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JP7574971B1 - Zn-Al-Mg-Si系めっき鋼板 - Google Patents

Zn-Al-Mg-Si系めっき鋼板 Download PDF

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JP7574971B1 JP2024532584A JP2024532584A JP7574971B1 JP 7574971 B1 JP7574971 B1 JP 7574971B1 JP 2024532584 A JP2024532584 A JP 2024532584A JP 2024532584 A JP2024532584 A JP 2024532584A JP 7574971 B1 JP7574971 B1 JP 7574971B1
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Abstract

外観耐食性と、平板部及び加工部のアルミ合金との接触部における異種合わせ部耐食性に優れたZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板を提供する。本発明のZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板は、下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも片面に形成されためっき層と、を有し、前記めっき層が、質量%で、Mg:0.50~3.00%、Al:0.10~3.00%、Si:0.010~0.20%、及びFe:0.30%以下を含み、残部がZn及び不可避的不純物からなる組成と、Zn-Al-MgZn2三元共晶組織と、を有し、走査型電子顕微鏡を用いて前記めっき層の表面に加速電圧7.0kVで電子線を照射して得られる倍率5000倍の反射電子像において、前記Zn-Al-MgZn2三元共晶組織の上に、長辺の長さが0.5μm以上である針状Mg2Si合金相が個数密度で100000個/mm2以上存在することを特徴とする。

Description

本発明は、Zn-Al-Mg-Si系めっき鋼板に関する。
犠牲防食により鉄の腐食を抑制する亜鉛めっきは、防錆性能及び経済性に優れており、高耐食性を有する鋼材を製造するために広く用いられている。特に、溶融された亜鉛に鋼材を浸漬してめっき層を形成する溶融亜鉛めっき鋼材は、電気亜鉛めっき鋼材に比べて製造工程が単純であり、製品の価格が安価であるため、自動車、家電製品、及び建材用などの産業全般にわたってその需要が増加している。しかし、産業高度化に伴う大気汚染及び腐食環境の悪化の進行や、亜鉛使用量の大幅な増加に伴う亜鉛資源の枯渇化により、従来の亜鉛めっきよりも耐食性に優れ、さらに省亜鉛であるめっき鋼材が求められていた。
特許文献1には、亜鉛(Zn)にアルミニウム(Al)及びマグネシウム(Mg)などの元素を添加して鋼材の耐食性を向上させるZn-Al-Mg系めっき鋼材が開示されている。また、特許文献2では、Zn-Al-Mg系めっき層にシリコン(Si)を添加することで、めっき鋼材の平面部及び端面部での耐食性が従来のZn-Al-Mg系めっき鋼板よりも向上したことを報告している。さらに、特許文献3では、Zn-Al-Mg系めっき鋼板のめっき層にSiを添加して、めっき層と下地鋼板との界面においてSiを濃化させたことにより、めっき層に破壊靭性を付与し加工後の耐食性が向上したことを報告している。
特開平4-147955号公報 特開2005-82834号公報 特開2021-508771号公報
しかしながら、めっき鋼板の外観耐食性及び合わせ部耐食性について、さらなる向上が求められていた。また、自動車の抜本的な軽量化のために、自動車車体へのアルミ合金板やアルミダイカストの適用も増大する中、めっき鋼板部材とアルミ合金部材の異種合わせ部での耐食性が新たな要求特性として顕在化しており、アルミ合金部材との異種合わせ部耐食性が望まれていた。
上記課題を鑑みて、本発明は、外観耐食性と、平板部及び加工部のアルミ合金との接触部における異種合わせ部耐食性に優れたZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下の知見を得た。Zn-Al-Mg-Si系めっき鋼板において、MgSi合金相がめっき層の表層部に形成されることで、外観耐食性と、平板部及び加工部のアルミ合金との接触部における異種合わせ部耐食性を向上させることができる。また、めっき鋼板の製造時に、ワイピングガス(ガスワイピングで用いるガス)をH及びNからなる混合ガスとすることによって、MgSi合金相をめっき層の表層部に形成させることができる。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
