JP7768133B2 - 樹脂組成物、成形体、複合体及びその用途 - Google Patents
樹脂組成物、成形体、複合体及びその用途Info
- Publication number
- JP7768133B2 JP7768133B2 JP2022542869A JP2022542869A JP7768133B2 JP 7768133 B2 JP7768133 B2 JP 7768133B2 JP 2022542869 A JP2022542869 A JP 2022542869A JP 2022542869 A JP2022542869 A JP 2022542869A JP 7768133 B2 JP7768133 B2 JP 7768133B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- fluorine
- containing elastomer
- inorganic filler
- molded article
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L61/00—Compositions of condensation polymers of aldehydes or ketones; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L61/04—Condensation polymers of aldehydes or ketones with phenols only
- C08L61/16—Condensation polymers of aldehydes or ketones with phenols only of ketones with phenols
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/30—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K3/00—Use of inorganic substances as compounding ingredients
- C08K3/01—Use of inorganic substances as compounding ingredients characterized by their specific function
- C08K3/013—Fillers, pigments or reinforcing additives
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L27/00—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L27/02—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08L27/12—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing fluorine atoms
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L71/00—Compositions of polyethers obtained by reactions forming an ether link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L71/08—Polyethers derived from hydroxy compounds or from their metallic derivatives
- C08L71/10—Polyethers derived from hydroxy compounds or from their metallic derivatives from phenols
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K1/00—Printed circuits
- H05K1/02—Details
- H05K1/03—Use of materials for the substrate
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L2201/00—Properties
- C08L2201/08—Stabilised against heat, light or radiation or oxydation
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L2205/00—Polymer mixtures characterised by other features
- C08L2205/03—Polymer mixtures characterised by other features containing three or more polymers in a blend
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
しかし、ポリアリールエーテルケトンの成形体は、常温又は低温における耐衝撃性が不充分である。
・ポリアリールエーテルケトン及び含フッ素エラストマーを含み、ポリアリールエーテルケトン中に含フッ素エラストマーが分散しており、含フッ素エラストマーの数平均粒子径が1~300μmであり、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとの体積比が97:3~55:45であり、1000~3700MPaの曲げ弾性率を有する樹脂組成物(特許文献1)。
・ポリアリールエーテルケトン及び含フッ素エラストマーを含み、ポリアリールエーテルケトンの含フッ素エラストマーに対する特定条件下での溶融流れ速度の比が0.2~5.0であり、ポリアリールエーテルケトンの体積と含フッ素エラストマーの体積との合計のうちポリアリールエーテルケトンの体積の割合が60~97体積%である樹脂組成物(特許文献2)。
本発明は、曲げ弾性率が高く、耐熱性、低温における耐衝撃性に優れる成形体、及びこのような成形体を得ることができる樹脂組成物を提供する。
ここで、当業者の通常の知識によれば、ポリアリールエーテルケトン、含フッ素エラストマー、無機フィラーの三成分を使用すると、成形体の耐熱性、曲げ弾性率は、ポリアリールエーテルケトンと無機フィラーの二成分を含む組成物より低くなると予想される。
ところが意外にも、ポリアリールエーテルケトン、含フッ素エラストマー、無機フィラーを含む樹脂組成物においては、成形体の耐熱性、曲げ弾性率、低温における耐衝撃性が、ポリアリールエーテルケトンと無機フィラーとの二成分を含む組成物よりも、当業者の通常の予測の範囲を超えて向上することを本発明者は見出し、本発明を完成させた。
[1] ポリアリールエーテルケトンと、含フッ素エラストマーと、無機フィラーとを含む樹脂組成物であり、前記含フッ素エラストマーの体積の割合が、前記ポリアリールエーテルケトンの体積と前記含フッ素エラストマーの体積との合計に対して1~45体積%であり、前記無機フィラーの質量の割合が、前記樹脂組成物に対して1~50質量%であり、ASTM D648に準拠して荷重1.82MPaの条件で測定される荷重たわみ温度が、下記の比較組成物の前記荷重たわみ温度より高い、樹脂組成物。
