明 細 書 芳香族硫黄化合物の製造方法 技術分野
本発明は、 芳香族チォエーテル類から芳香族チ才一ル類を製造する方法に関 し、 また該芳香族チオール類を経て芳香族ジスルフィ ド類を製造する方法に関す る。 本発明は、 さらに、 芳香族ハロゲン化合物から上記の芳香族チォエーテル類 を経て芳香族チ才一ル類を製造する方法に関し、 また該芳香族チオール類を経て 芳香族ジスルフィ ド類を製造する方法に関する。 背景技術
一般式 ( l a ) :
Yn— T ^ (SH^ (la)
式中、 Yは、 たがいに同一でも異なっていてもよい、 塩素原子、 臭素原 子、 ヨウ素原子、 ニトロ基、 二トリル基、 スルホン基、 スルファモイル基 およびヒドロカルビルスルホニル基を表し; mは 1〜 6の整数であり、 nは 0または 1〜 5の整数であり、 ただし、 m+ nは 6以下である、 で示される芳香族チオール類、 および一般式 (Ili a ) :
式中、 丫および nは、 上記のとおりである
で示される芳香族ジスルフィ ド類は、 医薬、 農薬、 電子材料などの中間体として 用いられている。
このような置換基を有する芳香族モノチオール類、 芳香族ジチ才一ル類または 芳香族ジスルフィ ド類の製造方法として、 いくつかの方法が提案されている。 たとえば、 工業化学雑誌 7 0卷 8号 1 1 4〜1 1 8頁 ( 1 9 6 7 ) には、 多塩
化ベンゼンを、 液体アンモニアに溶解した硫化水素ナトリウムと、 才一トクレー ブ中で反応させて、 その 1個の塩素原子をメルカプ卜化するハロゲン化芳香族チ オール類の製造方法が記載されている。 この方法によると、 4〜6個の塩素原子 を有する多塩化べンゼンからは高収率でハロゲン化芳香族チ才一ル類が得られる が、 トリクロ口ベンゼンからジクロロチ才フエノールを得る収率はわずか 1 7〜 2 0 %しかなく、 かつ液体アンモニアを取扱う繁雑さや、 才一トクレーブ中の高 圧反応であるための工業的な制約がある。
特公昭 4 4— 2 6 〗 0 0号公報には、 アミノ基を有するハロゲン化芳香族化合 物を亜硝酸ナトリゥ厶と濃塩酸でジァゾニゥ厶化し、 ついで 0—ェチルジチ才炭 酸カリウムと反応させた後、 水酸化ナトリウムを加えて還流させる方法により、 ハロゲン化芳香族チ才一ル類を得る方法が開示されている。 この方法は繁雑であ るばかりか、 ジァゾ二ゥ厶塩を扱うので危険を伴い、 好ましくない。
特開昭 5 6— 1 5 6 2 5 7号公報には、 1, 3, 5—トリクロ口ベンゼンまた は 1一ブロモ一3, 5—ジクロロベンゼンとアルカリ金属硫^ ίヒ物を、 ジエチレン グリコールのような溶媒の存在下に反応させる、 3, 5—ジクロロチ才フエノー ルの製造方法が開示されている。 この方法は、 比較的簡単な操作で目的物が得ら れるが、 収率が低く、 副生成物が多いので、 精製が困難である。
Zhur. Org. Kh im. 1 1卷 1 1 3 2頁 ( 1 9 7 5 ) には、 酸化トリウムの存在 下に、 ハロゲン化ァリールに硫化水素を反応させて芳香族チ才一ル類を得る方法 が開示されているが、 5 5 0 °C以上の高温を必要とし、 収率もよくない。
特開平 2— 4 8 5 6 4号公報には、 一方のベンゼン環に二卜口基を有するジァ リ一ルスルフィ ドに、 求電子置換反応によって他方のベンゼン環にハロゲン原 子、 ニトロ基のような置換基を導入し、 ついで水酸化ナトリウムのような塩基性 物質の存在下に、 チ才フヱノールとの間で交換反応を行うことにより、 該置換基 で核置換されたチ才フエノール類を得る方法が開示されている。 しかしながら、 この方法は繁雑であり、 またチオフヱノール類のベンゼン環に多数の置換基を導 入するには適さない。
特開昭 6 1—7 2 7 4 9号公報には、 0—八口フエノールに N, N—ジアルキ ルカルバモイルハライ ドを反応させて、 〇一 0—ハロフヱニル一 N, N—ジアル
キルカルバメ一卜を合成し、 これを加熱により転位反応させて S— o—ハロフエ 二ルー N, N—ジアルキルカルバメ一 卜とした後、 加水分解して 0—ハロチオフ ェノールを製造する方法が開示されている。 しかしながら、 この方法は煩雑な多 段反応であるうえ、 不安定で取り扱いにくい力ルバモイルハライ ドを用いる必要 がある。 また、 転位反応を高温で行うために副反応を生じるので不利であり、 特 にハロゲン以外の置換基を導入する場合に著しく不利である。
特開平 2— 2 9 5 9 6 8号公報には 4—ハロベンゼンスルフィン酸、 特開平 3 - 1 8 1 4 5 5号公報には 4ーハロベンゼンスルホニルクロリ ド、 特開平 5— 1 8 6 4 1 8号公報にはハロベンゼンスルフエニルハライ ドを、 それぞれ鉱酸の存 在下に亜鉛末のような金属粉末を用いて還元して、 対応するハロゲン化チ才フエ ノールを製造する方法が開示されている。 しかしながら、 これらの反応は、 いず れも鉱酸の存在下に還元を行うために、 特殊な装置が必要である。
特開平 5— 1 4 0 0 8 6号公報には、 モノハロベンゼンを塩化亜鉛のような触 媒の存在下に一塩化硫黄と反応させ、 その反応生成物を、 亜鉛などの還元剤によ つて還元して、 ハロチオフ Iノール類を得る方法が開示されている。 この方法 も、 上記と同様に還元反応であるため、 同様の問題がある。
特開平 4一 1 8 2 4 6 3号公報には、 多ハロゲン化ベンゼンに、 硫化水素ナ卜 リウム、 硫ィヒナトリウム、 硫化カリウムのような硫化物を反応させて、 ハロゲン 化チオフヱノール類を得る方法が開示されている。 これらの方法においては、 反 応が遅いために、 ハロゲン化芳香族チオール類が、 原料のハロゲン化ベンゼンと 反応して芳香族スルフィ ド類になりやすく、 ハロゲン化芳香族チ才一ル類の収率 を低下させている。
特開平 4— 1 9 8 1 6 2号公報には、 多ハロゲン化ベンゼンにチ才グリコール 酸塩を反応させて、 ハロゲン化芳香族チオール類を得る方法が開示されている。 また、 特開平 5— 1 7 8 8 1 6号公報には、 ハロゲン化フエ二ルチオグリコール 酸を、 塩基の存在下に、 硫化水素ナトリウムや芳香族チ才一ルのような硫化物と 反応させて、 ハロゲン化芳香族チオール類を得る方法が開示されている。 しかし ながら、 これらの方法では、 高純度の芳香族チオール類を収率よく得ることがで きない。
特開平 8—1 3 5 3 3号公報には、 チ才ァ二ソ一ル類の硫黄原子に結合した メチル基を、 塩素ガスにより塩素化してハロゲン化チ才ァ二ソ一ル類とし、 これ を加水分解してハロゲン化芳香族チオール類を得る方法が開示されている。 さら に、 上記特開平 8—1 3 5 3 2号公報には、 上記のハロゲン化チ才ァ二ソ一ル 類の加水分解を鉱酸の存在下に行うこと、 および該加水分解反応によって得られ たハロゲン化芳香族チ才ール類を、 過酸化水素のような酸化剤によつて酸化二量 ィヒして、 ハロゲン化芳香族ジスルフィ ド類が得られることが開示されている。 し かしながら、 この方法では、 チ才ァ二ソール類を得るために揮発性で臭気のある メチルメルカブタンを用いるうえに、 メチル基を塩素化するために塩素ガスを導 入するという煩雑な工程が必要である。 なお、 芳香族チ才エーテル類から、 ルイ ス酸との反応により炭化水素基を脱離させて芳香族チオール類を得る反応は、 知 られていない。
本発明の目的は、 芳香環の炭素原子に置換基を有する芳香族チ才エーテル類よ り、 高純度の芳香族チオール類および芳香族ジスルフィ ド類を、 優れた収率で ί る方法を提供することである。 本発明のもう一つの目的は、 芳香族ハロゲン化合 物より、 置換基を有する芳香族チオール類および芳香族ジスルフィ ド類を、 簡単 な操作により、 優れた収率と純度で製造する方法を提供することである。
本発明者らは、 上記の課題を解決するために研究を重ねた結果、 特定範囲の炭 化水素基を有する芳香族チ才エーテル類が、 ルイス酸またはプロ トン酸の存在下 での反応により容易に該炭化水素基を脱離させうることを見出し、 さらにこの反 応を利用して、 芳香族ハロゲン化合物を、 特定構造のヒドロカルビルメルカプチ ドアルカリ金属塩と反応させ、 必要に応じて得られた芳香族チ才ェ一テル類をル イス酸またはプロトン酸によって分解することにより、 その目的を達成しうるこ とを見出して、 本発明を完成させるに至った。 発明の開示
すなわち、 本発明は、 一般式
Y n- r - ( S R )m
式中、 A rは、 芳香族炭化水素残基を表し ;
丫は、 A r中の芳香環の炭素原子に結合しているハロゲン原子、 ニトロ 基、 二 トリル基、 スルホン基、 スルファモイル基およびヒ ドロカルビルス ルホニル基からなる群より選ばれる 1種または 2種以上の置換基を表し; Rは、 1価の第二級もしくは第三級炭化水素基、 または一般式: 一 C H2—R1もしくは一 C H2— C R2=C (R2)2
