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JP2000303361A - インク受容繊維布 - Google Patents

インク受容繊維布

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Publication number
JP2000303361A
JP2000303361A JP11107051A JP10705199A JP2000303361A JP 2000303361 A JP2000303361 A JP 2000303361A JP 11107051 A JP11107051 A JP 11107051A JP 10705199 A JP10705199 A JP 10705199A JP 2000303361 A JP2000303361 A JP 2000303361A
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JP
Japan
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ink
fiber cloth
ink receiving
acrylic resin
receiving layer
Prior art date
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Application number
JP11107051A
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English (en)
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JP2000303361A5 (ja
JP4219478B2 (ja
Inventor
Kazuaki Nishimura
一晃 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
General Co Ltd
Gen Co Ltd
Original Assignee
General Co Ltd
Gen Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
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Priority to JP10705199A priority Critical patent/JP4219478B2/ja
Publication of JP2000303361A publication Critical patent/JP2000303361A/ja
Publication of JP2000303361A5 publication Critical patent/JP2000303361A5/ja
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  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟で繊維布の持つ風合いを損なうことな
く、かつ折り曲げなどによってインク受容層が簡単には
く落するおそれがない上、印刷時に、インク中のとくに
着色剤が速やかに定着されるために、鮮明かつ高画質
で、なおかつ耐水性にもすぐれた印刷を得ることがで
き、しかも難燃性にもすぐれたインク受容繊維布を提供
する。 【解決手段】 繊維布に、カチオン性アクリル系樹脂、
造膜性を有するアクリル系樹脂、吸水性多孔質体、およ
び可塑剤を含有するインク受容組成物を含浸させてイン
ク受容層を形成するとともに、難燃剤によって難燃化処
理した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、とくにインクジェ
ット記録に好適に使用されるインク受容繊維布に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近時、水性インクを微小液滴化して紙な
どの記録媒体の表面に吹き付けることで、当該表面に、
上記水性インクによる微小なドットを形成して印刷を行
う、いわゆるインクジェット記録方式を利用したプリン
タ、プロッタなどの記録装置が、カラー化が容易でかつ
低騒音であるなどの理由で、一般用、業務用を問わず広
く普及しつつあり、それに適した記録紙やOHPシート
などの記録媒体の研究開発も盛んに行われている。
【0003】インクジェット記録に使用される記録媒体
