明 細 書 アルミニゥム化合物及びその用途 技術分野
本発明は、 酸触媒として有用な新規アルミニウム化合物及び該化合物を酸触媒 として用いるエステル、 ァセタール、 ケタール、 エーテル又はアルキルグリコシ ドの製造法に関する。 背景技術
従来、 グリシジルェ一テルの製造方法としては、 主に、 アルコール類と -ェピ ハロヒ ドリンを、 第四級アンモニゥム塩等の相間移動触媒の存在下、 アルカリに より反応させる一段階法と、 アルコール類と" -ェピハロヒドリンを、 酸触媒の存 在下で反応させてハロヒ ドリンェ一テルとした後、 アルカリにより閉環させる二 段階法が知られている。 しかしながら、 一段階法では、 生成したグリシジルエー テルに更にアルコール類が付加するのを避けるため、 ひ -ェピハロヒ ドリンを過剰 に用いる必要がある。 また二段階法では、 酸触媒が硫酸等のブレンステツ ド酸の 場合にはアルコール類の転化率が低く、 三フッ化ホウ素、 四塩化スズ等の高活性 なルイス酸触媒の場合には生成したハロヒドリンエーテルへの" -ェピハロヒドリ ンの過剰付加反応が起こりやすく、 これを避けるためにはアルコール類を or -ェピ ハロヒ ドリンに対して過剰に用いる必要がある。 またルイス酸触媒として塩化ァ ルミ二ゥ厶、 塩化スズ、 塩化鉄等の金属塩化物を用いる場合には、 アルコリシス による触媒失活ゃ発生する遊離塩素が -ェピハロヒ ドリンと反応してしまうとい う問題もある。 更に、 ハロヒドリンェ一テルのアルカリによる閉環を効率良く行 うためには、 親水性溶媒や相間移動触媒を用いなければならない等の問題もある。 また、 ジアルキルグリセリルエーテルの製造方法としては、 アルカリ存在下、
アルコール類と" -ェピハロヒ ドリンを反応させる方法や、 アルカリ存在下、 グリ セリンとアルキルハラィ ドを反応させる方法が挙げられるが、 これらの方法はい ずれも、 アルコール類又はアルキルハライ ドを大過剰量使用する必要があり、 ま た、 異なる 2種類のアルキル基を同時に導入することが極めて困難であるという 問題がある。 また、 アルカリ又は酸触媒の存在下、 アルコール類とグリシジルエー テルを反応させれば、 アルキル基を自由に選択してジアルキルグリセリルエーテ ルを得ることができるが、 アルカリを使用する場合は生成物が更に反応するのを 避けるためにアルコールを過剰に使用する必要があり、 またグリシジルエーテル がー部加水分解を受けるという問題があり、 一方酸を使用する場合はグリシジル エーテルの重合が起こる等の問題がある。
また、 アルキルグリコシドの製造方法として、 糖と高級アルコールとを酸触媒 下で直接反応させる方法がある (米国特許第 3,839,318号明細書等) 。 しかしなが らこの方法では、 糖と水分と酸触媒が共存すると、 糖同士が縮合して副生物が生 成するため、 収率が低下したり、 色相の劣化を招くという問題がある。 特に糖が 単糖であると、 生成したアルキルグリコシドと単糖とが縮合してしまう場合があ り、 収率は著しく低下してしまう。 このような糖同士あるいは生成したアルキル グリコシドと糖との縮合を抑制し、 目的とするアルキルグリコシドを高収率で得 る方法としては、 糖に対して高級アルコールを過剰に用いる方法が知られている (特開昭 59-5199号公報等) 。 しかしこの方法では、 未反応の過剰アルコールの 除去操作が必要となり、 この操作の段階で匂い等の劣化が生じる場合があり、 ま た生産性が著しく低下する等、 経済性の点で問題がある。 更に糖の転化率が高く なり、 系中のアルキルグリコシド濃度が上昇してくると、 急激に糖縮合度が上昇 してしまうという問題がある。
従って、 本発明は上記各反応のほか、 広くアルコールの酸触媒反応、 すなわち エステル化反応、 エステル交換反応、 ァセタール化反応、 ケタール化反応等の力 ルポニル化合物との反応やエーテル化反応、 エポキシ化合物の開環反応などに好
適に使用することができ、 アルコリシスによる失活がなく、 十分な活性があり、 かつ反応制御が容易で、 また副反応の少ない酸触媒を提供することを目的とする。 更に本発明は、 上記触媒を用いた、 原料の使用比率がほぼ等モルでも目的物を 高収率で製造できるエステル、 ァセタール、 ケタール、 エーテル又はアルキルグ リコシドの製造方法を提供することを目的とする。 発明の開示
そこで本発明者らは上記課題を解決すベく鋭意研究した結果、 下記一般式 (1 )で 表される新規ァルミニゥ厶化合物が、 上記要求を満たす優れた酸触媒であること を見出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、 次の一般式 (1 )
AI(R1-S03),(R2)m(R3)n (1 )
〔式中、 R1は置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、 R2は置換基を有して いてもよい炭化水素基、 置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素才キシ基又は ハロゲン原子を示し、 R3は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素才キシ基を 示す。 し m及び nはそれぞれ I + m + n = 3となる 0〜3の数を示すが、 I が 0となることはない。 〕
で表されるアルミニウム化合物を提供するものである。
また本発明は、 上記ァルミニゥ厶化合物を含有する酸触媒を提供するものであ る。
また本発明は、 上記酸触媒の存在下に、 又は (A)アルミニウムアルコキシドと (B) フエノール類及び/又はスルホン酸類の存在下に、 アルコールとカルボニル化合 物、 アルコール、 才レフィン、 エポキシ化合物又は糖類とを反応させることを特 徵とするエステル、 ァセタ一ル、 ケタール、 エーテル又はアルキルグリコシドの 製造方法を提供するものである。
図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明化合物 (a)の IRスぺクトルを示す図である。 発明を実施するための最良の形態
