WO2000068105A1 - Nozzle of fluid container and fluid container having the nozzle - Google Patents

Description

明 細 書

流体容器のノズル及びそれを備えた流体容器 技術分野

この発明は、 チューブ、 袋状容器など容器本体を押すこ とによって内 容物を吐出させる柔軟性流体容器のノ ズル及びそれを備えた流体容器に 関する ものである。 技術背景

飲料、 化粧品及び接着剤などその性状や用途を問わず、 チューブや袋 状容器に充填されたものが多く市場に出回っている。

これら柔軟性容器に充填されるものに共通する特徴は、 半流動体 （ゲ ル状流体） が多く、 さらに空気との接触を嫌う （嫌気性） という こ とで ある。 つま り、 空気に触れることで、 酸化したり、 変質したり、 硬化し たりするからである。

このよ うな嫌気性の流体を充填する ものの特徴と しては、 吐出させた 容積分の空気を容器内に引き込まないようになつていることであり、 そ こで内容物の残量に応じて容器自体が変形するチユ ーブゃ袋状容器が好 んで使用されているのである。 ところが、 従来の容器は、 柔軟性素材で 形成された充填部分に硬質素材で構成されたノ ズル部分とが結合されて いる ものであった。

そして容器本体部分が柔軟であるがゆえに、 内容物を突出させた後に 容器本体にかけた力を解放すると、 容器本体が復元しよう と して容器本 体内がわずかに負圧となり、 ノ ズル先端から内容物を引き込むことが特 徴の一つであつた。

そのため、 ノ ズルキャ ッ プ内側の底部にはノ ズル先端から内容物が引 き込まれたことで生ずる空間を補填するために突起が設けられている。 しかしながら、 嫌気性の物質は、 たとえ時間的にも量的にもわずかで あっても空気に触れた瞬間に表面は酸化し、 すぐに変質を開始する。

変質が起こつても実際に空気に接触した表面部分のみが変質して深部 へ及ばないものであれば、 次に使用する際にその変質部分のみを取り除 けば良いのであるが、 往々 にして変質は深部へ進行してやがて容器内部 全体に広がってしまつていた。

また、 変質した部分のみ取り除く ものとしても、 その回数が増えれば、 廃棄しなければならない部分の量が無視できない量となることもあり、 高価な内容物であれば、 それは深刻な問題であった。

そこで、 必要とされることは、 必要量のみ空気に触れることを許容し、 しかも空気に触れない状態で必要量を取り出すようにすることである。 そこでこの発明は上記従来の問題点を解決すると共に、 容器内に残る たとえわずかな部分でさえ全く空気に触れることなく必要量を取り出す ことができるようにした流体容器のノズル及びそのようなノズルを備え た流体容器を提供するものである。 発明の開示

すなわちこの発明の流体容器のノ ズルは以下の特徴を備えるものであ る。

( 1 ) 流体容器の先端に設けるノ ズルにおいて、 少なく とも 2枚の柔軟 性シー トを重ね合わせてなり、 その内面が内容物充填後の常態において 密着するよう構成したこと。

( 2 ) 流体容器の先端に設けるノ ズルにおいて、 少な く と も 2枚の柔軟 性シ一 トを重ね合わせてなり、 その内面が内容物充填後の常態において 密着するよう構成するとともに、 容器内圧により ノズル側に押し出され た内容物によってノズル上流部の密着が解かれると同時に、 内容物の最 先端部分においてはノズルを構成する少なく とも一枚の柔軟性シ一 卜が 屈曲するこ とにより当該部分での密着度が高ま り、 内容物の流出を阻止 するように構成したこと。

( 3 ) ノ ズルの所望位置において、 ノ ズルを構成する少なく とも一枚の 柔軟性シー 卜に折り癖となる境界線を付与したこと。

( 4 ) 上記折り癖を境にノズルの上流側と下流側とでノズルを構成する 柔軟性シー 卜の硬度を異なるものと したこと。

( 5 ) 上記折り癖を境にノ ズルの上流側と下流側とでノズルを構成する 柔軟性シー 卜の厚さを異なら しめたこと。

( 6 ) 常態において密着部分が三次曲面状に湾曲してなる こ と。

( 7 ) 常態において密着部分が回巻していること。

( 8 ) 常態において密着部分が屈曲しているこ と。

( 9 ) 柔軟性シ一卜の内、 湾曲または屈曲方向側の柔軟性シー トのさ ら に内側に湾曲または屈曲を強制する弾性体を備えると と もに、 当該弾性 体の弾性力をもってノズルを構成する複数の柔軟性シ― トを上記弾性体 の背面に沿わせるよう展張せしめて密着させたこと。

