WO2003056949A1 - Article pour fumeur - Google Patents

Description

明 細 書

喫煙物品

技術分野

本発明は、 喫煙物品に係 り 、 よ り 具体的には、 燃焼を伴わ ずに加熱によ り 香味を発生する香味発生体を備える喫煙物品 に関する。

背景技術

たばこ の葉を燃焼させずに、 たばこ の香味や煙を楽 しむた めの喫煙物品は既に公知であ り 、 種々 のタイ プの ものが提案 されている。 例えば、 特開昭 6 3 — 3 5 4 6 8 号公報、 特開 平 6 — 4 6 8 1 8 号公報、 特許第 1 6 8 1 6 7 0 号、 特許第 3 0 1 2 2 5 3 号、 特開平 2 — 8 4 1 6 4 号公報等には、 先 端に取 り 付けた発熱部材が生成する熱を利用 して香味を発生 する タ イ プの喫煙物品の典型的な例が開示 されている。 これ らの喫煙物品は、 発熱部材と 吸い 口 と の間に、 例えば粒状や シー ト状の香味発生体が充填され、 発熱部材の熱で香味発生 体が加熱される と 香味成分を気化 · 放出する。

香味発生体と しては、 不燃性の多孔性物質やたばこ原料等 種々 の成形物が提案されている。 しか しなが ら、 多孔性物質 では、 その内部に吸着 した香味物質を気化ま たは脱着させる ために過剰なエネルギーが必要性と なる ので、 気化効率の低 下や香味物質の熱変性の虞がある。 また、 たばこ材のよ う な 可燃性の物質を基材と する場合には、 実質的に燃焼ある いは 熱分解が起こ る ため熱挙動が非常に不安定と な り 、 送出香味 量に好ま し く ない影響を与える虞がある。 また、 こ のタイ プの喫煙物品には香味の発生量が発熱部材 の発熱状況に左右されやすいと い う根本的な問題もある。 発 熱部材には炭素を主原料と して成形された燃料素子が最も普 通に用いられるが、 通常は、 点火 してから喫煙の前半までの 間に発熱量の最大値を迎え、 それ以降は発熱量が次第に減少 して消火に至る と い う 不均一な挙動を示す。 そのため、 こ の 熱を受けて生成する香味の量も同様の挙動を示 し、 最大量と 特に喫煙後半の量と ではかな り の差を生 じる。 したがって、 使用者は喫煙中、 煙量や味の不均一な変化のためにス ト レス を感 じ、 満足感が減少する こ と が指摘されている。

一方、 特開平 5 — 2 7 7 1 9 1 号公報には、 一定品質の香 味送出を可能にするため、 燃料部材と 、 予め設定されたパフ 回数分の香味発生体を板状に成形して貼 り 合せた喫煙物品の 例が開示されている。 しかしなが ら、 燃料部材と香味発生体 あるいは絶縁介在物が貼 り 合されているために、 燃料部材の 温度が低下 して燃焼が持続しに く く 立ち消えする虞が大き く 、 香味発生体が常に加熱されるために不必要な加熱によって品 質劣化を起こ しやすい虞がある。 また、 燃料部材の燃焼速度 と喫煙のタイ ミ ングを合わせる必要があるため、 使用者が好 みに応じた喫煙間隔を取る こ と ができずにス ト レス が増大さ れる虞があるばかり か、 構造が複雑で製造は極めて困難と思 われる。

本発明は上述のよ う な問題点に鑑みてなされたも のであ り 、 簡単な構造で、 使用者の喫煙の間、 一パ フ毎に安定な量の香 味を送出 し、 煙量や味の不均一な変化によ るス ト レスを感じ る こ と な く 喫煙を楽 しむこ と ができ る喫煙物品を提供する こ と を 目 的 と する。

発明の開示

上記課題を解決する ために、 本発明によれば、 先端部に発 熱体が設け られ、 後端部に吸い 口 部を備える筒状体と 、 該筒 状体内において該発熱体に近接 して設け られた香味発生体を 具備 し、 該香味発生体が、 乾燥質量基準 （すなわち、 水分を 含ま ない状態での割合） で、 実質的に非多孔質の無機充填材 を 6 5 〜 9 3 質量％の割合で、 結合剤を 1 〜 3 質量％の割合 で、 および香味物質を 6 〜 3 2 質量％の割合でそれぞれ含む 複数の粒状物を含む喫煙物品が提供される。

