JP7677781B2 - フィルム形成用組成物及びその使用 - Google Patents
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Description
また、特許文献3等に記載の技術を加飾フィルムへ応用した場合、延伸性を満たすためには、フィルムが未硬化、すなわち、ブロック剤が脱離していない状態を保持する必要がある。そのため、室温でのフィルムの強度や耐ブロッキング性が低下するものと考えられる。
(1) 脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分であって、前記ポリイソシアネート1分子中のブロック剤で封鎖されたイソシアネート基及びブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基の合計数の平均値が2以上であり、且つ、前記ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基のうち、1モル%以上99モル%以下がブロック剤で封鎖されて構成されている、ポリイソシアネート成分と、
活性水素含有化合物と、
紫外線吸収剤又は光安定剤と、
を含有する、フィルム形成用組成物。
(2) 前記ポリイソシアネート成分中の前記ポリイソシアネート1分子当たりのブロック剤で封鎖されたイソシアネート基及びブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基の合計数の平均値が3以上である、(1)に記載のフィルム形成用組成物。
(3) 前記ポリイソシアネート成分は、下記一般式(I)で表されるポリイソシアネートを含む、(1)又は(2)に記載のフィルム形成用組成物。
(5) 前記活性水素含有化合物は、ジオールを含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(6) 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及びシアノアクリレート系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む、(1)~(5)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(7) 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、及びヒドロキシフェニルトリアジン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む、(1)~(6)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(8) 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物を含む、(1)~(7)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(9) 前記光安定剤は、ヒンダードアミン系化合物を含む、(1)~(8)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(10) (1)~(9)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物を硬化させてなる、フィルム。
(11) 基材層、加飾層及び接着層からなる群より選ばれる少なくとも2種類の層を備えるフィルム積層体であって、
前記フィルム積層体を構成する層のうち少なくとも1種類の層は、(10)に記載のフィルムを含む、フィルム積層体。
(12) (10)に記載のフィルム、又は、(11)に記載のフィルム積層体を備える、物品。
(13) (10)に記載のフィルム、又は、(11)に記載のフィルム積層体を加熱しながら被着体に追従させて貼り付ける工程と、
貼り付けた前記フィルム又は前記フィルム積層体を硬化させる工程と、
をこの順で含む、物品の製造方法。
(14) (1)~(9)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物を硬化させてなる、一次硬化フィルムであって、
前記活性水素含有化合物と前記ポリイソシアネート成分との硬化によって形成されたウレタン基、ウレア基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基Xと、活性水素基と、ブロック剤で封鎖されたイソシアネート基と、を含む、一次硬化フィルム。
(15) (14)に記載の一次硬化フィルムを、さらに加熱することにより、硬化させてなる、二次硬化フィルム。
(16) (14)に記載の一次硬化フィルムを、50℃以上140℃以下にて加熱しながら被着体に追従させて貼り付ける工程と、
貼り付けた前記一次硬化フィルムを、50℃以上180℃以下にて加熱して硬化させる工程と、
をこの順で含む、二次硬化フィルムの製造方法。
(17) (14)に記載の一次硬化フィルムを、50℃以上140℃以下にて加熱しながら被着体に追従させて貼り付けることと、
貼り付けた前記一次硬化フィルムを、50℃以上180℃以下にて加熱して硬化させることと、
をこの順で含む、一次硬化フィルムの使用方法。
また、本明細書において、「ポリオール」とは、2つ以上の水酸(ヒドロキシ)基(-OH)を有する化合物を意味する。
なお、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」はメタクリルとアクリルを包含するものとする。
本実施形態のフィルム形成用組成物は、以下の成分1)、成分2)、及び成分3)又は成分4)を含有する。
1)ポリイソシアネート成分;
2)活性水素含有化合物;
3)紫外線吸収剤;
4)光安定剤。
イソシアネート基合計平均数が上記下限値以上であることによって、架橋性がより向上し、耐ブロッキング性や耐溶剤性により優れたフィルムが得られる。一方、イソシアネート基合計平均数が上記上限値以下であることによって、過度な架橋をより効果的に抑制し、得られるフィルムの延伸性をより良好に保つことができる。
=(Mn×(NCO含有率)×0.01)/42
或いは、フィルム形成用組成物を試料として用いて13C-NMR測定を行なうことでイソシアネート基合計平均数を算出することもできる。
