列と同一 もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、 配列番号: 8 3で表 ■ されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋 白質 (以下、 これらを本発明の受容体と称する場合がある) は、 ヒトゃ温血動 物 (例えば、 モルモット、 ラット、 マウス、 ニヮトリ、 ゥサギ、 ブ夕、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) の細胞 (例えば、 網膜細胞、 肝細胞、 脾細胞、 神経細胞、 グ リア細胞、 塍臓 i6細胞、 骨髄細胞、 メサンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞、 B細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥 満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細胞もしくは間質細胞、 またはこ れら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくは癌細胞など) もしくはそれらの細胞が存 在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部位 (例、 網膜、 嗅球、 扁桃核、 大 脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 大脳皮質、 延髄、 小脳) 、 脊髄、 下垂体、. 胃、 塍臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、.胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋など、 または血球系の細 胞もしくはその培養細胞 (例えば、 MEL、 MK CTLL- 2、 HT-2, WEHI- 3、 HL_60、 JOSK-K K562, ML - 1、 MOLT- 3、 MOLT- 4、 MOLT- 10、 CCRF-CEM、 TALL - 1、 Jurkat、 CCRT-HSB - 2、 KE- 37、 SKW- 3、 HUT - 78、 HUT - 102、 H9、 U937 THP-K HEL, JK-K CMK、 KO-812, MEG- 01など) に由来する蛋白質であってもよく、 合成蛋白質であ つてもよい。
配列番号: 7 3で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と しては、 配列番号: 7 3·で表わされるアミノ酸配列と約 7 0 %以上、 好ましく は約 8 0 %以上、 より好ましくは約 9 0 %以上の相同性を有するアミノ酸配列 などがあげられる。
配列番号: 7 5で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とし ては、 例えば、 配列番号: 7 5で表されるアミノ酸配列と 8 5 %以上、 好まし くは約 9 0 %以上、 より好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配
列などが挙げられる。
配列番号: 77で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とし ては、 例えば、 配列番号: 77で表されるアミノ酸配列と 86%以上、 好まし くは約 90%以上、 より好ましくは約 95%以上の相同性を有するアミノ酸配 列などが挙げられる。
配列番号: 79で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と しては、 配列番号: 79で表わされるアミノ酸配列と約 70%以上、 好ましく は約 80%以上、 より好ましくは約 90%以上の相同性を有するアミノ酸配列 などがあげられる。
配列番号: 81で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と しては、 配列番号: 73で表わされるアミノ酸配列と約 82%以上、 好ましく は約 90%以上、 より好ましくは約 95%以上の相同性を有するアミノ酸配列 などがあげられる。
配列番号: 83で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とし ては、 例えば、 配列番号: 83で表されるアミノ酸配列と 92%以上、 好まし くは約 95%以上、 より好ましくは約 98%以上の相同性を有するアミノ酸配 列などが挙げられる。 '
配列番号: 73、 配列番号: 75、 配列番号: 77、 配列番号: 79、 配列 番号: 8 1または配列番号: 83で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する蛋白質としては、 例えば、 配列番号: 73、 配列番号: 75、 配列番号: 77、 配列番号: 79、 配列番号: 81または配列番号: 8 3で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、 配列番 号: 73、 配列番号: 75、 配列番号: 77、 配列番号: 79、 配列番号: 8 1または配列番号: 83で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質と実質的に同 質の活性を有する蛋白質などが好ましい。
配列番号: 73、 配列番号: 75、 配列番号: 77、 配列番号: 79、 配列 番号: 81または配列番号: 83で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一の アミノ酸配列としては、 (i) 配列番号: 73、 配列番号: 75、 配列番号: 7 7、 配列番号: 79、 配列番号: 8 1または配列番号: 83で表されるァミノ
酸配列中の 1〜1 5個 (好ましくは 1〜 1 0個、 さらに好ましくは 1〜5個、 より好ましくは、 1〜3個) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 (i i) 配列番 号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列番号: 7 7、 配列番号: 7 9、 配列番号: 8 1または配列番号: 8 3で表されるアミノ酸配列に 1〜1 5個 (好ましくは 1 〜1 0個、 さらに好ましくは 1〜5個、 より好ましくは、 1〜3個) のァミノ 酸が付加したアミノ酸配列、 (i i i) ¾列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列番 号: 7 7、 配列番号: 7 9、 配列番号: 8 1または配列番号: 8 3で表される アミノ酸配列に 1 ~ 1 5個 (好ましくは 1〜1 0個、 さらに好ましくは 1〜5 個、 より好ましくは、 1〜3個) のアミノ酸が揷入されたアミノ酸配列、 (iv) 配列番号: 7 3、 配列番号: 7 5、 配列番号: 7 7、 配列番号: 7 9、 配列番 号: 8 1または配列番号: 8 3で表されるアミノ酸配列中の 1〜1 5個 (好ま しくは 1〜1 0個、 さらに好ましくは 1〜5個、 より好ましくは、 1〜3個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 (V) 上記(i)〜(iv)を組 み合わせたァミノ酸配列などがあげられる。
本発明の受容体の具体例としては、 例えば、 配列番号: 7 3で表されるアミ ノ酸配列を含有する蛋白寳、 配列番号: 7 5で表されるアミノ酸配列.を含有す る蛋白質、 配列番号: 7 7で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質、 配列番 号: 7 9で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質、 配列番号: 8 1で表され るアミノ酸配列を含有する蛋白質; 配列番号: 8 3で表されるアミノ酸配列を 含有する蛋白質などが用いられる。
本発明のポリペプチドに対する受容体の部分ペプチド (以下、 本発明の部分 ペプチドと称する場合がある) としては、 後述の医薬等のスクリーニング方法 に用いることのできる部分ペプチドであれば、 いかなるものであっていてもよ いが、 好ましくは、 本発明のポリペプチドに対する結合能を有する部分べプチ ド、 細胞膜外領域に相当するアミノ酸配列を含有ずる部分ペプチド等が用いら れる。 本発明の受容体の構成アミノ酸配列のうち 2 0個以上、 好ましくは 5 0 個以上、 より好ましくは 1 0 0個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが 好ましい。 (i) 上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠失し、 (i i)
上記アミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜2 0個程度、 より好 ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が 付加し、 または (i i i) 上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜1 0個程度、 より好ましくは数個、 さらに好ましくは 1〜5個程度) のァ ミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
具体例としては、 (a) 配列番号: 7 3で表されるアミノ酸配列中、 1番目 (Met) 〜1 2 3番目 (Phe) のアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列もしく はその一部、 3 0 1番目 (Asn) 〜3 5 8番目 (Lys) のアミノ酸残基からなる 部分アミノ酸配列もしくはその一部、 5 4 8番目 (Tyr) 〜5 9 3番目 (Arg) ' のアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列もしくはその一部、 および 8 4 3番 目 (Ala) 〜8 9 5番目 (l i e) のアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列もし くはその一部から選択される 1または 2以上の部分アミノ酸配列を含有する部 分ペプチド、 (b) 配列番号: 7 5で表されるアミノ酸配列中、 1番目 (Met) 〜8 5番目 (Asp) のアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列もしくはその一部、 または 2' 2 2番目 (Cys) 〜3 2 9番目 (Ala) のアミノ酸残基からなる部分ァ ミノ酸配列もしくはその一部を含有するペプチドなどがあげられる。
本発明のポリペプチド、 受容体またはその部分ペプチドは、 ペプチド標記の 慣例に従って左端が N末端 (ァミノ末端) 、 右端が C末端 (カルボキシル末 端) である。 本発明のポリペプチド、 受容体またはその部分ペプチドは、 C末 端が力ルポキシル基 (-C00H) 、 カルポキシレート(- C00_) 、 アミド (- C0NH2) またはエステル (- C00R) の何れであってもよい。
ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピ ル、 イソプロピルもしくは n—ブチルなどの アルキル基、 例えば、 シクロ ペンチル、 シクロへキシルなどの C 3_8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 α—ナフチルなどの C 6— |2ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフ ェニル一 C Mアルキル基もしくは α—ナフチルメチルなどのひ一ナフチルー C卜 2アルキル基などの C7— 14ァラルキル基のほか、 経口用エステルとして汎用される ピバロィルォキシメチル基などが用いられる。
本発明のポリペプチド、 受容体またはその部分ペプチドが C末端以外にカル
ポキシル基 (またはカルポキシレート) を有している場合、 カルボキシル基が アミド化またはエステル化されているものも本発明のポリペプチドに含まれる。 この場合のエステルとしては、 例えば上記した C未端のエステルなどが用いら れる。
さらに、 本発明のポリペプチド、 受容体またはその部分ペプチドには、 N末 端のアミノ酸残基 (例、 メチォニン残基) のァミノ基が保護基 (例えば、 ホル ミル基、 ァセチル基などの C t_6アルカノィルなどの C ,_6ァシル基など) で保護. されているもの、 生体内で切断されて生成する N末端のグルタミン残基がピロ グルタミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基 (例えば一〇H、 — S H、 アミノ基、 イミダゾール基、 インドール基、 グァニジノ基など) が適 当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基などの アルカノィル基など の c,_6ァシル基など) で保護されているもの、 あるいは糖鎖が結合したいわゆ る糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。
本発明のポリペプチド、 受容体またはその部分ペプチドの塩としては、 生理 学的に許容される酸 (例、 無機酸、 有機酸) や塩基 (例、 アルカリ金属塩) な どとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 こ のような塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル 酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) との塩などが用いられる。
本発明のポリペプチド、'受容体またはその部分ペプチドは、 前述したヒトゃ 温血動物の細胞または組織から公知のポリぺプチドの精製方法によつて製造す ることもできるし、 後述するポリぺプチドをコ一ドする D N Aで形質転換され た形質転換体を培養することによつても製造することができる。 また、 後述の ペプチド合成法に準じて製造することもできる。 例えば、 WO 0 1 / 9 8 4 9 4号公報、 WO 0 2 74 4 3 6 8号公報などに記載の方法に準じて製造するこ とができる。
ヒトゃ哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、 ヒトゃ哺乳動物の組織 または細胞をホモジナイズした後、 酸などで抽出を行ない、 該抽出液を逆相ク
口マトグラフィ一、 イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー を組み合わせることにより精製単離することができる。
本発明のポリペプチド、 受容体、 その部分ペプチド、 もしくはそれらの塩、 またはそれらのアミド体の合成には、 通常市販のポリペプチド合成用樹脂を用 いることができる。 そのような樹脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒ ドロキシメチル樹脂、 ベンズヒドリルァミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4—ベ ンジルォキシベンジルアルコール樹脂、 4—メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 P AM樹脂、 4—ヒドロキシメチルメチルフエニルァセトアミドメチル樹脂、 ポリアクリルアミド樹脂、 4一 (2 ', 4 ' -ジメトキシフエ二ルーヒドロキシメ チル) フエノキシ樹脂、 4一 (2 ' , 4 ' -ジメトキシフエ二ルー Fm o cァミノ ェチル) フエノキシ樹脂などをあげることができる。 このような樹脂を用い、 ひーァミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、 目的とするポリぺプ チドの配列通りに、 公知の各種縮合方法に従い、 樹脂上で縮合させる。 反応の 最後に樹脂からポリぺプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、 さらに 高希釈溶液中で分子内ジスルフイド結合形成反応を実施し、 目的のポリべプチ ド、 受容体、 部分ペプチドまたはそれらのアミド体を取得する。 ' 上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、 ポリべプチド合成に使用できる各 種活性化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カル ポジイミド類としては、 D C C、 N, N' —ジイソプロピルカルポジイミド、 N ーェチルー N'— ( 3—ジメチルァミノプロリル) カルポジイミドなどが用いら れる。 これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 H〇B t、 H O O B t ) とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、 対称酸無水物 または HO B tエステルあるいは H〇〇B tエステルとしてあらかじめ保護ァ ミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、 ポリぺプ チド縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例 えば、 N, N—ジメチルホルムアミド, N, N—ジメチルァセトアミド, N— メチルピロリドンなどの酸アミド類、 塩ィ匕メチレン, クロ口ホルムなどのハロ ゲン化炭化水素類、 トリフルォロエタノールなどのアルコール類、 ジメチルス
ルホキシドなどのスルホキシド類、 ピリジン, ジォキサン, テトラヒドロフラ ンなどのエーテル類、 ァセトニトリル, プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メチル, 酢酸ェチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物など が用いられる。 反応温度はポリペプチド結合形成反応に使用され得ることが知 られている範囲から適宜選択され、 通常約— 2 0 °C〜5 0 の範囲から適宜選 択される。 活性化さ.れたアミノ酸誘導体は通常 1 . 5〜4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、 縮合が不十分な場合には保護基の脱 離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことが できる。 反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、 無水酢酸また はァセチルイミダゾ一ルを用いて未反応アミノ酸をァセチル化することによつ て、 後の反応に影響を与えないようにすることができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 B o c、 t一ペンチルォキ シカルポニル、 ィソポルニルォキシカルボニル、 4ーメトキシベンジルォキシ 力ルポニル、 C 1 一 Z、 B r _ Z、 ァダマンチルォキシカルポニル、 トリフル ォロアセチル、 'フタロイル、 ホルミル、 2—二トロフエニルスルフエ二ル、 ジ フエニルホスフイノチオイル、 Fm o cなどが用いられる。
力ルポキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 tーブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへ プチル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状もしくは環 状アルキルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジルエステル、 4—ニトロべンジルエステル、 4ーメトキシベンジルエステル、 4一クロ口べ ンジルエステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化、 ベン ジルォキシカルポニルヒドラジド化、 t一ブトキシカルポニルヒドラジド化、 トリチルヒドラジ,ド化などによつて保護することができる。
セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護する ことができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基など の低級 (C ^) アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジル ォキシカルボ二ル基、 エトキシカルポニル基などの炭酸から誘導される基など が用いられる。 また、 エーテル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、
テドラヒドロビラ二ル基、 卜ブチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 Bz 1、 C 12 一 B z l、 2—二トロベンジル、 B r— Z、 t一ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、 例えば、 To s、 4ーメトキ シー 2, 3, 6—トリメチルベンゼンスルホニル、 DNP、 ベンジルォキシメ チル、 Bum、 Bo c、 Tr t, Fmo cなどが用いられる。
原料の力ルポキシル基の活性ィ匕されたものとしては、 例えば、 対応する酸無 水物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフエノール、 2, 4, 5—トリクロ口フエノール、 2, 4—ジニトロフエノール、 シァノメ チルアルコール、 パラニトロフエノール、 HONB、 N—ヒドロキシスクシミ ド、 N—ヒドロキシフタルイミド、 HOB t) とのエステル〕 などが用いられ る。 原料のァミノ基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸ァ ミドが用いられる。 .
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 Pd—黒あるいは Pd—炭素 などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタンスルホン酸、 トリフルォロメ夕ンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるい はこれらの混合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリエ チルァミン、 ピぺリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニ ァ中ナトリウムによる還元なども用いられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 20°C〜4 O の温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソール、 フエノール、 チオアニソ一ル、 メタクレゾ一ル、 パラクレゾール、 ジメチルスルフイド、 1, 4—ブタンジチォ一ル、 1, 2—エタンジチオール などのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダ ゾール保護基として用いられる 2, 4 ^ジニトロフエニル基はチオフェノ一ル 処理により除去され、 トリブトファンのインドール保護基として用いられるホ ルミル基は上記の 1, 2—エタンジチオール、 1, 4—ブタンジチオールなど の存在下の酸処理による脱保護以外に、 希水酸化ナトリウム溶液、 希アンモニ ァなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、 およびその保
護基の脱離、 反応に'関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段 から適宜選択しうる。
本発明のポリペプチド、 受容体またはその部分ペプチドのアミド体を得る別 の方法としては、 例えば、 まず、 カルボキシ末端アミノ酸のひ一力ルポキシル 基をアミド化して保護した後、 アミノ基側にペプチド (ポリペプチド) 鎖を所 望の鎖長まで延ばした後、 該ぺプチド鎖の N末端の a—ァミノ基の保護基のみ を除いたポリぺプチドと C末端のカルボキシル基の保護基のみを除去したポリ ペプチドとを製造し、 この両ポリべプチドを上記したような混合溶媒中で縮合 させる。 縮合反応の詳細については上記と同様である。 縮合により得られた保 護ポリペプチドを精製した後、 上記方法によりすベての保護基を除去し、 所望 の粗ポリペプチドを得ることができる。 この粗ポリペプチドは既知の各種精製 手段を駆使して精製し、 主要画分を凍結乾燥することで所望のポリぺプチド、 受容体またはその部分べプチドのアミド体を得ることができる。
本発明のポリぺプチド、 受容体またはその部分べプチドのエステル体を得る には、 例えば、 カルポキシ末端アミノ酸の α—力ルポキシル基を所望のアルコ —ル類と縮合しアミノ酸エステルとした後、 ポリペプチド、 受容体またはその 部分ペプチドのアミド体と同様にして、 所望のポリペプチド、 受容体またはそ の部分べプチドのエステル体を得ることができる。
本発明のポリぺプチド、 受容体またはその部分べプチドは、 .公知のぺプチド の合成法に従って、 あるいは受容体の部分ペプチドについては、 受容体を適当 なぺプチダーゼで切断することによつて製造することができる。 ペプチドの合 成法としては、 例えば、 固相合成法、 液相合成法のいずれによっても良い。 す なわち、 本発明のポリペプチド、 受容体またはその部分ペプチドを構成し得る 部分べプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を有 する場合は保護基を脱離することによ,り目的のペプチドを製造することができ る。 公知の縮合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以下の (a) 〜 (e) に 記載された方法があげられる。
(a) M. Bodanszky および M. A. Ondet t i , ペプチド 'シンセシス (Pept ide Synthes is; , Interscience Publ ishers, New York (1966年)
(b) Schroederおよび Luebke、 ザ'ペプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年) ,
(c) 泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
(d) 矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 タンパク質の化学 IV、 205、 (1977年)
(e) 矢島治明監修、 続医薬品の開発、 第 14卷、 ペプチド合成、 広川書店 . また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留 ·カラムクロマトグ ラフィ一 ·液体クロマトグラフィー ·再結晶などを組み合わせて本発明のポリ ペプチド、 受容体またはその部分ペプチドを精製単離することができる。 上記 方法で得られるポリぺプチド、 受容体またはその部分べプチドが遊離体である 場合は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換するこ とができるし、 逆に塩で得られた場合は、 公知の方法あるいはそれに準じる方 法によって遊離体または他の塩に変換することが きる。
本発明のポリべプチド、 受容体またはその部分べプチドをコードする D N A としては、 前述した本発明のポリペプチド、 受容体またはその部分ペプチドを コードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。 ま た、 ゲノム DNA、 ゲノム DN Aライブラリー、 前記した細胞'組織由来の c DNA、 前記した細胞 ·組織由来の' c DN Aライブラリー、 合成 DN Aのいず れでもよい。
ライブラリーに使用するベクターは、 バクテリオファージ、 プラスミド、 コ スミド、 ファ一ジミドなどいずれであってもよい。 また、 前記した細胞 ·組織 より totalRNAまたは mRNA画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (以下、 RT-PCR法と略称する) によ つて増幅することもできる。
本発明のポリペプチドをコ一ドする DNAとしては、 例えば (a) 配列番号: 3、 配列番号: 4、 配列番号: 13、 配列番号: 14、 配列番号: 15、 配列 番号: 16、 配列番号: 17、 配列番号: 18、 配列番号: 26、 配列番号: 27、 配列番号: 32、 配列番号: 33、 配列番号: 38、 配列番号: 39、 配列番号: 59、'配列番号: 60、 配列番号: 61、 配列番号: 62、 配列番
号: 63、 配列番号: 64、 配列番号: 65、 配列番号: 66、 配列番号: 6 7、 配列番号: 68、 配列番号: 69、 配列番号 : 70、 配列番号: 72、 配 列番号: 86または配列番号: 88で表わされる塩基配列を含有する DNA、
(b) 配列番号: 3、 配列番号: 4、 配列番号: 13、 配列番号: 14、 配列番 号: 15、 配列番号: 16、 配列番号: 17、 配列番号: 18、 配列番号: 2
6、 配列番号:,27、 配列番号: 32、 配列番号: 33、 配列番号: 38、 配 列番号: 39、 配列番号: 59、 配列番号: 60、 配列番号: 61、 配列番 号: 62、 配列番号: 63、 配列番号: 64、 配列番号: 65、 配列番号: 6 6、 配列番号: 67、 配列番号: 68、 配列番号: 69、 配列番号: 70、 配 列番号: 72、 配列番号: 86または配列番号: 88で表わされる塩基配列と ハイストリンジェン卜な条件下でハイブリダィズする塩基配列を有し、 本発明 のポリぺプチドと実質的に同質の活性を有するポリぺプチドをコ一ドする DN A、
(c) 配列番号: 5、 配列番号: 19、 配列番号: 22、 配列番号: 28または 配列番号: 34で表わされる塩基配列を含有する DNA、 または
(d) 配列番号: 5、 配列番号: 19、 配列番号: 22、 配列番号: 28または 配列番号: 34で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイ ブリダイズする塩基配列を有する D N Aなどであれば何れのものでもよい。
(i) 配列番号: 3、 配列番号: 4、 配列番号: 13、 配列番号: 14、 配列 番号: 15、 配列番号: 16、 配列番号: 17、 配列番号: 18、 配列番号: 26、 配列番号: 27、 配列番号: 32、 配列番号: 33、 配列番号: 38、 配列番号: 39、 配列番号: 59、 配列番号: 60、 配列番号: 61、 配列番 号: 62、 配列番号: 63、 配列番号: 64、 配列番号: 65、 配列番号: 6 6、 配列番号: 67、 配列番号: 68、 配列番号: 69、 配列番号: 70、 配 列番号: 72、 配列番号: 86または配列番号: 88で表わされる塩基配列、 または (ii) 配列番号: 5、 配列番号: 19、 配列番号: 22、 配列番号: 2 8または配列番号: 34'で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件 下でハイブリダィズできる DN Aとしては、 例えば、 それぞれ (0 配列番号.: 3、 配列番号: 4、 配列番号: 13、 配列番号: 14、 配列番号: 15、 配列
番号: 16、 配列番号: 17、 配列番号: 18、 配列番号: 26、 配列番号:
27、 配列番号: 32、 配列番号: 33、 配列番号: 38、 配列番号: 39、 配列番号: 59、 配列番号: 60、 配列番号: 61、 配列番号: 62、 配列番 号: 63、 配列番号: 64、 配列番号: 65、 配列番号: 66、 配列番号: 6 7、 配列番号: 68、 配列番号: 69、 配列番号: 70、 配列番号: 72、 配 列番号: 86または配列番号: 88で表される塩基配列、 または (ii) 配列番 号: 5、 配列番号: 19、 配列番号: 22、 配列番号: 28または配列番号:
34で表わされる塩基配列と約 70 %以上、 好ましくは約 80%以上、 より好 ましくは約 90 %以上、 さらに好ましくは約 95 %以上の相同性を有する塩基 配列を含有する D N Aなどが用いられる。
ハイブリダィゼーシヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、
Molecular Cloning 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab.
Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことができる。 また、 市販のラ イブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうこ とができる。 より好ましくは、 ハイストリンジェントな条件に従って行なうこ とができる。 .
ハイストリンジェントな条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 19〜4:0 mM、 好ましくは約 19〜 20 mMで、 温度が約 50〜 70で、 好ましくは約 60〜65°Cの条件を示す。 特に、 ナトリウム濃度が約 19 mMで温度が約 6 5 °Cの場合が最も好ましい。 '
より具体的には、
(i) 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコード する DNAとしては、 配列番号: 3で表わされる塩基配列を含有する DNA、 配列番号: 88で表わされる塩基配列を含有する DNAなどが用いられ、
(ϋ) 配列番号: 2で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコード する DNAとしては、 配列番号: 4で表わきれる塩基配列を含有する DNAな どが用いられ、
(iii) 配列番号: 7で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコー ドする DNAとしては、 配列番号: 13で表わされる塩基配列を含有ずる DN
Aなどが用.いられ、
(iv) 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコード する DNAとしては、 配列番号: 14で表わされる塩基配列を含有する DN A などが用いられ、 ,
(V) 配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコード する DNAとしては、 配列番号: 1'5で表わされる塩基配列を含有する DNA などが用いられ、 .
(vi) 配列番号: 10で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコー ドする DNAとしては、 配列番号: 16で表わされる塩基配列を含有する DN Aなどが用いられ、
(vii) 配列番号: 11で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ ードする DNA しては、 配列番号: 17で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、
(viii) 配列番号: 12で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ —ドする DNAとしては、 配列番号: 18で表わされる塩基配列を含有する D
N Aなどが用いられ、
(ix) 配列番号: 24で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ一 ドする DNAとしては、 配列番号: 26で表わされる塩基配列を含有する DN Aなどが用いられ、 '
(X) 配列番号: 25で表わされるァミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ一 ドする DNAとしては、 配列番号: 27で表わされる塩基配列を含有する DN Aなどが用いられ、
(xi) 配列番号: 30で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコー ドする DNAとしては、 配列番号: 32で表わされる塩基配列を含有する DN Aなどが用いられ、
(xii) 配列番号: 31で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ —ドする DNAとしては、 配列番号: 33で表わされる塩基配列を含有する. D N Aなどが用いられ、
(xiii) 配列番号: 36で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ
—ドする D NAとしては、 配列番号: 3 8で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、 ,
(xiv) 配列番号: 3 7で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ —ドする D NAとしては、 配列番号: 3 9で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、
(XV) 配列番号: 4 0で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコー ドする D NAとしては、 配列番号: 3で表わされる塩基配列を含有する D NA などが用いられ、
(xv i) 配列番号:' 4 1で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ 一'ドする D NAとしては、 配列番号: 5 9で表わされる塩基配列を含有する D
NAなどが用いられ、
(xvi i) 配列番号: 4 2で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ —ドする D NAとしては、 配列番号: 6 0で表わされる塩基配列を含有する D
N Aなどが用いられ、
(xvi i i) 配列番号: 4 3で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを コードする D NAとしては、 配列番号: 6 1で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、
(xix) 配列番号: 4 4で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ ードする D NAとしては、 配列番号: 6 2で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、
(XX) 配列番号: 4 5で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコー ドする D NAとしては、 配列番 : 6 3で表わされる塩基配列を含有する D N •Aなどが用いられ、
(xxi) 配列番号: 4 6で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ . —ドする D NAとしては、 配列番号: 6 4で表わされる塩基配列を含有する D
NAなどが用いられ、 、
(xxi i) 配列番号: 4 7で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ ードする D NAとしては、 配列番号: 6 5で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、
(xxiii) 配列番号: 48で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを コードする DNAとしては、 配列番号: 26で表わされる塩基配列を含有する DNAなどが用いられ、
(XX i v) 配列番号: 49で表わされるァミノ酸配列を含有するポリべプチドをコ —ドする DNAとしては、 配列番号: 32で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用い'られ、
(XXV) 配列番号: 50で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ —ドする DNAとしては、 配列番号: 3 'で表わされる塩基配列を含有する DN Aなどが用いられ、
2
(xxvi) 配列番号: 51で表わされるアミ9 -ノ酸配列を含有するポリペプチドをコ —ドする DNAとしては、 配列番号: 3で表わされる塩基配列を含有する DN Aなどが用いられ、
(xxvii) 配列番号: 52で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを コードする DNAとしては、 配列番号: 66で表わされる塩基配列を含有する DNAなどが用いられ、
(xxviii) 配列番号: 53で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを コードする DNAとしては、 配列番号: 67で表わされる塩基配列を含有する DN Aなどが用いられ、
(xx ix) 配列番号: 54で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを: π —ドする DNAとしては、 配列番号: 68で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、
(XXX) 配列番号: 55で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ ードする DNAとしては、 配列番号: 69で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、
(xxxi) 配列番号: 21で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ ードする DNAとしては、 '配列番号: 70で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、
(xxxii) 配列番号: 56で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを コードする DNAとしては、 配列番号: 66で表わされる塩基配列を含有する
DN Aなどが用いられ、 ■
(xxxiii) 配列番号: 57で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを コードする DNAとしては、 配列番号: 3で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、
(xxxiv) 配列番号: 58で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを ' コードする DNAとしては、 配列番号: 66で表わされる塩基配列を含有する DNAなどが用いられ、
(XXXV) 配列番号: 71で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ ードする DNAとしては、 配列番号: 72で表わされる塩基配列を含有する D N Aなどが用いられ、
(xxxv i) 配列番号: 85で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを コードする DNAとしては、 配列番号: 86で表わされる塩基配列を含有する, DN Aなどが用いられる。
本発明の受容体をコードする DNAとしては、 例えば、 (1) 配列番号: 7 4で表される塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 74で表わされる 塩基配列とハイストリンジエンドな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有 し、 配列番号: 73で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活' 性を有する蛋白質をコードする DNA、 (2) 配列番号: 76で表される塩基 配列を含有する DNA、 または配列番号: 76で表わされる塩基配列とハイス トリンジェントな条件下でハイブリダィズする塩基配列を有し、 配列番号: 7 5で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質 をコ一ドする DNA、 (3) 配列番号: 78で表される塩基配列を含有する D NA、 または配列番号:' 78で表わされる塩基配列とノ\イストリンジェントな 条件下でハイブリダィズする塩基配列を有し、 配列番号: 77で表されるアミ ノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードする DN A、 (4) 配列番号: 80で表される塩基配列を含有する DNA、 または配列 番号: 80で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイプリ ダイズする塩基配列を有し、 配列番号: 79で表されるアミノ酸を含有する蛋 白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードする DNA、 (5) 配列番
• 号: 82で表される塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 82で表わ される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイプリダイズする塩基配 列を有し.、 配列番号: 81,で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同 質の活性を有する蛋白質をコードする DNA、 (6) 配列番号: 84で表され · る塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 84で表わされる塩基配列と ハイストリンジェントな条件下でハイプリダイズする塩基配列を有し,、 配列 号: 83で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する 蛋白質をコードする DN Aなどであれば何れのものでもよい。
配列番号: 74、 配列番号: 76、 配列番号: 78または配列番号: 80で 表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダィズできる DNAとしては、 例えば、 それぞれ配列番号: 74、 配列番号: 76、 配列番 号: 78または配列番号: 80で表わされる塩基配列と約 70%以上、 好まし くは約 80%以上、 より好ましくは約 90%以上、 さらに好ましくは約 95% 以上の相同性を有する塩基配列を含有する DNAなどが用いられる。
配列番号: 82で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハ イブリダィズできる DNAとしては、 例えば、 配列番号: 82で表わされる塩 基配列と 82%以上、 好ましくは約 85%以上、 より好ましくは約 90%以上、 さらに好ましくは約 95 %以上の相同性を有する塩基配列を含有する D N Aな どが用いられる。
配列番号: 84で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハ イブリダィズできる DNAとしては、 例えば、 配列番号: 84で表わされる塩 基配列と 92%以上、 好ましくは約 95%以上、 より好ましくは約 98%以上 の相同性を有する塩基配列を含有する DNAなどが用いられる。
ハイブリダィゼ一シヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、 Molecular Cloning 2nd (J. Sarabrook et al. , Cold Spring Harbor Lab.
■ Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことができる。 また、 市販のラ イブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうこ とができる。 より好ましくは、 ハイストリンジェントな条件に従って行なうこ とができる。
ハイストリンジェントな条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 19〜40 mM、 好ましくは約 19〜2 OmMで、 温度が約 50〜70°C、 好ましくは約
60-65 °Cの条件を示す。 特に、 ナトリゥム濃度が約 19 mMで温度が約 6 5 °Cの場合が最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 73で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白 質をコードする DNAとしては、 配列番号: 74で表わされる塩基配列を含有 する DNA、 配列番号.: 75で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコ —ドする DNAとしては、 配列番号: 76で表わされる塩基配列を含有する D NA、 配列番号: 77で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードす る DNAとしては、 配列番号: 78で表わされる塩基配列を含有する DNA、 配列番号: 79で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードする DN Aとしては、 配列番号: 80で表わされる塩基配列を含有する DNA、,配列番 号: 81で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードする DNAとし ては、 配列番号: 82で表わされる塩基配列を含有する DNA、 配列番号: 8 3で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードする DNAとしては、 配列番号: 84で表わされる塩基配列を含有する DNAなどが用いられる。 本発明の受容体の部分ペプチドをコードする DN Aとしては、 前述した本発 明の受容体の部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいか なるものであってもよい。 また、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブラリ一、 前記した細胞 ·組織由来の c DNA、 前記した細胞 ·組織由来の c DNAライ ブラリー、 合成 DNAのいずれでもよい。
本発明の受容体の部分べプチドをコードする D N Aとしては、 例えば、 (1) 配列番号: 74で表わされる塩基配列を有する DNAの部分塩基配列を 有する DNA、 または配列番号: 74で表わされる塩基配列と八イストリンジ ェントな条件下でハイブリダィズする塩基配列を有し、 配列番号: 73で表さ れるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコード する DNAの部分塩基配列を有する DNA、 (2) 配列番号: 76で表わされ る塩基配列を有する DN Aの部分塩基配列を有する DNA、 または配列番号:
76で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダィズ
する塩基配列を有し、 配列番号: 75で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と 実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードする DNAの部分塩基配列を有す る DNA、 (3) 配列番号: 78で表わされる塩基配列を有する DNAの部分 塩基配列を有する DNA、 または配列番号: 77で表わされる塩基配列とハイ ストリンジェン卜な条件下でハイブリダィズする塩基配列を有し、 配列番号: 75で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白 質をコードする DNAの部分塩基配列を有する DNA、 (4) 配列番号: 80 で表わされる塩基配列を有する D N Aの部分塩基配列を有する D N A、 または 配列番号: 80で表わされる塩基配列とハイストリンジェン卜な条件下でハイ ブリダィズする塩基配列を有し、 配列番号: 79で表されるアミノ酸を含有す る蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードする DNAの部分塩基 配列を有する DNA、 (5) 配列番号: 82で表わされる塩基配列を有する D NAの部分塩基配列を有する DNA、 または配列番号: 82で表わされる塩基 配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダィズする塩基配列を有し、 配列番号: 81で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を 有する蛋白質をコードする DNAの部分塩基配列を有する DNA、 (6) 配列 番号: 84で表わされる塩基配列を有する DNAの部分塩基配列を有する DN A、 または配列番号: 84で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条 件下でハイブリダィズする塩基配列を有し、 配列番号: 83で表されるァミノ 酸を含有する蛋白貧と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードする DNA の部分塩基配列を有する D N Aなどが用いられる。
配列番号: 74、 配列番号: 76、 配列番号: 78、 配列番号: 80、 配列 番号: 82または配列番号: 84で表わされる塩基配列とハイブリダィズでき る DNAは、 前記と同意義を示す。
ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェン卜な条件は前記と 同様のものが用いられる。
また、 本発明の受容体の部分べプチドをコ一ドする DNAとしてより具体的 には、 配列番号: 73で表されるアミノ酸配列中、 1番目 (Met) 〜43番目 (P e) 、 101番目 (Asn) 〜1 18番目 (Lys) 、 188番目 (Tyr) 〜21
3番目 (Arg) および 2 8 3番目 (Al a) 〜2 9 5番目 (l ie) で表される部分ァ ミノ酸配列から選択される 1または 2以上の部分アミノ酸配列を含有する部分 ペプチドをコードする塩基配列を有する D NAを含有する D NA、 またはこれ らとハイストリンジェン卜な条件下でハイプリダイズする塩基配列を有する NAを含有する D NAなどがあげられる。 .
' 本発明のポリペプチド、 受容体またはその部分ペプチドをコードする D N A は、 公知の方法で標識化されていてもよく、 具体的にはアイソトープラベル化 されたもの、 蛍光標識されたもの (例えば、 フルォレセインなどによる蛍光標 識) 、 ピオチン化されたものまたは酵素標識されたものなどがあげられる。 好 ましくはァイソトーブラベル化された本発明 ,のポリペプチドが用いられる。
本発明のポリペプチド、 受容体またはその部分ペプチド (以下、 これらポリ ぺプチド等をコードする D N Aのクローニングおよび発現の説明においては、 これらポリぺプチド等を単に本発明のポリぺプチドと略記する場合がある) を 完全にコードする D NAのクローニングの手段としては、 本発明のポリべプチ ドの部分塩基配列を有する合成 D N Aプライマ一を用いて公知の P C R法によ つて増幅するか、 または適当 ベクターに組み込んだ D N Aを本発明のポリぺ プチドの一部あるいは全領域をコードする D N A断片もしくは合成 D N Aを用 いて標識したものとのハイブリダイゼ一シヨンによつて選別することができる。 ハイブリダィゼ一シヨンの方法は、 例えば、 Molecul ar Cloning 2nd (J.