比較組成物:前記ポリアリールエーテルケトンと前記含フッ素エラストマーとを含みかつ前記無機フィラーを含まない樹脂組成物であり、前記無機フィラーの有無の相違を除いて、前記ポリアリールエーテルケトンの種類、前記含フッ素エラストマーの種類、及び、前記ポリアリールエーテルケトンの体積と前記含フッ素エラストマーの体積との合計に対する前記含フッ素エラストマーの体積割合が前記樹脂組成物と同一である、樹脂組成物。
CF2=CF(ORF) ・・・(1)
ただし、RFは、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。
[3] 前記ポリアリールエーテルケトンが、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルケトンケトンである、[1]又は[2]の樹脂組成物。
[4] JIS-Z8781-4に準拠した色相測定における明度L*が、60以上である、[1]~[3]のいずれかの樹脂組成物。
[6] 前記無機フィラーとして、炭素繊維、グラファイト、カーボンナノチューブ、ガラス繊維及びシリカからなる群から選ばれる1種以上を含む、[1]~[5]のいずれかの樹脂組成物。
[7] 前記無機フィラーの少なくとも一部として、炭素繊維又はガラス繊維を含む、[1]~[6]のいずれかの樹脂組成物。
[9] 前記高分子フィラーがポリテトラフルオロエチレンである、[8]の樹脂組成物。
[10] さらに可塑剤、紫外線吸収剤及び光安定剤からなる群から選ばれる1種以上を含む、[1]~[9]のいずれかの樹脂組成物。
[12] 前記[11]の成形体と他材料とが複合化又は積層化された、複合体。
[13] 前記[11]の成形体又は[12]の複合体を備えた、携帯電子装置、摺動部材、三次元回路部品、電線又はエネルギー資源掘削用部材。
本発明の成形体は、曲げ弾性率が高く、耐熱性、低温における耐衝撃性に優れる。
ポリアリールエーテルケトン又は含フッ素エラストマーの「体積」は、ポリアリールエーテルケトン又は含フッ素エラストマーの質量(g)をその比重(g/cm3)で除して算出される値である。
ポリアリールエーテルケトン又は含フッ素エラストマーの「比重」は、水中置換(懸架)方法によって測定される23℃における値である。
樹脂組成物中の含フッ素エラストマーの「数平均粒子径」は、樹脂組成物の成形体を走査型電子顕微鏡で観察し、無作為に選んだ100個の粒子の最大直径を測定し、算術平均した値である。
溶融混練前の含フッ素エラストマーの「数平均粒子径」は、含フッ素エラストマーを光学顕微鏡で観察し、無作為に選んだ100個の粒子の最大直径を測定し、算術平均した値である。
成形体の「曲げ弾性率」は、ASTM D790に準じて測定される値である。
ポリアリールエーテルケトンの「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
含フッ素エラストマーにおける「フッ素含有量」は、含フッ素エラストマーを構成するすべての原子の総質量に対するフッ素原子の質量の割合を示す。フッ素含有量は、溶融NMR測定及び全フッ素含有量測定によって求めた含フッ素弾性共重合体中の各単位のモル比から算出した値である。
含フッ素エラストマーの「ムーニー粘度(ML1+10,121℃)」は、JIS K 6300-1:2000(対応国際規格ISO 289-1:2005、ISO 289-2:1994)に準じて測定される値である。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。本明細書において、単量体に基づく単位を、単に、単量体単位とも記す。例えば、TFEに基づく単位を、TFE単位とも記す。
「単量体」とは、重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物を意味する。
本発明の樹脂組成物は、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーと無機フィラーとを含む。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じてポリアリールエーテルケトン、含フッ素エラストマー及び無機フィラー以外の成分(以下、「他の成分」と記す。)を含んでいてもよい。
比較組成物(1):ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを含みかつ無機フィラーを含まない樹脂組成物であり、無機フィラーの有無の相違を除いて、ポリアリールエーテルケトンの種類、含フッ素エラストマーの種類、及び、ポリアリールエーテルケトンの体積と含フッ素エラストマーの体積との合計VA+Bに対する含フッ素エラストマーの体積割合が樹脂組成物と同一である、樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物が他の成分を含む場合、比較組成物(1)は、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーと他の成分からなる組成物である。この場合の比較組成物(1)における他の成分の含有量は、ポリアリールエーテルケトンに対する含有量、含フッ素エラストマーに対する含有量及びそれらの合計量に対する含有量のいずれにおいても、本発明の樹脂組成物におけるそれらの他の成分の含有量と同一である。
ここで、比較組成物(1)中のポリアリールエーテルケトン、含フッ素エラストマー及び他の成分は、本発明の樹脂組成物中のポリアリールエーテルケトン、含フッ素エラストマー及び他の成分といずれも同一である。したがって荷重たわみ温度T1は、本発明の樹脂組成物の組成に基づいて決定される組成の比較組成物(1)について、ASTM D648に準拠して荷重1.82MPaの条件で測定される値となる。
比較組成物(2):ポリアリールエーテルケトンと無機フィラーとを含みかつ含フッ素エラストマーを含まない樹脂組成物であり、ポリアリールエーテルケトンの種類及び無機フィラーの種類は本発明の組成物と同一であり、ポリアリールエーテルケトンの体積が本発明の樹脂組成物中のポリアリールエーテルケトンの体積と含フッ素エラストマーの体積との合計VA+Bと同じであり、かつ、無機フィラーの質量の割合が、本発明の樹脂組成物中の無機フィラーの質量の割合と同じである、樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物が他の成分を含む場合、比較組成物(2)の組成は、本発明の樹脂組成物中のポリアリールエーテルケトンの体積、含フッ素エラストマーの体積、他の成分の量、無機フィラーの質量に基づいて決定できる。
ここで、比較組成物(2)中のポリアリールエーテルケトン、無機フィラー及び他の成分は、本発明の樹脂組成物中のポリアリールエーテルケトン、無機フィラー及び他の成分といずれも同一である。したがって荷重たわみ温度T2は、本発明の樹脂組成物の組成に基づいて決定される組成の比較組成物(2)について、ASTM D648に準拠して荷重1.82MPaの条件で測定される値となる。