式中、 R ま、 1価の炭化水素基で置換されていてもよい 1価の芳香 環基を表し、 R2は、 たがいに同一でも異なっていてもよく、 水素原 子または 1価の炭化水素基を表す、
で示される 1価の第一級炭化水素基を表し;
mは、 1以上の整数であり ;
nは、 0または 1以上の整数である、
で示される芳香族チォェ一テル類を、
(A) ルイス酸またはプロトン酸
ただし、 プロ トン酸の場合、 第一級炭化水素基は Rから除外される、 および溶媒の存在下に反応させ、 必要に応じて加水分解することを特徴とする、 一般式 ( I ) :
Yn-A r一 (SH)m ( I ) 式中、 丫、 A r、 mおよび nは、 前記と同義である、
で示される芳香族チオール類の製造方法に関する。
本発明は、 また、 上記方法によって、 mが 1 である芳香族チオール類を製造 し、 ついでこれを酸化することを特徴とする、 一般式 (III) :
Yn-A r -S-S-A r -Yn (III) 式中、 A rおよび丫は、 前記と同義であり ; nは、 0または 1以上の整数 である、
で示される芳香族ジスルフィ ド類の製造方法に関する。
さらに、 本発明は、 (B) —般式 (IV) :
Yn-A r -Xm (IV)
式中、 A rおよび Yは、 前記と同義であり ;
Xは、 A r中の芳香環の炭素原子に結合しているハロゲン原子を表し;
mは、 1以上の整数であり ;
nは、 0または 1以上の整数である、
で示される芳香族ハロゲン化合物に、
(C) ( 1 ) 一般式 (V) :
R SM (V)
式中、 Rは、 前記と同義であり、 Mは、 アルカリ金属原子を表す、 で示されるヒドロカルビルメル力プチドアルカリ金属塩;および/または (2) (a) —般式 (VI) :
R S H (VI)
式中、 Rは、 前記と同義である、
で示されるヒドロカルビルメルカプタンと、
(b) アルカリ金属、 その水酸化物、 炭酸塩、 水素化物もしくはアルコキ シドとを、
(D) 非プロトン極性溶媒
の存在下に反応させて、 一般式 (II) :
Yn-A r一 (S R)m (II) 式中、 丫、 A rおよび Rは、 前記と同義であり ; mおよび nは、 上記のと おりである、
で示される芳香族チ才エーテル類を製造し;
得られた該チ才エーテル類を、 上記と同様に処理することを特徴とする、 一般式 ( I ) で示される芳香族チオール類の製造方法に関する。
また上記方法によって、 一般式 .( I ) で示され、 mが 1 である芳香族チオール 類を製造し、 ついでこれを酸化することを特徴とする、 一般式 (III) で示される 芳香族ジスルフィ ド類の製造方法に関する。 発明を実施するための最良の形態
本明細書において、 「芳香族チ才一ル類」 は、 特に限定されない限り、 芳香族 モノチオール類のほか、 芳香族ジチオール類、 芳香族トリチ才一ル類など、 複数 のメルカプ卜基を有する芳香族化合物を包含する概念として用いる。
本発明の製造方法は、 代表的には、 上記の芳香族化合物において、 A rがフエ ニル基、 フヱ二レン基などの 1価以上のベンゼン環残基である場合に、 特に好ま しく適用される。
以下、 本発明を、 芳香族ハロゲン化合物を出発原料とする方法について、 順を 追って説明する。 前述のように、 本発明の方法は、 他の方法で得られた芳香族チ 才ェ一テル類を出発原料として、 第 2工程以下を実施することをも包含する。 た とえば芳香族第一ァミンに亜硝酸ナトリウムおよび酸を反応させて芳香族ジァゾ ニゥム塩とし、 これにナ卜リゥムヒドロカルビルメル力プチドを反応させて得ら れる芳香族チ才エーテル類が使用できる。
本発明の芳香族チオール類の製造方法における第〗工程は、 (B ) 芳香族ハロ ゲン化合物を (C ) 有機硫黄化合物と反応させて、 芳香族チォエーテル類を製造 する工程である。
本発明に用いられる (B ) 芳香族ハロゲン化合物は、 芳香環の炭素原子に結合 した少なくとも 1個のハロゲン原子 Xを有する芳香環化合物の誘導体である。
A rは、 芳香族炭化水素残基である。 A rとしては、 ベンゼン環、 ビフ ιニル 環、 テルフヱニル環、 ナフタレン環、 アントラセン環、 ピレン環などの芳香環残 基を包含する。 (C ) との反応性から、 ベンゼン環残基が特に好ましい。
Xは、 A r中の芳香環の炭素原子に結合し、 (C ) との反応に寄与するハロゲ ン原子であり、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子およびヨウ素原子が例示され る。 (B ) が容易に入手でき、 かつ副生物の処理が容易なことから、 塩素原子ま たは臭素原子が好ましい。
mは、 1以上の整数であり、 A rがベンゼン環の場合は 1 ~ 6の整数である。 反応生成物が比較的単純であり、 特に得られる芳香族チオール類を酸化して、 ジ スルフィ ド結合を有する生成物を得ようとするときは、 mが 1 であることが好ま しい。
丫は、 A r中の芳香環の炭素原子に結合し、 目的物である芳香族チオール類ま たは芳香族ジスルフィ ド類に置換基として導入され、 また丫の存在によって、 ( B ) と (C ) との反応が促進される。 Yは、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 二トリ ル某、 スルホン基、 スルファモイル基またはヒ ドロカルビルスルホニル基を表
す。 ハロゲン原子としては、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子およびヨウ素原子 が挙げられ、 ヒ ドロカルビルスルホニル基としては、 メチルスルホニル、 フエ二 ルスルホニル、 p—卜ルイルスルホニルなどが例示される。 Yが複数個存在する とき、 それらはたがいに同一であっても異なっていてもよい。 また丫がハロゲン 原子のとき、 Xと同一であっても異なっていてもよい。
nは、 0または 1以上の整数であり、 A rがベンゼン環残基の場合、 0または 1 ~5の整数である。 Yが同一の場合、 nが大きいほど (B) と (C) との反応 が容易に進行し、 続いて行われる脱離反応により置換芳香族チオール類の収率が 高いが、 他の芳香族チオール類の合成法と比較して、 相対的に高い収率および純 度で置換芳香族チオール類が得られることとから、 nが 2または 3であることが 好ましい。
(C) は、 (B) との反応によって芳香環にメルカプト基を導入するものであ る。 (C) としては、 下記の (1 ) および Zまたは (2) が用いられる。 すなわ ち、 (1 ) は、 分子中に特定構造の 1価の炭化水素基を有するヒドロカルビルメ ルカプチドアルカリ金属塩であり ; (2) は、 (a) 同様の 1価の炭化水素基を 有するヒドロカルビルメルカブタンと、 (b) アルカリ金属、 その水酸化物、 炭 酸塩、 水素化物もしくはアルコキシドとの組合せである。 (2) の組合せは、 系 中で (1 ) を形成する前駆物質であり、 生成した (1 ) が (B) と反応して、 芳 香族チォエーテル類を得ることができる。 入手が容易であることから、 (C) と して (2) の組合せを用いることが好ましい。
(1 ) および 〈2) (a) の分子中に含有され、 硫黄原子に結合する 1価の炭 化水素基 Rは、 広い範囲から選択することができる。 すなわち、 Rとしては、 ィ ゾプロピル、 s—ブチル、 s—ペンチル、 s—へキシル、 s—才クチル、 s—デ シル、 s—ドデシル、 1, 4, 4—トリメチルペンチルのような炭素原子数 3〜 20の第二級アルキル基; イソブテニル、 イソペンテニルのような炭素原子数 4 〜1 0の第二級アルケニル基; 1—フエニルェチル、 ベンズヒ ドリルのような芳 香環含有第二級炭化水素基などの 1価の第二級炭化水素基; ならびに tーブチ ル、 t一ペンチル、 t一へキシル、 t一才クチル、 t—デシル、 t—ドデシル、 1—メチルー 1—ェチルプロピル、 1, 1—ジェチルプロピル、 1, "1, 4—卜
リメチルペンチルのような炭素原子数 4〜 2 0の第三級アルキル基;および 1一 メチル一 1 —フエニルェチル、 1 , 1ージフエニルェチル、 卜リチルのような芳 香環含有第三級炭化水素基などの〗価の第三級炭化水素基を用いることができ る。
( A ) としてプロトン酸を使用する場合、 上記反応は、 例えば、 芳香族チォェ 一テル類として t—ブチルスルフィ ドを使用すると、 以下のように進行すると考
R
3
えられる。 一 RCI
H
即ち、 芳香族チォエーテルの硫黄原子にプロトンが付加し、 次いで、 硫黄原子 の置換基 R (上記の場合、 t一ブチル基) が R +として脱離し、 芳香族チ才一ル が生成すると同時に、 R +から分子内転移によりプロトンが放出されてアルケン 等の化合物が生成する。
