明 細 書 フッ素含有シァリルルイス X誘導体及びその合成中間体 技術分野
本発明は、 フコースの 2位の水酸基をフッ素で置換したシァリルルイス X誘導体とその合成中間体およびその製造方法に関するものである。 この 誘導体は医薬の分野、 例えば、 炎症や炎症に伴う血栓形成、 喘息、 リウマ チ、 免疫疾患及び癌の治療及び予防の分野に有用である。 背景技術
フコースを含むオリゴ糖であるシァリルルイス X糖鎖は、 炎症時に白血 球が血管内皮細胞と相互作用し、 血管外に出るホーミング現象に関わる分 子として近年注目を集めている。 このホ一ミング現象のうちいくつかは、 セレクチンと呼ばれるレクチン様細胞接着分子とシァリルルイス Xオリゴ 糖との相互作用によって始まる。 したがって、 シァリルルイス Xオリゴ糖 をセレクチン結合阻害剤として用いることができれば、 好中球 (白血球の 一種) 依存性かつセレクチン依存性の急性炎症を抑制できると期待されて いる。 実際、 ミシガン大学のグループによって、 コブラ毒因子を用いてラッ 卜で実験的に起こした肺の急性炎症は、 シァリルルイス X糖鎖の投与で軽 減されることが示された [M. S. Mulligan他, Nature 364, 149(1993)] 。 そこで、 種々の誘導体、 例えば、 ルイス Xガングリオシド (1 ) ゃシァ リルルイス Xガングリオシド ( 2 ) の水素原子や水酸基をフッ素で置換し た誘導体 ( 3 ) [S. Hakomori他, W0 92/19632(1992)] 及び (4 ) [ . Sta hi他, Angew. Chem. Int. Ed, Engl. , 33. 2096(1994)] の合成研究がなされ
てきている。 し力、し、 これら誘導体は、 生体内のひ一 1 , 3—フコース転 移酵素のためフコースを遊離してしまい、 直ちに活性を失うことが考えら れる。
そこで、 強力なセレクチン接着阻害活性と代謝安定性を有するシァリル ルイス Xを創製することを試みた。 そのような候補化合物としてフコース の 2位水酸基をフッ素で置換した誘導体を設定したが、 立体 ·位置選択的 に、 該当する含フッ素フコースを糖鎖に導入するための方法は存在しなかつ た。
シァリルルイス X誘導体は、 細胞接着分子としての作用を有する Eセレ クチンおよび Lセレクチンのリガンド部分として知られており、 これらセ レクチンを特異的に発現する細胞の認識素子としての機能を有する重要な 化合物であり、 その活性発現に化学構造が及ぼす影響を調べるために有機 化学的にフッ素で修飾した誘導体を合成することは有用である。 また、 こ のフッ素置換したシァリルルイス Xは実用的な医薬品の開発や臨床面への 応用も考えられるところである。
したがって、 上記した本発明のシァリルルイス X誘導体の解明と、 実用 的な量での提供は極めて意義あるものである。 発明の要約
本発明の目的は上記のような薬剤として期待される、 新規な含有フッ素 シァリルルイス X誘導体とその合成中間体、 及びそれらの製造方法に関す るものである。
フコースの 2位の水酸基をフッ素で化学修飾したシァリルルイス X類縁 体の合成を目的として研究を行った結果、 本発明者は当該類縁体の合成に 成功して本発明を完成させた。
すなわち本発明は、 一般式 (I一 1) :
[式中、 Rは炭素数 2〜 6の脂肪族のァシル基、 R 1は水素原子又は炭素 数 1〜5の低級アルキル基、 R 2 Q、 R 3 Dおよび R 5は独立に水素原子又は
炭素数 2〜 6の脂肪族あるいは炭素数 7 ~13の芳香族のァシル基、 R4 は水酸基、 炭素数 2〜6の脂肪族あるいは炭素数 7〜13の芳香族のァシ ルァミノ基、 または炭素数 2〜6の脂肪族あるいは炭素数 7〜13の芳香 族のァシルォキシ基を表わし、 Raは炭素数 1〜30の直鎖または分岐状 の、 飽和または不飽和の脂肪族基、 Meはメチル基、 nは 0〜20の整数 を表わす。 ただし、 R1が水素原子のときは、 R2D、 R3Qおよび R5は共に 水素原子、 R4は水酸基、 脂肪族あるいは芳香族のァシルアミノ基を表わ し、 R1が低級アルキル基のときは、 R2°、 R30および R5は脂肪族又は芳 香族のァシル基、 R4は脂肪族あるいは芳香族のァシルァミノ基、 または 脂肪族あるいは芳香族のァシルォキシ基を表わす。 ]
で表されるシァリルルイス X誘導体に関する。
本発明はまた、 一般式 (I一 1) で表される化合物の合成中間体である、 —般式 (I一 2) :
[式中、 R、 R\ R2。、 R3。、 R4、 R5、 Meおよび nは上に定義したと おりであり、 R1DはN3又はNH2基を表す。 ただし、 R1が水素原子のと きは、 R2fl、 R3()および R5は共に水素原子、 R4は水酸基、 脂肪族あるい は芳香族のァシルアミノ基を表わし、 R1が低級アルキル基のときは、 R2 fl、 R3eおよび R5は脂肪族又は芳香族のァシル基、 R4は脂肪族あるいは 芳香族のァシルァミノ基、 または脂肪族あるいは芳香族のァシルォキシ基 を表わす。 ]
で表される化合物に関する。
本発明はさらに、 一般式 (I一 2) で表される化合物の合成中間体である、 —般式 (II) :
[式中、 R、 R\ R20、 R30、 R4および Meは上に定義したとおりであ り、 Xは水酸基、 フッ素原子、 チォアルキル基 (炭素数 1〜5) 、 チオア リール基 (炭素数 6〜12) 、 または— 0C(NH)CC13基を表す。 ただ し、 R1が水素原子のとき、 R2D、 R3Dは共に水素原子、 R4は水酸基、 脂 肪族あるいは芳香族のァシルァミノ基、 Xは水酸基を表し、 R1が低級ァ ルキル基のときは、 R2()および R3°は脂肪族又は芳香族のァシル基、 R4 は脂肪族ある 、は芳香族のァシルァミノ基、 または脂肪族ある 、は芳香族 のァシルォキシ基、 Xはフッ素原子、 チォアルキル基、 チオアリール基又 は一 OC(NH)C Cl3基を表わす。 ]
で表される化合物にも関する。
本発明はさらに、 一般式 (ΠΙ) :
[式中、 R、 R1, R4および Meは上に定義したとおりであり、 R21およ
び R31は独立に水素原子、 炭素数 7〜13の無置換もしくは置換フエニル メチル基、 又は炭素数 2〜6の脂肪族あるいは炭素数 7~13の芳香族の ァシル基を表わし、 T A Sはトリアルキルンリル基 (アルキル基の炭素数 1〜7) を表わす。 ただし、 R1が水素原子のときは、 R21および R31は 共に水素原子、 R4は水酸基、 脂肪族あるいは芳香族のァシルアミノ基を 表わし、 R1が低級アルキル基のときは、 R21および R31は無置換若しく は置換フニニルメチル基または脂肪族又は芳香族のァシル基、 R4は脂肪 族あるいは芳香族のァシルァミノ基、 または脂肪族あるいは芳香族のァシ ルォキシ基を表わす。 ]
で表される化合物に関する。
本発明はさらに、 一般式 (IV) :
[式中、 R21、 R4および T ASは上に定義したとおりである。 ただし、 R21が水素原子のときは、 R4は水酸基、 脂肪族あるいは芳香族のァシル アミノ基を表わし、 R21が脂肪族若しくは芳香族のァシル基、 または無置 換もしくは置換フエニルメチル基のとき、 R4は脂肪族あるいは芳香族の ァシルアミノ基、 または脂肪族あるいは芳香族のァシルォキシ基を表わす c
]
で表される化合物にも関する。
本発明はさらに、 一般式 (IV) で表される化合物の前駆体である、 一般
式 (V)
[式中、 R21、 R4および TASは上に定義したとおりであり、 Phは無置 換または置換フエ二ル基を表わす。 ただし、 R 21が水素原子のときは、 R 4は水酸基、 脂肪族あるいは芳香族のァシルアミノ基を表わし、 R21が無 置換もしくは置換フエニルメチル基、 または脂肪族もしくは芳香族のァシ ル基のときは、 R4は脂肪族あるいは芳香族のァシルァミノ基、 または脂 肪族あるいは芳香族のァシルォキシ基を表わす。 ]
で表される化合物にも関する。
本発明はさらに、 一般式 (VI) :
)
[式中、 Reは無置換もしくは置換フヱニルメチル基を表わし、 R9は炭素 数 1〜 5の低級アルキル基、 または炭素数 6〜 12の無置換もしくは置換 フヱニル基を表わす。 ]
で表される化合物にも関する。
本発明はさらに、 一般式 (VII) :
[式中、 R
1 1は炭素数 1 ~ 1 0の低級置換アルキル基、 または炭素数 7〜 1 3の無置換もしくは置換フエ二ルメチル基を表わし、 R
7は、 水素原子、 無置換もしくは置換フ ニルメチル基、 又は炭素数 2 ~ 6の脂肪族あるい は炭素数?〜 1 3の芳香族のァシル基を表わす。 ]
で表される化合物にも関する。
本発明はさらに、 一般式 (VIII) : .