( 1 0 ) ノズルを構成する複数の柔軟性シー トを重ね合わせて予め皿状 に成形したこ と。

( 1 1 ) 流体通路を形成する ノ ズルの幅方向の溶着部分において、 ノズ ル上流側所望長さの溶着幅を下流側より も大き く したこと。

( 1 2 ) 流体通路を形成するノズルの幅方向の溶着部分において、 一度 溶着後にさ らに最初の溶着時より も強い圧着力で再度溶着したこと。

( 1 3 ) ノズル上流部には所望長さの筒状部分を備えたこと。

( 1 4 ) 上流部と下流部がそれぞれ異なる部材からなり、 両者を一軸上 に接合して一体と したこと。 ( 1 5 ) 接合手段が熱溶着であるこ と。

( 1 6 ) 上流部筒状部材の内面に非熱溶着処理が施されていること。

( 1 7 ) 通路が 2つ以上設けられていること。

また、 この発明の流体容器は、 以下の特徴を備えるものである。 ( 1 ) ノ ズル部分と容器本体部分とがー体に配された少なく とも 2枚の 柔軟性シ一トを重ね合わせ、 周囲を溶着して形成されるノズルを備えた 流体容器において、 ノ ズル部分が上記 （ 1 ) 乃至 （ 1 ) 2のいずれかに 記載された特徴を有するノ ズルであること。

( 2 ) 柔軟性シ— ト素材からなる筒状体を平面化せしめ、 容器の輪郭形 状に周囲を溶着 · 切断して形成する流体容器において、 ノ ズル部分が上 記 （ 1 ) 乃至 （ 1 2 ) のいずれかに記載された特徴を有するノズルであ る こ と。

( 3 ) 上記 （ 1 ) 乃至 （ 1 7 ) のいずれかに記載の流体容器のノズルを 流体容器本体に脱着可能または流体容器本体と一体で備えたこと。 (4 ) 流体容器本体がチューブであること。

( 5 ) 流体容器がガゼッ トバッ グであること。

( 6 ) ノ ズル部分と流体容器本体部分との間に柔軟性シー 卜の密着を防 止する部材を設けたこと。

( 7 ) ノズルとは別に充填口を備えたこと。 発明を実施するための最良の形態

以下図面に基づき、 この発明の実施の形態について説明する。

図 1はこの発明の流体容器ノ ズルの第 1の実施の形態を示すものであ り、 （ィ） は正面図、 （口） は側面図である。

図においては 1 ノ ズル本体、 2は容器本体、 3は充填口であり、 液体 內容物が充填された状態である。 図中矢印はそれぞれノズル本体 1が球 面状すなわちスプー ンのような形状に湾曲していることを示すものであ る。

図 2は図 1 の点線内の要部断面図であり、 （ィ） は図 1 における A A 断面図、 （口） は同じく B B断面図である。 本実施形態で示している容 器はいわゆる袋状容器であり、 後述するように 2枚の柔軟性シー トを周 囲を溶着することによって形成されているものであるが、 この流体容器 のノズル 1 は図 1 (口） において右側側面は容器本体 2からノズル先端 4にかけて連続した線で描かれるのに対し、 左側は矢印 C部分で屈曲し ている。 この屈曲により、 ノズル 1 を構成する 2枚の柔軟性シー トが密 着し、 容器本体 2内の内容物の流出を堰き止めている。

この実施形態の流体容器は例えば図 3に示すような方法で形成される。 先ず （ィ） 所望形状 （長方形） の 2枚の柔軟性シー ト 5を重ね合わせ、 (口） 充填用の開口部 6を残して周囲を溶着する。 この際に同時に斜線 部分 7を切断してもよい。 ノズル先端 4 は溶着してあるが容器本体後端 6は開放してある。 これは当該開口部 6を充填口 3 とするためである。 図 1 においては充填口 3は別途形成した充填口を溶着したものである。 内容物充填後は当該開口部 （容器本体後端） 6を溶着する。

