JP7385625B2 - 複合粒子及び樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また本開示の一態様は、微細セルロースが乾燥状態であっても再分散性に優れ、かつ、着色が極めて少なく、臭気をも抑制されたセルロース強化樹脂組成物を、汎用的に適用可能な方法で製造する製造方法を提供することを目的とする。
[1] 微細セルロースと熱可塑性樹脂とを含む複合粒子であって、
前記複合粒子中の微細セルロースの比率が10質量%以上95質量%以下であり、
分散液中の微細セルロース濃度が1質量%となるように前記複合粒子をジメチルスルホキシド中に分散させて得た分散液の、液温25℃及び剪断速度10s-1における粘度η10が、10mPa・s以上である、複合粒子。
[2] 前記分散液の、液温25℃における、剪断速度100s-1での粘度η100に対する剪断速度10s-1での粘度η10の比η10/η100であるチキソトロピーインデックス(TI)が、2以上である、上記態様1に記載の複合粒子。
[3] メジアン粒径が1μm以上5000μm以下である、上記態様1又は2に記載の複合粒子。
[4] 前記熱可塑性樹脂がジメチルスルホキシドに可溶である、上記態様1~3のいずれかに記載の複合粒子。
[5] 前記熱可塑性樹脂がセルロース誘導体である、上記態様4に記載の複合粒子。
[6] 前記セルロース誘導体の重量平均分子量Mwが10万以下である、上記態様5に記載の複合粒子。
[7] 前記微細セルロースが、数平均径2nm以上1000nm未満を有する、上記態様1~6のいずれかに記載の複合粒子。
[8] 前記微細セルロースが、数平均径2nm以上500nm未満を有する、上記態様1~6のいずれかに記載の複合粒子。
[9] 前記微細セルロースが、数平均径10nm以上100nm未満を有する、上記態様1~6のいずれかに記載の複合粒子。
[10] 前記微細セルロースが、重量平均分子量(Mw)100000以上、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)6以下を有する、上記態様1~9のいずれかに記載の複合粒子。
[11] 前記微細セルロースが、アルカリ可溶多糖類の平均含有率12質量%以下、及び、結晶化度60%以上を有する、上記態様1~10のいずれかに記載の複合粒子。
[12] 前記微細セルロースのアルカリ可溶多糖類の平均含有率が8質量パーセント以下である、上記態様1~11のいずれかに記載の複合粒子。
[13] 前記微細セルロースの一部が化学修飾されており、かつ前記微細セルロースがI型結晶構造を有する、上記態様1~12のいずれかに記載の複合粒子。
[14] 前記化学修飾がアセチル化である、上記態様13に記載の複合粒子。
[15] 上記態様1~14のいずれかに記載の複合粒子の製造方法であって、
微細セルロースの水分散体と熱可塑性樹脂の粒子とを混合し、次いで乾燥させて、複合粒子を回収する、粉末化工程を含む、方法。
[16] 前記微細セルロースの水分散体を、
有機溶媒中でセルロースの解繊処理を行って微細セルロース分散体を得る解繊工程、及び
前記微細セルロース分散体中の有機溶媒を水に置換する精製工程、
によって調製する、上記態様15に記載の製造方法。
[17] 前記解繊工程と同時に、又は前記解繊工程の後かつ前記精製工程の前に、微細セルロースの化学修飾を行う化学修飾工程を更に含む、上記態様16に記載の方法。
[18] 上記態様1~14のいずれかに記載の複合粒子の製造方法であって、
微細セルロースの有機溶媒分散体中に熱可塑性樹脂を添加して、有機溶媒中に微細セルロースが分散しかつ熱可塑性樹脂が溶解している微細セルロース/樹脂分散体を得る微細セルロース/樹脂分散体調製工程、
前記微細セルロース/樹脂分散体を前記熱可塑性樹脂の貧溶媒と混合し、微細セルロースと熱可塑性樹脂とを含む複合粒子を析出させることによって、複合粒子分散体を得る析出工程、
前記複合粒子分散体中の前記有機溶媒を水に置換して水分散体を得る精製工程、及び
前記水分散体を乾燥させて複合粒子を回収する粉末化工程、
を含む、方法。
[19] 前記微細セルロースの有機溶媒分散体を、有機溶媒中でセルロースを解繊処理する解繊工程によって調製する、上記態様18に記載の複合粒子の製造方法。
[20] 前記解繊工程と同時又は前記解繊工程の後に、微細セルロースの化学修飾を行う化学修飾工程を更に含む、上記態様19に記載の方法。
[21] 微細セルロースと熱可塑性樹脂とを含む複合粒子、及び、前記複合粒子中の熱可塑性樹脂とは異なる熱可塑性樹脂、を含む樹脂組成物の製造方法であって、
上記態様15~20のいずれかに記載の方法で複合粒子を形成する工程、及び
前記複合粒子と、前記複合粒子に含まれる熱可塑性樹脂とは異なる熱可塑性樹脂と、を混練する工程、
を含む、方法。
[22] 上記態様1~14のいずれかに記載の複合粒子とベース樹脂とを含む、樹脂組成物。
[23] 熱可塑性樹脂、
前記熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1~40質量部の、繊維径が2nm以上1000nm未満である微細セルロース繊維、及び
前記微細セルロース繊維100質量部に対して1質量部~500質量部の、セルロース誘導体、
を含む、樹脂組成物。
[24] 前記微細セルロース繊維が、重量平均分子量(Mw)100000以上、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)6以下を有する、上記態様23に記載の樹脂組成物。
[25] 前記微細セルロース繊維が、アルカリ可溶多糖類の平均含有率12質量%以下、及び結晶化度60%以上を有する、上記態様23又は24に記載の樹脂組成物。
[26] 前記ベース樹脂が、熱可塑性樹脂である、上記態様22に記載の樹脂組成物。
[27] 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂及びこれらのいずれか2種以上の混合物からなる群より選択される、上記態様23~26のいずれかに記載の樹脂組成物。
[28] 前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンであり、該ポリプロピレンのISO1133に準拠して230℃で測定されたメルトマスフローレイト(MFR)が、3g/10分以上30g/10分以下である、上記態様27に記載の樹脂組成物。
[29] 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂であり、該ポリアミド系樹脂の全末端基に対するカルボキシル末端基比率([COOH]/[全末端基])が、0.30~0.95である、上記態様27に記載の樹脂組成物。
[30] 前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂であり、該ポリエステル系樹脂の全末端基に対するカルボキシル末端基比率([COOH]/[全末端基])が、0.30~0.95である、上記態様27に記載の樹脂組成物。
[31] 前記熱可塑性樹脂が、ポリアセタール系樹脂であり、該ポリアセタール系樹脂が、0.01~4モル%のコモノマー由来構造を含有するコポリアセタールである、上記態様27に記載の樹脂組成物。
[32] 前記熱可塑性樹脂が、融点140℃以上を有する結晶性熱可塑性樹脂である、上記態様23~31のいずれかに記載の樹脂組成物。
[33] 前記ベース樹脂が、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂である、上記態様22に記載の樹脂組成物。
[34] 前記ベース樹脂が、ゴムである、上記態様22に記載の樹脂組成物。
[35] 上記態様22~32のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法であって、
上記態様1~12のいずれかに記載の前記複合粒子を、乾燥粉末又は水分散体の形態で、熱可塑性樹脂と溶融混練成型機の内部で混練し、次いで成形する工程を含む、方法。
[36] 熱可塑性樹脂と、
微細セルロースとセルロース誘導体で構成された複合粒子と、
を含む樹脂組成物の製造方法であって、
押出機において前記熱可塑性樹脂を溶融混練する第1の工程と、
第1の工程の溶融された樹脂に前記複合粒子を添加する第2の工程と、
を含む、方法。
[37] 前記微細セルロースが、重量平均分子量(Mw)100000以上、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)6以下を有する、上記態様36に記載の方法。
[38] 前記微細セルロースが、アルカリ可溶多糖類の平均含有率12質量%以下、及び結晶化度60%以上を有する、上記態様36又は37に記載の方法。
[39] 前記方法が、
押出機において前記熱可塑性樹脂を溶融混練する第1の工程と、
第1の工程の溶融された樹脂に前記複合粒子を添加する第2の工程と、
を含む、上記態様35に記載の方法。
[40] 前記第1の工程は、押出機が備えるシリンダー内の溶融混練ゾーンで行われ、
前記第2の工程は、前記シリンダーに設けられた添加口から前記複合粒子を供給することにより行われる、上記態様36~39のいずれかに記載の方法。
[41] 前記添加口は、前記溶融混練ゾーンよりも下流に配置される、上記態様40に記載の方法。
[42] 前記シリンダーの全長(L1)に対し、前記シリンダーの出口から前記添加口までの長さ(L2)が1/2以下である、上記態様40又は41に記載の方法。
[43] 前記添加口よりも下流側のシリンダー内に、前記複合粒子を前記熱可塑性樹脂中で混練分散させるための反時計回りスクリューが1箇所以上設けられている、上記態様40~42のいずれかに記載の方法。
[44] 上記態様33に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
複合粒子を熱硬化性樹脂と混合し、次いで成形し、次いで熱硬化処理を行う工程、又は
複合粒子を光硬化性樹脂と混合し、次いで成形し、次いで光硬化処理を行う工程、
を含む、方法。
[45] 上記態様34に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
複合粒子をゴムと混合し、次いで成形し、次いで加硫を行う工程を含む、方法。
[46] 前記樹脂組成物の引張破断強度の変動係数(標準偏差/算術平均値)が、15%以下である、上記態様22~34のいずれかに記載の樹脂組成物。
[47] 前記樹脂組成物の引張降伏強度が、前記熱可塑性樹脂の引張降伏強度の1.05倍以上である、上記態様22~34及び46のいずれかに記載の樹脂組成物。
[48] 前記樹脂組成物の0℃~60℃の範囲での線膨張係数が80ppm/k以下である、上記態様22~34、46及び47のいずれかに記載の樹脂組成物。
[49] 上記態様22~34及び46~48のいずれかに記載の樹脂組成物より形成される、樹脂ペレット。
[50] 上記態様22~34及び46~48のいずれかに記載の樹脂組成物より形成される、樹脂成形体。
また、本開示の一態様に係る樹脂組成物の製造方法によれば、微細セルロースが乾燥状態であっても再分散性に優れ、かつ、着色が極めて少なく、臭気をも抑制されたセルロース強化樹脂組成物を、汎用的に適用可能な方法で製造することができる。