R1で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、 ヒドロキシル基、 アルコキシル基又はハロゲン原子が置換していてもよいアルキル基; ヒドロキシ ル基、 アルコキシル基又はハロゲン原子が置換していてもよいアルケニル基;ァ ルキル基、 ヒドロキシル基、 アルコキシル基又はハロゲン原子が置換していても よいァリール基が挙げられる。 ここで、 置換基を有していてもよいアルキル基と しては、 炭素数〗〜 36の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、 その具体例と してはメチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基、 ペンチル基、 へキシル基、 ヘプチル基、 才クチル基、 ノニル基、 デシル基、 ゥンデシル基、 ドデシル基、 ト リデシル基、 テ トラデシル基、 ペンタデシル基、 へキサデシル基、 ヘプタデシル 基、 才クタデシル基、 ノナデシル基、 エイコシル基、 2-ェチルへキシル基、 3,5 -ジメチルへキシル基等が挙げられる。 置換基を有していてもよいアルケニル基と しては、 炭素数 2〜36の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基が挙げられ、 その具体例 としてはビニル基、 プロぺニル基、 ォレイル基、 リノール基等が挙げられる。 ま た置換基を有していてもよいァリール基としてはフエニル基、 ナフチル基等が挙 げられる。 これらのアルキル基、 アルケニル基及びァリール基に置換してもよい アルコキシル基としては、 炭素数 1〜36の直鎖又は分岐鎖のアルコキシル基が挙 げられ、 その具体例としてはメ 卜キシル基、 エトキシル基、 プロボキシル基、 ィ ソプロボキシル基、 ペンチル才キシ基、 へキシルォキシ基、 ヘプチル才キシ基、 才クチルォキシ基、 ノニル才キシ基、 デシル才キシ基、 ゥンデシル才キシ基、 ド デシルォキシ基、 トリデシルォキシ基、 テトラデシル才キシ基、 ペンタデシルォ キシ基、 へキサデシル才キシ基、 ヘプタデシル才キシ基、 才クタデシル才キシ基、 ノナデシルォキシ基、 エイコシルォキシ基、 2-ェチルへキシル才キシ基、 3,5-ジ
メチルへキシル才キシ基等が挙げられる。 アルキル基、 アルケニル基及びァリー ル基に置換してもよいハロゲン原子としては、 塩素原子、 臭素原子、 フッ素原子 及びョゥ素原子が挙げられる。 またァリール基に置換してもよいアルキル基とし ては、 前記したものと同様の炭素数 1 〜36の直鎖又は分岐鎖のものが挙げられる。 これら R1のうち、 上記置換基を有していてもよいアルキル基、 アルケニル基、 フエニル基及びナフチル基、 更に上記置換基を有していてもよいアルキル基、 フエ ニル基及びナフチル基が好ましく、 このうち、 上記置換基を有していてもよいァ ルキル基としては、 メチル基及びトリフル才ロメチル基が、 上記置換基を有して いてもよいフエニル基としては、 フエニル基、 クロ口フエ二ル基、 メチルフエ二 ル基、 ェチルフエニル基、 プロピルフエニル基、 ブチルフエニル基、 ドデシルフェ ニル基、 メ 卜キシフエニル基、 エトキシフエニル基、 プロポキシフエニル基、 ブ 卜キシフエニル基及びヒ ドロキシフエニル基が、 上記置換基を有していてもよい ナフチル基としては、 ヒ ドロキシナフチル基が特に好ましいものとして挙げられ る。 として最も好ましいのはヒドロキシフエニル基である。
一般式 (1 )中、 R2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、 上 記 R1で挙げたものと同じもののほか、 置換基としてポリ才キシアルキレン基を有 するものが挙げられる。 R2で示される置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素 才キシ基としては、 ヒドロキシル基、 アルコキシル基、 ポリオキシアルキレン基 又はハロゲン原子が置換していてもよいアルコキシル基; ヒドロキシル基、 アル コキシル基、 ポリ才キシアルキレン基又はハロゲン原子が置換していてもよいァ ルケニル才キシ基が挙げられる。 ここで、 置換基を有していてもよいアルコキシ ル基並びに置換基としてのアルコキシル基及びハロゲン原子としては、 前記と同 じものが挙げられる。 また、 置換基を有していてもよいアルケニルォキシ基とし ては、 炭素数 2〜36の直鎖又は分岐鎖のアルケニル才キシ基が挙げられ、 その具 体例としてはプロぺニル才キシ基、 才レイル才キシ基、 リノール才キシ基等が挙 げられる。 これら置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素才キシ基のうち、 ァ
ルコキシル基及びアルケニル才キシ基、 特にアルコキシル基が好ましい。 更に、 R2はハロゲン原子であってもよいが、 この場合のハロゲン原子としては塩素原子 及び臭素原子が好ましい。 R2として最も好ましいのはイソプロポキシル基である。 一般式 (1)中、 R3で示される置換基を有していてもよい芳香族炭化水素ォキシ基 としては、 アルキル基、 ヒドロキシル基、 アルコキシル基又はハロゲン原子が置 換していてもよいァリール才キシ基が挙げられ、 その具体例としては、 フエノキ シル基、 ヒドロキシフエノキシル基、 クロロフエノキシル基、 ジクロロフエノキ シル基、 トリクロロフエノキシル基、 ナフ トキシル基が特に好ましい。
アルミニウム化合物 (1)の具体例としては、 下記の化合物が挙げられる。
Al (03S-<\ OH) ' a
AI (0-i-C3H (b)
Al 03S- OHI (O-i-Cc H (c]
Al O3SH^~CH3) (d)
AI(03S-CH3)3
Al [ 3S~ -OH) (0-C8H17) (h)
AI ^O3SH^-C12H25)3 (i)
AI(03S-CH3)2 (O~^^) (j )
アルミニウム化合物 (1)は、 例えば卜リアルキルアルミニウム、 卜リアルコキシ
アルミニウム又はトリハロゲン化アルミニウム (ハロゲン:塩素又は臭素) にス ルホン酸類を反応させて、 該卜リアルキルアルミニウムのアルキル基、 卜リアル コキシアルミニウムのアルコキシル基又は卜リハロゲン化アルミ二ゥ厶のハロゲ ン基を該スルホン酸類で一部又は全部置換した後、 残存するアルキル基、 アルコ キシル基又はハロゲン基を更に適当なアルコ一ル類又はフエノール類で置換する ことにより製造される。 スルホン酸類による置換反応及びアルコ一ル類ゃフエノー ル類による置換反応は、 例えば炭化水素、 アルコール等の溶媒中で加熱すること により行われる。
