WO1998037984A1 - Procede permettant d'eliminer des revetements durs de lentilles en plastique - Google Patents

Description

明 細 書 プラスチック レンズのハー ドコ 一 ト被膜の除去方法 技術分野 本発明はハー ドコー ト被膜を有するプラスチック レンズのハー ドコー ト被膜の除去方法に関するものである。 背景技術 プラスチック レンズは、 ガラスレンズに比べて、 軽い、 割れにくい、 染色しやすいといった特徴を有し、 アク リル榭脂、 ポリカーボネー ト榭 脂、 AD C榭脂、 更には最近では高屈折率ウレタン榭脂が用いられてお り、 屈折率が 1 . 6 を超えるものが上市されている。 しかし、 プラスチ ック レンズは前述の利点を有する反面、 擦傷性あるいは耐熱性において はガラス製レンズに劣る。 擦傷性の改良のためにレンズ表面に保護コ一 トを施す方法が提案された。コートに使用されるコーティング組成物は、 非常に多数の種類が提案され、 たとえば特開昭 5 2— 1 1 2 6 1号等に 開示されている有機ケィ素化合物又はその加水分解物を主成分とするコ 一ティ ング組成物、 あるいは、 さ らに耐擦傷性を向上させるために、 例 えば、 特開昭 5 3 — 1 1 1 3 3 6号等に開示されているコロイ ド状に分 散したシリ 力ゾルを添加したコーティング組成物を塗布する方法が工業 的には一般的に実用化されている。

レンズ素材は P P G社の C R— 3 9に代表される八0じ榭脂が長ぃ間 プラスチック レンズと して広く使用されてきたが、 屈折率が約 1. 5 0 であり、 ガラスレンズのそれより も低く、 特に近視用のマイナス高度数 めがねレンズにおいてはレンズ周辺の縁厚が厚くなるという難点があり、 見栄えの悪いレンズとなり装着する者に好まれない。 C R— 3 9 より屈 折率の高いレンズ素材と して、 例えば特開昭 6 3— 4 6 2 1 3号、 特開 平 2— 2 7 0 8 5 9号、 特開平 2— 2 7 5 9 0 1号、 特開平 3— 5 6 5 2 5号などで硫黄原子含有ポリ ウレタン榭脂が開示されており、 屈折率 1 . 6を超える髙屈折率のポリ ウレタンレンズが実用化されている。 そ して、 これらのレンズに対しても前述のコ一ティング組成物が塗布され てきた。 しかしながら、 これらのコーティング組成物を塗布したレンズ には干渉縞が現れ、 レンズの見栄えが悪いという欠点があった。 干渉縞 はレンズ素材とその上に塗布する塗膜の屈折率の不一致により現れると いわれており、 さらにこの塗膜の上にしばしば形成される無機化合物の 単層あるいは多層膜からなる反射防止層を施した場合には、 この膜の反 射色がより顕著に見えてしまい著しく見栄えを悪くする。 この欠点を克 服するために、 塗膜の屈折率を高める検討が精力的になされ、 例えば、 特開平 2— 2 4 5 0 7 8号、 特開平 2— 2 6 1 8 2 7号、 特開平 4一 1 2 6 7 8 4号、 特開平 7— 3 2 5 2 0 1号などに屈折率の高い無機微粒 子を含んだハードコー ト剤組成物が開示されている。