には通常、下記のような特性が求められる。 (a) 水性インクの吸収容量が大きいこと。 (b) 水性インクの吸収時間が短いこと。 (c) ドットの光学濃度が高く、ドット周辺がぼやけない
こと。
【0004】(d) ドット形状が真円に近く、その輪郭が
凹凸状でないこと。 このような要望を満たす記録媒体としては、たとえば紙
などのシート状の基材の表面に、上記の各特性を考慮し
た種々の成分を含有するインク受容層を形成したものが
一般的である。たとえば特開平7−17129号公報に
は、基材上に、ポリビニルアルコール、ポリアルキレン
オキサイドおよび親水性アクリル樹脂を含有するインク
受容層を設けた記録媒体が開示されている。
【0005】また特開平7−149040号公報には、
ポリビニルピロリドンと、塩基性の(メタ)アクリル酸
エステル共重合体とを含有するインク受容層を備えた記
録媒体が開示されている。さらに特開平7−25702
3号公報には、水溶性ビニル系ポリマー、(メタ)アク
リル系ポリマーおよび水溶性セルロースを含有するイン
ク受容層を備えた記録媒体が開示されている。
【0006】これらのインク受容層は通常、シート状の
基材の表面に、上記の各成分を含有するインク受容組成
物の水溶液を塗布して乾燥させる、いわゆるコート法に
よって形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近時、基材として織布
や不織布などの繊維布を用いて、その特有の風合いを活
かしつつ、とくにインクジェット記録方法にて、カラー
の図形や文字などを繊維布の表面に印刷することが要望
されている。そこで繊維布を基材として、その表面に、
従来同様にコート法によって、前記従来のインク受容層
を層状に積層、形成して、インク受容性を付与すること
が検討されているが、このようにして得られるインク受
容繊維布は、表面に積層されたインク受容層が樹脂にて
構成され、比較的剛直であるために、その全体が剛直な
ものになって、繊維布特有の柔らかな風合いが損なわれ
てしまうという問題がある。
【0008】また上記インク受容層は、繊維布との接着
強度が十分でなく、かつ比較的もろいために、折り曲げ
を繰り返すと、層を構成する組成物が繊維布から簡単に
はく落してしまうという問題もある。さらに、前述した
従来のインク受容層はいずれも、インク中のとくに着色
剤を、より短時間で確実に定着させることができないた
めに印刷がぼやけてしまって、具体的には、インクがド
ットの周囲に広がって、ドットの光学濃度が低下したり
ドットの周囲がぼやけたりするだけでなく、とくにフル
カラー印刷などの多色印刷では、色の異なるインク同士
が混ざり合ってしまうために、鮮明で高画質な印刷が得
られなかったり、あるいは耐水性が十分でないために繊
維布を水洗いなどすると印刷がにじんでしまったりする
といった問題もある。
【0009】また近時、インクジェット記録方法による
印刷の簡便性を利用して、たとえば見本市会場内などの
ブースの仕切りや、会場内に吊り下げる垂れ幕といった
大きなサイズのものへの応用が、インク受容繊維布の重
要な用途の一つとして注目されているが、前述した従来
の構成では、とくに消防法で定める、こういった会場内
での構造物などに要求される難燃性の基準を満足できな
いという問題もある。
【0010】本発明の目的は、柔軟で繊維布の持つ風合
いを損なうことなく、かつ折り曲げなどによってインク
受容層が簡単にはく落するおそれがない上、印刷時に、
インク中のとくに着色剤が速やかに定着されるために、
鮮明かつ高画質で、なおかつ耐水性にもすぐれた印刷を
得ることができ、しかも難燃性にもすぐれた新規なイン
ク受容繊維布を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明のインク受容繊維布は、(1) 繊維布と、(2)
この繊維布の少なくとも表面に、カチオン性アクリル系
樹脂、造膜性を有するアクリル系樹脂、吸水性多孔質体
および可塑剤を含有するインク受容組成物にて形成され
たインク受容層とを備えるとともに、難燃剤によって難
燃化処理されたことを特徴とするものである。
【0012】一般に、インクジェット記録方式などの各
種印刷に使用される水性インクには、着色剤としてアニ
オン系のものが使用されている。したがって、カチオン
性アクリル系樹脂を含有するインク受容層を有する本発
明のインク受容繊維布によれば、印刷されたインク中の
アニオン系着色剤が、インク受容層においてカチオン性
アクリル系樹脂と結合して固定化されるために印刷の耐
水性が向上し、水洗いなどしても印刷がにじむのを防止
