明細書 糖尿病合併症治療剤 技術分野
本発明はクロメン化合物を含有する糖尿病合併症予防剤およびノまたは治療剤 に関する。 背景技術
近年糖尿病患者は増大し、 わが国の糖尿病患者は約 6 00万人とも言われてい る。 血糖コントロール技術の普及に伴い、 高血糖昏睡による死亡は減少したが、 羅病期間が長くなると糖尿病性腎症、 糖尿病性網膜症、 糖尿病性神経障害、 糖尿 病性骨減少症等の合併症を引き起こすことが多く、 その予防および治療が糖尿病 治療の大きな課題となっている。
現在、 糖尿病性神経障害にはアルド一ス還元酵素阻害剤が、 糖尿病性腎症には AC E阻害剤が、 大血管症にはプロスタグランジン製剤が治療薬として用いられ ているが、 糖尿病合併症全般に有効な治療薬はまだ見出されていない。
本発明に係る化合物と類似の構造を有する化合物が特開昭 6 0— 149 5 8 0、 特開昭 60— 1 49 5 8 1、 特開平 1— 3 8 08 7等に記載されているが、 糖尿病合併症の予防作用または治療作用については全く示唆されていない。 糖尿病患者では血漿中のェンドセリン濃度が上昇していることが既に報告され ており (D i a b e t o l o g i a ( 1 990 ) 33 : 30 6— 3 1 0) 、 ェン ドセリン拮抗剤が糖尿病合併症に対して有効である旨が E P 4 5 7 1 9 5 , E P 647449、 E P 6 5 546 3、 WO 9 5 2 6 9 5 7, WO 9 7 047 6 9 , WO 9 7047 7 2, WO 9 7 1 0 2 1 4, WO 9 7 2 2 5 9 5, 特開平 5— 2 2 200 3、 特開平 6— 2 1 1 8 1 0、 特開平 7— 1 7 9 7 2等に開示されてい る。
発明の開示
本発明は、 式 ( I )
(式中、 R 1 , R 2、 R 3および R 4はそれぞれ独立して水素、 置換されていて もよいアルキル、 置換されていてもよいアルケニル、 置換されていてもよいアル キニル、 置換されていてもよいシクロアルキル、 ヒドロキシ、 ハロゲン、 置換さ れていてもよいアルコキシ、 置換されていてもよいアルケニルォキシ、 置換され ていてもよいアルキニルォキシ、 置換されていてもよいシクロアルコキシ、 置換 されていてもよいァシルォキシまたは置換されていてもよいアミノであり、 R 5は置換されていてもよいアルキル、 置換されていてもよいアルケニル、 置換 されていてもよいアルキニル、 置換されていてもよいァリール、 置換されていて もよいへテロ環または置換されていてもよいシク口アルキルであり、
R 6は水素、 置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいァリ一 ルであり、
R 7は水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、 置換されていてもよいアルキニル、 置換されていてもよいシクロアルキル、 ハロ ゲン、 置換されていてもよいアルコキシ、 置換されていてもよいアルケニルォキ シ、 置換されていてもよいアルキニルォキシ、 置換されていてもよいァリール、 置換されていてもよいァリールォキシ、 置換されていてもよいへテロ環、 置換さ れていてもよいへテロ環ォキシ、 置換されていてもよいァシルォキシ、 置換され ていてもよいアルキルチオ、 置換されていてもよいアルケニルチオ、 置換されて いてもよいアルキニルチオまたは置換されていてもよいアミノであり、
Aは Sまたは Oであり、 破線は結合の有無を表わす。 )
で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物 (以下、 化合物 ( I ) とする) 、
式' ( I ' )
(式中、 尺 1〜!^ 6、 Aおよび破線は前記と同義であり、 R 7は置換されていて もよいアルキル、 置換されていてもよいアルケニル、 置換されていてもよいアル キニル、 置換されていてもよいシクロアルキル、 置換されていてもよいアルケニ ルォキシ、 置換されていてもよいアルキニルォキシ、 置換されていてもよいァリ —ル、 置換されていてもよいァリールォキシ、 置換されていてもよいへテロ環、 置換されていてもよいへテロ環ォキシ、 置換されていてもよいァシルォキシ、 置 換されていてもよいアルキルチオ、 置換されていてもよいアルケニルチオ、 置換 されていてもよいアルキニルチオまたは置換されていてもよいアミノである。 ) で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物 (以下、 化合物 ( I ' ) とする)
およびノまたは式 ( I '
(式中、 R l ' 、 R 2 ' 、 R 3 ' および R 4 ' はそれぞれ独立して水素、 置換さ れていてもよいアルキル、 置換されていてもよいアルケニル、 置換されていても よいシクロアルキル、 ヒドロキシ、 ハロゲン、 置換されていてもよいアルコキシ、 置換されていてもよいァシルォキシまたは置換されていてもよいアミノであり、 R 6 ' は水素またはアルキルであり、
A r 1および A r 2はそれぞれ独立して置換されていてもよいァリールまたは置 換されていてもよいへテロァリ一ルであり、
破線は結合の有無を表わす)
で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物 (以下、 化合物 ( 1 ' ' ) とする) を含有する糖尿病合併症予防剤および/または治療剤 を提供する。
詳しくは上記化合物 ( I ) 、 ( I ' ) および または ( I ' ' ) (以下、 これ らをまとめて 「本発明に係る化合物」 とする) を含有する糖尿病性神経障害予防 剤および または治療剤、 糖尿病性創傷治癒不良改善剤並びに糖尿病性末梢循環 改善剤を提供する。
さらに、 本発明に係る化合物を投与することを特徴とする、 糖尿病合併症の予 防の方法およびノまたは治療の方法を提供する。 さらに別の態様として、 糖尿病 合併症の予防および または治療のための医薬を製造するための、 本発明に係る 化合物の使用を提供する。
本明細書中において、 「アルキル」 とは、 炭素数 1〜 1 0、 好ましくは炭素数 1 〜 7の直鎖または分枝状のアルキルを意味し、 具体的には、 メチル、 ェチル、 n—プロピル、 イソプロピル、 n —プチル、 イソプチル、 s e c —プチル、 t e r t —ブチル、 n—ペンチル、 イソペンチル、 ネオペンチル、 へキシル、 イソへ キシル、 n—へプチル、 イソへプチル、 n—才クチル、 イソォクチル、 ノニル、 デシル等が挙げられる。 R i〜R 4が 「置換されていてもよいアルキル」 または 「アルキル」 である場合には、 炭素数 3 ~ 6のアルキルが好ましく、 その他の 「置 換されていてもよいアルキル」 または 「アルキル」 においては炭素数 1〜 3のも のが好ましい。
「置換されていてもよいアルキル」 は、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 シァノ、 シク 口アルキル、 カルボキシ、 置換されていてもよいアルコキシ [ここで置換基とし ては例えばシクロアルキル、 置換されていてもよいへテロ環 (ここで置換基とし ては例えばアルキル) 、 ヒ ドロキシ、 シァノ、 アルコキシ、 ァシル、 ァミノ、 ァ ルキルァミノ、 力ルポキシ、 置換されていてもよいァリール (ここで置換基とし ては例えばアルキル、 アルコキシ、 カルポキシアルコキシ、 アルキレンジォキシ、 ハロゲン、 ァミノ、 アルキルァミノ、 カルボキシ、 アルコキシカルボニル、 ァシ ル等) 等] 、 ァシル、 アルキレンジォキシ (例えばメチレンジォキシ、 エチレン
ジォキシ等) 、 置換されていてもよいアミノ (ここで置換基としては例えばアル キル ;例えばジメチルァミノ、 ジェチルァミノ等) 、 置換されていてもよいァリ —ル (ここで置換基としては例えばアルキル、 アルコキシ、 カルボキシアルコキ シ、 アルキレンジォキシ、 ハロゲン、 ァミノ、 アルキルァミノ、 カルボキシ、 ァ ルコキシカルボニル、 ァシル等) または置換されていてもよいへテロ環 (ここで 置換基としては例えばアルキル、 アルコキシ、 カルボキシアルコキシ、 アルキレ ンジォキシ、 ハロゲン、 ァミノ、 アルキルァミノ、 力ルポキシ、 アルコキシカル ポニル、 ァシル等) 等の 1以上の置換基を任意の位置に有していてもよい。
R 1 ~ R 4が 「置換されていてもよいアルキル」 である場合には、 置換基がシ クロアルキル、 置換されていてもよいアルコキシ [ここで置換基としては例えば シクロアルキル、 置換されていてもよいへテロ環 (ここで置換基としては例えば アルキル) 、 アルコキシ、 置換されていてもよいァリール (ここで置換基として は例えばアルキル、 アルコキシ、 アルキレンジォキシ等) 等] 、 アルキレンジォ キシ (例えばメチレンジォキシ、 エチレンジォキシ等) 、 置換されていてもよい ァリール (ここで置換基としては例えばアルキル、 アルコキシ、 アルキレンジォ キシ等) または置換されていてもよいへテロ環 (ここで置換基としては例えばァ ルキル、 アルコキシ、 アルキレンジォキシ等) 等であることがさらに好ましい。 置換されたアルキルの例としては例えば、 シクロアルキルアルキル (シクロプ 口ピルメチル、 シクロブチルェチル等) 、 ハロアルキル (クロロメチル、 トリフ ルォロメチル等) 、 ァリールアルキル (メ トキシフエ二ルアルキル等) 、 アルコ キシァリールアルキル (メ 卜キシベンジル等) 、 アルコキシアルキル (メ トキシ プロピル等) 、 シクロアルキルアルキル (シクロへキシルメチル等) 、 ヒドロキ シアルキル (ヒドロキシブチル等) 、 アルデヒドアルキル (ホルミルプロピル等) 等が挙げられる。
「アルキルチオ」 、 「置換されていてもよいアルキルチオ」 、 「アルキルアミ ノ」 、 「ハロアルキル」 、 「ァリールアルキル」 、 「アルキルスルホ二ルォキシ」 、 「シクロアルキルアルキル」 のアルキル部分は上記と同様である。
「アルコキシ」 のアルキル部分は上記アルキルと同様であり、 具体的には、 メ
トキシ、 エトキシ、 n—プロボキシ、 2—メチルプロボキシ、 1 一ェチルプロボ キシ、 イソプロボキシ、 n —ブトキシ、 s e c —ブトキシ、 t e r t —ブトキシ、 2—ェチルブトキシ、 3—メチルブトキシ、 3, 3—ジメチルブトキシ、 1 —プ 口ピルブトキシ、 n—ペンチルォキシ、 イソペンチルォキシ、 4—メチルペンチ ルォキシ、 n—へキシルォキシ、 n—へプチルォキシ、 n—ォクチルォキシ、 n ーノニルォキシ、 n —デシルォキシ等が挙げられる。 特に 「低級アルコキシ」 と いう場合には炭素数 1 ~ 4のアルコキシを意味する。 R 7が 「置換されていても よいアルコキシ」 または 「アルコキシ」 である場合には炭素数 3〜 7であること が好ましい。 その他の 「置換されていてもよいアルコキシ」 または 「アルコキシ」 においては炭素数 1 ~ 3であることが好ましい。
「置換されていてもよいアルコキシ」 の置換基は上記アルキルにおける置換基 と同様であり、 置換されたアルコキシとしては例えばシクロプロピルメ トキシ、 2—シクロプロピルエトキシ、 ベンジルォキシ、 ジメチルアミノエトキシ、 ホル ミルエトキシ、 ホルミルプロボキシ、 ヒ ドロキシペンチルォキシ、 ジヒ ドロキシ エトキシ、 ジメ トキシブトキシ、 ジェトキシェトキシ、 シァノプロピルォキシ、 4ーメ トキシフエ二ルェトキシ等が例示される。
「アルコキシカルボニル」 、 「置換されていてもよいアルコキシ力ルポニル」 のアルコキシ部分および置換基は上記と同様である。 特に 「低級アルコキシカル ボニル」 という場合には炭素数 1〜4のアルキルを有するアルコキシカルボニル を意味する。
Γ置換されていてもよいアルコキシカルボニル」 、 「カルボキシアルコキシ」 のアルコキシ部分および置換基も上記と同様である。
「アルキレンジォキシ」 とは、 炭素数 1〜 3のアルキレンジォキシを意味し、 具体的には、 メチレンジォキシ、 エチレンジォキシ、 プロピレンジォキシ等が举 げられる。
「ァルケニル」 とは、 炭素数 2 ~ 1 0、 好ましくは炭素数 2〜 8、 さらに好ま しくは炭素数 2〜 6の直鎖または分枝状のアルケニルを意味し、 具体的には、 ビ ニル、 プロべニル、 イソプロぺニル、 ブテニル、 ペンテニル、 へキセニル、 ヘプ
テニル、 ォクテニル、 ノネニル、 デセニル等が挙げられる。 これらは任意の位置 に 1以上の二重結合を有する。 「置換されていてもよいアルケニル」 の置換基は 上記アルキルにおける置換基と同様である。
「ァルケニルォキシ」 、 「置換されていてもよいアルケニルォキシ」 、 「アル ケニルチオ」 、 「置換されていてもよいアルケニルチオ」 のアルケニル部分およ び置換基も上記と同様である。
