以下に、本発明のイミダゾリウム塩について説明する。
本発明は、以下の一般式(1)で表されるイミダゾリウム塩(以下、「本発明のイミダゾリウム塩」ともいう。)に係る。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。X-はハロゲン化物イオン、R2COO-、R3SO2O-及びOH-からなる群のいずれかである。R2は炭素数1から6のアルキル基である。R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群より選択される1種以上の置換基で置換されていてもよい。)。
本発明のイミダゾリウム塩は、電子の移動によりイミダゾリウム環の炭素-窒素二重結合の位置が異なる共鳴構造(1A)及び(1B)を取り得るが、本発明のイミダゾリウム塩は、いずれの共鳴構造を含むものである。本明細書においては、本発明のイミダゾリウム塩を一般式(1)で表される共鳴混成体として表記する。
本発明において、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基として、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基(ノルボルナン-2-イル基)、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン-2-イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2-イル基及びビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル基からなる群のいずれかを挙げることができる。ゼオライトの構造指向剤として使用した場合に、小細孔ゼオライト、特にAFX型ゼオライトが得られやすい点で、R1は炭素数5から8のシクロアルキル基であることが好ましく、シクロヘプチル基であることがさらに好ましい。
該シクロアルキル基は1つ以上の炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。該アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基からなる群のいずれかを挙げることができる。
本発明において、X-はハロゲン化物イオン、R2COO-、R3SO2O-及びOH-からなる群のいずれかであり、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン、CH3COO-、CH3CH2COO-、C6H5SO2O-、p-CH3C6H4SO2O-、CH3SO2O-及びOH-からなる群のいずれかであることが好ましく、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、CH3COO-、CH3CH2COO-、C6H5SO2O-、p-CH3C6H4SO2O-、CH3SO2O-及びOH-からなる群のいずれかであることがより好ましい。
X-がR2COO-である場合、R2は炭素数1から6のアルキル基であり、該アルキル基は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基からなる群のいずれかであることが好ましい。本発明のイミダゾリウム塩の収率が高くなる傾向があるため、R2はメチル基であることが好ましい。
X-がR3SO2O-である場合、R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれかである。炭素数1から9のアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、1-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、オクチル基及びノニル基からなる群のいずれかを挙げることができる。炭素数1から9のフルオロアルキル基として、トリフルオロメチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基及び1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブチル基からなる群のいずれかを挙げることできる。
R3がフェニル基である場合、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群の少なくとも1種で置換されていてもよい。
フェニル基が、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群の少なくとも1種で置換されたフェニル基(以下、「置換フェニル基」ともいう。)である場合、置換フェニル基として、2-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-プロピルフェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、2-トリフルオロメチルフェニル基、3-(トリフルオロメチル)フェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、4-メトキシフェニル基、4-(イソプロピルオキシ)フェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2-ブロモフェニル基、3-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニル基、2-シアノフェニル基、3-シアノフェニル基、4-シアノフェニル基、2-ニトロフェニル基、3-ニトロフェニル基及び4-ニトロフェニル基からなる群のいずれかを挙げることができる。
本発明のイミダゾリウム塩製造コストを低減できるため、R3はフェニル基、4-メチルフェニル基及びメチル基からなる群のいずれかであること、すなわち、R3SO2O基が、ベンゼンスルホニルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基及びメタンスルホニルオキシ基からなる群のいずれかであることが好ましい。
本発明のイミダゾリウム塩を構造指向剤として使用した場合に小細孔ゼオライト、更にはAFX型ゼオライトを指向しやすくなるため、本発明のイミダゾリウム塩は、X-が塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、CH3COO-、CH3CH2COO-、C6H5SO2O-、p-CH3C6H4SO2O-、CH3SO2O-及びOH-からなる群のいずれかであり、なおかつ、R1が炭素数5から8のシクロアルキル基であることが好ましく、X-が塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン及びOH-からなる群のいずれかであり、なおかつ、R1がシクロヘプチル基であることが特に好ましい。
本発明には、本発明のイミダゾリウム塩を含有する組成物も含まれる。このような組成物として、本発明のイミダゾリウム塩及び他のイミダゾリウム塩からのなる組成物を挙げることができ、本発明のイミダゾリウム塩、並びに、N,N’-ビス(1-アダマンチル)イミダゾリウム塩、N,N’-ジシクロペンチルイミダゾリウム塩、N,N’-ジシクロヘキシルイミダゾリウム塩、N,N’-ジシクロヘプチルイミダゾリウム塩、N,N’-ジシクロオクチルイミダゾリウム塩、N,N’-ジシクロドデシルイミダゾリウム塩、及び、N,N’-ジ[exo-ノルボルナン-2-イル]イミダゾリウム塩からなる群の少なくとも1種のイミダゾリウム塩を含む組成物があげられる。該組成物はイミダゾリウム塩に対する本発明のイミダゾリウム塩のモル割合は50mol%以上であり、60mol%以上であることが好ましい。
次に、本発明のイミダゾリウム塩の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)について詳細に説明する。
本発明のイミダゾリウム塩は、一般式(1’)で表されるイミダゾリウムカチオンを得る工程、を有する製造方法により得ることができる。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。)。
好ましい本発明の製造方法として、一般式R2COOH(R2は炭素数1から6のアルキル基である。)で表されるカルボン酸の存在下において、ホルムアルデヒド、グリオキサール、1-アダマンチルアミン、及び、一般式R1NH2(R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されるアミンを反応させ一般式(1a)で表されるイミダゾリウム塩を得る工程(以下、「工程-1」ともいう。)、を有することを特徴とする一般式(1)で表されるイミダゾリウム塩の製造方法、を挙げることができる。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。Xa-はR2COO-であり、R2は炭素数1から6のアルキル基である。)
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。X-はハロゲン化物イオン、R2COO-、R3SO2O-及びOH-からなる群のいずれかであり、R2は炭素数1から6のアルキル基である。R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群より選択される1種以上の置換基で置換されていてもよい。)。
