JP7260725B1 - ペプチド製造方法、保護基の除去方法、及び除去剤 - Google Patents
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Abstract
【化1】
Description
m個のQ1及びQ2は、それぞれ酸素原子であり、
m個のR1は、それぞれ独立して、アルキレン基であり、
m個のR2は、それぞれ独立して、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、
k個のR3は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子であり、
Xは、ヒドロキシル基であり、
mは、2又は3の整数であり、
kは、0以上(5-m)以下の整数を示す。]
で表されるベンジル化合物(X1)である。
m個のQは、それぞれ酸素原子を表し、
m個のR1は、それぞれ独立して、下記式(YA):
*は、結合位置を示し、
R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示し、
n1は、0以上6以下の整数を示し、該n1が1以上の場合、該n1が付された括弧内に示される繰り返し単位は、アルキレン基であり、
n2は、0以上6以下の整数を示し、該n2が1以上の場合、該n2が付された括弧内に示される繰り返し単位は、アルキレン基であり、
但し、R1a、R1b、R1c及びR1dのうち少なくとも2つ以上は水素原子である。)
で表わされる基であり、
k個のR2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、又はハロゲン原子を表し、
Xは、ヒドロキシル基を表し、
mは、2又は3の整数を表し、
kは、0以上(5-m)以下の整数を示し、
m個の[Q-R1]のうち少なくとも1つは、前記Xを含む置換基に対してメタ位に置換されている。]
で表されるベンジル化合物(Y1)である。
有機溶媒中、N末端がフルオレン骨格を有する保護基で保護されたアミノ基含有化合物と、下記式(Z1)で表される捕捉剤と、を接触させて、前記保護基由来のフルベン骨格を有する副生成物と前記捕捉剤とが結合した捕捉体を得る工程と、
得られた前記捕捉体を前記有機溶媒から分離する工程と、
を含む、
ペプチド製造方法である。
Nは、窒素原子であり、
Hは、水素原子であり、
Xは、-CH2-、-O-、-S-、又は-(SO2)-で表される2価の基であり、
n1個のR1a、n1個のR1b、n2個のR2a、n2個のR2b、n3個のR3a、及びn3個のR3bは、それぞれ独立して、H、-OH、-OR(Rはアルキル基である。)、-SH、-SR(Rは、前記-ORのものと同義である。)、-(SO2)H、又は-(SO2)R(Rは、前記-ORのものと同義である。)で表される1価の基であり、
R2a又はR2bと、R3a又はR3bと、は互いに結合し、これらが結合している炭素原子と共に環を形成してもよく、
n1、n2及びn3は、それぞれ独立して、1又は2であり、
mは、0又は1の整数である。
得られた前記捕捉体を前記有機溶媒から分離する工程と、
を含む、
保護基の除去方法である。
Nは、窒素原子であり、
Hは、水素原子であり、
Xは、-CH2-、-O-、-S-、又は-(SO2)-で表される2価の基であり、
n1個のR1a、n1個のR1b、n2個のR2a、n2個のR2b、n3個のR3a、及びn3個のR3bは、それぞれ独立して、H、-OH、-OR(Rはアルキル基である。)、-SH、-SR(Rは、前記-ORのものと同義である。)、-(SO2)H、又は-(SO2)R(Rは、前記-ORのものと同義である。)で表される1価の基であり、
R2a又はR2bと、R3a又はR3bと、は互いに結合し、これらが結合している炭素原子と共に環を形成してもよく、
n1、n2及びn3は、それぞれ独立して、1又は2であり、
mは、0又は1の整数である。
Nは、窒素原子であり、
Hは、水素原子であり、
Xは、-CH2-、-O-、-S-、又は-(SO2)-で表される2価の基であり、
n1個のR1a、n1個のR1b、n2個のR2a、n2個のR2b、n3個のR3a、及びn3個のR3bは、それぞれ独立して、H、-OH、-OR(Rはアルキル基である。)、-SH、-SR(Rは、前記-ORのものと同義である。)、-(SO2)H、又は-(SO2)R(Rは、前記-ORのものと同義である。)で表される1価の基であり、
R2a又はR2bと、R3a又はR3bと、は互いに結合し、これらが結合している炭素原子と共に環を形成してもよく、
n1、n2及びn3は、それぞれ独立して、1又は2であり、
mは、0又は1の整数である。
[ベンジル化合物]
本発明の実施形態1に係るベンジル化合物は、下記式(X1)
Xは、ヒドロキシル基を示す。
*は、隣接するQ2との結合位置を示す。以下、同様の説明は、省略する場合がある。n1は、0以上16以下の整数であり、n2は、0以上16以下の整数である。好ましくは、n1は、0以上6以下の整数であり、n2は、0以上13以下の整数である。
(好適な置換基(-[Q1-R1-Q2-R2]))
上述した置換基(-[Q1-R1-Q2-R2])としては、その有用性を考慮すると、下記式(XB1)乃至(XB3)で表される置換基を好ましいものとして挙げることができる。なお、式(XB1)乃至(XB3)において「*」は、式(X1)内のベンゼン環を構成する炭素原子との結合位置を表す。
上記式(X1)に示すベンジル化合物(X1)としては、その有用性を考慮すると、下記式(X1A)乃至(X1D)で表される化合物を好ましいものとして挙げることができる。
次に、ベンジル化合物(X1)の製造方法の詳細について説明する。以下の説明では、[1]式(X1)のR2がアリール基以外の置換基であるベンジル化合物(X1)を製造する方法、及び[2]式(X1)のR2がアリール基であるベンジル化合物(X1)を製造する方法に分けてそれぞれを説明する。
本実施形態に係るベンジル化合物(X1)を製造する方法としては、特に限定されるものではない。以下、一例を説明する。例えば、ジアルキルブロマイドとアルキルアルコールとを適当な溶媒に溶解させて塩基存在下に加熱して、アルキルエーテル化されたモノブロマイド得る(以下、「工程Xa1」ともいう。)。得られたモノブロマイドとヒドロキシベンズカルボニル化合物(ヒドロキシベンズアルデヒド化合物とヒドロキシベンズエステル化合物を含む)とを適当な溶媒に溶解させて、炭酸カリウム等の塩基存在下に加熱して、アルキルエーテル化されたベンズアルデヒド化合物又はベンズエステル化合物を得る(以下、「工程Xa2」ともいう。)。その後に、アルキルエーテル化されたベンズアルデヒド化合物又はベンズエステル化合物を適当な溶媒に溶解させて、金属水素化物等の還元剤を用いてホルミル基又はエステル基を還元し(以下、「工程Xa3」ともいう。)、ベンジルアルコール化合物として得る方法が挙げられる。
上記工程Xa1において、ジアルキルブロマイドとアルキルアルコールとの反応に使用する塩基としては、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、水素化ナトリウム(NaH)、水素化リチウム(LiH)等の無機塩基が挙げられる。塩基の使用量は、特に制限されるものではないが、アルキルアルコール1モルに対して、1.0モル以上10モル以下使用することが好ましく、1.0モル以上5モル以下使用することがより好ましい。
上記工程Xa2において、アルキルエーテル化されたモノブロマイドとベンズアルデヒド化合物又はベンズエステル化合物との反応に使用する塩基としては、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)、ピリジン、イミダゾール、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、LDA、酢酸ナトリウム(NaOAc)、ナトリウムメトキシド(MeONa)、カリウムメトキシド(MeOK)、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3),炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸セシウム(Cs2CO3)、ナトリウムヒドリド(NaH)等の無機塩基が挙げられる。この中でも、塩基としては、反応を円滑に進行させる点で、K2CO3を用いることが好ましい。塩基の使用量は、特に制限されるものではないが、ベンズアルデヒド化合物又はベンズエステル化合物1モルに対して、1モル以上10モル以下使用することが好ましく、2モル以上8モル以下使用することがより好ましい。
上記工程Xa3において、アルキルエーテル化されたベンズアルデヒド化合物のホルミル基又はベンズエステル化合物のエステル基を還元し、ベンジルアルコール化合物を得るために使用する還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化トリエチルホウ素化リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが挙げられる。なお、ベンズアルデヒド化合物のホルミル基の還元に使用する還元剤としては、水素化ホウ素ナトウムが好ましく、ベンズエステル化合物のエステル基の還元に使用する還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化トリエチルホウ素化リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。なお、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合、例えば、該還元剤の還元力を高めるため、ヨウ素、硫酸、ボラントリフルオロエーテラート(BF3・Et2O)等を共存させて反応させることが好ましい。
式(X1)のR2にアリール基を持つベンジル化合物を製造する方法としては、特に限定されるものではない。以下、一例を説明する。例えば、ブロモアルキルアルコールと置換基を有するフェノール化合物を塩基存在下に加熱して、アリールエーテル化されたブロモアルキルアルコール化合物を得る(以下、「工程Xb1」ともいう。)。アリールエーテル化されたブロモアルキルアルコールを得た後、水酸基を臭素原子に置換したブロモアルキルアリールエーテル化合物を得る(以下、「工程Xb2」ともいう。)。
上記工程Xb1において、ブロモアルキルアルコールと置換基を有するフェノール化合物との反応に使用する塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、ピリジン、イミダゾール、DMAP、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、LHMDS、NaHMDS等の有機塩基、Na2CO3、NaHCO3,K2CO3、Cs2CO3、NaH等の無機塩基が挙げられる。この中でも、塩基としては、反応を円滑に進行させる点で、K2CO3を用いることが好ましい。塩基の使用量は、特に制限されるものではないが、置換基を有するフェノール化合物1モルに対して、1モル以上10モル以下使用することが好ましく、1モル以上5モル以下使用することがより好ましい。
上記工程Xb2において、アリールエーテル化されたブロモアルキルアルコールの水酸基を臭素原子に変換する反応で使用する試薬としては、トリフェニルホスフィン及び四臭化炭素を含む試薬、あるいは臭化水素酸を含む試薬等が挙げられる。該試薬の使用量は、特に制限されるものではないが、アリールエーテル化されたブロモアルキルアルコール1モルに対して、0.5モル以上10モル以下使用することが好ましく、1モル以上5モル以下使用することがより好ましい。
上記工程Xb3において、ブロモアルキルアリールエーテルとベンズアルデヒド化合物又はベンズエステル化合物との反応に使用する塩基としては、工程Xb1で説明した塩基を用いることができる。なお、工程X3bでは、工程X1bで用いた塩基と同一の塩基を用いてもよく、異なる塩基を用いてもよい。但し、製造の効率化やコストの低減に繋がる点で、工程X1bで用いた塩基と同一の塩基を用いることが好ましい。塩基の使用量は、特に制限されるものではないが、ベンズアルデヒド化合物又はベンズエステル化合物1モルに対して、1モル以上50モル以下使用することが好ましく、3モル以上30モル以下使用することがより好ましい。