Sambrook et al. , Col d Spr ing Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法など に従って行なうことができる。 また、 市販のライブラリ一を使用する場合、 添 付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
D NAの塩基配列の変換は、 公知のキット、 例えば、 MutanTM-super Express Km (宝酒造 (株) ) 、 Mutan™- K (宝酒造 (株) ) 等を用いて、 OM-LA PCR法、 Gapped duplex法、 Kunkel法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従つ て行なうことができる。
クローン化されたポリペプチドをコ一ドする D N Aは目的によりそのまま、 または所望により制限酵素で消化したり、 リンカーを付加したりして使用する ことができる。 該 D NAはその 5, 末端側に翻訳開始コドンとしての A T Gを
有し、 また 3' 末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TGAまたは TA Gを有していてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、 適当な 合成 DNAアダプターを用いて付加することもでぎる。
本発明のポリペプチドの発現べクタ一は、 例えば、 (ィ) 本発明のポリぺプ チドをコードする DNAから目的とする DNA断片を切り出し、 (口) 該 DN A断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製 造することができる。
ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pBR 322, pBR3 25, pUC 12, pUC 13) 、 枯草菌由来のプラスミド (例、 pUB l l 0, TP 5, pC 194) 、 酵母由来プラスミド (例、 p SH 19, p SH 15) 、 λファージなどのバクテリオファージ、 レトロウイルス, ワクシニア 'ウィルス, バキュロウィルスなどの動物ウィルスなどの他、 pAl— 11、 p XT 1、 Rc/CMV, p R c/RS V、 p c DNA I/N e oなどが用い られる。 , 1
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子,の発現に用いる宿主に対 応して適切なプロモ一夕一であればいかなるものでもよい。 例えば、 動物細胞 を宿主として用いる場合は、 SR aプロモータ一、 SV40プロモーター、 H I V · LTRプロモーター、 CMVプロモータ一、 HS V- TKプロモ一夕一な どがあげられる。
これらのうち、 CMV (サイトメガロウィルス) プロモ一夕一、 SRCKプロ モータ一などを用いるのが好ましい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプロモータ一、 l a cプロモーター、 r e cAプロモーター、 λ PLプロ モーター、 l ppプロモーター、 T 7プロモータ一などが、 宿主がバチルス属 菌 ある場合は、 SP〇1プロモーター、 SPO 2プロモーター、 p enPプ ロモ一夕一など、 宿主が酵母である場合は、 PH05プロモータ一、 PGKプ 口モーター、 GAPプロモータ一、 ADH.プロモーターなどが好ましい。 宿主 が昆虫細胞である場合は、 ポリヘドリンプロモータ一、 P 10プロモーターな どが好ましい。
発現べクタ一には、 以上の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシング
シグナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マーカー、 SV40複製オリジン (以下、 S V40 o r iと略称する場合がある') などを含有しているものを用いること ができる。 選択マーカーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 d h f rと略称する場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセ一ト (MTX) 耐性〕 、 アンピシリン耐性遺伝子 (以下、 Amp 37と略称する場合がある) 、 ネオマイ シン耐性遺伝子 (以下、 Ne o r.と略称する場合がある、 G418耐性) 等が あげられる。 特に、 dh f r遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞を用いて dh f r遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、 目的遺伝子をチミジンを 含まない培地によっても選択できる。
また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 本発明のポリペプチド の N端末側に付加する。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 PhoA *シグナ ル配列、 0即 A ·シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 ひ一 アミラーゼ ·シグナル配列、 サブチリシン ·シグナル配列などが、 宿主が酵母 である場合は、 MFcK ·シグナル配列、 SUC2 ·シグナル配列など、 宿主が 動物細胞である場合には、 インシュリン ·シグナル配列、 α—^ fンターフェ口 ン ·シグナル配列、 抗体分子 ·シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明のポリペプチドをコードする DN Aを含有, するベクターを用いて、 形質転換体を製造することができる。
宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。 ' ェシエリヒア属菌の具体例としては、 例えば、 ェシエリヒア ·コリ
(Escherichia coli) K 12 · DH 1 〔プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショ ナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 60巻, 160 (1968)〕 , JM103 〔ヌクイレック .ァ シッズ · リサーチ (Nucleic Acids Research) , 9巻, 309 (1981)〕 , J Α22 1 〔ジャーナル ·ォブ ·モレキュラー。バイオロジー (Journal of Molecular Biology) 〕 , 120卷, 517(1978)〕 , ΗΒ 101 〔ジャーナル .ォブ.モレキュ ラ一'バイオロジー, 41巻, 459 (1969)〕 , C 600 〔ジェネティックス
(Genetics) , 39巻, 40(1954)] などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス 'サブチルス (Bacillus subtilis) M I 1 14 〔ジーン, 24巻, 255 (1 983)〕 , 207— 21 〔ジャーナル'ォブ ·バイオケミストリー (Journal of Biochemistry) , 95 巻, 8.7 (1 984)〕 などが用いられる。
. 酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス セレピシェ (Saccharomyces cerevisiae) AH 22, AH 22 R~, NA87 - 1 1 A, DKD—5D, 2 0B— 12、 シゾサッカロマイセス ボンべ (Schizosaccharomyces pombe) N CYC 19 1 3, NCYC 2036、 ピキア パス卜リス (Pichia astoris) KM 71などが用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、' ウィルスが Ac NPVの場合は、 夜盗蛾の幼虫 由来株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia niの 中腸由来の MG1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High Five™細胞、
Mamestra brassicae由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用いら れる。 ウィルスが BmNPVの場合は、 蚕由来株化細胞 (Bombyx mori 細 胞; BmN細胞) などが用いられる。 該 S f細胞としては、 例えば、 S f 9細 胞 (ATCC CRL1711) 、 S f 2 1細胞 (以上、 Vaughn, J.L.ら、 イン ·ヴイボ (In Vivo) ,13, 213-217, (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前由ら、 ネィチヤ 一 (Nature) , 315卷, 592(1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Vero, チャイニーズハム ス夕一細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) , dh ί r遺伝子欠損チヤィニ ーズハムスター細胞 CHO (以下、 CHO (dh f r— ) 細胞と略記) , マウ ス L細胞, マウス A t T— '20, マウスミエローマ細胞, ラット GH3, ヒト FL細胞などが用いられる。 '
ェシエリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 プロシージングズ ·ォブ. ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ。サイェンジィズ ·ォブ ·ザ 'ユーエスェ . ― (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 69巻, 2110 (1972)やジーン (Gene) , 17 巻, 107(1982)などに記載の方法に従って行なうことができる。
バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 モレキュラー 'アンド 'ジエネ
ラル'ジェネティックス (Molecular & General Genetics) , 168卷,
111 (1979)などに記載の方法に従つて行なうことができる。
酵母を形質転換するには、 例えば、 メソッズ'イン ·ェンザィモロジ一
(Methods in Enzymology) , 194巻, 182-187(1991)、 プロシ一ジングズ -ォ ブ 'ザ。ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーェ スェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 75巻, 1929 (1978)などに記載の方法 に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 バイオ Zテクノロジ一 (Bio/Technology, 6, 47-55 (1988)) などに記載の方法に従って行なうことが できる。 ,
動物細胞を^質転換するには、 例えば、 細胞工学別冊 8 新細胞工学実験プ ロトコール. 263-267 (1995) (秀潤社発行) 、 ヴイロロジ一 (Virology) , 52巻, 456(1973)に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、 ポリペプチドをコードする DNAを含有する発現べクタ一 で形質転換された形質転換体を得ることができる。
宿主がェシエリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、 培 養に使用される培地としては液体培地が適当であり、 その中には該形質転換体 の生育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源と しては、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素 源としては、 例えば、 アンモニゥム塩類、 硝酸塩類、 コーンスチープ. リカー、 ペプトン、 カゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などの無機または 有機物質、 無機物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウ ム、 塩化マグネシウムなどがあげられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 成 長促進因子などを添加してもよい。 培地の pHは約 5〜8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザ ミノ酸を含む M9培地 〔ミラー (Miller) , ジャーナル.ォブ 'ェクスぺリメ ンッ 'イン 'モレキュラー■ジェネティックス (Journal of Experiments in Molecular Genetics) , 431-433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972〕 が好ましい。 ここに必要によりプロモータ一を効率よく働かせるために、
例えば、 3 i3—インドリルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。 宿主がェシエリヒア属菌の場合、 培養は通常約 15〜43°Cで約 3〜24時 間行ない、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 30〜40°Cで約 6〜24時間行 ない、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バーク ホ一ルダー (Burkholder) 最小培地 〔Bostian, K. L. ら、 プロシージングズ. ォブ.'ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ 'ザ.ユー エスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 77巻, 4505 (1980)〕 や 0.5%カザミノ酸を含有する SD培地 [: Bitter, G. A. ら、 プロシージング . ズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ · ュ一エスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 81巻, 5330 (198 4) 〕 があげられる。 培地の pHは約 5〜 8に調整するのが好ましい。 培養は 通常約 20°C〜35°Cで約 24〜72時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を 加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Grace s Insect Medium (Grace, T. ,ネィチヤ一
(Nature) ,195,788(1962)) に非動化した 10 %ゥシ血清等の添加物を適宜加 えたものなどが用いられる。 培地の pHは約 6. 2〜6. 4に調整するのが好 ましい。 培養は通常約 27°Cで約 3〜 5日間行ない、 必要に応じて通気や撹拌 を加える。 ,
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5〜20%の胎児牛血清を含む MEM培地 〔サイエンス (Science) , 122卷, 501 (1952)] , DMEM培地 〔ヴイロロジー (Virology) , 8巻, 396 (1959)〕 , RPMI 1640培地 〔ジャーナル ·ォブ ·ザ ·アメリカン ·メディカル ·ァ ソシ工一シ 'ヨン (The Journal of the American Medical Association) 199巻 519 (1967)3 , 199培地 〔プロシージング 'ォブ 'ザ 'ソサイエティ 'フォ — 'ザ 'バイオロジカル.メディスン (Proceeding of the Society for the Biological Medicine) , 73巻, 1 (1950)〕 などが用いられる。 pHは約 6〜8
であるのが好ましい。 培養は通常約 3 0 °C〜4 0 °Cで約 1 5〜6 0時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、 形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外などに本発明 のポリペプチドを生成せしめることができる。
上記培養物から本発明のポリペプチドを分離精製するには、 例えば、 下記の 方法により行なうことができる。 '
本発明のポリペプチドを培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、 培 養後、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁し、 超音波、:リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を 破壊したのち、 遠心分離やろ過によりポリペプチドの粗抽出液を得る方法など が適宜用いられる。 緩衝液の中に尿素や塩酸グァニジンなどの蛋白質変性剤や、 トリトン X— 1 0 0 TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。 培養液中にポ リペプチドが分泌される場合には、 培養終了後、 公知の方法で菌体あるいは細 胞と上清とを分離し、'上清を集める。
このようにして得られた培養上清、 あるいは抽出液中に含まれるポリべプチ ドの精製は、 公知の分離 ·精製法を適宜組み合わせて行なうことができる。 こ れらの公知の分離、 精製法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利用す る方法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S—ポリアクリルアミ ドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、 イオン交換クロ マトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、 ァフィ二ティーク口マトダラ フィ一などの特異的親和性を利用する方法、 逆相高速液体クロマトグラフィー などの疎水性の差を利用する方法、 等電点電気泳動法などの等電点の差を利用 する方法などが用いられる。
かくして得られるポリペプチドが遊離体で得られた場合には、 公知の方法あ るいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、 逆に塩で得られた 場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、 遊離体または他の塩に 変換することができる。
なお、 組換え体が産生するポリペプチドを、 精製前または精製後に適当な蛋 白修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり、 ポリペプチドを
部分的に除去することもできる。 蛋白修飾酵素としては、 例えば、 トリプシン、 キモトリプシン、 アルギニルェンドぺプチダ一ゼ、 プロティンキナーゼ、 'グリ コシダーゼなどが用いられる。
本発明のポリペプチドまたは受容体に対する抗体 (以下、 単に本発明の 体 と称する場合がある) は、 本発明のポリペプチドまたは受容体を認識し得る抗 体であれば、 ポリクローナル抗体、 モノクロ一ナル抗体の何れであつてもよい。 本発明のポリベプチドまたは受容体に対する抗体は、 本発明のポリぺプチド または受容体を抗原として用い、 公知の抗体または抗血清の製造法に従って製 造することができる。
〔モノクローナル抗体の作 S〕 '
( a ) モノクローナル抗体産生細胞の^製
本発明のポリべプチまたは受容体ドは、 温血動物に対して投与により抗体産 生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に 際して抗体産生能を高めるため、 完全フロイントアジュバントや不完全フロイ ントアジュバントを投与してもよい。 投与は通常 2〜6週毎に 1回ずつ、 計 2 〜1 0回程度行われる。 用いられる温血動物としては、 例えば、 サル、 ゥサギ、 ィヌ、 モルモット、 マウス、 ラット、 ヒッジ、 ャギ、 ニヮトリがあげられるが、 マウスおよびラッドが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、 抗原で免疫された温血動物、 例えばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日後に脾 臓またはリンパ節を採取し、 それらに含まれる抗体産生細胞を同種または異種 動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、 モノクローナル抗体産生ハイプリ ドーマを調製することができる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の 標識化ポリペプチドと抗血清とを反応させたのち、 抗体に結合した標識剤の活 性を測定することにより行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケ一ラーとミルスタインの方法 〔ネィチヤ一 (Nature) , 256、 495 (1975)〕 に 従い実施することができる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレンダリ コール ( P E G) やセンダイゥィルスなどがあげられるが、 好ましくは P E G が用いられる。
'骨髄腫細胞としては、 例えば、 NS— 1、 P 3U1、 SP 2/0、 AP— 1 などの温血動物の骨髄腫細胞があげられるが、 P 3U1が好ましく用いられる。 用いられる抗体産生細胞 (脾臓細胞) 数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は 1 : 1〜20 : 1程度であり、 PEG (好ましくは PEG 1000〜PEG6 000) が 10〜 80 %程度の濃度で添加され、 20〜 40 °C、 好ましくは 3 0〜37°Cで 1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を 実施できる。
モノクローナル抗体産生ハイプリドーマのスクリーニングには瑋々の方法が 使用できるが、 例えば、 ポリペプチド (蛋白質) 抗原を直接あるいは担体とと もに吸着させた固相 (例、 マイクロプレート) にハイプリドーマ培養上清を添 加し、 次に放射性物質や酵素などで標識された抗免疫グロブリン抗体 (細胞融 合に用いられる細胞がマウスの場合、 坊マウス免疫グロプリン抗体が用いられ る) またはプロテイン Aを加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出す る方法、 抗免疫グロブリン抗体またはプロテイン Aを吸着させた固相にハイブ リドーマ培養上清を添加し、 放射性物質や酵素などで標識されたポリペプチド を加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などがあげられる。 モノクローナル抗体の選別は、 公知あるいはそれに準じる方法に従って行な うことができる。 通常 HAT (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チミジン) を添加した動物細胞用培地で行なうことができる。 選別および育種用培地とし ては、 ハイプリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。 例えば、 1~20%、 好ましくは 10~20%の牛胎児血清を含む RPMI 1 640培地、 1〜 10 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬工業
(株) ) あるいはハイプリドーマ培養用無血清培地 (SFM— 101、 日水製 薬 (株) ) などを用いることができる。 培養温度は、 通常 20〜40°C、 好ま しくは約 37 °Cである。 培養時間は、 通常 5日〜 3 間、 好ましくは 1週間〜 2週間である。 培養は、 通常 5%炭酸ガス下で行なうことができる。 ハイプリ ドーマ培養上清の抗体価は、 上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定 できる。
(b) モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、 公知の方法、 例えば、 免疫グロブリンの 分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点沈殿法、 電気泳動法、 ィ オン交換体 (例、 D E A E) による吸脱着法、 超遠心法、 ゲルろ過法、 抗原結 合固相あるいはプロテイン Aあるいはプロテイン Gなどの活性吸着剤により抗 体のみを採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕 に従って行なう ことができる。
〔ポリクロ一ナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、 公知あるいはそれに準じる方法に従って製 造することができる。 例えば、 免疫お原 (ポリペプチド抗原) 自体、 あるいは それとキャリアー蛋白質との複合体をつくり、 上記のモノクローナル抗体の製 造法と同様に温血動物に免疫を行ない、 該免疫動物から本発明のポリペプチド に対する抗体含有物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造する ことができる。
温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキヤリァー蛋白質との複合 体に関し、 キヤリァ一蛋白質の種類およびキヤリァ一とハプテンとの混合比は、 キャリア一に架橋させて免疫したハプテンに対して抗^が効率良くできれば、 どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アルブ ミンゃゥシサイログロブリン、 へモシァニン等を重量比でハプテン 1に対し、 約 0 . 1〜2 0、 好ましくは約 1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。 また、 ハプテンとキャリアーの力プリングには、 種々の縮合剤を用いること ができるが、 ダルタルアルデヒドやカルポジイミド、 マレイミド活性エステル、 チオール基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。 縮合生成物は、 温血動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あるい は担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全フロイントアジュバントゃ不完全フロイントアジュバントを投与してもよ い。 投与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜1 0回程度行なわれる。 ポリクローナル抗体は、 上記の方法で免疫された温血動物の血液、 腹水など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、 上記の抗血清中の抗体価の測定
と同様にして測定できる。 ポリクローナル抗体の分離精製は、 上記のモノクロ ーナル抗体の分離精製と同様の免疫グロプリンの分離精製法に従って行なうこ とができる。
本発明のポリべプチド、 受容体またはその部分ペプチドをコードする D N A (以下、 これらの DN Aを本発明の DN Aと略記する場合がある) に相補的な、 または実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセンスポリヌクレオチド (好 ましくは DNA) (以下、 アンチセンス DNAと略記する場合がある) として は、 本発明の DNAに相補的な、 または実質的に相補的な塩基配列を有し、 該 DNAの発現を抑制し る作用を有するものであれば、 いずれのアンチセンス DNAであづてもよい。
本発明の DNAに実質的に相補的な塩基配列とは、 例えば、 本発明の DNA に相補的な塩基配列 (すなわち、 本発明の DNAの相補鎖) の全塩基配列ある いは部分塩基配列と約 70%以上、 好ましくは約 80%以上、 より好ましくは 約 90%以上、 最も好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列などが あげられる。 特に、 本発明の DNAの相補鎖の全塩基配列うち、 本発明のポリ ペプチドの Ν末端部位をコードする部分の塩基配列 (例えば、 開始コドン付近 ■ の塩基配列など) の相補鎖と約 70%以上、 好ましくは約 80%以上、 より好 ましくは約 90%以上、 最も好ましくは約 95%以上の相同性を有するアンチ センス DNAが好適である。 これらのアンチセンス は、 公知の DNA合 成装置などを用レ ^て製造することができる。
本発明のアンチセンス DNAは、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結合を含有していて良く、 リボゾーム、 ミクロスフエアのような特殊な形態で 供与されたり、 遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられる ことができうる。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格 の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、 細胞膜との 相互作用を高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ス ホリピド、 コレステロールなど) といった疎水性のものが挙げられる。 付加す るに好ましい脂質としては、 コレステロールやその誘導体 (例えば、 コレステ リルクロ口ホルメート、 コール酸など) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸
の 3 '端あるいは 5 '端に付着させることができ、 塩基、 糖、 分子内ヌクレオシ ド結合を介して付着させることができうる。 その他の基としては、 核酸の 3 '端 あるいは 5 '端に特異的に配置されたキヤップ用の基で、 ェキソヌクレアーゼ、 R N a s eなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。 こうしたキャップ用の基としては、 ポリエチレングリコール、 テトラエチレン グリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護 基が挙げられるが、 それに限定されるものではない。
アンチセンス D N Aの阻害活性は、 本発明の形質転換体、 本発明の生体内や 生体外の遺伝子発現系、 あるいは本発明のぺプチドまたは受容体の生体内や生 体外の翻訳系を用いて調べることができる。 以下に、 (a) 本発明のポリペプチド、 (b) 本発明の受容体 (以下、 その部 分ペプチドも含む) 、 (c) 本発明の D N A、 (d) 本発明の抗体および (e) 本 発明のアンチセンス D N Aなどの用途を説明する。
( 1 ) 本発明のポリぺプチドが関与する疾患の予防 ·治療剤
本発明のポリペプチドは、 本発明の受容体 (例、 GPR8、 GPR7, ラット TGR26、 マウス TGR26、 ゥサギ GPR8、 ゥサギ GPR7など) などの発現細胞の細胞剌激活性を 有し、 本発明の受容体の内因性リガンドである。
本発明のポリペプチドまたは本発明の D N Aに異常があったり、 欠損してい る場合、 または本発明の受容体または該受容体をコードする D NAに異常があ つたり、 欠損している場合には、 例えば、 蓄尿障害 〔例、 頻尿、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧性尿失禁、 機能性尿失禁など) など〕 、 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性尿崩症など) 、 高ナトリウム血症、 代謝性アル力 ローシス、 低カリウム血症、 Gushing症候群などとなる可能性が高い。 従って、 本発明のポリペプチドおよび本発明の D NAは、 例えば、 抗利尿剤として使用 することができ、 例えば、 蓄尿障害 〔例、 頻尿、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 鹰圧性尿失禁、 機能性尿失禁など) など〕 、 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿 崩症、 腎性尿崩症など) 、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカロ一シス、 低カリ ゥム血症、 Cushing症候群などの予防 '治療剤として使用することができる。 好
ましくは、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧性尿失禁、 機能性尿失禁など) 、. 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性尿崩症など) 、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカロ一シス、 低カリウム血症、 Cushing症候群などの予防 '治療剤で ある。 '
本発明のポリペプチドおよび本発明の D N Aは、 例えば、 生体内において本 発明のポリペプチドが減少あるいは欠損している患者がいる場合に、 (ィ) 本 発明の D NAを該患者に投与し、 生体内で本発明のポリペプチドを発現させる ことによって、 (口) 細胞に本発明の D NAを挿入し、 本発明のポリペプチド を発現させた後に、 該細胞を患者に移植することによって、 たは (ハ) 本発 明のポリべプチドを該患者に投与することなどによって、 該患者における本発 明のポリペプチドの役割を十分に、 あるいは正常に発揮させることができる。 本発明の D NAを上記の予防 ·治療剤として使用する場合は、 該 D NAを単 独あるいはレトロウイルスベクタ一、 アデノウイルスベクタ一、 アデノウィル スァソシェ一テッドウィルスベクタ一などの適当なベクターに揷入した後、 常 套手段に従って、 ヒトまたは温血動物に投与することができる。.本発明の D N Αは、 そのままで、 あるいは摂取促進のための補助剤などの生理学的に認めら れる担体'とともに製剤化し、 遺伝子銃やハイド口ゲルカテーテルのようなカテ 一テルによって投与できる。 '
本発明のポリペプチドを上記の予防 ·治療剤として使用する場合は、 少なく とも 9 0 %、 好ましくは 9 5 %以上、 より好ましくは 9 8 %以上、 さらに好ま しくは 9 9 %以上に精製されたものを使用するのが好ましい。
本発明のポリペプチドは、 例えば、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセ ル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水も しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤など の注射剤の形で非経口的 (好ましくは皮下投与) に使用できる。 例えば、 本発 明のポリペプチドを生理学的に認められる担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される 単位用量形態で混和することによって製造することができる。 これら製剤にお ける有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするものであ
る。 .