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネートとブロック剤とから誘導されるブロックポリイソシアネートを含む。ブロックポリイソシアネートは、ブロックポリイソシアネート1分子中のイソシアネート基の一部又は全部がブロック剤で封鎖されて構成されている。以下、ブロックポリイソシアネート1分子中のイソシアネート基の一部がブロック剤で封鎖されて構成されているブロックポリイソシアネートを「部分ブロックポリイソシアネート」と称する。また、ブロックポリイソシアネート1分子中のイソシアネート基の全部がブロック剤で封鎖されて構成されているブロックポリイソシアネートを「全体ブロックポリイソシアネート」と称する。
部分ブロックポリイソシアネートの含有量が上記範囲内であることで、得られるフィルムの延伸性をより良好に保つことができる。
ポリイソシアネート成分の原料であるポリイソシアネートは、脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物から誘導されたものであり、当該イソシアネート化合物の骨格を有する。ポリイソシアネートは、イソシアヌレート基、ビウレット基、アロファネート基、オキサジアジントリオン基、尿素基、ウレタン基を含んでもよく、イソシアヌレート基を有することが好ましい。ポリイソシアネートの骨格となるイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、具体的には、その構造の中にベンゼン環等の芳香族環を含まないものが好ましい。
脂肪族イソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、脂肪族モノイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、リジントリイソシアネート、4-イソシアナトメチル-1,8-オクタメチレンジイソシアネート(トリマートリイソシアネート)等が挙げられる。中でも、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、炭素数4以上30以下のものが好ましく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と記載する)、2,2,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート等が挙げられる。中でも、工業的入手のしやすさから、HDIが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
脂環族イソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、脂環族モノイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。中でも、脂環族ジイソシアネートが好ましい。
脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、炭素数8以上30以下のものが好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と記載する)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。中でも、耐候性、工業的入手の容易さの観点から、IPDIが好ましい。脂環族ジイソシアネートは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ブロック剤としては、特に限定されないが、具体的には、活性水素を分子内に1個有する化合物が挙げられる。このようなブロック剤としては、特に限定されないが、具体的には、アルコール系化合物、アルキルフェノール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、ピラゾール系化合物が挙げられる。これらブロック剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。より具体的なブロック剤の例を下記に示す。
ポリイソシアネート成分は、下記一般式(I)で表される部分ブロックポリイソシアネート(以下、「部分ブロックポリイソシアネート(I)」と称する場合がある)を含むことが好ましい。
R11は、上記イソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基である。すなわち、R11は、特定の官能基を含んでもよい脂肪族アルキル基及び脂環族アルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキル基である。特定の官能基としては、例えば、イソシアヌレート基、ビウレット基、アロファネート基、オキサジアジントリオン基、尿素基、ウレタン基等が挙げられる。R11におけるアルキル基は、これら官能基を1種単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
X11は、ブロック剤に由来する構造単位であり、ブロック剤から活性水素を除いた残基ともいえる。X11としては、上記「ブロック剤」において例示されたものと同様のブロック剤に由来する構造単位が挙げられる。中でも、X11としては、オキシム系化合物、活性メチレン系化合物、又はピラゾール系化合物に由来する構造単位が好ましく、メチルエチルケトオキシム、ε-カプロラクタム、マロン酸ジエチル、又は3,5-ジメチルピラゾールに由来する構造単位がより好ましく、3,5-ジメチルピラゾールに由来する構造単位がさらにより好ましい。
mは部分ブロックポリイソシアネート(I)1分子中のブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基のモル数を表している。nは部分ブロックポリイソシアネート(I)1分子中のブロック剤で封鎖されて構成されているイソシアネート基のモル数を表している。
m及びnはそれぞれ独立に1以上の任意の整数であり、n/(m+n)は0.01以上0.99以下である。架橋性の観点から、mは2以上が好ましい。
