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JP7680842B2 - 耐火性樹脂組成物 - Google Patents

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JP7680842B2 JP2021003806A JP2021003806A JP7680842B2 JP 7680842 B2 JP7680842 B2 JP 7680842B2 JP 2021003806 A JP2021003806 A JP 2021003806A JP 2021003806 A JP2021003806 A JP 2021003806A JP 7680842 B2 JP7680842 B2 JP 7680842B2
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Description

本発明は、耐火性樹脂組成物に関し、詳しくは、区画貫通部を閉塞することのできる膨張性を有する耐火性樹脂組成物に関する。
集合住宅、オフィスビル、学校等の建築物において、壁等の仕切り部には、ケーブル類、配管類などの長尺の挿通体を通すために、区画貫通部が設けられることがある。区画貫通部は、いずれかの区画で火災が発生した際に、他の区画への延焼を防止するために、防火措置を施した構造(耐火構造)にすることが求められている。仕切り部は、2枚の壁部からなり、壁部間が中空部となっている中空壁が一般的である。
区画貫通部を耐火構造とする方法は、例えば、長尺の挿通体と貫通孔の間隙に、耐火パテなどの不定形充填材を充填する方法が知られている。不定形充填材を使用する場合、各壁部の貫通孔内部と、挿通体の間には、耐火材よりなる筒状部材などが合わせて配設されることもある(例えば、特許文献1、2参照)。
特許第6150933号公報 特許第6348320号公報
しかしながら、区画貫通部の防火処理に不定形充填材を使用した場合、作業者によるバラつきがあり、十分な耐火性能が得られないことがある。また、躯体内に耐火材及びその付属品等を設置する場合、それらがどの程度(量や厚み、長さ等)設置されているか明確でなかったり、規定通りに設置されているか判断できなかったりすることがある。そのため、規定通りに耐火材などが設置されているか否かを確認するためには、区画貫通処理構造を破壊して、内部構造を確認する必要がある。
また、作業者によるバラつきを低減するため、あらかじめ決められた量、及び大きさの部材が一体化されたキットがあったが、部材点数が多い傾向があり、部材紛失や設置し忘れが生じやすく、また、キットごとの梱包のため、発生するゴミが多いという問題もある。
また、内部にケーブル類及び配管類等の長尺の挿通体が挿通される区画貫通構造においては、区画貫通処理構造を施した後に挿通体を動かした場合には、内部に設置された耐火材などが設置されていた適切な位置からずれてしまうことがある。また、地震等の外力によっても、耐火材などが設置されていた適切な位置からずれてしまうことがある。また、耐火材が均一に膨張せずに偏って膨張すると設置されていた適切な位置からずれたり、脱落したりすることがある。このように、耐火材などが設置されていた適切な位置からずれてしまうことによって、区画貫通部の耐火構造として望まれる耐火性能を発揮することが困難となる。
上記課題に対して、躯体内に不定形充填材を使用せず、高膨張材からなるシートを区画貫通部に設置する方法が考えられる。高膨張材からなるシートは、例えば熱膨張材を高充填することで得られ、火災が発生した際には、火炎によって膨張し、区画貫通部を閉塞し、延焼を抑制することが可能となる。
しかしながら、熱膨張材を高充填することによって、シートの残渣が脆くなる傾向にあり、火炎等により吹き飛ばされることが起こる。したがって、区画貫通部を十分に閉塞することができず、延焼を抑制できない場合があった。
そこで、本発明は、熱膨張材を高充填することで、火災が発生した際には、区画貫通部を閉塞し、延焼を抑制するとともに、熱膨張材を高充填しても残渣が硬く、区画貫通部の閉塞を維持することができる耐火性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1](A)クロロプレンゴムを含む樹脂成分、(B)熱膨張性層状無機物、及び(C)難燃剤、吸熱剤、及び無機充填剤から選ばれる少なくとも1種を含む耐火性添加剤、を含有する建築物の防火構造に用いられる耐火性樹脂組成物。
[2]前記(B)熱膨張性層状無機物の含有量が、(A)樹脂成分100質量部に対して、50~1000質量部である上記[1]に記載の耐火性樹脂組成物。
[3]前記(B)熱膨張性層状無機物の含有量が、耐火性樹脂組成物100質量部に対して、15~75質量部である上記[1]又は[2]に記載の耐火性樹脂組成物。
[4]前記(B)熱膨張性層状無機物の熱膨張開始温度が100~300℃である上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の耐火性樹脂組成物。
[5]前記(B)熱膨張性層状無機物が熱膨張性黒鉛である上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の耐火性樹脂組成物。
[6]樹脂成分としてさらにエラストマーを含む上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の耐火性樹脂組成物。
[7]上記[1]~[6]のいずれか一つに記載の耐火性樹脂組成物からなる耐火材。
[8]シート状である上記[7]に記載の耐火材。
[9]厚みが1.0mm以上である上記[8]に記載の耐火材。
[10]上記[7]~[9]のいずれか一つに記載の耐火材と、前記耐火材と一体化された基材とを備える耐火積層体。
[11]上記[7]~[9]のいずれか一つに記載の耐火材又は上記[10]に記載の耐火積層体を含む区画貫通処理材。
[12]上記[11]に記載の区画貫通処理材を含む区画貫通処理構造。
[13]上記[12]に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
本発明によれば、火災が発生した際には、区画貫通部を閉塞し、延焼を抑制することができ、かつ熱膨張材を高充填しても残渣が硬く、区画貫通部の閉塞を維持することができる耐火性樹脂組成物を提供することができる。
区画貫通処理材が設置される前の区画貫通処理構造を示す斜視図である。 区画貫通処理構造を示す断面図である。 区画貫通処理構造のシート状部材の構成を示す模式的断面図である。 区画貫通処理構造のシート状部材の構成を示す模式的断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の耐火性樹脂組成物は、(A)クロロプレンゴムを含む樹脂成分、(B)熱膨張性層状無機物、及び(C)難燃剤、吸熱剤、及び無機充填剤から選ばれる少なくとも1種を含む耐火性添加剤を含有する。
(A)クロロプレンゴムを含む樹脂成分
本発明の(A)成分は、クロロプレンゴムを含む樹脂成分である。クロロプレンゴム(CR)としては、チウラム系によるイオウ変性(Gタイプ)、メルカプタン系による非イオウ変性(Wタイプ)等を用いることができる。クロロプレンゴムの100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)は、好ましくは20~160、より好ましくは30~150、さらに好ましくは40~140である。クロロプレンゴムの100℃におけるムーニー粘度が、前記下限値以上であると分子量が大きくなる分、凝集力が高くなるため、熱膨張性層状無機物を高充填しても、残渣の硬度が維持される。一方、前記上限値以下であると混練時に混練装置にかかる負荷が低くなるため成形性が向上する。なお、ムーニー粘度ML(1+4)は、JIS K6300に準拠して100℃において測定される。
