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JP7726111B2 - 複合粒子、正極、全固体電池、および複合粒子の製造方法 - Google Patents

複合粒子、正極、全固体電池、および複合粒子の製造方法

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JP7726111B2
JP7726111B2 JP2022062836A JP2022062836A JP7726111B2 JP 7726111 B2 JP7726111 B2 JP 7726111B2 JP 2022062836 A JP2022062836 A JP 2022062836A JP 2022062836 A JP2022062836 A JP 2022062836A JP 7726111 B2 JP7726111 B2 JP 7726111B2
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Description

本開示は、複合粒子、正極、全固体電池、および複合粒子の製造方法に関する。
特開2010-135090号公報(特許文献1)には、全固体電池用の正極活物質をポリアニオン構造含有化合物(例えばLiPO)で被覆することにより、正極活物質と硫化物固体電解質との接触による界面抵抗の経時的な増加(電池抵抗の経時的な増加)を抑制する技術が開示されている。
特開2010-135090号公報
硫化物系全固体電池(以下「全固体電池」と略記され得る。)が開発されている。全固体電池は、硫化物固体電解質を含む。硫化物固体電解質が正極活物質粒子と直接接触すると、硫化物固体電解質が劣化し得る。硫化物固体電解質(イオン伝導パス)の劣化により、電池抵抗が増大し得る。そこで、正極活物質粒子の表面にコーティング膜を形成することが提案されている。コーティング膜が正極活物質粒子と硫化物固体電解質との直接接触を阻害することにより、硫化物固体電解質の劣化が軽減され得る。
従来、コーティング膜の材料として、LiNbO3およびLi3PO4が知られている。LiNbO3は、Li3PO4に比して低抵抗を有し得る。そのため、LiNbO3の普及が進んでいる。ただし、本発明者らの新たな知見によれば、高電圧下における耐久性に関しては、Li3PO4等のリン化合物がLiNbO3に比して優位である。また、本発明者らは、特定のリン化合物を含むリン系コーティング膜が低抵抗を有することを見出した。しかし、当該リン系コーティング膜は、電気伝導性において改善の余地があった。
本開示の目的は、リン系コーティング膜を備える複合粒子(被覆正極活物質)においてコーティング膜の電子伝導性を向上することである。
[1] 正極活物質粒子と、前記正極活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆するコーティング膜と、を備え、
前記コーティング膜は、リン化合物およびカーボン材料を含み、
前記リン化合物は、ガラスネットワーク形成元素である第1元素および遷移元素である第2元素の少なくとも一方と、リンとを含み、
前記コーティング膜において、下記式(1)の関係を満たす、複合粒子。

Li/(CP+CE1+CE2)≦2.5 …(1)

(上記式(1)中、
Li、CP、CE1、CE2は、X線光電子分光法により測定される元素濃度を示し、
Liは、リチウムの元素濃度を示し、
Pは、リンの元素濃度を示し、
E1は、前記第1元素の元素濃度を示し、
E2は、前記第2元素の元素濃度を示す。)
上記[1]の複合粒子によれば、リン系コーティング膜を備える複合粒子(被覆正極活物質)においてコーティング膜の電子伝導性を向上することができる。
その理由は、カーボン材料による導電パス形成などによって、リン系コーティング層の電子伝導性が向上するためであると考えられる。
これにより、該複合粒子を用いた正極および全固体電池において、正極活物質と硫化物固体電解質との接触による界面抵抗の経時的な増加(電池抵抗の経時的な増加)を抑制しつつ、出力を向上することができる。
[2] 前記第1元素は、ホウ素、珪素、窒素、硫黄、ゲルマニウム、および水素からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載の複合粒子。
[3] 前記第2元素は、第2遷移元素および第3遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の複合粒子。
[4] 前記カーボン材料は、ゴム系カーボン、カーボンブラックおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の複合粒子。
[5] 前記カーボン材料は、アルコキシド系化合物の熱処理によって生成した材料を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の複合粒子。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の複合粒子と、硫化物固体電解質と、を含む、正極。
[7] [6]に記載の正極を含む、全固体電池。
[8] (a)コーティング液とカーボン材料と正極活物質粒子とを混合することにより、混合物を準備すること、および
(b)前記混合物を乾燥することにより、複合粒子を製造すること、
を含み、
前記コーティング液は、溶質と溶媒とを含み、
前記溶質は、ガラスネットワーク形成元素である第1元素および遷移元素である第2元素の少なくとも一方と、リンと、を含む、
複合粒子の製造方法。
正極活物質粒子の表面に付着したコーティング液およびカーボン材料が乾燥することにより、正極活物質粒子の表面にカーボン材料を含むコーティング膜が生成し得る。すなわち、上記[1]に記載のコーティング膜が生成し得る。
[9] (a)コーティング液と正極活物質粒子とを混合することにより、混合物を準備すること、
(b)前記混合物を乾燥することにより、複合粒子を製造すること、および、
(c)前記複合粒子に熱処理を施すこと、
を含み、
