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JP6992691B2 - 銅とニッケル及び/又はコバルトとを分離する方法 - Google Patents

銅とニッケル及び/又はコバルトとを分離する方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば廃リチウムイオン電池等の、銅と、ニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金から、銅と、ニッケル及び/コバルトとを分離する方法に関する。
電気自動車やハイブリット自動車等の車両及び携帯電話やスマートフォン、パソコン等の電子機器には、軽量で大出力であるという特徴を有するリチウムイオン電池(以下「LIB」とも称する)が搭載されている。
LIBは、アルミニウムや鉄等の金属製あるいは塩化ビニル等のプラスチック製の外装缶の内部に、銅箔を負極集電体に用いて表面に黒鉛等の負極活物質を固着させた負極材と、アルミニウム箔からなる正極集電体にニッケル酸リチウムやコバルト酸リチウム等の正極活物質を固着させた正極材とを、ポリプロピレンの多孔質樹脂フィルム等からなるセパレータと共に装入し、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)等の電解質を含んだ有機溶媒を電解液として含浸させた構造を有する。
LIBは、上記のような車両や電子機器等の中に組み込まれて使用されると、やがて自動車や電子機器等の劣化あるいはLIBの寿命等で使用できなくなり、廃リチウムイオン電池(廃LIB)となる。また、廃LIBは、最初から製造工程内で不良品として発生することもある。
これらの廃LIBには、ニッケルやコバルト、銅等の有価成分が含まれており、資源の有効活用のためにも、それら有価成分を回収して再利用することが望まれる。
一般に、金属で作られた装置、部材、材料から有価成分を効率よく回収しようとする場合、炉等に投入して高温下で全て熔解し、有価物のメタルと廃棄処分等するスラグとに分離する乾式製錬の技術を用いた乾式処理が簡易であると考えられる。
例えば特許文献1には、乾式処理を用いて有価金属の回収を行う方法が開示されている。この特許文献1に開示の方法を廃LIBから有価金属を回収する方法に適用することで、ニッケルやコバルトを含む銅合金を得ることができる。
乾式処理は、高温に加熱するためのエネルギーを要するという課題はあるものの、様々な不純物を簡単な工程で処理して一括して分離できるという利点がある。また、得られるスラグは、化学的に比較的安定な性状であるため、環境問題を引き起こす懸念がなく、廃棄処分しやすいという利点もある。
しかしながら、乾式処理により廃LIBを処理した場合、一部の有価成分、特にコバルトの殆どがスラグに分配され、コバルトの回収ロスとなることが避けられないという問題がある。また、乾式処理で得られるメタルは、有価成分が共存した「合金」であり、再利用するためには、その合金から成分ごとに分離し、不純物を除去する精製が必要となる。
乾式法で一般的に用いられてきた元素分離の方法として、高温の熔融状態から徐冷することによって、例えば銅と鉛との分離や鉛と亜鉛との分離を行う方法がある。しかしながら、廃LIBのように銅とニッケルが主な成分である場合、銅とニッケルは全組成範囲で均一熔融する性質を有するため、徐冷しても銅とニッケルとが層状に混合固化するのみで、それらを効果的に分離することができない。
さらに、一酸化炭素(CO)ガスを用いてニッケルを不均化反応させ、銅やコバルトから揮発させて分離する精製方法もある。ところが、猛毒性のCOガスを用いるため、安全性の確保が難しい。
また、工業的に行われてきた銅とニッケルとを分離する方法として、混合マット(硫化物)を粗分離する方法がある。この方法は、製錬プロセスにて銅とニッケルを含むマットを生成させ、これを上述の場合と同様に徐冷することによって、銅を多く含む硫化物とニッケルを多く含む硫化物とに分離するというものである。しかしながら、この方法でも銅とニッケルとの分離は粗分離程度に留まるため、純度の高いニッケルや銅を得るためには、別途電解精製等の処理が必要になる。
