WO1997026645A1

WO1997026645A1 - Keyboard musical instrument equipped with keyboard range display

Info

Publication number: WO1997026645A1
Application number: PCT/JP1997/000079
Authority: WO
Inventors: Hiroshi Matsunaga; Tatsuya Inaba; Hiroshi Kitagawa; Toshinori Matsuda
Original assignee: Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1996-01-19
Filing date: 1997-01-17
Publication date: 1997-07-24
Anticipated expiration: 1998-07-19
Also published as: JPH09198043A; US5907115A; CN1118792C; DE19780109T1; CN1178021A; KR19980703073A; DE19780109C2

Description

明細書鍵盤範囲表示装置付き鍵盤楽器技術分野

本発明は一般的には鍵盤楽器に関し、特に鍵盤上における演奏者の手の位置、および必要に応じては押鍵位置を表示する鍵盤範囲表示装置付き鍵盤楽器に関する。背景技術

従来のピアノや電子ピアノ等の鍵盤楽器においては、例えば特公昭 6 3 - 2 1 9 0 3号公報に開示されているように、鍵の表面あるいは鍵の近傍に表示器を設け、演奏データに基づいて押鍵位置、音符の長さなどを表示するものがあった。この押鍵指示装置においては、キーオンのタィミングで押下すべき鍵位置の表示器がオンになるか、あるいは前の鍵を押下した時に次に押下すべき鍵位置の表示器がオンになるように構成されていた。また、実公昭 6 3— 1 2 3 6 2号公報には、各鍵盤ごとに数字表示器を設け、押下すべき指番号を表示する技術が開示されている _c 更に、特開平 7— 3 3 4 0 7 3号公報には、鍵盤上の各鍵に対応して付設した L E Dにより、押下すべき鍵の位置と、演奏のための各指の位置とをそれぞれ表示する技術が開示されている。

従来の鍵盤楽器における押鍵指示装置においては、押鍵位置や時間、指番号などを表示させていたが、実際に初心者が押鍵表示装置を見ながら練習する場合に、文字や数字を読み取ったり、記号の形状を認識して押鍵していたのでは演奏に間に合わないという問題点があった。また、押鍵する際の手の位置が決まれば押鍵すべき指も自然に決定されるが、手の位置が直接指示されないタイプの押鍵指示装置においては、指番号を見て、どの指で押下すべきかを判断し、該指を押鍵すべき鍵の位置に移動させることにより、初めて手の位置が決定されるので、手の移動が遅れがちであるという問題点があった。更に、指の位置を表示する従来例においては、両方の手が接近した場合には位置の認識が難くなるという問題点があった。発明の開示

本発明の目的は、押下すべき鍵の位置と共に手の位置および押下すベき指の情報を直感的に認識可能な態様で表示する鍵盤範囲表示装置付き鍵盤楽器を提供することにある。

本発明の鍵盤楽器は、演奏時に手でカバ一すべき鍵盤範囲、または鍵盤上の手を置くべき位置を表示する範囲表示手段を設けたことを特徴とする。また本発明は、右手でカバーする鍵盤範囲を表示する右手範囲表示手段と、左手でカバーする鍵盤範囲を表示する左手範囲表示手段とをそれぞれ独立に、識別可能にして設けた点にも特徴がある。

本発明はこのような構成により、例えば各鍵対応に表示器を設けて、手でカバ一すべき鍵盤範囲の表示器を、残りの表示器と異なる表示状態にする（例えば点灯させる）ことにより、演奏者は該カバー範囲を瞬時に直感的に認識して、容易に該範囲に一致するように手を移動させることができる。従って、該位置に手を移動させて、表示されている押鍵位置に一番近い指で該鍵を押下することにより、正しい運指を練習することが可能となる。左右の手の位置の表示をそれぞれ独立して設けることにより、演奏中に左右の手が接近する場合にも、それぞれの手の位置および押下すべき指を明確に認識することができる。押鍵表示と運指表示が独立しているので、押鍵タイミングょり少し前に手の位置を移動させるように運指表示を行うことが可能である。図面の簡単な説明

図 1 は、本発明の消音機能付きピアノの構成を示すプロック図である。図 2は、電子楽器装置 3の構成を示すブロック図である。図 3は、ガイド制御装置 8の構成を示すブロック図である。図 4は、ガイド表示装置 9の構成を示すブロック図である。図 5は、本発明のガイド表示装置 9 の構造を示す正面図である。図 6は、専用の演奏データの場合の、各トラックの内容および処理の説明図である。図 7は、一般の演奏データの場合の、各卜ラックの內容および処理の説明図である。図 8は、表示信号の第 2、第 3バイ卜目の内容を示す説明図である。図 9は、ガイド表示装置 9の第 2の実施例の構造を示す正面図である。図 1 0は、ガイド表示装置 9の第 3の実施例の構造を示す正面図である。図 1 1は、電子楽器装置 3のメイン処理を示すフロ一チヤ一トである。図 1 2は、ガイド制御装置 8のメイン処理を示すフローチャートである。図 1 3は、ガィド制御装置のタイマ割込処理を示すフローチヤ一トである。図 1 4は、ガイド制御装置 8の M I D I信号受信割り込み処理を示すフローチヤ一卜である。図 1 5は、ガイド制御装置 8の M I D I信号送信割り込み処理を示すフローチャートである。図 1 6は、表示データ送信終了割り込み処理を示すフローチヤ一トである。図 1 7は、 S 2 1 のガイドパネル処理を示すフローチャートである。図 1 8は、表示データ作成送信処理を示すフローチャートである。図 1 9は、 S 2 2の M I D I入力処理を示すフローチャートである。図 2 0は、 S 8 4の表示処理の詳細を示すフローチャートである。図 2 1は、 5、 6チャネル処理を示すフローチヤー卜である。図 2 2は、 S 2 3の運指表示データ作成処理の詳細を示すフローチヤ一トである。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図 1は、本発明を消音機能付きピアノに適用した場合の電子ピアノ部の実施例を示すブロック図である。消音機能付きピアノは、通常のアコ一ステイツクピアノに、鍵を押下してもハンマーが弦を叩かないようにする消音機構および電子ピアノの回路を付加したものである。このピアノは、消音機構を働かせない場合には通常のアコ一スティックピアノと同様に演奏が可能であり、また消音機構を働かせた場合には、通常の電子ピアノと同様に、押鍵をスィツチにより電気的に検出して押鍵に対応する楽音を電子的に発生させる。消音機構は例えば特開平 7 - 9 2 9 6 5号公報に記載されているように周知であるので説明は省略する。