(A)樹脂成分中のクロロプレンゴムの含有量は、30~100質量%の範囲であることが好ましく、50~100質量%の範囲がより好ましく、80~100質量%がさらに好ましい。
(A)樹脂成分には、本発明の効果を阻害しない範囲で、クロロプレンゴムの他に、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーを含有してもよい。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエン、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)等のポリオレフィン、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)、クロロプレン(CR)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル-スチレン-アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル/エチレン-プロピレン-ジエン/スチレン共重合体(AES)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
エラストマーの例としては、天然ゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、およびフッ素ゴム等のゴムが挙げられる。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、および塩化ビニル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーも挙げられる。
上記エラストマーのうち、本発明の耐火性樹脂組成物に粘着性を付与したい場合には、ポリブテン等の液状エラストマーを配合することが好ましい。なお、液状エラストマーとは、常温、常圧で液体となるエラストマーである。また、液状エラストマーとクロロプレンゴムとの相溶性を改善するために、さらにブチルゴムを配合することが好ましい。
(A)成分における液状エラストマーの含有量としては、5~50質量%の範囲であることが好ましく、10~40質量%の範囲であることがより好ましく、20~30質量%の範囲であることが特に好ましい。上記下限値以上であると、樹脂成分に十分な粘着性を付与することができ、上記上限値以下であると、クロロプレンゴム等の他のゴム成分の含有量が確保でき、熱膨張材を高充填しても、十分な残渣の硬度が得られる。
また、ブチルゴムの配合量は、クロロプレンゴムと液状エラストマーの相溶性を確保するとの観点から、ブチルゴム/液状エラストマー(質量比)が1:10~10:1の範囲であることが好ましく、4:6~6:4の範囲であることがより好ましい。
なお、これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーは、1種であってもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)熱膨張性層状無機物
熱膨張性層状無機物は、加熱時に膨張する従来公知の物質であり、例えば、バーミキュライト、熱膨張性黒鉛などが挙げられ、中でも熱膨張性黒鉛が好ましい。熱膨張性層状無機物としては、粒子状や鱗片状のものを用いてもよい。熱膨張性層状無機物は、加熱されることで膨張して大容量の空隙を形成するため、本発明の熱膨張性層状無機物を用いた耐火材は、着火した場合に延焼が抑制され、また消火される。
熱膨張性黒鉛は、天然鱗片状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とにより処理してグラファイト層間化合物を生成させたものである。生成された熱膨張性黒鉛は炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
本発明に使用される熱膨張性黒鉛は、酸処理して得られた熱膨張性黒鉛がアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和されたものなども使用することもできる。
脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
熱膨張性黒鉛の粒度は、20~200メッシュが好ましい。熱膨張性黒鉛の粒度が前記範囲内であると、膨脹して大容量の空隙を作りやすくなるため耐火性が向上する。また、樹脂への分散性も向上する。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が更に好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比の上限は特に限定されないが、熱膨張性黒鉛の割れ防止の観点から、1,000以下であることが好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が2以上であることにより、膨張して大容量の空隙を作りやすくなるため難燃性が向上する。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、10個の熱膨張性黒鉛について、それぞれ最大寸法(長径)及び最小寸法(短径)測定し、最大寸法(長径)を最小寸法(短径)で除した値の平均値を平均アスペクト比とする。熱膨張性黒鉛の長径及び短径は、例えば、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて測定することができる。
熱膨張性層状無機物の熱膨張開始温度は、特に限定されないが、例えば、100~300℃であることが好ましく、120~280℃であることがより好ましく、130~250℃であることが更に好ましい。これら下限値以上とすることで、火災以外の加熱により、熱膨張性材料が誤って膨張することを防止する。また、上限値以下とすることで、火災の加熱により確実に熱膨張性材料を膨張させやすくなる。
また、熱膨張性層状無機物の膨張開始温度は、以下の方法で測定した。
<膨張開始温度>
黒鉛片を試験管に0.02g入れ、試験管を垂直に立てた状態で電気炉に供給し、各温度で10分間加熱する。加熱後の黒鉛片の厚みを測定し、(加熱後の黒鉛片の厚み)/(加熱前の黒鉛片の厚み)を膨張倍率として算出し、膨張倍率が3倍以上となる温度を膨張開始温度とした。
(B)熱膨張性層状無機物の含有量は、(A)樹脂成分100質量部に対して、50~1000質量部であることが好ましく、70~500質量部がより好ましく、100~300質量部がさらに好ましい。上記下限値以上であると、十分な熱膨張性が得られ、区画貫通部を十分に閉塞することが可能となる。一方、上記上限値以下であると燃焼後の残渣が硬く、火炎等で吹き飛ばされることがなく、区画貫通部の閉塞が維持される。
また、本発明の耐火性樹脂組成物を用いた耐火材の膨張倍率をより一層高くする観点からは、熱膨張性層状無機物の含有量は、150~300質量部であることが好ましい。本発明の耐火性樹脂組成物では、熱膨張性層状無機物の含有量を150質量部以上と比較的多くしても、樹脂成分としてクロロプレンゴムを使用することで残渣硬さを高い値に維持できる。