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネートとブロック剤とを反応させることで製造できる。
(1)ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル数に対して、0.1倍以上0.99倍以下のモル量のブロック剤を反応させて、部分ブロックポリイソシアネートのみを含有するポリイソシアネート成分を製造する方法;
(2)ポリイソシアネートのイソシアネート基の全部がブロック剤で封鎖されて構成されている全体ブロックポリイソシアネートと、未ブロック化ポリイソシアネート及び部分ブロックポリイソシアネートのうち少なくともいずれか一方のポリイソシアネートとを混合して、製造する方法。
すなわち、反応温度は、-20℃以上150℃以下であり、0℃以上120℃以下が好ましく、30℃以上100℃以下がより好ましい。
反応温度が上記範囲内であることで、副反応がより少なく、適度な反応速度で反応させることができる。
活性水素含有化合物としては、特に限定されないが、具体的には、分子内に活性水素が2つ以上結合している化合物が好ましい。好ましい活性水素含有化合物としては、例えば、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、アルカノールアミン化合物、ポリチオール化合物等が挙げられる。中でも、延伸性を良好に保ちながら、耐候性及び耐溶剤性が優れるフィルムを得られることから、ポリオール化合物が好ましい。
ポリオール化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリオール化合物としては、延伸性を良好に保ちながら、耐候性及び耐溶剤性が優れるフィルムを得られることから、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、又はポリカーボネートポリオールが好ましく、アクリルポリオールがより好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸の単独又は混合物と、多価アルコールの単独又は混合物とを、縮合反応させることによって得ることができる。
アクリルポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独化合物又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独化合物又は混合物との共重合体等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、多価ヒドロキシ化合物の単独化合物又はその混合物に、強塩基性触媒存在下、アルキレンオキサイドの単独化合物又は混合物を添加して得られるポリエーテルポリオール類;エチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;及びこれらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、水酸基を2個以上有する、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、及び水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
フッ素ポリオールとは、分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば、特開昭57-34107号公報(参考文献1)、特開昭61-275311号公報(参考文献2)等で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、低分子カーボネート化合物と、前述のポリエステルポリオールに用いられる多価アルコールとを、縮重合して得られるものが挙げられる。低分子カーボネート化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリコールエーテル型エポキシ樹脂、脂肪族不飽和化合物のエポキシ型樹脂、エポキシ型脂肪酸エステル、多価カルボン酸エステル型エポキシ樹脂、アミノグリシジル型エポキシ樹脂、β-メチルエピクロ型エポキシ樹脂、環状オキシラン型エポキシ樹脂、ハロゲン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ポリオール化合物の水酸基価は、架橋密度やフィルムの機械的物性の点で、ポリオール化合物1gあたり5mgKOH/g以上600mgKOH/g以下が好ましく、10mgKOH/g以上500mgKOH/g以下がより好ましく、15mgKOH/g以上400mgKOH/g以下がさらに好ましい。また、ポリオール化合物の酸価は0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下が好ましい。なお、水酸基価及び酸価は滴定法に基づいて求めることができる。
ポリアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジアミン類、3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類、環状ポリアミン類が挙げられる。ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、イソホロンジアミン等が挙げられる。3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類としては、例えば、ビスヘキサメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、テトラプロピレンペンタミン等が挙げられる。環状ポリアミン類としては、例えば、1,4,7,10,13,16-ヘキサアザシクロオクタデカン、1,4,7,10-テトラアザシクロデカン、1,4,8,12-テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン等が挙げられる。
アルカノールアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N-(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノ-、ジ-(n-又はイソ-)プロパノールアミン、エチレングリコールービスープロピルアミン、ネオペンタノールアミン、メチルエタノールアミン等が挙げられる。