ポリアリールエーテルケトンの体積と含フッ素エラストマーの体積との合計が前記範囲の下限値以上であれば、成形体が耐熱性、機械的物性及び耐衝撃性を充分に発揮できる。樹脂組成物が他の成分を含む場合、無機フィラーの体積を除いた樹脂組成物の体積に対するポリアリールエーテルケトンの体積と含フッ素エラストマーの体積との合計の割合が99体積%以下であれば、他の成分に由来する新たな特性を成形体に付与できる。
分散している含フッ素エラストマーの数平均粒子径は、0.5~10μmが好ましく、1~5μmがより好ましい。含フッ素エラストマーの数平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂組成物中の含フッ素エラストマーの耐衝撃性を充分に確保できる。含フッ素エラストマーの数平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、ポリアリールエーテルケトン中に含フッ素エラストマーが均一に分散される。
ポリアリールエーテルケトンとしては、機械的物性及び耐熱性の点から、ポリエーテルケトン(以下、「PEK」とも記す。)、ポリエーテルエーテルケトン(以下、「PEEK」とも記す。)、又はポリエーテルケトンケトン(以下、「PEKK」とも記す。)が好ましく、PEEKが特に好ましい。
ポリエーテルエーテルケトンとしては、例えば、VictrexPEEK(Victrex社製)、VestaKeep(EVONIK社製)、Ketaspire(Solvay specailty polymers社製)が挙げられる。ただし、ポリエーテルエーテルケトンはこれらの例示に限定されない。
ポリエーテルケトンケトンとしては、例えば、Kepstan(Arkema社製)が挙げられる。ただし、ポリエーテルケトンケトンはこの例示に限定されない。
ポリアリールエーテルケトンは、2種以上を併用してもよいが、1種を単独で用いることが好ましい。
含フッ素エラストマーとしては、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」とも記す。)、フッ化ビニリデン(以下、「VdF」とも記す。)及びクロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」とも記す。)からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体(以下、「単量体(m1)」とも記す。)に基づく単位を有する含フッ素弾性共重合体が好ましい。
含フッ素エラストマーは、ASTM D6204に準じて測定される、100℃、50cpmにおける貯蔵弾性率G’が80以上を示す、融点を持たない弾性共重合体であり、フッ素樹脂とは区別される。
含フッ素エラストマーは、2種以上を併用してもよいが、1種を単独で用いることが好ましい。
CF2=CF(ORF) (1)
ただし、RFは、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。
PAVEとしては、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(以下、「PMVE」とも記す。)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)(以下、「PEVE」とも記す。)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(以下、「PPVE」とも記す。)、ペルフルオロ(ブチルビニルエーテル)(以下、「PBVE」とも記す。)が挙げられる。
単量体(m3)に基づく単位の割合は、含フッ素エラストマーを構成する全単位に対して、0~20モル%が好ましく、0~5モル%がより好ましく、0モル%が特に好ましい。
単量体(m1)に基づく単位の2種又は3種からなる含フッ素弾性共重合体、及び単量体(m1)に基づく単位の1種以上と単量体(m2)に基づく単位の1種以上とからなる含フッ素弾性共重合体は、成形体の耐衝撃性に寄与する。
TFE単位とP単位とを有する共重合体(以下、「TFE/P含有共重合体」とも記す)、
HFP単位とVdF単位とを有する共重合体(ただし、P単位を有するものを除く)(以下、「HFP/VdF含有共重合体」とも記す)、
TFE単位とPAVE単位とを有する共重合体(ただし、P単位又はVdF単位を有するものを除く)(以下、「TFE/PAVE含有共重合体」とも記す)。
TFE/P(TFE単位とP単位からなる共重合体を意味する。他についても同様である)、TFE/P/VF、TFE/P/VdF、TFE/P/E、TFE/P/TFP、TFE/P/PAVE、TFE/P/1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、TFE/P/2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、TFE/P/TrFE、TFE/P/DiFE、TFE/P/VdF/TFP、TFE/P/VdF/PAVEが挙げられ、なかでもTFE/Pが好ましい。
TFE/Pにおける各単位のモル比(TFE:P。以下同様)は、30~80:70~20が好ましく、40~70:60~30がより好ましく、60~50:40~50がさらに好ましい。
TFE/P/VFにおいてTFE:P:VFは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/VdFにおいてTFE:P:VdFは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/EにおいてTFE:P:Eは、20~60:70~30:0.05~40が好ましい。
TFE/P/TFPにおいてTFE:P:TFPは、30~60:60~30:0.05~20が好ましい。
TFE/P/PAVEにおいてTFE:P:PAVEは、40~70:60~29.95:0.05~20が好ましい。
TFE/P/1,3,3,3-テトラフルオロプロペンにおいてTFE:P:1,3,3,3-テトラフルオロプロペンは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/2,3,3,3-テトラフルオロプロペンにおいてTFE:P:2,3,3,3-テトラフルオロプロペンは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/TrFEにおいてTFE:P:TrFEは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/DiFEにおいてTFE:P:DiFEは、30~60:60~20:0.05~40が好ましい。
TFE/P/VdF/TFPにおいてTFE:P:VdF:TFPは、30~60:60~20:0.05~40:0.05~20が好ましい。
TFE/P/VdF/PAVEにおいてTFE:P:VdF:PAVEは、30~70:60~20:0.05~40:0.05~20が好ましい。
TFE/VdF/HFPにおいてTFE:VdF:HFPは、20~60:1~40:20~60が好ましい。
TFE/VdF/HFP/TFPにおいてTFE:VdF:HFP:TFPは、30~60:0.05~40:60~20:0.05~20が好ましい。
