詳細な説明
全体として、本発明の1つの局面は、癌細胞またはそれに由来するDNA(例えば、ゲノムDNA)におけるHRDを評価するための方法を特徴とする。いくつかの態様において、本方法は、(a)試料またはそれに由来するDNAにおいて、少なくとも1対のヒト染色体またはそれに由来するDNAにおけるCA領域を決定する段階;ならびに(b)前記CA領域の数、サイズ(例えば、長さ)、および/または特徴を決定する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。
本明細書で用いる場合、「染色体異常」または「CA」は、LOH、TAIまたはLSTという、重なり合う3つのカテゴリーのうち少なくとも1つに分類される、細胞の染色体DNAにおける体細胞変化のことを意味する。ヒトゲノム内の多型遺伝子座(例えば、一塩基多型(SNP))は個体の生殖細胞系では一般にヘテロ接合性であるが、これは個体が典型的には、生物学上の父親から1コピー、生物学上の母親から1コピーを受け取るためである。しかし、体細胞では、このヘテロ接合性は(突然変異を介して)ホモ接合性に変化する可能性がある。ヘテロ接合性からホモ接合性へのこの変化は、ヘテロ接合性消失(LOH)と呼ばれる。LOHは、いくつかの機序によって起こりうる。例えば、場合によっては、一方の染色体の遺伝子座が体細胞において欠失することがある。影響を受けた細胞のゲノム内に存在するその遺伝子座は(2コピーではなく)1コピーしかないため、他方の染色体(雄性の場合は非性染色体のもう一方)上に依然として存在する遺伝子座はLOHとなる。この種のLOHイベントはコピー数の減少をもたらす。また別の場合には、体細胞にある一方の染色体の遺伝子座(例えば、雄性の場合は非性染色体の一方)が、他方の染色体由来のその遺伝子座のコピーによって置き換えられ、それにより、置き換えられた遺伝子座内に存在していた可能性のある何らかのヘテロ接合性がなくなることもある。そのような場合には、各染色体に依然として存在する遺伝子座はLOH遺伝子座となり、それはコピーニュートラル(copy neutral)LOH遺伝子座と称することができる。LOH、およびHRDの決定におけるその使用は、国際出願第PCT/US2011/040953号(WO/2011/160063号として公開)に詳細に記載されており、それらの内容はすべて、参照により本明細書に組み入れられる。
LOHを範囲に含む、より幅広いクラスの染色体異常は、アレル不均衡である。アレル不均衡は、体細胞における特定遺伝子座での相対コピー数(すなわち、コピーの割合)が、生殖細胞系と異なる場合である。例えば、生殖細胞系がアレルAの1コピーおよびアレルBの1コピーを特定遺伝子座に有し、体細胞がAの2コピーおよびBの1コピーを有する場合には、体細胞でのコピーの割合(2:1)が生殖細胞系(1:1)とは異なるため、その遺伝子座にはアレル不均衡がある。体細胞は生殖細胞系(1:1)とは異なる割合(1:0または2:0)のコピーを有することから、LOHはアレル不均衡の一例である。しかし、アレル不均衡は、より多くの種類の染色体異常、例えば、生殖細胞系での2:1が体細胞で1:1になること;生殖細胞系での1:0が体細胞で1:1になること;生殖細胞系での1:1が体細胞で2:1になること、なども範囲に含む。染色体のテロメアにおけるアレル不均衡の領域の分析は、本発明において特に有用である。したがって、「テロメアアレル不均衡領域」または「TAI領域」は、(a)サブテロメアの一方に向かって広がるが、(b)セントロメアを越えることはない、アレル不均衡を伴う領域と定義される。TAI、およびHRDの決定におけるその使用は、米国特許出願第13/818,425号(US20130281312A1として公開)および第14/466,208号(US20150038340A1として公開)に詳細に記載されており、それらの各内容はすべて、参照により本明細書に組み入れられる。
より幅広いものの、それでもなおLOHおよびTAIを範囲に含む染色体異常のクラスは、本明細書において大規模トランジション(「LST」)と称される。LSTとは、染色体の長さ方向に沿って存在する任意の体細胞コピー数のトランジション(すなわち、不連続点)のことを指し、それは、何らかの最大長(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4メガベース、またはそれを上回る)よりも短い領域をふるい落とした後に、少なくとも何らかの最小長(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8 9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20メガベース、またはそれを上回る)を持つ2つの領域の間に存在する。例えば、3メガベースよりも短い領域をふるい落とした後に、体細胞が、1:1のコピー数を例えば少なくとも10メガベースにわたって有し、続いて、例えばコピー数が2:2である少なくとも10メガベースの領域への不連続点トランジションを有するならば、これはLSTである。同じ現象と定義する代替的なやり方には、LST領域としてのものがあり、これは、少なくとも何らかの最小長(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20メガベース)にわたって安定的なコピー数を有し、それと境界を接して、同じく少なくともこの最小長を持つもう1つの領域に向けてコピー数が変化する不連続点(すなわち、トランジション)を有するゲノム領域のことを指す。例えば、3メガベースよりも短い領域をふるい落とした後に、体細胞が、コピー数が1:1である少なくとも10メガベースの領域を有し、その一方の側の境界に、例えば、コピー数2:2である少なくとも10メガベースの領域への不連続点トランジションがあり、かつ、他方の側の境界に、例えば、コピー数1:2である少なくとも10メガベースの領域への不連続点トランジションがあるならば、これは2つのLSTである。そのようなコピー数変化はアレル不均衡とはみなされないと考えられるため(1:1および2:2というコピーの割合は同じであり、すなわち、コピーの割合に変化がないため)、これはアレル不均衡よりも広範囲であることに留意されたい。LST、およびHRDの決定におけるその使用は、米国特許出願第14/402,254号(US20150140122A1として公開)に詳細に記載されており、その内容はすべて、参照により本明細書に組み入れられる。
LSTスコアに関するさまざまなカットオフを、BRCA1/2インタクト試料とBRCA1/2欠損試料を分離するために、「近二倍体」および「近四倍体」腫瘍に対して用いることができる。LSTスコアは時に、インタクト試料および欠損試料の両方において倍数性とともに増大することがある。倍数性特異的カットオフを用いる代替法として、いくつかの態様では、それを倍数性によって調節した改変LSTスコア:LSTm=LST-kPを使用することができ、式中、Pは倍数性であり、kは定数である。欠損をアウトカムとし、LSTおよびPを予測因子とする多変量ロジスティック回帰分析に基づけば、k=15.5であるが、ただしこれはインタクト試料と欠損試料との最良の分離を条件とする(しかし、当業者はkの他の値も想定することができる)。
染色体異常は、数多くの遺伝子座にわたって広がって、本明細書において「CA領域」と称される染色体異常の領域の範囲を定めることができる。そのようなCA領域は、任意の長さ(例えば、約1.5Mb未満の長さから染色体の全長に等しい長さまで)であってよい。大きなCA領域(「インジケーターCA領域」)が多く存在することは、細胞の相同依存性修復(HDR)機構の欠損を指し示す。CAの各タイプ(例えば、LOH、TAI、LST)についての、CAの領域、およびそれ故に「インジケーター」領域を構成するものの定義は、CAの固有の特徴に依存する。例えば、「LOH領域」は、LOHを呈する少なくとも何らかの最小数の連続した遺伝子座、またはLOHを呈する連続した遺伝子座を有するゲノムDNAの何らかの最小の一続きのことを意味する。「TAI領域」は、一方、テロメアから染色体の残りの部分へと広がる、アレル不均衡を呈する少なくとも何らかの最小数の連続した遺伝子座(または、テロメアから染色体の残りの部分へと広がる、アレル不均衡を呈する連続した遺伝子座を有するゲノムDNAの何らかの最小の一続き)のことを意味する。LSTについては、少なくとも何らかの最小サイズのゲノムDNAの領域に関して既に定義しており、そのため「LST」および「LST領域」は、そのコピー数から別のものへの不連続点またはトランジションと境界を接する、同じコピー数を有する最小数の連続した遺伝子座(またはゲノムDNAの何らかの最小の一続き)のことを指して、本文書において互換的に用いられる。
いくつかの態様において、CA領域(LOH領域、TAI領域、またはLST領域のいずれか)は、それが少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90または100メガベースまたはそれを上回る長さであるならば、インジケーターCA領域(インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域のいずれか)である。いくつかの態様において、インジケーターLOH領域は、約1.5、5、12、13、14、15、16、17メガベースまたはそれよりも長い(好ましくは14、15、16メガベースまたはそれよりも長い、より好ましくは15メガベースまたはそれよりも長い)が、そのLOH領域が内部に位置する各々の染色体の全長よりも短いLOH領域である。代替的または追加的に、そのようなインジケーターLOH領域の総合算長を決定してもよい。いくつかの態様において、インジケーターTAI領域は、(a)サブテロメアの1つに広がり、(b)セントロメアを越えず、かつ(c)1.5、5、12、13、14、15、16、17メガベースまたはそれよりも長い(好ましくは10、11、12メガベースまたはそれよりも長い、より好ましくは11メガベースまたはそれよりも長い)、アレル不均衡を伴うTAI領域である。代替的または追加的に、そのようなインジケーターTAI領域の総合算長を決定してもよい。LSTの概念は、何らかの最小サイズの領域(そのような最小サイズは、HDRインタクト試料からHRDを鑑別するその能力に基づいて決定される)を既に含むことから、本明細書で用いるインジケーターLST領域はLST領域と同じである。その上、LST領域スコアを、上記のLSTを示す領域の数またはLST不連続点の数のいずれかから導き出すことができる。いくつかの態様において、LST不連続点に境界を接する安定的なコピー数の領域の最小長は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20メガベース(好ましくは8、9、10、11メガベースまたはそれよりも長い、より好ましくは10メガベース)であり、ふるい分けされずに残る最大領域は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4メガベースまたはそれ未満である(好ましくは2、2.5、3、3.5もしくは4メガベースまたはそれ未満であり、より好ましくは3メガベース未満である)。
本明細書で用いる場合、試料は、そのような試料が、本明細書に記載される通りの参照数を上回る数のインジケーターCA領域(本明細書に記載される通り)またはCA領域スコア(本明細書に記載される通り)を有するならば、「HRDシグネチャー」を有し、ここでそのような参照数を超える数またはスコアは相同組換え欠損を指し示す。
したがって、本発明は全体として、試料における細胞(または試料におけるDNAがそれから導き出される細胞)がHRDシグネチャーを有するか否かを判定するために、試料におけるインジケーターCA領域を検出および定量することを伴う。多くの場合、これは、インジケーターCA領域の数(または、それから導き出されるかもしくは算出され、そのような数に対応する、試験値もしくはスコア)を、参照またはインデックス数(またはスコア)と比較することを含む。
本発明のさまざまな局面は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)ために、2種類またはそれを上回る種類のCA領域(2種類またはそれを上回る種類のインジケーターCA領域を含む)の複合分析を用いることを含む。したがって、1つの局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料におけるインジケーターLOH領域の総数(または合算長)を決定する段階;(2)試料におけるインジケーターTAI領域の総数(または合算長)を決定する段階;ならびに(3)(1)および(2)で行われた決定に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの存在または不在を決定する(例えば、検出する、診断する)段階、を含む方法を提供する。別の局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料におけるインジケーターLOH領域の総数(または合算長)を決定する段階;(2)試料におけるインジケーターLST領域の総数(または合算長)を決定する段階;ならびに(3)(1)および(2)で行われた決定に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの存在または不在を決定する(例えば、検出する、診断する)段階、を含む方法を提供する。別の局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料におけるインジケーターTAI領域の総数(または合算長)を決定する段階;(2)試料におけるインジケーターLST領域の総数(または合算長)を決定する段階;ならびに(3)(1)および(2)で行われた決定に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの存在または不在を決定する(例えば、検出する、診断する)段階、を含む方法を提供する。別の局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料におけるインジケーターLOH領域の総数(または合算長)を決定する段階;(2)試料におけるインジケーターTAI領域の総数を決定する段階;(3)試料におけるインジケーターLST領域の総数(または合算長)を決定する段階;ならびに(4)(1)、(2)および(3)で行われた決定に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの存在または不在を決定する(例えば、検出する、診断する)段階、を含む方法を提供する。
本発明のさまざまな局面は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)ために、3種の異なるCA領域の平均の複合分析を用いることを含む。したがって、1つの局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料における、ある特定のサイズまたは特徴を持つLOH領域(例えば、本明細書中に定義される「インジケーターLOH領域」)の総数を決定する段階;(2)試料における、ある特定のサイズまたは特徴を持つTAI領域(例えば、本明細書中に定義される「インジケーターTAI領域」)の総数を決定する段階;(3)試料における、ある特定のサイズまたは特徴を持つLST領域(例えば、本明細書中に定義される「インジケーターLST領域」)の総数を決定する段階;(4)(1)、(2)および(3)で行われた決定の平均(例えば、算術平均)を算出する段階;ならびに(5)(4)で求められた算出平均(例えば、算術平均)に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDを評価する段階、を含む方法を提供する。
本明細書で用いる場合、「CA領域スコア」とは、試料において検出されたインジケーターCA領域から導き出されるかまたは算出される(例えば、それを代表するかまたはそれに対応する)試験値またはスコア(例えば、試料において検出されたインジケーターCA領域の数から導き出されるかまたは算出されるスコアまたは試験値)のことを意味する。同じように、本明細書で用いる場合、「LOH領域スコア」は、CA領域スコアのサブセットであり、試料において検出されたインジケーターLOH領域から導き出されるかまたは算出される(例えば、それを代表するかまたはそれに対応する)試験値またはスコア(例えば、試料において検出されたインジケーターLOH領域の数から導き出されるかまたは算出されるスコアまたは試験値)のことを意味し、TAI領域スコアおよびLST領域スコアについても同様である。そのようなスコアは、いくつかの態様において、単に、試料において検出されたインジケーターCA領域の数であることもある。いくつかの態様において、スコアはより複雑であり、検出された各インジケーターCA領域またはインジケーターCA領域のサブセットの長さを要素とする。
以上に考察したように、本発明は一般に、2種類またはそれを上回る種類のCA領域スコア(これはそのような領域の数を含みうる)の分析を組み合わせることを伴う。したがって、1つの局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料に関するLOH領域スコアを決定する段階;(2)試料に関するTAI領域スコアを決定する段階;および(3)(a)参照数を超えるLOH領域スコアもしくは参照数を超えるTAI領域スコアのいずれかに少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDを検出する(もしくは診断する)段階;または任意で(3)(b)参照数を超えないLOH領域スコアおよび参照数を超えないTAI領域スコアの両方に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの不在を検出する(もしくは診断する)段階、を含む方法を提供する。別の局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料に関するLOH領域スコアを決定する段階;(2)試料に関するLST領域スコアを決定する段階;および(3)(a)参照数を超えるLOH領域もしくは参照数を超えるLST領域スコアのいずれかに少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDを検出する(もしくは診断する)段階;または任意で(3)(b)参照数を超えないLOH領域スコアおよび参照数を超えないLST領域スコアの両方に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの不在を検出する(もしくは診断する)段階、を含む方法を提供する。別の局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料に関するTAI領域スコアを決定する段階;(2)試料に関するLST領域スコアを決定する段階;および(3)(a)参照数を超えるTAI領域スコアもしくは参照数を超えるLST領域スコアのいずれかに少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDを検出する(もしくは診断する)段階;または任意で(3)(b)参照数を超えないTAI領域スコアおよび参照数を超えないLST領域スコアの両方に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの不在を検出する(もしくは診断する)段階、を含む方法を提供する。別の局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料に関するLOH領域スコアを決定する段階;(2)試料に関するTAI領域スコアを決定する段階;(3)試料に関するLST領域スコアを決定する段階;および(4)(a)参照数を超えるLOH領域スコア、参照数を超えるTAI領域スコアもしくは参照数を超えるLST領域スコアのいずれかに少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDを検出する(もしくは診断する)段階;または任意で(4)(b)参照数を超えないLOH領域スコア、参照数を超えないTAI領域スコア、および参照数を超えないLST領域スコアに少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの不在を検出する(もしくは診断する)段階、を含む方法を提供する。
いくつかの態様において、CA領域スコアは、(1)検出されたLOH領域(本明細書中に定義される「LOH領域スコア」)、(2)検出されたTAI領域(本明細書中に定義される「TAI領域スコア」)、および/または(3)検出されたLST領域(本明細書中に定義される「LST領域スコア」)のうち2つまたはそれを上回るものから導き出されるかまたは算出される(例えば、それを代表するかまたはそれに対応する)スコアの組み合わせである。いくつかの態様においては、LOH領域スコアおよびTAI領域スコアが以下のように組み合わされて、CA領域スコアが得られる:
CA領域スコア=A *(LOH領域スコア)+B *(TAI領域スコア)
いくつかの態様においては、LOH領域スコアおよびTAI領域スコアが以下のように組み合わされて、CA領域スコアが得られる:
CA領域スコア=0.32 *(LOH領域スコア)+0.68 *(TAI領域スコア)
または
CA領域スコア=0.34 *(LOH領域スコア)+0.66 *(TAI領域スコア)
いくつかの態様においては、LOH領域スコアおよびLST領域スコアが以下のように組み合わされて、CA領域スコアが得られる:
CA領域スコア=A *(LOH領域スコア)+B *(LST領域スコア)
いくつかの態様においては、ある試料に関するLOH領域スコアおよびある試料に関するLST領域スコアが以下のように組み合わされて、CA領域スコアが得られる:
CA領域スコア=0.85 *(LOH領域スコア)+0.15 *(LST領域スコア)
いくつかの態様においては、TAI領域スコアおよびLST領域スコアが以下のように組み合わされて、CA領域スコアが得られる:
CA領域スコア=A *(TAI領域スコア)+B *(LST領域スコア)
いくつかの態様においては、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアが以下のように組み合わされて、CA領域スコアが得られる:
CA領域スコア=A *(LOH領域スコア)+B *(TAI領域スコア)+C *(LST領域スコア)
いくつかの態様においては、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアが以下のように組み合わされて、CA領域スコアが得られる:
CA領域スコア=0.21 *(LOH領域スコア)+0.67 *(TAI領域スコア)+0.12 *(LST領域スコア)
または
CA領域スコア=[0.24] *(LOH領域スコア)+[0.65] *(TAI領域スコア)+[0.11] *(LST領域スコア)
または
CA領域スコア=[0.11] *(LOH領域スコア)+[0.25] *(TAI領域スコア)+[0.12] *(LST領域スコア)
いくつかの態様において、CA領域スコアは、以下の式の1つからCA領域スコアを得るために、(1)検出されたLOH領域(本明細書中に定義される「LOH領域スコア」)、(2)検出されたTAI領域(本明細書中に定義される「TAI領域スコア」)、および/または(3)検出されたLST領域(本明細書中に定義される「LST領域スコア」)の平均(例えば、算術平均)から導き出されるかまたは算出される(例えば、それを代表するかまたはそれに対応する)スコアの組み合わせである:
本明細書中に具体的に例示されたいくつかを含む、いくつかの態様において、これらの係数の1つまたは複数(すなわち、A、B、もしくはC、またはそれらの任意の組み合わせ)は1であり、いくつかの態様においては、3つの係数のすべて(すなわち、A、B、およびC)が1である。したがって、いくつかの態様において、CA領域スコア=(LOH領域スコア)+(TAI領域スコア)+(LST領域スコア)であり、式中、LOH領域スコアはインジケーターLOH領域の数(またはLOHの全長)であり、TAI領域スコアはインジケーターTAI領域の数(またはTAIの全長)であり、LST領域スコアはインジケーターLST領域の数(またはLSTの全長)である。
場合によっては、式が、明記された係数のすべては有しないこと(およびそれ故に、対応する変数を組み入れていないこと)がある。例えば、すぐ前に言及した態様を、式(2)におけるAが0.95であり、式(2)におけるBが0.61である式(2)に適用してもよい。CおよびDはこれらの係数として適用不能であると考えられ、それらの対応する変数は式(2)には見られない(式(2)に見られる臨床スコアに臨床的変数が組み入れられているものの)。いくつかの態様において、Aは0.9~1、0.9~0.99、0.9~0.95、0.85~0.95、0.86~0.94、0.87~0.93、0.88~0.92、0.89~0.91、0.85~0.9、0.8~0.95、0.8~0.9、0.8~0.85、0.75~0.99、0.75~0.95、0.75~0.9、0.75~0.85、または0.75~0.8である。いくつかの態様において、Bは0.40~1、0.45~0.99、0.45~0.95、0.55~0.8、0.55~0.7、0.55~0.65、0.59~0.63、または0.6~0.62である。いくつかの態様において、Cは、適用可能な場合、0.9~1、0.9~0.99、0.9~0.95、0.85~0.95、0.86~0.94、0.87~0.93、0.88~0.92、0.89~0.91、0.85~0.9、0.8~0.95、0.8~0.9、0.8~0.85、0.75~0.99、0.75~0.95、0.75~0.9、0.75~0.85、または0.75~0.8である。いくつかの態様において、Dは、適用可能な場合、0.9~1、0.9~0.99、0.9~0.95、0.85~0.95、0.86~0.94、0.87~0.93、0.88~0.92、0.89~0.91、0.85~0.9、0.8~0.95、0.8~0.9、0.8~0.85、0.75~0.99、0.75~0.95、0.75~0.9、0.75~0.85、または0.75~0.8である。
いくつかの態様において、Aは、0.1と0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.2と0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.3と0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.4と0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.5と0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.6と0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.7と0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.8と0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.9と1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または1と1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または1.5と2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または2と2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または2.5と3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または3と3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または3.5と4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または4と4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または4.5と5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または5と6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または6と7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または7と8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または8と9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または9と10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または10と11、12、13、14、15もしくは20との間;または11と12、13、14、15もしくは20との間;または12と13、14、15もしくは20との間;または13と14、15もしくは20との間;または14と15もしくは20との間;または15と20との間である;Bは、0.1と0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.2と0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.3と0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.4と0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.5と0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.6と0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.7と0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.8と0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.9と1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または1と1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または1.5と2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または2と2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または2.5と3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または3と3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または3.5と4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または4と4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または4.5と5