本発明 において 、 無機充填材は、 3 m ² Z g 以下の B E T比表面積を有する こ と が好ま し く 、 また炭酸カ ルシ ウ ムか ら なる こ と が好ま しい。

粒状物は、 最密状態に充填 され、 筒状体の軸方向におけ る 粒状物の充填長 と 筒状体の内径と の比が 2 〜 4 の範囲であ り 筒状体の内径 と粒状物の代表径 と の比が 4 〜 1 5 である こ と が好ま しい。 粒状物は、 ペ レ ッ ト 、 タ ブ レ ッ ト ま たは球の形 態にあ り 得る。

ま た、 本発明において、 結合剤は、 メ チル ヒ ドロ キシェチ ルセ ノレロ ー ス を含むこ と が好ま しい。

本発明の好ま しい態様において、 発熱体は、 常温において 1 . O W Z m ， K以下の熱伝導率を示す。 発熱体は、 実質的 に非多孔質の無機充填材を 1 5 〜 6 5 質量％の割合で含む炭 素質材料から なる こ と が好ま し く 、 発熱体に含まれる無機充 填材は、 3 m ² ノ g 以下の B E T比表面積を有する炭酸力 ルシゥム力、らなる こ とが好ま しい。

本発明の喫煙物品において、 吸い口部は、 ろ過率が 2 0 % 以下のフ レターまたは中空のフ レターによ り 構成する こ と ができ る。

図面の簡単な説明

図 1 は、 本発明の 1 実施の形態に係る喫煙物品を示す概略 断面図であ り ；

図 2 Aおよび図 2 Bは、 無機充填材と して、 実質的に非多 孔質の無機充填材と 、 多孔質無機充填材を用いた場合におい て、 香味物質と混合した時の D S C分析結果を示すグラ フで あ り ；

図 3 は、 以後詳述する実施例 1 の喫煙物品についてパフ毎 に捕集 した香味物質の量を示すグラ フであ り ；

図 4 は、 以後詳述する実施例 2 の喫煙物品についてパフ毎 に捕集 した香味物質の量を示すグラ フであ り ；

図 5 は、 実施例 1 の喫煙物品において炭素成形物発熱体か ら香味発生体へ流入する熱量をパフ毎にプロ ッ ト したグラ フ であ り ；

図 6 は、 比較例 1 の喫煙物品についてパ フ毎に捕集 した香 味物質の量を示すグラ フである。

発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明を詳 しく 説明する。

本発明の喫煙物品は、 香味発生体を燃焼させないいわゆる 非燃焼タイ プの喫煙物品であって、 着火される発熱体からの 熱に よ り 加熱されて香味成分を放出する香味発生体を備える 香味発生体は、 特定の組成を有 し、 筒状体中に設け られる。 筒状体の先端部には発熱体が備え られ、 筒状体の後端部は吸 レヽ ロ部を構成 してレ、る。

図 1 は、 本発明の喫煙物品の構成の一例を示す概略断面図 である。 図 1 に示す喫煙物品 1 0 は、 喫煙物品本体を構成す る筒状体 1 1 を有する。 筒状体 1 1 の先端部には、 発熱体 1 3 が設け られてお り 、 筒状体 1 1 の後端部は吸い 口部 1 7 を 構成 している。 本発明の香味発生体 1 5 は、 発熱体 1 3 に近 接 して筒状体 1 1 内に設け られてレ、る。

筒状体 1 1 は、 通常、 円筒形状であ り 、 アル ミ ニ ウ ム 、 ス テ ン レス鋼等の熱的に安定な材料で形成する こ と が好ま し く ま たその熱容量を小さ く するために厚 さ を薄 く 、 例えば 0 . 0 3 m n！〜 0 . 1 m mの厚さ と する こ と が好ま しい。 筒状体 1 1 は、 通常のシガ レ ッ ト と 同様、 約 7 m m〜 8 m mの内径 約 8 O m m〜 1 2 O m mの長 さ を有する こ と ができ る。 筒状 体 1 1 は、 通常、 その外側全体が断熱材 1 2 によ り 巻装 され て、 手で支障な く 持つこ と ができ る よ う に されている。