[1]下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも片面に形成されためっき層と、を有し、
前記めっき層が、質量%で、Mg:0.50~3.00%、Al:0.10~3.00%、Si:0.010~0.20%、及びFe:0.30%以下を含み、残部がZn及び不可避的不純物からなる組成と、Zn-Al-MgZn三元共晶組織と、を有し、
走査型電子顕微鏡を用いて前記めっき層の表面に加速電圧7.0kVで電子線を照射して得られる倍率5000倍の反射電子像において、前記Zn-Al-MgZn三元共晶組織の上に、長辺の長さが0.5μm以上である針状MgSi合金相が個数密度で100000個/mm以上存在することを特徴とするZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板。
[2]走査型電子顕微鏡を用いて前記めっき層の表面に加速電圧15.0kVで電子線を照射して得られる倍率5000倍の反射電子像において、前記Zn-Al-MgZn三元共晶組織の上に存在する、長辺の長さが0.5μm以上である針状MgSi合金相の個数密度が1000個/mm以下である、上記[1]に記載のZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板。
本発明によると、外観耐食性と、平板部及び加工部のアルミ合金との接触部における異種合わせ部耐食性に優れたZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板を提供することができる。
(a)は、本発明の一実施例において、めっき層の表面に加速電圧7.0kVで電子線を照射して得られる倍率5000倍の反射電子像であり、(b)~(e)は、それぞれEDSを用いて組成分析をしたMg分布、Si分布、Al分布、及びZn分布である。
以下、本発明に係るZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
本発明の一実施形態に係るZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板は、下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも片面に形成されためっき層と、を有する。そして、めっき層が、質量%で、Mg:0.50~3.00%、Al:0.10~3.00%、Si:0.010~0.20%、及びFe:0.30%以下を含み、残部がZn及び不可避的不純物からなる組成と、Zn-Al-MgZn三元共晶組織と、を有する。さらに、走査型電子顕微鏡を用いて前記めっき層の表面に加速電圧7.0kVで電子線を照射して得られる倍率5000倍の反射電子像において、前記Zn-Al-MgZn三元共晶組織の上に、長辺の長さが0.5μm以上である針状MgSi合金相が個数密度で100000個/mm以上存在することを特徴とする。
本発明で使用する下地鋼板は、その種類については特に制限はなく、例えば酸洗脱スケールした熱延鋼板若しくは熱延鋼帯、又は、それらを冷間圧延して得られた冷延鋼板若しくは冷延鋼帯を用いることができる。下地鋼板の板厚についても特に制限はないが、0.7~2.0mmとすることが好ましい。
次に、本発明におけるZn-Al-Mg-Si系めっき層の組成について説明する。
めっき層中のMgの含有量が0.50質量%未満である場合、平板部及び加工部のアルミ合金との接触部における異種合わせ部耐食性を向上させる効果が不十分である。よって、めっき層中のMgの含有量は0.50質量%以上とし、1.00質量%以上であることが好ましい。一方、めっき層中のMgの含有量が3.00質量%を超える場合、脆い塊状のMgZn相が形成され、めっき層が脆くなって密着性が低下し、加工性及び加工部の耐食性が劣化するおそれがある。よって、めっき層中のMgの含有量は3.00質量%以下とし、2.50質量%以下であることが好ましい。
めっき層中のAlの含有量が0.10質量%未満である場合、平板部及び加工部のアルミ合金との接触部における異種合わせ部耐食性を向上させる効果が不十分である。よって、めっき層中のAlの含有量は0.10質量%以上とし、0.50質量%以上であることが好ましい。一方、めっき層中のAlの含有量が3.00質量%を超える場合、めっき鋼板の塗装後に生じる傷部からの膨れが大きくなり、外観耐食性が劣化する。よって、めっき層中のAlの含有量は3.00質量%以下とし、2.00質量%以下であることが好ましい。