アルキルエーテル化されたベンズアルデヒド化合物のホルミル基又はベンズエステル化合物のエステル基を還元し、ベンジルアルコール化合物を得るために使用する還元剤としては、上述の工程Xa3で使用する還元剤を用いることができる。
本発明のベンジル化合物(X1)をアミノ酸C末端の保護基として用いるペプチド合成方法は、例えば次の工程(X1)~(X5)を含む製法である。このペプチド合成方法は、各縮合工程で得られるC末端保護ペプチドの分離を液-液分離することができることから、精製工程が容易となる。
工程(X2)上記工程で得られた溶媒に溶解された本実施形態に係るベンジル化合物(X1)と反応基質を縮合させる工程(縮合反応工程)、
工程(X3)上記で得られた縮合物を含む反応溶媒に塩基を添加し、反応不要物であるアミノ酸活性エステルの捕捉(スカベンジ)及びペプチドN末端保護基の脱保護を実施し、該保護基由来の副生成物を塩基で捕捉(スカベンジ)する工程(脱保護及びスカベンジ反応工程)、
工程(X4)上記工程で得られた縮合物及びスカベンジ物含む反応液に酸性水溶液を加えて洗浄し、分層して、スカベンジ物及び反応不要物(縮合剤、活性化剤、塩基)を水層へ除去する工程(分層工程)、及び、
工程(X5)ペプチドC末端より本実施形態に係るベンジル化合物(X1)及びペプチド側鎖の保護基を除去し、精製を行い、目的のペプチドを得る工程(脱保護、精製工程)。
当該工程は、タグXを可溶性溶媒に溶解させる工程である。
可溶性溶媒としては、ペプチド合成に用いられている一般的な有機溶媒を反応に用いることができる。例えば、ジエチルエーテル、THF、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチル-t-ブチルエーテル、CPME、MTHP等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等の酢酸エステル類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類が挙げられる。良好な反応性、分液性及び工業的に使用できるとの観点から、メチル-t-ブチルエーテル、CPME、MTHP、酢酸イソプロピル、クロロホルム、トルエンが好ましく、CPME、MTHP、酢酸イソプロピル、トルエンがより好ましく、CPME、MTHPが特に好ましい。
当該工程は、上記工程(X1)で得られた可溶性溶媒に溶解したタグXにとN-Fmoc保護アミノ酸を導入し、エステル化反応及びタグX-保護ペプチドへN―Fmoc保護アミノ酸を導入し、アミド化反応を実施する工程である。
当該工程は、アミノ酸の縮合反応工程の後に、第1の塩基を反応溶媒に添加することで、未反応のアミノ酸活性エステルを捕捉(スカベンジ)して捕捉体を形成し、不活性化する。さらに第1の塩基及び第2の塩基を加えることで、N-Fmoc保護ペプチドの脱Fmoc基反応を進行させ、Fmoc基由来の副生成物であるジベンゾフルベンについても第1の塩基が捕捉体を形成し、不活性化する。
当該工程は、上記工程(X3)の溶液に酸性水溶液を加えて中和し、さらに酸性溶液を添加し、第1の塩基の捕捉体及び反応不要物(縮合剤、活性化剤、塩基)を水層へ除去する工程である。第1の塩基にスカベンジされたアミノ酸活性エステル及びジベンゾフルベンは、酸性洗浄により、容易に水層へ除去できる。
当該工程は、ペプチドC末端よりタグX及びペプチド側鎖の保護基を除去し目的のペプチドを得る工程である。
[ベンジル化合物]
本発明の実施形態2に係るベンジル化合物は、下記式(Y1)
m個のQは、それぞれ酸素原子を表す。
また、式(Y1)で表されるベンジル化合物の総炭素数は、好ましくは、30以上80以下であり、より好ましくは、40以上60以下である。
発明者らは、上記式(Y1)で表されるベンジル化合物を用いて、液相タグ法により、ぺプチドを合成するにあたり、特に疎水性の高いベンジル化合物を用いてペプチド合成を実施した場合、ペプチド鎖長が長くなるに従い、反応終了後の分離・精製の工程(後述する、「分液工程」参照。)に係る分液操作において、分液不良(有機層と水層とを攪拌後、再度、有機層と水層とに分離するまでに長時間を有する)を引き起こすことを確認した(後述する比較例Y3、及び表Y4参照。)。
*は、結合位置を示す。以下、同様の説明は省略する場合がある。
n1は、0以上6以下の整数であり、n2は、0以上6以下の整数である。好ましくは、n1は、0以上3以下の整数を示し、n2は、0以上3以下の整数である。なお、該n1が1以上の場合、該n1が付された括弧内に示される繰り返し単位は、アルキレン基であり該n2が1以上の場合、該n2が付された括弧内に示される繰り返し単位は、アルキレン基である。
k個のR2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、又はハロゲン原子である。k個のR2の具体例としては、実施形態1におけるk個のR3について上述した具体例と同じものが挙げられる。k個のR2は、水素原子であることがより好ましい。
mは、2又は3の整数を表す。
kは、0以上(5-m)以下の整数を示し、
m個の[Q-R1]のうち少なくとも1つは、前記Xを含む置換基に対してメタ位に置換されていることが好ましい。
(好適な置換基(-[Q-R1])
上述した置換基(-[Q-R1])としては、その有用性を考慮すると、下記式(YB1)乃至(YB3)で表される置換基を好ましいものとして挙げることができる。なお、式(YB1)乃至(YB3)において「*」は、式(Y1)内のベンゼン環を構成する炭素原子との結合位置を表す。
上記式(Y1)に示すベンジル化合物(Y1)としては、その有用性を考慮すると、下記式(Y1A)乃至(Y1D)で表される化合物を好ましいものとして挙げることができる。
次に、ベンジル化合物(Y1)の製造方法の詳細について説明する。
本実施形態に係るベンジル化合物(Y1)を製造する方法としては、特に限定されるものではない。以下、一例を説明する。例えば、アルキルハライドとヒドロキシベンズエステル化合物とを適当な溶媒に溶解させて、炭酸カリウム等の塩基存在下に加熱して、アルキルエーテル化されたベンズエステル化合物を得る(以下、「工程Ya1」ともいう。)。ここで、アルキルハライドは、アルキル基の先端にハロゲン原子が結合した化合物である。このハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素等が該当し、反応性を考慮すると、好ましくは、臭素又はヨウ素であり、さらにコストを考慮すると、臭素がより好ましい。すなわち、アルキルハライドとしては、アルキルブロマイド又はアルキルヨードが好ましく、アルキルブロマイドがより好ましい。アルキルハライドは、市販品を用いても良く、アルキルハライドの原料に相当するヒドロキシル体を公知の方法でハロゲン化したものを用いても良い。
上記工程Ya1において、アルキルブロマイドとヒドロキシベンズエステル化合物との反応に使用する塩基としては、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)、ピリジン、イミダゾール、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、酢酸ナトリウム(NaOAc)、ナトリウムメトキシド(MeONa)、カリウムメトキシド(MeOK)、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3),炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸セシウム(Cs2CO3)、ナトリウムヒドリド(NaH)等の無機塩基が挙げられる。この中でも、塩基としては、反応を円滑に進行させる点で、K2CO3を用いることが好ましい。塩基の使用量は、特に制限されるものではないが、ヒドロキシベンズエステル化合物1モルに対して、1モル以上10モル以下使用することが好ましく、2モル以上8モル以下使用することがより好ましい。
上記工程Ya2において、アルキルエーテル化されたベンズエステル化合物のエステル基を還元し、ベンジルアルコール化合物を得るために使用する還元剤としては、例えば、金属水素化合物を用いてよい。金属水素化合物としては、水素化13族アルカリ金属化合物が好ましい。具体的には、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化トリエチルホウ素化リチウム等の水素化ホウ素アルカリ金属化合物や、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の水素化アルミニウム化合物が挙げられる。還元剤の使用量は、特に制限されるものではないが、アルキルエーテル化されたベンズエステル化合物1モルに対して、1モル以上10モル以下使用することが好ましく、2モル以上5モル以下使用することがより好ましい。
本発明のベンジル化合物(Y1)をアミノ酸C末端の保護基(すなわち、タグ)として用いるペプチド合成方法は、例えば次の工程(Y1)~(Y6)を含む製法である。このペプチド合成方法は、縮合反応工程及びペプチド伸長工程で得られる、アミノ酸のC末端が保護されたペプチド(以下、「C末端保護ペプチド」ともいう。)の分離を液-液分離することができることから、精製工程が容易となる。
工程(Y5)上記工程(Y4)で得られた第2の縮合物を含む反応溶媒にN末端が保護された第2のアミノ酸を加えて、工程(Y2)と同様の方法で、第2の縮合物とN末端が保護された第2のアミノ酸とを縮合させて第3の縮合物を得る縮合反応に続き、工程(Y3)及び工程(Y4)と同様の方法を施し、前記の第3の縮合物からN末端保護基が脱保護された第4の縮合物を得る工程(ペプチド伸長工程)。
当該工程は、ベンジル化合物(Y1)を可溶性溶媒に溶解させる工程である。工程(Y1)は、上述した工程(X1)と同様に実施することができるため、その詳細な説明を省略する。
当該工程は、上記工程(Y1)で得られた可溶性溶媒に溶解したタグYとN-Fmoc保護アミノ酸を導入し、エステル化反応及びタグY-保護ペプチドへN―Fmoc保護アミノ酸を導入し、アミド化反応を実施する工程である。工程(Y2)は、上述した工程(X2)と同様に実施することができるため、その詳細な説明を省略する。
当該工程は、アミノ酸の縮合反応工程の後に、第1の塩基を反応溶媒に添加することで、未反応のアミノ酸活性エステルを捕捉(スカベンジ)して捕捉体を形成し、不活性化する。さらに第1の塩基及び第2の塩基を加えることで、N-Fmoc保護アミノ酸の脱Fmoc基反応を進行させ、Fmoc基由来の副生成物であるジベンゾフルベンについても第1の塩基が捕捉体を形成し、不活性化する。工程(Y3)は、上述した工程(X3)と同様に実施することができるため、その詳細な説明を省略する。
当該工程は、上記工程(Y3)の溶液に酸性水溶液を加えて中和し、第1の塩基の捕捉体及び反応不要物(縮合剤、活性化剤、塩基、水溶性有機溶媒)を分液により水層へ除去する工程である。第1の塩基にスカベンジされたアミノ酸活性エステル及びジベンゾフルベンは、酸性洗浄により、水層へ除去できる。
当該工程は、上記工程で得られたタグY-保護ペプチドを含む反応溶媒にN末端が保護されたアミノ酸を加えて、上記工程(Y5-1)~工程(Y5-3)を繰り返し、ペプチドを伸長する工程である。ただし、該工程の縮合反応には、上記工程(Y2)で使用したDMAPは使用せず、下記に明示する活性化剤を使用する。
当該工程は、ペプチドC末端よりベンジル化合物(Y1)及びペプチド側鎖の保護基を除去し目的のペプチドを得る工程である。工程(Y6)は、上述した工程(X5)と同様に実施することができるため、その詳細な説明を省略する。
以下、本発明に係る実施形態3について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