[式中、 R 8は炭素数 2〜6の脂肪族あるいは炭素数 7〜1 3の芳香族の ァシル基を表わす。 ]
で表される化合物にも関する。 発明の好ましい態様
以下に本発明のシァリルルイス X誘導体の製造方法につき例示的に説明 する。
本発明のフッ素置換シァリルルイス Xは、 化学構造式 (1— 1) に見られ る通り、 シァリルガラク ト一ス部分、 フコース部分、 ダルコサミンラク ト —ス部分及びセラミ ド部分から構成されるものである。
先ずフッ素置換シァリルルイス X誘導体のフコース部分を下記の反応ス キーム 1に従って合成する。
反応スキーム"!
(W-2) (W-3)
(VI ) 式中、 R 8は脂肪族または芳香族のァシル基を表し、 R 1 1は低級置換ァ ルキル基または無置換若しくは置換フェニルメチル基を表し、 R 6は無置 換若しくは置換フヱニルメチル基を表し、 R 9は低級アルキル基、 または 無置換若しくは置換フエ二ル基を表す。
即ち 3 , 4—ジ一 0—ァシル一 2—デォキシ一 2—フルオロー 一 L一 フコピラノシルフルォライ ド {化合物 (1A) } を出発原料として、 臭化水 素 酢酸などの試薬 (他に三臭化リンゃ五臭化リン等が挙げられる) によ り、 1位をブロム化した一般式 (VIII) の化合物を得る。
なお化合物 (1A) は、 Tetrahedron, 35, 2551- 2554(1979)に記載した方 法に従って Lーフコビラノーステトラァセテ一トから合成することができ る。 このときの R 8の例としてはァセチル、 プロピオニル、 ビバロイル、 s ec—ブチロイル、 ベンゾィル、 クロ口べンゾィル、 またはメ トキシべンゾ
ィルなどが挙げられ、 化合物 (1A) を合成する際にァセチル基の代わりに あらかじめ導入することは常法により行われる。
次に一般式 (VIII) で表される化合物を例えば銀塩の存在下、 低級置換 アルコール、 ベンジルアルコール、 または置換フヱニルメチルアルコール と反応させ、 一般式 (VII— 1) で表わされる化合物へ誘導できる。 低級置 換アルコールとしてはトリアルキルンリルエチルアルコール (アルキル基 としてはメチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 ペンチル、 へキシル、 ヘプ チル、 ォクチル、 ノナニル、 またはデカニルが挙げられる) 、 4一ペンテ ニルアルコール等が、 また置換フヱニルメチルアルコールとしては 4—メ トキシベンジルアルコール、 4ーァセタミ ドベンジルアルコール、 4一二 トロベンジルァノレコーノレ、 4一クロ口べンジノレアルコール、 または 4ーブ ロモベンジルアルコール等が用いられる。
次に一般式 (VII— 1) で表される化合物のァシル型保護基をベンジル型 保護基に変換する。 すなわち、 メタノール中でのナトリウムメ トキシドま たはエタノール中ナトリウムエトキシドなどの方法により、 ァシル型保護 基を除去して一般式 (VII— 2) の化合物を得、 次に所望の保護基で保護し て一般式 (VII— 3) の化合物を得る。
即ち一般式 (VII— 2) の化合物にハロゲン化べンジルまたはハロゲン化 置換フヱニルメチル (置換フユニルメチルとしては 4ーメ トキシベンジル、 4—ァセタミ ドベンジル、 4一二トロベンジル、 4一クロ口ベンジル、 ま たは 4一ブロモベンジル等が挙げられる) を水素化ナトリウム、 トリェチ ルァミン、 又は無置換もしくは置換ピリジン等の塩基存在下反応させ、 無 置換もしくは置換フエニルメチルエーテル誘導体に変換する。
次に一般式 (VII— 3) の化合物一 O R 1 1基をァセチル (一 O Ac) 基を 経由して S R 9基に変換する。 例えば、 R 1 1がトリアルキルシリルェチル
基である場合には、 ルイス酸、 例えば三フッ化ホウ素エーテル錯体存在下 無水酢酸でァセチル化を行い、 さらにアルキルメルカプタン、 (アルキル チォ)トリメチルシラン等のアルキルチオ化剤または無置換もしくは置換 チオフヱノールなどによって一般式 (VI) の化合物に誘導する。
また、 R11が無置換または置換フエニルメチル基である場合、 例えば 4 —メ トキシベンジルの場合は DDQ (2, 3—ジクロロー 5, 6—一ジシァ ノー 1, 4—ベンゾキノン) により 1位の保護基を選択的に除去したのち、 無水酢酸でァセチル化を行い、 さらにアルキルメルカプタン、 (アルキル チォ)トリメチルシラン等のアルキルチオ化剤または無置換もしくは置換 チォフエノールなどによって一般式 (VI) の化合物に誘導する。
一般式 (Π) で表されるフッ素を有するフコース誘導体の製造の好まし い態様を以下の反応スキーム 2に示す。
反応スキーム 2
化合物 (4) 化合物 (5)
化合物 (6)
式中、 Meはメチル基を表し、 Acはァセチル基を表し、 Briはべンジル
基を表す。
即ち出発物質として 3 , 4—ジー 0—ァセチルー 2—デォキン一 2—フ ルォ口一 α— Lーフコピラノシルフルォライ ド {化合物 (1 ) } を用いて、 臭化水素 Ζ酢酸により、 その 1位をブロム化した化合物 (2 ) を得たのち、 トリメチルンリルエタノールと銀塩存在下で反応させて化合物 (3 ) を得、 脱保護して化合物 (4 ) 、 次いで化合物 (5 ) へ誘導する。 さらに三フッ 化ホウ素エーテル錯体存在下無水酢酸と、 一 3 0〜0 °Cの温度で 3時間反 応させ、 アセテートである化合物 (6 ) が得られる。 三フッ化ホウ素エー テル錯体と (メチルチオ) トリメチルシランを反応させることで、 一般式
(VI) に対応する化合物 (X) を得る。
かくして得られた一般式 (VI) のフコース誘導体を反応スキーム 3に示 すようにダルコサミンラク トース誘導体 (化合物 (7 ) } と縮合させ、 場 合により水酸基の保護基を変換した後、 還元して一般式 (IV— 1) で表さ れる化合物とした後、 一般式 (XIII) で表されるシァリルガラク トース誘 導体と縮合させて一般式 (III一 1) で表される化合物を得る。
化合物 (7 ) および一般式 (XIII) で表される化合物は Carbohydrate R esearch, 200, 269- 285(1990)に記載の方法に類似した方法に従って容易 に合成することができる。
反応スキーム 3
一般式 (M)
式中、 T A Sはトリアルキルシリル基を表し、 P hは無置換または置換 フヱニル基を表し、 R 4'は脂肪族若しくは芳香族のァシルォキシ基、 また は脂肪族若しくは芳香族のァシルァミノ基を表し、 R 2 1 'および R 3 1 'は独 立に無置換若しくは置換フュニルメチル基、 または脂肪族若しくは芳香族 ァシル基を表し、 Rは脂肪族ァシル基を表し、 Rいは低級アルキル基を表 し、 R 6、 R 9、 Me、 B nは上に定義したとおりである。
一般式 (VI) で表される化合物と化合物 (7 ) とを、 反応に関与しない 溶媒 (例えばベンゼン、 トルエン、 塩化メチレン、 またはそれらの混合溶 媒) 中で適当なグリコシル化促進剤 (N—ョ一,ドスクシンイミ ド Zテトラ ブチルアンモニゥムトリフレート、 ジメチル(メチルチオ)スルホニゥムト リフレー ト、 N—ブロモスクシンィ ミ ド /トリフルォロメ夕ンスルホン酸 銀など) の存在下、 縮合させることにより、 一般式 (V— 1 ) で示される 化合物へ誘導する。
なお化合物 (7 ) は Carbohydrate Research, 200, 269-285(1990)に記 載の方法に類似した方法に従って容易に合成することができる。
ここで得られる一般式 (V— 1) 化合物について、 水酸基の保護基を所望 の他の保護基に変換することができる。 一つの方法は水素雰囲気下接触還 元等により水酸基の保護基を外して水素原子に変換し、 除去した保護基と 異なる置換フエニルメチル基 (置換フエニルメチルとしては 4ーメ トキシ ベンジル、 4ーァセタミ ドベンジル、 4—ニトロベンジル、 4—クロ口べ ンジル、 または 4一ブロモベンジル等が挙げられる) を水素化ナトリウム、 トリェチルアミン、 又は無置換もしくは置換ピリジン等の塩基存在下反応 させ、 置換フエニルメチルエーテル誘導体に変換する方法であり、 別法は、 上述のように水酸基の保護基を水素原子に変換した後、 ハロゲン化ァシル、 酸無水物等のァシル化剤によって、 水素化ナトリウム、 卜リエチルァミン、
又は無置換もしくは置換ピリジン等の塩基存在下反応させ、 脂肪族あるい は芳香族のァシル基 (アンル基としてはァセチル、 プロピオニル、 ピバロ ィル、 sec—ブチロイル、 ベンゾィノレ、 クロ口べンゾィル、 または 4ーメ トキシベンゾィルなどが挙げられる) を導入するものである。 ここでトリ アルキルシリル基中のアルキル基としてはメチル、 ェチル、 プロピル、 ブ チル、 ペンチル、 へキシル、 ヘプチル、 ォクチル、 ノナニル、 またはデカ ニルが挙げられ、 互いに同じであっても異なっていてもよいものである。 かく して一般式 (V) で表される化合物を得る。