めっき層中のSiの含有量が0.010質量%以上含まれる場合、めっき層中のMgとともにMgSi合金相を形成し、めっき層の耐食性向上に寄与する。これは、以下のような作用によるものと考えられる。すなわち、MgSi合金相が活性であるため腐食環境で水と反応して分解し、後述するZn-Al-MgZn三元共晶のめっき組織中において、Zn相、Al相及びMgZn合金相のいずれか1つ以上を含む金属組織を犠牲防食する。これとともに、できたMgの腐食生成物が保護皮膜を形成し、それ以上の腐食の進行を抑制する。このため、平板部及び加工部のアルミ合金との接触部における異種合わせ部耐食性が向上する。上記効果を得るために、めっき層中のSiの含有量は0.010質量%以上とし、0.050質量%以上であることが好ましい。一方、めっき層中のSiの含有量が0.20質量%を超える場合、めっき層内部にまで多くのMgSi合金相が形成される。MgSi合金相は脆いため、めっき層内部に多く形成されると、外部応力に対してめっき層内部でクラックを誘発するようになる。その結果、成形加工を介してめっき層が割れやすく、加工部のアルミ合金との接触部における異種合わせ部耐食性が低下することになる。したがって、めっき層中のSiの含有量は0.20質量%以下とし、0.15質量%以下であることが好ましい。
めっき層中のFeの含有量が0.30質量%を超える場合、下地鋼板とめっき層との界面に形成される合金層の成長が増加し、加工性が低下する。よって、めっき層中のFeの含有量は0.30質量%以下とし、0.20質量%以下であることが好ましい。一方、めっき層中のFeの含有量の下限は特に限定されず、0.00質量%としても良い。
上記以外のめっき層中の成分組成の残部は、Zn及び不可避的不純物からなる。
次に、Zn-Al-Mg-Si系めっき層の組織について説明する。本発明におけるめっき層は、Zn-Al-MgZn三元共晶のめっき組織を有し、めっき組織中にMgSi合金相を含むものとする。めっき組織中には、さらに、Zn相、Al相、又はMgZn合金相が含まれていてもよい。
Zn-Al-Mg-Si系めっき層のMgSi合金相は、耐食性向上に寄与するが、めっき層の内部にまで多く存在すると外部応力時にMgSi合金相において応力集中が発生し、クラックの発生・成長が促進され加工後の耐食性が低下する。したがって、MgSi合金相はめっき層の表層部付近にあることが好ましい。そのためには、めっき浴成分中のSi含有量を制御することと、ワイピングガスを還元性を有するガスとすることが必要となる。このような制御が不十分である場合には、MgSi合金相がめっき層の表層部に少なく耐食性が劣化する場合や、めっき層内部にまで多く形成され加工後の耐食性が低下する場合がある。
本発明において、MgSi合金相が「めっき層の表層部に形成される」とは、走査型電子顕微鏡を用いてめっき層の表面に加速電圧7.0kVで電子線を照射して得られる倍率5000倍の反射電子像において、Zn-Al-MgZn三元共晶組織上に、長辺の長さが0.5μm以上である針状MgSi合金相が観察されることを意味する。MgSi合金相の耐食性向上効果が得られるためには、めっき層の表層部に形成されるMgSi合金相の個数密度は100000個/mm以上とし、150000個/mm以上であることが好ましく、200000個/mm以上であることがさらに好ましい。一方、めっき層の表層部に形成されるMgSi合金相の個数密度の上限は何ら限定されるものではないが、適切なワイピングガスを用いたとしても、本発明のめっき浴組成を用いて製造されるめっき層の前記個数密度を650000個/mm超えとすることは困難であるため、前記個数密度は通常は650000個/mm以下である。
本発明において、MgSi合金相が「めっき層の内部に形成される」とは、走査型電子顕微鏡を用いてめっき層の表面に加速電圧15.0kVで電子線を照射して得られる倍率5000倍の反射電子像において、Zn-Al-MgZn三元共晶組織上に、長辺の長さが0.5μm以上である針状MgSi合金相が観察されることを意味する。めっき層の内部に形成されるMgSi合金相の個数密度が1000個/mm以下である場合、加工後の耐食性が好適に得られる。したがって、めっき層の内部に形成されるMgSi合金相の個数密度は、1000個/mm以下であることが好ましく、750個/mm以下であることがより好ましく、500個/mm以下であることがさらに好ましく、0個/mmであることが最も好ましい。
図1(a)~(e)に、本発明の一実施例で製造されたZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板のめっき層の表面に、走査型電子顕微鏡を用いて加速電圧7.0kVで電子線を照射した際に観察される反射電子像(5000倍)及びEDS分析結果を示す。図1(a)はZn-Al-Mg-Si系めっき層の反射電子像であり、(b)~(e)は、それぞれEDSを用いて組成分析をしたMg分布、Si分布、Al分布、及びZn分布である。図1(a)~(e)に示すように、MgSi合金相は、Mg及びSiの組成が重なる針状の形をしており、Zn-Al-MgZn三元共晶組織内にあることが分かる。