また、(B)熱膨張性層状無機物の含有量は、耐火性樹脂組成物100質量部に対して、15~75質量部であることが好ましく、20~65質量部がより好ましく、23~60質量部がさらに好ましい。上記下限値以上であると、十分な熱膨張性が得られ、区画貫通部を十分に閉塞することが可能となる。一方、上記上限値以下であると成形性が良好となり、シール部材の表面性、機械的物性、柔軟性なども良好となる。また、熱膨張性黒鉛の含有量を上記範囲内で選択することで、膨張倍率を所望の範囲内に調整しやすくなる。
また、本発明の耐火性樹脂組成物を用いた耐火材の膨張倍率をより一層高くする観点からは、熱膨張性層状無機物の含有量は、30~60質量部であることが好ましい。また、熱膨張性層状無機物の含有量を比較的多くしても、本発明では、樹脂成分としてクロロプレンゴムを使用することで残渣硬さを高い値に維持できる。
本発明の耐火性樹脂組成物は、(C)耐火性添加剤として、難燃剤、吸熱剤、及び無機充填材から選ばれる少なくとも1種を含有する。すなわち、それぞれの成分を1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の耐火性樹脂組成物は、(C)耐火性添加剤を含有することで、耐火性樹脂組成物の難燃性を向上させつつ残渣硬さを高くできる。
<難燃剤>
本発明に使用する難燃剤としてはリン原子含有化合物が挙げられる。リン原子含有化合物としては、赤リン、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及びキシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、及びリン酸マグネシウム等のリン酸金属塩、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸アルミニウム等の亜リン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。これらリン含有化合物を使用することで、耐火性樹脂組成物に適切な耐火性、消火性能を付与できる。難燃剤は、これら1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これら難燃剤の中では、耐火性樹脂組成物の耐火性、消火性能を向上させる観点から、ポリリン酸アンモニウム、亜リン酸アルミニウム等が特に好ましい。
難燃剤は、好ましくは、常温(23℃)及び常圧(1気圧)で固体状となるものである。難燃剤の平均粒子径は、1~200μmが好ましく、1~60μmがより好ましく、3~40μmがさらに好ましく、5~20μmがよりさらに好ましい。難燃剤の平均粒子径が上記範囲内であると、耐火性樹脂組成物における難燃剤の分散性が向上し、難燃剤を樹脂中に均一に分散させたり、樹脂に対する難燃剤の配合量を多くしたりすることができる。
<吸熱剤>
本発明の耐火性樹脂組成物に用いられる吸熱剤としては、水和金属化合物が好適に挙げられる。水和金属化合物とは、火炎の接触により分解して水蒸気を発生し、吸熱する効果を有する化合物である。水和金属化合物としては、金属水酸化物、金属塩の水和物が挙げられる。具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、カルシウム-マグネシウム系水酸化物、ハイドロタルサイト、ベーマイト、タルク、ドーソナイト、硫酸カルシウムの水和物、硫酸マグネシウムの水和物、ホウ酸亜鉛[2ZnO・3B・3.5HO]などが挙げられる。
これらの中では、耐火性、消火性能などの観点から、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム2水和物、及び硫酸マグネシウム7水和物から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
吸熱剤としては、熱分解開始温度が500℃以下、吸熱量が500J/g以上であるものが好ましい。熱分解開始温度、及び吸熱量のいずれかが上記範囲内となると、発火に際し、速やかに消火することができる。以上の観点から、吸熱剤の熱分解開始温度は、400℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましい。また、吸熱剤の熱分解開始温度は、通常100℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは180℃以上である。これら下限値以上とすることで、火災以外の加熱により、吸熱剤が誤って機能することを防止する。
なお、熱分解開始温度は、熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)により測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
前記吸熱剤の吸熱量は、好ましくは600J/g以上、より好ましくは900J/g以上である。吸熱剤の吸熱量が上記範囲内であると、熱の吸収性が向上するため、耐火性、消火性能がより良好となる。吸熱剤の吸熱量は、通常、4000J/g以下、好ましくは3000J/g以下である。
なお、吸熱量は熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)を用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
また、吸熱剤は、平均粒子径が0.1~90μmであるものが好ましい。平均粒子径を上記範囲内とすることで、樹脂中に吸熱剤が分散しやすくなり、吸熱剤を多量に配合させやすくなり、耐火性、消火性能も向上させやすくなる。
以上の観点から、吸熱剤の平均粒子径は、0.5~60μmがより好ましく、0.8~40μmがさらに好ましく、0.8~10μmがよりさらに好ましい。
<無機充填剤>
本発明の耐火性樹脂組成物に使用できる無機充填剤としては一般に熱膨張性樹脂組成物に使用されている無機充填材であれば、特に限定はない。具体的には、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカバルン、窒化アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコニア鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。
これらのうち、炭酸カルシウム、カーボンブラックが好ましい。これらの無機充填剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填剤の平均粒子径は、0.5~100μmが好ましく、1~50μmがより好ましい。無機充填剤は、含有量が少ないときは分散性を向上させる観点から粒子径が小さいものが好ましく、含有量が多いときは高充填が進むにつれて、耐火性樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するため粒子径が大きいものが好ましい。
なお、上述の難燃剤、吸熱剤、及び無機充填剤の平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定したメディアン径(D50)の値である。
本発明の耐火性樹脂組成物における(C)成分の含有量としては、樹脂100質量部に対して、好ましくは30~500質量部、より好ましくは50~400質量部、さらに好ましくは100~300質量部である。(C)成分の含有量が前記下限値以上であると、難燃性が得られ、また機械的物性を向上させることができる。一方、前記上限値以下であると、熱膨張性層状無機物の相対量が十分となり、火災が発生した際に、火炎によって膨張し、区画貫通部を閉塞し、延焼を抑制することができる。