次いで金属水素化物 (例えば水素化ホウ素ナトリウム、 シァノ水素化ホ ゥ素ナトリウ厶、 水素化リチウムアルミニウム、 ボラン-卜リメチルアミ ン、 トリヱチルシラン等) を用いて、 反応に関与しない溶媒 (例えば、 テ トラヒ ドロフラン、 エーテルなど) 中で、 一般式 (V— 2) の化合物の環状 ベンジリデン部分を還元して一般式 (IV— 1) で表される化合物に誘導す o
この化合物について R 21 'は除去することができる。 R 21 'が脂肪族ある いは芳香族のァシル基である場合、 メタノール中でのナトリウムメ トキシ ドまたはエタノール中ナ卜リウムェ卜キシドなどの方法により、 R 21 'を 水素原子に変換できる。 また R 21'が無置換もしくは置換フニニルメチル 基である場合、 水素雰囲気下での接触還元等により R 21 'を除去できる。 R 4'が脂肪族あるいは芳香族のァシルォキシ基である場合も、 メタノール 中でのナトリウムメ トキシドまたはエタノール中ナトリゥ厶ェトキシドな どの方法により、 R 4'を水酸基に変換できる。 かく して一般式 (IV) で表 される化合物を得ることができる。
次に一般式 (IV— 1) で表される化合物を、 一般式 (ΧΙΠ) で示された 化合物と縮合させることによって一般式 (III一 1) で表される化合物が得
られる。 すなわち、 反応に関与しない溶媒 (例えばベンゼン、 トルエン、 塩化メチレン、 またはそれらの混合溶媒) 中で適当なグリコシル化促進剤
( N—ョードスクシンイ ミ ド Zテトラブチルアンモニゥム ト リフレー ト、 ジメチル(メチルチオ)スルホニゥムトリフレート、 N—ブロモスクシンィ ミ ドノトリフルォロメタンスルホン酸銀など) の存在下、 一般式 (IV— 1) と一般式 (XIII) の化合物を縮合することにより、 一般式 (III一 1) で示 される化合物へ誘導できる。
なお一般式 (XIII) で表される化合物は Carbohydrate Research, 200, 269- 285(1990)に記載の方法に類似した方法に類似した方法に従って容易 に合成することができる。
この一般式 (III一 1) で表される化合物において、 R 1が低級アルキル 基、 R 21 '、 及び R 3 1 'が脂肪族あるいは芳香族のァシル基で、 R 4'が脂肪 族あるいは芳香族のァシルォキシ基である場合、 メタノール中でのナトリ ゥムメ トキシドまたはエタノール中ナトリウムエトキンドなどの方法によ り、 これらの保護基を水素原子に変換できる。 また R 2 1 'および R 3 1 'が無 置換もしくは置換フニニルメチル基で、 R 1が低級アルキル基、 R 4が脂肪 族あるいは芳香族のァシルァミノ基である場合、 水素雰囲気下での接触還 元等により R 21および R 3 1を除去でき、 さらにハロゲン化ァシル、 酸無水 物等のァシル化剤によって、 水素化ナトリウム、 トリェチルァミン、 又は 無置換もしくは置換ピリジン等の塩基存在下反応させ、 脂肪族あるいは芳 香族のァシル基 (ァシル基としてはァセチル、 プロピオニル、 ビバロイル、 sec—ブチロイル、 ベンゾィル、 クロ口べンゾィル、 またはメ トキシベン ゾィルなどが挙げられる) を導入できる。 このようにして一般式 (III) で表される化合物が得られる。
一般式 (ΠΙ) で表される化合物の製造の好ましい態様を以下の反応ス
j¾Bスキーム 4
Ph o
化合物 (7) I OBn 化合物 (8)
¾ ÷|
チオメチル体 (X) を、 スキーム 4に示すように、 化合物 (7 ) と、 反 応に関与しない溶媒 (例えばベンゼン、 トルエン、 塩化メチレン、 または それらの混合溶媒) 中で適当なグリコシル化促進剤 (N—ョ一ドスクシン ィミ ド /テトラブチルアンモニゥムトリフレー卜、 ジメチル(メチルチオ) スルホニゥムトリフレートなど) の存在下、 0。Cで 2〜3時間反応させる ことにより、 化合物 (8 ) に誘導することができる。 次にこの化合物のグ ルコサミ ンのベンジリデン部分を還元することで化合物 (9 ) が得られる。 還元は、 適当な還元剤 (例えば、 水素化シァノホウ素ナト リウム、 ボラン -トリメチルァミン、 トリェチルシランなど) を用いて、 反応に関与しな い溶媒 (例えば、 テトラヒ ドロフラン、 エーテルなど) 中で 0〜 3 0 の 温度で 2時間以内で反応を完結させることができる。 化合物 (9 ) はグル コサミン部分の 4位の水酸基を除いて全ての水酸基が保護されているので、 シァリルガラク トース {化合物 (1 0 ) } と結合させることで化合物 (1 1 ) が得られる。
次に反応スキーム 5に示すように、 このようにして得られた一般式(III 一 1) で表される化合物 (ベンジル型水酸保護基の場合にはァシル型水酸 保護基に変換する) からトリアル千ルシリルェチル基を除去した後、 活性 化し、 次に一般式 (XIV) で表されるスフィ ンゴシン誘導体と縮合させて 一般式 (I一 21) で表される化合物を得る。
S&スキーム 5
式中、 R
2()' R
3()'および R
5'は脂肪族あるいは芳香族のァシル基を表 し、 R
12は N
3 NH
2または NHCORa基 (Raは飽和または不飽和のァ ルキル基を表す) を表し、 nは 0 20の整数を表し、 Xは水酸基、 フッ 素原子、 チォアルキル基、 チオアリール基または— OC(NH)C Cl
3基を 表し、 R R
l R
4' TASは上に定義したとおりである。
卜リアルキルシリルェチル基の脱保護は一般式 (III一 2) の化合物をル イス酸 (例えば、 トリフルォロ酢酸、 三フッ化ホウ素エーテル錯体等) で
処理することで行われる。
かく して得られた一般式 (II一 1) で表される化合物において Xが水酸 基である化合物について、 ジェチルァミノサルファ トリフルオラィ ド (D AST) での処理、 無水酢酸でァセチル化後ルイス酸存在下アルキルチオ 卜リメチルシランでの処理、 無水酢酸でァセチル化後ルイス酸存在下芳香 族メルカブタンでの処理、 または 1, 8—ジァザビンクロ [5.4. ,0]ゥン デカ一 7—ェン (DBU) 存在下でのトリクロロアセ トニトリル (CC13 CN) 処理により、 Xが各々フッ素原子、 チォアルキル基、 チオアリール 基またはトリクロロアセトイミデート [― OC(NH)C Cl3] に変換され た一般式 (II一 1) の化合物とすることができる。
最後に、 一般式 (II— 1) の化合物とスフィ ンゴシン誘導体 [一般式 (X IV) ] とを、 種々のグリコシル化促進剤 (例えば塩化三フッ化ホウ素ェ一 テル錯体、 トリアルキルシリノレトリフルォロメタンスルホネート、 N—ョ ― ドスクシンィ ミ ド Zテトラブチルァンモニゥム トリフレー ト、 ジメチル (メチルチオ)スルホニゥムトリフレート、 塩化スズ(II)ノ過塩素酸銀、 ジ ルコノセン/トリフルォロメタンスルホン酸銀など) 存在下で、 縮合して、 一般式 (I一 21) の化合物を得ることができる。
なお一般式 (XIV) で表される化合物は、 例えば Carbohydrate Researc h, 202, 177- 191(1990)に記載の方法に準じて、 アジドスフィ ンゴシンを 合成し、 この 1位の一級水酸基を適当な保護基、 例えばトリフエ二ルメチ ル基等で保護した後、 例えば塩化ベンゾィル等を用いて、 常法により 3位 の水酸基を保護し、 この後、 例えば三フッ化ホウ素エーテル錯体で 1位の 脱保護を行うことにより、 容易に得ることが可能である。
スフィンゴシン部分の R1()がアジド基の場合、 スキーム 6に示すように このアジド基を選択的に還元 (例えば硫化水素など) して、 次に脱水縮合
剤 [1, 2—ジシクロへキシルカルポジイミ ド (DCC) 、 1ーェチル一 3—(3—ジメチルァミノプロピル)カルポジイミ ド (WSC) など] 存在 下所望の力ルポン酸を反応させれば対応する全て保護されたフッ素置換シ ァリルルイス Xガングリオシド (1— 11) を得ることができる。 スキーム 6
式中、 Raは飽和または不飽和の脂肪族基を表し、 R、 R1'. R2D'、 R 30\ R4'、 R5'および nは上に定義したとおりである。
ナトリウムメ トキシドーメタノール、 ナトリウムエトキンドーエタノー ルなどのアルカリ条件下で、 溶媒中での脱一 0—ァシル化を行ない、 加水 分解して、 一般式 (1— 1) で表される化合物において R R2\ R30お
よび R 5が水素原子であり、 R 4が水酸基又はァセチルアミノ基である一般 式 (IX) で表されるフッ素置換シァリルルイス Xガングリォシドを得るこ とができる。
好ましい態様を以下の反応スキーム 7に示す。
反応スキーム 7
