WO2003033243A1 - Mold set - Google Patents

Description

明 細 書 金型セット 技術分野

本発明は、 表面にシポ模様を有するプラスチック成形体の製造方法に用いられ る金型に関するものである。 特に、 本発明においては、 金型の一部にシポ模様パ ターン及び真空引き用の微細孔を予め設けておくとともに、 このような金型セッ トを形成する各金型間にスぺーサを設けることによって、 一組の金型セットを用 いて仕様の異なる複数種類のプラスチック成形体を製造することができるように するものである。 背景技術

従来の、 プラスチック成形体の表面にシポ模様を有するものの、 その製造方法 としては、 表皮材の表面層に予めシポ模様を有するシート状部材を用意し、 この ようなシート状部材を金型内に設置するとともに、 その裏面側に、 例えばインジ ェクション成形手段等を初めとした所定の成形手段にて熱可塑性プラスチック材 を設置し、 これによつて所定の形態からなるプラスチック成形体の表面にシポ模 様を有するものを形成させるようにしているものがある。 この従来のものにおい ては、 表面にシボ模様を有する表皮材の裏面側へのプラスチック材の設置に際し て、 例えば 3次元曲面部等において表皮材が不必要に引っ張られたり、 あるいは 曲面部の周りにしわが生じたりすると言う問題点がある。 また、 シポ模様自体に も、 模様の流れ、 あるいはダレ等が生ずると言う問題点がある。 また、 表皮材の 裏面側に発泡体層を有するものであり、 この発泡体層の厚さが異なるものの成形 に当たっては、 金型セットの一部を、 その都度、 修正しなければならないと言う 問題点がある。 このような問題点を解決するために、 成形工程に用いられる金型 に、その内側表面に予めシポ模様パターンの設けられたものを用意するとともに、 当該金型 （雌型） 側に特殊な真空引き手段を設けておき、 この真空引き手段を介 することによって表皮材の表面層へシボ模様を立体的に形成させるようにしたシ ポ模様付き表皮材の製造方法に用いられる金型セットを提供しょうとするのが、 本発明の目的である。また、雄型と雌型とが相対移動するガイドピンのところに、 所定のスぺ一サを設けるようにするとともに、 このスぺ一サの厚さを適当に調整 することによって、 表皮材の厚さが異なるものについても、 同じ金型セットを用 いて成形加工を行うことができるようにしょうとするのが、本発明の目的である。 発明の開示

本発明は、 シポ模様付きプラスチック成形体の製造方法に用いられる金型セッ 卜に関するものであり、 その雌型の内面側には所定のシポ模様パターン及び所定 の真空引き用微細孔を有するようにし、 このような雌型と雄型とが嵌合し合うと ころには所定量の縦バリ切り部を設けるようにし、 更に、 上記雌型と雄型とが相 互にスライド係合するガイドビンのところには、 上記両金型にて形成されるキヤ ビティ空間を適宜量に制御するスぺーサを設けるようにしたものである。 そして 更に、 このような金型セットのうち、 雌型側に設けられる真空引き機構を、 金型 の基準面に対して直角に設けられるものであってその先端部が上記雌型の内表面 まで所定の距離を残した状態で設けられるとともに所定の穴径を有するように形 成される迎え穴と、 当該迎え穴の先端部付近から上記雌型の内表面に向かって直 線状に設けられるものであって上記雌型内表面に対して面直角状に設けられる複 数の微細孔から成るようにし、 これによつて、 表皮材の表面に均一な状態のシポ 模様を鮮明な状態で形成させるようにしたものである。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明にかかる一組の金型セットを示す断面図である。

図 2は、 本発明にかかる金型セットの一使用状態を示す図である。

図 3は、 本発明にかかる雌型の内表面部周りの構造を示す断面図である。

図 4は、 本発明にかかる雌型に設けられる真空引き機構の全体構成を示す断面 図である。 図 5は、 本発明にかかる雌型内表面に設けられる真空引き用微細孔の配置状態 を示す図である。