(C)耐火性添加剤は、上述のように、難燃剤、吸熱剤、無機充填剤から選ばれる少なくとも1種を有していればよく、その組み合わせとしては、特に制限はないが、難燃剤と無機充填剤の組み合わせが好ましく、また難燃剤、吸熱剤、及び無機充填剤の組み合わせが好ましい。特に難燃剤として、ポリリン酸アンモニウム(APP)を選択し、無機充填剤として炭酸カルシウムを選択した場合の組み合わせが好ましい。火災等によって加熱された際にポリリン酸アンモニウムと炭酸カルシウムが反応することで、残渣を硬くする作用があることに起因すると思われる。また、残渣を硬くする観点から、(C)耐火性添加剤として亜リン酸アルミニウムを使用することも好ましい。
本発明の耐火性樹脂組成物は、可塑剤を含有してもよい。可塑剤は、クロロプレンゴムを用いる本発明の熱膨張性樹脂組成物には有効であり、本発明の耐火性樹脂組成物の製造が容易になる。
可塑剤の具体的としては、例えば、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル可塑剤、ジ-2-エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等のアジピン酸エステルや、アジピン酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)、アジピン酸ジ(メトキシテトラエチレングリコール)、アジピン酸ジ(メトキシペンタエチレングリコール)、アジピン酸(メトキシテトラエチレングリコール)(メトキシペンタエチレングリコール)などのアジピン酸エーテルエステル系可塑剤、アジピン酸ポリエステルなどの脂肪酸エステル可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル可塑剤、トリー2-エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル可塑剤、トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)等の燐酸エステル可塑剤、鉱油等のプロセスオイルなどが挙げられる。
可塑剤は1種を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
耐火性樹脂組成物が可塑剤を含有する場合、耐火性樹脂組成物における可塑剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば0.3質量部以上150質量部以下の範囲であり、好ましくは10質量部以上100質量部以下の範囲、さらに好ましくは20質量部以上50質量部以下の範囲である。可塑剤は、これら下限値以上とすると、成形性が良好になりやすく、上限値以下とすることで、成形体に適度な強度が付与される。
樹脂成分と可塑剤の合計含有量は、樹脂組成物全量基準で、10質量%以上50質量%以下が好ましく、15質量%以上45質量%以下がより好ましく、20質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。これら下限値以上とすることで、熱膨張性部材の成形性などを良好にできる。また、柔軟性を確保して、湾曲や変形が容易となる。また、上限値以下とすることで、熱膨張性黒鉛、無機充填材などの成分を十分な量配合することが可能になる。
なお、樹脂成分と可塑剤の合計含有量とは、樹脂成分と可塑剤の両方が含有される場合には、これらの合計含有量を意味し、可塑剤を含有しない場合には樹脂成分単独の含有量を意味する。
本発明の耐火性樹脂組成物は、公知の粘着付与剤を含有してもよい。粘着付与剤を含有することで、本発明の耐火性樹脂組成物の製造が容易となり、また熱膨張性部材に粘着性を付与しやすくなる。粘着付与剤としては特に限定はなく、石油樹脂、アルキルフェノール-ホルムアルデヒド系樹脂、アルキルフェノール-アセチレン系樹脂、クマロン-インデン樹脂、キシレン-ホルムアルデヒド樹脂、ポリブテン等を使用でき、好ましくは石油樹脂等を用いることができる。
また本発明に使用する耐火性樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、熱安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤、架橋促進剤等の熱膨張性樹脂組成物に一般的に使用される添加剤が添加されてもよい。これらの中では加工助剤を使用することが好ましい。
<耐火性樹脂組成物の製造方法>
本発明の耐火性樹脂組成物は、例えば下記のようにして製造することができる。まず、所定量の(A)樹脂成分、(B)熱膨張性層状無機物、(C)耐火性添加剤、及びその他の必要に応じて配合される添加剤を、混練ロールなどの混合機で混合して、耐火性樹脂組成物を得る。耐火性樹脂組成物は、適宜溶剤が添加されて、希釈されてもよい。
本発明の耐火性樹脂組成物は、建築物の防火構造に用いられ、特に壁等の仕切り部において、ケーブル類、配管類などの長尺の挿通体を通すための、区画貫通部の防火構造に用いられることが好ましい。すなわち、区画貫通部において、いずれかの区画で火災が発生した際に、他の区画への延焼を防止するための耐火材として使用することが好ましい。
[耐火材]
本発明の耐火材は、本発明の耐火性樹脂組成物からなり、特にシート状であることが好ましい。シート状耐火材の厚みとしては、1.0mm以上であることが好ましく、1.2mm~3.0mmであることがより好ましく、1.5mm~2.0mmであることがさらに好ましい。厚みが前記下限値以上であると、十分な耐火性能が確保され、前記上限値以下であると、耐火シートの柔軟性が確保される。
本発明の耐火材の膨張倍率としては、10倍以上であることが好ましく、15倍~70倍の範囲であることがより好ましく、20倍~60倍の範囲であることがさらに好ましく、38~60倍がよりさらに好ましい
また、本発明の耐火材の残渣硬さとしては、0.20kgf/cm以上であることが好ましく、0.25~0.90kgf/cmの範囲であることがより好ましく、0.30~0.85kgf/cmの範囲がさらに好ましい。
なお、耐火材の膨張倍率及び残渣硬さは、実施例に記載の方法で測定できる。
シート状耐火材は、上記必要に応じて希釈された熱膨張性樹脂組成物を、基材、剥離シートなどの支持体に塗布し、適宜乾燥、硬化などされて、支持体の一方の面上に耐火材層が形成されるとよい。また、押出成形など公知の方法により支持体の一方の面上に耐火材層が形成されてもよい。剥離シート上に形成された耐火材層は、剥離シートから剥離することで、耐火材層単層からなるシート状耐火材とするとよい。
そして、剥離シートから剥離した後に別の層上に積層することで、多層構造のシート状耐火材(耐火積層体)を得るとよい。また、剥離シート上、又は他の支持体上に積層された状態のまま、他の層に積層されてもよい。
本発明のシート状耐火材は、シート状耐火材単層で使用してもよいが、シート状耐火材を2層以上積層し、又はシート状耐火材以外の他の層を積層して、多層体(耐火積層体)で使用してもよい。使用される他の層としては、基材、粘着剤層などが挙げられる。耐火積層体は、基材と本発明の耐火性樹脂組成物からなる耐火材層が一体化されたものであってもよい。
<基材>