[Zn-Al-Mg-Si系めっき鋼板の製造方法]
次に、本発明の一実施形態に係るZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板を製造するための方法について説明する。本発明の一実施形態に係るZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板を製造する方法は、質量%で、Mg:0.50~3.00%、Al:0.10~3.00%、Si:0.010~0.20%、及びFe:0.30%以下を含み、残部がZn及び不可避的不純物からなる組成を有するめっき浴に下地鋼板を浸漬して、前記下地鋼板にめっき処理を施す工程と、前記めっき処理後に、前記下地鋼板にガスワイピングを行い、前記下地鋼板上に形成されるめっき層の付着量を調整する工程と、を有する。さらに、前記ガスワイピングは、下地鋼板にHとNとからなる混合ガスを吹き付けることにより行うことを特徴とする。ガスワイピング後のめっき鋼板の冷却方法は特に限定しないが、空冷、気水冷却、水冷等の種々の方法が適用できる。
本発明に係るZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板を製造するための方法において、めっき処理を施す下地鋼板は、上述した下地鋼板についての説明と同様である。
めっき処理前の下地鋼板に焼鈍熱処理を行う場合、焼鈍時の炉内雰囲気におけるH濃度が1体積%以上である場合、下地鋼板表面の酸化物を好適に還元させることができる。よって、焼鈍時の炉内雰囲気のH濃度は1体積%以上であることが好ましい。一方、焼鈍時の炉内雰囲気におけるH濃度が10体積%以下である場合、製造コストを好適に抑えることができる。よって、焼鈍時の炉内雰囲気のH濃度は10体積%以下であることが好ましい。また、焼鈍時の炉内雰囲気はHを含み、残部はNからなる混合ガスであることが好ましい。焼鈍熱処理の温度は、特に制限はないが600~850℃とすることが好ましい。また、焼鈍熱処理の時間も特に制限はないが、10~60秒とすることが好ましい。
本発明に係るZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板の製造に用いるめっき浴は、質量%で、Mg:0.50~3.00%、Al:0.10~3.00%、Si:0.010~0.20%、及びFe:0.30%以下を含み、残部がZn及び不可避的不純物からなる組成を有するものとする。めっき浴中の各成分についての説明は、上述しためっき層の各成分についての説明と同様である。なお、めっき浴の成分組成と施されためっき層の成分組成とは同等となる。
めっき処理におけるめっき層の付着量については、耐食性の観点から15g/m以上であることが好ましく、30g/m以上であることがより好ましい。一方、めっき層の付着量が100g/m以下である場合、製造コストを好適に抑えることができるため、めっき層の付着量は100g/m以下であることが好ましい。また、めっき処理時のめっき浴の温度は、430~540℃とするのが好ましい。上記めっき浴の温度が430℃未満の場合には、めっき浴の流動性が低下し、均一なめっき付着量の妨げとなる可能性がある。このため、めっき浴の温度は好ましくは430℃以上とする。一方で、めっき浴の温度が540℃を超えると、めっき浴中のMg酸化によるめっき浴の表面の酸化物の増加、及びめっき浴の耐火物のAl及びMgによる浸食の恐れがある。このため、めっき浴の温度は、好ましくは540℃以下にし、より好ましくは530℃以下である。
MgSi合金相をめっき層の表層部で形成させ、めっき層内部に多く形成させないためには、ワイピングガスが還元性を有するガスであることが重要である。そのため、本発明のガスワイピングは、下地鋼板にHとNからなる混合ガスを吹き付けることにより行う。従来、溶融亜鉛系めっき鋼板の製造に際しては、経済性の観点からワイピングガスとして空気又はNガスが用いられていた。本発明者らは、特に本発明のSiを含有するZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板の製造に際しては、ワイピングガスに含有されたOによりめっきの表層部が酸化され、その結果所望の耐食性を得られなくなる場合があることを知見した。本発明者らは、めっきの耐食性改善のため鋭意検討した結果、ワイピングガスのH濃度が低くなればなるほど、下地鋼板表面の酸化物生成が抑制されにくく、その結果、下地鋼板表面に生じた酸化物がめっき層の表層部におけるMgSi合金相の形成を妨げ、めっき層内部での形成を促進させることを知見した。