することができる。
【0013】また、上記アニオン系着色剤とカチオン性
アクリル系樹脂との反応は、両者が接触すると同時にほ
ぼ瞬時に行われるため、着色剤は、印刷とほとんど同時
に定着される。このため、インク中の着色剤がドットの
周囲に広がることが防止される結果、ドットの光学濃度
が低くなったり、ドット周辺がぼやけたりしない上、隣
り合うドットの、色の違う着色剤が混ざり合ったりもし
ないために、鮮明でかつ高画質の印刷が得られる。
【0014】なおカチオン性アクリル系樹脂は造膜性が
低く、単独では耐久性が不十分になるおそれがあるの
で、本発明においてはインク受容層に、造膜性を有する
アクリル系樹脂を併用している。かかる造膜性を有する
アクリル系樹脂は、同じアクリル系樹脂であるカチオン
性アクリル系樹脂との相溶性にすぐれる上、その名のと
おり造膜性にもすぐれるため、上記の併用により、イン
ク受容層の耐久性が向上する。
【0015】さらに吸水性多孔質体は、インクの、とく
に着色剤以外の成分を、インク受容層で素早く吸収し
て、インクの広がりを防止する機能を有する。しかし、
カチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有するアクリル系
樹脂および吸水性多孔質体だけではインク受容層の剛直
性は改善されず、繊維布のもつ風合いを損なわせる。ま
たインク受容層の、繊維布に対する接着強度も改善され
ない。
【0016】そこで本発明では、インク受容層に、上記
の各成分に加えて可塑剤を含有させており、得られるイ
ンク受容繊維布は、剛直とならずに自然の風合いを残し
た柔軟性を有するものとなる。しかも本発明のインク受
容繊維布は、前記のように難燃剤によって難燃化処理さ
れているため、たとえば見本市会場内での構造物などに
要求される難燃性の基準を満足することもできる。
【0017】なお上記のインク受容層は、インク受容組
成物の液を繊維布に含浸させて、つまり液を、繊維布を
構成する繊維内や、あるいは繊維間の細かな隙間まで十
分に浸透させて形成するのが好ましい。このようにする
と、得られるインク受容繊維布はより一層、自然の風合
いを残した柔軟性を有するものとなる上、インク受容層
の、繊維布に対する接着強度も向上する。
【0018】また難燃剤による難燃化処理は、インク受
容層が形成された繊維布に、難燃剤を含む液を含浸させ
て行うのが好ましい。このようにすると繊維布内、なら
びに当該繊維布の織り目に沿って複雑に入り組んで形成
されたインク受容層の隅々までほぼ均一に、難燃剤によ
って難燃化処理できるため、インク受容繊維布はより一
層、良好な難燃性を有するものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。本発
明のインク受容繊維布は、前記のように(1) 繊維布と、
(2) この繊維布の少なくとも表面に、カチオン性アクリ
ル系樹脂、造膜性を有するアクリル系樹脂、吸水性多孔
質体および可塑剤を含有するインク受容組成物にて形成
されたインク受容層とを備えるとともに、難燃剤によっ
て難燃化処理されたものである。
【0020】このうち繊維布としては、たとえば木綿、
レーヨン、アセテート、アクリル、ナイロン、絹、羊
毛、ポリエステルなどの各種繊維から作られる織布また
は不織布(羊毛フェルトを含む)があげられる。不織布
としては、乾式法および湿式法のいずれの方法でつくら
れたものも使用可能である。繊維布の厚みはとくに限定
されないが、プリンタを通すことを考慮すると50μm
〜3mm程度、とくに50〜500μm程度であるのが
好ましい。
【0021】インク受容層を構成するインク受容組成物
は、上記のようにカチオン性アクリル系樹脂、造膜性を
有するアクリル系樹脂、吸水性多孔質体および可塑剤を
含有する。このうちカチオン性アクリル系樹脂として
は、カチオン性基を有するモノマーを用いたアクリル系
の単独重合体または共重合体があげられる。
【0022】カチオン性基を有するモノマーとしては、
たとえばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルア
クリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メ
チルエチルアミノメチルアクリレート、メチルエチルア
ミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノスチレン、
メチルエチルアミノスチレンなどの、側鎖に1〜3級ア
ミノ基を有するモノマーや、さらにその4級アンモニウ
ム塩などがあげられる。