基材と本発明の耐火性樹脂組成物からなるシート状耐火材が一体化された耐火積層体に使用される基材は、耐火材層を支持し、耐火材層に熱を均等に伝達させる。基材としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔等の金属箔、ガラスクロス、アルミガラスクロスなどの金属箔とガラスクロスの複合体等の金属箔複合体、紙、布、樹脂フィルムなどが挙げられる。これらのなかでは、耐火性の観点から、不燃材料で構成されることが好ましく、具体的には、金属箔及び金属箔複合体が挙げられる。なお、不燃材料とは、建築基準法及び建築基準法施行令において定められるものである。
各基材の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01~1mm、好ましくは0.05~0.5mmである。不燃材料層がこれら上限値以下の厚みを有することで、シート状部材に柔軟性が付与される。また、下限値以上の厚みを有することで、耐火性能を確保しやすくなる。
また、本発明のシート状耐火材は、上述のように、粘着剤層を積層してもよく、また複数のシート状耐火材を積層したものであってもよい。複数のシート状耐火材を積層するに際し、粘着性を有する場合には、直接積層してもよいし、粘着剤層を介して積層してもよい。
また、シート状耐火材を複数積層する場合には、互いに膨張倍率が異なる層であることが好ましく、使用形態に合わせて、膨張倍率をコントロールするとよい。シート状耐火材を2層以上備える場合には、少なくともそのうちの1層は、本発明の耐火性樹脂組成物から構成され、膨張率が高い層の耐火材層を構成することが好ましい。
また、基材と耐火材層から構成される耐火積層体にあっては、基材は2層以上あってもよく、また、耐火剤層が、粘着性を有する場合には、他の部材に接着できるように最外面に配置するとよい。
なお、シート状耐火材を複数積層する場合の具体的な構造は、図3、4を参照して後述するとおりである。
粘着剤層は、粘着剤により形成されるとよく、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等を用いることができる。粘着剤層は、不燃性、準不燃性、又は難燃性であってもよく、使用する粘着剤に難燃剤などを配合してもよい。粘着剤層の厚みは、例えば5~400μm、好ましくは10~150μmである。
〔シート状部材〕
本発明の耐火材(シート状部材3)は、図1に示すように、挿通体21が内部に挿通されるためのスリット32を有し、スリット32の少なくとも1つがシート状部材3の外縁まで延在する。スリット32は、切込みにより形成される。シート状部材3は、外縁まで延在するスリット32を介して、挿通体21をシート状部材3の内部に挿入させることが可能である。なお、スリット32は、挿通体21が内部に挿通されるための孔と、孔からシート状部材3の外縁まで延在するスリット32とを有する形態であってもよい。
スリット32によって挿通体21が挿入されたシート状部材3は、図2に示すように、仕切り部11の外側から、開口13Cと挿通体21の間の間隙13Eを覆うように、外面11A上に配置され、それにより、開口13Cと挿通体21の間の間隙13Eがシート状部材3により塞がれる。シート状部材3は、仕切り部11の外面11A及び挿通体21の外周の両方に接するように配置されることが好ましい。シート状部材3が、挿通体21及び仕切り部11に接するように設置されることで、仕切り部11の開口13Cを塞ぐことができ、耐火性能を向上させ、維持することができる。
シート状部材3は、本発明の耐火材単層(すなわち、耐火材)からなるものでもよいが、好ましくは基材と耐火材層とを有する積層構造体である。積層構造体は、基材と耐火材層の2層であってもいいし、交互に少なくとも3層積層されていてもよい。さらに、シート状部材3は、3層構成に限られず、基材と耐火材層が交互に4層積層されていてもよい。
本発明の耐火性樹脂組成物により得られる耐火材層は膨張倍率が高く、かつ残渣も硬いため、複数ある耐火材層の一部の層を構成してもよいし、すべての層を構成してもよい。
基材及び熱膨張性を有する耐火材層が交互に少なくとも3層積層されている場合には、シート状部材3が加熱された場合に、耐火材層が基材に適切に支持されて熱を均等に行き渡らせることができ、略均一に耐火材層が膨張し、耐火性を良好にすることができる。また、シート状部材3の耐火材層が略均一に膨張することで、設置されていた適切な位置を維持してずれてしまうことがないため耐火性を安定して発揮することができる。また、シート状部材3を使用することで、耐火パテ、ロックウールなどの充填材を区画貫通部15の内部に配置することなく、耐火構造が形成されるので、作業者によるバラつきが生じることもない。
さらに、シート状部材3に複数の耐火材層が積層されている場合、膨張した仕切り部11側の耐火材層が間隙13E内部に埋め込まれ、シート状部材3が膨張する際に仕切り部11から離れるのを防止し、上記したずれがより生じにくくなる。一方で、仕切り部11から離れた位置にある耐火材層は、上記の通りに均等に膨張して、その膨張残渣により延焼を適切に防止できる。
シート状部材3に耐火材層が複数ある場合、仕切り部11の外面11Aから最も離れた耐火材層の膨張倍率が、仕切り部11の外面11Aから最も近接した耐火材層の膨張倍率より高くなることが好ましい。すなわち、図3(b),(c)におけるシート状部材3では、耐火材層31Bの膨張倍率が、耐火材層31Aの膨張倍率より高くなることが好ましい。本発明の耐火性樹脂組成物は膨張倍率が高いため、耐火材層31Bの材料として好適である。
このように、仕切り部11側の耐火材層の膨張倍率が低いと、膨張残渣の強度が高く維持され、間隙13E内部に埋め込まれた耐火材層によりシート状部材3が適切に支持され、ズレがより一層生じにくくなる。また、仕切り部11から離れた位置の耐火材層は、加熱により十分に膨張して、より高い耐火性能を発揮しやすくなる。
なお、耐火材層が3層以上である場合には、仕切り部11の外面11Aから離れた耐火材層をより良好に略均一に膨張させるために、仕切り部11の外面11Aから離れた耐火材層ほど、膨張倍率を高くすることが好ましい。
また、以上の多層構造においては、互いに隣接する上記各層は、公知の接着剤により接着されてもよく、したがって、上記各積層構造において、上記各層の間には接着剤層が設けられてもよい。
なお、多層構造において、シート状部材3は、その全体において同じ層構成を有していてもよいが、部分的に異なる構造を有してもよい。例えば、基材と耐火材層との層構成が一部で変更されていてもよい。
[区画貫通処理材]
本発明の耐火材(シート状部材3)は、区画貫通処理材として好適に用いることができる。本明細書においては、図1に示すように、区画貫通部15に施工され、区画貫通処理構造10を形成するための部材(シート状部材3、及びこれらを固定するための固定部材など)を纏めて区画貫通処理材ということがある。
[区画貫通処理構造]
本発明の区画貫通処理構造は、図1に示すように、建築物の仕切り部11に形成され、かつ内部に長尺の挿通体21が挿通される区画貫通部15を耐火構造とする区画貫通処理構造である。
本発明の区画貫通処理構造における仕切り部11は、建築物の壁面において区画間(第1の区画Aと、第2の区画B)を仕切る部材であり、仕切り部11の一方の外面11A側から他方の外面11B側に貫通する区画貫通部15を有する。図1で示す仕切り部11は、中空壁であり、間隔(中空部13)を介して配置される2枚の壁材(仕切り材)12A,12Bから構成される。そのため、区画貫通部15は、一方の壁材12Aに形成された貫通孔13Aと、他方の壁材12Bに形成された貫通孔13Bと、これらの間にある中空部13によって構成される。そして、一方の壁材12Aの外面が仕切り部11の外面11Aを構成し、他方の壁材12Bの外面が仕切り部11の外面11Bを構成する。貫通孔13A,13Bは、例えば、円形、楕円形、又は、これらに近似する形状を有すればよい。なお、外面11A、11Bそれぞれにおいて貫通孔13A,13Bは、仕切り部11に設けられた区画貫通部15の開口13C,13Dを構成する。