「アルキニル」 とは、 炭素数 2〜 1 0、 好ましくは炭素数 2〜 8、 さらに好ま しくは炭素数 2〜 6の直鎖または分枝状のアルキニルを意味し、 具体的にはェチ ニル、 プロピニル、 ブチニル、 ペンチニル、 へキシニル、 へプチニル、 ォクチ二 ル、 ノニル、 デシニル等が挙げられる。 これらは任意の位置に 1以上の三重結合 を有し、 さらに二重結合を有していてもよい。 「置換されていてもよいアルキニ ル」 の置換基は上記アルキルと同様である。
「アルキニルォキシ」 、 「置換されていてもよいアルキニルォキシ」 、 「アル キニルチオ」 および 「置換されていてもよいアルキニルチオ」 のアルキニル部分 および置換基も上記と同様である。
「シクロアルキル」 とは、 炭素数 3 ~ 7、 好ましくは炭素数 3 ~ 6、 さらに好 ましくは炭素数 3〜 5の環状アルキルを意味し、 具体的には、 シクロプロピル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチル等が挙げられ る。 「置換されていてもよいシクロアルキル」 の置換基としては、 上記アルキル における置換基、 アルキルおよびアルケニル等が挙げられる。
「シク口アルキルアルキル」 のシクロアルキル部分は上記と同様である。
「シクロアルコキシ」 のシクロアルキル部分は上記と同様であり、 例えばシク 口プロボキシ、 シクロブトキシ、 シクロペンチルォキシ等が挙げられる。 また 「置 換されていてもよいシクロアルコキシ」 の置換基は上記と同様である。
「ハロゲン」 とは、 フッ素、 塩素、 臭素およびヨウ素を意味する。 「ハロアル キル」 のハロゲン部分はこれと同様である。
「ァシル」 とは、 脂肪属カルボン酸由来の炭素数 1〜 1 0、 好ましくは炭素数 1〜 8、さらに好ましくは炭素数 1〜 6の直鎖状または分枝状のァシルを意味し、
具体的には、 ホルミル、 ァセチル、 プロピオニル、 プチリル、 イソプチリル、 バ レリル、 ビバロイル、 へキサノィル等が挙げられる。 「置換されていてもよいァ シル」 の置換基は上記アルキルにおける置換基と同様である。
「ァシルォキシ」 のァシル部分は上記ァシルと同様であり、 ホルミルォキシ、 ァセチルォキシ、 プロピオニルォキシ、 プチリルォキシ、 バレリルォキシ、 ビバ ロイルォキシ、 へキサノィルォキシ等が挙げられる。 「置換されていてもよいァ シルォキシ」 の置換基は上記アルキルにおける置換基と同様である。
「置換されていてもよいァミノ」 とは、 非置換ァミノおよび置換アミノを包含 し、 置換ァミノとしては例えば、 アルキルアミノ (メチルァミノ、 エヂルァミノ 等) 、 ジアルキルアミノ (ジメチルァミノ、 ジェチルァミノ等) 、 シクロアルキ ルァミノ (シクロへキシルァミノ等) 、 フエニルァミノ、 ジフエニルァミノ、 ァ シルァミノ (ァセチルァミノ等) 等のモノーもしくはジ一置換アミノまたはピぺ リジノ、 ピペラジノ、 モルホリノ等の環状ァミノが挙げられる。
「ァリール」 とは、 炭素数 6〜 1 4、 好ましくは炭素数 6〜 1 0の単環または 縮合環を意味し、 具体的には、 フエニル、 ナフチル (例えば、 1 —ナフチル、 2 一ナフチル) 、 アントリル (例えば、 1 一アントリル、 2—アントリル) 、 イン ダニル (例えば、 1 一インダニル、 6 —インダニル) 、 インデニル (例えば、 1 一インデニル、 7 —インデニル) 、 フエナントリル (例えば、 1 —フエナントリ ル、 2—フエナントリル) 等が挙げられる。 特にフエニルが好ましい。
「置換されていてもよいァリール」 の置換基としては、 上記アルキルにおける 置換基、 アルキルおよびアルケニルが挙げられる。 置換されたァリールとしては 例えば、 2 —、 3 —または 4ーメ トキシフエ二ル、 2 , 4 _または 3 , 4—ジメ トキシフエ二ル、 3, 4 , 5— トリメ トキシフエニル、 4—クロ口フエニル、 3 一または 4—フルオロフェニル、 3 , 4—ジフルオロフェニル、 4 一メチルフエ ニル、 4—プロピルフエニル、 4 _イソプロピルフエニル、 4—ジメチルァミノ フエニル、 2 —カルボキシメ トキシ— 4 —メ 卜キシフエニル、 3, 4ーメチレン ジォキシフエニル、 3 , 4—エチレンジォキシフエニル等が挙げられる。
「ァリールォキシ」 、 「ァリールアルキル」 、 「ァリールスルホニルォキシ」
および 「置換されていてもよいァリールォキシ」 のァリール部分および置換基は 上記と同様である。
「ヘテロ環」 とは、 任意に選ばれる、 酸素原子、 硫黄原子および または窒素 原子を環内に 1個以上含む飽和または不飽和の 3〜 7員、 好ましくは 5〜 7員の 環を意味し、 これらは他の炭素環もしくは他のへテロ環と縮合していてもよい。 これらは置換可能な任意の位置で結合しうる。 例えば、 ォキシラニル、 ジォキサ ニル、 チイラニル、 ジォキソラニル、 ォキサチオラニル、 ァゼチジニル、 ピロリ ジニル、 ピロリニル、 イミダゾリジニル、 イミダゾリニル、 ビラゾリジニル、 ピ ラゾリニル、 ピベリジニル、 ピペラジニル、 モルホリニル、 ジヒドロベンゾフリ ル (例えば、 2, 3—ジヒドロ一 5—ベンゾフリル、 2, 3—ジヒドロ一 6—ベ ンゾフリル) 等の非芳香族へテロ環、 ピロリル (例えば、 1 —ピロリル) 、 イン ドリル (例えば、 2 —または 6 —インドリル) 、 カルパゾリル (例えば、 3 _力 ルバゾリル) 、 イミダゾリル (例えば、 1 —イミダゾリル、 ) 、 ピラゾリル (例 えば、 3 —ピラゾリル) 、 ベンゾイミダゾリル (例えば、 2—べンゾイミダゾリ ル) 、 インダゾリル (例えば、 3 _インダゾリル) 、 ピリジル (例えば、 3—ピ リジル、 4一ピリジル) 、 キノリル (例えば、 8—キノリル) 、 イソキノリル (例 えば、 3—イソキノリル) 、 ピリミジニル (例えば、 4一ピリミジニル) 、 ビラ ジニル (例えば、 2 —ピラジニル) 、 イソォキサゾリル (例えば、 4—イソォキ サゾリル) 、 ォキサゾリル (例えば、 2—才キサゾリル、 ) 、 フリル (例えば、 2 —フリル) 、 ベンゾフリル (例えば、 3 —、 4一、 5—または 6—ベンゾフリ ル) 、 チェニル (例えば、 2—チェニル) 、 ベンゾチェ二ル (例えば、 1 —ベン ゾチォフェン一 2—ィル、 2—ベンゾチォフェン一 1 —ィル) 等のへテロァリ一 ルが挙げられる。 「置換されていてもよいへテロ環」 、 「置換されていてもよい ヘテロァリール」 の置換基は、 上記アルキルにおける置換基、 アルキルおよびァ ルケニル等が挙げられる。
「ヘテロ環ォキシ」 、 「置換されていてもよいへテロ環ォキシ」 のへテロ環部 分および置換基は上記と同様である。
本発明に係る化合物には製薬上許容される塩および水和物も包含される。 製薬
上許容される塩とは、 例えば、 アルカリ金属 (リチウム、 ナトリウム、 カリウム 等) 、 アルカリ土類金属 (カルシウム、 マグネシウム等) 、 アンモニゥムまたは 有機塩基 (トリエチルアミン、 ピリジン等) 、 アミノ酸等の塩、 および無機酸 (塩 酸、 硫酸、 硝酸等) または有機酸 (クェン酸、 パラトルエンスルホン酸、 メタン スルホン酸等) の塩が挙げられる。 これらの塩は通常行われる方法で形成させる ことができる。 水和物は、 本発明に係る化合物 1分子に対し、 任意の数の水分子 が配位していてもよい。
本発明に係る化合物は、 ラセミ体、 両対掌体および全ての立体異性体 (ジァス テレオマー、 ェピマー、 ェナンチォマ一等) を含む。 図面の簡単な説明
第 1図は糖尿病ラッ トに化合物 ( I 一 1 ) を投与したときの神経伝導速度を表す グラフである。 縦軸は神経伝導速度 (mZ s ) を示し、 各カラムは左から無処置 群 (正常ラッ ト、 n = 1 2 ) 、 対照群 (化合物 ( I _ 1 ) 非投与糖尿病ラッ ト、 n = 9) 、 化合物 ( 1— 1 ) 3mg/k g投与糖尿病ラッ ト (n = 9) 、 化合物 ( I — 1 ) 1 Omg/k g投与糖尿病ラッ ト (n = 9 ) および化合物 ( I — 1 ) 3 OmgZk g投与糖尿病ラッ ト (n = 9) を示す。 *は対照群との比較 (Du n n e t ' s T e s t ) において P<0. 0 5であることを示し、 * *は P < 0. 0 1であることを示す。
第 2図は糖尿病ラッ トに化合物 ( 1 — 1 ) を投与したときの神経内血流量を表す グラフである。 縦軸は神経内血流量 (相対値) を示し、 横軸は左から無処置群 (正 常ラッ ト、 n = 1 2 ) 、 対照群 (化合物 ( I 一 1 ) 非投与糖尿病ラッ ト、 n = 9 ) 、 化合物 ( I— 1 ) 3 m g / k g投与糖尿病ラッ ト ( n = 9 ) 、 化合物 ( I — 1 ) 1 OmgZk g投与糖尿病ラッ ト (n = 9) および化合物 ( 1 — 1 ) 3 0mgZ k g投与糖尿病ラッ ト (n = 9 ) を示す。 * *は対照群との比較 (Du n n e t ' s T e s t ) において P<0. 0 1であることを示す。
第 3図は糖尿病ラッ トの創傷治癒過程を示すグラフである。縦軸は創傷面積(%) を示し、横軸は投与期間(日)を示す。 *は対照群との比較(D u n n e t ' s T
e s t ) において P<0. 0 5であることを示す。 発明を実施するための最良の形態
本発明に係る化合物は全て糖尿病合併症予防および または治療作用を有して いるが、 その中でも特に以下の化合物を含有する糖尿病合併症予防および/また は治療剤が好ましい。
化合物 ( I ) において、
( 1) R 1が水素、 置換されていてもよいアルキル、 ヒドロキシまたは置換され ていてもよいアルコキシである (以下、 R 1が R 1— 1であると略記する) 化合 物、 好ましくは水素または置換されていてもよいアルコキシである (以下、 R 1 が R 1— 2であると略記する) 化合物、 さらに好ましくは水素である (以下、 R 1が R 1— 3であると略記する) 化合物、
(2) R 2が水素、 置換されていてもよいアルキル、 ヒドロキシまたは置換され ていてもよいアルコキシである (以下、 R 2が R 2— 1であると略記する) 化合 物、好ましくは水素、 アルキルまたは置換されていてもよいアルコキシである(以 下、 R 2が R 2— 2であると略記する) 化合物、 さらに好ましくは置換されてい てもよいアルコキシ (ここで置換基とはヒドロキシ、 アルコキシ、 ホルミルまた はへテロ環) である (以下、 R 2が R 2— 3であると略記する) 化合物、
(3) R 3が水素、 置換されていてもよいアルキル、 ヒドロキシまたは置換され ていてもよいアルコキシである (以下、 R 3が R 3— 1であると略記する) 化合 物、 好ましくは水素または置換されていてもよいアルコキシである (以下、 R 3 が R 3— 2であると略記する) 化合物、 さらに好ましくは水素である (以下 R 3 が R 3— 3であると略記する) 化合物、
(4) R 4が水素、 置換されていてもよいアルキル、 ヒ ドロキシまたは置換され ていてもよいアルコキシである (以下、 R 4が R 4— 1であると略記する) 化合 物、好ましくは水素、 アルキルまたは置換されていてもよいアルコキシである(以 下、 R 4が R 4— 2であると略記する) 化合物、 好ましくは水素である (以下、 R 4が R 4— 3であると略記する) 化合物、
( 5 ) R 5が置換されていてもよいアルキル、 置換されていてもよいアルケニル、 置換されていてもよいァリールまたは置換されていてもよいへテロ環である (以 下、 R 5が R 5 — 1であると略記する) 化合物、 好ましくは置換されていてもよ ぃァリールまたは置換されていてもよいへテロ環である (以下、 尺 5が尺 5ー2 であると略記する)化合物、 さらに好ましくは置換されていてもよいァリール(こ こで置換基はアルキル、 アルコキシまたはアルキレンジォキシ) または置換され ていてもよいへテロ環 (ここで置換基はハロゲン、 アルキル、 アルコキシまたは アルキレンジォキシ) である (以下、 R 5が R 5 — 3であると略記する) 化合物、 さらに好ましくは置換されていてもよいァリール (ここで置換基はアルキル、 ァ ルコキシまたはアルキレンジォキシ) である (以下、 R 5が R 5 — 4であると略 記する) 化合物、 最も好ましくはアルキレンジォキシで置換されていてもよいァ リール (以下、 R 5が R 5 — 5であると略記する) 、
( 6 ) R 6が水素またはアルキルである (以下、 R 6が R 6 — 1であると略記す る) 化合物、 好ましくは水素である (以下、 R 6が R 6 — 2であると略記する) 化合物、