本実施形態に係る保護基の除去方法は、有機溶媒中、N末端がフルオレン骨格を有する保護基で保護されたアミノ基含有化合物と、捕捉剤と、を接触させて、前記保護基由来のフルベン骨格を有する副生成物と前記捕捉剤とが結合した捕捉体を得る工程と、得られた前記捕捉体を前記有機溶媒から分離する工程と、を含む。
アミノ基含有化合物とは、第1級アミノ基又は第2級アミノ基を有する化合物を意味する。アミノ基含有化合物は、例えば、単体のアミノ酸や、複数のアミノ酸がペプチド結合して形成されたペプチド、アミノ酸等を含む。
フルオレン骨格を有する保護基は、アミノ基含有化合物のN末端のアミノ基中の窒素原子に結合して該アミノ基含有化合物のN末端を保護する基である。この保護基は、下記式(Z2)で表される、フルオレンの構造を含む1価の保護基である。
捕捉剤は、前記のアミノ基含有化合物から脱保護された保護基と結合することにより該保護基を捕捉して、捕捉体(式(Z3)参照)を生成する反応剤である。捕捉剤は、脱保護された保護基を捕捉する機能に加えて、前記の保護基で保護されたアミノ基含有化合物から該保護基を脱保護する機能も有している。捕捉剤は、下記式(Z1)で表される化合物である。すなわち、捕捉剤は、窒素原子を1つ含む環状アミン(式(Z1A)参照)、及び該環状アミンを含む塩酸塩(式(Z1B)参照)からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である。
上記式(Z1)で表される捕捉剤は、好ましくは、アミノ基を1つ有する環状アミンである。捕捉剤は、例えば、モルホリン、ピペリジン、3-ヒドロキシピペリジン、4-ヒドロキシピペリジン、チオモルホリン、及びチオモルホリンジオキシドからなる群より選択される少なくとも1種であり、好ましくは、モルホリン、3-ヒドロキシピペリジン、4-ヒドロキシピペリジン、チオモルホリン、及びチオモルホリンジオキシドからなる群より選択される少なくとも1種であり、より好ましくは、モルホリン、3-ヒドロキシピペリジン、及び4-ヒドロキシピペリジンからなる群より選択される少なくとも1種であり、より好ましくは、モルホリンである。
アミノ基含有化合物と上記式(Z1)で表される捕捉剤との接触は、有機溶媒中で行われる。この有機溶媒は、後述する液相タグ法において、ペプチドの伸長(合成)反応に用いる反応溶媒と同一の溶媒を用いることが好ましい。順次ペプチドの伸長反応を繰り返す際に、保護基の除去とペプチドの伸長との間で互いに悪影響を与えないようにでき、また、操作を容易とするためである。有機溶媒としては、工程(X1)について上述した可溶性溶媒と同様のものと使用することができるため、その詳細な説明を省略する。
各成分を接触させる方法は、特に制限されるものではない。例えば、攪拌機構を備えた反応容器内で各成分を混合してよい。各成分を混合することにより、アミノ基含有化合物と捕捉剤とを接触させることができる。各成分を混合する手順は、特に制限されない。例えば、アミノ基含有化合物を有機溶媒中で合成した後、このアミノ基含有化合物を含む有機溶媒(以下、「反応溶液」ともいう。)に捕捉剤を混合してもよい。
保護基の脱保護反応を促進するために、脱保護剤をさらに混合してもよい。脱保護剤を混合することにより、アミノ基含有化合物と脱保護剤とを接触させることができる。脱保護剤としては、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、1.5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン(DBN)、1、4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)トリエチルアミン、及びトリブチルアミン等の有機塩基、並びに、カリウムtert-ブトキシド、及びナトリウムtert-ブトキシド等の無機塩基からなる群より選択される少なくとも1種の塩基を挙げることができ、より好ましくは、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、1.5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン(DBN)、1、4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)であり、さらに好ましくは、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)である。
アミノ基含有化合物と上記式(Z1)で表される捕捉剤とを接触させることにより、下記式(Z3)で表される捕捉体を得る。この捕捉体は、下記式(Z2’)で表されるフルベン骨格を有する副生成物と上記式(Z1)で表される捕捉剤とが結合したものである。下記式(Z2’)で表される副生成物は、式(Z2)で表される保護基の脱保護により生じるものである。
次に、得られた捕捉体を分離する工程、すなわち上記の反応溶液から取り出す工程について説明する。以下に示す方法は、捕捉体を分離する方法の一例であり、下記に示す方法に限定されるものではない。
酸性水溶液による洗浄後、塩基性水溶液による洗浄を行い、溶液のpHを中性~弱塩基性とする。塩基性水溶液としては前記の水溶液をあげることができる。
[Fmoc基の除去方法]
次に、好適な保護基の除去方法として、保護基がFmoc基である場合を例に挙げて詳細を説明する。本実施形態に係るFmoc基の除去方法は、捕捉剤としての環状アミン、保護基としてのFmoc基で保護されたアミノ基含有化合物及び任意の脱保護剤を混合して、Fmoc基の脱保護により生じるジベンゾフルベン(DBF)と環状アミンとが結合した捕捉体(以下、「DBF-捕捉体」ともいう。)及びFmoc基が脱保護されたアミノ基含有化合物を得る工程と、得られた反応混合物を酸性水溶液で洗浄することによって、DBF-捕捉体を除去し、アミノ基含有化合物を得る工程と、を含むことを特徴とする。DBF-捕捉体は、本発明の「捕捉体」の一例である。
[液相合成法によるペプチドの製造方法]
保護基で保護されたアミノ基含有化合物が、C末端を可溶性担体と結合させたC-保護ペプチド等である場合、本発明の保護基の除去方法を、液相合成法によるペプチドの製造方法で好適に使用することができる。
このペプチドの合成方法は、C末端が特定の液相ペプチド合成用担体で保護されたアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミド等のアミノ基含有化合物(以下、「C末端担体保護ペプチド」ともいう。)と、N末端が上述した保護基(式(Z2)参照。)で保護されたアミノ基含有化合物(以下、「N末端保護ペプチド」ともいう。)を縮合する工程(工程Z1)、縮合反応後に残存する活性エステルをクエンチする工程(工程Z2)、縮合したペプチド(以下、「N末端保護-C末端担体保護ペプチド」ともいう。)から保護基を脱保護する工程(工程Z3)、反応溶液を酸性水溶液で洗浄する工程(工程Z4)、及び、C末端の担体及び側鎖保護基を脱保護する工程(工程Z5)を含む。上述のペプチドの合成方法において、N末端の保護基の脱保護後に生じるフルベン骨格を有する副生成物を、環状アミンを用いて捕捉することを特徴とするペプチド製造方法である。
有機溶媒中、縮合剤の存在下、液相ペプチド合成用担体で保護されたC末端担体保護ペプチド」と、N末端がFmoc基で保護されたアミノ酸又はペプチド(以下、「N-Fmoc保護アミノ酸又はペプチド」ともいう。)を縮合させて、アミノ酸残基が伸長したペプチド(以下、「N-Fmoc保護-C末端担体保護ペプチド」ともいう。)が得られる。
《1》工程Z1で用いる液相ペプチド合成用担体は、例えば、以下の化合物が挙げられる。
N-Fmoc保護-C末端担体保護ペプチド等及びC末端担体保護ペプチドや、N-Fmoc保護アミノ酸を構成する基本構造となるアミノ酸は、天然アミノ酸又は非天然アミノ酸のいずれでもよい。また、このアミノ酸は、L体又はD体のいずれでもよい。天然アミノ酸としては、Arg,Lys,Asp,Asn,Glu,Gln,His,Pro,Tyr,Trp,Ser,Thr,Gly,Ala,Met,Cys,Phe,Leu,Val,Ile、β―Ala等が挙げられる。非天然アミノ酸としては、Tle(tert-ロイシン)等が挙げられる。
縮合剤としては、反応が進行すれば特に制限はなく、ペプチド合成において一般的に用いられる縮合剤を用いることができる。縮合剤は、工程(X2)(縮合反応工程)の文脈において説明されたものを用いることができるため、その詳細な説明を省略する。
縮合反応工程で使用する反応溶媒(以下、単に「溶媒」ともいう。)は、ペプチド合成において一般的に用いられる溶媒が制限なく用いることができ、これに限定されないが、例えば、可溶性溶媒又は可溶性溶媒と極性溶媒との混合溶媒が挙げられる。可溶性溶媒は、工程(X1)(溶解工程)の文脈において説明されたものを用いることができるため、その詳細な説明を省略する。
なお、この反応溶媒は、本発明の「有機溶媒」の一例であり、後述する工程Z3及び工程Z4で用いることができる。
上記工程Z1で得られたN-Fmoc保護-C末端担体保護ペプチドを含む反応溶媒にアミンを添加し、残存したアミノ酸活性エステル(工程Z1の余剰分のアミノ酸のC末端のカルボン酸に縮合剤、ついで活性化剤が反応したものをいう。)の捕捉(スカベンジ)を行う。本工程で用いるアミンを第1のスカベンジャーと称する場合がある。
上記工程Z2で得られた反応溶液に、脱保護剤を添加することで、N-Fmoc保護-C末端担体保護ペプチドからのN末端Fmoc基の脱保護を実施する。さらに、本工程ではFmoc基由来の副生成物(DBF)を第2のスカベンジャーで捕捉する工程が含まれる。なお、反応溶液は、本発明の「有機溶媒」の一例である。また、第2のスカベンジャーは、本発明の「捕捉剤」の一例である。DBFを第2のスカベンジャーで捕捉する工程は、本発明の「捕捉体を得る工程」の一例である。
工程Z4は、本発明の「分離する工程」の一例である。すなわち、当該工程は、上記工程Z3の反応溶液に酸性水溶液を加えて中和し、第1のスカベンジャーとアミノ酸活性エステルとが結合したもの(以下、「アミノ酸活性エステル-捕捉体」ともいう。)、及び反応不要物(ここで、反応不要物とは、縮合剤、活性化剤、脱保護剤、上述した反応溶媒のうち極性溶媒等)を分液により水層へ除去する工程である。第1のスカベンジャーによりスカベンジされたアミノ酸活性エステル(すなわち、アミノ酸活性エステル-捕捉体)、及び第2のスカベンジャーによりスカベンジされたDBF(すなわち、DBF-捕捉体)は、酸性洗浄により、水層へ誘導して、これらを反応溶液から分離することができる。
当該工程は、ペプチドC末端より担体及びペプチド側鎖の保護基を除去し目的のペプチドを得る工程である。
上記式(Z2)で表される保護基の除去剤は、上記式(Z1)で表される捕捉剤と、塩基性の脱保護剤とを含む組成物である。捕捉剤及び脱保護剤は、上述したとおり、ここでは詳細な説明は省略する。
上記から理解されるように、本発明の第1の態様に係るペプチド製造方法は、有機溶媒中、N末端がフルオレン骨格を有する保護基で保護されたアミノ基含有化合物と、下記式(Z1)で表される捕捉剤と、を接触させて、前記保護基由来のフルベン骨格を有する副生成物と前記捕捉剤とが結合した捕捉体を得る工程と、
得られた前記捕捉体を前記有機溶媒から分離する工程と、
を含む、
ペプチド製造方法:
Nは、窒素原子であり、
Hは、水素原子であり、
Xは、-CH2-、-O-、-S-、又は-(SO2)-で表される2価の基であり、
n1個のR1a、n1個のR1b、n2個のR2a、n2個のR2b、n3個のR3a、及びn3個のR3bは、それぞれ独立して、H、-OH、-OR(Rはアルキル基である。)、-SH、-SR(Rは、前記-ORのものと同義である。)、-(SO2)H、又は-(SO2)R(Rは、前記-ORのものと同義である。)で表される1価の基であり、
R2a又はR2bと、R3a又はR3bと、は互いに結合し、これらが結合している炭素原子と共に環を形成してもよく、