前記コーティング液は、溶質と溶媒とを含み、
前記溶質は、ガラスネットワーク形成元素である第1元素および遷移元素である第2元素の少なくとも一方と、リンと、アルコキシド系化合物と、を含む、
複合粒子の製造方法。
正極活物質粒子の表面に付着したコーティング液が乾燥し、熱処理によってアルコキシド系化合物が炭素化することにより、正極活物質粒子の表面にカーボン材料を含むコーティング膜が生成し得る。すなわち、上記[1]に記載のコーティング膜が生成し得る。
本実施形態における複合粒子の一例を示す概念図である。 本実施形態における複合粒子の別の一例を示す概念図である。 従来の複合粒子の一例を示す概念図である。 本実施形態における全固体電池を示す概念図である。 本実施形態における複合粒子の製造方法の概略フローチャートである。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と略記され得る。)、および本開示の実施例(以下「本実施例」と略記され得る。)が説明される。ただし、本実施形態および本実施例は、本開示の技術的範囲を限定しない。
なお、本明細書において、単数形で表現される要素は、特に断りの無い限り、複数形も含む。例えば「粒子」は「1つの粒子」のみならず、「粒子の集合体(粉体、粉末、粒子群)」も意味し得る。
化合物が化学量論的組成式(例えば「LiCoO2」等)によって表現されている場合、該化学量論的組成式は該化合物の代表例に過ぎない。化合物は、非化学量論的組成を有していてもよい。例えば、コバルト酸リチウムが「LiCoO2」と表現されているとき、特に断りのない限り、コバルト酸リチウムは「Li/Co/O=1/1/2」の組成比に限定されず、任意の組成比でLi、CoおよびOを含み得る。さらに、微量元素によるドープ、置換等も許容され得る。
<複合粒子>
図1を参照して、複合粒子5は、正極活物質粒子1とコーティング膜2とを備える。複合粒子5は、例えば「被覆正極活物質」等と称され得る。
複合粒子5は、例えば凝集体を形成していてもよい。すなわち1個の複合粒子5が、2個以上の正極活物質粒子1を含んでいてもよい。複合粒子5は、例えば、1~50μmのD50を有していてもよいし、1~20μmのD50を有していてもよいし、5~15μmのD50を有していてもよい。
なお、本明細書において、「D50」は、体積基準の粒子径分布において、粒子径が小さい側からの頻度の累積が50%に到達する粒子径を示す。D50は、レーザ回折法により測定され得る。
《コーティング膜》
コーティング膜2は、正極活物質粒子1の表面の少なくとも一部を被覆している。コーティング膜2は、複合粒子5のシェルである。
コーティング膜2は、リン化合物およびカーボン材料31を含む。
(リン化合物)
リン化合物は、第1元素(E1)および第2元素(E2)の少なくとも一方と、Pとを含む。なお、本明細書において、第1元素が「E1」と略記され、第2元素が「E2」と略記され得る。
第1元素(E1)は、ガラス形成能を有する元素(ガラスネットワーク形成元素)、すなわち、Oと結合することによりネットワーク構造を有する酸化物ガラスを形成し得る元素である。E1の添加により、混合アニオン効果の発現が期待される。
E1は、例えば、ホウ素(B)、珪素(Si)、窒素(N)、硫黄(S)、ゲルマニウム(Ge)、および水素(H)からなる群より選択される少なくとも1種である。E1は、例えば、BおよびSiからなる群より選択される少なくとも1種である。E1は、単独で酸化物ガラスを形成していてもよい。E1は、Pと共に複合酸化物ガラスを形成していてもよい。
第2元素(E2)は、遷移元素である。「遷移元素」は、周期表の第3族~第11族の元素である。
E2は、Pよりも大きいイオン半径を有する。E2は、リン化合物の結晶化を阻害し得る。E2は、例えば、第1遷移元素(3d遷移元素)、第2遷移元素(4d遷移元素)、第3遷移元素(5d、4f遷移元素)、および第4遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種である。E2は、例えば、第2遷移元素および第3遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種である。第3遷移元素は、ランタノイドを含む。すなわちE2は、例えばランタノイドを含んでいてもよい。
E2は、例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、スカンジウム(Sc)、銅(Cu)、Y、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、および金(Au)からなる群より選択される少なくとも1種である。
E2は、例えば、La、Ce、Zr、およびYからなる群より選択される少なくとも1種である。E2は、例えば、La、Ce、およびYからなる群より選択される少なくとも1種である。
リン化合物(または複合粒子)中に含まれるPの比率は、複合粒子5の総量に対して、例えば、1~10質量%である。
リン化合物は、例えば、Li、O、炭素(C)等をさらに含んでいてもよい。
リン化合物は、例えば、リン酸骨格を含んでいてもよい。すなわち、リン化合物はリン酸化合物であってもよい。リン化合物がリン酸骨格を含むとき、例えば、TOF-SIMS(Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)により、複合粒子5を分析すると、PO2 -やPO3 -等のフラグメントが検出され得る。
コーティング膜(またはリン化合物)において、Liの組成比「CLi/(CP+CE1+CE2)」は、2.5以下である〔上記式(1)参照〕。Liの組成比が2.5以下であり、なおかつ、E1およびE2の少なくとも一方が存在することにより、電池抵抗が顕著に低減され得る。
上記Liの組成比は、例えば、2.38以下であってもよいし、2.26以下であってもよいし、2.18以下であってもよいし、2.03以下であってもよいし、1.89以下であってもよいし、1.73以下であってもよいし、1.42以下であってもよいし、1.1以下であってもよい。Liの組成比は、例えば、0.1以上であってもよいし、0.5以上であってもよいし、1.05以上であってもよい。Liの組成比は、例えば、1.05~2.38であってもよい。
