WO1997009958A1

WO1997009958A1 - Cosmetic

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Publication number: WO1997009958A1
Application number: PCT/JP1996/002645
Authority: WO
Inventors: Nobuchika Urakabe; Keiichiro Okabe
Original assignee: Advance KK
Current assignee: Advance KK
Priority date: 1995-09-14
Filing date: 1996-09-13
Publication date: 1997-03-20
Anticipated expiration: 1998-03-14
Also published as: AU6945596A; JPH0977653A

Description

明細書化粧料技術分野

本発明は化粧料組成物に関し、更に詳しくは皮膚常在細菌の増殖因子、皮膚有害細菌の生育阻害因子及び皮膚常在細菌の栄養源を 1 種又はそれ以上を含む、ヒトの皮膚の正常化、および活性酸素や紫外線による障害防御等に有効な化粧料組成物に関する。背景技術

従来から皮膚の乾燥や肌荒れの防止又は改善、及び活性酸素や紫外線による障害防御を目的とした化粧料については、クリーム等のヒト皮脂膜の有する皮膚保護作用 · 自浄作用等を模擬するもの、天然物から抽出した原料を含有する皮膚賦活作用を有するもの、紫外線を反射又は吸収する素材を含有する紫外線による障害から皮膚を防御するもの等が盛んに用いられ今日に至っている。

しかしながら、人工的に組成された化粧料は皮膚の自然な機能によって組成されるものには到底及び得ないものであり、さらにヒトの皮膚には普通肌、脂性肌、乾燥型脂性肌、乾性肌の 4 タイプがあり、それぞれのタイプによって皮膚の乾燥や肌荒れの防止法や改善法は変えなければならない。

また、活性酸素や紫外線による障害防御を目的として人工的に組成された化粧料は、その作用時間が限られてしまう。さらに、人工的に組成された化粧料は、皮膚の自然な機能によって組成される状況に比較すると、その安定性の面で多くの問題点を有している。従って従来の化粧料は、皮膚の正常化、及び活性酸素や紫外線による障害防御等に対して広範囲な効果と安全性を期待することができないという欠点を有していた。発明の開示

従って本発明の目的は、前記した従来の化粧料の問題点を解決して、皮 J の正常化、及び活性酸素や紫外線による障害防御に有効な化粧料組成物を提供することにある。

本発明に従えば、皮膚常在細菌の増殖因子、皮膚有害細菌の生育阻害因子及び皮膚常在細菌の栄養源の中から選ばれた 1 種又はそれ以上の因子又は成分並びに基剤を含んでなる化粧料組成物が提供される。図面の簡単な説明

以下図面を参照しながら本発明を更に具体的に説明する。

図 1 ( a ) 、（ b ) 及び（ c ) はケラチンあるいはォリーブオイル添加培地の皮膚常在細菌増殖効果を示すグラフである。

図 2はステアリン酸、ォレイン酸の皮膚常在細菌増殖効果を示すグラフである。

図 3 ( a ) 及び（ b ) は菌体成分液とサンスクリーンクリームの紫外線吸収スぺクトルを示すグラフである。発明を実施するための最良の形態

本発明者等は上記した状況を鑑み、皮膚の正常化、及び活性酸素や紫外線による障害防御等に対して広範囲な効果がある方法について鋭意研究を重ねた結果、皮膚常在細菌叢の状態を正常化し、さらに活性化することが重要な要件であることを解明した。

即ち、具体的には、皮) 常在細菌の増殖因子、皮膚有害細菌の生育阻害因子及び皮膚常在細菌の栄養源の中から選ばれた 1 種又はそれ以上の因子又は成分を含有する組成物を皮膚に散布又は塗布することによって、皮膚の正常化、及び活性酸素や紫外線による障害防御に対して著しい効果を示すことを認め、本発明を完成するに至つた。このように、本発明は、自然皮脂膜の本件は、皮 If常在細菌とその代謝産物に他ならないこと、また皮膚常在細菌は皮 I 表層に発生する活性酸素や紫外線による障害を防御していること等に着目して成されたものである。

すなわち、本発明の化粧料組成物は、プロピオ二バクテリウ厶 - ァクネス (Prop i on i bacterium acnes) やス夕フィ口コッカス · ェピデルミディス ( Staphylococcus epidermidis) 等の皮膚常在細菌の増殖因子としての必須アミノ酸である、アルギニン、イソロイシン、ロイシン、メチォニン、フエ二ルァラニン、プロリン、トリプトファン、チロシン、パリン、及び高級脂肪酸であるステアリン酸、ォレイン酸を 1種又はそれ以上含有する。

また、本発明の化粧料組成物は、スタフイロコッカス ' ァウレゥ X (Staphylococcus aureus) 等の皮膚有害細菌の生育阻害因子としての高級脂肪酸である、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ァラキジン酸、ァラキドン酸を 1 種又はそれ以上含有する。

さらに、本発明の化粧料組成物は、皮; 常在細菌の栄養源として皮脂及至汗に含まれる成分を 1 種又はそれ以上含有する。

本発明者等は、男女各年齢層について皮膚常在細菌の数量と種類、皮膚表層の成分、皮膚の生理的，生化学的状態等について鋭意研究を行い、その結果として以下のことを解明した。

