JP7040091B2 - インクセット、印刷方法、及び印刷装置 - Google Patents
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Description
本発明のインクセットは、水性インク、及び非水性インクを有する。水性インク、及び非水性インクは、それぞれ1種類であっても複数種類であってもよい。
水性インクは、水、有機溶剤、顔料、及び樹脂粒子を含有し、必要に応じて界面活性剤などを含有する。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。水の含有量としては、水性インク全量に対して、15質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上40質量%以下がより好ましい。含有量が、15質量%以上であると、高粘度になることを防止し、吐出安定性を向上できる
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、顔料として、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤として、竹本油脂社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
顔料分散体に対し、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
本願の水性インクは、樹脂粒子を含む。樹脂粒子はバインダーとして機能し、且つ水分蒸発に伴ってインク膜を造膜するので、加熱を必要としない室温下においても顔料を記録媒体に定着させることができる。
樹脂粒子としては、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。樹脂粒子としては、特に制限はないが、例えば、ポリエステル樹脂粒子;ポリウレタン樹脂粒子;エポキシ樹脂粒子;ポリアミド樹脂粒子;ポリエーテル樹脂粒子;アクリル樹脂粒子;アクリル-シリコーン樹脂粒子;フッ素系樹脂等の縮合系合成樹脂粒子;ポリオレフィン樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂粒子、ポリビニルアルコール系樹脂粒子、ポリビニルエステル系樹脂粒子、ポリアクリル酸系樹脂粒子、不飽和カルボン酸系樹脂等の付加系合成樹脂粒子;セルロース類、ロジン類、天然ゴム等の天然高分子などが挙げられる。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
樹脂粒子を水性媒体中に分散させるにあたり、分散剤を利用した強制乳化型のものを用いることもできるが、塗膜に分散剤が残ることで強度が下がることを防止できる点から、分子構造中にアニオン性基を有する、いわゆる自己乳化型の樹脂粒子が好適である。
自己乳化型の樹脂粒子のアニオン性基の酸価としては、水分散性、耐擦性、及び耐薬品性の点から、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/mg以上50mgKOH/mg以下がより好ましい。
アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基などが挙げられる。これらの中でも、良好な水分散安定性を維持する点から、一部又は全部が塩基性化合物等によって中和されたカルボキシレート基やスルホネート基が好ましい。アニオン性基を樹脂中に導入するには、アニオン性基を持ったモノマーを使用すればよい。
アニオン性基を有する樹脂粒子の水分散体を製造する方法としては、例えば、水分散体にアニオン性基の中和に使用できる塩基性化合物を添加する方法などが挙げられる。塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミン;モノエタノールアミン等のアルカノールアミン;Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
強制乳化型の樹脂粒子を用いて水分散体を製造する方法としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等の界面活性剤を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐水性の点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水性インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、FS-31、FS-3100、FS-34、FS-35(いずれも、Chemours社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-136A,PF-156A、PF-151N、PF-154、PF-159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS-3100、FS-34、FS-300、株式会社ネオス製のFT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF-151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
水性インクの粘度としては、記録媒体に印刷した場合の文字品位等の画像品質の点から、25℃にて、2mPa・s以上が好ましく、3mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。粘度が、2mPa・s以上であると、吐出安定性を向上できる。
水性インクの製造方法としては、例えば、水、有機溶剤、樹脂粒子、及び必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、適宜撹拌混合して製造することができる。撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