( 7 ) R 7が置換されていてもよいアルキル、 置換されていてもよいアルケニル、 置換されていてもよいアルキニル、 置換されていてもよいシクロアルキル、 置換 されていてもよいアルケニルォキシ、 置換されていてもよいアルキニルォキシ、 置換されていてもよいァリール、 置換されていてもよいァリールォキシ、 置換さ れていてもよいへテロアリール、 置換されていてもよいへテロ環ォキシ、 置換さ れていてもよいァシルォキシ、 置換されていてもよいアルケニルチオまたは置換 されていてもよいアルキニルチオである (以下、 R 7が R 7 — 1であると略記す る) 化合物、
好ましくは R 7が置換されていてもよいアルキル、 アルケニル、 アルキニル、 シ クロアルキル、 アルケニルォキシ、 置換されていてもよいァリール、 置換されて いてもよいァリールォキシまたは置換されていてもよいチェニルである (以下、 R 7が R 7 — 2であると略記する)
さらに好ましくは置換されていてもよいアルキル、 置換されていてもよいァリ一
ルまたは置換されていてもよいァリールォキシである (以下、 R 7が R 7 — 3で あると略記する) 化合物、
さらに好ましくは置換されていてもよいァリ一ル (ここで置換基とはアルキル、 アルコキシ、 カルボキシアルコキシ、 ハロゲン、 アルキレンジォキシ、 アミノま たはアルキルァミノ) または置換されていてもよいァリールォキシ (ここで置換 基とはアルキル、 アルコキシ、 カルボキシアルコキシ、 ハロゲン、 アルキレンジ ォキシ、 ァミノまたはアルキルァミノ) である (以下、 R 7が R 7 — 4であると 略記する) 化合物、
最も好ましくはアルコキシで置換されていてもよいァリールである (以下、 R 7 が R 7 — 5であると略記する) 化合物、
( 8 ) Aが〇である化合物、
( 9 ) 破線が結合を表す化合物、
(10) R 1が R 1 — 1であり、 R 2が R 2 _ 1であり、 R 3が R 3 — 1であり、 R 4が R 4一 1である化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3 — 2であ り、 R 4が R 4— 2である化合物、
さらに好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2 — 3であり、 R 3が R 3 — 3であり、 R 4が R 4— 3である化合物、
(11) R 1が R 1 - 1であり、 R 2が R 2 — 1であり、 R 3が R 3 — 1であり、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5 — 1であり、 R 6が R 6 — 1であり、 R 7が
R 7 — 1であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 1であり、 R 2が R 2 — 1であり、 R 3が R 3 — 1であ り、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5 — 2であり、 R 6が R 6 — 1であり、 R 7が R 7 — 1であり、 Aが〇である化合物、
さらに好ましくは R 1が R 1 — 1であり、 R 2が R 2 — 1であり、 R 3が R 3 — 1であり、 R 4が R 4 _ lであり、 R 5が R 5 — 3であり、 R 6が R 6 — 1であ り、 1 7が尺 7— 1でぁり、 Aが Oである化合物、
(12) R 1が R 1 _ 1であり、 R 2が R 2 — 1であり、 R 3が R 3 - 1であり、
R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5— 1であり、 R 6が R 6— 2であり、 R?が R 7— 1であり、 Aが Oである化合物、
(13) R 1が R 1 _ 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1であり、 R 4が R 4 _ 1であり、 R 5が R 5— 1であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7 — 2であり、 Aが〇である化合物、
好ましくは R 1が R 1— 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1であ り、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5— 1であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが Oである化合物、
(14) R 1が R 1 _ 1であり、 R 2が R 2 — 1であり、 R 3が R 3— 1であり、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5 _ 2であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が
R 7— 1であり、 Aが 0である化合物、
好ましくは R 1が R 1— 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1であ り、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5 _ 3であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 1であり、 Aが〇である化合物、
(15) R 1が R 1 — 1であり、 R 2が R 2 — 1であり、 R 3が R 3一丄であり、 R 4が R4— 1であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1— 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1であ り、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5 _ 3であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが〇である化合物、
好ましくは R 1が R 1— 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— Iであ り、 R 4が R4— 1であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7 _ 3であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1— 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1であ り、 R 4が R 4 - 1であり、 R 5が R 5 — 3であり、 R 6が R 6 — 1であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが〇である化合物、
最も好ましくは R 1が R 1— 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1 であり、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5— 5であり、 R 6が R 6— 1であり、
R 7が R 7— 5であり、 Aが〇である化合物、
(16) R 1が R 1 _ 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1であり、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5— 1であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1であ り、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5— 1であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが Oである化合物、
(17) R 1が R 1 — 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1であり、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3 _ 1であ り、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1であ り、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5— 3であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが〇である化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 1であり、 R 2が R 2— 1であり、 R 3が R 3— 1であ り、 R 4が R 4— 1であり、 R 5が R 5— 3であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが Oである化合物、
(18) R 1が R 1— 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3一 2であり、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 1であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7— 1であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であ り、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7 _ 1であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1— ?であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であ り、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 3であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7— 1であり、 Aが Oである化合物、
(19) R 1が R 1 — 2であり、 R 2が R 2 — 2であり、 R 3が R 3 — 2であり、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5一 iであり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 1であり、 Aが Oである化合物、
(20) R 1が R 1— 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であり、 R 4が R4— 2であり、 R 5が R 5 _ lであり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が
R 7— 2であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1— 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であ り、 R 4が R 4 — 2であり、 R 5が R 5 _ Iであり、 R 6が R 6 — Iであり、 R
7が R 7— 3であり、 Aが Oである化合物、
さらに好ましくは R 1が R 1— 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であり、 R 4が R4— 2であり、 R 5が R 5— 1であり、 R 6が R 6— lであ り、 R 7が R 7— 4であり、 Aが Oである化合物、
(21) R 1が R 1— 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であり、 R 4が R 4一 2であり、 R 5が R 5一 2であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 1であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1— 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であ り、 R4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 3であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 1であり、 Aが Oである化合物、