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または5と6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または6と7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または7と8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または8と9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または9と10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または10と11、12、13、14、15もしくは20との間;または11と12、13、14、15もしくは20との間;または12と13、14、15もしくは20との間;または13と14、15もしくは20との間;または14と15もしくは20との間;または15と20との間である;Cは、適用可能な場合、0.1と0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.2と0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.3と0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.4と0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.5と0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.6と0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.7と0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.8と0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.9と1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または1と1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または1.5と2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または2と2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または2.5と3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または3と3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または3.5と4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または4と4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または4.5と5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または5と6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または6と7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または7と8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または8と9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または9と10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または10と11、12、13、14、15もしくは20との間;または11と12、13、14、15もしくは20との間;または12と13、14、15もしくは20との間;または13と14、15もしくは20との間;または14と15もしくは20との間;または15と20との間である;かつ、Dは、適用可能な場合、0.1と0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.2と0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.3と0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.4と0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.5と0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.6と0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.7と0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.8と0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5,6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または0.9と1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または1と1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または1.5と2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または2と2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または2.5と3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または3と3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または3.5と4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または4と4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または4.5と5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または5と6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または6と7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または7と8、9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または8と9、10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または9と10、11、12、13、14、15もしくは20との間;または10と11、12、13、14、15もしくは20との間;または11と12、13、14、15もしくは20との間;または12と13、14、15もしくは20との間;または13と14、15もしくは20との間;または14と15もしくは20との間;または15と20との間である。いくつかの態様において、A、B、および/またはCは、これらの値の任意のものの丸め値の範囲内にある(例えばAは、0.45と0.54との間である、など)。
したがって、1つの局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料に関するLOH領域スコアを決定する段階;(2)試料に関するTAI領域スコアを決定する段階;および(3)(a)参照数を超えるLOH領域スコアとTAI領域スコアの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDを検出する(もしくは診断する)段階;または任意で(3)(b)参照数を超えないLOH領域スコアとTAI領域スコアの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの不在を検出する(もしくは診断する)段階、を含む方法を提供する。別の局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料に関するLOH領域スコアを決定する段階;(2)試料に関するLST領域スコアを決定する段階;および(3)(a)参照数を超えるLOH領域スコアとLST領域スコアの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDを検出する(もしくは診断する)段階;または任意で(3)(b)参照数を超えないLOH領域スコアとLST領域スコアの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの不在を検出する(もしくは診断する)段階、を含む方法を提供する。別の局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料に関するTAI領域スコアを決定する段階;(2)試料に関するLST領域スコアを決定する段階;および(3)(a)参照数を超えるTAI領域スコアとLST領域スコアの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDを検出する(もしくは診断する)段階;または任意で(3)(b)参照数を超えないTAI領域スコアとLST領域スコアの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの不在を検出する(もしくは診断する)段階、を含む方法を提供する。別の局面において、本発明は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料に関するLOH領域スコアを決定する段階;(2)試料に関するTAI領域スコアを決定する段階;(3)試料に関するLST領域スコアを決定する段階;ならびに(4)(a)参照数を超えるLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDを検出する(もしくは診断する)段階;または任意で(4)(b)参照数を超えないLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコア(例えば、複合CA領域スコア)に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDの不在を検出する(もしくは診断する)段階、を含む方法を提供する。
したがって、本発明の別の局面は、試料におけるHRDを評価する(例えば、検出する、診断する)方法であって、(1)試料における、ある特定のサイズまたは特徴を持つLOH領域(例えば、本明細書中に定義される「インジケーターLOH領域」)の総数を決定する段階;(2)試料における、ある特定のサイズまたは特徴を持つTAI領域(例えば、本明細書中に定義される「インジケーターTAI領域」)の総数を決定する段階;(3)試料における、ある特定のサイズまたは特徴を持つLST領域(例えば、本明細書中に定義される「インジケーターLST領域」)の総数を決定する段階;(4)(1)、(2)および(3)で行われた決定の平均(例えば、算術平均)を算出する段階;ならびに(5)(4)で求められた算出平均(例えば、算術平均)に少なくとも部分的に基づいて、試料におけるHRDを評価する段階、を含む方法を提供する。
いくつかの態様において、CA領域スコア(例えば、インジケーターCA領域の数)に関して以上に考察した参照(またはインデックス)は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、19、20またはそれを上回ってよく、好ましくは5、好ましくは8、より好ましくは9または10、最も好ましくは10であってよい。インジケーターCA領域の合計の(例えば、合算した)長さに関する参照は、約75、90、105、120、130、135、150、175、200、225、250、275、300、325 350、375、400、425、450、475、500メガベースまたはそれを上回ってよく、好ましくは約75メガベースまたはそれを上回り、好ましくは約90または105メガベースまたはそれを上回り、より好ましくは約120または130メガベースまたはそれを上回り、より好ましくは約135メガベースまたはそれを上回り、最も好ましくは約150メガベースまたはそれを上回ってよい。いくつかの態様において、複合CA領域スコア(例えば、インジケーターLOH領域、インジケーター、TAI領域および/またはインジケーターLST領域の合算数)に関して以上に考察した参照は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、19、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50またはそれらを上回ってよく、好ましくは5、好ましくは10、好ましくは15、好ましくは20、好ましくは25、好ましくは30、好ましくは35、好ましくは40~44、最も好ましくは42以上であってもよい。インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域および/またはインジケーターLST領域の合計の(例えば、合算した)長さに関する参照は、約75、90、105、120、130、135、150、175、200、225、250、275、300、325 350、375、400、425、450、475、500メガベースまたはそれを上回ってよく、好ましくは約75メガベースまたはそれを上回り、好ましくは約90または105メガベースまたはそれを上回り、より好ましくは約120または130メガベースまたはそれを上回り、より好ましくは約135メガベースまたはそれを上回り、最も好ましくは約150メガベースまたはそれを上回ってよい。
いくつかの態様において、本発明は、試料におけるHRDシグネチャーを検出する方法を提供する。したがって、本発明の別の局面は、試料におけるHRDシグネチャーを検出する方法であって、(1)試料における、ある特定のサイズまたは特徴を持つLOH領域(例えば、本明細書中に定義される「インジケーターLOH領域」)の総数を決定する段階;(2)試料における、ある特定のサイズまたは特徴を持つTAI領域(例えば、本明細書中に定義される「インジケーターTAI領域」)の総数を決定する段階;(3)試料における、ある特定のサイズまたは特徴を持つLST領域(例えば、本明細書中に定義される「インジケーターLST領域」)の総数を決定する段階;(4)(1)、(2)および(3)で行われた決定を組み合わせる(例えば、複合CA領域スコアを算出するかまたは導き出す)段階;ならびに(5)複合CA領域スコアが参照値よりも大きい試料を、HRDシグネチャーを有すると特徴づける段階、を含む方法を提供する。いくつかの態様において、参照値は42である。したがって、いくつかの態様において、試料は、参照値が42である場合に、HRDシグネチャーを有すると特徴づけられる。いくつかの態様において、複合CA領域スコア(例えば、インジケーターLOH領域、インジケーター、TAI領域および/またはインジケーターLST領域の合算数)に関して以上に考察した参照数は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、19、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50またはそれより大きな値であってもよく、好ましくは5、好ましくは10、好ましくは15、好ましくは20、好ましくは25、好ましくは30、好ましくは35、好ましくは40~44であってもよく、最も好ましくは42以上であってもよい。
いくつかの態様において、試料におけるインジケーターCA領域の数(または合算長、CA領域スコアもしくは複合CA領域スコア)は、それが参照よりも少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍大きければ、参照よりも「大きい」と判断され、いくつかの態様においては、それが参照よりも少なくとも1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差、6標準偏差、7標準偏差、8標準偏差、9標準偏差または10標準偏差大きいならば、それは「より大きい」と判断される。反対に、いくつかの態様において、試料におけるインジケーターCA領域の数(または合算長、CA領域スコアまたは複合CA領域スコア)は、それが参照よりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍大きいわけではない場合は、参照よりも「大きくはない」と判断され、いくつかの態様においては、参照よりも1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差、6標準偏差、7標準偏差、8標準偏差、9標準偏差または10標準偏差大きいわけではない場合は、それは「より大きくはない」と判断される。
いくつかの態様において、参照数(または長さ、値またはスコア)は、妥当な参照集団から導き出される。そのような参照集団は、(a)試験される患者と同じ癌を有する患者、(b)同じ癌サブタイプを有する患者、(c)類似の遺伝的特徴または他の臨床的もしくは分子的な特徴を有する癌を有する患者、(d)特定の治療に反応した患者、(e)特定の治療に反応しなかった患者、(f)見たところ健康な患者(例えば、いかなる癌も有しないか、または少なくとも試験される患者の癌を有しない患者)などを含みうる。参照数(または長さ、値もしくはスコア)は、(a)参照集団において全体として認められる数(または長さ、値もしくはスコア)の代表であってよく、(b)参照集団において全体として、または特定の部分集団において認められる、数(または長さ、値もしくはスコア)の平均(average)(平均値(mean)、中央値など)であってよく、(c)(i)それらの各々の数(または長さ、値もしくはスコア)または(ii)それらが有することが見いだされている臨床的特徴(例えば、反応の強さ、予後(癌特異的死亡までの時間を含む)など)によってランク付けされるような、参照集団の三分位値、四分位値、五分位値などとして認められる数(または長さ、値もしくはスコア)(例えば、平均(average)、例えば平均値(mean)または中央値など)の代表であってよく、あるいは(d)特定の治療法(例えば、白金、PARP阻害薬、等)に対する反応を予測するためにHRDを検出するための高い感度を有するように選択されてもよい。
いくつかの態様において、参照またはインデックスは、試料からの試験値またはスコアによって超えられるならば、HRDが参照と同じであることを指し示し、試料からの試験値またはスコアによって超えられなければ、HRD(または機能的HDR)が存在しないことを指し示す。いくつかの態様において、それらは異なる。
別の局面において、本発明は、試料におけるBRCA1遺伝子およびBRCA2遺伝子の状態を予測する方法を提供する。そのような方法は、上記の方法に類似しているが、CA領域、LOH領域、TAI領域、LST領域、またはこれらを組み入れたスコアの決定が、試料におけるBRCA1および/またはBRCA2欠損を評価する(例えば、検出する)ために用いられる点が異なる。
別の局面において、本発明は、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、および/またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに対する癌患者の反応を予測する方法を提供する。そのような方法は、上記の方法に類似しているが、CA領域、LOH領域、TAI領域、LST領域、またはこれらを組み入れたスコア(高HRDスコア(例えば、HRDシグネチャーまたは高い合算CA領域スコア)を含む)の決定が、癌患者が癌治療レジメンに反応する見込みを予測するために用いられる点が異なる。
いくつかの態様において、患者は未治療患者である。別の局面において、本発明は、癌を治療する方法を提供する。そのような方法は、上記の方法に類似しているが、CA領域、LOH領域、TAI領域、LST領域、またはこれらを組み入れたスコアの決定に少なくとも部分的に基づいて、特定の治療レジメンが施与される(推奨される、処方されるなど)点で異なる。
別の局面において、本発明は、本明細書に記載された高レベルのHRD(例えば、HRDシグネチャー)を有すると判定された癌細胞を有する(または有したことがある)と同定された患者における癌を治療するために有用な医薬の製造における、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される1つまたは複数の薬物の使用を特徴とする。
別の局面において、本文書は、HDR経路由来の遺伝子内の突然変異の存在について試料を評価するための方法を特徴とする。そのような方法は、上記の方法に類似しているが、CA領域、LOH領域、TAI領域、LST領域、またはこれらを組み入れたスコアの決定が、HDR経路由来の遺伝子内の突然変異の存在(または不在)を検出するために用いられる点で異なる。
別の局面において、本文書は、患者の癌細胞をHRDシグネチャーの存在について評価するための方法を特徴とする。本方法は、(a)癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、参照数を上回るインジケーターCA領域の存在を検出する段階、および(b)患者を、HRDシグネチャーを伴う癌細胞を有するとして同定する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者の癌細胞をHDR欠損状態の存在について評価するための方法を特徴とする。本方法は、(a)癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在を検出する段階、および(b)患者を、HDR欠損状態を伴う癌細胞を有するとして同定する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者の癌細胞をHRDシグネチャーを有することについて評価するための方法を特徴とする。本方法は、(a)癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、参照数を上回るインジケーターCA領域の存在を検出する段階、および(b)その患者をHRDシグネチャーを伴う癌細胞を有すると同定する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者の癌細胞を、HDR経路由来の遺伝子内の遺伝子突然変異の存在について評価するための方法を特徴とする。本方法は、(a)癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在を検出する段階、および(b)患者を、遺伝子突然変異を伴う癌細胞を有するとして同定する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。
別の局面において、本文書は、患者が、放射線、またはDNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される薬物を投与することを含む癌治療レジメンに反応する見込みが高いか否かを判定するための方法を特徴とする。本方法は、(a)癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在を検出する段階、および(b)患者を、癌治療レジメンに反応する見込みが高いとして同定する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者を評価するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者がHRDシグネチャーを有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、癌細胞がHRDシグネチャーを有することが指し示される段階、および(b)患者を、HRDシグネチャーを伴う癌細胞を有すると診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者を評価するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者がHDR欠損状態を有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、癌細胞がHDR欠損状態を有することが指し示される段階、および(b)患者を、HDR欠損状態を伴う癌細胞を有すると診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者を評価するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者がHDR欠損状態を有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、癌細胞が高HDRを有することが指し示される段階、および(b)患者をHDR欠損状態を伴う癌細胞を有すると診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者を評価するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者がHDR経路由来の遺伝子内の遺伝子突然変異を有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、癌細胞が遺伝子突然変異を有することが指し示される段階、および(b)患者を、遺伝子突然変異を伴う癌細胞を有すると診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者を、放射線、またはDNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される薬物を投与することを含む癌治療レジメンに反応する可能性について評価するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者がHRDシグネチャーを有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、その癌細胞がHRDシグネチャーを有することが指し示される段階、および(b)HRDシグネチャーの存在に少なくとも部分的に基づいて、患者を、癌治療レジメンに反応する可能性が高いと診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者が、放射線、またはDNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される薬物を投与することを含む癌治療レジメンに反応する可能性について評価するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者がHRDシグネチャーを有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、癌細胞がHRDシグネチャーを有することが指し示される段階、および(b)HRDシグネチャーの存在に少なくとも部分的に基づいて、患者を癌治療レジメンに反応する可能性が高いと診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。
別の局面において、本文書は、患者の癌細胞の診断分析を行うための方法を特徴とする。本方法は、(a)癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、参照数を上回るインジケーターCA領域の存在を検出する段階、および(b)患者を、HRDシグネチャーを伴う癌細胞を有するとして同定または分類する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者の癌細胞の診断分析を行うための方法を特徴とする。本方法は、(a)癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、参照数を上回るインジケーターCA領域の存在を検出する段階、および(b)患者を、HDR欠損状態を伴う癌細胞を有するとして同定または分類する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者の癌細胞の診断分析を行うための方法を特徴とする。本方法は、(a)癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、参照数を上回るインジケーターCA領域の存在を検出する段階、および(b)患者を、HDR欠損状態を伴う癌細胞を有するとして同定または分類する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者の癌細胞の診断分析を行うための方法を特徴とする。本方法は、(a)相対的に長い、癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、参照数を上回るインジケーターCA領域の存在を検出する段階、および(b)患者を、HDR経路由来の遺伝子内の遺伝子突然変異を伴う癌細胞を有すると同定または分類する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、癌患者が、放射線、またはDNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される薬物を投与することを含む癌治療レジメンに反応する可能性が高いか否かを判定するために、患者の癌細胞の診断分析を行うための方法を特徴とする。本方法は、(a)癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在を検出する段階、および(b)患者を、癌治療レジメンに反応する可能性が高いと同定または分類する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。