【0023】また、カチオン性基を有しない他のモノマ
ーとしては、たとえばC1〜C6アルキルアクリレート、
1〜C6アルキルメタクリレート、スチレンなどから適
宜選択することができる。また、インク受容層のインク
吸収性を高めるために、ヒドロキシル基を有するモノマ
ーを使用してもよい。上記カチオン性アクリル系樹脂の
具体例としては、たとえば水性エマルションの状態で供
給される、ダイセル化学工業(株)製の商品名セビアン
3754(カチオン性のアクリル酸エステル共重合樹脂
エマルション、固形分濃度30重量%)などがあげられ
る。
【0024】造膜性を有するアクリル系樹脂としては、
前述したようにカチオン性アクリル系樹脂との相溶性に
すぐれるとともに、インク受容層の造膜性と耐久性(よ
り詳しくはインク受容層の機械的な強度や安定性、耐水
性など)とを向上しうるものが好ましい。かかる造膜性
を有するアクリル系樹脂としては、たとえばポリアクリ
ルアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタ
クリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアク
リレート、ポリスチレン−2−アクリロニトリル、アク
リロニトリル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル
−塩化ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共
重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、
アクリロニトリル−ビニルピリジン共重合体、アクリロ
ニトリル−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニト
リル−アクリル酸ブチル共重合体などがあげられる。
【0025】また、アクリル酸エステルやメタクリル酸
エステルのモノマーないしオリゴマーを、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂と反応させるこ
とによって得られる熱硬化性アクリル樹脂も、造膜性を
有するアクリル系樹脂として好適に使用することができ
る。ただし本発明においては、インク受容層の安定性お
よび柔軟性を確保する上で、上記造膜性を有するアクリ
ル系樹脂として、自己架橋型のアクリル系樹脂が最も好
適に使用される。自己架橋型のアクリル系樹脂とは、そ
のポリマー中またはその末端に自己架橋性の反応基を有
するものであって、その具体例としては、たとえば水性
エマルションの状態で供給される、日本NSC(株)製
の商品名ヨドゾールA−4100(自己架橋型のアクリ
ル系共重合樹脂エマルション、固形分濃度60重量%)
などがあげられる。
【0026】カチオン性アクリル系樹脂Cと造膜性を有
するアクリル系樹脂Fとの割合はこれに限定されない
が、重量比でおよそC/F=8/2〜2/8程度、とく
にC/F=7/3〜4/6程度であるのが好ましい。こ
の割合は、両アクリル系樹脂として上記のように水性エ
マルジョンの状態で供給されるものを使用する場合は、
水を除いた固形分同士の割合である。
【0027】吸水性多孔質体としては、たとえばシリ
カ、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、
塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレイ、ハイドロサ
ルファイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛な
どの無機系充てん剤があげられる。かかる吸水性多孔質
体の配合量は、インク受容層の総量に対しておよそ40
〜80重量%程度、とくに50〜70重量%程度である
のが好ましい。
【0028】可塑剤としては、前記のようにインク受容
層に十分な柔軟性を付与し、かつ当該インク受容層の、
繊維布に対する接着強度を向上する機能を有するととも
に、均一なインク受容層を形成するために、上記カチオ
ン性アクリル系樹脂や造膜性を有するアクリル系樹脂と
の相溶性にすぐれるものが、いずれも好適に使用され
る。
【0029】上記の各特性を満たす好適な可塑剤として
は、これに限定されないが、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、フタル酸などの二塩基性酸と、グリコ
ール、一価アルコールなどとのポリマーであるポリエス
テル系の可塑剤、たとえばアジピン酸−プロピレングリ