従って、 プロトン酸を使用する場合、 (1 ) および (2 ) に含有される 1価の 炭化水素基 Rは、 芳香族チ才エーテル類としてプロトンと錯体を形成した後、 脱 離することが可能な炭化水素基であることが必要である。 このような Rとしては、 一般式 (VII ) :
(VII) 式中、 R 3、 R 4および R 5は、 それぞれアルキル基またはァリール基を表 し、 ただし、 R 3、 R 4および R 5のいずれか 1個がァリール基の場合、 残 余のうち、 一つは水素原子でもよく ; Mは、 アルカリ金属原子を表す、 で示される、 脂肪族または芳香族の 1価の第三級炭化水素基、 または 1価のジァ
5
10 リールもしくはモノアルキルモノァリール第二級炭化水素基が挙げられ、 さらに 前記炭素原子数 4〜 2 0の第三級アルキル基;前記芳香環含有第三級炭化水素 基;および硫黄原子に結合する炭素原子に 2個のァリール基またはアルキル基と ァリール基が 1個ずつ結合した第二級芳香族炭化水素基が例示される。 これらの 中でも、 合成が容易で、 反応および酸による脱離が容易なことから、 t一ブチル 基およびべンズヒドリル基が好ましい。 式 (VII ) において、 Mは、 アルカリ金属 原子であって、 リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 セシウムなどが挙げられ、 ナ 卜リゥムおよび力リゥ厶が好ましい。
さらに、 (A) としてルイス酸を使用する場合、 上記反応は、 例えば、 溶媒と してトルエンを使用し、 ルイス酸として塩化アルミニウムを使用すると、 以下の ように進行すると考えられる。
即ち、 芳香族チ才エーテルの硫黄原子にルイス酸が配位し、 次いで、 硫黄原子 の置換基 Rが R +として脱離する。 R +は前述のプロ 卜ン酸による分解のよう に、 R +からプロトンを放出し、 才レフィンを生成する反応も起こるが、 主に、 溶媒と反応すると同時に、 溶媒がプロトンを放出し、 そのプロ トンが、 ルイス酸 が配位した芳香族チ才エーテルに付加し、 更に分子内転移反応によりルイス酸を 放出して芳香族チ才一ルが形成される。 したがって、 上記反応の場合、 R +の受 容体となる溶媒が必要である。
上記反応に適用可能な置換基 Rとしては、 上記プロトン酸の説明において記載 した式 (VII ) の置換基に加えて、 一般式:
— C H 2— R 1もしくは一 C H 2— C R 2= C ( R 2) 2
式中、 R 1および R 2は前記と同義である、
で示される、 特定範囲の 1価の炭化水素基を挙げることができる。 R 1として は、 フエニル、 1一ナフチルのような 1価の芳香環基;およびトリル、 キシリ ル、 4—ビフエ二リルのような、 該芳香環基がさらに 1価の炭^ ί匕水素基で置換さ れた基が例示される。 R 2としては、 水素原子のほか、 メチル、 ェチル、 プロピ ル、 ブチルのような炭素原子数〗〜 6のアルキル基; ビニルのような炭素原子数 2〜7のアルケニル基; フエニルのようなァリール基などが例示される。 このよ うな 1価の第一級炭化水素基としては、 ベンジル、 1 一ナフチルメチルのよう な、 硫黄原子に結合するメチレン基に芳香環が結合した炭化水素基;およびァリ ル、 2—ブテニル、 シンナミル、 プロパルギルのような、 2位と 3位の炭化水素 基の間が不飽和結合である炭素原子数 2〜〗 0の炭化水素基が例示される。 これ らのうち、 (1 ) または (2 ) ( a ) が容易に得られ、 取扱いが容易で、 広範囲 のルイス酸との反応によつて炭化水素基が容易に脱離しうることから、 イソプロ ピル、 t—ブチル、 ベンズヒドリルおよびべンジルか"^子ましく、 t一プチルが特 に好ましい。
( 1 ) および (2 ) ( b ) の分子中に含有される Mは、 アルカリ金属原子であ つて、 リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 セシウムなどが挙げられ、 ナトリウム およびカリゥムが好ましい。
このような (1 ) としては、 ナトリウムイソプロピルメルカプチド、 ナトリウ ム s—プチルメル力プチド、 ナトリウム s—へキシルメル力プチド、 ナトリウム s—才クチルメル力プチド、 ナトリウム s—ドデシルメル力プチド、 ナトリウム ベンズヒドリルメルカプチドのような第二級ヒドロカルビルメル力プチドナ卜リ ゥム塩;ナトリウム t—ブチルメル力プチド、 ナトリウム t一ペンチルメルカプ チド、 ナトリウム t一へキシルメル力プチド、 ナトリウム t—ドデシルメルカプ チド、 ナ卜リゥムー 1 , 1ージフエ二ルェチルメル力プチド、 ナトリウムトリチ ルメル力プチドのような第三級ヒドロカルビルメル力プチドナ卜リウ厶塩;ナ卜
リゥムァリルメルカプチド、 ナトリウムベンジルメル力プチドのような第一級ヒ ドロカルビルメル力プチドナトリウム塩; ならびにこれらに対応するヒドロカル ビルメルカプチドリチウム塩および力リゥム塩が例示される。
(2) は、 (a) 上記のような 1価の炭化水素基を有するヒドロカルビルメル カブタンと、 (b) アルカリ金属、 その水酸化物、 炭酸塩、 水素化物またはアル コキシドとの組合せである。 (2) (a) としては、 前述の ( 1 ) で例示された 1価の炭化水素基を有するヒドロカルビルメルカブタンが例示され、 イソブチル メルカプタン、 t _プチルメルカプタン、 ベンズヒドリルメルカプタンおよびべ ンジルメルカプタンが好ましい。
(2) (b) としては、 上記のアルカリ金属のほか;水酸化リチウム、 水酸化 ナトリウム、 水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、 炭 酸ナトリウム、 炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、 水素化リチウムのようなアルカリ金属水素化物; ならびにナトリウムメ トキシ ド、 ナトリウムエトキシド、 ナトリウムプロポキシド (異性体を含む) 、 ナトリ ゥムブ卜キシド (各異性体を含む) のようなナトリウムアルコキシド、 およびこ れらに対応するリチウムアルコキシドおよびカリゥムアルコキシドが挙げられ る o
用いる (a) と (b) の量は、 一方が過剰でも反応は進行するが、 (a) に対 する (b) のモル比として 1. 0〜1. 5が好ましく、 1. 0〜1. 1がより好 ましく、 1. 0が最も好ましいが、 (a) の残存が好ましくない場合は、 (b) を若干過剰に用いてもよい。
(B) との反応に供する (C) の量は、 (C) を (2) の組合せで用いる場合 には、 系中で生成する (1 ) の理論量に換算して、 (B) 1モルに対して、 例え ば、 m==〗 の場合、 通常 1〜3モルの範囲であり、 1. 0〜 1 モルが好まし く、 反応後に (C) を除去する煩維さを避けることから、 1. 0モルが最も好ま しし、。
本発明に用いられる (D) 非プロトン極性溶媒は、 (B) と (C) との反応に よる芳香族チオール類の反応を著しく促進する反応溶媒である。 (D) として は、 N—メチル一 2—ピロリ ドン、 N, N—ジメチルホルムアミ ド、 N, N—ジ
メチルァセ トアミ ド、 スルホラン、 ジメチルスルホキシドなどが例示され、 反応 促進効果が優れていることから、 ジメチルスルホキシドが好ましい。
(D) の量は、 反応にあずかる化合物を溶解ないし分散させ、 系を撹拌するの に必要な量であり、 具体的には、 (B) と (C) の合計量 1 モルに対して、 通 常、 200 g以上であり、 400 ~1 , 200 gの範囲が好ましい。
(B) 芳香族ハロゲン化物と (C) 硫黄化合物から芳香族チ才ェ一テル類を合 成する工程は、 上記の (D) 非プロ トン極性溶媒の存在下に行う。 たとえば、 (C) として (1 ) ヒドロカルビルメルカプチドアルカリ金属塩を用いる場合、 該 (1 ) および (B) を上記 (D) に溶解させる。 (C) として (2) 、 すなわ ち (a) と (b) を用いる場合は、 (a) および (b) を (D) に溶解させてお き、 35〜60°Cに加熱すると、 反応が速やかに進行して (1 ) が形成されるの で、 ついでこれを上記と同様に (B) と反応させる。
(B) と (C) の反応は、 室温〜 200°Cで行うことができる。 (B) の nと mの合計が 2〜 4と比較的小さい場合は、 好ましくは 5 0~ 1 2 0°Cに昇温し て、 反応を促進することが効果的である。 mが 2以上のときは、 1 00〜20 o°cで反応させることが好ましい。 なお、 丫がニトロ基などの電子吸引性基の場 合、 および A rがベンゼン環で nと mの合計が 5または 6のときは、 室温でも反 応が充分に進行するので、 室溫が好ましい。