本発明の一態様は、微細セルロースと熱可塑性樹脂とを含む複合粒子を提供する。一態様において、複合粒子中の微細セルロースの比率は、10質量%以上95質量%以下である。複合粒子中の微細セルロースの比率の下限は、10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、上限は95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。微細セルロースの比率が10質量%以上である場合、複合粒子を用いた樹脂組成物製造において、所定の微細セルロースを添加した際に樹脂組成物に含まれる複合粒子の熱可塑性樹脂量が多くなりすぎず、樹脂組成物自体の物性制御が困難とならず有利である。微細セルロースの比率が95質量%である場合、微細セルロース間の水素結合に由来する凝集が強力すぎず樹脂組成物中の微細セルロースの分散が良好で、機械強度及び寸法安定性を向上させることができ有利である。
本開示の「微細セルロース」とは、数平均径が2nm以上1000nm未満であるセルロースを意味し、セルロースファイバー及びセルロースウィスカーを包含する。本開示で、微細セルロースの「長さ」(L)及び「径」(D)は、例えば、セルロースファイバー(本開示で、微細セルロース繊維ともいう。)においては繊維長及び繊維径に、また、セルロースウィスカーにおいては長径及び短径にそれぞれ相当する。微細セルロース(一態様において、セルロースウィスカー及びセルロースファイバーの各々)の数平均径は、一態様において、4nm以上、10nm以上、又は20nm以上、又は30nm以上であり、一態様において、500nm以下、又は500nm未満、又は450nm以下、又は400nm以下、又は350nm以下、又は300nm以下、又は100nm以下、又は100nm未満である。微細セルロースの数平均径が2nm未満である場合、結晶化度が著しく低く、また樹脂組成物中での分散性が悪いため、樹脂組成物の所望の引張破断強度及び熱安定性(具体的には、低い線熱膨張率、及び高温時の弾性保持)が得られない。一方、微細セルロースの数平均径が1000nm以上の場合、樹脂組成物中での微細セルロースの交絡点数が少なく、樹脂組成物の所望の引張破断強度及び熱安定性が得られない。微細セルロースの径を上述の範囲内にすることは、樹脂組成物を用いて形成された成形体の摺動性の向上の点で有利である。
比表面積(m2/g)=4000/(dD)
そして、セルロース密度を1.50g/cm3とすると、径は下記の式で表される。
D(nm)=2667/比表面積(m2/g)
結晶化度(%)=[I(200)-I(amorphous)]/I(200)×100
I(200):セルロースI型結晶における200面(2θ=22.5°)による回折ピーク強度
I(amorphous):セルロースI型結晶におけるアモルファスによるハローピーク強度であって、200面の回折角度より4.5°低角度側(2θ=18.0°)のピーク強度
結晶化度(%) =h1 /h0 ×100
極限粘度[η]=K×DPa (1)
ここでK及びaは高分子の種類によって決まる定数であり、セルロースの場合、Kは5.7×10-3、aは1である。
なお、化学修飾されている微細セルロースにおいては、その特性が修飾基による影響を強く受けるため、-5mVを超えるゼータ電位であっても良好な溶融流動性を保つことができる。したがって、化学修飾されている微細セルロースのゼータ電位は上記範囲外であってもよい。
微細セルロースの原料となるセルロース繊維(セルロース原料とも言う)としては、天然セルロース及び再生セルロースを用いることができる。天然セルロースとしては、木材種(広葉樹又は針葉樹)から得られる木材パルプ、非木材種(綿、竹、麻、バガス、ケナフ、コットンリンター、サイザル、ワラ等)から得られる非木材パルプ、動物(例えばホヤ類)や藻類、微生物(例えば酢酸菌)、微生物産生物等を起源としたセルロース繊維集合体を使用できる。再生セルロースとしては、再生セルロース繊維(ビスコース、キュプラ、テンセル等)のカット糸等、セルロース誘導体繊維のカット糸等、エレクトロスピニング法により得られた再生セルロース又はセルロース誘導体の極細糸等を使用できる。これらの原料は必要に応じて、ビーターやリファイナー等の機械力による叩解、フィブリル化、微細化により繊維径、繊維長、フィブリル化度等を調整したり、薬品を用いて漂白、精製し、リグニンやヘミセルロース等のセルロース以外の含有率を調整したりすることができる。
R1-C(=O)-X (1)
(式中、R1は炭素数1~24のアルキル基、炭素数1~24のアルキレン基、炭素数3~24のシクロアルキル基、又は炭素数6~24のアリール基を表し、XはCl、Br又はIである。)
酸ハロゲン化物の具体例としては、塩化アセチル、臭化アセチル、ヨウ化アセチル、塩化プロピオニル、臭化プロピオニル、ヨウ化プロピオニル、塩化ブチリル、臭化ブチリル、ヨウ化ブチリル、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、ヨウ化ベンゾイル等が挙げられるが、これらに限定されない。中でも、酸塩化物は反応性と取り扱い性の点から好適に採用できる。尚、酸ハロゲン化物の反応においては、触媒として働くと同時に副生物である酸性物質を中和する目的で、アルカリ性化合物を1種又は2種以上添加してもよい。アルカリ性化合物としては、具体的には:トリエチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン化合物;及びピリジン、ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物;が挙げられるが、これに限定されない。
R-COO-CH=CH2 …式(2)
{式中、Rは、炭素数1~24のアルキル基、炭素数1~24のアルキレン基、炭素数3~24のシクロアルキル基、又は炭素数6~24のアリール基である。}で表されるカルボン酸ビニルエステルが好ましい。カルボン酸ビニルエステルは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニルアジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、安息香酸ビニル、及び桂皮酸ビニルからなる群より選択された少なくとも1種であることがより好ましい。カルボン酸ビニルエステルによるエステル化反応のとき、触媒としてアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、1~3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール及びその誘導体、ピリジン及びその誘導体、並びにアルコキシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上を添加しても良い。
例えば、修飾基がアシル基であれば、アシル基に基づくC=Oの吸収バンドのピークは1730cm-1に出現し、セルロース骨格鎖に基づくC-Oの吸収バンドのピークが1030cm-1に出現する(図5参照)。
1030cm-1のピーク強度については、820cm-1付近と1530cm-1付近の他のピークがない位置を直線で結んだベースラインを引き、1030cm-1におけるベースラインの高さを1030cm-1のピーク高さから差し引いた値を読み取るものとする。
DS=4.13×IRインデックス1030
平均置換度は0.01以上2.0以下が好ましい。DSが0.01以上であれば、熱分解開始温度が高い化学修飾微細セルロースを含む樹脂複合体を得ることができる。一方、2.0以下であると、化学修飾微細セルロース中に未修飾のセルロース骨格が残存するため、セルロース由来の高い引張強度及び寸法安定性と化学修飾由来の高い熱分解開始温度を兼ね備えた化学修飾微細セルロースを含む樹脂複合体を得ることができる。DSはより好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.2以上、最も好ましくは0.3以上であって、より好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.2以下、最も好ましくは1.0以下である。
本実施形態の複合粒子に用いることができる熱可塑性樹脂について詳述する。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール等のビニル系樹脂;ポリアセタール系樹脂;ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-イソプレンブロック共重合体等のポリスチレン系樹脂;ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂等のニトリル系樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリアミド;ポリウレタン;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸等のアクリル樹脂;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド;ポリスルフォン;ポリエーテルスルフォン;ポリエーテルニトリル;ポリエーテルケトン;ポリケトン;液晶ポリマー;シリコーン樹脂;アイオノマー;セルロース(木材パルプ、綿等の天然セルロース;ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン及びテンセル等の再生セルロース);ニトロセルロース、セルロースアセテート等のセルロース誘導体;熱可塑性エラストマー(例えば、エチレン-プロピレン共重合体(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)のようなオレフィン系エラストマー;スチレンとブタジエンとの共重合体からなるSBR等のスチレン系エラストマー;シリコン系エラストマー;ニトリル系エラストマー;ブタジエン系エラストマー;ウレタン系エラストマー;ナイロン系エラストマー;エステル系エラストマー;フッ素系エラストマー;及びそれらのエラストマーに反応部位(二重結合、無水カルボキシル基等)を導入した変性物等);並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
エーテル置換度は、1H-NMR(核磁気共鳴装置)にて測定される値である。
ηrel=t/to(3)
[η]=(lnηrel)/c(4)
DP=[η]/(6×10-4)(5)
(式中、tは溶液の通過時間(秒)、toは溶媒の通過時間(秒)、cは溶液のセルロースエステル濃度(g/L)、ηrelは相対粘度、[η]は極限粘度、DPは平均重合度を示す)
エステル置換度は、1H-NMR(核磁気共鳴装置)にて測定される値である。
複合粒子を製造する方法として、特に限定されるものではないが、例えば、以下のような方法が挙げられる。これら方法によれば、スラリー又は乾燥体として複合粒子を回収することができる。
(1)微細セルロース(一態様において微細セルロース繊維)の水分散体(スラリー)と熱可塑性樹脂粒子(一態様においてセルロース誘導体粉末)とを混合し、次いで任意に乾燥(すなわち粉末化)して、複合粒子を回収する方法。
(2)微細セルロース(一態様において微細セルロース繊維)の有機溶媒分散体中に熱可塑性樹脂を添加して、微細セルロースが分散し、かつ、熱可塑性樹脂(一態様においてセルロース誘導体)が溶解している有機溶媒分散体(微細セルロース/樹脂分散体)を得る工程、
この有機溶媒分散体を熱可塑性樹脂(一態様においてセルロース誘導体)の貧溶媒と混合し、熱可塑性樹脂を析出(すなわち微細セルロースと熱可塑性樹脂とを含む複合粒子を析出)させることによって複合粒子分散体を得る工程、
任意に、複合粒子分散体の有機溶媒を水に置換する精製工程、及び
任意に、ろ過、遠心分離等による複合粒子の分離回収、純水での洗浄、及び/又は乾燥を行う工程、
を含む方法。