本発明の喫煙物品に使用 される香味発生体 1 5 は、 乾燥質 量基準で、 実質的に非多孔質の無機充填材を 6 5 〜 9 3 質 量％の割合で、 結合剤を 1 〜 3 質量。/。の割合で、 および香味 物質を 6〜 3 2 質量％の割合でそれぞれ含む複数の粒状物 1 5 1 力、ら なる。

香味物質は、 着火された発熱体から の熱に よ っ て加熱され る こ と に よ り によ り エア ロ ゾルを生成する物質 （アルコ ール 類、 糖類、 水） や、 香味のみを生成する物質 （ メ ン ソ ール、 カ フ ヱイ ン、 天然抽出物） 、 たばこ、 たばこ抽出物、 これら の混合物等を含む。 アル コ ール類と して は、 例えばダ リ セ リ ンゃプロ ピ レ ンダリ コ ール、 これらの混合物を使用でき る。 香味発生体 1 5 の成分の 1 つである実質的に非多孔質の無 機充填材は、 B E T比表面積が 3 m ² / g 以下である こ と が好ま しい。

活性炭、 アルミ ナビーズやシ リ カ等のセラ ミ ッ ク ス類、 モ レキユ ラーシーブス等の微細な空孔を無数に持ついわゆる多 孔質物質は、 その内部に他の物質を吸着あるいは吸収によつ て取 り 込む性質がある。 本発明の喫煙物品のよ う な喫煙物品 において、 香味を加熱によって効率よ く 放出させよ う とする 場合、 香味物質が基材の孔内に取 り 込まれている と香味物質 の蒸発に必要な熱エネルギーに加えて、 孔内から脱着させる ための熱エネルギーがさ らに必要と な り 、 気化効率が低下す るばかり か、 孔内で加熱され続けるために熱変性を起こ しゃ すい と レ、 う 問題が生 じる。 本発明においては、 香味物質は、 実質的に非多孔質の無機充填材からなる基材粒子間隙に保持 されているに過ぎないので、 多孔質物質についての上記問題 を伴 う こ と な く 加熱によって香味発生体 1 5 から容易に放出 される。

実質的に非多孔質の孔質無機充填材と しては、 B E T比表 面積が 3 m ² Z g 以下の炭酸カ ル シ ウ ム粒子を使用する こ とが特に好ま しい。 たばこ原料あるいは代替植物原料および その抽出物等によ り粒状成形物を成形する こ と も十分可能で あるが、 加熱に よ っ て少なか らず燃焼あ る いは熱分解を招 く ため、 不安定な熱挙動に よ り 送出香味量が不均一にな り やす く 、 多孔質であ るため香味の熱変性の問題を同様に引 き起こ す可能性がある。

本発明の香味発生体に含まれる結合剤 と しては、 セル ロ ー スまたは種々 のセルロース誘導体、 アルギン酸類、 グァーガ ムゃキサンタ ンガム、 ロ ーカ ス ト ビーンガム等が使用でき る。 特に、 メ チル ヒ ドロ キシェチルセルロ ース を用いる と 、 香味 物質の保持性が向上 し、 良好な香喫味を与える こ と ができ る。 結合剤は、 多量に加える ほど成形物の物理的強度が増 し、 取 り 扱いを容易にする。 しかし、 ほ と ん どの結合剤は高温で加 熱される と 香味に好ま し く ない影響を与える こ と が多いため、 取 り 扱いに支障がない限 り 、 1 〜 3 質量％の範囲内で少量で ある こ と が好ま しい。

本発明の香味発生体を構成する粒状 （成形） 物は、 上記実 質的に非多孔質の無機充填材と 、 結合剤 と 、 香味物質と を上 記割合で混合 した後、 結合剤の結合力発生のために必要な適 量の水を加えて、 押出 し成形機や造粒機、 打錠機等に よ り 所 望のサイ ズおよび形状に成形する こ と ができ る。 粒状物は、 こ の よ う に して、 ペ レ ッ ト 、 タ ブ レ ッ ト または球等の形態に 成形する こ と ができ る。