ピアノ 1内の電子楽器装置 3、キ一ボード回路 4、スピーカあるいはヘッドフォン 5、パネル 6、ペダル 7などは、押鍵指示装置の無い従来の消音機能付きピアノにも含まれており、当業者には既知である。電子楽器装置 3は、後述するように、 C P Uによる制御によりキーボード回路の押鍵信号をスキャンし、演奏操作に対応した楽音信号を発生させる。キーボード回路 4は、各鍵ごとに鍵の下部に配置され、押鍵に応答して異なるタイミングでオンになるスィツチ対の集合からなる。電子楽器装置 3は、該スィツチの状態変化によってキーのオンノオフを検出すると共に、各対の 2つのスィツチがオンになる時間差から押鍵速度を検出する。

スピー力あるいはへッドフォン 5は電子楽器装置 3から発生される楽音信号に相応する楽音を発生する。パネル回路 6は、電子ピアノの音色や効果等を設定するためのスィツチおよび設定等の状態を表示する表示器からなり、ペダル回路 7はダンバ一ペダルおよびソフ卜ペダルに連動したスィツチからなる。上述のような構成および機能は当業者には周知である。

ガイド表示装置 9は、例えば図 5に示すように、鍵盤上の各鍵 6 0， 6 1に対応して設けられた複数の表示器 6 3〜 6 9からなる。電子ピアノ部 1に接続された、外部の M I D I装置 2は、演奏情報をリアルタイムに発生させるものであり、例えば演奏情報である M I D I ファイル

(曲データ）を記憶、読出しできる既知の装置およびノまたは、リアルタイムに M I D I メッセ一ジを発生する市販のシーケンサが使用可能である。この M I D I シーケンサはテンポの設定、一時停止、早送り、リピート、再生しながら録音を行う機能等を有するのが望ましい。ガイド制御装置 8は、前記 M I D I装置 2から供給される演奏情報に基づき、ガイド表示装置 9を駆動すると共に、電子楽器装置 3に対して発生すベき演奏情報を出力する。ガイドパネル 1 0は押键指示モードを指定するためのスィツチ回路からなる。

図 2は、電子楽器装置 3の構成を示すブロック図である。 C P U (中央処理装置） 2 1は、 R O M 2 3に格納されている制御プログラムに基づき、電子楽器装置 3全体の制御を行ない、また、予め設定された周期で C P Uに割り込みをかけるタイマ回路を内蔵している。更に、 M I D I入出力端子 2 2を介して、ガイド制御装置 8 との間で M I D I信号をやり取りするためのシリアル信号入出力回路 2 2 Aを備えており、 M l D I信号の送受信時には、割り込みによって C P Uに通知を行うように構成されている。

R O M 2 3には制御プログラム、音色パラメータ、演奏データ等が記憶されている。 R A M 2 4はワークエリアおよびバッファとして使用され、バッテリ等によりバックアップされていてもよい。パネルインターフェース回路 2 5は、パネル 6の音色や効果等の選択用スィッチ、および各種表示器に対するィンターフェースからなる。キーボードスキャン回路 2 6は、キーボード回路 4の各スィッチをスキャンし、状態変化および押鐽速度を検出して C P U 2 1に通知する。

音源回路 2 7は、例えば波形読み出し方式により楽音信号を発生する。さらに具体的には、デジタル楽音波形情報が記憶されている波形メモリ 2 8から、発音すべき音高に比例したァドレス間隔で順次楽音波形を読み出し、補間演算等を行って楽音波形信号を発生させる。回路 2 7はまた、エンベロープ信号発生回路（図示せず）を有し、設定されたェンべロープパラメータに基づいて発生したエンベロープ信号を楽音波形信号に乗算してエンベロープを付与し、楽音信号を出力する。音源回路 2 7 は、複数の楽音発生チャネルを有しており、これらの楽音発生チャネルを時分割多重動作させることにより、同時に複数のデジタル楽音信号を発生可能である。

D / A変換器 2 9はデジタル楽音信号をアナ口グ信号に変換し、アンプ 3 0によって増幅されたアナ口グ楽音信号はスピー力あるいはへッドフォン 5によって発音される。バス 3 2は電子楽器装置 3内の各回路を接続している。図示していないが、必要に応じて、メモリカードインタ一フェース回路、フロッピィディスク装置等を備えていてもよい。

図 3は、ガイド制御装置 8の構成を示すブロック図である。 C P U 4 0は R O M 4 1に格納されている制御プログラムに基づき、ガイド制御装置 8全体の制御を行ない、また、予め設定された所定の周期で C P U に割り込みをかけるタイマ回路を内蔵している。 C P U 4 0は更に、 M I D I入力端子 4 6を介して、外部の M I D I装置 2からの M I D I メッセージを受信するシリアル信号入力回路 4 6 A、および M I D I入出力端子 4 8を介して、電子楽器装置 3へ M I D I信号を出力するためのシリアル信号出力回路 4 8 Aを備えており、 M I D I信号の送受信時には、割り込みによって C P Uに通知を行う。 C P U 4 0からの出力 M I D I信号および電子楽器装置 3から出力される M I D I信号は OR回路 4 7によって論理和がとられ、 M I D I 出力端子 4 5に供給される。