工程-1は、一般式R2COOH(R2は炭素数1から6のアルキル基である。)で表されるカルボン酸の存在下において、ホルムアルデヒド、グリオキサール、1-アダマンチルアミン、及び、一般式R1NH2(R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されるアミンを反応させ一般式(1a)で表されるイミダゾリウム塩を得る工程、である。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。Xa-はR2COO-であり、R2は炭素数1から6のアルキル基である。)。
工程-1では、以下に示す反応によって一般式(1a)で表されるイミダゾリウム塩(以下、「イミダゾリウム塩(1a)」ともいう。)が得られる。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。Xa-はR2COO-であり、R2は炭素数1から6のアルキル基である。)。
工程-1に用いるホルムアルデヒドは、気体のホルムアルデヒドであってもよいが、ホルムアルデヒド源から供給されることが好ましい。ホルムアルデヒド源は一般式R2COOH(R2は炭素数1から6のアルキル基である。)で表されるカルボン酸の存在下においてホルムアルデヒドを供給できるものであればよく、ホルマリン、パラホルムアルデヒド及び1,3,5-トリオキサンからなる群の少なくとも1種が挙げられる。イミダゾリウム塩(1a)の収率が高くなる傾向があるため、ホルムアルデヒド源はホルマリンであることが好ましい。
工程-1において、ホルムアルデヒド、グリオキサール及び一般式R1NH2(R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されるアミンの、1-アダマンチルアミンに対する割合は、それぞれ、1~10当量、好ましくは1~3当量である。これにより、イミダゾリウム塩(1a)が高い収率で得られやすくなる。
工程-1において、反応は溶媒中で実施することができる。溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、具体的にアルコール又は水の少なくとも1種、更にはメタノール、エタノール及び水からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。また、これらの溶媒を2種以上組み合わせて用いてもよい。
工程-1において、反応温度は0℃以上100℃以下の任意の温度であればよい。イミダゾリウム塩(1a)の収率が高くなる傾向があるため、反応温度は室温から60℃以下の温度であることが好ましい。一方、反応時間に特に制限はなく、例えば、10分間以上50時間以下を挙げることができる。
工程-1は、反応後、得られたイミダゾリウム塩(1a)を単離する工程、を含んでいてもよい。単離方法は任意であり、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー及び再結晶からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
なお、工程-1は、イミダゾリウム塩(1a)の製造方法、として供することもできる。
もうひとつの好ましい本発明の製造方法として、1-(1-アダマンチル)イミダゾールと、一般式R1-Xcで表されるアルキル化剤(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。Xcはハロゲン原子又はR3SO2O基のいずれかであり、R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群より選択される1種以上の置換基で置換されていてもよい。)と、を反応させ、一般式(1c)で表されるイミダゾリウム塩を得る工程(以下、「工程-2」ともいう。)、を有することを特徴とする一般式(1)で表されるイミダゾリウム塩の製造方法、を挙げることができる。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。Xc-はハロゲン化物イオン又はR3SO2O-であり、R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群より選択される1種以上の置換基で置換されていてもよい。)
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。X-はハロゲン化物イオン、R2COO-、R3SO2O-及びOH-からなる群のいずれかであり、R2は炭素数1から6のアルキル基である。R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群より選択される1種以上の置換基で置換されていてもよい。)。
工程-2は、1-(1-アダマンチル)イミダゾールと、一般式R1-Xcで表されるアルキル化剤(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。Xcはハロゲン原子又はR3SO2O基のいずれかであり、R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群より選択される1種以上の置換基で置換されていてもよい。)と、を反応させ、一般式(1c)で表されるイミダゾリウム塩を得る工程、である。
工程-2では、以下に示す反応によって一般式(1c)で表されるイミダゾリウム塩(以下、「イミダゾリウム塩(1c)」ともいう。)が得られる。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。Xc-はハロゲン化物イオン又はR3SO2O-であり、R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群より選択される1種以上の置換基で置換されていてもよい。)。
工程-2において、1-(1-アダマンチル)イミダゾールは公知の製造方法により得られるものを使用することができる。公知の製造方法として、例えば、Journal of the American Chemical Society,2003年,125巻,113-123頁で開示された製造方法を挙げることができる。
一方、1-(1-アダマンチル)イミダゾールは、1-アダマンチルアミン、アンモニア、ホルムアルデヒド及びグリオキサールを反応させる1-(1-アダマンチル)イミダゾールの製造方法(以下、「本イミダゾール製法」ともいう。)、により製造することもできる。
本イミダゾール製法において、以下の反応により1-(1-アダマンチル)イミダゾールを得ることができる。
本イミダゾール製法において、ホルムアルデヒドはホルムアルデヒド源から供給されることが好ましい。ホルムアルデヒド源はホルムアルデヒドを供給できるものであればよく、ホルマリン、パラホルムアルデヒド及び1,3,5-トリオキサンからなる群の少なくとも1種が挙げられる。1-(1-アダマンチル)イミダゾールの収率が高くなる傾向があるため、ホルムアルデヒド源はホルマリンであることが好ましい。
本イミダゾール製法において、反応は反応に害を及ぼさない溶媒中で実施することができ、溶媒としては酢酸やプロピオン酸などのカルボン酸系溶媒、メタノールやエタノールなどのアルコール系溶媒、水等を例示することができる。また、これらの溶媒を2種以上組み合わせて用いてもよい。
本イミダゾール製法において、アンモニアはアンモニア源から供給されることが好ましい。アンモニア源はアンモニアを供給できるものであればよく、アンモニア、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム及び塩化アンモニウムからなる群の少なくとも1種が挙げられる。安価に入手でき、取り扱いが容易であり、また1-(1-アダマンチル)イミダゾールの収率が高くなる傾向があるため、アンモニア源は酢酸アンモニウムであることが好ましい。酢酸アンモニウムは系内に存在する酢酸とアンモニアにより得られるものであってもよい。
本イミダゾール製法におけるホルムアルデヒド、グリオキサール及びアンモニアは、1-アダマンチルアミンに対する割合として、それぞれ、1~10当量、好ましくは1~3当量であることが挙げることができる。これにより、1-(1-アダマンチル)イミダゾールが高い収率で得られやすくなる。
工程-2において、一般式R1-XcにおけるR1は、1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。また、一般式R1-XcにおけるXcは、ハロゲン原子又はR3SO2O基のいずれかである。
該アルキル化剤は、市販されているものであってもよいが、以下に示す製造方法により得られるものであってもよい。
一般式R1-XcにおけるXcがハロゲン原子である場合、すなわち、アルキル化剤がハロアルキルである場合、該ハロアルキルの製造方法として、該ハロアルキルのR1に対応するR1を含むR1-OH(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。)と、ハロゲン化剤とを反応させる工程を有する製造方法を挙げることができる。ハロゲン化剤として、例えば、塩酸、塩化チオニル、ホスゲン、トリホスゲン、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、四塩化炭素/トリフェニルホスフィン、臭化水素酸、臭化チオニル、三臭化リン、五臭化リン、オキシ臭化リン、四臭化炭素/トリフェニルホスフィン、ヨウ化水素酸、三ヨウ化リン及びヨウ素/トリフェニルホスフィンからなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