ワイピングガスのH濃度が1体積%以上である場合、めっき層の表層部にMgSi合金相が好適に形成され、耐食性向上への寄与効果が好適に得られる。したがって、ワイピングガスのH濃度は1体積%以上であることが好ましい。また、ワイピングガスのH濃度が5体積%以上である場合は、下地鋼板表面の酸化物生成が好適に抑制され、めっき層の表層部でMgSi合金相が形成し、めっき層の内部での形成が好適に抑制される。一方、ワイピングガスのH濃度が10体積%以下である場合は、製造コストを好適に抑えることができる。したがって、ワイピングガスのH濃度は10体積%以下であることが好ましい。なお、ワイピング時の雰囲気は大気下であることが好ましい。
なお、本発明に記載されていない工程及び条件については、定法を使用することができる。
板厚0.8mmの極低炭素冷延鋼板を下地鋼板として用い、溶融めっき設備によって、サンプルとなる全てのZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板を製造した。めっき浴の組成を種々変化させて各サンプルにめっきを施し、めっき浴の温度はZn-Al-Mg-Si四元系平衡状態図より推定される凝固開始温度より30℃高い450℃とした。下地鋼板をH(5体積%)+N雰囲気中で加熱し、めっき浴浸入時の下地鋼板の温度をめっき浴温と同一の温度にし、めっき浴で1秒間溶融めっきを行った。その後、めっき層の厚さをワイピングガスの流量調整により7μm(50g/m相当)に制御した。表1に、めっき浴組成、ワイピングガスの組成、及びめっき層の組成を示す。なお、ワイピング時の雰囲気は大気下とした。
Figure 0007574971000001
Figure 0007574971000002
得られたZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板の各サンプルを、それぞれ10×20mmのサイズに剪断した。剪断後のサンプルのめっき層を、走査型電子顕微鏡を用いて、めっき鋼板の表面方向から観察する方法により、Zn-Al-MgZn三元共晶組織の有無を確認した。観察時にEDSによる組成分析をした際にZn相、Al相、及びMgZn合金相の3つの相から構成される組織があり、さらに同一表面をXRDによって分析した際にZn相、Al相、及びMgZn合金相が確認される場合はZn-Al-MgZn三元共晶組織が有るとして「有」を、観察時にEDSによる組成分析をした際にZn相、Al相、及びMgZn合金相の3つの相から構成される組織がなく、さらに同一表面をXRDによって分析した際にZn相、Al相、及びMgZn合金相のうちいずれかが確認されない場合はZn-Al-MgZn晶組織がないとして「無」を表1に記載した。
剪断後のサンプルのめっき層を、走査型電子顕微鏡を用いて、めっき鋼板の表面方向から観察する方法により、めっき層の表層部と内部に存在するMgSi合金相の状態を観察し、個数密度を評価した。めっき層の表層部に存在するMgSi合金相の個数密度は、加速電圧を7.0kVで電子線を照射した際に観察される反射電子像(5000倍)により評価した。めっき層の内部に存在するMgSi合金相の個数密度は、加速電圧を15.0kVで電子線を照射した際に観察される反射電子像(5000倍)により評価した。
[外観耐食性]
次に、得られたZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板の塗装後の外観耐食性を評価するために、各サンプルを70×80mmのサイズに剪断し、その後、同一の条件でリン酸塩処理した後、電着塗装を行い(塗装の厚さは15μmで一定)、塗装された表面に刃を用いてクロス上にカット傷を付与した後、腐食試験を行った。この時、歯の深さは素地鉄の表面まで届くようにした。SAE J2334(2016)による腐食試験を90サイクル行った後、塗装表面のクロス状カット傷部からの膨れ幅測定を行い、最大の膨れ幅で評価した。膨れ幅が3mm未満の場合「◎」、3mm以上5mm未満の場合「○」、5mm以上7mm未満の場合「△」、7mm以上の場合「×」とした。評価が◎又は〇の場合は合格、△又は×の場合は不合格とした。
[平板部異種合わせ部耐食性]
次にZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板の平板部異種合わせ部耐食性を評価するために、各サンプルを80×80mmのサイズに剪断し、その後、40×40mmのサイズに剪断したAl合金(A6061、Al-0.6Si-1Mg系)とボルト接合することにより、Zn-Al-Mg-Si系めっき鋼板とAl合金の平板部異種合わせサンプルを作製した。この際、合わせ面以外は樹脂製テープで被覆した。そして、上記異種合わせサンプルに対して、SAE J2334(2016)による腐食試験を行った。腐食試験を20サイクル行った後のAl合金の腐食量を評価した。Al腐食量は、ISO8407:2021に準拠して、室温の60質量%硝酸水溶液に平板部異種合わせサンプルを浸漬することで、アルミニウムを主体とする腐食生成物を除去し、試験前の重量と腐食生成物除去後の重量の差より求めた。腐食量が5g/m未満の場合「◎」、5g/m以上10g/m未満の場合「○」、10g/m以上15g/m未満の場合「△」、15g/m以上の場合「×」として表1に示した。評価が◎又は〇の場合は合格、△又は×の場合は不合格とした。
[加工部異種合わせ部耐食性]
次にZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板の加工部異種合わせ部耐食性を評価した。各サンプルを70×120mmのサイズに剪断し、40×90mmのサイズに剪断したAl合金とメカニカルクリンチ(5mmφ)により2点で機械的に接合し、加工部を付与し、Zn-Al-Mg-Si系めっき鋼板とAl合金の加工部異種合わせサンプルを作製した。この際、合わせ面以外は同一の条件でリン酸塩処理した後、電着塗装を行い(塗装の厚さは15μmで一定)、被覆した。そして、上記加工部異種合わせサンプルに対して、SAE J2334(2016)による腐食試験を行った。腐食試験を20サイクル行った後のAl合金の腐食量を評価した。Al腐食量は、ISO8407:2021に準拠して、室温の60質量%硝酸水溶液に加工部異種合わせサンプルを浸漬することで、アルミニウムを主体とする腐食生成物を除去し、試験前の重量と腐食生成物除去後の重量の差より求めた。腐食量が5g/m未満の場合「◎」、5g/m以上10g/m未満の場合「○」、10g/m以上15g/m未満の場合「△」、15g/m以上の場合「×」として表1に示した。評価が◎又は〇の場合は合格、△又は×の場合は不合格とした。
表1に示すように、本発明で規定するめっき組成を有し、加速電圧7.0kVで観察時のMgSi合金相の個数密度が100000個/mm以上である発明例は、外観耐食性、平板部異種合わせ部耐食性、及び加工部異種合わせ部耐食性に優れていた。すなわち、MgSi合金相がめっき層の表層部に多く存在することは外観耐食性、平板部異種合わせ部耐食性、及び加工部異種合わせ部耐食性に優位に働くことが分かった。特に、加速電圧15.0kVで観察時のMgSi合金相の個数密度が500個/mm以下である、すなわちMgSi合金相がめっき層内部に少ない発明例は、より好ましい評価結果となった。これに対して、本発明範囲を逸脱する比較例は、本発明例に比べて外観耐食性、平板部異種合わせ部耐食性、及び加工部異種合わせ部耐食性のいずれかが劣る結果となった。
本発明によれば、外観耐食性と、平板部及び加工部のアルミ合金との接触部における異種合わせ部耐食性に優れたZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板を提供することができる。

Claims (2)

  1. 下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも片面に形成されためっき層と、を有し、
    前記めっき層が、質量%で、Mg:0.50~3.00%、Al:0.10~3.00%、Si:0.010~0.20%、及びFe:0.30%以下を含み、残部がZn及び不可避的不純物からなる組成と、Zn-Al-MgZn三元共晶組織と、を有し、
    走査型電子顕微鏡を用いて前記めっき層の表面に加速電圧7.0kVで電子線を照射して得られる倍率5000倍の反射電子像において、前記Zn-Al-MgZn三元共晶組織の上に、長辺の長さが0.5μm以上である針状MgSi合金相が個数密度で100000個/mm以上存在することを特徴とするZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板。
  2. 走査型電子顕微鏡を用いて前記めっき層の表面に加速電圧15.0kVで電子線を照射して得られる倍率5000倍の反射電子像において、前記Zn-Al-MgZn三元共晶組織の上に存在する、長辺の長さが0.5μm以上である針状MgSi合金相の個数密度が1000個/mm以下である、請求項1に記載のZn-Al-Mg-Si系めっき鋼板。
JP2024532584A 2023-05-31 2024-03-05 Zn-Al-Mg-Si系めっき鋼板 Active JP7574971B1 (ja)

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