その他の方法として、例えば特許文献2に開示されているように、塩化物を経て蒸気圧差を利用する方法も検討されてきたが、有毒な塩素を大量に取り扱うプロセスとなるため、装置腐食対策や安全対策等で工業的に適した方法とは言い難い。
また、銅とコバルトの分離、コバルトとニッケルの分離に関しても同様である。
このように、湿式法と比較して、乾式法による各元素の分離精製は、粗分離レベルに留まるか、あるいは高コストという欠点を有している。
一方で、酸による浸出処理や、中和処理、溶媒抽出処理等の方法を用いる湿式処理では、消費するエネルギーが少なく、混在する有価成分を個々に分離し、直接高純度な品位で回収できるというメリットがある。しかしながら、湿式処理を用いて廃LIBを処理する場合、廃LIBに含まれる電解液成分の六フッ化リン酸アニオンは、高温、高濃度の硫酸でも完全に分解されない難処理物であり、有価成分を浸出した酸溶液に混入することになる。さらに、その六フッ化リン酸アニオンは、水溶性の炭酸エステルであることから、有価物を回収した後の水溶液からリンやフッ素を回収することも困難で、排水処理によって公共海域等に放出することを抑制し難くなるという問題がある。
また、酸のみで廃LIBから有価成分を効率的に浸出して精製に供することができる溶液を得ることは容易でない。廃LIBそのものは浸出し難くいため、有価成分の浸出率を向上させるため酸化力の強い酸を用いる等して強引に浸出処理を施すと、有価成分と共に回収の対象でないアルミニウムや鉄、マンガン等の成分までもが大量に浸出され、これらを処理するための中和剤添加量や取り扱う排水量が増加したりするという問題がある。
さらに、酸性の浸出液から溶媒抽出やイオン交換等の分離処理を施すために、溶液のpHを調整したり、不純物を中和して澱物に固定したりする場合、中和澱物の発生量も増加するため、処理場所の確保や安定性の確保等の面で多くの問題がある。
またさらに、廃LIBには電荷が残留していることがあり、そのまま処理しようとすると発熱や爆発等を引き起こす恐れがある。そのため、塩水に浸漬して放電する等の手間の掛かる処置も必要となる。
このように湿式処理だけを用いて廃LIBを処理することも、必ずしも有利な方法とは言えない。
そこで、上述した乾式処理単独や湿式処理単独では処理が困難な廃LIBを、乾式処理と湿式処理とを組み合わせた方法、つまり廃LIBを焙焼する等して乾式処理により不純物をできるだけ除去して均一な廃LIB処理物を生成させた後、その処理物を湿式処理して有価成分とそれ以外の成分とに分離しようとする試みが行われている。
この乾式処理と湿式処理とを組み合わせた方法では、電解液のフッ素やリンは乾式処理によって揮発する等して除去され、廃LIBの構造部品であるプラスチックやセパレータ等の有機物による部材は分解される。しかしながら、上述のように、乾式処理を経ることによって、廃LIBに含まれるコバルトがスラグに分配されるため、それにより生じる回収ロスの問題は依然として残る。
乾式処理における雰囲気や、温度、還元度等を調整することで、コバルトをメタルとして分配させ、スラグへの分配を減じるように還元熔融する方法も考えられる。ところが、今度はそのような方法で得られるメタルは、銅をベースとしてニッケル及びコバルトを含有する難溶性の耐蝕合金を形成してしまい、有価成分を分離して回収するために酸で溶解しようにも溶解が難しくなるという問題が生じてしまう。
また、例えば塩素ガスを用いて上述した耐蝕合金を酸溶解しても、得られる溶解液(浸出液)は高濃度の銅と、比較的低濃度のニッケルやコバルトとを含有するようになる。その中で、ニッケルとコバルトは、溶媒抽出等の公知の方法を用いて分離することはそれほど難しくはない。しかしながら、大量の銅をニッケルやコバルトと容易かつ低コストに分離することは容易ではない。
以上のように、有価成分である銅と、ニッケルやコバルト、その他の様々な回収対象でない成分を含有する廃LIBから、効率的に、銅、ニッケル、コバルトだけを分離することは難しかった。
なお、上述した問題点は、廃LIB以外の銅、ニッケル、コバルトを含む廃電池から、それら金属を分離する場合においても同様に存在し、また、廃電池以外に由来する銅とニッケルとコバルトとを含む合金から、それら金属を分離する場合も同様に存在する。