(3)微細セルロース(一態様において微細セルロース繊維)の製造過程において熱可塑性樹脂(一態様においてセルロース誘導体)を添加し溶解させた後、微細セルロース製造終了後に、上記(2)の方法と同様に析出工程以降を行う方法。
中でも、前述の非プロトン性溶媒は微細セルロース製造においても優れている。非プロトン性溶媒を用いて、微細セルロース製造と複合粒子製造とを連続的に実施することは、プロセス効率の点で好ましい。特に、熱可塑性樹脂がセルロース誘導体である場合には、DMSOを用いることが、セルロース原料の膨潤性に極めて優れ、かつ、セルロース誘導体の溶解性にも優れる点で好ましい。
本発明の一態様は、前述の複合粒子と、ベース樹脂とを含む樹脂組成物(樹脂コンポジット)を提供する。ベース樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、ゴム等を用いることができる。典型的な態様においては、樹脂組成物中で複合粒子由来の熱可塑性樹脂がベース樹脂とともに(好ましくは当該熱可塑性樹脂とベース樹脂とが混和して)マトリクスを形成し、当該マトリクス中に微細セルロースが良好に微分散している。ベース樹脂が熱可塑性樹脂である場合の一態様において、ベース樹脂は、複合粒子に含まれる熱可塑性樹脂とは異なる樹脂である。なお本開示で「異なる樹脂」とは樹脂の成分組成及び/又は分子構造(例えば分子量)が異なる樹脂を意味する。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂の具体例としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール等のビニル系樹脂;ポリアセタール系樹脂;ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-イソプレンブロック共重合体等のポリスチレン系樹脂;ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂等のニトリル系樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリアミド;ポリウレタン;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸等のアクリル樹脂;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド;ポリスルフォン;ポリエーテルスルフォン;ポリエーテルニトリル;ポリエーテルケトン;ポリケトン;液晶ポリマー;シリコーン樹脂;アイオノマー;セルロース(木材パルプ、綿等の天然セルロース;ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン及びテンセル等の再生セルロース);ニトロセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよく、2種類以上をブレンドして用いてもよい。ブレンドする場合のブレンド比は各種用途に応じて適宜選択されればよい。
これらの詳細は、例えば、Polymer Process Engineering(Prentice-Hall,Inc 1994)の291ページ~294ページ等に記載されている。
このとき濃度の異なるいくつかの測定溶媒の点数は、少なくとも4点とすることが精度の観点より望ましい。このとき、推奨される異なる粘度測定溶液の濃度は、好ましくは、0.05g/dL、0.1g/dL、0.2g/dL、0.4g/dLの少なくとも4点である。
熱硬化性樹脂の具体例としては、特に制限されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体、CTBN変性エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、フェニル-1,3-ジグリシジルエーテル、ビフェニル-4,4’-ジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、フェノキシ樹脂、尿素(ユリア)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環含有樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、ノルボルネン系樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリアゾメチン樹脂、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂は、単独で使用してもよく、2種類以上をブレンドして用いてもよい。ブレンドする場合のブレンド比は各種用途に応じて適宜選択されればよい。
光硬化性樹脂の具体例としては、特に制限されるものではないが、公知一般の(メタ)アクリレート樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、反応機構により、概ね光により発生したラジカルによりモノマーが反応するラジカル反応型と、モノマーがカチオン重合するカチオン反応型とに分類される。ラジカル反応型のモノマーには、(メタ)アクリレート化合物、ビニル化合物(例えばある種のビニルエーテル)等が該当する。カチオン反応型としては、エポキシ化合物、ある種のビニルエーテル等が該当する。なお、例えば、カチオン反応型として用いることができるエポキシ化合物は、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂の両者のモノマーとなり得る。
エラストマー(すなわちゴム)の具体例としては、特に制限されるものではないが、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、改質天然ゴム(エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム、脱タンパク天然ゴム等)、エチレン-プロピレン共重合体ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。これらのゴムは、単独で使用してもよく、2種類以上をブレンドして用いてもよい。ブレンドする場合のブレンド比は各種用途に応じて適宜選択されればよい。
本実施形態の樹脂組成物は、その性能を向上させるために、必要に応じて添加剤をさらに含んでも良い。添加剤としては特に限定されないが、例えば、分散安定剤;微細セルロース以外の高耐熱性の有機ポリマーからなる微細繊維フィラー成分(例えば、アラミド繊維のフィブリル化繊維又は微細繊維);相溶化剤;可塑剤;でんぷん類、アルギン酸等の多糖類;ゼラチン、ニカワ、カゼイン等の天然たんぱく質;ゼオライト、セラミックス、タルク、シリカ、金属酸化物、金属粉末等の無機化合物;着色剤;香料;顔料;流動調整剤;レベリング剤;導電剤;帯電防止剤;紫外線吸収剤;紫外線分散剤;消臭剤等が挙げられる。任意の添加剤の樹脂組成物中の含有割合は、本発明の所望の効果が損なわれない範囲で適宜選択されるが、例えば0.01~50質量%、又は0.1~30質量%であってよい。
好ましい態様においては、微細セルロースを樹脂組成物中で安定に分散させる機能を有する分散安定剤を用いてもよい。分散安定剤は、樹脂組成物中での微細セルロースの分散状態を向上、制御することによって、樹脂組成物の力学物性を向上させることができる。分散安定剤は、界面活性剤、沸点160℃以上の有機化合物、及び微細セルロースを高度に分散可能な化学構造を有する樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることができる。
界面活性剤は、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、及び陽イオン系界面活性剤のいずれも使用することができるが、セルロースとの親和性の点で、陰イオン系界面活性剤、及び非イオン系界面活性剤が好ましく、非イオン系界面活性剤がより好ましい。
これらの中でも、特にロジンエステル型、及び硬化ひまし油型がより好ましい。
引張破断強度が、好ましくは1.03以上、より好ましくは1.05以上、さらに好ましくは1.10以上、最も好ましくは1.15以上であり、及び/又は
引張破断伸度が、好ましくは1.05以上、より好ましくは1.10以上、さらに好ましくは1.20以上、最も好ましくは1.30以上であり、及び/又は
曲げ弾性率が、好ましくは1.03以上、より好ましくは1.05以上、さらに好ましくは1.10以上、最も好ましくは1.15以上であり、及び/又は
線膨張係数が、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.80以下、最も好ましくは0.75以下である。
なお、貯蔵弾性率変化は下記式に従って算出される。
貯蔵弾性率変化=低温の貯蔵弾性率/高温の貯蔵弾性率
例えば、ポリアミド6については低温/高温の温度は0℃/150℃とし、ポリプロピレンについては-50℃/100℃とする。一般に貯蔵弾性率は高温になるほど小さくなるため、貯蔵弾性率変化は1以上となる。この値が1に近いほど、高温での貯蔵弾性率変化が小さく、耐熱性が高い(高温での剛性が高い)といえる。
CV=(σ/μ)×100
ここで、μとσは、下式により与えられる。
引張破断強度の変動係数CVを算出する際のサンプル数(n)は、樹脂組成物の欠陥を見つけやすくするため、少なくとも10以上であることが望ましい。より望ましくは15以上である。
線膨張係数の変動係数を算出する際のサンプル数(n)は、データの誤差等による影響を少なくするため、少なくとも10以上であることが望ましい。
一態様において、樹脂組成物は、複合粒子とベース樹脂とを混合し、熱溶融混練、熱硬化、光硬化、加硫等を行うことにより製造できる。更に、その樹脂組成物を成形することにより成形体を製造できる。なお、複合粒子を樹脂組成物製造において添加する際の形態は、特に限定されず、乾燥粉体だけでなく水を含むスラリー状であっても良い。水を含むスラリーは、上述した複合粒子の製造方法の乾燥過程の途中で乾燥を中止する方法、一度乾燥させた後、水を添加する方法等によって調製できる。
別の一態様において、樹脂組成物の製造方法は、複合粒子を熱硬化性樹脂と混合し、次いで成形し、次いで熱硬化処理を行う工程、又は複合粒子を光硬化性樹脂と混合し、次いで成形し、次いで光硬化処理を行う工程、を含む。
別の一態様において、樹脂組成物の製造方法は、複合粒子をゴムと混合し、次いで成形し、次いで加硫を行う工程を含む。
1.単軸又は二軸押出機を用いて、複合粒子(乾燥粉末又は水分散体)と熱可塑性樹脂との混合物を溶融混練した後、
(1)ストランド状に押出し、水浴中で冷却固化させ、樹脂組成物のペレット状成形体を得る方法、
(2)棒状又は筒状に押出し冷却して、樹脂組成物の押出成形体を得る方法、若しくは
(3)Tダイより押出し、樹脂組成物のシート状又はフィルム状成形体を得る方法、又は
2.複合粒子(乾燥粉末又は水分散体)と熱可塑性樹脂モノマーとを混合し、重合反応(具体的には固相重合、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合等)を行い、得られた生成物を、上記(1)~(3)のいずれかの方法で押出して、樹脂組成物の成形体を得る方法、
3.ベース樹脂モノマー、微細セルロース、セルロース誘導体の水分散液を混合し、重合反応を行い、得られた生成物を、上記(1)~(3)のいずれかの方法で押出して、樹脂組成物の成形体を得る方法、
等が挙げられる。
1.ベース樹脂、微細セルロース乾燥体、セルロース誘導体粉末、必要により分散剤を所望の比率で混合した後、一括溶融混練する方法、