図 6は、 本発明にかかる雌型内表面の縦壁部あるいは傾斜部に設けられる真空 引き用微細孔の配置状態を示す断面図である。

図 7は、 本発明にかかる真空引き装置全体の構成を示す図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明にかかる一組の金型セットは、 図 1及び図 2に示す如く、 雄型 8と雌型 9とからなるものである。 このような構成からなるものにおいて、 雄型 8側には 熱可塑性プラスチック材を注入するための注入口 8 1が設けられるようになって いるとともに、 当該雄型 8の周囲には雌型 9との間においてスライド嵌合するよ うに形成された縦バリ切り部 8 5が設けられるようになつている。 そして更に、 本雄型 8の四隅のところには雌型 9側に設けられたガイド溝 9 8とスライド係合 するガイドビン 8 8が設けられるようになっているとともに、 当該ガイドビン 8 8のところにはスぺ一サ 4が設けられるようになっているものである。 このよう なスぺーサ 4の、 その厚さ （高さ） を適当な値に調整することによって、 図 1に 示すキヤビティ空間 5の容積を適当な値に制御したり、 あるいは、 図 2に示すよ うな表皮材 1の裏面側にクッション層 1 2を有するものを用いることとした場合 における当該クッション層 1 2の厚さに対応させて、 その裏面側に形成されるキ ャビティ空間 5を最適の状態に調整することができるようになっているものであ る。 例えば、 表皮材 1が、 その裏面側にクッション層 1 2を有しないようなものの 場合においては、 図 1に示す如く、 真空引き用微細孔 9 2を介して上記表皮材 1 を吸引することによって、 表皮材 1の表面側に所定のシポ模様が形成されること となる。 そして、 このような状態において、 ガイドピン 8 8のところに設けられ たスぺーサ 4を適宜調整してキヤビティ空間 5の容積値を制御するとともに、 直 ちにインジェクション成形を行う。 これによつて、 シポ模様付き表皮材とプラス チック製基盤との一体化が迅速に行われるようになる。 従って、 シポ模様付きプ ラスチック成形体の製造が効率良く進められることとなる。 また、 表皮材 1にク ッシヨン層 1 2を有するものの場合には、 例えば図 2に示す如く、 同じ金型セッ ト 8、 9を用いるとともに、 この場合には、 上記真空引き工程の後に、 上記スぺ ーサ 4を適当な値に調整した状態において、 キヤビティ空間 5内へ雄型 8側に設 けられた注入口 8 1から所定のプラスチック材を低圧にて注入するとともに、 こ のような状態において、 上記注入されたプラスチック材を雄型 8を徐々に前進さ せることによって表皮材 1と注入されたプラスチック材とを一体化させる。 これ によって、 表面には雌型 9に設けられたシボ模様パターン 9 1の転写されたシポ 模様付きプラスチック成形体が効率良く形成されることとなる。 このように、 本発明のものにおいては、 表皮材 1の裏面側に設けられるクッシ ヨン層 1 2の厚さの異なるもの、 あるいはクッション層のないもの等、 異なった 態様からなるシポ模様付きプラスチック成形体を、 同じ金型セット 8、 9を用い て効率良く製造することができるようになる。 すなわち、 同じ金型セット 8、 9 を用いるとともに、 本金型セット 8、 9を形成するガイドピン 8 8のところに設 けられるスぺーサ 4を適当に調整することによってキヤビティ空間 5の値を制御 し、 これによつて仕様変更等に円滑に対処することができるようになる。 その結 果、 金型 8、 9の取替え等を行うことなく仕様変更等に対応することができるよ うになり、 全体の生産性の向上を図ることができるようになる。 また、 このような構成からなる雌型 9には、 所定のシポ模様パターン 9 1及び 真空引き用微細孔 9 2が設けられるようになつている。その具体的内容について、 図 1ないし図 6を基に説明する。 まず、 雌型 9自体を铸鋼にて形成させるととも に、 その内側表面に所定のエッチング手段を介して所定のシボ模様パターン 9 1 を形成させるようにする。 これによつて、 上記プラスチック成形体の形状等に一 部変更が生じたような場合、 金型 8、 9の所定の部分を削り取るか、 あるいは、 その部分に溶接肉盛りを施すとともに、 このようにして形成された表面部に新た にエッチング手段を施すことによって、 上記一部変更に機敏に対応することがで きるようになる。 また、 このようなシポ模様パターン 9 1の設けられた本雌型 9 の内側表面のところには、 複数の開口穴からなる真空引き用微細孔 9 2が設けら れるようになっている。そして、 この真空引き用微細孔 9 2は、 図 7に示す如く、 所定のダクトあるいはチューブ等を介して真空ポンプ 7を主に形成される真空発 生装置に連結されるようになっているものである。 このような真空発生装置を介 することによって、 上記表皮材 1を雌型 9の内側表面に設けられたシボ模様パ夕 ーン 9 1側へ吸引させ、 上記表皮材 1の表面側に上記シポ模様パターン 9 1の模 様を転写させることができるようになる。 