ヒトの皮膚表層には代表的な細菌として、プロピオ二バクテリウ厶 '—ァクネスとス夕フィロコッカス · ェピデルミディスが常在し、その平均的な数量は、皮 1 cm ² 当たりプロピオニバクテリゥ厶ァクネスは数万個から数十万個、スタフィロコッカス · ェピデルミディスは数百から数千個に及びことが判明した。

この皮縢常在細菌は、皮膚表層に分泌又は存在する皮脂や汗、脂質 · 蛋白質 · 糖質等の物質を栄養源にして生育し、増殖を繰り返している。この時、皮膚常在細菌は多種多様な代謝産物をつくり出し、皮脂線から分泌される皮脂と汗線から分泌される汗が乳化したものと共に皮膚の乾燥や炎症を防ぎ、活性酸素や紫外線による障害を防御し、さらには皮膚有害細菌の生育を阻害する層（以下「皮脂層」という）を形成することを見いだした。

この皮膚常在細菌、皮膚常在細菌の代謝産物、及び皮膚表層に存在又は分泌される物質によって構成される「皮脂層」に関して、解明した主要な働きは例えば以下の通りである。

( i ) 皮脂と汗が乳化したものと皮霜常在細菌の代謝産物は皮虜からの水分の蒸散を抑制することによって皮膚を乾燥から守ってい

. ( ϋ ) 絶えず外部から加わる化学的 ·物理的な障害に対してバリァ層として働き、皮膚を炎症や損傷から守っている。

( iii ) 皮 I 常在細菌が産生するスーパーオキサイドデイスムターゼ（SOD) や力夕ラーゼ等の酵素は活性酸素の酸化力を消失させることによって皮廣を障害から守っている。

( iv ) 皮膚常在細菌は直接紫外線を吸収することによって、皮膚を紫外線による障害から守っている。

( V ) 皮虜常在細菌が脂質を代謝することによって産生する遊離脂肪酸が、主に皮虡表層の pHを弱酸性（pH 6前後）に維持し、皮膚有害細菌の生育を阻害することによって皮膚の清浄化に関与している o しかしながら、男女各年齢層のデータを比較検討した結果、皮膚を健全に維持する「皮脂層」を構成する皮膚常在細菌の数量と皮 I 表層における皮脂や汗の分泌量が加齢に伴って減少し「皮脂層」が劣化していくこと、皮脂有害細菌等が増殖して皮膚細菌叢の健全なバランスが崩れていくこと等が判明した。

そこで、減少する皮慮常在細菌の増殖因子と皮膚有害細菌の生育阻害因子、さらには同じく減少する皮脂と汗の成分の中から選ばれた 1 種又はそれ以上を化粧料組成物に配合して、これを散布又は塗布すると、肌荒れや炎症が緩和し、美しく健全な肌に改善されることを見いだし、本発明を完成するに至ったのである。

皮膚常在細菌の増殖因子の化粧料組成物に対する配合比率（重量 % ) は、健全な皮膚の表層に存在するアミノ酸及び高級脂肪酸の自然な組成に準ずるものであるが、通常下記のとおりである。

皮膚常在細菌の増殖因子である必須アミノ酸（アルギニン、イソロイシン、ロイシン、メチォニン、フエ二ルァラニン、プロリン、トリブトファン、チロシン、バリン）を配合する場合には、それぞれ 0. 01〜1 0重量％、更に好ましくは 0. 05〜 1 重量％で、特に、皮膚常在細菌の増殖因子である必須アミノ酸群としては、トリブトファンを除く全ての必須アミノ酸をバランスよく含有するケラチン等を使用することができる。ケラチンを使用する場合は 0. 01〜 50重量％ (更に好ましくは 0. 5 〜1 0重量％) である。

皮膚常在細菌の増殖因子である高級脂肪酸（ステアリン酸、ォレイン酸）を配合する場合には、それぞれ 0. 0 1〜50重量、更に好ましくは 0. 5 〜1 0重量％である。

皮膚有害細菌の生育阻害因子の化粧料組成物に対する配合比率（重量％) は、健全な皮膚の表層に存在する高級脂肪酸の自然な組成に準ずるものであるが、通常下記のとおりである。高級脂肪酸（ラゥリン酸、ミリスチン酸、、。ルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ァラキジン酸、ァラキドン酸）は、それぞれ 0. 0 1 50重量％、更に好ましくは 0. 5 1 0重量％である。

皮膚常在細菌の栄養源としての皮脂及び汗の成分の化粧料に対する配合比率（重量％) は、健全な皮 I の表層に存在する皮脂及び汗の成分の自然な組成に準ずるものであるが、通常下記のとおりである

皮脂の成分（卜リグリセリド、ワックスエステル、スクワレン、コレステロールエステル、コレステロール）は、それぞれ 0. 0 1 50 重量％、更に好ましくは 0. 5 1 0重量％である。

汗の成分（水、塩素、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシゥム、窒素、アンモニア、ブドウ糖、乳酸）は、それぞれ 0， 00 1 5重量％、更に好ましくは 0. 05 2重量％である。