なお、Liの組成比は、ゼロであってもよい。すなわち、コーティング膜(複合粒子)の表面にLiが存在していなくてもよく、コーティング膜(またはリン化合物)が全くLiを含んでいなくてもよい。
(Liの組成比のXPS測定)
複合粒子の表面におけるLiの組成比「CLi/(CP+CE1+CE2)」は、次の手順でXPSにより測定され得る。XPS装置が準備される。例えば、アルバック・ファイ社製のXPS装置「製品名 PHI X-tool」(またはこれと同等品)が使用されてもよい。複合粒子からなる試料粉末がXPS装置にセットされる。224eVのパスエネルギーにより、ナロースキャン分析が実施される。測定データが解析ソフトフェアにより処理される。例えば、アルバック・ファイ社製の解析ソフトフェア「製品名 MulTiPak」(またはこれと同等品)が使用されてもよい。Li1sスペクトルのピーク面積(積分値)が、Liの元素濃度(CLi)に変換される。P2pスペクトルのピーク面積が、Pの元素濃度(CP)に変換される。E1およびE2については、その種類に応じて、適切なスペクトルが選択される。例えばBの場合、B1sスペクトルのピーク面積が、Bの元素濃度(CE1)に変換される。例えばLaの場合、La3d5スペクトルのピーク面積が、Laの元素濃度(CE2)に変換される。CP、CE1およびCE2の合計でLiが除されることにより、粒子表面におけるLiの組成比が求まる。
例えば、コーティング膜が複数種のE1を含む場合、CE1は、複数種のE1の合計元素濃度を示す。E2およびCE2についても同様である。
XPSによる組成比「CLi/(CP+CE1+CE2)」は、コーティング膜(リン化合物)におけるLiの組成比を反映するが、コーティング膜におけるLiの組成比と等価ではない。XPSにおいては、下地(正極活物質粒子)の組成も反映され得るためである。例えば、XPSにおいて下地のLiが検出されることにより、XPSによるLiの組成比が、実際のコーティング膜におけるLiの組成比より大きくなる可能性もある。
リン化合物の化学組成は、例えば下記式(2)により表されてもよい。
Liw1 x2 yPOz …(2)
上記式(2)中、E1はE1を示す。E2はE2を示す。w、x、y、zは、任意の数である。w、x、y、zは、例えば、複合粒子5の断面のコーティング膜2の部分がSTEM-EDX(Scanning Transmission Electron Microscope - Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)等により分析されることにより特定され得る。断面試料は、後述の(膜厚測定)と同様の手順に従って作製される。
具体的なリン化合物としては、例えば、LiPO(LPO)、BPO(BPO)およびPOx(P6、等)からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
複合粒子5において、正極活物質粒子1の表面のコーティング膜2による被覆率は、例えば70%以上であってもよい。被覆率が70%以上であることにより、電池抵抗の低減が期待される。被覆率は、例えば、85%以上であってもよいし、88%以上であってもよいし、89%以上であってもよいし、90%以上であってもよいし、94%以上であってもよいし、95%以上であってもよいし、97%以上であってもよい。被覆率は、例えば100%であってもよいし、99%以下であってもよい。被覆率は、例えば、85~97%であってもよいし、90~97%であってもよい。
(被覆率のXPS測定)
被覆率もXPSにより測定される。パスエネルギーを120eVとした点以外は上記の(Liの組成比のXPS測定)と同様にして得られる測定データが解析されることにより、C1s、O1s、P1s、M2p3等の各ピーク面積(強度値)から、各元素の比率(元素濃度)が求まる。下記式(3)により、被覆率が求まる。
θ=(P+E1+E2)/(P+E1+E2+M)×100 …(3)
上記式(3)中、θは被覆率(%)を示す。P、E1、E2、Mは、各元素の比率を示す。
「M2p3」および上記式(3)中のMは、正極活物質粒子の構成元素であって、LiおよびO以外の元素を示す。すなわち、正極活物質粒子は下記式(4)により表されてもよい。
LiMO2 …(4)
Mは、1種の元素からなっていてもよいし、複数の元素からなっていてもよい。Mは、例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)およびアルミニウム(Al)からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。Mが複数の元素を含むとき、各元素の組成比の合計は1であってもよい。
例えば、正極活物質粒子が「LiNi1/3Co1/3Mn1/32」であるとき、上記式(3)は、下記式(3’)に変形され得る。
θ=(P+E1+E2)/(P+E1+E2+Ni+Co+Mn)×100 …(3’)
上記式(3’)中のNiは、Ni2p3のピーク面積から求まるニッケルの元素比率を示す。Coは、Co2p3のピーク面積から求まるコバルトの元素比率を示す。Mnは、Mn2p3のピーク面積から求まるマンガンの元素比率を示す。
コーティング膜2は、例えば、5~100nmの厚さを有していてもよいし、5~50nmの厚さを有していてもよいし、10~30nmの厚さを有していてもよいし、20~30nmの厚さを有していてもよい。
(膜厚測定)
膜厚(コーティング膜の厚さ)は、次の手順で測定され得る。複合粒子が樹脂材料に包埋されることにより、試料が準備される。イオンミリング装置により、試料に断面出し加工が施される。例えば、日立ハイテクノロジーズ社製のイオンミリング装置「製品名 Arblade(登録商標)5000」(またはこれと同等品)が使用されてもよい。試料の断面がSEM(Scanning Electron Microscope)により観察される。例えば、日立ハイテクノロジーズ社製のSEM装置「製品名 SU8030」(またはこれと同等品)が使用されてもよい。10個の複合粒子について、それぞれ、20個の視野で膜厚が測定される。合計で200箇所の膜厚の算術平均が、膜厚とみなされる。