高屈折率ハードコー ト被膜は、 基本的に、 有機ケィ素化合物および Z またはその加水分解物と無機微粒子よりなり、 高屈折率基材レンズと比 較して、 干渉縞の観点からは、 わずかに低いかまたは同等の屈折率を有 するものである。有機ケィ素化合物またはその部分加水分解物と しては、 アルキル ♦ アルコキシ · シラン、 および/または、 エポキシ基、 ビニル 基、 （メタ） アク リル基、 アミ ノ基などの反応性の有機基を含有する通 常シランカツプリングと呼ばれる化合物群の中から選択されたものを適 宜使用することができるが、 エポキシ基含有化合物が特に好ましい。 無 機微粒子と しては、 シリカ、 酸化鉄、 酸化チタン、 酸化セリ ウム、 酸化 ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛または酸化スズなどの酸化物、 それらの混合物あるいはそれらの複合酸化物微粒子が使用できるが、 高 屈折率レンズ素材に対応する高屈折率被膜を得るには、 酸化チタン、 酸 化セリ ウム、 酸化鉄、 酸化ジルコニウムなどが好ましく使用される。 ま た、シリ力は無機微粒子の分散安定性を増す作用があるといわれており、 高屈折率被膜においても補助的に混合使用される場合もある。 これらの 無機微粒子の平均粒径は；！〜 3 0 0 n m、 特に 5〜 ： L O O n mの範囲に あることが望ましい。 さらに上記以外に被膜特性あるいは塗布時の特性 を改良する目的で、 触媒、 U V吸収剤、 被膜形成性榭脂あるいはその前 駆体、 レベリ ング剤などの添加剤を加えても良い。

—方、 工業的生産過程では、 加工ミ スによる歩留まりの低下がコス ト 低減の上から重要な問題である。 ハードコート被膜加工工程における加 ェミス、 あるいはハードコート被膜の上にしばしば実施される反射防止 被膜加ェにおける加工ミ スは、 コス ト低減のネックとなる。 加工ミ スの 低減により歩留まりの向上を図ることは当然であるが、 実際上ある程度 の加工ミスが発生してしまうのが現状である。 ハードコート被膜加工ェ 程における加工ミスは、 例えば、 皮膜上あるいは被膜内の異物、 塗布ム ラ、 白化などであり、 製品と して出荷することはできない。 こう した加 エミスを起こした場合の再使用は、 コス ト低減、 資源の有効利用の点か ら重要な課題である。

従来、 このよ う な被膜を除去するには、 物理的に被膜を剥ぎ取る、 あ るいは削り取る方法、 あるいは化学薬品を用いて剥離あるいは溶解除去 する方法などがあるが、 除去した後の基材を再使用するためには化学薬 品を用いる除去方法が有利である。 化学薬品を用いる除去方法と して、 例えば、 工業材料第 3 2卷第 8号には、 シリ コーンハードコーティング レジンが 1 0 %苛性ソーダ水溶液に 2 4時間浸漬すると剥離を起こすこ とが記載されている。 また、 特公平 2 _ 3 6 3 0 9号には、 オルガノポ リシロキサン系硬化被膜を有するプラスチック レンズを水酸化アル力 リ 金属塩の水溶液に浸漬して硬化被膜を除去し、 レンズを再生使用する方 法が、 さらに、 特公平 3 - 5 2 2 7号には、 有機ケィ素化合物および硬 化性有機化合物を主成分と して含有する硬化被膜を、 界面活性剤水溶液 を含有するアル力リ水溶液に浸漬する、 同様の効果を有する方法が開示 されている。 これらの方法は、 ハードコー ト膜表面を浸食 ·溶解するこ とでハードコ ー ト膜を除去する構成であり、 無機物の除去が困難で再付 着する恐れがあるために、 さらに界面活性剤を添加することで再付着を 防止している。 したがって、 オルガノポリ シロキサン系化合物を主成分 と し、 低屈折率の素材である C R— 3 9に塗布されたハ ードコート被膜 に対しては極めて有効である。

しかしながら、 髙屈折率ハードコート被膜は、 低屈折率ハードコート 被膜に比べて除去しにく く、水酸化アル力リ水溶液に浸漬する方法では、 高屈折率ハードコー ト被膜を完全に除去するのに必要な温度、 時間およ び濃度条件ではゥレタン系レンズ基材に対する影響が大きく、 部分的に 基材表面が浸食されてしまい、 面荒れが観察される。 特に硫黄原子含有 ポリ ウレタンレンズに対応した髙屈折率のハ ードコート被膜の場合には これらの方法は好ましく なく、 レンズ基材上に部分的な被膜残存が生じ たり、 レンズ素材の水酸化アル力リ金属塩水溶液に対する弱さなどのた めに面荒れが生じ、 有効に基材レンズを再生することができないという 根本的な問題点があった。