ノズル本体 1 は同図 （口） に示すように縦横に湾曲し、 全体と して球 面状すなわちスプーンのような形状となっている。 （二） は内容物が入 つていない状態の側面図である。

ノズル先端 4は、 内容物と して食品を充填する場合には特に衛生上溶 着することが望ま しいが、 後述するように、 内容物を充填するとノズル 部分 1が屈曲してノズル部分の柔軟性シ― 卜の密着度合いが高まつて内 容物が極めて漏れにく く なるために、 必ずしも溶着の必要はない。

この流体容器のノズル 1 の作用を図 4 に示す。

図において （ィ） は内容物を充填させた状態を示す斜視図であり、 （口） 及び （ハ） は縦断面図である。

常態において容器本体 2 ( D点） を指等で押して内圧を高めると、 容 器本体 2内の内容物がノズル 1方向に押し出される。 前述のよう に内容 物を充填した時点で既に C点においてノズル 1が屈曲しているが、 （口） に示すように容器内圧により図中 E部が膨張するとさ らに C点は屈折を 強める。 するとノズル 1 を構成する 2枚の柔軟性シー トは強く密着し、 なおかつ屈曲することで自動的に通路が閉止された状態を維持すること で、 内容物の流出が防止できるという ものである。

このとき、 指等で図中 E部を厚さ方向に押すことにより、 C点の屈曲 が弱ま り、 通路が確保されて内容物がノ ズル先端 4に流入する。

この発明は以上のような原理を利用したものである。

図 5は当該作用をさ らに詳し く説明するためのものである。

容器本体 2は、 空のときには平面体であり、 内容物が充填された状態 ではほぼ筒状を呈しているが、 容器本体 D部を押して内圧を高めると容 器自体はより円柱状に、 さ らには球状に変形しょう とする。 そのため、 充填時の内圧で既に屈曲していたノ ズル 1 の C点はより屈曲度を増すと いう原理である。

このような原理を利用したこの発明の流体容器のノズルは、 キャ ップ 不要の容器ノ ズルとなっている。

次にこの発明の流体容器のノズルを備えた容器の使用方法を説明する。 図 6 (ィ） に示すよう に、 先ずノ ズル先端 4を切断する。 同図 （口） に示すよう に ノ ズル 1 の流体通路は先つぼま りのテーパ状になっている ので、 必要な吐出量に応じた開口面積を得るよう切断位置を適宜変更す れば良い。

内容物を吐出させるには先ず、 図 4 (口） のよう に容器本体 2を指等 で押して内圧を高める。 次にノ ズル本体 1 の付け根部分 Eをもう一方の 指で容器厚さ方向に押すと内容物は C点の屈曲を伸ばして自ら通路を押 し広げながらノ ズル先端 4に向かって押し出される。 ほぼ必要量吐出さ せた後、 指やヘラ 8などでノズル 1内の内容物をしごき出すようにする。

ノズル 1 内の内容物は全量を吐出させるのではなく容器本体内 2に押 し戻すことと しても良いことはもちろんである。

このようにノ ズル 1 内の残留内容物をなくすことによりシー トが密着 してシールされるので、 空気の流入もな く、 容器本体 2内に残った内容 物は全く空気に触れることがない。 したがつて酸化 · 変色など変質する ことを防止できる。

これだけでもノ ズル 1内の内容物は完全に吐出する とともにノ ズル 1 を構成する 2枚の柔軟性シ— ト 5が密着するこ とによ り、 内容物の流出 も、 また外気の流入もないが、 さ らに図 4 (口） に示すように容器本体 2を少し押して内圧を上げノ ズルの屈曲を強めておく となお良い。

なお、 図 6に示すようにノ ズルの上流部の溶着幅 9が下流部 （先端側） のそれより も大分幅広く なつているが、 このよ うに当該部分の剛性を高 めることにより、 図 5 (ィ） 中 E部に向かう容器縁部 1 0の変形が強め られ、 より C点にかかる力が強ま り屈曲が増す一方で、 内容物吐出の際 には E点を押したときのノズル 1の変形がスムーズで操作しやすくなる。 さ らには一旦ノズル成形時に溶着した後、 更に幅方向の両端を最初よ り も強い圧着力で再溶着 1 1することによりノズル 1全体の剛性が上り、 吐出操作がし易く なり、 より機能的となる。