コール系ポリマー、アジピン酸−1,3−ブチレングリ
コール系ポリマーなどがあげられる。その重量平均分子
量は、800〜10,000程度が適当である。
【0030】上記ポリエステル系可塑剤の具体例として
は、たとえば三洋化成(株)製の商品名EB−200な
どがあげられる。可塑剤の配合量は、カチオン性アクリ
ル系樹脂と造膜性を有するアクリル系樹脂との総量10
0重量部に対しておよそ10〜70重量部程度、とくに
30〜60重量部程度であるのが好ましい。
【0031】インク受容層には、必要に応じて、上記の
各成分にさらに、インク受容層用として公知の種々の添
加剤を含有させてもよい。かかる添加剤としては、たと
えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリレートな
どの有機系充てん剤、各種界面活性剤、着色剤固定剤
(耐水化剤)、消泡剤、酸化防止剤、蛍光漂白剤、紫外
線吸収剤、分散剤、粘度調整剤、pH調整剤などがあげ
られる。
【0032】インク受容層は、前述したように繊維布
に、上記の各成分を含有するインク受容組成物の液を含
浸させて形成するのが好ましい。インク受容組成物の液
を調製するために使用される溶剤としては、安全性や環
境に及ぼす影響などを考慮すると水性溶剤が好適であ
る。水性溶剤としてはたとえば水の他、水と水溶性有機
溶剤との混合溶剤が使用可能であるが、とくに取り扱い
の容易さから水単独、または水とメタノール、エタノー
ル、ブタノールなどの低級アルコールとの混合溶剤を使
用するのが好ましい。
【0033】水性溶剤の配合量は、インク受容組成物の
液を繊維布に含浸させるために採用される方法などに応
じて、詳しくはその方法に適した液の粘度や液の乾燥条
件などに応じて適宜、調整すればよい。繊維布に対する
インク受容組成物の液の含浸量は、繊維布100重量部
に対する液中の固形分量で表して5〜50重量部程度、
とくに10〜30重量部程度であるのが好ましい。
【0034】含浸量が上記の範囲未満ではインク受容層
が連続した膜とならないために、鮮明でかつ高画質で、
しかも耐水性にすぐれた印刷が得られないおそれがあ
る。一方、含浸量が上記の範囲を超えた場合には、液の
乾燥に時間がかかりすぎてインク受容層が変色したり、
作業効率が低下したりするおそれがある。インク受容層
が形成されたインク受容繊維布を難燃化処理するための
難燃剤としては、たとえばハロゲン系、リン系および無
機物系の、従来公知の種々の難燃剤がいずれも使用可能
である。
【0035】ただし、難燃剤による難燃化処理を前記の
ように含浸法にて行う場合は、液を調製するために使用
される溶剤として、前記と同様の水性溶剤、とくに水
が、安全性や環境に及ぼす影響などの観点から好適に使
用されるため、当該水などの水性溶剤に良好に溶解また
は分散しうる難燃剤を選択して使用するのがよい。かか
る難燃剤としては、たとえばホスホノカルボン酸アミド
誘導体、有機リン窒素化合物、有機リンハロゲン化合
物、リン・ハロゲン化合物、リンおよびスルフォアミド
系化合物複合体、環状ハロゲン系複合体、アルキルリン
酸エステル誘導体、アミノ樹脂リン酸塩、含ハロゲンス
ルフォアミド系化合物、グアニルスルフォアミド系化合
物、含ハロゲン窒素系化合物、含硫黄窒素化合物、有機
リン酸系窒素ハロゲン化合物、および有機含ハロゲンリ
ン酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種が
好適に使用される。
【0036】繊維布に対する、難燃剤を含む液の含浸量
は、繊維布100重量部に対する液中の難燃剤量で表し
て1〜50重量部程度、とくに30〜40重量部程度で
あるのが好ましい。含浸量が上記の範囲未満では、イン
ク受容繊維布の難燃性が不十分になるおそれがある。一
方、含浸量が上記の範囲を超えた場合には、過剰の難燃
剤が、インク受容層の印字品質に影響を及ぼすおそれが
ある。
【0037】難燃剤を含む液には、当該難燃剤を定着さ
せるための樹脂や、前述した各種の添加剤などを添加す
ることも考えられるが、これらの成分を含まなくても難
燃剤は、上記の含浸処理によって繊維布およびインク受
容層に良好に定着される。したがって、繊維布の柔らか
な風合いを維持しつつ、上記の含浸量を確保して十分な
難燃性を付与することや、インク受容層の印字品質に影
響を及ぼさないことなどを併せ考慮すると、難燃剤を含
む液には樹脂などの他の成分をできるだけ添加しないの
が好ましい。
【0038】つぎに、上記本発明のインク受容繊維布を
製造する方法について、その一例を示す図1を参照して