R1-OHとハロゲン化剤との反応は溶媒中で実施することができる。溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、具体的にハロゲン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒及びスルホキシド系溶媒からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。ハロゲン系溶媒として、クロロホルム又はジクロロメタンの少なくとも1種、芳香族炭化水素系溶媒としてトルエン、キシレン及びクロロベンゼンからなる群の少なくとも1種、エーテル系溶媒としてテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサンからなる群の少なくとも1種、アミド系溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミドの少なくとも1種、ニトリル系溶媒としてアセトニトリル又はプロピオニトリルの少なくとも1種、スルホキシド系溶媒としてジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
一般式R1-XcにおけるXcがR3SO2O基である場合、R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群より選択される1種以上の置換基で置換されていてもよい。
一般式R1-XcにおけるXcがR3SO2O基である場合、すなわち、アルキル化剤がR1-OSO2R3で表されるスルホネートである場合、当該スルホネートの製造方法としては、塩基の存在下、該スルホネートのR1に対応するR1を含むR1-OH(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。)と、スルホニルクロリドとを反応させる工程を有する製造方法、を挙げることができる。該スルホニルクロリドとして、例えば、R3SO2Cl(R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれか1種であり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群より選択される1種以上の置換基で置換されていてもよい。)を挙げることができる。該塩基としては、有機塩基、無機塩基及びアルカリ金属アルコキシドからなる群の少なくとも1種が挙げられる。具体的な有機塩基として、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジンからなる群の少なくとも1種が例示でき、無機塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウムからなる群の少なくとも1種が例示でき、並びに、アルカリ金属アルコキシドとしてナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウム-tert-ブトキシドからなる群の少なくとも1種を例示することができる。
R1-OHとスルホニルクロリドの反応は溶媒中で行うことで容易に反応が進行する。溶媒としてハロゲン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒及び水を挙げることができる。具体的な溶媒として、例えば、ハロゲン系溶媒としてクロロホルム又はジクロロメタンの少なくともいずれか、芳香族炭化水素系溶媒としてトルエン、キシレン及びクロロベンゼンからなる群の少なくとも1種、エーテル系溶媒としてテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサンからなる群の少なくとも1種、アミド系溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミドの少なくともいずれか、ニトリル系溶媒としてアセトニトリル又はプロピオニトリルの少なくともいずれか、及び、スルホキシド系溶媒として、ジメチルスルホキシドを挙げることができる。また、これらの溶媒を2種以上組み合わせて用いてもよい。
工程-2において、アルキル化剤の1-(1-アダマンチル)イミダゾールに対する割合として、それぞれ、1~20当量、好ましくは1~5当量であることが挙げることができる。
工程-2において、反応は溶媒中で実施することができる。溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、具体的にハロゲン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒及びスルホキシド系溶媒からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。ハロゲン系溶媒として、クロロホルム又はジクロロメタンの少なくとも1種、芳香族炭化水素系溶媒としてトルエン、キシレン及びクロロベンゼンからなる群の少なくとも1種、エーテル系溶媒としてテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサンからなる群の少なくとも1種、エステル系溶媒として酢酸エチル又は酢酸ブチルの少なくとも1種、アミド系溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミドの少なくとも1種、ケトン系溶媒としてアセトン又はメチルエチルケトンの少なくとも1種、ニトリル系溶媒としてアセトニトリル又はプロピオニトリルの少なくとも1種、スルホキシド系溶媒としてジメチルスルホキシド等を挙げることができる。また、これらの溶媒を2種以上組み合わせて用いてもよい。工程-2における好ましい溶媒として芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒又はニトリル系溶媒が好ましく、さらに具体的には、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等を挙げることができる。
工程-2において、反応温度は20℃以上150℃以下の任意の温度であればよい。イミダゾリウム塩(1c)の収率が高くなる傾向があるため、反応温度は50℃以上120℃以下であることが好ましい。一方、反応時間に特に制限はなく、例えば、1時間以上100時間以下を挙げることができる。
工程-2は、反応後、得られたイミダゾリウム塩(1c)を単離する工程、を含んでいてもよい。単離方法は任意であり、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー及び再結晶からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
なお、工程-2は、イミダゾリウム塩(1c)の製造方法、として供することもできる。
本発明の製造方法は、前記一般式(1a)又は前記一般式(1c)のいずれかで表される少なくとも1つのイミダゾリウム塩を、前記一般式(4)Ma―Xb(Maはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の少なくとも1種であり、Xbはハロゲン原子である。)で表される金属ハロゲン化物と接触させ一般式(1b)で表されるイミダゾリウム塩を得る工程(以下、「工程-3」ともいう。)、を有することが好ましい。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。Xb-はハロゲン化物イオンを表す。)。
工程-3では、以下に示すいずれかの反応によって一般式(1b)で表されるイミダゾリウム塩(以下、「イミダゾリウム塩(1b)」ともいう。)が得られる。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。Maはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の少なくとも1種であり、Xbはハロゲン原子である。Xb-はハロゲン化物イオンである。)。
工程-3における一般式Ma-Xb(4)で表される金属ハロゲン化物は、一般式(1a)又は(1c)で表されるイミダゾリウム塩に対して、それぞれ、1~30当量、好ましくは2~10当量を用いることができる。これにより、イミダゾリウム塩(1b)が高い収率で得られやすくなる。
工程-3において、反応は溶媒中で実施することができる。溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、具体的にエーテル系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、アルコール系溶媒及び水からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。エーテル系溶媒としてテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサンからなる群の少なくとも1種、エステル系溶媒として酢酸エチル又は酢酸ブチルの少なくとも1種、アミド系溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミドの少なくとも1種、ケトン系溶媒としてアセトン又はメチルエチルケトンの少なくとも1種、ニトリル系溶媒としてアセトニトリル又はプロピオニトリルの少なくとも1種、スルホキシド系溶媒としてジメチルスルホキシド、アルコール系溶媒としてメタノール又はエタノールの少なくとも1種を挙げることができる。反応が円滑に進行する点で、溶媒としては、一般式Ma-Xbで表される金属ハロゲン化物が溶解する溶媒が好ましく、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール又は水がさらに好ましい。