図 8はこの発明の流体容器ノ ズル 1 のバリエーショ ンを示すものであ る。

図中 （ィ） はノズル 1全体において溶着幅が一定の場合を示している。 図 9及び図 1 0はこの発明の流体ノ ズルの湾曲状態等のバリエーショ ンを示すものである。 図 9中 （ィ） は先端 4を回巻させた場合、 （口） はほとんど二つ折りの状態、 及び （ハ） は完全な密着を期するために、 ノズル 1 をクラ ンプする状態を示している。 図 1 0中 （ィ） はノ ズル 1 を幅方向のみに湾曲させる場合、 （口） は通路方向に湾曲させる場合を 示している。

また、 ノズル 1 の形状と しては以下のようなものも考えられる。

図 1 1 はノズル 1の所望位置 （図ではほぼ中央） に予め屈曲線 （折り 癖） 1 2を備えておく場合を示している。 こうすることにより常態でも 屈曲状態を維持しやすく なる。 屈曲線 1 2 の入れ方としては、 プレスに よる方法 （いわゆるプレスライ ン。 熱間または冷間。 ） が好適である。 その他には、 当該屈曲線 1 2を境にノ ズル 1 の前後で、 ノ ズル 1を構 成する柔軟性シ— 卜 5の厚み及び硬度 （柔軟度） を変更する場合も考え られる。 この場合にはノズル 1 の上流側 （容器本体側） 1 3を薄く また は柔らかく、 下流側 （先端側。 密着側。 ） 1 4を厚く または硬くする方 法も考えられる。

さらには図 1 2に示すように、 上記屈曲線 1 2より も先端部において、 湾曲内側にノ ズル 1 を強制的に湾曲させる弾性体 1 5を備え、 ノ ズル 1 を構成する柔軟性シ一 ト 5を展張させながら密着させることができる。 この場合の弾性体 1 5 と しては皿状のばねが好適であるが素材とともに 特に限定される ものではない。

図 1 3はノズル本体 1 を予め皿状に成形しておく場合を示している。 (口） はその縦 （F F ) 断面図である。 この場合も前記のような屈曲線 1 2を境と して前後で硬度や厚さを変えるこ ととの組合せも可能である が、 単なるスプーン形状より も更に屈曲部 1 2における柔軟性シ一 ト 5 の密着度が高ま り信頼性が高まる。

図 1 4乃至図 2 0 はこの発明の前記ノ ズルを備えた流体容器の他の例 を示している。 図 1 4は容器本体 2を構成するにあたり、 前記図 3 においては別々の 2枚の柔軟性シ一 卜 5を重ね合わせて構成したものであるのに対し、 こ ちらは先ず （ィ） は 1枚の柔軟性シ一ト 5を二つ折りにして構成する場 合を示し、 （口） は元々筒状に形成された柔軟性シー ト 5を利用して形 成した場合を示している。 （ハ） は完成図であるが、 図 3に示す方法に 比べ溶着部分が少なくて済む利点がある。

なお、 ノ ズルの先端 4は必ずしも溶着する必要はないが、 内容物によ り必要に応じて溶着すれば良い。

この発明の全ての実施形態において、 ノ ズル 1及び容器本体 2に使用 する柔軟性シー ト 5の素材としては、 柔軟性を有する合成樹脂の複合シー 卜が好適に用いられるが、 具体的にはポリエチレン （P E ) やポリプロ ピレン （P P ) 及びナイ ロン等が好適である。 さ らに、 使用されるシー トは防湿性及び空気やガスの遮断性に優れるいわゆるバリア性の高いも のが望ま しい。

以上のように構成した容器本体 2には、 図 1 5に示すように溶着して いない底部開口 6から図示しない充填機等のノ ズルを挿入して内容物を 充填した後に底部 6を溶着する。

この発明のノ ズル 1 は常態で水の様な低粘度流体であつても漏洩する ことがなく、 内容物を充填することができる。 この場合毛細管現象によ る漏洩を心配して完全を期すのであればノズル先端 4部分を溶着するか または挟着部材で挟み付ければ良い。

なお、 当該屈曲が生ずるために、 ノ ズル先端 4が溶着されていなくて も、 また、 使用するためにノズル先端 4の溶着を切り落と した場合であ つても、 容器本体 2に多少の圧力がかかったと しても内容物が不用意に 吐出することがない。 更には内容物によっては吐出させよう と して容器 本体 2を押せば押すほど当該屈曲が強ま り、 吐出しにく く なる場合もあ る。