尚、以上の因子又は成分は日本薬局方及至化粧品原料基準に収載されているので、品質 · 規格等はこれらに準ずる。

本発明の化粧料組成物は、基剤及び添加剤として、本発明の効果を損ねない範囲で上記因子又は成分以外の任意の成分を配合することができ、その剤型に応じて化粧料組成物に通常配合される成分、例えばエタノール、油性成分、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、薬効成分、粉体、香料、乳化安定剤、 pH調整剤等を配合することができる。

具体的には油性成分としては流動パラフィン、ワセリン、ラフインワックス、スクヮラン、ミツロウ、カルナウバロゥ、オリ一ブ油、ラノリン、高級アルコール、脂肪酸、高級アルコ一ルと脂肪酸の合成エステル油、シリコーン油等が挙げられ、保湿剤としてはソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトール、プロピレングリコール、 1 , 3 —ブチレングリコール、 1 4 ーブチレングリコ一ル、ピ口リドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコ一ル等が挙げられ、増粘剤としては力ルボキシビ二ルポリマー、力ルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カラギ一ナン、ゼラチン等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の電界質などが挙げられ、防腐剤としては尿素、メチルパラベン、ェチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリゥ厶等が挙げられ、乳化剤としてはポリオキシエチレンアルキルェ —テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ夕ン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキンエチレンソルビト一ル脂肪酸エチレン等の非イオン界面活性剤が挙げられ、粉体としてはタルク、セリサイト、マイ力、カオリン、シリカ、ペンナイト、バーミキユライト、亜鉛華、雲母、雲母チタン、塩化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫化バリウム、ベンガラ

、酸化鉄、群青等が挙げられ、 pH調整剤としては乳酸 -乳酸ナトリゥム、クェン酸一クェン酸ナトリウム等の緩衝剤が挙げられる。また、種々の有効成分としてアラントイン、ビタミン E誘導体、グリチルリチン、ァスコルビン酸誘導体、コ一ジ酸、アルブチン、、。ンテテイン酸誘導体、ブラセンタエキス、抗炎症剤、ョクイニン、各種植物抽出物質等を添加することにより、メラニン抑制効果の向上を図ることができる。更に、種々の紫外線の吸収又は反射物質を添加することにより、日焼けの予防効果と治療効果を増強する化粧料とすることもできる。

また、一般にその配合量は、例えばクリーム状又は軟膏状の製剤の場合、皮膚面 1 cm ² 当たり 1〜20mg、液状製剤の場合、同じく 1 〜10mgとするのが好ましいが、これに限定されるものではない。さらに、本発明化粧料は、化粧水、クリーム、乳液、パック等のフェーンャル化粧料やファンデーション、口紅、ほぼ紅等のメーキヤップ化粧料、シャンプー、リンス、養毛剤等の頭髪用化粧料、その他の化粧料に対して広範囲に適用できる。

さらにまた、本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖因子及至皮膚有害細菌の生育阻害因子は、化粧料に限らず各種化学品や薬剤等の関連分野の製品に適用できる。

本発明化粧料は、ヒトそれぞれによって異なつている皮 If細菌叢に対して、皮 Iff常在細菌を増殖，活性化し、皮膚有害細菌の生育を阻害するので、健全な皮慮細菌叢によって組成されるより自然に近い「皮脂層」を提供し得る。また、ヒトそれぞれ固有の皮虜細菌叢を増殖 ■ 活性化するので、外部から皮膚細菌を添加することに比較するとはるかに安全である。

この「皮脂層」は、皮膚を乾燥から守り、外部から加わる化学的 • 物理的な障害に対してバリア層として働き、また活性酸素や紫外線による障害を防御し、さらに皮膚有害細菌の生育を阻害する等の良好な皮膚保護作用 · 自浄作用を達成し、皮膚を美しく健全にすることができる。実施例

つぎに、本発明を実施例によって説明するが、本発明をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。

まず、本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖因子としての必須アミノ酸について述べる。

実施例 1 〔皮膚常在細菌のアミノ酸要求性〕

健全成人の頰から分離したプロピオニバクテリゥム · ァクネス（以下「Pa」という）、プロピオ二バクテリウ厶 · グフ一サムァァァセァバイプチスロシグググフメヒリト

( Propionibacterium granulosumJ^ F 「Pg」といつ、ス夕フィ口ルスススルルスチライツロロジヱリレリリリ

コッカニパパスギニチテォォプ夕夕ロシシシンンンリ · ェピデルミディス (以下「Se」という）のアミノ酸要求性を調べた結果を表 1 に示す。

表 1 皮膚常在細菌のアミノ酸要求性

Pa Pg Se アミノ酸 KS81 NN48 Y067

E ；必須（全ァミノ酸含有培地 37で、 48 - 72hr後の増殖（ 0 D ₆₀ 0 値）のく 25% )

Pa ；プロピオニバクテリゥ厶 · ァクネス、 Pg ；プロピオ二バクテリウム · グラニュロ一サム、 Se ; ス夕フィロコッカス · ェピデルミデイス、 KS81， NN48, Y067 ; 菌株コード全アミノ酸を含有する培地における「Pa」、 rpgj 、及び「Se」の 37て、 48時間から 72時間での増殖率（0 D₆。。値）を 100 %とした場合に対して、それぞれのアミノ酸を欠乏させたときの増殖率が 25 %以下になった場合に、そのアミノ酸を必須アミノ酸と定義した。この実験結果から皮膚常在細菌の増殖因子としての必須ァミノ酸は、アルギニン、イソロイシン、ロイシン、メチォニン、フエニルァラニン、プロリン、トリブトファン、チロシン、バリンであることが判明した。尚、メチォニン、フエ二ルァラニン、チロシンはプロピオニバクテリゥム属に必須で、プロリンはス夕フィ □コッカス属に必須であつた。