工程-3おいて、反応温度は20℃以上150℃以下の任意の温度であればよい。イミダゾリウム塩(1b)の収率が高くなる傾向があるため、反応温度は室温から80℃の範囲であることが好ましい。一方、反応時間に特に制限はなく、例えば、10分間以上50時間以下を挙げることができる。
工程-3は、反応後、得られたイミダゾリウム塩(1b)を単離する工程、を含んでいてもよい。単離方法は任意であり、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー及び再結晶からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
なお、工程-3は、イミダゾリウム塩(1b)の製造方法、として供することもできる。
本発明の製造方法は、前記一般式(1b)で表されるイミダゾリウム塩をイオン交換し、一般式(1d)で表されるイミダゾリウム塩を得る工程(以下、「工程-4」ともいう。)、を有することが好ましい。
工程-4では、以下に示す反応によって一般式(1d)で表されるイミダゾリウム塩(以下、「イミダゾリウム塩(1d)」ともいう。)が得られる。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。Xb-はハロゲン化物イオンを表す。Xd-はOH-を表す。)。
工程-4におけるイオン交換方法は任意であるが、イミダゾリウム塩(1b)とイオン交換樹脂とを接触させることによりイオン交換をすることが好ましい。イオン交換樹脂として、例えば、アンバーライトIRA-400、アンバーライトIRA-402、アンバーライトIRA-404、アンバーライトIRA-900、アンバーライトIRA-904、アンバーライトIRA-458、アンバーライトIRA-958、アンバーライトIRA-420、アンバーライトIRA-411及びアンバーライトIRA-910からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。イミダゾリウム塩(1d)の収率が高くなる傾向があるため、イオン交換樹脂はアンバーライトIRA-400であることが好ましい。
工程-4において、イオン交換は溶媒中で実施することができる。溶媒は、イオン交換を阻害しないものであればよく、具体的にエーテル系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル性溶媒、アルコール系溶媒及び水からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。エーテル系溶媒としてテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサンからなる群の少なくとも1種、エステル系溶媒として酢酸エチル又は酢酸ブチルの少なくとも1種、アミド系溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミドの少なくとも1種、ケトン系溶媒としてアセトン又はメチルエチルケトンの少なくとも1種、ニトリル系溶媒としてアセトニトリル又はプロピオニトリルの少なくとも1種、アルコール系溶媒としてメタノール又はエタノールの少なくとも1種を挙げることができる。
工程-4において、イオン交換実施後、得られたイミダゾリウム塩(1d)に原料のイミダゾリウム塩(1b)を含んでいてもよい。
なお、工程-4は、イミダゾリウム塩(1d)の製造方法、として供することもできる。
本発明のイミダゾリウム塩は、イオン液体、有機電解質、医薬品の中間体、研磨液など、イミダゾリウム塩が使用されている用途に使用することができるが、特に、ゼオライトの製造における構造指向剤(以下、「SDA」ともいう。)として使用することが好ましい。
本発明のイミダゾリウム塩をSDAとして使用するゼオライトの製造方法(以下、「本発明のゼオライト製造方法」ともいう。)として、シリカ源、アルミナ源、構造指向剤、アルカリ源及び水を含む組成物を結晶化させる結晶化工程を有し、該組成物が一般式(1)で表されるイミダゾリウム塩を含むことを特徴とするゼオライトの製造方法、を挙げることができる。
(式中、R1は1-アダマンチル基を除く炭素数3から12のシクロアルキル基であり、該シクロアルキル基は炭素数1から4のアルキル基で置換されていてもよい。X-はハロゲン化物イオン、R2COO-、R3SO2O-及びOH-からなる群のいずれかであり、R2は炭素数1から6のアルキル基である。R3は炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基、及び、フェニル基からなる群のいずれかであり、該フェニル基は炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基より選択される1種以上の置換基で置換されていてもよい。)。
本発明のイミダゾリウム塩をSDAとして使用するゼオライトの製造方法により得られるゼオライトは、最大細孔が酸素8員環により形成される細孔のゼオライト(以下、「小細孔ゼオライト」ともいう。)であり、AFX型ゼオライトであることがより好ましい。
本発明のイミダゾリウム塩をSDAとして使用するゼオライトの製造方法により得られるゼオライトは、リン酸(PO4)を骨格に含まないゼオライトであることが好ましく、アルミノシリケート出ることが好ましい。
以下、得られるゼオライトとしてAFX型ゼオライトを例に挙げ、本発明のイミダゾリウム塩をSDAとして使用するゼオライトの製造方法について説明する。
AFX型ゼオライトとは、AFX構造を有するゼオライトである。AFX構造とは、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association;以下、「IZA」とする。)のStructure Commissionが定めているIUPAC構造コードで、AFX型となる構造である。
本発明のゼオライト製造方法は、シリカ源、アルミナ源、構造指向剤、アルカリ源及び水を含む組成物(以下、「原料組成物」ともいう。)を結晶化する。
シリカ源は、シリカ(SiO2)又はその前駆体となるケイ素化合物であり、例えば、コロイダルシリカ、無定型シリカ、珪酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート、沈殿法シリカ、ヒュームドシリカ、結晶性アルミノシリケート及びアルミノシリケートゲルからなる群の少なくとも1種を挙げることができ、結晶性アルミノシリケート又はアルミノシリケートゲルの少なくともいずれかであることが好ましい。
アルミナ源は、アルミナ(Al2O3)又はその前駆体となるアルミニウム化合物であり、例えば、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミノシリケートゲル、結晶性アルミノシリケート及び金属アルミニウムからなる群の少なくとも1種を用いることができ、結晶性アルミノシリケート又はアルミノシリケートゲルの少なくともいずれかであることが好ましい。
アルカリ源は、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ金属のハロゲン化物であればよく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。シリカ源及びアルミナ源の少なくともいずれかに含まれるアルカリ成分もアルカリ源としてみなすことができる。
原料組成物は構造指向剤(SDA)を含む。SDAは一般式(1)で表されるイミダゾリウム塩(本発明のイミダゾリウム塩)を含む。本発明のイミダゾリウム塩に含まれるイミダゾリウムカチオンはSDAとして機能し、AFX型ゼオライトを指向するため、原料組成物を結晶化することでAFX型ゼオライトが得られる。本発明のゼオライト製造方法において、例えば、X-はハロゲン化物イオン又は水酸化物イオン(OH-)のいずれかであり、水酸化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群のいずれかであることが好ましい。本発明のゼオライト製造方法において、一般式(1)中のR1が、炭素数3から12のシクロアルキル基、更には炭素数5から10のシクロアルキル基、また更には炭素数6から8のシクロアルキル基、また更には炭素数7のシクロアルキル基であることが好ましい。