(22) R 1が R 1— 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であり、 R 4が R 4 _ 2であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6 _ iであり、 R 7が
R 7— 2であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1— 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であ り、 R 4が R 4 — 2であり、 R 5が R 5 — 3であり、 R 6が R 6 — 1であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 2であり、 R 2が R 2 — 2であり、 R 3が R 3 — 2であ り、 R4が R4— 2であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1— 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であ
り、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 3であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが〇である化合物、
(23) R 1が R 1 — 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3 _ 2であり、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 1であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 _ 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であ り、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 1であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが〇である化合物、
さらに好ましくは R 1が R 1 _ 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であり、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 1であり、 R 6が R 6— 2であ り、 R 7が R 7— 4であり、 Aが〇である化合物、
(24) R 1が R 1 — 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3 _ 2であり、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であ り、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが 0である化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であ り、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 3であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが 0である化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 2であり、 R 2が R 2— 2であり、 R 3が R 3— 2であ り、 R 4が R 4— 2であり、 R 5が R 5— 3であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが〇である化合物、
(25) R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であり、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 1であり、 R 6が R 6 — 1であり、 R 7が
R 7— 1であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5 _ 2であり、 R 6が R 6— lであり、 R
7が R 7 — 1であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2 — 3であり、 R 3が R 3 一 3であ り、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5 — 3であり、 R 6が R 6 — 1であり、 R 7が R 7 _ 1であり、 Aが〇である化合物、
(26) R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2 — 3であり、 R 3が R 3 — 3であり、
R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5 — 1であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7 — 1であり、 Aが〇である化合物、
(27) R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2 — 3であり、 R 3が R 3 — 3であり、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5 — 1であり、 R 6が R 6 — 1であり、 R 7が R 7 — 2であり、 Aが〇である化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2 — 3であり、 R 3が R 3 _ 3であ り、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5 — 1であり、 R 6が R 6 一 1であり、 R 7が R 7 — 3であり、 Aが Oである化合物、
さらに好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2 — 3であり、 R 3が R 3 — 3であり、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 1であり、 R 6が R 6— iであ り、 R 7が R 7 — 4であり、 Aが Oである化合物、
(28) R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2 — 3であり、 R 3が R 3 — 3であり、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 2であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7 — 1であり、 Aが〇である化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2 — 3であり、 R 3が R 3 — 3であ り、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5 — 3であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7 — 1であり、 Aが Oである化合物、
(29) R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3 — 3であり、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5 — 2であり、 R 6が R 6 — 1であり、 R 7が R 7 — 2であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2 — 3であり、 R 3が R 3 — 3であ り、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5 — 3であり、 R 6が R 6 — 1であり、 R 7が R 7 — 2であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが〇である化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5— 3であり、 R 6が R 6— 1であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが〇である化合物、
(30) R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であり、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5 _ 1であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが〇である化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 1であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7 _ 3であり、 Aが Oである化合物、
(31) R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であり、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5— 2であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが 0である化合物、
好ましくは R 1が R 1— 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 2であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7 — 3であり、 Aが 0である化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 3であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが◦である化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 3であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 4であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7— 3であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1 — 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ
り、 R 4が R 4— 3であり、 R 5が R 5— 3であり、 R 6が R 6— 2であり、 R 7が R 7 _ 4であり、 Aが Oである化合物、
好ましくは R 1が R 1— 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 4であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7 _ 4であり、 Aが Oである化合物、
(32) R 1が R 1— 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であり、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 _ 2であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが Oであり、 破線が結合を表す化合物、
好ましくは R 1が R 1— 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 2であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7一 3であり、 Aが〇であり、 破線が結合を表す化合物、
好ましくは R 1が R 1— 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R 4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 3であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7— 2であり、 Aが Oであり、 破線が結合を表す化合物、
好ましくは R 1が R 1— 3であり、 R 2が R 2— 3であり、 R 3が R 3— 3であ り、 R4が R 4 — 3であり、 R 5が R 5 — 3であり、 R 6が R 6 — 2であり、 R 7が R 7一 3であり、 Aが Oであり、 破線が結合を表す化合物、