n1、n2及びn3は、それぞれ独立して、1又は2であり、
mは、0又は1の整数である。
得られた前記捕捉体を前記有機溶媒から分離する工程と、
を含む、
保護基の除去方法:
Nは、窒素原子であり、
Hは、水素原子であり、
Xは、-CH2-、-O-、-S-、又は-(SO2)-で表される2価の基であり、
n1個のR1a、n1個のR1b、n2個のR2a、n2個のR2b、n3個のR3a、及びn3個のR3bは、それぞれ独立して、H、-OH、-OR(Rはアルキル基である。)、-SH、-SR(Rは、前記-ORのものと同義である。)、-(SO2)H、又は-(SO2)R(Rは、前記-ORのものと同義である。)で表される1価の基であり、
R2a又はR2bと、R3a又はR3bと、は互いに結合し、これらが結合している炭素原子と共に環を形成してもよく、
n1、n2及びn3は、それぞれ独立して、1又は2であり、
mは、0又は1の整数である。
Nは、窒素原子であり、
Hは、水素原子であり、
Xは、-CH2-、-O-、-S-、又は-(SO2)-で表される2価の基であり、
n1個のR1a、n1個のR1b、n2個のR2a、n2個のR2b、n3個のR3a、及びn3個のR3bは、それぞれ独立して、H、-OH、-OR(Rはアルキル基である。)、-SH、-SR(Rは、前記-ORのものと同義である。)、-(SO2)H、又は-(SO2)R(Rは、前記-ORのものと同義である。)で表される1価の基であり、
R2a又はR2bと、R3a又はR3bと、は互いに結合し、これらが結合している炭素原子と共に環を形成してもよく、
n1、n2及びn3は、それぞれ独立して、1又は2であり、
mは、0又は1の整数である。
m個のQは、それぞれ酸素原子を表し、
m個のR1は、それぞれ独立して、下記式(YA):
*は、結合位置を示し、
R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示し、
n1は、0以上6以下の整数を示し、該n1が1以上の場合、該n1が付された括弧内に示される繰り返し単位は、アルキレン基であり、
n2は、0以上6以下の整数を示し、該n2が1以上の場合、該n2が付された括弧内に示される繰り返し単位は、アルキレン基であり、
但し、R1a、R1b、R1c及びR1dのうち少なくとも2つ以上は水素原子である。)
で表わされる基であり、
k個のR2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、又はハロゲン原子を表し、
Xは、ヒドロキシル基を表し、
mは、2又は3の整数を表し、
kは、0以上(5-m)以下の整数を示し、
m個の[Q-R1]のうち少なくとも1つは、前記Xを含む置換基に対してメタ位に置換されている。]
で表される。
下記式(YA’):
*は、結合位置を示し、
R1fは、炭素数4以上12以下の直鎖状のアルキル基であり、
R1gは、炭素数6以上14以下の直鎖状のアルキル基である。)で表される基である。
前記R1gは、炭素数6以上12以下の直鎖状のアルキル基である。
次いで、溶解された前記ベンジル化合物と、N末端がN末端保護基により保護されたアミノ酸とを縮合して第1の縮合物を生成する縮合反応工程と、
次いで、前記第1の縮合物を含む前記可溶性溶媒に第1の塩基を添加し、アミノ酸活性エステルをスカベンジし、さらに前記可溶性溶媒に前記第1の塩基及び第2の塩基を添加し、前記第1の縮合物から前記N末端保護基の脱保護を実施し、該N末端保護基由来の副生成物を前記第1の塩基でスカベンジする工程と、
次いで、前記スカベンジする工程で捕捉された捕捉体を含む前記可溶性溶媒へ酸性水溶液を加えて洗浄し、水層と有機層とに分液して、前記捕捉体及び不要物を水層へ除去し、前記有機層に、前記第1の縮合物から前記N末端保護基が脱保護された第2の縮合物を得る分液工程と、
を含む。
前記スカベンジする工程は、前記第(2n+1)の縮合物から前記N末端保護基の脱保護を実施する工程を含み、
前記分液工程は、前記有機層に前記第(2n+1)の縮合物から前記N末端保護基の脱保護された第(2n+2)の縮合物を得る工程を含み、
前記nは、2以上の自然数である。
m個のQ1及びQ2は、それぞれ酸素原子であり、
m個のR1は、それぞれ独立して、アルキレン基であり、
m個のR2は、それぞれ独立して、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、
k個のR3は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子であり、
Xは、ヒドロキシル基であり、
mは、2又は3の整数であり、
kは、0以上(5-m)以下の整数を示す。]
で表される。
*は、結合位置を示し、
R2a、R2b、R2c、R2d及びR2eは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示し、
n1は、0以上16以下の整数を示し、
n2は、0以上16以下の整数を示す。
但し、R2a、R2b、R2c及びR2dのうち少なくとも2つ以上は水素原子である。)で表わされる基である。
実施例X1
化合物(X1-4)の合成
3,5-ビストリフルオロメチルフェノール25g(100mmol)をDMF125mLに溶解し、11-ブロモウンデカノール27.6g(120mmol)、炭酸カリウム27.6g(200mmol)を加え、60℃で4時間攪拌した。反応溶液を室温に戻し、ろ過により固形分を除去した。ろ液にトルエン150mLおよび1M塩酸75mLを加えて分液洗浄を行い、さらに有機層を1M塩酸75mL、飽和食塩水100mLで洗浄した。硫酸ナトリウム50gを加えて有機層を乾燥した後、溶媒を減圧留去することで、化合物(X1-1)37.2g(収率93%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ1.10-1.60(m,16H),1.81-1.90(m,2H),3.63(t,2H,J=2.0Hz),4.04(t,1H,J=6.8Hz)、7.28(s,2H),7.43(s,1H)
化合物(X1-1)24g(60mmol)をジクロロメタン240mLに溶解し、トリフェニルホスフィン20.5g(78mmol)、四臭化炭素26.0g(78mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応溶液にシリカゲル36g加えて溶媒を留去し、シリカゲルに残渣を吸着させた。このシリカゲルをろ紙を敷いた桐山ロートの上に載せ、有機溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=90:10)480mLでシリカゲルを洗浄し、目的物を溶出させた。溶媒を減圧留去することで、化合物(X1-2)27.0g(収率97%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ1.10-1.60(m,12H),1.81-1.90(m,4H),3.41(t,2H,J=6.8Hz),4.02(t,1H,J=6.4Hz)、7.29(s,2H),7.44(s,1H)
没食子酸メチル1.16g(6.33mmol)をDMF150mLに溶解し、化合物(X1-2)14.1g(30.4mmol)、炭酸カリウム16.6g(120mmol)を加え、60℃で18時間攪拌した。炭酸カリウムをろ過により除去した後、反応液に1M塩酸100mL、ヘキサン100mLを加えて分液洗浄を行い、さらに有機層を5%炭酸水素ナトリウム100mL、20%食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2~85:15)で精製し、化合物(X1-3)6.7g(収率79.6%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ1.20-1.60(m,48H),1.81-1.90(m,6H),3.87(s,3H),3.95-4.05(m、12H)、7.21(s,2H)、7.28(s,6H),7.42(s,3H)
化合物(X1-3)6.2g(4.66mmol)をTHF150mLに溶解し、水素化トリエチルホウ素リチウム20.96mL(1MTHF溶液、20.96mmol)を氷冷下加え、室温で2時間攪拌した。反応液に水(50mL)および1M塩酸20mLを加え反応を停止させたのち、酢酸エチル200mLを加えて分液洗浄を行い、さらに有機層を水100mLで2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10~60:40)で精製し、化合物(X1-4)3.8g(収率61.2%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ1.20-1.60(m,48H),1.81-1.90(m,6H),3.90-4.05(m、12H)、4.59(d、2H)、6.54(s、2H)、7.28(s,6H),7.42(s,3H)
ESI-MS:1303.77〔M+〕
化合物(X2-3)の合成
2-n-オクチル-1-ドデカノール8g(26.79mmol)をトルエン(無水)210mLに溶解し、ジブロモドデカン17.6g(53.59mmol)、NaH2.14g(53.59mmol)を加え、105℃で終夜攪拌した。反応溶液を室温に戻し、1M塩酸10mLを加えて10分間攪拌した。反応溶液に1M塩酸90mLを加えて分液洗浄を行い、さらに有機層を飽和食塩水100mLで3回洗浄し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン~ヘキサン:酢酸エチル=90:10)で精製し、化合物(X2-1)8.8g(収率60.1%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.88(t,6H,J=7.6Hz),1.20-1.59(m,51H),1.81-1.89(m,2H),3.25(d,2H,J=6.0Hz),3.35-3.43(m,4H)
2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド0.77g(5.61mmol)をDMF:シクロペンチルメチルエーテル(1:1)の混合溶媒116mLに溶解し、化合物(X2-1)7.6g(14.03mmol)、炭酸カリウム3.9g(28.06mmol)を加え、90℃で3時間攪拌した。炭酸カリウムをろ過により除去した後、反応液に1M塩酸100mL、ヘキサン100mLを加えて分液洗浄を行い、さらに有機層を5%炭酸水素ナトリウム100mL、20%食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン~ヘキサン:酢酸エチル=90:10)で精製し、化合物(X2-2)4.4g(収率73.9%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.88(t,12H,J=6.6Hz),1.20-1.59(m,102H),1.74-1.88(m,4H),3.25(d,4H,J=6.6Hz),3.36(t,4H,J=6.6Hz),3.98-4.05(m,4H),6.41(d,1H,J=2.4Hz),6.51(dd,1H,J=2.4Hz,8.6Hz),7.79(d,1H,J=8.6Hz),10.33(s,1H)
化合物(X2-2)4.4g(4.08mmol)をTHF(無水):メタノール(10:3)の混合溶媒65mLに溶解し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.31g(8.17mmol)を加えて10分間攪拌し、氷浴を外して室温にて1時間攪拌した。反応液にアセトン5mLを加えて反応を停止し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=96:4~ヘキサン:酢酸エチル=90:10)で精製し、化合物(X2-3)3.9g(収率89.9%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.88(t,12H,J=6.5Hz),1.20-1.59(m,102H),1.72-1.85(m,4H),2.24(t,1H),3.25(d,4H,J=6.5Hz),3.36(t,4H,J=6.5Hz),3.90-4.01(m,4H),4.61(d,2H,J=6.5Hz),6.41(dd,1H,J=2.7Hz,8.4Hz),6.45(d,1H,8.4Hz),7.13(d,1H)