本発明のアルミニウム化合物 (1 )のうち、 最も好ましいものとしては、 アルミ二 ゥ厶卜リイソプロポキシドと P-フエノ一ルスルホン酸から合成されるもの、 すな わち前記化合物 (3)、 (b)及び (C)が挙げられる。
アルミニウム化合物 (1 )は、 酸触媒として有用であり、 特にアルコールが原料と なる各種反応における酸触媒として有用である。
アルコールとカルボニル化合物、 アルコール、 才レフィン、 エポキシ化合物又 は糖類との反応において、 酸触媒としてアルミニウム化合物 (1 )を用いれば、 アル コリシスによる触媒失活がなく、 また反応における副反応が少なく、 高収率でェ ステル、 ァセタール、 ケタール、 エーテル又はアルキルグリコシドが得られる。 なかでも、 アルミニウム化合物 (1 )は、 アルコールとエポキシ化合物とを反応させ てエーテルを得る反応 (エポキシ開環反応) において特に有用である。 すなわち、 この反応では塩化アルミニウム、 塩化鉄等の金属塩化物におけるようなアルコリ シスによる触媒失活がなく、 またエポキシ化合物の重合等の副反応が少ない。 これらの反応において原料として使用されるアルコール類としては、 特に限定 されるものではないが、 例えば次の一般式 (2)
R -(OA1)p-OH (2)
〔式中、 R4は総炭素数 1 〜36の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を 示し、 A1は炭素数 2〜4のアルキレン基を示し、 pは 0〜1 00の数を示す。 〕
で表されるものが挙げられる。 具体的には、 メタノール、 エタノール、 プロパノ一 ル、 ブタノ一ル、 ペンタノ一ル、 へキサノール、 ヘプタノール、 才クタノール、 ノナノール、 デカノール、 ゥンデ力ノール、 ドデカノ一ル、 卜リデカノール、 テ トラデカノ一ル、 ペンタデカノール、 へキサデ力ノール、 ヘプタデカノール、 才 クタデカノール、 ノナデカノ一ル、 エイコサノール、 2-ェチルへキサノール、 3,5-ジメチルへキサノール等の脂肪族飽和アルコールのほか、 才レイルアルコー ル、 リノールアルコール等の脂肪族不飽和アルコールや、 それらのアルキレンォ キシド付加物が挙げられる。 かかるアルキレン才キシド付加物としては、 ェチレ ン才キシド付加物 (一般式 (2)において A1がエチレン) が好ましく、 その付加モル 数 (一般式 (2)における p ) は 0〜20が好ましいものとして挙げられるが、 アルコ一 ル類としてはアルキレンォキシドの付加していないもの (一般式 (2)において p =
0 ) が好ましい。
また、 アルコール類とエポキシ化合物の反応において原料として使用されるェ ポキシ化合物としては、 例えば -ェピクロロヒドリン、 " -ェビブ口モヒドリン、 ェピョ一ドヒドリン等の ェピハロヒドリンゃ、 次の一般式 (3)
R5-(OA2)q-(O)r-CH2— CH -CH2
b, (3)
〔式中、 R5は置換基を有していてもよい炭素数 1 〜24の飽和又は不飽和の直鎖又 は分岐鎖の炭化水素基を示し、 A2は炭素数 2〜 4のアルキレン基を示し、 qは 0
~1 00の数を示し、 rは 0又は 1 を示す。 〕
で表される 1 ,2-ェポキシ化合物が挙げられる。
—般式 (3)において、 R5で示される置換基を有していてもよい炭素数 1 〜24の飽 和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基としては、 例えばメチル基、 ェチル 基、 プロピル基、 ブチル基、 ペンチル基、 へキシル基、 ヘプチル基、 才クチル基、 ノニル基、 デシル基、 ゥンデシル基、 ドデシル基、 トリデシル基、 テ卜ラデシル 基、 ペンタデシル基、 へキサデシル基、 ヘプタデシル基、 才クタデシル基、 ノナ
デシル基、 エイコシル基、 2-ェチルへキシル基、 3, 5-ジメチルへキシル基等のァ ルキル基のほか、 才レイル基、 リノリル基等のアルケニル基が挙げられる。 これ らが有していてもよい置換基としては、 反応に悪影響を与えないものであればよ く、 特に限定されないが、 例えば、 フッ素原子、 塩素原子等のハロゲン原子、 水 酸基、 アルコキシル基等が挙げられる。
—般式 (3)において、 A2で示される炭素数 2〜 4のアルキレン基としては、 ェチ レン基が好ましく、 qで示される 0〜1 00の数としては、 0〜20、 特に 0が好ま しい。 すなわち、 用いる 1 ,2-エポキシ化合物 (3)としては、 アルキレン才キシ ドが 付加していないものがより好ましい。
また、 一般式 (3)において、 rは 0又は 1 を示すが、 1 がより好ましい。 すなわ ち、 用いる 1,2-エポキシ化合物 (3)は、 " -ォレフイン才キサイ ド類 ( r = 0である もの) 又はグリシジルェ一テル類 ( r = 1であるもの) であるが、 グリシジルェ一 テル類がより好ましい。
エポキシ化合物として ェピハロヒドリンを用いれば、 ハロヒドリンエーテル が得られる。 その反応混合物から触媒を除去することなく、 アルカリを添加して 脱ハロゲン化水素反応を行えば閉環反応が良好に進行し、 グリシジルェ一テルが 得られる。 この場合に用いられるアルコール類としては、 一般式 (2)において R4の 炭素数が 5〜 8であるものを用いるのが好ましい。 また閉環反応に用いられるァ ルカリとしては、 水酸化ナトリウム、 水酸化力リウム等のアル力リ金属水酸化物、 水酸化カルシウム、 水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物が挙げられる が、 特に水酸化ナ卜リウ厶及び水酸化力リゥ厶が好ましい。 ハロヒドリンェ一テ ルの閉環反応においては、 アルコール類の仕込み量に対して 1 .0〜4.0モル倍量、 特に 1 .0〜2.5モル倍量のアルカリを用いるのが好ましく、 例えば 1 0 ~50%水溶液 として添加するのが好ましい。 また反応温度は 40〜1 1 0°Cが好ましく、 数時間反 応させるのが好ましい。 また、 本発明により得られたグリシジルエーテルは、 更 に常法に従って加水分解することにより、 モノアルキルグリセリルエーテルとす