以下では、仕切り部11の一方の開口13C側における区画貫通処理構造の構成について説明するが、本実施形態では、他方の開口13D側における区画貫通処理構造の構成も同様であるのでその説明は省略する。
区画貫通処理構造10は、区画貫通処理材として、シート状部材3と、カバー部材5とを備え、シート状部材3が前記したように、基材と耐火材層が一体化した耐火材である。
シート状部材3は、図4(a)に示すように、粘着性を有する耐火材層31Aを最外面に配置する構成とすることができ、粘着性を有する耐火材層によって仕切り部11の外面11Aに接して配置されてもよい。この場合には、粘着性を付与するために、耐火材層31Aを構成する耐火性樹脂組成物の(A)成分として、ポリブテン等の液状エラストマー、さらにはブチルゴムを含む構成とすることが好ましい。
また、図4(b)に示すように、粘着剤層33を備える耐火材層31Aを最外面に配置する構成とする場合には、粘着剤層によって仕切り部11の外面11Aに接して配置されてもよい。この場合には、(A)成分として、クロロプレンゴムの含有量を相対的に増やすことができ、(B)熱膨張性層状無機物の含有量を増やすことができ、より残渣を硬くすることができる。
以上の構成により、シート状部材3とは別部材としての固定部材を使用しなくても、シート状部材3を仕切り部11に固定させることができる。また、耐火材層自体に粘着性を持たせることで、粘着剤層を設けなくてもよいので、シート状部材3の構成をより簡素化できる。なお、シート状部材3は、その最外面に粘着性を有する耐火材層、又は粘着剤層が設けられる場合、その最外面に剥離シートが貼付されてもよい。剥離シートは、使用時に最外面から剥離されるとよい。
また、シート状部材3は、タッカー、ビスなどのシート状部材3とは別部材である固定部材によって仕切り部11の外面11Aに固定されるとよい。もちろん、これらの2以上の組み合わせにより、シート状部材3は、仕切り部11に固定されてもよい。
シート状部材3の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1~20mm、好ましくは0.5~10mmである。
〔カバー部材〕
カバー部材5は、シート状部材3に連結するように設けられ、仕切り部11に設けられたシート状部材3を覆う部材である。カバー部材5は、例えば、図1に示すように、シート状部材3の4辺縁に連結するように4枚使用し、シート状部材3から外側に向かって延在する4つの延在部とし、図2に示すように、仕切り部11に設けられたシート状部材3を覆う。カバー部材5がシート状部材3の少なくとも一部に連結するように設けられる手段としては、例えば、接着剤、粘着剤及び粘着テープ、並びに、タッカー、ビス等の固定部材などの公知の固定手段によって固定される手段が挙げられる。ここで、接着剤、粘着剤及び粘着テープは、不燃材料、準不燃材料又は難燃材料のいずれかであることが好ましく、接着剤、粘着剤などに難燃剤などを配合するとよい。
カバー部材5は、シート状であり、かつ、変形できることで、シート状部材3を容易に覆うことが可能である。
カバー部材5は、図2に示したように、区画貫通部15の開口13Cを覆う部分が、挿通体21を接するように包囲し、かつ外側から巻かれた紐状部材22によって挿通体21に固定される。紐状部材22は、曲げることができる部材であればよく、ワイヤを含むワイヤ部材であることが好ましい。ワイヤ部材は、金属製のワイヤ単独でもよいし、ねじりっこ(登録商標)などの金属製のワイヤを樹脂で被覆した樹脂被覆ワイヤ、モールなどと呼ばれるワイヤと繊維を絡ませたものなどでもよい。ワイヤ部材を使用すると、ひねったり、ねじったりするだけで、カバー部材5を挿通体21に固定できる。
カバー部材5は、シート状部材3の一部を覆い、シート状部材3の一部を外部から視認不可能とするとよい。具体的には、シート状部材3の挿通体21が挿通される部分を覆うとよく、それにより、区画貫通部15のデザイン性を良好とすることができ、かつ、区画貫通部15の耐火性能を向上させることができる。
一方で、カバー部材5は、シート状部材3の一部を外部から視認可能なように覆うとよい。具体的には、カバー部材5は、図2に示すように、シート状部材3の端面3Cを外部から視認可能とするとよい。カバー部材5が設置された状態で、シート状部材3の端面3Cを外部から視認可能とすることで、シート状部材3が区画貫通部15に設置されていることの視認検査を簡便に行うことができる。
カバー部材5は、シート状部材3及び挿通体21に接するように設置されることが好ましい。カバー部材5が、シート状部材3及び挿通体21に接するように設置されることで、シート状部材3及びカバー部材5によって仕切り部11の開口13Cを塞ぐことができ、耐火性能を向上させることができる。
カバー部材5は、シート状部材3との間に空隙40を形成するように設置する。シート状部材3とカバー部材5との間に空隙40があることで、カバー部材5は、挿通体21の軸方向の動きに対する裕度を持って固定される。カバー部材5が裕度を持って挿通体21に固定されることで、シート状部材3及びカバー部材5の設置後に、シート状部材3及びカバー部材5の内側に配置された挿通体21を軸方向に動かした場合であっても、カバー部材5の裕度によってシート状部材3及びカバー部材5が挿通体21と一緒に動いてしまうことを緩衝する。シート状部材3及びカバー部材5が挿通体21と一緒に動いてしまうことを緩衝することで、シート状部材3及びカバー部材5が区画貫通部15からずれることを抑制することができる。つまり、このような構成とすることで、シート状部材3及びカバー部材5を区画貫通部15における適切な位置に維持して配置し続けることができ、区画貫通部15の耐火性を維持することができる。
シート状部材3とカバー部材5との間に空隙40があり、カバー部材5が挿通体21の軸方向の動きに対して裕度を持って固定される構成としては種々の形態を取り得る。例えば、カバー部材5の少なくとも一部が屈曲ないし湾曲できるような柔軟性や伸縮性を有する材料による構成、及び、カバー部材5の少なくとも一部が挿通体21に対してたるみを有するように固定する構成等が挙げられる。
カバー部材5は、耐火性のある材料の単層からなってもよいし、不燃材料層単層からなってもよいし、耐火材層及び不燃材料層の両方を有してもよいが、不燃材料層を有することが好ましく、不燃材料層からなることがより好ましい。また、耐火材層及び不燃材料層以外の層を有してもよく、そのような層としては、例えば、不燃材料以外の材料より構成される材料層、粘着剤層などが挙げられる。
カバー部材5としては、好ましくは、アルミニウム箔などの金属箔、ガラスクロス、アルミガラスクロスなどの金属箔とガラスクロスの複合体である金属箔複合体などが挙げられる。これらは不燃材料層を構成する。これらのなかでは、耐火性の観点からアルミガラスクロスがより好ましい。
不燃材料層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01~1mm、好ましくは0.05~0.5mmである。不燃材料層がこれら上限値以下の厚みを有することで、カバー部材5に柔軟性が付与される。したがって、カバー部材5は、例えば、不燃材料層を有していても、挿通体21の外周に密着させながら巻き付けることができる。また、下限値以上の厚みを有することで、耐火性能を確保しやすくなる。