非水性インクは、可塑剤を含有し、必要に応じて粘度調整剤等の他の成分を含有する。非水性インクとは、インク組成物中に実質的に水を含まないインク組成物を意味し、インク組成物中に含む水の含有量がインク組成物の総量に対し、1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
可塑剤とは、樹脂に添加されることで樹脂のガラス転移温度(Tg)を低下させる効果を有する化合物である。本願では、樹脂粒子を含む水性インクにより形成されるインク膜中に非水性インク中の可塑剤を含有させることで、インク中の樹脂粒子由来であるインク膜中の樹脂のガラス転移温度(Tg)を低下させる。これにより、可塑剤を含むインク膜が形成され、可塑剤の可塑効果によりインク膜が軟化することで記録媒体の動きに対するインク膜の追従性が向上し、印刷された画像部の摩擦堅牢性が向上する。なお、本願のように、水性インクではなく非水性インクに可塑剤を含有させて水性インクと接触させることで、両インク間における過度な混和を抑制することができ、それに伴い、顔料を含む水性インクのにじみを抑制することができる。
また、可塑剤は、水性インクに含まれる樹脂粒子を構成する樹脂のTgを室温(25℃)以下に低下させる機能を有することが好ましい。具体的には、記録媒体の同一の場所に付与される水性インクと非水性インクにおいて、その水性インク中に含まれる樹脂粒子の含有量とその非水性インク中に含まれる可塑剤の含有量の質量比をPとした場合に、水性インクに含まれる樹脂粒子を構成する樹脂と非水性インクに含まれる可塑剤とを質量比Pで混合した混合物のTgが室温(25℃)以下であることが好ましい。なお、可塑剤を用いて上記樹脂のTgを室温(25℃)以下にする方法としては、非水性インク中の可塑剤の含有量を調整する方法、可塑剤の種類を選択する方法等が挙げられるが、特に限定されない。
可塑剤としては、例えば、エステル類、アミド類、エーテル類、アルコール類、ラクトン類、及びポリエチレンオキシ類などの化合物が挙げられる。これらの中でも、エステル化合物を用いることが好ましい。可塑剤は、1種類で使用してもよく、2種類以上の可塑剤を用いてもよい。
エステル化合物としては、モノカルボン酸エステル、ジカルボン酸エステル、トリカルボン酸エステル、及びリン酸エステル等のいずれを用いても良いが、ジカルボン酸エステル、トリカルボン酸エステル、及びリン酸エステルが好ましい。可塑剤は、水性インクが記録媒体に付与されることで形成されるインク膜の、配列している樹脂分子間に入り込み、樹脂分子同士の分子間距離を長くし、インク膜の柔軟性を向上させる効果を発揮していると考えられる。そのため、エステル化合物の中でも、ジカルボン酸エステル、トリカルボン酸エステル、及びリン酸エステルなどのように、直鎖状で長い構造を有し、且つ空間的に嵩高い構造を有するものが好ましい。しかし、このような構造を有する可塑剤は水溶性が低く、水溶性の媒体に対して多量に含有させることは困難である。そのため、非水性インクではなく水性の媒体に可塑剤を含有させて用いたとしても、樹脂を十分に可塑化することができず、その結果として摩擦堅牢性を高めることが困難となる場合があるため、非水性インク中に含有させることが好ましい。
ジカルボン酸エステルとしては、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、ポリエステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、コハク酸エステル、などが挙げられる。
トリカルボン酸エステルとしては、例えば、トリメット酸エステル、クエン酸エステルなどが挙げられる。
リン酸エステルとしては、例えば、一般式OP(OR)(OR’)(OR”)で表されるものが挙げられる。一般式中、R、R’、R”は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、及びアリール基から選ばれるものを表し、これらは更にハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、フッ素原子など)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(炭素数1以上40以下、好ましくは1以上20以下)、シアノ基、アリールオキシ基(炭素数6以上10以下)、アルキル基(炭素数1以上40以下、好ましくは1以上20以下)、アルケニル基(炭素数1以上40以下)、アルコキシカルボニル基(炭素数2以上42以下)で置換されていてもよい。なお、R、R’、R”は全て同一の置換基でもよく、全て異なる置換基、あるいはいずれか2つは同一で1つのみ異なる置換基でもよい。
また、記録媒体の単位面積あたりにおいて付与される水性インクに含まれる樹脂粒子の量a及び非水性インクに含まれる可塑剤の量bの質量比(a/b)は、10.3/1以上4.6/1以下であることが好ましい。
粘度調整剤としては、特に限定はされないが、非水性インクとして均一な溶液または分散液を実現する液体である。また、非水性インクは、インクジェットヘッドで吐出が可能となるようにするため、粘度が25℃にて、2mPa・s以上が好ましく、3mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましいため、非水性インクがこの粘度範囲となるように粘度調整剤の種類、非水性インク中に占める含有量が適宜選択される。粘度調整剤の種類としては、例えば、上記の水性インクにおいて説明した有機溶剤などが挙げられる。
非水性インクの製造方法としては、例えば、可塑剤、粘度調整剤、必要に応じて、その他の成分を分散又は溶解し、適宜撹拌混合して製造することができる。撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