ることができる。
またエポキシ化合物として化合物 (3)を用いれば、 次の一般式 (4)
〔式中、 R5、 A2、 q及び rは前記と同じ意味を示し、 R4a及び R4bは一方が水素原子 で他方が R4-(〇A - (R4、 A1及び pは前記と同じ) を示す。 〕
で表されるェ一テル類が得られる。
アルコール類と糖類との反応において原料として使用される糖類としては、 単 慰頁、 オリゴ糖類、 多糖類の何れでもよし、。 単糖類としては、 例えば、 ァロース、 アルト一ス、 グルコース、 マンノース、 グロ一ス、 イ ド一ス、 ガラク 卜一ス、 タ ロース、 リボース、 ァラビノース、 キシロース、 リキソ一ス等のアルド一ス類等 が挙げられ、 才リゴ糖類としては、 マル卜一ス、 ラクト一ス、 スクロ一ス、 マル 卜卜リオ一ス等が挙げられ、 多糖類としては、 へミセルロース、 ィヌリン、 デキ ストリン、 デキストラン、 キシラン、 デンプン、 加水分解デンプン等が挙げられ る。 これらのうち、 炭素数 6以下の単糖類、 特にグルコースが好ましい。 原料と する糖類は含水でも無水でもよいが、 無水の固体糖を用いることが好ましい。 本発明において、 アルコール類と糖類の反応により得られるアルキルグリコシ ドは、 好ましくは直鎖又は分岐鎖の炭素数 8〜14のアルキル基を有する糖骨格の 縮合度 1 〜1 .4のアルキルグリコシドである。 かかるアルキルグリコシドは直鎖又 は分岐鎖の炭素数 8〜14のアルコール類と含水又は無水のグルコースから製造さ れる。
アルコールとカルボニル化合物、 アルコール、 才レフィン、 エポキシ化合物又 は糖類との反応は、 酸触媒としてアルミニウム化合物 (1 )を用いる以外は、 通常の エステル化、 ァセタール化、 ケタール化又はエーテル化反応と同様に行えばよい。 例えばアルコールとェポキシ化合物との反応は、 ェポキシ化合物をアルコールに
対して 0.5〜1 .5モル倍量、 好ましくは 1 .0〜1 .2モル倍量用い、 アルミニウム化合物 (1 )をアルコールに対して 0.001〜0.1モル倍量、 好ましくは 0.01〜0.05モル倍量用 い、 反応温度 1 0〜1 20°C、 好ましくは 70〜1 1 0°Cで、 1 〜 5時間行うとよい。 ま たアルコールと糖類との反応は、 糖類に対してアルコール 1 〜1 0モル倍量、 特に 2〜 4モル倍量用い、 アルミニウム化合物 (1 )を糖類に対して 0.001〜0.1モル倍量、 特に 0.01〜0.1モル倍量用い、 反応温度 90〜1 30°C、 好ましくは 90~1 20で、 圧力 5〜100mmHg、 4ΐに 20〜60mmHgで ί亍ぅとよし、。
また、 以上述べたアルコールを原料とする各種反応はすべて、 アルミニウム化 合物 (1 )を含む前記酸触媒に代えて (Α)アルミニゥムアルコキシドと (Β)フエノ一ル類 及び 又はスルホン酸類を用い、 これら化合物の存在下において行うこともでき、 この場合においてもアルミニゥム化合物 (1 )を用いるのと同様の良好な結果が得ら れる。 これは、 (Α)アルミニウムアルコキシドと (Β)フエノール類及び Ζ又はスルホ ン酸類との反応によりアルミ二ゥ厶化合物 (1 )が生成し、 これが酸触媒として働く ことによるものと思われる。
すなわち、 ( アルミニゥ厶アルコキシドと (Β)フヱノール類及び/又はスルホン 酸類の存在下、 アルコール類とカルボニル化合物、 アルコール、 才レフィ ン、 ェ ポキシ化合物又は糖類とを反応させることにより、 エステル、 ァセタール、 ケタ一 ル、 エーテル又はアルキルグリコシドが高収率で得られる。
ここで用いられる (Α)アルミニウムアルコキシドとしては、 モノ、 ジ、 及びトリ アルコキシド体のいずれであつてもよいが、 卜リアルコキシド体がより好ましく、 またアルコキシル基の炭素数が 1 〜 4であるものが好ましい。 より具体的には、 アルミ二ゥ厶トリアルコキシドとしてアルミ二ゥ厶卜リメ トキシド、 アルミニゥ 厶卜リエトキシド、 アルミニゥ厶トリイソプロポキシド、 アルミニゥ厶トリブト キシド等が挙げられるが、 特にアルミニウム トリイソプロポキシ ドが好ましい。 これらは市販品を用いることもできるが、 アルミニウム トリハライ ド又は 卜リア ルキルアルミニウムとアルコールを反応させて得られるモノ、 ジ、 卜リアルコキ
シド体の混合物を用いることもできる。 なお、 この場合も卜リアルコキシ ド体含 量の多くなる条件を選ぶのが好ましい。
(B)フエノール類としては、 ハロゲン原子が置換していてもよいフエノール性水 酸基を有するものであればよく、 例えばフエノール、 クロ口フエノール、 ジクロ 口フエノール、 2,4,6-卜リクロロフエノ一ル、 1 -ナフ 卜一ル、 2-ナフ トール、 ヒ ド ロキノン、 2,2-ビス (4-ヒドロキシフエニル)プロパン、 ビス (4-ヒドロキシフエニル) スルホン、 ビナフ卜一ル等が挙げられる。
(B)スルホン酸類としては、 例えば R1がヒドロキシル基、 アルコキシル基又はハ ロゲン原子が置換していてもよいアルキル基又はアルケニル基; アルキル基、 ヒ ドロキシル基、 アルコキシル基又はハロゲン原子が置換していてもよいァリ一ル 基が挙げられる。 これらアルキル基等は前記したものと同一である。 より具体的 にはメタンスルホン酸、 卜リクロロメタンスルホン酸、 炭素数 1 〜1 2のアルキル 基もしくはヒドロキシル基が置換していてもよいベンゼンスルホン酸もしくはナ フタレンスルホン酸が挙げられるが、 好ましくは 2,4,6-卜リクロロフエノ一ル、 メ タンスルホン酸、 P- トルエンスルホン酸、 フエノールスルホン酸、 ドデシルペン ゼンスルホン酸、 ナフタレンスルホン酸が挙げられ、 特にフエノールスルホン酸 が好ましい。