ポリチオール化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ビス-(2-ヒドロチオエチロキシ)メタン、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール等が挙げられる。
活性水素含有化合物がポリオール化合物である場合に、ポリオール化合物の水酸(-OH)基に対する、ポリイソシアネート成分のイソシアネート(-NCO)基のモル比(NCO/OH)は、0.2以上5.0以下が好ましく、0.4以上3.0以下がより好ましく、0.5以上2.0以下がさらに好ましい。NCO/OHが上記下限値以上であることで、より一層強靱なフィルムが得られる傾向にある。NCO/OHが上記上限値以下であることで、得られるフィルムの平滑性がより一層向上する傾向にある。なお、NCO/OHの計算で用いられる「ポリイソシアネート成分のイソシアネート(-NCO)基」のモル数は、ブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基と、ブロック剤で封鎖されているイソシアネート基との合計モル数である。
本実施形態のフィルム形成用組成物は、紫外線吸収剤や光安定剤を含むことで、得られるフィルムの耐候性が向上する。さらに、本実施形態のフィルム形成用組成物は、紫外線吸収剤や光安定剤を含むことで、紫外線吸収剤や光安定剤に含まれる非共有電子対を有する官能基、或いは、炭素-炭素不飽和結合といった電子豊富な構造部位が、イソシアネート基の電子不足である炭素原子、或いは、触媒分子と相互作用することにより、ウレタン化反応を阻害し、ポットライフが良好なフィルム形成用組成物となる。
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、具体的には、紫外線を吸収する構造を有する化合物を含んでいればよい。紫外線吸収剤として具体的には、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、安息香酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリチル酸系化合物、けい皮酸系化合物等が挙げられる。その中でも、耐候性とポットライフの観点から、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、又はシアノアクリレート系化合物が好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物、又はトリアジン系化合物がより好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物がさらに好ましい。
紫外線吸収剤の添加量が上記下限値以上であることで、ポットライフ及び得られるフィルムの耐候性をより良好なものとすることができる。一方で、上記上限値以下であることで、フィルムそのものの破断応力をより良好に保つことができる。
光安定剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
光吸収剤の添加量が上記下限値以上であることで、ポットライフ及び得られるフィルムの耐候性をより良好なものとすることができる。一方で、上記上限値以下であることで、ポットライフ及びフィルムそのものの破断応力をより良好に保つことができる。
また、紫外線吸収剤及び光安定剤は、それぞれ単独で使用してもよいが、更なる耐候性とポットライフの付与という観点から、紫外線吸収剤及び光安定剤を併用することがより好ましい。
本実施形態のフィルム形成用組成物は、目的及び用途に応じて、有機溶剤、硬化促進触媒、酸化防止剤、顔料、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤等の各種添加剤を含むことができる。
本実施形態のフィルム形成用組成物が有機溶剤ベースである場合には、例えば、まず、活性水素含有化合物又はその溶剤希釈物に、必要に応じて、他の樹脂、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を加えたものに、上記ポリイソシアネート成分を硬化剤として添加し、さらに、紫外線吸収剤又は光安定剤を添加する。次いで、必要に応じて、更に有機溶剤を添加して、粘度を調整する。次いで、手攪拌又はマゼラー等の攪拌機器を用いて攪拌することによって、有機溶剤ベースのフィルム形成用組成物を得ることができる。
本実施形態のフィルムは、上記フィルム形成用組成物を硬化させてなる。本実施形態のフィルムは、延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れる。
本実施形態の一次硬化フィルムは、上記フィルム形成用組成物を硬化させてなる、一次硬化フィルムであって、
前記活性水素含有化合物と前記ポリイソシアネート成分との硬化によって形成されたウレタン基、ウレア基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基Xと、活性水素基と、ブロック剤で封鎖されたイソシアネート基と、を含む。
また、種々の基材に当該一次硬化フィルムを貼り付けた後、再度加熱することにより、イソシアネート基に結合したブロック剤が解離して、さらに架橋を形成する。この架橋形成により、フィルムの架橋密度が向上し、耐候性や耐溶剤性が発現される二次硬化フィルムが得られる。
先述の通り、本実施形態の一次硬化フィルムは、予め成形された被着体に対して、その表面に貼り付ける、或いは、公知の成形方法にて、物品を成形すると同時に表面に貼り付けることで用いる。そして、一次硬化フィルムを貼り付けた被着体を、さらに加熱することで貼り付けた一次硬化フィルムを硬化させることによって、耐溶剤性の高いフィルムで保護された成形体を得ることができる。
その中でも、貼付方法としては、特に高い延伸性を求められる、真空及び圧空成形、インモールド成形、又はフィルムインサート成形が好ましく、予め成形された基材であれば材質を問わずにフィルムを貼り付けることができる、真空及び圧空成形がより好ましい。