次に、 所定の真空度 （真空圧） を有する真空媒体が供給される雌型 9側に設け られる真空引き機構 6の構造について、 図 3ないし図 6を基に説明する。 まず、 雌型 9の内表面側には、 図 3に示す如く、 所定の形態からなるシボ模様パターン 9 1が、 その全面にわたって、 ほぼ均等な状態に設けられるようになつている。 そして、 このような雌型 9には、 図 7に示す真空タンク 3にバルブ 3 3を介して つながるものであって、 本雌型 9の基準面に対して直角な方向に設けられる複数 本の迎え穴 6 1等からなる真空引き機構 6が設けられるようになつている。 この 真空引き機構 6は、 具体的には、 図 3及び図 4に示す如く、 直立状に設けられる ものであって 5〜 1 0 mmの内径 （D) を有するとともに、 その先端部がシボ模 様パターン 9 1の設けられる雌型内表面から 5〜 1 O mmの距離 （L ) のところ まで達するように設けられる迎え穴 6 1と、 この迎え穴 6 1からシポ模様パター ン 9 1の設けられる雌型内表面に向かって直線状に設けられる約 0 . 3 mmの内 径を有する微細孔からなる複数の真空引き用微細孔 9 2と、からなるものである。 なお、 このような真空引き用微細孔 9 2に関しては、 シポ模様パターン 9 1の 設けられる雌型内表面のうちの主に平面部に設けられるものについては、 図 4及 び図 5に示す如く、当該内表面に対して面直角な状態に設けられるもの（9 2 a ) と、 当該面直角状に設けられるもの （9 2 a ) を中心にして、 図 4に示す如く、 傾斜角が約 3 0 ° を有するように放射状に設けられるもの （9 2 b ) と、 からな るものが挙げられる。 そして、 これら真空引き用微細孔 9 2 a、 9 2 bの上記雌 型内表面への開口穴の配置状態は、 図 5に示す如く、 中央に面直角状に配置され るもの （9 2 a ) と、 これを中心にして、 直径 （2 R) が 5〜 1 0 mmの範囲内 に 6箇所、 等間隔状に設けられるもの （9 2 b ) と、 からなるようになつている ものである。 そして、 このような 7個の開口穴を一組とした状態のものが、 シボ 模様パターン 9 1を有する雌型 9の内表面の平面部全面にわたってほぼ均一な状 態に設けられるようになっているものである。 また、 このような真空引き用微細孔 9 2のうち、 例えば図 3に示す如く、 雌型 9の内表面の縦壁面あるいは傾斜面に設けられるものについては、 当該縦壁面あ るいは傾斜面に対してほぼ面直角状に設けられるもの （9 2 a ) と、 当該面直角 状に設けられるもの （9 2 a ) を中心にして、 図 6に示す如く、 その滴りに約 3 0 ° の傾斜角を有するように設けられるもの （9 2 b ) と、 が挙げられる。 なお、 この縦壁面または傾斜面に設けられる真空引き用微細孔 9 2の上記雌型内表面へ の開口穴は、 約 5 mmの間隔を有した状態で上記縦壁面または傾斜面の全面にわ たって設けられるようになっているものである。 また、 このような真空引き用微 細孔 9 2は、 雌型 9のシボ模様を有する内表面までの距離があまり長くならない ように設定されている。 本実施の形態においては 5 mm〜 1 0 mmの値に設定さ れている。 このように、 縦壁面あるいは傾斜面においても真空引き用微細孔 9 2 がほぼ面直角な状態に設けられていること、 更には、 その長さが比較的短くなる ように設定されていることより、 当該真空引き用微細孔 9 2のところに真空圧が 供給された場合、 当該真空圧は減衰されずに上記表皮材 1の表面に均等に作用す るようになる。 従って、 3次元曲面部においても、 ダレ等のない、 均一な状態の シボ模様が形成されるようになる。 このような金型セット 8、 9の、 特に雌型 9の内表面側に設けられた真空引き 用微細孔 9 2のところに、 所定の真空圧を供給する真空発生装置は、 図 7に示す 如く、 真空ポンプ 7と、 所定の容量を有する真空タンク 3と、 当該真空タンク 3 に貯えられた真空圧 （真空度） を一気に上記真空引き機構 6側へ開放するバルブ 3 3と、 からなるものである。 そして、 上記バルブ 3 3には、 ダクトあるいはチ ュ一ブ等を介して真空引き機構 6を形成する迎え穴 6 1が連結され、 当該迎え穴 6 1を介して上記真空圧 （真空度） が各真空引き用微細孔 9 2に供給されるよう になっているものである。 なお、 このような構成からなるものにおいて、 上記真 空タンク 3に貯えられる真空状態としては、 本実施の形態においては、 —6 8 0 mmH g〜― 7 6 O mmH gの真空度（真空圧）が採用されるようになっている。 また、 上記真空タンク 3については、 金型 8、 9内において真空引きされるべき 容量であり、 多くの場合には雌型 9の容積に相当する値の、 その 1 2倍から 1 5 倍の値のものが採用されるようになっている。 本実施の形態においては、 3 0 0 Lの容量を有する真空タンク 3を用いることとしている。 産業上の利用可能性