なお、正極および電池において、上述のリン化合物を含有し、低抵抗を有するリン系コーティング膜を備える複合粒子を用いることで、高電圧下における耐久性と、高出力との両立が期待される。
(カーボン材料)
カーボン材料は、炭素元素を含む材料であれば特に限定されない。カーボン材料の形状は、特に限定されず、例えば、粒子、集合体、ファイバー等であってもよい。カーボン材料31は、例えば、ゴム系カーボン、カーボンブラックおよびカーボンナノファイバーからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
カーボン材料は、固体電解質と接触した際に固体電解質の分解を生じ難い材料であることが好ましい。
そのようなカーボン材料としては、例えば、固体電解質と混ぜてCV測定を行ったときの分解電流が0.05mA以下である材料が好ましい。この分解電流は以下の方法で確認できる。
固体電解質とカーボン材料とを9:1の質量比で含む粉末50mgをプレス機の鋳型内に投入し、2.0tonで120秒間のプレスを行い、層状物を得る。該層状物とSUS箔とを積層して2.0tonで120秒間のプレスを行う。層状物のSUS箔と反対側にLi箔およびSUS箔をこの順で積層し、1tonで30秒間のプレスを行う。なお、マコールは6N・mで拘束された。このようにして「SUS箔/カーボン材料および固体電解質/Li/SUS箔」の積層体を作製し、該積層体についてCV測定(掃引速度:0.1mV/s、電圧範囲:2.5V-5V(Li/Li))を行うことで、上記の分解電流を測定し得る。
なお、コーティング膜中に含まれるカーボン材料は、例えば、後述のコーティング液中に含まれるアルコキシド系化合物の熱処理(焼成)によって生成したランダムな形状のカーボン材料32(図2参照)であってもよい。
コーティング膜2に含まれる複数のカーボン材料31,32(複数のカーボン粒子等)の少なくとも一部において、(i)各々のカーボン材料(カーボン粒子等)が単独でコーティング膜を貫通するか、または、(ii)互いに接する複数のカーボン材料(カーボン粒子等)の集合体がコーティング膜を貫通していることが好ましい。この場合、カーボン材料による導電パス形成によって、より確実にリン系コーティング膜の電子伝導性が向上すると考えられる。なお、電子伝導性の向上の観点からは、上記(i)がより好ましい。
なお、図2に示されるように、コーティング膜2においてランダムな形状のカーボン材料32が存在する場合、カーボン材料32aのように単独でコーティング膜2を貫通できるサイズのカーボン材料(上記(i)参照)が存在しやすくなると考えられる。
コーティング膜中のカーボンの含有率は、例えば、1~20%である。
コーティング膜中のカーボンの含有率は、複合粒子5の断面のコーティング膜2の部分をXPSで分析することにより測定され得る。なお、断面試料は、前述の(膜厚測定)と同様の手順に従って作製される。
《正極活物質粒子》
正極活物質粒子1は、複合粒子5のコアである。正極活物質粒子1は、二次粒子(一次粒子の集合体)であってもよい。正極活物質粒子1(二次粒子)は、例えば、1~50μmのD50を有していてもよいし、1~20μmのD50を有していてもよいし、5~15μmのD50を有していてもよい。一次粒子は、例えば、0.1~3μmの最大フェレ径を有していてもよい。
正極活物質粒子1は、任意の成分を含み得る。正極活物質粒子1は、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、Li(NiCoMn)O2、Li(NiCoAl)O2、およびLiFePO4からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。例えば「Li(NiCoMn)O2」における「(NiCoMn)」は、括弧内の組成比の合計が1であることを示す。合計が1である限り、個々の成分量は任意である。Li(NiCoMn)O2は、例えばLi(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2、Li(Ni0.5Co0.2Mn0.3)O2、Li(Ni0.8Co0.1Mn0.1)O2等を含んでいてもよい。
<全固体電池>
図4は、本実施形態における全固体電池を示す概念図である。全固体電池100は、例えば、外装体(不図示)を含んでいてもよい。外装体は、例えば、金属箔ラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。外装体が、発電要素50を収納していてもよい。発電要素50は、正極10とセパレータ層30と負極20とを含む。すなわち全固体電池100は、正極10とセパレータ層30と負極20とを含む。
《正極》
正極10は層状である。正極10は、例えば、正極活物質層と、正極集電体とを含んでいてもよい。例えば、正極集電体の表面に正極合材が塗着されることにより、正極活物質層が形成されていてもよい。正極集電体は、例えば、Al箔等を含んでいてもよい。正極集電体は、例えば、5~50μmの厚さを有していてもよい。
正極活物質層は、例えば、10~200μmの厚さを有していてもよい。正極活物質層は、セパレータ層30に密着している。正極活物質層は正極合材を含む。正極合材は、複合粒子(被覆正極活物質)と硫化物固体電解質とを含む。すなわち正極10は、複合粒子と硫化物固体電解質とを含む。複合粒子の詳細は、前述のとおりである。