発明の開示 本発明は、 プラスチック レンズ、 特に高屈折率ポリ ウレタンレンズに 対応した高屈折率のハ一ドコート被膜をも有効に除去し、 しかも再使用 可能な状態にレンズ基材を再生しうる方法を提供することを目的とする。 本発明においては、 オルガノポリシ口キサン系化合物おょぴ無機酸化 物を主成分とするハ一 ドコー ト被膜を有するプラスチック レンズを、 珪 酸塩および または燐酸塩の水溶液に接触させる。

前記珪酸塩およびノまたは燐酸塩は、 好ましくはナトリ ゥム塩および /または力リ ゥム塩である。

珪酸塩および/または燐酸塩の水溶液が、 オルガノポリシロキサン系 化合物および無機酸化物を主成分とするハードコー ト被膜に微細なクラ ックを生成せしめ、 クラックを通じて前記水溶液が基材レンズとハード コート被膜の界面に浸透し、 ハー ドコー ト被膜を膨潤させることで界面 からの剥離を可能にする。 そして、 珪酸塩おょぴノまたは燐酸塩が剥離 したハードコート被膜残査およぴ基材レンズの双方を保護することで再 付着を防止する。 発明を実施するための最良の形態 次に、 本発明を実施例および比較例によ り具体的に説明するが、 本 発明はこれに限定されるものではない。

干渉縞、 ハー ドコー ト被膜の除去状況および面荒れ状態の確認は、 検査用光源 （ナショナルパルック、 三波長形昼白色 1 5 W) を使用し、 目視により行った。

[実施例 1 ]

一グリシドキシプロビルト リメ トキシシラン、 メチルトリ メ トキシ シランの加水分解物、 酸化セリ ゥム . チタニアからなるメタノール分散 ゾルを主成分と し、 硬化触媒と してのアルミ ニゥムァセチルァセ トネー ト、 シリ コーン系界面活性剤を添加混合して調製したハードコー ト液組 成物 （被膜屈折率 1 . 5 9 ) を、 屈折率 1 . 5 9 4 のウ レタン樹脂レン ズ基材 （三井東圧化学 （株） 製モノマー M R— 6を重合して製造した） に浸漬法で塗布し、 1 2 0 °Cで 1時間熱硬化させ、 ハードコートを施し たレンズを作成した。 干渉縞は認められなかった。 次いでこのレンズに、

5 0 °Cに加温した、 燐酸三ナ トリ ウム 3 0部、 および水 7 0部からなる 水溶液を 5分間吹き付けた後、 水洗し乾燥した。 ハードコー ト被膜は除 去されており、 レンズ表面に面荒れなどの現象は認められなかった。 こ のレンズに前述のハードコー ト液組成物を塗布し、 同様に熱硬化させた ところ、 良好なハードコートを施したレンズを得た。

[実施例 2 ]

γ —グリ シ ドキシプロ ピルメ チル ト リ メ トキシシラン、 テ トラメ トキ シシランの加水分解物、 酸化セリ ゥム · チタニア · アルミナからなるメ タノール分散ゾルを主成分と し、 硬化触媒としてのアルミニウムァセチ ルァセ トネート、 シリ コーン系界面活性剤を添加混合して調製したハー ドコート液組成物 （被膜屈折率 1 . 6 2 ) を、 屈折率 1 . 6 6 4のウレ タ ン榭脂レンズ基材 （三井東圧化学 （株） 製モノマー M R— 7を重合し て製造した） に浸漬法で塗布し、 1 2 0 °Cで 1時間熱硬化させてハード コートを施したレンズを作成した。 次いで、 このレンズを 4 0 °Cに加温 した燐酸三ナト リ ウム 1 0部、 メタ珪酸ナトリ ウム 1 0部おょぴ水 8 0 部からなる水溶液に 1 0分間浸漬した。 液から取出した後水洗し乾燥し た。 ハードコート被膜は除去されており、 レンズ表面にも面荒れなどの 現象は認められなかった。 さらに、 このレンズを、 この水溶液に 1 2時 間浸漬したがレンズ表面に異常は認められなかった。