図 1 6は第 3の実施形態を示す正面図である。

すなわち前記の内容物充填の際の効率化を図るために、 容器底部 6に 懸吊部 1 6を備えたものである。

懸吊部 1 6 には充填時の懸吊孔 1 7 と商品展示時の懸吊孔 1 8が設け られている。 懸吊部 1 6は容器本体シー ト 5 に予め一体に形成されてい ても、 別部品と して形成した懸吊部 1 6を容器本体底部 6に溶着等によ り備えたものでも良い。

このよ う に構成した場合の内容物の充填は、 図に示すように、 懸吊孔 1 7にハンガー 1 9を通したうえで、 ハンガー 1 9同士を内側に寄せる こ とで充填口 2 0が開口するので、 そこに充填ノ ズル 2 1 を揷入して充 填する。 充填後に底部 6を熱溶着する。

図 1 7は第 4 の実施形態を示す。

図に示すように容器 2にスク リ ユーキャ ップ 2 2等を備えた充填口 2 3 を備えるこ とによ り、 繰り返し使用することができる。 また、 大容量の 容器と しても使用可能である。

図 1 8は第 5の実施形態を示す正面図である。

この例は充填口 3 と ノ ズル 1 とを容器本体 2 の上方にほぼ両者上向き に備えたポッ 卜型容器の場合である。

図 1 9は第 6 の実施形態を示す。

ここでは容器本体 2 と してガセッ 卜バッグを利用した場合を示してい る。

なお、 大型のガゼッ トバッグとする場合は到伏防止のために、 縦辺の 溶着部に補強部材 2 4を設けるとよい。

図 2 0は前図の実施形態の発展であり、 底部 6に充填口 3を設けたも のである。 図 2 1乃至 2 7はノ ズル 1 の第 2 の実施形態を示すものである。 前記 のノ ズル 1 は容器本体 2 と一体に形成されたものであつたが、 本実施形 態は、 いわゆる汎用型であり、 既存の容器のキャ ップと交換して使用す る こ とができ る ものである。

図 2 1 においてノズル 1 は筒状部分 2 5 と密着部分 2 6 とで構成され ている。 （ィ） は正面図、 （ハ） は側面図である。

このノ ズル 1 は図 2 2のよう に構成される。

すなわち （ィ） のように所望形状に切り抜いた 2枚の柔軟性シー ト 5 を用意して重ね合わせて、 下部辺を除いて周囲を熱溶着する （口） 。 こ の場合において、 上記柔軟性シー ト 5は必ずしも 2枚でな く 、 いずれか の一辺で二つ折にして周囲を熱溶着することにより同一のものができれ ば 1枚ものであってもよいことはもちろんである。

(ハ） は上流部となる筒状部材 2 5であるが、 内面に非熱溶着処理 2 7 が施してある。 非熱溶着の方法と しては、 表面をなし地仕上げとするこ とが望ま しい。 これはなし地とすることにより表面に微小凹凸が形成さ れ、 熱伝達が極端に悪化するために接触した部分が溶融しない （し難い） ことによるものである。 なお、 その他の方法としては、 当該筒状部材 2 5 とは材質が異なり、 熱溶着しない材質を用いたシー トを中空内に挟み込 むことと してもよい。

次にこの筒状部材 2 5を先に形成した下流部 2 6 の開口部分 2 8に揷 通して両者を溶着部で熱溶着する。

素材と しては、 上流部 2 5 にはポ リ エチレ ン （ P E ) やポ リ プロ ピレ ン （ P P ) が、 下流部には柔軟性を有する合成樹脂の複合シー トが好適 に用いられるが、 具体的にはポリエチレン （P E ) やポリプロピレン （P P ) 及びナイ口ン等が好適である。 さ らに、 使用されるシー トは防湿性及び 空気やガスの遮断性に優れるいわゆるバ リ ァ性の高いものが望ま しい。 なお、 下流部 2 6の溶着に際しては、 重ね合わせるシー トの厚みや、 溶着時の張力を適宜調節して溶着後のシ一 ト 5の密着度合いが高まるよ うに、 湾曲させることが肝要である。 そ して湾曲の方向と しては、 図 2 の （ホ） に示すような流通方向と直交する方向 （樋状） 、 （へ） 流通方 向 （弓状） 及び （ ト） 球面状が考えられるが、 製造上スプー ンのような 球面状となることが容易でありなおかつ重ね合わせたシー ト 5の密着度 合いが最も高いので確実に漏れを防止できる。