その他のァミノ酸は、プロピオ二バタテリゥ厶属及びスタフィ口コッカス厲に必須であった。

実施例 2 〔必須アミノ酸の皮霜常在細菌増殖効果〕

皮膚常在細菌の増殖因子としての必須ァミノ酸をバランスよく含有する増殖因子源としてヒト角質由来のケラチンを使用し、皮膚常在細菌「Pa」、 r p g j 、及び「S e」の増殖効果を確認した。ヒト角質由来のケラチンのアミノ酸組成は表 2の通りで、トリブトファンを除く全ての皮膚常在細菌の必須アミノ酸をバランスよく含有している o

表 2 ヒト角質由来のケラチンのアミノ酸組成

バアチプァセイスロフグメグヒリト 1 C

(残基 ziooo残基）皮チルイルス口ロソェジレリリリリ

膚ニギォプチォロシシ夕シンンンリ

常二二ルインジンンント 45

在ァシフンン 46

細ランァ 93

5

菌ニン 34

のン 29

0

20

了 57

(その他のァミノ酸）

ァラニンノ 71

スパラギン酸酸 98

/ 2 システィン 29

ン酸 158

116

ン 16

57

72

二ン 54 本実施例では、 PYG ブロス培地（培地組成く g Z 1 > ；トリプチケース 1 、イーストエキス 0.2 、グルコース 2、 NaCl 2.5、 NaH₂P0 4 3、 K2HPO47. ツイーン 80 5、システィン塩酸塩 0.2 、 pH6.8) を使用しているので、不足するトリブトファンは培地に加えるトリプチケース（トリブトファンを 0.9 %含有）とイーストエキス（トリブトフアンを 1.0 %含有）から補充される。培地にケラチンを添加した場合と無添加の場合（対照）の各皮膚常在細菌の増殖の状況を図 1 に示す。図（ a ) はプロピオ二バタテリゥム · ァクネス AT CC11827 標準株）、図 1 ( b ) はプロピオ二パクテリゥ厶 . グラニュローサム（健常人より採取） NN48、図 1 ( c ) はスタフイロコッカス · ェピデルミディス Y067 (健常人より採取）の場合を示す。ケラチンを添加すると、無添加の場合に比較して「Pa」、 rpgj 、及び「Se」ともに明らかな増殖効果を示した。また、皮膚常在細菌の栄養源となるオリ一ブオイルを同量添加した場合と比較しても

、「Pa」、「Pg」、及び「Se」の全ての増殖に対して、ケラチンは優れた増殖促進効果を示した。

また、本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖因子としての高級脂肪酸について述べる。

実施例 3 〔ステアリン酸、ォレイン酸の皮虜常在钿菌増殖効果〕

PYG プロス培地（培地組成は実施例 2 と同様）に各種高級脂肪酸を g Zml添加し、 37°Cで 48時間培養した場合の、代表的な皮膚常在細菌である「Paj の標準菌株プロピオニバクテリゥム · 了クネ ATCC 11827の増殖結果を図 2 に示す。各種高級脂肪酸の中で、ステアリン酸及びォレイン酸が明らかな「 Pa」の増殖効果を示した。つぎに、本発明にかかる皮有害細菌の生育阻害因子としての高級脂肪酸について述べる。

実施例 4 〔高級脂肪酸の皮膚有害細菌生育阻害効果〕

各種高級脂肪酸を 5 mgZmlから 0.010 mg/ mlを段階的に添加した GA 寒天平板（74.0g / 1 中；ペプトン 10.0、ダイズペプトン 3.0 、プロテオーゼペプトン 10.0、消化血清末 13.5、イーストエキス 5.0 、肉エキス 2.2 、肝臓エキス末 1.2 、ブドウ糖 3.0 、リン酸二水素カリウム 3.0 、塩化ナトリウム 3.0 、溶性デンプン 5.0 、 L一システィン塩酸塩 0.3 、チォグリコール酸ナトリウム 0.3 、寒天 15.0、 pH7.1)に、皮膚有害細菌の代表的な細菌であるス夕 _ィ—ロッカス * ァウレウス (以下「 Sa」という ) を 10⁸ Zml菌液を画線塗布し、 37°Cで 24時間好気培養し、その生育阻害効果を確認した結果を表 3 に示す。表 3 高級脂肪酸の皮膚有害細菌生育阻害効果

( 1 ) ス夕フ 1ロコ、 2カス ' ァウレウス NN47

1 2 ) ス夕フロコッカス 'ァウレウス _67】

+ 増殖 -増殖せず

GAM寒天平板に 10³ 菌液を画線塗沫、好気培養（37°C 24hr)

12： 0ラウリン酸、 14： 0 ミリスチン酸、 16： 0 ⁰ルミチン酸、）6 : 1 レミトレイン酸、 18： 0ステアリン酸、 18： 1 ォレイン酸、 18 ： 2 リノ一ル酸、 18： 3リノレン酸、