2.ベース樹脂、微細セルロース水スラリー、セルロース誘導体粉末、必要により分散剤を所望の比率で混合した後、一括で溶融混練する方法、
3.微細セルロースとセルロース誘導体の複合体を予め作製した後、ベース樹脂及び必要により分散剤を所望の比率で混合した後、一括で溶融混練する方法、
4.ベース樹脂及び必要により分散剤を溶融混練した後、所望の比率で混合された微細セルロース乾燥体及びセルロース誘導体粉末を添加して、更に溶融混練する方法、
5.ベース樹脂及び必要により分散剤を溶融混練した後、所望の比率で混合された微細セルロース水スラリー及びセルロース誘導体粉末を添加して、更に溶融混練する方法、
6.ベース樹脂及び必要により分散剤を溶融混練した後、予め作製した微細セルロースとセルロース誘導体の複合体を所望の比率で添加して、更に溶融混練する方法、
等が挙げられる。
(A)熱可塑性樹脂前駆体を不織布に含浸させて、該前駆体を重合させる方法。
(B)熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂前駆体を含む溶液を不織布に含浸又は塗布した後、乾燥し、加熱プレス等で密着させ、必要に応じて熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂前駆体を重合硬化させる方法。
(C)熱可塑性樹脂の溶融体を不織布に含浸し、加熱プレス等で密着させる方法。
(D)熱可塑性樹脂シートと不織布とを交互に配置し、加熱プレス等で密着させる方法。
ベース樹脂としての熱可塑性樹脂、及び
本開示の複合粒子(例えば、微細セルロースとセルロース誘導体とで構成された複合粒子)、
を含む樹脂組成物の製造方法であって、
押出機において熱可塑性樹脂を溶融混練する第1の工程と、
第1の工程の溶融された樹脂に該複合粒子を添加する第2の工程と、
を含む方法を提供する。本開示において、複合粒子が「微細セルロースとセルロース誘導体とで構成され」とは、複合粒子が、微細セルロース及びセルロース誘導体を主成分として(すなわち、微細セルロースとセルロース誘導体との合計量が複合粒子100質量%に対して50質量%超となるように)含むことを意味し、添加剤等の第三成分を含むことを排除しない。
本実施形態の樹脂組成物から得られる成形体は、用途によってどのような形状であってもよく、三次元の立体形状でも、シート状、フィルム状又は繊維状でも構わない。例えば、成形体の一部(例えば数箇所)を加熱処理する事により溶融させ、例えば樹脂又は金属の基板に接着して用いても構わない。成形体は、樹脂又は金属の基板に塗布された塗膜であってもよく、基板との積層体を形成してもよい。また、シート状、フィルム状又は繊維状の成形体につき、アニール処理、エッチング処理、コロナ処理、プラズマ処理、シボ転写、切削、表面研磨等の二次加工を行っても構わない。
これらの中でも、既存の樹脂組成物と比べて高耐熱化、軽量化されることで優位性を発揮できるのは、樹脂成形が必要な自動車用部材である。特に高温環境下で使用されるエンジン周辺の部材であるギア、エンジンカバー、ラジエータータンク、インテークマニホールド等に有用である。高温環境下での剛性が低い場合、ギアのような複雑な構造において歯の噛み合わせのズレ又は欠損の発生、エンジンカバー、ラジエータータンク、インテークマニホールド等の容器において他の部材との接合部の破損や変形がある。したがって、高温剛性に優れる本実施形態の樹脂組成物は高温環境下で使用される部材に最適である。また、本実施形態の樹脂組成物は、微細セルロースが良好に分散していることで、高耐熱、軽量及び高強度である上に、低線膨張であり、更に表面性状及び摺動特性にも優れることから、特に、クーリングファン、キャニスター、ロッカーカバー、オーナメントカバー、ラジエタードレンキャップ、ラジエターファン、シリンダーヘッドカバー、オイルパン、オイルリザーバータンク、ガソリンタンク、ケーブルライナー、ファスナークリップ、エンジンマウント、エンジンファン、スパークプラグカバー、スパークプラグキャップ、ジャンクションブロック、リレーブロック、コネクター、ブレーキ配管、燃料配管用チューブ、廃ガス系統部品吸気系部品、排気系部品等の部材に適している。
<態様A>
[1] 微細セルロースと熱可塑性樹脂とを含む複合粒子であって、
前記複合粒子中の微細セルロースの比率が10質量%以上95質量%以下であり、
分散液中の微細セルロース濃度が1質量%となるように前記複合粒子をDMSO中に分散させて得た分散液の、液温25℃及び剪断速度10s-1における粘度η10が、10mPa・s以上である、複合粒子。
[2] 前記分散液の、液温25℃における、剪断速度100s-1での粘度η100に対する剪断速度10s-1での粘度η10の比η10/η100であるチキソトロピーインデックス(TI)が、2以上である、上記態様1に記載の複合粒子。
[3] メジアン粒径が1μm以上5000μm以下である、上記態様1又は2に記載の複合粒子。
[4] 前記熱可塑性樹脂がDMSOに可溶である、上記態様1~3のいずれかに記載の複合粒子。
[5] 前記熱可塑性樹脂がセルロース誘導体である、上記態様4に記載の複合粒子。
[6] 前記微細セルロースが、比表面積相当径2nm以上1000nm未満を有する、上記態様1~5のいずれかに記載の複合粒子。
[7] 前記微細セルロースの一部が化学修飾されており、かつ前記微細セルロースがI型結晶構造を有する、上記態様1~6のいずれかに記載の複合粒子。
[8] 前記化学修飾がアセチル化である、上記態様7に記載の複合粒子。
[9] 上記態様1~8のいずれかに記載の複合粒子の製造方法であって、
微細セルロースの水分散体と熱可塑性樹脂の粒子とを混合し、次いで乾燥させて、複合粒子を回収する、粉末化工程を含む、方法。
[10] 前記微細セルロースの水分散体を、
有機溶媒中でセルロースの解繊処理を行って微細セルロース分散体を得る解繊工程、及び
前記微細セルロース分散体中の有機溶媒を水に置換する精製工程、
によって調製する、上記態様9に記載の製造方法。
[11] 前記解繊工程と同時に、又は前記解繊工程の後かつ前記精製工程の前に、微細セルロースの化学修飾を行う化学修飾工程を更に含む、上記態様10に記載の方法。
[12] 上記態様1~8のいずれかに記載の複合粒子の製造方法であって、
微細セルロースの有機溶媒分散体中に熱可塑性樹脂を添加して、有機溶媒中に微細セルロースが分散しかつ熱可塑性樹脂が溶解している微細セルロース/樹脂分散体を得る微細セルロース/樹脂分散体調製工程、
前記微細セルロース/樹脂分散体を前記熱可塑性樹脂の貧溶媒と混合し、微細セルロースと熱可塑性樹脂とを含む複合粒子を析出させることによって、複合粒子分散体を得る析出工程、
前記複合粒子分散体中の前記有機溶媒を水に置換して水分散体を得る精製工程、及び
前記水分散体を乾燥させて複合粒子を回収する粉末化工程、
を含む、方法。
[13] 前記微細セルロースの有機溶媒分散体を、有機溶媒中でセルロースを解繊処理する解繊工程によって調製する、上記態様12に記載の複合粒子の製造方法。
[14] 前記解繊工程と同時又は前記解繊工程の後に、微細セルロースの化学修飾を行う化学修飾工程を更に含む、上記態様13に記載の方法。
[15] 上記態様1~8のいずれかに記載の複合粒子とベース樹脂とを含む、樹脂組成物。
[16] 前記ベース樹脂が、熱可塑性樹脂である、上記態様15に記載の樹脂組成物。
[17] 前記ベース樹脂が、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂である、上記態様15に記載の樹脂組成物。
[18] 前記ベース樹脂が、ゴムである、上記態様15に記載の樹脂組成物。
[19] 上記態様16に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
複合粒子を、乾燥粉末又は水分散体の形態で、熱可塑性樹脂と溶融混練成型機の内部で混練し、次いで成形する工程を含む、方法。
[20] 上記態様17に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
複合粒子を熱硬化性樹脂と混合し、次いで成形し、次いで熱硬化処理を行う工程、又は
複合粒子を光硬化性樹脂と混合し、次いで成形し、次いで光硬化処理を行う工程、
を含む、方法。
[21] 上記態様18に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
複合粒子をゴムと混合し、次いで成形し、次いで加硫を行う工程を含む、方法。
[1] 熱可塑性樹脂、
前記熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1~40質量部の、繊維径が2nm以上1μm未満である微細セルロース繊維、及び
前記微細セルロース繊維100質量部に対して1質量部~500質量部の、セルロース誘導体、
を含む、樹脂組成物。
[2] 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂及びこれらのいずれか2種以上の混合物からなる群より選択される、上記態様1に記載の樹脂組成物。
[3] 前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンであり、該ポリプロピレンのISO1133に準拠して230℃で測定されたメルトマスフローレイト(MFR)が、3g/10分以上30g/10分以下である、上記態様1に記載の樹脂組成物。
[4] 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂であり、該ポリアミド系樹脂の全末端基に対するカルボキシル末端基比率([COOH]/[全末端基])が、0.30~0.95である、上記態様1に記載の樹脂組成物。
[5] 前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂であり、該ポリエステル系樹脂の全末端基に対するカルボキシル末端基比率([COOH]/[全末端基])が、0.30~0.95である、上記態様1に記載の樹脂組成物。
[6] 前記熱可塑性樹脂が、ポリアセタール系樹脂であり、該ポリアセタール系樹脂が、0.01~4モル%のコモノマー由来構造を含有するコポリアセタールである、上記態様1に記載の樹脂組成物。
[7] 前記セルロース誘導体が、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、及びセルロースアセテートブチレートからなる群より選択される少なくとも1種である、上記態様1~6のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] 前記微細セルロース繊維の繊維径が500nm以下である、上記態様1~7のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] 前記微細セルロース繊維の結晶化度が50%以上である、上記態様1~8のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 前記微細セルロース繊維が化学修飾微細セルロース繊維である、上記態様1~9のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] 前記化学修飾微細セルロース繊維がエステル化微細セルロース繊維である、上記態様10に記載の樹脂組成物。