化合物 (11) のベンジル基を接触還元で除去し、 遊離した水酸基をァ セチル化して一般式 (II) で表される化合物 (12) としてから、卜リフ ルォロ酢酸を作用させ、 グルコースの 2位のトリメチルシリルェチル基を 脱保護して、 一般式 (II) で表される化合物 (13) を得る。 これを 1, 8—ジァザビシクロ [5.4.0]ゥンデ力一 7—ェン (DBU) とトリクロ ロアセトニトリル (CC1
3CN) を用いて一般式 (II) で表される化合物 (14) とする。 次いで、 アジドスフィ ンゴシン誘導体 {化合物 (A) } 存在下、 三フッ化ホウ素エーテル錯体を作用させて、 一般式 (I) で表さ れる化合物 (15) とする。 さらに、 硫化水素ガスでアジド基を還元し、 脱水縮合剤 [例えば、 1一ェチル一3— (3—ジメチルァミノプロピル)力 ルボジイミ ド塩酸塩など] 存在下、 テトラコサン酸を縮合させて化合物 (1 6) とし、 保護基を脱保護することにより、 望みのフッ素置換シァリルル イス X誘導体である化合物 (IX) を得る。 上記アジド基を還元する際に用 いられる還元剤としては硫化水素に限定されるものではなく、 アジドの還 元能力があり、 かつ二重結合を還元せず、 ァシル保護基を脱離しない還元 剤であれば何れでもよい。 この反応行程は反応スキーム 3に示ざれる通り である。
本発明の化合物はセレクチン接着阻害活性と代謝安定性を有することが 予想される。 これらのことより、 好中球 (白血球の一種) 依存性かつセレ クチン依存性の急性炎症を抑制でき、 さらに炎症や炎症に伴う血栓形成、 喘息、 リウマチ、 免疫疾患及び癌の治療及び予防の分野に有用であると期 待される。
以下に実施例を説明するが、 本発明はこれら実施例により何ら限定され るものではない。
実施例
^施例 1 3, 4—ジー 0—ァセチル一 2—デォキシ一2—フルオロー 一 L—フコビラノ シル ブロマイ ド [以下、 化合物 (2) と略す] の合 化合物 (1) 0.300g (l. l 9mmol) を酢酸-無水酢酸 2 : 1の混合 溶媒 0.了 ml に溶かし、 氷水冷却後、 10°Cで 33%臭化水素-酢酸溶液 (メルク社製) 1.35ml (281圆01) を加えた。 密栓をして、 氷浴を はずし、 内温 20〜25°Cで 24時間撹拌した。 ジクロロメタンで希釈し、 冷却水、 飽和炭酸水素ナトリウム水、 冷却水で順次洗浄した。 硫酸ナ卜リ ゥムで乾燥後、 減圧濃縮し、 0.364g (Y.97.7 %) の化合物 (2) を得た。
CIOH OSBTF ( 3 1 3. 12 )
JH-NMR ( CD Cl3; TMS ) : 56.61 C d, 1 H, J!, 2= 4. 2 Hz, H— 1 ), 5.48 ( dd, 1 H, J 2, 3= 10.0Hz, 1 H, J 3, 4 =3.4 Hz, H-3 ), 5.38 ( dd, 1 H, J 3, 4=3.4 Hz, J4,5 = 1.0Hz, H-4 ), 4.74 ( ddd, 1 H, J F, 2= 50.5Hz, J!, 2 = 4.2 Hz, J 2, 3= 10.0 Hz, H-2 ), 4.44(m, 1H, H— 5 ), 2.17, 2.07( 2s, 6H, 2Ac〇 ), 1.22 ( d, 3H, J5,6 = 6.5 Hz, H-6 ).
1 F-NMR ( CDC13 ; CFCls ) : (5 - 195 ( ddd, J F, 2H = 50.5Hz, Jr, 3H=9.4 Hz, J P, I H=3. OHz )
実施例 2 2— (トリメチルシリル)ェチル 3, 4—ジー〇一ァセチルー 2—デォキシー 2—フルオロー /3— L一フコピラノシド [以 、 ィヒ—合物 (3_ ) と略す] の合成
化合物 (2) 0.364g (1.16 mmol) を無水ジクロロメタン 2 ml に
溶解し、 活性化したモレキュラーシーブ 4 A 18 Omgを加えて、 アルゴン 雰囲気下、 1時間撹拌した (混合物 A) 。 一方、 2- (トリメチルシリル) エタノール 0.16 ml (1.12随 ol) を、 過塩素酸銀 0.130g (0.6
3 mmol) 、 炭酸銀 0.170g (0.62 mmol) と共に、 アルゴン雰囲気下、 無水ジクロロメタン 1 mlに混合し、 活性化したモレキュラーシーブ 4 A 1 80ragを加えてから、 遮光下、 室温で 2時間撹拌した (混合物 B) 。 以上 の両混合物を、 共に氷冷し、 混合物 Bを混合物 Aに加え、 遮光下、 室温に 昇温して 12時間撹拌した。 不溶部を濾取し、 ジクロロメタンで洗浄後、 濾液及び洗液を合して、 5%炭酸ナ トリウム水溶液での洗浄、 次いで、 硫 酸ナトリウ厶乾燥を行った。 溶媒を減圧濃縮した残渣をフラッシュクロマ 卜グラフィー (溶出液: n—へキサン一酢酸ェチル =6: 1) に供し、 ィヒ 合物 (3) (277rag, 68.0%) を得た。
C]5H2706F Si ( 350.47 )
融点 48〜50°C
[α]ο2 = - 26.4 ° ( c 1.0, CHC )
I RKBr raax cm'1 : 1750, 1270 (エステル), 870, 84 0( Me3Si ),
'H-NMR ( CD Cl
3; TMS ) : δ 5.26 ( ddd, 1 H, J
3,
4 = J F,
4=2.7 Hz, J 4, 5 = 1.0Hz, H- 4 ), 5.09 ( ddd, 1 H, J F. 3 = 14 Hz, J
2, 3=9.7 Hz, J 3,
4= 2.7 Hz, H- 3 ), 4.53 ( d, 1H, J!,
H - 1 ), 4.45 ( ddd, 1 H, J F,
2 =
44 Hz, J 2, 3=9.7Hz, J1( 2=7.7Hz, H— 2 ), 4.03 ( m, 1 H, CHCH2Si ), 3.82 ( dq, 1 H, J 5, 6=6.5 Hz, J 4, 5 = 1.0 Hz, H- 5 ), 3.60( m, 1 H, CHCH2Si ), 2.05, 2. 15( s, 6H, 2 AcO ). 1.21 ( d, 3 H, J 5, e= 6.5 Hz, H—
6 ), 1.04( m, 2H, CH2CH2SiMe3 ).
19F—薩 R ( CDCls; CFC1
3 ) : <5 - 207 ( dd, 1 F, J
F,
14 Hz, 2一 F ),
質量分析: m/z C15H27〇6FSiについての計算値 351.1639 ( M + H ); 測定値 351.1637.
実施例 3 2— (トリメチルシリノレ)ェチル 3, 4—ジ一 0—ベンジル一 2—デォキシー 2—フルオロー — Lーフコビラノシ ド [以下、 化合物 (5 ) と略す] の合成
化合物 (3) 0.277g (0.79mmol) を無水メタノール 1.5 mlに溶 かし、 ナトリウムメ トキシ ド 8mg (0.15mmol) を加えてから、 ァルゴ ン雰囲気下、 室温で 2.5時間撹拌した。 反応溶液をそのまま、 アンバー ライ ト I R— 120(H型)に吸着し、 溶出液をメタノールにして、 濾過し た。 濾液を減圧濃縮し、 この残渣 (0.187g) を無水ジメチルホルムァ ミ ド 4mlに溶解した。 アルゴン雰囲気下、 0°Cで油性水素化ナト リウム (約
60%) 6 Omg (1.5mniol) を加え、 同温度で 30分撹拌し、 次いで、 同温度で臭化べンジル 0.26 ml (2.2mmol) を滴下した。 撹拌下、 0 °C で 30分反応後、 室温に昇温し、 2時間撹拌した。 再度 0°Cに冷却し、 メ タノール 0.15mlを加えてから、 減圧濃縮次いで真空乾燥し、 残渣をフ ラッシュクロマトグラフィー (溶出液: n—へキサン一酢酸ェチル = 8 : 1) に供し、 化合物 (5) (339mg, 96.0%) を得た。
[ ] D25 = + 19.4° (c 1.0, CHC )
I Rnea cm—1 : 1120(エーテル)' 860, 840(Me3Si),
700(Ph).
^-NMR (CDC13 ; TMS) : 57.26~7.40( πι, 10 H,
Ph ), 4. 8 1 ( ABq, 2 H, CH2Ph ), 4. 74 ( A B q, 2H, C H2Ph ), 4. 69 ( ddd, 1 H, J F> 2= 5 1 Hz, J i, 2= J 2, 3= 7. 6 Hz, H— 2 ), 4. 38 ( dd, J;, 2= 7. 6 Hz, J κ, ! = 4. 3 Hz, H— 1 ), 4. 0 0 ", 1 H, CHCH2Si ), 3. 55 ", 1 H, CHCH 2Si ), 3. 65— 3. 55 ( m, 2H, H-4, H— 3 ), 3. 48 ( q, 1 H, J 5, 6= 6. 5 Hz, H— 5 ), 1. 1 9 ( d, 3 H, J 5, 6= 6. 5 Hz, H- 6 ), 1. 04 ( m, 2H, CH2CH2SiMe3 ).