特開2012-172169号公報 特開昭63-259033号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、銅とニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金から、銅とニッケル及び/又はコバルトとを効率的に分離する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、銅とニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金をアノードに用い、電解処理によってそのアノードから金属イオンを電解液中に溶出させ、そのとき、電解液に硫黄粉末を添加して電解処理を行うことによって、銅とニッケル及び/又はコバルトとを選択的に有効に分離できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、合金から、銅と、ニッケル及び/又はコバルトとを分離する方法であって、銅と、ニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金をアノードとして用い、電解処理によって該アノードから金属イオンを電解液中に溶出させるに際し、該電解液に硫黄粉末を添加して行う、分離方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記電解液への前記硫黄粉末の添加量は、前記電解処理において供給する電流量から算出される銅イオンの理論溶出量に対して1~3当量(S-mol/Cu-mol)の範囲である、分離方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記電解液は、硫酸酸性溶液である、分離方法である。
本発明によれば、銅とニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金から、銅とニッケル及び/又はコバルトとを効率的に分離することができる。
そして、その合金から分離されたニッケル及び/又はコバルトを含む電解液は、鉄等の不純物成分を除去した後、そのまま電池材料の原液として利用することができ、その他、公知の方法によってニッケルとコバルトとを分離し、それぞれ有効に高純度なニッケルやコバルトのメタルや塩類として再利用することができる。さらに、合金から分離された銅は、銅製錬に適した硫化物の形態であることから、そのまま銅製錬の転炉等に投入し電解精製等の手段に付すことができ、これにより高純度な銅を回収することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、本明細書にて、「X~Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
本実施の形態に係る分離方法は、銅と、ニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金(合金材料)から、銅と、ニッケル及び/又はコバルトとを分離する方法である。
分離の処理対象である、銅とニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金材料としては、例えば、自動車や電気機器等の劣化による廃棄やリチウムイオン電池の寿命に伴い発生したリチウムイオン電池のスクラップ(廃リチウムイオン電池)等の廃電池(製造過程にて生成した不良品等も含む)を加熱熔融し還元して得られる合金が挙げられる。また、廃リチウムイオン電池以外の銅、ニッケル、コバルトを含む廃電池や、電池以外の銅とニッケルとコバルトとを含む合金についても、処理対象の合金として用いることができる。このような、例えば廃リチウムイオン電池等の廃電池を乾式処理して得られる合金は、難溶性の耐食性に富む銅合金である。なお、上述した合金について、その他の金属や樹脂等を適宜加えることを排除するものではなく、その場合には他の金属や樹脂を含めて合金と称する。
具体的に、本実施の形態に係る分離方法は、銅とニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金をアノードとして用い、電解処理によってそのアノードから金属イオンを電解液中に溶出させる方法であり、そして、その電解処理に際して、電解液に硫黄粉末を添加して行うことを特徴としている。