原料組成物のSDAは本発明のイミダゾリウム塩を含んでいればよいが、本発明のイミダゾリウム塩と本発明のイミダゾリウム塩以外のイミダゾリウム塩とを含んでいてもよい。例えば、原料組成物は、本発明のイミダゾリウム塩、並びに、N,N’-ビス(1-アダマンチル)イミダゾリウム塩、N,N’-ジシクロペンチルイミダゾリウム塩、N,N’-ジシクロヘキシルイミダゾリウム塩、N,N’-ジシクロヘプチルイミダゾリウム塩、N,N’-ジシクロオクチルイミダゾリウム塩、N,N’-ジシクロドデシルイミダゾリウム塩、及び、N,N’-ジ[exo-ノルボルナン-2-イル]イミダゾリウム塩からなる群の少なくとも1種のイミダゾリウム塩を含んでいてもよい。原料組成物のSDAが2以上のイミダゾリウム塩を含む場合、原料組成物中のSDAに対する本発明のイミダゾリウム塩のモル割合は40mol%以上100mol%以下であり、50mol%以上100mol%以下であることが好ましく、60mol%以上100mol%以下であることがより好ましい。
SDAが多くなると製造コストが高くなりやすいため、原料組成物は、シリカに対するSDAのモル比(以下、「SDA/SiO2」ともいう。)は2.0以下であることが好ましく、1.0以下、更には0.50以下、また更には0.30以下であることが好ましい。SDA/SiO2は、0.01以上、更には0.02以上、また更には0.03以上であれば、AFX型以外の構造を有するゼオライトの生成がより抑制される。
原料組成物のシリカに対する水のモル比(以下、「H2O/SiO2」とする。)は、5以上60以下であることが好ましく、10以上45以下であることがより好ましく、20以上45以下であることが更に好ましい。H2O/SiO2がこの範囲であれば、結晶化中に適度な攪拌が可能な粘度の混合物となる。
ゼオライトの結晶成長を促進するために、原料組成物は種晶を含んでいてもよい。種晶を含む場合、原料組成物の種晶の含有量は、シリカに対する種晶の重量割合として、0重量%以上10.0重量%以下、更には0.5重量%以上5.0重量%以下、また更には0.5重量%以上3.5重量%以下であることが挙げられる。
種晶は、結晶構造中に奇数員環を含まないゼオライトであればよく、例えば、FAU、CHA、AEI、LEV、AFX、ERI、OFF、LTL及びGMEからなる群のいずれかの構造を有するゼオライト、更にはCHA、AEI、LEV、AFX及びERIからなる群のいずれかの構造を有するゼオライト、また更にはAFX型ゼオライトを挙げることができる。
原料組成物は以下の組成を有することが好ましい。なお、以下の組成におけるMはアルカリ金属、各割合はモル(mol)割合、及び、種晶は重量割合である。
SiO2/Al2O3 5以上100以下、好ましくは10以上50以下、より好ましくは15以上40以下
OH/SiO2 0.06以上1.0以下、好ましくは0.08以上0.60以下、より好ましくは0.10以上0.40以下
M/SiO2 0.06以上1.0以下、好ましくは0.08以上0.60以下、より好ましくは0.10以上0.40以下
SDA/SiO2 0.01以上2.0以下、好ましくは0.02以上1.0以下、より好ましくは0.03以上0.50以下
H2O/SiO2 5以上60以下、好ましくは
種晶 10.0重量%以下、好ましくは5.0重量%以下、より好ましくは3.5重量%以下
結晶化工程において
原料組成物の結晶化方法は適宜選択すればよい。好ましい結晶化方法として、原料組成物を水熱処理することが挙げられる。水熱処理は、原料組成物を密閉耐圧容器に入れ、これを加熱すればよい。水熱処理条件として以下のものを挙げることができる。
処理温度 :80℃以上190℃以下、好ましくは150℃以上190℃以下
処理時間 :2時間以上500時間以下
処理圧力 :自生圧
結晶化は静置又は攪拌のいずれの状態で行ってもよい。得られるAFX型ゼオライトの組成がより均一になるため、結晶化は原料組成物が攪拌された状態で行うことが好ましい。
本発明のゼオライト製造方法では、結晶化工程の後、洗浄工程及び乾燥工程、若しくは、洗浄工程、乾燥工程及びSDA除去工程を含んでもよい。
洗浄工程は、結晶化工程後の生成物からAFX型ゼオライトと液相とを固液分離する。洗浄工程は、公知の方法で固液分離をし、固相として得られるAFX型ゼオライトを純水で洗浄すればよい。具体的には、生成物をろ過、洗浄し、液相と固相に分離し、AFX型ゼオライトを得る方法が挙げられる。
乾燥工程は、結晶化工程後又は洗浄工程後のAFX型ゼオライトから水分を除去する。乾燥工程の条件は任意であるが、結晶化工程後の生成物、又は洗浄工程後で得られたAFX型ゼオライトを、大気中、100℃以上、150℃以下の条件下で2時間以上処理することが例示できる。乾燥方法として、静置又はスプレードライヤーが例示できる。
SDA除去工程では、例えばSDAの除去を焼成又は分解により行うことができる。
焼成は400℃以上、800℃以下の温度で行う。更には700℃以下の温度で行うことが好ましい。これにより脱アルミニウムの少ないAFX型ゼオライトが得られやすい。具体的な熱処理条件としては、大気中、600℃、1~2時間を挙げることができる。
本発明の製造方法では、必要に応じてアンモニウム処理工程を有していてもよい。
アンモニウム処理工程は、AFX型ゼオライトに含有されるアルカリ金属を除去し、カチオンタイプをアンモニウム型(以下、「NH4
+型」とする。)にするために行う。アンモニウム処理工程は、例えば、アンモニウムイオンを含有する水溶液をAFX型ゼオライトと接触させることで行う。
NH4
+型のAFX型ゼオライトである場合、再度熱処理を行なってもよい。当該熱処理により、カチオンタイプがプロトン型(以下、「H+型」とする。)のAFX型ゼオライトとなる。より具体的な熱処理条件としては、大気中、500℃、1~2時間を挙げることができる。
本発明のAFX型ゼオライトに遷移金属を含有させる場合、本発明の製造方法は、AFX型ゼオライトに遷移金属を含有させる遷移金属含有工程を有していてもよい。
遷移金属含有工程で使用する遷移金属としては、周期表の8族、9族、10族及び11族からなる群の1種以上の遷移金属を含む化合物であることが好ましく、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、銀(Ag)、鉄(Fe)、銅(Cu)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)及びインジウム(In)からなる群の1種以上を含む化合物であることがより好ましく、鉄又は銅の少なくともいずれかを含む化合物であることが更により好ましく、銅を含む化合物であることが好ましい。遷移金属を含む化合物として、これらの遷移金属の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、錯塩、酸化物及び複合酸化物からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
AFX型ゼオライトに遷移金属を含有させる方法としては、例えば、イオン交換法、含浸担持法、蒸発乾固法、沈殿担持法、及び物理混合法からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
本発明のゼオライト製造方法により得られたAFX型ゼオライトは触媒又は吸着剤、並びに、これらの基材の少なくともいずれか、更には高温高湿下に晒される触媒又は吸着剤の少なくともいずれか、並びに、触媒基材又は吸着剤基材の少なくともいずれとして使用することができ、特に触媒又は触媒基材として使用することが好ましい。さらに、本発明のAFX型ゼオライトは、遷移金属を含有させることにより、これを窒素酸化物還元触媒として、特にSCR触媒として使用することができる。さらには、排気ガス温度が高いディーゼル車用のSCR触媒として使用することができる。
本発明のAFX型ゼオライトを含む窒素酸化物還元触媒は、窒素酸化物還元方法に使用することができる。
次に、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(H1-NMR)
AscendTM 400(400MHz、Bruker製)又はUltraShieldTM Plus 400(400MHz、Bruker製)を使用して、試料のH1-NMR測定を行った。測定データは、化学シフト、ピーク多重度、カップリング定数(Hz)、ピーク積分値の順に記載した。
(粉末X線回折)
一般的なX線回折装置(装置名:Ultima IV、RIGAKU製)を使用し、試料のXRD測定を行った。測定条件は以下のとおりである。
線源 : CuKα線(λ=1.5405Å)
測定モード : ステップスキャン
スキャン条件: 毎秒0.01°
発散スリット: 1.00deg
散乱スリット: 1.00deg
受光スリット: 0.30mm
計測時間 : 1.00秒
測定範囲 : 2θ=3.0°~43.0°
得られたXRDのパターンとIZAのStructure Commissionのホーム-ページに掲載されたXRDパターンとを比較することによって、試料の結晶相及びXRDピーク強度比を確認した。
(ケイ素、アルミニウムの定量)
一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(装置名:OPTIMA3300DV、PERKIN ELMER製)を用いて、試料の組成分析を行った。試料をフッ酸と硝酸の混合溶液に溶解させ、測定溶液を調製した。得られた測定溶液を装置に投入して試料の組成を分析した。得られたケイ素(Si)、アルミニウム(Al)のモル濃度から、SiO2/Al2O3を算出した。
(イミダゾリウム塩の合成)
実施例1-1