[12] セルロースウィスカーを、前記微細セルロース繊維100質量部に対して10~500質量部の量で更に含む、上記態様1~11のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13] 前記樹脂組成物の引張破断強度の変動係数(標準偏差/算術平均値)が、15%以下である、上記態様1~12のいずれかに記載の樹脂組成物。
[14] 前記樹脂組成物の引張降伏強度が、前記熱可塑性樹脂の引張降伏強度の1.05倍以上である、上記態様1~13のいずれかに記載の樹脂組成物。
[15] 前記樹脂組成物の0℃~60℃の範囲での線膨張係数が80ppm/k以下である、上記態様1~14のいずれかに記載の樹脂組成物。
[16] 上記態様1~15のいずれかに記載の樹脂組成物より形成される、樹脂ペレット。
[17] 上記態様1~15のいずれかに記載の樹脂組成物より形成される、樹脂成形体。
[1] 熱可塑性樹脂と、
微細セルロースとセルロース誘導体で構成された複合粒子と、
を含む樹脂組成物の製造方法であって、
押出機において前記熱可塑性樹脂を溶融混練する第1の工程と、
第1の工程の溶融された樹脂に前記複合粒子を添加する第2の工程と、
を含む、製造方法。
[2] 前記第1の工程は、押出機が備えるシリンダー内の溶融混練ゾーンで行われ、
前記第2の工程は、前記シリンダーに設けられた添加口から前記複合粒子を供給することにより行われる、上記態様1に記載の製造方法。
[3] 前記添加口は、前記溶融混練ゾーンよりも下流に配置される、上記態様2に記載の製造方法。
[4] 前記シリンダーの全長(L1)に対し、前記シリンダーの出口から前記添加口までの長さ(L2)が1/2以下である、上記態様2又は3に記載の製造方法。
[5] 前記添加口よりも下流側のシリンダー内に、前記複合粒子を前記熱可塑性樹脂中で混練分散させるための反時計回りスクリューが1箇所以上設けられている、上記態様2~4のいずれかに記載の製造方法。
[6] 前記複合粒子を構成する微細セルロースは化学修飾されている、上記態様1~5のいずれかに記載の製造方法。
[7] 前記微細セルロースの化学修飾は、アセチル化である、上記態様6に記載の製造方法。
[8] 前記樹脂組成物は、前記微細セルロースを、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し1質量部以上10質量部以下の割合で含む、上記態様1~7のいずれかに記載の製造方法。
[9] 前記微細セルロースは、長さ/径比率(L/D比)が15未満のセルロースウィスカーと、L/D比が150以上のセルロースファイバーとを含む、上記態様1~8のいずれかに記載の製造方法。
[10] 前記熱可塑性樹脂の融点が220℃以上である、上記態様1~9のいずれかに記載の製造方法。
以下に、使用した原料について説明する。
ポリアミド
ポリアミド6(以下、単にPA6と称す。)
宇部興産株式会社より入手可能な「UBEナイロン 1013B」
カルボキシル末端基比率が、([COOH]/[全末端基])=0.6
ポリプロピレン
ホモポリプロピレン(以下、単にPPと称す)
プライムポリマーから入手可能な「プライムポリプロ J105B」
ISO1133に準拠230℃測定MFR=9.0g/10分
マレイン酸変性ポリプロピレン(以下、単にMPPと称す)
三洋化成工業株式会社から入手可能な「ユーメックス1001」
ISO1133に準拠して230℃で測定されたMFR=230g/10分
[セルロース誘導体]
セルロースアセテートブチレート CAB0.1(イーストマンケミカル社製、製品名CAB381-0.1、分子量20000、エステル化度:ブチル基37wt%、アセチル基13wt%、ヒドロキシ基1.5wt%)
セルロースアセテートブチレート CAB20(イーストマンケミカル社製、製品名CAB381-20、分子量70000、エステル化度:ブチル基37wt%、アセチル基13.5wt%、ヒドロキシ基1.5wt%)
セルロースアセテートプロピオネート CAP20(イーストマンケミカル社製、製品名CAP482-20、エステル化度:プロピオニル基48wt%、アセチル基1.3wt%、ヒドロキシ基1.7wt%)
[ポリアミド]
ポリアミド6パウダーPA6(メタルカラー社製、製品名SNP-613NS)
<微細セルロースの製造>
複合粒子、及び微細セルロースのみの単独粒子のそれぞれの製造で用いる微細セルローススラリーを、下記製造例A~E2の方法で表1の組成に従って製造した。
市販DPパルプ(平均重合度1600)を裁断し、10質量%塩酸水溶液中で、105℃で30分間加水分解した。得られた酸不溶解残さを濾過、洗浄、pH調整し、固形分濃度14質量%、pH6.5の結晶セルロース分散体を調製した。この結晶セルロース分散体を噴霧乾燥し、結晶セルロースの乾燥物を得た。次に、供給量を10kg/hrとして、気流型粉砕機(STJ-400型、セイシン企業社製)に上記で得た乾燥物を供給して粉砕し、結晶セルロース微粉末としてセルロースウィスカーを得た。得られたセルロースウィスカーの特性を後述の方法で評価した。結果を下記に示す。
L/D=1.6
平均径=200nm
結晶化度=78%
重合度=200
コットンリンターパルプ3質量部を水27質量部に浸漬させてオートクレーブ内で130℃、4時間の熱処理を行った。得られた膨潤パルプは水洗し、水を含む精製パルプ(30質量部)を得た。つづいて、水を含む精製パルプ30質量部に水を170質量部入れて水中に分散させて(固形分率1.5質量%)、ディスクリファイナー装置として相川鉄工(株)製SDR14型ラボリファイナー(加圧型DISK式)を用い、ディスク間のクリアランスを1mmで該水分散体を20分間叩解処理した。それに引き続き、クリアランスをほとんどゼロに近いレベルにまで低減させた条件下で徹底的に叩解を行い、叩解水分散体(固形分濃度:1.5質量%)を得た。得られた叩解水分散体を、そのまま高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社(伊)製NSO15H)を用いて操作圧力100MPa下で15回の微細化処理し、微細セルローススラリー(固形分濃度:1.5質量%)を得た。そして、脱水機により固形分率10質量%まで濃縮し、スラリーA(水溶媒)30質量部を得た。
コットンリンターパルプ1質量部を、一軸撹拌機(アイメックス社製 DKV-1 φ125mmディゾルバー)を用いジメチルスルホキサイド(DMSO)30質量部中で500rpmにて1時間、常温で攪拌した。続いて、ホースポンプでビーズミル(アイメックス社製 NVM-1.5)にフィードし、DMSOのみで180分間循環運転させ、固形分率3.2質量%のスラリーB1(DMSO溶媒)を31質量部得た。
循環運転の際、ビーズミルの回転数は2500rpm、周速12m/sとし、用いたビーズはジルコニア製で、φ2.0mm、充填率70%とした(ビーズミルのスリット隙間は0.6mmとした)。また、循環運転の際は、摩擦による発熱を吸収するためにチラーによりスラリー温度を40℃に温度管理した。
スラリーB1に純水30質量部を加えて十分に撹拌した後、脱水機に入れて濃縮した。得られたウェットケーキを再度30質量部の純水に分散、撹拌、濃縮する洗浄操作を合計5回繰り返すことで、未反応試薬溶媒等を除去し、固形分率10質量%のスラリーB2(水溶媒)を10質量部得た。
スラリーB1を防爆型ディスパーザータンクに投入した後、酢酸ビニル3.2質量部、炭酸水素ナトリウム0.49質量部を加え、タンク内温度を70℃とし、120分間撹拌を行い、固形分率2.9質量%のスラリーC1(DMSO溶媒)を35質量部を得た。
スラリーC1に純水30質量部を加えて十分に撹拌した後、脱水機に入れて濃縮した。得られたウェットケーキを再度30質量部の純水に分散、撹拌、濃縮する洗浄操作を合計5回繰り返すことで、未反応試薬溶媒等を除去し、固形分率10質量%のスラリーC2(水溶媒)を10質量部得た。
セルロース原料をリンターパルプ0.6質量部及びCNC0.4質量部に変更した以外は製造例B1と同様の手法で微細セルロースDMSOスラリーを得た。つづいて、製造例C1と同様の手法で微細セルロースのアセチル化を行い、固形分率2.9質量%のスラリーD1(DMSO溶媒)を35質量部得た。
スラリーD1に純水30質量部を加えて十分に撹拌した後、脱水機に入れて濃縮した。得られたウェットケーキを再度30質量部の純水に分散、撹拌、濃縮する洗浄操作を合計5回繰り返すことで、未反応試薬溶媒等を除去し、固形分率10質量%のスラリーD2(水溶媒)を10質量部得た。
セルロース原料を針葉樹晒クラフトパルプNBKP1質量部に変更したとともに、ビーズミル処理直前に酢酸ビニル3.2質量部、炭酸水素ナトリウム0.49質量部を加え、40℃、180分間循環運転を行った以外は製造例B1と同様の手法で処理を行い、固形分率2.9質量%のスラリーE1(DMSO溶媒)を35質量部得た(微細セルロースは1質量部)。
スラリーE1に純水30質量部を加えて十分に撹拌した後、脱水機に入れて濃縮した。得られたウェットケーキを再度30質量部の純水に分散、撹拌、濃縮する洗浄操作を合計5回繰り返すことで、未反応試薬溶媒等を除去し、固形分率10質量%のスラリーE2(水溶媒)を10質量部得た。
実施例A1~A9、比較例A1~A8で用いる複合粒子及び微細セルロースのみの単独粒子は、下記製造例V~Zの方法で表2の組成に従って製造した。
スラリーB1,C1,D1,E1について、全量防爆型ディスパーザータンクに各々を投入した後、セルロース誘導体粉末を加え、10分間、回転数100rpm、常温で撹拌しセルロース誘導体を完全に溶解させた。続いて、別の防爆型ディスパーザータンクに入れた純水30質量部を200rpmで撹拌しながら、該スラリーを1L/minの速度で全量滴下し、滴下終了後も10分間続けて撹拌し、セルロース誘導体を析出させた(析出工程)。得られた水分散体から脱水機により液体分を取り除いた。この後、純水30質量部を加えて十分に撹拌した後、脱水機に入れて濃縮した。得られたウェットケーキを再度30質量部の純水に分散、撹拌、濃縮する洗浄操作を合計5回繰り返すことで、DMSOを除去し、水を含む複合粒子10質量部を製造した(固形分率10質量%)。
スラリーB1,C1,D1について、製造例Vで製造した水を含む複合粒子を全量プラネタリミキサー(ハイビスミックス2P-1)を用いて回転数50rpm、40℃、真空乾燥させることにより、乾燥複合粒子を得た。
スラリーC2についてナイロン6粉末を添加し、プラネタリミキサーを用いて回転数50rpm、室温、2hr混練した後、40℃、真空乾燥させることにより、乾燥複合粒子を得た。
スラリーB2、C2、D2、E2について熱可塑性樹脂粉末を一切添加せず、プラネタリミキサーを用いて回転数50rpm、40℃、真空乾燥させることにより、単独粒子を得た。
スラリーAについてセルロース誘導体粉末を添加し、プラネタリミキサーを用いて回転数50rpm、室温、2hr混練し、40℃、真空乾燥をして固形分率30質量%まで濃縮することで、水を含む複合粒子を製造した。
[測定サンプル作製]
製造例A、B1、C1、C2、D1、E1の微細セルロースの物性を表1に示す。これらの物性は製造例A、B1、C1、C2、D1、E1の水スラリー及び下記手法で作製された多孔質シートを用いて評価した。
まず、固形分濃度10質量%の微細セルロース濃縮スラリー又は化学修飾微細セルロース濃縮スラリー4gをtert-ブタノール96g中に分散させ、さらにホモジナイザー(IKA製、商品名「ウルトラタラックスT18」)で処理条件:回転数25,000rpm×5分間で凝集物が無い状態まで分散処理した(固形分濃度0.4質量%)。得られたtert-ブタノール分散液100gをろ紙(5C,アドバンテック,直径90mm)上で濾過した。ろ過で得られた湿紙はろ紙が貼りついた状態で、かつ、直径150mmろ紙2枚に挟んで、かつ、湿紙の周囲を300g程度の円筒状(内径110mm)の重りで抑えた状態で150℃、5min間加熱し、乾燥シートを得た。この時、このシートの透気抵抗度がシート目付10g/m2あたり100sec/100ml以下のものを多孔質シートとし、測定サンプルとして使用した。