芳香族チオール類の製造方法の第 2工程は、 (A) としてルイス酸を使用する 場合、 第 1工程で得られた、 前述のような特定範囲の構造を有する 1価の炭化水 素基が硫黄原子に結合した芳香族チォェ一テル類をルイス酸と反応させ、 ついで 加水分解することにより、 該芳香族化合物より炭化水素基を脱離させて、 芳香族 チオール類を得る工程である。
本発明において、 (A) ルイス酸とは、 その錯体を包含する概念として定義さ れる。 (A) ルイス酸としては、 三フッ化ホウ素、 三塩化ホウ素、 三臭化ホウ 素、 塩化アルミニウム、 臭化アルミニウム、 四塩化チタン、 塩化第二鉄、 四塩ィ匕 スズ、 五塩化アンチモンのようなハロゲン化物;および三フッ化ホウ素一ジェチ ルェ一テル錯体のようなその錯体が例示され、 取扱いが容易で活性が高いことか ら、 臭化ホウ素、 塩化アルミニウム、 四塩化チタンおよび塩化第二鉄が好まし
く、 芳香族チ才一ル類を純度よく得るためには、 後述の酸化作用のないものがよ り好ましく、 塩ィヒアルミニウムおよび四塩化チタンが特に好ましい。
( A ) ルイス酸の使用量は、 芳香族チ才エーテル類の種類、 すなわち、 丫、 R、 mおよび n、 ならびにルイス酸の種類によっても異なるが、 触媒量から、 芳 香族チ才ェ一テル類に対して過剰量まで任意に選択できる。 すなわち、 ルイス酸 の量は、 芳香族チ才エーテル類から脱離させる各種の炭化水素基に対して適度の 脱離反応速度が得られ、 かつ好ましくない副反応を生じないことから、 反応に供 される芳香族チ才ェ一テル類 1モルに対して通常 0 . 0 1 ~ 3モル、 好ましくは 0 . 0 2〜 1 . 1モルの範囲であり、 nが大きいほど、 また mが小さいほど、 少 量のルイス酸の存在で反応は進行する。 経済性および残存する酸の除去が容易な ことから、 ルイス酸の量は、 上記の基準で 0 . 0 2 ~ 0 . 1モルの触媒量である ことがさらに好ましい。
芳香族チ才エーテル類とルイス酸との触媒反応は、 それらの酸の強さに応じ て、 室温以下から 2 0 0 °Cまでの温度を適宜選択して行うことができ、 室温〜 1 5 0 °Cで行うことが好ましい。 反応溶媒としては、 トルエン、 キシレン、 メシチ レンのような芳香族炭化水素類;ァニソ一ルのような芳香族エーテル類;塩ィ匕メ チレン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素、 二塩化エチレンのようなハロゲン化炭化水 素類などが用いられる。 ハロゲン化炭化水素類を用いた場合には、 R +の受容体 である トルエン、 キシレン、 メシチレンのような芳香族炭化水素類; またはァニ ソ一ルのような芳香族エーテル類の存在下で反応させることが好ましい。 ルイス 酸として三フッ化ホウ素、 三臭化ホウ素、 塩化アルミニウム、 四塩ィヒチタン、 塩 化第二鉄などを用いる場合は、 上記の溶媒類の存在下に室温で反応させることが 好ましい。
ついで、 反応液を水に加えることにより、 該反応生成物を加水分解して、 芳香 族チオール類を生成する。 加水分解反応は短時間で進行するが、 発熱を伴う場合 には、 水として、 過剰の)令水および Zまたは氷を用いることが好ましい。
一方、 (A) としてプロトン酸を使用する場合、 芳香族チオール類の製造方法 の第 2工程は、 第 1工程で得られた、 前述のような特定範囲の構造を有する 1価 の炭化水素基が硫黄原子に結合した芳香族チ才エーテル類をプロ トン酸と反応さ
せることにより、 該芳香族化合物より炭化水素基を脱離させて、 芳香族チオール 類を得る工程である。
( A ) プロ トン酸としては、 フッ化水素酸、 塩酸、 臭化水素酸のようなハロゲ ン化水素酸;臭化水素一酢酸;硫酸;ベンゼンスルホン酸、 p―トルエンスルホ ン酸、 メタンスルホン酸のようなスルホン酸類などが例示され、 触媒能が高く、 不揮発性で加熱反応に適し、 効果的に炭化水素基の脱離を行いうることから、 p ―トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸が好ましい。 これらのプロ トン酸
【よ、 水和物の形で反応に供してもよいが、 この場合、 反応が極端に遅いので、 脱 水して用いることが好ましい。 また、 プロトン酸を水の代わりに酢酸などの脂肪 酸に溶解し、 反応させることも好ましい。
( A ) プロトン酸の使用量は、 各種の炭化水素基に対して適度の脱離反応速度 が得られ、 かつ好ましくない副反応を生じないことから、 反応に供される芳香族 チ才ェ一テル類 1 モルに対して通常 0 . 1〜5モルの範囲であり、 0 . 2〜3モ ルが好ましく、 1 . 0モルが特に好ましい。
反応を促進し、 かつ副反応を抑制するために、 芳香族チォェ一テル類とプロ卜 ン酸との反応は、 通常 1 0 0〜2 0 0 °Cで行われ、 1 0 0 ~ 1 5 0 °Cで行うこと が好ましい。 反応温度の制御を容易にし、 かつ、 上記プロトン酸の反応機構に関 する反応式で示したように、 脱離反応によって生じたイソプチレン等の炭化水素 を吸収するために、 トルエン、 キシレン、 メシチレンのような炭化水素類;ァニ ソ一ルのようなエーテル類など、 反応温度領域に沸点を有する溶媒類の還流下に 反応を行うことが好ましい。 また、 特にトルエン、 ァニソ一ルのように水と共沸 しうる溶媒を用い、 プロ トン酸を水和物または水が存在する状態で反応系に加え て、 脱水しながら反応を進めることもできる。
このようにして、 芳香族チォエーテル類の合成と、 該チ才エーテル類の炭化水 素基の脱離反応とを組み合わせることにより、 収率よく、 また純度よく、 芳香族 チ才一ル類を合成できる。
このようにして得られた芳香族チオール類は、 各種化合物を合成するための中 間体として用いてもよく、 また第 3工程として、 m = 1 である芳香族チオール類 を酸化により二量体化して、 芳香族ジスルフィ ド類を製造してもよい。
該酸化反応は、 酸化剤を加えて撹拌することによって行うことができる。 酸化 剤としては、 臭素、 ヨウ素、 過酸化水素、 硫酸、 過酢酸、 塩化第二鉄、 五塩化ァ ンチモン、 四塩化スズなどを用いることができる。 それらのなかでも、 簡便に実 施できて良好な収率が得られることから、 ヨウ素または過酸化水素が好ましい。 また、 空気または酸素を導入して酸化反応を行ってもよい。 反応は常温でも進行 するが、 必要に応じて加熱または冷却して行ってもよい。 さらに、 反応を円滑に 進行させるために、 芳香族チ才一ル類をトルエン、 キシレンのような有機溶媒に 溶解させた後に、 上記の反応を行ってもよい。
塩化第二鉄、 四塩化スズ、 五塩化アンチモンのような一部のルイス酸および硫 酸のようなプロトン酸は、 前述のように、 芳香族チォエーテル類から芳香族チォ —ル類を合成する際の反応剤としても用いられる。 したがって、 上記の反応性を 有し、 また酸化剤としても機能するルイス酸またはプロ トン酸を用い、 適切な反 応条件を選ぶことにより、 芳香族チ才エーテル類から、 mが 1 である芳香族チ才 ール類の合成と、 芳香族ジスルフィ ド類の合成を、 芳香族チ才一ル類を単離する ことなく 1段階で行うことができる。 このような芳香族チォエーテル類から 1段 階の芳香族ジスルフィ ド類の合成に用いるルイス酸としては、 酸化力が強いこと から、 塩化第二鉄が好ましい。 また、 9 5 %濃硫酸を用いて、 芳香族チ才エーテ ル類から炭化水素基の脱離反応を行う際、 単にトルエンの還流下に反応を行わせ ると、 芳香族チオール類と、 それが酸化して二量化した芳香族ジスルフィ ド類の 両方が得られる。 それに対して、 トルエンとの共沸によって脱水しながら反応を 進めると、 芳香族チ才ェ一テル類から芳香族チオール類を単離することなく、 理 論量に対して 7 0 %以上の高収率で、 芳香族ジスルフィ ド類を製造できる。 産業上の利用可能性
本発明によって、 芳香環に置換基を有する芳香族チ才エーテル類より、 芳香族 チオール類および芳香族ジスルフィ ド類を、 優れた収率と高い純度で得ることが できる。
本発明においては、 ルイス酸を用いるフリーデルクラフツ反応からは予期しえ なかったことに、 触媒量のルイス酸の存在下で反応が進行する。 このことは、 残
存する酸の除去を容易にして、 工業的にきわめて有利である。
また、 上記の知見により、 本発明においては、 置換基を有する芳香族ハロゲン 化合物から、 芳香族チ才エーテル類を経て、 置換基を有する芳香族チオール類お よび芳香族ジスルフィ ド類を、 収率よく、 かつ純度よく製造できる。 本発明の方 法は、 特に他の方法では収率よく得られない二置換芳香族チオール類およびジス ルフィ ド類の製造に、 特に有用性が高い。
本発明によって得られる芳香族チオール類および芳香族ジスルフィ ド類は、 医 薬、.農薬、 電子材料などの中間体として有用である。 実施例