本実施形態のフィルム積層体は、基材層、加飾層及び接着層からなる群より選ばれる少なくとも2種類の層を備えるフィルム積層体である。前記フィルム積層体を構成する層のうち少なくとも1種類の層は、上記フィルムを含む。本実施形態のフィルム積層体は、延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れる。
加飾層としては、特に限定されないが、具体的には、着色層、パターン層等が挙げられる。加飾層は、1層(単層)からなるものでもよく、2層以上の複数層からなるものでもよい。加飾層が複数層からなる場合、これら複数層の組成、形状及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本実施形態のフィルム積層体が奏する効果を損なわない限り、特に限定されない。
着色層とは、塗装色、金属色等を呈する層である。着色層に含まれる着色剤としては、例えば、無機顔料、有機顔料、アルミ光輝材、顔料がバインダー樹脂に分散されたもの、印刷用インキが挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、赤色酸化鉄等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾレーキ系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等が挙げられる。キナクリドン系顔料としては、例えば、キナクリドンレッド等が挙げられる。アルミ光輝材としては、例えば、アルミニウムフレーク、蒸着アルミニウムフレーク、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク、着色アルミニウムフレーク等が挙げられる。バインダー樹脂に分散される顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄等の金属酸化物で被覆されたフレーク状のマイカ及び合成マイカ等のパール光輝材等が挙げられる。顔料を分散するバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
パターン層とは、木目、幾何学模様、皮革模様等の模様、ロゴ及び絵柄等を物品に付与する層である。パターン層の形成方法としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、公知の印刷方法、公知のコーティング方法、打ち抜き、エッチング等が挙げられる。
印刷方法としては、例えば、グラビアダイレクト印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷、レーザー印刷、スクリーン印刷等が挙げられる。コーティング方法としては、例えば、グラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、ナイフコート等が挙げられる。
基材層は加飾層の支持層となり、また、成形時の均一な伸びを与え、外部からの突き刺し、衝撃等から構造体をより有効に保護する保護層としても機能することができる。基材層は、1層(単層)からなるものでもよく、2層以上の複数層からなるものでもよい。基材層が複数層からなる場合、これら複数層の組成、形状及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
本実施形態のフィルム積層体は、基材層及び加飾層の間や、基材層及び加飾層が複数層からなる場合にはそれら層の間に、接着層をさらに備えてもよい。接着層は、1層(単層)からなるものでもよく、2層以上の複数層からなるものでもよい。接着層が複数層からなる場合、これら複数層の組成、形状及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
本実施形態の物品は、上述のフィルム、又は、上述のフィルム積層体を備える。本実施形態の物品は、延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れる。
本実施形態の物品は、例えば、上述のフィルム、又は、上述のフィルム積層体を加熱しながら被着体に追従させて貼り付ける工程と、貼り付けた前記フィルム又は前記フィルム積層体を硬化させる工程と、をこの順で含む製造方法等によって得られる。
[物性1]
(粘度)
E型粘度計を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりで設定した。
100r.p.m.( 128mPa・s未満の場合)
50r.p.m.( 128mPa・s以上 256mPa・s未満の場合)
20r.p.m.( 256mPa・s以上 640mPa・s未満の場合)
10r.p.m.( 640mPa・s以上 1280mPa・s未満の場合)
5r.p.m.( 1280mPa・s以上 2560mPa・s未満の場合)
2.5r.p.m.( 2560mPa・s以上 5120mPa・s未満の場合)
1.0r.p.m.( 5120mPa・s以上10240mPa・s未満の場合)
0.5r.p.m.(10240mPa・s以上20480mPa・s未満の場合)
(数平均分子量)
数平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。ポリイソシアネート成分を試料として用いた。測定条件を以下に示す。
装置:東ソー(株)製、HLC-802A
カラム:東ソー(株)製、G1000HXL×1本
G2000HXL×1本
G3000HXL×1本
キャリアー:テトラヒドロフラン
検出方法:示差屈折計
(イソシアネート基(NCO)含有率)
イソシアネート基(NCO)含有率は以下の方法を用いて求めた。なお、ポリイソシアネート成分においてブロックポリイソシアネートを含む場合には、加熱等によりブロック剤を解離させた後、測定試料として用いた。
= (V1-V2)×F×42/(W×1000)×100
(平均イソシアネート基数及びイソシアネート基合計平均数)