[比較例 1 ] 実施例 1 と同様にして作成したハードコー トを施したレンズを、 室温 でカチオン系界面活性剤 1 %含有 2 0 %水酸化ナト リ ゥム水溶液に 1 6 時間浸漬した。 液から取出した後水洗し乾燥した。 レンズ表面には白色 粉状の残留物が認められた。

[比較例 2 ]

実施例 1 と同様にして作成したハー ドコー トを施したレンズを、 6 0 °Cに加温した 3 0 %水酸化ナト リ ゥム水溶液に 4時間浸漬した。 水洗 乾燥後、 レンズ表面には部分的に白色粉状の残留物が認められ、 基材レ ンズのハードコート被膜が除去された部分には面荒れが生じていた。

[実施例 3 ]

—グリ シ ドキシプロ ピルメチル ト リ メ トキシシラン、 メチル ト リ メ トキシシランの部分加水分解物、 酸化チタン . 酸化鉄 ·シリカからなる メタノール分散ゾルを主成分と し、 硬化触媒と してのアルミ ニウムァセ チルァセ トネート、 シリ コーン系界面活性剤を添加混合して調製したハ ードコート液組成物 （被膜屈折率 1 . 5 8 ) を、 屈折率 1 . 5 9 4のゥ レタ ン樹脂レンズ基材 （三井東圧化学 （株） 製モノマー M R— 6を重合 して製造した） に浸漬法で塗布し、 1 2 0 °Cで 1時間熱硬化させた。 次 いで、 このレンズを 6 0 °Cに加温したダイヤカイ ト H C R— 2 6 (ダイ ャフロ ック （株） 製、 燐酸塩および珪酸塩を主体とする洗浄剤） に 2時 間浸漬した。 液から取出した後水洗し乾燥した。 ハードコート被膜は除 去されており、 レンズ表面にも面荒れなどの現象は認められなかった。

[実施例 4 ]

実施例 3 と同様に作成したハードコートを施したレンズを、 4 0 °Cに 加温した、 メタ珪酸ナト リ ウム 2 0部および水 8 0部からなる水溶液に

7分間浸漬した。 液から取出した後水洗し乾燥した。 ハードコート被膜 は除去されており、 レンズ表面にも面荒れなどの現象は認められなかつ た。

本発明における、 上述の各塩類の濃度および使用時の温度は、 ハード コート被膜の性質およぴ基材レンズの性質にもよるが、 通常、 濃度は 5 〜 5 0 %程度、 温度は 2 0〜 9 0 °Cで使用すればよく、 接触させる時間 は被膜の化学的性質あるいは物理的性質などにより異なるが、 通常、 5 分〜 1 0時間である。 よ り長時間接触させても良いが、 製造工程上得策 ではなく、 被膜除去は可能な限り短時間であることが好ましい。 本剤を 使用するハードコー ト被膜除去方法が、 水酸化アル力リ水溶液に浸漬す る先行技術方法と大きく異なる特徴の一つは、 長時間接触させた場合で も、 ウ レタ ン系レンズ基材に対する悪影響がほとんど無く、 被膜を剥離 除去した後の再生使用が可能なことである。 産業上の利用可能性 本発明の被膜除去方法は、 ハードコート被膜を有するプラスチックレ ンズの生産工程における加工不良品を、 基材レンズの表面状態に何等の 悪影響を及ぼすことなく再使用可能な状態に再生しうる優れた方法であ り、 再ハードコート加工することにより良製品を得ることができ、 コス ト低減および資源の有効利用に極めて大きな効果がある。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . オルガノポリ シ口キサン系化合物および無機酸化物を主成分とする ハードコート被膜を有するプラスチック レンズを、 珪酸塩およびノまた は燐酸塩の水溶液に接触させることを特徴とするハードコート被膜の除 去方法。

2 . 珪酸塩および Zまたは燐酸塩がナトリ ゥム塩および/または力リ ゥ ム塩であることを特徴とする、 第 1項記載のハードコート被膜の除去方 法。