19F-NMR(CDC13; CF C13) : <5 - 206 ( dd, I F, J F, 2H = 5 1 Hz, J F, 3H= 1 2 Hz, 2一 F ),
質量分析: m/z C25H3504F Siについての計算値 44 7. 2366 ( M + H ); 測定値 44 7. 235 6.
実施例 4 1一 0—ァセチル— 3, 4—ジ一 0—ベンジル一 2—デォキ シー 2—フルォロニ a β -L-フコビラノース [以下、 化合物 (6) と 略す] の合成
化合物 (5) 0. 22 Og (0. 493mmol) を無水トルエン 4 ml及び無 水酢酸 0. 7mlに溶かし、 アルゴン雰囲気下、 — 30°Cに冷却下、 三フッ 化ホウ素一エーテル錯体 50 ill (0. 4 1 ramol) を滴下した。 撹拌しなが ら、 3時間かけて 0°Cに昇温後、 ジクロロメタンで希釈し、 1M 炭酸ナ 卜リウム水溶液、 飽和食塩水で洗浄した。 硫酸ナトリウムで乾燥後、 減圧 濃縮し、 残渣をフラッシュクロマトグラフィー (溶出液: n—へキサン一 酢酸ェチル = 6 : 1) に供し、 化合物 (6) ( : ^ = 1 : 2, 1 8 7mg( 97. 8% ) を得た。
C22H 2505 F ( 388. 44 )
I R
n e s t ma x cm"
1 : 1 730, 1250 (エステル), 730, 70 0(Ph).
^-NMR ( CD Cl
3 ; TMS ) : o 7.2 - 7.5", 10 H, Ph ), 6.38( d. 0.33H, J
ll 2=4.0 Hz, aH- 1 ), 5.6 δ( dd, 0.66H, J 1, 2=8.0 Hz, J
F,
1 H=4. 8Hz, ^SH- 1 ), 2.14( s, 0.66H, Ac( 3) ), 2. 12( s, 0.33H, Ac(a) ), 1. 19 C d, 2H, J 5,
. βΚ- 6 ), 1.16 ( d, 1 H, J 5,
Hz, H— 6 ).
実施例 5 メチル 3, 4—ジー 0—ベンジル一 2—デォキシ一 2—フル オロー 1—チォーひ, ?一 L—フコビラノース [以下、 化合物 (X) と略 す] の合成
化合物 (6) 0. 187g (0.481 ramol) を無水ジクロロメタン 5 ml に溶解し、 アルゴン雰囲気下、 (メチルチオ)トリメチルンラン 0.33ml (2.33mmol) を加え、 0°Cに冷却してから、 三フッ化ホウ素一エーテ ル錯体 0.13 ml (1.06翻 ol) を滴下した。 室温に昇温して、 19時間 撹拌後、 ジクロロメタンで希釈し、 1 M 炭酸ナ卜リゥム水溶液、 飽和食 塩水で洗浄した。 硫酸ナトリウムで乾燥後、 減圧濃縮し、 残渣をフラッシュ クロマトグラフィー (溶出液: n—へキサン一酢酸ェチル = 8 : 1) に供 し、 化合物 (X) ( β = 3 2, 133mg, 97.8% ) を得た。
C21H2503FS ( 376.50 )
I Rneal raax cm—1 : 1 120( エーテル ), 730, 700(Ph). 質量分析: m/z C21H2503F Sについての計算値 377. 1587 ( M + H ); 測定値 377. 1588.
a ;
!H-NMR ( CD Cl
3 ; TMS ) : δ 7.5— 7.2", 10 H, Ph ), 5.42 ( d, 1 H, J!,
2=5. 7Hz, aH- 1 ), 5.22( ddd, 1H, J F,
2=50 Hz, J
2, 3= 10 Hz, J i,
2=5.7Hz, H— 2 ), 4.81( ABq, 2H, CH
2Ph ), 4. 75(ABq, 2H, CH
2P
h ), 4.18 ( dq, 1 H. J
4, 5 = 1.0 Hz, J
5,
6=6.4 Hz, H— 5 ), 3.86 ( ddd, 1 H, J
F,
3=9.3Hz, J
2, 3 = 10 Hz, J
3,
4=3. 1 Hz, H-3 ), 3.68 ( ddd, 1 H, J ,
4=4.3Hz, J
3,
4=3. 1H z. J
4,
5=1.0 Hz, H-4 ), 2.10( s, 3H, S CH
3 ), 1. 17
19F— NMR ( CD Cl3 ; C F Cl3 ) : o 一 198( ddd, 1 F, J 50 Hz, J 9.3 Hz, J =4.3 Hz, 2— F ), β ; !H-NMR ( CDCI3 ; TMS ) : o 7. δ - 7.2 ( m, 10 H, Ph ), 4.82( ABq, 2H, CH2Ph ), 4.76 ( ABq, 2 H, CH2Ph ), 4.76 ( ddd, 1 H, J F, 2= 51 Hz, J 1 , 2 = J 2, 3 = 9. 5 Hz, H-2 ), 4.34 ( dd, 1 H, J 1 , 2=9.5 Hz, J F, 1 = 3.2 Hz, H— 1 ), 3.7— 3.6 ( m, 2H, H-3 及び H—4 ), 3.55 ( q, 1H, J 5, 6=6. δΗζ, H— 5 ), 2.21 ( s, 3H, S— CH3 ) , 1.22 ( d, 3H, J 5, 6=6.5 Hz, H-6 ).
19F - NMR ( CDCI3; CFC ) : δ 一 197( ddd, 1 F, J 51 Hz, J 13.1 Hz, J = 3.2Hz, 2一 F ), 実施例 6 2—(トリメチルシリル)ェチル 0—(3, 4ージー 0—ベン ジル -2-デォキシー 2—フルオローひ一 Lーフコビラノシル)一(1→3)
-0 -(2-ーァセタミ ド一 4, 6— 0—べンジリデン一 2—デォキシー ^—
D—グルコビラノシノレ)一(1— 3)一 0—(2, 4, 6—トリー 0—べンジル 一 β -D-ガラク トビラノシル)一(1→4)一 2, 3, 6—トリ一 0—ベン ジル一 β— D—ダルコビラノシ ド [以下、 化合物 (8) と略す] の合成 化合物 (X) 9 Omg (0.239mmol) 及び 2—(トリメチルシリル)ェ チル 0— (2—ァセタミ ドー 4, 6— 0—べンジリデンー 2—デォキシ一 3— D—グルコピラノシノレ)一(1→3)— 0—(2.4, 6—トリ一 0—ベン
ジル一/S— D—ガラク トビラノシル)一(1— 4)一 2, 3, 6—トリ一 0— ベンジルー 3— D—グルコピラノシド [以下、 化合物 (7) と略す] 22 Omg (0.173mraol) を無水ベンゼン 7 mlに溶解し、 アルゴン雰囲気下、 活性化したモレキュラーシーブ 4 A 1 gを加えた。 室温で 8時間撹拌後、 約 7 °Cに冷却し、 ジメチル(メチルチオ)スルホニゥム トリフレート 36 Omg (1.39襲 ol) と活性化したモレキュラーシーブ 4 A36 Omgとの 混合物をくわえ、 同温度で 1時間 30分撹拌した。 4°Cに冷却し、 メタノ —ル 3.6ml、 次いでトリェチルァミン 1.2 mlを加え、 同温度で 30分撹 拌した。 不溶部を吸引濾別し、 ジクロロメタンで洗浄した。 瀘液及び洗液 を合して、 水で洗浄後、 硫酸ナトリウムで乾燥し、 減圧濃縮した。 残渣を フラッシュクロマトグラフィー (溶出液: n—へキサン一酢酸ェチル = 5 : 2) に供し、 化合物 (8) ( 195mg, 70.4% ) を得た。
C94H108NO19FSi ( 1603.0 )
[a]D 22 =— 49.0。 ( c 0.91, クロ口ホルム )
I RKBr max cm-1 : 3400(NH), 1690, 1540 (アミ ド), 1100(エーテル), 860, 840(Me3Si), 740, 700(Ph).
'H-NMR ( CD Cl3; TMS ) : o 了.5- 7.1", 45H, 9 Ph ), 5.48( s, 1 H, PhCH )' 4.92 ( d, 1 H, Jll 2=3. 8 Hz, H— 1, フコース部 ), 1.51( s, 3 H. AcN ), 1.00( m, 2H, CH2SiMe3 )' 0.73 ( d, 3H, J 5, 6= 6.4 Hz, H- 6, フコース部 ).
19F— NMR ( CDC1
3 ; CFCls ) : δ - 207( ddd, J
F,
2H =5 lHz, J r,
2一 F ).
質量分析: m/z C94Hlfl8N019F Siについての計算値 1603.7 381( M + H );測定値 1603.7351.