ESI-MS:1069.13〔M+〕
化合物(X3-2の合成)
没食子酸メチル0.79g(4.29mmol)をDMF:MTHP(1:1)の混合溶媒132mLに溶解し、実施例(X2-a)で製造した化合物(X2-1)8.8g(16.12mmol)、炭酸カリウム2.65g(19.17mmol)を加え、90℃で終夜攪拌した。炭酸カリウムをろ過により除去した後、反応液に1M塩酸100mL、ヘキサン100mLを加えて分液洗浄を行い、さらに有機層を5%炭酸水素ナトリウム100mL、20%食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン~ヘキサン:酢酸エチル=90:10)で精製し、化合物(X3-1)4.1g(収率61.1%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.88(t,18H,J=6.3Hz),1.20-1.86(m,147H),3.24(d,6H,J=6.3Hz),3.36(t,6H,J=6.3Hz),3.88(s,3H),3.98-4.40(m,6H),7.24(s,2H)
化合物(X3-1)3.2g(2.04mmol)をTHF(無水)30mLに溶解し、氷冷下、水素化ジイソブチルアルミニウム4.1mL(1.5Mトルエン溶液、6.16mmol)を加えて1時間攪拌し、室温でさらに2時間攪拌した。反応液にアセトン5mLを加えて反応を停止した後、シリカゲル30gを加えて室温で15分攪拌し、反応溶液をろ過、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=96:4~ヘキサン:酢酸エチル=85:15)で精製し、化合物(X3-2)2.3g(収率72.5%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.88(t,18H,J=6.6Hz),1.18-1.84(m,147H),3.25(d,6H,J=6.6Hz),3.36(t,6H,J=6.6Hz),3.60-3.66(m,1H),3.90-4.00(m,6H),4.59(d,2H,J=6.6Hz),6.55(s,2H)
ESI-MS:1549.41〔M+〕
化合物(X4-3)の合成
2-デシル-1-テトラデカノール1g(2.81mmol)をトルエン(無水)20mLに溶解し、ジブロモドデカン1.85g(5.63mmol)、NaH0.226g(5.63mmol)を加え、95℃で終夜攪拌した。反応溶液を室温に戻し、1M塩酸10mLを加えて10分間攪拌した。ヘキサン20mLを加えて、分液洗浄を行い、さらに有機層を飽和食塩水40mLで2回洗浄し、有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン~ヘキサン:酢酸エチル=90:10)で精製し、化合物(X4-1)1.18g(収率70.0%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.88(t,6H,J=6.8Hz),1.15-1.60(m,55H),1.81-1.89(m,2H),3.25(d,2H,J=6.3Hz),3.35-3.42(m,4H)
2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド0.106g(0.77mmol)をDMF:シクロペンチルメチルエーテル(1:1)の混合溶媒17.4mLに溶解し、化合物(X4-1)1.16g(1.92mmol)、炭酸カリウム0.532g(3.85mmol)を加え、90℃で4時間攪拌した。炭酸カリウムをろ過により除去した後、反応液にヘキサン20mL、1M塩酸36mL、を加えて分液洗浄を行い、さらに有機層を5%炭酸水素ナトリウム18mL、20%食塩水18mLで2回洗浄した。有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン~ヘキサン:酢酸エチル=90:10)で精製し、化合物(X4-2)0.33g(収率72.6%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.88(t,12H,J=7.5Hz),1.15-1.60(m,118H),1.74-1.88(m,4H),3.25(d,4H,J=6.2Hz),3.36(t,4H,J=6.2Hz),3.98-4.05(m,4H),6.41(d,1H,J=2.5Hz),6.51(dd,1H,J=3.1Hz,9.2Hz),7.79(d,1H,J=8.9Hz),10.33(s,1H)
化合物(X4-2)1.0g(0.837mmol)をTHF(無水):メタノール(10:3)の混合溶媒19.5mLに溶解し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.070g(1.850mmol)を加えて10分間攪拌し、氷浴を外して室温にて1時間攪拌した。反応液にアセトン4mLを加えて反応を停止し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10)で精製し、化合物(X4-3)0.55g(収率55.6%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.87(t,12H,J=6.5Hz),1.16-1.58(m,118H),1.71-1.83(m,4H),2.24(t,1H,J=6.5Hz),3.24(d,4H,J=6.2Hz),3.35(t,4H,J=6.2Hz),3.88-4.00(m,4H),4.59(d,2H,J=6.5Hz),6.40(dd,1H,J=2.2Hz,8.2Hz),6.44(d,1H,J=2.2Hz),7.11(d,1H,J=8.2Hz)
ESI-MS:1181.07〔M+〕
<タグの有機溶媒に対する溶解性の確認>
実施例X1で製造した化合物(X1-4)、実施例X2で製造した化合物(X2-3)、実施例X3で製造した化合物(X3-2)、及び実施例X4で製造した化合物(X4-3)の各種溶媒に対する溶解度(25℃)を測定した。
実施例X1~X4の化合物、及び比較例としての直鎖含有化合物(表X2の比較例X1及びX2参照。)を25℃で各溶媒に飽和させ、その溶解度(単位:重量%)を測定した(表X1、X2)。溶媒は、CPME、MTHP、トルエン、及びクロロホルムを用いた。
実施例X1~X4の化合物はいずれも、溶解度が50(重量%)よりも大きい値であった。これに対して、比較例X1及びX2の化合物は、いずれも、50(質量%)未満であり、最大のものでも20.0(質量%)(比較例X2、クロロホルム)に留まった。また、表X2に示すように、実施例X1~X4の化合物の溶解度は、比較例X1及びX2の化合物の溶解度に対して、差が小さいものでも少なくとも2.5倍より大きく(比較例X2-クロロホルムとの比参照)、差が大きいものでは、17.2倍より大きかった(比較例X1-トルエンとの比参照)。
以上のように、実施例X1~X4の化合物はいずれも、対応する側鎖が直鎖である比較例X1及びX2に記載の化合物と比べて、種々の溶媒に対して2.5倍~17倍を超える高い溶解性を示すことを確認した。このことから、ペプチドの製造方法において、上記の化合物がペプチド合成における優れたタグとして機能し得ることを見出した。
<タグの疎水性の確認>
本発明の実施例X1~X4の化合物の疎水性の評価として、液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて評価した。
本発明の一態様に係るタグ(実施例X1~X4の化合物)、比較例X1の直鎖C18H37化合物及び比較例X2の直鎖C22H45化合物の各10mg/10mL(THF)溶液を調整し、下記条件における液体クロマトグラフィー(HPLC)の保持時間(溶出時間)を比較した(表X3)。
カラム:InertSustainC18(3μm、4.6×125mm)
移動相B:THF、移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液
溶出液:移動相A/移動相B=25/75(アイソクラクティック)
流速:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:紫外可視分光検出器(λ=220nm)
表X3に示すように、比較例X1及びX2の化合物は、保持時間がそれぞれ13.6分、及び12.1分であったのに対して、実施例X1~X4は、それぞれ、8.4分、21.8分、60.2分、及び33.2分であった。実施例X2~X4は、いずれも、比較例X1及びX2の保持時間を大きく上回った。実施例X1は、比較例X1及びX2の保持時間と比較して小さい値ではあったものの、概ね同等の水準を保った。
<耐酸性>
本発明の化合物の側鎖部分の酸に対する安定性として、実施例X1で製造した化合物(X1-4)、及び実施例X3で製造した化合物(X3-2)を用いて評価した。
本発明の化合物(X1-4)及び化合物(X3-2)50mgを各々、密閉サンプル管容器に計り取り、これに1wt%HCl/CPME 0.5mLを加えて、室温で攪拌した時の各化合物溶液のHPLCピークの純度(%)の経時変化を確認し、安定性を評価した。また、塩化水素ガスを含まないCPMEのみの上記と同濃度の溶液を調整し、この溶液の純度(%)を初期値とした。表X4は、初期値と攪拌3時間後の本発明の化合物(X1-4)及び化合物(X3-2)のHPLC純度%を示す。
カラム:InertSustainC18(3μm、4.6×125mm)
移動相B:THF、移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液
溶出液:移動相A/移動相B:表X5に示すグラジエント条件にて測定を実施した。
カラム温度:40℃
検出器:紫外可視分光検出器(λ=220nm)
表X4に示すように、実施例X1及び実施例X3の化合物のいずれも、3時間経過後も酸に対する安定がみられた。非特許文献5には、酸性溶媒(1wt%塩酸/メタノール)に対する、トリイソプロピルシリル基の半減期が55分であることが開示されている。実施例X1及びX3の化合物は、少なくともO-Si結合を有する化合物よりは酸に対して安定であることが示唆された。
本発明の化合物(X1-4)及び化合物(X2-3)を使用し、ペプチド合成を行った。以下、式中において化合物(X1-4)をHO-Tag(X1-4)とも記載し、化合物(X2-3)をHO-Tag(X2-3)とも記載する。すなわち、Tag(X1-4)は、化合物(X1-4)から-OHを除いた部分を示し、Tag(X2-3)は、化合物(X2-3)から-OHを除いた部分を示す。
実施例X7-1:HO-Leu-OTag(X1-4)の合成
化合物(X1-4)1.3g(1.0mmol)をMTHP/DMF(8/2)の混合液20mLに溶解し、Fmoc-Leu-OH0.46g(1.3mmol)、EDCI・HCl0.25g(1.3mmol)及びDMAP0.012g(0.1mmol)を加えて室温で4時間攪拌した。モルホリン39μL(0.4mmol)を加え室温で30分間攪拌した。モルホリン1.74mL(20.0mmol)及びDBU1.04mL(7.0mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。氷冷下、6M塩酸8.3mLを加え、さらに0.1M塩酸23.4mLを加えて分液した。有機層を2M塩酸10mL、0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液23.4mLで洗浄、分液し、有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、アミノ酸縮合物(HO-Leu-OTag(X1-4))を溶液として得た。