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性 セルロースのような賦形剤、 コ一ンス夕一チ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよ うな膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖または サッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのよう な香味剤などが甩いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 前記夕 イブの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のた めの無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油な どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。
注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他の補助薬 を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩ィ匕ナトリウ ムなど) などがあげられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例えば、 エタノールなど) 、 ポリアルコール (例えば、 プロピレングリコール、 ポリエ チレングリコールなど) 、 非イオン性界面活性剤 (例えば、 ポリソルべ一ト 8 0™、 H C O— 5 0など) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などがあげられ、 溶解補助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジ ルアルコールなどと併用してもよい。 また、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸ナトリウム緩衝液など) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、:塩 酸プロ力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレング : リコ一ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤などと配合してもよい。 調製された注射液は、 通常、 適当なアンプ ルに充填される。
本発明の D NAが挿入されたベクターも上記と同様に製剤化され、 通常、 非 経口的に使用される。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトま たは温血動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 トリ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ'、 ィヌ、 サル、 など) に対して投与することができる。
本発明のポリペプチドの投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどに より差異はあるが、 例えば、 尿崩症の治療の目的で本発明のポリペプチドを皮 下投与する場合、 一般的に成人 (60kgとして) においては、 一日につき該ポリ ペプチドを約 0. l〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜 20mg投与する。 他の動物の場合も、 60kg当たりに換算した量を投与することが' できる。
( 2 ) 利尿または抗利尿作用を有する医薬候補化合物のスクリ一二ング 本発明のポリぺプチドは本発明の受容体のリガンドとしての機能などを有す るため、 本発明のポリペプチドまたは本発明の ¾容体の機能を促進する化合物 またはその塩は、 例えば、 抗利尿剤などとして有用であり、 蓄尿障害 〔例、 頻 尿、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧性尿失禁、 機能性尿失禁など) など〕 、 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性尿崩症など) 、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカローシス、 低カリウム血症、 Cushing症候群などの予防 ·治療剤な どとして使用できる。 好ましくは、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧性尿失禁、 機能性尿失禁など) 、 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性尿崩症な ど) 、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカローシス、 低カリウム血症、 Cush ing症 候群などの予防。治療剤である。
一方、 本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体の機能を阻害する化合物 またはその塩は、 例えば利尿剤として有用であり、 腎性浮腫、 尿排出障害 (例、 '膀胱収縮障害、 尿道通過障害、 排尿困難、 排尿痛、 尿路閉塞など) 、 低ナトリ ゥム血症、 抗利尿ホルモン分泌不適症候群 (SIADH) 、 高血圧などの予防 ·治療 '剤などとして使用できる。
該スクリーニングは、 本発明のポリペプチドを用いるか、 または組換え型本 発明のポリペプチドの発現系を構築し、 該発現系を用いたレセプ夕一結合アツ セィ系を用いることによって、 本発明のポリペプチドとその受容体との結合性 を変化させる化合物 (本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合 物、 本発明の受容体の活性を促進または阻害する化合物) (例、 ペプチド、 蛋 白質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物など) またはその塩をス
クリーニングすることができる。 このような化合物には、 本発明の受容体を介 して細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 AM P生成 Z抑制、 細胞内 c GM P生成、 イノシトール リン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下、 G T P T S結合活性などを促進する活性など) を有する化合物 (即ち本発明のポリペプチドの受容体ァゴニスト) と該細胞刺激活性を有しな い化合物 (即ち本発明のポリペプチドの受容体アンタゴニスト) などが含まれ る。 「本発明のポリペプチドとの結合性を変化させる」 とは、 本発明のポリべ プチドとの結合を阻害する場合と本発明のポリぺプチドとの結合を促進する場 合の両方を包含するものである。
本発明のポリペプチドおよびンまたは本発明の受容体を用いることを特徴と する、 本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体の活性を促進または阻害す る化合物またはその塩のスクリーニング方法の具体例としては、 (i) 本発明の 受容体に、 本発明のポリペプチドを接触させた場合と (i i) 上記した本発明の 受容体に、 本発明のポリペプチドおよび試験化合物を接触させた場合との比較 を行なうことを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明の受容体の結合性を 変化させる化合物 (本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合 物) またはその塩のスクリーニング方法が挙げられる。
上記スクリーニング方法においては、 (i) 上記した本発明の受容体に、 本発 明のポリペプチドを接触させた場合と (i i) 上記した本発明の受容体に、 本発 明のポリペプチドおよび試験化合物を接触させた場合における、 例えば該本発 明の受容体に対する該ポリペプチドの結合量、 細胞刺激活性などを測定して、 比較する。
上記スクリーニング方法のさらなる具体例としては、
(a) 標識された本発明のポリペプチドを、 上記した本発明の受容体に接触させ た場合と、 標識された本発明のポリペプチドおよび試験化合物を本発明の受容 体に接触させた場合における、 標識された本発明のポリペプチドの本発明の受 容体に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とする本発明のポリべプチ ドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物 (本発明のポリペプチドの
活性を促進または阻害する化合物) またはその塩のスクリ一ニング方法、
(b) 標識された本発明のポリペプチドを、 本発明の受容体を 有する細胞また は該細胞の膜画分に接触させた場合と、 標識された本発明のポリペプチドおよ び試験化合物を本発明の受容体を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触さ せた場合における、 標識された本発明のポリペプチドの該細胞または該膜画分 に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと 本発明の受容体との結合性を変化させる化合物 (本発明のポリペプチドの活性 を促進または阻害する化合物) またはその塩のスクリーニング方法、
(c) .標識された本発明のポリペプチドを、 本発明の受容体をコードする D NA を含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明の受 容体に接触させた場合と、 標識された本発明のポリぺプチドおよび試験化合物 を本発明の受容体をコードする D NAを含有する形質転換体を培養することに よって細胞膜上に発現した本発明のポリぺプチドの受容体に接触させた場合に おける、'標識された本発明のポリペプチドの本発明の受容体に対する結合量を 測定し、 比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明の受容体と の結合性を変化させる化合物 (本発明のポリべプチドの活性を促進または阻害 する化合物) またはその塩のスクリーニング方法、
(d) 本発明の受容体を活性化する化合物 (例えば、 本発明のポリペプチド) を 本発明の受容体を含有する細胞に接触させた場合と、 本発明の受容体を活性化 する化合物および試験化合物を本発明の受容体を含有する細胞に接触させた場 合における、 本発明の受容体を介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラキ 'ドン酸遊 離、 ァセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 C AM P生成 Z抑制、 細 胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質 のリン酸化、 c— f o sの活性化、 p Hの低下、 G T P r S結合活性などを促 進する活性または抑制する活性など) を測定し、 比較することを特徴とする本 発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物 (本発明 のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物) またはその塩のスクリー ニング方法、 および
(e) 本発明の受容体を活性化する化合物 (例えば、 本発明のポリペプチドな
ど) を本発明の受容体をコ一ドする DN Aを含有する形質転換体を培養するこ とによって細胞膜上に発現した本発明の受容体に接触させた場合と、 本発明の 受容体を活性化する化合物および試験化合物を、 本発明の受容体をコードする D N Aを含有する形質転換体を培養することによ て細胞膜上に発現した本発 明の受容体に接触させた場合における、 本発明の受容体を介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞 内 cAMP生成ノ抑制、 細胞内 cGMP生成、 イノシト ルリン酸産生、 細胞 膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 : f o sの活性化、 pHの低下、 G TPァ S結合活性などを促進する活 または抑制する活性など) を測定し、 比 較することを特徴とする本発明のポリぺプチドと本発明の受容体との結合性を 変化させる化合物 (本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合 物) またはその塩のスクリーニング方法などである。
標識された本発明のポリペプチドの好ましい具体例は、 〔1251〕 でそれぞれ標 識された配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 7、 配列番号: 8、 配列番 号: 9、 配^番号: 10、 配列番号: 1 1、 配列番号: 12、 配列番号: 21、 配列番号: 24、 配列番号: 25、 配列番号: 30、 配列番号: 31、 配列番 号: 36、 配列番号: 37、 配列番号: 40、 配列番号: 41、 配列番号: 4 2、 配列番号: 43、 配列番号: 44、 配列番号: 45、 配列番号: 46、 配 列番号: 47、 配列番号: 48、 配列番号: 49、 配列番号: 50、 配列番 号: 51、 配列番号: 52、 配列番号: 53、 配列番号: 54、 配列番号.: 5 5、 配列番号: 56、 配列番号: 57、 配列番号: 58、 配列番号: 71また は配列番号: 85で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドなどが挙げら れる。
上記スクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、 本発明のスクリーニング方法に用いる本発明の受容体としては、 本発 明のポリぺプチドをリガンドとして認識するものであれば何れのものであつて もよいが、 ヒトゃ温血動物の臓器の膜画分などが好適である。 しかし、 特にヒ ト由来の臓器は入手が極めて困難なこ から、 スクリーニングに用い れるも のとしては、 組換え体を用いて大量発現させた本発明の受容体などが適してい
る。
本発明の受容体を製造するには、 前述の製造方法などが用いられる。
本発明のスクリーニング方法において、 本発明の受容体を含有する細胞ある いは該細胞膜画分などを用いる場合、 後述の調製法に従えばよい。
本発明の受容体を含有する細胞を用いる場合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 'ホルマリンなどで固定化してもよい。 固定化方法は公知の方法に従って行うこ とができる。 ·
本発明の受容体を含有する細胞としては、 本発明の受容体を発現した宿主細 胞をいうが、 該宿主細胞としては、 前述の大腸菌、 枯草菌、 酵母、 昆虫細胞、 動物細胞などが挙げられる。 また、 本発明の受容体を発現した宿主細胞は、 前 述の本発明のポリペプチドを含有する発現べクタ一で形質転換された形貲転換 体の製造方法と同様の方法などがあげられる。
膜画分としては、 細胞を破碎した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く含 まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Po t ter— Elvehj em型ホモ ジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ワ リンダブレンダ一やポリトロン
(Kinemat i ca社製) による破砕、 超音波による破碎、 フレンチプレスなどで加 圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破碎などがあげられる。 細胞膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による 分画法が主として用いられる。 例えば、 細胞破碎液を低速 (500〜3000卬111) で 短時間 (通常、 約 1〜10分) 遠心し、 上清をさらに高速 (15000〜30000rpm) で 通常 3 0分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分とする。 該膜画分中には、 発現した本発明の受容体と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く 含まれる。
該本発明の受容体を含有する細胞や膜画分中の本発明の受容体の量は、 1細胞 当たり 103〜108分子であるのが好ましく、 105〜107分子であるのが好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性 (比活性) が高くな り、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、 同一ロット で大量の試料を測定できるようになる。
本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物 (本
発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物) をスクリーニングす る前記の (a) 〜 (c) を実施するために'は、 適当な本発明の受容体画分と、 標 識された本発明のポリペプチドなどが用いられる。 本発明の受容体画分として は、 天然型の本発明の受容体画分か、 またはそれと同等の活性を有する組換え 型本発明の受容体画分などが望ましい。 ここで、 同等の活性とは、 同等のリガ ンド結合活性などを示す。 標識されたポリペプチドとしては、 例えば 〔¾〕 、 〔1251〕 、 〔14C〕 、 C35S] などで標識されたポリペプチドなどを利用すること ができる。 このうち好ましくは、 〔1251〕 で標識されたポリペプチドである。 具体的には、 本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させ る化合物のスクリーニングを行うには、 まず本発明の受容体を含有する細胞ま たは細胞の膜画分を、 スクリーニングに適したバッファ一に懸濁することによ りレセプ夕一標品を調製する。 バッファ一には、 pH4〜10 (望ましくは p H6〜8) のリン酸バッファー、 トリス一塩酸バッファ一などのリガンドとレ セプ夕一との結合を阻害しないバッファ一であればいずれでもよい。 また、 非 特異的結合を低減させる目的で、 CHAPS、 Twe e n— 80TM (花王—ァ トラス社) 、 ジギトニン、 デォキシコレートなどの界面活性剤をバッファ一に 加えることもできる。 さらに、 プロテアーゼによる本発明の受容体や本発明の ポリペプチドの分解を抑える目的で PMS F、 ロイぺプチン、 E—64 (ぺプ チド研究所製) 、 ぺプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもで きる。 0.01〜10mlの該レセプ夕一溶液に、 一定量 (5000〜500000cpm) の標識さ れた本発明のポリペプチドを添加し、 同時に 10— 1D〜1(T7Mの試験化合物を共存さ せる。 非特異的結合量 (NSB) を知るために大過剰の未標識の本発明のポリ ペプチドを加えた反応チューブも用意する。 反応は 0〜50°C、 望ましくは 4〜 37°Cで 20分〜 24時間、 望ましくは 30分〜 3時間行う。 反応後、 ガラス繊維濾紙等 で濾過し、 適量の同バッファーで洗浄した後、 ガラス繊維濾紙に残存する放射 活性を液体シンチレーシヨンカウンターまたはァーカウンタ一で計測する。 拮 抗する物質がない場合のカウント(B。) から非特異的結合量 (NSB) を引い たカウント (B。一 NSB) を 100%とした時、 特異的結合量 (B— NSB) が 例えば 50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択す
ることができる。
本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物 (本 発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物) をスクリーニングす る前記の (d) 〜 (e) の方法を実施するためには、 本発明の受容体を介する細 胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 + 遊離、 細胞内 c AM P生成 Z抑制、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸 産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p H の低下、 G T Pァ S結合活性などを促進する活性または抑制する活性など) を 公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定することができる。 具体的 には、 まず、 本発明の受容体を含有する細胞をマルチウエルプレート等に培養 する。 スクリーニングを行うにあたっては前もつて新鮮な培地あるいは細胞に 毒性を示さない適当なバッファーに交換し、 試験化合物などを添加して一定時 間インキュベートした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回収して、 生成した産 物をそれぞれの方法に従って定量する。 細胞刺激活性の指標とする物質 (例え ば、 ァラキドン酸など) の生成が、 細胞が含有する分解酵素によって検定困難 な場合は、 該分解酵素に対する阻害剤を添加してアツセィを行なってもよい。 また、 c AM P産生抑制などの活性については、 フオルスコリンなどで細胞の 基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出するこ とができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、 適当な本発明の受容 体を発現した細胞が必要である。 本発明の受容体を発現した細胞としては、 前 述の本発明の受容体発現細胞株などが望ましい。
試験化合物としては、 例えばペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合成 化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などがあげら れる。
本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物 (本 発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物) またはその塩のスク リーニング用キットは、 本発明の受容体またはその塩、 本発明の受容体の部分 ペプチドまたはその塩、 本発明の受容体を含有する細胞、 あるいは本発明の受
容体を含有する細胞の膜画分、 および本発明のポリペプチドを含有するもので ある。. '
本発明のスクリーニング用キットの例としては、 次のものが挙げられる。
1. スクリーニング用試薬
(a) 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製) に、 0.05%のゥシ血清ァ ルブミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0.45 mのフィルタ一で濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは用 時調製しても良い。
(b) 本発明の受容体標品
本発明の受容体を発現させた CHO細胞を、 12穴プレートに 5 X 105個 /穴で継代し、 37 、 5 %C02、 95 % a i rで 2日間培養したもの。
(c) 標識リガンド
〔¾〕 、 〔 I〕 、 〔14C〕 、 〔 〕 などで標識された本発明のポリペプチドを 適当な溶媒または緩衝液に溶解したものを 4°Cあるいは— 20 にて保存し、 用時に測定用緩衝液にて 1 Mに希釈する。
(d) リガンド標準液
本発明のポリペプチドを 0.1 %ゥシ血清アルブミン (シグマ社製) を含む P ' B Sで ImMとなるように溶解し、 — 20°Cで保存する。
. 2. 測定法
(a) 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の受容体を発現させた細胞 を、 測定用緩衝液 1 m 1で 2回洗浄した後、 490 1の測定用緩衝液を各穴 に加える。
(b) 10— 3〜10—1DMの試験化合物溶液を 5 21加えた後、 標識された本 ¾明のべ プチドを 5 1加え、 室温にて 1時間反応させる。 非特異的結合量を知るため には試験ィヒ合物の代わりに 10一3 Mの本発明のポリペプチドを 5 ^ 1加えてお
(c) 反応液を除去し、 lmlの洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。 細胞に結合した 標識された本発明のポリペプチドを 0.2N NaOH— 1 %SDSで溶解し、
4m 1の液体シンチレーター A (和光純薬製) と混合する。
(d) 液体シンチレ一シヨンカウンタ一 (ベックマン社製) を用いて放射活性を 測定し、 Percent Maximum Binding (PMB) を次の式 〔数 1〕 で求める。 〔数 1〕
PMB= [ (B-NSB) Z (B。— NSB) ] X 100
PMB: Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB: Non-specific Binding (非特異的結合量)
B。 :最大結合量
上記スクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化 合物またはその塩は、 本発明のポリぺプチドと本発明の受容体との結合を変化 させる (結合を阻害あるいは促進する) 化合物 (本発明のポリペプチドの活性 を促進または阻害する化合物) であり、 具体的には本発明の受容体を介して細 胞剌激活性を有する化合物またはその塩 (いわゆる本発明の受容体ァゴニス ト) 、 あるいは該剌激活性を有しない化合物 (いわゆる本発明の受容体アンタ ゴニスト) である。 該化合物としては、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合 物、 合成化合物、 発酵生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物で あってもよいし、 公知の化合物であってもよい。
上記本発明の受容体ァゴニストであるかアンタゴニストであるかの具体的な 評価方法は以下の (i),または (ii) に従えばよい。
(0前記 (a) 〜 (c) のスクリーニング方法で示されるバインディング ·アツ セィを行い、 本発明のポリぺプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる (特に、 結合を阻害する) 化合物を得た後、 該化合物が上記した本発明の受容 体を介する細胞刺激活性を有しているか否かを測定する。 細胞刺激活性を有す る化合物またはその塩は本発明の受容体ァゴニストであり、 該活性を有しない 化合物またはその塩は本発明の受容体アン夕ゴニストである。
(ii) (a)試験化合物を本発明の受容体を含有する細胞に接触させ、 上記本発明 の受容体を介した細胞刺激活性を測定する。 細胞刺激活性を有する化合物また はその塩は本発明の受容体ァゴニストである。
(b) 本発明の受容体を活性化する化合物 (例えば、 本発明のポリペプチドまた は本発明の受容体ァゴニストなど) を本発明の受容体を含有する細胞に接触さ せた場合と、 本発明の受容体を活性化する化合物および試験化合物を本発明の 受容体を含有する細胞に接触させた場合における、 本発明の受容体を介した細 胞剌激活性を測定し、 比較する。 本発明の受容体を活性化する化合物による細 胞刺激活性を減少させ得る化合物またはその塩は本発明の受容体アン夕ゴニス トである。
上記本発明の受容体ァゴニストは、 本発明の受容体に対する本発明のポリべ プチドが有する生理活性と同様の作用を有しているので、 本発明のポリべプチ ドと同様に抗利尿剤として有用であり、 安全で低毒性な、 蓄尿障害 〔例、 頻尿、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧性尿失禁、 機能性尿失禁など) など〕 、 多尿 症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性尿崩症など) 、 高ナトリウム血症、 代 謝性アルカローシス、 低カリウム血症、 Cushing症候群などの予防 ·治療剤など として使用することができる。 好ましくは、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧 性尿失禁、 機能性尿失禁など) 、 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性 尿崩症など) 、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカロ一シス、 低カリウム血症、 Cushing症候群などの予防 ·治療剤などとして使用することができる。
上記本発明の受容体アン夕ゴニストは、 本発明の受容体に対する本発明のポ リぺプチドが有する生理活性を抑制することができるので、 利尿剤として有用 であり、 安全で低毒性な、 腎性浮腫、 尿排出障害 (例、 膀胱収縮障害、 尿道通 過障害、 排尿困難、 排尿痛、 尿路閉塞など) 、 低ナトリウム血症、 抗利尿ホル モン分泌不適症候群 (SIADH) 、 高血圧などの予防 ·治療剤などして使用するこ とができる。
本発明のスクリ一ニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られ る化合物またはその塩は、 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿な どから選ばれた化合物であり、 本発明のポリぺプチドの活性または機能を促進 または阻害する化合物である。
該化合物の塩としては、 前記した本発明のポリペプチドの塩と同様のものが
用いられる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られ る化合物を上述の予防 ·治療剤として使用する場合、 常套手段に従って実施す ることができる。 例えば、 前記した本発明のポリペプチドを含有する医薬と同 様にして、 錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤、 無菌性溶 液、 懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトまた は温血動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 トリ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) に対して投与することができる。 該化合物またはその塩の投与量は、 その作用、 対象疾患、 投与対象、 投与ル ートなどにより差異はあるが、 例えば、 尿崩症の治療の目的で本発明のポリべ プチドの活性を促進する化合物を皮下投与する場合、 一般的に成人 (体重 60kg 当たり) においては、 一日につき該ィ匕合物を約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜 50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 他の動物の場合も、 60kg当たりに 換算した量を投与することができる。
また、 例えば、 腎性浮腫の治療の目的で本発明のポリペプチドの活性を阻害 する化合物を皮下投与する場合、 一般的に成人 (体重 60kg当たり) においては、 一日につき該化合物を約 0. 1〜100m g、 好ましくは約 1. 0〜50m g、 より好まし くは約 1. 0〜20mg投与する。 他の動物の場合も、 60kg当たりに換算した量を投与 することができる。
( 3 ) 本発明のポリペプチドまたは受容体の定量
本発明の抗体は、 本発明のポリペプチドまたは受容体を特異的に認識するこ とができるので、 被検波中の本発明のポリペプチドまたは受容体の定量、 特に サンドィツチ免疫測定法による定量などに使用することができる。
本発明は、
(i) 本発明の抗体と、 被検液および標識化された本発明のポリペプチドまたは 受容体とを競合的に反応させ、 該抗体に結合した標識化された本発明のポリべ プチドの割合を測定することを特徴とする被検液中の本発明のポリぺプチドの
定量法、 および
(i i) 被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の 別の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化担体上の標識剤の 活性を測定することを特徴とする被検波中の本発明のポリぺプチドまたは受容 体の定量法を提供する。
上記 (i i) の定量法においては、 一方の抗体が本発明のポリペプチドまたは 受容体の N端部を認識する抗体で、 他方の抗体が本発明のポリぺプチドまたは 受容体の C端部に反応する抗体であることが望ましい。
また、 本発明のポリぺプチドまたは受容体に対するモノクローナル抗体を用 いて本発明のポリペプチドまたは受容体の定量を行うことができるほか、 組織 染色等による検出を行なうこともできる。 これらの目的には、 抗体分子そのも のを用いてもよく、 また、 抗体分子の F (ab' ) 2、 Fab'、 あるいは Fab画分を用い てもよい。
本発明の抗体を用いる本発明のポリペプチドまたは受容体の定量法は、 特に 制限されるべきものではなく、 被測定液中の抗原量 (例えば、 ポリペプチド 量) に対応した抗体、 抗原もしくは抗体一抗原複合体の量を化学的または物理 的手段により検出し、 これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準 曲線より算出する測定法であれば、 いずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 ネフロメトリー、 競合法、 ィムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に 用いられるが、 感度、 特異性の点で、 後述するサンドイッチ法を用いるのが特 に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、 例えば、 放射性同位 元素、 酵素、 蛍光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例えば、 〔1251〕 、 〔1311〕 、 〔¾〕 、 〔14c〕 などが用いられる。 上記酵素とし ては、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 ;3—ガラクトシダーゼ、 /3—ダルコシダーゼ、 アルカリフォスファタ一ゼ、 パ一ォキシダーゼ、 リンゴ 酸脱水素酵素などが用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フルォレスカミ ン、 フルォレツセンイソチオシァネートなどが用いられる。 発光物質としては、 例えば、 ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなどが用
いられる。 さらに、 抗体あるいは抗原と標識剤との結合にピオチン一アビジン 系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常 ポリペプチドあるいは酵素等を不溶化、 固定化するのに用いられる化学結合を 用いる方法でもよい。 担体としては、 ァガロース、 デキストラン、 セルロース などの不溶性多糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコン等の合成 樹脂、 あるいはガラス等があげられる。
サンドィツチ法においては不溶化した本発明のモノク口一ナル抗体に被検液 を反応させ (1次反応) 、 さらに標識化した別の本発明のモノクロ一ナル抗体 を反応させ (2次反応) たのち、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定すること により被検液中の本発明のポリぺプチド量を定量することができる。 1次反応 と 2次反応は逆の順序に行っても、 また、 同時に行なってもよいし時間をずら して行なってもよい。 標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じるこ とができる。 また、 サンドイッチ法による免疫測定法において、 固相用抗体あ るいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも 1種類である必要はなく、 測定 感度を向上させる等の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドイッチ法による本発明のポリペプチドの測定法においては、
1次反応と 2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、 本発明のポ リぺプチドの結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。 すなわち、 1次反応および 2次反応に用いられる抗体は、 例えば、 2次反応で用いられる 抗体が、 本発明のポリペプチドの C端部を認識する場合、 1次反応で用いられ る抗体は、 好ましくは C端部以外、 例えば N端部を認識する抗体が用いられる。 本発明のモノクローナル抗体をサンドィツチ法以外の測定システム、 例えば、 競合法、 ィムノメトリック法あるいはネフロメトリ一などに用いることができ る。
競合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させ たのち、 未反応の標識抗原(F ) と、 抗体と結合した標識抗原 (B) とを分離し
(BZF分離) 、 B , Fいずれかの標識量を測定し、 被検波中の抗原量を定量 する。 本反応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 B / F分離をポリエチレ
ングリコール、 前記钪体に対する第 2坊体などを用いる液相法、 および、 第 1 抗体として固相化抗体を用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い 第 2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、 被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化 - 抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、 あるいは、 被検液中 の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、 次に固相化抗原を加え未反応の標 識化抗体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの 相の標識量を測定し被検波中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメトリ一では、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生 じた不溶性の沈降物の量を測定する。 被検液中の抗原量が僅かであり、 少量の 沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメト リーなどが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、 特別の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の 条件、 操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のポリペプチドの測 定系を構築すればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細については、 総説、 成書などを参照することができる。
例えば、 入江 寛編 「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 5 4年発行) 、 石川栄 治ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 5 3年発行) 、 石川栄治ら編 「酵 素免疫測定法」 (第 2版) (医学書院、 昭和 5 7年発行) 、 石川栄治ら編 「酵 素免疫測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 6 2年発行) 、 「Methods in ENZYMOLOGYJ Vol . 70 (Immunochemical Techniques (Par t A) )、 同書 Vol .