(33) R 1が水素であり、 R 2が置換されていてもよいアルコキシであり、 R 3 および R 4が共に水素であり、 R 5がべンゾ [ 1, 3] ジォキソ一ルー 5—ィル であり、 R 6が水素であり、 R 7が水素、 ハロゲン、 置換されていてもよいアル コキシ、 チェニル、 置換されていてもよいアミノまたは置換されていてもよいァ ルキルチオであり、 Aが 0または Sであり、 破線が結合を表す化合物
もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物。
化合物 ( I ' ' ) において、
( 1 ) A r 1および A r 2がそれぞれ独立して置換ざれていてもよいフエニル、 置換されていてもよいフエニルォキシまたは置換されていてもよいチェニルであ る化合物、
好ましくは A r 1および A r 2がそれぞれ独立して置換されていてもよいアルキ
ル、 置換されていてもよいアルコキシ、 ハロゲン、 アルキレンジォキシ、 置換さ れていてもよいァミノからなる群から選択される 1〜 3個の置換基で置換されて いてもよいフエニル、 フエニルォキシまたはチェニルである化合物、
さらに好ましくは A r 1および A r 2がそれぞれ独立してアルキル、 アルコキシ、 ハロゲン、 アルキレンジォキシ、 置換されていてもよいァミノおよびカルボキシ アルコキシからなる群から選択される 1〜 3個の置換基で置換されていてもよい フエニル、 フエニルォキシまたはチェニルである化合物、
最も好ましくは A r 1がアルキル、 アルコキシおよびアルキレンジォキシからな る群から選択される 1 ~ 3個の置換基で置換されていてもよいフエニルまたはフ ェニルォキシであり、 A r 2がアルキル、 アルコキシおよびアルキレンジォキシ からなる群から選択される 1 ~ 3個の置換基で置換されていてもよいフエニルで ある化合物、
( 2 ) R 1 ' 、 R 2 ' 、 R 3 ' および R 4 ' がそれぞれ独立して水素、 置換され ていてもよいアルキル、 ヒ ドロキシまたは置換されていてもよいアルコキシであ る化合物、
さらに好ましくは R 1 ' 、 R 2 ' 、 R 3 ' および R 4 ' がそれぞれ独立して水素 または置換されていてもよいアルコキシである化合物、
最も好ましくは R 1 ' 、 R 2 ' 、 R 3 ' および R 4 ' がそれぞれ独立して水素ま たはアルコキシである化合物、
( 3 ) 尺 1 ' 、 1 2 ' 、 1¾ 3 ' ぉょび1? 4 ' がそれぞれ独立して水素、 置換され ていてもよいアルキル、 ヒドロキシまたは置換されていてもよいアルコキシであ り、 A r 1および A r 2がそれぞれ独立して置換されていてもよいフエニルまた はフエニルォキシである化合物、
好ましくは R 1 ' 、 R 2 ' 、 R 3 ' および R 4 ' がそれぞれ独立して水素または 置換されていてもよいアルコキシであり、 A r 1および A r 2がそれぞれ独立し てアルキル、 アルキレンジォキシおよびアルコキシからなる群から選択される 1 〜 3個の置換基で置換されていてもよいフエニルまたはフエニルォキシである化 合物、
さらに好ましくは R 1 ' 、 R 3 ' および R 4 ' が水素であり、 : R 2 ' が水素また は置換されていてもよいアルコキシであり、 A r 1および A r 2がそれぞれ独立 してアルキル、 アルキレンジォキシおよびアルコキシからなる群から選択される 1〜 3個の置換基で置換されたフエニルである化合物、
最も好ましくは R 1 ' 、 R 3 ' および R 4 ' が水素であり、 R 2 ' が水素または 置換されていてもよいアルコキシであり、 A r 1がアルキル、 アルキレンジォキ シおよびアルコキシからなる群から選択される 1 ~ 3個の置換基で置換されたフ ェニルまたはフエノキシであり、 A r 2がアルキル、 アルキレンジォキシおよび アルコキシからなる群から選択される 1 ~ 3個の置換基で置換されたフエニルで ある化合物
もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物。
以下に化合物 ( I ) の製造方法を説明する。 同様の方法で化合物 ( 1 ' ) およ び ( I ' ' ) も製造できる。
化合物 ( I ) は、 例えば以下の A、 B、 C , D、 または E法で示される工程で 合成できる化合物 ( I I I ) または ( I V) を鍵中間体として製造することがで きる。
尚、化合物( I I I )における Zと R 8は本発明に係る化合物構築に必要な種々 の条件に応じて、 最適な組み合わせを適宜選択することができる。 以下にその一 部のみが例示されるが、 両者の組み合わせは原則的に任意であり、 当業者であれ ば容易に理解できる通り、 下記に示されない組み合わせも可能である。
(式中、 R 1〜: R 6および Aは前記と同義であり、 R 8はホルミル、 カルボキシ ル、 置換されていてもよいアルコキシカルポニルまたは置換されていてもよいァ リールォキシカルボニルであり、 Zはハロゲン、 ヒドロキシ、 置換されていても よいアルコキシ、 置換されていてもよいアルケニルォキシ、 置換されていてもよ いアルキニルォキシ、 置換されていてもよいアルキルスルホニルォキシまたは置 換されていてもよいァリ ルスルホニルォキシである)
[A法] (I I→V→ I I I ; Z =ハロゲンまたは置換されていてもよいアルコキ シ、 A = 0)
第 1工程は出発物質である化合物 ( I I ) を閉環と同時に R 5を導入し、 クロ マノン (V) とする工程であり、 第 2工程は化合物 (V) に R 8と脱離基 Zをそ れぞれ導入する工程である。
(A法第 1工程) ( I I→V)
本工程は J . O r g. C h e m. , 1 9 7 0, 3 5 (7) , 22 8 6記載の方 法で実施することができる。 化合物 ( I I ) にアルデヒ ド R 5— CH〇 (R 5は 前記と同義) を塩基の存在化で縮合させるとクロマノン (V) を得ることができ る。 塩基として水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 水素化ナトリウムのような 無機塩基または力リゥム t—ブトキシド、 ピペリジンのような有機塩基を用いる ことができる。 溶媒としてメタノール、 tーブ夕ノールなどの低級アルコール、 テトラヒ ドロフラン、 ジォキサンなどのエーテル系溶媒、 水またはそれらの混合 溶媒を用いることができる。
原料化合物 ( I I ) は市販品として入手可能であるか、 または市販品から既知 の方法に従って合成できる。 原料化合物 ( I I ) の具体例を示すと、 オルトヒド ロキシァセトフエノン、 2 ' , 3 ' ージヒドロキシァセトフエノン、 2 ' , 4 ' ージヒドロキシァセトフエノン、 2 ' , 5 ' —ジヒ ドロキシァセトフエノン、 2 ' , 6 ' ージヒドロキシァセトフエノン、 2 ' —ヒドロキシ一 6 ' —プロポキシァセ トフェノン、 5 ' —シクロプロピルメチルー 2 ' —ヒドロキシァセトフエノン、 5 ' 一ベンジルォキシ— 2 ' —ヒドロキシァセトフエノン、 2 ' —ヒ ドロキシー 5 ' 一プロポキシァセトフエノン、 2 ' —ヒドロキシー 4 ' 一プロポキシァセ卜 フエノン、 2 ' —ヒドロキシ一 3 ' —プロポキシァセトフエノン、 2 ' —ヒドロ キシ— 5 ' —イソプロポキシァセトフエノン、 2 ' —ヒドロキシ一 5 ' —ニトロ ァセトフエノン、 2 ' —ヒ ドロキシ一 3 ' —ニトロァセトフエノン、 2 ' —ヒド 口キシ— 5 ' —プロポキシ一 3 ' —プロピルァセトフエノン、 2 ' —ヒドロキシ 一 5 ' —ィソプロピルァセトフエノン等が挙げられる。
(A法第 2工程) (V— I I I )
本工程は一般に V i 1 s m e i e r反応として知られている反応である。 化合 物 (V) に、 N, N' —ジ置換ホルムアミ ド (例えばジメチルホルムアミ ド) と ォキシ塩化リンまたはチォニルクロライ ドなどの塩素化剤と反応させると、 Zが クロルであり R 8がホルミルである中間体 ( I I I ) が得られる。 また塩素化剤 のかわりにォキシ臭化リ ン、 臭化チォニルなどを用いれば Zがブロムであり R 8 がホルミルである化合物 ( I I I ) が得られる。 反応温度は— 3 0 °C〜 1 00 °C で行う。
上記の方法で得られた化合物 ( I I I ) にアルコール類のアルカリ金属塩また はアル力リ土類金属塩を反応させることにより、 Zがアルコキシであり R 8がホ ルミルである化合物 ( I I I ) を得ることができる。 反応はメタノール、 ジメチ ルホルムアミ ド、 テトラヒドロフラン、 1 , 4一ジォキサン等の溶媒中室温〜溶 媒の還流温度で行う。
また R 8がホルミルである化合物 ( I I I ) を酸化することで、 R 8がカルボ キシである化合物 ( I I I ) に変換できる。 酸化は通常のアルデヒド類の酸化反 応の条件に従って行なえばよいが、 最も好ましくは亜塩素酸塩で酸化する方法で ある (Ac t a. C h e m. S c a n d . , 1 9 7 3, 2 7 (3) , 8 8 8— 8 90) 。 酸化剤としては、 亜塩素酸ナトリウムまたは亜塩素酸カリウムなどが挙 げられ、 通常スルファミン酸、 ジメチルスルホキシド、 過酸化水素または 2—メ チル— 2—ブテン等の存在化反応を行なう。 必要に応じてリン酸ニ水素ナトリウ ム等の緩衝剤を加えてもよい。 溶媒としてジクロロメタン、 クロ口ホルム、 ジク ロロェタン、 ジメチルスルホキシド、 アセトン、 ァセトニトリル、 水またはそれ らの混合溶媒を用いることができる。 反応温度は通常 0~40°Cで行う。
R 8がエステル基である化合物 ( I I I ) は、 対応するカルボキシル体 ( I I I ) から誘導できる。 エステル化は当業者であれば説明を要しないが、 例えばジ ァゾメタンを使う方法、 塩酸、 硫酸、 パラトルエンスルホン酸等の酸触媒存在下 アルコール中で還流する方法、 カルボン酸とアルコールをジシクロへキシルカル ポジィミ ド等の脱水剤とジメチルァミノピリジン等の塩基触媒存在下縮合させる 方法、 ジメチルホルムアルデヒド中炭酸カリウム等の塩基存在下、 カルボン酸と
ハロゲン化物を反応させる方法、 または塩化ォキザリルもしくは塩化チォニル等 を用いて、 まず対応する酸塩化物に変換した後、 アルコールと反応させる方法等 が挙げられる。
[B法] ( I I→V I→V I I→ I V→ I I I ; R 8 =力ルポキシ、 置換されて いてもよいアルコキシカルボニルまたは置換されていてもよいァリールォキシ力 ルポニル、 A = 0)
第 1工程は一般に V i 1 s m e i e r反応と呼ばれる方法であり、 出発物質で ある化合物 ( I I ) を閉環すると同時にホルミル化し、 化合物 (V I ) とするェ 程である。 第 2工程は化合物 (V I ) のホルミルを酸化する工程である。 第 3ェ 程は化合物 (V I I ) の 2位に置換基 R 5を導入し、 化合物 ( I V) とする工程 である。 第 4工程は化合物 ( I V) のカルボニルを適当な脱離基 Zに変換するェ 程である。
(B法第 1工程) ( I I→V I )
本工程は、 T e t r a h e d r o n, 1 9 74, 30, 3 5 5 3— 3 5 6 1に 記載の方法に従って実施できる。 即ち化合物 ( I I ) と、 N, N ' ージ置換ホル ムアミ ド (例えばジメチルホルムアミ ド) をォキシ塩化リンまたは塩化チォニル などの存在下数時間〜数十時間、好ましくは 3〜 24時間反応させると化合物(V I ) が得られる。 原料化合物 ( I I ) は公知物または公知物から常法により合成 できるものである。 原料化合物 ( I I ) の具体例を示すと、 オルトヒドロキシァ セトフエノン、 2、 , 3 * —ジヒドロキシァセトフエノン、 2 ' , 4 ' 一ジヒド ロキシァセトフエノン、 2 ' , 5 ' ージヒドロキシァセトフエノン、 2 ' , 6 ' ージヒドロキシァセトフエノン、 2 ' —ヒドロキシ一 6 ' —プロポキシァセトフ ェノン、 5 ' —シクロプロピルメチル一 2, 一ヒドロキシァセトフエノン、 5 ' 一べンジルォキシ一 2 ' —ヒ ドロキシァセ卜フエノン、 2 ' —ヒドロキシー 5 ' —プロポキシァセトフエノン、 2 ' —ヒドロキシ一 4 ' —プロポキシァセトフエ ノン、 2 ' —ヒドロキシ一 3 ' —プロポキシァセトフエノン、 2 ' —ヒドロキシ 一 5 ' —イソプロポキシァセトフエノン、 2 ' —ヒ ドロキシ— 5 ' —二トロアセ トフエノン、 2 ' —ヒドロキシ一 3 ' —二トロアセトフエノン、 2 ' —ヒドロキ