銅とニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金は、上述したように、硫酸等の酸性溶液に溶け難い合金であるが、そのような合金をアノードに用いて電解することで、合金に含まれる金属がイオンの形態で溶出(電解溶出)する。そしてこのとき、硫酸酸性溶液等の電解液に、硫黄粉末(単体硫黄:S)を添加して電解液中に硫黄粉末が懸濁した状態で通電することによって、合金に含まれている銅の大部分を選択的に硫化銅として固定することができる。一方で、合金に含まれているニッケル及び/又はコバルトは、電解処理により電解液中に金属イオンとして溶出するため、電解処理後に固液分離することで、銅と、ニッケル及び/又はコバルトとを、効率的に分離することができる。
また、電解液中に存在させた硫黄により硫化銅として固定化されずに一部が銅イオン(Cu2+)として電解液中に溶出した場合、電解処理を継続することで、その銅イオンを、ニッケルイオン(Ni2+)やコバルトイオン(Co2+)よりも優先的に、カソード電極(例えばチタン板)上に電析させることができる。このような点からも、銅と、ニッケル/及びコバルトとを有効に分離することができる。
[電解処理について]
本実施の形態に係る分離方法では、上述したように、銅とニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金(以下、単に「合金」ともいう)をアノード(金属アノード)として用いる。分離処理の対象である合金は、例えば、廃リチウムイオン電池を加熱熔融し還元して得られる合金が挙げられ、その合金を板状に鋳造することでアノード板を構成する。
カソードとしては、特に限定されず、例えば、チタン、ステンレス、白金、チタンに白金めっきしたもの、チタンと白金をクラッドしたもの等を板状に構成したものを用いることができる。
電解処理においては、所定の電解槽内に、合金から構成されるアノードとカソードとが対向するように配置し、その電解槽内に電解液を装入する。その後、電極間に電流を供給する。電解液としては、硫酸酸性の電解液を用いることができる。
このような電解処理によれば、合金により構成されるアノードから、電解に伴って、金属イオンが電解液中に溶出されるようになる。そして、このとき、本実施の形態においては、電解液に硫黄粉末(単体硫黄:S)を添加し、硫黄粉末の共存下において電解処理を施すことを特徴としている。
[電解処理による電極での反応]
具体的に、銅とニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金から構成されるアノードを用いて電解処理を施し、その際、硫酸酸性の電解液に粉末硫黄を添加して電流を流すことで、合金表面の銅が、共存させた硫黄粉末に基づいて硫化物として固定されるようになる。これにより、電解液中への銅イオン(Cu2+)としての溶出を抑制することができ、その合金から、ニッケル及び/又はコバルトをイオンの形態で選択的に溶出させることができる。
より具体的に、この電解処理により生じる反応を下記式に示す。すなわち、下記式に示すように、合金により構成されたアノードの側では、アノードを構成する合金の表面の銅メタルと電解液中に存在させた粉末硫黄とが接触することで、硫化銅が生成する反応が生じる(式1)。また、合金に含まれるニッケルやコバルト、あるいは銅の一部は、電子を失って電解液中にイオンとして溶出する(式2-1~式2-3)。
(アノード側)
Cu+S → CuS ・・・(式1)
Ni-2e → Ni2+ ・・・(式2-1)
Co-2e → Co2+ ・・・(式2-2)
Cu-2e → Cu2+ ・・・(式2-3)
一方で、カソード側では、硫酸酸性の電解液の硫酸由来である水素イオンが電子を受け取って水素ガスとなる酸消費反応が生じる(式3)。また、電解液中に溶出した一部の銅イオン(Cu2+)が電子を受け取り、銅粉として析出する反応(式4)が生じる。溶出した一部の銅イオンは、カソード電極(例えばチタン板)上に、ニッケルイオン(Ni2+)やコバルトイオン(Co2+)よりも優先的に電析する。
(カソード側)