説明する。図にみるようにこの例の製造方法では、まず
繊維布1を、図中矢印で示すように、その原反のロール
R1から連続的に繰り出しながら、まずインク受容組成
物の液2に連続的に浸漬して、当該液2を含浸させたの
ち、一対のロール3を備えたロール絞り機で絞って、液
2の含浸量が前記の好適な範囲となるように調整する。
【0039】つぎに、乾燥機4を通して液を乾燥させて
インク受容層を形成したのち、今度は難燃剤を含む液5
に連続的に浸漬して、当該液5を含浸させる。そして、
一対のロール6を備えたロール絞り機で絞って、難燃剤
を含む液5の含浸量が前記の好適な範囲となるように調
整したのち、乾燥機7を通して液を乾燥させて、先にイ
ンク受容層を形成した繊維布を難燃化処理してインク受
容繊維布1を得、それを製品のロールR2に捲きとって
一連の作業が終了する。
【0040】かかる製造方法によれば、本発明のインク
受容繊維布を連続的に、効率よく生産することができ
る。なお乾燥は、たとえば熱風乾燥の他、熱ドラムなど
を用いて強制乾燥してもよく、場合によっては自然乾燥
させてもよい。また、インク受容繊維布の表面の平滑度
や風合いなどを高めるために、必要に応じて、マシンカ
レンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフ
トカレンダーなどの装置を用いて、製造後のインク受容
繊維布をカレンダー処理ないしスーパーカレンダー処理
してもよい。
【0041】図の例では繊維布に、インク受容組成物の
液と難燃剤を含む液とを、連続的に含浸させて、インク
受容層の形成と難燃化処理とを連続的に行っていたが、
先にインク受容組成物の液に含浸させてインク受容層を
形成した繊維布を一旦、たとえばロール状に捲きとって
ストックしておき、ついでそれを、難燃剤を含む液に含
浸させて難燃化処理を行うようにしてもよい。
【0042】上記本発明のインク受容繊維布に印刷を行
うには、たとえば熱転写、PPC、ペンプロッタ、イン
クジェット等の種々の方式の記録装置が利用できる。そ
のいずれにおいても、とくに着色剤としてアニオン系着
色剤を使用することにより、前述したようにインク定着
層およびインク受容層中に含まれるカチオン性アクリル
系樹脂の作用によって、鮮明でかつ高画質で、しかも耐
水性にもすぐれた印刷が可能となる。
【0043】但し、これまで説明してきたように、イン
クジェット記録装置などを用いて水性インクによって印
刷を行うのが最適である。上記水性インクは、水性溶剤
中に、アニオン系着色剤を配合することで製造される。
水性溶剤としては、前記と同様に水の他、水と水溶性有
機溶剤との混合溶剤が使用可能であり、とくに取り扱い
の容易さから水単独、または水とメタノール、エタノー
ル、ブタノールなどの低級アルコールとの混合溶剤が好
適に使用される。
【0044】また、たとえば黒色のインクに用いられる
アニオン系着色剤としては、ニグロシン、C.I.ソル
ベントブラック3、C.I.ソルベントブラック5、
C.I.ソルベントブラック7、C.I.ソルベントブ
ラック22、C.I.ソルベントブラック23などの染
料があげられる。また、前述したフルカラー印刷用の各
色のインクに用いられるアニオン系着色剤としては、た
とえばC.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベ
ントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.
I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー
55、C.I.ソルベントブルー73などのシアン染
料;C.I.ソルベントレッド3、C.I.ソルベント
レッド8、C.I.ソルベントレッド24、C.I.ソ
ルベントレッド25、C.I.ソルベントレッド49、
C.I.ソルベントレッド81、C.I.ソルベントレ
ッド82、C.I.ソルベントレッド83、C.I.ソ
ルベントレッド84、C.I.ソルベントレッド10
9、C.I.ソルベントレッド121などのマゼンダ染
料;C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベン
トイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.
I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエ
ロー19、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.