TFE/VdF/HFP/PAVEにおいてTFE:VdF:HFP:PAVEは、30~70:60~20:0.05~40:0.05~20が好ましい。
VdF/HFP/TFPにおいてVdF:HFP:TFPは、1~90:95~5:0.05~20が好ましい。
VdF/HFP/PAVEにおいてVdF:HFP:PAVEは、20~90:9.95~70:0.05~20が好ましい。
また、PAVEがPMVEの場合、TFE:PMVEは、40~70:60~30が好ましい。
TFE/PMVE/PPVEにおいてTFE:PMVE:PPVEは、40~70:3~57:3~57が好ましい。
VdF/PAVEにおいてVdF:PAVEは、3~95:97~5が好ましい。
VdF/2,3,3,3-テトラフルオロプロピレンにおいてVdF:2,3,3,3-テトラフルオロプロピレンは、30~95:70~5が好ましい。
E/HFPにおいてE:HFPは、40~60:60~40が好ましい。
重合法としては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等が挙げられる。含フッ素弾性共重合体の数平均分子量、共重合体組成の調整が容易で、生産性に優れる点から、水性媒体及び乳化剤の存在下で、単量体を重合する乳化重合法が好ましい。
乳化重合法においては、水性媒体、乳化剤及びラジカル重合開始剤の存在下に単量体を重合して、エラストマーのラテックスを得る。単量体の重合の際にpH調整剤を添加してもよい。
無機フィラーの形状は特に限定されず、繊維状でもよく、板状でもよく、粒子状(球状を含む。)でもよい。機械的物性、摩擦摩耗特性の点から、繊維状が好ましい。成形体の等方性が求められる用途においては、板状の無機フィラー、粒子状の無機フィラーが好ましい。無機フィラーの大きさは特に限定されない。ナノサイズ、マイクロメーターサイズ、ミリメーターサイズのいずれの大きさの無機フィラーでも、成形体の用途に応じて用いることができる。
無機フィラー2種以上を併用してもよい。特に繊維状の無機フィラーと粒子状又は平板状の無機フィラーとを併用することが好ましい。
繊維状の無機フィラーの直径が前記下限値以上であれば、成形体の耐熱性がさらに優れる。また、成形体の機械的物性、摩擦摩耗特性も向上する。繊維状の無機フィラーの直径が前記上限値以下であれば、繊維状の無機フィラーの分散性が向上する。
なかでも、成形体が耐熱性にさらに優れる点から、炭素繊維、グラファイト、カーボンナノチューブ、ガラス繊維が好ましく、ガラス繊維、炭素繊維がより好ましく、成形体の明度が優れる点からはガラス繊維が特に好ましい。
炭素繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系等方性炭素繊維、ピッチ系異方性炭素繊維が挙げられる。炭素繊維の形状について、チョップドファイバー、ミルドファイバーを所望の物性に応じて選択することができる。
他の成分としては、高分子フィラー、可塑剤、難燃剤等の添加剤が挙げられる。
他の成分は、2種以上を併用してもよい。
なかでも、ポリテトラフルオロエチレンは、成形体の誘電率、誘電正接をさらに低下させるために好適に用いられる。樹脂組成物がポリテトラフルオロエチレンを含む場合、ポリテトラフルオロエチレンの含有量は、本発明の樹脂組成物100質量%に対して、3~30質量%が好ましく、5~20質量%がさらに好ましい。ポリテトラフルオロエチレンが前記上限値以下であれば、成形体の強度がさらに優れる。ポリテトラフルオロエチレンが前記下限値以上であれば、誘電特性のさらなる向上効果が得られる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、五酸化アンチモン、ホスファゼン化合物、リン酸エステル(トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート等)、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム、赤リン、モリブデン化合物、ホウ酸化合物、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
紫外線吸収剤、光安定剤の含有量は、それぞれ本発明の樹脂組成物100質量%に対して、0.01~10.0質量%が好ましく、0.1~5.0質量%がさらに好ましい。
樹脂組成物は、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーと無機フィラーと、必要に応じて他の成分とを溶融混練して製造される。無機フィラーは、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを溶融混練する際に添加しても、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを溶融混練した後に添加してもよい。
他の成分を樹脂組成物に含ませる場合、他の成分は、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを溶融混練する際に添加してもよく、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを溶融混練した後に添加してもよい。
溶融混練前の含フッ素エラストマーの数平均粒子径は、10mm以下が好ましく、8mm以下がより好ましく、6mm以下がさらに好ましい。溶融混練前の含フッ素エラストマーの数平均粒子径が前記範囲内であれば、溶融混練時にスクリューによる搬送性が安定する。
溶融混練装置への無機フィラーの供給方法としては、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを溶融混練した後に、無機フィラーを添加することが好ましい。無機フィラーは、ポリアリールエーテルケトン、含フッ素エラストマーとあらかじめそれぞれ混合してから溶融混練装置に供給してもよい。
他の成分を樹脂組成物に含ませる場合、他の成分は、ポリアリールエーテルケトン及び含フッ素エラストマーの一方とあらかじめ混合して溶融混練装置に供給してもよく、ポリアリールエーテルケトン及び含フッ素エラストマーとは別に溶融混練装置に供給してもよい。また、他の成分は、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーとを溶融混練した後に添加してもよい。
ポリアリールエーテルケトン及び含フッ素エラストマーを溶融混練する際の押出せん断速度は、溶融混練温度における、ポリアリールエーテルケトン及び含フッ素エラストマーからなる溶融混練対象物の溶融粘度に応じて設定することが好ましい。溶融混練における押出せん断速度は、3~2500秒-1が好ましく、10~2000秒-1がより好ましく、15~1500秒-1がさらに好ましい。
溶融混練装置内での溶融混練対象物の滞留時間は、10~290秒が好ましく、20~240秒がより好ましく、30~210秒がさらに好ましい。
溶融混練温度を高くすることによって、ポリアリールエーテルケトン中に含フッ素エラストマーが分散しやすく、含フッ素エラストマーの粗大粒子が残存しにくい。溶融混練温度を低くすることによって、含フッ素エラストマーの熱分解が促進されにくく、樹脂組成物の耐熱性がさらに優れ、また、含フッ素エラストマーが小粒径化されすぎない。