平均イソシアネート基数及びイソシアネート基合計平均数は、以下の数式により求めた。以下の式において、「Mn」はポリイソシアネート成分においてブロックポリイソシアネートを含む場合には、加熱等によりブロック剤を解離させた後、測定したポリイソシアネート成分の数平均分子量である。「NCO含有率」は、ポリイソシアネート成分においてブロックポリイソシアネートを含む場合には、加熱等によりブロック剤を解離させた後、測定したポリイソシアネート成分の全質量に対して存在するイソシアネート基の含有率であり、上記「物性3」において算出されたX1(質量%)を用いる。また、NCO含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率に乗じている。「42」はイソシアネートの式量である。
= (Mn×(NCO含有率(X1))×0.01)/42
(ブロック化率)
ポリイソシアネート成分及びフィルム形成用組成物におけるブロック化率は以下の式より求めた。
(ポットライフ)
実施例及び比較例で得られた各フィルム形成用組成物を調製後、23℃で8時間保存した後の、初期粘度に対する25℃における粘度の上昇率より、ポットライフを評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:粘度上昇率が220%未満
○:粘度上昇率が220%以上230%未満
△:粘度上昇率が230%以上275%未満
×:粘度上昇率が275%以上
実施例及び比較例で得られた各フィルム形成用組成物をポリプロピレン(PP)板に樹脂膜厚60μmになるようにアプリケーターにて塗布し、90℃、30分加熱硬化させた。その後、PP板から剥離させることで一次硬化フィルムを得た。
(延伸性)
(1)一次硬化フィルムのガラス転移温度の測定
実施例及び比較例で得られた各フィルム形成用組成物をステンレス板に樹脂膜厚25μmになるようにアプリケーターで塗布し、90℃、30分加熱硬化させることで、ガラス転移温度測定用試験片を得た。得られた試験片の対数減衰率を剛体振り子型粘弾性測定器(株式会社エー・アンド・デイ製、RPT-3000W)を用いて測定した。温度-対数減衰率曲線のピークトップをフィルムのガラス転移温度とした。当該測定にて得られたガラス転移温度を基に、破断伸度及び破断応力の測定温度を決定した。
実施例及び比較例で得られたフィルム形成用組成物を用いて作製された各フィルムの引張試験を、万能試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、RTE-1210)を用いて、以下に示す条件にて実施した。測定にて得られた破断伸度及び破断強度に基づいて、以下の評価基準により、フィルムの破断伸度及び破断応力を評価した。
試験片寸法:幅10×長さ20mm
試験片厚み:約60μm
引張速度:20mm/min
測定温度:測定したガラス転移温度プラス10℃
◎:測定温度でのフィルムの破断伸度が200%以上
○:測定温度でのフィルムの破断伸度が150%以上200%未満
△:測定温度でのフィルムの破断伸度が50%以上149%未満
×:測定温度でのフィルムの破断伸度が50%未満
◎:測定温度でのフィルムの破断応力が1.30MPa以上
○:測定温度でのフィルムの破断応力が0.80MPa以上1.30MPa未満
△:測定温度でのフィルムの破断応力が0.50MPa以上0.80MPa未満
×:測定温度でのフィルムの破断応力が0.50MPa未満
(耐ブロッキング性)
実施例及び比較例で得られたフィルム形成用組成物を用いて作製された各フィルムのタックの有無を指触にて確認した。以下に示す評価基準に従い、耐ブロッキング性を評価した。なお、ここでいう「タック」とは、瞬間接着力という粘着特有の性質を意味し、具体的には、指と指の間に粘着する物体を挟んでからすぐに引き離すときの抵抗力ともいえる。
○:タックが認められない
△:わずかにタックが認められるが、実用上支障のない程度
×:明らかなタックが認められる
実施例及び比較例で得られた各フィルム形成用組成物をガラス板に樹脂膜厚60μmになるようにアプリケーターにて塗布し、90℃、30分加熱硬化させた。さらに、140℃30分加熱硬化することで、ガラス板上に二次硬化フィルムが積層されたフィルム積層体1を得た。
両面カチオン電着塗装を施した鋼板の片面に黒色メラミン塗料を塗布した黒色鋼板を用意した。
実施例及び比較例で得られた各フィルム形成用組成物を前記試験板の黒色塗料層上に樹脂膜厚60μmになるようにアプリケーターにて塗布し、90℃、30分加熱硬化させた。さらに、140℃30分加熱硬化することで、黒色鋼板に二次硬化フィルムが積層されたフィルム積層体2を得た。
(耐溶剤性)
実施例及び比較例で得られたフィルム形成用組成物を用いて作製された各フィルム積層体1のフィルム表面に、キシレン:0.1mLを滴下した。その後、15分間静置した後の、フィルムの状態を目視にて観察し、耐溶剤性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:表面に荒れや痕が認められない
×:表面に荒れや痕が認められる
(耐候性)
実施例及び比較例で得られたフィルム形成用組成物を用いて作製された各フィルム積層体2の耐候性をスガ試験機(株)製のスーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、SX75)を用いて評価した。試験条件及び評価基準を以下に記載する。
放射照度:180W/m2
運転サイクル:乾燥時/スプレー時=102/18分のサイクル運転
乾燥時:ブラックパネル温度63℃、湿度:50%
スプレー時:層内温度:28℃
◎:2000時間経過時の光沢保持率が97%以上であり、フィルム積層体表面に、膨れやボイド等の外観異常が認められなかった。
○:2000時間経過時の光沢保持率が95%以上97%未満であり、フィルム積層体表面に、膨れやボイド等の外観異常が認められなかった。
△:2000時間経過時の光沢保持率が95%以上97%未満であり、フィルム積層体表面に、わずかな膨れやボイド等の外観異常が認められた。
×:2000時間経過時の光沢保持率が95%未満、若しくは、フィルム積層体表面に、明らかな膨れやボイド等の外観異常が認められた。
[合成例1]