20 0ァラキジン酸、 20 : 4ァラキドン酸各種高級脂肪酸の中で、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ァラキジン酸、ァラキドン酸が 2. 5 mg/ m l以下で「Sa」の生育阻害効果を示した。特に、ラウリン酸、パルミトレイン酸とリノレン酸力「 Sa」の 2菌株に対して、低濃度で生育を阻害した。さらに、本発明にかかる皮 It常在細菌の栄養源としての皮脂成分

、及び汗成分を添加した場合の皮虜常在細菌の増殖効果について述ベる。

実施例 5 〔皮脂成分及び汗成分の皮膚常在細菌増殖効果〕

PYG ブロス培地（培地組成は実施例 2 と同様）に皮脂成分及び汗成分を表 4 の割合で添加し、無添加の場合と皮膚常在細菌の増殖効果を比較した結果、添加した場合では「Pa」の増殖促進率（コロニ一の大きさで判断）が約 20 %、「S e」の増殖促進率が約 30 %上昇し、皮脂成分及び汗成分の皮虜常在細菌の増殖促進効果を示した。

表 4 皮脂の成分及び汗の成分

以上述べた皮膚常在細菌の増殖効果とそれに伴う活性化は、健全な皮膚細菌叢によって組成されるより自然に近い「皮脂層」を提供し、皮慮を乾燥から守り、外部から加わる化学的 · 物理的な障害に対してバリア層として働き、また活性酸素や紫外線による障害を防御し、さらに皮膚有害細菌の生育を阻害する等の良好な皮膚保護作用 · 自浄作用を達成し、皮膚を美しく健全にすることができる。

健全な皮慮細菌叢の皮膚保護作用 · 自浄作用のなかで、特に重要な活性酸素及び紫外線に対する防御作用について述べる。

活性酸素（〇 2 ― ) 等は、脂質等の過酸化、遺伝子の切断、蛋白変性等の原因となり、組織障害や老化促進因子のひとつと考えられている。特に皮 It表層は絶えず外気に接しているため、活性酸素が生じやすい環境にある。この皮膚表層に常在し生育する皮膚常在細菌は、スーパ一オキサイドディス厶夕ーゼ（以下 SOD という）や力タラーゼ等の酵素によって活性酸素を消去していることが示された o

実施例 6 〔皮膚常在細菌の SOD 活性の測定〕

皮膚常在細菌の代表である「Pa」と「Se」の菌体内及び菌体外に産生する SOD 活性を測定した。 SOD 活性の測定は NBT 還元法（新生化学実験講座 5 「生体酸化 · 薬物代謝」東京化学同人； 1 992に準ずる）により行った。キサンチンにキサンチンォキシダ一ゼを作用させて恒常的に 0 ₂ - を産生させる系に NBT (ニトロブル-テトラゾリゥ厶）を入れると、 NBT が〇 ₂ ― で還元されて発色し、これを波長 560nm の吸光度で測定すると 0 ₂ ― の濃度が測定できる。従って、本実験例では皮膚常在細菌を入れない対照に比較して、吸光度の低下した程度で SOD 活性が測定できる。実際に皮膚常在細菌の標準株で測定した菌体外産生 SOD 活性と菌体内 SOD 活性をそれぞれ表 5、表 6 に示す。表 5 ^¾¾¾標戦の菌体外胜 SOD ^:

単位： IU/ml スタフイロコッカス ·ェピデルミディプロピオ^くクテリゥ厶 · 培養前ス IA 12012の培 ¾iijf ァクネス皿 11827の培養 GAM 上清 1

X 1 /4 X 1 / 2 X 1

0.00 ±0.08 0. 14±0.01 0.23±0.09 0.48±0. 10 0.01 ±0.06 6 皮 It常在細菌標準株の菌体内（SDS 抽出物）の活性

皮表に生育する「Se」は菌体外と菌体内に SOD 活性を示した。「 Se」に比較して深部に生育する「Pa」は菌体内に SOD 活性を示した。このことは、多大な活性酸素の影響を受ける皮表に生育する「Se 」は、菌体外にも SOD を産出して対応していることを示している。

さらに健常人から分離した「Pa」 10株と「Se」 9株について SOD 活性を測定した結果を表 7に示す。

表 7 麟 Λ^¾ ^0菌体内'菌体撃 ¾WJ定

(n = 3、各培養 tubeにっき 1回縦)

麟コード回収菌体培養上清の SOD抽出物

MM. SOD活 (4 蛋白量

(mg/τηめ (IU/mg菌体） (m/m£)

くクテリゥムァクネス

10.5±1.4 一 0.24±0.08 1.37±0.02 5.1 ±0.6 8.0±2.1 一 0.38±0.28 0.35±0.02 8.6±0.7 6.9±0.4 -0.23±0.10 0.45±0.02 12.0±2.5 17.2±0.8 一 0.16±0.02 0.38 ±0.08 28.8±6.8 15.0±1.5 一 0.16±0.00 1.20±0.17 5.1±1.4 8.3±1.1 — 0.10±0.19 0.29±0.09 15.9±5· 1 12.9±1.0 0.09±0.10 0.83±0.07 6.9±2.1 10.8±0.7 一 0.17±0.04 0.54 ±0.06 11·7±3·1 15.5±6.6 一 0.14±0.08 0.60±0.34 13.8±9.0 13.5±1.4 一 0.15±0.10 1.38±0.11 5.7±0.6