ソルベントイエロー80などのイエロー染料などがあげ
られる。
【0045】着色剤の添加量は、インク総量に対して1
〜30重量%程度、とくに3〜12重量%程度が好まし
い。上記の水性インクを用いて印刷を行うインクジェッ
ト記録装置としては、ノズルから、水性インクの微小液
滴を、印刷データに応じて断続的に吐出させて、インク
受容層の表面に印刷を行う、いわゆるオン・ディマンド
型のものと、ノズルから連続的に放出される水性インク
の微小液滴に、印刷データに応じて選択的に電荷または
磁場をかけて、所定の液滴のみをインク受容層の表面に
飛ばして印刷を行うコンティニュアス型ものとがある
が、本発明ではこのいずれを使用してもよい。
【0046】またオン・ディマンド型のインクジェット
記録装置には、(1) プリンタヘッドのノズル内に設けた
ヒータでインクを加熱して微小な気泡を発生させること
によって、ノズルの先端から一定量のインクを吐出させ
る、いわゆるバブルジェット方式のものや、(2) 上記ノ
ズルの一部を温度変化によって変形する部材で構成し
て、当該部材をヒータで加熱して変形させることによっ
て、同様にノズルの先端から一定量のインクを吐出させ
る、いわゆるサーマルインクジェット方式のもの、ある
いは(3) ピエゾ素子の変形を利用して、ノズルの先端か
ら一定量のインクを吐出させる、いわゆるマッハジェッ
ト方式のものなどがあるが、本発明ではこのいずれを使
用しても構わない。
【0047】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1 綿織布を、下記組成のインク受容組成物の液に連続的に
浸漬し、ついで一対のロール(マングル)を備えたロー
ル絞り機を用いて、その含浸量が、綿織布100重量部
に対して固形分量で表して20重量部になるように連続
的に絞ったのち、熱風乾燥機にて140℃で乾燥させて
インク受容層を形成した。 〈インク受容組成物の液〉 (成 分) (重量部) ・自己架橋型のアクリル系共重合樹脂エマルジョン 10.0 [日本NSC(株)製の商品名ヨドゾールA−4100、固形分60%] ・カチオン性のアクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン 10.0 [ダイセル化学工業(株)製のセビアン3754、固形分30%] ・合成シリカ 10.0 [富士シリシア(株)製のサイリシア350] ・消泡剤 0.2 [旭電化(株)製のアデカノール748A] ・ポリエステル系可塑剤 3.0 [三洋化成(株)製のEB−200] ・メタノール 6.4 ・純水 95.0 つぎに、上記のインク受容層が形成された綿織布を、下
記組成の難燃剤を含む液に連続的に浸漬し、ついで一対
のロール(マングル)を備えたロール絞り機を用いて、
その含浸量が、綿織布100重量部に対する難燃剤の量
で表して30重量部になるように連続的に絞ったのち、
熱風乾燥機にて140℃で乾燥させて難燃化処理してイ
ンク受容繊維布を製造した。
【0048】このものは柔軟性を有し、含浸前の元の綿
織布とほぼ同様な自然の風合いを有していた。 比較例1 実施例1でインク受容層が形成された綿織布を、難燃化
処理せずに比較例1のインク受容繊維布賭した。
【0049】このものは柔軟性を有し、含浸前の元の綿
織布とほぼ同様な自然の風合いを有していた。 比較例2 インク受容組成物の液として、下記組成のものを用いた
こと以外は実施例1と同様にしてインク受容層を形成
し、ついで実施例1と同様にして難燃化処理を施してイ
ンク受容繊維布を製造した。
【0050】このものは剛直であり、綿織布のもつ本来
の風合いが失われていた。 (組 成) (重量部) ・ポリビニルアルコール 3.0 [信越化学(株)製のSMR−10H] ・カチオン性のアクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン 10.0 [ダイセル化学工業(株)製のセビアン3754、固形分30%] ・合成シリカ 10.0 [富士シリシア(株)製のサイリシア350] ・純水 77.0 (評価試験) [I] 印刷試験 実施例1および比較例1、2で得られた各インク受容繊
維布の表面に、バブルジェット方式のインクジェットプ
リンタ[キャノン(株)製のBJC420J]を用い
て、印刷の解像度を360dpiに設定して、水性イン
クによる印刷を行った。
【0051】使用した水性インクは、アニオン性染料