(ポリイソシアネート成分PI-1の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600部、及び3価アルコールとε-カプロラクトンとから誘導されるポリエステルポリオール(ダイセル(株)製、商品名「プラクセル303」):30部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃に1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、所定の収率になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の数平均分子量をGPCで測定し、イソシアネート含有率を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートの生成を確認した。得られたポリイソシアネート成分PI-1の25℃における粘度は9,500mPa・s、イソシアネート含有率は19.2%、数平均分子量は1,100、平均イソシアネート基数は5.3であった。得られたポリイソシアネート成分PI-1は固形分が75%となるように、酢酸ブチルにて希釈して、続く実施例及び比較例で用いた。
(ポリイソシアネート成分PI-2の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、合成例1にて得られたポリイソシアネート成分PI-1:500gと酢酸ブチル:200gを仕込んで、攪拌下60℃に加温し、ブロック剤として、3,5-ジメチルピラゾールを、ポリイソシアネート成分PI-1中のイソシアネート基のモル数に対して0.75倍モル量、徐々に加えた。すべて加えた後で、さらに1時間攪拌することで、ポリイソシアネート成分PI-2を得た。ポリイソシアネート成分PI-2においてブロック化率は75モル%であった。
(ポリイソシアネート成分PI-3の合成)
3,5-ジメチルピラゾールの添加量をポリイソシアネートのイソシアネート基のモル数に対して1.05倍モル量とした以外は、合成例2と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート成分PI-3を得た。ポリイソシアネート成分PI-2においてブロック化率は100モル%であった。
[実施例1]
(フィルム形成用組成物F-a1の製造)
活性水素含有化合物として、アクリルポリオール樹脂の酢酸エチル溶液(水酸基濃度1.12モル%(樹脂基準)、樹脂固形分41質量%)と、ポリカプロラクトンジオール(水酸基濃度6.42%(樹脂基準)、分子量530)とを水酸基モル比3:1の割合で混合してすることで調製した樹脂溶液を用意した。
合成例2で得られたポリイソシアネート成分PI-2に対し、前記活性水素含有樹脂溶液をNCO/OH=1.0となるように配合し、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセタート(PMA)で固形分30質量%に希釈した。その際、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASF社製、「Tinuvin P」(商品名))(以下、「BTZ-1」という)を対樹脂濃度(アクリルポリオール樹脂及びポリイソシアネート成分の固形分100質量%に対して)1.2質量%、光安定剤として、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF社製、「Tinuvin 292」(商品名))(以下、「LS-1」という)を対樹脂濃度(アクリルポリオール樹脂の固形分100質量%に対して)1.0質量%となるように添加した。さらに、ジブチル錫ジラウレートを対樹脂濃度(アクリルポリオール樹脂及びポリイソシアネート成分の固形分100質量%に対して)0.1質量%となるように添加して、フィルム形成用組成物F-a1を得た。
(フィルム形成用組成物F-a2~F-a17の製造)
紫外線吸収剤と光安定剤を表1~表3に記載のとおりにした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、フィルム形成用組成物を得た。
(フィルム形成用組成物F-b1の製造)
紫外線吸収剤及び光安定剤を添加しなかった点以外は、実施例1と同様の方法を用いて、フィルム形成用組成物F-b1を得た。
(フィルム形成用組成物F-b2の製造)
ポリイソシアネート成分として、合成例3で得られたポリイソシアネート成分PI-3を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、フィルム形成用組成物F-b2を得た。
(フィルム形成用組成物F-b3の製造)
ポリイソシアネート成分として、合成例3で得られたポリイソシアネート成分PI-3を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、フィルム形成用組成物F-b3を得た。
ただし、比較例2で製造されたフィルム形成用組成物を用いたフィルムは脆く、破断伸度及び破断応力の測定用の試験片を切り出すことができなかった。そのため、表4において、「測定不可」とした。
BTZ-1:Tinuvin P(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、BASF社製)
BTZ-2:Tinuvin PS(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、BASF社製)
HPT:Tinuvin 479(ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、BASF社製)
BZP:Uvinul 3050(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、BASF社製)
BA:4-(ジメチルアミノ)安息香酸イソアミル(安息香酸系紫外線吸収剤、東京化成工業製)
SA:サリチル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(サリチル酸系紫外線吸収剤、東京化成工業製)
OX:4-メトキシけい皮酸2-エチルヘキシル(けい皮酸系紫外線吸収剤、東京化成工業製)
CA:Uvinul 3039(シアノアクリレート系紫外線吸収剤、BASF社製)
LS-1:Tinuvin 292(ヒンダードアミン系光安定剤、BASF社製)
LS-2:Tinuvin 123(ヒンダードアミン系光安定剤、BASF社製)
LS-3:Tinuvin 152(ヒンダードアミン系光安定剤、BASF社製)