以下、 実施例によって、 本発明をさらに詳細に説明する。 実施例中、 部はすべ て重量部を表し、 組成の%はすべて重量%を表す。 以下の反応式において、 i一 P rはイソプロピル基を、 t— B uは t—ブチル基を、 B z l はベンジル基を、 P hはフエニル基を、 また DMS 0はジメチルスルホキシドを表す。 なお、 本発 明は、 これらの実施例によって限定されるものではない。
撹拌機、 塩化カルシウム管、 温度計および滴下漏斗を備えた反応容器に、 窒素 雰囲気下、 塩化アルミニウム 1 4. 7部およびトルエン 1 00部を仕込み、 氷)令 しながら 3, 5—ジクロロフエニル- t一プチルスルフイ ド 2 3. 5部を滴下し た。 室温で 3 0分撹拌した後、 反応液を氷 1 50部に加え、 激しく撹拌した後、 静置して分液した。 有機相に 1 0%水酸化ナトリウム水溶液 20 0部を加えて撹 拌した後、 静置して分液した。 水相に 1 2N塩酸を加えて pH2に調整したとこ ろ、 結晶が析出した。 これをろ別し、 無色針状結晶 1 6. 6部を得た。
融点: 62 °C ;
1H—NMR(CDCl3): 57.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フヱノールであることを
確認した。 収率は、 理論量に対して 9 3%であった。
塩化アルミニウムの代わりに臭化ホウ素 2 7. 6部を用いたほかは実施例 1 と 同様にして処理し、 無色針状結晶 1 5. 2部を得た。
融点: 6 2 °C;
1H-NMR(CDCI3): 57.15 (s, 3H), 3,55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチォフエノールであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 8 5%であった。
塩ィヒアルミニウムの代わりに四塩化チタン 2 0. 9部を用い、 反応条件を室温 で 8時間としたほかは実施例 1 と同様にして処理し、 無色針状結晶 1 6. 9部を 得た。
融点: 6 2 °C;
1H~NMR(CDCI3): 57.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フエノールであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 9 5%であった。
塩化アルミニウムの量を 0. 2 7部、 トルエンの量を 5 0部とし、 反応条件を 室温で 2時間としたほかは実施例 1 と同様にして処理し、 無色針状結晶 1 7. 2 部を得た。
融点: 6 2°C ;
1請 R(CDCl3): 57.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フエノールであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 9 6%であった。
3, 5—ジクロロフェニル -t一プチルスルフイ ドの代わりに 3, 5—ジクロ 口フエニルベンジルスルフイ ド 2 6. 9部を用い、 反応条件を室温で 3時間とし たほかは実施例 1 と同様にして処理し、 無色針状結晶 1 6. 3部を得た。
融点: 6 2 °C ;
1H-NMR(CDCI3): 57.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フエノールであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 9 1 %であった。
3, 5—ジクロ口フエニル- t一プチルスルフイ ドの代わりに 3, 5—ジクロ 口フエニルイソプロピルスルフィ ド 2 2. 1部を用い、 滴下終了後、 加熱還流を 1時間行ったほかは実施例 1 と同様にして処理し、 無色針状結晶 1 5. 7部を得 融点: 6 2 °C ;
1H-N R(CDCI3): 57.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロ口チ才フヱノールであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 8 8%であった。
実施例 7
3, 5—ジクロ口フエニル— t—プチルスルフィ ドの代わりに 3 _クロ口フエ ニル- t—プチルスルフィ ド 2 0. 1部を用い、 反応条件を室温で 5時間とした ほかは実施例 1 と同様の手順により、 水相の pHを 2に調整するまで行ったとこ ろ、 油状物が析出した。 これをジェチルェ一テルで抽出した後、 溶媒を減圧で留 去し、 ついで減圧蒸留により、 沸点 1 1 0°CZ3 OTorrの留分として、 無色透明 液体 8. 8部を得た。
1H-N R(CDCl3): δ 7.25 (m, 1H), 7.12 (m, 3H), 3.48 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3—クロロチ才フエノールであることを確認し た。 収率は、 理論量に対して 6 1 %であった。
実施例 8
3, 5—ジクロ口フエニル- tーフチルスルフィ ドの代わりに 4—二トロフエ ニル- t—プチルスルフィ ド 2 1 . 1部を用いたほかは実施例 1 と同様にして処 理し、 淡黄色針状結晶 1 3. 5部を得た。
融点: 7 7 °C ;
1H-NMR(CDCI3): δ 8.09 (d, J=8.9Hz, 2H), 7.36 (d, J=8.9Hz, 2H), 3.80 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 4—ニトロチ才フエノールであることを確認し た。 収率は、 理論量に対して 8 7%であった。
実施例 9
3, 5—ジクロロフエニル- t—プチルスルフイ ドの代わりに 3 , 5—ビス ( t—プチルチオ) クロ口ベンゼン 2 8. 8部を用い、 塩化アルミニウムの量を 1 4. 7部とし、 反応条件を室温で 8時間とし、 後処理において添加する 1 0%
P T/JP99/03514
21 水酸化ナトリウム水溶液の量を 4 0 0部としたほかは実施例 1 と同様にして処理 し、 無色針状結晶 1 5. 0部を得た。
融点: 5 5 °C;
1H-N R(CDCI3): δ 7.03 (s, 3H), 3.47 (s, 2H).
この結果、 得られた生成物は、 5—クロ口一 1, 3—ベンゼンジチオールであ ることを確認した。 収率は、 理論量に対して 8 5%であった。
実施例 1 0
2 実施例〗に用いたのと同様の反応器に、 窒素雰囲気下で、 塩化第二鉄 1 7. 8 部およびトルエン 1 0 0部を仕込み、 氷)令しながら 3, 5—ジクロロフエ二ル- t一プチルスルフィ ド 2 3. 5部を滴下した。 室温で 3 0分撹拌した後、 反応生 成物を氷 1 5 0部に加え、 激しく撹拌した後、 静置して分液した。 有機相に 1
0%水酸化ナトリウム水溶液 2 0 0部を加え、 撹拌して再び静置し、 分液して有 機相をとり、 これを飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸ナトリウムで脱水した後、 卜 ルェンを減圧で留去して、 淡黄色液体を得た。 これをメタノールで処理し、 白色 結晶 1 3. 3部を得た。
融点: 6 5°C;
1H-N R(CDCI3): δ 7.33 (d, J=l .7Hz, 4H), 7.23 (t, J=1.7Hz, 2H).
この結果、 有機相より得られた生成物は、 ビス (3, 5—ジクロ口フエニル) ジスルフィ ドであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 7 5%であった。 合わせた水相に 1 2N塩酸水溶液を加えて、 pHを 2に調整し、 析出した結晶を ろ別して、 無色針状結晶 1 . 3部を得た。
融点: 6 2 °C;
1H—NMR(CDCl3): δ 7-15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 水相より得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フエノールであ ることを確認した。 収率は、 理論量に対して 7%であった。
塩ィ匕第二鉄の代わりに四塩ィヒスズ 2 8. 7部を用い、 3, 5—ジクロロフエ二 ル -t一プチルスルフィ ドの滴下後に系を加熱して、 トルエンを還流しつつ反応 を 5 6時間行ったほかは実施例 1 0と同様にして処理し、 有機相から白色結晶 7. 0部を得た。
融点: 6 5°C;
1H-NMR(CDCI3): δ 7.33 (d, J=1.7Hz, 4H), 7.23 (t, J=1.7Hz, 2H).