上で得られたHO-Leu-OTag(X1-4)の溶液にDMF4mL、Fmoc-Ile-OH0.46g(1.3mmol)、EDCI・HCl0.25g(1.3mmol)及びOxyma0.046g(0.3mmol)を加え室温で1時間攪拌した。モルホリン39μL(0.4mmol)を加え室温で30分間攪拌した。モルホリン1.74mL(20.0mmol)及びDBU1.04mL(7.0mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。氷冷下、6M塩酸8.3mLを加え、さらに0.1M塩酸23.4mLを加えて分液した。有機層を2M塩酸10mL、0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液23.4mLで洗浄、分液し、有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、アミノ酸縮合物(HO-Ile-Leu-OTag(X1-4))を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Tyr(OtBu)-OHを用いた以外は実施例X7-2と同様の操作をおこない、H-Tyr(OtBu)-Ile-Leu-OTag(X1-4)を溶液として得た。得られた有機層を減圧下、溶媒を留去し、H-Tyr(OtBu)-Ile-Leu-OTag(X1-4)1.58g(収率90.3%)を得た。
ESI-MS:1749.13〔M+H〕+
タグとして化合物(X2-3)0.5g(0.46mmol)と1残基目~6残基目まで以下に示すアミノ酸を用いて、実施例X7-1~実施例X7-3と同様の操作を行い、
H-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(OtBu)-Ile-Leu-OTag(X2-3)を溶液として得た。
ESI-MS:2430.23〔M+H〕+
次に、上述した本発明の実施形態2の実施例を挙げる。
<実施例Y1>
没食子酸メチル1.20g(6.516mmol)をDMF12mL及びシクロペンチルメチルエーテル(CPME)12mLに溶解し、5-ブロモメチルウンデカン7.15g(29.322mmol)、炭酸カリウム4.50g(32.580mmol)を加え、110℃で10時間攪拌した。反応液を室温に戻し、ろ過により固形分を除去した。ろ液にCPME20mL及び1M塩酸20mLを加えて分液洗浄を行い、さらに5%炭酸水素ナトリウム20mL、20%食塩水20mLで洗浄した。硫酸ナトリウムを適量加えて有機層を乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=97:3~90:10)で精製し、化合物(Y1-1)3.8g(収率84.6%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.84-0.96(m,18H),1.20-1.60(m,66H),1.71-1.85(m,3H),3.86-3.92(m,9H),7.24(s,2H)
実施例(Y1-b)
化合物(Y1-1)2.42g(3.511mmol)をTHF48mLに溶解し、氷冷下、水素化ジイソブチルアルミニウム7.0mL(1.5Mトルエン溶液、10.533mmol)を滴下し、氷冷下、2時間攪拌した。反応液に0.2M塩酸10mLを加えて反応を停止し、溶媒を減圧留去した。残渣に酢酸エチル100mLを加えた後、1M塩酸75mLで2回洗浄、続いて5%炭酸水素ナトリウム50mL、20%食塩水50mLで分液洗浄した。有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95:5~90:10)で精製し、化合物(Y1-2)1.86g(収率80.2%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.84-0.94(m,18H),1.22-1.64(m,66H),1.72-1.84(m,3H),3.75-3.88(dd,J=7.2Hz,14.4Hz,6H)、4.60(d、J=7.2Hz,2H)、6.54(s,2H)
ESI-MS:683.54[M+Na]+
没食子酸メチル3.01g(16.357mmol)をDMF30mL及びCPME30mLに溶解し、7-ブロモメチルペンタデカン19.98g(65.428mmol)、炭酸カリウム11.30g(81.785mmol)を加え、110℃で12時間攪拌した。反応液を室温に戻し、ろ過により固形分を除去した。ろ液にCPME30mL及び1M塩酸60mLを加えて分液洗浄を行い、さらに5%炭酸水素ナトリウム60mL、20%食塩水60mLで洗浄した。硫酸ナトリウムを適量加えて有機層を乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=96:4)で精製し、化合物(Y2-1)10.09g(収率71.9%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.83-0.94(m,18H),1.20-1.58(m,72H),1.70-1.85(m,3H),3.85-3.92(m,9H),7.24(s,2H)
化合物(Y2-1)10.08g(11.755mmol)を無水THF120mLに溶解し、氷冷下、水素化ジイソブチルアルミニウム23.5mL(1.5Mトルエン溶液、35.267mmol)を滴下し、氷冷下、2時間攪拌した。反応液に0.2M塩酸10mLを加えて反応を停止し、溶媒を減圧留去した。残渣に酢酸エチル150mLを加えた後、1M塩酸75mLで2回洗浄、続いて5%炭酸水素ナトリウム75mL、20%食塩水75mLで分液洗浄した。有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95:5~85:15)で精製し、化合物(Y2-2)7.43g(収率76.4%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.88(t,J=6.0Hz,18H),1.20-1.60(m,72H),1.72-1.84(m,3H),3.75-3.88(dd,J=6.0Hz,12.0Hz,6H)、4.60(d、J=6.0Hz,2H)、6.54(s,2H)
ESI-MS:829.74[M+H]+
没食子酸メチル0.50g(2.715mmol)をDMF5mL及びCPME5mLに溶解し、11-ブロモメチルトリコサン4.62g(11.064mmol)、炭酸カリウム1.88g(13.602mmol)を加え、110℃で10時間攪拌した。反応液を室温に戻し、ろ過により固形分を除去した。ろ液にヘキサン20mL及び1M塩酸20mLを加えて分液洗浄を行い、さらに5%炭酸水素ナトリウム20mL、20%食塩水20mLで洗浄した。硫酸ナトリウムを適量加えて有機層を乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=98:2~95:5)で精製し、化合物(Y3-1)2.64g(収率81.5%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.84-0.91(m,18H),1.20-1.56(m,120H),1.70-1.84(m,3H),3.85-3.92(m,9H),7.24(s,2H)
実施例(Y3-b)
化合物(Y3-1)2.60g(2.177mmol)をTHF40mLに溶解し、氷冷下、水素化ジイソブチルアルミニウム4.4mL(1.5Mトルエン溶液、6.531mmol)を滴下し、氷冷下、2時間攪拌した。反応液に0.2M塩酸4mLを加えて反応を停止し、溶媒を減圧留去した。残渣に酢酸エチル40mLを加えた後、1M塩酸20mLで2回洗浄、続いて5%炭酸水素ナトリウム20mL、20%食塩水20mLで分液洗浄した。有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95:5~90:10)で精製し、化合物(Y3-2)2.08g(収率82.3%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.84-0.92(m,18H),1.20-1.60(m,72H),1.72-1.84(m,3H),3.80(dd,J=7.0Hz,14.0Hz,6H)、4.60(d、J=7.0Hz,2H)、6.54(s,2H)
ESI-MS:1166.10[M++H]
3,5-ジヒドロキシ安息香酸メチル1.35g(8.0mmol)をDMF70mLに溶解し、11-ブロモメチルトリコサン8.0g(19.2mmol)、炭酸カリウム3.32g(24.0mmol)を加え、90℃で7時間攪拌した。炭酸カリウムをろ過により除去した後、ろ液に水100mL、酢酸エチル100mLを加えて分液洗浄を行い、さらに有機層を水100mL、20%食塩水100mLで順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2~80:20)で精製し、化合物(Y4-1)4.8g(収率71.0%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.83-1.00(m,12H),1.32-1.61(m,80H),1.81-1.90(m,2H),3.75-3.85(m、4H)、3.90(s,3H),6.34(s,1H),7.15(s,2H)
化合物(Y4-1)4.8g(5.68mmol)をTHF80mLに溶解し、水素化ジイソプロピルアルミニウム11.4mL(1.5Mトルエン溶液,17.0mmol)を氷冷下加え、室温で3時間攪拌した。反応液に10%ロッシェル塩水溶液(100mL)を加え反応を停止させたのち、酢酸エチル200mLを加えて分液洗浄を行い、さらに有機層を水100mLで2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5~80:20)で精製し、化合物(Y4-2)3.5g(収率75.7%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ0.83-1.00(m,12H),1.32-1.61(m,80H),1.81-1.90(m,2H),3.80(d、4H、J=5.2Hz)、4.62(s,2H),6.38(s,1H),6.50(s,2H)
ESI-MS:813.74[M+H]+
<実施例Y5>
実施例Y1で製造した化合物(Y1-2)、実施例Y2で製造した化合物(Y2-2)、実施例Y3で製造した化合物(Y3-2)、及び実施例Y4で製造した化合物(Y4-2)の各種溶媒に対する溶解度(25℃)を測定した。
実施例Y1~Y4の化合物(Y1-2)、(Y2-2)、(Y3-2)及び(Y4-2)、及び比較例としての直鎖含有化合物(表Y2の比較例Y1及びY2参照。)を25℃で各溶媒に飽和させ、その溶解度(単位:重量%)を測定した(表Y1、Y2)。溶媒は、CPME、MTHP、トルエン、及びクロロホルムを用いた。
実施例Y1~Y4の化合物はいずれも、溶解度が50(重量%)よりも大きい値であった。これに対して、比較例Y1及びY2の化合物は、いずれも、50(質量%)未満であり、最大のものでも12.4(質量%)(比較例Y1、クロロホルム)に留まった。また、表Y2に示すように、実施例Y1~Y4の化合物の溶解度は、比較例Y1及びY2の化合物の溶解度に対して、差が小さいものでも少なくとも4.0倍より大きく(比較例Y1-クロロホルムとの比参照)、差が大きいものでは、38.5倍より大きかった(比較例Y2-トルエンとの比参照)。
<実施例Y6>
実施例Y1~Y4の化合物(Y1-2)、(Y2-2)、(Y3-2)及び(Y4-2)の疎水性の評価として、液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて評価した。
実施例Y1~Y4の化合物(Y1-2)、(Y2-2)、(Y3-2)及び(Y4-2)、比較例Y1の直鎖C18H37化合物及び比較例Y2の直鎖C22H45化合物の各10mg/10mL(THF)溶液を調製し、下記条件における液体クロマトグラフィー(HPLC)の保持時間(溶出時間)を比較した(表Y3)。