カバー部材5は、上記のとおり、シート状部材3を覆うように変形可能なシートであるとよいが、柔軟性が付与され、変形が容易なようにシート状部材3よりも厚みが小さいことが好ましい。カバー部材5の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01~1mm、好ましくは0.05~0.5mmである。
カバー部材5に使用される耐火材層は、加熱により膨張する熱膨張性部材であることが好ましい。熱膨張性部材は、火災時に膨張することで火災の延焼を防止する。熱膨張性部材は、後述するように熱膨張性樹脂組成物により形成されることが好ましい。また、耐火材層は、粘着性を有してもよい。
なお、耐火材層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01~1mm、好ましくは0.05~0.5mmである。耐火材層がこれら上限値以下の厚みを有することで、カバー部材5に柔軟性が付与される。したがって、カバー部材5が耐火材層を有していても、挿通体21の外周に巻き付けることができる。また、下限値以上の厚みを有することで、耐火性能を確保しやすくなる。
カバー部材5は、粘着性を有する耐火材層を有するか、又は粘着剤層を有してもよい。粘着性を有する耐火材層、及び粘着剤層は、カバー部材5において最外面を構成するとよい。
以上の構成により、カバー部材5とは別部材としての固定部材を使用しなくても、カバー部材5をシート状部材3又は挿通体21に固定させることができる。また、耐火材層自体に粘着性を持たせることで、粘着剤層を設けなくてもよいので、カバー部材5の構成をより簡素化できる。
なお、カバー部材5は、その最外面に粘着性を有する耐火材層、又は粘着剤層が設けられる場合、その最外面に剥離シートが貼付されてもよい。剥離シートは、使用時に最外面から剥離されるとよい。
本発明の区画貫通処理構造10の施工方法は、仕切り部11に設けられる区画貫通部15の開口13Cと挿通体21との間の間隙13Eの少なくとも一部を塞ぐように上述したシート状部材3を設置する工程を含む。そして、シート状部材3に設置されたカバー部材5によってシート状部材3を覆い、カバー部材5の一部を挿通体21に固定することで施工できる。したがって、その施工が容易である。
施工に使用するシート状部材3とカバー部材5は別体であってもよく、別体である場合は、シート状部材3を仕切り部11に設置した後に、シート状部材3にカバー部材5を接着させて設置し、設置されたカバー部材5によってシート状部材3を覆うことで施工できる。また、施工に使用するシート状部材3とカバー部材5は、予めシート状部材3及びカバー部材5が接着された一体物であってもよい。
以上の本実施形態の構成によれば、区画貫通部15の開口13C内部の間隙13Eが、シート状部材3及びカバー部材5により塞がれ、かつこれらのうち少なくともシート状部材3が耐火材を有する。したがって、区画貫通部処理構造10に適切な耐火性能を付与できる。
また、本実施形態では、耐火パテ、ロックウールなどの充填材を区画貫通部15の内部に配置することなく、シート状部材3及びカバー部材5により耐火構造が形成されるので、作業者によるバラつきが生じることもない。
さらに、本実施形態では、少なくともシート状部材3及びカバー部材5の少なくとも一部が露出しており、外部から視認可能である。また、シート状部材3やカバー部材5を固定するための固定部材が設けられる場合、固定部材も外部から視認可能な位置に配置するとよい。そして、区画貫通部15の内部には、挿通体21以外の部材が何も設けられない。そのため、区画貫通処理材は、規定通り施工されたことが目視や写真撮影により簡単に点検できる。また、施工忘れなども発生にくくなる。
粘着剤層は、粘着剤により形成されるとよく、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等を用いることができる。粘着剤層は、不燃性、準不燃性、又は難燃性であってもよく、使用する粘着剤に難燃剤などを配合してもよい。粘着剤層の厚みは、例えば5~400μm、好ましくは10~150μmである。
カバー部材5の一面5Aに粘着剤層を有する構成とすることにより、カバー部材5とは別部材としての固定部材を使用しなくても、カバー部材5を挿通体21に固定させることができる。
なお、カバー部材5は、一面5Aに粘着剤層が設けられる場合、一面5Aに剥離シートが貼付されてもよい。剥離シートは、使用時に一面5Aから剥離されるとよい。
カバー部材5は、挿通体21の外周に追従することが可能な柔軟性を有する弾性発泡体で構成される。弾性発泡体としては、具体的には、オレフィン系樹脂発泡体及びウレタン系樹脂発泡体等が挙げられる。
弾性発泡体の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1~10mm、好ましくは0.15~5mmである。弾性発泡体がこれら上限値以下の厚みを有することで、カバー部材5に柔軟性が付与される。したがって、カバー部材5は、挿通体21の外周に密着させながら巻き付けることができる。また、下限値以上の厚みを有することで、カバー部材5の配設が容易となる。
以上の本実施形態の構成によれば、区画貫通部15の開口13C内部の間隙13Eが、シート状部材3及びカバー部材5により塞がれ、かつこれらのうち少なくともシート状部材3が、耐火材を有する。したがって、区画貫通部処理構造10に適切な耐火性能を付与できる。
また、上記で説明した通り、区画貫通処理構造10は、シート状部材3とカバー部材5とを用意し、まず、シート状部材3により区画貫通部15の開口13Cと挿通体21との間の間隙13Eを塞ぐように設置する。次いで、挿通体21に一周以上カバー部材5を巻き付け、カバー部材5によって、シート状部材3を少なくとも一部を覆うように固定することで施工できる。したがって、その施工が容易である。
また、本実施形態では、耐火パテ、ロックウールなどの充填材を区画貫通部15の内部に配置することなく、シート状部材3及びカバー部材5により耐火構造が形成されるので、作業者によるバラつきが生じることもない。
また、以上の説明では、仕切り部11は、内部に中空部13がある中空壁であったが、中空壁に限定されず、中空が設けられない壁であってもよく、例えば1枚の壁材からなるものでもよい。また、仕切り部11は、建築物の壁に限定されず、建築物の天井、床であってもよい。仕切り部は、天井、床の場合でも、2枚の仕切り材の間に中空部を有する構造であってもよいし、中空部がない構造であり、例えば1枚の仕切り材から構成されてもよい。
カバー部材5は、上記態様に限定されない。例えば、図1で示した区画貫通処理構造10では、カバー部材5は、シート状部材3から外側に向かって延在する4つの延在部とする態様を示したが、シート状部材3よりも一回り大きい1枚のシート状の部材でもよい。
また、図2で示した区画貫通処理構造10では、シート状部材3の面3Aの一部分のみにカバー部材5が接着される態様を示したが、シート状部材3よりも一回り大きい1枚のシート状のカバー部材5を使用する場合は、シート状部材3の面3A全体にカバー部材5が接着する態様とすることができる。すなわち、カバー部材5の一方の面上に、シート状部材3が積層される構造を有してもよい。このような構造においては、カバー部材5が不燃材料層を有することが好ましい。シート状部材3とカバー部材5が不燃材料層及び耐火材層の組み合わせとすることにより、耐火性を向上させることができる。また、カバー部材5のシート状部材3が接着される面には、粘着剤層が設けられてもよく、この粘着剤層により容易にシート状部材3に接着可能となる。