このように 3次元形状に形成するためには、 2枚のシー ト 5の張力を 異なら しめて残留応力によりいずれか一方のシー ト 5が縮むようにした り、 溶着しない程度の温度でプレスしたり と、 様々な方法が考えられる。 以上のように構成したこの発明の流体容器のノズル 1 の使用に際して は、 図 2 3に示すように上流部 2 5を容器 2の吐出口 2 9に装着すれば よい。 容器 2は図に示すようなチューブの他、 スタ ン ドパゥチなどの袋 状容器で、 柔軟性素材で形成されている ものであればよく、 具体的な素 材ゃ形状には限定されない。

そしてノズル先端 4の溶着をはさみ等で切断して開口せしめる。 図 2 4 に示すように、 （ィ） の常態から、 容器本体 2を押して内容物を吐出さ せよう とすると、 下流部 2 6の重ね合わせた 2枚のシー ト 5が内容物に 押し広げられて先端 4から吐出する （口） 。 最後は下流部 2 6をへらや ローラ等 3 0あるいは紙などで先端 4 に向かってしごけば、 内容物は押 し出されて下流部 2 6の 2枚のシー ト 5 は再び図 1 0各図に示すような 幅方向 （樋状） 、 流通方向 （弓状） あるいは球面状に密着する。 この場 合に、 前述の通り球面状となる ことが重ね合わせたシー ト 5の密着度合 いが最も高いので確実に漏れを防止できる。

こ こで、 下流部分 2 6 の形状と しては図 8各図に示すような形状とす ることもできる。 さ らに、 下流部 2 6は前記のように湾曲させるだけではなく、 図 9に 示すような （ハ） に示すようにカールさせたり、 （二） に示すように折 り曲げたりあるいは （ホ） に示すように、 先端を挟み込み手段で挟み込 んでもよい。

また、 ノ ズル 1 の容器本体 2 への装着方法と しては、 図 2 5 (ィ） に 示すように容器本体 2の吐出口 2 9の内側に差し込む方法、 （口） 吐出 口 2 9 の外側に被せるよ う に差し込む方法及び （ハ） ねじ込む方法など が考えられる。 さ らには前述の実施形態のように容器本体 2 と一体形成 と しても良いことはもちろんである。

図 2 6 はこの発明の第 2の実施形態を示す構成図である。

この場合は、 3枚のシー ト 5を重ね合わせることにより、 2つの通路 G、 Hを形成しょう とするものである。 このよ う にすることにより、 2 種類の内容物を同量同時に吐出させる場合には有効である。

この場合において、 シー ト 5は所望形状を並列させて形成したものを 共通する一の辺で三つ折りにして周囲を熱溶着して最終的に同一のもの ができれば必ずしも 3枚重ねでなくてもよい。

このよう に、 二つの通路を下流部 2 6の後半部分 K部で合流させて一 通路と し、 さ らに交互に溶着して攪拌通路 3 1 を形成すれば、 2液性の 接着剤等を一度に混合した状態で吐出させることができる。 この場合に は、 二通路部分でしごいて混合されたものを全て吐出させてしまえば通 路内で固着するこ とがない。

図 2 7はこの実施形態のノズルを、 ポッ 卜型、 充填口付き型及びガゼ ッ トバッグ型に応用した場合を示している。

図 2 8は第 7 の実施形態を示す。

図中 3 2は柔軟性シー ト 5 の密着を防止する部材で、 ス ト 口—のよう な筒状部材を直径方向に押し潰したものや、 扳状体を二つ折り したもの でもよい。 これは内容物が押し出される際の緩衝材でありガイ ドの役目 を果たすものである。

すなわち、 容器先端のノズル 1 を常態で密着するようにすることによ り、 容器本体から押し出された液体が密着部を押し広げながらノズル 1 内を進行するのであるが、 ノズル 1 の付け根部分 3 3 も屈折し易く、 そ うなると液体自体が密着を押し広げながらなおかつ屈折を矯正しながら 進行しなければならず、 抵抗が非常に大きいものとなる。 そこで、 当該 部分の屈曲がかえつて都合が悪い場合には当該部材 3 1を設けて予め密 着を分離しておく ことで液体の進行が容易になるものである。