73 (1画 nochemical Techniques (Part B))、 同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part C))、 同書 Vol . 84 (Immunochemical Techniques (Part D : Selected Immunoassays) ) , 同書 Vol . 92 (Immunochemical Techniques (Part E : Monoclonal Ant ibodies and General Immunoassay Methods) )、 同書 Vol. 121 (Iinmnochemical Techniques (Par t I : Hybr idoma Technology and
Monoclonal Ant ibodies) ) (以上、 アカデミックプレス社発行)などを参照するこ
とができる。
以上のようにして、 本発明の抗体を用いることによって、 本発明のポリぺプ チドまたは受容体を感度良く定量することができる。
本発明の抗体を用いて本発明のポリペプチドまたは受容体の濃度を定量する ことによって、 本発明のポリペプチドまたは受容体の濃度の減少が検出された 場合、 例えば、 蓄尿障害 〔例、 頻尿、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧性尿失 禁、 機能性尿失禁など) など〕 、 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性 尿崩症など) 、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカローシス、 低カリウム血症、 Cushing症候群などの疾病である、 または将来罹患する可能性が高いと診断する ことができる。
また、 本発明のポリペプチドまたは受容体の濃度の増加が検出された場合に は、 例えば、 腎性浮腫、 尿排出障害 (例、 膀胱収縮障害、 尿道通過障害、 排尿 困難、 排尿痛、 尿路閉塞など) 、 低ナトリウム血症、 抗利尿ホルモン分泌不適 症候群 (SIADH) 、 高血圧などの疾病である、 または将来罹患する可能性が高い と診断することができる。
また、 本発明の抗体は、 体液や組織などの被検体中に存在する本発明のポリ ペプチドまたは受容体を検出するために使用することができる。 また、 本発明 のポリべプチドまたは受容体を精製するために使用する抗体カラムの作製、 精 製時の各分画中の本発明のポリぺプチドまたは受容体の検出、 被検細胞内にお ける本発明のポリペプチドまたは受容体の挙動の分析などのために使用するこ とができる。
( 4 ) 遺伝子診断薬
本発明の D NAは、 例えば、 プローブとして使用することにより、 ヒトまた は温血動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 トリ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 など) における本発明のポリペプチド をコードする D NAまたは mR NAの異常 (遺伝子異常) を検出することがで きるので、 例えば、 該 D NAまたは mR NAの損傷、 突然変異あるいは発現低 下や、 該 D N Aまたは m R N Aの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断薬と
して有用である。
本発明の D N Aを用いる上記の遺伝子診断は、 例えば、 公知のノーザンハイ ブリダィゼ一シヨンや P C R— S S C P法 (Genomi cs, 第 5巻, 874— 879頁
(1989年) 、 Proceed ings of the Nat i onal Academy of Sc i ences of the Uni ted S tates o f Amer i ca, 第 86巻, 2766— 2770頁 (1989年) ) などにより実 施することができる。
例えば、 ノーザンハイブリダイゼ一シヨンにより本発明のポリぺプチドまた は受容体の遺伝子の発現低下が検出された場合は、 例えば、 蓄尿障害 〔例、 頻 尿、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧性尿失禁、 機能性尿失禁など) など〕 、 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性尿崩症など) 、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカローシス、 低カリウム血症、 Cushing症候群などの疾病である可能 性が高い、 または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、 ノ一ザンハイプリダイゼーシヨンにより本発明のポリぺプチドまたは 受容体の遺伝子の発現過多が検出された場合は、 例えば、 腎性浮腫、 尿排出障 害 (例、 膀胱収縮障害、 尿道通過障害、 排尿困難、 排尿痛、 尿路閉塞など) 、 低ナトリウム血症、 抗利尿ホルモン分泌不適症候群 (S IADH) 、 高血圧などの疾 病である可能性が高い、 または将来罹患する可能性が高いと診断することがで さる。 ( 5 ) アンチセンス D N Aを含有する医薬
本発明のアンチセンス D NAは、 利尿剤などとして使用することができ、 例 えば、 腎性浮腫、 尿排出障害 (例、 膀胱収縮障害、 尿道通過障害、 排尿困難、 排尿痛、 尿路閉塞など) 、 低ナトリウム血症、 抗利尿ホルモン分泌不適症候群 (SIADH) 、 高血圧などの予防 ·治療剤などとして使用することができる。
例えば、 該アンチセンス D N Aを用いる場合、 該アンチセンス D N Aを単独 あるいはレトロウイルスベクター、 アデノウイルスベクター、 アデノウイルス ァソシエーテツドウィルスベクタ一などの適当なベクターに挿入した後、 常套 手段に従って実施することができる。 該アンチセンス D NAは、 そのままで、 あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製
剤化し、 遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与 できる。
さらに、 該アンチセンス D N Aは、 組織や細胞における本発明の D N Aの存 在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使 用することもできる。
( 6 ) 本発明の抗体を含有する医薬
本発明のポリペプチドを中和する作用を有する本発明の抗体は、 例えば利尿 剤などとして使用することができ、 例えば、 腎性浮腫、 尿排出障害 (例、 膀胱 収縮障害、 尿道通過障害、 排尿困難、 排尿痛、 尿路閉塞など) 、 低ナトリウム 血症、 抗利尿ホルモン分泌不適症候群 (SIADH) 、 高血圧などの予防 ·治療剤と して有用である。
本発明の抗体を含有する上記疾患の剤は、 そのまま液剤として、 または適当 な剤型の医薬組成物として、 ヒトまたは哺乳動物 (例、 ラット、 ゥサギ、 ヒッ ジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して経口的または非経口的に投 与することができる。 投与量は、 投与対象、 対象疾患、 症状、 投与ルートなど によっても異なるが、 例えば、 成人の腎性浮腫の治療のために使用する場合に は、 本発明の抗体を 1回量として、 通常 0. 01〜20mg/kg体重程度、 好ましくは 0. l〜10mg/kg体重程度、 さらに好ましくは 0. l〜5mg/kg体重程度を、 1日 1〜 5 回程度、 好ましくは 1日 1〜3回程度、 静脈注射により投与するのが好都合で ある。 他の非経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投与すること ができる。 症状が特に重い場合には、 その症状に応じて増量してもよい。
本発明の抗体は、 それ自体または適当な医薬組成物として投与することがで きる。 上記投与に用いられる医薬組成物は、 上記またはその塩と薬理学的に許 容され得る担体、 希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。 かかる組成物は、 経口または非経口投与に適する剤形として提供される。
すなわち、 例えば、 経口投与のための組成物としては、 固体または液体の剤 形、 具体的には錠剤 (糖衣錠、 フィルムコーティング錠を含む) 、 丸剤、 顆粒 剤、 散剤、 カプセル剤 (ソフトカプセル剤を含む) 、 シロップ剤、 乳剤、 懸濁
剤などがあげられる。 かかる組成物は公知の方法によって製造され、 製剤分野 において通常用いられる担体、 希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。 例えば、 錠剤用の担体、 賦形剤としては、 乳糖、 でんぷん、 蔗糖、 ステアリン 酸マグネシゥムなどが用いられる。
非経口投与のための組成物としては、 例えば、 注射剤、 坐剤などが用いられ、 注射剤は静脈注射剤、 皮下注射剤、 皮内注射剤、 筋肉注射剤、 点滴注射剤など の剤形を包含する。 かかる注射剤は、 公知の方法に従って、 例えば、 上記抗体 またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、 懸 濁または乳化することによって調製する。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが用いられ、 適当な 溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン界面活性剤 〔例、 ポリソルべ一ト 8 0、 H C O - 5 0 (polyoxyethyl ene (50mo l) adduc t of hydrogenated cas tor oi l) 〕 などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジ ルアルコールなどを併用してもよい。 調製された注射液は、 通常、 適当なアン プルに充填される。 直腸投与に用いられる坐剤は、 上記抗体またはその塩を通 常の坐薬用基剤に混合することによって調製される。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、 活性成分の投与量に適合するよ うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。 かかる投薬単位の剤形 としては、 錠剤、 丸剤、 カプセル剤、 注射剤 (アンプル) 、 坐剤などが例示さ れ、 それぞれの投薬単位剤形当たり通常 5〜500mg、 とりわけ注射剤では 5〜 100mg、 その他の剤形では 10〜250mgの上記抗体が含有されていることが好まし い。
なお前記した各組成物は、 上記抗体との配合により好ましくない相互作用を 生じない限り他の活性成分を含有してもよい。
( 7 ) D NA転移動物
外来性の本発明のポリペプチドまたは受容体をコ一ドする D NA (以下、 本
発明の外来性 DNAと略記する) またはその変異 DNA (本発明の外来性変異 DNAと略記する場合がある) を有する非ヒト哺乳動物も、 利尿剤などをスク リーニングするために用いられる。
本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを有する非ヒト哺乳動物 (以下、 本発明の DN A転移動物と略記する) は、 未受精卵、 受精卵、 精子およびその 始原細胞を含む胚芽細胞などに対して、 好ましくは、 非ヒト哺乳動物の発生に おける胚発生の段階 (さらに好ましくは、 単細胞または受精卵細胞の段階でか つ一般に 8細胞期以前) に、 リン酸カルシウム法、 電気パルス法、 リボフェク シヨン法、 凝集法、 マイクロインジェクション法、 パーティクルガン法、 DE AE—デキストラン法などにより目的とする DN Aを転移することによって作 出することができる。 また、 該 DNA転移方法により、 体細胞、 生体の臓器、 組織細胞などに目的とする本発明の外来性 DNAを転移し、 細胞培養、 組織培 養などに利用することもでき、 さらに、 これら細胞を上述の胚芽細胞と公知の 細胞融合法により融合させることにより本発明の DN A転移動物を作出するこ ともできる。
非ヒト哺乳動物としては、 例えば、 ゥシ、 ブタ、 ヒッジ、 ャギ、 ゥサギ、 ィ ヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 マウス、 ラットなどが用いられる。 なか でも、 病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的 短く、 また、 繁殖が容易なゲッ歯動物、 とりわけマウス (例えば、 純系として、 C57BLZ6系統, DBA2系統など、 交雑系として、 BSCSFi系統, BDF1系統, BeDSFi系統, BALBZc系統, I CR系統など) または ラット (例えば、 Wi s t a r, SDなど) などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける 「哺乳動物」 としては、 上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。 本発明の外来性 DNAとは、 非ヒト哺乳動物が本来有している本発明の DN Aではな.く、 いったん哺乳動物から単離 ·抽出された本発明の DNAをいう。 本発明の変異 DNAとしては、 元の本発明の DN Aの塩基配列に変異 (例え ば、 突然変異など) が生じたもの、 具体的には、 塩基の付加、 欠損、 他の塩基
への置換などが生じた D NAなどが用いられ、 また、 異常 D NAも含まれる。 該異常 D N Aとしては、 異常な本発明のポリペプチドまたは受容体を発現さ せる D NAを意味し、 例えば、 正常な本発明のポリペプチドまたは受容体の機 能を抑制するポリぺプチドを発現させる D N Aなどが用いられる。
本発明の外来性 D NAは、 対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺 乳動物由来のものであってもよい。 本発明の D N Aを対象動物に転移させるに あたつては、 該 D N Aを動物細胞で発現させうるプロモー夕一の下流に結合し た D NAコンストラクトとして用いるのが一般に有利である。 例えば、 本発明 のヒト D NAを転移させる場合、 これと相同性が高い本発明の D NAを有する 各種哺乳動物 (例えば、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラッ ト、 マウスなど) 由来の D NAを発現させうる各種プロモーターの下流に、 本 発明のヒト D N Aを結合した D N Aコンストラクト (例、 ベクタ一など) を対 象哺乳動物の受精卵、 例えば、 マウス受精卵へマイクロインジェクションする ことによって本発明の D NAを高発現する D N A転移哺乳動物を作出すること ができる。
本発明のポリペプチドまたは受容体の発現ベクターとしては、 大腸菌由来の プラスミド、 枯草菌由来のプラスミド、 酵母由来のプラスミド、 λファージな どのバクテリオファージ、 モロニ一白血病ウィルスなどのレトロウイルス、 ヮ クシニアウイルスまたはバキュロウィルスなどの動物ウィルスなどが用いられ る。 なかでも、 大腸菌由来のプラスミド、 枯草菌由来のプラスミドまたは酵母 由来のプラスミドなどが好ましく用いられる。
上記の D N A発現調節を行なうプロモーターとしては、 例えば、 (a) ウィル ス (例、 シミアンウィルス、 サイトメガロウィルス、 モロニ一白血病ウィルス、 J Cウィルス、 乳癌ウィルス、 ポリオウイルスなど) に由来する D NAのプロ モーター、 (b) 各種哺乳動物 (ヒト、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハム スター、 ラット、 マウスなど) 由来のプロモ一夕一、 例えば、 アルブミン、 ィ ンスリン I I、 ゥロブラキン I I、 エラスターゼ、 エリスロポエチン、 エンド セリン、 筋クレアチンキナ一ゼ、 グリア線維性酸性蛋白質、 ダル夕チオン S— トランスフェラ一ゼ、 血小板由来成長因子 j3、 ケラチン K 1 , 1 0ぉょび
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14、 コラーゲン I型および I I型、 サイクリック AMP依存蛋白質キナーゼ /3 1サブユニット、 ジストロフィン、 酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、 心房ナトリウム利尿性因子、 内皮レセプターチ口シンキナーゼ (一般に T i e. 2と略される) 、 ナトリウムカリウムアデノシン 3リン酸化酵素 (Na, K一 ATP a s e) 、 ニューロフィラメント軽鎖、 メタ口チォネイン Iおよび I I 、 A、 メタ口プロティナーゼ 1組織インヒビター、 MHCクラス ΙΪ¾原 (H— 2 L) 、 H— r a s、 レニン、 ド一パミン j8—水酸化酵素、 甲状腺ペルォキシダ ーゼ (TPO) 、 ポリペプチド鎖延長因子 1ひ (EF- 1 ) 、 βァクチン、 a および /3ミオシン重鎖、 ミオシン軽鎖 1および 2、 ミエリン基礎蛋白質、 チロ グロブリン、 Thy— 1、 免疫グロブリン、 H鎖可変部 (VNP) 、 血清アミ ロイド Pコンポーネント、 ミオグロビン、 トロポニン (:、 平滑筋 aァクチン、 プレプロエンケフアリン A、 バソプレシンなどのプロモ一夕一などが用いられ る。 なかでも、 全身で高発現することが可能なサイトメガロウィルスプロモー 夕一、 ヒトポリペプチド鎖延長因子 1 ひ (EF- 1 ) のプロモーター、 ヒト およびニヮトリ)3ァクチンプロモーターなどが好適である。
上記ベクターは、 DNA転移哺乳動物において目的とするメッセンジャー R NAの転写を終結する配列 (一般に夕一ミネタ一と呼ばれる) を有しているこ とが好ましく、 例えば、 ウィルス由来および各種哺乳動物由来の各 DNAの配 列を用いることができ、 好ましくは、 シミアンウィルスの SV40ターミネタ —などが用いられる。
その他、 目的とする外来性 DNAをさらに高発現させる目的で各 DNAのス プライシングシグナル、 ェンハンサ一領域、 真核 DNAのイントロンの一部な どをプロモーター領域の 5 '上流、 プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻 訳領域の 3 '下流 に連結することも目的により可能である。
正常な本発明のポリペプチドまたは受容体の翻訳領域は、 ヒトまたは各種哺 乳動物 (例えば、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラット、 マ ウスなど) 由来の肝臓、 腎臓、 甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 DN Aおよび市販 の各種ゲノム DN Aライブラリ一よりゲノム DN Aの全てあるいは一部として、 または肝臓、 腎臓、 甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 RNAより公知の方法により
調製された相補 D NAを原料として取得することが出来る。 また、 外来性の異 常 D N Aは、 上記の細胞または組織より得られた正常なポリぺプチドの翻訳領 域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作製することができる。
該翻訳領域は転移動物において発現しうる D NAコンストラクトとして、 前 記のプロモーターの下流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通 常の D N A工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 D N Aの転移は、 対象哺乳動物の胚 芽細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。 D N A転移後の作 出動物の胚芽細胞において、 本発明の外来性 D NAが存在することは、 作出動 物の後代がすべて、 その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 D N Aを保持することを意味する。 本発明の外来性 D N Aを受け継いだこの種の動 物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 D N Aを有す る。
本発明の外来性正常 D NAを転移させた非ヒト哺乳動物は、 交配により外来 性 D NAを安定に保持することを確認して、 該 D NA保有動物として通常の飼 育環境で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 D NAの転移は、 対象哺乳動物の胚 芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。 D NA転移後 の作出動物の胚芽細胞において本発明の外来性 D NAが過剰に存在することは、 作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 D N Aを過剰に有することを意味する。 本発明の外来性 D NAを受け継いだこの種 の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 D N Aを過 剰に有する。
導入 D NAを相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌 雄の動物を交配することによりすべての子孫が該 D N Aを過剰に有するように 繁殖継代することができる。
本発明の正常 D NAを有する非ヒト哺乳動物は、 本発明の正常 D NAが高発 現させられており、 内在性の正常 D N Aの機能を促進することにより最終的に 本発明のポリぺプチドの機能亢進症を発症することがあり、 その病態モデル動
物として利用することができる。 例えば、 本発明の正常 D NA転移動物を用い て、 本発明のポリペプチドの機能亢進症や、 本発明のポリペプチドが関連する 疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可 能である。
また、 本発明の外来性正常 D N Aを転移させた哺乳動物は、 遊離した本発明 のポリぺプチドの増加症状を有することから、 本発明のポリぺプチドに関連す る疾患に対する治療薬のスクリーニング試験にも利用可能である。
一方、 本発明の外来性異常 D NAを有する非ヒト哺乳動物は、 交配により外 来性 D N Aを安定に保持することを確認して該 D N A保有動物として通常の飼 育環境で継代飼育することが出来る。 さらに、 目的とする外来 D NAを前述の プラスミドに組み込んで原料として用いることができる。 プロモーターとの D NAコンストラク卜は、 通常の D NA工学的手法によって作製することができ る。 受精卵細胞段階における本発明の異常 D NAの転移は、 対象哺乳動物の胚 芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保される。 D N A転移後の作出 動物の胚芽細胞において本発明の異常 D N Aが存在することは、 作出動物の子 孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常 D N Aを有すること を意味する。 本発明の外来性 D N Aを受け継いだこの種の動物の子孫は、 その 胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常 D N Aを有する。 導入 D NAを相 同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌雄の動物を交配す ることによりすべての子孫が該 D N Aを有するように繁殖継代することができ る。
本発明の異常 D NAを有する非ヒト哺乳動物は、 本発明の異常 D NAが高発 現させられており、 内在性の正常 D N Aの機能を阻害することにより最終的に 本発明のポリぺプチドの機能不活性型不応症となることがあり、 その病態モデ ル動物として利用することができる。 例えば、 本発明の異常 D N A転移動物を 用いて、 本発明のポリペプチドの機能不活性型不応症の病態機序の解明および この疾患を治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、 具体的な利用可能性としては、 本発明の異常 D N A高発現動物は、 本 発明のポリぺプチドの機能不活性型不応症における本発明の異常ポリぺプチド
による正常ポリペプチドの機能阻害 (dominant negat ive作用) を解明するモデ Jレとなる。
また、 本発明の外来異常 D N Aを転移させた哺乳動物は、 遊離した本発明の ポリぺプチドの増加症状を有することから、 本発明のポリぺプチドまたはの機 能不活性型不応症に対する治療薬スクリーニング試験にも利用可能である。 また、 上記 2種類の本発明の D N A転移動物のその他の利用可能性として、 例えば、
(a) 組織培養のための細胞源としての使用、
(b) 本発明の D N A転移動物の組織中の D NAもしくは R NAを直接分析する か、 または D NAにより発現されたポリペプチド組織を分析することによる、 本発明のポリぺプチドにより特異的に発現あるいは活性化するポリぺプチドと の関連性についての解析、
(c) D NAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、 これらを使 用して、 一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
(d) 上記 (c) 記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬剤 のスクリーニング、 および
(e) 本発明の変異ポリべプチドを単離精製およびその抗体作製などが考えられ る。
さらに、 本発明の D NA転移動物を用いて、 本発明のポリペプチドの機能不 活性型不応症などを含む、 本発明のポリペプチドまたは受容体に関連する疾患 の臨床症状を調べることができ、 また、 本発明のポリペプチドまたは受容体に 関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得られ、 新し い治療方法の開発、 さらには、 該疾患による二次的疾患の研究および治療に貢 献することができる。
また、 本発明^) D N A転移動物から各臓器を取り出し、 細切後、 トリプシン などの蛋白質分解酵素により、 遊離した D NA転移細胞の取得、 その培養また はその培養細胞の系統化を行なうことが可能である。 さらに、 本発明のポリべ プチドまたは受容体産生細胞の特定化、 アポトーシス、 分化あるいは増殖との 関連性、 またはそれらにおけるシグナル伝達機構を調べ、 それらの異常を調べ
ることなどができ、 本発明のポリぺプチドまたは受容体およびその作用解明の ための有効な研究材料となる。
さらに、 本発明の D N A転移動物を用いて、 本発明のポリペプチドまたは受 容体の機能不活性型不応症を含む、 本発明のポリぺプチドまたは受容体に関連 する疾患の治療薬の開発を行なうために、 上述の検査法および定量法などを用 いて、 有効で迅速な該疾患治療薬のスクリ一ニング法を提供することが可能と なる。 また、 本発明の D N A転移動物または本発明の外来性 D N A発現べクタ 一を用いて、 本発明のポリペプチドが関連する疾患の D NA治療法を検討、 開 発することが可能である。
( 8 ) ノックアウト動物
本発明の D N Aが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞および本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物も、 抗利尿剤をスクリーニングするために用いら れる。
本発明の D NAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、 該非ヒト哺 乳動物が有する本発明の D N Aに人為的に変異を加えることにより、 D NAの 発現能を抑制するか、 もしくは該 D N Aがコードしている本発明のポリぺプチ ドの活性を実質的に喪失させることにより、 D N Aが実質的に本発明のポリぺ プチドの発現能を有さない (以下、 本発明のノックアウト D NAと称すること がある) 非ヒト哺乳動物の胚幹細胞 (以下、 E S細胞と略記する) をいう。 非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の D NAに人為的に変異を加える方法としては、 例えば、 遺伝子工学 的手法により該 D N A配列の一部又は全部の削除、 他 D NAを挿入または置換 させることによって行なうことができる。 これらの変異により、 例えば、 コド ンの読み取り枠をずらしたり、 プロモーターあるいはェキソンの機能を破壊す ることにより本発明のノックアウト D NAを作製すればよい。
' 本発明の D N Aが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞 (以下、 本発明の D NA不活性化 E S細胞または本発明のノックアウト E S細胞と略記する) の 具体例としては、 例えば、 目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明の D NA
を単離し、 そのェキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、 ハイグロマイシン耐 性遺伝子を代表とする薬剤耐性遺伝子、 あるいは l a c Z ( 3—ガラクトシダ —ゼ遺伝子) 、 c a t (クロラムフエニコ一ルァセチルトランスフェラーゼ遺 伝子) を代表とするレポ一夕一遺伝子等を挿入することによりェキソンの機能 を破壊するか、 あるいはェキソン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結さ せる DNA配列 (例えば、 polyA付加シグナルなど) を挿入し、 完全なメッセ ンジャー RN Aを合成できなくすることによって、 結果的に遺伝子を破壊する ように構築した DNA配列を有する DNA鎖 (以下、 ターゲッティングベクタ 一と略記する) を、 例えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、 得ら れた ES細胞について本発明の DNA上あるいはその近傍の DNA配列をプロ —ブとしたサザンハイブリダィゼーション解析あるいはターゲッティングべク タ一上の D N A配列とターゲッティングベクタ一作製に使用した本発明の D N A以外の近傍領域の D N A配列をプライマーとした P C R法により解析レ、 本 発明のノックアウト E S細胞を選別することにより得ることができる。