実施例 7 2—(ト リメチルシリル)ェチル 0—(3, 4—ジ一 0—ベン ジルー 2—デォキシ一 2—フルオローひ一 Lーフコビラノシル)一( ]→3) 一 0—(2—ァセタ ドー 6— 0—べンジルー 2—デォキシー /3— D—グル コピラノシル)ー(1→3)— 0— (2, 4, 6— トリ—一 0—べンジルー;3— D ーガラク トピラノシル)一(1→4)一 2, 3, 6—トリ一 0—ベンジルー /3 一 D—グルコビラノシ ド [以下、 化合物 (9) と略す] の合成
化合物 (8) 125 mg (0.0779mmol) を無水テトラヒ ドロフラン 2.5mlに溶解し、 アルゴン雰囲気下、 活性化したモレキュラーシーブ 4 A400mgを加えた。 室温で 1時間撹拌後、 同温度でシァノ水素化ほう素 ナトリウム 74mg ( 1.18mmol) を加え、 0°Cに冷却し、 1M塩酸—ェ 一テル溶液 1.75ml (1.75襲01) をアルゴン雰囲気下で滴下した。 室 温へ昇温してから、 20分撹拌し、 ジクロロメタン 15mlと水 3mlを加え て、 不溶部を濾別後、 ジクロロメタンで洗浄した。 濾液及び洗液を合して、 2 M塩酸水溶液、 次いで水で洗浄し、 硫酸ナトリウム乾燥を行った。 減圧 濃縮後の残渣をフラッシュクロマトグラフィ一 (溶出液: n—へキサン一 酢酸ェチル =3 : 2) に供し、 化合物 (9) ( 95mg, 76.0% ) を得 た。
C94H1I0NOi9F Si ( 1605.0 )
[ ] 22=— 19. 5° ( c 1.12, クロ口ホルム )
I RKB r max cm'1 : 3700 一 3200(OH, NH), 1660, 1500(アミ ド), 1070(エーテル), 860, 840(Me3Si), 7 40, 700(Ph).
'Η - NMR ( CDC13 ; TMS ) : o 7.5— 7.0", 45 H, 9 Ph ), 1.51 ( s, 3H, AcN ), 1.14 ( d, 3H, J 5) e=6.4 Hz, H— 6, フコース部 ), 1.01 ( m, 2H, CH2SiMe3 ).
19F- MR ( CDCls; CFC13 ) : δ 一 208 ( dd, J F.2H = 54 Hz, J F, 3H= 6.5 Hz, 2-F ).
質量分析: m/z CMHHQNO F Siについての計算値 1 6 0 5. 7 53 7 ( M + H );測定値 1 605. 7520.
実施例 8 2—(トリメチルシリノレ)ェチル 〇一(メチル 5—ァセタミ ドー 4, 7, 8, 9—テトラー 0—ァセチル一 3, 5—ジデォキシー D—グリ セロー 一 D—ガラク トー 2—ノヌロビラ シ口ネート)一(2→3)— 0— ( 2, 4, 6— トリ— Q— ン Vィルー 3— D—ガラク トビラノシノ—レ)一(〕→ 4)ー0— [(3, 4ージー 0—ベンジルー 2—デォキシー 2—フルオロー α— Lーフコピラノシル)一(1— 3)〕一 0— (2— Τセタミ ドー 6— 0—ベンジ ル一 2—デォキシー 一— D—ダルコビラノシル)一(1→3)—〇ー(2. 4, 6— トリ一 0—ベンジルー 3—D-ガ―ラク トピラノシル)一(1→4)一 2, 3, 6—卜リー 0—べンジルー ; 3— D—ダルコビラノシド [以下、 化合物 (11) と略す] の合成
化合物 (9) 157 mg (0.0978隨 ol) 及びメチル 0—(メチル 5 ーァセタミ ドー 4, 7, 8, 9ーテトラ一 0—ァセチル一 3, 5—ジデォキシ 一 D—グリセロー 一 D—ガラク トー 2—ノヌロビラノ シロネー ト)一(2 →3)— 2, 4, 6—トリ一 0—べンゾィルー 1一チオー^ _D—ガラク ト ビラノシシド {化合物 (10) } 134mg (0.135匪 ol) を無水ジク ロロメタン 5mlに溶解し、 アルゴン雰囲気下、 活性化したモレキュラーシ ーブ 4 A32 Omgを加えた。 室温で 4時間撹拌後、 同温度でジメチル(メ チルチオ)スルホニゥム トリフレート 10 Omg (0.387πιπιο1) と活性 化したモレキュラーシーブ 4 A 10 Oragとの混合物をくわえ、 アルゴン雰 囲気下、 同温度で 22時間撹拌した。 氷冷して、 メタノール 0.36 ml及 びトリエチルアミ ン 0.18 mlを加え、 同温度で 30分撹拌した。 ジクロ
ロメタンで希釈後、 濾過、 洗浄を行い、 この濾液と洗液を合して、 水で洗 浄した。 硫酸ナトリウム乾燥し、 減圧濃縮の残渣をフラッシュクロマトグ ラフィー (溶出液: n—へキサン一酢酸ェチル = 1 : 3) に供し、 化合物 (11) ( 98 nig, 39.3% ) を得た。
C141H159N2〇39F Si ( 2552.9 )
[な] D 24 =— 13.7。 ( c 1.25, クロ口ホルム )
I RK B r m a x cm-1 : 3400(NH), 1740, 1270(エステル), 1690, 1500(アミ ド), 1070(エーテル), 860, 840 (Me 3Si), 740, 710(Ph).
'H-NMR ( CD Cl
3 ; TMS ) : δ 8.3 - 7.0", 60 H, 12Ph ), 5.67 ( m, 1 H, H— 8, シアル酸部), δ .43 ( dd, 1 H, J ,, 2=8.2Hz, J
2( 3=9.9Hz, H-2, ガク トース部 ), 5. 30(幅広 d, 1H, J a, 4
H-2, ガラク トース部 ), 5.23 ( dd, 1 H, J 7, 8 = 12.4Hz, J
6) 7=2.6 Hz, H— 7, シアル酸部 ), 3.78( s, 3H, OCH
3 ), 2.43 C dd, 1 H, J
3
H z, H— 3e, シアル酸部 ), 2.14, 1.95, 1.92. 1.80( 4s, 12H, 4Ac〇 ), 1.53, 1.5 0( 2s, 6H, 2 AcN ), 1.09 ( d, 3H, J
5.
6=6.4 Hz, H— 6, シアル酸部 ), 1.01 ( m, 2H, Me
3SiCH
2CH
20 ).
19F - NMR ( CD Cl3 ; C F Cl3 ) : δ - 208 ( dd, J F, 2H =53Hz, J 3H= 7.0 Hz, 2一 F ).
質量分析: m/z C141H159N 2039 F Siについての計算値 2553. 0385( M+H );測定値 2553.0404.
塞施例 9_ 2—(トリメチルシリノレ)ェチル — ( チル 5—ァセタミ ドー 4, 7, 8, 9—テトラー 0—ァセチルー 3, 5—ジデォキシ一 D—グリ
セローひ一 D—ガラク 卜一 2—ノヌロビラノシロネート)一(2— 3)— 0 — (2, 4, 6—トリ一〇一ベンゾィル一 /S— D—ガラク トピラノシノレ)一(1 →4)一 0— [(3, 4ージ一0—ァセチル一 2—デォキシー 2—フルオロー ひ一 Lーフコビラノシル)ー(1→3)]— 0—(2—ァセタミ ド一 6— 0— ァセチルー 2 -デォキ 一; S— D-ダルコピラノシル— )一( → 3 ) - 0—( 2 , 4, 6—トリー 0—ァセチルー; 9— D—ガラク トビラノシル)一( 1→4) 一 2, 3, 6—卜リー 0—ァセチル一; g— D—グルコビラノシト" [以下、 化 合物 (12) と略す] の合成
化合物 (11) 98mg (0.038mmol) を、 エタノール 15ml及び酢 酸 5.5mlに溶かし、 10%パラジウム一炭素 9 Omgの存在下、 45てに 加温しながら、 常圧水素圧で 4日間接触還元した。 濾過したのち、 溶媒を 減圧濃縮し、 残渣にピリジン 4ml、 無水酢酸 2 mlを加えて、 室温で 20時 間撹拌した。 減圧濃縮後の残渣をフラッシュクロマトグラフィー (溶出液 : n—へキサン—酢酸ェチル = 1: 6) に供し、 化合物 (12) ( 66. 6mg, 81.8% ) を得た。
C96H123N2〇48FSi ( 2120.1 )
[a]D 23 =— 23.2 ° ( c 0.73, クロ口ホルム )
I RKBr max cm"1 : 3400(NH), 1740, 1230(エステル) , 1700, 1530(アミ ド), 1070(エーテル), 860, 840 (M e3Si), 720(Ph).
^-NMR ( CD Cl
3; T S ) : δ 8.2 - 7.4( m, 1 δΗ, 3 Ph ), 5.66 ( m, 1 H, H— 8, シアル酸部), 5.27 ( dd, 1 H, J 6, 7=2.9Hz, J
7, 8 = 9.9Hz, H— 7, シアル酸部 ), δ.35( d, 1H, J!,
H— 1, フコース部 ), 5.15 ( dd, 1H, J 2, 3 = J a, 4 = 9.3 Hz, H— 3, グルコース部 ), 4.46( d, 1 H,
J i, 7. 9Hz, H- 1, グルコース部 ), 3. 80 ( s, 3H, OCH
3 ), 3. 45 ( dd, 1 H, J
2> 1 0. 0 Hz, J
3,
4= 3. 5Hz, H— 3, ガラク トース部 ), 2. 41 ( dd. 1 H, J 12.7HZ, J 4
= 4. 7Hz, H— 3e, シアル酸部 ), 2. 1 3, 2. 1 0, 2. 09, 2. 08, 2. 0 7. 2. 07, 2. 06, 2. 03, 2. 02, 2. 00, 1. 9 3, 1. 9 1, 0. 9 1 ( 1 3 s, 39 H, 13 Ac〇 ), 1. 78, 1. 56 ( 2 s, 6 H, 2 AcN ), 1. 09 ( d, 3 H, J 5> 6= 6. 5 Hz, H— 6, フコース部 ), 0. 90 ( m, 2 H, Me3SiCH2CH20 ).