以上のように、 本発明にかかる金型セットは、 表面にシボ模様を有するプラス チック成形体の製造方法に利用することができる。 特に、 本発明にかかる金型セ ットは、 自動車用内装材を初めとした各種プラスチック製内装材の効率的な製造 方法に採用することができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 雄型及び雌型からなる一組の金型セットに関して、 雌型の内面側には所定 のシポ模様パターン及び所定の真空引き用の微細孔を有し、 このような雌型と雄 型とが嵌合し合うところには所定量の縦バリ切り部を有し、 更に、 上記雌型と雄 型とが相互にスライド係合するガイドピンのところには、 上記両金型にて形成さ れるキヤビティ空間を適宜量に制御するスぺーサを有するようにしたことを特徴 とする金型セット。

2 . 雄型及び雌型からなる一組の金型セットに関して、 雌型側に設けられる真 空引き機構を、 金型の基準面に対して直角に設けられるものであってその先端部 が上記雌型の内表面まで所定の距離を残した状態で設けられるとともに所定の穴 径を有するように形成される迎え穴と、 当該迎え穴の先端部付近から上記雌型の 内表面に向かって直線状に設けられるものであって上記雌型内表面に対して面直 角状に設けられる微細孔並びに当該面直角状に設けられる微細孔を中心にしてそ の周りに、 放射状に、 または等間隔状に設けられる微細孔からなる複数の真空引 き用微細孔と、 から成るようにするとともに、 これら真空引き用微細孔の雌型内 表 ¾への開口穴を、 雌型内表面の全面にわたってほぼ均一な状態に設けるように したことを特徴とする金型セット。

3 . 請求項 1または請求項 2記載の金型セットにおいて、 上記雌型を、 所定の 铸鋼にて形成するとともに、 当該铸鋼にて形成された雌型内表面側に設けられる シポ模様パターンを所定のエッチング手段にて形成するようにしたことを特徴と する金型セッ卜。