したがって当該部材 3 1 の形状はかかる機能が発揮できるものであれ ば筒状部材ゃ板状部材に限定される ものではない。

ノズル部分 1 や C点の屈曲がかえつて内容物の不用意な吐出を防止す ることにもなるので当該部材は内容物の種類に応じて必要に応じて備え れぱ良い。 流量調節機構と しても機能させることができる。

以上各実施形態に例示したように構成したこの発明の流体容器のノズ ル及びそれを備えた流体容器は、 基本的にはキヤ ップなしで使用するこ とができる。 粘性の極めて低い水のような流動体でさえ、 毛細管現象の 心配もなく内容物の漏洩がない。

そしてキャ ッ プなしでも内容物が空気に触れることがないので、 特に 接着剤を始めとする空気中の水分と反応して変性を生ずるもの、 食品等 のように酸化をするものの保存状態が極めてよ く、 また、 保管後に再使 用する際にもスムーズに排出され、 キヤ ップの取り外しもないので簡便 である。

また、 いわゆるチューブ容器以外にもスタン ドバウチやガゼッ トノ 'ッ グを含めた様々な袋状容器にも自由に組合せることができるので用途も 広範である。 そ して、 内容物に合わせた素材シー ト （特にバリア性の高 い素材が好適） を選択するこ とによ りあらゆる分野の流体保存に極めて 好適に用いるこ とができる。 産業上の利用可能性

この発明の流体容器のノズル及びそれを備えた流体容器は以上のよう に構成したので、 吐出した後の容器内に残留する内容物が全く空気に触 れることなく必要量を吐出させることができる。

したがって、 一度に使い切れないものでも従来の容器に比べて飛躍的 に保存状態がよ く、 使用可能状態での保存期間が長く なった。 図面の簡単な説明

第 1図はこの発明の第 1 の実施形態を示す （ィ） 正面図及び （口） 側 面図である。 第 2図はその要部断面図である。 第 3図はノ ズル及び容器 本体の形成方法を示す説明図である。 第 4図はこの発明のノズルの作用 を示す説明図である。 第 5図はこの発明のノ ズルの作用を示す説明図で ある。 第 6図は使用方法を示す説明図である。 第 7図は使用方法を示す 説明図である。 第 8図はノズル形状のバリエ一ショ ンを示す説明図であ る。 第 9図はノ ズル先端の形状を示す説明図である。 第 1 0図はノズル の湾曲方向を示す説明図である。 第 1 1 図はノ ズルの形状を示す説明図 である。 第 1 2図はノ ズルの形状を示す説明図である。 第 1 3図はノズ ルの形状を示す説明図である。 第 1 4図はノズル及び容器本体の形成方 法を示す説明図である。 第 1 5図は充填方法を示す説明図である。 第 1 6 図は充填方法を示す説明図である。 第 1 7図は容器の構成例を示す説明 図である。 第 1 8図は容器の構成例を示す説明図である。 第 1 9図は 容器の構成例を示す説明図である。 第 2 0図は容器の構成例を示す説明 図である。 第 2 1図はノ ズルの他の構成例を示す説明図である。 第 2 2 図はその形成方法を示す説明図である。 第 2 3図はその装着例を示す説 明図である。 第 2 4図は使用方法を示す説明図である。 第 2 5図は装着 方法を示す説明図である。 第 2 6図は他の構成例を示す説明図である。 第 2 6図は容器との構成例を示す説明図である。 第 2 7図は他の構成例 を示す説明図である。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 流体容器の先端に設けるノ ズルにおいて、 少なく とも 2枚の柔軟性 シ一卜を重ね合わせてなり、 その内面が内容物充填後の常態において密 着するよう構成したことを特徴とする流体容器のノズル。

2 . 流体容器の先端に設けるノ ズルにおいて、 少な く とも 2枚の柔軟性 シー 卜を重ね合わせてなり、 その内面が内容物充填後の常態において密 着するよう構成すると と もに、 容器内圧により ノズル側に押し出された 内容物によってノズル上流部の密着が解かれると同時に、 内容物の最先 端部分においてはノズルを構成する少な く とも一枚の柔軟性シ一 卜が屈 曲することにより当該部分での密着度が高ま り、 内容物の流出を阻止す るように構成したことを特徴とする流体容器のノズル。