19F-NMR ( CD C13 ; CFCI3 ) : o 一 208 ( ddd, J F, 2H = 50Hz, J F, 3H= 7. 6 Hz, J P, vu= 2. 5 Hz, 2— F ).
質量分析: m/z C96H123N2〇48F Siについての計算値 2 1 20. 71 1 0( M + H );測定値 2 1 20. 70 72.
実施例 1 0 O— (メチル 5—ァセタミ ドー 4, 7, 8, 9ーテトラー 0 二ァセチルー 3, 5—ジデォキシ一 D—グリセローひ一 D—ガラク トー 2 ーノヌロビラノン口ネー ト)一(2— 3)— 0-(2, 4, 6—トリー 0—ベン ゾィルー^ー D—ガラク トビラノシノレ)一(1— 4)一 0— [(3, 4ージー 0 ニァセチルー 2—デォキシー 2—フルォ口一 α— L—フコビラノシル)一(1 →3)]-0- ( 2—ァセタミ ドー 6二 0一ァセチルー 2—デォキシ一 5— D—グルコビラ Iシノヒ) -_( 1→3)— 0— (2, 4, 6—トリー 0 -ァセチル 一 — D -ガラク 卜ピラノシル)—(1— 4)一 2, 3, 6 -ト―リ一— 0—ァセ チルー D—ダルコピラノシース [以下、 化合物 (1 3) と略す] の合成 化合物 (12) 6 Omg (0. 02 8mmol) を、 アルゴン雰囲気下、 無水 ジクロロメタン 0. 8 mlに溶解後、 0°Cに冷却してから トリフルォロ酢酸 1. 6mlを滴下した。 同温度で 5時間撹拌後、 酢酸ェチル 2mlを加えて、 同温度で、 減圧次いで真空下で濃縮した。 この残渣をシリカゲルカラムク
口マトグラフィ一 (溶出液 : ジクロロメタン→ジクロロメタンーメタノ一 ル = 30 : 1→20 : 1) に供して、 化合物 (1 3) ( 49. Orag, 8 δ. 1% ) を得た。
C9iH111N2048F ( 20 19. 8 )
[ ] D 25 =— 9. 4 ° ( c 0. 75, クロ口ホルム )
I RKB r roax cm'1 : 3 6 00 -3200(OH, H), 1 740, 1 2 30 (エステル), 1670, 1 540 (アミ ド), 1 0 7 0 (エーテル), 7 20(Ph).
質量分析: m/Z C91H1 UN2048 Fについての計算値 2020. 64 02( M + H );測定値 2020. 6392.
実施例 1 1 0—(メチル 5 -ァセタミ ドー 4, 7, 8, 9ーテトラー 0 —ァセチルー 3, 5—ジデォキシ一 D—グリセロー α— D—ガラク トー 2 —ノヌロピラノシロネー ト)ー(2→3)—〇ー(2, 4, 6— トリ一0—べン ゾィル一;5— D—ガラク トピラノシル)一(1→4)— 0— [(3, 4—ジー 0 一ァセチルー 2—デォキシー 2—フルオローひ一 L—フコビラノシル)一(1 二 )]— _0-(2—ァセ夕ミ ドー 6— 0—ァセチルー 2—デォキシ一 /3— D—ダルコビラノシノレ)一(1→3)— 0— (2, 4, 6—トリ一0—ァセチル — /g-D—ガラク トビラノシル)一(1→4)— 2, 3. 6—トリー 0-ァセ ^一 _—D—ダルコビラノシル トリクロロアセトイ ミデート [以下、 化合物 (14) と略す] の合成
化合物 (1 3) 49. Omg (0. 0242mmol) を無水ジクロロメタン 3 mlに溶解後、 アルゴン雰囲気下、 0°Cに冷却してから、 トリクロロアセト 二トリノレ 0. 1 ml (0. 99 7 mmol) 、 次いで 1 , 8—ジァザビシクロ [ 5. 4. 0]ゥンデス一 7—ェン (DBU) 3 ΐ (0. 02 mmol) を加え、 同温 度で 3時間撹拌した。 減圧濃縮後の残渣をシリカゲルカラムクロマ トグラ
フィー (溶出液: ジクロロメタン→ジクロロメタン一メ夕ノール = 40 : 1— 20 : 1) に供して、 化合物 (14) ( 4 δ .0 mg, 85.9% ) を 得た。
C93H N3048 C13F ( 2164.2 )
[ ] D 23 =— 0.83。 ( c 0.69, クロ口ホルム )
I RKBr max cm"1 : 3400(NH = C), 1740, 1230, (エステ ル), 1680, 1540(アミ ド), 1070 (エーテル), 760, 72
0(Ph).
!H-NMR ( CD Cl
3 ; TMS ) : o 8.6 δ ( s, 1 H, NH = C ), 8.2-7.4( m, 15H, 3 Ph )' 6.47( d, 1H, J
2 = 3.7 Hz, H— 1, グルコース部 ), δ.66 ( m, 1 H, H— 8, シアル 酸部 ), 5.36 ( d, 1H, J!, 2=3.8Hz, H- 1, フコース部 ), 5.28 ( dd, 1H, J 6,
Hz, H— 7, シァ ル酸部 ), 3.81( s, 3H, OCH
3 ), 3.48 ( dd, 1 H, J
2,
3 = 9.9 Hz, J
3,
4=4.0 Hz, H— 3, ガラク トース部 ), 2.41( dd, 1H, J 3„ 3 c
H— 3e, シアル酸部 ), 2.14, 2.10, 2.10, 2.08, 2.07, 2.07, 2.04, 2. 03, 2.00, 1.96, 1.93, 1.92, 1.91 ( 13 s, 39 H, 13 AcO ), 1.78, 1.56 ( 2 s, 6H, 2AcN ), 1.10 ( d, 3H, J 5.
Hz, H- 6, フコース部 ), 0.90 ( m, 2H, Me
3SiCH
2CH
20 ).
19F-NMR ( CD Cl
3 ; C F Cl
3 ) : δ 一 209 ( dd, J
F,
2H = 54 Hz, J P,
Hz, 2一 F ).
質量分析: m/z CwHmNsO^C Fについての計算値 2163. 5498 ( M + H ) ;測定値 2163.5454.
実施例 12 0— (メチル 5—ァセタミ ド一 4, 7, 8, 9—テトラー 0 —てセチルー 3 , 5—ジデォキシ一 D—グリセロー 一 D—ガラク 卜一 2 ーノヌロピラノシロネー ト)一(2→3)— 0—(2, 4, 6 - トリー 0—ベン ゾィル一 /3-D—ガラク トビラノシノレ)一(1→4)— 0— [(3, 4—ジー〇 —ァセチルー 2—デォキシ一 2—フルオローひ一 L—フコビラノシル)一( ] — 3)]— 0—(2—ァセタ ミ ドー 6— 0—ァセチルー 2—デォキシー^ー D—グルコピラノシル)一(1— 3)— 0— (2, 4, 6-ト 一 0—ァセチル 一; g— D—ガラク トピラノ シル)一(1→4)一 2, 3, 6——卜リー 0 -ァセ チル一 3— D—ダルコピラノシノレ)ー(1→1)一(2 S, 3 R .ー4 E ) - 2一— アジ ドー 3— 0—べンゾィルー 4一才クタデセン一 1 , 3—ジオール [以 下、 化合物 (15) と略す] の合成
化合物 (14) 45 mg (0.021 mmol) 及び ( 2 S , 3 R, 4 E ) — 2 —アジドー 3—〇一べンゾィルー 4—ォクタデセン一 1, 3—ジオール {ィヒ 合物 (A) } 2 Omg (0.047 mmol) を無水ジクロロメタン 1.5 mlに溶 解後、 活性化したモレキュラーシーブ 4 AO.45gを加えて、 アルゴン雰 囲気下、 室温で 30分撹拌後、 0°Cに冷却した。 三フッ化ホウ素 ·エーテ ル錯体 0.012mlを (0.10龍 ol) を加え、 同温度で 3時間撹拌した。 ジクロロメタンで希釈し、 不溶部を濾別後、 ジクロロメ夕ンで洗浄して、 濾液と洗液を合した。 この有機層を 1M炭酸水素ナトリウム水溶液、 次い で飽和食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 減圧濃縮後の残渣を シリ力ゲル力ラムクロマトグラフィー (溶出液 : ジクロロメタン→ジクロ ロメタン一メタノール =50 : 1→30 : 1) に供して、 化合物 (15) ( 36mg, 71.5% ) を得た。
C116H148N5O50F ( 2431.5 )
[ ] D23 =— 24.8 ° ( c 1.13, クロ口ホルム )
I RK B r ma x cm"1 : 2950, 2850(メチル, メチレン), 2100 (アジ ド), 1750, 1230(エステル), 1680, 1550 (アミ ド), 1070(エーテル), 800, 720(Ph).