図 1 に示すよ う に、 発熱体 1 3 と香味発生体 1 5 の間には、 香味発生体 1 5 が発熱体 1 3 と 直接接触 しないよ う に、 金属 メ ッ シュ等の通気性の耐熱性部材 1 6 a が設け られている。 本発明の喫煙物品において筒状体 1 1 の先端部に設け られ る発熱体 1 3 は、 炭素等の炭素質材料に よ り 形成する こ と が でき る。 炭素質材料は、 押出 し成形機、 打錠機等によ って所 望の形状に成形する こ と ができ る。 炭素質成形体の形状と し ては円柱状 と するのが好ま しい。 かかる発熱体は、 吸レ、 ロ カ らの吸引 に よ り 外部から発熱体 1 3 を介 して空気を筒状体 1 1 内部に導入 し、 発熱体 1 3 によ り 加熱された導入空気を香 味発生体 1 5 の粒状物 1 5 1 間の空気流通路に通 じ、 それに よ り 発生 した香味成分を味わ う ために、 空気の流通路を備え る。 その よ う な空気流通路は、 筒状体 1 1 の長手軸に沿っ て 炭素質円柱成形体の外周面内に設け られた少な く と も 1 つの 溝、 または筒状体 1 1 の長手軸に沿っ て炭素質円柱成形体を 貫通する少な く と も 1 つの貫通孔に よ り 構成する こ と ができ る。 図 1 においては、 そのよ う な流通路と して、 発熱体 1 3 をその軸方向に貫通する 中央の貫通孔 1 3 1 、 およびこ の貫 通孔 1 3 1 の周 り に配設 された複数の貫通孔 （図 1 では、 貫 通孔 1 3 2 、 1 3 3 が示 されてレ、る） が設け られてレ、る。

発熱体 1 3 における空気流通路の形状 （溝の深さ 、 貫通孔 の径） や数は、 炭素質材料の種類や組成と と も に、 発熱体の 着火時間、 燃焼速度、 燃焼温度、 燃焼生成物の生成量等の燃 焼特性に影響を与える。 特に、 着火時間特性は、 使用者が通 常のシガ レ ッ ト への着火 （約 1 秒以内） と 違和感な く 使用で き る着火時間特性が要求 される。 本発明によれば、 約 1 . 5 秒以内の炭素質成形体の着火時間は、 常温 （約 2 2 °C ) で熱 伝導率が 1 . 0 W / m · K以下と なる よ う に炭素質材料の組 成を選択する こ と に よ っ て達成 し得る こ と がわかっ た。 さ ら に、 本発明に よれば、 実質的に非多孔質の無機充填材を 1 5 〜 6 5 質量％割合で含有する炭素材料組成物 （残部炭素） に よ り 発熱体を形成する こ と によ り 、 炭素量の実質的な削減が も た ら され、 燃焼生成物量、 特に一酸化炭素の低減を よ り 向 上させる こ と ができ 、 同時に燃焼量すなわちパフ回数を低減 でき、 燃焼生成物の総量を減少 させる こ と も でき る こ と がわ かった。 実質的に非多孔質の無機充填材と しては、 B E T比 表面積が 3 m ² / g 以下の炭酸カ ルシ ウ ムが特に適 してい る。 発熱体 1 3 の燃焼によ って発生 した熱は、 発熱体に隣接 して配置されている香味発生体 1 5 を加熱 し、 香味を気化 · 放出 させる。

発熱体 1 3 は、 通常、 その外周 を耐熱性の囲包部材 1 4 で 囲まれて、 筒状体 1 1 内に挿入 · 固定されている。

筒状体 1 1 内において、 香味発生体 1 5 の下流側には、 香 味補給体 1 8 を配置する こ と ができ る。 香味補給体 1 8 は、 香味発生体 1 5 から生成 した香味成分に加えて、 さ ら に香味 の特徴付けを必要 と する場合や、 高温に曝されない方が好ま しい各種の香料な どを担持させてお く こ と ができ 、 目 的に応 じてたばこ 、 再生たばこ に よ っ て構成する こ と ができ る し、 あ るいは香料を担持 した紙、 不職布等の担体に よ り 構成する こ と も でき る。 さ ら には、 香味補給体 1 8 は、 香料を含む成 形物の形態で提供する こ と もでき る。

吸い 口部 1 7 には、 通常、 当該技術分野で一般的に使用 さ れるたばこ用のフ イ ノレ タ ー 1 7 1 を設け る こ と ができ る。 香 味の生成量に対 して最終的に使用者が喫煙可能な香味の量を 効率よ く 送出する ためには、 ろ過率 2 0 %以下の低ろ過性の フ イ ノレターを用レ、るか、 または中空のフ イ ノレタ ーを用レ、る こ と ができ る。 さ ら に、 吸い口部 1 7 には、 吸い込み量や吸い 込み圧を調整するために必要に応 じて所望の位置 （通常、 吸 い 口部 1 7 の周方向） に、 それぞれ断熱材 1 2 および筒状体 1 1 を貫通 して、 複数のベンチ レーシ ヨ ン孔 V Hを形成する こ と ができ る。

本発明において、 香味発生体 1 5 と香味補給体 1 8 と は、 直接接する よ う に配置する こ と が き る が、 図 1 に示すよ う に、 それ らの間に空隙部 1 9 を設ける こ と が好ま しい。 こ の空隙 部 1 9 に よ り 、 香味発生体 1 5 カゝ ら生成 したエア ロ ゾルあ る いは香味の冷却を促進 し、 香味補給体 1 8 およ び吸い 口部 1 7 での凝縮に よ る損失を低減でき る場合がある。 空隙部 1 9 の容積は、 これ ら 目 的に応 じて適宜設定する こ と ができ る。 こ の よ う に空隙部 1 9 を設け る場合には、 図 1 に示すよ う に、 香味発生体 1 5 の下流端に、 通気性部材 1 6 a と 同様の通気 性部材 1 6 b を設けて粒状物 1 5 1 が移動 しないよ う にする こ と ができ る。

本発明において、 充填筒 1 1 内の粒状物 1 5 1 は、 最密充 填される こ と が好ま しい。 粒状物 1 5 1 は緩 く 充填される と 使用 中に偏っ た充填状態 と な り 、 粒状物 1 5 1 間に形成され る流体流路も偏っ て香味送出量の均一性が損なわれる ので、 初期の充填状態を保てる よ う に最密充填 と する こ と が好ま し い。 こ こ で、 最密充填と は、 粒状物を振動またはタ ッ ピング 等に よ っ て密に充填 した状態をい う 。 こ こ で、 最密充填された粒状物 1 5 1 の充填長 （ L ) と筒 状体 1 1 の内径 （ D ) は、 それらの比 （ L D ) 力 S 2 〜 4 と なる よ う に設定する こ と が好ま しレヽこ と がわかった。 こ の比 が 2 よ り も小 さ い場合には、 香味発生体 1 5 からの香味成分 の発生挙動が発熱体 1 3 の発熱パタ ーンの影響を受けやすい 傾向 と な り 、 他方こ の比が 4 よ り も大き い場合には、 香味発 生体 1 5 内での凝縮沈着に よ り 送出香味の量が減少 しやすい 傾向 と な り 、 香味送出の均一性が低下する傾向 と なる。 従つ て、 筒状体 1 1 の内径 （ D ) が通常のシガ レ ッ ト と 同様、 約 7 〜 8 m mである場合、 充填長 （ L ) は、 約 1 4 〜 3 2 m m の範囲に設定する こ と が好ま しい。 また、 粒状物 1 5 1 の大 き さ は、 その代表径 （ d ) と 筒状体 1 1 の 内径 （ D ) の比 ( D / d ) 力 S 3 . 5 〜 ： 1 6 、 特に 4 〜 ： 1 5 になる よ う に設定 する こ と が好ま しレヽこ と も わかった。 こ の比が 4 よ り も小さ い場合には、 粒状物 1 5 1 —個の熱容量が増大する ため吸い 始めの送出香味量が減少する傾向 と な り 、 ま た、 こ の比が 1 5 よ り 大き い場合には、 吸引抵抗が増大する ため吸いに く レ、 傾向 と なる。 従っ て、 筒状体 1 1 の内径 （ D ) が通常のシガ レ ッ ト と 同様、 約 7 〜 8 m mである場合、 粒状物 1 5 1 の代 表径は、 約 2 . 0 〜 0 . 5 m mの範囲に設定する こ と が好ま しい。 こ こ で、 粒状物の代表径と は、 軸方向または半径方向 で最も長い径をい う 。