押出せん断速度を大きくすることによって、ポリアリールエーテルケトン中に含フッ素エラストマーが分散しやすく、含フッ素エラストマーの粗大粒子が残存しにくい。押出せん断速度を低くすることによって、含フッ素エラストマーが小粒径化されすぎない。
溶融混練装置内での溶融混練対象物の滞留時間を長くすると、ポリアリールエーテルケトン中に含フッ素エラストマーが分散しやすく、含フッ素エラストマーの粗大粒子が残存しにくい。滞留時間を短くすると、含フッ素エラストマーの熱分解が促進されにくい。
本発明の樹脂組成物は、パウダー状にしてコーティング材料として用いてもよい。コーティングされた物品の用途としては、国際公開第2015/182702号に記載された用途が挙げられる。
以上説明した本発明の樹脂組成物にあっては、荷重たわみ温度T0が比較組成物(1)の荷重たわみ温度T1より高く、耐熱性に優れる成形体が得られる。
また、ポリアリールエーテルケトンの体積と含フッ素エラストマーの体積との合計に対する、含フッ素エラストマーの体積の割合が5体積%以上であり、含フッ素エラストマーの量が充分となる。そのため、成形体の耐衝撃性が充分に確保される。
加えて、ポリアリールエーテルケトンの体積と含フッ素エラストマーの体積との合計に対する、含フッ素エラストマーの体積の割合が45体積%以下であり、ポリアリールエーテルケトンの量が充分となる。そのため、成形体の曲げ弾性率、耐熱性が充分に確保される。
そして、本発明の樹脂組成物は、ポリアリールエーテルケトン、含フッ素エラストマーに加えて、無機フィラーを組成物に対して1質量%以上含む。そのため、後述の実施例で示すように、ポリアリールエーテルケトン、含フッ素エラストマー、無機フィラーの三成分による作用が働いて相乗効果が得られる。その結果、成形体の曲げ弾性率、耐熱性、低温における耐衝撃性が当業者の通常の予想の範囲を超えて向上する。かかる相乗効果が得られる理由は定かではないが、ポリアリールエーテルケトンの結晶化の影響によるものと考えられる。
したがって、本発明の樹脂組成物によれば、曲げ弾性率が高く、耐熱性、低温における耐衝撃性に優れる成形体を得ることができる。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物の成形物である。本発明の成形体の形状は、成形体の形態、用途等に応じて適宜選択される。
本発明の成形体は、曲げ弾性率が高く、耐熱性、低温における耐衝撃性に優れるため、これらの特性が要求される用途に用いられることが好ましい。
本発明の樹脂組成物が無機フィラーとして例えばガラス繊維とシリカを含む場合、成形体のJIS-Z8781-4に準拠した色相測定におけるL*の数値が高く、明度が高い。そのため、白色化、着色化の処理が必要ではなくなり、ポリアリールエーテルケトンの優れた物性が損なわれにくい。よって、外観が重視される携帯電子装置に好適に用いることができるという利点もある。
携帯電子装置としては、例えば、携帯電話、携帯端末、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラジオ、カメラ、カメラ付属品、時計、計算機、音楽プレーヤー、全地球測位システム受信機、携帯ゲーム、ハードドライブ、携帯記録装置、携帯再生装置、携帯ラジオ受信機が挙げられる。
筐体が携帯電子装置の内部にある場合、筐体が、携帯電子装置の外部から視認可能でない場合と、携帯電子装置の外部から部分的に視認可能である場合がある。内部構造の保護及び支持のためのカバー等の筐体は、携帯電子装置の外部に露出していてもよい。
電線用絶縁被覆材の用途としては、モーターコイル用の電線又は平角銅線、特にハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)の駆動用モーターにおける平角導体の絶縁被覆材が挙げられる。平角導体の絶縁被覆材の形態としては、フィルムが好ましい。また、電線用絶縁被覆材の用途としては、エネルギー資源(石油、天然ガス、シェールオイル等)掘削用のダウンホールケーブルの絶縁被覆材等が挙げられる。なかでも、石油採掘用のダウンホールケーブルの絶縁被覆材が好ましい。
フィルム、シートの用途としては、スピーカー振動板、外傷・骨折用プレート板、各種電気絶縁用粘着テープ等の絶縁紙(モーターの絶縁紙等)、石油、天然ガス用パイプ用シールテープ等、熱硬化性及び熱可塑性の複合材成形時における離型フィルムが挙げられる。
成形体がチューブである場合、その用途としては、チューブを備えた医療用カテーテル、電線被覆、分析機器の配管が好ましい。
押出成形体が繊維である場合、その用途としては、防護服、各種フィルターが好ましい。
成形体がフィルムである場合、成形法としては、Tダイ法、インフレーション法等の押出成形法が挙げられる。Tダイ法においては、溶融樹脂の流量調整、フィルムの厚さをTダイ内のチョークバー、リップの調整によって精密に制御できる。インフレーション法においては、円形ダイから押出品の内部に空気を入れて膨張させ、フィルムを得ることによってフィルムの厚さを均一にできる。
成形体が繊維である場合、成形法としては、溶融紡糸法のような押出成形法が好ましい。
本発明の複合体においては、上述の本発明の成形体と他材料とが複合化又は積層化されている。他材料としては金属、ガラス、プラスチック、ゴム等が挙げられる。
プラスチックの具体例としては、国際公開第2015/182702号に記載されたもの、液晶ポリマー、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアセタール、ポリウレタン等が挙げられる。ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66コポリマー、ポリアミド6/66/610コポリマー、ポリアミドMXD6、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド6/6Tコポリマー等が挙げられる。
なかでも、他材料としては、金属、ガラスが好ましい。金属としては、鉄、銅、ステンレス、鋼、アルミニウム、マグネシウム、チタニウム等が好ましい。
携帯電子装置等で用いられる金属(アルミニウム、ステンレス等)と樹脂との複合体は、一般に表面硬度、外観の向上のために陽極酸化を受ける。陽極酸化処理は強力な薬品によって、金属表面に酸化物層を形成して、表面硬度を向上させる処理である。そのため、陽極酸化処理される金属と樹脂との複合体には、特に、樹脂部分に優れた耐薬品性が求められる。本発明の複合体は、陽極酸化処理に適用しやすい点でも、外観が重視される携帯電子装置に好適に用いられる。
例えば、接着剤を塗布した金属等の他材料に本発明の成形体を接着する方法;射出成形において金型内に設置した金属部材に、溶融した本発明の樹脂組成物を射出成形する方法が挙げられる。
射出成形により金属と複合化する場合、本発明の成形体は金属部材とそのまま複合することができるが、金属部材の表面に化学的な接着処理;金属部材の表面に凹凸を形成するための物理的又は化学的な処理を行ったのち、射出成形を行うこともできる。
化学的な接着処理として、接着剤を塗布した金属部材を用いることができる。物理的な処理による凹凸形成方法としては、例えば、レーザー加工、機械加工が挙げられる。化学的な処理による凹凸形成方法としては、例えば、ケミカルエッチングが挙げられる。