本発明のインクセットは、インクジェット印刷方式による各種印刷装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本願において、印刷装置、印刷方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて印刷を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この印刷装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
印刷装置、印刷方法は、加熱工程に用いる加熱手段を有しても良い。
また、印刷装置、印刷方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、印刷装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
印刷装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。印刷装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。非水性インク(X)、シアンの水性インク(C)、マゼンタの水性インク(M)、イエローの水性インク(Y)を収容するメインタンク410(410x、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容容器の一態様であるインク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各インク用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各インク用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
記録媒体としては、繊維構造を有する基材であることが好ましい。繊維構造を有する基材としては、例えば織物、編み物(メリヤス生地)、レース、フェルト、又は不織布等である。また、繊維構造を構成する繊維は、例えば、綿の繊維、合成繊維、これらの混紡である。記録媒体は、合成繊維を含むことが好ましく、合成繊維としては、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂を含有する繊維であることがより好ましい。本願であれば、上記の通り、加熱処理を行わずに印刷を行うことができるので、記録媒体として合成繊維を用いたとしても生地が変性し風合いが損なわれることがないためである。
-ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンの作製例-
温度計、窒素ガス導入管、撹拌器を備えた窒素置換された容器中で、ポリエーテルポリオール(「PTMG1000」三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)100.2質量部、2,2―ジメチロールプロピオン酸15.7質量部、イソホロンジイソシアネート48.0質量部、有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1質量部、及び触媒としてジブチルスズジレウレート(以下、「DMTDL」とも称することがある)0.06質量部を使用し反応させた。反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7質量部を供給し、更に反応を継続した。反応物の平均分子量が20,000以上60,000以下の範囲に達した時点で、メタノール1.4質量部を投入し、反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48質量%水酸化カリウム水溶液を13.4質量部加えることによりウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、次いで、水715.3質量部を加え十分に撹拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分濃度30質量%のポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョン(ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子分散体)を得た。
得られたポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンについて、造膜温度試験装置(株式会社井元製作所製)を用いて最低造膜温度を測定したところ43℃であった。
-ブラック顔料分散液の調製例-
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してブラック顔料分散液を得た。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製) 15質量部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA-51-B、竹本油脂株式会社製) 2質量部
・イオン交換水 83質量部
-水性インク1の調製例-
ブラック顔料分散液20質量%、ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョン(固形分濃度:30質量%)36.33質量%、1,2-プロパンジオール20質量%、1,2-ブタンジオール2質量%、2,3-ブタンジオール2質量%、2-メチル-2,4-ペンタンジオール2質量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル1質量%、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド(商品名:エクアミドM-100、出光興産株式会社製)3質量%、防腐剤(商品名:プロキセルLV、アビシア株式会社製)0.1質量%、界面活性剤(アルコールエトキシレート界面活性剤、商品名:ソフタノールEP-5035、株式会社日本触媒製)0.01質量%、及び高純水13.56質量%を混合撹拌し、平均孔径0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより水性インク1を作製した。