また、 相同組換え法等により本発明の DN Aを不活化させる元の ES細胞と しては、 例えば、 前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、 また公知 Evansと Kaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。 例えば、 マウスの ES細胞の場合、 現在、 一般的には 129系の ES細胞が使用されているが、 免疫学的背景がはっきりしていないので、 これに代わる純系で免疫学的に遺伝 的背景が明らかな ES細胞を取得するなどの目的で例えば、 C 57BLZ6マ ウスや C 57 BLZ 6の採卵数の少なさを DBAZ 2との交雑により改善した BDFiマウス (C 57 BLZ6と DBA/2との F を用いて樹立したもの なども良好に用いうる。 BDI^マウスは、 採卵数が多く、 かつ、 卵が丈夫で あるという利点に加えて、 C 57 BLZ6マウスを背景に持つので、 これを用 いて得られた ES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、 C 57BLZ6マ ウスとバッククロスすることでその遺伝的背景を C 57 BLZ6マウスに代え ることが可能である点で有利に用い得る。
また、 ES細胞を樹立する場合、 一般には受精後 3.5日目の胚盤胞を使用す るが、 これ以外に 8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効
率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、 雌雄いずれの ES細胞を用いてもよいが、 通常雄の ES細胞の方が生 殖系列キメラを作出するのに都合が良い。 また、 煩雑な培養の手間を削減する ためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。
ES細胞の雌雄の判定方法としては、 例えば、 PCR法により Y染色体上の 性決定領域の遺伝子を増幅、 検出する方法が、 その 1例としてあげることがで きる。 この方法を使用すれば、 従来、 核型分析をするのに約 106個の細胞数 を要していたのに対して、 1コロニー程度の ES細胞数 (約 50個) で済むの で、 培養初期における E S細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうこ とが可能であり、 早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間 は大幅に削減できる。
また、 第二次セレクションとしては、 例えば、 G—バンデイング法による染 色体数の確認等により行うことができる。 得られる ES細胞の染色体数は正常 数の 100%が望ましいが、 樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、 ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、 正常細胞 (例えば、 マウスでは染色 体数が 2 n = 40である細胞) に再びクローニングすることが望ましい。
このようにして得られた胚幹細胞株は、 通常その増殖性は大変良いが、 個体 発生できる能力を失いやすいので、 注意深く継代培養することが必要である。 例えば、 S TO繊維芽細胞のような適当なフィーダ一細胞上で L I F (1〜1 000 OU/ml) 存在下に炭酸ガス培養器内 (好ましくは、 5 %炭酸ガス、 9
5%空気または 5%酸素、 5%炭酸ガス、 90%空気) で約 37 で培養する などの方法で培養し、 継代時には、 例えば、 トリプシン ZEDTA溶液 (通常 0.001〜0.5%トリプシン Z0. l〜5mM EDTA, 好ましくは約 0. 1%トリプシン ZlmM EDTA) 処理により単細胞化し、 新たに用意したフ ィーダ一細胞上に播種する方法などがとられる。 このような継代は、 通常 1〜 3日毎に行なうが、 この際に細胞の観察を行い、 形態的に異常な細胞が見受け られた場合はその培養細胞は放棄することが望まれる。
ES細胞は、 適当な条件により、 高密度に至るまで単層培養するか、 または 細胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、 頭頂筋、 内臓筋、 心筋など
の種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり 〔M. J. Evans及び M. H. Kaufman, Nature第 292卷、 154頁、 1981年; G. R. Martin Proc. Natl. Acad. Sci. U.S. A.第 78巻、 7634頁、 1981年; T. C. Doetschman ら、 ジャーナル ·ォ ブ ·ェンブリオロジー ·アンド ·ェクスペリメンタル ·モルフォロジ一、 第 87 巻、 27頁、 1985年〕 、 本発明の ES細胞を分化させて得られる本発明の DNA 発現不全細胞は、 インビトロにおける本発明のポリぺプチドまたは本発明の受 容体の細胞生物学的検討において有用である。
本発明の DNA発現不全非ヒ卜哺乳動物は、 該動物の mRN A量を公知方法 を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、 正常動物と区別 することが可能である。 .
該非ヒ卜哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、 例えば、 前述のようにして作製 した夕ーゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、 導入により夕ーゲッティングベクターの本発明の D N Aが不活性化された D N A配列が遺伝子相同組換えにより、 マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色 体上の本発明の DN Aと入れ換わる相同組換えをさせることにより、 本発明の DN Aをノックアウトさせることができる。
本発明の DNAがノックアウトされた細胞は、 本発明の DNA上またはその 近傍の DN A配列をプローブとしたサザンハイプリダイゼ一ション解析または 夕一ゲッティングベクター上の DNA配列と、 夕一ゲッティングベクターに使 用したマウス由来の本発明の DN A以外の近傍領域の DN A配列とをプライマ 一とした PCR法による解析で判定することができる。 非ヒト哺乳動物胚幹細 胞を用いた場合は、 遺伝子相同組換えにより、 本発明の DN Aが不活性化され た細胞株をクローニングし、 その細胞を適当な時期、 例えば、 8細胞期の非ヒ ト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、 作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒ ト哺乳動物の子宮に移植する。 作出された動物は正常な本発明の DNA座をも つ細胞と人為的に変異した本発明の DN A座をもつ細胞との両者から構成され るキメラ動物である。
該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明の D N A座をもつ場合、 こ
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76 のようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、 全 ての組織が人為的に変異を加えた本発明の D N A座をもつ細胞で構成された個 体を、 例えば、 コ一トカラ一の判定等により選別することにより得られる。 こ のようにして得られた個体は、 通常、 本発明のポリペプチドのヘテロ発現不全 個体であり、 本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体のへテロ発現不全個 体同志を交配し、 それらの産仔から本発明のポリべプチドまたは本発明の受容 体のホモ発現不全個体を得ることができる。
卵細胞を使用する場合は、 例えば、 卵細胞核内にマイクロインジェクション 法で D NA溶液を注入することにより夕一ゲッティングベクターを染色体内に 導入したトランスジエニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、 これらのトラ ンスジエニック非ヒト哺乳動物に比べて、 遺伝子相同組換えにより本発明の D N A座に変異のあるものを選択することにより得られる。
このようにして本発明の D NAがノックアウトされている個体は、 交配によ り得られた動物個体も該 D NAがノックアウトされていることを確認して通常 の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、 生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよい。 すなわち. 該不活化 D N Aの保有する雌雄の動物を交配することにより、 該不活化 D NA を相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得しうる。 得られたホモザ ィゴート動物は、 母親動物に対して、 正常個体 1 , ホモザィゴート複数になる ような状態で飼育することにより効率的に得ることができる。 ヘテロザィゴ一 ト動物の雌雄を交配することにより、 該不活化 D N Aを有するホモザィゴート およびへテロザィゴート動物を繁殖継代する。
本発明の D N Aが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、 本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、 非常に有用である。
また、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明のポリペプチドま たは本発明の受容体により誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、 本発 明のポリペプチドまたは本発明の受容体の生物活性の不活性化を原因とする疾 病のモデルとなり得るので、 これらの疾病の原因究明及び治療法の検討に有用 である。
( 8 a ) 本発明の D NAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療 ·予防 効果を有する化合物のスクリーニング方法
本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の D N Aの欠損や損傷な どに起因する疾病に対して治療 ·予防効果を有する化合物のスクリーニングに 用いることができる。
すなわち、 本発明は、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物 を投与し、 該動物の変化を観察 ·測定することを特徴とする、 本発明の D NA の欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療 ·予防効果を有する化合物また はその塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられる本発明の D NA発現不全非ヒト哺 乳動物としては、 前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿など があげられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物で あってもよい。
具体的には、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物を、 試験化合物で処理 し、 無処理の対照動物と比較し、 該動物の各器官、 組織、 疾病の症状などの変 化を指標として試験化合物の治療 ·予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、 例えば、 経口投与、 静脈注 射などが用いられ、 試験動物の症状、 試験化合物の性質などにあわせて適宜選 択す
ることができる。 また、 試験化合物の投与量は、 投与方法、 試験化合物の性質 などにあわせて適宜選択することができる。
例えば、 抗利尿剤をスクリーニングする場合、 本発明の D NA発現不全非ヒ ト哺乳動物に飲水負荷処置を行ない、 飲水負荷処置前または処置後に試験化合 物を投与し、 該動物の尿量変化などを経時的に測定する。
該スクリーニング方法において、 試験動物に試験化合物を投与した場合、 該 試験動物の尿量が約 1 0 %以上、 好ましくは約 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 %以上低下した場合、 該試験化合物を上記の疾患に対して治療 ·予防効果
を有する化合物として選択することができる。
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物は、 上記した試験化合物から 選ばれた化合物であり、 本発明のポリぺプチドの欠損や損傷などによって引き 起こされる疾患に対して治療 ·予防効果を有するので、 該疾患に対する安全で 低毒性な予防,治療剤などの医薬として使用することができる。 さらに、 上記 スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることが できる。
該スクリ一ニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、 該化合 物の塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸、 有機酸など) や塩基 (例、 アルカリ金属など) などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容さ れる酸付加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩 酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) と の塩などが用いられる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、 前 記した本発明のポリペプチドを含有する医薬と同様にして製造することができ る。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトま たは哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどに より差異はあるが、 例えば、 該化合物を皮下投与する場合、 一般的に成人 (体 重 60kgとして) の患者においては、 一日につき該化合物を約 0. 1〜100mg、 好ま しくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与す る場合は、 該化合物の 1回投与量は投与対象、 対象疾患などによっても異なる が、 例えば、 本発明の D N Aに対するプロモータ一活性を促進する化合物を注 射剤の形で通常成人 (体重 60kgとして) の拒食症患者に投与する場合、 一日に つき該化合物を約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. 1〜20mg程度、 より好ましく
は約 0. 1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場 合も、 体重 60kg当たりに換算した量を投与することができる。
( 8 b ) 本発明の D NAに対するプロモ一夕一の活性を促進または阻害する化 合物をスクリーニング方法
本発明は、 本発明の D NA発現不全非ヒ卜哺乳動物に、 試験化合物を投与し、 レポ一夕一遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明の D N Aに対する プロモ一夕一の活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリ一ニン グ方法を提供する。
上記スクリーニング方法において、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物 としては、 前記した本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、 本発明 の D N Aがレポ一夕一遺伝子を導入することにより不活性化され、 該レポ一夕 一遺伝子が本発明の D N Aに対するプロモーターの制御下で発現しうるものが 用いられる。
試験化合物としては、 前記と同様のものがあげられる。
レポーター遺伝子としては、 前記と同様のものが用いられ、 /3—ガラクトシ ダーゼ遺伝子 ( 1 a c Z ) 、 可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはル シフェラーゼ遺伝子などが好適である。
本発明の D NAをレポ一夕一遺伝子で置換された本発明の D N A発現不全非 • ヒト哺乳動物では、 レポ一夕一遺伝子が本発明の D NAに対するプロモータ一 の支配下に存在するので、 レポ一夕一遺伝子がコードする物質の発現をトレ一 スすることにより、 プロモ一夕一の活性を検出することができる。
例えば、 本発明のポリペプチドをコードする D N A領域の一部を大腸菌由来 の) 3—ガラクトシダ一ゼ遺伝子 (1 a c Z ) で置換している場合、 本来、 本発 明のポリぺプチドの発現する組織で、 本発明のポリぺプチドの代わりに j3—ガ ラクトシダ一ゼが発現する。 従って、 例えば、 5—ブロモー 4一クロ口— 3— インドリル一 /3—ガラクトピラノシド (X— g a l ) のような ]3—ガラクトシ ダーゼの基質となる試薬を用いて染色することに'より、 簡便に本発明のポリべ プチドの動物生体内における発現状態を観察することができる。 具体的には、 本発明のポリペプチド欠損マウスまたはその組織切片をダルタルアルデヒドな
どで固定し、 リン酸緩衝生理食塩液 ( P B S ) で洗浄後、 X— g a lを含む染 色液で、 室温または 3 7 °C付近で、 約 3 0分ないし 1時間反応させた後、 組織 標本を I mM E D T AZP B S溶液で洗浄することによって、 β—ガラクトシ ダ一ゼ反応を停止させ、 呈色を観察すればよい。 また、 常法に従い、 1 a c Ζ をコードする mR NAを検出してもよい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 上記した 試験化合物から選ばれた化合物であり、 本発明の D N Aに対するプロモーター 活性を促進または阻害する化合物である。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、 該化合 物の塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 有 機酸など)、などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が 好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭 化水素酸、 硫酸など) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピ オン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚 酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用 いられる。 '
本発明の D N Aに対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩は、 本発明のポリぺプチドまたは受容体の発現を促進し、 該ポリぺプチドまたは受 容体の機能を促進することができるので、 例えば、 抗利尿剤などとして有用で あり、 例えば蓄尿障害 〔例、 頻尿、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧性尿失禁、 機能性尿失禁など) など〕 、 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性尿崩 症など) 、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカローシス、 低カリウム血症、
Cushing症候群などの予防 ·治療剤などとして使用することができる。
また、 本発明の D N Aに対するプロモー夕一活性を阻害する化合物またはそ の塩は、 本発明のポリペプチドまたは受容体の発現を阻害し、 該ポリペプチド または受容体の機能を阻害することができるので、 例えば利尿剤などとして有 用であり、 例えば腎性浮腫、 尿排出障害 (例、 膀胱収縮障害、 尿道通過障害、 排尿困難、 排尿痛、 尿路閉塞など) 、 低ナトリウム血症、 抗利尿ホルモン分泌 不適症候群 (SIADH) 、 高血圧などの予防 ·治療剤などとして使用することがで
さる。
さらに、 上記スクリ一ニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様 に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、 前 記した本発明のポリペプチドまたはその塩を含有する医薬と同様にして製造す ることができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトま たは哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどに より差異はあるが、 例えば、 本発明の D NAに対ずるプロモータ一活性を促進 する化合物を経口投与する場合、 一般的に成人 (体重 60kgとして) の患者にお いては、 一日につき該ィ匕合物を約 0. 1〜100m g、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より 好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与する場合は、 該化合物の 1回 投与量は投与対象、 対象疾患などによっても異なるが、 例えば、 本発明の D N Aに対するプロモ一ター活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人 (60kg として) の患者に投与する場合、 一日につき該化合物を約 O. Ql〜30mg程度、 好 ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好ましくは約 0. l〜10mg程度を静脈注射により 投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 60kg当たりに換算した量を投 与することができる。
一方、 例えば、 本発明の D N Aに対するプロモーター活性を阻害する化合物 を経口投与する場合、 一般的に成人 (体重 60kgとして) の患者においては、 一 日につき該化合物を約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約
1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与する場合は、 該化合物の 1回投与量は投与 対象、 対象疾患などによっても異なるが、 例えば、 本発明の D N Aに対するプ 口モーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人 (60kgとして) の患 者に投与する場合、 一日につき該化合物を約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. 1 〜20mg程度、 より好ましくは約 0. l〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好 都合である。 他の動物の場合も、 60kg当たりに換算した量を投与することがで
含る。
このように、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の D NAに 対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリ —ニングする上で極めて有用であり、 本発明の D N A発現不全に起因する各種 疾患の原因究明または予防 ·治療薬の開発に大きく貢献することができる。
また、 本発明のポリペプチドのプロモーター領域を含有する D NAを使って、 その下流に種々の蛋白質をコードする遺伝子を連結し、 これを動物の卵細胞に 注入していわゆるトランスジエニック動物 (遺伝子移入動物) を作成すれば、 特異的にそのポリペプチドを合成させ、 その生体での作用を検討することも可 能となる。 さらに上記プロモーター部分に適当なレポ一夕遺伝子を結合させ、 これが発現するような細胞株を樹立すれば、 本発明のポリペプチドそのものの 体内での産生能力を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子ィヒ合物の 探索系として使用できる。 本明細書および図面において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 IUPAC-IUB Commiss ion on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該 分野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またアミノ酸 に関し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとす る。
D N A :デォキシリポ核酸
c D NA :相補的デォキシリポ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グァニン
C :シトシン
I :イノシン
' R :アデニン (A) またはグァニン (G)
Y :チミン (T) またはシトシン (C)
M :アデニン (A) またはシトシン ( C )
K グァニン (G) またはチミン (T)
S グァニン (G) またはシ卜シン (C)
W アデニン (A) またはチミン (T)
B シ卜シン (C) 、 グァニン (G) またはチミン (T) D アデニン (A) 、 グァニン (G) またはチミン (T) V アデニン (A) 、 グァニン (G) またはシトシン (C) N アデニン (A) 、 グァニン (G) 、 シトシン (C) もしくはチミン (T) または不明もしくは他の塩基
RNA リポ核酸
mRNA メッセンジャー -リポ核酸
d ATP ギ十 'ァギノ 'シン三リン酸
dTTP デォキシチミジン三リン酸
dGTP デォキシグアノシン三リン酸
dCTP デォキシシチジン三リン酸
ATP アデノシン三リ 酸
EDTA エチレンジァミン四酢酸
T o s P-トルエンスルフォニル
B z 1
Bom ベンジルォキシメチル
B o c t一ブチルォキシカルポニル
DCM ジクロロメタン
HOB t
DCC N, N'—ジシクロへキシルカルポジィ
TFA トリフルォロ酢酸
D I EA ジィソプロピルェチルアミン
B S A ゥシ血清:
CHAPS 3— 〔 (3—コラミドプロピル) ジメチルアンモニ ォ〕 一 1一プロパンスホナ一卜
G 1 y又は G グリシン
A 1 a又は A ァラニン
V a 1又は V バリン
L e u又は L
I 1 e又は I
S e r又は S セリン
Th r又は T スレオ
Cy s又は C
Me t又は M メチォニン
G 1 u又は E グルタミン酸
As p又は D ァスパラギン酸
L y s又は K リジン
A r g又は R アルギニン
H i s又は H ヒスチジン
Ph e又は F フエ二ルァラニン
Ty r又は Y チロシン
T r p又は W トリプトファン
P r o又は P プロリン
As n又は N ァスパラギン
G 1 n又は Q グルタミン
p G 1 u ピログルタミン酸
Ty r (I) 3—ョードチロシン
DMF N,N—ジメチルホルムアミド
Fm o c N— 9一フルォレニルメトキシカルポ
T r t 卜リチル
P b f 2, 2, 4, 6, 7 - 一 5ースルホニル
C 1 t 2—クロロトリチル
B u 1 t一ブチル
M e t (〇) メチォニンスルフォキシド 本願明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
〔配列番号: 1〕
ヒト GPR8リガンドペプチド (hNPW23) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 2〕
ヒト GPR8リガンドペプチド (hNPW30) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 3〕
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 4〕
配列番号: 2で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 5〕
ヒト GPR8リガンドぺプチド前駆体の一部をコ一ドする DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号: 6〕
ヒト GPR8リガンドぺプチド前駆体の一部のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 7 3
合成ヒト GPR8リガンド (1-29) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 8〕
合成ヒト GPR8リガンド (卜 28) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 9〕
合成ヒト GPR8リガンド (1-27) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 1 0〕
合成ヒト GPR8リガンド (1-26) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 1 1〕
合成ヒト GPR8リガンド (1-25) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 1 2〕
合成ヒト GPR8リガンド (卜 24) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 13〕
配列番号: 7で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 14〕 '.