この結果、 有機相より得られた生成物は、 ビス (3, 5—ジクロロフヱニル) ジスルフィ ドであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 3 9%であった。 また、 同様に水相から無色針状結晶 6. 3部を得た。
融点: 6 2°C;
1H-NMR(CDCI3): δ 7.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 水相より得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フヱノールであ ることを確認した。 収率は、 理論量に対して 3 5%であった。
第 1工程
撹样機、 ジムロート冷却器、 温度計および滴下漏斗を備えた反応器に、 窒素雰 囲気下で、 ナトリウム t—プチルメル力プチド 2 2. 4部、 ジメチルスルホキシ ド 2 0 0部および 1, 3, 5—トリクロ口ベンゼン 3 6. 3部を加えて撹拌しつ つゆつくり昇温し、 8 0°Cで 5時間加熱した。 ついで室温まで冷却し、 水 2 0 0 部およびトルエン 2 0 0部を加えて撹拌した後、 静置して分液した。 有機相を飽 和食塩水で洗浄した後、 無水硫酸ナトリウムで脱水し、 ついでトルェンを減圧で 留去した。 液状の残留物の減圧蒸留により、 沸点 7 5°CZ0. 4Torrの留分とし て、 無色透明の液体 3 7. 8部を得た。
1H-NMR(CDCI3): δ 7.42 (d, J=2.0Hz, 2H), 7.36 (t, J=2. OHz, 1H), 1.31 (s, 9H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロフェニル - t—プチルスルフ ィ ドであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 8 0%であった。
第 2工程
このようにして得られた 3, 5—ジクロ口フエ二ル- t—プチルスルフィ ド 2 3. 5部と四塩ィヒチタン 20. 9部を用いて、 実施例 3と同様にして処理し、 無 色針状結晶 1 6. 9部を得た。
融点: 62 °C
1H—NMR(CDCl3): (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フエノールであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 95%であった。
実施例 1 3
実施例〗 2の第 1工程に用いた反応器に、 窒素雰囲気下で、 t—プチルメル力 ブタン 1 8. 0部、 ジメチルスルホキシド 200部および 85%水酸化カリウム 1 4. 5部を仕込み、 50°Cで 30分間撹拌することにより、 系中でカリウム t —プチルメル力プチドを合成した。 続いて、 氷)令下に p—二卜口クロ口ベンゼン 3 1 . 6部を加え、 室温で 3 0分撹拌した。 ついで水と トルエンを加えた以降 は、 実施例 1 2の第 1工程と同様にして処理し、 沸点 99°CZ0. 5Torrの無色 液体 3 6. 8部を得た。
1H-N R(CDCl3): 8 8.17 (d, J=8.9Hz, 2H), 7.68 (d, J=8.9Hz, 2H), 1.35 (s, 9H).
この結果、 得られた生成物は、 4—ニトロフエ二ル- t—プチルスルフィ ドで あることを確認した。 収率は、 理論量に対して 8 7%であった。
第 2工程
このようにして得られた 4—二卜口フエニル- t—プチルスルフィ ド 2 1 . 1 部と塩化アルミニウム 1 4. 7部を用い、 実施例 8と同様にして処理し、 淡黄色 針状結晶 1 3. 5部を得た。
融点: 7 7 °C;
1H-N R(CDCI3): S 8.09 (d, J=8.9Hz, 2H), 7.36 (d, J=8.9Hz, 2H), 3.80 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 4—ニトロチオフヱノールであることを確認し た。 収率は、 理論量に対して 8 7%であった。
第 1工程
t—プチルメルカブタンの添加量を 3 6. 0部、 8 5%水酸化カリウムの添加 量を 2 9部とし、 p—ニトロクロ口ベンゼンの代わりに 1, 3, 5—トリクロ口 ベンゼン 3 6. 3部を加えて、 1 3 0°Cで 3時間加熱した以外は実施例 1 3の第 1工程と同様にして処理し、 トルエンの留去まで行ったところ、 淡黄色結晶状の 残留物を得た。 これをメタノールから再結晶して、 無色板状結晶 4 5. 8部を得 た。
融点: 8 9°C;
1H-NMR(CDCl3): S 7.61 (t, J=1.6Hz, 1H), 7.53 (d, J=l .6Hz, 2H), 1.30 (s, 18H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ビス (t一プチルチオ) クロ口べンゼ ンであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 7 9%であった。
第 2工程
このようにして得られた 3, 5—ビス ( t—プチルチオ) クロ口ベンゼン 2 8. 8部と塩化アルミニウム 1 4. 7部を用い、 実施例 9と同様にして処理し、 無色針状結晶 1 5. 0部を得た。
融点: 5 5 °C;
lH-NMR(C I3): δ 7.03 (s, 3H), 3.47 (s, 2H) .
この結果、 得られた生成物は、 5—クロロー 1, 3—ベンゼンジチオールであ ることを確認した。 収率は、 理論量に対して 85%であった。
第 1工程
実施例 1 2の第〗工程に用いたのと同様の付帯装置を備えた反応器に、 窒素雰 囲気下で、 ジメチルスルホキシド 3 0 0部と、 鉱油中に分散させた濃度 6 3. 2%の水素化ナトリウム 3 4. 2部を仕込み、 室温で 3 0分間撹拌した。 次に、 t—ブチルメルカブタン 8 1. 2部をゆっくり滴下し、 4 0°Cで 3 0分間撹拌し た後、 1, 3, 5—トリクロ口ベンゼン 3 6. 2部を加えてゆっくり昇温し、 1 5 0°Cで 2時間加熱した。 ついで、 室温まで冷却し、 水 4 00部と トルエン 20 0部を加えて撹拌した。 静置し、 分液して有機相をとり、 これを 1 0%水酸化ナ 卜リウ厶水溶液で、 ついで飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸ナトリウムで脱水した 後、 トルエンを減圧で除去した。 残留物をイソプロピルアルコールで再結晶し て、 無色板状結晶 4 1. 0部を得た。
融点: 1 3 2 ~ 1 3 3 °C;
1H-NMR(CDCI3): S 7.24 (s, 3H), 1.30 (s, 27H).
この結果、 得られた生成物は、 1 , 3, 5—トリス (t—プチルチオ) ベンゼ ンであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 60%であった。
第 2工程
実施例〗 に用いた反応器に、 窒素雰囲気下で、 塩化アルミニウム 4. 0部と 卜 ルェン 50 0部を仕込み、 氷冷しながら、 第 1工程で得た 1, 3 , 5—卜リス ( t—プチルチオ) ベンゼン 34. 3部を滴下した。 室温で 5時間撹拌した後、 反応生成物を氷 1 50部に加えて、 激しく撹拌した。 静置し、 分液して有機相を とり、 1 0%水酸化ナトリウム水溶液 600部を加えて撹拌した。 静置し、 分液 して水相をとり、 濃塩酸を加えて pHを 2に調整すると、 結晶が析出した。 これを
ろ別して、 無色針状結晶 1 6. 9部を得た。
融点: 5 6〜 5 9 °C;
1H-N R(CDCI3): δ 6.94 (s, 3H), 3.41 (s, 3H) .
この結果、 得られた生成物は、 1, 3, 5—トリメルカプトベンゼンであるこ とを確認した。 収率は、 理論量に対して 9 7%であった。
実施例 1 6
第 1工程
撹拌機、 ジムロー卜冷却器、 温度計および滴下口一トを備えた反応器に、 窒素 雰囲気下で、 t—プチルメルカブタン 1 8. 0部、 ジメチルスルホキシド 2 0 0 部および 8 5 %水酸化力リウ厶 1 5. 4部を仕込み、 5 0 °Cで 3 0分間撹拌する ことにより、 系中でカリゥム t—プチルメル力プチドを合成した。 続いて、 1, 3—ジクロロベンゼン 2 9. 4部を加えて撹拌しつつゆっくり昇温し、 1 2 CTC で 7時間加熱した。 ついで室温まで)令却し、 水 2 0 0部およびトルエン 2 0 0部 を力!]えて撹拌した後、 静置して分液した。 有機相を飽和食塩水で洗浄した後、 無 水硫酸ナトリウムで脱水し、 ついでトルエンを減圧で留去した。 液状の残留物の 減圧蒸留により、 沸点 1 4 0でノ3 2Torrの留分として、 無色透明の液体 3 3. 0部を得た。
1H-NMR(CDCI3): <5" 7.54 (dd, J=1.7, 2.0Hz, 1H), 7.41 (ddd, J=l .3, 2.0, 7. 6Hz, 1H), 7.34 (ddd, J=1.3, 1.7, 7.6Hz, 1H), 7.25 (t, J=7.6Hz, 1H), 1.29 (s, 9H).