2H+2e → H ・・・(式3)
Cu2++2e → Cu ・・・(式4)
このように、本実施の形態においては、合金から構成されるアノードを用いた電解処理を、電解液中に硫黄粉末を添加して共存させた状態で行うようにしていることから、合金に含まれる銅を硫化銅として固定し、一方で、ニッケル及び/又はコバルトをイオンの形態で電解液中に選択的に溶出させ、銅と、ニッケル及び/又はコバルトとの分離することができる。また、電解液中に溶出した一部の銅イオンについても、電解処理によってニッケルイオンやコバルトイオンよりも優先的にカソード上に電析されることから、有効に分離することができ、電解液中に含まれる銅イオンをほとんど無くすことができる。
[添加する硫黄粉末について]
電解処理において電解液中に添加する硫黄粉末(単体硫黄:S)は、単斜晶系や斜方晶系等の結晶質の粉末や不定形の粉末など、特に制限なく使用することができる。
また、硫黄粉末の粒径についても、特に制限されないが、1μm~45μmの範囲の粒径のものを用いることが好ましい。粒径の調整は、硫黄粉末を乳鉢等により解砕することによって行うことができる。なお、硫黄粉末は、品位(硫黄品位)が高い方が好ましく、例えば硫黄品位99%以上のものがより好ましい。
硫黄粉末の電解液への添加量としては、電解処理において供給する電流量から算出される銅イオンの理論溶出量(モル量)に対して1当量~3当量(S-mol/Cu-mol)の範囲が好ましく、1.2当量~3当量の範囲がより好ましく、1.5当量~2.8当量の範囲がさらに好ましい。硫黄粉末の添加量が、銅イオンの理論溶出量に対して1当量以上であることにより、銅を硫化銅としてより効果的に固定することができ、電解液中への銅イオンの溶出を抑制することができる。なお、銅イオンの理論溶出量に対して3当量を超える硫黄粉末を添加すると、それ以上に銅の固定化は促進されず、電解液中に硫黄粉末が残存して、電解処理後の固液分離における分離効率が低下する可能性がある。
上述したように、本実施の形態に係る分離方法では、共存させた硫黄粉末により銅を硫化銅として固定化することができるとともに、電解液中に溶出した一部の銅イオンも、優先的にカソード上に銅粉として電析させることができるため、電解液中には銅イオンをほとんど無くすことができる。したがって、電解処理後に、電解液中に含まれる銅イオンと、ニッケルイオン及び/又はコバルトイオンとを、脱銅設備等を用いた脱銅処理等の別途の処理を行うことを要せず、それら処理を行う負荷を有効に低減することができる。
なお、電解処理後に固液分離して回収した電解液から、微量に含まれる銅イオンを脱銅処理により除去する操作を排除するものではなく、適宜そのような脱銅処理を行ってもよい。具体的に、電解液に残存する銅イオンを除去する方法(脱銅処理の方法)としては、硫化剤の添加により硫化処理や、別途の電解処理、中和剤の添加による中和処理等を行い、電解液に含まれる銅を沈澱物として回収する方法が挙げられる。
以上のように、本実施の形態に係る分離方法では、銅とニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金を金属アノードとして電解溶出するに際して、硫黄粉末を添加して電解処理することにより、合金に含まれる銅を固形物(硫化銅及び銅粉)として回収し、その固形物と、ニッケル及び/又はコバルトを含有する電解液(浸出液)とに効率よく分離することができる。
回収される銅の固形物である硫化銅や銅粉は、例えば、そのまま既存の銅製錬の処理工程の原料として銅製錬の転炉等に装入することでアノードに構成することができる。そして、そのアノードを用いて電解精製することにより、高純度な銅を得ることができる。
また、電解液に浸出されたニッケルやコバルトは、適宜、鉄等の不純物を除去した後、そのまま電池材料の原液として使用することができる。また、既存のニッケル製錬の処理工程に提供し、溶媒抽出等の手段を用いてニッケルとコバルトとを分離し、電解採取することによってニッケルメタルやコバルトメタルを得ることができる。また、ニッケル塩やコバルト塩として精製し、再度リチウムイオン電池を含む電池原料としてリサイクルすることもできる。
以下に、本発明についての実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(試験条件)