1-アダマンチルアミン(15.1g,100mmol)及びシクロペンチルアミン(9.9mL,100mmol)の酢酸(25mL,450mmol)懸濁液と、ホルムアルデヒド(35%水溶液,7.8mL,100mmol)及びグリオキサール(40%水溶液,11.4mL,100mmol)の酢酸(25mL,450mmol)溶液をそれぞれ40℃で5分間撹拌した。同温にて、ホルムアルデヒドとグリオキサールの酢酸溶液を1-アダマンチルアミンとシクロペンチルアミンの酢酸懸濁液に加え、さらに15分撹拌した。反応終了後、反応液を水に注ぎいれ有機層をクロロホルムで抽出し、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロペンチルイミダゾリウム=アセタートのクロロホルム溶液を得た。
得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロペンチルイミダゾリウム=アセタートのクロロホルム溶液に飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)を加え、十分撹拌したのち、有機層を分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をアセトンで十分に洗浄したのち乾燥させることにより、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロペンチルイミダゾリウム=クロリド、N,N’-ビス(1-アダマンチル)イミダゾリウム=クロリド及びN,N’-ジシクロペンチルイミダゾリウム=クロリドを含む白色個体(8.21g,収率27%)を得た。当該白色固体はN-(1-アダマンチル)-N’-シクロペンチルイミダゾリウム=クロリドを90mol%含んでいた。
N-(1-アダマンチル)-N’-シクロペンチルイミダゾリウム=クロリドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ11.26(s,1H),7.27(s,1H),7.18(s,1H),5.42(quint,J=7.0Hz,1H),2.53~2.38(m,2H),2.38~2.34(m,2H),2.32(s,3H),2.254(s,3H),2.246(s,3H),1.93~1.80(m,4H),1.79(s,6H)。
実施例1-2
1-アダマンチルアミン(1.51g,10.0mmol)及びシクロヘキシルアミン(1.14mL,10.0mmol)の酢酸(2.50mL,45.0mmol)懸濁液と、ホルムアルデヒド(35%水溶液,0.74mL,10.0mmol)及びグリオキサール(40%水溶液,1.14mL,10.0mmol)の酢酸(2.50mL,45.0mmol)溶液をそれぞれ40℃で5分撹拌して調製した。ホルムアルデヒドとグリオキサールの酢酸溶液を1-アダマンチルアミンとシクロヘキシルアミンの酢酸懸濁液に40℃で加え、さらに10分間撹拌した。反応溶液を水に注ぎいれクロロホルムで抽出し、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘキシルイミダゾリウム=アセタートのクロロホルム溶液を得た。
得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘキシルイミダゾリウム=アセタートのクロロホルム溶液に飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)を加え、十分撹拌したのち、有機層を分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をアセトンで洗浄したのち乾燥させることにより、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘキシルイミダゾリウム=クロリド、N,N’-ビス(1-アダマンチル)イミダゾリウム=クロリド及びN,N’-ジシクロヘキシルイミダゾリウム=クロリドを含む白色固体(2.32g,収率55%)を得た。当該白色固体はN-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘキシルイミダゾリウム=クロリドを68mol%含んでいた。
N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘキシルイミダゾリウム=クロリドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ10.93(s,1H),7.38(s,1H),7.31(s,1H),4.83(t,J=12.0Hz,1H),2.34(s,3H),2.252(s,3H),2.242(s,3H),2.00~1.86(m,2H),1.83(m,4H),1.78(s,6H),1.62~1.43(m,2H),1.36~1.19(m,2H)。
実施例1-3
1-アダマンチルアミン(15.1g,100mmol)及びシクロヘプチルアミン(12.7mL,100mmol)の酢酸(25mL,450mmol)懸濁液と、ホルムアルデヒド(35%水溶液,7.8mL,100mmol)及びグリオキサール(40%水溶液,11.4mL,100mmol)の酢酸(25mL,450mmol)溶液をそれぞれ40℃で5分間撹拌して調製した。ホルムアルデヒドとグリオキサールの酢酸溶液を1-アダマンチルアミンとシクロヘプチルアミンの酢酸懸濁液に40℃で加え、さらに15分撹拌した。反応液を水に注ぎいれクロロホルムで抽出し、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=アセタートのクロロホルム溶液を得た。
得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=アセタートのクロロホルム溶液に飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)を加え、十分撹拌したのち、有機層を分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をアセトンで洗浄したのち乾燥させることにより、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=クロリド、N,N’-ビス(1-アダマンチル)イミダゾリウム=クロリド及びN,N’-ジシクロヘプチルイミダゾリウム=クロリドを含む白色固体(4.67g,収率14%)を得た。当該白色固体はN-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=クロリドを66mol%含んでいた。
N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=クロリドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ11.27(s,1H),7.25(s,1H),7.19(s,1H),5.13(sep,J=4.5Hz,1H),2.31(s,3H),2.24(s,3H),2.23(s,3H),2.22~2.14(m,4H),2.04~1.90(m,4H),1.87~1.58(m,4H),1.78(s,6H)。
実施例1-4
1-アダマンチルアミン(9.08g,60mmol)及びシクロオクチルアミン(8.4mL,60mmol)の酢酸(15mL,270mmol)懸濁液と、ホルムアルデヒド(35%水溶液,5.2mL,60mmol)及びグリオキサール(40%水溶液,6.8mL,60mmol)の酢酸(15mL,270mmol)溶液をそれぞれ40℃で5分間撹拌して調製した。ホルムアルデヒドとグリオキサールの酢酸溶液を1-アダマンチルアミンとシクロオクチルアミンの酢酸懸濁液に40℃で加え、さらに15分撹拌した。反応液を水に注ぎいれクロロホルムで抽出し、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロオクチルイミダゾリウム=アセタートのクロロホルム溶液を得た。
得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロオクチルイミダゾリウム=アセタートのクロロホルム溶液に飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)を加え、十分撹拌したのち、有機層を分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をアセトンで洗浄したのち乾燥させることにより、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロオクチルイミダゾリウム=クロリド、N,N’-ビス(1-アダマンチル)イミダゾリウム=クロリド及びN,N’-ジシクロオクチルイミダゾリウム=クロリドを含む白色固体(4.45g,収率21%)を得た。また、当該白色固体はN-(1-アダマンチル)-N’-シクロオクチルイミダゾリウム=クロリドを54mol%含んでいた。
N-(1-アダマンチル)-N’-シクロオクチルイミダゾリウム=クロリドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ11.24(s,1H),7.20(s,1H),7.17(s,1H),5.31(sep,J=4.7Hz,1H),2.32(s,3H),2.24(s,3H),2.23(s,3H),2.15~1.98(m,4H),1.87~1.58(m,10H),1.78(s,6H)。
実施例1-5