別の局面において、本文書は、患者を、HRDシグネチャーを有する癌細胞を有すると診断するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者がHRDシグネチャーを有する細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、その癌細胞がHRDシグネチャーを有することが指し示される段階、および(b)患者を、HRDシグネチャーを伴う癌細胞を有すると診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者を、HDR欠損状態を伴う癌細胞を有すると診断するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者がHDR欠損状態を有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、癌細胞がHDR欠損状態を有することが指し示される段階、および(b)患者を、HDR欠損状態を伴う癌細胞を有すると診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者を、HDR欠損状態を伴う癌細胞を有すると診断するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者がHDR欠損状態を有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、その癌細胞がHDR欠損状態を有することが指し示される段階、および(b)患者を、HDR欠損状態を伴う癌細胞を有すると診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者を、HDR経路由来の遺伝子内の遺伝子突然変異を伴う癌細胞を有すると診断するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者が遺伝子突然変異を有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、癌細胞が遺伝子突然変異を有することが指し示される段階、および(b)患者を、遺伝子突然変異を伴う癌細胞を有すると診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者を、放射線、またはDNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される薬物を投与することを含む癌治療レジメンの候補であると診断するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者がHRDシグネチャーを有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、その癌細胞がHRDシグネチャーを有することが指し示される段階、および(b)HRDシグネチャーの存在に少なくとも部分的に基づいて、患者を、癌治療レジメンに反応する可能性が高いと診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。別の局面において、本文書は、患者を、放射線、またはDNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される薬物を投与することを含む癌治療レジメンの候補であると診断するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者が高HRDシグネチャーを有する癌細胞を含むことを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、その癌細胞がHRDシグネチャーを有することが指し示される段階、および(b)HRDシグネチャーの存在に少なくとも部分的に基づいて、患者を、癌治療レジメンに反応する可能性が高いと診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。
別の局面において、本発明は、患者を評価するための方法を提供する。本方法は、(a)患者がCA領域の参照数を上回る癌細胞(または、例えば、参照CA領域スコアを超えるCA領域スコア)を有する(または有した)か否かを判定する段階;および(b)(1)患者がCA領域の参照数を上回る癌細胞(もしくは、例えば、参照CA領域スコアを超えるCA領域スコア)を有する(もしくは有した)と判定された場合に、患者がHRDを伴う癌細胞を有すると診断する段階;または(b)(2)患者がCA領域の参照数を上回る癌細胞を有しない(もしくは有したことがない)(もしくは、例えば、患者が参照CA領域スコアを超えるCA領域スコアを伴う癌細胞を有していない(もしくは有したことがない))と判定された場合に、患者がHRDを伴う癌細胞を有しないと診断する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。
別の局面において、本発明は、癌患者から入手した試料における少なくとも1対の染色体(またはそれに由来するDNA)におけるCA領域の総数または合算長を決定するために有用であり、かつ、(a)試料におけるHRD、高HRD、またはHRDの見込み(それぞれ、例えば、HRDシグネチャー)、(b)試料におけるBRCA1遺伝子もしくはBRCA2遺伝子の欠損(もしくは欠損の見込み)、または(c)癌患者が、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、もしくはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに反応する見込みが高いことを検出するためにも有用な診断用キットの製造における、ヒトゲノムDNAの複数の多型領域とハイブリダイズしうる複数のオリゴヌクレオチドの使用を特徴とする。
別の局面において、本発明は、試料におけるHRD(例えば、HRDシグネチャー)を検出するためのシステムを特徴とする。本システムは、(a)試料における少なくとも1対のヒト染色体(またはそれに由来するDNA)のゲノムDNAに関する複数のシグナルを生じるように構成された試料分析装置、および(b)複数のシグナルに基づいて、少なくとも1対のヒト染色体におけるCA領域の数または合算長を計算するようにプログラムされたコンピュータサブシステムを含むか、またはこれらから本質的になる。コンピュータサブシステムは、CA領域の数または合算長を参照数と比較して、(a)試料におけるHRD、高HRD、もしくはHRDの見込み(それぞれ、例えば、HRDシグネチャー)、(b)試料におけるBRCA1遺伝子もしくはBRCA2遺伝子の欠損(もしくは欠損の見込み)、または(c)癌患者が、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに反応する見込みが高いことを検出するようにプログラムすることができる。システムは、(a)、(b)または(c)を表示するように構成された出力モジュールを含んでもよい。システムは、癌治療レジメンの使用に関する推奨を表示するように構成された出力モジュールを含んでもよい。
別の局面において、本発明は、コンピュータ上で実行された場合に、ヒトのXおよびY性染色体以外のヒト染色体の1つまたは複数の上に存在する任意のCA領域(CA領域は任意でインジケーターCA領域である)の存在または不在を検出するため;および1対または複数対の染色体におけるCA領域の総数または合算長を決定するための命令を与える、コンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品が他の命令を含んでもよい。
別の局面において、本発明は診断用キットを提供する。本キットは、ヒトゲノムDNA(またはそれに由来するDNA)の複数の多型領域とハイブリダイズしうる少なくとも500個のオリゴヌクレオチド;および本明細書において提供されるコンピュータプログラム製品を含むか、またはこれらから本質的になる。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体に組み込まれていてよく、コンピュータ上で実行された場合に、ヒトのXおよびY性染色体以外のヒト染色体の1つまたは複数の上に存在する任意のCA領域(CA領域は任意でインジケーターCA領域である)の存在または不在を検出するため;および1対または複数対の染色体におけるCA領域の総数または合算長を決定するための命令を与える。コンピュータプログラム製品が他の命令を含んでもよい。
前述の段落に記載された本発明の局面の任意の1つまたは複数のいくつかの態様において、以下のうち任意の1つまたは複数を適宜、適用することができる。CA領域は、少なくとも2対、5対、10対または21対のヒト染色体において決定することができる。癌細胞は、卵巣癌細胞、乳癌細胞、肺癌細胞または食道癌細胞であってよい。参照数は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18もしくは20、またはそれを上回ってよい。少なくとも1対のヒト染色体からは、ヒト17番染色体を除外しうる。DNA傷害剤は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxalaplatin)、もしくはピコプラチンであってよく、アントラサイクリンは、エピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであってよく、トポイソメラーゼI阻害薬はカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであってよく、またはPARP阻害薬はイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)であってよい。患者は未治療患者であってよい。
本明細書に記載のように、試料(例えば、癌細胞試料、または1つもしくは複数の癌細胞に由来するDNAを含有する試料)は、評価される細胞のゲノムが、(a)参照数を超えるLOH領域スコア、TAI領域スコアもしくはLST領域スコアのいずれか、または(b)参照数を超える複合CA領域スコアを含むならば、「HRDシグネチャー」(または代替的に「HDR欠損シグネチャー」と呼ばれる)を有すると同定することができる。反対に、試料(例えば、癌細胞試料、または1つもしくは複数の癌細胞に由来するDNAを含有する試料)は、評価される細胞のゲノムが、(a)それぞれ参照数を超えないLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコア、または(b)参照数を超えない複合CA領域スコアを含むならば、「HRDシグネチャー」(または代替的に「HDR欠損シグネチャー」と呼ばれる)を欠くと同定することができる。
HRDシグネチャーを有すると同定された細胞(例えば、癌細胞)は、HDR欠損を有する見込みが高い、および/またはHDR経路における1つもしくは複数の遺伝子の欠損状態を有する見込みが高いと分類することができる。例えば、HRDシグネチャーを有すると同定された癌細胞は、HDR欠損状態を有する見込みが高いと分類することができる。場合によっては、HRDシグネチャーを有すると同定された癌細胞を、HDR経路における1つまたは複数の遺伝子に関する欠損状態を有する見込みが高いと分類することもできる。本明細書で用いる場合、遺伝子に関する欠損状態とは、遺伝子またはその産物の配列、構造、発現および/または活性が、正常と比較して欠損していることを意味する。その例には、mRNAまたはタンパク質の発現が少ないかまたは全くないこと、有害な突然変異、過剰メチル化、活性低減(例えば、酵素活性、別の生体分子と結合する能力)などが非限定的に含まれる。本明細書で用いる場合、経路(例えば、HDR経路)に関する欠損状態とは、その経路における少なくとも1つの遺伝子(例えば、BRCA1)が欠損していることを意味する。高度に有害な突然変異の例には、フレームシフト突然変異、終止コドン突然変異、およびRNAスプライシングの変化につながる突然変異が含まれる。HDR経路における遺伝子の欠損状態は、癌細胞における相同組換え修復の欠損または活性低下をもたらしうる。HDR経路における遺伝子の例には、表1に列記した遺伝子が非限定的に含まれる。
(表1)選択されたHDR経路遺伝子
本明細書に記載のように、CA遺伝子座(ならびにCA領域のサイズおよび数)の同定は、第1に、試料の遺伝子型をさまざまなゲノム遺伝子座(例えば、SNP遺伝子座、大規模シークエンシングにおける個々の塩基)で決定し、第2に、その遺伝子座がLOH、TAIまたはLSTのいずれかを呈するか否かを判定することを含みうる。任意の適切な手法を用いて、細胞のゲノム内にある関心対象の遺伝子座での遺伝子型を決定することができる。例えば、一塩基多型(SNP)アレイ(例えば、ヒトゲノムワイドSNPアレイ)、関心対象の遺伝子座の標的化シークエンシング(例えば、SNP遺伝子座およびそれらの周囲配列のシークエンシング)、さらには大規模シークエンシング(例えば、全エキソーム、トランスクリプトーム、またはゲノムのシークエンシング)さえも用いて、遺伝子座をホモ接合性またはヘテロ接合性として同定することができる。典型的には、染色体のある長さにわたって遺伝子座のホモ接合性またはヘテロ接合性の分析を行うことで、CA領域の長さを決定することができる。例えば、染色体の長さ方向に間隔をおいて位置する(例えば、約25kb~約100kbの間隔をおいて位置する)一続きのSNP位置をSNPアレイの結果を用いて評価することで、染色体の長さ方向に存在するホモ接合性領域(例えば、LOH)の存在だけでなく、その領域の長さも決定することができる。SNPアレイからの結果を用いて、染色体の長さ方向に沿ってアレル量をプロットしたグラフを作成することができる。SNPiに関するアレル量diは、2つのアレルの調整シグナル強度(AiおよびBi)から算出することができる:di=Ai/(Ai+Bi)。そのようなグラフの一例は図1および図2に提示されており、これらは新鮮な凍結試料とFFPE試料との違い、およびSNPマイクロアレイ分析とSNPシークエンシング分析との違いを示している。本発明において有用な核酸アレイ上の非常に多くの変形物が、当技術分野において公知である。これらには、以下のさまざまな実施例において用いられるアレイ(例えば、実施例3におけるAffymetrix 500K GeneChipアレイ;実施例4におけるAffymetrix OncoScan(商標)FFPE Express 2.0 Services(以前はMIP CN Services))が含まれる。
複数の遺伝子座(例えば、SNP)に関して試料の遺伝子型がひとたび決定されると、一般的な手法を用いて、LOH、TAIおよびLSTの遺伝子座および領域を同定することができる(国際出願第PCT/US2011/040953号(WO/2011/160063号として公開);国際出願第PCT/US2011/048427号(WO/2012/027224号として公開);Popova et al., Ploidy and large-scale genomic instability consistently identify basal-like breast carcinomas with BRCA1/2 inactivation, CANCER RES. (2012) 72:5454-5462に記載されたものを含む)。いくつかの態様において、染色体不均衡または大規模トランジションの判定は、これらが体細胞異常であるか、それとも生殖細胞系異常であるかの判定を含む。これを行うための手法の1つは、体細胞遺伝子型を生殖細胞系と比較することである。例えば、複数の遺伝子座(例えば、SNP)に関する遺伝子型を、生殖細胞系(例えば、血液)試料および体細胞性(例えば、腫瘍)試料の両方において決定することができる。各試料に関する遺伝子型を比較して(典型的にはコンピュータ計算による)、生殖細胞系細胞のゲノムがヘテロ接合性であって体細胞のゲノムがホモ接合性である箇所を決定することができる。そのような遺伝子座はLOH遺伝子座であり、そのような遺伝子座の領域はLOH領域である。
異常が生殖細胞系性であるかそれとも体細胞性であるかを判定するために、コンピュータ計算法を用いることもできる。そのような手法は、分析および比較のための生殖細胞系試料が入手不能である場合に特に有用である。例えば、他所に記載されたものなどのアルゴリズムを用いることで、SNPアレイからの情報を用いてLOH領域を検出することができる(Nannya et al., Cancer Res. (2005) 65:6071-6079 (2005))。典型的には、これらのアルゴリズムは、良性組織を伴う腫瘍試料の混入を明示的には考慮に入れていない。Abkevich et al.に対する国際出願第PCT/US2011/026098号;Goransson et al., PLoS One (2009) 4(6):e6057を参照されたい。この混入は、多くの場合、LOH領域の検出を困難にするほどに十分に高度である。混入があるにもかかわらずLOH、TAIおよびLSTを同定するための、本発明による改良された分析方法には、下記のようなコンピュータソフトウェア製品に組み込まれたものが含まれる。
以下は一例である。2つのアレルAおよびBのシグナルの観察比が2:1である場合には、2つの可能性がある。第1の可能性は、正常細胞が50%混入した試料において、癌細胞がアレルBの欠失を伴うLOHを有するというものである。第2の可能性は、正常細胞が混入していない試料において、LOHは存在しないもののアレルAが重複しているというものである。本明細書に記載されたコンピュータプログラムとしてアルゴリズムを実行して、遺伝子型(例えば、SNP遺伝子型)データに基づいてLOH領域を再構築することができる。このアルゴリズムの要点の1つは、まず、各遺伝子座(例えば、SNP)でのアレル特異的コピー数(ASCN)を再構築することである。ASCNは、父性アレルおよび母性アレルの両方のコピー数である。続いて、LOH領域を、ASCNの一方(父性または母性)が0である一続きのSNPとして決定する。このアルゴリズムは尤度関数を最大化することに基づくことができ、各遺伝子座(例えば、SNP)での総コピー数(ASCNではなく)を再構築するように設計された、以前に記載されたアルゴリズムに概念的に類似していてもよい。Abkevichらに対する国際出願第PCT/US2011/026098号を参照。尤度関数は、すべての遺伝子座のASCN、良性組織の混入レベル、全ゲノムにわたって平均された総コピー数、および試料特異的なノイズレベルに対して最大化することができる。アルゴリズムへの入力データは、(1)各遺伝子座の両方のアレルに関する試料特異的な正規化シグナル強度、および(2)公知のASCNプロファイルを伴う多数の試料の分析に基づいて定められた、アッセイ特異的(異なるSNPアレイおよび配列ベースのアプローチに対して特異的な)なパラメーターのセットを含むことができるか、またはそれらからなることができる。
場合によっては、核酸シークエンシング手法を用いて、遺伝子座の遺伝子型判定を行うことができる。例えば、細胞試料(例えば、癌細胞試料)由来のゲノムDNAを抽出して断片化することができる。ゲノム核酸の抽出および断片化には、QIAamp(商標)DNA Mini Kit(Qiagen(商標))、MagNA(商標)Pure DNA Isolation Kit(Roche Applied Science(商標))およびGenElute(商標)Mammalian Genomic DNA Miniprep Kit(Sigma-Aldrich(商標))などの市販のキットを非限定的に含む、任意の適切な方法を用いることができる。抽出および断片化がひとたび行われると、標的化シークエンシングまたは非標的化シークエンシングのいずれかを行うことにより、遺伝子座での試料の遺伝子型を決定することができる。例えば、全ゲノム、全トランスクリプトーム、または全エキソームでのシークエンシングを行うことにより、数百万またはさらには数十億もの塩基対で遺伝子型を決定することがきる(すなわち、塩基対が、評価しようとする「遺伝子座」であってもよい)。
場合によっては、公知の多型遺伝子座(例えば、SNPおよび周囲配列)の標的化シークエンシングを、マイクロアレイ分析に代わるものとして行うことができる。例えば、この目的のために設計されたキット(例えば、Agilent SureSelect(商標)、Illumina TruSeq Capture(商標)、およびNimblegen SeqCap EZ Choice(商標))を用いて、ゲノムDNAを、分析しようとする遺伝子座(例えば、SNP位置)を含有する断片に関して濃縮することができる。例えば、分析しようとする遺伝子座を含有するゲノムDNAを、ビオチン化捕捉RNA断片とハイブリダイズさせて、ビオチン化RNA/ゲノムDNA複合体を形成させることができる。または、DNA捕捉プローブを利用して、ビオチン化DNA/ゲノムDNAハイブリッドを形成させることもできる。ストレプトアビジンでコーティングされた磁気ビーズおよび磁力を用いて、ビオチン化RNA/ゲノムDNA複合体を、ビオチン化RNA/ゲノムDNA複合体内に存在しないゲノムDNA断片から分離することができる。得られたビオチン化RNA/ゲノムDNA複合体を処理して、捕捉されたRNAを磁気ビーズから取り出し、それによって、分析しようとする遺伝子座を含有するインタクトなゲノムDNA断片を残すことができる。分析しようとする遺伝子座を含有する、これらのインタクトなゲノムDNA断片を、例えば、PCR法を用いて増幅することができる。増幅されたゲノムDNA断片は、Illumina HiSeq(商標)、Illumina MiSeq(商標)、Life Technologies SoLID(商標)もしくはIon Torrent(商標)、またはRoche 454(商標)などのハイスループットシークエンシング技術または次世代シークエンシング技術を用いてシークエンシングを行うことができる。
本明細書に記載のマイクロアレイ分析と同じように、ゲノムDNA断片からのシークエンシング結果を用いて、遺伝子座をCAを呈するかまたは呈しないとして同定することができる。場合によっては、染色体のある長さにわたって遺伝子座の遺伝子型の分析を行うことで、CA領域の長さを決定することができる。例えば、染色体の長さ方向に間隔をおいて位置する(例えば、約25kb~約100kbの間隔をおいて位置する)一続きのSNP位置をシークエンシングによって評価し、そのシークエンシング結果を用いることで、染色体の長さ方向に存在するCA領域の存在だけでなく、CA領域の長さも決定することができる。得られたシークエンシングの結果を用いて、染色体の長さ方向に沿ってアレル量をプロットしたグラフを作成することができる。SNPiに関するアレル量diは、2つのアレルに関する捕捉プローブの調整数(AiおよびBi)から算出することができる:di=Ai/(Ai+Bi)。そのようなグラフの一例は図1および図2に提示されている。異常が生殖細胞系性であるかそれとも体細胞性であるかの判定は、本明細書に記載された通りに行うことができる。
場合によっては、選択プロセスを用いることで、遺伝子座の遺伝子型判定を行うように構成されたアッセイ(例えば、SNPアレイベースのアッセイおよびシークエンシングベースのアッセイ)を用いて、評価しようとする遺伝子座(例えば、SNP遺伝子座)を選択することができる。例えば、遺伝子座の遺伝子型判定を行うように構成されたSNPアレイベースのアッセイまたはシークエンシングベースのアッセイに含めるために、任意のヒトSNP位置を選択することができる。場合によっては、ヒトゲノム内に存在する50万、100万、150万、200万、250万またはそれを上回るSNP位置を評価して、(a)Y染色体上に存在しない、(b)ミトコンドリアSNPでない、(c)白人において少なくとも約5%のマイナーアレル頻度を有する、(d)白人以外の3つの人種(例えば、中国人、日本人、およびヨルバ族)において少なくとも約1%のマイナーアレル頻度を有する、ならびに/または(e)4つの人種のいずれにおいてもハーディ・ワインベルグ平衡から有意に逸脱しない、SNPを同定することができる。場合によっては、(a)から(e)までの基準を満たす、100,000を上回る、150,000を上回る、または200,000を上回るヒトSNPを選択することができる。(a)から(e)までの基準を満たすヒトSNPのうち、SNPが白人において高度のアレル頻度を有し、幾分均一な間隔をおいてヒトゲノムをカバーし(例えば、約25kb~約500kbごとに少なくとも1つのSNP)、4つの人種のいずれにおいても別の選択されたSNPと連鎖不平衡にないようにSNP群(例えば、上位110,000のSNP)を選択することができる。場合によっては、約4万、5万、6万、7万、8万、9万、10万、11万、12万、13万またはそれを上回るSNPを、これらの基準を満たすものとして選択し、ヒトゲノム全体にわたってCA領域を同定するように構成されたアッセイに含めることができる。例えば、SNPアレイベースアッセイを用いた分析のために、約70,000~約90,000(例えば、約80,000)のSNPを選択することができる。シークエンシングベースのアッセイを用いた分析のために、約45,000~約55,000(例えば、約54,000)のSNPを選択することができる。
本明細書に記載の通り、任意の適切なタイプの試料を評価することができる。例えば、癌細胞を含有する試料を評価して、癌細胞のゲノムが、HRDシグネチャーを含有するか、HRDシグネチャーを欠くか、インジケーターCA領域の数が増加しているか、またはCA領域スコアが増加しているかを判定することができる。本明細書に記載の通りに評価することができる癌細胞を含有する試料の例には、腫瘍生検試料(例えば、乳腺腫瘍生検試料)、ホルマリン固定してパラフィン包埋した癌細胞含有組織試料、コア針生検試料、細針吸引液、および腫瘍から脱落した癌細胞を含有する試料(例えば、血液、尿、または他の体液)が非限定的に含まれる。ホルマリン固定しパラフィン包埋した組織試料の場合、試料を、上記のキット(例えば、QuickExtract(商標)FFPE DNA Extraction Kit(Epicentre(商標))およびQIAamp(商標)DNA FFPE Tissue Kit(Qiagen(商標)))を非限定的に含む、FFPE組織に最適化されたゲノムDNA抽出キットを用いるDNA抽出によって調製することができる。
場合によっては、評価しようとする癌細胞試料内の非癌細胞の数を最小化するために、組織試料に対してレーザーダイセクション法を行うことができる。場合によっては、抗体ベースの精製法を用いて、癌細胞を濃縮すること、および/または非癌細胞を枯渇させることができる。癌細胞濃縮に用いることができる抗体の例には、抗EpCAM、抗TROP-2、抗c-Met、抗葉酸結合タンパク質、抗N-カドヘリン、抗CD318、抗抗間葉(anti-antimesencymal)幹細胞抗原、抗Her2、抗MUC1、抗EGFR、抗サイトケラチン(例えば、サイトケラチン7、サイトケラチン20など)、抗カベオリン-1、抗PSA、抗CA125、および抗サーファクタントタンパク質抗体が非限定的に含まれる。
本明細書に記載の方法および材料を用いて、任意の種類の癌細胞を評価することができる。例えば、乳癌細胞、卵巣癌細胞、肝臓癌細胞、食道癌細胞、肺癌細胞、頭頚部癌細胞、前立腺癌細胞、結腸癌細胞、直腸癌細胞、または結腸直腸癌細胞、および膵臓癌細胞を評価して、癌細胞のゲノムが、HRDシグネチャーを含有するか、HRDシグネチャーを欠くか、染色体全体をカバーするCA領域の数が増加しているか、またはCA領域スコアが増加しているかを判定することができる。いくつかの態様において、癌細胞は、卵巣癌、乳癌、肺癌、または食道癌の原発癌細胞または転移癌細胞である。
癌細胞のゲノムを、HRDシグネチャーの存在または不在について評価する場合には、1対または複数の対(例えば、1対、2対、3対、4対、5対、6対、7対、8対、9対、10対、11対、12対、13対、14対、15対、16対、17対、18対、19対、20対、21対、22対、または23対)の染色体を評価することができる。場合によっては、癌細胞のゲノムを、1対または複数の対(例えば、1対、2対、3対、4対、5対、6対、7対、8対、9対、10対、11対、12対、13対、14対、15対、16対、17対、18対、19対、20対、21対、22対、23対)の染色体を用いて、HRDシグネチャーの存在または不在について評価する。
場合によっては、この分析から、ある同定の染色体を除外することが有益な可能性がある。例えば、女性の場合、評価しようとする対はX性染色体対を含んでもよい;一方、男性の場合、1対の任意の常染色体(すなわち、X性染色体およびY性染色体の対以外の任意の対)を評価することができる。別の例として、場合によっては、17番染色体対を分析から除外してもよい。ある特定の癌では、ある特定の染色体が普通よりも高いレベルのCAを有することが明らかになっており、このため、本明細書に記載の通りに試料を分析する場合には、これらの癌を有する患者からそのような染色体を除外することが有益な可能性がある。場合によっては、試料は卵巣癌を有する患者に由来し、除外される染色体は17番染色体である。
したがって、所定の数の染色体を分析して、インジケーターCA領域の数(またはCA領域スコアもしくは複合CA領域スコア)、好ましくは、9メガベースを上回る、10メガベースを上回る、12メガベースを上回る、14メガベースを上回る、より好ましくは15メガベースを上回る長さのCA領域の総数を決定してもよい。代替的または追加的に、同定されたすべてのインジケーターCA領域のサイズを合計して、インジケーターCA領域の全長を得ることもできる。
本明細書に記載のように、HRDシグネチャー状態を有すると同定された癌細胞(またはそれに由来する試料)を有する患者は、そのようなHRDシグネチャー状態に少なくとも部分的に基づいて、ある特定の癌治療レジメンに反応する可能性が高いと分類することができる。例えば、HRDシグネチャーを伴うゲノムを有する癌細胞を有する患者は、そのようなHRDシグネチャー状態に少なくとも部分的に基づいて、DNA傷害剤、合成致死性薬剤(例えば、PARP阻害薬)、放射線、またはそれらの組み合わせの使用を含む癌治療レジメンに反応する可能性が高いと分類することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。DNA傷害剤の例には、白金系化学療法薬(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンおよびピコプラチン)、アントラサイクリン(例えば、エピルビシンおよびドキソルビシン)、トポイソメラーゼI阻害薬(例えば、カンプトテシン(campothecin)、トポテカンおよびイリノテカン)、DNA架橋剤、例えばマイトマイシンCおよびトリアゼン化合物(例えば、ダカルバジンおよびテモゾロミド)が非限定的に含まれる。合成致死による治療アプローチは、典型的には、特定の腫瘍細胞の生存にとって特に重要な生物学的経路の少なくとも1つの決定的な構成要素を阻害する薬剤を投与することを伴う。例えば、腫瘍細胞が相同修復経路欠損(例えば、本発明によって決定されるようなもの)を有する場合には、ポリADPリボースポリメラーゼの阻害薬(または白金系薬物、二本鎖切断修復阻害薬など)は、そのような腫瘍に対して特に効力を有する可能性があるが、これは、生存にとって決定的に重要な2つの経路が(一方は生物学的に、例えば、BRCA1突然変異によって、他方は合成的に、例えば、経路薬物の投与によって)遮断されるためである。癌療法に対する合成致死アプローチは、例えば、O'Brien et al., Converting cancer mutations into therapeutic opportunities, EMBO MOL. MED. (2009) 1:297-299に記載されている。合成致死性薬剤の例には、相同修復欠損腫瘍細胞におけるPARP阻害薬または二本鎖切断修復阻害薬、PTEN欠損腫瘍細胞におけるPARP阻害薬、MSH2欠損腫瘍細胞におけるメトトレキサートなどが非限定的に含まれる。PARP阻害薬の例には、オラパリブ、イニパリブ、およびベリパリブが非限定的に含まれる。二本鎖切断修復阻害薬の例には、KU55933(ATM阻害薬)およびNU7441(DNA-PKcs阻害薬)が非限定的に含まれる。特定の癌治療レジメンに反応する可能性が高いという分類の基礎をなすHRDシグネチャーの存在に加えて用いることができる情報の例には、以前の治療結果、生殖細胞系または体細胞性のDNA突然変異、遺伝子またはタンパク質の発現プロファイリング(例えば、ER/PR/HER2状態、PSAレベル)、腫瘍組織学(例えば、腺癌、扁平上皮癌、漿液性乳頭癌、粘液性癌、浸潤性腺管癌、非浸潤性乳管癌(非侵襲性)など)、疾患ステージ、腫瘍または癌のグレード(例えば、高分化、中分化、もしくは低分化(例えば、Gleason、modified Bloom Richardson)など)、以前の治療コースの回数などが非限定的に含まれる。