11.9 一 0.16 0.74 11.4

コッカス■ェピデルミディス

4.4±0.3 1.06±0.09 0.72±0.16 81.9±8.0 118±33

4.9±0.9 0.96±0.35 0.40±0.04 37.5±1.9 94±6

5.4±0.4 0.27±0.05 0.55±0.06 12.4±3.4 22±6

5.3±0· 5 0.38±0.17 0.63±0.03 20.0±7.9 32±14

5.4±0.4 0.60 ±0.13 0.66±0.03 29.2±3.4 44±6

5.6±0.4 0.82±0.18 0.75±0.04 49.3±8.9 66±10

5.1±1.8 3.30±0.51 0.69±0.02 32.2±7.0 47±11

4.9±2.0 4.93±0.26 0.86 ±0.02 36.4±1.2 42±1

3.6±1.0 8.24±0.36 1.20±0.30 594±627 447±427

5.0 2.28 0.72 99.2 101.3 皮表に生育する「Se」は、皮膚表層深部に生育する「Pa」に比較して約 10倍の SOD 活性を示した。「Pa」の SOD 活性には個人差があり、低い人で 5.1 IUZmg蛋白、高い人で 28.8IUZmg蛋白であった。「Se」の SOD 活性はさらに個人差が大きく、低い人で 22IUZmg蛋白、高い人で 447 lUZmg蛋白であった。個人差は見られるが、 SOD 活性は標準株と同様な傾向を示した。

以上のことから、皮膚常在細菌は皮膚に障害を与える活性酸素を消去する SOD 活性を有していることが判明し、また個人差（菌株の違い）があるところから皮膚常在細菌を活性化することの意義が示されるに至り、本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖と活性化は皮慮を活性酸素の障害から防御する力を上昇させる効果を示したものといえる。

太陽光線中の紫外線は、 UVA (長波長紫外線）と UVB (中波長紫外線 ) 、 UVC (短波長紫外線）に分けられるが、 UVC はオゾンや酸素に遮られて地表には到達しない。地表に到達する紫外線のひとつである UVA は真皮まで浸透しシミゃシヮの原因になる。一方 UVB は皮表に炎症を起こしシミゃソバカス等の原因になる色素沈着を起こす。この皮膚に障害を起こし、さらに老化を促進する紫外線に対して、皮 / 常在細菌は紫外線吸収作用によって紫外線による障害を防御していることを解明した。

実施例 7 〔皮膚常在細菌の紫外線吸収作用〕

皮膚常在細菌「Se」の菌体成分を希釈して菌体成分液（72. 3mgZ mlの原液を 3， 000 倍に希釈して 2. 4 g / mlに調整）を作製し、サンスクリーンクリーム（市販サマータイムサンスクリーンフェイス；成分パラベン、セ夕ノール、ステアリルアルコール、酢酸トコフエロール、トリエタノールァミン、香料、アロエエキス）を同様に希釈（ 5, 400 倍に希釈調整）したものと、紫外線の吸収量を比較測定した。対照にしたサンスクリーンクリームは、 SPF12 U 2倍線量照射で非塗布と同等の紅斑を生じる）である。菌体成分液とサンスクリーンクリー厶液にそれぞれ紫外線を照射（東芝 FL20S · E、距離 25cm) し、その時の UVA 及び UVB の紫外線吸収スぺクトルを図 3 に、紫外線の吸収率を表 8 に示した。図 3 ( a ) は菌体成分の場合を示し、図 3 ( b ) はサンスクリーンクリームの場合を示し、菌体成分液は、 UVA 及び UVB ともにサンスクリ一ンクリーム液の 90 %前後の吸収率を示した。表 8 菌体成分液とサンスクリーンクリームの紫外線吸収率（％ )

UVA UVB

菌体成分液 89 94

サンスクリーンクリム 100 100 サンスクリーンクリームの場合は、時間の経過に伴って吸収効力が低下するが、皮慮表層に生育する皮虜常在細菌の場合は、絶えず増殖を繰り返し紫外線の障害から皮慮を防御している。本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖と活性化は皮膚を紫外線の障害から防御する力を上昇させる効果を示したものといえる。

つぎに、本発明にかかる化粧料の処方例を例示するが、本発明はこれにより限定されるものではない。

処方例 1 (化粧水）

(重量％ )

グリセリン 3

ポリオキンエチレンモノォレ卜 1 . 5

エタノール 10

ピロリドン力ルポン酸 Na 2

香料

ケラチン 2

ォレイン酸 2

ラウリン酸 2

トリグリセリド 3

乳酸—乳酸ナトリウム 0. 5

精製水残部

100

処方例 2 ( クリーム） (重量％)