硫化物固体電解質は、正極活物質層内にイオン伝導パスを形成し得る。硫化物固体電解質の配合量は、100体積部の複合粒子(正極活物質)に対して、例えば、1~200体積部であってもよいし、50~150体積部であってもよいし、50~100体積部であってもよい。硫化物固体電解質は、Sを含む。硫化物固体電解質は、例えば、Li、P、およびSを含んでいてもよい。硫化物固体電解質は、例えば、O、Si等をさらに含んでいてもよい。硫化物固体電解質は、例えばハロゲン等をさらに含んでいてもよい。硫化物固体電解質は、例えばヨウ素(I)、臭素(Br)等をさらに含んでいてもよい。硫化物固体電解質は、例えばガラスセラミックス型であってもよいし、アルジロダイト型であってもよい。硫化物固体電解質は、例えば、LiI-LiBr-Li3PS4、Li2S-SiS2、LiI-Li2S-SiS2、LiI-Li2S-P25、LiI-Li2O-Li2S-P25、LiI-Li2S-P25、LiI-Li3PO4-P25、Li2S-P25、およびLi3PS4からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
例えば、「LiI-LiBr-Li3PS4」は、LiIとLiBrとLi3PS4とが任意のモル比で混合されることにより生成された硫化物固体電解質を示す。例えば、メカノケミカル法により硫化物固体電解質が生成されてもよい。「Li2S-P25」はLi3PS4を含む。Li3PS4は、例えばLi2SとP25とが「Li2S/P25=75/25(モル比)」で混合されることにより生成され得る。
正極活物質層は、例えば導電材をさらに含んでいてもよい。導電材は、正極活物質層内に電子伝導パスを形成し得る。導電材の配合量は、100質量部の複合粒子(正極活物質)に対して、例えば0.1~10質量部であってもよい。導電材は、任意の成分を含み得る。導電材は、例えば、カーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(CNT)およびグラフェンフレークからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
正極活物質層は、例えばバインダをさらに含んでいてもよい。バインダの配合量は、100質量部の複合粒子(正極活物質)に対して、例えば0.1~10質量部であってもよい。バインダは任意の成分を含み得る。バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF-HFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
《負極》
負極20は層状である。負極20は、例えば、負極活物質層と、負極集電体とを含んでいてもよい。例えば、負極集電体の表面に負極合材が塗着されることにより、負極活物質層が形成されていてもよい。負極集電体は、例えば、Cu箔、Ni箔等を含んでいてもよい。負極集電体は、例えば、5~50μmの厚さを有していてもよい。
負極活物質層は、例えば、10~200μmの厚さを有していてもよい。負極活物質層は、セパレータ層30に密着している。負極活物質層は負極合材を含む。負極合材は、負極活物質粒子と硫化物固体電解質とを含む。負極合材は、導電材およびバインダをさらに含んでいてもよい。負極合材と正極合材との間で、硫化物固体電解質は同種であってもよいし、異種であってもよい。負極活物質粒子は、任意の成分を含み得る。負極活物質粒子は、例えば、黒鉛、Si、SiOx(0<x<2)、およびLi4Ti512からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
《セパレータ層》
セパレータ層30は、正極10と負極20との間に介在している。セパレータ層30は、正極10を負極20から分離している。セパレータ層30は、硫化物固体電解質を含む。セパレータ層30はバインダをさらに含んでいてもよい。セパレータ層30と正極合材との間で、硫化物固体電解質は同種であってもよいし、異種であってもよい。セパレータ層30と負極合材との間で、硫化物固体電解質は同種であってもよいし、異種であってもよい。
<複合粒子の製造方法>
図5は、本実施形態における複合粒子の製造方法の概略フローチャートである。以下「本実施形態における複合粒子の製造方法」が「本製造方法」と略記され得る。本製造方法は、「(a)混合物の準備」および「(b)複合粒子の製造」を含む。本製造方法は、例えば「(c)熱処理」等をさらに含んでいてもよい。
《(a)混合物の準備》
本製造方法は、コーティング液とカーボン材料と正極活物質粒子とを混合する(正極活物質粒子の表面にコーティング液を付着させる)ことにより、混合物を準備することを含む。なお、予めカーボン材料と正極活物質とを混合した後に、上記の混合を行ってもよい。正極活物質粒子およびカーボン材料の詳細は、前述のとおりである。
混合物は、例えば、懸濁液であっても湿粉であってもよく、混合物において、正極活物質粒子の表面にコーティング液が付着していればよい。例えば、コーティング液中に正極活物質粒子(粉末)およびカーボン材料が分散されることにより、懸濁液が形成されてもよい。例えば、正極活物質粒子およびカーボン材料を含む粉末中に、コーティング液が噴霧されることにより、湿粉が形成されてもよい。本製造方法においては、任意の混合装置、造粒装置等が使用され得る。
コーティング液は、溶質(溶質および分散質を含む)と溶媒(溶媒および分散媒または溶媒)とを含む。溶質は、コーティング膜の原料として、第1元素(E1)および第2元素(E2)の少なくとも一方と、リン(P)と、を含む。コーティング液は、例えば、懸濁物(不溶解成分)、沈殿物等をさらに含んでいてもよい。
溶質の総量は、100質量部の溶媒に対して、例えば、0.1~20質量部であってもよいし、1~15質量部であってもよいし、5~10質量部であってもよい。
溶媒は、溶質が溶解する限り、任意の成分を含み得る。溶媒は、例えば、水、アルコール等を含んでいてもよい。溶媒は、例えば、イオン交換水等を含んでいてもよい。
E1およびE2の詳細は、前述の通りである。
溶質は、例えば、E1のオキソ酸、およびE1の酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。溶質は、例えば、ホウ酸、ケイ酸、硝酸、硫酸、およびゲルマニウム酸からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。溶質は、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸等を含んでいてもよい。