シ一 5 ' —プロポキシ一 3 ' —プロピルァセトフエノン、 2, 一ヒ ドロキシー 5 ' 一イソプロピルァセトフエノン等が挙げられる。
(B法第 2工程) (V I→V I I )
本工程は、 アルデヒド (V I ) をカルボキシル体 (V I I ) (ただし R 6は水 素である) に酸化した後、 対応するエステル体 (V I I ) (ただし R 6は置換さ れていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいァリールである) に変換す る工程である。 酸化反応は通常のアルデヒド類の酸化反応の条件に従って行えば よいが、 特に四塩化炭素中、 N—プロモコハク酸イミ ドとともに光照射する方法 (S y n t h. C ommu n. , 1 980, 1 0, 8 89 - 8 90 ) 、 または塩 素捕捉剤の存在下、 亜塩素酸塩で酸化する方法 (Ac t a. C h em. S c a n d . , 1 9 7 3, 2 7 (3) , 8 88 - 890 ) が好ましい。 亜塩素酸塩酸化で は亜塩素酸ナトリウムまたは亜塩素酸カリウムなどが、 スルファミン酸、 ジメチ ルスルホキシド、 過酸化水素または 2—メチル— 2—ブテン等の塩素捕捉剤と共 に用いられる。 必要に応じてリン酸ニ水素ナトリゥムなどの緩衝剤を加えてもよ レ 溶媒としてジクロロメタン、 クロ口ホルム、 ジクロロエタン、 ジメチルスル ホキシド、 アセトン、 ァセトニトリル、 水またはそれらの混合溶媒を用いること ができる。 反応温度は通常 0〜40 °Cで行う。 エステル化は前記 A法第 2工程記 載の方法で行なうことができる。
(B法第 3工程) (V I I - I V)
本工程はエステル体 (V I I ) の 2位に置換基 R 5を導入する工程であり、 具 体的には O r g. R e a c t i o n, 1 9 7 2, 1 9, 1記載の方法に従って実 施される。 まず常法によりグリニァ試薬 R 5MgX (R 5は前記と同義であり、 Xはハロゲンを表す) を調製する。 次いで、 R 5MgXをヨウ化銅等の銅触媒存 在下、 化合物 (V I I ) に 1, 4—付加させると ( I V) を得ることができる。 溶媒としてはテトラヒドロフランまたはエーテルが使われ、 好ましくはテトラヒ ドロフランである。 銅触媒としてヨウ化銅 ( I ) 、 シアン化銅 ( I ) 、 臭化銅 ( I ) 一硫化ジメチル錯体等を用いることができる。 反応温度は通常室温〜溶媒の還流 温度で行う。 化合物 ( I V) は、 クロマノン環の 3位エステル基と 4位カルボ二
ル基によるケトーエノール互変異性化により通常ケトーエノール互変異性体混合 物となり、 その結果さらに 2位一 3位間の立体異性体を与える場合もある。 ここ では便宜上可能な構造式の一つのみを示す。 これら異性体は単離精製することな く混合物のまま以下の B法第 4工程に用いるか、 または下記 a、 b、 cまたは d 法により化合物 ( I ) に変換するための中間体として用いることができる。
(B法第 4工程) ( I V→ I I I )
本工程は、 化合物 ( I V) の 4位に脱離基 Zを導入する工程である。 Zは好ま しくはハロゲン、 置換されていてもよいアルコキシまたは置換されていてもよい アルキルスルホニルォキシであり、 特に好ましくはクロル、 メ トキシ、 パ一フル ォロアルキルスルホニルォキシ [好ましくはトリフルォロメ夕ンスルホニルォキ シ (以下トリフレー卜と略す) 〗 である。
化合物 ( I V) (ただし R 6は置換されていてもよいアルキルまたは置換され ていてもよいァリールである) とスルホ二ル化剤を反応させると、 Zがアルキル スルホニルォキシまたはァリ一ルスルホニルォキシであり、 R 8が置換されてい てもよいアルコキシカルボニルまたは置換されていてもよいァリールォキシカル ボニルである化合物 ( I I I ) を合成することができる。
例えば Zがメタンスルホニルォキシ (以下メシレートと略す) 、 パラ トルエン スルホニルォキシ (以下トシレートと略す) 、 トリフレートまたはパーフルォロ ブタンスルホニルォキシである化合物 ( I I I ) は、 ジクロロメタン、 ジメチル ホルムアミ ド、 テトラヒ ドロフラン等の溶媒中、 ピリジン、 トリェチルァミン、 ェチルジイソプロピルアミン等の三級塩基存在下、 化合物 ( I V) と、 目的化合 物に対応する塩化スルホニル化合物またはスルホン酸無水物を反応させることで 合成することができる。 反応温度は通常 0 °c〜室温で行う。
Zがトリフレートである化合物 ( I I I ) は、 ジメチルホルムアミ ド、 テトラ ヒドロフラン等の溶媒中、 水素化ナトリウム、 リチウムジイソプロピルアミ ド、 またはリチウムへキサメチルジシラザン等の塩基存在下、 化合物 ( I V) と 2— [N, N ' —ビストリフルォロメタンスルホニルァミノ] ピリジンまたは N, N ' 一ビス (トリフルォロメタンスルホニル) ァニリ ン等を反応させることにより製
5 造することもできる。 反応温度は通常一 7 8 °C〜室温で行う。
一方、 Zがハロゲンであり R 8が置換されていてもよいアルコキシカルボニル または置換されていてもよいァリールォキシカルボニルである化合物 ( I I I ) は、 化合物 ( I V) をトリフエニルホスフィ ン存在下テトラハロゲン化メタンと 反応させることにより製造することができる。 例えば四塩化炭素と反応させると
Zがクロルであり、 R 8が置換されていてもよいアルコキシカルボニルまたは置 換されていてもよいァリールォキシカルボニルである化合物 ( I I I ) を合成で きる。 溶媒としてはクロ口ホルム、 四塩化炭素、 エーテル等を用いることができ る。 反応温度は通常室温〜反応溶媒の還流温度で行う。
Zが置換されていてもよいアルコキシ、 置換されていてもよいアルケニルォキ シまたは置換されていてもよいアルキニルォキシであり、 R 8が置換されていて もよいアルコキシカルポニルまたは置換されていてもよいァリールォキシカルボ ニルである化合物 ( I I I ) は、 化合物 ( I V) とジァゾ化剤 (例えばジァゾメ タン) を反応させるか、 または化合物 ( I V) をトリフエニルホスフィ ンまたは トリブチルホスフィンと、 ジアルキルァゾジカルボキシレート (例えばジェチル ァゾジカルボキシレート) またはテトラアルキルァゾジカルボキサミ ド (例えば 1, 1 ' 一 (ァゾジカルポニル) ジピペリジン、 N, N, N ' , N ' ーテトラメ チルァゾジカルポキサミ ド) 存在下、 対応するアルコールと反応させること (ミ ッノブ反応) により製造することができる。 ジァゾ化剤との反応では、 反応溶媒 としてエタノール等の低級アルコール、 アセトン、 エーテルもしくはテトラヒド 口フランまたはそれらの混合溶媒を用いることができる。 反応温度は通常 0で〜 室温で行う。 ミツノブ反応は、 S y n t h e s i s , 1 98 1, 1 , 1記載の方 法に従い行なう。 反応溶媒はテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、 ベンゼン またはトルエン等を用いる。 反応温度は通常一 1 5°C〜室温で行なう。
上記で得た R 8が置換されていてもよいアルコキシカルボニルまたは置換され ていてもよいァリールォキシカルボニルである化合物 ( I I I ) は、 必要に応じ て加水分解し、 R 8がカルボキシである化合物 ( I I I ) に変換することができ る。
[C法] ( I I→V I I I→ I X→ I V→ I I Iまたは I I— V I I I→ I v-→
I I I ; R 8 =カルボキシ、 置換されていてもよいアルコキシカルボニル、 置換 されていてもよいァリールォキカルボニル、 A = 0)
第 1工程は出発物質である化合物 ( I I ) をケトエステル体 (V I I I ) に変 換する工程である。 第 2工程は化合物 (V I I I ) をカルボン酸ハロゲン化物 R
5 C OX (式中 R 5および Xは前記と同義である) またはアルデヒ ド R 5 C HO と縮合する工程である。 第 3工程は化合物 ( I X) の環内二重結合を還元し、 化 合物 ( I V) に導く工程である。 第 4工程は B法第 4工程と同様である。
(C法第 1工程) ( I I—V I I I )
化合物 ( I I ) を塩基存在下、 ジアルキルカーボネートまたはジァリールカー ボネート (R 6〇) 2 C O (ただし R 6は置換されていてもよいアルキルまたは 置換されていてもよいァリールである) と反応させ、 ケトエステル体 (V I I I ) を得る。 化合物 ( I I ) は A法または B法記載のものと同じものを使用すればよ い。 ジアルキルカーボネートとしてはジメチルカーボネート、 ジェチルカーポネ —ト、 ジプロピルカーボネート等が、 ジァリールカーボネートとしてはジフエ二 ルカーポネート等が挙げられる。 塩基としては水素化ナトリウム、 水素化力リウ ム、 リチウムへキサメチルジシラザン等が挙げられる。 溶媒としては通常、 テト ラヒドロフラン等を用いるが、 低沸点ジアルキルカーボネートを反応に用いる場 合には溶媒として使用してもよレ 反応は通常氷冷下〜溶媒の還流温度で行なう。 (C法第 2工程) (V I I I→ I Xまたは V I I I— I V)
本工程は J . O r g. C h em. , 1 9 84, 4 9 (7) , 1 2 8 0— 1 2 8 2の方法に従って実施できる。
まず、 化合物 (V I I I ) をエタノール存在下、 金属マグネシウムと処理して マグネシウム塩とし、 次いでカルボン酸ハロゲン化物 R 5 COXと反応させると 化合物 ( I X) が得られる。 溶媒はベンゼン、 トルエン等を用いることができる。 反応温度は通常室温〜反応溶媒の還流温度で行う。
一方、 化合物 (V I I I ) とアルデヒ ド R 5 CHO (式中 R 5は前記と同義で ある) を触媒量の酢酸と有機塩基、 特に好ましくはピペリジンと共に、 有機溶媒、
特に好ましくはトルエン中で脱水しながら環流することで化合物 ( I V) を直接 得ることができる。 この場合には以下の第 3行程は省略される。 アルデヒ ドとし てはピぺロナール、 4—メ トキシベンズアルデヒド、 4一イソプロピルべンズァ ルデヒド等を用いることができる。
(C法第 3工程) ( I X→ I V)
本工程の還元反応は接触還元、 ハイ ドライ ド還元等を用いればよい。 接触還元 法の触媒として酸化白金、 炭素などの担体に保持させたパラジウムなどの貴金属 触媒を用いることができる。 溶媒としては通常接触還元に用いられる溶媒であれ ば特に制限はないが、 好ましくは低級アルコール、 酢酸、 酢酸エステルもしくは テトラヒドロフランまたはそれらの混合溶媒である。 反応は大気圧下〜加圧下で 行い、 反応温度は通常室温〜 5 0 °Cで行う。 ハイ ドライ ド還元では酸性条件下、 低級アルコール、 テトラヒ ドロフラン等の溶媒中、 水素化ホウ素ナトリウム、 ト リエチルシラン、好ましくは水素化シァノホウ素ナトリゥム等の還元剤を用いて、 0°C〜室温下、 3 0分〜 2 4時間で反応を行えばよい。
得られた化合物 ( I V) は B法第 4工程記載の方法により化合物 ( I I I ) に 変換することができる。
[D法] ( I I—V I I I→V I I→ I V→ I I I ; R 8 =力ルポキシ、 置換さ れていてもよいアルコキシカルボニルまたは置換されていてもよいァリ一ルォキ シカルボニル、 A = 0)
第 1工程は C法第 1工程と同様であり、 第 2工程は化合物 (V I I I ) を閉環 し (V I I ) に導く工程である。 第 3工程、 第 4工程は B法の第 3工程、 第 4ェ 程と同様である。
(D法第 2工程)
化合物 (V I I I ) をホルムアルデヒド等価体、 例えばジメチルホルムアミ ド ジアルキルァセタールまたはオルトぎ酸エステルと縮合し、 化合物 (V I I ) (た だし R 6は置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいァリ一 ル) を合成する。 反応はベンゼン、 トルエン、 無水酢酸等の溶媒中または無溶媒 で行うことができる。 反応温度は通常 0 °C〜反応溶媒の還流温度で行う。
得られた化合物 (V I I ) は上記 B法第 3工程、 B法第 4工程記載の方法によ り化合物 ( I I I ) に変換することができる。
[E法] (X→X I— V I I→ I V→ I I I ; R 8 =カルボキシ、 置換されてい てもよいアルコキシカルポニルまたは置換されていてもよいァリールォキシカル ポニル、 A= S )
化合物 (V I I ) (ただし A=Sである) は公知の方法で得られる化合物 (X) を出発原料として、 W〇 9 1 / 1 1 443記載の方法により合成することができ る。 さらに (V I I ) を B法第 3工程、 B法第 4工程と全く同様の反応に付すこ とにより、 化合物 ( I I I ) (ただし A=Sである) を得ることができる。