1-アダマンチルアミン(0.76g,5.0mmol)及びexo-2-アミノノルボルナン(0.59mL,5.0mmol)の酢酸(1.25mL)懸濁液と、ホルムアルデヒド(35%水溶液,0.37mL,5.0mmol)及びグリオキサール(40%水溶液,0.57mL,5.0mmol)の酢酸(1.25mL)溶液をそれぞれ40℃で5分撹拌して調製した。ホルムアルデヒドとグリオキサールの酢酸溶液を1-アダマンチルアミンとexo-2-アミノノルボルナンの酢酸懸濁液に40℃で加え、さらに10分間撹拌した。反応溶液を水に注ぎいれクロロホルムで抽出し、N-(1-アダマンチル)-N’-[exo-ノルボルナン-2-イル]イミダゾリウム=アセテートのクロロホルム溶液を得た。
得られたN-(1-アダマンチル)-N’-[exo-ノルボルナン-2-イル]イミダゾリウム=アセテートのクロロホルム溶液に飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)を加え、十分撹拌したのち、有機層を分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をアセトンで洗浄したのち乾燥させることにより、N-(1-アダマンチル)-N’-[exo-ノルボルナン-2-イル]イミダゾリウム=クロリド、N,N’-ビス(1-アダマンチル)イミダゾリウム=クロリド及びN,N’-ジ[exo-ノルボルナン-2-イル]イミダゾリウム=クロリドを含む白色固体(0.10g,収率6%)を得た。また、当該白色固体はN-(1-アダマンチル)-N’-シクロオクチルイミダゾリウム=クロリドを65mol%含んでいた。
N-(1-アダマンチル)-N’-[exo-ノルボルナン-2-イル]イミダゾリウム=クロリドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ11.17(s,1H),7.33(d,J=1.5Hz,1H),7.22(d,J=1.5Hz,1H),4.97(dd,J=4.4,8.6Hz,1H),2.65(s,1H),2.51(s,1H),2.31(s,3H),2.26(s,3H),2.25(s,3H),2.18(m,1H),1.91~1.73(m,1H),1.78(s,6H),1.73~1.63(m,1H),1.63~1.50(m,3H),1.40(m,1H),1.28(m,1H)。
実施例1-6
1-アダマンチルアミン(9.08g,10mmol)及びシクロドデシルアミン(1.83g,10mmol)の酢酸(2.6mL)懸濁液と、ホルムアルデヒド(35%水溶液,0.75mL,10mmol)及びグリオキサール(40%水溶液,1.14mL,10mmol)の酢酸(2.6mL)溶液をそれぞれ40℃で5分間撹拌して調製した。ホルムアルデヒドとグリオキサールの酢酸溶液を1-アダマンチルアミンとシクロドデシルアミンの酢酸懸濁液に40℃で加え、さらに30分撹拌した。反応液を水に注ぎいれクロロホルムで抽出し、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロドデシルイミダゾリウム=アセテートのクロロホルム溶液を得た。
得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロドデシルイミダゾリウム=アセテートのクロロホルム溶液に飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)を加え、十分撹拌したのち、有機層を分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をアセトンで洗浄したのち乾燥させることにより、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロドデシルイミダゾリウム=クロリド、N,N’-ビス(1-アダマンチル)イミダゾリウム=クロリド及びN,N’-ジシクロドデシルイミダゾリウム=クロリドを含む白色固体(2.10g,収率49%)を得た。また、当該白色固体はN-(1-アダマンチル)-N’-シクロドデシルイミダゾリウム=クロリドを44mol%含んでいた。
N-(1-アダマンチル)-N’-シクロドデシルイミダゾリウム=クロリドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ11.17(s,1H),7.31(t,J=1.8Hz,1H),7.21(t,J=1.8Hz,1H),4.99(tt,J=5.5,7.5Hz,1H),2.33(s,3H),2.28(s,3H),2.27(s,3H),2.23~1.98(m,2H),1.93~1.65(m,8H),1.65~1.13(m,18H)。
実施例1-7
1-(1-アダマンチル)イミダゾール(0.202g,1.0mmol)のアセトニトリル(2.0mL)溶液に、メタンスルホン酸シクロペンチル(0.168g,1.0mmol)を加え、24時間加熱還流した。反応後に反応液から減圧下で溶媒を留去したのち、得られた固体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して、クロロホルムで抽出し、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロペンチルイミダゾリウム=メタンスルホナートのクロロホルム溶液を得た。
得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロペンチルイミダゾリウム=メタンスルホナートのクロロホルム溶液に飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)を加え、十分撹拌したのち、有機層を分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をアセトンで洗浄したのち乾燥させることにより、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロペンチルイミダゾリウム=クロリドの白色固体(0.035g、収率12%)を得た。
N-(1-アダマンチル)-N’-シクロペンチルイミダゾリウム=クロリドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ11.26(s,1H),7.27(s,1H),7.18(s,1H),5.42(quint,J=7.0Hz,1H),2.53~2.38(m,2H),2.38~2.34(m,2H),2.32(s,3H),2.254(s,3H),2.246(s,3H),1.93~1.80(m,6H),1.79(s,4H)。
実施例1-8
1-(1-アダマンチル)イミダゾール(202mg,1.0mmol)のクロロベンゼン(2.0mL)溶液に、ブロモシクロヘキサン(120μL,1.0mmol)を加え、24時間加熱還流した。放冷後、反応液から減圧下で溶媒を留去したのち、得られた固体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、有機層から溶媒を留去したのち、得られた固体をアセトンで洗浄して乾燥することにより、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘキシルイミダゾリウム=ブロミドの白色固体(11mg,収率3.3%)を得た。
N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘキシルイミダゾリウム=ブロミドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ11.04(s,1H),7.40(s,1H),7.34(s,1H),4.84(t,J=12.0Hz,1H),2.34(s,3H),2.252(s,3H),2.242(s,3H),2.00~1.86(m,2H),1.83(m,4H),1.78(s,6H),1.62~1.43(m,2H),1.36~1.19(m,2H)。
実施例1-9
1-(1-アダマンチル)イミダゾール(2.09g,10mmol)のアセトニトリル(11mL)溶液に、p-トルエンスルホン酸シクロヘプチル(2.79g,10mmol)を加え、18時間加熱還流した。反応後に反応液から減圧下で溶媒を留去したのち、得られた固体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、有機層から溶媒を留去して、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=p-トルエンスルホナートの黄色固体を得た。
得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=p-トルエンスルホナートのアセトン(22mL)溶液に塩化リチウム(1.33g,31mmol)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応後に反応液から減圧下で溶媒を留去し、クロロホルムで洗浄した後にろ液から減圧下で溶媒を留去し、固体をアセトンで洗浄して、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=クロリドの白色固体(1.09g,収率31%)を得た。