これらのうち、 最も好ましい組み合わせとしては、 (A)としてアルミニウム卜リ イソプロポキシド、 (B)として P-フエノールスルホン酸を用いた場合が挙げられる。 このように (A)アルミニゥ厶アルコキシドと (B)フエノール類及びノ又はスルホン 酸類の存在下で反応を行う場合においても、 原料の使用比率、 反応温度及び反応 時間はアルミニウム化合物 (1 )を用いる場合と同様である。 また (A)アルミニゥ厶ァ ルコキシドと (B)フエノール類及びノ又はスルホン酸類の使用量は、 例えばアルコ一 ル類とェポキシ化合物の反応においては、 (A)アルミニウムアルコキシドはアルコ一 ル類に対して 0.001〜0.1モル倍量、 特に 0.01〜0.05モル倍量、 (B)フエノール類及 び/又はスルホン酸類は (A)アルミニウムアルコキシドに対して 1 .0〜3.0モル倍量、
特に 2.0~ 3.0モル倍量とするのが好ましい。 またアルコールと糖類との反応にお いては、 (A)アルミニウムアルコキシドは糖類に対して 0.001〜0.1モル倍量、 特に 0.001 -0.01モル用倍量いるのが好ましく、 (B)フエノール類及び/又はスルホン 酸類は (A)アルミニゥムアルコキシドに対して 1 .0〜3.0モル倍量、 特に 2.0〜3.0モ ル倍量用いるのが好ましい。
以上のようにして得られたエステル、 ァセタール、 ケタール、 エーテル又はグ リシジルエーテルは、 公知の分離精製手段、 具体的には蒸留、 再結晶、 カラ厶ク 口マトグラフィ一等により単離精製することができる。 一実施例一
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、 本発明はこれらに限定さ れるものではない。
実施例 1
トルエン 50mし アルミニウム トリイソプロポキシド 3.60 g (l 7.6mmol) 及び P-フエノールスルホン^ 9.21 g (52.8mmol) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 ディー ンスターク卜ラップを用いて窒素導入下、 撹拌しながら 3時間還流した。 溶媒を 留去し 9.6 gの淡黄白色固体として本発明ィ匕合物 (a)を得た。 (m.p.=300°C(dec.)) 。 図 1 に示すように、 固体 FT-旧により同定した。
v OH=3281 cm"1 (フ: Eノール性水酸基)
〔アルミニウム卜リイソプロポキシドのィソプロピル基に由来する C-H伸縮 V c— H=2800〜3000cm- 1の消失〕
才クチルアルコール 1 1 .7 g (0.09mol ) 、 本発明化合物 (a)0.98 g (1 ,80mmol ) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 95°Cまで昇温した。 次にェピクロロヒドリン 10.0 g (0.108mol) を 10分間で滴下し、 そのまま 3時間 撹拌した。 ハロヒドリンェ一テルの収率を GLCにより求めたところ、 87%であつ た。 また未反応ォクチルアルコールの残量を GLCにより求めたところ、 5 %以下
であった。
実施例 2
才クチルアルコール 11.7 g (0.09mol) 、 アルミニウム トリイソプロポキシド 0.36 g (l.77mmol) 及び p-フエノ一ルスルホン酸 0.94 g (5.40mmol) を 100ml 四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 95°Cまで昇温した。 次にェピ クロロヒドリン 10.0g (0.108mol) を 10分間で、; iS し、 そのまま 3時間撹拌した。 ハロヒドリンエーテルの収率を GLCにより求めたところ、 87%であった。 また未 反応才クチルアルコールの残量を GLCにより求めたところ、 5 %以下であった。 この反応混合物に 4N水酸化ナ卜リウム水溶液 40mlを加え、 85〜90°Cで 3時間 撹拌した。 室温まで)令却後、 水層を除き、 更に 30mlの水で 2回洗浄後、 減圧蒸留 により精製し、 14.2gの才クチルグリシジルェ一テル (1,2-エポキシ- 4-才キサド デカン) を無色透明油状物として得た (全収率 85%) 。
1H-NMR (200MHz,CDCI3) : δ ppm
0.9 (3H,三重線, 12位メチル)
1.2-1.5 (10H,重なった幅広いピーク, 7- 11位メチレン)
1.51 (2H,三重線, 6位メチレン)
2.65, 2.8 (2H,各四重線, 1位メチレン)
3.18 (1H,多重線, 2位メチン)
3.38及び 3.7, 3.45及び 3.76 (2H,各二重線, 3位メチレン)
3.5 (2H,幅広い多重線, 5位メチレン)
純度 (GLC) : 99.5%
比較例 1
才クチルアルコール 11.7 g (0.09mol) 及びアルミニウムトリイソプロポキシド 0.36 g (l.77mmol) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 95°Cまで昇温した。 次にェピクロロヒドリン 10.0g (0.108mol) を 10分間で滴下 し、 そのまま 3時間撹拌した。 ハロヒドリンェ一テルの収率は 6 %で、 未反応才
クチルアルコール、 ェピクロロヒドリンとも残量は 90%以上であった。
比較例 2
才クチルアルコール 11.7 g (0.09mol) 及び p -フエノールスルホン酸 0.94 gを 100ml四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 95°Cまで昇温した。 次 にェピクロロヒドリン 10.0 g (0.108mol) を 10分間で滴下し、 そのまま 3時間撹 拌した。 ハロヒ ドリンェ一テルの収率は 22%で、 未反応才クチルアルコールの残 量は 65%以上であった。
比較例 3
才クチルアルコ一ル 11.7 g (0.09mol) 及び BF3OEt20,25 g (l.77mmol) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながらェピクロロヒ ドリン 10.0 g (0.108mol) を 30分間で滴下し、 そのまま 3時間撹拌した。 ェピクロロヒ ドリンは全て消費されたが、 ハロヒドリンェ一テルの収率は 61%であった。
実施例 3