23℃、50%RHの環境で1日静置したサンプルの目付W(g/m2)を測定した後、王研式透気抵抗試験機(旭精工(株)製、型式EG01)を用いて透気抵抗度R(sec/100ml)を測定した。この時、下記式に従い、10g/m2目付あたりの値を算出した。
目付10g/m2あたり透気抵抗度(sec/100ml)=R/W×10
製造例A、B1、C1、C2、D1、E1における水スラリー及びセルロースウィスカーをtert-ブタノールで0.01質量%まで希釈し、高剪断ホモジナイザー(IKA製、商品名「ウルトラタラックスT18」)を用い、処理条件:回転数25,000rpm×5分間で分散させ、マイカ上にキャスト、風乾したものを測定サンプルとし、高分解能走査型顕微鏡で計測して求めた。具体的には、100本の微細セルロースが観測されるように倍率が調整された観察視野にて、無作為に選んだ100本の微細セルロースの径及び長さを計測した。つづいて、得られた100個の径及び長さの平均値を微細セルロースの数平均径、数平均長とした。また、数平均径及び数平均長よりL/Dを算出した。
多孔質シートのX線回折測定を行い、下記式より結晶化度を算出した。
結晶化度(%)=[I(200)-I(amorphous)]/I(200)×100
I(200):セルロースI型結晶における200面(2θ=22.5°)による回折ピーク強度
I(amorphous):セルロースI型結晶におけるアモルファスによるハローピーク強度であって、200面の回折角度より4.5°低角度側(2θ=18.0°)のピーク強度
装置 MiniFlex(株式会社リガク製)
操作軸 2θ/θ
線源 CuKα
測定方法 連続式
電圧 40kV
電流 15mA
開始角度 2θ=5°
終了角度 2θ=30°
サンプリング幅 0.020°
スキャン速度 2.0°/min
サンプル:試料ホルダー上に多孔質シートを貼り付け
多孔質シートのATR-IR法による赤外分光スペクトルを、フーリエ変換赤外分光光度計(JASCO社製 FT/IR-6200)で測定した。赤外分光スペクトル測定は以下の条件で行った。
積算回数:64回、
波数分解能:4cm-1、
測定波数範囲:4000~600cm-1、
ATR結晶:ダイヤモンド、
入射角度:45°
得られたIRスペクトルよりIRインデックスを、下記式(1):
IRインデックス= H1730/H1030(1)
に従って算出した。式中、H1730およびH1030は1730cm-1、1030cm-1(セルロース骨格鎖C-O伸縮振動の吸収バンド)における吸光度である。ただし、それぞれ1900cm-1と1500cm-1を結ぶ線と800cm-1と1500cm-1を結ぶ線をベースラインとして、このベースラインを吸光度0とした時の吸光度を意味する。
そして、平均置換度(DS)をIRインデックスより下記式(2)に従って算出した。
DS=4.13×IRインデックス・・・(2)
[DMSO分散液粘度、チキソトロピーインデックス(TI)]
微細セルロースが1質量%となるように所定量の複合粒子をDMSO中に添加し、複合粒子を含むDMSO分散液100mlを調製した。つづいて、マグネチックスターラーで1200rpmの回転数で1時間以上撹拌した。液温が25℃であることを確認した後、撹拌中の分散液を一部分取し、レオメーター(TAインスツルメント社、製品名:ARES)にて二重円筒ジオメトリで粘度測定を直ちに行った。なお装置は事前に25℃に温調した。
測定条件として、100秒かけて剪断速度を100s-1から1s-1まで下降させた後、100秒かけて100s-1まで上昇させるサイクルを2回繰り返した。そして、最後に100s-1から1s-1まで100秒かけて下降させ、1sec毎に粘度データを取得した。そして、剪断速度10s-1、100s-1時の粘度をそれぞれη10、η100とした。
下記式に従い、チキソトロピーインデックスTIを算出した。
TI=η10/η100
複合粒子1質量%を含む水分散体200mlを調製した。つづいて、家庭用ミキサー(Panasonic社、ファイバーミキサーMX-X701)で1分間処理した。そして、レーザー回折式粒度分布測定装置(ベックマンコールター社、LSI3320)を用い、4回測定における平均値をメジアン粒径とした。
射出成形機を用いて、ISO294-3に準拠した多目的試験片を成形した。
ポリアミド系材料:JIS K6920-2に準拠した条件
ポリプロピレン系材料:JIS K6921-2に準拠した条件
樹脂組成物及びベース樹脂単独の各々について、ISO527に準拠して引張破断強度及び引張破断伸度、並びにISO179に準拠して曲げ弾性率を測定した。
なお、ポリアミド系材料は、吸湿による変化が起きるため、成形直後にアルミ防湿袋に保管し、吸湿を抑制した。
樹脂複合体又は樹脂を、3mm幅×25mm長に切断し、測定サンプルとした。SII製TMA6100型装置を用いて、引っ張りモードでチャック間10mm、荷重5g、窒素雰囲気下、室温から120℃まで5℃/min.で昇温した後、25℃まで5℃/min.で降温し、再び25℃から120℃まで5℃/min.で昇温した。この際、2度目の昇温時における30℃~100℃の間の平均の線熱膨張率を測定した。
樹脂複合体ペレットを射出成形機にてPA6については260℃、PPについては160℃で溶融し、JIS K7127規格のダンベル状試験片を作製した。貯蔵弾性率測定に用いた装置と測定条件は下記である。
装置:GABO社エプレクサー
測定モード:引張
周波数:10Hz
温度範囲:-130℃~150℃
昇温速度:3℃/分
測定雰囲気:窒素
貯蔵弾性率変化は、下記式に従って算出した。
貯蔵弾性率変化=低温の貯蔵弾性率/高温の貯蔵弾性率
PA6については低温/高温の温度は0℃/150℃とし、PPについては-50℃/100℃とした。一般に貯蔵弾性率は高温になるほど小さくなるため、貯蔵弾性率変化は1以上となる。この値が1に近いほど、高温での貯蔵弾性率変化が小さく、耐熱性(高温剛性)が優れる。
樹脂組成物の製造において、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM-26SS押出機(L/D=48、真空ベント付き))を用い、ポリアミド系材料は260℃、ポリプロピレン系材料は190℃にシリンダー温度を設定した。複合粒子及びベース樹脂が表3に記載の割合になるように混合して定量フィーダーより供給し、押出量15kg/時間、スクリュー回転数250rpmの条件で溶融混練、真空脱気後、ダイからストランド状に押出した。ストランドはストランドバスにて急冷し、ストランドカッターで切断しペレット形状の樹脂組成物を得た。
<微細セルロース繊維(以下、CNFと略すことがある)の製造>
[製造例A]
コットンリンターパルプ3質量部を水27質量部に浸漬させてオートクレーブ内で130℃、4時間の熱処理を行った。得られた膨潤パルプは水洗し、水を含む精製パルプ(30質量部)を得た。つづいて、水を含む精製パルプ30質量部に水を170質量部入れて水中に分散させて(固形分率1.5質量%)、ディスクリファイナー装置として相川鉄工(株)製SDR14型ラボリファイナー(加圧型DISK式)を用い、ディスク間のクリアランスを1mmで該水分散体を20分間叩解処理した。それに引き続き、クリアランスをほとんどゼロに近いレベルにまで低減させた条件下で徹底的に叩解を行い、叩解水分散体(固形分濃度:1.5質量%)を得た。得られた叩解水分散体を、そのまま高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社(伊)製NSO15H)を用いて操作圧力100MPa下で15回の微細化処理を実施し、微細セルローススラリー(固形分濃度:1.5質量%)を得た。そして、脱水機により固形分率10質量%まで濃縮し、スラリーa(水溶媒)30質量部を得た。
コットンリンターパルプ1質量部を、一軸撹拌機(アイメックス社製 DKV-1 φ125mmディゾルバー)を用いジメチルスルホキサイド(DMSO)30質量部中で500rpmにて1時間、常温で攪拌した。続いて、ホースポンプでビーズミル(アイメックス社製 NVM-1.5)にフィードし、DMSOのみで180分間循環運転させ、スラリーb1(DMSO溶媒)を31質量部得た。
循環運転の際、ビーズミルの回転数は2500rpm、周速12m/sとし、用いたビーズはジルコニア製で、Φ2.0mm、充填率70%とした(ビーズミルのスリット隙間は0.6mmとした)。また、循環運転の際は、摩擦による発熱を吸収するためにチラーによりスラリー温度を40℃に温度管理した。
スラリーb1に純水30質量部を加えて十分に撹拌した後、脱水機に入れて濃縮した。得られたウェットケーキを再度30質量部の純水に分散、撹拌、濃縮する洗浄操作を合計5回繰り返すことで、未反応試薬溶媒等を除去し、固形分率10質量%のスラリーb2(水溶媒)を10質量部得た。
スラリーb1を防爆型ディスパーザータンクに投入した後、酢酸ビニル3.2質量部、炭酸水素ナトリウム0.49質量部を加え、タンク内温度を70℃とし、120分間撹拌を行い、スラリーc1(DMSO溶媒)を35質量部得た。
スラリーc1に純水30質量部を加えて十分に撹拌した後、脱水機に入れて濃縮した。得られたウェットケーキを再度30質量部の純水に分散、撹拌、濃縮する洗浄操作を合計5回繰り返すことで、未反応試薬溶媒等を除去し、固形分率10質量%のスラリーc2(水溶媒)を10質量部得た。
実施例B1~B23、比較例B1~B6で用いるセルロース誘導体複合体は、下記製造例W~Zの方法で表5の組成に従って製造した。
スラリーaに対し、セルロース誘導体粉末CAB又はCAPを加え、プラネタリミキサー(プライミクス社製、ハイビスミックス2P-1)を用いて10分間、回転数50rpm、常温で撹拌し、水を含む複合体W1~W5を製造した。
スラリーaに対し、プラネタリミキサーを用いて回転数50rpm、40℃、真空乾燥させることにより、微細セルロース繊維粉末W6を得た。
スラリーb2にセルロース誘導体粉末CABを加え、プラネタリミキサーを用いて10分間、回転数50rpm、常温で撹拌した後、さらに回転数50rpm、40℃、真空乾燥させることにより乾燥複合体X1を製造した。
スラリーb2についてプラネタリミキサーを用いて回転数50rpm、40℃、真空乾燥させることにより、化学修飾微細セルロース繊維粉末X2を得た。
スラリーb1について、全量を防爆型ディスパーザータンクに投入した後、セルロース誘導体粉末CAB又はCAPを加え、10分間、回転数100rpm、常温で撹拌しセルロース誘導体を完全に溶解させた。続いて、別の防爆型ディスパーザータンクに入れた純水30質量部を200rpmで撹拌しながら、該スラリーを1L/minの速度で全量滴下し、滴下終了後も10分間続けて撹拌し、セルロース誘導体を析出させた(析出工程)。得られた水分散体から脱水機により液体分を取り除いた。この後、純水30質量部を加えて十分に撹拌した後、脱水機に入れて濃縮した。得られたウェットケーキを再度30質量部の純水に分散、撹拌、濃縮する洗浄操作を合計5回繰り返すことで、DMSOを除去し、水を含む複合体Y10質量部(固形分率10質量%)を製造した。
使用するスラリーをスラリーc1にした以外は製造例Y-1と同様の方法で水を含む複合体を製造した後、プラネタリミキサーを用いて回転数50rpm、40℃、真空乾燥させることにより、乾燥複合体Z1~Z5を製造した。
製造例Z-1~Z-5と同様に水を含む複合体を製造した後、セルロースウィスカー粉末を添加した上でプラネタリミキサーを用いて回転数50rpm、40℃、真空乾燥させることにより、セルロースウィスカーを含む乾燥複合体Z6を製造した。