R OM4 1 には、後述するような処理を行うための制御プログラム等が記憶されている。 RAM4 2はワークエリアおよびバッファとして使用される。ガイド表示装置 9に表示用データを送信する表示装置ィンタ一フェース 4 3は、 DMA転送制御回路を内蔵し、 C P U 4 0からの指示に基づき、 RAM 4 2の所定のェリァに格納されている複数バイ卜の表示データを順に読み出し、シリアル信号（S S) として送出すると共に、シリアル信号の各ビットデータと同期してクロック信号（CK) を送出する。 DMA転送が終了すると、 C P U 4 0に対して割り込みをかけて終了を通知する。回路 4 3はまた、ガイド表示装置 9に対して、表示用信号をラッチするための信号を送出する。ガイドパネルインタ一フエース 44は、ガイドパネル 1 0上の押鍵指示モード指定用スィツチの状態を検出し、 C P U 40に通知すると共に、現在のモード情報をガイドパネル 1 0上の表示器に表示させる。

図 4は、ガイド表示装置 9の構成を示すブロック図である。ガイド表示装置 9は、ガイド制御装置 8の表示装置ィンターフェース 4 3から送出される表示信号 S Sを受信する、直列に接続された複数のシフトレジスタ（以下 S Rと記す） 5 0， 5 1……からなる。 S R 5 0、 5 1は例えば 8 ビットの S Rであり、初段の S R 5 0の入力端子 S I には表示装置インタ一フェース回路 4 3から出力されるシリアル信号 S Sが入力され、直列出力端子 S Oは次段の S Rの入力端子 S I に順に接続されている。 S Rのパラレル出力端子 Q 1〜Q 8には、電流制限用の抵抗 5 3 と発光ダイオード（L ED) の直列回路が接続され、 L E Dの他端は電源 (+ 5 V) に接続されている。従って、パラレル出力端子がロー（0) の時に対応の L E Dが点灯する。

表示装置ィンタ一フェース回路 4 3から出力されるクロック信号 CK およびラツチ信号 Lはそれぞれレシーバ 5 4、 5 5を介して各 S Rのクロック端子 CKおよびラッチ端子 Lに接続されている。 S R 50、 5 1 はクロック端子 C Kにクロックパルスが入力されるとレジスタの内容が右に 1 ビットシフトし、また、ラッチ信号 Lがハイ（ 1 ) の場合にはクロック C Kが入力されてもシフ卜せず、レジスタの内容がラッチされる。 L E Dの配置の 1例を図 5に示す。 S Rの各並列出力端子と L E Dの配列位置との対応は、ガイド制御装置 8から、表示データを L EDの配置に従って並べ替えて送出することにより、任意に決定可能である。例えば配線長をより短くするために、左から順次の S Rの並列出力端子を左から順次の L ED (図 5参照）に割り当ててもよレ、。

図 5は、本発明のガイド表示装置 9の 1例を示す正面図である。ガイド表示装置 9は、白鍵 6 0および黒鍵 6 1からなる鍵盤の後部上方にある鍵盤押さぇ部材 6 2上に配置された多数の L E D 6 3〜 6 9を含む。鍵盤押さえ部材 6 2は、鍵盤と殆ど接するように、鍵盤の後部上方に、後方に傾斜して配置されており、その内部では、例えば L ED 5 2および S R 5 0、 5 1……を取り付けたプリント配線基板の上部に、発光している L EDのみが見えるように、半透明の黒色ァクリル板からなる力バーが取付けられる。

L EDは各白鍵 6 0および黒鍵 6 1 と対応した位置にそれぞれ 3個づつ、基本的には、図 5に例示したように、 A、 B、 Cの 3列にそれぞれ例えば 8 8個が配置されている。上段すなわち A列の L E Dは例えば押鍵位置を表示する L EDであり、例えば白鍵用は緑色、黒鍵用は赤色である。対応する鍵の押下のときに点灯され、離鍵のタイミングで消灯される。中段すなわち B列の L E Dは右手のカバ一範囲を表示するためのォレンジ色の L E Dであり、下段すなわち C列の L E Dは左手のカバー範囲を表示するための L E Dである。 B、 C列の表示位置が変化する場合には、後述する処理によって、実際の手の移動速度に近い速度で滑らかに表示が移動する。

B列および C列の表示において、押鍵すべき特定の鍵に対応する L E Dは、例えば所定の周期で点滅させたり、輝度あるいは色を変化させるなど、同列の他の L E Dとは異なる表示形態とするのが望ましい。図 5 においては、 A列の L E D 6 8および 6 9によつて押鍵が表示されており、また、 B列の連続する 8個の L E D (陰影付きで示す）によって右手のカバー範囲が表示されている。更に A列の L E D 6 8、 6 9に対応する B列の L E Dは点滅している（斜線ハッチングで示されている）。鍵盤において黒鍵 6 1が無く、白鍵同士が隣接する箇所にはダンパーペダルおよびソフトペダルの操作表示用の L E D 6 6および 6 7が配置されている。このペダル操作表示用 L E D 6 6、 6 7は黒鍵の無い位置全部に設ける必要はなく、例えば鍵盤の低音部、中音部、高音部の黒鍵のない箇所に 3箇所程度設置するのみでもよい。ペダル操作表示用 L E Dは最低 1組あれば足り、また、この L E Dを省略しても運指の表示は可能である。

図 6は、本発明のガイド表示装置用の表示データを含む専用の演奏デ —タを使用してガイド表示を行う場合の、演奏データの各トラック（M

I D Iチャネル）の内容および各モードにおける処理を説明するための表である。図 1に関して前述したように、 M I D I フォーマットの演奏デ一タは、外部のシーケンサ等の M I D I機器 2からリアルタイムに再生されて電子ピアノ 1に供給される。演奏データの各トラックには、図