才クチルアルコール 11.7 g (0.09mol) 、 アルミニウム トリイソプロポキシド 0.36 g (l.77mmol) 及び p-フエノ一ルスルホン酸 0,94 g (5.40mmol) を 100ml 四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 95°Cまで昇温した。 次に才ク チルグリシジルエーテル 17.1 g (0.09mol) を 10分間で滴下し、 そのまま 3時間 撹拌した。 反応終了後、 4N水酸化ナトリウム水溶液 40mlで洗浄し、 更に 40mlの 水で 2回洗浄後、 減圧蒸留により精製し、 23.0 gの 1,3-ジ才クチルグリセリルェ一 テル (9,13-ジ才キサ -11-ヘンエイコサノール) を無色透明油状物として得た (収 率 81%) 。
1H-NMR (200MHz,CDCI3) : S ppm
0.88 (6H,三重線, 1位及び 21位メチル)
1.2-1.5 (20H,重なつた幅広いピーク, 2-6位及び 16- 20位メチレン)
1.58 (4H,三重線, 7位及び 15位メチレン)
2.7 (1H,二重線,水酸基)
3.46 (8H,重なった三重線及び二重線, 8位、 10位、 14位及び 12位メチレン) 3.96 (1H,多重線, 11位メチン)
純度 (GLC) : 95.0% (1,2-ジ才クチルグリセリルエーテル 5%含有) 比較例 4
ォクチルアルコール 11.7 g (0.09mol ) 及びメ タ ンスルホン酸 0.50 g (5.50mmol) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 95°Cま で昇温した。 次に才クチルグリシジルェ一テル 17.1 g (0.09mol) を 10分間で滴 下し、 そのまま 8時間撹拌した。 反応終了後、 4N水酸化ナ卜リウ厶水溶液 40mlで 洗浄し、 更に 40mlの水で 2回洗浄後、 シリカゲルカラムクロマトグラフィー (展 開溶媒: へキサン) により精製し、 2.0gの 1,3-ジ才クチルグリセリルエーテル (9,13-ジ才キサ- 11-ヘンエイコサノール) を無色透明油状物として得た (収率 7 %) 。
比較例 5
実施例 3において、 アルミニウム トリイソプロポキシ ドを用いない以外は同様 にして反応を行ったところ、 グリセリルエーテルの収率は 3%であった。
比較例 6
実施例 3において、 P-フエノールスルホン酸を用いない以外は同様にして反応 を行ったところ、 グリセリルエーテルの収率は 15%であった。
実施例 4
へキサデシルアルコール 21.8 g (0.09mol) 、 本発明化合物(a)1.00 g (1.83mmol) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 80Cま で昇温した。 次にプチルグリシジルエーテル 11.7 g (0.09mol) を 10分間で滴下 し、 そのまま 4時間撹拌した。 反応終了後、 4N水酸化ナ卜リウ厶水溶液 40mlで洗 浄し、 更に 40mlの水で 2回洗浄後、 減圧蒸留により精製し、 26.8 gの 1-ブチル -3 -へキサデシルグリセリルエーテルを無色透明油状物として得 (全収率 80%) 、 1H-NMR (200MHz) より同定した。 GLCより純度は 95.0%であり、 5 %の 1-ブ
チル— 2—へキサデシルグリセリルエーテルを含有していた。
実施例 5
へキサデシルアルコ一ル 21,8 g (0.09mol) 、 アルミニウム トリイソプロポキシ ド 0,36g (l.77mmol) 及び 2,4,6- 卜リクロロフエノール 0.76 g (5.29mmol ) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 80°Cまで昇温した。 次 にプチルグリシジルェ一テル 11,7g (0.09mol) を 10分間で滴下し、 そのまま 4 時間撹拌した。 反応終了後、 4N水酸化ナ卜リゥ厶水溶液 40mlで洗浄し、 更に 40mlの水で 2回洗浄後、 減圧蒸留により精製し、 26.8 gの 1-ブチル -3-へキサデシ ルグリセリルェ一テルを無色透明油状物として得 (全収率 80%) 、 1H- NMR
(200MHz) より同定した。 GLCより純度は 95.0%であり、 5 %の 1-ブチル -2-へ キサデシルグリセリルエーテルを含有していた。
実施例 6
へキサデシルアルコール 21.8g (0.09mol) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 70 °Cまで昇温した。 アルミニウムトリイソプロポキシド 0.36 g (l.77mmol) 及び p -フエノールスルホン酸 0.94 g (5.40mmol) を加え、 窒素導入下、 撹拌しながら 100°Cまで昇温した。 次にェピクロロヒドリン 10.0g (0.108mol) を 10分間で滴 下し、 そのまま 3時間撹拌した。 ハロヒ ドリンェ一テルの収率を GLCにより求め たところ、 85%であった。 また未反応才クチルアルコールの残量は 5%以下であつ た。
この反応混合物に 4N水酸化ナ卜リウ厶水溶液 40mlを加え、 85〜95°Cで 3時間 撹拌した。 50mlのへキサンを加え、 室温まで)令却後、 水層を除き、 更に 30mlの水 で 2回洗浄した。 溶媒を留去し、 シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精 製し、 22.3gのへキサデシルグリシジルェ一テル (1,2-エポキシ- 4-才キサエイコ サン) を白色結晶として得 (全収率 83%) 、 1H-NMR (200MHz) より同定した。 GLCより純度は 99%であった。
実施例 7
才クチルアルコール 11.7 g (0.09mol) 、 アルミニウム トリイソプロポキシド 0.36 g (l.77mmol) 及び 1 -ナフトール 0.76 g (5.29mmol ) を 100ml四つロフラ スコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 95°Cまで昇温した。 次にェピクロロヒド リン 10.0g (0.108mol) を 10分間で滴下し、 そのまま 3時間撹拌した。 ハロヒド リンエーテルの収率を GLCにより求めたところ、 88%であった。 また未反応才ク チルアルコールの残量は 4 %以下であった。