LS-4:Tinuvin 249(ヒンダードアミン系光安定剤、BASF社製)
また、紫外線吸収剤及び光安定剤の含有有無が異なるフィルム形成用組成物F-a1~F-a3(実施例1~3)の比較において、紫外線吸収剤を含むフィルム形成用組成物F-a1~F-a2(実施例1~2)では、ポットライフ及び二次硬化フィルムを含むフィルム積層体としたときの耐候性がより良好であり、紫外線吸収剤及び光安定剤を含むフィルム形成用組成物F-a1では、二次硬化フィルムを含むフィルム積層体としたときの耐候性が特に良好であった。
また、紫外線吸収剤の種類が異なるフィルム形成用組成物F-a1、F-a4~F-a10(実施例1、及び4~10)の比較において、紫外線吸収剤にベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、又はシアノアクリレート系化合物を用いたフィルム形成用組成物F-a1、F-a4~F-a6及びF-a10(実施例1、4~6、及び10)は、耐候性がより優れており、紫外線吸収剤にベンゾトリアゾール系化合物、又はヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を用いて、さらに光安定剤を添加したフィルム形成用組成物F-a1、F-a4及びF-a6(実施例1、4、及び6)は、耐候性が特に優れていた。
また、紫外線吸収剤の含有量が異なるフィルム形成用組成物F-a1及びF-a11(実施例1及び11)、並びに、F-a6及びF-a12(実施例6及び12)の比較において、紫外線吸収剤の含有量がより少ないフィルム形成用組成物F-a1及びF-a6(実施例1及び6)では、一次硬化フィルムとしたときの破断応力が特に優れていた。
また、光安定剤の含有量が異なるフィルム形成用組成物F-a1及びF-a16(実施例1及び16)、並びに、F-a13及びF-a17(実施例13及び17)の比較において、光安定剤の含有量がより少ないフィルム形成用組成物(実施例1及び13)では、ポットライフ及び一次硬化フィルムとしたときの破断応力が特に優れていた。
Claims (17)
- 脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分であって、前記ポリイソシアネート1分子中のブロック剤で封鎖されたイソシアネート基及びブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基の合計数の平均値が2以上であり、且つ、前記ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基のうち、1モル%以上99モル%以下がブロック剤で封鎖されて構成されている、ポリイソシアネート成分と、
活性水素含有化合物と、
紫外線吸収剤又は光安定剤と、
を含有する、フィルム形成用組成物。 - 前記ポリイソシアネート成分中の前記ポリイソシアネート1分子当たりのブロック剤で封鎖されたイソシアネート基及びブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基の合計数の平均値が3以上である、請求項1に記載のフィルム形成用組成物。
- 前記活性水素含有化合物は、アクリルポリオールを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
- 前記活性水素含有化合物は、ジオールを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
- 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及びシアノアクリレート系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
- 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、及びヒドロキシフェニルトリアジン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
- 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
- 前記光安定剤は、ヒンダードアミン系化合物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物を硬化させてなる、フィルム。
- 基材層、加飾層及び接着層からなる群より選ばれる少なくとも2種類の層を備えるフィルム積層体であって、
前記フィルム積層体を構成する層のうち少なくとも1種類の層は、請求項10に記載のフィルムを含む、フィルム積層体。 - 請求項10に記載のフィルム、又は、請求項11に記載のフィルム積層体を備える、物品。
- 請求項10に記載のフィルム、又は、請求項11に記載のフィルム積層体を加熱しながら被着体に追従させて貼り付ける工程と、
貼り付けた前記フィルム又は前記フィルム積層体を硬化させる工程と、
をこの順で含む、物品の製造方法。 - 請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物を硬化させてなる、一次硬化フィルムであって、
前記活性水素含有化合物と前記ポリイソシアネート成分との硬化によって形成されたウレタン基、ウレア基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基Xと、活性水素基と、ブロック剤で封鎖されたイソシアネート基と、を含む、一次硬化フィルム。 - 請求項14に記載の一次硬化フィルムを、さらに加熱することにより、硬化させてなる、二次硬化フィルム。
- 請求項14に記載の一次硬化フィルムを、50℃以上140℃以下にて加熱しながら被着体に追従させて貼り付ける工程と、
貼り付けた前記一次硬化フィルムを、50℃以上180℃以下にて加熱して硬化させる工程と、
をこの順で含む、二次硬化フィルムの製造方法。 - 請求項14に記載の一次硬化フィルムを、50℃以上140℃以下にて加熱しながら被着体に追従させて貼り付けることと、
貼り付けた前記一次硬化フィルムを、50℃以上180℃以下にて加熱して硬化させることと、
をこの順で含む、一次硬化フィルムの使用方法。
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