6の備考欄に記載されているようなデータが記憶されている。トラック 1、 2は演奏の録音用であり、初期状態ではデータは入っていない。トラックまたはチャネル 3、 4は左右それぞれの手に対応する演奏情報である M I D I メッセージが格納されている。トラック 5、 6 にはそれぞれ左右の手に対応する押鍵および運指の表示データが格納されている。この表示データには M I D Iのポリフォニックキープレツシャ一信号を使用している。この信号を使用する理由は、この信号は通常は使用されず、また特定のチャネルに、任意のパラメータを有する該信号が多数存在していても、自動演奏に影響を与えないためである。表示用に他の M I D I メッセージを使用する力、、あるいは独自のフォ一マッ卜の演奏情報を使用してもよい。

図 8は専用演奏データ中の表示データに使用するポリフォニックキ一プレッシャー信号の第 ₂、第 3バイト目の内容を示す説明図である。ポリフォニックキープレッシャー信号は 3バイ卜からなり、第 1バイ卜はポリフォニックキープレツシヤー信号を表すステータス情報および M I D I チャネル情報である。第 2バイトおよび第 3バイトは図 8に示すように、表示データの属性及び値を示している。例えば、第 2バイトが 0 0である場合には該データの第 3バイ卜が運指下限ノートナンパ（キーナンパ）を表しており、また第 2バイ卜が 2 1から 1 0 8である場合には、第 2バイ卜の値がノートナンパを表し、このとき第 3バイトが 0 0 以外であればノートガイドオン、即ち第 2バイ卜で示されている押鍵すべき鍵の位置の表示をオンにすることを示している。 M I D I システムでは通常、 8 8键ピアノの第 1〜第 8 8鍵がノートナンパ 2 1〜1 0 8 に対応する。

図 1 1は、電子楽器装置 3のメインフローチヤ一卜である。電源が投入されると、ステップ S 1においては、音源回路 2 7や R A M 2 4内のデータを初期化する。ステップ S 2においては、キ一ボードスキャン回路 2 6を介してキ一ボ一ドの各鍵のスィツチの状態をスキヤンし、キ一イベント、即ち各鍵に対応するスィツチの状態変化があつたか否かが判定される。ステップ S 3においてキーオンである場合にはステツプ S 4 に移行し、音源回路 2 7の空いている発音チャネルを割り当てるキ一ァサイン処理を行い、ステップ S 5においては音源回路 2 7の割り当てられたチャネルに各種パラメータを設定して発音を開始する。一方、キーオフの場合にはステップ S 3からステップ S 6に移行して、キーオフ処理を行う。キーイベントを検出した時点でキ一ィベントに対応する M I D I送信処理も実行され、例えば外部の M I D I シーケンサ 2において該演奏情報を録音することも可能である。

ステップ S 7においては、パネルイベント、即ちパネル上の各種スィツチの状態変化があつたか否かが判定され、状態変化があった場合にはステップ S 8に移行して前記ィベン卜に対応するパネル処理を行う。ステツプ S 9においては、 M I D I イベント、即ち M I D I メッセージ信号の受信があつたか否かが判定され、受信した場合にはステップ S 1 0 に移行して、発音あるいはキーオフ等の M I D I信号処理が、キ一ィベントに対する処理と同様に行われる。外部から受信した M I D I信号はガイド制御装置 8によって外部出力端子に出力されるので、電子楽器装置 3においては、受信した M I D I信号は再送信しない。ステップ S 1 1においては、その他の処理、例えば効果付加処理、自動演奏処理等が行われる。電子楽器における図 1 1のような処理は周知であるので、詳細説明は省略する。

図 1 2は、ガイド制御装置 8のメインフローチャートである。ステツプ S 2 0においては、ガイド表示装置 9や R A M 4 2內のデータを初期化する。ステップ S 2 1 においては、図 1 7を参照して後述するようにガイドパネル 1 0上の押鍵指示モードを指定するためのスィツチの状態 P /JP97/00079

- 1 2 変化を検出し、モードの更新処理等を行う。ステップ S 2 2においては、図 1 9を参照して後述するように、 M I D I信号が受信されていた場合には、表示用データの生成および M I D I信号の転送等の M I D I入力処理を行う。ステップ S 2 3においては、図 2 2を参照して後述するように、左右の手の位置等を表示する運指表示データの作成処理を行う。

ステップ S 2 4においては、図 1 8を参照して後述するように、ガイド表示装置 9に転送する表示データを作成し、送信する処理を行う。

図 1 3は、ガイド制御装置 8のタイマ割り込み処理を示すフローチヤ一トである。ガイド制御装置 8の C P U 4 0は内蔵するタイマ回路から所定の周期でタイマ割り込みを受ける。ステップ S 3 0においては、ガィドパネル処理周期を決定するガイドパネル処理タイマ力ゥンタを + 1 する。ステップ S 3 1においては、表示データ送信周期を決定する表示デ一タ送信タイマカウンタを + 1する。ステップ S 3 2においては、運指表示周期を決定する運指表示タイマカウンタを + 1する。ステップ S 3 3においては、 L E Dの点滅周期決定用のカウンタを + 1する。ステップ S 3 4においては、 L E D点滅力ゥンタ値が所定値 Kを超えたか否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 3 5に移行して点滅フラグの値を反転し、ステップ S 3 6においては、 L E D点滅カウンタをクリアする。 Kの値は点滅周期が例えば数百ミリ秒程度になるよう決定するのがよレ、。

図 1 4は、ガイド制御装置 8の M I D I信号受信割り込み処理を示すフローチャートである。この処理は、 M I D I信号を 1バイ卜受信する度に起動される。ステップ S 4 0においては、受信された M I D I信号を入力（受信）回路 4 6 Aのレジスタから読み出し、ステップ S 4 1 においては、 R A M 4 2内の受信バッファに格納する。

図 1 5は、ガイド制御装置 8の M I D I送信割り込み処理を示すフロ一チヤ一トである。この処理は 1バイトの M I D I信号送信が終了した時に起動される。ステップ S 4 3においては、 R A M 4 2内の送信バッファ内に送信すべきデータが有るか否かが判定され、結果が肯定の場合にはステツプ S 4 4に移行して、送信バッファからデータを 1バイト取り出して出力（送信）回路 4 5 Aに転送し、送信回路を起動して送信させる。