実施例 8
才クチルアルコール 11.7 g (0.09mol) 、 アルミニウム トリイソプロポキシド 0.36 g (l.77mmol) 及び 2,4,6-卜リクロロフエノ一ル 1.04 g (5.29mmol) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 90°Cまで昇温した。 次 にェピクロロヒドリン 10.0 g (0.108mol) を 10分間で滴下し、 そのまま 2時間撹 拌した。 ハロヒドリンエーテルの収率を GLCにより求めたところ、 87%であった。 また未反応ォクチルアルコールの残量は 3%以下であった。
実施例 9
ォクチルアルコール 117 g (0.900mol) 、 アルミニウムトリイソプロポキシド 3.6 g (l7.7mmol) 及び p-フエノールスルホン酸 9.40 g (5.401 mol) を 1 ナ スフラスコに入れ、 撹拌しながら 100°Cまで昇温した。 更に減圧下 (50mmHg) 1時間撹拌した後、 ェピクロロヒ ドリン 100 gを 30分で滴下し、 そのまま 3時間 撹拌した。 ハロヒドリンェ一テルの収率を GLCにより求めたところ、 87%であつ た。 この反応混合物を 50°Cに保ち、 48%水酸化ナトリウム水溶液 400mlを 1 時間 で滴下し、 そのまま 3時間撹拌した後、 200mlの水を加え、 分層させた。 水層を 除いた後、 更に 300mlの水で 2回洗浄して、 200gの粗才クチルグリシジルェ一テ ルを得た。
粗ォクチルグリシジルェ一テル 175 g、 水 110 g (6.111 mol) 、 ラウリン酸 7.10g (0,033mol) 及び水酸化ナトリウム 0.71 g (0.018mol) を 2 才一トクレ一 ブに入れ、 撹拌しながら 157°Cまで昇温した。 そのまま 5時間撹拌した後、 室温
まで放)令した。 これを 500mlの酢酸ェチルで抽出し、 更に 300mlの水で 2回洗浄し た後溶媒を留去し、 165 gの粗モノ才クチルグリセリルエーテルを得た。 減圧蒸 留 (0.4〜0.5mmHg, 120- 23°C) により精製し、 124 gのモノ才クチルグリセ リルエーテルを無色オイルと して得た (全収率 75%) 。 また、 1H-NMR (200MHz) より S =2.65, 2.80のプロ トンシグナル (エポキシ環のメチレン) の 消失を認め、 化合物を同定した。 GLCより純度は 99%であった。
実施例 10
イソアミルアルコール 158g (l.78mol) 、 アルミニウム トリイソプロポキシド 3.61 g (l7.7mmol) 及び p-フエノールスルホン酸 9.40 g (5.401 mol) を 1 ナ スフラスコに入れ、 撹拌しながら 90°Cまで昇温した。 更に減圧下 (200mmHg) 1時間撹拌した後、 10CTCまで昇温し、 ェピクロロヒドリン 170gを 30分で、; ¾ し、 そのまま 3時間撹拌した。 ハロヒドリンェ一テルの収率を GLCにより求めたとこ ろ、 86%であった。 この反応混合物を 50 °Cに保ち、 48%水酸化ナトリウム水溶液 800mlを 1時間で滴下し、 そのまま 3時間撹拌した後、 400mlの水を加え、 分層さ せた。 水層を除いた後、 更に 500mlの水で 2回洗浄して、 280gの粗イソアミルグ リシジルエーテルを得た。
粗イソアミルグリシジルェ一テル 140 g、 水 140g (7.78mol) 、 ラウリン酸 7.64 g (0.038mol) 及び水酸化カリウム 2.14 g (0.038mol) を 2 才一卜クレー ブに入れ、 撹拌しながら 157°Cまで昇温した。 そのまま 5時間撹拌した後、 室温 まで放)令した。 これを 500mlの酢酸ェチルで抽出し、 更に 300mlの水で 2回洗浄し た後溶媒を留去し、 157 gの粗モノイソアミルグリセリルエーテルを得た。 減圧 蒸留 (2mmHg, 114〜115°C) により精製し、 103 gのモノイソアミルグリセリ ルエーテルを無色オイルとして得た (全収率 71%) 。 また、 1H-NMR (200MHz) より S=2,60, 2.80のプロトンシグナル (エポキシ環のメチレン) の消失を認め、 化合物を同定した。 GLCより純度は 99%以上であった。
実施例 11
才クチルアルコール 11.7 g (0.09mol) 、 本発明化合物 (a)1.00 g (1.83mmol) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 10CTCまで昇温した。 次に 1,2-エポキシデカン 16.6g (0.09mol) を加え、 そのまま 3時間撹拌した。 反 応終了後、 4N水酸化ナ 卜リウ厶水溶液 40mlで洗浄し、 更に 40mlの水で 2回洗浄 後、 減圧蒸留により精製し、 21.3gの 11-ォキサ - 9-ヒドロキシノナデカンを無色 透明油状物として得 (全収率 83%) 、 1H-NMR (200MHz) より同定した。 GLC より純度は 95.0%であり、 5 %の 10-ォキサ -9-ヒドロキシメチルノナデカンを含 有していた。
実施例 12
ォクチルアルコール 11.7 g (0.09mol) 、 アルミニウム トリイソプロポキシド 0.36 g (l.77mmol) 及び p-フエノ一ルスルホン酸 0.94 g (5.40mmol) を 100ml 四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 100°Cまで昇温した。 次に 1,2 -エポキシデカン 16.6g (0.09mol) を加え、 そのまま 3時間撹拌した。 反応終了 後、 4N水酸化ナ卜リウ厶水溶液 40mlで洗浄し、 更に 40mlの水で 2回洗浄後、 減 圧蒸留により精製し、 21.3gの 11-ォキサ -9-ヒドロキシノナデカンを無色透明油 状物として得 (全収率 83%) 、 1H-NMR (200MHz) より同定した。 GLCより純 度は 95.0%であり、 5 %の 10-才キサ -9-ヒドロキシメチルノナデカンを含有して いた。
実施例 13