配列番号: 8で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号: 1 5〕
配列番号: 9で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 16〕
配列番号: 10で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号: 1 7〕
配列番号: 1 1で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号: 1 8〕
配列番号: 12で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号: 19〕
ヒト GPR8リガンドぺプチド前駆体をコ一ドする cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号: 20〕
ヒト GPR8リガンドぺプチド前駆体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 2 1〕
ブ夕 GPR8リガンドペプチドのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 22〕
ブ夕 GPR8リガンドぺプチド前駆体をコードする cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号: 23〕
ブタ GPR8リガンドペプチド前駆体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 24〕
ブ夕 GPR8リガンドペプチドのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 25〕
ブ夕 GPR8リガンドペプチドのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 26〕
配列番号: 24で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号: 27〕
配列番号: 25で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 2 8〕
ラット GPR8リガンドぺプチド前駆体をコードする cDNAの配列を示す。
〔配列番号: 2 9〕
ラット GPR8リガンドペプチド前駆体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 30〕
ラット GPR8リガンドペプチドのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 3 1〕
ラット GPR8リガンドペプチドのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 32〕
配列番号: 3 0で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 3 3〕
配列番号: 3 1で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号: 34〕
マウス GPR8リガンドぺプチド前駆体をコードする cDNAの配列を示す。 〔配列番号: 3 5〕
マウス GPR8リガンドぺプチド前駆体のァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 3 6〕
マウス GPR8リガンドペプチドのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 3 7〕
マウス GPR8リガンドペプチドのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 3 8〕
配列番号: 3 6で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号: 3 9〕
配列番号: 3 7で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 40〕
合成ヒト GPR8リガンド (1-23) 酸化体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 4 1〕
合成ヒト GPR8リガンド (1-22) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 42〕
合成ヒト GPR8リガンド (卜 21) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 43〕
合成ヒト GPR8リガンド (卜 20) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 44〕
合成ヒト GPR8リガンド (卜 19) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 45〕
合成ヒト GPR8リガンド (1-18) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 46〕
合成ヒト GPR8リガンド (1-17) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 47〕
合成ヒト GPR8リガンド (1-16) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 48〕
合成 GPR8リガンド (1-23) 酸化体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 49〕
合成ラットまたはマウス GPR8リガンド (1-23) 酸化体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:.5 Q〕
合成 Fmoc化ヒト GPR8リガンド (1-23) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 5 1〕
合成 [Na- Acetyl- Τπ)1]-ヒト GPR8リガンド (1-23) のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号: 52〕
合成ヒト GPR8リガンド (2-23) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 5 3〕
合成ヒト GPR8リガンド (4-23) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 54〕
合成ヒト GPR8リガンド (9-23) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 5 5〕 ―
合成ヒ卜 GPR8リガンド (15-23) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 56〕
合成 [N_Ace ty卜 Tyr2] -ヒト GPR8リガンド (2-23) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 5 7〕
合成 [D_Trpi] -ヒト GPR8リガンド (卜 23) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号 : 5 8 3
合成 [N-3- Indo l epropanoy卜 Tyr2] -ヒト GPR8リガンド (2-23) のアミノ酸配列 を示す。
〔配列番号 : 5 9〕
配列番号: 4 1で表されるアミノ酸配列をコ -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 6 0 )
配列番号: 4 2で表されるアミノ酸配列をコ -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 6 1 ]
配列番号: 4 3で表されるアミノ酸配列をコ -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 6 2〕
配列番号: 4 4で表されるアミノ酸配列をコ -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 6 3〕
配列番号: 4 5で表されるアミノ酸配列をコ - -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 6 4〕
配列番号: 4 6で表されるア ノ酸配列をコ- -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 6 5〕
配列番号: 4 7で表されるアミノ酸配列をコ -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 6 6〕
配列番号: 5 2で表されるアミノ酸配列をコ- -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 6 7〕
配列番号: 5 3で表されるアミノ酸配列をコ- -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 6 8〕
配列番号: 5 4で表されるアミノ酸配列をコ -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 6 9〕
配列番号: 5 5で表されるアミノ酸配列をコ- -ドする塩基配列を示す。
〔配列番号 : 7 0〕
配列番号': 2 1で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号: 7 1〕
[Phe2] ヒト GPR8リガンド (1-20) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 7 2〕
配列番号: 7 1で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 7 3〕
ヒト GPR8のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 74〕
配列番号: 7 3で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 7 53
ラット TGR26のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 7 6〕
ラット TGR26をコードする c DNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 7 7〕
マウス TGR26のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 7 8〕
マウス TGR26をコードする cDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号: 7 9〕
ヒ卜 GPR7のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 8 0〕
ヒト GPR7をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 8 1〕
ゥサギ GPR8のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 8 2〕
ゥサギ GPR8をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 8 3〕
ゥサギ GPR7のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 84〕
ゥサギ GPR7をコ一ドする塩基配列を示す。
〔配列番号: 85〕
ゥサギ GPR8リガンドペプチド (1-30) のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 86〕
ゥサギ GPR8リガンドぺプチド (1-30) をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 87〕
ゥサギ GPR8リガンドペプチド (1-23) のアミノ酸配列を示す。 配列番号: 1で 表されるアミノ酸配列と同一である。
〔配列番号: 88〕
ゥサギ GPR8リガンドペプチド (1-23) をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号: 89〕
以下の実施例 2— (1) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 90〕
以下の実施例 2— (1) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 91〕
ゥサギ GPR8をコードする cDNAの 5' 上流側の塩基配列を示す。
〔配列番号: 92〕
以下の実施例 2— (2) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 93〕
以下の実施例 2— (2) における PCR反応で使用したプライマ一の塩基配列を示 す。
〔配列番号: 94〕
ゥサギ GPR8をコードする cDNAの 3' 下流側の塩基配列を示す。
〔配列番号: 95〕
以下の実施例 2— (3) における PCR反応で使用したプライマ一の塩基配列を示 す。 - 〔配列番号: 96〕
以下の実施例 2— (3) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 97〕
以下の実施例 2 _ (3) において得られたゥサギ GPR8をコードする cDNAを含む 塩基配列を示す。
〔配列番号: 98〕
以下の実施例 3— (1) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 99〕
以下の実施例 3_ (1) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 100〕
ゥサギ GPR7をコ一ドする cDNAの 5' 上流側の塩基配列を示す。
〔配列番号: 101〕
以下の実施例 3— (2) における PCR反応で使用したプライマ一の塩基配列を示 す。
〔配列番号: 102〕
以下の実施例 3— (2) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 103〕
ゥサギ GPR7をコードする cDNAの 3' 下流側の塩基配列を示す。
〔配列番号: 104〕
以下の実施例 3— (3) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 105〕
以下の実施例 3— (3) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。 .
〔配列番号: 106〕
以下の実施例 3— (3) において得られたゥサギ GPR7をコードする cDNAを含む
塩基配列を示す。
〔配列番号: 107〕
以下の実施例 4一 (1) における PCR反応で使用したプライマ一の塩基配列を示 す。
〔配列番号: 108〕 ·
以下の実施例 4— (1) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 109〕
ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質をコードする cDNAの 5' 上流側の塩基 配列を示す。
〔配列番号: 1 10〕
以下の実施例 4一 .(2) における PCR反応で使用したプライマ一の塩基配列を示 す。
〔配列番号: 1 1 1〕
以下の実施例 4— (2) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 1 12〕
ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質をコ一ドする cDNAの 3' 下流側の塩基 配列を示す。
〔配列番号: 1 13〕
以下の実施例 4一 (3) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 1 14〕
以下の実施例 4— (3) における PCR反応で使用したプライマ一の塩基配列を示 す。
〔配列番号: 1 1 5〕
ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質をコードする cDNAを含む塩基配列を 示す。
〔配列番号: 1 16〕
ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 1 1 7〕
以下の実施例 4一 (3) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 1 18〕
以下の実施例 4一 (3) における PCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示 す。
〔配列番号: 1 19〕
ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質をコードする cDNAを含む塩基配列を 示す。
〔配列番号: 120〕
配列番号: 1 16で表されるアミノ酸配列をコードする cDNAの塩基配列を示す。 後述の実施例 2で得られた Escherichia coli DH5 α/ρΑΚΚΟ-rabbi t GPR8は、 2003年 9月 25日から茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305 -
8566) の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号 FERM BP-8497として寄託されている。
後述の実施例 3で得られた Escherichia coli DH5 α/ρΑΚ Ο-rabbi t GPR7は、 2003年 9月 25日から茨城県つくば市東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305 - 8566) の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号 FERM BP-8496として寄託されている。
後述の実施例 4で得られた Escherichia coli DH5 α/ρΑΚΚΟ-r bbi t prepro- NPWは、 2003年 9月 25日から茨城県つくば市東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305-8566) の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託 番号 FERM BP- 8495として寄託されている。 以下に参考例および実施例を示して、 本発明をより詳細に説明するが、 これ らは本発明の範囲を限定するものではない。
参考例 1
[Phe2]ヒト GPR8リガンド(1-20) (配列番号: 7 1) の製造
アプライドバイオシステムズ社のペプチド自動合成機 (ABI 433モデル) を使 用し、 プログラムに従って C端より逐次 Fmoc法によりペプチド鎖を延長し目的 の保護べプチド樹脂の合成を行つた。
出発アミノ酸樹脂担体は Wang (p-benzyloxybenzyl alcohol) 樹脂 (0.25 mmol) を使用し、 Fmoc-Leu, Fmoc-Gly, Fmoc - Ala、 Fmoc-Arg(Pbf) > Fmoc-VaK Fmoc - Thr(Bul)、 Fmoc- His (Trt)、 Fmoc-Tyr (Bul) > Fmoc-Pro. Fmoc- Ser (Bul)、 Fmoc- Lys (Boc)、 Fmoc-Phe, Fmoc- Trp(Boc)の Fmocアミノ酸誘導体を HBTU (2— (1H—べンゾトリァゾールー 1_ィル) 一1, 1,3, 3—テトラメチルゥロニゥム へキサフルォロホスフェート) によりシークェンスにしたがって逐次縮合した。 樹脂上へのペプチドの構築が終了後、 保護ペプチド樹脂を乾燥した。 得られ た保護べプチドの脱保護処理とぺプチドの樹脂担体からの切り離しは TFA処理に よって行なった。 得られた粗ペプチドは 0.1% TFA水によって抽出し、 凍結乾燥 により粉末固体として得た。 続いて、 粗ペプチドを逆相高速クロマトグラフィ 一 (島津製作所、 分取装置:モデル LC8A) によりァセトニトリル— 0.1% TFATK の系 (15-35%、 80分) を用いて分取精製を行なって目的とする精製ペプチド 35 mgを得た。
精製物を 0.2% 3- (2-アミノエチル)インドールを含む 4N メタンスルホン酸に よって 110°C · 22時間の条件で加水分解して得た加水分解物のアミノ酸分析値は (括弧内は理論値) 以下のとおり。
Thr (1) 0.93, Ser (1) 0.92, Gly (2) 2.03, Ala (3) 3.09, Val (2) 1.90, Leu (2) 2.02, Tyr (1) 1.02, Phe (1) 1.00, His (2) 1.91, Lys (1) 0.98, Trp (1) 0.88, Arg (2) 2.06, Pro (1) 1.02
純度は HPLCにより 98.8%と算出された。 また、 質量分析値は 2266.6 (理論値 2266.6) であった。 参考例 2
ラク卜パーォキシダ一ゼ法を用いた [Phe2,125I- Tyr1(1]ヒト GPR8リガンド - 20)の 作製
DMSO 10 lに溶かした、 参考例 1に記載した製法に準じて得られた [Phe2] ヒ ト GPR8リガンド α-20) (配列番号: 7 1) 10 rnnolを、 0.1 M塩ィ匕ニッケル水溶 液 10 1、 0.1 M HEPES (pH 7.6)に溶かした 0.001%過酸化水素水 10 1、 0.1 M HEPES (pH 7.6)に溶かしたラクトパーォキシダ一ゼ (シグマ社) 10 g/mlを 10 l、 および [125I]NaI 40 MBq (NENライフサイエンスプロダクツ社) 10 1を混 合して室温で 50分間反応させた後、 生成した [Phe2, 125I-Tyr10] ヒト GPR8リガン ド α- 20)を以下の条件の HPLCにより分取した。
用いたカラムは、 0DS- 80ΤΜ (4.6 腿 χ 15 cm) (ト一ソ一社)、 溶出液 Aとして 10%ァセトニトリル /0.1% TFA、 溶出液 Bとして 60%ァセトニトリル /0.1% TFA を用い、 0-0 (2 min)、 0-27 (5 min)、 27-32 (40 min) %B/A+Bのダラディエン ト溶出法を行なった。 流速は 1 mL/min、 カラム温度は 40°C、 検出は 215 nmとし た。 この HPLC条件では、 DPhe2, 125I-Tyr10] ヒト GPR8リガンド(1-20)は 25分付近 に溶出した。 実施例 1
ヒト GPR8リガンド(1-23)の静脈投与によるゥサギの尿量、 心拍数および血圧に 対する作用
Japanese White系雄性ゥサギ (2.2-2.4 kg) にウレタン (カルバミド酸ェチ ル) を耳静脈より投与し (1.5 g/il/kg), 麻酔下にてゥサギ手術台に固定して 開腹した。 右大腿動脈揷管および尿管を剥離し、 尿管カテーテルを両尿管に挿 管し、 ポリグラフ 363を用いて動脈血圧、 心拍数および尿量を計測した。 生理食 塩水の輸液(10 ml/h)および検体の投与(300 l/回)は耳静脈より行なった。 W0 01/98494号公報に記載の方法と同様にして作製したヒ卜 G P R 8リガンド (1 -23) (配列番号: 1) (hNPW23と記載することがある) は生理食塩水 (大 塚製薬) に溶解し、 投与量を 12.5、 25、 50および 100 mnol/kgに設定した。 対照 区には生理食塩水を投与し、 各群 5例で行なった。 hNPW23投与前および投与後の 4分間の尿量を計測し、 投与前後の尿量変化の比率 (%) をもって F-検定を行 なった。
hNPW23投与による尿量の変動は、 下式に従って表記する。 結果を表 1に示す。
(%) = (投与後 4分間の尿量) / (投与前 4分間の尿量) X100
〔表 1〕
投与量 (nmol/kg) 0 12J 25 50 100 尿量の変動 (%) 101±0.9 90.0±7.4 78.2±2.7 74.8土 2.6 56.8±8.1
(平均値土標準誤差) 投与群では、 25、 50および 100 nmol/kg投与群において、 生理食塩水投 与群と比較し、 投与量依存的に有意に尿量が減少した。 また、 111«^23の12.5 nmol/kg投与群では、 尿量の減少傾向がみられたが、 生理食塩水投与群に比較し て有意な差はみられなかった (表 1) 。
また、 hNPW23は、 いずれの投与量においても血圧および心拍数には影響を与 えなかった。 実施例 2
ゥサギ GPR8をコードする cDNAのクローニング
( 1 ) ゥサギ GPR8をコードする cDMの 5'上流側配列のクローニング
ゥサギ全脳の total RNAは UNITECH社より購入した。 Poly(A)+ RNA画分を mRNA purification kit (アマシャム バイオサイエンス社) を用いて調製後、 ゥサ ギ全脳 poly(A)+ RNA 1.0 gから PowerScript Reverse Transcriptase (クロン テック社) を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、 Marathon cDNA Amplification kit (クロンテック社) を用いて 5,- RACE用の铸型であるゥサギ 全脳二本鎖 cDNAを作成した。 RACE PCR反応に用いたプライマーセットは、 1回目 の PCR反応では kit添付の Adaptor Primer 1とプライマ一 1 (配列番号: 89) 、 2回目の PCR反応では kit添付の Nested Adaptor Primer 2とプライマー 2 (配列 番号: 90) を用いた。 反応は、 逆転写した cDNAのうち mRNA 2 ng相当分を錶型 に 50^1の液量で行なった。 反応液の組成は、 プライマー濃度 0.2 M、 dNTP混合 液 0.2 mM、 LA-Taq (宝酒造) 1/100 volume, 2倍濃縮 GC Buffer I 1/2 volumeと した。 増幅のためのサイクルは、 どちらの PCRも 94°Cで 120秒保温した後、
94°C · 30秒、 60°C (サイクル数が 1回増える毎に 0.5°Cずつ上昇) 、 72°C · 4分の サイクルを 15回、 94°C · 30秒、 68°C · 4分のサイクルを 15回繰り返した後、 72°C で 10分保温した。 反応液を 1.2% ァガロースゲルで電気 動し、 ェチジゥムブ 口マイドで染色した時に見える 900 bp付近のバンドを DNA Extraction Kit (キ ァゲン社) で抽出し、 DM Ligation Kit (宝酒造) を用いてプラスミドベクタ "PGEM-T Easy Vector (プロメガ社) へサブクロ一ニングした後、 大腸菌 DH5ひ (T0Y0B0社) へ導入した。 生じた形質転換体から QIAGEN Plasmid Mini Kit (キ ァゲン社) を用いてプラスミド DNAを精製した。 塩基配列決定のための反応は、 BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit ひ ——キンエリレマ—— 社) を用いて行なった。 蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、 ゥサギ GPR8 をコードする cDNAの 5'上流側配列である配列番号: 9 1で示される塩基配列を 得た。
(2) ゥサギ GPR8をコードする cDNAの 3'下流側配列のクローニング
ゥサギ全脳の total RNAは UNITECH社より購入した。 Poly(A)+ RNA画分を mRNA purification kit (アマシャム バイオサイエンス社) を用いて調製後、 ゥサ ギ全脳 poly (A)+ RNA 1.0/igから PowerScript Reverse Transcriptase (クロン テック社) を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、 Marathon cDNA Amplification kit (クロンテック社) を用いて 3'- RACE用の铸型であるゥサギ 全脳二本鎖 cDNAを作成した。 RACE PCR反応に用いたプライマーセットは、 1回目 の PCR反応では kit添付の Adaptor Primer 1とプライマ一 1 (配列番号: 9 2) 、 2回目の PCR反応では kit添付の Nested Adaptor Primer 2とプライマー 2 (配列 番号: 9 3) を用いた。 反応は、 逆転写した cDNAのうち mRNA 2 ng相当分を铸型 に 50 1の液量で行なった。 反応液の組成は、 プライマー濃度 0.2 M、 dNTP混合 液 0.2 mM、 LA-Taq (宝酒造) 1/100 vol匿、 2倍濃縮 GC Buffer I 1/2 volumeと した。 増幅のためのサイクルは、 どちらの PCRも 94°Cで 120秒保温した後、