図 1 6は、表示データ送信終了割り込み処理を示すフローチヤ一卜である。この処理は、後述する表示データ作成送信処理（図 1 8 ) が終了した時に起動される。ステップ S 4 7においては、 C P U 4 0は表示装置インターフェイス 4 3からハイレベルの送信データラッチ信号 Lを送出し、ガイド表示装置のシフトレジスタ 5 0、 5 1のシフトを禁止し、データをラツチさせる。

図 1 7は、図 1 2のガイドパネル処理（ S 2 1 ) の詳細フローチヤ一トである。ステップ S 5 0においては、ガイドパネル処理タイマ用カウンタの値が所定値以上であるか否かにより、予測されたスィツチのチヤタリング時間が経過したか否かが判定され、結果が肯定の場合には、該カウンタをクリアしてステップ S 5 1に移行する。ステップ S 5 1においては、ガイドパネル 1 0上のモ一ド選択スィツチの状態情報を入力し、ステップ S 5 2においては、チヤタリングによる誤動作を防止するために、前回入力した状態情報と今回入力した状態情報とを比較して、 2回 (または、それ以上）の状態が一致することを確認する。状態が不一致の場合にはガイドパネル処理を終了する。

ステップ S 5 3においては、記憶されている現在のスィツチ状態情報と新たに入力された状態情報とを比較することによってスィッチィベン卜が検出され、ステップ S 5 4においてスィッチオンイベント有りと判定された場合にはステップ S 5 5に移行する。ステップ S 5 5において T JP97/00079

は、イベントに対応してモード番号を更新し、ステップ S 5 6においては、電子楽器装置 3に対して発音処理の初期化を行わせる M I D I信号を送出することによって音源回路 2 7の初期化を行い、またガイド表示データも初期化して、表示を全てオフにする。

図 1 8は、図 1 2の表示データ作成送信処理（S 2 4 ) の詳細フローチャートである。ステップ S 6 0においては、表示データ送信タイマ用力ゥンタの値が所定値以上であるか否かにより、所定の時間が経過したか否かが判定され、結果が肯定の場合には、該カウンタをクリアしてステツプ S 6 1 に移行する。ステップ S 6 1 においては、押鍵指示、運指指示およびペダル操作指示 L E Dのオン Zオフデータに基づき、運指指示用 L E Dのうち、押鍵指示と一致する L E Dについては点滅フラグとの論理積を取って発光が点滅するように処理し、図 4に示すガイド表示装置 8の L E D 5 2の配列順序と対応するように L E Dオン/オフデ一タを並べ替える。

ステップ S 6 2においては、生成された表示用データを R A M 4 2の所定のエリアに格納し、ラッチ信号： Lをロー（0 ) にして S R 5 0 , 5 1のラツチを解除し、表示装置ィンターフェイス 4 3に前記データの D M A転送を実行させる。表示装置インタ一フェイス 4 3は、前述したように、表示用データを R A M 4 2から順に読み出してシリアル信号 S S としてガイド表示装置 9に送出する。データ転送の間は表示が乱れるかも知れないが、非常に短い時間であるので事実上の問題は無い。

図 1 9は、図 1 2の M I D I入力処理（ S 2 2 ) の詳細フローチヤ一トである。ステップ S 7 0においては、受信バッファ内に受信データがあるか否かが判定され、無い場合には処理を終了するが、あった場合にはステップ S 7 1に移行して受信バッファからデータを読み出す。ステップ S 7 2においては、受信データが F A H ( 1 6進表示）、即ち M I D I のスタートメッセージであるか否かが判定され、結果が肯定であればステップ S 7 3に移行して、 M I D Iデータの種類を「一般データ」と設定する。シーケンサは演奏開始時に、通常はスタートメッセージを出力するので、ステップ S 7 3の処理によって演奏開始時のデフオルト値が「一般データ」になる。ステップ S 7 4においては、表示データが初期化、即ち全てオフに設定され、ステップ S 7 0に戻る。

ステップ S 7 2から S 7 5に移行した場合には受信データがステ一タスパイト（即ち M S B = 1 ) か否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 7 6に移行して、データが C 0 H以上である力、、または M l D Iチャネルが 7チャネル以上であるか否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 7 7に移行して、ステータスバイ卜を格納するバッファの內容を 0にし、ステップ S 7 0に戻る。従って、 C 0 H以上のステ一タスバイトあるいは 7チャネル以上の M I D Iチャネルを持つ M I D I メッセージはここで削除されるが、一般的にこのような情報は含まれていないので、演奏等に問題はない。このようなデータはスルー処理するようにしてもよい。本明細書において、「スルー処理」は受信した M I D Iデータを何ら処理することなしに転送することを意味する。ステツブ S 7 6の判定結果が否定の場合には、ステップ S 7 8において、受信データをステ一タスバッファに格納し、ステップ S 7 9においては，受信バイトカウンタの値を 1に設定してステップ S 7 0に戻る。

受信データがステータスバイトでない場合には、ステップ S 8 0においてステータスバッファの内容が 0か否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 7 0に戻るが、否定の場合にはステップ S 8 1に移行する _e ステップ S 8 1 においては、受信バイト数が 1か否かが判定され. 結果が肯定であればステップ S 8 5に移行して 2バイト目のデータをバッファに格納し、ステップ S 8 6において、受信バイト数を 2に設定しステップ S 7 0に戻る。