デシルアルコール 539.0g (3,41mol) 、 無水グルコース 245g (1.36mol) を 2 四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 圧力 35〜40mmHgに保ち、 撹拌しながら 100°Cまで昇温した。 次いで本発明化合物 (a)2.0 gを加え、 そのまま 9時間撹拌し たところ、 グルコース転化率は 97%であった。 反応終了後、 へキサン 2 に分散 後、 微量の未反応グルコースをろ過により除き、 2N水酸化ナトリウム水溶液で pH6.7に中禾卩した。 へキサン、 デシルアルコールを留去し、 371 gのデシルグリコ シドを得た。 デシルアルコールの残量はガスクロマ 卜グラフより 1.2%、 また、
200MHz 1H-NMR (CDCI3/D20溶媒) より、 生成デシルグリコシド 1 モル中の グルコース骨格はグルコースが平均 1.28モル縮合 (縮合度 1.28) していた。
実施例 14
デシルアルコール 50.20 g (0.318mol) 、 アルミニウムトリイソプロポキシド 15.68 g (0.077mol) 、 p-フエノ一ルスルホン酸 40,12 g (0.231mol) を 200mlナ スフラスコに入れ、 撹拌しながら 100°Cまで昇温した。 更に減圧下 (50mmHg) で 3時間撹拌した後、 111 gのデシルアルコールで稀釈し、 210gの 20%触媒溶液 を調製した。
デシルアルコール 539.0g (3.41 mol) 、 無水グルコース 245g (l.36mol) を 2 四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 圧力 35〜40mmHgに保ち、 撹拌しながら 100°Cまで昇温した。 次いで先に調製した 20%触媒溶液 10 gを滴下しそのまま 9 時間撹拌したところ、 グルコース転化率は 98%に逵した。 反応終了後、 へキサン 2 £に分散後、 微量の未反応グルコースをろ過により除き、 2N水酸化ナ トリウム 水溶液で PH6.5に中和した。 へキサン、 デシルアルコールを留去し、 370 gのデシ ルグリコシドを得た。 デシルアルコールの残量はガスクロマ卜グラフより 1.3%、 また、 1H-NMR (200MHz) (CDCI3/D2〇溶媒) より、 生成デシルグリコシド 1 モル中のグルコース骨格はグルコースが平均 1.30モル縮合 (縮合度 1.30) してい た。
比較例 7
デシルアルコール 539.0g (3.41mol) 、 無水グルコース 245g (l.36mol) を 2 四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 圧力 35〜40mmHgに保ち、 撹拌しながら 100°Cまで昇温した。 p.トルエンスルホン酸 1.0gを加え、 そのまま 6時間撹拌し たところ、 グルコース転化率は 98%であった。 反応終了後、 へキサン 2 に分散 後、 微量の未反応グルコースをろ過により除き、 2N水酸化ナトリウム水溶液で pH6.5に中禾 tlした。 へキサン、 デシルアルコールを留去し、 270 gのデシルグリコ シドを得た。 デシルアルコールの残量はガスクロマ 卜グラフより 1.3%、 また、
1H_NMR (200MHz)
より、 生成デシルグリコシ ド 1 モル中 のグルコース骨格はグルコースが平均 2.40モル縮合 (縮合度 2.40) していた。
実施例 15
ドデシルアルコール 50.20g (0.318mol) 、 アルミニウムトリイソプロポキシ ド 15.68g (0.077mol) 、 p-フエノールスルホン酸 40.12 g (0.231mol) を 200ml ナスフラスコに入れ、 撹拌しながら 100°Cまで昇温した。 更に減圧下 (50mmHg) で 3時間撹拌し、 111 gのドデシルアルコ一ルで稀釈し、 210gの 20%触媒溶液を 調製した。
ドデシルアルコール 495.0 g (2.72mol) 、 無水グルコース 245 g (l.36mol) を 2 £四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 圧力 35〜40mmHgに保ち、 撹拌しなが ら 100°Cまで昇温した。 先に調製した 20%触媒溶液 10 gを滴下しそのまま 9時間 撹拌したところ、 グルコース転化率は 95%に達した。 反応終了後、 へキサン 2 に分散後、 微量の未反応グルコースをろ過により除き、 2N水酸化ナトリウム水溶 液で pH6.5に中和した。 へキサン、 ドデシルアルコールを留去し、 385gのドデシ ルグリコシドを得た。 ドデシルアルコールの残量はガスクロマ卜グラフより 1.5%、 また、 1H-NMR (200MHz) (CDCI3ZD2〇溶媒) より、 生成デシルグリコシド 1 モル中のグルコース骨格はグルコースが平均 1.28モル縮合 (縮合度 1.28) してい た。
以上より、 実施例 13〜15は比較例 7と比較して、 糖縮合が抑制され、 アルキル グリコシド収量が向上したことが確認された。
実施例 16
トルエン 50ml、 アルミニウムトリイソプロポキシド 5.00g (24.5mmol) 、 フエ ノール 2,31 g (24.6mmol) 及びメ タンスルホン酸 4.71 g (49.1 mmol) を 100ml 四つ口フラスコに入れ、 90°Cで 3時間撹拌した。 溶媒を留去し 7.6gの白色固体と して本発明化合物 ( j )を得た。 また固体 FT-1Rよりフエノール性水酸基の消失を認め、 化合物を同定した。
ォクチルアルコール 1 1 .7 g (0.09mol) 、 本発明化合物 ( j )0.31 g (I .Ommol) を 100ml四つ口フラスコに入れ、 窒素導入下、 撹拌しながら 95 °Cまで昇温した。 次 にェピクロロヒドリン 10.0 g (0.108mol) を 10分間で滴下し、 そのまま 5時間撹 拌した。 ハロヒドリンェ一テルの収率を GLCにより求めたところ、 86%であった。 また未反応ォクチルアルコールの残量を GLCにより求めたところ、 5 %以下であつ た。 産業上の利用可能性
アルミニウム化合物 (1 )は、 アルコリシスによる失活がなく、 触媒活性も高いの で特にアルコールを原料として用いる種々の反応において酸触媒として有用であ る。