スラリーc2についてプラネタリミキサーを用いて回転数50rpm、40℃、真空乾燥させることにより、化学修飾微細セルロース繊維粉末Z7を得た。
[測定サンプル作製]
固形分濃度10質量%の微細セルロース繊維又は化学修飾微細セルロース繊維濃縮スラリー4gを用い、実施例Aと同様の手順で測定サンプルを作製した。
実施例及び比較例中の微細セルロース繊維及び化学修飾微細セルロース繊維の物性を表4に示す。これらの物性は製造例A、B2,C2の水スラリー、及び下記手法で作製された多孔質シートを用いて評価した。なお、製造例B1、C1で得られる微細セルロース繊維/化学修飾微細セルロース繊維は製造例B2、C2で得られるものと同等とみなした。
比表面積・細孔分布測定装置(Nova-4200e, カンタクローム・インスツルメンツ社製)にて、多孔質シート試料約0.2gを真空下で120℃、2時間乾燥を行った後、液体窒素の沸点における窒素ガスの吸着量を相対蒸気圧(P/P0)が0.05以上0.2以下の範囲にて5点測定した後(多点法)、同装置プログラムによりBET比表面積(m2/g)を算出した。そして比表面積より比表面積相当径を下記の式より算出し、微細セルロース繊維の繊維径Dとした。
D(nm)=2667/比表面積(m2/g)
実施例Aと同様の手順で評価した。
実施例Aと同様の手順で評価した。
多孔質シートの熱分析を以下の測定法にて評価した。
装置:Rigaku社製、Thermo plus EVO2
サンプル:多孔質シートから円形に切り抜いたものをアルミ試料パン中に10mg分重ねて入れた。
サンプル量:10mg
測定条件:窒素フロー100ml/min中で、室温から150℃まで昇温速度:10℃/minで昇温し、150℃で1時間保持した後、30℃になるまで冷却した。つづいて、そのまま30℃から450℃まで昇温速度:10℃/minで昇温した。
TD算出方法:横軸が温度、縦軸が重量残存率%のグラフから求めた。多孔質シートの150℃(水分がほぼ除去された状態)での重量(重量減少量0wt%)を起点としてさらに昇温を続け、1wt%重量減少時の温度と2wt%重量減少時の温度とを通る直線を得た。この直線と、重量減少量0wt%の起点を通る水平線(ベースライン)とが交わる点の温度を熱分解開始温度(TD)とした。
1wt%重量減少温度算出方法:前記Td算出時に用いた1wt%重量減少時の温度を1wt%重量減少温度とした。
装置:Rigaku社製、Thermo plus EVO2
サンプル:多孔質シートから円形に切り抜いたものをアルミ試料パン中に10mg分重ねて入れた。
サンプル量:10mg
測定条件:窒素フロー100ml/min中で、室温から150℃まで昇温速度:10℃/minで昇温し、150℃で1時間保持した後、150℃から250℃まで昇温速度:10℃/minで昇温し、そのまま250℃で2時間保持した。
250℃重量変化率算出方法:250℃に到達した時点での重量W0を起点として、2時間250℃で保持した後の重量をW1とし、下記式より求めた。
250℃重量変化率(%):(W1-W0)/W0×100
「第14改正日本薬局方」(廣川書店発行)の結晶セルロース確認試験(3)に規定される銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法により測定した。
多孔質シートを0.88g秤量し、ハサミで小片に切り刻んだ後、軽く攪拌したうえで、純水20mLを加え1日放置した。次に遠心分離によって水と固形分を分離した。続いてアセトン20mLを加え、軽く攪拌したうえで1日放置した。次に遠心分離によってアセトンと固形分を分離した。続いてN、N-ジメチルアセトアミド20mLを加え、軽く攪拌したうえで1日放置した。再度、遠心分離によってN、N-ジメチルアセトアミドと固形分を分離したのち、N,N-ジメチルアセトアミド20mLを加え、軽く攪拌したうえで1日放置した。遠心分離によってN,N-ジメチルアセトアミドと固形分を分離し、固形分に塩化リチウムが8質量パーセントになるように調液したN,N-ジメチルアセトアミド溶液を19.2g加え、スターラーで攪拌し、目視で溶解するのを確認した。セルロースを溶解させた溶液を0.45μmフィルターでろ過し、ろ液をゲルパーミエーションクロマトグラフィ用の試料として供した。用いた装置と測定条件は下記である。
装置 :東ソー社 HLC-8120
カラム:TSKgel SuperAWM-H(6.0mmI.D.×15cm)×2本
検出器:RI検出器
溶離液:N、N-ジメチルアセトアミド(塩化リチウム0.2%)
流速:0.6mL/分
検量線:プルラン換算
酸不溶成分の定量は、微細セルロース繊維原料について非特許文献(木質科学実験マニュアル、日本木材学会編、92~97頁、2000年)に記載のクラーソン法で行った。絶乾させた微細セルロース繊維の原料を精秤し、所定の容器に入れて72質量%濃硫酸を加え、内容物が均一になるようにガラス棒で適宜押した後、オートクレーブしてセルロース及びヘミセルロースを酸溶液中に溶解させた。放冷後に内容物をガラスファイバーろ紙で濾過し、酸不溶成分を残渣として得た。この酸不溶成分重量より酸不溶成分含有率を算出し、そして、3サンプルについて算出した酸不溶成分含有率の数平均を酸不溶成分平均含有率とした。
アルカリ可溶多糖類含有率は微細セルロース繊維の原料について非特許文献(木質科学実験マニュアル、日本木材学会編、92~97頁、2000年)に記載の手法より、ホロセルロース含有率(Wise法)からαセルロース含有率を差し引くことで求めた。1つのサンプルにつき3回アルカリ可溶多糖類含有率を算出し、算出したアルカリ可溶多糖類含有率の数平均を微細セルロース繊維のアルカリ可溶多糖類平均含有率とした。
[引張降伏強度上昇比]
射出成形機を用いて、ISO294-3に準拠した多目的試験片を成形した。
ポリプロピレン系材料に関しては、JIS K6921-2に準拠した条件で実施した。
ポリアミド系材料に関しては、JIS K6920-2に準拠した条件で実施した。
原料樹脂(すなわち熱可塑性樹脂単独)及び樹脂組成物(すなわち微細セルロース繊維含有樹脂組成物)の各々について、ISO527に準拠して引張降伏強度を測定し、微細セルロース繊維含有樹脂組成物の引張降伏強度を原料樹脂の引張降伏強度で除して、引張降伏強度上昇比を算出した。
なお、ポリアミド系材料は、吸湿による変化が起きるため、成形直後にアルミ防湿袋に保管し、吸湿を抑制した。
ISO294-3に準拠した多目的試験片を用いて、ISO527に準拠して引張破断強度をn数15でそれぞれ測定し、得られた各データをもとに下式に基づき変動係数(CV)を計算した。
CV=(σ/μ)×100
ここで、σは標準偏差、μは引張破断強度の算術平均を表す。
実施例Aと同様の手順で、測定前アニーリング及び測定を行った。
実際の成形体の寸法変化に即した評価方法として、成形片膨張率を測定した。
具体的には、流動性評価の際に成形したフル充填の成形片を用いて、23℃、50%RHの環境下で成形片長さ方向の寸法を測定したのち、試験片を60℃のオーブン中に入れ、30分後に取り出した直後の長さ方向の寸法を実測し、寸法変化率を計算した。測定はn=5で実施しその算術平均をもって、成形片膨張率とした。
実施例で得られたペレットを用いて、最大型締圧力4000トンの射出成形機のシリンダー温度を250℃に設定し、図6の概略図に示す形状を有するフェンダーを成形可能な所定の金型(キャビティー容積:約1400cm3、平均厚み:2mm、投影面積:約7000cm2、ゲート数:5点ゲート、ホットランナー:なお、図6中で、成形体のランナー位置を明確にするためにランナー(ホットランナー)の相対的な位置1を図示した。)を用い、金型温度を60℃に設定し、20枚のフェンダーを成形した。
フェンダーの欠陥率の測定で使用したフェンダーを用いて、図7の(1)から(10)の位置よりおおよそ約10mm角に切り出し、縦約10mm、横約10mm、厚さ2mmの10個の小平板試験片を採取した。なお、(1)~(3)は成形体ゲート付近、(4)~(7)は成形体の流動末端部、(8)~(10)は、成形体の中央部である。
得られた小平板試験片を、さらに精密カットソーにて縦4mm、横2mm、長さ4mmの測定用直方体サンプルに切り出した。この時の直方体サンプルの横部分がフェンダーの厚さ方向となる。
測定に先立ち、120℃環境下で5時間静置してアニーリングを実施して測定用サンプルを得た。得られたサンプルを、測定温度範囲-10℃~+80℃で、ISO11359-2に準拠して測定し、0℃~60℃の間での膨張係数を算出し、合計10個の測定結果を得た。この10個の測定データをもとに下式に基づき変動係数(CV)を計算した。
CV=(σ/μ)×100
ここで、σは標準偏差、μは引張破断強度の算術平均を表す。
微細セルロース繊維又は化学修飾微細セルロース繊維、セルロース誘導体、セルロースウィスカー、及びポリアミドが表6~表8に記載の割合になるように、ポリアミドとセルロース誘導体複合体、セルロースウィスカーを混合し、東芝機械(株)製のTEM48SS押出機で、スクリュー回転数350rpm、吐出量140kg/hrで溶融混練し、真空脱揮した後、ダイからストランド状に押出し、水浴で冷却し、ペレタイズした。ペレットは円柱状の形状で、直径が2.3mmで、長さが5mmであった。
これらを上述した評価方法に準拠して、評価した。
樹脂をポリプロピレン又は酸変性ポリプロピレンに変更した、或いは、セルロースウィスカーを添加した以外は表9に記載の組成で実施例B1の手法を用い、ペレットを得た。
<評価方法>
[セルロースファイバーの繊維径D、繊維長L/繊維径D]
セルロースファイバースラリーの一部を純水で洗浄を繰り返し、セルロースファイバー水スラリーを得る。セルロースファイバー水スラリーは、tert-ブタノールで0.01質量%まで希釈し、高剪断ホモジナイザー(IKA製、商品名「ウルトラタラックスT18」)を用い、処理条件:回転数25,000rpm×5分間で分散させ、マイカ上にキャスト、風乾したものを測定サンプルとし、高分解能走査型顕微鏡で計測して求める。具体的には、100本以上の微細セルロースが観測されるように倍率が調整された観察視野にて、無作為に選んだ100本の微細セルロースの径D、長Lを計測する。続いて、得られた100個の径Dの平均値を微細セルロースの数平均径とする。本実施例では、数平均径が20nm以上450nm未満である場合、後述するセルロースナノファイバー(CNF)と定義する。また、100本の微細セルロースのL/Dを算出し、その平均値を微細セルロースの平均L/Dとする。本実施例では、平均L/Dが30以上1000未満である場合、後述するセルロースナノファイバー(CNF)と定義する。セルロースファイバーの繊維径DおよびL/Dは、化学修飾されたセルロースファイバーの繊維径及びL/Dでも保存されており、セルロースファイバーを化学修飾する場合であっても、化学修飾前の微細セルロースを評価すればよい。
[態様1]
L/Dが60で、シリンダーブロック数が13個あり、シリンダー1を、メインスロートとし、シリンダー4(L/D=17の位置)、シリンダー8(L/D=35の位置)及びシリンダー10(L/D=45の位置)に押出側面より強制押し込み可能なフィーダーを設置可能なスクリュー直径が30mmの二軸押出機を用意し、シリンダー4(L/D=18の位置)に強制押し込み可能なフィーダーを設置し、シリンダー8(L/D=36の位置)及びシリンダー10(L/D=45の位置)は閉とする。また、シリンダー12にはシリンダー上部にベントポートを設置し減圧吸引できるようにし、真空吸引を実施する。