このようにして得た中間体 ( I I I ) または ( I V) は、 さらに以下の a、 b、 cまたは d法により、 化合物 ( I ) に変換する。
(式中、 !? 1〜!^ 7、 A、 Zおよび破線は前記と同義である)
[ a法] ( I I I— a→ I )
(a— 1法)
化合物 ( I ) (ただし R 7は置換されていてもよいアルキル、 置換されていて もよぃァルケニル、 置換されていてもよいアルキニル、 置換されてもよいシクロ アルキル、 置換されていてもよいァリールまたは置換されていてもよいへテロア リールである) は、 ( I I I 一 a) (ただし Zはハロゲンまたは置換されていて もよいアルコキシである) と、 グリニア試薬 R 7— MgX (式中、 R 7は、 置換
されていてもよいアルキル、 置換されていてもよいアルケニル、 置換されていて もよいアルキニル、 置換されてもよいシクロアルキル、 置換されていてもよいァ リールまたは置換されていてもよいへテロアリールであり、Xはハロゲンである) を反応させることで得られる。 グリニア試薬は常法によって調製することができ る。 触媒として、 塩化第 2鉄、 トリス (ジベンゾィルメタナート) 鉄( I I I )ま たは鉄(I I I )ァセチルァセトナー卜等を必要に応じて加えてもよい。 反応溶媒 としては通常無水エーテル系溶媒 (例えばテトラヒ ドロフラン、 エーテル) 等が 使われる。 反応温度は通常 0 °c〜反応溶媒の還流温度で行う。
( a - 2法)
R 7が置換されていてもよいァリ一ルまたは置換されていてもよいへテロァリ ールであり、 R 6が置換されてもよいアルキルまたは置換されてもよいァリール である化合物 ( I ) は、 ( I I I — a) (ただし R 6は置換されてもよいアルキ ルまたは置換されてもよいァリールであり、 Zはハロゲンまたは—〇 S O 2 (C n F 2 q + J ) ; q = 0〜4で示されるパーフルォ口アルキルスルホニルォキシ である) をパラジウム触媒存在下、 R 7—M (式中 R 7は置換されていてもよい ァリ一ルまたは置換されていてもよいへテロァリールであり、Mは金属基を表す) と反応させても合成できる。 R 7 — Mとしては、 例えば有機ホウ素化合物 (鈴木 反応、 C h em. R e v . 1 9 9 5 , 9 5, 2 4 5 7 ) 、 有機錫化合物 (スティ ル反応、 C h e m. I n t . E d. 1 9 8 6, 2 5, 5 0 8 ) または Z n X (式 中 Xは前記と同義である) で表される有機ハロゲン化亜鉛化合物を用いることが でき、 特に好ましくは有機ホウ素化合物を使う鈴木反応である。 パラジウム触媒 としては通常 ( I I I 一 a) に対して 0. 0 1 ~ 0. 1等量のテトラキス トリフ ェニルフォスフィ ンパラジウム ( 0 ) 、 ビス (トリフエニルフォスフィ ン) パラ ジゥム ( I I ) クロリ ドまたはパラジウム ( I I ) ァセテ一トー トリフエニルフ ォスフィ ン錯体等が用いられる。 鈴木反応では通常 1. 5〜 2等量の炭酸ナトリ ゥム、 炭酸カリウム、 炭酸タリウム、 水酸化バリウムまたは水酸化タリウム等の 無機塩基、 および銅塩または塩化リチウム等の無機塩を付加する。 溶媒としては ジォキサン、 1 , 2—ジメ トキシェタン、 テトラヒ ドロフラン、 トルエン、 ベン
P99/ 0651 ゼン、 ァセトニトリル、 D M Fまたは水等が単独もしくは混合して用いられる。 反応は通常室温〜反応溶媒の還流温度で行う。
( a - 3法)
R 7が置換されていてもよいアルキルアミノであり、 R 6が置換されてもよい アルキルまたは置換されてもよいァリールである化合物 ( I ) は、 化合物 ( I I I一 a ) (ただし Zはハロゲン、 置換されていてもよいアルキルスルホ二ルォキ シまたは置換されていてもよいァリールスルホニルォキシであり、 R 6は置換さ れてもよいアルキルまたは置換されてもよいァリールである) を一または二置換 ァミンと反応させることで製造することができる。 溶媒はテトラヒ ドロフラン、 ジメチルホルムアミ ド等を用い、 反応温度は通常 0 ° (:〜 6 0 °Cで行う。
R 6が置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいァリールで ある化合物 ( I ) を加水分解すれば R 6が水素である化合物 ( I ) に変換するこ とができる。
( a - 4法)
R 6が水素、 置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいァリ ール、 特に好ましくは水素であり、 R 7が置換されていてもよいアルコキシ、 置 換されていてもよいァリールォキシ、 置換されていてもよいアルケニルォキシ、 置換されていてもよいアルキニルォキシ、 置換されていてもよいアルキルチオ、 置換されていてもよいアルケニルチオまたは置換されていてもよいアルキニルチ ォである化合物 ( I ) は、 化合物 ( I I I一 a ) (ただし R 6は水素であり、 Z はハロゲン、 置換されていてもよアルキルスルホニルォキシまたは置換されてい てもよぃァリールスルホニルォキシである) と、 対応するアルコールまたはチォ アルコールのアルカリ金属塩またはアル力リ土類金属塩を反応させることで製造 することができる。 反応溶媒としてはテトラヒドロフランまたはジメチルホルム アミ ド等を用いる。 反応温度は通常室温〜 5 0でで行う。
化合物 ( I I I一 a ) は適当な反応により他の化合物 ( I I I一 a ) に変換す ることができる。 例えば、 エステル体 ( I I I — a ) は常法に従って酸またはァ ルカリ加水分解しカルボン酸 ( I I I — a ) に導く ことができる。 逆にカルボン
酸 ( I I I — a ) は前記 A法第 2工程と同様の方法でエステル化し、 エステル体
( I I I 一 a) とすることができる。
[ b法] ( I I I— b— X I I→ I )
(b法第 1工程) ( I I I 一 b— X I I )
R 7が置換されていてもよいアルキル、 置換されてもよいアルケニル、 置換さ れてもよいアルキニル、 置換されていてもよいシクロアルキル、 置換されてもよ ぃァリールまたは置換されてもよいへテロアリールであるアルデヒ ド (X I I ) は、 ( I I I — b ) (ただし Zはハロゲンまたは—〇 S 02 ( C q F 2 q + 1 ) ; q = 0〜 4で示されるパーフルォロアルキルスルホニルォキシである) をパラジ ゥム触媒存在下、 上記 a— 2法と全く同様に R 7— M (式中、 R 7は置換されて いてもよいアルキル、 置換されてもよいアルケニル、 置換されてもよいアルキニ ル、 置換されていてもよいシクロアルキル、 置換されてもよいァリールまたは置 換されてもよいへテロアリールであり、 Mは前記と同義である) で表される化合 物と反応させて製造することができる。
また R 7が置換されていてもよいアルコキシ、 置換されていてもよいアルケニ ルォキシ、 置換されていてもよいアルキニルォキシ、 置換されていてもよいァリ ールォキシ、 置換されていてもよいアルキルチオ、 置換されていてもよいアルケ 二ルチオまたは置換されていてもよいアルキニルチオである化合物 (X I I )は、 上記 a— 4法と全く同様、 化合物 ( I I I 一 b) (ただし Zはハロゲンである) と対応するアルコールまたはチォアルコールのアル力リ金属塩またはアル力リ土 類金属塩を反応させても得られる。 反応溶媒としてはテトラヒ ドロフラン、 ジメ チルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシドまたは対応するアルコール (例えばメ 夕ノール) 等を用いる。 反応温度は通常室温〜溶媒の還流温度で行う。
(b法第 2工程) (X I I→ I )
化合物 ( I ) (ただし R 6は水素である) は、 対応するホルミル体 (X I I ) を酸化することで製造することができる。 ホルミル体からカルボキシ体への酸化 は B法第 2工程に記載の反応と全く同様である。
[c法] ( I I I一 b— I I I — a— I )
化合物 ( I I I _ b) (ただし zはハロゲンまたは置換されていてもよいアル コキシである) のホルミル基を酸化することで化合物 ( I I I — a) (ただし Z はハロゲンまたは置換されていてもよいアルコキシであり、 R 6は水素である) を合成できる。 ホルミル基からカルボキシ基への酸化は B法第 2工程に記載の方 法と全く同様である。
その後上記記載の a法により目的化合物 ( I ) を製造することができる。
[d法] ( I V→ I )
R 7が置換されてもよいアルコキシ、 置換されていてもよいアルケニルォキシ または置換されていてもよいアルキニルォキシであり、 R 6が置換されていても よいアルキルまたは置換されていてもよいァリールである化合物 ( I ) は、 化合 物 ( I V) (ただし R 6は置換されていてもよいアルキルまたは置換されていて もよぃァリールである) をトリフエニルホスフィ ンまたはトリブチルホスフィ ン とジアルキルァゾジカルボキシレート(例えばジェチルァゾジカルボキシレ一ト) またはテトラアルキルァゾジカルボキサミ ド (例えば 1, 1 ' 一 (ァゾジカルポ ニル) ジピペリジン、 N, N, Ν' , N ' ーテトラメチルァゾジカルポキサミ ド) の存在下、 対応するアルコールと反応させることにより合成することができる。 本反応は S y n t h e s i s 1 9 8 1 , 1 , 1記載の方法 (ミツノブ反応) に 従い行う。 溶媒はテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、 ベンゼンまたはト ルェン等が好ましい。 反応温度は通常一 1 5 °C〜室温で行う。
さらに所望により、 得られた化合物 ( I ) の 3位、 4位間の二重結合の還元反 応を行えば、 クロメン環の 3位、 4位間の二重結合が還元されたクロマン誘導体 ( I ) が得られる。
C 3— C 4位二重結合の還元は接触還元により行われる。 触媒としては酸化白 金等の白金触媒、 パラジウム炭素、 酸化パラジウム、 塩化パラジウム、 パラジゥ ム—炭酸カルシウム、 パラジウム—硫酸バリウム等の担体上に保持させたパラジ ゥム触媒を使うことができる。 溶媒として低級アルコール、 酢酸エステル、 酢酸、 酸性低級アルコール等が使用される。 反応は常圧で行うのが好ましいが、 反応が 遅い場合は中圧接触還元が好ましい。 反応温度は通常室温〜 5 0 で行う。 二重
結合の還元に際して、 反応条件によって立体異性体を生成する場合があるが、 ク ロマン誘導体は立体異性体の混合物であっても、 単一物であってもよく、 またそ れらはラセミ体でも光学活性体であってもよい。
尚、 ある種の化合物 ( I ) は当業者であれば容易に行うことができる工程を経 由して他の化合物 ( I ) に変換することが可能である。 例えば、 エステル体 ( I ) (ただし R 6は置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいァリ ールである) は加水分解により遊離のカルボン酸 ( I ) (ただし R 6は水素であ る) に導くことができる。 加水分解の方法は当業者なら説明を要しないが、 水一 低級ァルコ一ルまたは水-ジメチルスルホキシド中、無機塩基で行う方法が好まし レ 無機塩基としては、 例えば、 水酸化ナトリウム、 水酸化リチウム、 水酸化力 リゥム等が用いられる。 反応温度は通常氷冷下〜溶媒の還流温度で行う。
また、 遊離のカルボン酸 ( I ) (ただし R 6は水素である) は前記 A法第 2ェ 程記載の方法に従ってエステル化し、 エステル化合物 ( I ) (ただし R 6は置換 されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいァリールである) に変換 することができる。
遊離のカルボン酸 ( I ) は種々の有機、 無機塩基と処理することで対応する塩 に変換することができる。塩の製造法は当業者であれば改めて説明を要しないが、 例えば ( I ) (ただし R 6は水素である) と等量の水酸化ナトリウムを水または 水—低級アルコール混合溶媒中で反応させるとナトリゥム塩が生成する。 塩は再 結晶または凍結乾燥等の手段により精製することができる。
R l 、 R 2 、 R 3および R 4がそれぞれ独立して、 ニトロである場合、 接触還 元により、 ァミノに誘導することができる。 ニトロの還元は、 炭素等の担体上に 保持させたパラジウム等の貴金属触媒が使用され、 通常低級アルコール、 酢酸ェ ステル等の溶媒中、 常圧室温下で行われる。