射出成形により製造された成形体と金属との複合体は、機械加工、切削加工により所望の形状とすることができる。
射出成形機(ファナック社製、ROBOSHOT α-50)を用い、シリンダー温度:380℃、金型温度:170℃の条件にて樹脂組成物を射出成形し、厚さ:4.0mmの評価用射出成形体を得た。
評価用射出成形体から長さ:80mm、幅:10mmの試験片を切り出した。試験片について、TENSILON(エー・アンド・デイ社製、RTF-1350)を用い、JIS K7171に準じて、ロードセル定格:10kN、支点間距離:64mm、速度:2mm/分で、曲げ弾性率、曲げ強度を測定した。
評価用射出成形体についてTENSILON(エー・アンド・デイ社製、型式:RTF-1350)を用い、JIS K7161に準じて、ロードセル定格:10kN、チャック間距離:115mm、速度:50mm/分で引張強度、引張伸度を測定した。
評価用射出成形体から長さ:80mm、幅:10mmの試験片を切り出し、試験片の高さ:40mmの位置にノッチを入れた。
試験片について、アイゾット試験装置(東洋精機製作所社製)を用い、ハンマー容量:2.75J、ハンマー荷重:13.97N、軸心から重心までの距離:10.54cm、軸心から打撃点までの距離:33.5cmの条件にてアイゾット衝撃強度を測定した。測定は23℃及び-40℃にて実施した。
評価用射出成形体から長さ:80mm、幅:10mmの試験片を切り出した。ASTM D648に準拠し、東洋精機製作所製HDT&VSPT TESTERを用いて、荷重:1.82MPa、昇温速度:2℃/分の条件下でたわみ量が0.254mmとなる温度を測定した。
メルト熱プレス機を用いて樹脂組成物をプレス成形し、厚さ:0.24mmのプレスシートを得た。ASTM D2520を参考に、PNA-Lネットワークアナライザー(アジレントテクノロジー社製、N5230A)及び空洞共振器(関東電子応用開発社製、CP481)用い、温度:23℃、湿度:50%RH、周波数:10GHzの条件でプレスシートの誘電率を測定した。
ティーエスイー社製摩擦摩耗試験機FRT IIEAAを用いてJIS K-7218に準拠した松原式摩擦測定法(円筒型 リングオンリング)にて試験を実施した。
室温にて、樹脂組成物から射出成形で作製した円筒型の試験片に相手材のリング(材質:SUS316、接触面積:2cm2)を圧力:0.4MPa、回転速度:0.5m/sec、試験時間:1時間の条件で接触させ、試験片の動摩擦係数を測定した。
評価用射出成形体について、スガ試験機株式会社製のSMカラーコンピューターSM-Tを用いて、JIS-Z8781-4に準拠して色相測定を行い、L*、a*、b*を測定した。
23℃、70%硫酸溶液に24時間及び168時間それぞれ浸漬した後の各評価用射出成形体について引張試験を行い、引張強度、引張伸度を測定した。
ポリアリールエーテルケトン(A-1):PEEK(融点:340℃、溶融流れ速度:22g/10分、比重:1.32、ダイセルエボニック社製、ベスタキープ3300G)。
含フッ素エラストマー(B-1):テトラフルオロエチレン-プロピレン共重合体(溶融流れ速度:11g/10分、比重:1.55、ムーニー粘度(ML1+10,121℃):100、貯蔵弾性率G’(100℃、50cpm):390、AGC社製、AFLAS(登録商標)150FC)。
無機フィラー(C-1):ガラス繊維(日東紡績製、NEガラス CN 3DE-451)。
無機フィラー(C-2):ガラス繊維(日東紡績製、NEガラス CN 3DE-941)。
無機フィラー(C-3):炭素繊維(ZOLTEK社製、PXCA0250-83)。
高分子フィラー(D-1):ポリテトラフルオロエチレン(AGC社製 L169J)。
高分子フィラー(D-2):ポリテトラフルオロエチレン(AGC社製 L170JE)
紫外線吸収剤(E-1):ヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系 紫外線吸収剤(BASF社製 Tinuvin479)
光安定剤(E-2):ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)(BASF社製 Tinuvin PA144)
ポリアリールエーテルケトン(A-1)と含フッ素エラストマー(B-1)と無機フィラー(C-1)、無機フィラー(C-2)又は無機フィラー(C-3)と高分子フィラー(D-1)とを表1、2に示す配合で混合し、二軸混練押出機(テクノベル社製、KZW15TW-45HG1100、スクリュー径:15mmΦ、L/D:45)のスクリューの基端にフィーダーを用いて2.0kg/時間になるように投入した。スクリュー回転数:200rpm、シリンダー、ダイ及びヘッドの設定温度:C1=340℃、C2=350℃、C3=360℃、C4=370℃、C5=370℃、C6=370℃、D=350℃、H=350℃の条件でダイ先端から押し出されたストランドを水槽にて冷却し、ペレタイザーにてカットし、樹脂組成物のペレットを得た。
表1、2に示す配合において、「体積比(体積%)」は、ポリアリールエーテルケトン(A-1)の体積と含フッ素エラストマー(B-1)の体積との合計に対する、それぞれの体積の割合である。また、「無機フィラーの割合(質量%)」及び「高分子フィラーの割合(質量%)」は、樹脂組成物100質量%に対する各無機フィラー及び高分子フィラーの割合である。このことは、以下に示す他の例においても同様である。
無機フィラーを使用せずに、ポリアリールエーテルエーテルケトン(A-1)と含フッ素エラストマー(B-1)とを表1、2に示す配合で混合した以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物のペレットを得た。ここで、例5の組成物は、例1~4、7の樹脂組成物にとっての比較組成物(1)である。また、例11の組成物は、例8~10の樹脂組成物にとっての比較組成物(1)である。
含フッ素エラストマー及び無機フィラーを使用せずに、ポリアリールエーテルケトン(A-1)のみを用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物のペレットを得た。
含フッ素エラストマーを使用せずに、ポリアリールエーテルケトン(A-1)と無機フィラー(C-1)又は無機フィラー(C-2)とを表2に示す配合で混合した以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物のペレットを得た。ここで、例12の組成物は、例1、8の樹脂組成物にとっての比較組成物(2)である。また、例13の組成物は、例2、7、9の樹脂組成物にとっての比較組成物(2)である。
表に記載された配合とした以外は例10と同様に製造した。
また、例8~10の樹脂組成物の荷重たわみ温度は、例11の組成物の荷重たわみ温度より高い。例8~10の樹脂組成物の曲げ弾性率、耐熱性、低温における耐衝撃性は例11の組成物より優れていた。
無機フィラー(C-2)を使用した例2、9では、同じ無機フィラー(C-2)を使用した例13よりも、耐熱性、耐衝撃性が優れていた。
ところが、例1、8の樹脂組成物の荷重たわみ温度は、ポリアリールエーテルケトン(A-1)と無機フィラー(C-1)の二成分からなる例12の組成物の荷重たわみ温度より高かった。また、例2、9の樹脂組成物の荷重たわみ温度も、ポリアリールエーテルケトン(A-1)と無機フィラー(C-2)の二成分からなる例13の組成物の荷重たわみ温度より高かった。