この結果、 得られた生成物は、 3—クロ口フエニル - t—プチルスルフィ ドで あることを確認した。 収率は、 理論量に対して 8 2%であった。
第 2工程
撹拌機、 ジムロート冷却器、 温度計、 ディ一ンスタルク捕集器を備えた反応器 に、 窒素雰囲気下で、 3—クロ口フエニル- t一プチルスルフイ ド 2 0. 1部、 p—トルエンスルホン酸一水和物 1 9. 0部およびトルエン 1 0 0部を仕込み、 水を除去しながら、 5時間加熱還流した。 室温まで冷却し、 水 1 5 0部を加えて 撹拌した後、 静置して分液した。 有機相に 1 0%水酸化ナトリウム水溶液 2 0 0 部を加え、 撹拌した後、 静置して分液した。 水相に 1 2N塩酸水溶液を加えて、 p Hを 2に調整したところ、 底部に油状物が析出した。 トルエン〗 0 0部を加えて、 析出した油状物を抽出した。 得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸ナ トリウムで脱水した。 ついでトルエンを減圧で留去し、 減圧蒸留により、 沸点 1 1 0°CZ3 OTorrの留分として、 無色透明の液体 9. 5部を得た。
!H-N RiCDCIs): δ 7.25 (m, 1H), 7.12 (m, 3H), 3.48 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3—クロロチ才フエノールであることを確認し た。 収率は、 理論量に対して 6 5%であった。
実施例 1 7
1, 3—ジクロロベンゼンの代わりに、 1, 3, 5—卜リクロロベンゼン 3 6. 3部を加え、 その後の加熱条件を 8 0°C、 5時間とした以外は、 実施例 1 6の第 1工程と同様にして処理し、 沸点 7 5°C/0. 4Torrの無色液体 3 7. 8部を得 た。
1H-NMR(CDCI3): δ 7.42 (d, J=2.0Hz, 2H), 7.36 (t, J=2.0Hz, 1H), 1.31 (s, 9H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロ口フエニル- tーブチルスルフ ィ ドであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 8 0%であった。
第 2工程
3—クロ口フエニル- t—プチルスルフィ ドの代わりに、 第 1工程で得られた 3, 5—ジクロロフエニル- t一プチルスルフイ ド 2 3. 5部を加え、 還流時間 を 3時間とした以外は、 実施例 1 6の第 2工程と同様にして処理し、 pHを 2に調 整したところ、 結晶が析出した。 これをろ別して、 無色針状結晶 1 3. 3部を得 融点: 6 2 °C;
1H-NMR(CDCI3): 57.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フエノールであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 7 4%であった。
実施例 1 7の第 1工程と同様の方法によって、 3, 5—ジクロロフ;!:ニル - t 一プチルスルフィ ドを得た。 実施例 1 6の第 2工程で用いた反応器に、 窒素ガス 雰囲気下で、 該 3, 5—ジクロロフェニル - t—プチルスルフイ ド 2 3. 5部、 キシレン 1 0 0部およびメタンスルホン酸 1 . 9部を加え、 窒素ガスを流して、 生成するイソブチレンを除去しながら、 加熱還流を 1 0時間行った。 以下、 実施 例 1 7の第 2工程と同様にして処理し、 無色針状結晶 1 2. 4部を得た。
融点: 6 2 °C ;
!H- MRCCDCIs): 57.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フヱノールであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 6 9%であった。
実施例 1 9
第 1工程
t-BuSH I KOH
► (t-BuS)2
、C| DMSO
CI
t—プチルメルカブタンの添加量を 3 6. 1部、 8 5%水酸ィヒカリウムの添加 量を 2 9部とし、 1, 3—ジクロ口ベンゼンの代わりに、 へキサクロ口ベンゼン 5 7. 0部を加え、 加熱せずに室温で一夜撹拌した以外は、 実施例 1 6の第 1ェ 程と同様にしてトルエンの留去まで行ったところ、 淡黄色結晶状の残留物を得た c これをイソプロパノールから再結晶して、 無色針状結晶 6 4. 5部を得た。
融点: 1 4 2 °C ;
元素分析値 C14H18C I 4S2として、 計算値 C : 4 2. 8 7 %, H : 4. 6 3 %、 実測値 C : 4 2. 6 4 %, H : 4. 2 7%;
1H-NMR(CDCl3): δ 1.42 (s, 18H).
この結果、 得られた生成物は、 ビス (t一プチルチオ) テ卜ラクロ口ベンゼン であることを確認した。 収率は、 理論量に対して 8 3%であった。
第 2工程
P-トルエンスルホン酸
(t-BuS)2- J-CI4 ^ (HS)2- J-CI4
トルエン
3—クロ口フエニル- t—プチルスルフィ ドの代わりに、 第 1工程で得られた ビス ( t—プチルチオ) テトラクロ口ベンゼン 3 9. 2部を加え、 還流時間を 1 時間とし、 また分液後に加える 1 0%水酸化ナトリウム水溶液の量を 4 0 0部と した以外は、 実施例 1 6の第 2工程と同様にして、 pHを 2に調整したところ、 結晶が析出した。 これをろ別して、 白色結晶 2 6. 0部を得た。
融点: 2 6 0 °C ;
H-NMf^CDCI^; S 4.86 (s, 2H).
この結果、 得られた生成物は、 テ卜ラクロ口ベンゼンジチ才一ルであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 9 3%であった。
実施例 2 0
1, 3—ジクロ口ベンゼンの代わりに、 氷)令下で p—二卜口クロ口ベンゼン 3 1 . 6部を加え、 室温で 3 0分撹拌した以外は、 実施例〗 6の第 1工程と同様に して処理し、 沸点 9 9°CZ0. 5 Torrの無色液体 3 6. 8部を得た。
1H-NMR(CDCl3): δ 8.17 (d, J=8.9Hz, 2H), 7.68 (d, J=8.9Hz, 2H), 1.35 (s, 9H).
この結果、 得られた生成物は、 4—ニトロフエニル -t—プチルスルフィ ドで あることを確認した。 収率は、 理論量に対して 8 7%であった。
第 2工程
3—クロ口フエニル- t一プチルスルフィ ドの代わりに、 第 1工程で得られた 4—二トロフエニル- t一プチルスルフィ ド 2 1 . 1部を加え、 還流時間を 4時 間とした以外は、 実施例 1 6の第 2工程と同様にして、 pHを 2に調整したところ、 結晶が析出した。 これをろ別して、 淡黄色結晶 1 1 . 2部を得た。
融点: 7 7 °C ;
!H-NMR CDCIs): δ 8.09 (d, J=8.9Hz, 2H), 7.36 (d, J=8,9Hz, 2H), 3.80 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 4—ニトロチ才フエノールであることを確認し た。 収率は、 理論量に対して 7 2%であった。
実施例 2 1
t—プチルメルカブタンの添加量を 3 6. 0部、 8 5%水酸化カリウムの添加
量を 2 9部とし、 添加後の加熱条件を 1 3 0°Cで 3時間とした以外は、 実施例 1 7の第〗工程と同様にしてトルエンの留去まで行ったところ、 淡黄色結晶状の残 留物を得た。 これをメタノールから再結晶して、 無色板状結晶 4 5. 8部を得た c 融点: 8 9°C;
1H-NMR(CDCI3): δ 7.61 (t, J=1.6Hz, 1H), 7.53 (d, J=1.6Hz, 2H), 1.30 (s, 18H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ビス ( t一プチルチオ) クロ口べンゼ ンであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 7 9%であった。
3, 5—ジクロロフェニル - t—プチルスルフイ ドの代わりに、 第 1工程で得 られた 3, 5—ビス (t一プチルチオ) クロ口ベンゼン 2 8. 9部を加え、 還流 時間を 1 2時間とし、 分液後に加える 1 0%水酸化ナ卜リゥム水溶液の量を 4 0 0部とした以外は、 実施例 1 7の第 2工程と同ネ藥にして処理し、 無色針状結晶 1 6. 5音 Bを得た。
融点: 5 5 °C;
1H-NMR(CDCI3): δ 7.03 (s, 3H), 3.47 (s, 2H).