受信バイト数が 1 でない（2である）場合にはステップ S 8 1から S 8 2に移行して、 3バイト目のデータをバッファに格納し、ステップ S 8 3においては、受信バイト数を 1にする（0にしないのは、ランニンダステ一タスに対応するため）。ステップ S 8 4においては、つぎに述ベる表示処理を行い、ステップ S 7 0に戻る。前記の「ランニングステ一タス」は M I D I情報の送信の一方式である。 M I D I メッセ一ジは通常 3バイ卜からなる。例えば 2つのノ一トデータを連続送信する場合、これらデータのステータス（ 1バイト目）が同じなら、 2番目に送信されるノートデータの 1バイト目を省略することができる。このような送信方式がランニングステータスと呼ばれる。

図 2 0は、図 1 9の表示処理（ S 8 4 ) の詳細フローチヤ一トである。ステップ S 9 0においては、 M I D I信号のチャネルが 1ないし 4チヤネルの 1つであるか否かが判定され、結果が否定（即ち 5、 6チャネル）の場合には後述する 5、 6チャネル処理（図 2 1 ) に移行するが、肯定の場合にはステップ S 9 1に移行する。ステップ S 9 1においては、 M I D I信号がノートオン/オフ信号（キーオンノオフを表わす）であるか否かが判定され、結果が肯定の場合にはステツプ S 9 2に移行する。

ステップ S 9 2においては、演奏データが一般データか専用データかの別および現在のモ一ド値に基づき、図 6あるいは図 7のテーブルを参照して、処理中の M I D I信号が発音処理すべきチャネル（卜ラック）のものか否かが判定される。例えばモード値が 2であり、演奏データが「専用データ」で、チャネルが 3の場合には図 6のモード 2、トラック 3の欄を参照して発音処理すべきデータであると判定する。ステップ S 9 2の判定結果が肯定の場合にはステップ S 9 3に移行して、該 M I D I信号を送信バッファに格納して M I D I送信動作を起動するスル一処理が実行される:，この処理によって該 M 1 D I信号は M I D I出力端子 4 5および電子楽器装置 3に転送され、発音処理が実行される。また、例えば表示のみで発音しないデータはスルー処理（S 9 3 ) を迂回するので外部へは出力されない。

ステップ S 9 4においては、演奏データが一般データであるか否かが判定される。専用データである場合には、 1〜 4チャネルは表示には使用しないので、処理を終了する。一般データの場合にはステップ S 9 5 に移行し、図 7のテーブルを参照して、該 M I D I信号が表示すべきチャネルのものであるか否かが判定される。表示すべきものである場合にはステップ S 9 6に移行し、押鍵指示 L E Dのオン/オフデータを更新する。即ちノートオンデータであれば、ノートナンパに対応する押鍵表示用 L E Dの表示データをオンに設定し、ノ一卜オフデータの場合にはオフに設定する。従って、一般データの場合にはノートオンノオフデ一タに基づいて押鐽位置の表示のみが行われ、運指（手の位置）表示は行われない。

ステップ S 9 1の判定結果が否定の場合にはステップ S 9 7に移行し、ボリュームメッセージであるか否かが判定され、肯定の場合にはステツプ S 1 0 4に移行してステップ S 9 3 と同じスル一処理が行われるが、否定の場合にはステップ S 9 8に移行する。ステップ S 9 8においては、ダンパーオンノオフメッセージであるか否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 9 9に移行してダンバペダルの操作表示を行うべきモードおよびデータ属性であるか、即ち一般データでモ一ド 5以外であるか否かが判定される。結果が肯定であればステップ S 1 0 0に移行し. ダンバ一オン Zオフメッセージに従ってダンバペダル操作表示データをオン/オフし、ステップ S 1 0 4に移行する。

ステップ S 1 0 1 においては、ソフトペダルオン/オフメッセージであるか否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 1 0 2に移行してソフトペダルの操作表示を行うべきモードである力、、即ち一般データでモ一ド 5以外であるか否かが判定される。結果が肯定であればステップ S 1 0 3において、ソフトペダルオン Zオフメッセージに従ってソフ卜ペダル操作表示データをオン Zオフし、ステップ S 1 0 4に移行する。

図 2 1は、図 2 0のステップ S 9 0の判定結果が否定の場合に移行する 5、 6チャネル処理を示すフローチャートである。ステップ S 1 1 0 においては、ステータスバイ卜が A 4あるいは A 5 (表示用データが格納されている M I D Iチャネル 5あるレ、は 6のポリフォニックキープレッシヤーメッセージである）か否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 1 1 1 に移行する。結果が否定の場合に、本実施例では処理を終了しているが、第 5、 6チャネルも一般データ用として使用されている場合にも正しく演奏するために、否定の場合には該] VI I D I信号をスルー処理してもよい。ステップ S 1 1 1 においては、 2バイト目が 0 0であるか否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 1 1 2に移行して、 3バイト目の運指下限ノートナンパデータを運指下限目標値として格納する。

ステップ S 1 1 3においては、 2バイト目が 0 1であるか否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 1 1 4に移行して、 3バイト目の運指上限ノ一卜ナンパデータを運指上限目標値として格納する。ステップ S I 1 5においては、演奏データの種類を「専用データ」に設定する。なお、ポリフォニックキープレッシャーメッセージの 2バイト目はノ一トナンパであり、標準的なピアノの場合にはノ一トナンパは 2 1以上であるので、 2バイト目が◦ 1である場合には押鍵表示データを含む専用データであると判定する。ステップ S 1 1 6においては、図 6のテ一ブルを参照して、該チヤネルのデータを表示すべきか否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 1 1 7に移行して運指表示移動モードを設定し、処理を終了する。この運指表示移動モードの値は、左右それぞれの運指（手の位置）表示の上限値および下限値の現在の値が S 1 1 2あるいは S 1 1 4で格納された目標値と一致している場合には 0であり、例えば現在値が目標値より小さレ、（左にずれている）場合には + 1、大きレ、（右にずれている）場合には一 1の値が設定される。なお、目標値の上限値と下限値とはべァとして取极われ、下限値のみが変更される場合においても、前と同じ値の上限値データを受信することによってステップ S 1 1 5〜 1 1 7の処理が実行される。