N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=クロリドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ11.27(s,1H),7.25(s,1H),7.19(s,1H),5.13(sep,J=4.5Hz,1H),2.31(s,3H),2.24(s,3H),2.23(s,3H),2.22~2.14(m,4H),2.04~1.90(m,4H),1.87~1.58(m,4H),1.78(s,6H)。
実施例1-10
1-(1-アダマンチル)イミダゾール(12.1g,60mmol)のアセトニトリル(120mL)溶液に、メタンスルホン酸シクロヘプチル(13.8g,72mmol)を加え、15時間加熱還流した。反応後に反応液から減圧下で溶媒を留去したのち、得られた固体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して、クロロホルムで抽出し、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=メタンスルホナートのクロロホルム溶液を得た。
得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=メタンスルホナートのクロロホルム溶液に飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)を加え、十分撹拌したのち、有機層を分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をアセトンで洗浄したのち乾燥させることにより、N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウム=クロリドの白色固体(7.68g,収率38%)を得た。
参考例1-1
1-アダマンチルアミン(9.07g,60mmol)及び酢酸アンモニウム(4.62g,60mmol)の酢酸(15.0mL,270mmol)懸濁液と、ホルムアルデヒド(35%水溶液,4.4mL,60mmol)及びグリオキサール(40%水溶液,6.8mL,60mmol)の酢酸(15.0mL,270mmol)溶液をそれぞれ40℃で5分間撹拌した。ホルムアルデヒドとグリオキサールの酢酸溶液を1-アダマンチルアミンと酢酸アンモニウムの酢酸懸濁液に90℃で加え、さらに5時間撹拌した。反応溶液を水酸化ナトリウム水溶液に氷冷下で注ぎいれ、有機層をクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体を昇華(210℃/0.6mmHg)することにより、1-(1-アダマンチル)イミダゾールの白色固体(1.80g,収率14%)を得た。
1-(1-アダマンチル)イミダゾールのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ7.64(s,1H),7.07(t,J=1.3Hz,1H),7.06(d,J=3.7Hz,1H),2.23(s,3H),2.09(s,3H),2.08(s,3H),1.78(t,J=12.6Hz,3H),1.76(t,J=12.6Hz,3H)。
参考例1-2
シクロヘプタノール(3.9mL,33mmol)とp-トルエンスルホン酸クロリド(5.72g,30mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、氷浴下でトリエチルアミン(4.6mL,33mmol)と1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.34g,3.0mmol)を順次ゆっくりと加えた後、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に氷冷下で注ぎいれ、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、有機層から溶媒を留去して粗生成物とした。これをシリカクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)で精製し、淡黄色油状のp-トルエンスルホン酸シクロヘプチル(5.11g,収率63%)を得た。
p-トルエンスルホン酸シクロヘプチルのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ7.88(d,J=8.1Hz,2H),7.33(d,J=8.1Hz,2H),4.87(tt,J=4.8,7.8Hz,1H),2.44(s,3H),1.93~1.70(m,4H),1.69~1.58(m,2H),1.54~1.45(m,4H),1.42~1.28(m,2H)。
参考例1-3
シクロヘプタノール(11.9mL,100mmol)とトリエチルアミン(16.7mL,120mmol)のジクロロメタン(250mL)溶液に、氷浴下でメタンスルホン酸クロリド(8.12mL,105mmol)をゆっくりと加えた後、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を水に注ぎいれ、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、有機層から溶媒を留去して淡黄色油状のメタンスルホン酸シクロヘプチル(18.9g,収率98%)を得た。
メタンスルホン酸シクロヘプチルのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ4.87(tt,J=4.6,8.0Hz,1H),2.99(s,3H),2.12~1.97(m,2H),1.95~1.82(m,2H),1.77~1.63(m,2H),1.62~1.52(m,4H),1.52~1.38(m,2H)。
(AFX型ゼオライトの合成)
実施例2-1
実施例1-3で得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウムクロリドを含む組成物(N-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウムクロリド含有量=66mol%)、48%NaOH及びアルミノシリケートゲル(SiO2/Al2O3=22.8)を混合し組成物を得た。得られた組成物の組成を示す。
SiO2/Al2O3 = 22.8
OH/SiO2 = 0.15
Na/SiO2 = 0.15
SDA/SiO2 = 0.033
H2O/SiO2 = 40
組成物の種晶含有量が3.0重量%となるように、組成物にAFX型ゼオライトを添加した後、十分に撹拌した。
攪拌後の組成物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で48時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。生成物はAFX型ゼオライトの単一相であり、SiO2/Al2O3は23.3であった。
本実施例のAFX型ゼオライトのXRDパターンを図1に示す。
実施例2-2
以下の組成を有する組成物を使用したこと以外は実施例2-1と同様の方法で生成物を得、これを濾過、洗浄及び乾燥した。
SiO2/Al2O3 = 22.8
OH/SiO2 = 0.20
Na/SiO2 = 0.20
SDA/SiO2 = 0.033
H2O/SiO2 = 40
種晶含有量 = 3.0重量%
生成物はAFX型ゼオライトの単一相であり、SiO2/Al2O3が22.2であった。
実施例2-3
以下の組成を有する組成物を使用したこと以外は実施例2-1と同様の方法で生成物を得、これを濾過、洗浄及び乾燥した。
SiO2/Al2O3 = 22.8
OH/SiO2 = 0.20
Na/SiO2 = 0.20
SDA/SiO2 = 0.066
H2O/SiO2 = 40
種晶含有量 = 3.0重量%
生成物はAFX型ゼオライトの単一相であり、SiO2/Al2O3が22.6であった。
実施例2-4
0.44mol/L硫酸水溶液中で、室温で一晩撹拌処理したY型ゼオライト(商品名:HSZ-350HUA、東ソー製)、水、実施例1-3で得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウムクロリド(含有量=66mol%)及び48%NaOHを混合し、以下の組成を有する組成物を得た。
SiO2/Al2O3 = 24.9
OH/SiO2 = 0.35
Na/SiO2 = 0.35
SDA/SiO2 = 0.066
H2O/SiO2 = 25
組成物の種晶含有量が3.0重量%となるように、組成物にAFX型ゼオライトを添加した後、十分に撹拌した。
得られた組成物を150℃で89時間加熱したこと以外は実施例2-1と同様な方法で生成物を得、これを濾過、洗浄及び乾燥した。
生成物はAFX型ゼオライトの単一相であり、SiO2/Al2O3は17.5であった。
実施例2-5
実施例2-4と同様な方法で処理したY型ゼオライト、水、実施例1-9で得られたN-(1-アダマンチル)-N’-シクロヘプチルイミダゾリウムクロリド(含有量>99mol%)及び48%NaOHを混合し、以下の組成を有する組成物を得た。
SiO2/Al2O3 = 24.9
OH/SiO2 = 0.35
Na/SiO2 = 0.35
SDA/SiO2 = 0.10
H2O/SiO2 = 25
組成物の種晶含有量が3.0重量%となるように、組成物にAFX型ゼオライトを添加した後、十分に撹拌した。
得られた組成物を150℃で90時間加熱したこと以外は実施例2-1と同様な方法で生成物を得、これを濾過、洗浄及び乾燥した。
生成物はAFX型ゼオライトの単一相であり、SiO2/Al2O3は17.8であった。