特定の癌治療レジメン(例えば、DNA傷害剤、PARP阻害薬、放射線、またはそれらの組み合わせの使用を含む癌治療レジメン)に反応する可能性が高いとひとたび分類されると、癌患者をそのような癌治療レジメンによって治療することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。本発明はしたがって、患者を治療する方法であって、本明細書に記載される通りのHRDシグネチャーを検出する段階、およびDNA傷害剤、PARP阻害薬、放射線、またはそれらの組み合わせの使用を含む治療レジメンを施与する(または推奨または処方する)段階を含む方法を提供する。問題となっている癌を治療するための任意の適切な方法を用いて、HRDシグネチャー状態を有する癌細胞を有すると同定された癌患者を治療することができる。例えば、白金系化学療法薬または白金系化学療法薬の組み合わせを用いて、他所に記載されたように癌を治療することができる(例えば、米国特許第3,892,790号、第3,904,663号、第7,759,510号、第7,759,488号および第7,754,684号を参照)。場合によっては、アントラサイクリンまたはアントラサイクリンの組み合わせを用いて、他所に記載されたように癌を治療することができる(例えば、米国特許第3,590,028号、第4,138,480号、第4,950,738号、第6,087,340号、第7,868,040号および第7,485,707号を参照)。場合によっては、トポイソメラーゼI阻害薬またはトポイソメラーゼI阻害薬の組み合わせを用いて、他所に記載されたように癌を治療することができる(例えば、米国特許第5,633,016号および第6,403,563号を参照)。場合によっては、PARP阻害薬またはPARP阻害薬の組み合わせを用いて、他所に記載されたように癌を治療することができる(例えば、米国特許第5,177,075号、第7,915,280号、および第7,351,701号を参照)。場合によっては、放射線を用いて、他所に記載されたように癌を治療することができる(例えば、米国特許第5,295,944号を参照)。場合によっては、放射線治療とともに、または放射線治療を伴わずに、異なる薬剤を含む組み合わせ(例えば、白金系化学療法薬、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、および/またはPARP阻害薬のいずれかを含む組み合わせ)を用いて癌を治療することができる。場合によっては、併用療法は、上記の薬剤または治療のいずれか(例えば、DNA傷害剤、PARP阻害薬、放射線、またはそれらの組み合わせ)を、別の薬剤または治療、例えば、タキサン剤(例えば、ドキセタキセル、パクリタキセル、アブラキサン)、増殖因子阻害薬もしくは増殖因子受容体阻害薬(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、スニチニブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、パニツムマブ)、および/または代謝拮抗剤(例えば、5-フルオロウラシル(flourouracil)、メトトレキサート)とともに含んでもよい。
場合によっては、HRDシグネチャーを欠く試料に少なくとも部分的に基づいて、HRDシグネチャーを欠くゲノムを有する癌細胞を有すると同定された患者は、DNA傷害剤、PARP阻害薬、放射線、またはそれらの組み合わせを含む治療レジメンに反応する可能性が低いと分類することができる。引き続いて、そのような患者は、HDRと関連しない1種または複数種の癌治療薬、例えば、タキサン剤(例えば、ドキセタキセル、パクリタキセル、アブラキサン)、増殖因子阻害薬もしくは増殖因子受容体阻害薬(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、スニチニブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、パニツムマブ)、および/または代謝拮抗剤(例えば、5-フルオロウラシル(flourouracil)、メトトレキサート)の使用を含む癌治療レジメンに反応する可能性が高いと分類することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。特定の癌治療レジメン(例えば、HDRと関連しない癌治療薬の使用を含む癌治療レジメン)に反応する可能性が高いとひとたび分類されると、癌患者をそのような癌治療レジメンによって治療することができる。本発明はしたがって、患者を治療する方法であって、本明細書に記載される通りのHRDシグネチャーの不在を検出する段階、およびDNA傷害剤、PARP阻害薬、放射線、またはそれらの組み合わせの使用を含まない治療レジメンを施与する(または推奨または処方する)段階を含む方法を提供する。いくつかの態様におおいて、治療レジメンは、タキサン剤(例えば、ドキセタキセル、パクリタキセル、アブラキサン)、増殖因子阻害薬もしくは増殖因子受容体阻害薬(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、スニチニブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、パニツムマブ)、および/または代謝拮抗剤(例えば、5-フルオロウラシル(flourouracil)、メトトレキサート)のうち1つまたは複数を含む。治療される癌に対して適切な任意の方法を用いて、HRDシグネチャーを欠く癌細胞を有すると同定された癌患者を治療することができる。特定の癌治療レジメンに反応する可能性が高いという分類の基礎をなすHRDシグネチャーの不在に加えて用いることができる情報の例には、以前の治療結果、生殖細胞系または体細胞性のDNA突然変異、遺伝子またはタンパク質の発現プロファイリング(例えば、ER/PR/HER2状態、PSAレベル)、腫瘍組織学(例えば、腺癌、扁平上皮癌、漿液性乳頭癌、粘液性癌、浸潤性腺管癌、非浸潤性乳管癌(非侵襲性)など)、疾患ステージ、腫瘍または癌のグレード(例えば、高分化、中分化、もしくは低分化(例えば、Gleason、modified Bloom Richardson)など)、以前の治療コースの回数などが非限定的に含まれる。
ある特定の期間(例えば、1カ月~6カ月)にわたってひとたび治療を行った上で、患者を評価して、治療レジメンが効果を有するか否かを判定することができる。有益な効果が検出された場合には、患者は同じまたは類似の癌治療レジメンを続けることができる。わずかな有益な効果しか検出されないか、または有益な効果が全く検出されない場合には、癌治療レジメンに調整を加えることができる。例えば、用量、投与頻度、または治療期間を増やすことができる。場合によっては、さらなる抗癌薬を治療レジメンに追加してもよく、または特定の抗癌薬を1種もしくは複数種の異なる抗癌薬と置き換えることもできる。適宜、治療される患者をモニターし続けることができ、適宜、癌治療レジメンに変更を加えることができる。
可能性の高い治療反応を予測すること、または望ましい治療レジメンを選択することに加えて、HRDシグネチャーを、患者の予後を判定するために用いることもできる。したがって、1つの局面において、本文書は、患者からの試料におけるHRDシグネチャーの存在または不在を検出することに少なくとも部分的に基づいて、患者の予後を判定するための方法を特徴とする。本方法は、(a)患者からの試料が、本明細書に記載されたHRDシグネチャーを有する(本明細書において、高HRDを有すると称される場合がある)癌細胞を含むか否か(もしくは、試料がそのような細胞に由来するDNAを含むか否か)を判定する段階(例えば、参照数を上回るインジケーターCA領域またはより高度のCA領域スコアまたは複合CA領域スコアの存在)、および(b)(1)HRDシグネチャーの存在または高HRDを有することに少なくとも部分的に基づいて、患者の予後が比較的良好であると判定する段階、または(b)(2)HRDシグネチャーの不在に少なくとも部分的に基づいて、患者の予後が比較的不良であると判定する段階を含むか、またはこれらの段階から本質的になる。予後は、患者の生存の見込み(例えば、無増悪生存期間、全生存期間)を含んでもよく、ここで、比較的良好な予後には、何らかの参照集団(例えば、この患者の癌タイプ/サブタイプを有する平均的な患者、HRDシグネチャーを有しない平均的な患者など)と比較して生存の見込みが高いことが含まれると考えられる。反対に、生存に関して比較的不良である予後には、何らかの参照集団(例えば、この患者の癌タイプ/サブタイプを有する平均的な患者、HRDシグネチャーを有する平均的な患者など)と比較して生存の見込みが低いことが含まれると考えられる。
本明細書に記載のように、本文書は、患者を、HRDシグネチャーを有するゲノムを有する細胞(例えば、癌細胞)について評価するための方法を提供する。いくつかの態様において、1人または複数の臨床医または医療従事者は、患者からの試料が、HRDシグネチャーを有する癌細胞を含むか否か(または試料がそのような細胞に由来するDNAを含むか否か)を判定することができる。場合によっては、1人または複数の臨床医または医療従事者は、患者から癌細胞試料を入手し、癌細胞試料の癌細胞のDNAを評価して、本明細書に記載の通りのHRDシグネチャーの存在または不在を判定することによって、患者がHRDシグネチャーを有する癌細胞を含有するか否かを判定することができる。
場合によっては、1人または複数の臨床医または医療従事者は、患者から癌細胞試料を入手し、癌細胞試料の癌細胞のDNAを評価する能力のある試験機関に試料を提供して、本明細書に記載の通りのHRDシグネチャーの存在または不在を示すことができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。そのような場合、1人または複数の臨床医または医療従事者は、試験機関から直接的または間接的にHRDシグネチャーの存在または不在についての情報を受け取ることによって、患者がHRDシグネチャーを有する癌細胞を含むか否か(または試料がそのような細胞に由来するDNAを含むか否か)を判定することができる。例えば、試験機関は、本明細書に記載の通りのHRDシグネチャーの存在または不在について癌細胞のDNAを評価した後に、臨床医または医療従事者に、評価される特定の患者(または患者試料)に関するHRDシグネチャーの存在または不在を示す、書面による、電子的な、もしくは口頭による報告または医療記録を提供することができるか、またはこれらにアクセスできるようにすることができる。そのような書面による、電子的な、もしくは口頭による報告または医療記録があると、1人または複数の臨床医または医療従事者は、評価される特定の患者がHRDシグネチャーを有する癌細胞を含有するか否かを判定することができる。
臨床医もしくは医療従事者、または臨床医もしくは医療従事者のグループが、評価されるある特定の患者がHRDシグネチャーを有する癌細胞を含有するとひとたび判定すると、臨床医または医療従事者(またはグループ)は、その患者を、そのゲノムがHRDシグネチャーの存在を含有する癌細胞を有すると分類することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。場合によっては、臨床医もしくは医療従事者、または臨床医もしくは医療従事者のグループは、そのゲノムがHRDシグネチャーの存在を含有する癌細胞を有すると判定された患者を、HDRが欠損している(または欠損している見込みが高い)癌細胞を有すると診断することができる。そのような診断は、患者からの試料が、HRDシグネチャーを有する癌細胞を含むか否か(または試料がそのような細胞に由来するDNAを含むか否か)という判定に単に基づいてもよく、または、患者からの試料がHRDシグネチャーを有する癌細胞を含むか否か(または試料がそのような細胞に由来するDNAを含むか否か)という判定に少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、HRDシグネチャーを有する癌細胞を有すると判定された患者は、HRDシグネチャーおよび1つまたは複数の腫瘍抑制遺伝子(例えば、BRCA1/2、RAD51C)の欠損状態、癌の家族歴、または行動危険因子(例えば、喫煙)の存在の組み合わせに基づいて、HDRが欠損している可能性が高いと診断することができる。
場合によっては、臨床医もしくは医療従事者、または臨床医もしくは医療従事者のグループは、そのゲノムがHRDシグネチャーの存在を含有する癌細胞を有すると判定された患者を、HDR経路における1つまたは複数の遺伝子における遺伝子突然変異を含有する可能性が高い癌細胞を有すると診断することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。そのような診断は、評価される特定の患者が、HRDシグネチャーを含有するゲノムを有する癌細胞を有するという判定に単に基づいてもよく、または評価される特定の患者が、HRDシグネチャーを含有するゲノムを有する癌細胞を有するという判定に少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、そのゲノムがHRDシグネチャーの存在を含有する癌細胞を有すると判定された患者は、HRDシグネチャーおよび癌の家族歴の存在、または行動危険因子(例えば、喫煙)の存在の組み合わせに基づいて、HDR経路における1つまたは複数の遺伝子における遺伝子突然変異を含有する可能性が高い癌細胞を有すると診断することができる。
場合によっては、臨床医もしくは医療従事者、または臨床医もしくは医療従事者のグループは、HRDシグネチャーを有する癌細胞を有すると判定された患者を、特定の癌治療レジメンに反応する可能性が高い癌細胞を有すると診断することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。そのような診断は、患者からの試料が、HRDシグネチャーを有する癌細胞を含むか否か(または試料がそのような細胞に由来するDNAを含むか否か)という判定に単に基づいてもよく、または、患者からの試料がHRDシグネチャーを有する癌細胞を含むか否か(または試料がそのような細胞に由来するDNAを含むか否か)という判定に少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、HRDシグネチャーを有する癌細胞を有すると判定された患者は、HRDシグネチャーおよび1つまたは複数の腫瘍抑制遺伝子(例えば、BRCA1/2、RAD51)の欠損状態、癌の家族歴、または行動危険因子(例えば、喫煙)の存在の組み合わせに基づいて、特定の癌治療レジメンに反応する可能性が高いと診断することができる。本明細書に記載の通り、HRDシグネチャーを有する癌細胞を有すると判定された患者は、白金系化学療法薬、例えばシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンもしくはピコプラチンなど、アントラサイクリン、例えばエピルビシンもしくはドキソルビシンなど、トポイソメラーゼI阻害薬、例えばカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンなど、PARP阻害薬、放射線、それらの組み合わせ、または前述のいずれかと別の抗癌薬との組み合わせの使用を含む癌治療レジメンに反応する可能性が高いと診断することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。
臨床医もしくは医療従事者、または臨床医もしくは医療従事者のグループが、患者からの試料がHRDシグネチャーを欠くゲノムを有する癌細胞を含む(または試料がそのような細胞に由来するDNAを含む)とひとたび判定すると、臨床医または医療従事者(またはグループ)は、その患者を、そのゲノムがHRDシグネチャーを欠く癌細胞を有すると分類することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。場合によっては、臨床医もしくは医療従事者、または臨床医もしくは医療従事者のグループは、HRDシグネチャーを欠くゲノムを含有する癌細胞を有すると判定された患者を、機能的HDRを有する可能性が高い癌細胞を有すると診断することができる。場合によっては、臨床医もしくは医療従事者、または臨床医もしくは医療従事者のグループは、HRDシグネチャーを欠くゲノムを含有する癌細胞を有すると判定された患者を、HDR経路における1つまたは複数の遺伝子の遺伝子突然変異を含有する可能性が低い癌細胞を有すると診断することができる。場合によっては、臨床医もしくは医療従事者、または臨床医もしくは医療従事者のグループは、HRDシグネチャーを欠くゲノムを含有するか、または染色体全体をカバーする多数のCA領域を含有する癌細胞を有すると判定された患者を、白金系化学療法薬、例えばシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンもしくはピコプラチンなど、アントラサイクリン、例えばエピルビシンもしくはドキソルビシンなど、トポイソメラーゼI阻害薬、例えばカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンなど、PARP阻害薬、または放射線に反応する可能性が低い、かつ/または、HDRに関連していない癌治療剤、例えば、1つまたは複数のタキサン剤、増殖因子阻害薬もしくは増殖因子受容体阻害薬、代謝拮抗剤などの使用を含む、癌治療レジメンに反応する可能性が高い癌細胞を有すると診断することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。
本明細書に記載の通り、本文書はまた、癌患者の核酸試料(例えば、ゲノム核酸試料またはそれから増幅されたゲノム核酸試料)の診断分析を行って、患者からの試料が、HRDシグネチャーおよび/または染色体全体をカバーする多数のCA領域を含有する癌細胞を含むか否か(または試料がそのような細胞に由来するDNAを含むか否か)を判定するための方法を提供する。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。例えば、1人または複数の検査技師または検査従事者は、患者の癌細胞のゲノム(またはそれに由来するDNA)におけるHRDシグネチャーの存在もしくは不在、または患者の癌細胞のゲノムにおける染色体全体をカバーする多数のCA領域の存在もしくは不在を検出することができる。場合によっては、1人または複数の検査技師または検査従事者は、(a)患者から得られた癌細胞試料を受け取るか、患者から得られた癌細胞から得られたゲノム核酸試料を受け取るか、または患者から得られた癌細胞から得られた、濃縮および/もしくは増幅されたそのようなゲノム核酸試料を受け取り、(b)受け取った材料を用いて分析(例えば、SNPアレイベースのアッセイまたはシークエンシングベースのアッセイ)を行って、本明細書に記載の通りのHRDシグネチャーの存在もしくは不在、または染色体全体をカバーする多数のCA領域の存在もしくは不在を検出することによって、患者の癌細胞のゲノムにおけるHRDシグネチャーの存在もしくは不在、または染色体全体をカバーする多数のCA領域の存在もしくは不在を検出することができる。場合によっては、1人または複数の検査技師または検査従事者は、臨床医または医療従事者から直接的または間接的に、分析しようとする試料(例えば、患者から得られた癌細胞試料、患者から得られた癌細胞から得られたゲノム核酸試料、または患者から得られた癌細胞から得られた濃縮および/もしくは増幅されたそのようなゲノム核酸試料)を受け取ることができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。
検査技師もしくは検査従事者、または検査技師もしくは検査従事者のグループが、本明細書に記載の通りのHRDシグネチャーの存在をひとたび検出すると、検査技師または検査従事者(またはグループ)は、そのHRDシグネチャーまたは行われた診断分析の結果(または複数の結果もしくは結果のまとめ)を、対応する患者の名前、医療記録、記号/数字の識別子、またはそれらの組み合わせと関連づけることができる。そのような同定は、HRDシグネチャーの存在を検出することに単に基づいてもよく、HRDシグネチャーの存在を検出することに少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、検査技師または検査従事者は、HRDシグネチャーを有すると検出された癌細胞を有する患者を、HRDシグネチャーならびに試験機関において行われた他の遺伝子検査および生化学検査の結果の組み合わせに基づいて、潜在的にHDRが欠損している癌細胞を有する(または本明細書における長さでの記載の通りの特定の治療に反応する見込みが高い)と同定することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。
前記のことの逆も成り立つ。すなわち、検査技師もしくは検査従事者、または検査技師もしくは検査従事者のグループが、HRDシグネチャーの不在をひとたび検出すると、検査技師または検査従事者(またはグループ)は、HRDシグネチャーまたは行われた診断分析の結果(または複数の結果もしくは結果のまとめ)を、対応する患者の名前、医療記録、記号/数字の識別子、またはそれらの組み合わせと関連づけることができる。場合によっては、検査技師もしくは検査従事者、または検査技師もしくは検査従事者のグループは、HRDシグネチャーを欠くと検出された癌細胞を有する患者を、HRDシグネチャーの不在のみに基づいて、またはHRDシグネチャーの存在と試験機関において行われた他の遺伝子検査および生化学検査の結果との組み合わせに基づいて、潜在的にインタクトなHDRを有する癌細胞を有する(または本明細書における長さでの記載の通りの特定の治療に反応する見込みが低い)と同定することができる。いくつかの態様において、患者は未治療患者である。
本発明による任意の分析の結果は、多くの場合、医師、遺伝カウンセラーおよび/または患者(または研究者などの他の当事者)に対して、上記の関係者のいずれにも伝えることができるかまたは伝達することができる伝達可能な形で伝えられる。そのような形はさまざまであってよく、手で触れることができてもよく、手で触れることができなくてもよい。結果は、記述、図、写真、チャート、画像、または他の任意の視覚形態で具体化することができる。例えば、結果を説明する際に、遺伝子型またはLOH(もしくはHRD状態)情報を示したグラフまたは図を用いることができる。記述および視覚形態は、手で触れることができる媒体、例えば、紙、コンピュータ読取り可能な媒体、例えば、フロッピーディスク、コンパクトディスク、フラッシュメモリなど、または手で触れることができない媒体、例えば、電子メールの形をした電子媒体またはインターネット上もしくはイントラネット上のウェブサイトに記録することができる。さらに、結果は音声形態で記録し、任意の適切な媒体、例えば、アナログケーブルラインまたはデジタルケーブルライン、光ファイバーケーブルなど、電話、ファクシミリ、無線携帯電話、インターネット電話などを介して伝達することもできる。
したがって、試験結果に関する情報およびデータは世界のどこでも作成し、異なる場所に伝達することができる。1つの例示的な例として、アッセイが米国外で行われた場合に、試験結果に関する情報およびデータが作成され、前記のように伝達可能な形でキャスト(cast)され、次いで、米国にインポートされる。したがって、本発明はまた、少なくとも1つの患者試料についてHRDシグネチャーに関する伝達可能な形の情報を生成するための方法も包含する。方法は、(1)本発明の方法にしたがってHRDシグネチャーを決定する段階;および(2)決定する段階の結果を伝達可能な形で具体化する段階を含む。伝達可能な形は、そのような方法の結果である。
本明細書に記載の本発明のいくつかの態様は、本発明によるHRDシグネチャー(例えば、例えば、参照数を上回るインジケーターCA領域の総数またはCA領域スコアもしくは複合CA領域スコア)と、特定の臨床的特徴(例えば、BRCA1遺伝子もしくはBRCA2遺伝子の欠損の見込みが高いこと;HDR欠損の見込みが高いこと;DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、および/もしくはPARP阻害薬などを含む治療レジメンに対する反応の見込みが高いこと)とを相関づける段階、および任意でHRDシグネチャーの不在と1つまたは複数の他の臨床的特徴と相関づける段階を伴う。本文書の全体を通じて、そのような態様が説明される場合は必ず、本発明の別の態様は、相関づける段階に加えて、または相関づける段階の代わりに、以下の段階の1つまたは両方を伴ってもよい:(a)HRDシグネチャーの存在もしくは不在に少なくとも部分的に基づいて、患者が臨床特徴を有すると結論づける段階;または(b)HRDシグネチャーの存在もしくは不在に少なくとも部分的に基づいて、患者が臨床的特徴を有することを伝える段階。
例示として、ただし限定的ではないが、本文書に記載の1つの態様は、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、および/またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに対する癌患者の反応を予測する方法であって、(1)試料における、(a)試料に関するLOH領域スコア;(b)試料に関するTAI領域スコア;または(c)試料に関するLST領域スコアのうち2つまたはそれを上回るものを決定する段階;ならびに(2)(a)参照数を超えるLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアのうち2つまたはそれを上回るものの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)を、治療レジメンに反応する見込みが高いことと相関づける段階;または任意で(2)(b)参照数を超えないLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアのうち2つまたはそれを上回るものの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)を、治療レジメンに反応する見込みが低いことと相関づける段階;または任意で(2)(c)LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアの平均(例えば、算術平均)を相関づける段階、を含む方法である。前記の段落によれば、この態様のこの説明は、2つの関連する代替的な態様の説明を含むものと解釈される。そのような態様の1つは、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、および/またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに対する癌患者の反応を予測する方法であって、(1)試料における、(a)試料に関するLOH領域スコア;(b)試料に関するTAI領域スコア;または(c)試料に関するLST領域スコア;または(d)LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアの平均(例えば、算術平均)のうち2つまたはそれを上回るものを決定する段階;ならびに(2)(a)参照数を超えるLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアのうち2つまたはそれを上回るものの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)に少なくとも部分的に基づいて、前記患者が前記癌治療レジメンに反応する見込みが高いと結論づける段階;または任意で(2)(b)参照数を超えない、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアのうち2つもしくはそれを上回るものの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア)、もしくはLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアの平均(例えば、算術平均)に少なくとも部分的に基づいて、前記患者が前記癌治療レジメンに反応する見込みが低いと結論づける段階、を含む方法を提供する。別のそのような態様は、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、および/またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに対する癌患者の反応を予測する方法であって、(1)試料における、(a)試料に関するLOH領域スコア;(b)試料に関するTAI領域スコア;または(c)試料に関するLST領域スコア;または(d)LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアの平均(例えば、算術平均)のうち2つまたはそれを上回るものを決定する段階;ならびに(2)(a)参照数を超える、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアのうち2つまたはそれを上回るものの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア);またはLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアの平均(例えば、算術平均)に少なくとも部分的に基づいて、前記患者が前記癌治療レジメンに反応する見込みが高いことを伝える段階;または任意で(2)(b)参照数を超えない、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアのうち2つまたはそれを上回るものの組み合わせ(例えば、複合CA領域スコア);またはLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアの平均(例えば、算術平均)に少なくとも部分的に基づいて、前記患者が前記癌治療レジメンに反応する見込みが低いことを伝える段階、を含む方法を提供する。
ある特定のアッセイまたは分析の出力(例えば、参照数を上回るインジケーターCA領域の総数、HRDシグネチャーの存在など)を、何らかの臨床的特徴(例えば、特定の治療に対する反応、癌特異死亡など)の何らかの見込み(例えば、増加、増加なし、減少など)と相関づけること、または追加的もしくは代替的に、そのような特定のアッセイまたは分析の出力に少なくとも部分的に基づいて、そのような臨床的特徴を結論づけるかもしくは伝えることを伴う、本文書に記載のそれぞれの態様において、そのように相関づけること、結論づけること、または伝えることは、特定のアッセイまたは分析の出力に少なくとも部分的に基づいて、臨床的特徴が発生するリスクまたは見込みを割り当てることを含んでもよい。いくつかの態様において、そのようなリスクは、事象またはアウトカムが発生するパーセント確率である。いくつかの態様において、患者は、リスク群(例えば、低リスク、中リスク、高リスクなど)に割り当てられる。いくつかの態様において、「低リスク」は、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、35%未満、40%未満、45%未満、または50%未満の任意のパーセント確率である。いくつかの態様において、「中リスク」は、5%を上回り、10%を上回り、15%を上回り、20%を上回り、25%を上回り、30%を上回り、35%を上回り、40%を上回り、45%を上回り、または50%を上回り、かつ15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、35%未満、40%未満、45%未満、50%未満、55%未満、60%未満、65%未満、70%未満、または75%未満である任意のパーセント確率である。いくつかの態様において、「高リスク」は、25%を上回る、30%を上回る、35%を上回る、40%を上回る、45%を上回る、50%を上回る、55%を上回る、60%を上回る、65%を上回る、70%を上回る、75%を上回る、80%を上回る、85%を上回る、90%を上回る、95%を上回る、または99%を上回る、任意のパーセント確率である。
本明細書で用いる場合、ある特定の情報を「伝えること」は、そのような情報を別の人に知らせること、またはそのような情報を、もの(例えば、コンピュータ)に移すことを意味する。本発明のいくつかの方法では、ある特定の治療に対する反応の患者の予後または見込みが伝えられる。いくつかの態様においては、そのような予後または反応の予測に到達するために用いられる情報(例えば、本発明によるHRDシグネチャーなど)が伝えられる。この伝達は、聴覚(例えば、口頭)、視覚(例えば、書面)、電子(例えば、あるコンピュータシステムから別のコンピュータシステムに転送されたデータ)などによるものでもよい。いくつかの態様において、癌分類(例えば、予後、反応の見込み、適切な治療など)を伝えることは癌分類を伝える報告を作成することを含む。いくつかの態様において、報告は、紙の報告、聴覚による報告、または電子記録である。いくつかの態様において、報告は、コンピュータ計算装置(例えば、手持ち式の装置、デスクトップコンピュータ、スマートデバイス、ウェブサイトなど)に表示および/または記憶される。いくつかの態様において、癌分類は医師に伝えられる(例えば、分類を伝える報告が医師に提供される)。いくつかの態様において、癌分類は患者に伝えられる(例えば、分類を伝える報告が患者に提供される)。癌分類は、分類を具体化する情報(例えば、データ)をサーバコンピュータに転送し、中間ユーザまたはエンドユーザがそのような情報にアクセスできるようにすることによって(例えば、サーバから表示された際に情報を見ることによって、サーバから中間ユーザまたはエンドユーザの装置などに転送される1つまたは複数のファイルの形で情報をダウンロードすることによって)伝えることもできる。
本発明の態様が、何らかの事実(例えば、患者の予後、または特定の治療レジメンに患者が反応する見込み)を結論づけることを含む場合は必ず、これは、いくつかの態様において、典型的には、本発明にしたがってCA領域に関する情報を適用するアルゴリズムを実行した後に、そのような事実を結論づけるコンピュータプログラムを含みうる。
いくつかのCA領域(例えば、インジケーターCA領域)、またはそのようなCA領域の総合算長、または複合CAR領域スコアの平均(例えば、算術平均)が関与する、本明細書に記載のそれぞれの態様において、本発明は、そのような数もしくは長さから導き出され、そのような数もしくは長さを組み込んでおり、かつ/またはそのような数もしくは長さを少なくともある程度まで反映している、試験値またはスコア(例えば、CA領域スコア、LOH領域スコアなど)が関与する関連した態様を範囲に含む。換言すれば、本発明のさまざまな方法、システムなどにおいて、ありのままの(bare)CA領域の数または長さが用いられる必要はなく、そのような数または長さから導き出された試験値またはスコアを用いてもよい。例えば、本発明の1つの態様は、患者における癌を治療する方法であって、(1)前記患者からの試料において、(a)インジケーターLOH領域の数、(b)インジケーターTAI領域の数、または(c)インジケーターLST領域の数の2つもしくはそれ以上または平均(例えば、算術平均)を決定する段階;(2)前記インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、および/またはインジケーターLST領域の数から導き出される1つまたは複数の試験値を提供する段階;(3)前記試験値を、1つまたは複数の参照値(例えば、参照集団におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、および/またはインジケーターLST領域の数から導き出される参照値(例えば、平均値、中央値、三分位値、四分位値、五分位値など))と比較する段階;ならびに(4)(a)試験値のうち1つまたは複数が、少なくとも1つの前記参照値よりも大きい(例えば、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍大きい;少なくとも1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差、6標準偏差、7標準偏差、8標準偏差、9標準偏差、または10標準偏差大きい)ことを明らかにする前記比較する段階に少なくとも部分的に基づいて、前記患者に対して抗癌薬を投与する段階、または化学療法および/もしくは合成致死性薬剤を含む治療レジメンを推奨する、もしくは処方する、もしくは開始する段階;または任意で(4)(b)試験値のうち1つまたは複数が、少なくとも1つの前記参照値より大きくはない(例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍大きくはない; 1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差、6標準偏差、7標準偏差、8標準偏差、9標準偏差、または10標準偏差大きくはない)ことを明らかにする前記比較する段階に少なくとも部分的に基づいて、化学療法および/もしくは合成致死性薬剤を含まない治療レジメンを推奨する、もしくは処方する、もしくは開始する段階、を含む方法を提供する。本発明は、必要に応じて変更を加えて、試験値またはスコアが、患者の予後、患者が特定の治療レジメンに反応する見込み、BRCA1欠損、BRCA2欠損、RAD51C欠損、またはHDR欠損などを患者または患者の試料が有する見込みを判定するために用いられる、対応する態様を範囲に含む。
図8は、コンピュータ計算システム(またはコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム(例えば、ソフトウェア))が本明細書に記載の通りの遺伝子型データからLOH遺伝子座または領域を同定することができる例示的なプロセスを示す。このプロセスは、当業者に明らかなように、TAIおよびLSTを決定するのに使用するよう適合されうる。2つのアレルAおよびBのシグナルの観察された比が2:1である場合に、2つの可能性がある。第1の可能性は、癌細胞が、正常細胞により50%混入されている試料中でアレルBが欠失したLOHを有する可能性である。第2の可能性は、LOHはないが、正常細胞に混入されていない試料中でアレルAが重複している可能性である。プロセスはボックス1500から開始する。ボックス1500では、以下のデータ:(1)各遺伝子座の両アレルの試料特異的な正規化されたシグナル強度ならびに(2)公知のASCNプロファイルを有する多数の試料の分析に基づいて定義されたアッセイ特異的な(異なるSNPアレイおよび配列ベースアプローチに特異的な)パラメータセットがコンピュータ計算システムによって収集される。本明細書に記載の通り、SNPアレイベースのアッセイまたはシークエンシングベースのアッセイなどの任意の適切なアッセイを用いて、染色体に沿って遺伝子座をホモ接合性またはヘテロ接合性について評価することができる。場合によっては、シグナル検出器およびコンピュータを含むシステムを用いて、複数の遺伝子座のホモ接合性またはヘテロ接合性に関するデータ(例えば、蛍光シグナルまたはシークエンシング結果)(例えば、各遺伝子座の両アレルの試料特異的な正規化されたシグナル強度)を収集することができる。ボックス1510では、アレル特異的コピー数(ASCN)が各遺伝子座(例えば、各SNP)において再構築される。ASCNは父性アレルおよび母性アレル両方のコピー数である。ボックス1530では、ホモ接合性遺伝子座またはホモ接合性遺伝子座の領域がLOHによるものであるかどうかを判定するために尤度関数が用いられる。これは、各遺伝子座(例えば、SNP)における(ASCNではなく)全コピー数を再構築するように設計された以前に述べられたアルゴリズムに概念的に類似してもよい。Abkevichらに対する国際出願第PCT/US2011/026098号を参照のこと。尤度関数はすべての遺伝子座のASCN、良性組織による混入のレベル、全ゲノムにわたって平均された全コピー数、および試料特異的雑音レベルにわたって最大にすることができる。ボックス1540では、ASCNの一方(父性または母性)が0である一続きのSNPとしてLOH領域が決定される。いくつかの態様において、コンピュータプロセスは、患者が未治療か否かを問い合わせる段階、または患者が未治療か否かを判定する段階をさらに含む。
図3は、コンピュータ計算システムがLOHシグネチャーの存在または不在を判定することができる例示的なプロセスを示しており、これは、当業者には明らかであるように、このプロセスがどのようにしてTAIおよびLSTに対しても適用されうるかを例示するために含められている。プロセスはボックス300から開始され、ここでは、染色体に沿った複数の遺伝子座のホモ接合性またはヘテロ接合性に関するデータがコンピュータ計算システムによって収集される。本明細書に記載の通り、SNPアレイベースのアッセイまたはシークエンシングベースのアッセイなどの任意の適切なアッセイを用いて、染色体に沿って遺伝子座をホモ接合性またはヘテロ接合性について評価することができる。場合によっては、シグナル検出器およびコンピュータを備えるシステムを用いて、複数の遺伝子座のホモ接合性またはヘテロ接合性に関するデータ(例えば、蛍光シグナルまたはシークエンシング結果)を収集することができる。ボックス310では、複数の遺伝子座のホモ接合性またはヘテロ接合性に関するデータならびに各遺伝子座の位置または空間関係をコンピュータ計算システムによって評価して、染色体に沿って存在する任意のLOH領域の長さを決定する。ボックス320では、検出されたLOH領域の数およびそれぞれの検出されたLOH領域の長さに関するデータをコンピュータ計算システムによって評価して、(a)あらかじめ設定したMb数(例えば、15Mb)より長い、またはこれに等しく、かつ(b)そのLOH領域を含有する染色体の全長より短い長さを有するLOH領域の数を決定する。または、コンピュータ計算システムは、上記のようにLOHの全長を決定するかまたはLOHの長さの合計を求めることができる。ボックス330において、コンピュータ計算システムは、HRDシグネチャーの存在または不在を示す出力をフォーマットする。ひとたびフォーマットされると、コンピュータ計算システムは、ユーザ(例えば、検査技師、臨床医、または医療従事者)に出力を提示することができる。本明細書に記載の通り、HRDシグネチャーの存在または不在を用いて、患者の可能性の高いHDR状態を示すこと、HDR経路における遺伝子の遺伝子突然変異についての可能性の高い存在または不在を示すこと、および/または可能性のある癌治療レジメンを示すことができる。
図4は、本明細書に記載の手法とともに用いられ得る、コンピュータ装置1400およびモバイルコンピュータ装置1450の一例の図である。コンピュータ計算装置1400は、さまざまな種類のデジタルコンピュータ、例えば、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の適切なコンピュータであることが意図される。コンピュータ計算装置1450は、さまざまな種類のモバイル装置、例えば、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、および他の類似するコンピュータ計算装置であることが意図される。ここで示した構成要素、これらの接続および関係、ならびにこれらの機能は例示にすぎないことが意図され、本文書において説明および/または請求される本発明の実行を限定することが意図されない。
コンピュータ計算装置1400は、プロセッサ1402、メモリ1404、記憶装置1406、メモリ1404および高速拡張ポート1410に接続している高速インターフェース1408、ならびに低速バス1414および記憶装置1406に接続している低速インターフェース1415を備える。構成要素1402、1404、1406、1408、1410、および1415はそれぞれさまざまなバスを用いて相互接続され、共通マザーボードに、または適宜、他のやり方で装着されてもよい。プロセッサ1402は、外部入力/出力装置、例えば、高速インターフェース1408とつながっているディスプレイ1416におけるGUI用の図形情報を表示するために、メモリ1404または記憶装置1406に記憶された命令を含む、コンピュータ計算装置1400の中で実行するための命令を処理することができる。他の実行において、複数のプロセッサおよび/または複数のバスが、適宜、複数のメモリおよびメモリのタイプとともに用いられてもよい。また、複数のコンピュータ計算装置1400が接続されてもよく、それぞれの装置が(例えば、サーババンク、ブレードサーバの集まり、またはマルチプロセッサシステムとして)必要な操作の一部を提供する。
メモリ1404はコンピュータ計算装置1400内に情報を記憶する。一実行では、メモリ1404は揮発性メモリユニットである。別の実行では、メモリ1404は非揮発性メモリユニットである。メモリ1404はまた別の種類のコンピュータ可読媒体、例えば、磁気ディスクまたは光ディスクでもよい。
記憶装置1406はコンピュータ計算装置1400に大容量記憶を提供することができる。一実行では、記憶装置1406は、コンピュータ可読媒体、例えば、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、もしくはテープ装置、フラッシュメモリもしくは他の類似するソリッドステートメモリ装置、または、記憶領域ネットワーク中もしくは他の構成中の装置を含む数多くのいろいろな装置でもよく、これらを備えてもよい。コンピュータプログラム製品は、手で触れることができるように情報キャリアに組み入れられることができる。コンピュータプログラム製品はまた、実行された場合に1つまたは複数の方法、例えば、本明細書に記載の方法を行う命令を含んでもよい。情報キャリアは、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体、例えば、メモリ1404、記憶装置1406、プロセッサ1402に搭載されたメモリ、または伝搬シグナルである。
高速コントローラ1408はコンピュータ計算装置1400のために帯域幅集約性(bandwidth-intensive)の動作を管理するのに対して、低速コントローラ1415は帯域幅集約性の低い動作を管理する。そのような機能の割り当ては例示にすぎない。一実行では、高速コントローラ1408はメモリ1404、ディスプレイ1416(例えば、グラフィックスプロセッサまたはアクセラレータを介して)、および高速拡張ポート1410につなげられ、高速拡張ポート1410はさまざまな拡張カード(図示せず)を受け入れてもよい。この実行において、低速コントローラ1415は記憶装置1406および低速拡張ポート1414につなげられる。低速拡張ポートはさまざまな通信ポート(例えば、USB、ブルートゥース、イーサーネット、またはワイヤレスイーサーネット)を備えてもよく、例えば、ネットワークアダプターを介して、1つまたは複数の入力/出力装置、例えば、キーボード、ポインティング装置、スキャナー、光学読取り装置、蛍光シグナル検出器、またはネットワーキング装置、例えば、スイッチもしくはルータにつなげられてもよい。
図面に示したように、コンピュータ計算装置1400は多数の異なる形で実行することができる。例えば、コンピュータ計算装置1400は標準的なサーバ1420として実行されてもよく、そのようなサーバの集まりにおいて複数回実行されてもよい。コンピュータ計算装置1400はラックサーバシステム1424の一部として実行されてもよい。さらに、コンピュータ計算装置1400はパーソナルコンピュータ、例えば、ラップトップコンピュータ1422の中で実行されてもよい。または、コンピュータ計算装置1400からの構成要素が、モバイル装置(図示せず)中の他の構成要素、例えば、装置1450と組み合わされてもよい。そのような装置はそれぞれコンピュータ計算装置1400、1450の1つまたは複数を備えてもよく、システム全体が、互いに通信する複数のコンピュータ計算装置1400、1450からなってもよい。
コンピュータ計算装置1450は、構成要素(例えば、スキャナー、光学読取り装置、蛍光シグナル検出器)の中でも、プロセッサ1452、メモリ1464、入力/出力装置、例えば、ディスプレイ1454、通信インターフェース1466、およびトランシーバ1468を備える。装置1450には、さらなる記憶を提供するためにマイクロドライブまたは他の装置などの記憶装置も設けられてよい。構成要素1450、1452、1464、1454、1466、および1468はそれぞれさまざまなバスを用いて相互接続され、構成要素のいくつかは共通マザーボードにまたは適宜、他のやり方で装着されてもよい。
プロセッサ1452は、メモリ1464に記憶されている命令を含む、コンピュータ計算装置1450内の命令を実行することができる。プロセッサは、別々のかつ複数のアナログプロセッサおよびデジタルプロセッサを備えるチップのチップセットとして実行されてもよい。プロセッサは、例えば、装置1450の他の構成要素をうまく調整するために、例えば、ユーザインターフェースの制御、装置1450によって動かされるアプリケーション、および装置1450による無線通信を提供してもよい。
プロセッサ1452は、制御インターフェース1458およびディスプレイ1454につなげられたディスプレイインターフェース1456を介してユーザと通信することができる。ディスプレイ1454は、例えば、TFTLCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)もしくはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイまたは他の適切なディスプレイ技術でよい。ディスプレイインターフェース1456は、ディスプレイ1454を駆動して図形情報および他の情報をユーザに提示するための適切な回路を備えてもよい。制御インターフェース1458はユーザからコマンドを受信し、プロセッサ1452に送信するためにコマンドを変換してもよい。さらに、外部インターフェース1462は、装置1450と他の装置との近領域(near area)通信を可能にするようにプロセッサ1452と通信してもよい。外部インターフェース1462は、例えば、一部の実行では有線通信を提供してもよく、他の実行では無線通信を提供してもよく、複数のインターフェースが用いられてもよい。
メモリ1464はコンピュータ計算装置1450内に情報を記憶する。メモリ1464は、コンピュータ可読媒体、揮発性メモリユニット、または非揮発性メモリユニットの1つまたは複数として実行することができる。拡張メモリ1474が拡張インターフェース1472を介して設置され、装置1450に接続されてもよい。拡張インターフェース1472は、例えば、SIMM(シングル・インライン・メモリ・モジュール)カードインターフェースを含んでもよい。そのような拡張メモリ1474は、余分な記憶空間を装置1450に提供してもよく、装置1450のためのアプリケーションまたは他の情報を記憶してもよい。例えば、拡張メモリ1474は本明細書に記載のプロセスを実施または補足する命令を含んでもよく、安全な情報も含んでよい。したがって、例えば、拡張メモリ1474は装置1450用のセキュリティーモジュールとして提供されてもよく、装置1450の安全な使用を可能にする命令でプログラムされてもよい。さらに、ハッキングできないように識別情報をSIMMカードに入れるなどSIMMカードを介して安全なアプリケーションが追加情報とともに提供されてもよい。
メモリは、例えば、下記で議論されるようにフラッシュメモリおよび/またはNVRAMメモリを含んでもよい。一実行では、コンピュータプログラム製品は手で触れることができるように情報キャリアに組み入れられる。コンピュータプログラム製品は実行された場合に1つまたは複数の方法、例えば、本明細書に記載の方法を行う命令を含む。情報キャリアは、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体、例えば、メモリ1464、拡張メモリ1474、プロセッサ1452に搭載されたメモリ、または受信され得る伝搬シグナル、例えば、トランシーバ1468もしくは外部インターフェース1462で受信され得る伝搬シグナルである。
装置1450は通信インターフェース1466を介して無線通信してもよい。通信インターフェース1466は、必要な場合、デジタル信号処理回路を備えてもよい。通信インターフェース1466は、さまざまなモードまたはプロトコール、例えば、特に、GSMボイスコール、SMS、EMS、またはMMSメッセージング、CDMA、TDMA、PDC、WCDMA、CDMA2000、またはGPRSの下で通信を提供してもよい。そのような通信は、例えば、無線周波トランシーバ1468を介して発生してもよい。さらに、例えば、ブルートゥース、WiFi、または他のそのようなトランシーバ(図示せず)を用いて、短距離通信が発生してもよい。さらに、GPS(汎地球測位システム)レシーバモジュール1470が、さらなるナビゲーション関連無線データおよび位置関連無線データを装置1450に提供してもよく、ナビゲーション関連無線データおよび位置関連無線データは、適宜、装置1450上で動作するアプリケーションによって用いられてもよい。
装置1450はまた、オーディオコーデック1460を用いて可聴音通信してもよい。オーディオコーデック1460はユーザからの音声情報を受信し、使用可能なデジタル情報に変換し得る。さらに、オーディオコーデック1460は、例えば、スピーカを介して、例えば、装置1450のハンドセットにおいてユーザに可聴音を発生し得る。そのような音声はボイステレフォンコールからの音を含んでもよく、記録された音声(例えば、音声メール、ミュージックファイルなど)を含んでもよく、装置1450上で動作するアプリケーションが作成した音声も含んでもよい。
図面に示したように、コンピュータ計算装置1450は多数の異なる形で実行することができる。例えば、コンピュータ計算装置1450は携帯電話1480として実行されてもよい。コンピュータ計算装置1450はまたスマートフォン1482、携帯情報端末、または他の類似したモバイル装置の一部としても実行されてもよい。
本明細書に記載のシステムおよび手法のさまざまな実行は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらのさまざまな実行は、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令を受信し、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置にデータおよび命令を送信するようにつなげられた、特殊用途でもよく一般用途でもよい少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含む、プログラム可能なシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つまたは複数のコンピュータプログラムにおける実行を含んでもよい。
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとも知られる)はプログラマブルプロセッサの機械命令を含み、高水準の手続き形プログラミング言語および/もしくはオブジェクト指向プログラミング言語ならびに/またはアセンブリ/機械言語で実行することができる。本明細書で用いる「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械可読シグナルとして機械命令を受け取る機械可読媒体を含むプログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するのに用いられる任意のコンピュータプログラム製品、機器、および/または装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラム可能論理デバイス(PLD))を指す。「機械可読シグナル」という用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するのに用いられる任意のシグナルを指す。
ユーザとの対話を提供するために本明細書に記載のシステムおよび手法は、情報をユーザに表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)ならびにユーザがコンピュータに入力するのを可能にするキーボードおよびポインティング装置(例えば、マウスまたはトラックボール)を有するコンピュータ上で実行することができる。他の種類の装置を用いて、ユーザとの対話を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは任意の種類の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)でよい。ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、または触覚入力を含む任意の形で受信することができる。
本明細書に記載のシステムおよび手法は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバとして)を備える、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーション・サーバ)を備える、またはフロントエンドコンポーネント(例えば、例えば、ユーザが本明細書に記載のシステムおよび手法の実行と対話することができるためのグラフィカル・ユーザインタフェースもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)、またはそのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、もしくはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを備えるコンピュータ計算システムにおいて実行することができる。システムのコンポーネントは任意の形態または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、およびインターネットが含まれる。
コンピュータ計算システムはクライアントおよびサーバを備えてもよい。クライアントおよびサーバは一般的に互いに離れており、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で動作し、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって発生する。
場合によっては、本明細書において提供されるコンピュータ計算システムは1つまたは複数の試料分析器を備えるように構成されてもよい。試料分析器は、癌細胞からの少なくとも1対のヒト染色体のゲノムDNAについて複数のシグナルを発生するように構成されてもよい。例えば、試料分析器は、染色体に沿って遺伝子座のホモ接合性またはヘテロ接合性を同定するやり方で解釈することができるシグナルを発生することができる。場合によっては、試料分析器は、SNPアレイベースのアッセイまたはシークエンシングベースのアッセイの1つまたは複数の段階を実施するように構成されてもよく、そのようなアッセイからシグナルを発生および/または捕捉するように構成されてもよい。場合によっては、本明細書において提供されるコンピュータ計算システムはコンピュータ計算装置を備えるように構成されてもよい。そのような場合、コンピュータ計算装置は試料分析器からシグナルを受信するように構成されてもよい。コンピュータ計算装置は、本明細書に記載の方法または段階の1つまたは複数を実施するための、コンピュータ実行可能命令またはコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム(例えば、ソフトウェア)を含んでもよい。場合によっては、そのようなコンピュータ実行可能命令は、試料分析器、別のコンピュータ計算装置、SNPアレイベースのアッセイ、またはシークエンシングベースのアッセイからのシグナルを分析するようにコンピュータ計算装置を命令することができる。そのようなシグナルを分析して、遺伝子型、ある特定の遺伝子座におけるホモ接合性もしくは他の染色体異常、CA領域、CA領域の数を決定すること、CA領域のサイズを決定すること、特定のサイズもしくはサイズ範囲を有するCA領域の数を決定すること、試料がHRDシグネチャー陽性であるかどうかを判定すること、少なくとも1対のヒト染色体中のインジケーターCA領域の数を決定すること、BRCA1遺伝子および/もしくはBRCA2遺伝子の欠損の見込みを判定すること、HDRの欠損の見込みを判定すること、癌患者がある特定の癌治療レジメン(例えば、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、PARP阻害薬、またはそれらの組み合わせを含むレジメン)に反応する見込みを判定すること、またはこれらの項目の組み合わせを決定することができる。
場合によっては、本明細書において提供されるコンピュータ計算システムは、CA領域の数、CA領域のサイズ、特定のサイズまたはサイズ範囲を有するCA領域の数、試料がHRDシグネチャーに関して陽性であるか否か、少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域の数、BRCA1遺伝子および/もしくはBRCA2遺伝子の欠損の見込み、HDRの欠損の見込みの決定、癌患者が特定の癌治療レジメン(例えば、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、PARP阻害薬、またはそれらの組み合わせを含むレジメン)に反応する見込み、またはこれらの項目の組み合わせについての指標を提供する出力をフォーマットするためのコンピュータ実行可能命令またはコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム(例えば、ソフトウェア)を備えてもよい。場合によっては、本明細書において提供されるコンピュータ計算システムは、HRDシグネチャーの存在もしくは不在、またはインジケーターCA領域の数に少なくとも部分的に基づいて、特定の患者に望ましい癌治療レジメンを決定するための、コンピュータ実行可能命令またはコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム(例えば、ソフトウェア)を備えてもよい。
場合によっては、本明細書において提供されるコンピュータ計算システムは、SNPアレイベースのアッセイまたはシークエンシングベースのアッセイを行うことができるように、試料(例えば、癌細胞)を処理するように構成された前処理装置を備えてもよい。前処理装置の例には、非癌細胞とは対照的に癌細胞ついて細胞集団を濃縮するように構成された装置、細胞を溶解し、かつ/またはゲノム核酸を抽出するように構成された装置、ならびに特定のゲノムDNA断片について試料を濃縮するように構成された装置が非限定的に含まれる。
本文書はまた、本明細書に記載の通りの試料(例えば、癌細胞)を評価するためのキットを提供する。例えば、本文書は、HRDシグネチャーの存在について癌細胞を評価するための、または少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域の数を決定するためのキットを提供する。本明細書において提供されるキットは、SNPプローブ(例えば、本明細書に記載のSNPアレイベースのアッセイを実施するためのSNPプローブのアレイ)またはプライマー(例えば、シークエンシングベースのアッセイを介してSNP領域をシークエンシングするように設計されたプライマー)のいずれかを、本明細書に記載の方法または段階の1つまたは複数を実施するためのコンピュータ実行可能命令(例えば、特定のサイズまたはサイズ範囲を有するCA領域の数を決定するためのコンピュータ実行可能命令)を含むコンピュータプログラム製品と組み合わせて含んでもよい。場合によっては、本明細書において提供されるキットは、ヒトゲノムDNAの多型領域にハイブリダイズすることができる少なくとも500個、1000個、10,000個、25,000個、または50,000個のSNPプローブを含んでもよい。場合によっては、本明細書において提供されるキットは、ヒトゲノムDNAの多型領域をシークエンシングすることができる少なくとも500個、1000個、10,000個、25,000個、または50,000個のプライマーを含んでもよい。場合によっては、本明細書において提供されるキットは、SNPアレイベースのアッセイまたはシークエンシングベースのアッセイを行うための1つまたは複数の他の構成要素を含んでもよい。そのような他の構成要素の例には、緩衝液、シークエンシング用ヌクレオチド、酵素(例えば、ポリメラーゼ)などが非限定的に含まれる。本文書はまた、本明細書に記載の方法または段階の1つまたは複数を実施するためのキットの製造における、本明細書において提供される任意の適切な数の材料の使用を提供する。例えば、本文書は、HRDシグネチャーの存在について癌細胞を評価するためのキットの製造における、SNPプローブの収集物(例えば、10,000~100,000個のSNPプローブの収集物)および本明細書において提供されるコンピュータプログラム製品の使用を提供する。別の例として、本文書は、HRDシグネチャーの存在について癌細胞を評価するためのキットの製造における、プライマーの収集物(例えば、SNP領域をシークエンシングするための10,000~100,000個のプライマーの収集物)および本明細書において提供されるコンピュータプログラム製品の使用を提供する。
具体的な態様
以下は、本開示の具体的な態様、すなわち、上記のより一般的な記載による方法およびシステムの、例示的であるが限定的ではない詳細である。
いくつかの態様において、用いられる試料は凍結腫瘍試料である。いくつかの態様において、試料は、トリプルネガティブ、ER+/HER2-、ER-/HER2+、またはER+/HER2+から選択される特定の乳癌サブタイプに由来する。いくつかの態様において、方法、システムなどの検査アッセイ部分は、BRCA1遺伝子および/またはBRCA2遺伝子のシークエンシングを行うために試料をアッセイすることを含む(ならびに表1における任意の他の1つまたは複数の遺伝子)。いくつかの態様において、方法、システムなどの検査アッセイ部分は、全ゲノムにわたる少なくとも10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000またはそれを上回る選択されたSNPに関してアレル量(例えば、遺伝子型、コピー数など)を決定するために試料をアッセイすることを含む。いくつかの態様において、SNP分析は、以上に考察したようなオリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いて行われる。いくつかの態様においては、BRCA配列分析、SNP分析またはその両方を、プローブ捕捉(例えば、分析しようとする各SNPに対するプローブ、ならびに/またはBRCA1および/もしくはBRCA2のコード領域全体を捕捉するためのプローブ)を用い、その後にPCR濃縮手法(例えば、Agilent(商標)SureSelect XT)を用いることによって行う。いくつかの態様においては、BRCA配列分析、SNP分析またはその両方を、「次世代」シークエンシングプラットフォーム(例えば、Illumina(商標)HiSeq2500)を用いる濃縮手法による出力を処理することによって行う。いくつかの態様においては、試料を、大規模な再配列を含む可能性のある、BRCA1/2の体細胞性および/または生殖細胞系突然変異について分析する。いくつかの態様においては、試料をBRCA1プロモーターのメチル化について分析する(例えば、qPCRアッセイ(例えば、SA Biosciences)によって)。いくつかの態様においては、試料が10%を上回る(または5%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%)メチル化(例えば、BRCA1またはBRCA2のプロモーターCpGのメチル化のパーセンテージ)を有するならば、試料を高度メチル化を有する(または「メチル化されていること」)と判定する。いくつかの態様においては、例えば、BRCA1またはBRCA2の突然変異が生殖細胞系であるかそれとも体細胞性であるかを判定するために、患者の対応する(matched)正常(非腫瘍)組織からのDNAを分析してもよい。
いくつかの態様においては、長さが15Mbを上回るが、染色体全体の長さよりも短いLOH領域の数を算定することによって、LOH領域スコアを算出することができる。いくつかの態様においては、長さが11Mbを上回り、サブテロメアの1つに広がるがセントロメアを越えないアレル不均衡を伴うテロメア領域の数を算定することによって、TAI領域スコアを算出することができる。いくつかの態様においては、3メガベースよりも短い領域をふるい落とした後に、安定的なコピー数を有する10メガベースよりも長い領域間の不連続点の数を算定することによって、LST領域スコアを算出することができる。いくつかの態様においては、LST領域スコアを倍数性によって調整することによって改変することができる:LSTm=LST-kP、式中、Pは倍数性であり、kは定数である(いくつかの態様において、k=15.5)。いくつかの態様において、BRCA1/2欠損は、影響を受けた遺伝子におけるLOHを伴う、BRCA1もしくはBRCA2の突然変異、またはBRCA1もしくはBRCA2のプロモーター領域のメチル化に起因する機能喪失と定義することができる。いくつかの態様において、治療に対する反応は部分的完全反応(「pCR」)であってよく、これはいくつかの態様において、治療(例えば、ネオアジュバント)後のMiller-Payne 5の状態と定義することができる。
いくつかの態様において、請求される方法は、BRCA欠損を、少なくとも8*10-12、6*10-6、0.0009、0.01、0.03、2*10-16、3*10-6、10-6、0.0009、8*10-12、2*10-16、8*10-8、6*10-6、3*10-6または0.0002のp値で予測する(例えば、これらのp値が得られるように、各CA領域スコアをあらかじめ定め、任意で複数のスコアを組み合わせる)。いくつかの態様において、p値は、Kolmogorov-Smirnov検定によって算出される。いくつかの態様において、HRDスコアおよび診断時年齢は、数値(例えば、整数)変数として符号化することができ、乳癌ステージおよびサブタイプはカテゴリー変数として符号化することができ、グレードは数値変数もしくはカテゴリー変数のいずれかまたはその両方として分析することができる。
いくつかの態様において、p値は両側性である。いくつかの態様においては、ロジスティック回帰分析を用い、本明細書に開示される通りのHRDスコア(HRD-複合スコアを含む)に基づいて、BRCA1/2欠損を予測することができる。いくつかの態様においては、さまざまなCA領域スコアが、(例えば、以下を達成する目的で定義された)以下の相関係数に従って相関づけられる:LOH領域スコアとTAI領域スコア=0.69(p=10-39)、LOHとLSTとの間=0.55(p=2*10-19)およびTAIとLSTとの間=0.39(p=10-9)。
いくつかの態様において、本方法は、BRCA1/2欠損を検出するため、かつ/または治療反応(例えば、白金療法(例えば、シスプラチン)に対する反応)を予測するために、LOH領域スコアおよびTAI領域スコアを以下のように組み合わせる:複合CA領域スコア=0.32*LOH領域スコア+0.68*TAI領域スコア。いくつかの態様において、本方法は、BRCA1/2欠損を検出するため、かつ/または治療反応(例えば、白金療法(例えば、シスプラチン)に対する反応)を予測するために、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアを以下のように組み合わせる:複合CA領域スコア=0.21*LOH領域スコア+0.67*TAI領域スコア+0.12*LST領域スコア。いくつかの態様において、本方法は、BRCA1/2欠損を検出するため、かつ/または治療反応(例えば、白金療法(例えば、シスプラチン)に対する反応)を予測するために、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアを以下のように組み合わせる:複合CA領域スコア=0.1 1*LOH領域スコア+0.25*TAI領域スコア+0.12*LST領域スコア。いくつかの態様において、本方法は、BRCA1/2欠損を検出するため、かつ/または治療反応(例えば、白金療法(例えば、シスプラチン)に対する反応)を予測するために、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアを以下のように組み合わせる:複合CA領域スコア=LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアの算術平均。
いくつかの態様において、BRCA欠損状態およびHRD状態を組み合わせることで、治療反応を予測することができる。例えば、本開示は、DNA傷害剤(例えば、白金系抗癌剤(platinum agent)、例えば、シスプラチン)、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、および/またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに対する患者(例えば、トリプルネガティブ乳癌患者)の反応を予測する方法であって、
患者試料由来の癌細胞において、前記癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域(例えば、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、インジケーターLST領域、またはそれらの任意の組み合わせ)の数を決定する段階;
患者試料由来の癌細胞が、BRCA1またはBRCA2の欠損(例えば、有害な突然変異、高度のプロモーターメチル化)を有するか否かを判定する段階;および
試料が(a)前記インジケーターCA領域の数が参照数よりも大きい、または(b)BRCA1もしくはBRCA2が欠損しているのいずれか、または(a)と(b)の両方である患者を、前記癌治療レジメンに反応する見込みが高いと診断する段階、
を含む方法を含みうる。
さらなる具体的な態様
態様1.DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに対する患者反応を予測するインビトロ方法であって、
(1)癌細胞を含む試料において、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域の数を決定する段階;および
(2)その試料におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域の数が参照数よりも多い患者を、該癌治療レジメンに反応する見込みが高いと診断する段階
を含む、方法。
態様2.少なくとも1対のヒト染色体がゲノム全体を代表する、態様1記載の方法。
態様3.インジケーターCA領域が少なくとも2対、3対、4対、5対、6対、7対、8対、9対、10対、11対、12対、13対、14対、15対、16対、17対、18対、19対、20対または21対のヒト染色体において決定される、態様1または態様2記載の方法。
態様4.癌細胞が卵巣癌細胞、乳癌細胞、または食道癌細胞である、態様1~3のいずれかに記載の方法。
態様5.インジケーターLOH領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回り、インジケーターTAI領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回り、かつインジケーターLST領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40 45、50であるかまたはそれを上回る、態様1~4のいずれかに記載の方法。
態様6.インジケーターLOH領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るが完全な染色体または完全な染色体腕のどちらよりも短いLOH領域と定義され、インジケーターTAI領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るがセントロメアを越えては広がらないTAI領域と定義され、かつインジケーターLST領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るLST領域と定義される、態様1~5のいずれかに記載の方法。
態様7.DNA傷害剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxalaplatin)もしくはピコプラチンであり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様1~6のいずれかに記載の方法。
態様8.癌治療レジメンに反応する見込みが高いと診断された患者に癌治療レジメンを施与する段階をさらに含む、態様1~7のいずれかに記載の方法。
態様9.白金系抗癌剤(platinum agent)を含む癌治療レジメンに対する患者反応を予測するインビトロ方法であって、
(1)癌細胞を含む試料において、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域の数を決定する段階;
(2)癌細胞を含む試料がBRCA1またはBRCA2を欠損しているか否かを判定する段階;および
(3)その試料において、(a)インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、もしくはインジケーターLST領域の数が参照数より大きいか、または(b)BRCA1もしくはBRCA2が欠損しているか、または(a)と(b)の両方のいずれかである患者を、該癌治療レジメンに反応する見込みが高いと診断する段階
を含む、方法。
態様10.少なくとも1対のヒト染色体がゲノム全体を代表する、態様9記載の方法。
態様11.インジケーターCA領域が少なくとも2対、3対、4対、5対、6対、7対、8対、9対、10対、11対、12対、13対、14対、15対、16対、17対、18対、19対、20対または21対のヒト染色体において決定される、態様9または態様10記載の方法。
態様12.癌細胞が卵巣癌細胞、乳癌細胞、または食道癌細胞である、態様9~11のいずれかに記載の方法。
態様13.インジケーターLOH領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回り、インジケーターTAI領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回り、かつインジケーターLST領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回る、態様9~12のいずれかに記載の方法。
態様14.インジケーターLOH領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るが完全な染色体または完全な染色体腕のどちらよりも短いLOH領域と定義され、インジケーターTAI領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るがセントロメアを越えては広がらないTAI領域と定義され、かつインジケーターLST領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るLST領域と定義される、態様9~13のいずれかに記載の方法。
態様15.DNA傷害剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxalaplatin)もしくはピコプラチンであり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様9~14のいずれかに記載の方法。
態様16.試料においてBRCA1またはBRCA2のいずれかに有害な突然変異、ヘテロ接合性消失または高度メチル化が検出される場合に、該試料がBRCA1またはBRCA2を欠損している、態様9~15のいずれかに記載の方法。
態様17.メチル化が、分析したBRCA1またはBRCA2のプロモーターCpGの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%に、またはそれを上回って検出される場合に、高度メチル化が検出される、態様16記載の方法。
態様18.DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに対する患者反応を予測するインビトロ方法であって、
(1)癌細胞を含む試料において、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域の数を決定する段階;
(2)該インジケーターCA領域の数から導き出される試験値を提供する段階;
(3)該試験値を、参照集団における該インジケーターCA領域の数から導き出される1つまたは複数の参照値と比較する段階;および
(4)その試料において該試験値が該1つまたは複数の参照数より大きい患者を、該癌治療レジメンに反応する見込みが高いと診断する段階
を含む、方法。
態様19.少なくとも1対のヒト染色体がゲノム全体を代表する、態様18記載の方法。
態様20.インジケーターCA領域が少なくとも2対、3対、4対、5対、6対、7対、8対、9対、10対、11対、12対、13対、14対、15対、16対、17対、18対、19対、20対または21対のヒト染色体において決定される、態様18または態様19記載の方法。
態様21.癌細胞が卵巣癌細胞、乳癌細胞、または食道癌細胞である、態様18~20のいずれかに記載の方法。
態様22.インジケーターLOH領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回り、インジケーターTAI領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回り、かつインジケーターLST領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回る、態様18~21のいずれかに記載の方法。
態様23.インジケーターLOH領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るが完全な染色体または完全な染色体腕のどちらよりも短いLOH領域と定義され、インジケーターTAI領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るがセントロメアを越えては広がらないTAI領域と定義され、かつインジケーターLST領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るLST領域と定義される、態様18~22のいずれかに記載の方法。
態様24.DNA傷害剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxalaplatin)もしくはピコプラチンであり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様18~23のいずれかに記載の方法。
態様25.その試料において前記試験値が前記1つまたは複数の参照数より大きくない患者を、前記癌治療レジメンに反応する見込みが高くないと診断する段階、および(5)(a)該癌治療レジメンに反応する見込みが高いと診断された患者に、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、またはPARP阻害薬を含む治療レジメンを推奨する、処方する、開始する、もしくは継続する段階;または(5)(b)該癌治療レジメンに反応する見込みが高くないと診断された患者に、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、またはPARP阻害薬を含まない治療レジメンを推奨する、処方する、開始する、もしくは継続する段階のいずれか、をさらに含む、態様18~24のいずれかに記載の方法。
態様26.試験値が、以下のように、試料におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の数の算術平均を算出すること:
によって導き出され、かつ、1つまたは複数の参照値が、以下のように、参照集団からの試料におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の数の算術平均を算出すること:
によって導き出される、態様18~25のいずれかに記載の方法。
態様27.その試料において試験値が、1つまたは複数の参照数の少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍もしくは10倍大きいか、少なくとも1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差、6標準偏差、7標準偏差、8標準偏差、9標準偏差もしくは10標準偏差大きいか、または少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%大きい患者を、前記癌治療レジメンに反応する見込みが高いと診断する段階を含む、態様18~26のいずれかに記載の方法。
態様28.癌患者を治療する方法であって、
(1)癌細胞を含む試料において、該癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域を含むインジケーターCA領域の数を決定する段階;
(2)該インジケーターCA領域の数から導き出される試験値を提供する段階;
(3)該試験値を、参照集団における該インジケーターCA領域の数から導き出される1つまたは複数の参照値と比較する段階;および
(4)(a)その試料において試験値が少なくとも1つの該参照値より大きい患者に、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬もしくはPARP阻害薬を含む治療レジメンを推奨する、処方する、開始する、もしくは継続する段階;または
(4)(b)その試料において試験値が少なくとも1つの該参照値より大きくない患者に、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬もしくはPARP阻害薬を含む治療レジメンを推奨する、処方する、開始する、もしくは継続する段階、のいずれか
を含む、方法。
態様29.少なくとも1対のヒト染色体がゲノム全体を代表する、態様28記載の方法。
態様30.インジケーターCA領域が少なくとも2対、3対、4対、5対、6対、7対、8対、9対、10対、11対、12対、13対、14対、15対、16対、17対、18対、19対、20対または21対のヒト染色体において決定される、態様28または態様29記載の方法。
態様31.癌細胞が卵巣癌細胞、乳癌細胞、または食道癌細胞である、態様28~30のいずれかに記載の方法。
態様32.インジケーターLOH領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回り、インジケーターTAI領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回り、かつインジケーターLST領域の参照数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50であるかまたはそれを上回る、態様28~31のいずれかに記載の方法。
態様33.インジケーターLOH領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るが完全な染色体または完全な染色体腕のどちらよりも短いLOH領域と定義され、インジケーターTAI領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るがセントロメアを越えては広がらないTAI領域と定義され、かつインジケーターLST領域が、長さが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50メガベースであるかまたはそれを上回るLST領域と定義される、態様28~32のいずれかに記載の方法。
態様34.DNA傷害剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxalaplatin)もしくはピコプラチンであり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様28~33のいずれかに記載の方法。
態様35.試験値が、以下のように、試料におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の数の算術平均を算出すること:
によって導き出され、かつ、1つまたは複数の参照値が、以下のように、参照集団からの試料におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の数の算術平均を算出すること:
によって導き出される、態様28~34のいずれかに記載の方法。
態様36.その試料において試験値が、1つまたは複数の参照数の少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍もしくは10倍大きいか、少なくとも1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差、6標準偏差、7標準偏差、8標準偏差、9標準偏差もしくは10標準偏差大きいか、または少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%大きい患者を、前記癌治療レジメンに反応する見込みが高いと診断する段階を含む、態様28~35のいずれかに記載の方法。
態様37.癌細胞またはそのゲノムDNAにおけるHRDを評価するための方法であって、
(a)癌細胞またはそれに由来するゲノムDNAにおいて、少なくとも1対のヒト染色体における前記癌細胞のインジケーターCA領域を検出する段階であって、前記少なくとも1対のヒト染色体がヒトX/Y性染色体対でない段階;および
(b)前記少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域の総数を決定する段階、
を含む方法。
態様38.癌細胞におけるBRCA1遺伝子およびBRCA2遺伝子の状態を予測する方法であって、
癌細胞において、前記癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域の総数を決定する段階;および
癌細胞において前記総数が参照数よりも大きい患者を、BRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子の欠損の見込みが高いと診断する段階、
を含む方法。
態様39.癌細胞におけるHDRの状態を予測する方法であって、
癌細胞において、前記癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域の総数を決定する段階;および
癌細胞において前記総数が参照数よりも大きい患者を、HDRの欠損の見込みが高いと診断する段階、
を含む方法。
態様40.DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、および/またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに対する癌患者の反応を予測する方法であって、
前記癌患者由来の癌細胞において、前記癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域の数を決定する段階;および
癌細胞において前記総数が参照数よりも大きい患者を、前記癌治療レジメンに反応する見込みが高いと診断する段階、
を含む方法。
態様41.治療レジメンに対する癌患者の反応を予測する方法であって、
前記癌患者由来の癌細胞において、前記癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域の総数を決定する段階;および
癌細胞において前記総数が参照数よりも大きい患者を、パクリタキセルまたはドセタキセルを含む治療レジメンに反応しない見込みが高いと診断する段階、
を含む方法。
態様42.癌を治療する方法であって、
(a)癌患者由来の癌細胞またはそれから得られたゲノムDNAにおいて、癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域の総数を決定する段階;および
(b)インジケーターCA領域の前記総数が参照数よりも大きい場合に、前記癌患者に対して、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される1つまたは複数の薬物を含む癌治療レジメンを施与する段階、
を含む方法。
態様43.合計5つまたはそれを上回るインジケーターCA領域を有すると判定された癌細胞を有すると同定された患者における癌を治療するために有用な医薬を製造するための、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される1つまたは複数の薬物の使用。
態様44.癌患者の癌細胞のLOH状態を判定するためのシステムであって、
(a)前記癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体のゲノムDNAに関する複数のシグナルを生じるように構成された試料分析装置、および
(b)前記複数のシグナルに基づいて、前記少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域の数を算出するようにプログラムされているコンピュータサブシステム、
を含むシステム。
態様45.コンピュータサブシステムが、インジケーターCA領域の数を参照数と比較して、
(a)前記癌細胞におけるBRCA1遺伝子および/もしくはBRCA2遺伝子の欠損の見込み、
(b)前記癌細胞におけるHDRの欠損の見込み、または
(c)前記癌患者が、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに反応する見込み、
を判定するようにプログラムされている、態様8記載のシステム。
態様46.コンピュータ上で実行された場合に、
ヒト染色体の1つまたは複数の上に存在する任意のインジケーターCA領域の存在または不在を検出する段階;および
1対または複数対の染色体における前記インジケーターCA領域の総数を決定する段階、
を行う、コンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム製品。
態様47.ヒトゲノムDNAの複数の多型領域とハイブリダイズしうる、少なくとも500個のオリゴヌクレオチド;および
態様10記載のコンピュータプログラム製品、
を含む、診断用キット。
態様48.癌患者から得られたヒト癌細胞の少なくとも1つの染色体対におけるインジケーターCA領域の総数を決定するため、および
(a)前記癌細胞におけるBRCA1遺伝子もしくはBRCA2遺伝子の欠損の見込みが高いこと、
(b)前記癌細胞におけるHDRの欠損の見込みが高いこと、または
(c)前記癌患者が、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線もしくはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに反応する見込みが高いこと、
を検出するために有用な診断用キットを製造するための、ヒトゲノムDNAの複数の多型領域とハイブリダイズしうる複数のオリゴヌクレオチドの使用。
態様49.インジケーターCA領域がインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域であり、任意で、少なくとも2対、5対、10対または21対のヒト染色体において決定される、態様37~42のいずれかに記載の方法。
態様50.癌細胞が卵巣癌細胞、乳癌細胞、または食道癌細胞である、態様36~42のいずれかに記載の方法。
態様51.インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域の総数が9、15、20であるかまたはそれを上回る、態様36~42のいずれかに記載の方法。
態様52.インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域またはインジケーターLST領域が、約6、12もしくは15メガベース、またはそれを上回る長さを有すると定義される、態様36~42のいずれかに記載の方法。
態様53.参照数が6、7、8、9、10、11、12もしくは13であるかまたはそれを上回る、態様36~42のいずれかに記載の方法。
態様54.インジケーターCA領域がインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域であり、任意で、少なくとも2対、5対、10対または21対のヒト染色体において決定される、態様43または48記載の使用。
態様55.癌細胞が卵巣癌細胞、乳癌細胞、または食道癌細胞である、態様43または48記載の使用。
態様56.インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域の総数が9、15、20であるかまたはそれを上回る、態様43または48記載の使用。
態様57.インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域またはインジケーターLST領域が、約6、12もしくは15メガベース、またはそれを上回る長さを有すると定義される、態様43または48記載の使用。
態様58.インジケーターCA領域がインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域であり、任意で、少なくとも2対、5対、10対または21対のヒト染色体において決定される、態様44または45記載のシステム。
態様59.癌細胞が卵巣癌細胞、乳癌細胞、または食道癌細胞である、態様44または45記載のシステム。
態様60.インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域の総数が9、15、20であるかまたはそれを上回る、態様44または45記載のシステム。
態様61.インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域またはインジケーターLST領域が、約6、12もしくは15メガベース、またはそれを上回る長さを有すると定義される、態様44または45記載のシステム。
態様62.インジケーターCA領域がインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域であり、任意で、少なくとも2対、5対、10対または21対のヒト染色体において決定される、態様46記載のコンピュータプログラム製品。
態様63.癌細胞が卵巣癌細胞、乳癌細胞、または食道癌細胞である、態様46記載のコンピュータプログラム製品。
態様64.インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域の総数が9、15、20であるかまたはそれを上回る、態様46記載のコンピュータプログラム製品。
態様65.インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域またはインジケーターLST領域が、約6、12もしくは15メガベース、またはそれを上回る長さを有すると定義される、態様46記載のコンピュータプログラム製品。
態様66.少なくとも1対のヒト染色体がヒト17番染色体ではない、態様36~42のいずれかに記載の方法。
態様67.インジケーターCA領域がヒト17番染色体におけるものではない、態様43または48記載の使用。
態様68.インジケーターCA領域がヒト17番染色体におけるものではない、態様44または45記載のシステム。
態様69.インジケーターCA領域がヒト17番染色体におけるものではない、態様46記載のコンピュータプログラム製品。
態様70.DNA傷害剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxalaplatin)もしくはピコプラチンであり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様40または42記載の方法。
態様71.DNA傷害剤が白金系化学療法薬であり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様48記載の使用。
態様72.DNA傷害剤が白金系化学療法薬であり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様45記載のシステム。
態様73.DNA傷害剤が白金系化学療法薬であり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様46記載のコンピュータプログラム製品。
態様74.(a)癌細胞またはそれに由来するゲノムDNAにおいて、癌細胞のヒト染色体の代表的な数の対における、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域を検出する段階;ならびに
(b)前記インジケーターCA領域の数およびサイズを決定する段階、
を含む方法。
態様75.ヒト染色体の代表的な数の対がゲノム全体を代表する、態様74記載の方法。
態様76.特定サイズのインジケーターCA領域の数の増加を、HDRの欠損の見込みの高さと相関づけることをさらに含む、態様74記載の方法。
態様77.特定のサイズが、約1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、75または100メガベースよりも長く、かつインジケーターCA領域を含有する染色体全体の長さよりも短い、態様76記載の方法。
態様78.特定のサイズの6、7、8、9、10、11、12もしくは13またはそれを上回るインジケーターCA領域が、HDRの欠損の見込みが高いことと相関づけられる、態様76または77記載の方法。
態様79.癌患者の予後を判定する方法であって、
(a)癌細胞を含む試料がHRDシグネチャーを有するか否かを判定する段階であって、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含む参照数を上回るインジケーターCA領域の存在により、その癌細胞がHRDシグネチャーを有することが指し示される段階、および
(b)(1)試料においてHRDシグネチャーが検出される患者を比較的良好な予後を有すると診断する段階、または
(b)(2)試料においてHRDシグネチャーが検出されない患者を比較的不良な予後を有すると診断する段階、
を含む方法。
態様80.患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域が参照数よりも多い患者において、乳癌、卵巣癌、肝臓癌、食道癌、肺癌、頭頸部癌、前立腺癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌および膵癌からなる群より選択される癌である疾患の治療に用いるための、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される治療薬を含む組成物。
態様81.インジケーターCA領域が少なくとも2対、5対、10対または21対のヒト染色体において決定される、態様80記載の組成物。
態様82.インジケーターCA領域の総数が9、15、20またはそれを上回る、態様80記載の組成物。
態様83.最初の長さが約6、12もしくは15メガベース、またはそれを上回る、態様80記載の組成物。
態様84.参照数が6、7、8、9、10、11、12もしくは13であるかまたはそれを上回る、態様80記載の組成物。
態様85.患者における癌を治療する方法であって、
前記患者由来の試料において、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域の数を決定する段階であって、その癌細胞がHRDシグネチャーを有することが指し示される段階;
前記インジケーターCA領域の数から導き出される試験値を提供する段階;
前記試験値を、参照集団における前記インジケーターCA領域の数から導き出される1つまたは複数の参照値(例えば、平均値、中央値、三分位値、四分位値、五分位値など)と比較する段階;および
試験値が、少なくとも1つの前記参照値よりも大きい(例えば、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍大きい;少なくとも1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差、6標準偏差、7標準偏差、8標準偏差、9標準偏差、または10標準偏差大きい)ことを明らかにする前記比較する段階に少なくとも部分的に基づいて、前記患者に対して抗癌薬を投与する段階、または化学療法および/もしくは合成致死性薬剤を含む治療レジメンを推奨する、もしくは処方する、もしくは開始する段階;または
試験値が、少なくとも1つの前記参照値より大きくはない(例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍大きくはない;1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差、6標準偏差、7標準偏差、8標準偏差、9標準偏差、または10標準偏差大きくはない)ことを明らかにする前記比較する段階に少なくとも部分的に基づいて、化学療法および/もしくは合成致死性薬剤を含まない治療レジメンを推奨する、もしくは処方する、もしくは開始する段階、
を含む方法。
態様86.インジケーターCA領域が少なくとも2対、5対、10対または21対のヒト染色体において決定される、態様85記載の方法。
態様87.インジケーターCA領域の総数が9、15、20であるかまたはそれを上回る、態様85記載の方法。
態様88.最初の長さが約6、12もしくは15メガベースであるかまたはそれを上回る、態様85記載の方法。
態様89.参照数が6、7、8、9、10、11、12もしくは13であるかまたはそれを上回る、態様85記載の方法。
態様90.化学療法がDNA傷害剤、アントラサイクリンおよびトポイソメラーゼI阻害薬からなる群より選択され、かつ/または合成致死性薬剤がPARP阻害薬である、態様85記載の方法。
態様91.DNA傷害剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxalaplatin)もしくはピコプラチンであり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、かつ/またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様85記載の方法。
態様92.癌細胞またはそのゲノムDNAにおけるHRDを評価するための方法であって、
(a)癌細胞またはそれに由来するゲノムDNAにおいて、前記癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域を検出する段階であって、前記少なくとも1対のヒト染色体がヒトX/Y性染色体対でない段階;および
(b)前記少なくとも1対のヒト染色体において検出された各種のインジケーターCA領域の数の平均を算出することによって、インジケーターCA領域の総数にわたっての平均(例えば、算術平均)を決定する段階(例えば、16のインジケーターLOH領域および18のインジケーターLST領域がある場合、算術平均は17と算出される)、
を含む方法。
態様93.癌細胞におけるBRCA1遺伝子およびBRCA2遺伝子の状態を予測する方法であって、
癌細胞において、前記癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域の各種の総数にわたっての平均(例えば、算術平均)を決定する段階;および
参照数よりも大きい、総数にわたっての前記平均(例えば、算術平均)を、BRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子の欠損の見込みの高さと相関づける段階、
を含む方法。
態様94.癌細胞におけるHDRの状態を予測する方法であって、
癌細胞において、前記癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域の各種の総数にわたっての平均(例えば、算術平均)を決定する段階;および
参照数よりも大きい、総数にわたっての前記平均(例えば、算術平均)を、HDRの欠損の見込みの高さと相関づける段階、
を含む方法。
態様95.DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、放射線、および/またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに対する癌患者の反応を予測する方法であって、
癌細胞を含む試料において、前記試料の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域の各種の総数にわたっての平均(例えば、算術平均)を決定する段階(例えば、16のインジケーターLOH領域および18のインジケーターLST領域がある場合、算術平均は17であると決定される);ならびに
試料において総数にわたっての前記平均(例えば、算術平均)が参照数よりも大きい患者を、前記癌治療レジメンに反応する見込みが高いと判定する段階、
を含む方法。
態様96.治療レジメンに対する癌患者の反応を予測する方法であって、
癌細胞を含む患者試料において、前記患者試料の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域の総数にわたっての平均(例えば、算術平均)を決定する段階;および
試料において総数にわたっての前記平均(例えば、算術平均)が参照数よりも大きい患者を、パクリタキセルまたはドセタキセルを含む治療レジメンに反応しない見込みが高いと診断する段階、
を含む方法。
態様97.癌を治療する方法であって、
(a)癌細胞またはそれから得られたゲノムDNAを含む患者試料において、癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域の各種の総数にわたっての平均(例えば、算術平均)を決定する段階;および
(b)試料においてインジケーターCA領域の前記総数が参照数よりも大きい患者に対して、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される1つまたは複数の薬物を含む癌治療レジメンを施与する段階、
を含む方法。
態様98.DNA傷害剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxalaplatin)もしくはピコプラチンであり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様95または97記載の方法。
態様99.患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含むインジケーターCA領域の各種にわたっての平均(例えば、算術平均)が参照数よりも大きい患者において、乳癌、卵巣癌、肝臓癌、食道癌、肺癌、頭頸部癌、前立腺癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌および膵癌からなる群より選択される癌である疾患の治療に用いるための、DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬およびPARP阻害薬からなる群より選択される治療薬を含む組成物。
態様100.患者における癌を治療する方法であって、
前記患者由来の試料において、癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体におけるインジケーターCA領域の総数の平均(例えば、算術平均)を決定し、その癌細胞がHRDシグネチャーを有することが指し示される段階;
インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域またはインジケーターLST領域から選択される少なくとも2種類を含む前記インジケーターCA領域の各種の数にわたっての平均(例えば、算術平均)から導き出される試験値を提供する段階;
前記試験値を、参照集団におけるインジケーターCA領域の各種にわたっての前記平均(例えば、算術平均)の数から導き出される1つまたは複数の参照値(例えば、平均値、中央値、三分位値、四分位値、五分位値など)と比較する段階;および
試験値が、少なくとも1つの前記参照値よりも大きい(例えば、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍大きい;少なくとも1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差、6標準偏差、7標準偏差、8標準偏差、9標準偏差、または10標準偏差大きい)ことを明らかにする前記比較する段階に少なくとも部分的に基づいて、前記患者に対して抗癌薬を投与する段階、または化学療法および/もしくは合成致死性薬剤を含む治療レジメンを推奨する、もしくは処方する、もしくは開始する段階;または
試験値が、少なくとも1つの前記参照値より大きくはない(例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍大きくはない;1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差、6標準偏差、7標準偏差、8標準偏差、9標準偏差、または10標準偏差大きくはない)ことを明らかにする前記比較する段階に少なくとも部分的に基づいて、化学療法および/もしくは合成致死性薬剤を含まない治療レジメンを推奨する、もしくは処方する、もしくは開始する段階、
を含む方法。
態様101.インジケーターCA領域の各種にわたっての平均(例えば、算術平均)が、少なくとも2対、5対、10対または21対のヒト染色体において決定される、態様100記載の方法。
態様102.化学療法がDNA傷害剤、アントラサイクリンおよびトポイソメラーゼI阻害薬からなる群より選択され、かつ/または合成致死性薬剤がPARP阻害薬である、態様100記載の方法。
態様103.DNA傷害剤がシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxalaplatin)もしくはピコプラチンであり、アントラサイクリンがエピルビシン(epirubincin)もしくはドキソルビシンであり、トポイソメラーゼI阻害薬がカンプトテシン(campothecin)、トポテカンもしくはイリノテカンであり、かつ/またはPARP阻害薬がイニパリブ、オラパリブもしくはベリパリブ(velapirib)である、態様100記載の方法。
態様104.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様1記載の方法。
態様105.参照数が42である、態様104記載の方法。
態様106.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様9記載の方法。
態様107.参照数が42である、態様106記載の方法。
態様108.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様18記載の方法。
態様109.参照数が42である、態様108記載の方法。
態様110.参照数が42である、態様28記載の方法。
態様111.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様37記載の方法。
態様112.参照数が42である、態様111記載の方法。
態様113.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様38記載の方法。
態様114.参照数が42である、態様113記載の方法。
態様115.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様39記載の方法。
態様116.参照数が42である、態様115記載の方法。
態様117.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様40記載の方法。
態様118.参照数が42である、態様117記載の方法。
態様119.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様41記載の方法。
態様120.参照数が42である、態様119記載の方法。
態様121.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様42記載の方法。
態様122.参照数が42である、態様121記載の方法。
態様123.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様79記載の方法。
態様124.参照数が42である、態様123記載の方法。
態様125.インジケーターCA領域が、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域およびインジケーターLST領域の組み合わせである、態様85記載の方法。
態様126.参照数が42である、態様125記載の方法。
態様127.DNA傷害剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害薬、またはPARP阻害薬を含む癌治療レジメンに対する患者反応を予測するインビトロ方法であって、
(1)癌細胞を含む試料において、前記癌患者の癌細胞の少なくとも1対のヒト染色体における、インジケーターLOH領域、インジケーターTAI領域、およびインジケーターLST領域を含むインジケーターCA領域の数を決定する段階;
(2)以下の通りに試験値を得るために前記インジケーターCA領域を組み合わせる段階:試験値=(インジケーターLOH領域の数)+(インジケーターTAI領域の数)+(インジケーターLST領域の数);および
(3)前記試験値に対する比較のための参照値を提供する段階、
を含む方法。
態様128.参照値が、HDR欠損患者の訓練コホートにおけるインジケーターCA領域スコアの5パーセンタイル値に相当する、態様127記載の方法。
態様129.参照値が42である、態様127または態様128記載の方法。
態様130.試験値を参照値と比較する段階をさらに含む、態様127~129のいずれかに記載の方法。
態様131.試料において試験値が参照値を上回る患者を、癌治療レジメンに反応する見込みが高いと診断する段階をさらに含む、態様127~130のいずれかに記載の方法。
態様132.決定する段階が、少なくとも2対、少なくとも3対、少なくとも4対、少なくとも5対、少なくとも6対、少なくとも7対、少なくとも8対、少なくとも9対、少なくとも10対、少なくとも11対、少なくとも12対、少なくとも13対、少なくとも14対、少なくとも15対、少なくとも16対、少なくとも17対、少なくとも18対、少なくとも19対、少なくとも20対、少なくとも21対、または少なくとも22対の常染色体における、少なくとも150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,500、2,000、2,500、3,000、3,500、4,000、4,500、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000 80,000、90,000、100,000、125,000、150,000、175,000、200,000、250,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000個またはそれを上回る多型ゲノム遺伝子座に関して各アレルのコピー数を測定するために、試料をアッセイする段階を含む、態様127~131のいずれかに記載の方法。
態様133.決定する段階が、少なくとも10対の常染色体における多型ゲノム遺伝子座をアッセイすることを含む、態様132記載の方法。
態様134.多型ゲノム遺伝子座が22対の常染色体における、態様133記載の方法。
態様135.決定する段階が、常染色体対における少なくとも5,000個の多型ゲノム遺伝子座に関して各アレルのコピー数を測定するために試料をアッセイすることを含む、態様132~134のいずれかに記載の方法。
態様136.決定する段階が、常染色体対における少なくとも10,000個の多型ゲノム遺伝子座に関して各アレルのコピー数を測定するために試料をアッセイすることを含む、態様135記載の方法。
態様137.決定する段階が、常染色体対における少なくとも50,000個の多型ゲノム遺伝子座に関して各アレルのコピー数を測定するために試料をアッセイすることを含む、態様136記載の方法。
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、これらは特許請求の範囲において記載される本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1‐乳癌サブタイプにわたってのLOH領域スコアおよびTAI領域スコア、ならびにBRCA1/2欠損との関連
BRCA1/2および卵巣癌における他のHDR経路遺伝子の欠損と高度に相関する、全ゲノム腫瘍LOHプロファイルに基づくLOHシグネチャーが開発されており(Abkevich, et al., Patterns of Genomic Loss of Heterozygosity Predict Homologous Recombination Repair Defects, BR. J. CANCER (2012))、それは乳癌におけるDNA傷害剤(例えば、白金系ネオアジュバント)療法に対する反応を予測する(Telli et al., Homologous Recombination Deficiency (HRD) score predicts response following neoadjuvant platinum-based therapy in triple-negative and BRCA1/2 mutation-associated breast cancer (BC), CANCER RES. (2012))。TAIに基づく第2のスコアも、BRCA1/2欠損との強い相関を示し、トリプルネガティブ乳癌における白金系薬剤治療に対する反応を予測する(Birkbak et al., Telomeric allelic imbalance indicates defective DNA repair and sensitivity to DNA-damaging agents, CANCER DISCOV. (2012))。本研究では、ER/PR/HER2状態によって定義される乳癌サブタイプにわたっての、BRCA1/2欠損の頻度、およびLOH領域スコアまたはTAI領域スコアの増大について検討した。
凍結腫瘍を3つの商業的組織バイオバンクから購入した。4つの乳癌サブタイプ(トリプルネガティブ、ER+/HER2-、ER-/HER2+、ER+/HER2+)のそれぞれから無作為に確認されたおよそ50種の腫瘍を分析用に選択した。BRCA1、BRCA2および全ゲノムにわたる50,000個の選択されたSNPを標的とする、標的化カスタムハイブリダイゼーションパネルを開発した。このパネルを、Illumina HiSeq2500上でのシークエンシングと組み合わせて用いて、大規模な再配列を含むBRCA1/2体細胞性および生殖細胞系突然変異、ならびにSNPアレル量について腫瘍を分析した。BRCA1プロモーターのメチル化は、qPCRアッセイ(SA Biosciences)によって決定した。入手可能な場合には、正常組織由来のDNAを用いて、有害な突然変異が生殖細胞系であるかそれとも体細胞性であるかを判定した。
SNPデータは、各SNP位置での最も可能性の高いアレル特異的コピー数を決定するアルゴリズムを用いて分析した。LOH領域スコアは、長さが15Mbを上回るが、染色体全体の長さよりも短いLOH領域の数を算定することによって算出した。TAI領域スコアは、長さが11Mbを上回るがセントロメアを越えないアレル不均衡を伴うテロメア領域の数を算定することによって算出した。質の低いSNPデータを伴うか、および/または正常DNAの混入が高度である試料は除外した。213件の試料のうち191件により、頑健なスコアが得られた。
(表2)乳癌IHCサブタイプにおけるBRCA1/2欠損
(表3)突然変異スクリーニングを、17件のBRCA1/2突然変異体からの対応する正常組織に対して行った。17例の個体のうち13例(76.5%)が生殖細胞系突然変異を有した。
* 各個体はBRCA1において1つの生殖細胞系突然変異および1つの体細胞突然変異を有した。
(表4):LOHスコアまたはTAIスコアとBRCA1/2欠損との関連
図5は、乳癌のIHCサブタイプ別にみたLOH領域スコアおよびTAI領域スコアを示している。5A:LOHスコア;5B:TAIスコア。青のバー:BRCA1/2欠損試料。赤のバー:BRCA1/2インタクト試料。図6は、LOH領域スコアとTAI領域スコアとの間の相関を示している(相関係数=0.69)。X軸:LOHスコア;Y軸:TAIスコア;赤のドット:インタクト試料;青のドット:BRCA1/2欠損試料。ドット下の面積は、LOHスコアとTAIスコアの組み合わせを有する試料の数に比例する(p=10-39)。
ロジスティック回帰分析を用いて、LOHスコアおよびTAIスコアに基づいてBRCA1/2欠損を予測した。いずれのスコアも多変量分析において有意であった(LOHに関するカイ二乗値は10.8であり、TAIに関しては44.7である;p=0.001および2.3*10-11)。BRCA1/2欠損試料とインタクト試料との鑑別のための最良のモデルは、0.32*LOH領域スコア+0.68*TAI領域スコアである(p=9*10-18)。
結論:LOH領域スコアおよびTAI領域スコアの増大はそれぞれ、乳癌のすべてのサブタイプにおいてBRCA1/2欠損と高度に関連している;LOH領域スコアおよびTAI領域スコアは高度に有意な相関がある;複合CA領域スコア(すなわち、LOHとTAIの組み合わせ)は、このデータセットにおいてBRCA1/2欠損との最適な相関を示す。本開示に基づくと、LOH-HRDスコアとTAI-HRDスコアの組み合わせは、トリプルネガティブ乳癌におけるDNA傷害剤および他の薬剤(例えば、白金系薬剤療法)に対する反応を予測することができ、他の乳癌サブタイプに対する白金系薬剤の使用の拡張を可能にする。
実施例2‐乳癌サブタイプにわたってのLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコア、ならびにBRCA1/2欠損との関連
実施例1に記載した通りに、SNPアレル頻度の比を求めて、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアの算出に用いた。LSTスコアは、3メガベースよりも短い領域をふるい落とした後の、安定的なコピー数を有する10メガベースよりも長い領域間の不連続点の数と定義した。本発明者らは、インタクト試料および欠損試料のいずれにおいてもLSTスコアが倍数性とともに増加することを観察した。このため、この実施例2では、倍数性特異的カットオフを用いる代わりに、本発明者らはそれを倍数性によって調整することによってLST領域スコアを改変した:LSTm=LST-kP、式中、Pは倍数性であり、kは定数である。欠損をアウトカムとし、LSTおよびPを予測因子として用いる多変量ロジスティック回帰分析によれば、k=15.5である。
214件の試料のうち191件で、用いたQC基準に合格するスコアが得られた。これらの試料のうち38件はBRCA1/2欠損であった。LOH領域スコアに関するKolmogorov-Smirnov検定による対応するp値は8*10-12であり、TAI領域スコアに関しては2*10-16であり、LST領域スコアに関しては8*10-8である。191件の試料のうち53件はトリプルネガティブ乳癌であり、これにはBRCA1/2欠損であった22件が含まれた。対応するp値は、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアに関してそれぞれ6*10-6、3*10-6および0.0002であった。同じ分析を個々の乳癌サブタイプのそれぞれに対して行っても、有意なp値がすべてのサブタイプに関して少なくとも1つのスコアに認められる(表5)。スコアの分布は、図7A~Cにおいて、BRCA1/2欠損試料とBRCA1/2インタクト試料との比較に関して示されている。
次にスコアを、それらが相関するか否かを判定するために分析した(図2D~F)。LOH領域スコアとTAI領域スコアとの間の相関係数は0.69(p=10-39)であり、LOHとLSTとの間は0.55(p=2*10-19)であり、TAIとLSTとの間は0.39(p=10-9)であった。
ロジスティック回帰分析を用いて、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアに基づいてBRCA1/2欠損を予測した。3種のスコアはすべて、多変量分析において有意であった(LOHに関するカイ二乗値は5.1(p=0.02)であり、TAIに関しては44.7(p=2*10-11)であり、LSTに関しては5.4(p=0.02)である)。このデータセットにおけるBRCA1/2欠損試料とインタクト試料との鑑別のための最良のモデルは、0.21*LOH+0.67*TAI+0.12*LST(p=10-18)であった。この実施例2は、実施例1(すなわち、LOH領域スコアとTAI領域スコアを組み合わせるモデル)による結論を、LOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアを組み合わせるモデルへと拡張するものである。
試料の多くに関して入手可能であった他の臨床データには、ステージ、グレードおよび診断時年齢が含まれた。ステージ情報は191件中64件の試料で入手可能であった。ステージとLOH領域スコア(0.07)およびTAI領域スコア(0.1)との間の相関係数は有意でなかった。グレード情報は191件中164件の試料で入手可能であった。グレードとLOH領域スコア(0.33)およびTAI領域スコア(0.23)との間の相関係数は有意である(それぞれp=2
*10
-5および0.004)。診断時年齢は191件中184件の試料で判明していた。年齢とLOH領域スコアとの間の相関係数(-0.13)は有意でなかった。年齢とTAI領域スコアとの間の相関係数(-0.25)は有意であった(p=0.0009)。
(表5)
実施例3‐乳癌サブタイプにわたってのLOH領域スコア、TAI領域スコアおよびLST領域スコアの算術平均、ならびにBRCA1/2欠損との関連
以下の研究は、本明細書に記載される通りのHRDスコアが、BRCA1/2欠損、およびトリプルネガティブ乳癌(TNBC)におけるHR欠損を標的とする薬剤の有効性をいかに予測しうるかを示している。乳癌サブタイプにわたってのBRCA1/2欠損の割合を調べるために、乳房腫瘍試料をBRCA1/2突然変異およびプロモーターメチル化についてアッセイした。実施例2に記載した3種のHRDスコアを試料について決定し、続いてBRCA1/2欠損との関連についてLOH/TAI/LSTスコアの算術平均を用いて検討した。シスプラチンによって治療したネオアジュバントTNBCコホートの分析を、3種のHRDスコアすべてと反応との関係についてさらに行った。
侵襲性乳房腫瘍試料および対応する正常組織を、3つの販売元から入手した。ER、PRおよびHER2に関してIHC分析によって定義される乳癌のサブタイプのすべてについておよそ同数が得られるように、試料を選択した。BRCA1プロモーターメチル化分析はqPCRによって行った。BRCA1/2突然変異スクリーニングおよびゲノムワイドSNPプロファイルは、カスタム式のAgilent SureSelect XT捕捉の後にIllumina HiSeq2500でのシークエンシングを用いて作成した。これらのデータを用いて、HRD-LOHスコア、HRD-TAIスコアおよびHRD-LSTスコアを算出した。
SNPマイクロアレイデータおよび臨床データは、シスプラチン-1およびシスプラチン-2治験コホートに関する公開レポジトリからダウンロードした。これらのコホートの一方についてはBRCA1/2突然変異データは得られなかった。3種のHRDスコアのすべてを公開データから算出し、シスプラチンに対する反応との関連について分析した。検出力を高めるために2つのコホートを組み合わせた。
HRDスコアを算出するために、SNPデータを、各SNP位置での最も可能性の高いアレル特異的コピー数を決定するアルゴリズムを用いて分析した。HRD-LOHは、長さが15Mbを上回るが染色体全体の長さよりも短いLOH領域の数を算定することによって算出した。HRD-TAIスコアは、長さが11Mbを上回り、サブテロメアの1つに広がるがセントロメアを越えない、アレル不均衡を伴う領域の数を算定することによって算出した。HRD-LSTスコアは、3Mbよりも短い領域をふるい落とした後に、10Mbよりも長い領域間の不連続点の数とした。
複合スコアは、LOH/TAI/LSTスコアの算術平均とした。p値はすべて、BRCA欠損またはシスプラチンに対する反応を従属変数とするロジスティック回帰モデルからとした。
表6は、4種の乳癌サブタイプにわたってのBRCA1/2突然変異およびBRCA1プロモーターメチル化頻度を示している。BRCA1/2変異体分析は試料の100%で好首尾であったが、大規模再配列分析はより頑健性が低く、QC基準に合格したデータが得られたのは214件中198件の試料であった。有害な突然変異は214例中24例の個体で観察された(1例はBRCA1における体細胞性突然変異を有し、かつBRCA2における生殖細胞系突然変異を有した)。対応する正常DNAは24件の突然変異体のうち23件で入手可能であり、これを用いて、同定された突然変異が生殖細胞系であるかそれとも体細胞性であるかを判定した。BRCA1プロモーターメチル化分析は試料の100%で好首尾に行われた。図9は、BRCA1/2欠損試料におけるHRDスコアを図示している。
(表6)
* BRCA1のインタクトな機能的コピーを依然として保つ個体1例を含む。
† BRCA1に関する機能的状態を判定できなかった個体1例を含む。
表7は、参加者全員乳房コホートにおける3種のHRDスコアとBRCA1/2欠損との関連を示している。複合スコアは、3種のHRDスコアの算術平均とした。
(表7)
表8は、ネオアジュバントセッティングにおいてシスプラチンによって治療されたTNBCにおけるHRDスコアとpCR(Miller-Payne 5)との関連を示している。データは、シスプラチン-1試験(Silver et al., Efficacy of neoadjuvant Cisplatin in triple-negative breast cancer. J. CLIN. ONCOL. 28:1145-53 (2010))およびCisplatin-2試験(Birkbak et al, (2012))からの試料から入手可能であった。pCRは、ネオアジュバント治療後にMiller-Payne 5の状態である患者と定義した。HRD-複合は、3種のHRDスコアの算術平均とした。
(表8)
結論:すべての乳癌サブタイプにおいてBRCA1/2欠損およびHRDスコアの増大が観察され、HRDスコアによってBRCA1/2欠損が検出された。3種のHRDスコアのすべてにより、TNBCにおけるシスプラチンに対する治療反応が予想/検出された。3種のHRDスコアの平均(算術平均)により、参加者全員乳房コホートにおけるBRCA1/2状態が検出され、第2の独立したTNBCコホートにおいてシスプラチン反応が検出された。算術平均によるHRD-複合は、個々のHRDスコアよりも強い、BRCA1/2欠損または治療反応の予測因子/検出因子であった。
実施例4‐BRCA1/2状態の多変量分析および相同組換え欠損に関するDNAベースのアッセイ
これまでの実施例では相同組換え欠損(HRD)を測定するDNAベースのスコアが記載してきたが、それにより、各スコアがBRCA1/2欠損と有意に関連することが実証され、3種類のHRDスコアの算術平均として定義されるHRD-複合スコアについても同様である。この実施例では、(1)3種のスコアのそれぞれとHRD-複合スコアとの関連、(2)臨床的変数とHRD-複合スコアとの関連、ならびに(3)臨床的変数およびHRD-複合スコアとBRCA1/2欠損との関連を検討することによって、これまでの実施例の結果を拡張する。
方法:この実施例4における分析には、これまでの実施例で記載したのと同じ197件の患者試料が含まれる。手短に述べると、215件の乳房腫瘍試料を3つの販売元から新鮮な凍結標本として購入した。ER、PRおよびHER2に関するIHC分析による乳癌サブタイプを代表するものがおよそ同数得られるように試料を選択した。198件の試料により、Kolmogorov-Smirnov品質基準による信頼性のあるHRDスコアが得られた。HRDスコアに合格した患者1例は、普通とは異なる乳癌サブタイプ(ER/PR+ HER2-)であったため、分析から除外した。患者の腫瘍および臨床特性の詳細は表9に示されている。
患者の臨床データは91種の変数に関して提供されたが、ほとんどの変数に関するデータは分析に含めるには乏しかった。乳癌サブタイプ(TNBC、ER+/HER2-、ER-/HER2+、ER+/HER2+)は全患者に関して入手可能であった。考慮した他の変数は、診断時年齢(197例中196例の患者で得られた)、ステージ(197例中191例の患者で得られた)およびグレード(197例中190例の患者で得られた)であった。
(表9)
BRCA1/2突然変異スクリーニングおよびゲノムワイドSNPプロファイルは、カスタム式のAgilent SureSelect XT捕捉の後にIllumina HiSeq2500でのシークエンシングを用いて作成した。BRCA-1プロモーター領域のメチル化はqPCRによって決定した。10%を上回るメチル化を有する試料を、メチル化されていると分類した。
HRDスコアは、この実施例4において考察する「HRD-複合スコア」において組み合わされる3種のHRDスコアである、全ゲノム腫瘍のヘテロ接合性消失(LOH)プロファイル(HRD-LOH)、テロメアアレル不均衡(HRD-TAI)および大規模状態トランジション(HRD-LST)から算出した。
BRCA1/2欠損は、影響を受けた遺伝子におけるヘテロ接合性消失(LOH)を伴う、BRCA1もしくはBRCA2の突然変異、またはBRCA1のプロモーター領域のメチル化に起因する機能喪失と定義した。
統計分析はすべて、Rバージョン3.0.2を用いて実施した。報告したp値はすべて両側性である。使用した統計ツールには、Spearman順位検定相関、Kruskal-Wallis一元配置分散分析、およびロジスティック回帰が含まれる。
ロジスティック回帰モデル化については、HRDスコアおよび診断時年齢を数値変数として符号化した。乳癌ステージおよびサブタイプをカテゴリー変数として符合化した。グレードは数値変数およびカテゴリー変数の両方として符号化したが、別に述べる場合を除いてカテゴリー変数とした。グレードを数値変数として符号化することは、グレード2患者とグレード1患者を比較する場合、ならびにグレード3患者をグレード2患者と比較する場合に、BRCA1/2欠損のオッズ増大が同じである場合を除いて不適切である。
単変量ロジスティック回帰モデルに関して報告されたp値は、部分尤度比に基づく。多変量p値は、完全モデル(該当するすべての予測因子を含む)と縮小モデル(評価される予測因子、および評価される予測因子がかかわるすべての相互作用項を除く、すべての予測因子を含む)との比較による偏差の変化に関する部分尤度比に基づく。HRDスコアに関するオッズ比は四分位範囲に関して報告される。
結果:HRD-LOHスコア、HRD-TAIスコアおよびHRD-LSTスコアののペアワイズ相関をグラフにより検討し(図1)、Spearman順位検定相関によって定量化した。Spearman順位検定相関は、より一般的に用いられるPearson積率相関よりも好ましいが、これはHRDスコア分布には右に裾があり、外れ値が観察されたためである。スコアのすべてのペアワイズ比較により、0と有意差のある正の相関が示された(p<10-16)。
HRD-LOHスコア、HRD-TAIスコアおよびHRD-LSTスコアのそれぞれによって捕捉された独立したBRCA1/2欠損情報の程度は、3種のスコアすべてをBRCA1/2欠損状態の予測因子として含めて用い、多変量ロジスティック回帰モデルを検討することによって測定した(表10)。HRD-TAIスコアにより、他の2種のスコアによって得られるものとは独立した有意なBRCA1/2欠損情報が捕捉され(p=0.00016)、HRD-LSTスコアについても同様であった(p=0.00014)。5%有意水準では、HRD-LOHスコアは有意に独立したBRCA1/2欠損情報を加えなかった(p=0.069)。
(表10)
表10は、HRD-LOH、HRD-TAIおよびHRD-LSTをBRCA1/2欠損の予測因子として用いた3項多変量ロジスティック回帰モデルによる結果を例示している。
HRD-複合スコアが、その3種の構成要素のBRCA1/2欠損情報を適切に捕捉しているか否かを評価するために、本発明者らは3つの二変量ロジスティック回帰モデルを検証した。各モデルにHRD-複合スコア、およびHRD-LOHスコア、HRD-TAIスコアまたはHRD-LSTスコアのうち1つを含めた。いずれの構成要素スコアも、HRD-複合スコアに対して5%有意水準で有意な追加は行わなかった(HRD-LOH p=0.89、HRD-TAI p=0.090、HRD-LST p=0.28)。このことは、HRD-複合スコアがHRD-LOHスコア、HRD TAIスコアおよびHRD-LSTスコアのBRCA1/2欠損情報を適切に捕捉したことを示唆する。
最後に、HRD-複合スコアを、この患者セットにおけるBRCA1/2欠損を予測するように最適化したモデルベースの複合スコアとも比較した。HRD-複合スコアはHRD-LOHスコア、HRD-TAIスコアおよびHRD-LSTスコアに等しく重みづけを行うが、モデルベースのスコアではHRD-TAIスコアに対してHRD-LOHスコアまたはHRD-LSTスコアのおよそ2倍の重みづけを行う。モデルベースのスコアに関する式は、
HRD-モデル=0.11×(HRD-LOH)+0.25×(HRD-TAI)+0.12×(HRD-LST)
によって与えられる。
単変量分析による結果(表11)は、HRD-モデルスコアの方がHRD-複合スコアよりもおよそ一桁成績が優れることを示している(HRDモデル p=2.5×10
-25、HRD-複合 p=1.1×10
-24)。
(表11)
表11は単変量ロジスティック回帰による結果を示している。HRDスコアに関するオッズ比はスコアのIQR当たりで報告している。年齢に関するオッズ比は1年当たりで報告している。グレード(数値)に関するオッズ比は単位当たりである。
二変量ロジスティック回帰モデルにおいて、HRD-モデルスコアは、HRD-複合スコアに対して有意な独立したBRCA1/2欠損情報を加えなかった(p=0.089)。このことは、HRD-複合スコアがHRD-LOHスコア、HRD-TAIスコアおよびHRD-LSTスコアのBRCA1/2欠損情報を適切に捕捉することをさらに示唆する。
臨床的変数とHRD-複合スコアとの関連を図12に示している。HRD-複合スコアは腫瘍グレードと有意に相関した(Spearman相関0.23、p=0.0017)。乳癌ステージおよび診断時年齢との相関は5%水準では0と有意差がなかった。Kruskal-Wallis一元配置分散分析によれば、平均HRD-複合スコアは乳癌サブタイプ毎に有意に異なった(p=1.6×10-5)。
臨床的な部分集団間のHRD-複合スコアの不均一性について、多変量ロジスティック回帰モデルにおいて相互作用項の有意性を検討することによって検証した。各臨床的変数に関して、本発明者らは、すべての臨床的変数およびHRD-複合スコアを含むモデルに対して、HRD-複合スコアとの相互作用の項を追加した。いずれの相互作用項も5%有意水準で有意性には達しなかった。したがって、HRD-複合スコアによって付与されるBRCA1/2欠損の確率が臨床的な部分集団間で異なるという証拠はない。
HRD-LOHスコア、HRD-TAIスコアおよびHRD-LSTスコアのそれぞれに関する類似の検定により、HRD-TAIスコアと年齢(p=0.0072)およびグレード(p=0.015)との間の有意な相互作用、ならびにHRD-LSTスコアと乳癌サブタイプとの間の有意な相互作用が指し示された(p=0.021)。多重比較に関する調整では、HRD-TAIスコアと年齢との相互作用のみが5%水準で有意性を維持した(p=0.029)。この相互作用の有意性は、HRD-TAIスコアの単位増加当たりのBRCA1/2欠損の確率の増加が、年齢が増すにつれて減じることを示唆する。
臨床的変数とBRCA1/2欠損との関連を図13に提示している。臨床的変数およびHRD-複合スコアを、単変量(表11)および多変量(表12)ロジスティック回帰モデルにおいて評価した。HRDスコアに関するオッズ比はIQR当たりで報告している。診断時年齢に関するオッズ比は年当たりで報告している。
(表12)
表12は、多変量ロジスティック回帰による結果を示している。HRDスコアに関するオッズ比は、スコアのIQR当たりで報告している。年齢に関するオッズ比は1年当たりで報告している。
単変量分析において、HRDスコアのそれぞれ(HRD-LOH、HRD-TAI、HRD-LST、HRD-複合およびHRD-モデル)は、BRCA1/2欠損と有意に関連していた。スコアが高いほど欠損の見込みが高いことが指し示された。診断時年齢が高いほどBRCA1/2欠損のリスクは低いという有意な関連がみられた(p=0.0071)。乳癌サブタイプおよび腫瘍グレードに関する単変量での結果(カテゴリーおよび数値の両方)も統計学的に有意であった。癌ステージはBRCA1/2状態との関連がみられなかった。
多変量分析において、HRD-複合スコアおよび入手可能なすべての臨床的変数に基づくモデルについて検討した。HRD-複合スコアは、臨床的変数によっては捕捉されなかった有意なBRCA1/2欠損情報を捕捉した(p=1.2×10-16)。入手可能な臨床的変数のうち、多変量環境において有意性を維持したのは診断時年齢のみであった(p=0.027)。グレードをカテゴリー変数として符号化したところ、統計学的に有意ではなかった(p=0.40)。グレードは数値変数として符合化した場合にも有意ではなかった(p=0.28)。HRD-複合スコアに対する二次効果および三次効果について、すべての臨床的変数を含む多変量モデルにおいて検証したが、統計学的に有意ではなかった。
考察.この実施例4において、IHCサブタイプ分類によって定義される乳癌の4種のサブタイプにわたるBRCA1/2欠損の頻度はほぼ9%~ほぼ16%の範囲であった。対応させた腫瘍試料および正常DNA試料のシークエンシングにより、観察された突然変異のおよそ75%は生殖細胞系起源であることが示唆された。乳癌における第2のアレルの喪失のための主な方法はLOHを介するが、腫瘍のほぼ24%は第2のアレルにおいてその後に体細胞性の有害突然変異も保有していた。加えて、散発性と思われる乳房腫瘍が、BRCA2に体細胞性の有害な突然変異を保有する個体1例において認められた。
3種のHRDスコアはすべて、サブタイプとは無関係にBRCA1/2欠損との強い相関を示し、スコア増大の頻度により、すべての乳房腫瘍サブタイプのかなりの割合が相同組換えDNA修復経路の欠損を保有することが示唆された。これらの知見を、特に上記の実施例3と総合して考慮すると、DNA損傷修復を標的とするかまたはそれを利用する薬剤(例えば、白金系抗癌剤)は、乳癌のすべてのサブタイプ由来の腫瘍のサブセット(本開示によって検出される通りの相同組換え欠損を有するもの)を通じて有効である可能性がある。
臨床環境において、これらのHRDスコアを単独で、または組み合わせて取り入れるには、ホルマリン固定されてパラフィン包埋されたコア針生検試料(「FFPE」)との適合性があるアッセイを用いることが最適である。この種の試料では、極めて量が少なく、かつ質の低いDNAしか得られない。これらのFFPE処理試料から抽出されたDNAでは、多くの場合、SNPマイクロアレイ分析では十分な成績が得られない。
次世代シークエンシングのためのライブラリーの作製のために、液体ハイブリダイゼーションに基づく標的濃縮技術が開発されている。これらの方法は、ゲノム複雑度の低下後に関心対象の領域の標的化シークエンシングを行うことを可能にし、シークエンシング費用の削減をもたらす。予備的な試験において、利用可能なアッセイが、FFPE DNAに由来するDNAとの適合性があることが指し示されている。この実施例4において、本発明者らは、ゲノム全体にわたって分布するおよそ54,000個のSNPを標的とする捕捉パネルの開発を報告している。このパネルによって得られるシークエンシング情報によるアレル数を、コピー数およびLOH再構築に対して、ならびに3種のHRDスコアのすべての算出のために用いることができる。加えて、この実施例4におけるように、BRCA1およびBRCA2捕捉プローブをパネルに含めてもよく、それにより、同じアッセイで、これらの遺伝子における有害な変異体に関する質の高い突然変異スクリーニングが可能になる。
3種のスコアはすべて互いに有意に相関しており、このことはそれらがすべて、同じ中核的なゲノム現象を測定していることを示唆する。しかし、ロジスティック回帰分析からは、スコアを組み合わせることで、このデータセットにおいてBRCA1/2欠損とのより強い関連がもたらされうることが指し示されている。
相同組換えDNA修復の欠損を有する腫瘍を同定しうる頑健性のあるスコアと、ホルマリン固定されてパラフィン包埋された臨床的病理標本とのアッセイ適合性が組み合わされることにより、二本鎖DNA損傷修復を標的とする薬剤に対する反応の見込みが高い患者の診断的同定および分類が容易になる。加えて、そのような薬剤は、本開示に従ってHRDが検出される乳癌のすべてのサブタイプにわたって有用性がある可能性がある。
実施例5‐高HRDの閾値(例えば、HRDシグネチャーの一例)
この実施例では、高HRDの決定について明示する。閾値参照値は、治療反応に対してもアウトカムに対しても非特異的であった乳房腫瘍および卵巣腫瘍においてHRDを検出するための高い感度を有するように選択した。LOH領域、TAI領域およびLST領域の総数を決定した。HRDスコアを算出するために、SNPデータを、各SNP位置における最も可能性の高いアレル特異的コピー数を決定するアルゴリズムを用いて分析した。HRD-LOHは、長さが15Mbを上回るが染色体全体の長さよりも短いLOH領域の数を算定することによって算出した。HRD-TAIスコアは、長さが11Mbを上回り、サブテロメアの1つに広がるがセントロメアを越えない、アレル不均衡を伴う領域の数を算定することによって算出した。HRD-LSTスコアは、3Mbよりも短い領域をふるい落とした後に、10Mbよりも長い領域の間の不連続点の数とした。複合スコア(HRDスコア)は、LOH/TAI/LSTスコアの合計とした。
訓練セットは、4つの異なるコホート(乳房497例および卵巣561例)から集めた。このセットは、BRCA1またはBRCA2の機能的コピーを欠く78件の乳房腫瘍および190件の卵巣腫瘍からなったが、これは、BRCA欠損試料におけるHRDスコアの分布はHRD試料全般におけるスコアの分布に相当するためである。訓練セットにおけるHRDスコアの5パーセンタイル値を閾値に設定したが、これにより、HR欠損の検出に関して95%を上回る感度が得られる。高HRD(またはHRDシグネチャー)は、42以上の参照スコアを有することと定義した(図14)。
実施例6‐HRDはトリプルネガティブ乳癌におけるシスプラチンに対する反応を予測する
この実施例では、本明細書中に記載されたHRDスコアが、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)試料におけるHR欠損を標的とする薬剤の有効性をいかに予測しうるかを実証する。シスプラチンによって治療したネオアジュバントTNBCコホートの分析を、3種のHRDスコアすべてと反応との関係と対比して検討した。p値はすべて、シスプラチンに対する反応を従属変数とするロジスティック回帰モデルからとした。
シスプラチンコホートから得られた70件の試料(70人の個別の患者)のうち62件に関してHR欠損状態を判定した(8人が有していた腫瘍は分析には不十分であった)。これらのうち、31件(50%)はHR欠損であり、22件(35%)は非HR欠損であり、9件(15%)は未確定であった。図15は、コホートにおけるHRDスコアの分布を示すヒストグラムを提示している。42以上のスコアを、高HRDを有するとみなした(実施例5も参照)。図15に図示された二峰性は、HRDスコアが腫瘍におけるHR欠損状態と非欠損状態を有効に区別したことを指し示している。長期生存と関連性がある病理学的完全奏効(pCR)は、残留癌量(RBC)が0であると定義し、これは59件中11件(19%)の試料で観察された。病理学的奏効(PR)はRBCが0または1であると定義し、これは59件中22件(37%)の試料で観察された。これらの全奏効率は単剤療法の期待値と相関があった。
統計分析は、一次分析、二次分析、およびBRCA野生型サブセット分析が含まれる、既定の統計分析計画書(SAP)に従って行った。
一次分析では、50件の試料における反応を予測するために、HR欠損状態を用いた。表13に示されているように、HR欠損試料からは、PRおよびpCRの両方に関して、反応のより優れた予測因子が得られた。例えば、HR欠損試料の52%が病理学的奏効を有したが、これに対して非欠損試料で病理学的奏効を有したのは9.5%であった。同様に、HR欠損試料の28%は病理学的完全奏効を有したが、これに対して非欠損試料で病理学的奏効を有したのは0%であった。
(表13)反応を予測するためにHR欠損を用いた一次分析
二次分析では、48件の試料における反応を予測するために、実施例5に記載された定量的HRDスコアを用いた。表14に示されているように、HRDスコアは、PRまたはpCRのいずれとして定義した場合にも、レスポンダー由来の試料における方が非レスポンダーよりも有意に高かった。
(表14)反応を予測するために定量的HRDスコアを用いた二次分析
BRCA突然変異の状態によって定義した、二次分析に関する各反応クラス内でのHRDスコアの分布を図16に図示しており、ここで42の位置にある点線は低スコアと高スコアとの間のHRD閾値を表している。二次分析に関する反応曲線、または定量的HRDスコアの各値と関連するPRの確率を図17に図示している。図17に示されている曲線は、4種のパラメーター:曲線の形状、尺度、ならびに下限および上限を推定する一般化ロジスティック回帰によってモデル化した。濃く塗られたボックスは、HR欠損試料および非欠損試料における反応の確率を対比して示している。表15は、二次分析においてもHR状態が依然として病理学的奏効と有意に関連していたことを示している。
(表15)病理学的奏効の多変数モデル
* IQR当たりのオッズ比
個々のHRD構成要素スコアと病理学的奏効との対比を表16に示し、図18に図示している。表16は、各構成要素スコア、すなわち、LOH、TAIおよびLSTによって反応が予測され、それらの合計、すなわちHRDスコアが、個々の構成要素と等しく有意であるかまたはそれらのいずれよりも有意であったことを示している(HRDのp値=3.1×10
-4)。図18は、構成要素スコアの間の強いペアワイズ相関を図示している。
(表16)定量的HRD構成要素スコアとPRの対比
二次分析では、BRCA1/2突然変異状態と反応との関連についてもさらに検討した。表17により、BRCA突然変異状態は反応と関連することが確かめられた;しかし、当該関連はこのコホート(n=51)では有意ではなく、BRCA突然変異状態はHR欠損ほど予測性があるものではなかった。
(表17)反応を予測するためにBRCA突然変異状態を用いた二次分析
BRCA1/2突然変異を伴わない試料においてHR欠損は予測性があることを実証するために、38件のBRCA野生型試料におけるHR欠損状態を用いたサブセット分析をさらに実施した。表18に示されているように、HR欠損試料は、BRCA野生型試料におけるPRおよびpCRの両方に関して、より優れた反応予測因子を提供した。例えば、HR欠損試料の52.6%は病理学的奏効を有しており、これに対して病理学的奏効を有する非欠損試料は10.5%であった。同様に、HR欠損試料の26.3%は病理学的完全奏効を有しており、これに対して病理学的完全奏効を有する非欠損試料は0%であった。
(表18)BRCA野生型試料における反応を予測するためにHR欠損を用いたサブセット分析
38件のBRCA野生型試料において、定量的HRDスコアを用いるサブセット分析をさらに実施した。表19に示されているように、高HRDを有する試料(スコアが42以上)は、BRCA野生型試料におけるPRおよびpCRの両方に関して、より優れた反応予測因子を提供した。
(表19)BRCA野生型試料における反応を予測するために定量的HRDスコアを用いたサブセット分析
結論として、この実施例は、3種のHRDスコアすべての合計により、TNBCにおけるシスプラチン治療に対する反応が有意に予測されたことを実証している。
その他の態様
本発明をその詳細な記載とともに説明してきたが、前記の記載は本発明の例示を意図しており、制限を意図したものではなく、それは添付の特許請求の範囲によって定められることが理解される必要がある。他の局面、利点および変更は、以下の特許請求の範囲内にある。