シリンダー8(L/D=35の位置)に強制押し込み可能なフィーダーを設置し、シリンダー4(L/D=17の位置)及びシリンダー10(L/D=45の位置)は閉とし、シリンダー8から複合粒子を供給した以外は、すべて態様1と同様に準備する。
シリンダー10(L/D=45の位置)に強制押し込み可能なフィーダーを設置し、シリンダー4(L/D=17の位置)及びシリンダー8(L/D=35の位置)は閉とし、シリンダー10から複合粒子を供給した以外は、すべて態様1と同様に準備する。
態様1の押出機のシリンダー4、8、10の押出側面より強制押し込み口を閉とし、スクリュー構成としては、シリンダー1~8までを搬送スクリューのみで構成される搬送ゾーンとし、シリンダー9に2個のNKDと1個のLKDをこの順に配する。続くシリンダー10は搬送ゾーンとし、シリンダー11に2個のNKD、引き続いての1個のLKDをこの順に配し、シリンダー12及び13は搬送ゾーンとする。また、シリンダー12にはシリンダー上部にベントポートを設置し減圧吸引できるようにし、真空吸引を実施する。可能なフィーダーを設置可能とした以外は、すべて、態様1と同様に準備する。
実施例Aと同じものを用いる。
コットンリンターパルプ1質量部を、一軸撹拌機(アイメックス社製 DKV-1 φ125mmディゾルバー)を用いジメチルスルホキサイド(DMSO)10~50質量部中で200~700rpmにて0.5~2時間、常温で攪拌する。続いて、ホースポンプでビーズミル(アイメックス社製 NVM-1.5)にフィードし、DMSOのみで1~3時間循環運転させ、微細セルロース繊維スラリーを得る。
得られた微細セルロース繊維スラリーをディスパーザータンクに投入した後、グルコースの水酸基を十分にアセチル化し得る質量比において酢酸ビニル(VA)、炭酸水素ナトリウムを加え、タンク内温度を30~60℃とし、60~180分間攪拌を行い、化学修飾された微細セルローススラリーを得る。なお、セルロースウィスカーを添加する場合は、この段階で投入し、同時にアセチル化を行う。以上の手順で、化学修飾された微細セルローススラリーを得る。
得られた化学修飾された微細セルローススラリーを、再度ディスパーザータンクに投入した後、セルロース誘導体粉末CAB又はCAPを所定量加え、常温で撹拌してセルロース誘導体を完全に溶解させる。続いて、別の防爆型ディスパーザータンクに入れた純水中に該スラリーを一定速度で全量滴下し、セルロース誘導体を析出させる(析出工程)。得られた析出分を純水で洗浄を繰り返すことにより複合粒子の水スラリーを得る。最後に、複合粒子水スラリーを、プラネタリーミキサー(ハイビスミックス2P-1)を用いて真空乾燥させることにより、乾燥複合粒子を得る。
[化学修飾微細セルロースの測定サンプル作製]
化学修飾微細セルローススラリーの一部を純水で洗浄を繰り返し、化学修飾微細セルロース水スラリーを得る。続いて、該水スラリーをtert-ブタノール中に分散させ(固形分率0.4質量%、水分率5質量%未満)、さらにホモジナイザーで凝集物が無い状態まで分散処理する。得られたtert-ブタノール分散液をろ紙(5C,アドバンテック,直径90mm)上で濾過し、得られた湿紙を加熱乾燥してシートを得る。シートの透気抵抗度がシート目付10g/m2当たり100sec/100ml以下のものを多孔質シートとし、測定サンプルとして使用する。
実施例Aと同様の手順で、多孔質シートのX線回折測定を行い結晶化度を算出する。結晶化度が55%以上ものは、フィラーとして良好な力学物性を発揮し得るため、本実施例では要件を満たすものと評価する。
微細セルロースの化学修飾の度合について、実施例Aと同様の手順で、多孔質シートのATR-IR法による赤外分光スペクトル測定及びIRインデックスの算出を行う。
DSが0.1以上1.6未満のものは、十分な化学修飾が行われており、本実施例では要件を満たすものと評価する。
実施例Aと同様の手順で測定する。粒径が1μm以上5000μm未満のものは樹脂との混練時にフィラーとして安定した挙動を示すため、本実施例では要件を満たすものと評価する。
実成形に近い流動性の指標として、最小充填圧力を測定する。
具体的には、型締圧力200トンの射出成形機に、フィルムゲートを幅方向に有する、長さ200mm、幅150mmで、厚みが平板中央部で3mmから1.5mmに変化する平板金型を取り付け、シリンダー温度と金型温度を以下のように設定し、試験片が充填するギリギリの圧力を測定する。この際、保圧切り替えは行わず、射出圧力、速度は1段のみとする。また、20ショット連続でフル充填で成形した後に、徐々に射出圧力を落としていき、未充填が生じる直前若しくは、ヒケが生じる直前の射出圧力を最小充填圧力とする。
ポリプロピレン系材料 210℃
ポリアミド系材料 260℃
金型温度
ポリプロピレン系材料 40℃
ポリアミド系材料 70℃
1.着色性
着色しやすさの指標として着色性を評価する。一般的に樹脂に着色する際は、一度白色にした後、所望の色に必要な染顔料を添加して調色する作業が行われる。白色へのしやすさは、着色性を大きく左右することとなる。ここでは所定量の酸化チタンを添加した際の白さを測定することにより着色性を評価する。
シリンダー温度/金型温度
ポリプロピレン系材料 210℃/40℃
ポリアミド系材料 260℃/70℃
平板のL*値 着色性
85以上 優
80以上85未満 良
75以上80未満 可
75未満 不良
流動性評価の際に成形したフル充填の成形片の外観を以下の指標で評価する。
点数 状況
5 成形片全面に光沢がある
4 成形片の流動末端部に光沢がない
3 成形片の薄肉部に光沢がない
2 成形片全面に光沢がなく、若干の変色が確認できる。
1 成形片全面に光沢がなく、かなりの変色が確認できる。
臭気は、官能試験を行い、以下の3段階で評価する。
A:臭気なし。
B:やや糖臭(甘いにおい)がある。
C:強い糖臭がある。
D:糖臭とともに、焦げ臭いにおいがある。
実施例Aと同様の手順で、測定前アニーリング及び測定を行う。
線膨張係数(ppm/K) 寸法安定性の度合い
30以下 優
40以下 良
50以下 可
50超 不良
実施例Bと同様の手順で、試料片の成形、測定、引張降伏強度上昇比の算出を行う。なお、ポリアミド系材料は、吸湿による変化が起きるため、成形直後にアルミ防湿袋に保管し、吸湿を抑制する。
引張降伏強度の上昇比 樹脂物性の向上の度合い
1.2以上 優
1.1以上 良
1.0以上 可
1.0未満 不良
実施例Bと同様の手順で、試験片の成形、測定、成形片膨張率の算出を行う。
成型片膨張率 膨張抑制の度合い
0.2%以下 優
0.3%以下 良
0.4%以下 可
0.4%超 不良
表10に各成分の組成比及び評価結果を示す。
実施例C1~C14において、アセチル化された微細セルロースは、繊維径D、繊維長L/繊維径Dが上述したセルロースナノファイバーの定義に入る(但し、実施例C13で使用したセルロースウィスカーは除く)。結晶化度および平均置換度(DS)は、上記要件を満たしている。また、セルロース誘導体との複合粒子のメジアン粒径もまた、上記要件を満たしている。
(1)~(10) 線膨張係数の変動係数を測定するための試験片を採取した位置
Claims (7)
- 数平均径が2nm以上1000nm未満である、セルロースファイバー及び/又はセルロースウィスカーを含む微細セルロース(但し、天然セルロース繊維にN-オキシル化合物を作用させることで得られるセルロースナノファイバー及びその誘導体を除く。)と、熱可塑性樹脂(但し、ポリメタクリル酸メチル及びポリ酢酸ビニルを除く。)とを含む、樹脂組成物分散用の複合粒子であって、
前記複合粒子中の微細セルロースの比率が50質量%以上95質量%以下であり、
分散液中の微細セルロース濃度が1質量%となるように前記複合粒子をジメチルスルホキシド中に分散させて得た分散液の、液温25℃及び剪断速度10s-1における粘度η10が、10mPa・s以上である、複合粒子。 - 数平均径が2nm以上1000nm未満である、セルロースファイバー及び/又はセルロースウィスカーを含む微細セルロース(但し、天然セルロース繊維にN-オキシル化合物を作用させることで得られるセルロースナノファイバー及びその誘導体を除く。)と、ジメチルスルホキシドに可溶である樹脂(但し、ポリメタクリル酸メチル及びポリ酢酸ビニルを除く。)とを含む、樹脂組成物分散用の複合粒子であって、
前記複合粒子中の微細セルロースの比率が50質量%以上95質量%以下であり、
分散液中の微細セルロース濃度が1質量%となるように前記複合粒子をジメチルスルホキシド中に分散させて得た分散液の、液温25℃及び剪断速度10s-1における粘度η10が、10mPa・s以上である、複合粒子。 - 樹脂組成物の製造方法であって、
数平均径が2nm以上1000nm未満である、セルロースファイバー及び/又はセルロースウィスカーを含む微細セルロース(但し、天然セルロース繊維にN-オキシル化合物を作用させることで得られるセルロースナノファイバー及びその誘導体を除く。)と、熱可塑性樹脂(但し、ポリメタクリル酸メチル及びポリ酢酸ビニルを除く。)とを含む複合粒子を形成する工程、及び
前記複合粒子と、前記複合粒子に含まれる熱可塑性樹脂とは異なる熱可塑性樹脂と、を混練する工程、
を含み、
前記複合粒子中の微細セルロースの比率が50質量%以上95質量%以下である、方法。 - 樹脂組成物の製造方法であって、
数平均径が2nm以上1000nm未満である、セルロースファイバー及び/又はセルロースウィスカーを含む微細セルロース(但し、天然セルロース繊維にN-オキシル化合物を作用させることで得られるセルロースナノファイバー及びその誘導体を除く。)と、ジメチルスルホキシドに可溶である樹脂(但し、ポリメタクリル酸メチル及びポリ酢酸ビニルを除く。)とを含む複合粒子を形成する工程、及び
前記複合粒子と、前記複合粒子に含まれる熱可塑性樹脂とは異なる熱可塑性樹脂と、を混練する工程、
を含み、
前記複合粒子中の微細セルロースの比率が50質量%以上95質量%以下である、方法。 - 樹脂組成物の製造方法であって、
数平均径が2nm以上1000nm未満である、セルロースファイバー及び/又はセルロースウィスカーを含む微細セルロース(但し、天然セルロース繊維にN-オキシル化合物を作用させることで得られるセルロースナノファイバー及びその誘導体を除く。)と、熱可塑性樹脂(但し、ポリメタクリル酸メチル及びポリ酢酸ビニルを除く。)とを含む複合粒子を形成する工程と、
押出機において熱可塑性樹脂を溶融混練する第1の工程と、
第1の工程の溶融された樹脂に前記複合粒子を添加する第2の工程と、
を含み、
前記複合粒子中の微細セルロースの比率が50質量%以上95質量%以下である、方法。 - 樹脂組成物の製造方法であって、
数平均径が2nm以上1000nm未満である、セルロースファイバー及び/又はセルロースウィスカーを含む微細セルロース(但し、天然セルロース繊維にN-オキシル化合物を作用させることで得られるセルロースナノファイバー及びその誘導体を除く。)と、ジメチルスルホキシドに可溶である樹脂(但し、ポリメタクリル酸メチル及びポリ酢酸ビニルを除く。)とを含む複合粒子を形成する工程と、
押出機において熱可塑性樹脂を溶融混練する第1の工程と、
第1の工程の溶融された樹脂に前記複合粒子を添加する第2の工程と、
を含み、
前記複合粒子中の微細セルロースの比率が50質量%以上95質量%以下である、方法。 - 分散液中の微細セルロース濃度が1質量%となるように前記複合粒子をジメチルスルホキシド中に分散させて得た分散液の、液温25℃及び剪断速度10s-1における粘度η10が、10mPa・s以上である、請求項3~6のいずれか一項に記載の方法。
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