溶質は、例えば、E2の酸化物を含んでいてもよい。溶質は、例えば、酸化ランタン、酸化セリウム、および酸化イットリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
溶質は、例えば、リン酸化合物を含んでいてもよい。これにより、溶質はPを含み得る。リン酸化合物は、例えば、無水リン酸(P25)、オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸〔(HPO3n〕、およびポリリン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。リン酸化合物は、例えば、メタリン酸およびポリリン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。メタリン酸およびポリリン酸は、その他のリン酸化合物に比して、長い分子鎖を有し得る。リン酸化合物が長い分子鎖を有することにより、連続性を有するコーティング膜が生成されやすくなると考えられる。コーティング膜が連続性を有することにより、例えば、被覆率の向上が期待される。
上記のコーティング液において、例えば、下記式(5)の関係が満たされていてもよい。
0.040<(nE1+nE2)/nP≦1.51 …(5)
上記式(5)中、
Pは、コーティング液中におけるPのモル濃度を示す。
E1は、コーティング液中における第1元素のモル濃度を示す。
E2は、コーティング液中における第2元素のモル濃度を示す。
「(nE1+nE2)/nP」は、コーティング液中におけるPに対する、第1元素(E1)および第2元素(E2)の合計のモル比(物質量比)を示す。該モル比が0.040超1.51以下である場合、電池抵抗の低減が期待される。
上記モル比は、例えば、1.03以下であってもよいし、0.67以下であってもよいし、0.48以下であってもよいし、0.098以下であってもよいし、0.051以下であってもよい。モル比は、例えば、0.048以上であってもよいし、0.10以上であってもよい。モル比は、例えば、0.048~1.03であってもよい。
(ICP測定)
コーティング液中の上記モル比「(nE1+nE2)/nP」は、次の手順で測定される。0.01gのコーティング液が純水で希釈されることにより、100mLの試料液が準備される。P、E1、E2の水溶液(1000ppm、10000ppm)が準備される。0.01gの水溶液が純水で希釈されることにより、標準液が準備される。ICP-AES(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy)装置が準備される。ICP-AES装置により、標準液の発光強度が測定される。標準液の発光強度から、検量線が作成される。ICP-AES装置により、試料液(コーティング液の希釈液)の発光強度が測定される。試料液の発光強度と、検量線とから、コーティング液におけるP、E1、E2の質量濃度が求まる。さらにP、E1、E2の質量濃度がモル濃度に変換される。E1のモル濃度(nE1)と、E2のモル濃度(nE2)との合計が、Pのモル濃度(nP)で除されることにより、モル比が求まる。
溶質は、さらにLiを含んでいてよく、例えば、リチウム化合物をさらに含んでいてもよい。リチウム化合物は、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム等であってもよい。
P、E1およびE2の合計に対する、Liのモル比「nLi/(nP+nE1+nE2)」は、例えば、1.1未満であってもよいし、1.0以下であってもよいし、0.45以下であってもよいし、0.1以下であってもよいし、0.05以下であってもよい。なお、モル比「nLi/(nP+nE1+nE2)」は、例えばゼロであってもよい。すなわち、溶質はLiを含んでいなくてもよい。nLiは、ICP測定における検出限界未満であってもよい。モル比「nLi/(nP+nE1+nE2)」が小さい程、粒子表面におけるLiの組成比が低減することが期待される。
《(b)複合粒子の製造》
本製造方法は、上記の混合物を乾燥することにより、複合粒子を製造することを含む。正極活物質粒子の表面に付着したコーティング液が乾燥することにより、コーティング膜が生成され、複合粒子が製造される。本製造方法においては、任意の乾燥方法が使用され得る。
混合物が正極活物質粒子、カーボン材料およびコーティング液を含む懸濁液である場合は、例えば、スプレードライ法により、複合粒子が形成されてもよい。すなわち、正極活物質粒子とコーティング液とを含む懸濁液がノズルから噴霧され、噴霧された液滴が、例えば熱風により、乾燥されることによって、複合粒子が形成され得る。スプレードライ法の使用により、例えば、被覆率の向上が期待される。
スプレードライ用の懸濁液の固形分率は、体積分率で、例えば、1~50%であってもよいし、10~30%であってもよい。ノズル径は、例えば、0.1~10mmであってもよいし、0.1~1mmであってもよい。熱風温度は、例えば、100~200℃であってもよい。
例えば、転動流動層コーティング装置により、複合粒子が製造されてもよい。転動流動層コーティング装置においては、「(a)混合物の準備」(正極活物質粒子の表面へのコーティング液の付着)および「(b)複合粒子の製造」が同時に実施され得る。
《(c)熱処理》
本製造方法は、複合粒子に熱処理を施すことを含んでいてもよい。熱処理によりコーティング膜が定着し得る。熱処理は「焼成」とも称され得る。本製造方法においては、任意の熱処理装置が使用され得る。熱処理温度は、例えば、150~300℃であってもよい。熱処理時間は、例えば、1~10時間であってもよい。例えば、空気中で熱処理が実施されてもよいし、不活性雰囲気下で熱処理が実施されてもよい。
<複合粒子の製造方法の変形例>
本実施形態においては、上記の複合粒子の製造方法の変形例として、以下の製法を採用し得る。
(a)コーティング液と正極活物質粒子とを混合することにより、混合物を準備すること、
(b)前記混合物を乾燥することにより、複合粒子を製造すること、および、