この結果から、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーと無機フィラーを含む樹脂組成物によれば、これらの三成分による作用が働いて相乗効果が得られ、成形体の耐熱性が当業者の通常の予想の範囲を超えて向上すると考えられる。
ところが、例1の樹脂組成物の曲げ弾性率は、ポリアリールエーテルケトン(A-1)と無機フィラー(C-1)の二成分からなる例12の組成物より高かった。また、例2、9の樹脂組成物の曲げ弾性率も、ポリアリールエーテルケトン(A-1)と無機フィラー(C-2)の二成分からなる例13の組成物と同等以上の結果であった。
この結果から、ポリアリールエーテルケトンと含フッ素エラストマーと無機フィラーを含む樹脂組成物によれば、これらの三成分による作用が働いて相乗効果が得られ、成形体の曲げ弾性率も当業者の通常の予想の範囲を超えて向上すると考えられる。
耐薬品性について、例1、2、8、9では、引張強度、引張伸びの数値は表1、2に示す通りであり、70%硫酸溶液への浸漬前の数値が維持されていた。この結果から耐薬品性が良好であることが分かった。
誘電率について、例1~3、例8~10では、誘電率が例12、13よりも低く、例7では、誘電率がさらに低くなっていた。この結果から低誘電特性が良好となることが分かった。
なお、2020年08月14日に出願された日本特許出願2020-136980号及び2020年12月09日に出願された日本特許出願2020-204468号の明細書、特許請求の範囲および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (13)
- ポリアリールエーテルケトンと、含フッ素エラストマーと、無機フィラーとを含む樹脂組成物であり、
前記含フッ素エラストマーは、ASTM D6204に準じて測定される、100℃、50cpmにおける貯蔵弾性率G’が80以上を示す、融点を持たない弾性共重合体であり、
前記含フッ素エラストマーの体積の割合が、前記ポリアリールエーテルケトンの体積と前記含フッ素エラストマーの体積との合計に対して1~45体積%であり、
前記無機フィラーの質量の割合が、前記樹脂組成物に対して1~50質量%であり、
ASTM D648に準拠して荷重1.82MPaの条件で測定される荷重たわみ温度が、下記の比較組成物の前記荷重たわみ温度より高く、前記樹脂組成物の前記荷重たわみ温度T 0 と前記比較組成物の前記荷重たわみ温度T 1 との差(T 0 -T 1 )が100℃以上である、樹脂組成物。
比較組成物:前記ポリアリールエーテルケトンと前記含フッ素エラストマーとを含みかつ前記無機フィラーを含まない樹脂組成物であり、前記無機フィラーの有無の相違を除いて、前記ポリアリールエーテルケトンの種類、前記含フッ素エラストマーの種類、及び、前記ポリアリールエーテルケトンの体積と前記含フッ素エラストマーの体積との合計に対する前記含フッ素エラストマーの体積割合が前記樹脂組成物と同一である、樹脂組成物。 - 前記含フッ素エラストマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びプロピレンに基づく単位を有する共重合体、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単位及びフッ化ビニリデンに基づく単位を有する共重合体、又はテトラフルオロエチレンに基づく単位及び下式(1)で表される化合物に基づく単位を有する共重合体である、請求項1に記載の樹脂組成物。
CF2=CF(ORF) ・・・(1)
ただし、RFは、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。 - 前記ポリアリールエーテルケトンが、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルケトンケトンである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- JIS-Z8781-4に準拠した色相測定における明度L*が、60以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記無機フィラーが、繊維状無機フィラー、平板状無機フィラー又は粒状無機フィラーである、請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記無機フィラーとして、炭素繊維、グラファイト、カーボンナノチューブ、ガラス繊維及びシリカからなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記無機フィラーの少なくとも一部として、炭素繊維又はガラス繊維を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- さらに高分子フィラーを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記高分子フィラーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項8に記載の樹脂組成物。
- さらに可塑剤、紫外線吸収剤及び光安定剤からなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の樹脂組成物の成形物である、成形体。
- 請求項11に記載の成形体と他材料とが複合化又は積層化された、複合体。
- 請求項11に記載の成形体又は請求項12に記載の複合体を備えた、携帯電子装置、摺動部材、三次元回路部品、電線又はエネルギー資源掘削用部材。
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2020136980 | 2020-08-14 | ||
| JP2020136980 | 2020-08-14 | ||
| JP2020204468 | 2020-12-09 | ||
| JP2020204468 | 2020-12-09 | ||
| PCT/JP2021/029662 WO2022034903A1 (ja) | 2020-08-14 | 2021-08-11 | 樹脂組成物、成形体、複合体及びその用途 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPWO2022034903A1 JPWO2022034903A1 (ja) | 2022-02-17 |
| JP7768133B2 true JP7768133B2 (ja) | 2025-11-12 |
Family
ID=80248011
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2022542869A Active JP7768133B2 (ja) | 2020-08-14 | 2021-08-11 | 樹脂組成物、成形体、複合体及びその用途 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US20230167295A1 (ja) |