カラム:InertSustainC18(3μm、4.6×125mm)
移動相B:THF、移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液
溶出液:移動相A/移動相B=25/75(アイソクラクティック)
流速:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:紫外可視分光検出器(λ=220nm)
表Y3に示すように、実施例Y3及びY4に係る化合物(Y3-2)及び(Y4-2)は、比較例Y1及びY2よりも高い疎水性が得られた。また、実施例Y2に係る化合物(Y2-2)は、比較例Y1及びY2と比較して概ね同等の疎水性が得られた。これに対して、実施例Y1に係る化合物(Y1-2)の疎水性は、比較例Y1及びY2と比較して高いものではなかった。
化合物(Y2-2)及び化合物(Y3-2)を使用し、ペプチド合成を行った。以下、式中において化合物(Y2-2)をHO-Tag(Y2-2)とも記載し、化合物(Y3-2)をHO-Tag(Y3-2)とも記載する。すなわち、Tag(Y2-2)は、化合物(Y2-2)から-OHを除いた部分を示し、Tag(Y3-2)は、化合物(Y3-2)から-OHを除いた部分を示す。
化合物(Y2-2)1.0g(1.21mmol)をMTHP/アセトニトリル(8/2)の混合液25mLに溶解し、Fmoc-Leu-OH0.554g(1.57mmol)、EDCI・HCl0.30g(1.57mmol)及びDMAP0.0147g(0.121mmol)を加えて室温で2時間攪拌した。モルホリン42.2μL(0.482mmol)を加え室温で30分間攪拌した。モルホリン2.11mL(24.1mmol)及びDBU1.26mL(8.44mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、20%食塩水18mL×2回を加えて洗浄、分液した。さらに有機層を2M塩酸18mL×3回を加えて洗浄、分液を行い、さらに0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液18mLで洗浄、分液した。有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥後、適量のMTHPで洗いこみをおこないながら、ろ過し、アミノ酸縮合物(HO-Leu-OTag(Y2-2))を溶液として得た。
上で得られたHO-Leu-OTag(Y2-2)の溶液にアセトニトリル5.0mL、Fmoc-Ile-OH0.511g(1.45mmol)、EDCI・HCl0.277g(1.45mmol)及びOxyma0.0514g(0.362mmol)を加え室温で1時間攪拌した。モルホリン42.2μL(0.482mmol)を加え室温で30分間攪拌した。モルホリン2.11mL(24.1mmol)及びDBU1.26mL(8.44mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、20%食塩水18mL×2回を加えて洗浄、分液した。さらに有機層を2M塩酸18mL×3回を加えて洗浄、分液を行い、さらに0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液18mLで洗浄、分液し、有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥後、適量のMTHPで洗いこみをおこないながら、ろ過し、アミノ酸縮合物(HO-Ile-Leu-OTag(Y2-2))を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Tyr(tBu)-OHを用いた以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Pro-OHを用いた以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Arg(Pbf)-OHを用い、また、反応溶媒としてMTHP/DMF(8/2)を用いた以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Arg(Pbf)-OHを用い、また、反応溶媒としてMTHP/DMF(8/2)を用いた以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Pro-OHを用い、また、3回目の2M塩酸分液時にアセトンを2mL加えて分液した以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Lys(Boc)-OHを用い、また、3回目の2M塩酸分液時にアセトンを2mL加えて分液した以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Asn(Trt)-OHを用いた以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Glu(OtBu)-OHを用いた以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Tyr(tBu)-OHを用いた以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-Tyr(tBu)-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Leu-OHを用いた以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-Leu-Tyr(tBu)-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-PyroGlu-OHを用いた以外は実施例Y7-2と同様の操作をおこない、H-PyroGlu-Leu-Tyr(tBu)-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y2-2)を溶液として得た。
ESI-MS:3497.94〔M〕+
タグとして化合物(Y3-2)0.5g(0.428mmol)を用いて実施例Y7-1~実施例Y7-6と同様にペプチド合成を実施した。8残基目のFmoc-Lys(Boc)-OHを縮合後の分液において、2M塩酸での分液時に有機層と水層の分離に長時間要することを確認した。合成後の溶液を一昼夜、放置した後に分液した有機層をとり、質量分析を実施した結果、目的であるH-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Y3-2)の質量数を確認した。
ESI-MS:2849.49〔M〕+
H-Leu-OTag(比較例Y1)の合成
タグとして比較例Y1に示した化合物1.0g(1.09mmol)を用いて実施例Y7-1と同様に合成を実施した。Fmoc-Leu-OHを縮合後の分液において、多量の固形物が析出し、分液が困難であり、これ以上のペプチド合成が困難であることを確認した。
実施例Y7、実施例Y8及び比較例Y3のペプチド合成結果(残基数)と使用したベンジル化合物の溶解性及び疎水性を表Y4にまとめた。本発明のベンジル化合物の一例である化合物(Y2-2)及び化合物(Y3-2)と比較例Y1の直鎖C18H37化合物とを比較した場合、有機溶媒へのベンジル化合物の溶解性が高いほどペプチド合成残基数が増大することを確認した。また、化合物(Y2-2)と化合物(Y3-2)とを比較した場合、中程度の疎水性を有している化合物(Y2-2)が最もペプチド合成残基数が増大することを確認した。
以下に本実施例で用いた脱Fmocスキームを示す。担体化合物として前記Y1B(担体(ZA)とも称する)を用いた場合を例として記載するが、本発明の方法で用いることができる担体化合物は、Y1Bに限定されない。また、各試薬の添加量も、一例を示しているにすぎず、これに限定されるものではない。なお、担体化合物Y1Bは、前記化合物Y2-2と同一である。
[環状アミン捕捉剤を用いたペプチド合成法]
実施例Z1-1:HO-Leu-OTag(Z1-1)の合成
実施例Y7-1と同一の方法で、アミノ酸縮合物(HO-Leu-OTag(Z1-1))を溶液として得た。アミノ酸縮合物(HO-Leu-OTag(Z1-1))は、実施例Y7-1において合成されたアミノ酸縮合物(HO-Leu-OTag(Y2-2))と同一である。
実施例Y7-2と同一の方法で、アミノ酸縮合物(HO-Ile-Leu-OTag(Z1-2))を溶液として得た。アミノ酸縮合物(HO-Ile-Leu-OTag(Z1-2))は、実施例Y7-2において合成されたアミノ酸縮合物(HO-Leu-OTag(Y2-2))と同一である。
縮合するアミノ酸にFmoc-Tyr(tBu)-OHを用いた以外は実施例Z1-2と同様の操作をおこない、H-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-3)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Pro-OHを用いた以外は実施例Z1-2と同様の操作をおこない、H-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-4)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Arg(Pbf)-OHを用い、また、反応溶媒としてMTHP/DMF(8/2)を用いた以外は実施例Z1-2と同様の操作をおこない、H-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-5)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Arg(Pbf)-OHを用い、また、反応溶媒としてMTHP/DMF(8/2)を用いた以外は実施例Z1-2と同様の操作をおこない、H-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-6)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Pro-OHを用い、また、3回目の2M塩酸分液時にアセトンを2mL加えて分液した以外は実施例Z1-2と同様の操作をおこない、H-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-7)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Lys(Boc)-OHを用い、また、3回目の2M塩酸分液時にアセトンを2mL加えて分液した以外は実施例Z1-8と同様の操作をおこない、H-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-8)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Asn(Trt)-OHを用いた以外は実施例Z1-2と同様の操作をおこない、H-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-9)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Glu(OtBu)-OHを用いた以外は実施例Z1-2と同様の操作を行い、H-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-10)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Tyr(tBu)-OHを用いた以外は実施例Z1-2と同様の操作をおこない、H-Tyr(tBu)-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-11)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Leu-OHを用いた以外は実施例Z1-2と同様の操作をおこない、H-Leu-Tyr(tBu)-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-12)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-PyroGlu-OHを用いた以外は実施例Z1-2と同様の操作をおこない、H-PyroGlu-Leu-Tyr(tBu)-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-13)を溶液として得た。