ブラック顔料分散液20質量%、1,2-プロパンジオール20質量%、1,2-ブタンジオール2質量%、2,3-ブタンジオール2質量%、2-メチル-2,4-ペンタンジオール2質量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル1質量%、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド(商品名:エクアミドM-100、出光興産株式会社製)3質量%、防腐剤(商品名:プロキセルLV、アビシア株式会社製)0.1質量%、界面活性剤(アルコールエトキシレート界面活性剤、商品名:ソフタノールEP-5035、株式会社日本触媒製)0.01質量%、及び高純水49.89質量%を混合撹拌し、平均孔径0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより水性インク2を作製した。この水性インク2は、樹脂粒子であるポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンを含まない点が水性インク1と異なる。
ブラック顔料分散液20質量%、ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョン(固形分濃度:30質量%)36.33質量%、1,2-プロパンジオール20質量%、1,2-ブタンジオール2質量%、2,3-ブタンジオール2質量%、2-メチル-2,4-ペンタンジオール2質量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル1質量%、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド(商品名:エクアミドM-100、出光興産株式会社製)3質量%、防腐剤(商品名:プロキセルLV、アビシア株式会社製)0.1質量%、界面活性剤(アルコールエトキシレート界面活性剤、商品名:ソフタノールEP-5035、株式会社日本触媒製)0.01質量%、ステアリン酸アマイド(商品名:アマイドAP-1、日本化成株式会社製)10質量%、及び高純水3.56質量%を混合撹拌し、平均孔径0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより水性インク3を作製した。この水性インク3は、可塑剤であるステアリン酸アマイドを含む点が水性インク1と異なる。
ステアリン酸アマイド(商品名:アマイドAP-1、日本化成株式会社製)10質量%、1,2-プロパンジオール50質量%、高純水40質量%を攪拌混合して均一な溶液とし、水性インク4を作製した。
-非水性インク1の調製例-
ステアリン酸アマイド(商品名:アマイドAP-1、日本化成株式会社製)10質量%、1,2-プロパンジオール90質量%を攪拌混合して均一な溶液とし、非水性インク1を作製した。
非水性インク1の作製において用いたステアリン酸アマイドの代わりに、ステアリン酸2-エチルヘキシル(商品名:ユニスターMB876、日油株式会社製)を用いた以外は、非水性インク1と同様にして、非水性インク2を得た。
非水性インク1の作製において用いたステアリン酸アマイドの代わりに、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)(田岡化学工業株式会社製)を用いた以外は、非水性インク1と同様にして、非水性インク3を得た。
非水性インク1の作製において用いたステアリン酸アマイドの代わりに、トリメリット酸トリス(2-エチルヘキシル)(株式会社ジェイ・プラス製)を用いた以外は、非水性インク1と同様にして、非水性インク4を得た。
非水性インク1の作製において用いたステアリン酸アマイドの代わりに、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート(大八化学工業株式会社製)を用いた以外は、非水性インク1と同様にして、非水性インク5を得た。
1,2-プロパンジオールのみからなる液体を非水性インク6とした。
水性インク1及び非水性インク1を組み合わせたインクセットを作製し、水性インク1及び非水性インク1をそれぞれインクジェットプリンタ(商品名:IPSiO GXe5500、株式会社リコー製)のインク収容容器に充填して印刷を行った。記録媒体としては、ポリウレタンとポリエステルを16:84の割合で交編して作製された合成繊維(株式会社色染社製)を用い、210mm×297mmの長方形にカットし、プリンタで搬送させて印刷を行った。画像としてはブラックのベタ画像(200mm×200mmの正方形)を出力した。この際、初めに水性インクのみを記録媒体に付与し、その後すぐに(乾燥工程を経ずに)、水性インクで形成された画像上に重なるように非水性インクのみを付与した。印刷後、水性インク1及び非水性インク1が付与された記録媒体を80℃の乾燥機に1時間入れて乾燥させることで印刷物を得た。なお、記録媒体をプリンタで搬送しやすくするために、カットした記録媒体の裏側に記録媒体と同サイズのコピー用紙(商品名:タイプSA(ハクリ紙)A4,株式会社リコー製)を貼って印刷を行っており、このコピー用紙を印刷後に剥がしてから乾燥させた。
なお、記録媒体の単位面積(1cm四方の正方形)あたりにおいて付与される水性インク1及び非水性インク1それぞれの質量は、水性インク1及び非水性インク1の合計含有量に対して、90質量%、10質量%であった。
実施例1において、インクセットにおける水性インク及び非水性インクの組み合わせを下記表1に示すように変更し、且つ記録媒体に付与される水性インク及び非水性インクそれぞれの質量を下記表1に示すように変更して、実施例2~8、比較例1~4の印刷物を作製した。なお、表1における各数字の単位は「質量%」である。