| JP (1) | JP7768133B2 (ja) |
| CN (1) | CN116034026A (ja) |
| WO (1) | WO2022034903A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20250101191A1 (en) * | 2022-04-15 | 2025-03-27 | Nitto Boseki Co., Ltd. | Glass fiber-reinforced resin molded product |
| WO2024214812A1 (ja) * | 2023-04-12 | 2024-10-17 | Agc株式会社 | 平角線及びその製造方法 |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013047625A1 (ja) | 2011-09-28 | 2013-04-04 | 株式会社リケン | 樹脂組成物及びそれを用いた摺動部材 |
| WO2017188280A1 (ja) | 2016-04-28 | 2017-11-02 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素共重合体組成物、その製造方法、および成形体 |
| JP2018203979A (ja) | 2017-01-30 | 2018-12-27 | Agc株式会社 | 組成物から作られる物品 |
| WO2019198771A1 (ja) | 2018-04-13 | 2019-10-17 | Agc株式会社 | 樹脂組成物、成形体及びその用途 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1993021272A1 (fr) * | 1992-04-10 | 1993-10-28 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Composition de resine contenant un fluoroelastomere |
-
2021
- 2021-08-11 CN CN202180056642.1A patent/CN116034026A/zh active Pending
- 2021-08-11 JP JP2022542869A patent/JP7768133B2/ja active Active
- 2021-08-11 WO PCT/JP2021/029662 patent/WO2022034903A1/ja not_active Ceased
-
2023
- 2023-01-24 US US18/158,678 patent/US20230167295A1/en active Pending
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013047625A1 (ja) | 2011-09-28 | 2013-04-04 | 株式会社リケン | 樹脂組成物及びそれを用いた摺動部材 |
| WO2017188280A1 (ja) | 2016-04-28 | 2017-11-02 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素共重合体組成物、その製造方法、および成形体 |
| JP2018203979A (ja) | 2017-01-30 | 2018-12-27 | Agc株式会社 | 組成物から作られる物品 |
| WO2019198771A1 (ja) | 2018-04-13 | 2019-10-17 | Agc株式会社 | 樹脂組成物、成形体及びその用途 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US20230167295A1 (en) | 2023-06-01 |
| WO2022034903A1 (ja) | 2022-02-17 |
| CN116034026A (zh) | 2023-04-28 |
| JPWO2022034903A1 (ja) | 2022-02-17 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP7180738B2 (ja) | 含フッ素共重合体組成物、その製造方法、および成形体 | |
| JP7405074B2 (ja) | スピーカー振動板及び医療用カテーテル | |
| JP7768133B2 (ja) | 樹脂組成物、成形体、複合体及びその用途 | |
| US20240360309A1 (en) | Resin composition, molded body, composite, and use thereof | |
| EP3001429A1 (en) | Covering material for heat-resistant electric wires, method for producing same, and electric wire | |
| US20240279461A1 (en) | Resin composition, formed product, composite and use thereof | |
| EP3870649B1 (en) | Fluorinated copolymer composition | |
| WO2023286801A1 (ja) | 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法および成形体 | |
| WO2024122466A1 (ja) | 樹脂組成物、成形体、複合体およびその用途 | |
| JP2023072846A (ja) | 組成物、成形体および複合体 | |
| WO2023022085A1 (ja) | 組成物及び組成物の製造方法 | |
| JP2025065051A (ja) | フィルム、フィルムの製造方法、複合体および絶縁部材 | |
| JP2024013767A (ja) | 3次元造形用フィラメント及びその製造方法 | |
| RU2788175C2 (ru) | Фторированная сополимерная композиция |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20240209 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20250422 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20250618 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20250930 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20251013 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7768133 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |