配線基板は、伸縮などの変形に対する耐性を有する部分だけでなく、変形に起因して破損し易い部分も含む。このため、予め伸長させた状態の基材に回路を設けると、配線基板に破損などの不具合が生じ易くなってしまう。
一方、例えば、半導体や液晶等の製造においては、いずれも大きく伸縮する基材を用いることはない。このため、基材の貼合時の位置合わせ等に用いられるアライメントマークは貼合される基材と1対1に対応する形、大きさであることがほとんどであり、対応するマークを高精度に作製する必要がある。
このように、大きく伸縮する基材を用いて伸縮電極を作製する場合や、作製した伸縮電極基材を被実装体、例えば、人体や物体等に実装する場合には、アライメント機能を実現するためにその伸縮性を考慮したアライメントマークが必要となる。
本開示の実施形態は、このような課題を効果的に解決し得る配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、伸縮性を有する配線基板であって、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含み、第1の弾性係数を有する基材と、前記基材の前記第1面側に位置し、配線基板に搭載される電子部品の電極に接続される配線と、前記基材に設けられるとともに、前記配線基板の製造時の位置合わせ、及び/又は、被実装体に対する前記配線基板の実装時の位置合わせに用いられるアライメントマーク部材と、を備え、前記基材の伸張時及び収縮時において、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、少なくとも前記アライメントマーク部材の大きさが変化するようになっている、配線基板である。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記配線は、前記基材の前記第1面の面内方向に沿って並ぶ複数の山部及び谷部を含む蛇腹形状部を有するようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の伸張に応じて、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、少なくとも前記アライメントマーク部材の大きさが大きくなり、一方、前記基材の収縮に応じて、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、少なくとも前記アライメントマーク部材の大きさが小さくなるようになっているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材と同じ弾性係数を有するようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材と同じ材料で構成されているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材よりも大きい弾性係数を有するようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材と異なる材料で構成されているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の伸張時及び収縮時において、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記アライメントマーク部材の大きさが変化するとともに、前記アライメントマーク部材の形状が変化するようになっているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、二重の円マーク、又は、十字マークの形状を有するようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材が伸張した状態において、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記アライメントマーク部材が複数のパターンに分離し、一方、前記基材が収縮した状態において、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記アライメントマーク部材を構成する前記複数のパターンが結合するようになっているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材を構成する前記複数のパターンが結合した状態で、前記アライメントマーク部材は、前記被実装体に対する前記配線基板の実装時の位置合わせに用いられるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の伸張時及び収縮時において、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記アライメントマーク部材の大きさが変化するが、前記アライメントマーク部材の形状が変化しないようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、長方形の形状を有するようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記配線と前記基材の前記第1面との間に位置し、前記第1の弾性係数よりも大きい第3の弾性係数を有し、前記配線を支持する支持基板を更に備えるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記支持基板に設けられ、前記基材に前記支持基板を貼り合わせるときに、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記アライメントマーク部材と予め規定された所定の位置関係で重なるようにすることで、前記基材と前記支持基板とを所定の位置に位置合わせするための追加アライメントマーク部材を更に備えるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記追加アライメントマーク部材は、前記支持基板と同じ弾性係数を有するようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記追加アライメントマーク部材は、前記支持基板40と同じ材料で構成されているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記追加アライメントマーク部材は、前記支持基板よりも大きい弾性係数を有するようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記追加アライメントマーク部材は、前記支持基板40と異なる材料で構成されているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材と前記追加アライメントマーク部材とを合成した1つのアライメントマークとして、被実装体に対する前記配線基板の実装時の位置合わせに用いられるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記被実装体に対する前記配線基板の実装時の位置合わせに用いる場合において、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記被実装体の予め規定された位置と前記アライメントマーク部材の位置とが所定の位置関係になるように前記配線基板を前記被実装体に実装した状態で、必要な情報を前記被実装体から検出できるように、前記配線基板における前記アライメントマーク部材の位置が設定されているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材の大きさは、前記基材の伸張率に基づいて設定されているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材の前記第1面上に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材の前記第2面上に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材の中に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材の前記第1面に露出するように、前記基材の中の前記第1面側に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材の前記第2面に露出するように、前記基材の中の前記第2面側に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記アライメントマーク部材は、前記基材の前記第1面と前記第2面との間を貫通するように、前記基材の中に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の前記第1面から前記第2面に向かう方向において、前記アライメントマーク部材の厚さは、前記基材の厚さと同じであるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の前記第1面から前記第2面に向かう方向において、前記アライメントマーク部材の厚さは、前記基材の厚さよりも、小さいようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の前記第1面側、又は前記基材の前記第2面側に位置し、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記配線基板に搭載される電子部品に少なくとも部分的に重なり、前記第1の弾性係数よりも大きい第2の弾性係数を有する電子部品用補強部材を更に備えるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記配線のうち前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記電子部品用補強部材と重ならない部分は、前記基材の前記第1面の面内方向に沿って並ぶ複数の山部及び谷部を含む蛇腹形状部を有するようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記配線の前記蛇腹形状部の振幅が1μm以上であるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記追加アライメントマーク部材は、前記支持基板の前記第1面上に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記追加アライメントマーク部材は、前記支持基板の前記第2面上に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記追加アライメントマーク部材は、前記支持基板の中に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記追加アライメントマーク部材は、前記支持基板の前記第1面に露出するように、前記支持基板の中の前記第1面側に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記追加アライメントマーク部材は、前記支持基板の前記第2面に露出するように、前記支持基板の中の前記第2面側に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記追加アライメントマーク部材は、前記支持基板の前記第1面と前記第2面との間を貫通するように、前記基材の中に位置しているようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記支持基板の前記第1面から前記第2面に向かう方向において、前記追加アライメントマーク部材の厚さは、前記支持基板の厚さと同じであるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記支持基板の前記第1面から前記第2面に向かう方向において、前記追加アライメントマーク部材の厚さは、前記支持基板の厚さよりも小さいようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材は、シリコーンゴムを含むようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記電子部品用補強部材は、金属層を含むようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記配線は、複数の導電性粒子を含むようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の前記第1面側に位置し、前記配線に電気的に接続される電極を有する電子部品を更に備えるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の前記第1面の面内方向に沿う引張応力が前記基材に加えられていない第1状態における前記配線の抵抗値を第1抵抗値と称し、前記基材に引張応力を加えて前記基材を前記第1面の面内方向において前記第1状態に比べて30%伸長させた第2状態における前記配線の抵抗値を第2抵抗値と称する場合、前記第1抵抗値に対する、前記第1抵抗値と前記第2抵抗値の差の絶対値の比率が、20%以下であるようにしてもよい。
本開示の一実施形態は、伸縮性を有する配線基板の製造方法であって、
伸縮性を有する配線基板の製造方法であって、
第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含み、第1の弾性係数を有する基材に引張応力を加えて、前記基材を伸長させる第1工程と、
伸長した状態の前記基材の前記第1面側に、前記配線基板に搭載される電子部品の電極に接続される配線を設ける第2工程と、
前記基材から前記引張応力を取り除く第3工程と、を備え、
前記配線基板は、
前記基材に設けられるとともに、前記配線基板の製造時の位置合わせ、及び/又は、被実装体に対する前記配線基板の実装時の位置合わせに用いられるアライメントマーク部材を備え、
前記基材の伸張時及び収縮時において、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、少なくとも前記アライメントマーク部材の大きさが変化するようになっている、配線基板の製造方法である。
本開示の一実施形態による配線基板の製造方法において、前記配線は、前記基材の前記第1面の面内方向に沿って並ぶ複数の山部及び谷部を含む蛇腹形状部を有するようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含み、前記第1の弾性係数よりも大きい第3の弾性係数を有する支持基板を準備し、前記支持基板の前記第1面に前記配線を設ける支持基板準備工程を更に備え、前記配線基板は、前記支持基板に設けられ、前記基材に前記支持基板を貼り合わせるときに、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記アライメントマーク部材と予め規定された所定の位置関係で重なるようにすることで、前記基材と前記支持基板とを所定の位置に位置合わせするための追加アライメントマーク部材を備え、前記第2工程においては、伸長した状態の前記基材の前記第1面に、前記配線が設けられた前記支持基板を、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記アライメントマーク部材と前記追加アライメントマーク部材とが前記予め規定された所定の位置関係で重なるようにして、前記支持基板の前記第2面側から接合させるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の前記第2面に前記電子部品用補強部材を設ける基材準備工程を更に備え、前記第2工程においては、前記電子部品用補強部材が設けられた、伸長した状態の前記基材の前記第1面に、前記配線が設けられた前記支持基板を、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記アライメントマーク部材と前記追加アライメントマーク部材とが前記予め規定された所定の位置関係で重なるようにして、前記支持基板の前記第2面側から接合させるようにしてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記支持基板準備工程においては、前記支持基板の前記第2面に前記電子部品用補強部材を設け、前記第2工程においては、伸長した状態の前記基材の前記第1面に、前記配線及び前記電子部品用補強部材が設けられた前記支持基板を、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記アライメントマーク部材と前記追加アライメントマーク部材とが前記予め規定された所定の位置関係で重なるようにして、前記支持基板の前記第2面側から接合させるようにしてもよい。
本開示の実施形態によれば、高精度なアライメント機能を実現しつつ、基材の伸縮に起因して配線基板に不具合が生じることを抑制することができる。
以下、本開示の実施形態に係る配線基板の構成及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本明細書において、「基板」、「基材」、「シート」や「フィルム」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基材」は、基板、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。更に、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
以下、図1乃至図18を参照して、本開示の一実施の形態について説明する。
(配線基板)
まず、本実施の形態に係る配線基板10について説明する。図1及び図2はそれぞれ、配線基板10を示す断面図及び平面図である。図1に示す断面図は、図2の配線基板10を線A-Aに沿って切断した場合の図である。
図1に示す配線基板10は、基材20、アライメントマーク部材X、電子部品用補強部材31、支持基板40、追加アライメントマーク部材Y、電子部品51、配線52を備える。以下、配線基板10の各構成要素について説明する。
〔基材〕
基材20は、伸縮性を有するよう構成された部材である。基材20は、電子部品51及び配線52側に位置する第1面21と、第1面21の反対側に位置する第2面22と、を含む。基材20の厚みは、例えば10mm以下であり、より好ましくは1mm以下である。基材20の厚みを小さくすることにより、基材20の伸縮に要する力を低減することができる。また、基材20の厚みを小さくすることにより、配線基板10を用いた製品全体の厚みを小さくすることができる。これにより、例えば、配線基板10を用いた製品が、人の腕などの身体の一部に取り付けるセンサである場合に、装着感を低減することができる。基材20の厚みは、10μm以上であってもよい。
基材20の伸縮性を表すパラメータの例として、基材20の弾性係数を挙げることができる。基材20の弾性係数は、例えば10MPa以下であり、より好ましくは1MPa以下である。このような弾性係数を有する基材20を用いることにより、配線基板10全体に伸縮性を持たせることができる。以下の説明において、基材20の弾性係数のことを、第1の弾性係数とも称する。基材20の第1の弾性係数は、1kPa以上であってもよい。
基材20の第1の弾性係数を算出する方法としては、基材20のサンプルを用いて、JIS K6251に準拠して引張試験を実施するという方法を採用することができる。また、基材20のサンプルの弾性係数を、ISO14577に準拠してナノインデンテーション法によって測定するという方法を採用することもできる。ナノインデンテーション法において用いる測定器としては、ナノインデンターを用いることができる。基材20のサンプルを準備する方法としては、配線基板10から基材20の一部をサンプルとして取り出す方法や、配線基板10を構成する前の基材20の一部をサンプルとして取り出す方法が考えられる。その他にも、基材20の第1の弾性係数を算出する方法として、基材20を構成する材料を分析し、材料の既存のデータベースに基づいて基材20の第1の弾性係数を算出するという方法を採用することもできる。なお、本願における弾性係数は、25℃の環境下における弾性係数である。
基材20の伸縮性を表すパラメータのその他の例として、基材20の曲げ剛性を挙げることができる。曲げ剛性は、対象となる部材の断面二次モーメントと、対象となる部材を構成する材料の弾性係数との積であり、単位はN・m2又はPa・m4である。基材20の断面二次モーメントは、配線基板10の伸縮方向に直交する平面によって、基材20のうち配線52と重なっている部分を切断した場合の断面に基づいて算出される。以下の説明において、基材20の曲げ剛性のことを、第1の曲げ剛性とも称する。
基材20を構成する材料の例としては、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゲル、シリコンゲル等を挙げることができる。また、基材20の材料として、例えば、織物、編物、不織布などの布を用いることもできる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、1,2-BR系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等を用いることができる。機械的強度や耐磨耗性を考慮すると、ウレタン系エラストマーを用いることが好ましい。さらに、シリコーンゴムは、耐熱性・耐薬品性・難燃性に優れており、基材20の材料として好ましい。なお、基材20には、埋設されたアライメントマーク部材Xが外部から視認できる必要がある場合は、例えば、透過性を有する材料が選択される。
〔電子部品用補強部材〕
本実施の形態では、一例として、基材20の伸縮を制御するために電子部品用補強部材31を配線基板10に設けた例について説明する。しかしながら、配線基板10には、本実施の形態で適用されている電子部品用補強部材31に代えて、基材20の伸縮を制御するための他の部材や構成が適用されるようにしてもよく、電子部品用補強部材が省略されていてもよい。
この電子部品用補強部材31は、上述のように、基材20の伸縮を制御するために配線基板10に設けられた部材である。図1に示す例において、電子部品用補強部材31は、基材20の第2面22側に位置する。例えば、電子部品用補強部材31は、基材20の第2面22に設けられている。
電子部品用補強部材31は、基材20の第1の弾性係数よりも大きい弾性係数を有する。電子部品用補強部材31の弾性係数は、例えば1GPa以上であり、より好ましくは10GPa以上である。電子部品用補強部材31の弾性係数は、基材20の第1の弾性係数の100倍以上であってもよく、1000倍以上であってもよい。このような電子部品用補強部材31を基材20に設けることにより、基材20のうち電子部品用補強部材31と重なる部分が伸縮することを抑制することができる。これにより、基材20を、伸縮が生じやすい部分と、伸縮が生じにくい部分とに区画することができる。以下の説明において、電子部品用補強部材31の弾性係数のことを、第2の弾性係数とも称する。電子部品用補強部材31の第2の弾性係数は、500GPa以下であってもよい。また、電子部品用補強部材31の第2の弾性係数は、基材20の第1の弾性係数の500000倍以下であってもよい。なお、「重なる」とは、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に2つの構成要素が重なることを意味している。
電子部品用補強部材31の第2の弾性係数を算出する方法は、電子部品用補強部材31の形態に応じて適宜定められる。例えば、電子部品用補強部材31の第2の弾性係数を算出する方法は、上述の基材20の弾性係数を算出する方法と同様であってもよく、異なっていてもよい。後述する支持基板40の弾性係数も同様である。例えば、電子部品用補強部材31又は支持基板40の弾性係数を算出する方法として、電子部品用補強部材31又は支持基板40のサンプルを用いて、ASTM D882に準拠して引張試験を実施するという方法を採用することができる。
また、電子部品用補強部材31は、基材20の第1の曲げ剛性よりも大きい曲げ剛性を有する。電子部品用補強部材31の曲げ剛性は、基材20の第1の曲げ剛性の100倍以上であってもよく、1000倍以上であってもよい。以下の説明において、電子部品用補強部材31の曲げ剛性のことを、第2の曲げ剛性とも称する。
電子部品用補強部材31を構成する材料の例としては、金属材料を含む金属層や、一般的な熱可塑性エラストマー、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、エポキシ系、ビニルエーテル系、ポリエン・チオール系、シリコーン系等のオリゴマー、ポリマー等を挙げることができる。金属材料の例としては、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等を挙げることができる。電子部品用補強部材31の厚みは、例えば10μm以上である。上述の材料のうち、金属層は、弾性率が大きくエッチング加工などにより微細加工可能であり、より好ましい。また、電子部品用補強部材31の材料例として、PETフィルム、PENフィルム等も適用可能であり、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタラート等を用いることができる。
電子部品用補強部材31を構成する材料として、オリゴマー又はポリマーを用いる場合、電子部品用補強部材31は、透明性を有していてもよい。また、電子部品用補強部材31は、遮光性、例えば紫外線を遮蔽する特性を有していてもよい。例えば、電子部品用補強部材31は黒色であってもよい。また、電子部品用補強部材31の色と基材20の色とが同一であってもよい。
図3は、図2の配線基板10を線B-Bに沿って切断した場合を示す断面図である。なお、図2は、配線基板10を基材20の第1面21側から見た場合を示す平面図であるので、基材20の第1面21側に位置するアライメントマーク部材X及び第2面22側に位置する電子部品用補強部材31は点線で表されている。
〔支持基板〕
支持基板40は、基材20よりも低い伸縮性を有するよう構成された板状の部材である。支持基板40は、基材20側に位置する第2面42と、第2面42の反対側に位置する第1面41と、を含む。図1に示す例において、支持基板40は、その第1面41側において電子部品51及び配線52を支持している。また、支持基板40は、その第2面42側において基材20の第1面に接合されている。例えば、基材20と支持基板40との間に、接着剤を含む接着層60が設けられていてもよい。接着層60を構成する材料としては、例えばアクリル系接着剤、シリコーン系接着剤等を用いることができる。接着層60の厚みは、例えば5μm以上且つ200μm以下である。また、図31に示すように、常温接合又は分子接着によって支持基板40の第2面42が基材20の第1面21に接合されていてもよい。この場合、基材20と支持基板40との間に接着層が設けられていなくてもよい。また、基材20の第1面21又は支持基板40の第2面42の一方又は両方に、常温接合、分子接着の接着性を向上させるプライマー層を設けてもよい。常温接合又は分子接着によって支持基板40の第2面42が基材20の第1面21に接合される場合、図32に示すように、電子部品用補強部材31は、基材20の第1面21又は第2面22に露出しないよう基材20に埋め込まれていることが好ましい。
後述するように、支持基板40に接合された基材20から引張応力が取り除かれて基材20が収縮するとき、支持基板40には蛇腹形状部が形成される。支持基板40の特性や寸法は、このような蛇腹形状部が形成され易くなるよう設定されている。例えば、支持基板40は、基材20の第1の弾性係数よりも大きい弾性係数を有する。以下の説明において、支持基板40の弾性係数のことを、第3の弾性係数とも称する。
支持基板40の第3の弾性係数は、例えば100MPa以上であり、より好ましくは1GPa以上である。支持基板40の第3の弾性係数は、基材20の第1の弾性係数の100倍以上であってもよく、1000倍以上であってもよい。また、支持基板40の厚みは、例えば10μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。支持基板40の弾性係数を高くしたり、支持基板40の厚みを小さくしたりすることにより、基材20の収縮に伴って支持基板40に蛇腹形状部が形成され易くなる。支持基板40を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタラート等を用いることができる。なお、支持基板40には、埋設された追加アライメントマーク部材Yが外部から視認できる必要がある場合は、例えば、透過性を有する材料が選択される。
支持基板40の第3の弾性係数は、基材20の第1の弾性係数の100倍以下であってもよい。支持基板40の第3の弾性係数を算出する方法は、基材20の場合と同様である。また、支持基板40の厚みは、500nm以上であってもよい。
〔電子部品〕
図1に示す例において、電子部品51は、配線52に接続される電極を少なくとも有する。電子部品51は、能動部品であってもよく、受動部品であってもよく、機構部品であってもよい。
電子部品51の例としては、トランジスタ、LSI(Large-Scale Integration)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、リレー、LED、OLED、LCDなどの発光素子、センサ、ブザー等の発音部品、振動を発する振動部品、冷却発熱をコントロールするペルチェ素子や電熱線などの冷発熱部品、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、圧電素子、スイッチ、コネクタなどを挙げることができる。電子部品51の上述の例のうち、センサが好ましく用いられる。センサとしては、例えば、温度センサ、圧力センサ、光センサ、光電センサ、近接センサ、せん断力センサ、生体センサ、レーザーセンサ、マイクロ波センサ、湿度センサ、歪みセンサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、変位センサ、磁気センサ、ガスセンサ、GPSセンサ、超音波センサ、臭いセンサ、脳波センサ、電流センサ、振動センサ、脈波センサ、心電センサ、光度センサ等を挙げることができる。これらのセンサのうち、生体センサが特に好ましい。生体センサは、心拍や脈拍、心電、血圧、体温、血中酸素濃度等の生体情報を測定することができる。
〔配線〕
配線52は、電子部品51の電極に接続された、導電性を有する部材である。例えば図2に示すように、配線52の一端及び他端が、2つの電子部品51の電極にそれぞれ接続されている。図2に示すように、複数の配線52が2つの電子部品51の間に設けられていてもよい。
後述するように、支持基板40に接合された基材20から引張応力が取り除かれて基材20が収縮するとき、配線52は蛇腹状に変形する。この点を考慮し、好ましくは、配線52は、変形に対する耐性を有する構造を備える。例えば、配線52は、ベース材と、ベース材の中に分散された複数の導電性粒子とを有する。この場合、ベース材として、樹脂などの変形可能な材料を用いることにより、基材20の伸縮に応じて配線52も変形することができる。また、変形が生じた場合であっても複数の導電性粒子の間の接触が維持されるように導電性粒子の分布や形状を設定することにより、配線52の導電性を維持することができる。
配線52のベース材を構成する材料としては、例えば、一般的な熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性エラストマーを用いることができ、例えば、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ポリクロロプレン等を用いることができる。中でも、ウレタン系、シリコーン系構造を含む樹脂やゴムが、その伸縮性や耐久性などの面から好ましく用いられる。また、配線52の導電性粒子を構成する材料としては、例えば銀、銅、金、ニッケル、パラジウム、白金、カーボン等の粒子を用いることができる。中でも、銀粒子が、価格と導電性の観点から好ましく用いられる。
なお、配線52に求められることは、蛇腹形状部57の解消及び生成を利用して基材20の伸張及び収縮に追従することである。この点を考慮すると、配線52の材料としては、上述のようにそれ自体が変形性や伸縮性を有しているものだけでなく、それ自体は変形性や伸縮性を有していないものも採用可能である。
配線52に用いられ得る、それ自体は伸縮性を有さない材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、白金、クロム等の金属や、これらの金属を含む合金が挙げられる。配線52の材料自体が伸縮性を有さない場合、配線52としては、金属膜を用いることができる。
配線52の厚みは、電子部品51の厚みよりも小さく、例えば50μm以下である。配線52の幅は、例えば50μm以上且つ10mm以下である。
〔電子部品用補強部材の位置関係〕
次に、電子部品用補強部材31について、電子部品51及び配線52との位置関係に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、電子部品用補強部材31は、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に電子部品51と少なくとも部分的に重なるように配置されている。好ましくは、電子部品用補強部材31は、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に電子部品51の全域にわたって電子部品51に重なっている。このため、基材20のうち電子部品51と重なる部分は、すなわち電子部品用補強部材31と重なる部分は、基材20のうち電子部品用補強部材31と重ならない部分に比べて変形しにくい。これにより、基材20に引張応力などの力を加えたときや、基材20から引張応力などの力を取り除いたときなどに、基材20のうち電子部品51と重なる部分に変形が生じることを抑制することができる。このことにより、基材20の変形に起因する応力が電子部品51に加わることを抑制することができ、電子部品51が変形したり破損したりしてしまうことを抑制することができる。また、電子部品51と配線52との間の電気接合部が破損してしまうことを抑制することができる。
なお、図1においては、基材20の第2面22に電子部品用補強部材31が位置する例が示されているが、電子部品用補強部材31の位置は任意である。例えば、基材20の第1面21に電子部品用補強部材31が位置していてもよい。
〔アライメントマーク部材と追加アライメントマーク部材〕
アライメントマーク部材Xは、例えば、図1、図2に示すように、基材20に設けられている。図1の例では、アライメントマーク部材Xは、基材20の中に位置している。特に、図1の例では、アライメントマーク部材Xは、基材20の第1面21に露出するように、基材20の中の第1面21側に位置している。
このアライメントマーク部材Xは、配線基板10の製造時の位置合わせ、及び/又は、図示しない被実装体に対する配線基板10の実装時の位置合わせに用いられるようになっている。なお、当該被実装体は、例えば、人体などの生体であるが、人体等の生体以外の物体であってもよい。
そして、基材20の伸張時及び収縮時において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、少なくともアライメントマーク部材Xの大きさが変化するようになっている。例えば、基材20の伸張に応じて、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、少なくともアライメントマーク部材Xの大きさが大きくなり、一方、基材20の収縮に応じて、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、少なくともアライメントマーク部材Xの大きさが小さくなるようになっている。なお、このアライメントマーク部材Xの大きさは、例えば、基材20の伸張率に基づいて設定されている。
このアライメントマーク部材Xは、例えば、基材20と同じ弾性係数を有する。この場合、アライメントマーク部材Xは、例えば、基材20と同じ材料で構成されている。
また、このアライメントマーク部材Xは、例えば、基材20よりも大きい弾性係数を有するようにしてもよい。この場合、アライメントマーク部材Xは、基材20と異なる材料で構成されている。
また、追加アライメントマーク部材Yは、図1、図2に示すように、支持基板40に設けられている。図1の例では、追加アライメントマーク部材Yは、支持基板40の中に位置している。特に、図1の例では、追加アライメントマーク部材Yは、支持基板40の第1面41に露出するように、支持基板40の中の第1面41側に位置している。
この追加アライメントマーク部材Yは、基材20に支持基板40を貼り合わせるときに、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材と予め規定された所定の位置関係で重なるようにすることで、基材20と支持基板40とを所定の位置に位置合わせするための部材である。
この追加アライメントマーク部材Yは、例えば、支持基板40と同じ弾性係数を有する。この場合、追加アライメントマーク部材Yは、例えば、支持基板40と同じ材料で構成される。
なお、追加アライメントマーク部材Yは、支持基板40よりも大きい弾性係数を有するようにしてもよい。この場合、追加アライメントマーク部材は、支持基板40と異なる材料で構成される。
また、例えば、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xと追加アライメントマーク部材Yとを合成した1つのアライメントマークとして、被実装体に対する配線基板10の実装時の位置合わせに用いられるようになっている。
特に、被実装体に対する配線基板10の実装時の位置合わせに用いる場合において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、被実装体、例えば、人体の予め規定された位置、例えば、血管位置とアライメントマーク部材Xの位置とが所定の位置関係になるように配線基板10を当該被実装体に実装した状態で、必要な情報、例えば、血圧等を被実装体から検出できるように、配線基板10におけるアライメントマーク部材Xの位置が設定されている。
ここで、配線基板のアライメントマーク部材Xと追加アライメントマーク部材Yの配置は、図1に示す構成に限られない。図4ないし図13は、配線基板のアライメントマーク部材Xと追加アライメントマーク部材Yの配置の他の例を示す断面図である。
例えば、図4に示すように、アライメントマーク部材Xは、基材20の第2面22に露出するように、基材20の中の第2面22側に位置しているようにしてもよい。
また、図5に示すように、アライメントマーク部材Xは、基材20の中に位置し、基材20の第1面21から第2面22に向かう方向において、アライメントマーク部材Xの厚さは、基材20の厚さよりも、小さくなるようにしてもよい。
また、図6に示すように、アライメントマーク部材Xは、基材20の第1面21と第2面22との間を貫通するように、基材20の中に位置しているようにしてもよい。特に、この場合、図6に示すように、基材20の第1面21から第2面22に向かう方向において、アライメントマーク部材Xの厚さは、基材20の厚さと同じであるようにしてもよい。
また、図7に示すように、アライメントマーク部材Xは、基材20の第1面21上に位置しているようにしてもよい。
また、図8に示すように、アライメントマーク部材Xは、基材20の第2面22上に位置しているようにしてもよい。
一方、例えば、図4に示すように、追加アライメントマーク部材Yは、支持基板40の第1面41に露出するように、支持基板40の中の第1面41側に位置しているようにしてもよい。
また、図9に示すように、追加アライメントマーク部材Yは、支持基板40の第2面42に露出するように、支持基板40の中の第2面42側に位置しているようにしてもよい。
また、図10に示すように、追加アライメントマーク部材Yは、支持基板40の中に位置し、支持基板40の第1面41から第2面42に向かう方向において、追加アライメントマーク部材Yの厚さは、支持基板40の厚さよりも小さくなるようにしてもよい。
また、図11に示すように、追加アライメントマーク部材Yは、支持基板40の第1面41と第2面42との間を貫通するように、支持基板40の中に位置しているようにしてもよい。特に、この場合、図11に示すように、支持基板40の第1面41から第2面42に向かう方向において、追加アライメントマーク部材Yの厚さは、支持基板40の厚さと同じであるようにしてもよい。
また、図12に示すように、追加アライメントマーク部材Yは、支持基板40の第1面41上に位置しているようにしてもよい。
また、図13に示すように、追加アライメントマーク部材Yは、支持基板40の第2面42上に位置しているようにしてもよい。
なお、各図の例では、1つのアライメントマーク部材Xは1つのパターンで構成されているが、これに限られるものでは無く、アライメントマーク部材Xは、複数のパターンで構成されているようにしてもよい。
なお、図2の例では、配線52のうち基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材X及び追加アライメントマーク部材Yの形状が正方形である。しかしながら、配線52のうち基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材X及び追加アライメントマーク部材Yは、例えば、多角形状、十字形状、又は、円形状を有するようにしてもよい。また、アライメントマークとして読取可能な形状であれば数字や文字等を有するようにしてもよい。
〔配線の構造〕
続いて、配線52の断面構造について、図14を参照して詳細に説明する。図14は、図1に示す配線基板1010の配線52及びその周辺の構成要素の一例を拡大して示す断面図である。
図1乃至図3に示すように、配線52全体は、若しくは配線52の大部分は、電子部品用補強部材31と重ならないように配置されている。このため、基材20に収縮などの変形が生じたとき、配線52は、基材20の変形に伴って変形し易い。例えば、伸長させた状態の基材20に配線52を設けた後、基材20を弛緩させると、図14に示すように、配線52のうち電子部品用補強部材31と重なっていない部分に、蛇腹形状部57が生じる。
蛇腹形状部57は、基材20の第1面21の法線方向における山部及び谷部を含む。図14において、符号53は、配線52の表面に現れる山部を表し、符号54は、配線52の裏面に現れる山部を表す。また、符号55は、配線52の表面に現れる谷部を表し、符号56は、配線52の裏面に現れる谷部を表す。表面とは、配線52の面のうち基材20から遠い側に位置する面であり、裏面とは、配線52の面のうち基材20に近い側に位置する面である。また、図14において、符号26及び27は、基材20の第1面21に現れる山部及び谷部を表す。第1面21に山部26及び谷部27が現れるように基材20が変形することにより、配線52が蛇腹状に変形して蛇腹形状部57を有するようになる。基材20の第1面21の山部26が、配線52の蛇腹形状部57の山部53,54に対応し、基材20の第1面21の谷部27が、配線52の蛇腹形状部57の谷部55,56に対応している。
山部53,54及び谷部55,56は、基材20の第1面21の面内方向に沿って繰り返し現れる。山部53,54及び谷部55,56が繰り返し現れる周期Fは、例えば10μm以上且つ100mm以下である。なお、図14においては、蛇腹形状部57の複数の山部及び谷部が一定の周期で並ぶ例が示されているが、これに限られることはない。図示はしないが、蛇腹形状部57の複数の山部及び谷部は、第1面21の面内方向に沿って不規則に並んでいてもよい。例えば、第1面21の面内方向において隣り合う2つの山部の間の間隔が一定でなくてもよい。
図14において、符号S1は、配線52の表面における蛇腹形状部57の振幅を表す。振幅S1は、例えば1μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。振幅S1を10μm以上とすることにより、基材20の伸張に追従して配線52が変形し易くなる。また、振幅S1は、例えば500μm以下であってもよい。
振幅S1は、例えば、配線52の長さ方向における一定の範囲にわたって、隣り合う山部53と谷部55との間の、第1面21の法線方向における距離を測定し、それらの平均を求めることにより算出される。「配線52の長さ方向における一定の範囲」は、例えば10mmである。隣り合う山部53と谷部55との間の距離を測定する測定器としては、レーザー顕微鏡などを用いた非接触式の測定器を用いてもよく、接触式の測定器を用いてもよい。また、断面写真などの画像に基づいて、隣り合う山部53と谷部55との間の距離を測定してもよい。後述する振幅S2、S3、S4の算出方法も同様である。
図14において、符号S2は、配線52の裏面における蛇腹形状部57の振幅を表す。振幅S2は、振幅S1と同様に、例えば1μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。また、振幅S2は、例えば500μm以下であってもよい。
図14に示すように、支持基板40、接着層60や基材20の第1面21にも、配線52と同様の蛇腹形状部が形成されていてもよい。図14において、符号S3は、基材20の第1面21における蛇腹形状部の振幅を表す。第1面21における蛇腹形状部は、複数の山部26及び谷部27を含む。振幅S3は、例えば1μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。また、振幅S3は、例えば500μm以下であってもよい。
図15は、図1に示す配線基板10の配線52及びその周辺の構成要素のその他の例を拡大して示す断面図である。図15に示すように、基材20の第1面21には蛇腹形状部が形成されていなくてもよい。
図16は、図1に示す配線基板10の配線52及びその周辺の構成要素のその他の例を拡大して示す断面図である。図16に示すように、基材20の第1面21だけでなく第2面22にも蛇腹形状部が形成されていてもよい。第2面22における蛇腹形状部は、複数の山部28及び谷部29を含む。図16に示す例において、第2面22の山部28は、第1面21の谷部27に重なる位置に現れ、第2面22の谷部29は、第1面21の山部26に重なる位置に現れている。なお、図示はしないが、基材20の第2面22の山部28及び谷部29の位置は、第1面21の谷部27及び山部26に重なっていなくてもよい。また、基材20の第2面22の山部28及び谷部29の数又は周期は、第1面21の山部26及び谷部27の数又は周期と同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、基材20の第2面22の山部28及び谷部29の周期が、第1面21の山部26及び谷部27の周期よりも大きくてもよい。この場合、基材20の第2面22の山部28及び谷部29の周期は、第1面21の山部26及び谷部27の周期の1.1倍以上であってもよく、1.2倍以上であってもよく、1.5倍以上であってもよく、2.0倍以上であってもよい。なお、「基材20の第2面22の山部28及び谷部29の周期が、第1面21の山部26及び谷部27の周期よりも大きい」とは、基材20の第2面22に山部及び谷部が現れない場合を含む概念である。
図16において、符号S4は、基材20の第2面22に現れる山部28及び谷部29の振幅を表す。第2面22の振幅S4は、第1面21の振幅S3と同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、第2面22の振幅S4が、第1面21の振幅S3よりも小さくてもよい。例えば、第2面22の振幅S4が、第1面21の振幅S3の0.9倍以下であってもよく、0.8倍以下であってもよく、0.6倍以下であってもよい。また、第2面22の振幅S4は、第1面21の振幅S3の0.1倍以上であってもよく、0.2倍以上であってもよい。基材20の厚みが小さい場合、第1面21の振幅S3に対する第2面22の振幅S4の比率が大きくなり易い。なお、「基材20の第2面22の山部28及び谷部29の振幅が、第1面21の山部26及び谷部27の振幅よりも小さい」とは、基材20の第2面22に山部及び谷部が現れない場合を含む概念である。
また、図16においては、第2面22の山部28及び谷部29の位置が、第1面21の谷部27及び山部26の位置に一致する例を示したが、これに限られることはない。図17に示すように、第2面22の山部28及び谷部29の位置が、第1面21の谷部27及び山部26の位置からJだけずれていてもよい。ずれ量Jは、例えば0.1×F以上であり、0.2×F以上であってもよい。
図14や図15、16、17に示す蛇腹形状部57が配線52に形成されていることの利点について説明する。上述のように、基材20は、10MPa以下の弾性係数を有する。このため、配線基板10に引張応力を加えた場合、基材20は、弾性変形によって伸長することができる。ここで、仮に配線52も同様に弾性変形によって伸長すると、配線52の全長が増加し、配線52の断面積が減少するので、配線52の抵抗値が増加してしまう。また、配線52の弾性変形に起因して配線52にクラックなどの破損が生じてしまうことも考えられる。
これに対して、本実施の形態においては、配線52が蛇腹形状部57を有している。このため、基材20が伸張する際、配線52は、蛇腹形状部57の起伏を低減するように変形することによって、すなわち蛇腹形状を解消することによって、基材20の伸張に追従することができる。このため、基材20の伸張に伴って配線52の全長が増加することや、配線52の断面積が減少することを抑制することができる。このことにより、配線基板10の伸張に起因して配線52の抵抗値が増加することを抑制することができる。また、配線52にクラックなどの破損が生じてしまうことを抑制することができる。
(配線基板の製造方法)
以下、図18(a)~(d)を参照して、伸縮性を有する配線基板10の製造方法について説明する。
まず、基材20を準備する基材準備工程を実施する。本実施の形態においては、基材準備工程において、図18(a)に示すように、アライメントマーク部材Xが設けられた基材20の第2面22に電子部品用補強部材31を設ける。例えば、まず、基材20の第2面22の全域にわたって金属層を形成し、続いて、エッチングなどによって金属層を部分的に除去する。これによって、金属層を含む電子部品用補強部材31を形成することができる。なお、既述のように、基材20の伸張時及び収縮時において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、少なくともアライメントマーク部材Xの大きさが変化するようになっている。
また、支持基板40を準備する支持基板準備工程を実施する。本実施の形態においては、支持基板準備工程において、図18(b)に示すように、追加アライメントマーク部材Yが設けられた支持基板40の第1面41に電子部品51及び配線52を設ける。配線52を設ける方法としては、例えば、ベース材及び導電性粒子を含む導電性ペーストを支持基板40の第1面41に印刷する方法を採用することができる。
既述のように、支持基板40には、基材20に支持基板40を貼り合わせるときに、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xと予め規定された所定の位置関係で重なるようにすることで、基材20と支持基板40とを所定の位置に位置合わせするための追加アライメントマーク部材Yが設けられている。
続いて、基材20に引張応力Tを加えて基材20を伸長させる第1工程を実施する。基材20の伸張率は、例えば10%以上且つ200%以下である。第1工程は、基材20を加熱した状態で実施してもよく、常温で実施してもよい。基材20を加熱する場合、基材20の温度は例えば50℃以上且つ100℃以下である。
続いて、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21側に、電子部品51及び配線52を設ける第2工程を実施する。本実施の形態の第2工程においては、図18(c)に示すように、アライメントマーク部材X及び電子部品用補強部材31が設けられ伸長した状態の基材20の第1面21に、追加アライメントマーク部材Y及び配線52が設けられた支持基板40を、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xと追加アライメントマーク部材Yとが予め規定された所定の位置関係で重なるようにして、支持基板40の第2面42側から接合させる。この際、基材20と支持基板40との間に接着層60を設けてもよい。
ここで、既述のように、基材20の伸張時及び収縮時において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、少なくともアライメントマーク部材Xの大きさが変化するようになっている。これにより、この第2工程において、基材20を伸張すると、基材20の伸張に応じて、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、少なくともアライメントマーク部材Xの大きさが大きくなるため、アライメントマーク部材Xと追加アライメントマーク部材Yとが予め規定された所定の位置関係で重なるようにして位置合わせの精度を向上させて、支持基板40の第2面42側から正確に接合させることができる。
その後、基材20から引張応力Tを取り除く第3工程を実施する。これにより、図18(d)において矢印Cで示すように、基材20が収縮し、基材20に接合されている支持基板40及び配線52にも変形が生じる。支持基板40の第3の弾性係数は、基材20の第1の弾性係数よりも大きい。このため、支持基板40及び配線52の変形を、蛇腹形状部の生成として生じさせることができる。
また、本実施の形態においては、基材20の第1面21に、電子部品51と重なるよう電子部品用補強部材31が配置されている。このため、第1工程において基材20のうち電子部品51と重なる部分が伸張することを抑制することができる。従って、第3工程において基材20のうち電子部品51と重なる部分が収縮することを抑制することができる。このことにより、基材20の変形に起因する応力が電子部品51に加わることを抑制することができ、電子部品51が変形したり破損したりしてしまうことを抑制することができる。また、電子部品51と配線52との間の電気接合部が破損してしまうことを抑制することができる。このように、本実施の形態によれば、基材20に生じる変形を位置に応じて制御することにより、電子部品51の実装のし易さや電子部品51及び配線52の信頼性を高めることができる。
なお、基材20が伸張する際、電子部品用補強部材31に反りなどの変形が生じる可能性はある。仮に電子部品用補強部材31に変形が生じたとしても、電子部品用補強部材31の変形量は、基材20のうち電子部品用補強部材31と重ならない部分で生じる変形量に比べて小さい。従って、電子部品51が変形したり破損したりしてしまうことを抑制することができる。また、電子部品51と配線52との間の電気接合部が破損してしまうことを抑制することができる。
配線52の蛇腹形状部57によって得られる、配線52の抵抗値に関する効果の一例について説明する。ここでは、基材20の第1面21の面内方向に沿う引張応力が基材20に加えられていない第1状態における配線52の抵抗値を、第1抵抗値と称する。また、基材20に引張応力を加えて基材20を第1面21の面内方向において第1状態に比べて30%伸長させた第2状態における配線52の抵抗値を、第2抵抗値と称する。本実施の形態によれば、配線52に蛇腹形状部57を形成することにより、第1抵抗値に対する、第1抵抗値と第2抵抗値の差の絶対値の比率を、20%以下にすることができ、より好ましくは10%以下にすることができ、更に好ましくは5%以下にすることができる。
配線基板10の用途としては、ヘルスケア分野、医療分野、介護分野、エレクトロニクス分野、スポーツ・フィットネス分野、美容分野、モビリティ分野、畜産・ペット分野、アミューズメント分野、ファッション・アパレル分野、セキュリティ分野、ミリタリー分野、流通分野、教育分野、建材・家具・装飾分野、環境エネルギー分野、農林水産分野、ロボット分野などを挙げることができる。例えば、人の腕などの身体の一部に取り付ける製品を、本実施の形態による配線基板10を用いて構成する。配線基板10は伸張することができるので、例えば配線基板10を伸長させた状態で身体に取り付けることにより、配線基板10を身体の一部により密着させることができる。このため、良好な着用感を実現することができる。また、配線基板10が伸張した場合に配線52の抵抗値が低下することを抑制することができるので、配線基板10の良好な電気特性を実現することができる。他にも配線基板10は伸長することができるので、人などの生体に限らず曲面や立体形状に沿わせて設置や組込むことが可能である。それらの製品の一例としては、バイタルセンサ、マスク、補聴器、歯ブラシ、絆創膏、湿布、コンタクトレンズ、義手、義足、義眼、カテーテル、ガーゼ、薬液パック、包帯、ディスポーザブル生体電極、おむつ、家電製品、スポーツウェア、リストバンド、はちまき、手袋、水着、サポーター、ボール、ラケット、薬液浸透美容マスク、電気刺激ダイエット用品、懐炉、自動車内装、シート、インパネ、ベビーカー、ドローン、車椅子、タイヤ、首輪、リード、ハプティクスデバイス、ランチョンマット、帽子、服、メガネ、靴、インソール、靴下、ストッキング、インナーウェア、マフラー、耳あて、鞄、アクセサリー、指輪、付け爪、時計、個人ID認識デバイス、ヘルメット、パッケージ、ICタグ、ペットボトル、文具、書籍、カーペット、ソファ、寝具、照明、ドアノブ、花瓶、ベッド、マットレス、座布団、ワイヤレス給電アンテナ、電池、ビニールハウス、ロボットハンド、ロボット外装を挙げることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
ここで、図19は、基材に設けられたアライメントマーク部材の、当該基材と支持基板の貼り合わせ前の伸張されていない状態の構成の一例を示す平面図である。また、図20は、基材に設けられたアライメントマーク部材の、当該基材と支持基板の貼り合わせ時の伸張された状態における構成を示す平面図である。また、図21は、基材に設けられたアライメントマーク部材の、当該基材と支持基板の貼り合わせ後の伸縮された状態における構成を示す平面図である。
図19、図20に示すように、基材20の伸張時及び収縮時において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xの大きさが変化するとともに、アライメントマーク部材Xの形状が変化するようになっている。
図19、図20に示す例では、アライメントマーク部材Xは、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、十字マークの形状を有する。
例えば、図20に示すように、基材20が伸張した状態において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xが複数のパターンX1に分離している。特に、図19の基材20が伸張されていない状態と比較すると、図20の基材20が伸張した状態では、パターンX1間の間隔X2は、広くなっており、アライメントマーク部材Xの大きさが大きくなっている。
また、例えば、図21に示すように、基材20が収縮した状態において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xを構成する複数のパターンが結合するようにしてもよい。特に、図20の基材20が伸張した状態と比較すると、図21の基材20が収縮した状態では、パターンX1間の間隔X2は、狭くなっており、アライメントマーク部材Xの大きさが小さくなっている。特に、図21の例では、隣接するパターンX1が接触、すなわち、結合している。この場合、アライメントマーク部材Xを構成する各パターンX1自体は、基材20の伸張時及び収縮時において、その大きさ及び形状が変化しない材料を選択してもよい。
なお、アライメントマーク部材Xを構成する複数のパターンX1が結合した状態で、アライメントマーク部材Xは、当該被実装体に対する配線基板10の実装時の位置合わせに用いられるようにしてもよい。
このようなアライメントマーク部材Xの大きさ及び形状の変化に基づいて、配線基板10の伸縮率を得ることができる。
また、図22は、基材に設けられたアライメントマーク部材の、当該基材と支持基板の貼り合わせ前の伸張されていない状態の構成の他の例を示す平面図である。また、図23は、基材に設けられたアライメントマーク部材の、当該基材と支持基板の貼り合わせ時の伸張された状態における構成を示す平面図である。また、図24は、基材に設けられたアライメントマーク部材の、当該基材と支持基板の貼り合わせ後の伸縮された状態における構成を示す平面図である。
図22、図23に示すように、基材20の伸張時及び収縮時において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xの大きさが変化するとともに、アライメントマーク部材Xの形状が変化するようになっている。
図22、図23に示す例では、アライメントマーク部材Xは、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、二重の円マークの形状を有する。
例えば、図23に示すように、基材20が伸張した状態において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xが複数のパターンXa、Xbに分離している。特に、図22の基材20が伸張されていない状態と比較すると、図23の基材20が伸張した状態では、パターンXa、Xb間の間隔Xcは、広くなっており、アライメントマーク部材Xの大きさが大きくなっている。
また、例えば、図24に示すように、基材20が収縮した状態において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xを構成する複数のパターンXa、Xbが結合するようにしてもよい。特に、図23の基材20が伸張している状態と比較すると、図24の基材20が収縮した状態では、パターンXa、Xb間の間隔Xcは、狭くなっており、アライメントマーク部材Xの大きさが小さくなっている。特に、図24の例では、隣接するパターンXa、Xbが接触、すなわち、結合している。この場合、アライメントマーク部材Xを構成する各パターンXa、Xb自体は、基材20の伸張時及び収縮時において、その大きさ及び形状が変化する材料を選択してもよい。
なお、アライメントマーク部材Xを構成する複数のパターンXa、Xbが結合した状態で、アライメントマーク部材Xは、当該被実装体に対する配線基板10の実装時の位置合わせに用いられるようにしてもよい。
このようなアライメントマーク部材Xの大きさ及び形状の変化に基づいて、配線基板10の伸縮率を得ることができる。
また、図25は、基材に設けられたアライメントマーク部材の、当該基材と支持基板の貼り合わせ前の伸張されていない状態の構成のさらに他の例を示す平面図である。また、図26は、基材に設けられたアライメントマーク部材の、当該基材と支持基板の貼り合わせ時の伸張された状態における構成を示す平面図である。また、図27は、基材に設けられたアライメントマーク部材の、当該基材と支持基板の貼り合わせ後の伸縮された状態における構成を示す平面図である。
図25、図26に示すように、基材20の伸張時及び収縮時において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xの大きさが変化するが、アライメントマーク部材Xの形状が変化しないようにしてもよい。
図25、図26の例では、アライメントマーク部材Xは、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、長方形の形状を有する。
そして、例えば、図26に示すように、基材20が伸張した状態において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、図25の基材20が伸張されていない状態と比較すると、図26の基材20が伸張した状態では、アライメントマーク部材Xの短手方向の長さA1及び長手方向の長さB1は、長くなっており、アライメントマーク部材Xの大きさが大きくなっている。
また、例えば、図27に示すように、基材20が収縮した状態において、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、図26の基材20が伸張している状態と比較すると、図27の基材20が収縮した状態では、アライメントマーク部材Xの短手方向の長さA1及び長手方向の長さB1は、短くなり、アライメントマーク部材Xの大きさが小さくなるようにしてもよい。この場合、アライメントマーク部材Xを構成する各パターン自体は、基材20の伸張時及び収縮時において、その大きさが変化する材料が選択される。
このようなアライメントマーク部材Xの大きさ及び形状の変化に基づいて、配線基板10の伸縮率を得ることができる。
(第1の変形例)
上述の実施の形態においては、電子部品用補強部材31が基材20の第2面22側に位置する例を示したが、これに限られることはなく、電子部品用補強部材31が基材20の第1面21側に設けられていてもよい。例えば、図28に示すように、電子部品用補強部材31は、基材20の第1面21と電子部品51との間に位置していてもよい。図28に示す例において、電子部品用補強部材31は、支持基板40の第2面42に位置している。
図29は、図28に示す配線基板10の配線52及びその周辺の構成要素の一例を拡大して示す断面図である。本変形例においても、上述の実施の形態の場合と同様に、配線52のうち電子部品用補強部材31と重なっていない部分には蛇腹形状部57が形成されている。このため、基材20の変形に伴って配線52の全長が増加することや、配線52の断面積が減少することを抑制することができる。
図30(a)~(d)は、図28に示す伸縮性を有する配線基板10の製造方法を説明するための図である。
まず、図30(a)に示すように、アライメントマーク部材Xが設けられた基材20を準備する基材準備工程を実施する。続いて、図30(b)に示すように、追加アライメントマーク部材Yが設けられた支持基板40を準備する支持基板準備工程を実施する。本変形例においては、支持基板準備工程において、図30(b)に示すように、追加アライメントマーク部材Yが設けられた支持基板40の第1面41に電子部品51及び配線52を設ける。また、支持基板40の第2面42に電子部品用補強部材31を設ける。支持基板40に電子部品用補強部材31、電子部品51、配線52を設ける順序は任意である。
続いて、基材20に引張応力Tを加えて基材20を伸長させる第1工程を実施する。続いて、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21側に、電子部品51及び配線52を設ける第2工程を実施する。本変形例においては、第2工程において、図30(c)に示すように、伸長した状態の基材20の第1面21に、電子部品用補強部材31、電子部品51、配線52及び電子部品用補強部材31が設けられた支持基板40を、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に、アライメントマーク部材Xと追加アライメントマーク部材Yとが予め規定された所定の位置関係で重なるようにして、支持基板40の第2面42側から接合させる。
その後、基材20から引張応力Tを取り除く第3工程を実施する。これにより、図30(d)において矢印Cで示すように、基材20が収縮し、基材20に接合されている支持基板40及び配線52にも変形が生じる。支持基板40の第3の弾性係数は、基材20の第1の弾性係数よりも大きい。このため、支持基板40及び配線52の変形を、蛇腹形状部の生成として生じさせることができる。
また、本変形例においては、支持基板40の第2面42に、電子部品51と重なるよう電子部品用補強部材31が配置されている。このため、第3工程において基材20が収縮することの影響を電子部品51が受けることを抑制することができる。これにより、電子部品51が変形したり破損したりしてしまうことを抑制することができる。
(第2の変形例)
上述の実施の形態及び変形例においては、配線基板の支持基板40に追加アライメントマーク部材Yが設けられている例を示したが、これに限られることはない。
ここで、図33は、第1の変形例に係る配線基板を示す平面図である。また、図34ないし図39は、図33に示す配線基板の断面の例を示す断面図である。図33から図39に示すように、配線基板の支持基板40に追加アライメントマーク部材Yが設けられていなくてもよい。この場合、アライメントマーク部材Xは、例えば、図示しない被実装体に対する配線基板10の実装時の位置合わせに用いられる。また、アライメントマーク部材Xは、例えば、基材20への電極、配線の形成や電子部品の搭載等の配線基板10の製造時の位置合わせに用いられるようにしてもよい。
例えば、図34に示すように、追加アライメントマーク部材Yを省略しつつ、アライメントマーク部材Xは、基材20の第2面22に露出するように、基材20の中の第2面22側に位置しているようにしてもよい。
また、図35に示すように、追加アライメントマーク部材Yを省略しつつ、アライメントマーク部材Xは、基材20の中に位置しているようにしてもよい。
また、図36に示すように、追加アライメントマーク部材Yを省略しつつ、アライメントマーク部材Xは、基材20の第1面21と第2面22との間を貫通するように、基材20の中に位置しているようにしてもよい。特に、この場合、図36に示すように、基材20の第1面21から第2面22に向かう方向において、アライメントマーク部材Xの厚さは、基材20の厚さと同じであるようにしてもよい。
また、図37に示すように、追加アライメントマーク部材Yを省略しつつ、アライメントマーク部材Xは、基材20の第1面21上に位置しているようにしてもよい。
また、図38に示すように、追加アライメントマーク部材Yを省略しつつ、アライメントマーク部材Xは、基材20の第2面22上に位置しているようにしてもよい。
また、図39に示すように、追加アライメントマーク部材Yを省略しつつ、アライメントマーク部材Xは、基材20の第1面21に露出するように、基材20の中の第2面22側に位置しているようにしてもよい。
(第3の変形例)
上述の実施の形態及び変形例1においては、電子部品51及び配線52が、基材20の第1の弾性係数よりも高い第3の弾性係数を有する支持基板40によって支持される例を示したが、これに限られることはない。図40に示すように、電子部品51及び配線52は、基材20の第1面21に設けられていてもよい。この場合、少なくともアライメントマーク部材Xが基材20に設けられ、さらに、電子部品用補強部材31は、基材20の第2面22側に位置している。この図40の例では、支持基板が省略されているため、追加アライメントマーク部材Yも省略されている。この場合、アライメントマーク部材Xは、例えば、図示しない被実装体に対する配線基板10の実装時の位置合わせに用いられる。また、アライメントマーク部材Xは、例えば、基材20への電極、配線の形成や電子部品の搭載等の配線基板10の製造時の位置合わせに用いられるようにしてもよい。
図41は、図40に示す配線基板10の配線52及びその周辺の構成要素の一例を拡大して示す断面図である。本変形例においても、上述の実施の形態の場合と同様に、配線52のうち電子部品用補強部材31と重なっていない部分には蛇腹形状部57が形成されている。このため、基材20の変形に伴って配線52の全長が増加することや、配線52の断面積が減少することを抑制することができる。
図42(a)~(d)は、図40に示す伸縮性を有する配線基板10の製造方法を説明するための図である。
まず、図42(a)に示すように、基材20を準備する基材準備工程を実施する。本変形例においては、基材準備工程において、図42(a)に示すように、アライメントマーク部材Xが設けられた基材20の第2面22に電子部品用補強部材31を設ける。
続いて、図42(b)に示すように、アライメントマーク部材Xが設けられた基材20に引張応力Tを加えて基材20を伸長させる第1工程を実施する。続いて、図42(c)に示すように、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21に、電子部品51及び配線52を設ける第2工程を実施する。
その後、基材20から引張応力Tを取り除く第3工程を実施する。これにより、図42(d)において矢印Cで示すように、基材20が収縮し、基材20に設けられている配線52にも変形が生じる。電子部品用補強部材31は、配線52全体若しくは配線52の大部分と重ならないように配置されている。このため、配線52の変形は、蛇腹形状部の生成として生じる。
また、本変形例においては、基材20の第2面22に電子部品用補強部材31が配置されている。このため、第1工程において基材20のうち電子部品51と重なる予定の部分が伸張することを抑制することができる。従って、第3工程において基材20のうち電子部品51と重なる部分が収縮することを抑制することができる。このことにより、基材20の変形に起因する応力が電子部品51に加わることを抑制することができ、電子部品51が変形したり破損したりしてしまうことを抑制することができる。
(第4の変形例)
上述の実施の形態及び各変形例においては、電子部品51が、配線基板10に実装される前の段階で予めパッケージ化されたものである例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、電子部品51は、電子部品51の構成要素の一部が配線基板10に実装された後、一部の構成要素を封止することによって構成されるものであってもよい。
図43及び図44に示すように、パッケージ化された電子部品51を補強するために、ポッティング用の樹脂50を設けてもよい。この場合、図43に示すように、樹脂50は、電子部品51の全体を覆っていてもよい。若しくは、図44に示すように、樹脂50は、電子部品51の全体を覆っていなくてもよい。例えば、樹脂50は、電子部品51の周囲を補強するよう、電子部品51の周囲で電子部品用補強部材31の端部と電子部品51の端部との間に位置していてもよい。図43及び図44のいずれの例においても、樹脂50は、電子部品用補強部材31の端部よりも内側(電子部品51側)に位置することが好ましい。
(第5の変形例)
上述の実施の形態及び各変形例においては、電子部品51が、配線基板10の各構成要素とは別の部材からなる部品である例を示した。下記の変形例においては、電子部品51が、配線基板10の複数の構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素と一体的な部材を含む例について説明する。
図45は、一変形例に係る配線基板10を拡大して示す断面図である。図45に示すように、電子部品51は、配線基板10の配線52を構成する導電層と一体的な導電層を含む。図45に示す例において、配線52を構成する導電層及び電子部品51を構成する導電層はいずれも、支持基板40の第1面41上に位置している。配線52を構成する導電層には、蛇腹形状部57が現れている。一方、電子部品51を構成する導電層には電子部品用補強部材31が重ねられており、このため、電子部品51を構成する導電層には蛇腹形状部が現れていない。
図46は、図45に示す電子部品51の一例を示す平面図である。図46に示す例において、電子部品51を構成する導電層は、配線52を構成する導電層よりも広い幅を有する。導電層の幅が変化する部分が、電子部品51の外縁512である。図46に示す電子部品51は、例えばパッドとして機能することができる。パッドには、検査用のプローブ、ソフトウェア書き換え用の端子などが接続される。
図47は、図45に示す電子部品51のその他の例を示す平面図である。図47に示す例において、電子部品51を構成する導電層は、らせん状に延びる形状を有する。導電層がらせん状に延び始める部分が、電子部品51の外縁512である。図47に示すような、所定のパターンを有する導電層を含む電子部品51は、アンテナや圧力センサとして機能することができる。
(第6の変形例)
図48は、配線基板10の一変形例を示す平面図である。配線基板10には、配線52に加えて、絶縁層45を介して配線52に積層された交差配線59が更に設けられている。本変形例においては、交差配線59が電子部品51を構成する。交差配線59は、平面視において配線52と交差するよう延びている。配線52と交差配線59との間に絶縁層45を設けることにより、交差配線59が配線52とショートが生じてしまうことを抑制することができる。絶縁層45を構成する材料としては、ポリイミド、アクリル、ウレタン、エポキシ等の有機系樹脂、あるいは、SiO2、アルミナ等の無機系材料が用いられ得る。
電子部品用補強部材31は、図48に示すように、配線52を構成する導電層と電子部品51を構成する交差配線59の導電層に跨るように設けられている。これにより、配線基板10に例えば伸長や曲げ等の応力が加えられた際に、絶縁層45が割れたり絶縁性能が低下したりして、配線52と交差配線59とのショートが生じてしまうことを防ぐことができる。
(配線基板の変形例)
上述の実施の形態及び各変形例においては、配線基板10が、基材20の第1面21側に搭載された電子部品51を備える例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、配線基板10は、電子部品51を備えていなくてもよい。例えば、電子部品51が搭載されていない状態の基材20に蛇腹形状部57が生じていてもよい。また、電子部品51が搭載されていない状態の支持基板40が基材20に貼り合されてもよい。また、配線基板10は、電子部品51が搭載されていない状態で出荷されてもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。