(c)前記複合粒子に熱処理を施すこと、
を含み、
前記コーティング液は、溶質と溶媒とを含み、
前記溶質は、ガラスネットワーク形成元素である第1元素および遷移元素である第2元素の少なくとも一方と、リンと、アルコキシド系化合物と、を含む、
複合粒子の製造方法。
正極活物質粒子の表面に付着したコーティング液が乾燥し、熱処理(焼成)によってアルコキシド系化合物が炭素化することにより、正極活物質粒子の表面にカーボン材料を含むコーティング膜が生成し得る。すなわち、上記のコーティング膜が生成し得る。
このようにして形成されたコーティング膜に含まれるカーボン材料は、ランダムな形状を有するため、単独でコーティング膜を貫通するサイズのカーボン材料を含みやすいことが期待される。
アルコキシド系化合物は、アルコキシド基(-OR)を含む化合物である。アルコキシド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、リンの供給源となるリンを含むアルコキシド化合物が挙げられる。リンを含むアルコキシド化合物としては、リン酸トリエチル〔OP(OC〕、リン酸トリメチル〔P(OCH〕などを好適に用いることができる。リンを含まないアルコキシド系化合物を用いてもよい。リンを含まないアルコキシド系化合物としては、例えば、ホウ酸アルコキシド〔B(OR)〕が挙げられる。ホウ酸アルコキシドは、Rの炭素数が3以上であることが好ましく、例えば、ホウ酸トリブチル〔B(O(CH)CH〕が挙げられる。リチウムエトキシド等を用いてもよい。
<実施例1>
〔複合粒子の調製〕
870.4質量部の過酸化水素水(質量濃度 30%)が容器に投入された。次に、987.4質量部のイオン交換水と、44.2質量部のリン酸〔P25・3H2O〕とが容器に投入された。次に、87.9質量部のアンモニア水(質量濃度 28%)が容器に投入された。容器の内容物が十分攪拌されることにより、溶液が形成された。溶液は、Pのペルオキソ錯体を含むと考えられる。さらに、0.1質量部の水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)が溶液に溶解されることにより、コーティング液が準備された。
正極活物質粒子として、Li(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2が準備された。正極活物質粒子に対して10質量%のカーボン材料(黒鉛粉末)を添加し、真空下で混合機(練太郎、株式会社シンキー)を用いて3000rpmで1分間の混合を行った。得られた混合物50質量部が、53.7質量部のコーティング液に分散されることにより、懸濁液が準備された。懸濁液のスプレードライによって、複合粒子の粉末が調製された。
得られた複合粒子が大気雰囲気下で熱処理された。熱処理温度は200℃であった。熱処理時間は5時間であった。これにより、厚さ20nmのコーティング膜を有する実施例1の複合粒子(被覆正極活物質)が得られた。なお、実施例1の複合粒子において、コーティング膜はLi3PO4(LPO)を含むと考えられる。
〔全固体電池の作製〕
(正極の作製)
下記材料が準備された。
硫化物固体電解質:LiIを含むLiS-P系ガラスセラミックス(D50:0.8μm)
導電材:VGCF(気相法炭素繊維)
バインダ:SBR(ブタジエンゴム)
分散媒:ヘプタン
正極集電体:Al箔
複合粒子と、硫化物固体電解質と、導電材と、バインダと、分散媒とが混合されることにより、正極スラリーが準備された。複合粒子と硫化物固体電解質との混合比は「複合粒子/硫化物固体電解質=7/3(体積比)」であった。導電材の配合量は、100質量部の複合粒子に対して3質量部であった。バインダの配合量は、100質量部の複合粒子に対して0.7質量部であった。超音波ホモジナイザー(エスエムテー製:UH-50)により、正極スラリーが十分攪拌された。正極スラリーが正極集電体の表面に塗工されることにより、塗膜が形成された。ホットプレートにより、塗膜が100℃で30分間乾燥された。これにより正極原反が製造された。正極原反から、円盤状の正極が切り出された。正極の面積は1cm2であった。
(負極の作製)
フィルミックス装置(プライミクス製30-L型)の混練容器に、硫化物固体電解質(LiIを含むLiS-P系ガラスセラミックス、D50:0.8μm)と、1質量%の導電助剤(VGCF)と、2質量%のバインダー(SBR)と、ヘプタンとを投入し、20000rpmで30分間撹拌した。
次いで、負極活物質(LiTi12粒子、D50:1μm)と固体電解質とを体積比率が6:4となるように、混練容器に投入し、フィルミックス装置を用いて15000rpmで60分間撹拌することにより、負極合剤を調製した。調製された負極合剤を銅箔上に塗工し、100℃にて30分間乾燥させた。これにより負極原反が製造された。負極原反から、円盤状の負極が切り出された。負極の面積は1cm2であった。
(セパレータ層の作製)
内径断面積1cmの筒状セラミックスに、64.8mgの硫化物固体電解質(LiIを含むLiS-P系ガラスセラミックス、D50:2.5μm)を入れ、平滑にした後、1ton/cmでプレスし、セパレータ層(固体電解質層)を形成した。
(電池の作製)
固体電解質層の一方の面に作製された正極を重ね、固体電解質層の他方の面に作製された負極を重ね合わせて、6ton/cmで1分間のプレスを行った。次いで、正極および負極に端子(ステンレス棒)が入れられた状態で、1tonで拘束することにより、全固体電池(全固体リチウムイオン電池)が作製された。
<実施例2>
実施例2では、コーティング膜中のカーボン材料の含有率が10質量%になるように、カーボン材料の配合量が変更された。それ以外の点は実施例1と同様にして、実施例2の複合粒子および電池が作成された。
<実施例3>
実施例3では、コーティング液中に直接的にカーボン材料を配合せず、コーティング液中にアルコキシド系化合物(リチウムエトキシド、リン酸トリエチル)を添加し、熱処理工程でアルコキシド系化合物が炭化することによりカーボン材料をコーティング膜内に生成させた。なお、コーティング膜中のカーボン材料の含有率が約5質量%になるように、コーティング液中へのアルコキシド系化合物の添加量が調整された。