この結果、 得られた生成物は、 5—クロ□— 1, 3—ベンゼンジチオールであ ることを確認した。 収率は、 理論量に対して 9 3%であった。
実施例 2 2
実施例 1 5の第 1工程と同様に処理し、 1, 3, 5— 卜リス ( t一プチルチ 才) ベンゼンを得た。
実施例〗 6の第 2工程に用いた反応器に、 窒素ガス雰囲気下で、 上記のように して得られた 1 , 3, 5—トリス (t一プチルチオ) ベンゼン 3 4 . 3部、 キシ レン 1 0 0部およびメタンスルホン酸 9 . 6部を加え、 窒素ガスを流して、 生成 するイソブチレンを除去しながら、 加熱還流を 7時間行った。 続いて、 トルエン
5 0 0部を滴下しつつ、 加熱して該トルエンを 5時間還流させるとともに一部を 留去することにより、 イソブチレンを完全に除去した。 ついで室温まで)令却し、 水 1 0 0部を力!]えて撹拌し、 分液して有機相をとつた。 これに 1 0 %水酸化ナト リウ厶水溶液 6 0 0部を加えて撹拌し、 分液によって水相をとり、 以下、 実施例
1 7の第 2工程と同様にして処理して、 無色針状結晶 1 3 . 0部を得た。
融点: 5 6〜 5 9 °C;
l H-NMR(CDCI 3) : δ 6.94 (s, 3H) , 3.41 (s, 3H) .
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—トリメルカプトベンゼンであるこ とを確認した。 収率は、 理論量に対して 7 5 %であった。
実施例 1 3
第 1工程
実施例 1 7の第 1工程で用いたのと同じ反応器に、 窒素雰囲気下で、 ジフエ二 ルメタンチオール 4 4 . 0部、 ジメチルスルホキシド 2 0 0部および純度 9 6 % のナトリウムメ トキシド 1 2 . 4部を仕込み、 5 0 °Cで 3 0分撹拌した。 続い て、 1 , 3, 5—トリクロ口ベンゼン 3 6 . 3部を加え、 以下、 加熱条件を 8 O :、 3時間とした以外は、 実施例 1 7の第 1工程と同様にしてトルエンの留去 まで行ったところ、 無色油状の残留物を得た。 残留物をメタノールから再結晶し て、 無色板状結晶 6 4 . 8部を得た。
融点: 5 4 °C;
1H—NMR(CDCI
3): δ 7.40 (d, J=7.4Hz, 4H), 7.31 (t, J=7.4Hz, 4H), 7.24 (t, J=7.4Hz, 2H), 7.09 (t, J=1.7Hz, 1H), 7.06 (d, J=1.7Hz, 2H), 5.56 (s, 1H). この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロフヱニル (ベンズヒドリル) スルフィ ドであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 9 4%であった。 第 2工程
ciz^^ci
3, 5—ジクロロフェニル -t—ブチルスルフィ ドの代わりに、 第 1工程で得 られた 3, 5—ジクロロフェニル (ベンズヒドリル) スルフイ ド 3 4. 5部を力 H え、 還流時間を 8時間とした以外は、 実施例 1 7の第 2工程と同様にして、 pHを 2に調整したところ、 結晶が析出した。 これをろ別して、 白色結晶 1 1 . 6部を 得た。
融点: 6 2°C ;
1H-NMR(CDCl3): δ 7.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチオフ Iノールであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 6 5%であった。
実施例 2 4
第 1工程
実施例 1 7の第 1工程で用いたのと同じ反]^に、 窒素雰囲気下で、 ナ卜リウ 厶 t一プチルメル力プチド 2 2. 4部、 ジメチルスルホキシド 2 0 0部および 1 , 3, 5—トリクロ口ベンゼン 3 6. 3部を加え、 8 0°Cで 5時間加熱し、 以下、 実施例 1 7の第 1工程と同様にして処理し、 沸点 7 5°CZ0. 4Torrの無色液体 3 7. 8部を得た。 このものの
1 H - NMR(CDCI
3)は、 実施例 1 7の第 1工程の生成 物と同じであった。
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロフエニル- t—プチルスルフ
ィ ドであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 8 0%であった。
ガラス製才一トクレーブに、 窒素雰囲気下で、 第 1工程で得られた 3, 5—ジ クロ口フエニル -t—プチルスルフイ ド 2 3. 5部、 および臭化水素 2 5%を含 む酢酸溶液〗 6 1 . 8部を仕込み、 加圧下に還流状態で 3時間加熱した。 ついで 室温まで冷却して、 反応生成物を別の容器に移し、 水 1 5 0部おょぴトルエン 1 0 0部を加えて撹拌した後、 静置して分液した。 以下、 実施例 1 7と同様の処理 を行ったところ、 結晶が析出した。 これをろ別して、 白色結晶 1 5. 1部を得た c 融点: 6 2 °C ;
1H-N R(CDCI3): S 7.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フエノールであることを 確認した。 収率は、 理論量に対して 8 4%であった。
実施例 1 6の第 2工程に用いたのと同様の反応器に、 窒素雰囲気下で、 実施例 1 7の第 1工程で得られた 3, 5—ジクロ口フエニル- tーブチルスルフイ ド 2 3. 5部、 9 5%濃硫酸 1 0. 3部およびトルエン 5 0部を仕込み、 撹拌しつつ 加熱して 3時間還流した。 室温まで冷却し、 水 1 5 0部およびトルエン 5 0部を 加えて撹拌した後、 静置して分液した。 有機相に 1 0%水酸化ナトリウム水溶液 2 0 0部を加え、 撹拌して再び分液して有機相をとり、 これを飽和食塩水で洗浄 し、 無水硫酸ナトリウムで脱水した後、 トルエンを減圧留去して、 淡黄色液体を 得た。 これをメタノールで処理し、 無色針状結晶 8. 8部を得た。
融点: 6 5 °C;
1H-N R(CDCI3): $ 7.33 (d, J=1.7Hz, 4H), 7.23 (t, J=1.7Hz, 2H) .
この結果、 有機相より得られた生成物は、 ビス (3, 5—ジクロ口フエニル) ジスルフィ ドであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 4 9%であった。 合わせた水相に〗 2N塩酸水溶液を加えて、 pHを 2に調整し、 析出した結晶を ろ別して、 無色針状結晶 4. 3部を得た。
融点: 6 2 °C;
lH-NMR(CDCI3): S 7.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
この結果、 水相より得られた生成物は、 3, 5—ジクロロチ才フエノールであ ることを確認した。 収率は、 理論量に対して 2 4%であった。
反応溶液として用いる トルエンの量を 1 0 0部とし、 水分を除去しながら還流 を 3時間行った以外は、 実施例 2 5と同様の反応を行い、 同様の手順で反応生成 物の精製を行った。 有機相から、 融点 6 5 °Cの無色針状結晶 1 2. 9部を得た。 その 1H-NMRは、 実施例 2 5の有機相から得た結晶の1 H-NMRとよく一致していた。 このことから、 有機相から得られた生成物は、 ビス (3, 5—ジクロ口フエ二 ル) ジスルフィ ドであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 7 2%であつ た。
合わせた水相から、 融点 6 2での無色針状結晶 0. 4部を得た。 同様にその -NMRから、 生成物は 3, 5—ジクロロチ才フエノールであることを確認した。 収 率は、 理論量に対して 2%であった。
実施例 1 6の第 2工程に用いたのと同様の反応器に、 窒素雰囲気下で、 実施例 1 で得られた 3, 5—ジクロロチオフエノ一ル 1 7. 9部、 9 5%濃硫酸 2 0. 7部およびトルエン 1 0 0部を仕込み、 水を除去しながら還流を 6時間行った。
室温まで冷却し、 水 1 5 0部を加えて撹拌した後、 静置して分液した。 有機相に 1 0%水酸化ナトリウム水溶液 2 0 0部を加えて撹拌した後、 静置して、 分液に より有機相をとり、 飽和食塩水で洗浄し 無水硫酸ナトリウムで脱水した後、 卜 ルェンを減圧で留去して、 無色針状結晶 1 7. 5部を得た。
融点: 6 5 C ;
1H-NMR(CDCI3): δ 7.33 (d, J=1.7Hz, 4H), 7.23 (t, J=1.7Hz, 2H).
この結果、 得られた生成物は、 ビス (3, 5—ジクロ口フエニル) ジスルフィ ドであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 9 8%であった。
実施例 1 に用いたのと同様の反応 に、 実施例 1 で得られた 3, 5—ジクロロ チ才フエノール 1 7. 9部、 トルエン 5 0部および水 5 0部を仕込んだ。 撹拌し て均一に分散させた後、 ヨウ素 1 2. 7部を トルエン 3 0部に溶解させた溶液を 滴下した。 室温で 3 0分間撹拌した後、 静置して、 分液により有機相をとり、 5 %チ才硫酸ナ卜リゥム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸ナトリウム で脱水した後、 トルエンを減圧で留去して、 無色針状結晶 1 7. 3部を得た。 融点: 6 5 °C ;
1H-NMR(CDCI3): S 7.33 (d, J=1.7Hz, 4H), 7.23 (t, J=1.7Hz, 2H).
この結果、 得られた生成物は、 ビス (3, 5—ジクロロフエニル) ジスルフィ ドであることを確認した。 収率は、 理論量に対して 9 8%であった。