得られた有機層を減圧下、溶媒を留去し、氷冷下、残渣に80%アセトニトリル水溶液120mLを加えて、得られた沈殿物をろ過、減圧乾燥し、PyroGlu-Leu-Tyr(tBu)-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z1-13)(1.401g、0.40mmol、収率33.1%)を得た。
ESI-MS:3497.94〔M〕+
この化合物を少量用い、トリフルオロ酢酸(TFA):水:トリイソプロピルシラン(TIS)=95:2.5:2.5の混合溶液加えて、室温で3時間攪拌し、C末端担体及びアミノ酸側鎖の保護基を脱保護して分析したところ、PyroGlu-Leu-Tyr-Glu-Asn-Lys-Pro-Arg-Arg-Pro-Tyr-Ile-Leu-OHのESI-MS:1672.77〔M+H〕+を確認した。
なお、本実施例Z2で用いたC末端担体Bは以下の化合物(Z7)である。
H-Ile-Leu-OTag(Z2-1)(1.32mmol)のMTHP溶液14.4mLにDMF3.6mL、Fmoc-Tyr(tBu)-OH0.789g(1.72mmol)、EDCI・HCl0.329g(1.72mmol)及びOxyma0.0563g(0.396mmol)を加え室温で1時間攪拌した。モルホリン45.7μL(0.528mmol)を加え室温で30分間攪拌した。モルホリン2.28mL(26.4mmol)及びDBU1.38mL(9.24mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。氷冷下、6M塩酸10.89mLを加えた反応溶液を分液ロートに移し、0.1M塩酸18mLを加え洗浄、分液した。さらに有機層に2M塩酸18mLを加えて洗浄、分液を行い、さらに0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液18mLで洗浄、分液した。有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥後、適量のMTHPで洗いこみをおこないながら、ろ過し、アミノ酸縮合物(H-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-2))を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Pro-OHを用いた以外は実施例Z2-1と同様の操作をおこない、H-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-3)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Arg(Pbf)-OHを用いた以外は実施例Z2-1と同様の操作をおこない、H-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-4)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Arg(Pbf)-OHを用いた以外は実施例Z2-1と同様の操作をおこない、H-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-5)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Pro-OHを用いた以外は実施例Z2-1と同様の操作をおこない、H-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-6)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Lys(Boc)-OHを用い、また、以下の方法で分液した以外は実施例Z2-1と同様の操作をおこなった。反応溶液を分液ロートに移し、20%食塩水18mL×2回を加えて洗浄、分液した。さらに有機層を2M塩酸18mL×3回を加えて洗浄、分液を行い、さらに0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液18mLで洗浄、分液し、有機層を適量の硫酸ナトリウムで乾燥後、適量のMTHPで洗いこみをおこないながら、ろ過し、アミノ酸縮合物(H-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-7))を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Asn(Trt)-OHを用いた以外は実施例Z2-1と同様の操作をおこない、H-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-8)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Glu(OtBu)-OHを用いた以外は実施例Z2-1と同様の操作をおこない、H-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-9)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Tyr(tBu)-OHを用いた以外は実施例Z2-6と同様の操作をおこない、H-Tyr(tBu)-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-10)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-Leu-OHを用いた以外は実施例Z2-1と同様の操作をおこない、H-Leu-Tyr(tBu)-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-11)を溶液として得た。
縮合するアミノ酸にFmoc-PyroGlu-OHを用いた以外は実施例Z2-1と同様の操作をおこない、PyroGlu-Leu-Tyr(tBu)-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Lys(Boc)-Pro-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Pro-Tyr(tBu)-Ile-Leu-OTag(Z2-12)を溶液として得た。
ESI-MS:3497.94〔M〕+
この化合物を少量用い、トリフルオロ酢酸(TFA):水:トリイソプロピルシラン(TIS)=9.5:2.5:2.5の混合溶液加えて、室温で3時間攪拌し、タグ及びアミノ酸側鎖の保護基を脱保護して分析したところ、PyroGlu-Leu-Tyr-Glu-Asn-Lys-Pro-Arg-Arg-Pro-Tyr-Ile-Leu-OHの生成をESI-MSにより確認した。ESI-MS:1672.77〔M+H〕+
Fmoc-Tyr(tBu)-Leu-OTag(Z3-1)のMTHP/DMF溶液(8:2)に、モルホリン(Z3-2)を5equiv加え室温で2時間攪拌した後、HPLCによる定量分析を行った。ジケトピペラジンの生成量は、ジケトピペラジン生成に伴い同時に生成するTag-OH(Z3-8)の量と等しい。従って、各種化合物の生成率は、Fmoc-Tyr(tBu)-Leu-OTag(Z3-1)、H-Tyr(tBu)-Leu-OTag(Fmoc基脱保護体、Z3-7)、及びジケトピペラジン生成により生じる担体化合物(Z3-8)の合計面積のうち、各化合物の面積の割合を計算することにより求めた。
カラム:InertSustainC18(3μm、4.6×125mm)
移動相B:THF、移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液
溶出液:移動相A/移動相B:表Z5に示すグラジエント条件にて測定を実施した。
カラム温度:40℃
検出器:紫外可視分光検出器(λ=220nm)
比較例Z1
モルホリン5equivに代えて、ジエチルアミン(Z3-4、特許文献9および非特許文献4に記載)を5equiv加えた以外は、実施例Z3と同様の操作を行い同様の定量分析を行った。
モルホリン5equivに代えて、N-メチルピペラジン(Z3-5,特許文献2に記載)]を5equiv加えた以外は、実施例Z3と同様の操作を行い同様の定量分析を行った。
表Z2に示すように、モルホリンは特許文献2に記載された化合物(N-メチルピペラジン、Z3-5)等の他の化合物に対してFmoc基の脱保護反応の進行が遅く、結果としてジケトピペラジン生成量が少ないことが判明した。これにより、本発明の環状アミンがペプチド合成における優れた捕捉分子として機能しうることを見出した。
Claims (7)
- 有機溶媒中、N末端がフルオレン骨格を有する保護基で保護されたアミノ基含有化合物と、塩基性の脱保護剤とを接触させる工程と、
前記N末端が前記保護基で保護された前記アミノ基含有化合物と、モルホリン又はその塩酸塩である捕捉剤と、を接触させて、前記保護基由来のフルベン骨格を有する副生成物と前記捕捉剤とが結合した捕捉体を得る工程と、
得られた前記捕捉体を前記有機溶媒から分離する工程と、
を含む、
ペプチド製造方法。 - 前記脱保護剤は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、1.5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン(DBN)、1、4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミン、及びトリブチルアミンからなる群より選択される少なくとも1種の塩基である、
請求項1に記載のペプチド製造方法。 - 前記捕捉体を分離する工程は、前記有機溶媒に酸性水溶液を加えて洗浄した後、前記有機溶媒を水層と有機層とに分液し、次いで分液された前記水層を分離することを含む、
請求項1又は2に記載のペプチド製造方法。 - 前記脱保護剤は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)である、
請求項1又は2に記載のペプチド製造方法。 - 有機溶媒中、N末端がフルオレン骨格を有する保護基で保護されたアミノ基含有化合物と、塩基性の脱保護剤とを接触させる工程と、
前記N末端が前記保護基で保護された前記アミノ基含有化合物と、モルホリン又はその塩酸塩である捕捉剤と、を接触させて、前記保護基由来のフルベン骨格を有する副生成物と前記捕捉剤とが結合した捕捉体を得る工程と、
得られた前記捕捉体を前記有機溶媒から分離する工程と、
を含む、
保護基の除去方法。 - モルホリン又はその塩酸塩である捕捉剤と、塩基性の脱保護剤と、を含む、フルオレン骨格を有する保護基の除去剤。
- 前記脱保護剤は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、1.5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン、1、4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミン、及びトリブチルアミンからなる群より選択される少なくとも1種の塩基である、
請求項6に記載の除去剤。
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