^-NMR ( CDCls; TMS ) : o 8.2 - 7.4 ( ni, 15 H. 3 Ph ), 5.91 ( dt, 1H, J
4> s= 15.2 Hz, J
5> 6=6.6Hz, H —5, スフイ ンゴシン部 ), δ .67 ( m, 1H, H- 8, シアル酸部 ), 5.35 ( d. 1H. J i,
H- 1, フコース部 ), 5.27( dd, 1H, J
6> 7 = 2.7 Hz, J
7,
8=9.9Hz, H- 7, シアル酸部 ), δ .14 ( dd, 1H, J
2,
3= J
3,
4= 9.2 Hz, H— 3, グルコース部 ),
4.49 ( d, 1 H, J!, 2 = 7.7Hz, H— 1, グルコース部 ), 3.8 0( s, 3H, 〇CH
3 ), 3.44 ( dd, 1 H, J
2,
3= 10.3Hz, J
3, 4=3.6Hz, H— 3, ガラク トース部 ), 2.40 ( dd, 1 H, J
3a,
3e = 12.5 Hz, J
3
H— 3e, シアル酸部 ), 2.14. 2. 11, 2.08, 2.08. 2.07, 2.07, 2.06, 2.04, 2.0 2. 2.01, 1.94, 1.91, 1.91( 13 s, 39 H, 13 AcO ),
1.79, 1.56( 2 s, 6H, 2 AcN ), 1.27( s, 22H, 11 CH
2 ), 1.10 ( d, 3H, J 5,
H— 6, フコース部 ), 0.87( t, 3H, J = 6.6 Hz, CH
3CH
2 ).
19F-NMR ( CDC13 ; CFCI3 ) : o 一 208 ( dd, J F, 2H = 51 Hz, J F, 3H= 10 Hz, 2一 F ).
質量分析: m/z C116H148N505。Fについての計算値 2431.92 88( M + H );測定値 2431.9258.
実施例 13 0—(メチル 5—ァセタ ミ ドー 4, 7, 8, 9—テトラー 0 —ァセチルー 3.5 -ジデォキシ一 D—グリセローひ一 D—ガラク トー 2 —ノヌロビラノシロネー ト)一(2— 3)— 0—(2.4, 6—トリ一〇一ベン
ゾィルー — D—ガラク トビラノシル)一(1→4)—〇一 [(3, 4—ジ一 0 —ァセチルー 2—デォキシー 2—フルオ^:ひ一 Lーフコビラノシル)一(1 3_)]n2—( 一ァセタミ ドー 6— 0—ァセチルー 2 -デォキシー^ー D—グルコピラノシル)一(1→3)— 0—(2, 4, 6-トリー 0-ァセチル — β— Ό一ガラク トビラノシル)一(1— 4)一 2, 3, 6 -トリ— 0 -ァセ チルー^ー D—ダルコビラノシル)一(1→1)一(2 S, 3 R, 4 E.) - 3 - 0—ベンゾィル一2—テトラコサンアミ ドー 4一才クタデセン一 1, 3一 ジオール [以下、 化合物 (16) と略す] の合成
化合物 (15) 43 mg ( 0. 018 mmol) をピリジン 4. 17 mlと水 0. 83mlの混台溶媒に溶解し、 0°Cに冷却下、 硫化水素ガスを 60時間流し た。 溶液中の硫化水素を除去するため、 窒素ガスを 10分流した後、 濃縮 した残渣を無水のジクロロメタン 2mlに溶解し、 0°Cに冷却した。 テトラ コサン酸 13 mg (0. 035關 ol) 、 次いで 1ーェチルー 3—(3—ジメ チルアミノプロピル)カルボジィミ ド 1 Omg (0.050 mmol) を加え、 室 温で 15時間撹拌した。 ジクロロメタンで希釈し、 水で洗浄後、 硫酸ナト リウムで乾燥した。 減圧濃縮後の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ 一 (溶出液: ジクロロメタン→ジクロロメタン一メタノ一ル= 50 : 1→ 30 : 1) に供して、 化合物 (16) ( 32mg, 66.0% ) を得た。
C14oH196N3051F ( 2756. 1 )
[α]。24 =— 15.3。 ( c 0.83, クロ口ホルム )
I RK B r max cm-' : 3400(NH), 2950, 2850(メチル, メ チレン), 1750, 1230(エステル), 1680, 1530 (アミ ド), 1070(エーテル), 810, 710(Ph).
iH—NMR ( CDC1
3 ; TMS ) : δ 8.2 - 7.4 ( m, 15H, 3 Ph ), 5.85( d 1 H, J
4, 5 = 14. 1 Hz, J
5,
e=6.9Hz, H
—5, スフイ ンゴシン部 ), 5.66 ( m, 1 H, H— 8, シアル酸部 ), 5.35 ( d, 1 H, J!, 2= 2.8 Hz, H— 1, フコース部 ), 5.27 ( dd. 1 H, J 6, 7=2.8 Hz, J
7,
8=9.8 Hz, H- 7, シアル酸部 ), δ .14 ( dd, 1 H. J 2, 3 = J
3,
H— 3, グルコース部 ),
4.43 ( d, 1H, J
1> 2=7.7Hz, H— 1, グルコース部 ), 3.8 0( s, 3H, 〇CH
3 ), 3.43 ( dd, 1 H, J
2,
3=10.0 Hz. J
3, 4=3.6 Hz, H— 3, ガラク トース部 ), 2.41( dd, 1 H, J
3a,
3e = 12.7 Hz, J
3 e,
H— 3e, シアル酸部 ), 2.13, 2. 10, 2.07, 2.07. 2.07, 2.05, 2.01, 2.00, 2.0 0, 1.93, 1.93, 1.90, 1.90 ( 13 s, 39H, 13 AcO ),
1.78, 1. δ 6( 2 s, 6H, 2AcN ), 1.26 ( s, 64H, 32 CH2 ), 1.10 ( d, 3H, J 5, 6=6.4Hz, H— 6, フコース部 ), 0.87( t, 6H, J = 6.6 Hz, 2 CH3CH2 ).
19F— NMR ( CD Cl
3; CF Cl
3 ) : δ - 208 ( dd, J
F,
2„ =50Hz, , J p,
lHz, 2-F ).
質量分析: ra/z C14。H196N3051Fについての計算値 2756.2 932( M+H );測定値 2756.2867.
実施例 14 〇一( 5—ァセタミ ドー 3 , 5—ジデォキシ一 D—グリセ口 一 一 D—ガラク ト一 2 -ノヌロビラノン口ン酸)一( 2→3)-Q- D—ガラク トビラノシルー(1— 4)一 0— [(2—デォキシ一 2—フルォロ 一: Lーフコピラノシル)一(1→3)]— 0—(2—ァセタミ ドー 2—デ ォキシ一 3— D—ダルコビラノシル)一(1→3)—〇一 S_—D- 'ラク ト ビラノシルー( - 4)- 3- D—ダルコビラノ シル一(1→1)一(2 S, 3 R, 4 E)- 2—テトラコサンアミ ドー 4一才クタデセン一 1, 3—ジォー ル [以下、 化合物 (IX) と略す] の合成
化合物 (16) 33. Omg (0.0119随 ol) を無水メタノール 2 mlに 溶解し、 アルゴン雰囲気下、 室温でナトリウムメ トキシド 1 Omg (0, 1 9mmol) を加えた後、 40°Cで 24時間撹拌した。 室温に放冷後、 水 0. 18mlを加え、 8時間撹拌した。 アンバーライ ト I R— 120(H型)の層 を通し (溶出液; メタノール) 、 減圧濃縮した残渣をセフアデックス LH 20 ( 15g) によるゲル濾過カラムクロマトグラフィー (溶出液; クロ 口ホルム一メタノール一水 =50 : 40 : 7) に供して、 化合物 (IX) (
20.6 rag, 66.0% ) を得た。
C85H152N3〇34F ( 1779.2 ).
[ひ] D 24 =— 16.0 ° ( c 0.35, クロ口ホルム一メタノール一水 = 50 : 40: 7 )
I RKB r max cm"1 : 3700 一 3200COH, NH), 2920, 2 850(メチル. メチレン), 1700(カルボン酸). 1650, 1540 (アミ ド), 1070(エーテル).
!H-NMR [ (CD3)2S 0-D20 = 50 : 1 ; TMS ] : 5 5.
32( dt, 1H, J 4, 5 = 15.3Hz, J
5, e=6.6 Hz, H— 5, スフィ ンゴシン部 ), δ .34 ( dd, 1H, J 3,
Hz, J
4,
5=15.3H z, H— 4, スフイ ンゴシン部 ), 5.10 ( d, 1H, J!,
Hz, H— 1, フコース部 ), 4.74( d, 1H, J i,
2=6.8 Hz, H— 1,
N—ァセチルグルコサミ ン部 ), 4.16( d, 1 H, J!,
グルコース部 ), 2.77 ( dd, 1H, J
3a,
3e= 12.2 Hz, J
3e,
4=4. 8 Hz, H— 3e, シアル酸部 ), 1.89, 1.78( 2 s, 6H, 2 AcN ), 1.23 ( s, 64H, 32 CH
2 ), 0.96( d, 3H, J
5,
e=6. 3 Hz, H— 6. フコース部 ), 0.85( 6H, J = 6.4 Hz, 2 C
19F— NMR [ (CD
3)
2S〇一D
2〇 = 50 : 1 ; CFC1
3 ] : δ 一 208 ( dd, J F,
Hz, , J
F,
311=8Hz, 2 - F ).
質量分析: m/z C85H152N3〇34Fについての計算値 1801.0 139( M + Na );測定値 1801.0167.
元素分析: C85H152N3〇34F'2.5Η2〇· 1.75 CHC 13につい ての
計算値 C ; 51.25, Η; 7.87, Ν; 2.07 ; 測定値 C; 51.18, Η; 8.17, Ν; 2.16.