94°C · 30秒、 72°C · 4分のサイクルを 5回、 94 ■ 30秒、 70°C · 4分のサイクルを 5回、 94 ' 30秒、 68 · 4分のサイクルを 20回繰り返した後、 72°Cで 10分保温 した。 反応液を 1.2% ァガロースゲルで電気泳動し、 ェチジゥムブロマイドで 染色した時に見える 2000 bp付近のバンドを DNA Extraction Kit (キアゲン社)
で抽出し、 DNA Ligation Kit (宝酒造) を用いてプラスミドベクター pGEM - T Easy Vector (プロメガ社) へサブクローニングした後、 大腸菌 DH5ひ (T0Y0B0 社) へ導入した。 生じた形質転換体から QIAGEN Plasmid Mini Kit (キアゲン 社) を用いてプラスミド DNAを精製した。 塩基配列決定のための反応は、 BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit (パーキンエルマ一社) を用 いて行なった。 蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、 ゥサギ GPR8をコード する cDNAの 3'下流側配列である配列番号: 94で示される:^基配列を得た。
(3) ゥサギ GPR8をコードする全長 cDNAのクロ一ニング
ゥサギ全脳の total RMは UNITECH社より購入した。 Poly(A)+ RNA画分を mRNA purification kit (アマシャム バイオサイエンス社) を用いて調製後、 ゥサ 干全脳 poly(A)+ RNA 1.0 gから PowerScript Reverse Transcriptase (クロン テック社) を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、 Marathon cDNA Amplification kit (クロンテック社) を用いてゥサギ全脳二本鎖 cDNAを作成し た。 ゥサギ GPR8遺伝子の 5'側配列をもとに作製したプライマー 1 (配列番号: 95) およびゥサギ GPR8遺伝子の 3'側配列をもとに作製したプライマー 2 (配 列番号: 96) を用いてゥサギ全脳二本鎖 cDNAを铸型に PCR反応を行なった。 反 応は、 mRNA 1 ng相当分の cDNAを铸型に 100 lの液量で行なった。 反応液の組成 は、 プライマ一濃度 0.5 zM、 d T混合液 0.2mM、 LA-Taq (宝酒造) 1/100 volume, 2倍濃縮 GC Buffer I 1/2 volumeとした。 増幅のためのサイクルは、 94°Cで 120 秒保温した後、 94°C · 30秒、 68°C · 2分のサイクルを 40回繰り返した後、 72°Cで 10分間保温した。 得られた反応液を QIAquick PCR purification Kit (キアゲン 社) を用いて精製し、 DNA Ligation Kit (宝酒造) を用いてプラスミドベクタ — pGEM-T Easy Vector (プロメガ社) へサブクローニングした後、 大腸菌 DH5 a (T0Y0B0社) へ導入した。 生じた形質転換体から QIAGEN Plasmid Mini Kit (キ ァゲン社) を用いてプラスミド DNAを精製した。 塩基配列決定のための反応は、 BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit (ノ、 °——キンエレマ—— 社) を用いて行なった。 蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、 配列番号: 97に示す塩基配列を得た。 この配列には、 ゥサギ GPR8の全アミノ酸配列 (配 列番号: 81) をコードする塩基配列が含まれていた。 次に、 そのプラスミド
DNAを制限酵素 Sal Iと Spe I (宝酒造) を用いて消化後、 反応液を 1.2% ァガロ —スゲルで電気泳動し、 ェチジゥムブ口マイドで染色した時に見える 1000 bp付 近のバンドを DNA Extraction Kit (キアゲン社) を用いて回収した。 この DNA断 片を pAKKOの Sal Iサイトと Spe Iサイトに DNA Ligation Kit (宝酒造) を用いて サブクローニングした後、 大腸菌 DH5ひ (T0Y0B0社) へ導入し、 形質転換体 Escherichia coli DH5 α/ρΑΚΚΟ - rabbi t GPR8を得た。 実施例 3
ゥサギ GPR7をコ一ドする cDNAのクローニング
(1) ゥサギ GPR7をコードする cDNAの 5'上流側配列のクロ一ニング
ゥサギ全脳の total RNAは UNITECH社より購入した。 Poly(A)+ RNA画分を mRNA purification kit (アマシャム バイオサイエンス社) を用いて調製後、 ゥサ 十全脳 poly(A)1" RNA 1. O gから PowerScript Reverse Transcriptase (クロン テック社) を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、 Marathon cDNA Amplification kit (クロンテック社) を用いて 5,_RACE用の铸型であるゥサギ 全脳二本鎖 cDNAを作成した。 RACE PCR反応に用いたプライマ一セットは、 1回目 の PCR反応では kit添付の Adaptor Primer 1とプライマー 1 (配列番号: 98) 、 2回目の PCR反応では kit添付の Nested Adaptor Primer 2とプライマ一 2 (配列 番号: 99) を用いた。 反応は、 逆転写した cDNAのうち mRNA 2 ng相当分を錶型 に 50^1の液量で行なった。 反応液の組成は、 プライマー濃度 0.2 /M、 dNTP混合 液 0.2 mM、 LA-Taq (宝酒造) 1/100 volume, 2倍濃縮 GC Buffer I 1/2 volumeと した。 増幅のためのサイクルは、 どちらの PCRも 94 で 120秒保温した後、
94°C · 30秒、 72 · 4分のサイクルを 5回、 94 · 30秒、 70°C · 4分のサイクルを 5回、 94t 30秒、 68 · 4分のサイクルを 20回繰り返した後、 72 で 10分保温 した。 反応液を 1.2% ァガロースゲルで電気泳動し、 ェチジゥムブロマイドで 染色した時に見える 1000 bp付近のバンドを DNA Extraction Kit (キアゲン社) で抽出し、 DNA Ligation Kit (宝酒造) を用いてプラスミドベクター pGEM - T Easy Vector (プロメガ社) へサブクローニングした後、 大腸菌 DH5a (T0Y0B0 社) へ導入した。 生じた形質転換体から QIAGEN Plasmid Mini Kit (キアゲン
社) を用いてプラスミド DNAを精製した。 塩基配列決定のための反応は、 BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit (ノ、°——キンエリレマ——社) を用 いて行なった。 蛍光式自動シーケンサ一を用いて解読し、 ゥサギ GPR7をコード する cDNAの 5'上流側配列である配列番号: 100で示される塩基配列を得た。
(2) ゥサギ GPR7をコードする cDNAの 3'下流側配列のクローニング
ゥサギ全脳の total RNAは UNITECH社より購入した。 Poly(A)+ RNA画分を mRNA purification kit (アマシャム バイオサイエンス社) を用いて調製後、 ゥサ ギ全脳 poly(A)+ RNA 1. O^gから PowerScript Reverse Transcriptase (クロン テック社) を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、 Marathon cDNA Amplification kit (クロンテック社) を用いて 3,- RACE用の铸型であるゥサギ 全脳二本鎖 cDNAを作成した。 RACE PCR反応に用いたプライマーセットは、 1回目 の PCR反応では kit添付の Adaptor Primer 1とプライマー 1 (配列番号: 10 1) 、 2回目の PCR反応では kit添付の Nested Adaptor Primer 2とプライマ一 2 (配列番号: 102) を用いた。 反応は、 逆転写した cDNAのうち mRNA 2 ng相当 分を铸型に 50 の液量で行なった。 反応液の組成は、 プライマー濃度 0.2 M、 dMT混合液 0.2 mM、 LA-Taq (宝酒造) 1/100 volume, 2倍濃縮 GC Buffer I 1/2 volumeとした。 増幅のためのサイクルは、 どちらの PCRも 94°Cで 120秒保温した 後、 94°C · 30秒、 72T: · 4分のサイクルを 5回、 94°C · 30秒、 70°C · 4分のサイク ルを 5回、 94°C ' 30秒、 68DC · 4分のサイクルを 20回繰り返した後、 72°Cで 10分 保温した。 反応液を 1.2% ァガロースゲルで電気泳動し、 ェチジゥムプロマイ ドで染色した時に見える 1000 bp付近のバンドを DNA Extraction Kit (キアゲン 社) で抽出し、 DNA Ligation Kit (宝酒造) を用いてプラスミドベクター pGEM - T Easy Vector (プロメガ社) へサブクロ一ニングした後、 大腸菌 DH5ひ
(T0Y0B0社) へ導入した。 生じた形質転換体から QIAGEN Plasmid Mini Kit (キ ァゲン社) を用いてプラスミド DNAを精製した。 塩基配列決定のための反応は、 BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit (ノ \°一キンエレマー 社) を用いて行なった。 蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、 ゥサギ GPR7 をコードする cDNAの 3'下流側配列である配列番号: 103で示される塩基配列 を得た。
(3) ゥサギ GPR7をコードする全長 cDNAのクローニング
ゥサギ全脳の total RNAは UNITECH社より購入した。 Poly(A)+ RNA画分を mRNA purification kit (アマシャム バイオサイエンス社) を用いて調製後、 ゥサ ギ全脳 poly (A)+ RNA 1.0 xgから PowerScript Reverse Transcriptase (クロン テック社) を用いて、 マニュアルに従って逆転写を行なった後、 Marathon cDNA Amplification kit (クロンテック社) を用いてゥサギ全脳二本鎖 cMAを作成し た。 ゥサギ GPR7遺伝子の 5'側配列をもとに作製したプライマ一 1 (配列番号: 104) およびゥサギ GPR7遺伝子の 3,側配列をもとに作製したプライマー 2 (配列番号: 105) を用いてゥサギ全脳二本鎖 cDNAを铸型に PCR反応を行なつ た。 反応は、 mRNA 1 ng相当分の cDNAを铸型に 100 1の液量で行なった。 反応液 の組成は、 プライマー濃度 0.5 iM、 dNTP混合液 0.2mM、 LA-Taq (宝酒造) 1/100 volume, 2倍濃縮 GC Buffer I 1/2 volumeとした。 増幅のためのサイクルは、 94°Cで 120秒保温した後、 94°C · 30秒、 68°C · 2分のサイクルを 40回繰り返した 後、 72°Cで 10分間保温した。 得られた反応液を QIAquick PCR purification Kit (キアゲン社) を用いて精製し、 DNA Ligation Kit (宝酒造) を用いてプラス ミドベクター pGEM-T Easy Vector (プロメガ社) へサブクローニングした後、 大腸菌 DH5Q! (T0Y0B0社) へ導入した。 生じた形質転換体から QIAGEN Plasmid Mini Kit (キアゲン社) を用いてプラスミド DNAを精製した。 塩基配列決定のた めの反 ϋま、 BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit (ゾ ——キ ンエルマ一社) を用いて行なった。 蛍光式自動シーケンサ一を用いて解読し、 配列番号: 106に示す塩基配列を得た。 この配列には、 ゥサギ GPR7の全アミ ノ酸配列 (配列番号: 83) をコードする塩基配列が含まれていた。 次に、 そ のプラスミド DNAを制限酵素 Sal Iと Spe I (宝酒造) を用いて消化後、 反応液を 1.2% ァガロースゲルで電気泳動し、 ェチジゥムブロマイドで染色した時に見 える 1000 bp付近のバンドを DNA Extraction Kit (キアゲン社) を用いて回収し た。 この MA断片を、 pAKKOの Sal Iサイトと S e Iサイトに DNA Ligation Kit (宝酒造) を用いてサブクローニングした後、 大腸菌 DH5o; (T0Y0B0社) へ導入 し、 形質転換体 Escherichia coli DH5 α/ρΑΚΚΟ-rabbit GPR7を得た。
実施例 4
ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質をコードする cDNAのクローニング (1) ゥサギ GPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードする cDNAの 5'上流側 配列のクローニング
ゥサギ全脳の total RNAは UNI TECH社より購入した。 Poly(A)+ RNA画分を mRNA purification kit (アマシャム バイオサイエンス社) を用いて調製後、 ゥサ ギ全脳 poly (A)+ RNA 1. O^gから PowerScript Reverse Transcriptase (クロン テック社) を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、 Marathon cDNA Amplification kit (クロンテック社) を用いて 5,- RACE用の铸型であるゥサギ 全脳二本鎖 cDNAを作成した。 RACE PCR反応に用いたプライマ一セットは、 1回目 の PCR反応では kit添付の Adaptor Primer 1とプライマー 1 (配列番号: 10 7) 、 2回目の PCR反応では kit添付の Nested Adaptor Primer 2とプライマ一 2 (配列番号: 108) を用いた。 反応は、 逆転写した cDNAのうち mRNA 2 ng相当 分を錶型に 50A の液量で行なった。 反応液の組成は、 プライマ一濃度 0.2^iM、 dNTP混合液 0.2 mM、 LA-Taq (宝酒造) 1/100 volume, 2倍濃縮 GC Buffer II 1/2 volumeとした。 増幅のためのサイクルは、 どちらの PCRも 94°Cで 120秒保温した 後、 94°C · 30秒、 72°C · 4分のサイクルを 5回、 94°C · 30秒、 70°C · 4分のサイク ルを 5回、 94t · 30秒、 68°C · 4分のサイクルを 20回繰り返した後、 72°Cで 10分 保温した。 反応液を 1.5% ァガロースゲルで電気泳動し、 ェチジゥムブ口マイ ドで染色した時に見える 350bp付近のバンドを DNA Extraction Kit (キアゲン 社) で抽出し、 DNA Ligation Kit (宝酒造) を用いてプラスミドベクター pGEM- T Easy Vector (プロメガ社) へサブクローニングした後、 大腸菌 DH5 a
(T0Y0B0社) へ導入した。 生じた形質転換体から QIAGEN Plasmid Mini Kit (キ ァゲン社) を用いてプラスミド DNAを精製した。 塩基配列決定のための反応は、 BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit ひ ——キンエリレマ—— 社) を用いて行なった。 蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、 ゥサギ GPR8 リガンドぺプチド前駆体蛋白質をコードする cDNAの 5'上流側配列である配列番 号: 109で示される塩基配列を得た。
( 2 ) ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質をコードする cDNAの 3'下流側
配列のクローニング
ゥサギ全脳の total RNAは環 I TECH社より購入した。 Poly(A)+ RNA画分を mRNA purification kit (アマシャム バイオサイエンス社) を用いて調製後、 ゥサ ギ全脳 poly (A)+ RNA 1.0 gから PowerScr ipt Reverse Transcriptase (クロン テック社) を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、 Marathon cDNA Amplification kit (クロンテック社) を用いて、 3,-RACE用の铸型であるゥサ ギ全脳二本鎖 cDNAを作成した。 RACE PCR反応に用いたプライマ一セットは、 1回 目の PCR反応では kit添付の Adaptor Primer 1と縮重プライマ一 1 (配列番号: 1 10) 、 2回目の PCR反応では kit添付の Nested Adaptor Primer 2と縮重プラ イマ一 2 (配列番号: 1 1 1) を用いた。 反応は、 逆転写した cDNAのうち mRNA 2 ng相当分を铸型に 50 1の液量で行なった。 反応液の組成は、 プライマ一濃度 0.2 iM、 dNTP混合液 0.2 、 LA-Taq (宝酒造) 1/100 vol匿、 2倍濃縮 GC Buffer I 1/2 volumeとした。 増幅のためのサイクルは、 どちらの PCRも 94°Cで 120秒保温した後、 94°C · 30秒、 72°C · 4分のサイクルを 5回、 94°C · 30秒、 70°C · 4分のサイクルを 5回、 94°C · 30秒、 68°C · 4分のサイクルを 20回繰り返し た後、 72°Cで 10分保温した。 反応液を 1.2% ァガロースゲルで電気泳動し、 ェ チジゥムブロマイドで染色した時に見える 600 bp付近のバンドを DNA
Extraction Kit (キアゲン社) で抽出し、 DNA Ligation Kit (宝酒造) を用い てプラスミドベクタ一 pGEM- T Easy Vector (プロメガ社) へサブクロ一ニング した後、 大腸菌 DH5Q! (T0Y0B0社) へ導入した。 生じた形質転換体から QIAGEN Plasmid Mini Kit (キアゲン社) を用いてプラスミド DNAを精製した。 塩基配列 決定の 7こめの反 は、 BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit (パーキンエルマ一社) を用いて行なった。 蛍光式自動シーケンサ一を用いて 解読し、 ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質をコ一ドする cDNAの 3,下流 側配列である配列番号: 1 12で示される塩基配列を得た。
( 3 ) ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質をコードする全長 cDNAのク口 一二ング
ゥサギ全脳の total RNAは UNITECH社より購入した。 Po (A)+ RNA画分を mRNA purification kit (アマシャム バイオサイエンス社) を用いて調製後、 ゥサ
ギ全脳 poly (A)+ RNA 1.0 igから PowerScr ipt Reverse Transcriptase (クロン テック社) を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、 Marathon cDNA Amplification kit (クロンテック社) を用いてゥサギ全脳二本鎖 cDNAを作成し た。 ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質をコードする遺伝子の 5'側配列 をもとに作製したプライマー 1 (配列番号: 11 3) およびゥサギ GPR8リガン ドぺプチド前駆体蛋白質をコードする遺伝子の 3'側配列をもとに作製したブラ イマ一 2 (配列番号: 1 14) を用いてゥサギ全脳二本鎖 cDNAを铸型に PCR反応 を行なった。 反応は、 mRNA 1 ng相当分の cDNAを铸型に 200 1の液量で行なった。 反応液の組成は、 プライマー濃度 0.5 M、 dNTP混合液 0.2mM、 LA-Taq (宝酒造) 1/100 volume, 2倍濃縮 GC Buffer II 1/2 volumeとした。 増幅のためのサイク ルは、 94°Cで 120秒保温した後、 94 · 30秒、 72 · 1分のサイクルを 5回、 94 · 30秒、 70°C · 1分のサイクルを 5回、 94°C · 30秒、 68 · 1分のサイクルを 35回繰り返した後、 72 で 7分間保温した。 得られた反応液を QIAquick PCR purification Kit (キアゲン社) を用いて精製し、 DNA Ligation Kit (宝酒 造) を用いてプラスミドベクター pGEM-T Easy Vector (プロメガ社) へサブク ローニングした後、 大腸菌 DH5a (T0Y0B0社) へ導入した。 生じた形質転換体か ら QIAGEN Plasmid Mini Kit (キアゲン社) を用いてプラスミド DNAを精製した。 塩基配列決定のための反応は、 BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit (パーキンエルマ一社) を用いて行なった。 蛍光式自動シーケン サ一を用いて解読し、 配列番号: 1 15に示す塩基配列を得た。 この DNA配列に は、 ヒト、 ブ夕、 ラットおよびマウス GPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列に 類似したゥサギ GPR8リガンドペプチドと予想されるペプチドをコードするよう なフレームが存在するが、 その 5'上流側には蛋白翻訳の開始コドンであると予 想される ATGが存在しない。 しかし、 これまでに幾つかの蛋白質で ATG以外のコ ドンを開始コドンとすることが予想されている例が報告されている 〔ヒト塩基 性線維芽細胞増殖因子 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA、 86巻、 1836-1840頁、 1989年、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86卷、 3978- 3981頁、 1989年) 、 マウス レチノイン酸受容体 )34 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89巻、 2718頁、 1992 年) 、 ヒトホスホリポシルピロリン酸合成酵素 (J. Biol. Chem.、 265卷、
1649卜 16497頁、 1990年) 、 ショウジヨウバエコリンァセチル転移酵素 (J.
Biol. Chem. 265巻、 21714 - 21719頁、 1990年) 〕 。 これらの例では、 ATGに代 わり Leuをコードする CTGが開始コドンとして仮定されていることが多い。 ゥサ ギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質においても同様であると考え、 ブタある いはラットの GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質との比較からこれらの前駆体 蛋白質における開始コドンと予想される ATGにほぼ対応する位置に存在する CTG コドンを開始コドンと仮定し、 前駆体蛋白質の配列を推定した。 この仮想的ゥ サギ GPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質のアミノ酸配列を配列番号: 1 1 6に 示した。 ゥサギ GPR8リガンドペプチドのァミノ酸配列と予想される配列の力ル ポキシ末端側には GPR8リガンドペプチドのヒト、 ブタ、 ラットあるいはマウス ホモログ前駆体蛋白の場合と同様に、 通常の生理活性ペプチドが切り出される と考えられる Arg_Argの配列 (Ann. N. Y. Acad. Sci. 839巻、 9 - 24頁、 1998 年) が 2ケ所存在した。 これらのことから、 GPR8リガンドペプチドのゥサギホモ ログのアミノ酸配列は配列番号: 8 5および 8 7のいずれかもしくは両方であ ると推定された。 なお、 配列番号: 8 7の 23残基型ゥサギ GPR8リガンドぺプチ ドのアミノ酸配列は、 23残基型ヒト GPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列 (配 列番号: 1) と一致している。
次に、 配列番号: 1 1 5の塩基配列を含むプラスミド DNA 50 ngを铸型にして ゥサギ GPR8リガンドぺプチド前駆体蛋白質遺伝子の 5'側配列をもとに作製した プライマ一 1 (配列番号: 1 1 7) およびゥサギ GPR8リガンドペプチド前駆体 蛋白質遺伝子の 3'側配列をもとに作製したプライマ一 2 (配列番号: 1 1 8) を用いて の液量で PCR反応を行なった。 反応液の組成は、 プライマ一濃度 0.5 M dNTP混合液 0.2mM LA-Taq (宝酒造) 1/100 vol 2倍濃縮 GC Buffer II 1/2 volumeとした。 増幅のためのサイクルは、 94°Cで 120秒保温した後、 94°C · 30秒、 68°C · 1分のサイクルを 15回繰り返した後、 72°Cで 7分間保温した。 得られた反応液を QIAquick PCR purification Kit (キアゲン社) を用いて精製 後、 制限酵素 Sal Iと Spe I (宝酒造) を用いて消化した。 この DNA断片を動物細 胞発現ベクター pAKKOの Sal Iサイトと Spe Iサイトに DNA Ligation Kit (宝酒 造) を用いてサブクロ一ニングした後、 大腸菌 DH5 Q! (T0Y0B0社) へ導入した。
生じた形質転換体から QIAGEN 'Plasmid Mini Ki t (キアゲン社) を用いてプラス ミド DNAを精製した。 塩基配列決定のための反応は、 BigDye Terminator Cyc le Sequence Ready Reac t ion Ki t (パーキンエルマ一社) を用いて行なった。 蛍光 式自動シーケンサ一を用いて解読し、 配列番号: 1 1 9に示す塩基配列を得た。 このプラスミドで大腸菌 DH5 « (T0Y0B0社) を形質転換して Escher ichia col i DH5 α/ρΑΚ Ο-rabbi t prepro_NPWを得た。 産業上の利用可能性
本発明のポリペプチドまたは受容体、 本発明の D NAは、 抗利尿剤または利 尿剤のスクリーニングに有用である。 さらに、 例えば蓄尿障害 〔例、 頻尿、 尿 失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧性尿失禁、 機能性尿失禁など) など〕 、 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性尿崩症など) 、 高ナトリウム血症、 代謝性 アルカローシス、 低カリウム血症、 Cushing症候群などの予防 ·治療剤、 あるい は腎性浮腫、 尿排出障害 (例、 fl旁胱収縮障害、 尿道通過障害、 排尿困難、 排尿 痛、 尿路閉塞など) 、 低ナトリウム血症、 抗利尿ホルモン分泌不適症候群
(SIADH) 、 高血圧などの予防 ·治療剤などのスクリーニングにも有用である。 本発明のポリペプチドまたは受容体、 本発明の D NA、 本発明のポリペプチド または受容体の活性を促進する化合物またはその塩は、 低毒性で安全な抗利尿 剤として有用であり、 蓄尿障害 〔例、 頻尿、 尿失禁 (例、 切迫性尿失禁、 腹圧 性尿失禁、 機能性尿失禁など) など〕 、 多尿症、 尿崩症 (例、 下垂体性尿崩症、 腎性尿崩症など) 、 高ナトリウム血症、 代謝性アルカローシス、 低カリウム血 症、 Cushing症候群などの予防 ·治療剤などとして有用である。 本発明の抗体、 本発明のアンチセンス D N A、 本発明のポリペプチドまたは受容体の活性を阻 害する化合物またはその塩は、 低毒性で安全な利尿剤として有用であり、 腎性 浮腫、 尿排出障害 (例、 膀胱収縮障害、 尿道通過障害、 排尿困難、 排尿痛、 尿 路閉塞など) 、 低ナトリウム血症、 抗利尿ホルモン分泌不適症候群 (SIADH) 、 高血圧などの予防 ·治療剤などとして有用である。