廃リチウムイオン電池を加熱熔融して還元する乾式処理に付して、銅とニッケル及びコバルトとを含有する合金の熔湯を得て、これを板状(電極板状)に鋳造した。下記表1に、得られた合金の一部を切り出してICP分析装置を用いて分析した結果(アノード合金成分の品位)を示す。
Figure 0006992691000001
次に、得られた合金(板状に鋳造したもの)をアノードとして、下記表2に示す条件にて電解溶出試験(試験例1~3)を行った。カソードにはチタン製の板を用い、電解面積が7.5cm(7.5cm×1cm)となるよう絶縁テープにて加工した。
ここで、電解処理においては、電解液に硫黄粉末(単体硫黄:S)を添加して硫黄共存下にて行った。硫黄粉末としては、硫黄フレーク(硫黄品位:99%以上)を乳鉢にて、サイズが1μm~45μmの範囲に入るように粉末状に解砕したものを使用した。また、表2に示す「S/Cu当量(mol/mol)」とは、上記表1に示すアノード合金を電解溶出する際に流す積算電流量(A・h)から算出される理論上の銅イオン溶出量(mol)に対しての硫黄粉末の添加量(mol)を示す。なお、本試験例のように廃リチウムイオン電池に含まれる合金の場合、工業的にはその合金の主成分は銅となることから銅の理論溶出量を用いて算出した。
Figure 0006992691000002
(結果:硫黄粉末添加の有無及び当量比較)
表2に示す条件での電解溶出試験(試験例1~3)を行った。電解溶出後のアノード合金について、表面に付着したスライムをよく洗浄除去した後に重量を量り、電解処理前後の重量から溶出量を確認した。
また、電解槽内の固形物(硫黄粉末、カソード銅粉、アノードスライム)と電解後液とを、5Cの定量濾紙を用いた減圧による吸引濾過の処理によって固液分離し、固形物は真空乾燥後に重量を量り、澱物回収量を確認した。また、電解後液は、液量を確認した後、ICP分析装置を用いて各成分の濃度と溶出率を確認した。なお、各成分の溶出率(%)は、理論合金溶出量にそれぞれの品位を掛けた物量を100%として計算した。
上記表2に、それぞれの結果を併せて示す。表2に示すように、硫黄粉末を添加せずに電解処理を施した試験例1(基本条件)では、電解液中への銅の溶出率が60%(残りの40%はカソード銅粉として電析)であるのに対し、硫黄粉末を添加して電解処理を施した試験例2、3では、当量に関係なく電解液中への銅の溶出率が19%に低下した。
また、硫黄粉末の添加量が多い水準(試験例3:2.8当量)では、ニッケル及びコバルトの溶出率が100%を超え、アノード合金からニッケル及びコバルトが選択的に溶出されたことが分かる。このことは、硫黄粉末の共存下での電解処理により、アノード合金表面の銅と硫黄粉末とが反応して硫化銅が生成されるようになるため(上記式1)、銅の溶出が抑制されたとともに、銅の溶出の代わりにニッケル及びコバルトの溶出が選択的に進んだためであると考えられる。
このように、硫黄粉末を添加して電解処理を施すことにより、アノード合金からの銅の溶出を抑制できることが分かった。また、S/Cu当量(mol/mol)で表される硫黄粉末の添加量が多くなるほど、ニッケル及びコバルトの浸出が促進され、結果的にニッケル及びコバルトの選択浸出が可能となることが分かった。

Claims (3)

  1. 合金から、銅と、ニッケル及び/又はコバルトとを分離する方法であって、
    銅と、ニッケル及び/又はコバルトとを含有する合金をアノードとして用い、電解処理によって該アノードから金属イオンを電解液中に溶出させるに際し、該電解液に硫黄粉末を添加して行う、分離方法。
  2. 前記電解液への前記硫黄粉末の添加量は、前記電解処理において供給する電流量から算出される銅イオンの理論溶出量に対して1~3当量(S-mol/Cu-mol)の範囲である、請求項1に記載の分離方法。
  3. 前記電解液は、硫酸酸性溶液である、請求項1又は2に記載の分離方法。
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Citations (2)

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