ステップ S 1 1 8においては、専用データであるか否かが判定され、否定の場合は処理を終了する。専用データである場合にはステップ S 1 1 9に移行して、 2バイト目が 0 2であるか否かが判定される。 0 2である場合にはステップ S 1 2 0に移行して、ダンバペダル操作の表示を行うべきモードであるか否かが判定される。肯定の場合にはステップ S 1 2 1に移行し、ステップ S 1 0 0 (図 2 0 ) と同様のダンバペダル操作の表示処理を行って処理を終了する。ステップ S 1 2 2においては、 2バイト目が 0 3であるか否かが判定され、 0 3である場合にはステップ S 1 2 3に移行して、ソフトペダル操作の表示を行うべきモードであるか否かが判定される。表示すべきである場合にはステップ S 1 2 4に移行し、ステップ S 1 0 3 (図 2 0 ) と同様のソフトペダル操作の表示処理を行う。

ステップ S 1 2 5においては、 2バイト目力； 2 1 〜： 1 0 8 (前述のように、標準的な 8 8鍵のピアノの場合のノートナンパ範囲）であるか否かが判定される。結果が肯定の場合にはステップ S 1 2 6に移行し、該メッセージが表示すべきチャネルのものであるか否かが判定される。ステツプ S 1 2 6の結果が肯定の場合にはステップ S 1 2 7に移行して、ステップ S 9 6 (図 2 0 ) と同様の L EDオン/オフデータ生成処理が行われる。

図 2 2は、図 1 2の運指表示データ作成処理（S 2 3 ) の詳細を示すフローチャートである。ステップ s i 3 0においては、運指表示タイマカウンタの値が所定値以上であるか否かにより、所定の時間（例えば数十ミリ秒から数百ミリ秒）が経過したか否かが判定され、結果が否定のときは処理を終了する。結果が肯定の場合には、該カウンタをクリアしてステップ S 1 3 1 に移行する。ステップ S 1 3 1〜S 1 3 8は左手の上限運指モード処理である。ステップ S 1 3 1においては、左手上限運指モード値が 0か否かが判定され、結果が否定の場合にはステツプ S 1 3 2に移行し、左手運指表示を全てオフに設定する。ステップ S 1 3 3 においては、左手上限運指モードが 1であるか否かが判定され、結果が肯定であればステップ S 1 3 5に移行し、左手運指表示上限現在値に 1 を加算する。またモードが 1でない（― 1である）場合にはステップ S 1 3 4に移行し、現在値から 1 を减算する。

ステップ S 1 3 6においては、更新した上限および下限現在値の間に対応する L E D表示データを全てオンに設定する。ステップ S 1 3 7においては、左手の上限現在値が目標値（図 2 1の処理で決定される）と等しいか否かが判定され、結果が肯定の場合にはステップ S 1 3 8に移行して、左手上限値の運指モードを 0に設定する。

ステップ S 1 3 9、 S 1 4 0、 S 1 4 1 においては、左手下限値、右手上限値、右手下限値について、ステップ S 1 3 1〜S 1 3 8の処理と同様の処理が実行され、それぞれ運指表示データが更新される。この運指表示データ作成処理の起動周期（ステップ S 1 3 0の時間）を適当に設定することにより、運指表示が移動する場合に、表示を間欠的にではなく、実際の手の動きと同様に滑らかに移動させることが可能となる。図 9は、ガイド表示装置 9の第 2の実施例を示す正面図である。この例では、第 1の実施例である図 5のガイド表示装置の上段（A列）の押鍵表示用の L E Dが省略され、 2段の構成になっている。表示方法は前述した左右の運指表示と同様の方法で、押鍵すべき位置の L ED 70、

7 3を点滅させてもよいし、その色や輝度を他の表示と異ならせて視認性を向上させてもよい。この実施例においては、ペダル用の L ED 7 6、

7 7が、黒鍵の無い位置にそれぞれ 1個のみ配置されており、一方のぺダルの情報のみを表示するか、 2色 L EDを使用して発光色の違いで 2 種類の情報を表示するかする。あるいは、黒鍵の無い位置にそれぞれ異なる色の少なくとも 2つの L EDを配置して 2種のペダルの情報を表示してもよい。

図 1 0は、ガイド表示装置 9の第 3の実施例を示す正面図である。この実施例は、第 1の実施例の第 1段目（A列）の各 L EDの配置を黒鍵と白鍵の位置に対応させて上下方向にずらし、全体として 4段に構成したものである。更に黒鍵用 L ED 8 1 と白鍵用 L ED 80の色を変えてもよい。これにより視認性がより向上する。第 1〜第 3の実施例において、例えば LEDを高い周波数で点滅表示させたり、また点灯する時間比率を制御することによって実効的な発光輝度を調整することができる以上、本発明の実施例を説明したが、さらに次のような変形例も考えられる。実施例としては消音形ピアノに表示用の回路を付加する構成を開示したが、本発明を一般的な電子ピアノや鍵盤楽器に適用する場合の構成も同一でよい。例えばガイド制御装置 8と電子楽器装置 3、更には M I D Iシーケンサ 2を一体化して、 1つの C P Uで制御することも可能である。通常のァコースティックピアノにガイド表示装置を付加する場合には、ガイド制御装置 8、ガイド表示装置 9、ガイドパネル 1 0のみを付加すればよい。

表示素子としては L E Dを使用する例を開示したが、液晶、蛍光表示管、電球、 E L素子等任意の表示素子を使用可能である。表示装置の構造としては、 2段ないし 4段のものを開示したが、例えば 2色発光 L E Dを使用することによって 1段の表示装置で左右の手の位置を独立的に表示することも可能である。また実施例においては、上段を押鍵位置表示に使用する例を開示したが、押鐽位置表示は中段、あるいは下段であつてもよい。