ワセリン 4

セ夕ノール 0.5

ソルビタンセスキォレ一ト 2

液状ラノリン 4

固形パラフィン 4

ブチルパラベン 0. 1

メチルパラベン 0. 1

香料 0.2

ケラチン 2

ォレイン酸 2

パルミトレイン酸 2

スクヮラン 10

コレステロールエステル 0.6

乳酸 1

精製水残部

100

本処方例では、スクワレンが不飽和の炭化水素であるため、不安定で化粧料の原料としては使用しにくいため、スクヮレンに水素を添加して安定化させた生物学的作用が同等なスクヮランを処方した試験例 1

上記各処方例につき（皮霜常在細菌の増殖因子を除外したものを対照として） 0.2 mlを基本寒天培地（ 03.5 cmシャーレ； PUK 培地からイーストエキス、システィン塩酸塩、さらにォレイン酸ナトリゥムを除いた、トリプチカーゼ（BBC) 1.5 %、ハートエキス（日水 ) 0.5 %、グリセリン 1 %、食塩 0.2 %、 K₂HP0₄0.2 %、プロモクレゾ一ルパープル 0.002 %、寒天 1.5 %、 pH6.8 、 3 ml) 上に均等塗布吸収させた後、健常者頰部皮唐から採取した皮慮常在細菌懸濁希釈液を塗布し、嫌気性培養を行い、皮霜常在細菌のコロニーの生育の様子を数と大きさで比較検討した。

皮虞常在細菌の採取は、頰部の l cm² 部位を生理食塩水に浸した滅菌綿棒で 20回強く擦過し、希釈液（KH₂P0₄ 0.5%、 Na₂HP0₄ 0.4 % ：ツイ一ン 80 0.1 %、システィン塩酸塩 0.03%、 pH6.8 、 2 ml) 中に細菌を浮遊懸濁させる方法を用いた。紬菌浮遊懸濁液はさらに 10倍希釈法で 2段階希釈し、各希釈率の液 0.05mlを上記平板上に塗布し、 37て、 4 日間、嫌気グローブ箱培養（C0₂ : 10%、 N 2 : 80%、 H 2 : 10%、スチールウール法）を行った。

増殖因子を欠く対照においては、皮霜常在細菌のコロニーがほとんど認められず、本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖因子を有するものにあっては、 10⁴ カヽら 10⁶ ： f. u/cm² (c. f . u： colony forming unit)皮膚面積相当の増殖が見られ、さらに本発明にかかる増殖因子及び栄養源をバランスよく含有させたものにあっては、約 1.8 倍大きなコロニーが観察された。これらのコロニーは外観上均一で、生化学的性状検査 (Bergy' s Manual of Determinative Bacter iolo gy) から、全てが「Pa」であった。これと平行して、先の皮膚から採取した皮膚常在細菌希釈浮遊懸濁液を各種分離平板培地〔トリプトソィ寒天培地、マンニット食塩寒天培地（日水製薬）、ポテトデキストロース寒天培地（日水製薬）〕に塗布し、好気性培養（37°C 、 3〜 7 日間）をしたところ、増殖因子を欠く対照においては、皮虜常在細菌のコロニーがほとんど認められず、本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖因子を有するものにあっては、 10² から 10⁴ c f. u. Zcm² 皮膚面積相当の増殖が見られた。さらに本発明にかかる増殖因子及び栄養源をバランスよく含有させたものにあっては、約 1.5 倍大きなコロニーが観察された。これらのコロニーは外観上均一で

、生化学的性状検査（Bergy' s Manual of Determinative Bacterio logy) から全てが「Se」であった。以上の結果は、本試験の特性から皮膚常在細菌である「Pa」及び「Se」の増殖に対する、本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖因子及び栄養源の増殖促進効果を示したものといえる。

試験例 2

実際に、皮膚常在細菌の増殖因子及び栄養源、さらに皮膚有害細菌の生育阻害因子を含有した化粧水及びクリームを毎朝洗顔後、継続使用したとき、顔面（頰部）の皮膚細菌叢と皮膚に与える影響をみた。健康な女性 20名（19〜59歳）のボランティア被験者を選び、頰部から試験例 1 と同様に皮膚細菌を採取し 4週間にわたり皮膚細菌叢の分析を行った。また、これと平行して、皮膚細菌採取隣接部から脱脂綿棒にて皮脂を採取し、遊離脂肪酸につき、ガスクロマトグラフィ一分析を行った。表 9 に化粧水及びクリーム使用に伴う皮膚紬菌数の推移結果を示す。

表 9 化粧水及びクリーム使用に伴う皮膚細菌数の推移

(被験者：健常女性 20名、 19歳から 59歳の平均値）検出コロニー数（ciu/cm² ) 細 ¾ 使用前使用後 2週使用後 4週総菌数 5.2X10⁵ 8.6X10⁵ 9.3X10⁵ ブ口ピオニパク Ϊリウム '了クネス 5.2X 10⁵ 8.6X10⁵ 9.3X10⁵ ブ πピオ二パクテリゥム.グラ π -サム検出限界以下検出限界以下検出限界以下スタフィ Πϋ»ノカス 'ェビデルミテイス 0.7X10⁴ ι.οχιο⁴ 1.8X 10⁴ スタフィ ϋコッカス 'キヤビ ίイス 1. lxlO³ 0.5X10³ 0.1 X 10³ ス夕フィ Πコ' yカス '了ウレウス検出限界以下検出限界以下検出限界以下マイク αコッカス検出限界以下検出限界以下検出限界以下ストレブトコ-メカス検出限界以下検出限界以下検出限界以下バチルス検出限界以下検出限界以下検出限界以下イ-スト検出限界以下検出限界以下検出限界以下