以下、 実施例に よ り 本発明を説明するが、 本発明はそれら によ って限定される ものではない。

実験例 1 図 2 Aおよび図 2 B は、 非多孔質無機充填材 と して B E T 比表面積 l m ² Z g の炭酸カ ル シ ウ ム を使用 し、 香味物質 と 混合 した場合 （図 2 A ) 、 多孔性無機充填材と して比表面 積 1 2 0 m 2 Z g のアル ミ ナを使用 し、 同 じ香味物質 と 同 じ割合で混合 した場合 （図 2 B ) の D S C分析結果である。 図 2 Aに示すよ う に、 非多孔質無機充填材を用いた場合には、 香味物質の気化に よ る吸熱ピーク が 1 回のみ現れるのに対 し、 図 2 B に示すよ う に多孔質無機充填材を用いた場合には、 1 つの吸熱ピーク （吸熱ピーク （ 1 ) ) に加えて、 さ ら に高温 域で 2 回 目 の吸熱ピーク （吸熱 ピーク （ 2 ) ) が現れている。 これは、 多孔性物質に吸着された香味物質が気化するために はよ り 多く のエネルギーを必要 と する こ と を示 してお り 、 非 多孔質物質を使用する こ と が有意に有利である こ と がわかる。 実施例 1

以下の仕様で図 1 に示す構造の喫煙物品を作製 した。

ぐ筒状体〉

材質 ： アル ミ 箔ラ ミ ネー ト紙

¾ ： 8 5 m m

内径 ( D ) 7 . 5 m m

ぐ香味発生体 >

組成 ： B E T 比表面積 l m ² Z g の炭酸カ ル シ ウ ム 8 0 質量％

メ チノレ ヒ ド ロ キ シェチノレセノレ ロ ース 1 質量⁰ /₀ グ リ セ リ ン （香味物質） 1 9 質量⁰ /₀

形状 ： 球状 代表径 （ d ) ： 1 . 5 m m

最密充填長 （ L ) : 1 5 m m

L / D = 2

D / d = 5

ぐ香味補給体〉

組成 ： 黄色種タバコ刻み

長さ ： 2 0 m m

<吸レヽロ部〉

フ イ ノレタ ー

長さ ： 2 0 m m

ぐ発熱体 >

組成 ： 炭素 8 5 質量％

B E T比表面積 l m ² g の炭酸カ ノレ シ ゥ ム 1 5 く空隙部 >

長 ： 丄 5 m m

こ の喫煙物品について、 自 動喫煙機に よ り 、 1 パ フ の容量 が 5 0 m L 2 秒の喫煙を 3 0 秒間隔で行い、 パ フ毎に捕集 した香味物質の量を測定 した結果を図 3 に示す。 また、 本実 施例の喫煙物品の香味成分放出に関する均一性指数 （後述） は 0 . 7 9 であった。 香味物質の合計捕集量は約 1 1 m g で め っ た。

実施例 2

香味発生体を構成する粒状物の最密充填長を 3 O m m と し ( L / D = 4 ； 空隙部な し） 、 粒状物の代表径が 1 . O m m ( Ό / d = 7 . 5 ) である以外は、 実施例 1 と 同様の喫煙物 品を作製 した。 こ の喫煙物品について、 自動喫煙機によ り 、 1 パフの容量が 5 0 m L Z 2秒の喫煙を 3 0秒間隔で行い、 パフ毎に捕集 した香味物質の量を測定 した結果を図 4 に示す。 本実施例の喫煙物品の均一性指数は 0 . 8 1 と 高い値であつ たが、 L Z D を大き く と ったため ト ー タ ルの香味物質捕集量 は前例よ り も低下 して約 7 m g であった。

以上の実施例における均一性指数は、 2 から 1 1 パフの測 定値を使用 して、 以下のよ う に計算 した。

均一性指数 = 1 一 （変動係数）

変動係数 = (標準偏差） / (平均値）

こ の均一性指数は、 1 に近い程良好である こ と を示すもの である。

図 5 は、 実施例 1 の喫煙物品において炭素成形物発熱体か ら香味発生体へ流入する熱量をパ フ毎にプロ ッ ト した結果を 示している。 均一性指数の評価範囲を 2 から 1 1 パフ と した 根拠と して、 香味発生体への流入熱量がその最大値 （ほぼ 5 パフ 目 ） の 5 0 %以上である こ と を条件と した。

実施例 3

発熱体中の炭酸カルシウムの含有量を 4 0 質量％と した以 外は実施例 1 と 同様の喫煙物品を作製 し、 同様に喫煙操作を 行った。 その結果、 一酸化炭素生成量は実施例 1 の場合の 5 5 %まで減少 した。