運指データは、専用データとして予め作成されたものを使用する例を開示したが、運指データは押鍵指示データとは独立しているので、実際の手の動きに合わせて表示タイミングを決定することが可能であり、押鍵タイミングの前に手の移動の表示を行うことによって、手の実際の移動がスムーズに行える。また、例えばデモ演奏等においては、前記運指および押鍵指示データを用いて、押鍵位置および運指表示ではなく、曲相に合ったイルミネーション（電飾）あるいは動画を表示することも可能である。

専用データの場合、ペダルの演奏情報は、他の音源装置で演奏した場合においても正常に動作するように、 3 、 4 トラック（チャネル）に同じ演奏データを入れておいてもよい。また、 5 、 6 卜ラックのペダル表示情報を省略し、一般データと同様に、 3 、 4 トラックの演奏情報を用いて表示を行うようにしてもよい。産業上の利用可能性

以上述べたように、本発明は、アコースティックや電子ピアノなどの種々の鍵盤楽器において、各鍵対応に表示器を設けて、演奏のために手でカバ一すべき鍵盤範囲の表示器を、残りの表示器と異なる表示状態にする（例えば点灯させる）ことにより、演奏者は該カバー範囲を瞬時に直感的に認識して、容易に該範囲に一致するように手を移動させることができる。従って、該位置に手を移動させて、押下表示されている鍵位置に一番近い指で、その指に最も近い鍵を押下することにより、正しい運指を練習することが可能となる。左右の手の位置をそれぞれ独立して表示することにより、演奏中に左右の手が接近する場合にも、それぞれの手の位置および押下すべき指を明確に認識することができる。更に、押鍵表示と運指表示が独立しているので、押鐽タイミングょり少し前に運指表示を移動させることが可能であり、より自然な手の動きをガイド表示することが可能となる。

Claims

請求の範囲

1 . 鍵盤上の各鍵に対応して設けられ、演奏中に演奏者の手でカバーすべき鍵盤範囲を表示する多数の範囲表示素子よりなる範囲表示手段と、演奏情報に含まれる表示情報を抽出する手段と、

前記表示情報に基づいて、前記範囲表示素子の內の指定されたものの表示態様を、残りのもののそれとは異ならせる駆動手段とを備えたことを特徴とする鍵盤楽器。

2 . 前記範囲表示手段は、演奏者の右手でカバ一すべき鍵盤範囲を表示する右手範囲表示手段と、演奏者の左手でカバーすべき鍵盤範囲を表示する左手範囲表示手段とよりなる請求項 1に記載の鍵盤楽器。

3 . 鍵盤上の各鍵に対応して設けられた多数の押鍵位置表示素子と、前記表示情報に基づいて、演奏のために押下されるべき鍵に対応する押鍵位置表示素子を、残りのものの表示態様とは異なるように付勢する押鍵位置表示手段とをさらに具備した請求項 1 または 2に記載の鍵盤楽器。

4 . 前記範囲表示手段は 1列に整列された 2色発光素子よりなり、右手範囲および左手範囲が互いに異なる色で表示されるように駆動される請求項 2に記載の鍵盤楽器。

5 . 押鐽位置表示素子は鍵盤範囲を表示する表示素子に含まれ、押鍵位置表示素子が範囲表示素子とは違った態様で付勢される請求項 3に記載の鍵盤楽器。

6 . 前記右手範囲表示手段および左手範囲表示手段が、それぞれ別個の列に配置された請求項 2または 5のいずれかに記載の鍵盤楽器。

7 . 前記右手範囲表示手段、左手範囲表示手段、および押鍵位置表示手段の各表示素子が、それぞれ別個独立の多重列に配置された請求項 3に記載の鍵盤楽器。

8 . 押鍵位置表示手段の各表示素子がさらに、白鍵および黒鍵の列に分離された請求項 7に記載の鍵盤楽器。

9 . 前記右手範囲表示手段および左手範囲表示手段の各表示素子の表示色が異なる請求項 2、 5、 6、 7のいずれか 1に記載の鍵盤楽器。

1 0 . 鍵盤の各鍵対応に、前記右手範囲表示手段および左手範囲表示手段の 2個の表示素子が鍵の上部に縦に配置された請求項 2、 7、 8、 9 のいずれか 1 に記載の鍵盤楽器。

1 1 . 鍵盤の各鍵対応に、前記右手範囲表示手段、左手範囲表示手段、および押鍵位置表示手段の 3個の表示素子が鍵の上部に縦に配置された請求項 3または 8のいずれかに記載の鍵盤楽器。

1 2 . 演奏途中に演奏者の手でカバーすべき鍵盤範囲の表示位置が前の表示位置と異なる場合には、前記鍵盤範囲表示は人間が認識可能な予定の度速で、前の表示位置から後の表示位置へ移動される請求項 1 、 2、

5〜 7、 9〜 1 1のいずれかに記載の鍵盤楽器。

1 3 . 前の表示位置から後の表示位置への移動は、演奏者の手の後の表示位置での予定された押鍵時刻よりも早めに実行される請求項 1 2に記載の鍵盤楽器。

1 4 . 更に、ペダルの操作情報を表示する表示素子よりなるペダル操作表示手段と、

演奏情報に含まれるペダル操作表示情報を抽出する手段と、前記ペダル操作表示情報に基づいて、ペダル操作表示素子を駆動する第 2駆動手段とを備えた請求項 1ないし 1 3のいずれか 1に記載の鍵盤楽器。

1 5 - ペダル操作表示素子は鍵盤上の 2つの白鍵が直接隣接する位置に対応して配置された請求項 1 4に記載の鍵盤楽器。

1 6 . 演奏情報に基づいて楽音信号を発生させる楽音信号発生手段と、演奏情報の各チャネルごとに表示および発音のオン Zオフを制御するモ一ド制御手段とを更に備えた請求項 1ないし 1 5のいずれか 1に記載の鍵盤楽器。

1 7 . 前記表示情報は、演奏 M I D I情報の特定のチャネルを使用し、 M I D I メッセージを使用して格納されていることを特徴とする請求項 1 6に記載の鍵盤楽器。