また、シート状部材3は、シート状部材3の1層である基材を、他の層より外側に延在する構造にしてもよい。そのような構造によれば、基材の延在する部分をそのままカバー部材5として使用することができる。
また、図1及び図2で示した区画貫通処理構造10では、シート状部材3とカバー部材5とをそれぞれ備える態様を示したが、カバー部材5は省略されてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例及び比較例で用いた各成分を下記に示す。
(A)樹脂成分
(A-1)クロロプレンゴム(CR)
・スカイプレン(登録商標)B-30(東ソー社製、メルカプタン変性タイプ、ムーニー粘度(100℃)45~53)
・スカイプレン(登録商標)TSR-54(東ソー社製、メルカプタン変性タイプ、ムーニー粘度(100℃)60~80)
・スカイプレン(登録商標)Y-30S(東ソー社製、メルカプタン変性タイプ、ムーニー粘度(100℃)111~135)
(A-2)ポリブテン:JTXTGエネルギー社製、商品名「日石ポリブデンHV-100」
(A-3)ブチルゴム:JSR社製、商品名「JSRブチルゴム065」
(B)熱膨張性層状無機物
(B-1)EXP-50S 150(富士黒鉛工業社製、膨張開始温度:150℃)
(B-2)ADT-351(ADT社製、膨張開始温度:180℃)
(B-3)CA-60N(エア・ウォーター社製、膨張開始温度:220℃)
(C)成分
(C-1)難燃剤
・APP:ポリリン酸アンモニウム(太平化学産業社製)
・APA100:亜リン酸アルミニウム(太平化学産業社製)
(C-2)吸熱剤
・BF013:水酸化アルミニウム(日本軽金属社製、平均粒子径1μm、熱分解開始温度200℃、吸熱量1000J/g)
・キスマ10:水酸化マグネシウム(協和化学工業社製、平均粒子径0.9μm、熱分解開始温度280℃、吸熱量1350J/g)
(C-3)無機充填剤
・炭酸カルシウム:白石カルシウム社製、商品名「BF300」
・カーボンブラック:三菱ケミカル社製、商品名「ダイヤブラックH」
(D)その他成分
(D-1)可塑剤
・RS-107:アジピン酸エーテルエステル(ADEKA社製)
・DIDP:ジイソデシルフタレート(東京化成社製、試薬特級)
(D-2)粘着付与剤:アイマーブ(石油樹脂、出光興産社製)
各物性の測定方法及び評価方法は以下のとおりである。
(1)膨張倍率
各実施例及び比較例の耐火材から作製した試験片(長さ100mm、幅100mm、厚みは各実施例、比較例の耐火材の厚み)を電気炉に供給し、600℃で30分間加熱した後、試験片の厚みを測定し、(加熱後の試験片の厚み)/(加熱前の試験片の厚み)を膨張倍率として算出した。
(2)残渣硬さ
上記膨張倍率試験において300℃で30分加熱後、膨張倍率を測定した加熱後の試験片を圧縮試験機(カトーテック社製、「フィンガーフイリングテスター」)に供給し、0.25cm2の圧子で0.1cm/秒の速度で圧縮し、破断点応力を測定した。
(3)残渣の形状保持性
上記残渣硬さは膨張後の残渣の硬さの指標になるが、測定が残渣の表面部分に限られるため、残渣全体の硬さの指標にならないことがあるので、残渣全体の硬さの指標として形状保持性を測定した。残渣の形状保持性は、膨張倍率を測定した試験片の両端部を手で持って持ち上げて、その際の残渣の崩れやすさを目視して測定した。試験片が崩れることなく持ち上げられた場合を合格(PASS)と評価し、試験片が崩壊して持ち上げられない場合を不合格(FAIL)と評価した。
(4)耐火試験
石膏ボードの躯体に直径100mmの開口を開け、開口中央に1200mm長の電気ケーブルを占積率(=ケーブル断面積/開口面積)が10%になるように配線し、加熱側に300mm出した。前記成型で得られた耐火材を、開口を塞ぐように設置した。ISO834の加熱曲線に沿って垂直炉内で1時間加熱した。貫通して炎出がない場合を合格(PASS)と評価し、貫通して炎出する場合を不合格(FAIL)と評価した。
実施例1~23、比較例1~3
下記表1に示す配合にて、樹脂、熱膨張性層状無機物、難燃剤、吸熱剤、無機充填剤、可塑剤、石油樹脂をロールに投入して130℃で5分間混練して、耐火性樹脂組成物を得た。得られた耐火性樹脂組成物をプレス成型により、130℃で3分間プレス成形して、厚み1.5mm(実施例23は厚み1.3mm)の熱膨張性シートを得た。
評価結果を表1に示す。




以上の各実施例に示すように、本発明の耐火性樹脂組成物を用いた耐火シートは、十分な膨張倍率を有し、残渣の形状保持性も良好であった。耐火試験においても、貫通して炎出が生じることはなかった。一方、(C)耐火性添加剤を含有しない比較例1の耐火シートは、発泡倍率は高いものの、残渣硬さが十分ではなく、残渣の形状保持性の試験において、試験片が崩壊して持ち上げられない状態であった。また、耐火性試験では、貫通して炎出が生じた。また、(B)熱膨張性層状無機物を有さない比較例2の耐火シートは、耐火試験の結果貫通して炎出が生じた。さらに(A)成分としてクロロプレンゴムを含有しない比較例3の耐火シートは、残渣硬さが十分ではなく、残渣の形状保持性の試験において、試験片が崩壊して持ち上げられない状態であった。また、耐火性試験では、貫通して炎出が生じた。
3 シート状部材
5 カバー部材
10 区画貫通処理構造
11 仕切り部
12A,12B 壁材
13 中空部
13A,13B 貫通孔
13C,13D 開口
13E 間隙
15 区画貫通部
21 挿通体
22 紐状部材
30A,・・・30Y,30Z 基材
31A,・・・31Y,31Z 耐火材層
32 スリット
33 粘着剤層
40 空隙

Claims (10)

  1. 耐火性樹脂組成物からなる耐火材と、前記耐火材と一体化された基材とを備え、建築物の防火構造に用いられる耐火積層体であって、
    前記耐火性樹脂組成物は、(A)クロロプレンゴムを含む樹脂成分、(B)熱膨張性黒鉛、及び(C)難燃剤と、無機充填剤とを含む耐火性添加剤、を含有し(但し、熱膨張性黒鉛を除く発泡剤を含有するもの、及びエポキシ樹脂を含有するものを除く。)、
    前記難燃剤はポリリン酸アンモニウムを含み、
    前記基材は金属箔又は金属箔複合体である、耐火積層体。
  2. 前記(B)熱膨張性黒鉛の含有量が、(A)樹脂成分100質量部に対して、50~1000質量部である、請求項1に記載の耐火積層体。
  3. 前記(B)熱膨張性黒鉛の含有量が、耐火性樹脂組成物100質量部に対して、15~75質量部である、請求項1又は2に記載の耐火積層体。
  4. 前記(B)熱膨張性黒鉛の熱膨張開始温度が100~300℃である、請求項1~3のいずれか1項に記載の耐火積層体。
  5. 前記耐火性樹脂組成物は、更に、可塑剤を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の耐火積層体。
  6. 樹脂成分としてさらにエラストマーを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の耐火積層体。
  7. 前記耐火材がシート状である、請求項1~6のいずれか1項に記載の耐火積層体。
  8. 前記耐火材の厚みが1.0mm以上である、請求項7に記載の耐火積層体。
  9. 請求項8に記載の耐火積層体を含む区画貫通処理材。
  10. 請求項9に記載の区画貫通処理材を含む区画貫通処理構造。
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