比較例 1

香味発生体が熱に弱く 燃えやすい性質あるいは形態である 場合は、 燃焼に よ って充填状態が変化 した り 、 燃焼熱で急激 に香味生成量が増大 した り する ために、 発熱体自身の発熱挙 動よ り も さ ら に不均一な挙動 と なる。 特開平 6 — 4 6 8 1 8 号公報に記載 されている よ う なパルプおよびたばこ系材料よ り なる シー ト刻状媒体に香味物質 （例えばグ リ セ リ ン） を 4 0 質量％含ませた香味発生体を約 3 O m mの長 さ に充填 し、 実施例 2 と 同様の喫煙物品を作製 し、 パフ毎に捕集 した香味 物質の量を測定 した結果を図 6 に示す。 香味物質の合計捕集 量は約 1 3 m g で実施例 1 と 大差なかっ たが、 均一性指数は 0 . 3 1 と 非常に低いも のであった。 さ ら に、 喫煙後の喫煙 物品を解包 した と こ ろ、 燃焼によ る シー ト刻の灰化および焼 失が認め られた。

実施例 4

実施例 1 お よび実施例 2 の喫煙物品 と 、 比較例 1 の喫煙物 品 と を、 専門的に訓練された喫味パネ ラーに よ り 実際に比較 喫煙 した。 その結果、 本発明によ る実施例 1 および実施例 2 の喫煙物品はパフ毎の香味煙量感が安定 してお り 、 特に喫煙 後半の香味量が落ち込ま ないため、 喫煙が進行 して も煙量感 の持続性が高い と い う 評価を得た。 また、 比較例 1 の喫煙物 品では、 喫煙後半に香味発生体の燃焼によ る特異的な喫味の 変化が認め られた。

以上述べた よ う に、 本発明によれば、 簡単な構造で、 使用 者の喫煙の間、 一パフ毎に安定な量の香味を送出 し、 煙量や 味の不均一な変化に よ る ス ト レス を感 じる こ と な く 喫煙を楽 しむこ と ができ る喫煙物品が提供される。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 先端部に発熱体が設け られ、 後端部に吸い口部を備え る筒状体と 、 該筒状体内において該発熱体に近接して設け ら れた香味発生体を具備 し、 該香味発生体が、 乾燥質量基準で、 実質的に非多孔質の無機充填材を 6 5 〜 9 3 質量％の割合で、 結合剤を 1 〜 3 質量％の割合で、 および香味物質を 6 〜 3 2 質量％の割合でそれぞれ含む複数の粒状物を含む喫煙物品。

2 . 前記無機充填材が、 3 m ² Z g 以下の B E T比表面 積を有する請求項 1 に記載の喫煙物品。

3 . 前記無機充填材が、 炭酸カルシウムである請求項 2 に 記載の喫煙物品。

4 . 前記粒状物が、 最密状態に充填され、 前記筒状体の軸 方向における該粒状物の充填長と前記筒状体の内径と の比が 2 〜 4 の範囲であ り 、 前記筒状体の内径と粒状物の代表径と の比が 4 〜 1 5 である請求項 1 に記載の喫煙物品。

5 . 前記粒状物が、 ペレッ ト、 タブレ ッ ト または球の形態 にある請求項 1 に記載の喫煙物品。

6 . 前記結合剤が、 メ チル ヒ ド ό キシェチルセルロ ース を 含むこ と を特徴とする請求項 1 に記載の喫煙物品。

7 . 前記発熱体が、 常温において 1 . 0 Wノ m · Κ以下の 熱伝導率を示す請求項 1 に記載の喫煙物品。

8 . 前記発熱体が、 実質的に非多孔質の無機充填材を 1 5 〜 6 5 質量％の割合で含む炭素質材料からなる請求項 1 に記 載の喫煙物品。

9 . 前記発熱体に含まれる無機充填材が、 3 m ² 以 下の B E T比表面積を有する炭酸カ ルシ ウ ムか ら なる請求項 1 に記載の喫煙物品。

1 0 . 前記吸い 口 部が、 ろ過率が 2 0 %以下のブ イ ノレターに よ り 構成 されている こ と を特徴と する請求項 1 に記載の喫煙 物品。

1 1 . 前記吸い 口 部が、 中空のフ ィ ルタ一に よ り 構成されて いる請求項 1 に記載の喫煙物品。 '