作製した印刷物を24時間放置し、その後、測色計(商品名:分光測色濃度計 X-Rite939、X-Rite社製)を用い、印刷された画像中の任意な5箇所において光学濃度(ブラック)を測定し、その平均値に関し、以下の基準で評価した。評価がC以上である場合を実用可能であると判断した。
-評価基準-
A:光学濃度(ブラック)が1.5以上
B:光学濃度(ブラック)が1.3以上1.5未満
C:光学濃度(ブラック)が1.0以上1.3未満
D:光学濃度(ブラック)が1.0未満
作製した印刷物を24時間放置した前後において、印刷された画像の端部を目視で観察することで、記録媒体の白地部分に対して染み出した画像部の染み出し距離を測定し、以下の基準で評価した。評価がC以上である場合を実用可能であると判断した。
-評価基準-
A:ほとんどにじみが見られない
B:1mm未満のにじみが見られる
C:1mm以上3mm未満のにじみが見られる
D:3mm以上のにじみが見られる
作製した印刷物を24時間放置し、JISL0849-II型に従い摩擦堅牢度を評価した。使用した摩擦布は綿布(カナキン3号)であり、摩擦は摩擦試験装置(商品名:AR-2 染色摩擦堅牢度試験機、INTEC株式会社製)を用いた。摩擦後、綿布への色移り部分のうち、色移りの濃度が濃い箇所を0.5mm四方で5箇所目視判定し、測色計(商品名:分光測色濃度計 X-Rite939、X-Rite社製)で測色し、その光学濃度(ブラック)の平均値で色の移り度合い、すなわち摩擦堅牢度を評価した。評価がC以上である場合を実用可能であると判断した。
-評価基準-
A:摩擦後の綿布における色移りの光学濃度(ブラック)が0.15未満
B:摩擦後の綿布における色移りの光学濃度(ブラック)が0.15以上0.30未満
C:摩擦後の綿布における色移りの光学濃度(ブラック)が0.30以上0.50未満
D:摩擦後の綿布における色移りの光学濃度(ブラック)が0.50以上
実施例2は、エステル化合物であるモノカルボン酸エステルを含む可塑剤を用いており、実施例1に比べると可塑効果が高く、摩擦堅牢度が向上している。
実施例3~5は、それぞれ、エステル化合物であるジカルボン酸エステル、トリカルボン酸エステル、リン酸エステルを含む可塑剤を用いており、樹脂に対する可塑効果が良好に働くことで記録媒体に対する追従性を高めているため、いずれも画像濃度が高く、にじみもない上、摩擦堅牢度も実施例2より優れている。
実施例6は、実施例3のインクセットを用いており、且つ印刷時の水性インクと非水性インクの割合を変えて非水性インクの割合を増加させた例である。この例によれば、非水性インクの量をある程度増加させても画像濃度、にじみ、摩擦堅牢度の高ランクを維持することができる。
実施例7は、実施例3のインクセットを用いており、且つ印刷時の水性インクと非水性インクの付与量の割合を変えて非水性インクの付与量の割合を減少させた例である。この例によれば、可塑効果がやや弱まり、実用可能な範囲ではあるものの、実施例1~6に比べて摩擦堅牢度がやや劣る。
実施例8は、実施例6よりも非水性インクの付与量の割合を増加させた例である。この例によれば、非水性インクの付与量の割合がやや多くなり、インク膜中に可塑剤が含有しきれなくなることで、実用可能な範囲ではあるものの、実施例1~6に比べて画像濃度とにじみがやや劣る。また、画像上に油分が存在することで、色移りが生じやすくなり、実用可能な範囲ではあるものの実施例3~6に比べて摩擦堅牢度がやや劣る。
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410x、410c、410m、410y 非水性インク(X)、シアンの水性インク(C)、マゼンタの水性インク(M)、イエローの水性インク(Y)をそれぞれ収容するメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
Claims (9)
- 水、有機溶剤、顔料、及び樹脂粒子を含有する水性インクと、可塑剤を含有する非水性インクと、を有し、
前記可塑剤は、エステル化合物であり、
前記エステル化合物は、ジカルボン酸エステル、トリカルボン酸エステル、及びリン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種類であるインクセット。 - 請求項1に記載の水性インク及び非水性インクが互いに重なるように、前記水性インク及び前記非水性インクをそれぞれ独立して記録媒体に付与する付与工程を有する印刷方法。
- 前記付与工程において、前記記録媒体の単位面積あたりにおいて付与される前記水性インクの量A及び前記非水性インクの量Bの質量比(A/B)は、4/1以上9/1以下である請求項2に記載の印刷方法。
- 前記付与工程において、前記記録媒体の単位面積あたりにおいて付与される前記水性インクに含まれる前記樹脂粒子の量a及び前記非水性インクに含まれる前記可塑剤の量bの質量比(a/b)は、4.6/1以上10.3/1以下である請求項2又は3に記載の印刷方法。
- 前記記録媒体は、合成繊維を含む請求項2乃至4のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 前記合成繊維は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂を含有する繊維である請求項5に記載の印刷方法。
- 前記印刷方法は、前記付与工程後の前記記録媒体を加熱する加熱工程を有さない請求項2乃至6のいずれか一項に記載の印刷方法。
- 請求項1に記載の水性インク及び非水性インクをそれぞれ独立して収容する収容容器と、
前記水性インク及び前記非水性インクが互いに重なるように、前記水性インク及び前記非水性インクをそれぞれ独立して記録媒体に付与する付与手段を有する印刷装置。 - 前記印刷装置は、前記水性インク及び前記非水性インクが付与された前記記録媒体を加熱する加熱手段を有さない請求項8に記載の印刷装置。
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