(注）検出限界以下： < 1 xio² 使用開始後、総菌数は 2週後で約 1.7 倍、 4週後で約 1.8 倍と増加傾向を示したが、これは最優勢皮 It常在細菌「Pa」の増加傾向と一致している。この皮膚細菌数は、健常者の皮膚における正常域にあり、異常増殖を示すものではない。この増加傾向は、皮膚常在細菌「Pa」の増殖が促進されたことを示したものといえる。

次優勢細菌である「Se」は、 2週後で約 1.4 倍、 4週後で約 2.6 倍と「Pa」と同様な増加傾向を示した。この「Se」の菌数も、健常者の皮膚における正常域にあり、異常増殖を示すものではない。この増加傾向は、皮膚常在細菌「Se」の増殖が促進されたことを示したものといえる。

ス夕フィロコッカス · キヤピティス (Staphylococcus capitis) は少数検出されたが、減少傾向を示した。この試験では、その他の皮 I 細菌については選択平板培地上にほとんど検出されなかった。表 10には、化粧水及びクリーム使用による遊離脂肪酸組成推移を示している。

表 10 及びクリーム使用に伴う皮¾^¾1§1»の推移

： ^«20名の平均値）細 i»に财る割合

クリーム使用前使用後 2週後 4週総删麵 100% 100% 100% ラウリン酸 (C₁₂ ： 0) 3 3 5 ミリスチン酸 (C, 4 ： 0) 9 7 7

ノヽ。ルミチン酸 (C_I6 ： 0) 40 35 26 パルミトレイン酸 (ClB ： 1) 9 16 18 ステアリン酸 (C, 8 ： 0) 20 20 22 ォレイン酸（C₁₈ ： 1) 11 12 14 リノー赠 (C_I8 ： 2) 1 1

リノレン酸 (C₁₈ ： 3)

ァラキジン酸（C₂。： 0) 1 1 1 ァラキドン酸 (C₂₀ ： 4) 6 5 7 遊離脂肪酸組成は、採取した皮脂を TLC で分離し、メチル化後、ガスクロマトグラフィーにより分析した。この試験では、ラウリン酸（ C _{I 2 :} 0 ) からァラキドン酸（ C ₂。： 4 ) までの遊離脂肪酸の総量には個人差が認められ、少ない人で 20.8ngZcm² 、多い人で 13 7.8 ng/cm² であった。総遊離脂肪酸量に占める各種遊離脂肪酸の割合は、使用後、パルミチン酸（ C ₁₆ ： 0 ) は減少傾向を示し、パルミトレイン酸（ C _{1 6} : 1 ) とォレイン酸（ C ₁₈ : 1 ) が増加傾向を示した。しかし、これらの変化こそ増殖した皮膚常在細菌のリバ —ゼ活性の指標であり、パルミトレイン酸が皮膚有害菌の「Sa」の生育を低濃度で阻害すること（表 3 ) 、また、ォレイン酸が「Paj 及び「Se」の生育を促進することを考えると、皮慮常在細菌が「皮脂層」形成において皮虜常在細菌と皮膚との間に存在するェコシステムの恒常性維持に積極的に関与している結果と評価することかできる。

Claims

請求の範囲

1 . 皮膚常在細菌の増殖因子としての皮膚常在細菌の必須アミノ酸及び基剤を含んでなる化粧料組成物。

2 . 前記増殖因子としての皮膚常在細菌の必須アミノ酸が、アルギニン、イソロイシン、ロイシン、メチォニン、フエ二ルァラニン

、プロリン、トリブトファン、チ□シン及びパリンの群から選ばれた少なくとも一種である請求の範囲第 1 項に記載の化粧料組成物。

3 . 皮膚常在細菌の増殖因子としての高級脂肪酸及び基剤を含んでなる化粧料組成物。

4 . 前記増殖因子としての高級脂肪酸が、ステアリン酸、ォレイン酸又はそれとの混合物である請求の範囲第 3項に記載の化粧料組成物。

5 . 皮膚有害細菌の生育を阻害する高級脂肪酸及び基剤を含んでなる化粧料組成物。

6 . 前記生育阻害因子としての高級脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ァラキジン酸及びァラキドン酸の群から選ばれた少なくとも一種である請求の範囲第 5項に記載の化粧料組成物。

7 . 皮膚常在細菌の栄養源として皮脂又は汗の成分及び基剤を含んでなる化粧料組成物。

8 . 前記皮膚常在細菌の栄養源としての皮脂の成分がトリグリセリド、ワックスエステル、スクワレン、コレステロールエステル及びコレステロールでの群から選ばれた少なくとも一種であり、汗の成分が水、塩素、ナトリウム、カリゥ厶、カルシウム、マグネシゥム、窒素、アンモニア、ブドウ糖及び乳酸の群から選ばれた少なくとも一種である請求の範囲第 7項に記載の化粧料組成物。

9 . 請求の範囲第 2項、第 4項、第 6項および第 8項に記載の因子又は成分の少なくとも 1 種並びに基剤を含んでなる化粧料組成物