(スペシャルブラック7984、バイエル社製)を超純
水に溶解して、染料濃度が3重量%になるように調整し
たものである。そして各インク受容繊維布上に記録され
た印刷について、下記の評価を行った。 (1) 印刷品位評価 印刷を目視にて確認して、下記の基準で印刷品位を評価
した。
【0052】 ◎:鮮明な印刷がえられた。印刷品位きわめて良好。 ○:印刷に、わずかに不鮮明な部分があったが印刷品位
良好。 ×:印刷が不鮮明であった。印刷品位不良。 (2) 耐水性評価 印刷から10秒経過したインク受容繊維布を水中に浸漬
した状態で、手で揉んで水洗いした際に、インクが流れ
るか否かを確認して、下記の基準で耐水性を評価した。
【0053】 ◎:インクは全く流れなかった。耐水性きわめて良好。 ○:インクが少し流れ、印刷にわずかなにじみが認めら
れたが耐水性良好。 ×:インクが流れて印刷が判読できなくなった。耐水性
不良。 (3) 柔軟性評価 印刷から10秒経過したインク受容繊維布について、黒
色の紙の上で180°の折り曲げを10回繰り返したの
ち、インク受容繊維布から紙の上に落下したインク受容
層、インク定着層の組成物の粉末があるかないか、イン
ク受容繊維布上の印刷に影響(印刷の欠けなど)がある
かないかを調べた。そして下記の基準で柔軟性を評価し
た。
【0054】◎:粉末の落下は確認されず、かつ印刷に
も影響はなかった。柔軟性きわめて良好。 ○:粉末の落下が確認されたが印刷には影響なく、柔軟
性良好。 ×:粉末の落下が確認され、しかも印刷にも影響があっ
た。柔軟性不良。 [II]難燃性試験 日本工業規格JIS L−1091「繊維製品の燃焼性
試験方法」所載のA−1法(45°ミクロバーナー法)
により、各インク受容布の難燃性を試験した。そして下
記の基準で難燃性を評価した。
【0055】○:炎に触れている間は燃えるか、または
焦げるが、炎を遠ざけるとすぐに消える。難燃性良好。 ×:炎に触れている間、燃えるか焦げるかする上に、炎
を遠ざけてもすぐに消えない。難燃性不良。 これらの試験結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1より、実施例1のインク受容繊維布は
インクが速やかに定着し、印刷品位や耐水性に優れた印
刷を得ることができる上、綿織布の本来の風合いが残
り、かつ柔軟性を有するとともに、インク受容組成物
の、綿織布との接着性にも優れて折、しかも高い難燃性
をも有していることが判った。また、綿織布に代えて綿
不織布を用いて、上記実施例1、比較例1、2と同様の
試験を行ったところ、やはり上記と同様の結果が得られ
た。
【0058】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
柔軟で繊維布の持つ風合いを損なうことなく、かつ折り
曲げなどによってインク受容層が簡単にはく落するおそ
れがない上、印刷時に、インク中のとくに着色剤が速や
かに定着されるために、鮮明かつ高画質で、なおかつ耐
水性にもすぐれた印刷を得ることができ、しかも難燃性
にもすぐれたインク受容繊維布を提供できるという特有
の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク受容繊維布を製造する方法の一
例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インク受容繊維布 2 インク受容組成物の液 5 難燃剤を含む液 10 繊維布

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) 繊維布と、 (2) この繊維布の少なくとも表面に、カチオン性アクリ
    ル系樹脂、造膜性を有するアクリル系樹脂、吸水性多孔
    質体および可塑剤を含有するインク受容組成物にて形成
    されたインク受容層とを備えるとともに、難燃剤によっ
    て難燃化処理されたことを特徴とするインク受容繊維
    布。
  2. 【請求項2】インク受容層が、繊維布に、インク受容組
    成物の液を含浸させて形成されている請求項1記載のイ
    ンク受容繊維布。
  3. 【請求項3】インク受容層が形成された繊維布に、難燃
    剤を含む液を含浸させて難燃化処理されている請求項1
    記載のインク受容繊維布。
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