R 1 R 2 、 R 3および R 4がそれぞれ独立してヒドロキシである場合、 ァセ トン、 ァセトニトリル、 ジメチルホルムアミ ド等の溶媒中、 炭酸カリウム、 炭酸 セシウム、 水素化ナトリウム等の塩基存在下、 ハロゲン化アルキル、 ハロゲン化 アルケニルまたはハロゲン化アルキニルと反応させることにより、 それぞれアル
コキシ、 アルケニルォキシまたはアルキニルォキシに変換することができる。 ま た、 R 1 , R 2、 R 3および R 4がそれぞれ独立してヒ ドロキシである場合、 ト リフエニルホスフィ ンまたは卜リブチルホスフィ ンとジアルキルァゾジカルボキ シレート (例えばジェチルァゾジカルボキシレート) またはテトラアルキルァゾ ジカルボキサミ ド (例えば 1 , 1 ' 一 (ァゾジカルボニル) ジピペリジン、 N, N, N ' , N ' ーテトラメチルァゾジカルボキサミ ド) 存在下、 アルコールを反 応させること (ミツノブ反応) により、 それぞれ置換されていてもよいアルキル ォキシ、 置換されていてもよいアルケニルォキシまたは置換されていてもよいァ ルキニルォキシに変換することができる。
R 1 , R 2、 R 3および R 4がそれぞれ独立してヒドロキシまたはァミノであ る場合、 当業者であれば説明は要しないが、 ピリジン等の塩基存在下酸塩化物ま たは酸無水物等と反応させることにより、 ァシルォキシまたはァシルアミノに変 換することができる。
前記で説明したいずれかの製造工程において支障となる置換基が分子のどこか に存在する場合には、 P r o t e c t i v e G r o u p s i n O r g a n i c S y n t h e s i s ; J o h n W i l e y&S o n s : N ew Y o r k , 1 9 9 1等に記載の方法で予めその基を保護し、 その工程を通過したのち、 適当な段階でその保護基を除去すればよい。
例えば、 ヒドロキシまたはアミノが存在する場合、保護基として好ましいのは、 ベンジル、 ァセチル、 ベンゾィル等である。 保護基がベンジルである場合、 接触 還元によって脱保護することができる。 保護基がァセチル、 ベンゾィル等のァシ ルである場合、 低級アルコール一水混合溶媒またはこれにテトラヒドロフラン、 ジォキサン等を加えた溶媒中、 炭酸ナトリウム、 炭酸カリウム、 水酸化ナトリウ ム、水酸化力リゥムまたは水酸化リチウム等で加水分解し除去することができる。 アルデヒ ドなどのカルボニルは適当なァセ夕一ルまたはケタール体として導入 後、 然るべき段階で酸加水分解により脱保護する。 二重結合を持つ化合物をハイ ドロキシレ一シヨン、 ハイ ドロボ一レ一シヨ ン、 またはエポキシ化などで酸化し てカルボニルに誘導することも可能である。
不斉炭素原子を有する化合物 ( I ) は、 ラセミ体および光学活性体 ( (+ ) — 体、 (一) 一体) が存在するがそのいずれをも包含する。
化合物( I ) の光学活性体はラセミ体を光学分割することで得ることができる。 または適当な合成中間体を光学分割し、 その後ラセミ体の場合と同様な工程を経 て、 光学活性な化合物 ( I ) に変換してもよい。 光学分割の方法としては、 酵素 を用いる方法、 ジァステレオマー塩またはジァステレオマ一誘導体に変換した後 分別再結晶やクロマトグラフィ一で分割する方法、 不斉合成によって合成する方 法等が挙げられる。
本発明に係る化合物は糖尿病合併症の予防およびノまたは治療作用を有するた め、 糖尿病の治療剤およびノまたは改善剤、 糖尿病合併症の予防剤およびノまた は治療剤として用いることが可能である。
ここで糖尿病合併症とは糖尿病の代謝異常、 特に持続的な高血糖を一次的な原 因として生じる、 様々な代謝異常によって起こる病態を意味し、 急性合併症およ び慢性合併症を包含する。 本願発明の糖尿病合併症の予防剤および または治療 剤は、 特に慢性合併症 (細小血管症および大血管障害等) に有効である。
急性合併症としては例えば糖尿病性ケトアシドーシス、 非ケトン性高浸透圧性 昏睡、 乳酸アシドーシス、 アルコール性アシドーシス、 低血糖昏睡が挙げられる。 慢性合併症としては例えば、 糖尿病性腎症、 尿路感染、 膀胱弛緩、 腎盂腎炎、 腎 線維症、 腎不全、 糖尿病性網膜症、 糖尿病性白内障、 血管新生緑内障、 眼筋麻痺、 旧後神経炎、 糖尿病性神経障害 (感覚神経障害、 運動神経障害および自律神経障 害等) 、 糖尿病性末梢循環不全、 糖尿病性脳血管障害 (脳動脈硬化、 脳梗塞、 脳 出血等) 、 聴神経障害、 虚血性心疾患 (心筋梗塞、 心不全、 狭心症、 無症候性心 筋虚血等) 、 糖尿病性心筋症、 糖尿病性創傷治癒不良、 末梢動脈硬化症、 高脂血 症、 高血圧、 糖尿病性足病変 (足壊疽、 下肢潰瘍、 下肢末梢血管障害、 動脈硬化 性下肢閉塞症、 神経障害、 敗血症および足の変形等) 、 慢性感染症、 皮膚疾患 (リ ボイ ド類壊死症、 前脛骨部色素斑、 糖尿病性水疱、 糖尿病性浮腫性硬化症等) 、 肝機能障害、 脂肪肝、 肝炎、 肝硬変、 胆石症、 塍炎、 糖尿病性胃症 (胃分泌障害、 胃粘膜血流障害等) および糖尿病性骨減少症等である。
本発明に係る化合物を糖尿病合併症予防剤および zまたは治療剤として投与す る場合、 経口的、 非経口的のいずれの方法でも投与することができる。 経口投与 は常法に従って錠剤、 顆粒剤、 散剤、 カプセル剤、 丸剤、 液剤、 シロップ剤、 バ ッカル剤または舌下剤等の通常用いられる剤型に調製して投与すればよい。 非経 口投与は、 例えば筋肉内投与、 静脈内投与等の注射剤、 坐剤、 経皮吸収剤、 吸入 剤等、 通常用いられるいずれの剤型でも好適に投与することができる。 特に経口 投与が好ましい。
本発明に係る化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、 結合剤、 湿潤剤、 崩 壊剤、 滑沢剤、 希釈剤等の各種医薬用添加剤とを必要に応じて混合し医薬製剤と することができる。 注射剤の場合には適当な担体と共に滅菌処理を行なって製剤 とすればよい。
具体的には、 賦形剤としては乳糖、 白糖、 ブドウ糖、 デンプン、 炭酸カルシゥ ムもしくは結晶セルロース等、 結合剤としてはメチルセルロース、 カルボキシメ チルセルロース、 ヒドロキシプロピルセルロース、 ゼラチンもしくはポリ ピニル ピロリ ドン等、 崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロース、 カルボキシメチル セルロースナトリウム、 デンプン、 アルギン酸ナトリウム、 カンテン末もしくは ラウリル硫酸ナトリウム等、 滑沢剤としてはタルク、 ステアリン酸マグネシウム もしくはマクロゴール等が挙げられる。 坐剤の基剤としてはカカオ脂、 マクロゴ ールもしくはメチルセルロース等を用いることができる。 また、 液剤もしくは乳 濁性、 懸濁性の注射剤として調製する場合には通常使用されている溶解補助剤、 懸濁化剤、 乳化剤、 安定化剤、 保存剤、 等張剤等を適宜添加しても良く、 経口投 与の場合には嬌味剤、 芳香剤等を加えても良い。
本発明に係る化合物の糖尿病合併症予防剤および/または治療剤としての投与 量は、 患者の年齢、 体重、 疾病の種類や程度、 投与経路等を考慮した上で設定す ることが望ましいが、 成人に経口投与する場合、 通常 0. O S l O OmgZk gZ日であり、 好ましくは 0. 1〜 1 OmgZk g/日の範囲内である。 非経口 投与の場合には投与経路により大きく異なるが、 通常 0. 00 5〜 1 0mg/k g 日であり、 好ましくは 0. 0 1〜 l mgZk gZ日の範囲内である。 これを
1日 1回〜数回に分けて投与すれば良い。
以下に実施例を示し、 本発明をさらに詳しく説明するが、 これらは本発明を限 定するものではない。
実施例
試験例 1 糖尿病性神経障害抑制作用
文献 (Ame r i c a n J o u r n a l o f P h y s i o l o g y v o 1. 264, E 1 6 1 -E 1 6 6 , 1 9 9 3 ) 記載の方法に従い、 2 0週齢の 雄性 SDラッ トにス トレブトゾトシン (A SmgZk g) を静脈内に投与し、 糖 尿病動物モデルを作製した。
ストレブトゾトシン投与 6週後から化合物 ( 1 — 1 : 式 ( I ) において R 1、 R 3および R 4が水素であり、 R 2がイソプロピルォキシであり、 R 5が 3, 4 —メチレンジォキシフエニルであり、 R 6が水素であり、 R 7が 4—メ トキシフ ェニルであり、 破線が結合の存在を示す化合物) の 3、 1 0、 S OmgZk gを 1日 1回 3週間経口投与し、 対照群および無処置群 (正常ラッ ト) にはメチルセ ルロース (以下、 MCとする) を投与した。
座骨神経(S c i a t i c n e r V e ) もしくは脛骨神経(T i b i a 1 n e r v e) の運動神経および感覚神経の伝導速度を電気生理学的手法を用い、 文 献 (P e p t i d e s , v o l . 8, 4 1 5— 422, 1 98 7 ) 記載の方法に 従って測定した。 また、 ドップラー血流計 (オメガウェーブ社製) のプローブを 露出した脛骨神経に接触させて神経内血流量を測定した。
結果を第 1図および第 2図に示す。 対照群では、 無処置群に比較して神経伝導 速度及び神経内血流量が有意に低下していた。 化合物 ( I 一 1) 投与群ではこの ような神経伝導速度および神経内血流量の低下が用量依存性に抑制されており、 その作用は 1 OmgZk gから有意であった。 このことから、 糖尿病性神経障害 に対する化合物 ( 1 — 1 ) の抑制作用が明らかとなった。 試験例 2 —糖尿病性創傷治癒不良改善作用
2 6週齢の雄性 GKラッ ト ( I I型糖尿病モデルラッ ト) の背部皮膚をはさみ で円形 (直径 1. 2 cm) に切断して皮膚全層欠損創を作製し、 その治癒過程に 対する化合物 ( I 一 1 ) の影響を創傷面積を測定することにより調べた。 化合物 ( I - 1 ) は 3、 1 OmgZk gを 1日 1回 1 2日間経口投与した。 対照群およ び W i s t a rラッ トには M Cを投与した。
結果を第 3図に示す。 対照群では W i s t a rラッ トに比べ創傷面積の縮小に 時間がかかり、 糖尿病動物での創傷治癒不良が明らかとなった。 一方、 化合物 ( I - 1 ) 投与群では対照群に比べて創傷面積の縮小は明らかに早かった。 このよう な、 化合物 ( I 一 1 ) による創傷治癒不良改善作用は 3mgZk gから用量依存 性に認められ、 1 0 mgZ k g投与群では W i s t a rラッ トと同程度の治癒速 度であった。 このことから、 糖尿病性創傷治癒不良に対する化合物 ( I 一 1 ) の 改善作用が明らかとなつた。 試験例 3 糖尿病動物における末梢循環改善作用
2 6週齢の雄性 GKラッ ト ( I I型糖尿病モデルラッ ト) の尻尾の全体を 3 °C の冷水に 30分間浸して (低温刺激) 、 その時の尻尾の血流量をレーザードッブ ラー血流計 (オメガウエーブ社製) を用いて測定した。 低温刺激によって血流は 一過性に減少した後上昇し、 2 5〜 3 0分後の平均で低温刺激前の約 6 0 ~ 7 0 %にまで回復した。 血流測定 (投与前値) 後、 化合物 ( 1 _ 1 ) の 3、 1 0お よび 3 Omg/k gをそれぞれ経口投与した。 対照群には MCを経口投与した。 その 3時間後に再び低温刺激を加えて血流を測定 (投与後値) した。 その結果を 表 1に示す。
表 1
*<0.05:対照群との比較 (Dunnet's Test)
#<0.05 ##<0.01:投与前値との比較 (Paired t Test) 化合物の投与後に見られる血流の回復の程度は、 対照群では投与前と同様であ つたが、 化合物 ( 1 — 1 ) 投与群では投与前に比べて顕著であった。 化合物 ( I 一 1 ) によるこのような末梢循環改善作用は 3 mgZk gから有意に認められ、 その作用は用量依存的であった。
これより、 本発明に係る化合物が糖尿病合併症予防作用および/または治療作 用を有していることが分かる。 製剤例 1 錠剤
化合物 ( I 一 1 ) 1 5 m g
デンプン 1 5 m g
乳糖 1 5 mg
結晶性セルロース 1 9 m g
ポリ ビニルアルコール 3mg
蒸留水 30m l
ステアリン酸カルシウム 3mg
ステアリン酸カルシウム以外の成分を均一に混合し、 破砕造粒して乾燥し、 適 当な大きさの顆粒剤とした。 次にステアリン酸カルシウムを添加して圧縮成形し て錠剤とした。 産業上の利用可能性
以上の試験例から明らかなように、 本発明に係る化合物は糖尿病性神経障害抑 制作用、 糖尿病性創傷治癒不良改善作用、 糖尿病性末梢循環改善作用等を示す。 従って、 本発明に係る化合物は糖尿病合併症予防剤および Zまたは治療剤として 非常に有用である。