3 . ノズルの所望位置において、 ノズルを構成する少なく とも一枚の柔 軟性シ一卜に折り癖となる境界線を付与してなる請求項 2に記載の流体 容器のノズル。

4 . 上記折り癖を境にノ ズルの上流側と下流側とでノ ズルを構成する柔 軟性シ一卜の硬度を異なるものと してなる請求項 3に記載の流体容器の ノ ズル。

5 . 上記折り癖を境にノズルの上流側と下流側とでノズルを構成する柔 軟性シー 卜の厚さを異ならしめたことを特徴とする請求項 3復はのいず れかに記載の流体容器のノズル。

6 . 常態において密着部分が三次曲面状に湾曲してなる請求項 1 に記載 の流体容器のノズル。

7 . 常態において密着部分が回巻してなる請求項 1 に記載の流体容器の ノ ズル。

8 . 常態において密着部分が屈曲してなる請求項 1 に記載の流体容器の ノ ズル。

9 . 柔軟性シ一卜の内、 湾曲または屈曲方向側の柔軟性シー 卜のさらに 内側に湾曲または屈曲を強制する弾性体を備えるとともに、 当該弾性体 の弾性力をもってノズルを構成する複数の柔軟性シ一トを上記弾性体の 背面に沿わせるよう展張せしめて密着させてなる請求項 1乃至 8のいず れかに記載の流体容器のノズル。

1 0 . ノズルを構成する複数の柔軟性シ一トを重ね合わせて予め皿状に 成形してなる請求項 1乃至 6または 8乃至 9のいずれかに記載の流体容 器のノ ズル。

1 1 . 流体通路を形成するノ ズルの幅方向の溶着部分において、 ノズル 上流側所望長さの溶着幅を下流側より も大き く したことを特徴とする請 求項 1乃至 1 0のいずれかに記載の流体容器のノズル。

1 2 . 流体通路を形成するノ ズルの幅方向の溶着部分において、 一度溶 着後にさ らに最初の溶着時より も強い圧着力で再度溶着することとした ことを特徴とする請求項 1乃至 1 1 のいずれかに記載の流体容器のノズ ル。

1 3 . ノズル上流部には所望長さの筒状部分を備えたことを特徴とする 請求項 1乃至 1 2のいずれかに記載の流体容器のノズル。

1 4 . 上流部と下流部がそれぞれ異なる部材からなり、 両者を一軸上に 接合して一体と してなる請求項 1乃至 1 3のいずれかに記載の流体容器 のノ ズル。

1 5 . 接合手段が熱溶着であることを特徴とする請求項 1 4に記載の流 体容器のノズル。

1 6 . 上流部筒状部材の内面に非熱 ¾着処理が施されてなる請求項 1 3 乃至 1 5のいずれかに記載の流体容器のノズル。

1 7 . 通路が 2つ以上設けられてなる請求項 1乃至 1 6のいずれかに記 載の流体容器のノ ズル。

1 8 . ノ ズル部分と容器本体部分とがー体に配された少な く とも 2枚の 柔軟性シ一トを重ね合わせ、 周囲を溶着して形成されるノ ズルを備えた 流体容器において、 ノ ズル部分が上記請求項 1乃至 1 2 のいずれかに記 載された特徴を有するノ ズルであることを特徴とする流体容器。

1 9 . 柔軟性シー ト素材からなる筒状体を平面化せしめ、 容器の輪郭形 状に周囲を溶着 · 切断して形成する流体容器において、 ノ ズル部分が上 記請求項 1乃至 1 2のいずれかに記載された特徴を有するノ ズルである ことを特徴とする流体容器。

2 0 . 上記請求項 1乃至 1 7のいずれかに記載の流体容器のノズルを流 体容器本体に脱着可能または流体容器本体と一体で備えたことを特徴と する流体容器。

2 1 . 流体容器本体がチューブである請求項 2 0に記載の流体容器。

2 2 . 流体容器がガゼッ 卜バッ グである請求項 2 0に記載の流体容器。

2 3 . ノズル部分と流体容器本体部分との間に柔軟性シ一トの密着を防 止する部材を設けてなる請求項 1 8乃至 2 2のいずれかに記載の流体容 器。

2 4 . ノズルとは別に充填口を備えてなる請求項 1 8乃至 2 3のいずれ かに記載の流体容器。 。