具体的には、30mLのIPA(イソプロピルアルコール)に、1mmolのリチウムエトキシド(高純度化学社製)および1mmolのリン酸トリエチル、高純度化学社製)を混合して、ゾルゲル溶液を得た。実施例1と同様のコーティング液に、得られたゾルゲル溶液を添加した。なお、カーボン材料の添加は行わなかった。また、スプレードライによって得られた複合粒子に対する熱処理としては、NおよびAr雰囲気下で200℃~450℃で5時間の熱処理を行った。
それ以外の点は実施例1と同様にして、厚さ20nmのコーティング膜を有する実施例3の複合粒子および電池が作成された。
<比較例1>
比較例1では、コーティング膜の原料にカーボン材料が配合されなかった。それ以外の点は実施例1と同様にして、比較例1の複合粒子および電池が作製された。
<評価>
〔複合粒子の電気伝導率〕
上記実施例および比較例の各々の複合粒子について、粉体抵抗率測定システム(ロレスタ)を用いて電子伝導性(電気伝導率:電子伝導度)が評価された。表1に、電気伝導率の測定結果が示される。
(1) マコールセルの膜厚ブランクを測定する(または、0点セットを行う)。
(2) 秤量された100mgの複合粒子の粉を、マコールセル内に導入する。
(3) マコールセルを2Nのトルクで締め付けて、マコールセル内の複合粒子をプレスして層状物を得る。層状物の膜厚を測定し、層状物の抵抗値をハイテスタで測定する。
(4) トルクを6N、10Nに変更して、(3)を繰り返す。
(5) 上記(3)および(4)で測定された抵抗値から、抵抗率を求め、抵抗率の逆数である電気伝導率を求める。
〔電池の直流抵抗〕
上記の実施例および比較例の各々の電池(全固体電池)について、以下の方法により直流抵抗が評価された。
(初期容量の確認)
各々の電池について、1/3Cレートにて定電流-定電圧(CC-CV)充電および定電流(CC)放電が3サイクル繰り返された。3サイクル目の放電容量が初期容量として確認された。なお、「C」は電流レートの単位である。「1C」は、1時間の充電により、SOC(充電率:State of Charge)が0%から100%に到達する電流レートを示す。
(直流抵抗の測定)
上記の初期容量が確認された電池について、直流抵抗が測定された。表1に、直流抵抗の測定結果(比較例1の直流抵抗を1.00としたときの比率)が示される。なお、直流抵抗が小さい程、電池の出力特性(放電レート)が高いことを示す。
表1に示される結果から、コーティング膜がカーボン材料を含む実施例1~3の複合粒子は、コーティング膜がカーボン材料を含まない比較例1の複合粒子に比べて、電気伝導率が極めて高くなっていることが分かる。また、実施例1~3の複合粒子の各々を用いて作製された電池(全固体電池)は、比較例1の複合粒子用いて作製された電池に比べて、直流抵抗が低く、電池の出力が大きいことがわかる。
なお、特に実施例3では、複合粒子の電気伝導率が高かった。実施例3では、図2に示されるように、コーティング膜2においてランダムな形状のカーボン材料32が存在し、カーボン材料32aのように単独でコーティング膜2を貫通するカーボン材料が存在することで、複合粒子の電気伝導率が高くなったと考えられる。
本実施形態および本実施例は、全ての点で例示である。本実施形態および本実施例は、制限的ではない。本開示の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内における全ての変更を包含する。例えば、本実施形態および本実施例から、任意の構成が抽出され、それらが任意に組み合わされることも当初から予定されている。
1 正極活物質粒子、2 コーティング膜、31,32,32a カーボン材料、5 複合粒子、10 正極、20 負極、30 セパレータ層、50 発電要素、100 全固体電池。

Claims (8)

  1. 正極活物質粒子と、前記正極活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆するコーティング膜と、を備え、
    前記コーティング膜は、リン化合物およびカーボン材料を含み、
    前記リン化合物は、LiPOであり、
    前記コーティング膜の厚みは5~50nmであり、
    前記コーティング膜中の前記カーボン材料の含有率は1~20%であり、
    前記カーボン材料は、アルコキシド系化合物の焼成物である、複合粒子。
  2. 前記アルコキシド系化合物は、リンを含むアルコキシド化合物を含む、請求項1に記載の複合粒子。
  3. 前記コーティング膜において、前記カーボン材料の含有率は5~10%である、請求項1に記載の複合粒子。
  4. 請求項1に記載の複合粒子と、硫化物固体電解質と、を含む、正極。
  5. 請求項4に記載の正極を含む、全固体電池。
  6. 前記正極活物質粒子は、Li(NiCoMn)Oを含む、請求項1に記載の複合粒子。
  7. 請求項1又は2に記載の複合粒子の製造方法であって、
    (a)コーティング液と正極活物質粒子とを混合することにより、混合物を準備すること、
    (b)前記混合物を乾燥することにより、複合粒子を製造すること、および、
    (c)前記複合粒子に熱処理を施すこと、
    を含み、
    前記コーティング液は、溶質と溶媒とを含み、
    前記溶質は、リンと、アルコキシド系化合物と、を含む、
    複合粒子の製造方法。
  8. 請求項1又は2に記載の複合粒子の製造方法であって、
    (a)カーボン材料と正極活物質粒子とを混合することにより、混合物を準備すること、
    (b)前記混合物をコーティング液に分散することにより懸濁液を準備すること、
    (c)前記懸濁液をスプレードライすることにより、複合粒子を製造すること、および、
    (d)前記複合粒子に熱処理を施すこと、
    を含み、
    前記コーティング液は、溶質と溶媒とを含む、
    複合粒子の製造方法。
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